JP3169644B2 - ジスルフィド類の製造方法 - Google Patents

ジスルフィド類の製造方法

Info

Publication number
JP3169644B2
JP3169644B2 JP26295791A JP26295791A JP3169644B2 JP 3169644 B2 JP3169644 B2 JP 3169644B2 JP 26295791 A JP26295791 A JP 26295791A JP 26295791 A JP26295791 A JP 26295791A JP 3169644 B2 JP3169644 B2 JP 3169644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
water
atom
carbon atoms
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26295791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0570427A (ja
Inventor
正人 吉川
啓之 畑
純一 坂本
幹生 山本
恵一郎 真子
聡之 大江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP26295791A priority Critical patent/JP3169644B2/ja
Publication of JPH0570427A publication Critical patent/JPH0570427A/ja
Priority to JP2000261465A priority patent/JP3523168B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3169644B2 publication Critical patent/JP3169644B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジスルフィド類の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】窒素原子
を含むジスルフィド類は非常に多くの化合物が知られ、
ファインケミカルの重要な合成中間体である。構造が簡
単なシスタミンは放射線障害防護作用を有する医薬品ま
たはその中間体として有用であり、医薬品のパンテチン
の重要な出発原料でもある。アミノ酸のシスチンもジス
ルフィド類化合物としてよく知られている。
【0003】ジスルフィド類の合成方法としては、通常
相当するチオール類を合成しさらにそれを酸化する2つ
の工程からなる方法が一般的に知られている。たとえ
ば、シスタミンを得る方法としては、エチレンイミンと
硫化水素より得られたシステアミンを過酸化水素で酸化
する方法が一般的である(特開昭55−127360
号、同57−62251号、同59−108761号、
同59−110667号、同60−8292号、同61
−10961号参照)。また、他のジスルフィド類も一
般に同様に相当するチオール類の酸化により合成され
る。
【0004】一方、相当するハロゲン化物から直接ジス
ルフィドを得ようとする試みは、工程の短縮、費用の低
減の見地からも工業的に有利であるので、長年にわたっ
てなされてきたが、まだ成功には至っていない。たとえ
ば、ハロゲン化炭化水素と二硫化ナトリウムを反応させ
て一挙にジスルフィドに導く方法は、得られるジスルフ
ィドにモノスルフィドとポリスルフィドが不純物として
含まれるため、これらを除去しなければならず、プロセ
スが長くなり工業的ではない。
【0005】別の方法としては、ハロゲン化炭化水素と
チオ硫酸ナトリウムを反応させて相当するブンテ塩とし
たのち、このブンテ塩を固体で取り出し、高温で加熱分
解する方法が知られている(Chem. Ber., 7, 646(187
4))。 RX+Na2 2 3 → RSSO3 Na(ブンテ
塩) しかしながら、この方法では求めるジスルフィドの収率
が低く、更に水溶性のブンテ塩を一旦反応液より取り出
して乾燥し、得られた固体を加熱分解する操作が必要で
あるので、工業的実施においては問題を有している。
【0006】他の方法としてはブンテ塩にヨウ素又は1
0モル%のチオ尿素を加え、酸性条件下で加熱する方法
が知られている(J.Chem. Soc.,2172(1962))。この方
法によるとジスルフィドが直接得られるものの、チオ尿
素は触媒として働くだけで、反応系内にそのままの形で
とどまるので、反応後チオ尿素とジスルフィドを分離す
る必要がある。さらにヨウ素は高価な原料であり、コス
ト向上の原因となるため工業的に有利とはいえない。こ
のようなことから、当業界では短い工程で簡易にジスル
フィド類を得る有利な方法の開発が期待されているが、
未だ満足できる方法は見い出されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来より、シスタミンを
1工程で得ようとする多くの研究がなされているが、特
開昭57−62251号公報では、中間体のブンテ塩を
塩酸で処理するとシステアミン(チオール)が生じ、ブ
ンテ塩を過酸化水素で処理して初めてシスタミン(ジス
ルフィド)が生じると記載されている。他にも分子内に
窒素原子を含むブンテ塩を塩酸酸性下に分解するとチオ
ールが得られるとしている例がある(薬学雑誌、77, 73
0(1957) )。このようにブンテ塩の酸分解はチオールを
合成する手段として古来より有名であり、一般的にもそ
う信じられている。しかしながら、本発明者らは前記課
題を解決するため、チオールを経ずにジスルフィド類を
1工程で得る方法について検討を重ねた結果、前記ブン
テ塩を水および/または水溶性の有機溶媒中で酸性下、
好ましくはpH4を越えない範囲で、更に好ましくはp
H2以下にて加熱するだけで意外にも1工程で相当する
ジスルフィド類が得られることを見いだし本発明に到達
した。
【0008】即ち、本発明の要旨は、分子内に窒素原子
を含む一般式(1) RSSO3 M (1) (式中、Rはアルキルアミノアルキル基、トリアルキル
アンモニウムアルキル基またはピリジルアルキル基、M
はアルカリ金属を示す。)で表されるブンテ塩を、水お
よび/または水溶性有機溶媒中で酸性下加熱することを
特徴とする一般式(2) RSSR (2) (式中、Rは前記と同じ定義である。)で表されるジス
ルフィド類の製造方法に関する。
【0009】反応式で表せば、以下の通りである。
【化1】
【0010】本明細書において、Rはアルキルアミノア
ルキル基、トリアルキルアンモニウムアルキル基または
ピリジルアルキル基である。Mはナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属を示す。
【0011】ブンテ塩を得る方法としては、前記のよう
にハロゲン化炭化水素や、そのハロゲンがアルコールの
硫酸エステルに変わった化合物とチオ硫酸ナトリウムを
反応させる方法等が知られている。本発明の方法におい
て用いられるブンテ塩の調製方法は、特に限定されるも
のではないが、原料の入手の容易さ、コスト的な問題、
製品の分離の容易さ等を勘案すれば、ハロゲン化炭化水
素とチオ硫酸ナトリウムより得る方法が有利に用いられ
る。特に分子内に窒素を含有する含窒素ハロゲン化合物
とチオ硫酸ナトリウムを反応させて相当するブンテ塩と
した後、前記のように反応系を酸性下加熱することによ
りジスルフィド類が1工程で収率よく得られる。
【0012】即ち、本発明で用いることのできるブンテ
塩は、下記に示す一般式(3)、(4)、(5)で示す
含窒素ハロゲン化合物とチオ硫酸ナトリウムを、水およ
び/または水溶性有機溶媒中で加熱して得られるものが
好適なものとして例示される。ここで、含窒素ハロゲン
化合物としては、 R1 2 N−Alk−X で表される化合物またはその
塩(3) R3 4 5 + −Alk−X で表される4級アンモ
ニウム塩 (4) Py−CH2 −X で表されるピリジン誘導体またはそ
の塩 (5) が例示される。
【0013】ここに、R1 、R2 はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基、炭素数2〜
8のアルケニル基、炭素数2〜8のアシル基、炭素数1
〜8のヒドロキシアルキル基を示す。炭素数1〜8のア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ヘ
キシル基、オクチル基等が例示される。炭素数2〜8の
アルケニル基としてはアリル基、ブテニル基、ヘキセニ
ル基等が例示される。炭素数2〜8のアシル基としては
アセチル基、プロピオニル基、ヘキサノイル基等が例示
される。炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基としては
前記のアルキル基にヒドロキシル基が置換したものが例
示される。R1 、R2 はそれらが結合する窒素原子と共
に複素環を形成してもよいが、そのような複素環として
はピロリジン、ピペリジン、ピロール、モルホリンが例
示される。
【0014】Alkとしてはメチレン基、エチレン基、
トリメチレン基、テトラメチレン基等の1〜4個の炭素
原子を主鎖とする直鎖または分岐アルキレン基が例示さ
れる。R3 、R4 およびR5 で示される炭素数1〜8の
直鎖または分岐アルキル基としては、R1 、R2につい
て記載した前記のものと同様なものが例示される。
【0015】含窒素ハロゲン化合物の具体例としては、
ジメチルアミノメチルクロリド、2−アミノエチルクロ
リド、2−アミノエチルブロミド、3−アミノプロピル
クロリド、2−(メチルアミノ)エチルクロリド、2−
(ジメチルアミノ)エチルクロリド、3−(ジメチルア
ミノ)プロピルクロリド、4−ジメチルアミノブチルク
ロリド、2−(ジメチルアミノ)−1−メチルエチルク
ロリド、2−(ジエチルアミノ)エチルクロリド、2−
(ジプロピルアミノ)エチルクロリド、2−(ジオクチ
ルアミノ)エチルクロリド、2−(エチルオクチルアミ
ノ)エチルクロリド、2−(1−ピロリジニル)エチル
クロリド、2−(1−ピペリジノ)エチルクロリド、2
−(4−モルホリノ)エチルクロリド、2−(1−ピペ
ラジノ)エチルクロリド、2−(1−ピロリル)エチル
クロリド、塩化(2−クロロエチル)トリメチルアンモ
ニウム、塩化(2−クロロエチル)トリエチルアンモニ
ウム、塩化(2−クロロエチル)ジメチルエチルアンモ
ニウム、2−ピリジルメチルクロリド、3−ピリジルメ
チルクロリド、4−ピリジルメチルクロリド、(2−ア
セトアミノ)エチルクロリド、ビス(2−ヒドロキシメ
チル)アミノエチルクロリド等が挙げられる。置換し得
るアルキル基の長さには特に制限はないがC18程度まで
なら十分利用可能であり、そのアルキル基は分岐してい
ても良いし、アラルキル基であっても良い。さらに上記
一般式(3)、(4)、(5)、で表される化合物に加
えて一般式(6)で表される含窒素ハロゲン化合物も本
発明に用いられ得る。 H(3-n) N(CH2 CH2 X)n (6) (式中、nは2または3を示す。Xは塩素原子または臭
素原子を示す。)で表されるアミン化合物またはその
塩。その具体例としては、ビス(2−クロロエチル)ア
ミン、トリス(2−クロロエチル)アミン等が例示され
る。
【0016】含窒素ハロゲン化合物中の窒素原子は、1
級、2級、3級又は4級のいずれであってもよく、また
複素環に含まれる窒素原子であってもよい。4級の窒素
原子の場合、窒素原子の周りに対アニオンが存在する
が、対アニオンの種類は特に制限されない。
【0017】本発明で用いるブンテ塩は、このような含
窒素ハロゲン化合物とチオ硫酸ナトリウムを、水および
/または水溶性有機溶媒中で加熱して得られるものであ
る。ここで用いられる水溶性有機溶媒としては、通常水
のみを用いるのが工業的に有利であるが、反応基質が水
に溶解しにくい場合には反応性を向上させる目的でアル
コール類、エーテル類等の水と混和してそれ自身は反応
には関与しない溶媒を反応系に添加すると効果的な場合
が多い。アルコール類の一例としてはメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル等を挙げることができ、エーテル類としてはジオキサ
ン、ジメチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。ま
た、加熱の条件は含窒素ハロゲン化合物の種類によって
異なるが、通常60℃〜還流温度で0.5〜10時間が
好ましい。
【0018】本発明に用いられるブンテ塩中の窒素原子
と硫黄原子との位置関係は、特に制約されないが、窒素
原子と硫黄原子が1〜4個の炭素原子を主鎖とする直鎖
または分岐アルキレン基を介して結合していれば本発明
のジスルフィド合成に特に有効である。すなわち一般式
(3)、(4)において、Alkとしてはメチレン基、
エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のア
ルキレン基を挙げることができる。また、硫黄原子と直
接結合している炭素原子に置換基があっても特に問題は
ない。たとえば2−アミノ−1−メチルエチル基、2−
アミノ−1、1−ジメチルエチル基等である。
【0019】また、本発明において含窒素ハロゲン化合
物として前記一般式(6)で示される化合物を用いた場
合、ブンテ塩としては例えばNH(CH2 CH2 SSO
3 Na)2 やN(CH2 CH2 SSO3 Na)3 等の多
価のブンテ塩が得られる。この中でNH(CH2 CH2
SSO3 Na)2 を原料として用いた場合には反応条件
により下記の化合物を合成することができる。
【化2】 ここで、(SCH2 CH2 + 2 Cl- CH2 CH2
S)m の化合物は、新規化合物であり、耐熱性樹脂、金
属捕捉剤としての用途が期待される。
【0020】さらに本発明に用いられるブンテ塩におい
ては、主鎖中の炭素原子の一部が窒素原子と環を形成し
ていても良い。その一例としては2−ピリジルメチル
基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2
−ピロリルメチル基、3−ピロリルメチル基、2−イン
ドリルメチル基、3−インドリルメチル基、2−ピペリ
ジルメチル基、3−ピペリジルメチル基、4−ピペリジ
ルメチル基、2−ピロリジニルメチル基、3−ピロリジ
ニルメチル基等である。また、以上で示したブンテ塩の
対カチオンとしては、ナトリウム、カリウム等が用いら
れ、経済的にはナトリウムが有利である。
【0021】本発明においてブンテ塩からジスルフィド
類を得る反応に用いられる反応溶媒としては、前記ブン
テ塩の生成反応に用いたのと同様に水および/または水
溶性有機溶媒が挙げられる。通常水のみを用いるのが工
業的に有利であるが、反応基質が水に溶解しにくい場合
には反応性を向上させる目的でアルコール類、エーテル
類等の水と混和してそれ自身は反応には関与しない溶媒
を反応系に添加すると効果的な場合が多い。アルコール
類の一例としてはメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、エチレングリコール等を挙げることが
でき、エーテル類としてはジオキサン、ジメチルセロソ
ルブ、ジエチルセロソルブ、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル等が挙げられる。
【0022】本発明におけるブンテ塩からジスルフィド
類を得る反応は、酸性下加熱することによりなされる
が、ここで用いられる酸としては、鉱酸が有利である。
ブンテ塩を含有する溶液に鉱酸を加えて反応系を酸性に
して加熱する。鉱酸としては塩酸、硫酸等が一般的であ
るが他の鉱酸であっても問題はない。上記の溶液に通常
鉱酸/ブンテ塩を当量比で0.2〜3.0となるように
加え加熱する。鉱酸を添加した後で反応液のpHが好ま
しくは4を越えない範囲、特に好ましくは2以下となっ
ていれば良い。鉱酸を加える量が多いとすぐにジスルフ
ィドが生じるが必要以上に鉱酸を添加したことになり経
済的でなく、逆に少ないとジスルフィドの生成に時間が
かかるので好ましくない。鉱酸の添加は一括でも分割で
も良い。添加時の反応液の温度は20℃〜還流温度であ
り、鉱酸を加えた後通常60℃〜還流温度で10分〜5
時間加熱すると収率良くジスルフィドが得られる。加熱
温度がこの範囲より低いと反応時間が長くかかるために
好ましくない。鉱酸以外にも酢酸等の有機酸も本発明に
利用できるが、反応収率が若干悪くなること、及び製品
のジスルフィドに有機酸が混入してくるために有利とは
言えない。得られた反応液よりジスルフィドを単離する
には通常の方法、例えば反応液をアルカリ性として含窒
素ジスルフィドを遊離させ、有機溶媒で抽出すれば良
い。水と混じり合わない溶媒で有れば抽出溶媒として利
用可能である。生成物によってはアルカリ性とするのみ
で水と分離してくる物もある。
【0023】一般に2位にアミノ基を持つチオール、例
えばシステアミンは酸素により比較的速やかに酸化され
てシスタミンを与えるとされている(J. Am. Chem. So
c., 67,1845(1945))。しかしながら実際にはこの速度
は思ったほど速くはない。前記の文献には2位にアミノ
基を持つチオールは酸素により酸化されやすいとされる
が、3位、4位にアミノ基を持つチオールに関してはそ
のような記載はない。シスタミンを得るためには過酸化
水素で酸化しているのが現実である(特開昭55−12
7360号、同57−62251号、同59−1087
61号、同59−110667号、同60−8292
号、同61−10961号参照)。本発明の反応を窒素
雰囲気下で行っても収率良くジスルフィドが得られるこ
と、及び反応の経時変化を追いかけても相当するチオー
ルが検出されないことから、本発明の反応はチオールが
一旦系内に生じそれが酸化を受けてジスルフィドとなる
機構ではないと考えられる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 2−アミノエチルクロリド塩酸塩11.6g(0.10
0モル)、チオ硫酸ナトリウム・5水塩24.9g
(0.100モル)及び水50gを反応器に仕込み10
0℃で2時間加熱しブンテ塩を調製した。この反応はほ
ぼ定量的に進行した。この反応液に36%塩酸を10.
2g(0.100モル)添加した。このときのpHは1
以下であった。この溶液を更に30分間100℃に加熱
した。この時点で分析すると原料の2−アミノエチルク
ロリドはすべて消失し、ビス(2−アミノエチル)ジス
ルフィド塩酸塩が10.2g(0.045モル)生成し
ていた。この反応液を室温まで冷却した後に苛性ソーダ
溶液を加えて反応液をアルカリ性とし、酢酸エチル20
0gにて5回抽出を行った。この酢酸エチル層を一つに
まとめ塩化水素ガスを吹き込むと、ビス(2−アミノエ
チル)ジスルフィド塩酸塩が析出した。濾過、乾燥によ
りビス(2−アミノエチル)ジスルフィド塩酸塩が9.
6g(0.043モル)、収率86%で得られた。
【0025】実施例2 3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩酸塩15.
8g(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム・5水塩
24.8g(0.100モル)及び水50gを反応器に
仕込み100℃で2時間加熱し、実施例1と同様に反応
を行った。その後36%塩酸10.1g(0.100モ
ル)をこの反応液に加えた。このときのpHは1以下で
あった。この溶液を更に1時間加熱した。この反応液を
室温まで冷却した後苛性ソーダでアルカリ性となし、酢
酸エチル200gで2回抽出した。得られた酢酸エチル
溶液に塩化水素ガスを通気して、生成物を塩酸塩として
析出させた。析出物を濾過、乾燥するとビス(3−(ジ
メチルアミノ)プロピル)ジスルフィド塩酸塩が12.
4g(0.040モル)、収率80%で得られた。
【0026】実施例3 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて3−アミノプロピルクロリド塩酸塩13.
0g(0.100モル)とし、抽出に酢酸エチル200
gを3回用いた以外は実施例2と同様に反応を行い、ビ
ス(3−アミノプロピル)ジスルフィド塩酸塩が9.9
g(0.039モル)、収率78%で得られた。
【0027】実施例4 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド塩
酸塩14.4g(0.100モル)とした以外は実施例
2と同様に反応を行い、ビス(2−(ジメチルアミノ)
エチル)ジスルフィド塩酸塩が11.5g(0.041
モル)、収率82%で得られた。
【0028】実施例5 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて4−(ジメチルアミノ)ブチルクロリド塩
酸塩17.2g(0.100モル)とした以外は実施例
2と同様に反応を行い、ビス(2−(ジメチルアミノ)
ブチル)ジスルフィド塩酸塩が13.5g(0.040
モル)、収率80%で得られた。
【0029】実施例6 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えてジメチルアミノメチルクロリド塩酸塩1
3.0g(0.100モル)とした以外は実施例2と同
様に反応を行い、ビス(ジメチルアミノメチル)ジスル
フィド塩酸塩が9.0g(0.036モル)、収率72
%で得られた。
【0030】実施例7 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて2−(1−ピペリジノ)エチルクロリド塩
酸塩18.4g(0.100モル)とした以外は実施例
2と同様に行い、ビス(2−(1−ピペリジノ)エチ
ル)ジスルフィド塩酸塩が13.5g(0.037モ
ル)、収率74%得られた
【0031】実施例8 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて2−(ジメチルアミノ)−1−メチルエチ
ルクロリド塩酸塩15.8g(0.100モル)とした
以外は実施例2と同様に行い、ビス(2−(ジメチルア
ミノ)−1−メチルエチル)ジスルフィド塩酸塩が1
2.7g(0.041モル)、収率82%で得られた。
【0032】実施例9 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて2−ピリジルメチルクロリド塩酸塩16.
4g(0.100モル)とした以外は実施例2と同様に
行い、ビス(2−ピリジルメチル)ジスルフィド塩酸塩
が12.6g(0.039モル)、収率78%で得られ
た。
【0033】実施例10 塩化(2−クロロエチル)トリメチルアンモニウム1
5.8g(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム2
4.8g及び水50gを反応器に仕込み100℃で2時
間加熱した。反応液に36%塩酸を10.1g(0.1
00モル)加えた。このときのpHは1以下であった。
この溶液をさらに1時間加熱した。生成物を反応液から
ブタノール100gで3回抽出した。ブタノール層を1
つにまとめ濃縮乾固すると、二塩化2,2’−ジチオビ
スエチレン−1,1’−ビス(トリメチルアンモニウ
ム)が11.4g(0.037モル)、収率74%で得
られた。
【0034】実施例11 ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩17.8g
(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム49.6g
(0.200モル)及び水50gを反応器に仕込み10
0℃で2時間加熱した。反応液に36%塩酸を20.3
g(0.200モル)加えた。このときのpHは1以下
であった。この溶液を更に1時間加熱した。加熱中に沈
殿が生成してくるので濾過取得した。得られた生成物は
相当するジスルフィド塩酸塩のポリマー(SCH2 CH
2 + 2 Cl- CH2 CH2 S)m 16.8g(モノ
マーとして0.098モル)であった。ゲルパーミショ
ンクロマト法による分子量測定によれば37000を中
心とする分布を有していた。 元素分析(C4 10NClS2 として) 分析値 C 27.70, H 5.98, N 8.41, S 37.08, Cl 20.55
% 計算値 C 27.98, H 5.87, N 8.16, S 37.34, Cl 20.65
% 融点 187℃(結晶構造変化) 223.2〜226.1℃(分解) 1 H−NMR δ(DMSO−d6 ) 3.56(broad singlet ) IR cm-1(KBr) 3450,2960,2750,2450,1640,1580,1470,1430,1140,630
【0035】
【発明の効果】分子内に窒素原子とハロゲン原子を有す
る化合物にチオ硫酸ナトリウムを反応させてブンテ塩と
した後、そのまま反応液を酸性にすると相当するジスル
フィドが一挙に高収率で生成する。従来、ジスルフィド
を得る方法としては一旦チオールを得、つぎにそのチオ
ールを酸化してジスルフィドとする2工程反応であるの
で、本発明の方法はハロゲン原子を含む基質よりジスル
フィドを一挙に得る方法として優れている。更に、ジス
ルフィドの硫黄源は安価なチオ硫酸ナトリウムに由来し
ているので工業的見地からも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 幹生 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住友精化株式会社内 (72)発明者 真子 恵一郎 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住友精化株式会社内 (72)発明者 大江 聡之 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住友精化株式会社内 (56)参考文献 Bioorg.Khim.(1990), 16(7),976−980 Tetrahedron(1988),44 (7),1893−1904 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 323/00 C07C 319/00 C07D 213/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に窒素原子を含む一般式(1) RSSO3 M (1) (式中、Rはアルキルアミノアルキル基、トリアルキル
    アンモニウムアルキル基またはピリジルアルキル基、M
    はアルカリ金属を示す。)で表されるブンテ塩を、水お
    よび/または水溶性有機溶媒中で酸性下加熱することを
    特徴とする一般式(2) RSSR (2) (式中、Rは前記と同じ定義である。)で表されるジス
    ルフィド類の製造方法。
  2. 【請求項2】 ブンテ塩が、一般式(3) 1 2 N−Alk−X (3) (式中、R 1 およびR 2 はそれぞれ水素原子、炭素数1
    〜8の直鎖または分岐アルキル基、炭素数2〜8のアル
    ケニル基、炭素数2〜8のアシル基、または炭素数1〜
    8のヒドロキシアルキル基を示す。R 1 およびR 2 はそ
    れらが結合する窒素原子と共に複素環を形成しても良
    い。Alkは1〜4個の炭素原子を主鎖とする直鎖また
    は分岐アルキレン基、Xは塩素原子または臭素原子を示
    す。)で表される化合物またはその塩、一般式(4) 3 4 5 + −Alk−X (4) (式中、R 3 、R 4 およびR 5 はそれぞれ同一または異
    なって、水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐アル
    キル基を示す。AlkおよびXは前記と同じ定義であ
    る。)で表される4級アンモニウム塩、ならびに一般式
    (5) Py−CH 2 −X (5) (式中、Pyは2−ピリジル基、3−ピリジル基および
    4−ピリジル基のいずれかを示す。Xは前記と同じ定義
    である。)で表されるピリジン誘導体またはその塩 から
    選ばれた 含窒素ハロゲン化合物とチオ硫酸ナトリウム
    を、水および/または水溶性有機溶媒中で加熱して得ら
    れるものである請求項1記載の製造方法。
JP26295791A 1991-09-12 1991-09-12 ジスルフィド類の製造方法 Expired - Fee Related JP3169644B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26295791A JP3169644B2 (ja) 1991-09-12 1991-09-12 ジスルフィド類の製造方法
JP2000261465A JP3523168B2 (ja) 1991-09-12 2000-08-30 含窒素化合物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26295791A JP3169644B2 (ja) 1991-09-12 1991-09-12 ジスルフィド類の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000261465A Division JP3523168B2 (ja) 1991-09-12 2000-08-30 含窒素化合物およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0570427A JPH0570427A (ja) 1993-03-23
JP3169644B2 true JP3169644B2 (ja) 2001-05-28

Family

ID=17382899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26295791A Expired - Fee Related JP3169644B2 (ja) 1991-09-12 1991-09-12 ジスルフィド類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3169644B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5368760A (en) * 1992-06-29 1994-11-29 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of cystamine and alkylene oxide adduct thereof, additive for aqueous lubricant, and aqueous lubricant
DE19746540A1 (de) * 1997-10-22 1999-04-29 Bayer Ag S-(4-Biphenyl)-thioschwefelsäuren und ihre Salze, Verfahren zu deren Herstellung und die Herstellung von 4-Mercaptobiphenylen

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Bioorg.Khim.(1990),16(7),976−980
Tetrahedron(1988),44(7),1893−1904

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0570427A (ja) 1993-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3803292B2 (ja) チアゾリジンの製造方法
JP3169644B2 (ja) ジスルフィド類の製造方法
JP3523168B2 (ja) 含窒素化合物およびその製造方法
US3842081A (en) Preparation of aminocarboxylic acids from aminoalcohols
JPS5843939A (ja) マンデル酸塩及びその製法
AU2014343268B2 (en) Intermediates and methods for synthesizing calicheamicin derivatives
Kondo et al. Synthesis, Molecular Structure, and Physical Properties of an Oxomolybdenum (IV) Complex with p-Chlorobenzenethiolate,[MoIVO (p-ClC6H4S) 4] 2−, as a Model of Active Sites of Reduced Molybdo-Oxidases
US3308132A (en) 6, 8-dithiooctanoyl amides and intermediates
JP2606968B2 (ja) ジ―カチオンエーテルの製造
JPS603298B2 (ja) 1,1’−ジアルキル−4,4’−ビピリジリウムジハライド塩の製造方法
CS203936B2 (en) Process for preparing thiocarbamates
JPS60190760A (ja) ピロリジン誘導体及びその製造法
JPH0253764A (ja) ジチオビスフェノールの製造方法
KR820000213B1 (ko) 1,1'-디알킬-4,4'-비피리딜리움 디할라이드의 제조방법
CN116462611A (zh) 一种利用二芳基高价碘试剂制备多芳基胍的方法
So eeeeS* AAA AAASS SH eSMMASz
KR20060097173A (ko) 친수성 이온성 액체의 제조방법
JPS5951945B2 (ja) グアニジン誘導体の製造法
JPS59122465A (ja) O−置換−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ヒドロキシイミドの製造方法
JPH07506577A (ja) N−アリル化合物の製法
JPS63126878A (ja) エブルナメニンオキシム誘導体の製法
JPH01275562A (ja) チオール化合物の製造方法
JPH01224333A (ja) N,n−ジ置換ヒドラジンの製造法
JPS5833229B2 (ja) D− グルコ −1,5− ラクタムユウドウタイ ノ セイホウ
JPS63215656A (ja) ε−アシルリジンまたはδ−アシルオルニチンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080316

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090316

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090316

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees