JPS6018213B2 - 液相酸化重金属触媒の回収法 - Google Patents

液相酸化重金属触媒の回収法

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JPS6018213B2
JPS6018213B2 JP52037981A JP3798177A JPS6018213B2 JP S6018213 B2 JPS6018213 B2 JP S6018213B2 JP 52037981 A JP52037981 A JP 52037981A JP 3798177 A JP3798177 A JP 3798177A JP S6018213 B2 JPS6018213 B2 JP S6018213B2
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acid
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初太郎 山崎
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パラキシレン等のアルキルベンゼンを分子状
酸素含有ガスで液相酸化してテレフタル酸等の芳香族カ
ルボン酸を製造する方法に用いられたコバルトおよび/
またはマンガンからなる重金属酸化触媒を回収する方法
に係わるものであって、該重金属触媒をまず炭酸塩とし
て回収し、その炭酸塩をさらに精製して重金属触媒を高
純度で臭化物水溶液として回収する方法に関するもので
ある。
従来より、例えばテレフタル酸を工業的に製造する方法
として、パラキシレン等のアルキルベンゼンを、コバル
ト、マンガン等の重金属さらには臭素化合物などを触媒
とし、低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒として分子状酸
素含有ガスで液相酸化する方法が広く実施されている。
そして、この方法においては、生成テレフタル酸は反応
混合物から炉週、遠心分離等の手段によって分離、回収
され、続いてその母液から蒸留等の手段によって溶媒で
ある低級脂肪族モノカルボン酸が回収されている。また
、反応母液から溶媒である低級脂肪族モノカルボン酸を
回収した後に残留する反応母液残留物よりその中に含有
されているコバルト、マンガン等の重金属触媒を回収す
ることも行なわれている。この反応母液残留物から重金
属触媒を回収するに際しては次のような問題がある。
すなわち、反応母液残留物中には重金属触媒のほかに未
反応アルキルベンゼン、4ーカルボキシベンズアルデヒ
ドやパラトルィル酸のごとき反応中間体、構造不明の酸
化反応副生成物等の有機不純物が多量に含まれている。
また、上記テレフタル酸の製造法における反応液は腐食
性を有しているため、装置の腐食により鉄、クロム、ニ
ッケル、モリブデン、鉛、鋼等の装置材質含有金属が該
反応液に混入し、この混入金属もまた反応母液残蟹物中
に不純物として含有される。さらに、上記テレフタル酸
の製造法においては、装置の各機器、配管等の内壁にテ
レフタル酸が滞積して閉塞等のトラブルが発生すること
を防ぐために、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液による装
置内の洗練がよく行なわれるが、このアルカリ水溶液に
よる洗瓶に起因して反応液中にアルカリ金属が混入し、
この混入アルカリ金属を反応母液残留物中に不純物とし
て混入することがある。これらの不純物はいずれもアル
キルベンゼンの酸化反応を阻害し、テレフタル酸の品質
、収率の低下をもたらす原因となるものである。したが
って、反応母液残留物から重金属触媒を酸化反応に循環
使用するために回収するに際しては、回収重金属触媒中
にこれらの不純物が混入しないように回収することが重
要な問題となる。このため、従来より、酸化反応に有害
な不純物を含有することなくコバルト、マンガン等の重
金属触媒を反応母液残留物から回収するための方法とし
て、コバルト、マンガン等の重金属触媒を炭酸塩として
回収する種々の方法が提案されている。・例えば、特公
昭46−14339号‘こは、第1の方法として、反応
母液残留物を水で抽出処理し、固形状不純物を分離した
後、重金属触媒を含有する抽出液にアルカリを添加して
pHを4〜5に調整し、タール状副反応生成物を浮遊物
として、また鉄を塩基性酢酸鉄の沈澱として分離し、.
さらに炭酸アルカリを添加して重金属触媒を炭酸塩の沈
澱として分離回収する方法が、また第2の方法として、
反応母液残留物をアルカリ水溶液で処理して大半の有機
不純物を溶解し、重金属触媒を水酸化物あるいは炭酸塩
として固形状物に残留せしめ、重金属触媒を含む固形状
物を分離回収し、次いでその固形状物を塩酸、硝酸等の
錫酸に溶解した後、その溶液に酢酸イオンを含むpH調
整剤を加えてpHを4〜5に調整してタール状副反応生
成物を浮遊物として、また鉄を塩基性酢酸鉄の沈澱とし
て分離し、しかる後炭酸アルカリを添加して重金属触媒
を炭酸塩の沈澱として分離回収する方法が提案されてい
る。また、持開昭49−123191号には、反応母液
残留物を水で抽出処理するに際し、分子状酸素含有ガス
および硫黄化合物の存在下に該処理を行ない、有機不純
物をはじめ、鉄、クロム、金台、モリブデン、銅等の金
属不純物を固形状物となし、次いで固液分離することに
よって大部分の不純物を除去し、かくして得られた抽出
液に炭酸アルカリを添加して重金属触媒を純度よく炭酸
塩の沈澱として分離回収する方法が提案されている。こ
れら従釆提案されている特公昭46一1433y号の第
1の方法あるいは特開昭49一123191号の方法等
は、いずれも大部分の有機不純物を重金属触媒を水で抽
出することによって分離し、さらに抽出液中になお溶解
含有されている有機不純物をはじめとする炭酸アルカリ
溶液に可溶性の不純物を、回収する重金属触媒の炭酸塩
の沈澱から分離することを目的とした方法である。しか
しながら、抽出液中には反応母液残留物中に残存してい
た酢酸等の反応溶媒が含有されており、そのため抽出液
の分子状酸素含有ガスおよび硫黄化合物による処理ある
いはpH調整等によって除去したい不純物が固形状の分
離可能なものとなり難いことがある。また、特に有機不
純物は、反応母液残留物中の酢酸等の反応溶媒の残留量
およびアルカリ金属の混入量によって抽出液中へ溶解含
有される量が大きく左右される。そして、抽出液中に溶
解含有された不純物は、炭酸アルカリ溶液中で沈澱性の
ものは無論、溶解性のものでも、重金属触媒の炭酸塩の
沈澱は著しく微細な粒子であるため、十分な洗液を行な
っても重金属触媒の炭酸塩の沈澱粒子に包含ならびに吸
着されて完全に除去し難い。このような方法においては
定常的に高純度で重金属触媒を回収することは困難であ
る。また、特公昭46−1433計号の第2の方法にお
いても、反応母液残留物をアルカリ水溶液で処理し、重
金属触媒を水酸化物あるいは炭酸塩として回収するに当
り、アルカリ水溶液中で沈澱性のものは無論、溶解性の
ものでも重金属触媒の水酸化物あるいは炭酸塩の沈澱粒
子に包含および吸着されて完全に除去することは困難で
あり、またこの処理は反応母液残蟹物中に残存する酢酸
等の反応溶媒の量によって影響を受ける。そして、上記
のとおり、この処理によって分離回収された沈澱物は鉢
酸に再び溶解し、酢酸イオンを含むpH調整剤を加えて
pHを4〜5に調整されるが、この処理においても沈澱
粒子に包含および吸着されて混入した不純物を完全に除
去することは困難である。結局、この特公昭46−14
339号の第2の方法のような方法においても、定常的
に高純度で重金属触媒を回収することは困難である。そ
こで、本発明者等は、反応母液残留物から、その中の反
応溶媒の残存量の多少にか)わらず、定常的にかつ例え
ば直接重合用テレフタル酸の製造のために好適に供し得
るように高純度でコバルト、マンガン等の重金属触媒を
回収することを目的として鋭意研究した結果、次のこと
を見出した。
すなわち、反応母液残留物から一般に行なわれている方
法によって回収された重金属触媒の炭酸塩を臭化水素酸
にpHが2.5〜5.0になるように溶解し、その溶液
から生成した固形物を分離すれば、重金属触媒を臭化物
水溶液として定常的に高純度で回収し得て上記目的を達
し得ることを見出した。上記のごとくすれば、重金属触
媒の炭酸塩に包含、吸着されている不純物は不溶解物と
なって重金属触媒の臭化物水溶液から分離される。一般
に行なわれている重金属触媒を炭酸塩として回収する方
法における反応母液残留物から水で重金属触媒を抽出し
て得た抽出液では、存在する酢酸等の有機酸によって有
機酸々性かあるいはアルカリ金属の共存による緩衝作用
によって有機酸弱酸性となっており、上記のとおり不純
物の分離が不完全になりがちであり、また上記特公昭4
6一1433少号の第2の方法における重金属触媒を含
む沈澱物を鉱酸に溶解せした溶液においても、酢酸イオ
ンを含むpH調整剤が添加されるので酢酸イオン含有の
弱酸性溶液となって、上記のとおり不純物の分離が不完
全となりがちであり、結局回収される重金属触媒の炭酸
塩の沈澱は不純物を含有すること)なる。しかしながら
、本発明の重金属触媒の炭酸塩の沈澱を臭化水素酸に溶
解せしめる処理においては、炭酸ガスの発生と同時に若
干の臭素ガスが発生し、鉄、クロム等の重金属不純物は
酸化され、有機不純物も酸化、臭素化されていずれも不
溶解化され、そして処理溶液が酢酸イオンを含まないp
H2.5〜5.0の鍵酸々性であるのて;ほとんどの不
純物は沈澱固形化される。この処理では、処理溶液の餌
を2.5〜5.0の範囲に保持することが肝要であって
、不純物の内、無機物は酸性が強くなれば溶解し、また
有機物は弱酸性ないし中性に近ず〈にしたがって溶鰯性
が増し、これらの不純物の熔解性の最も少ないpH範囲
が上記範囲であるとを本発明者等は知見している。上記
処理において沈澱固形化された不純物を分離除去するこ
とによって、実質的に不純物を除去し得て、定常的に高
純度で臭化物水溶液として重金属触媒を回収することが
できる。また、本発明者等がさらに研究を進めたところ
、上記回収された重金属触媒の炭酸塩を臭化水素酸にp
Hが2.5〜5.0になるように溶解した後、必要に応
じ得られた溶液に、硫化水素、硫化ナトリウム、水硫化
ナトリウム、水硫化カリウムおよび水硫化アンモニウム
からなる群から選ばれた硫黄化合物を添加するか、また
は分子状酸素含有ガスの吹込みないし圧入を行なうか、
あるいはこの硫黄化合物の添加と分子状酸素含有ガスの
吹込みないし圧入の両者を行なえば、不純物の沈澱固形
化が一層促進され、臭化水素酸への熔解処理のみにては
沈澱固形化できなかった不純物も沈澱固形化させ得て、
一層高純度で定常的に重金属触媒を回収し得ることを見
出した。
0 したがって、本発明の要旨は、第1の発明として、
低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒とし分子状酸素含有ガ
スでアルキルベンゼンを液相酸化して芳香族カルボン酸
を製造するに際して用いられたコバルトおよび/または
マンガンからなる重金属タ触媒を炭酸塩として回収した
後、a)該炭酸塩を臭化水素酸に得られる溶液のpHが
2.5〜5.0となるように溶解し、b)次いで得られ
た溶液から生成した固形物を分離することを特徴とする
コバルトおよび/またはマンガンからなる液相酸化重金
属0触媒の回収法に存し、第2の発明として、上記第1
の発明方法において、重金属触媒の炭酸塩を臭化水素酸
に得られる溶液の−が2.5〜5.0となるように溶解
して得た溶液に、硫化水素、硫化ナトリウム、水流化ナ
トリウム、水硫化カリウムおよび水硫化アンモニウムか
らなる群から選ばれた硫黄化合物の添加および/または
分子状酸素含有ガスの吹込みにないし圧入を行ない、し
かる後該溶液から生成した固形物を分離することを特徴
とするコバルトおよび/またはマンガンからなる液相酸
化重金属触媒の回収法に存する。本発明の実施に当り、
重金属触媒を炭酸塩として回収する方法としては、低級
脂肪族モノカルポン酸を溶媒とし分子状酸素含有ガスで
アルキルベンゼンを液相酸化して芳香族カルボン酸を製
造するに際して用いられたコバルト、マンガン等の重金
属触媒を炭酸塩として回収し得る方法であれば特に制限
することなく採用し得る。
例えば、上記芳香族カルボン酸の製造の際の反応混合物
より生成芳香族カルボン酸および低級脂肪族モノカルボ
ン酸溶媒を除去して得られる反応母液残留物を水等の抽
出溶剤にて抽出処理し、得られた重金属触媒を含有する
抽出液に炭酸アルカリを加えて重金属触媒を炭酸塩とし
て回収する方法をはじめとし、上記持公昭46−143
3計号の第1の方法あるいは特関昭49−123191
号の方法のごとき、反応母液残留物からの重金属触媒含
有抽出液に不純物除去のための処理を施いた後該抽出液
から重金属触媒を炭酸塩として回収する方法、あるいは
上記特公昭46一1433y号の第2の方法のごとき、
反応母液残留物をまずアルカリ水溶液で処理し、残留固
形状物を鉱酸に溶解し、その溶液にさらに不純物除去の
ため処理を施し、しかる後談溶液から重金属触媒を炭酸
塩として回収する方法等を採用できる。.重金属触媒の
炭酸塩の回収方法として、例えば反応母液残留物からの
重金属触媒含有抽出液等重金属触媒を含有する溶液にさ
らに不純物の除去のための処理が施されることのない、
回収される重金属触媒の炭酸塩の不純物の除去精度の悪
いものに対して、本発明の効果が顕著に現われ、本発明
を好ましく適用できる。回収された重金属触媒の炭酸塩
は、次いで臭化水素酸に落籍される。
一般に、重金属触媒の炭酸塩は、低級脂肪族モノカルボ
ン酸をはじめ、硫酸等の種々の有機あるいは無機酸に溶
解することができるものであり、また重金属触媒の炭酸
塩を液相酸化反応の溶媒として用いられる酢酸等の低級
脂肪族モノカルボン酸に溶解し、重金属触媒をカルボン
酸塩の形として液相酸化反応に再使用することが一般に
行なわれている。しかしながら、低級脂肪族モノカルボ
ン酸のごとき有機酸は、重金属触媒の炭酸塩を溶解する
と共に該炭酸塩中に含有されている有機および無機の不
純物も非常によく溶解し、不純物の沈澱固形化を目的と
する溶媒としては不適当である。また、硫酸等の臭化水
素酸以外の無機酸の使用は、それらの無機酸が不純物と
して重金属触媒に混入することを意味し、このような無
機酸も本発明の目的を達する溶媒として不適当である。
それに対し、臭化水素酸は、前記のとおり重金属触媒の
炭酸塩中に含有されている不純物の酸化を促進し、該不
純物を沈澱固形化し除去するに有効であり、かつ得られ
た溶液を液相酸化反応に循環した場合該反応の反応促進
剤となり得るものであって不純物となるものではなく、
重金属触媒の炭酸塩を溶解し、不純物を沈澱固形化せし
める溶媒として最も適切なものである。回収された重金
属触媒の炭酸塩を臭化水素酸に溶解するには、一般に臭
化水素酸、すなわち臭化水素の水溶液を用い、燈拝しな
がらその水溶液中に重金属触媒の炭酸塩を溶解させる。
用いる水溶液の臭化水素の濃度は、特に制限する必要は
ないが、一般に数重量%以上、好ましくは20〜6の重
量%程度の濃度が適当であり、市販されている濃度40
〜4り重量%程度の臭化水素酸が入手の容易さと経済上
から好ましく用いられる。また、回収された重金属触媒
の炭酸塩は、その回収方法によって異なるが、通常60
〜95重量%程度の水が含有されており、このように水
分を含有している重金属触媒の炭酸塩については、ガス
状臭化水素を用い、これを含有されている水に吸収せし
めて該含有水を臭化水素酸となし、その臭化水素酸に重
金属触媒の炭酸塩を溶解させることも可能である。この
場合、必要に応じガス状臭化水素と共に臭化水素酸ある
いは水を併用することも可能である。かくして、得られ
る溶液のpHが2.5〜5.0の範囲に、好ましくは3
.0〜3.9の範囲になるまで重金属触媒の炭酸塩を溶
解せしめる。得られる溶液のpHを上記範囲にすべきこ
とは、得られた溶液のpHと、該溶液を、固形物の除去
等の処理を施した後、pーキシレンの液相酸化反応に使
用して得たテレフタル酸の分子吸光係数(ご380hム
)および色差b値の関係を示した第1図からも容易に理
解されよう。また、重金属触媒の炭酸塩を臭化水素酸に
溶解させるに当り、温度は、一般に常温で行なわれ、最
終的には溶解熱のため50午○前後程度まで上昇するが
、6ぴ0以下で行なうのが適当である。重金属触媒の炭
酸塩を臭化水素酸に溶解せしめて得た重金属触媒溶液は
、不純物の沈澱固形化が不充分である場合等必要に応じ
、さらに硫化水素、硫化ナトリウム、水硫化ナトmJウ
ム、水硫化カリウムおよび水硫化アンモニウムからなる
群から選ばれた硫黄化合物を添加して処理し、一層完全
に不純物の沈澱固形化が促進される。また、重金属触媒
に、硫黄化合物の添加処理に代えて、分子状酸素含有ガ
スの吹込みないし圧入を行ない、それによって不純物の
沈澱固形化を一層完全に促進させることも可能であり、
さらに硫黄化合物の添加と分子状酸素含有ガスの吹込み
ないし圧入の両処理を同時あるいは順次に行ない、より
一層完全に不純物の沈澱固形化を促進することも可能で
ある。硫黄化合物の添加処理に際しては、硫黄化合物の
添加量は、目的の不純物を沈澱固形化させるに必要な量
であれば十分であり、必要以上に多量添加すると不純物
と共に重金属触媒も硫化物となって沈澱固形化するため
好ましくないが、一般的にいって重金属触媒の金属とし
ての量に対してィオゥ換算で0.01〜1重量%、好ま
しくは0.02〜0.7重量%、さらに好ましくは0.
05〜0.3重量%程度が適当である。そして、硫黄化
合物は、重金属触媒中にできるだけ均一かつ速やかに分
散するように水等の不活性媒体で希釈して蝿拝しながら
添加するのが好ましい。また、分子状酸素含有ガスの吹
込みないし圧入処理に際しては、分子状酸素含有ガスと
して空気が好ましく用いられ、その吹込みないし圧入量
は重金属触媒溶液中に吸収される酸素量以上であればよ
く、十分な鷹梓を行なって余剰酸素流出が確認できる程
度であれば十分である。そして、圧力は、高いほど不純
物を沈澱固形化する効果が短時間で得られるが、処理容
器の耐圧性等を考慮して、常圧〜10k9ノ地G程度が
適当である。硫黄化合物の添加処理または分子状酸素含
有ガスの吹込みないし圧入処理において、処理時間は一
般に3ひげ以上が適当であり、処理温度は常温〜600
0程度が適当である。硫黄化合物の添加処理と分子状酸
素含有ガスの吹込みないし圧入処理のいずれを行なうか
、あるいはこの両処理を行なうかは、重金属触媒溶液に
含有されている不純物の種類と量に応じ適宜選択される
。硫黄化合物の添加処理は、主として鉛、モリブデン、
銅、タングステン、亜鉛、カドミウムのごとき不物の沈
澱固形化に効果があり、分子状酸素含有ガスの吹込みな
いし圧入処理は、主として鉄、クロムのごとき不純物の
沈澱固形化に効果がある。上記のごとき硫黄化合物の添
加処理および/または分子状酸素含有ガスの吹込みない
し圧入処理を行なった後、あるいは行なうことなく、次
いで重金属触媒溶液は、その中の沈澱固形物を分離する
ために固液分離される。
この固液分離は、通常炉過方法によるのが適当であるが
、沈澱固形物は少量であるうえ微細であってしかも粘着
性をもった有機物を含有しているので、プレコート式の
炉過機あるいは糠結金属、セラミック等の炉材を装着し
た炉過機を用いるのが好ましい。固液分離した後の重金
属触媒溶液は、そのま)アルキルベンゼンの液相酸化反
応に使用してもよく、あるいは該溶液の水分含有量が多
過ぎる場合は濃縮等を行なって水分を除去した後液相酸
化反応に使用してもよい。
本発明によれば、コバルト、マンガン等の重金属触媒を
、臭化物水溶液として、定常的に高純度で工業的に容易
に回収することができ、また得られる溶液においては、
重金属触媒は化学量論的に臭化物となり、該溶液のpH
値によって重金属触媒と臭素の割合が再現性よくほゞ一
定値となるので、重金属触媒の含有量を定量するのみに
て臭素の含有量を測定することなく知り得るという取扱
い上の利点もある。
以下実施例および比較例によりさらに本発明を説明する
実施例および比較例において用いた部および%は特記し
ない限り重量部および重量%を意味する。実施例 1 A 触媒として臭化コバルトおよび臭化マンガン(コバ
ルト金属に対するマンガン金属の割合は5.0%)を使
用し、酢酸を溶媒としてパラキシレンを液相酸化して高
純度テレフタル酸を製造した後、さらに該反応母液を用
いて粗製テレフタル酸(4ーカルボキシベンズアルデヒ
ド含有量0.13%、色差b値4.3)を製造し、次い
で該反応母液を蒸留して酢酸を回収し反応母液残留物を
得た。
得られた反応母液残留物に水を加え、加熱蝿梓処理を行
ない、圃液分離を行なって触媒抽出液を得た。
次いで、この触媒抽出液を炭酸ナトリウム水溶液に蝿拝
しながら加え、炭酸塩の沈澱を生成せしめ、しかる後固
液分離および水による洗糠を行なってコバルトおよびマ
ンガン触媒金属の炭酸塩を分離ケークとして取得した。
この得られた炭酸塩ケーク中の触媒重金属およびその他
の金属の含有量は第1表のとおりであつた。弟 1 表 次いで、臭化水素酸(臭化水素濃度47%の水溶液)5
0戊部を鷹梓機付き容器にあうかじめ張込み、それに蝿
拝しながら上記炭酸塩ケークをpHが3.9となるまで
投入した。
それに要した炭酸塩ケークは481部であった。また、
炭酸塩ケークの投入は室温で開始したが、投入終了時は
反応熱のため約40qCになっていた。l′かる後、得
られた溶液に0.5%水疏水ナトリウム水溶液4礎郭を
溜拝しながら添加し、さらに2時間鷹拝を続けた。
そして、あらかじめ珪藻土で約1仇厭プレコートした炉
布で該溶液を炉遇したのち、プレコートと共に分離され
た沈澱を少量の水で洗練し、1012部の触媒溶液を得
た。得られた触媒溶液中の触媒ならびに他の金属の含有
量は第2表のとおりであった。第 2 表 B 還流冷却装置、縄洋装層、加熱装置および原料送入
口、ガス導入口、反応物排出口を有する内容積40その
チタン製耐圧反応器に酢酸12k9および上記で得られ
た触媒溶液をコバルト金属が酢酸に対し0.12%とな
るよう張込み、不活性ガスを封入して19000,20
k9/地まで昇温、昇圧した。
そして、温度が190o0に達したのち、空気およびパ
ラキシレンの張込みを開始し、パラキシレンは2.0k
9/Hr、空気はパラキシレン★1群当り4.2その割
合で90分間送入して反応を行なつた。反応終了後、反
応生成物を抜出して間液分離し、固体分を酢酸で洗濃し
たのち乾燥し、ナレフタル酸を得た。
得られたテレフタル酸の性状は第3表のとおりであり、
新しい臭化コバルトおよび臭化マンガンを用いて上言己
と同様の反応を行なって得たテレフタル酸の性状と全く
同等であった。第 3 表 実施例2〜7および比較例1,2 実施例1の方法において、臭化水素酸に炭酸塩ケークを
投入溶解させるに際し、炭酸塩ケークを第4表に示す各
pH値になるまで溶解させた以外実施例1の方法と同様
にして触媒溶液を得、その触媒溶液を用いてテレフタル
酸を得た。
得られた触媒溶液中の金属含有量および得られたテレフ
タル酸の性状は第4表のとおりであった。実施例 8 実施例1の方法において、水硫化ナトリウム水溶液の添
加を行なわなかった以外実施例1と同様にして触媒溶液
を得、その触媒溶液を用いてテレフタル酸を得た。
得られた触媒溶液中の金属含有量および得られたテレフ
タル酸の性状は第4表のとおりであった。実施例 9 実施例1の方法において、水硫化ナトリウム水*溶液の
添加に代えて空気を12そ/Hrの割合で1時間蝿拝し
ながら吹込んだ以外実施例1と同様にして触媒溶液を得
、その触媒溶液を用いてテレフタル酸を得た。
得られた触媒溶液中の金属含有量および得られたテレフ
タル酸の性状は第4表のとおりであった。実施例 10 実施例1の方法において、臭化水素酸に炭酸塩ケークを
溶解せしめて得た溶液に、実施例1と同様に水硫化ナト
リウム水溶液を添加すると共に空気を12夕/Hrの割
合で1時間吹込んだ以外実施例1と同様にして触媒溶液
を得、その触媒溶液を用いてテレフタル酸を得た。
得られた触媒溶液中の金属含有量および得られたテレフ
タル酸の性状は第4表のとおりであった。第 4 表 実施例 11,12 実施例1の方法において、水硫化ナトリウム水溶液に代
えて0.2%硫化水素水溶液(実施例11)または0.
5%硫化ナトリウム水溶液(実施例12)を6$部添加
した以外実施例1と同様にして触媒溶液を得た。
得られた触媒溶液中の金属含有量は第5表のとおりであ
った。第 5 表実施例 13 実施例1の方法において、触媒として臭化コバルトに代
えて酢酸コバルトを、臭化マンガンに代えて酢酸マンガ
ンをそれぞれ用い、かつ臭化水素酸(臭素としてコバル
ト金属に対し、2.8倍)を用いた以外は実施例1の方
法と同様にして、高純*度テレフタル酸および粗製テレ
フタル酸を製造した後の反応母液から反応母液残留物を
得、該反応母液残留物からコバルトおよびマンガン触媒
金属の炭酸塩を分離ケークとして取得したところ、該炭
酸塩ケーク中の触媒金属およびその他の金属の含有量は
第6表のとおりであった。
第 6 表 次いで実施例1の方法と同様にして、上記炭酸塩ケーク
を臭化水素酸に溶液のpHが3.9となるまで溶解させ
、得られた溶液に0.5%水硫化ナトリウム水溶液を加
えて2時間鷹梓を続け、しかる後・※該溶液から炉週に
よって沈澱を除去して触媒溶液を得たところ、該触媒溶
液中の触媒金属およびその他の金属の含有量は第7表の
とおりであった。
第 7 表実施例14、15 実施例1の方法において、0.5%水硫化ナトリウム水
溶液に代えて0.5%水硫化カリウム水溶液(実施例1
4)または0.5%水流化アンモニウム水溶★液(実施
例15)を用いた以外実施例1と同様にして触媒溶液を
得たところ、該触媒溶液中の触媒金属およびその他の金
属の含有量は第8表のとおりであった。
第 8 表
【図面の簡単な説明】
第1図は、重金属触媒の炭酸塩を臭化水素酸に溶解させ
て得た溶液のpHと、該溶液を、固形物の除去等の処理
を施した後、触媒として用いてパラキシレンを液相酸化
して得たテレフタル酸の分子吸光係数および色素b値の
関係の例を示したものである。 牙J図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒とし分子状酸素含
    有ガスでアルキルベンゼンを液相酸化して芳香族カルボ
    ン酸を製造するに際して用いられたコバルトおよび/ま
    たはマンガンからなる重金属触媒を炭酸塩として回収し
    た後、a)該炭酸塩を臭化水素酸に得られる溶液のpH
    が2.5〜5.0となるように溶解し、b)次いで得ら
    れた溶液から生成した固形物を分離することを特徴とす
    るコバルトおよび/またはマンガンからなる液相酸化重
    金属触媒の回収法。 2 低級脂肪族モノカルボン酸を溶媒とし分子状酸素含
    有ガスでアルキルベンゼンを液相酸化して芳香族カルボ
    ン酸を製造するに際して用いられたコバルトおよび/ま
    たはマンガンからなる重金属触媒を炭酸塩として回収し
    た後、a)該炭酸塩を臭化水素酸に得られる溶液のpH
    が2.5〜5.0となるように溶解し、b)得られた溶
    液に、硫化水素、硫化ナトリウム、水硫化カリウムおよ
    び水硫化アンモニウムからなる群から選ばれた硫黄化合
    物の添加および/または分子状酸素含有ガスの吹込みな
    いし圧入を行ない、c)しかる後該溶液から生成した固
    形物を分離することを特徴とするコバルトおよび/また
    はマンガンからなる液相酸化重金属触媒の回収法。
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