JP2001520220A - S−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩、その製造方法及び4−メルカプトビフェニルの製造 - Google Patents

S−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩、その製造方法及び4−メルカプトビフェニルの製造

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JP2001520220A
JP2001520220A JP2000516946A JP2000516946A JP2001520220A JP 2001520220 A JP2001520220 A JP 2001520220A JP 2000516946 A JP2000516946 A JP 2000516946A JP 2000516946 A JP2000516946 A JP 2000516946A JP 2001520220 A JP2001520220 A JP 2001520220A
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ウルリヒ,フリードリヒ−ビルヘルム
フイーゲ,ヘルムート
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バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C319/00Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
    • C07C319/02Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols
    • C07C319/06Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols from sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C381/00Compounds containing carbon and sulfur and having functional groups not covered by groups C07C301/00 - C07C337/00
    • C07C381/02Thiosulfates

Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩に関し、S−(4−ビフェニル)−スルフィン酸及びその塩からそれらを製造する方法に関し、及びS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩からの4−メルカプトビフェニルを製造する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、新規なS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩に関し、S−
(4−ビフェニル)−スルフィン酸及びその塩から出発してそれを製造する方法
に関し、S−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩から4−メルカプトビフ
ェニルを製造することに関する。
【0002】 4−メルカプトビフェニルは、医薬及び農薬として活性な化合物を製造するの
に重要な中間体である(例えば、BE−A 887 423、US−A 3 9
12 757及びWO 96/25 936を見られたい)。4−メルカプトビ
フェニルを製造するいくつかの方法が公知であるが、これらはすべて不満足であ
る。
【0003】 かくして、ビフェニルスルホニルクロライドは、アマルガム化亜鉛、金属スズ
または塩化スズ(II)を用いて還元され得る(例えば、J.A.C.S.66
1674(1944)、Chem.Ber.13,386(1880)及びAn
n.Univ.Marie Curie−Sklodowska,Sectio
n Aa,Volume Date 1996、No.21,65−83(19
67)を見られたい)。これらの方法のすべてにおいて、重金属塩を含む排水が
生じ、この廃棄は大きなコストを要する。
【0004】 4−アミノビフェニルをジアゾ化し、続けてカリウムエチルキサンテートと反
応させ、得られるチオエステルを加水分解することも可能である(DE−A 2
3 17 142,34−35頁を見られたい)。この場合には、水溶性の塩化
ニッケルが使用されなければならず、これは同様に排水中に出て、廃棄が大きな
コストを要する。
【0005】 p−ヒドロキシビフェニルとジメチルチオカルバモイルクロライドを反応させ
、続いてニューマン−クワート(Newman−Kwart)転位を行い、最後
に加水分解(J.Het.Chem.15,281(1978)及びWO 96
/25 936を見られたい)することにより、4−メルカプトビフェニルが得
られるが、収率は39%に過ぎない。
【0006】 4−ブロモビフェニルをナトリウムメチルサルファイドまたはナトリウムエチ
ルサルファイドと反応し、得られるチオエーテルを開裂すると、発癌性のヘキサ
メチルホスフォールトリアミドの取り扱いが許容される場合に、4−メルカプト
ビフェニルの良好な収率(例えば、理論の96%)が得られるのみである(Te
trahedron Lett.21,3099(1980)を見られたい)。
他の溶媒、例えばジメチルホルムアミドを使用すると、その結果、かなり低い収
率の4−メルカプトビフェニルが得られる(例えば、理論の67%、Synth
esis,751(1983)を見られたい)。
【0007】 4−ブロモビフェニルを元素状イオウと反応させ、反応生成物をリチウムアル
ミニウムハイドライドにより開裂し、4−メルカプトビフェニルを得るには、取
り扱いの困難なリチウムアルミニウムハイドライドの使用を必要とする(Tet
rahedron Lett.13,1283(1972)を見られたい)。
【0008】 芳香族スルホニルクロライド及び芳香族ダイサルファイドから出発して4−メ
ルカプトビフェニルを製造する還元方法も公知である。しかしながら、水素と貴
金属触媒による還元には、150℃迄の温度と150バール迄の圧力が必要とさ
れ(EP−A 2755を見られたい)、赤リンとヨードによる還元では、必然
的にリン酸と塩化水素の生成に至り(例えば、Chem.Ber.99,375
(1966)を見られたい)、取り扱いが困難な赤リンが必要とされる。
【0009】 最後に、酸性水系媒体中のブンテ塩(Bunte salt)、すなわち、R
−S−SO3M(R=有機基、M=一価金属)のタイプの塩は、一般に加水分解 して、チオールが得られる(例えば、Angew.Chem.79,525(1
967)を見られたい)。しかしながら、本件ではジサルファイド(disul
phides)が生成した。
【0010】 今回、本発明者らは、式(I)
【0011】
【化6】
【0012】 (式中、Aは水素、等量の金属原子または場合によっては置換されていてもよい
アンモニウムを表し、 R及びR'は相互に独立して水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシまた はハロゲンを表す) に対応するS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩を見出した。
【0013】 式(I)において、 Aは、好ましくは水素、ナトリウム、カリウム、1/2カルシウム、1/2マグ
ネシウム、1/2亜鉛、NH4または1−4個のC1−C6アルキル基により置換 されたNH4を表し R及びR'は相互に独立して水素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フッ 素または塩素を表す。
【0014】 特に好ましくは、式(I)において、 Aは水素またはナトリウムを表し、 R及びR'は水素を表す。
【0015】 更に、本発明者らは、式
【0016】
【化7】
【0017】 (式中、A、R及びR'は式(I)に定義されたとおりのものである) のS−(4−ビフェニル)−スルフィン酸及びその塩を2から7の範囲のpHで
重亜硫酸塩水溶液と反応することを特徴とする式(I)のS−(4−ビフェニル
)−チオ硫酸及びその塩を製造する方法を見出した。
【0018】 A、R及びR'の好ましい意味及び特に好ましい意味は、式(I)におけるよ うに式(II)にも述べられている。
【0019】 出発材料として必要とされる式(II)のS−(4−ビフェニル)−スルフィン
酸及びその塩のあるものは既知であり、既知たはそれに類似の方法で製造され得
る(Ann.Univ.Marie Curie−Sklodowska,Se ction Aa,Volume Date 1996,No.21,49−6
4(1967)を見られたい)。問題の式(II)の化合物は純粋な形で使用され
る必要はない。適当ならば、それは、例えば25重量%迄の対応するビフェニル
スルホン酸及び/またはその塩を含有する。問題の式(II)の化合物は、好まし
くはそのナトリウム塩の形で使用される。
【0020】 極めて特に好ましいのは、S−(4−ビフェニル)−スルフィン酸のナトリウ
ム塩を使用することである。
【0021】 好適な重亜硫酸塩水溶液は、例えば、二酸化イオウまたは亜硫酸を水酸化ナト
リウム水溶液または炭酸ナトリウム水溶液中に入れた場合、あるいはナトリウム
ジサルファイト(sodium disulphite)(Na225)を水 に溶解した場合に得られるような、特に、アルカリ金属重亜硫酸塩水溶液である
。亜硫酸水素塩イオンに加えて、重亜硫酸塩水溶液は、追加として、例えば、亜
硫酸塩イオン、亜硫酸または溶解二酸化イオウを含む。重亜硫酸塩水溶液は、例
えば10から50重量%の濃度であり、好ましくは25から45重量%の濃度で
ある。使用される式(II)の1モルの化合物を基準にして、例えば、1から5モ
ルの重亜硫酸塩に相当する量の重亜硫酸塩水溶液を使用することが可能である。
この量は好ましくは1.5から3モルである。
【0022】 式(II)のS−(4−ビフェニル)−スルフィン酸またはスルフィン酸塩と重
亜硫酸塩水溶液を一緒にした後、反応混合物が2から7の範囲を外れたpHを有
している場合には、最も単純な場合には、塩酸水溶液の添加によりpHを2から
7の範囲内に戻すことが必要である。
【0023】 重亜硫酸塩水溶液との反応は好ましくは3から5のpHで行われ、それは、適
当であれば、酸の添加により、例えば塩酸水溶液の添加により得られる。反応が
より酸性であり、酸性な媒体中での処理がより長い程、反応が式(II)のS−(
4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩の段階で止まらずに、式(IV)の対応す
るビスジフェニルジサルファイドの生成迄進行するリスクが更に高くなる(下記
を見られたい)。これが望まれる(下記を見られたい)。
【0024】 適当ならば、使用される式(II)の化合物の1重量部を基準にして、例えば5
迄、好ましくは3重量部迄の量の水が重亜硫酸塩水溶液と共に反応に添加される
【0025】 重亜硫酸塩水溶液との反応は、例えば50から200℃の範囲の温度で行われ
る。好ましいのは、120から170℃である。反応を反応混合物の沸点(大気
圧での)以上の温度で行う場合には、密閉した、耐圧反応器が必要とされる。こ
のような場合には、例えば、12バール迄の圧力が発生する。
【0026】 反応が終了した後、S−(4−ビフェニル)−チオ硫酸の得られる塩は、例え
ば反応混合物を例えば室温迄冷却し、濾別し、適当ならば、存在する沈殿を乾燥
することにより、粗製の形で分別される。所望ならば、生成物は、例えば沸騰エ
タノールにより抽出することにより、更に精製される。
【0027】 対応するS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸は、生成するS−(4−ビフェニ
ル)−チオ硫酸の塩、一般にナトリウム塩から、それ自体の既知の方法により遊
離される。好ましくは、対応するチオ硫酸は、このようなチオ硫酸の塩から酸型
イオン交換体上での反応により遊離される。
【0028】 適当な塩基により中和することにより、それぞれのS−(4−ビフェニル)−
チオ硫酸のいかなる塩も遊離のS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸から製造され
る。
【0029】 本発明者らは、また、式(III)
【0030】
【化8】
【0031】 (式中、R及びR'は式(I)に定義されたとおりのものである) の4−メルカプトビフェニルを製造する方法であって、 式(I)に対応するS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩を強酸水溶液
の存在下で加熱し、生成する式
【0032】
【化9】
【0033】 (式中、R及びR'は式(I)に定義されるとおりのものである) のビスジフェニルジサルファイド(bisdiphenyl disulphi
de)を還元することを特徴とする製造方法を見出した。
【0034】 好適な強酸水溶液は、例えば、0.05から30、好ましくは1から30重量
%の濃度を有する例えば硫酸である。酸の量は、反応混合物で生じるpHが0か
ら2の範囲となるように選ばれる。強酸水溶液による処理の温度は、例えば50
から200℃の範囲、好ましくは80から170℃の範囲である。
【0035】 製造されたビスジフェニルジサルファイドは、例えば反応混合物を例えば室温
迄冷却し、濾別し、適当ならば、存在する沈殿を乾燥することにより、反応混合
物から単離される。
【0036】 問題の式(IV)のビスジフェニルジサルファイドの式(III)の対応する4− メルカプトビフェニルへの還元は、例えば、ナトリウムボロハイドライドによる
還元(DE−A 44 20 777を見られたい)、高圧でのモリブデンサル
ファイド触媒による触媒還元(J.Org.Chem.24,1598(195
9)を見られたい)または液体2相系中の高圧でのパラジウム触媒、ラネーコバ
ルトまたはラネーニッケルによる触媒還元(DE−A 17 68 421及び
JP−A(日本公開明細書)60 199 871を見られたい)等の既知の方
法により行われ得る。
【0037】 しかしながら、この還元は、好ましくは元素の周期律表の8族遷移金属の金属
触媒またはアルコール溶液中でのラネータイプの触媒による触媒還元として、及
び例えば、20から200℃の範囲の温度及び50バール迄の圧力において、ア
ルカリ性化合物の存在下で行われる。このような還元は、同一出願人により同時
に提出されたもう一つの特許出願の主題の一部を形成する。
【0038】 式(II)のジフェニルスルフィン酸及びその塩から式(III)の4−メルカプ トビフェニルを本発明により製造する場合、生成する式(I)のS−(4−ビフ
ェニル)−チオ硫酸及びその塩を単離することは必要でない。式(IV)のビスジ
フェニルジサルファイドを生成する重亜硫酸塩水溶液との反応において、反応の
間または後に好適なpHを確立し、及び/または充分に長い反応時間を使用し、
かくして、式(I)のS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩を単離する
ことなく、式(IV)の対応するビスジフェニルジサルファイドに直接に進行させ
ることが可能である。
【0039】 問題の式(IV)のビスジフェニルジサルファイドは、特に、上述の好ましい方
法で行う場合には、還元のために純粋な形で使用される必要はない。例えば、製
造で得られたなお湿っているフィルターケーキをアルコール、アルカリ性化合物
及び触媒と混合し、次に水素化を行うことが可能である。
【0040】 本発明により式(III)の4−メルカプトビフェニルを製造するのに必要とさ れる式(II)のS−(4−ビフェニル)−スルフィン酸及びその塩は、また、式
【0041】
【化10】
【0042】 (式中、R及びR'は式(I)に定義されるとおりのものである) の対応するジフェニル−4−スルホニルクロライドと重亜硫酸塩水溶液とを6か
ら10の範囲のpH、40から80℃で反応させ、続いてSO2を添加し、70 から180℃で加熱することにより、系内で製造される。式(IV)のビスジフェ
ニルジサルファイドは、式(II)のそれぞれのジフェニルスルフィン酸及びその
塩を中間的に単離せずに、また、式(I)のS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸
及びその塩を単離せずに、直接に得られる。
【0043】 この方法においては、重亜硫酸塩水溶液との反応時のpHは、好ましくは7.
5から9であり、SO2の導入後の温度は、好ましくは90から160℃である 。反応を反応混合物の沸点(大気圧での)以上の温度で行う場合には、密閉した
、耐圧反応器を使用する必要がある。
【0044】 本発明は、多数の利点を有する、式(I)の対応する新規のS−(4−ビフェ
ニル)−チオ硫酸及びその塩を経て式(III)の4−メルカプトビフェニルを製 造する方法を提供する。重金属を含有する排水が生成せず、式(III)の4−メ ルカプトビフェニルが高収率で得られ、発癌性の溶媒を取り扱う特別な注意、及
び取り扱いが困難な試剤が不要であり、併産物が生成せず、高圧を回避すること
が可能である。Angew.Chem.79,525(1967)には、ブンテ
塩の酸性加水分解がチオールを製造する概して好適な方法として記述されている
ので、これらのプラスの効果の集積は特に驚くべきものである。本件の場合には
そうではない。記述された条件下で、ビスジフェニルジサルファイドが生成した
。メルカプタンを得るにはこれを還元的に開裂しなければならない。多くのステ
ップにも拘わらず、S−(4−ビフェニル)−チオ硫酸を経てこのルートにより
、ビフェニルスルホニルクロライドを高収率で4−メルカプトビフェニルに変換
することができるのは特に驚くべきことである。
【0045】
【実施例】
実施例1 式(II)の化合物から式(I)の化合物の製造 140gのジフェニルスルフィン酸ナトリウム塩(10.5重量%のジフェニ
ルスルホン酸ナトリウム塩に加えて66.8重量%の含量)を210mlの重亜
硫酸塩水溶液(39重量%の濃度)と共に200mlの水中に撹拌しながら入れ
た。37重量%の濃度の塩酸水溶液を用いて、pHを4に調節した。この混合物
をオートクレーブ中で150℃に加熱し、150℃で、4.1と4.3バールの
間の圧力で2時間撹拌した。室温に冷却した後、得られた懸濁液を吸引して濾別
し、単離した固体を乾燥した。126.4gの粗S−(4−ビフェニル)−チオ
硫酸をナトリウム塩として理論の78%の収率で得た。随伴されたビフェニルス
ルホン酸に加えて、未反応のスルフィン酸をHPLCにより副生成物として検出
したが、ビスジフェニルジサルファイドを検出しなかった。単離した固体を沸騰
エタノールにより抽出した。抽出物を冷却すると、S−(4−ビフェニル)−チ
オ硫酸ナトリウム塩が一水和物として沈殿した。単離された生成物はブンテ塩に
特有のIR吸収帯を有していた。元素分析により、C47.1/47.4;H3
.6/3.6;O20.9/20.0;S20.9/20.9;Na7.5/8
.0(計算値/実測値)の結果が得られた。
【0046】 実施例2 式(I)の化合物から式(IV)の化合物の製造 最初に、100mlの10重量%の濃度の硫酸水溶液を入れ、100℃に加熱
し、次に、17gの実施例1の粗物質を添加した。短時間後、pH0で、最初は
若干白濁しているのみであった溶液から白色固体が沈殿した。100℃で30分
撹拌後、バッチを室温に冷却し、次に吸引で濾別した。単離した固体を50℃、
200ミリバールで乾燥し、86.3重量%の含量(HPLC)の8.2gのビ
スジフェニルジサルファイドを得た。S−(4−ビフェニル)−チオ硫酸はもは
や検出されなかった。
【0047】 実施例3 式(V)の化合物から式(IV)の化合物の製造 最初に、440mlの重亜硫酸塩水溶液(39重量%の濃度)と550mlの
水を125mlの水酸化ナトリウム水溶液(45重量%の濃度)と共に入れ、2
.2gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドと混合した。この混合物を
60℃に加熱した。1時間のうちに、289.5gのジフェニル−4−スルホニ
ルクロライド(96重量%の濃度)を入れ、同時に45重量%の濃度の水酸化ナ
トリウム水溶液を計量添加することによりpHを8に維持した。3時間の追加の
撹拌時間の間にpH制御も行った。次に、ほうろうオートクレーブ中、反応混合
物を80mlの二酸化イオウと混合し、130℃で3時間加熱した。このバッチ
を130℃、4.4と6.9バールの間の圧力で6時間撹拌した。この間に、S
−(4−ビフェニル)−チオ硫酸の段階を通過した。この混合物を引き続いて室
温に冷却し、排気し、得られた懸濁液を吸引して濾別した。フィルターケーキを
乾燥し、78.3重量%の含量の237.4gのビスジフェニルジサルファイド
を得た。これは、理論の91.2%の収率に相当する。
【0048】 実施例4 式(IV)の化合物から式(III)の化合物の製造 314gのビスジフェニルジサルファイド(実施例3により得た)を湿ったフ
ィルターケーキとして、1lのエタノール中に懸濁し、44gの水酸化ナトリウ
ムと24.7gのナトリウムボロハイドライドと混合した。得られた混合物を7
0℃で6時間撹拌し、得られた懸濁物を70℃で吸引して濾別した。濾過残渣を
250mlのエタノールで洗滌した。濾液と洗滌液を合わせて、900mlの7
重量%の濃度の塩酸水溶液を用いてpH1に調節した。沈殿生成物を吸引して濾
別し、500mlの水で洗滌し、乾燥した。111から113℃の融点を持つ1
74.2gの白色粉末を得た。その4−メルカプトビフェニル含量は98.3重
量%(ヨードメトリーにより定量)であった。これは、使用されたジフェニル−
4−スルホニルクロライド基準で、理論の83.6%の収率に相当する。
【0049】 実施例5 式(IV)の化合物から式(III)の化合物の製造 270gのビスジフェニルジサルファイドを実施例3におけるように製造し、
湿ったフィルターケーキとして、800mlのエタノール中に懸濁し、44gの
水酸化ナトリウムと5.5gのラネーニッケルと混合した。オートクレーブ中で
、この混合物を80℃に加熱し、次に、10バールの水素圧力を加えた。4時間
後、水素の吸収が終わった。バッチを冷却し、排気した。60℃で吸引濾過後、
母液を840mlの5.4重量%の濃度の塩酸水溶液により酸性とした。生成物
が沈殿した。生成物を吸引して濾別し、250mlの水で洗滌し、乾燥した。1
10から112℃の融点を持つ178.8gの白色粉末を得た。4−メルカプト
ビフェニル含量は91.8重量%(ヨードメトリーにより定量)であった。これ
は、使用されたジフェニル−4−スルホニルクロライド基準で、理論の80.1
%の収率に相当する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 319/22 C07C 319/22 321/28 321/28 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 フイーゲ,ヘルムート ドイツ連邦共和国デー−51373レーフエル クーゼン・バルター−フレツクス−シユト ラーセ23 (72)発明者 アイマン,ボルフガング ドイツ連邦共和国デー−51061ケルン・ゲ ルステンカンプ5 Fターム(参考) 4H006 AA01 AC60 AC61 AC63 BA14 BA21 BA25 BA36 BA70 BB31 BB44 BC10 BC16 BC31 BD70 BE03 BE23 BE42 BE90 TA04 4H039 CA60 CB40 CD60

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、Aは水素、等量の金属原子または場合によっては置換されていてもよい
    アンモニウムを表し、 R及びR'は相互に独立して水素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシまた はハロゲンを表す) に対応するS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩。
  2. 【請求項2】 式(I)において、Aが水素、ナトリウム、カリウム、1/
    2カルシウム、1/2マグネシウム、1/2亜鉛、NH4または1−4個のC1
    6アルキル基により置換されたNH4を表し、そして R及びR'が相互に独立して水素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フッ 素または塩素を表す請求項1に記載の酸及び塩。
  3. 【請求項3】 式 【化2】 (式中、A、R及びR'は請求項1に定義されたとおりのものである) のS−(4−ビフェニル)−スルフィン酸及びその塩を2から7の範囲のpHで
    重亜硫酸塩水溶液と反応させることを特徴とする、請求項1に記載のS−(4−
    ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩を製造する方法。
  4. 【請求項4】 式(II)の化合物の1モル当たり、1から5モルの重亜硫酸
    塩が使用され、そして重亜硫酸塩水溶液との反応が50から200℃の範囲の温
    度で行われることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 式 【化3】 (式中、R及びR'は請求項1に定義されたとおりのものである) の4−メルカプトビフェニルを製造する方法であって、請求項3の式(II)のS
    −(4−ビフェニル)−スルフィン酸又はその塩を2から7のpHで重亜硫酸塩
    水溶液と反応させて得られる、請求項1に対応するS−(4−ビフェニル)−チ
    オ硫酸及びその塩を、強酸水溶液の存在下で加熱し、そして得られる式 【化4】 (式中、R及びR'は請求項1に定義されたとおりのものである) の生成するビスジフェニルジサルファイドを還元することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 使用される強酸水溶液が0.05から30重量%の濃度の硫
    酸であり、0から2の範囲のpHが反応混合物で維持されることを特徴とする請
    求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 強酸水溶液の存在下での加熱が50から200℃で行われる
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 還元がナトリウムボロハイドライドを用いて、あるいはモリ
    ブデンサルファイド触媒、パラジウム触媒、ラネーコバルトまたはラネーニッケ
    ルを用いる触媒還元として行われることを特徴とする請求項5から7のいずれか
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 式(I)のS−(4−ビフェニル)−チオ硫酸及びその塩が
    単離されないことを特徴とする請求項5から8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 必要とされる式(II)のS−(4−ビフェニル)−スルフ
    ィン酸及びその塩が、式 【化5】 (式中、R及びR'は請求項1に定義されたとおりのものである) の対応するジフェニル−4−スルホニルクロライドと重亜硫酸塩水溶液を6から
    10の範囲のpH、40から80℃で反応させ、続いてSO2を添加し、70か ら180℃で加熱することにより、系内で製造されることを特徴とする請求項5
    から9のいずれかに記載の方法。
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