JP2001520218A - ジアリールジサルファイドの水素化によるアリールメルカプタンの製造方法 - Google Patents
ジアリールジサルファイドの水素化によるアリールメルカプタンの製造方法Info
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- JP2001520218A JP2001520218A JP2000516944A JP2000516944A JP2001520218A JP 2001520218 A JP2001520218 A JP 2001520218A JP 2000516944 A JP2000516944 A JP 2000516944A JP 2000516944 A JP2000516944 A JP 2000516944A JP 2001520218 A JP2001520218 A JP 2001520218A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C319/00—Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
- C07C319/02—Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols
- C07C319/06—Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols from sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
Abstract
(57)【要約】
本発明は、ジアリールジサルファイドの接触水素化によるアリールチオールの特に有利な製造方法に関する。本発明によれば、水素化は塩基性アルコール媒体中で行われる。
Description
【0001】 本発明は、ジアリールサルファイドの水素化によるアリールメルカプタンの特
に有利な製造方法に関する。
に有利な製造方法に関する。
【0002】 アリールメルカプタンは、医薬及び農薬として活性な化合物を製造するのに重
要な中間体である(例えば、EP−A 100 172、BE−A 887 4
23、US−A 3 912 757及びWO 96/25 936を見られた
い)。
要な中間体である(例えば、EP−A 100 172、BE−A 887 4
23、US−A 3 912 757及びWO 96/25 936を見られた
い)。
【0003】 アリールメルカプタンの有用な製造方法は、アリールスルホニルクロライドを
亜硫酸ナトリウムによりアリールスルフィン酸塩に還元し、更に硫酸によりジア
リールジサルファイドに還元し、最後にナトリウムボロハイドライドによりジサ
ルファイドを開裂させる反応シーケンスからなる(DE−A 44 20 77
7)。ここで不満足なのは、良好な収率で進行せず、合成が困難で、高価である
試剤のナトリウムボロハイドライドを必要とするナトリウムボロハイドライドに
よるジサルファイドの開裂である。
亜硫酸ナトリウムによりアリールスルフィン酸塩に還元し、更に硫酸によりジア
リールジサルファイドに還元し、最後にナトリウムボロハイドライドによりジサ
ルファイドを開裂させる反応シーケンスからなる(DE−A 44 20 77
7)。ここで不満足なのは、良好な収率で進行せず、合成が困難で、高価である
試剤のナトリウムボロハイドライドを必要とするナトリウムボロハイドライドに
よるジサルファイドの開裂である。
【0004】 ジアリールジサルファイドの接触水素化開裂も既に記述されている。しかしな
がら、これらは、常に高温高圧で進行するか、あるいは他の不利な手段を必要と
する。かくして、J.Org.Chem.24,1598(1959)によれば
、この反応は、トルエン中、MoS2−酸化アルミニウム触媒を用い、140℃ 及び124バールで行われる。DE−A 17 68 421には、160から
200℃及び150バールにおけるパラジウム接触及びラネーコバルトによるこ
の還元が記述されている。JP−A(日本公開明細書)60 199 871に
よれば、この還元は、2相、すなわち、水/アルカリ及び水不溶の有機相からな
る不均一溶媒系中、ラネーニッケルを用いて行われる。
がら、これらは、常に高温高圧で進行するか、あるいは他の不利な手段を必要と
する。かくして、J.Org.Chem.24,1598(1959)によれば
、この反応は、トルエン中、MoS2−酸化アルミニウム触媒を用い、140℃ 及び124バールで行われる。DE−A 17 68 421には、160から
200℃及び150バールにおけるパラジウム接触及びラネーコバルトによるこ
の還元が記述されている。JP−A(日本公開明細書)60 199 871に
よれば、この還元は、2相、すなわち、水/アルカリ及び水不溶の有機相からな
る不均一溶媒系中、ラネーニッケルを用いて行われる。
【0005】 これらの工程を低圧及び低温で行うと、転化は不完全となる(比較例1及び2
を見られたい)。
を見られたい)。
【0006】 ここで、本発明者らは、 水素化が塩基性アルコール媒体中で行われることを
特徴とする、ジアリールジサルファイドの接触水素化によるアリールメルカプタ
ンの製造方法を見出した。
特徴とする、ジアリールジサルファイドの接触水素化によるアリールメルカプタ
ンの製造方法を見出した。
【0007】 本発明の方法によれば、例えば式(I)
【0008】
【化3】
【0009】 (式中、R及びR'はお互いに独立に水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコ キシまたはハロゲンを表す) のアリールメルカプタンが、式(II)
【0010】
【化4】
【0011】 (式中、R及びR'は式(I)に定義されたようなものである) の対応するジアリールジサルファイドから製造されることが可能である。
【0012】 式(I)及び(II)において、R及びR'はお互いに独立に水素、メチル、エ チル、メトキシ、エトキシ、フッ素または塩素を表す。特に好ましくは、R及び
R'は水素を表す。
R'は水素を表す。
【0013】 出発物質として必要とされるジアリールジサルファイド、特に式(II)のジア
リールジサルファイドは、種々の経路により、例えばDE−A 44 20 7
77により得られる。ここで特に興味があるのは、S−(4−ビフェニル)ース
ルフィン酸及びその塩を2から7のpHで重亜硫酸塩水溶液と反応させて、S−
(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩を得、それを強酸水溶液の存在下で加
熱する方法である。この方法は、同一出願人により同時に提出されたもう一つの
特許出願において更に詳細に記述されている。
リールジサルファイドは、種々の経路により、例えばDE−A 44 20 7
77により得られる。ここで特に興味があるのは、S−(4−ビフェニル)ース
ルフィン酸及びその塩を2から7のpHで重亜硫酸塩水溶液と反応させて、S−
(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩を得、それを強酸水溶液の存在下で加
熱する方法である。この方法は、同一出願人により同時に提出されたもう一つの
特許出願において更に詳細に記述されている。
【0014】 本発明により必要とされるアルコール媒体を形成するのに好適な溶媒は、例え
ば直鎖あるいは分岐である脂肪族C1−C5アルコールである。これらは、1級、
2級あるいは3級アルコールであってよい。好ましいのは、メタノール、エタノ
ール及びイソプロパノールである。このアルコール媒体は、また、場合によって
は、例えば20重量%迄、好ましくは10重量%迄の水を含んでなる。それゆえ
、例えば、ジアリールジサルファイドを乾燥した形で使用することは必要ない。
ジアリールジサルファイドは、製造中に得られる水で濡れた生成物の形で充分に
使用され得る。アルコール媒体として異なるアルコールの混合物を使用すること
も可能である。
ば直鎖あるいは分岐である脂肪族C1−C5アルコールである。これらは、1級、
2級あるいは3級アルコールであってよい。好ましいのは、メタノール、エタノ
ール及びイソプロパノールである。このアルコール媒体は、また、場合によって
は、例えば20重量%迄、好ましくは10重量%迄の水を含んでなる。それゆえ
、例えば、ジアリールジサルファイドを乾燥した形で使用することは必要ない。
ジアリールジサルファイドは、製造中に得られる水で濡れた生成物の形で充分に
使用され得る。アルコール媒体として異なるアルコールの混合物を使用すること
も可能である。
【0015】 1モルのジアリールジサルファイド基準で、例えば200から10,000m
lのアルコールを使用することが可能である。この量は、好ましくは500から
5000mlである。
lのアルコールを使用することが可能である。この量は、好ましくは500から
5000mlである。
【0016】 アルコール媒体に塩基性を生起する好適な試剤は、例えばアルカリ金属水酸化
物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属アルコキサイド、特にC1−C4アル
キルアルコキサイドまたは対応するアルカリ土類金属化合物である。好ましいの
は、アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムである。
物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属アルコキサイド、特にC1−C4アル
キルアルコキサイドまたは対応するアルカリ土類金属化合物である。好ましいの
は、アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムである。
【0017】 1モルのジアリールジサルファイド基準で、例えば0.5から5等量の塩基を
使用することが可能である。この量は、好ましくは1.5から2.5等量である
。
使用することが可能である。この量は、好ましくは1.5から2.5等量である
。
【0018】 本発明による好適な水素化用触媒は、元素の周期律表の8族遷移金属、特にニ
ッケル及びパラジウムである。これらの金属はそのままで、あるいは金属化合物
として使用され得る。金属または金属化合物は、場合によっては活性化カーボン
、酸化アルミニウム、アルカリ土類金属炭酸塩またはアルカリ土類金属硫酸塩等
のキャリア材料上に載せられる。この触媒は他の金属または金属化合物、例えば
、元素の周期律表の4族または8族遷移金属によりドーピングされることもある
。これらは、骨格触媒の形で、例えばラネーの形で存在することもできる。好ま
しい触媒は、カーボン上のパラジウム、パラジウムブラック、ラネーニッケル及
びコバルト及び/または鉄によりドーピングされたラネーニッケルである。特に
好ましいのは、ラネーニッケルである。
ッケル及びパラジウムである。これらの金属はそのままで、あるいは金属化合物
として使用され得る。金属または金属化合物は、場合によっては活性化カーボン
、酸化アルミニウム、アルカリ土類金属炭酸塩またはアルカリ土類金属硫酸塩等
のキャリア材料上に載せられる。この触媒は他の金属または金属化合物、例えば
、元素の周期律表の4族または8族遷移金属によりドーピングされることもある
。これらは、骨格触媒の形で、例えばラネーの形で存在することもできる。好ま
しい触媒は、カーボン上のパラジウム、パラジウムブラック、ラネーニッケル及
びコバルト及び/または鉄によりドーピングされたラネーニッケルである。特に
好ましいのは、ラネーニッケルである。
【0019】 本発明による接触水素化は、例えば20から200℃の温度及び50バール迄
の圧力で行われる。好ましいのは、40から150℃の温度及び25バール迄の
圧力、特に60から120℃の温度及び15バール迄の圧力である。
の圧力で行われる。好ましいのは、40から150℃の温度及び25バール迄の
圧力、特に60から120℃の温度及び15バール迄の圧力である。
【0020】 本発明による水素化後に存在する反応混合物の仕上げは、例えば、20から6
5℃に冷却し、触媒を例えば濾過により分離し、製造されたアリールメルカプタ
ンの生成アルコール溶液を酸及び、適当ならば水により処理し、沈殿生成物を濾
別、乾燥することにより行われる。
5℃に冷却し、触媒を例えば濾過により分離し、製造されたアリールメルカプタ
ンの生成アルコール溶液を酸及び、適当ならば水により処理し、沈殿生成物を濾
別、乾燥することにより行われる。
【0021】 本発明の方法を用いて、アリールメルカプタン、特に式(I)のジアリールメ
ルカプタンを良好な収率と純度で製造することが可能である。
ルカプタンを良好な収率と純度で製造することが可能である。
【0022】 本発明による方法は驚くべき利点を有する。かくして、この方法は製造が困難
ないかなる試剤も必要としない。
ないかなる試剤も必要としない。
【0023】 この方法は他の方法よりもより低温及び特により低圧で行われ、これは装置及
び取り扱いについて少ない経費を意味する。最後に、並存する2つの液相を持つ
複雑な方法は回避される。ここで特に驚くべきことは、Houben−Weyl
,Methoden der organischen Chemie,IX巻,
77頁(1955)から、塩基性媒体中では、ジサルファイドはスルフィン酸塩
とチオールに不均化を受けることが既知であるという事実である。これ迄は、水
不溶の溶媒を用いてこの望ましくない反応を抑制することが試みられた。驚くべ
きことには、これは必要ないことが見出された。
び取り扱いについて少ない経費を意味する。最後に、並存する2つの液相を持つ
複雑な方法は回避される。ここで特に驚くべきことは、Houben−Weyl
,Methoden der organischen Chemie,IX巻,
77頁(1955)から、塩基性媒体中では、ジサルファイドはスルフィン酸塩
とチオールに不均化を受けることが既知であるという事実である。これ迄は、水
不溶の溶媒を用いてこの望ましくない反応を抑制することが試みられた。驚くべ
きことには、これは必要ないことが見出された。
【0024】
実施例1 0.3lのステンレスオートクレーブ中に、0.1モルのビス−(4−ジフェ
ニル)ジサルファイドを220gのエタノール中の8gの水酸化ナトリウムの溶
液に懸濁し、1gのラネーニッケルと混合した。このバッチを10バールの水素
を用いて、80℃で水素化した。水素の吸収が終わった後、混合物を冷却し、放
圧した。触媒を60℃で濾別し、混合物を150mlの水で希釈し、20mlの
塩酸水溶液(37重量%の濃度)を用いてpHを1に調節した。沈殿生成物を吸
引濾別し、水で洗滌した。乾燥すると、95.7重量%の含量の35.1gの4
メルカプト−ジフェニルが得られた。これは、理論の90.2%の収率に相当す
る。
ニル)ジサルファイドを220gのエタノール中の8gの水酸化ナトリウムの溶
液に懸濁し、1gのラネーニッケルと混合した。このバッチを10バールの水素
を用いて、80℃で水素化した。水素の吸収が終わった後、混合物を冷却し、放
圧した。触媒を60℃で濾別し、混合物を150mlの水で希釈し、20mlの
塩酸水溶液(37重量%の濃度)を用いてpHを1に調節した。沈殿生成物を吸
引濾別し、水で洗滌した。乾燥すると、95.7重量%の含量の35.1gの4
メルカプト−ジフェニルが得られた。これは、理論の90.2%の収率に相当す
る。
【0025】 比較例1 水酸化ナトリウムを添加しないことを除いて、水素化を実施例1におけるよう
に行った。水素の吸収はなかった。反応混合物を仕上げると、出発物質のみが回
収された。
に行った。水素の吸収はなかった。反応混合物を仕上げると、出発物質のみが回
収された。
【0026】 比較例2(JP−A(日本公開明細書)60 199 871に類似) 100mlのトルエンと150mlの水中の8gの水酸化ナトリウムの溶液の
2相系に38.4gのビス−(4−ジフェニル)ジサルファイドを懸濁した。こ
の混合物を1gのラネーニッケルと混合し、このバッチを80℃、10バールで
水素化した。4時間後、水素の吸収が止まった。混合物を冷却し、バッチを放圧
した。
2相系に38.4gのビス−(4−ジフェニル)ジサルファイドを懸濁した。こ
の混合物を1gのラネーニッケルと混合し、このバッチを80℃、10バールで
水素化した。4時間後、水素の吸収が止まった。混合物を冷却し、バッチを放圧
した。
【0027】 触媒に加えて、反応混合物は、また、未反応のビス−(4−ジフェニル)ジサ
ルファイドを固体として含んでいた。濃縮後、ビス−(4−ジフェニル)ジサル
ファイドはトルエン相にも見られた。水相を37重量%の濃度の塩酸水溶液によ
り酸性とし、沈殿生成物を吸引濾別し、100mlの水で洗滌した。乾燥すると
、93.6重量%の含量の21.4gの4−メルカプトジフェニルが得られた。
これは、理論の53.8%の収率に相当する。
ルファイドを固体として含んでいた。濃縮後、ビス−(4−ジフェニル)ジサル
ファイドはトルエン相にも見られた。水相を37重量%の濃度の塩酸水溶液によ
り酸性とし、沈殿生成物を吸引濾別し、100mlの水で洗滌した。乾燥すると
、93.6重量%の含量の21.4gの4−メルカプトジフェニルが得られた。
これは、理論の53.8%の収率に相当する。
【0028】 実施例2 溶媒としてエタノールの代わりにメタノールを使用したことを除いて、水素化
を実施例1におけるように行った。97.1重量%の含量の37.1gの4−メ
ルカプトジフェニルが得られた。これは、理論の96.7%の収率に相当する。
を実施例1におけるように行った。97.1重量%の含量の37.1gの4−メ
ルカプトジフェニルが得られた。これは、理論の96.7%の収率に相当する。
【0029】 実施例3 溶媒としてエタノールの代わりにイソプロパノールを使用したことを除いて、
水素化を実施例1におけるように行った。81.7重量%の含量の31.8gの
4−メルカプトジフェニルが得られた。これは、理論の69.8%の収率に相当
する。
水素化を実施例1におけるように行った。81.7重量%の含量の31.8gの
4−メルカプトジフェニルが得られた。これは、理論の69.8%の収率に相当
する。
【0030】 実施例4 水素化に湿ったフィルターケーキ(276g)の形で使用したことを除いて、
189gのビス−(4−ジフェニル)ジサルファイドを実施例5におけるように
製造した。この目的に、湿ったフィルターケーキを800gのエタノール中に懸
濁し、44gの水酸化ナトリウムと5.5gのラネーニッケルと混合した。この
混合物をオートクレーブ中80℃に加熱し、10バールの水素圧を加えた。4時
間後、水素の吸収が止まった。バッチを冷却し、放圧した。触媒を60℃で濾別
し、次に、濾液を840mlの5.4重量%の濃度の塩酸水溶液を用いて酸性と
した。酸性とすると、生成物が沈殿した。生成物を吸引濾別し、250mlの水
で洗滌し、乾燥した。110から112℃の融点を持つ178.8gの白色粉末
を得た。4−メルカプトジフェニル含量は91.8重量%(ヨードメトリーによ
り定量)であった。最初に使用されたジフェニル−4−スルホニルクロライド基
準で、理論の80.1%の収率が得られた。
189gのビス−(4−ジフェニル)ジサルファイドを実施例5におけるように
製造した。この目的に、湿ったフィルターケーキを800gのエタノール中に懸
濁し、44gの水酸化ナトリウムと5.5gのラネーニッケルと混合した。この
混合物をオートクレーブ中80℃に加熱し、10バールの水素圧を加えた。4時
間後、水素の吸収が止まった。バッチを冷却し、放圧した。触媒を60℃で濾別
し、次に、濾液を840mlの5.4重量%の濃度の塩酸水溶液を用いて酸性と
した。酸性とすると、生成物が沈殿した。生成物を吸引濾別し、250mlの水
で洗滌し、乾燥した。110から112℃の融点を持つ178.8gの白色粉末
を得た。4−メルカプトジフェニル含量は91.8重量%(ヨードメトリーによ
り定量)であった。最初に使用されたジフェニル−4−スルホニルクロライド基
準で、理論の80.1%の収率が得られた。
【0031】 実施例5(ビス−(4−ジフェニル)ジサルファイドの製造ー本発明によらな い) 最初に、400mlの39重量%の濃度の重亜硫酸塩液と550mlの水を1
25mlの水酸化ナトリウム水溶液(45重量%の濃度)と共に充填し、2.2
gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドと混合した。この混合物を60
℃に加熱した。1時間のうちに、289.5gのジフェニル−4−スルホニルク
ロライド(96重量%の濃度)を入れ、同時に45重量%の濃度の水酸化ナトリ
ウム水溶液を計量添加することにより反応混合物のpHを8に維持した。3時間
の追加の撹拌時間の間、同様に、水酸化ナトリウム溶液を計量添加することによ
りpHを一定に保った。3lのほうろうオートクレーブ中、反応混合物を80m
lの二酸化イオウと混合し、130℃で3時間加熱した。このバッチを130℃
及び4.4と6.9バールの間の圧力で6時間撹拌した。このバッチを引き続い
て室温に冷却し、放圧した。得られた懸濁液を吸引濾別した。フィルターケーキ
を乾燥した。237.4gのビスジフェニルジサルファイドの78.3重量%の
含量の固体が得られた。これは、理論の91.2%の収率に相当する。
25mlの水酸化ナトリウム水溶液(45重量%の濃度)と共に充填し、2.2
gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドと混合した。この混合物を60
℃に加熱した。1時間のうちに、289.5gのジフェニル−4−スルホニルク
ロライド(96重量%の濃度)を入れ、同時に45重量%の濃度の水酸化ナトリ
ウム水溶液を計量添加することにより反応混合物のpHを8に維持した。3時間
の追加の撹拌時間の間、同様に、水酸化ナトリウム溶液を計量添加することによ
りpHを一定に保った。3lのほうろうオートクレーブ中、反応混合物を80m
lの二酸化イオウと混合し、130℃で3時間加熱した。このバッチを130℃
及び4.4と6.9バールの間の圧力で6時間撹拌した。このバッチを引き続い
て室温に冷却し、放圧した。得られた懸濁液を吸引濾別した。フィルターケーキ
を乾燥した。237.4gのビスジフェニルジサルファイドの78.3重量%の
含量の固体が得られた。これは、理論の91.2%の収率に相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4H006 AA02 AC63 BA02 BA06 BA17 BA28 BA29 BA32 BB14 BB31 BB45 BC10 BC11 BC34 BE20 TA04 4H039 CA60 CB40 CD60
Claims (10)
- 【請求項1】 水素化を塩基性アルコール媒体中で行うことを特徴とする、
ジアリールサルファイドの接触水素化によるアリールメルカプタンの製造方法。 - 【請求項2】 式(I) 【化1】 (式中、R及びR'はお互いに独立に水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコ キシまたはハロゲンを表す) のアリールメルカプタンが式(II) 【化2】 (式中、R及びR'は式(I)に定義されたようなものである) の対応するジアリールジサルファイドから製造されることを特徴とする請求項1
に記載の方法。 - 【請求項3】 アルコール媒体を形成するのに使用される溶媒が脂肪族C1 −C5アルコールであることを特徴とする請求項1及び2に記載の方法。
- 【請求項4】 アルコール媒体が20重量%迄の水を含んでなることを特徴
とする請求項1から3に記載の方法。 - 【請求項5】 アルコール媒体に塩基性を生起するのに使用される試剤がア
ルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属アルコキサイドま
たは対応するアルカリ土類金属化合物であることを特徴とする請求項1から4に
記載の方法。 - 【請求項6】 1モルのジアリールジサルファイド当たり0.5から5等量
の塩基が使用されることを特徴とする請求項1から5に記載の方法。 - 【請求項7】 使用される触媒が元素の周期律表の8族遷移金属の金属であ
ることを特徴とする請求項1から6に記載の方法。 - 【請求項8】 接触水素化が20から200℃の温度及び50バール迄の圧
力で行われることを特徴とする請求項1から7に記載の方法。 - 【請求項9】 接触水素化が40から150℃の温度及び25バール迄の圧
力で行われることを特徴とする請求項1から8に記載の方法。 - 【請求項10】 水素化を行った後に存在する反応混合物が、冷却し、触媒
を分離し、製造されたアリールメルカプタンの生成したアルコール溶液を酸によ
り処理し、沈殿生成物を濾別、乾燥して、仕上げられることを特徴とする請求項
1から9に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE19746512A DE19746512A1 (de) | 1997-10-22 | 1997-10-22 | Verfahren zur Herstellung von Arylmercaptanen durch Hydrierung von Diaryldisulfiden |
DE19746512.9 | 1997-10-22 | ||
PCT/EP1998/006450 WO1999020602A1 (de) | 1997-10-22 | 1998-10-12 | Verfahren zur herstellung von arylmercaptanen durch hydrierung von diaryldisulfiden |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001520218A true JP2001520218A (ja) | 2001-10-30 |
Family
ID=7846194
Family Applications (1)
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