JP3169644B2 - ジスルフィド類の製造方法 - Google Patents
ジスルフィド類の製造方法Info
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Description
法に関する。
を含むジスルフィド類は非常に多くの化合物が知られ、
ファインケミカルの重要な合成中間体である。構造が簡
単なシスタミンは放射線障害防護作用を有する医薬品ま
たはその中間体として有用であり、医薬品のパンテチン
の重要な出発原料でもある。アミノ酸のシスチンもジス
ルフィド類化合物としてよく知られている。
相当するチオール類を合成しさらにそれを酸化する2つ
の工程からなる方法が一般的に知られている。たとえ
ば、シスタミンを得る方法としては、エチレンイミンと
硫化水素より得られたシステアミンを過酸化水素で酸化
する方法が一般的である(特開昭55−127360
号、同57−62251号、同59−108761号、
同59−110667号、同60−8292号、同61
−10961号参照)。また、他のジスルフィド類も一
般に同様に相当するチオール類の酸化により合成され
る。
ルフィドを得ようとする試みは、工程の短縮、費用の低
減の見地からも工業的に有利であるので、長年にわたっ
てなされてきたが、まだ成功には至っていない。たとえ
ば、ハロゲン化炭化水素と二硫化ナトリウムを反応させ
て一挙にジスルフィドに導く方法は、得られるジスルフ
ィドにモノスルフィドとポリスルフィドが不純物として
含まれるため、これらを除去しなければならず、プロセ
スが長くなり工業的ではない。
チオ硫酸ナトリウムを反応させて相当するブンテ塩とし
たのち、このブンテ塩を固体で取り出し、高温で加熱分
解する方法が知られている(Chem. Ber., 7, 646(187
4))。 RX+Na2 S2 O3 → RSSO3 Na(ブンテ
塩) しかしながら、この方法では求めるジスルフィドの収率
が低く、更に水溶性のブンテ塩を一旦反応液より取り出
して乾燥し、得られた固体を加熱分解する操作が必要で
あるので、工業的実施においては問題を有している。
0モル%のチオ尿素を加え、酸性条件下で加熱する方法
が知られている(J.Chem. Soc.,2172(1962))。この方
法によるとジスルフィドが直接得られるものの、チオ尿
素は触媒として働くだけで、反応系内にそのままの形で
とどまるので、反応後チオ尿素とジスルフィドを分離す
る必要がある。さらにヨウ素は高価な原料であり、コス
ト向上の原因となるため工業的に有利とはいえない。こ
のようなことから、当業界では短い工程で簡易にジスル
フィド類を得る有利な方法の開発が期待されているが、
未だ満足できる方法は見い出されていない。
1工程で得ようとする多くの研究がなされているが、特
開昭57−62251号公報では、中間体のブンテ塩を
塩酸で処理するとシステアミン(チオール)が生じ、ブ
ンテ塩を過酸化水素で処理して初めてシスタミン(ジス
ルフィド)が生じると記載されている。他にも分子内に
窒素原子を含むブンテ塩を塩酸酸性下に分解するとチオ
ールが得られるとしている例がある(薬学雑誌、77, 73
0(1957) )。このようにブンテ塩の酸分解はチオールを
合成する手段として古来より有名であり、一般的にもそ
う信じられている。しかしながら、本発明者らは前記課
題を解決するため、チオールを経ずにジスルフィド類を
1工程で得る方法について検討を重ねた結果、前記ブン
テ塩を水および/または水溶性の有機溶媒中で酸性下、
好ましくはpH4を越えない範囲で、更に好ましくはp
H2以下にて加熱するだけで意外にも1工程で相当する
ジスルフィド類が得られることを見いだし本発明に到達
した。
を含む一般式(1) RSSO3 M (1) (式中、Rはアルキルアミノアルキル基、トリアルキル
アンモニウムアルキル基またはピリジルアルキル基、M
はアルカリ金属を示す。)で表されるブンテ塩を、水お
よび/または水溶性有機溶媒中で酸性下加熱することを
特徴とする一般式(2) RSSR (2) (式中、Rは前記と同じ定義である。)で表されるジス
ルフィド類の製造方法に関する。
ルキル基、トリアルキルアンモニウムアルキル基または
ピリジルアルキル基である。Mはナトリウム、カリウム
等のアルカリ金属を示す。
にハロゲン化炭化水素や、そのハロゲンがアルコールの
硫酸エステルに変わった化合物とチオ硫酸ナトリウムを
反応させる方法等が知られている。本発明の方法におい
て用いられるブンテ塩の調製方法は、特に限定されるも
のではないが、原料の入手の容易さ、コスト的な問題、
製品の分離の容易さ等を勘案すれば、ハロゲン化炭化水
素とチオ硫酸ナトリウムより得る方法が有利に用いられ
る。特に分子内に窒素を含有する含窒素ハロゲン化合物
とチオ硫酸ナトリウムを反応させて相当するブンテ塩と
した後、前記のように反応系を酸性下加熱することによ
りジスルフィド類が1工程で収率よく得られる。
塩は、下記に示す一般式(3)、(4)、(5)で示す
含窒素ハロゲン化合物とチオ硫酸ナトリウムを、水およ
び/または水溶性有機溶媒中で加熱して得られるものが
好適なものとして例示される。ここで、含窒素ハロゲン
化合物としては、 R1 R2 N−Alk−X で表される化合物またはその
塩(3) R3 R4 R5 N+ −Alk−X で表される4級アンモ
ニウム塩 (4) Py−CH2 −X で表されるピリジン誘導体またはそ
の塩 (5) が例示される。
炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基、炭素数2〜
8のアルケニル基、炭素数2〜8のアシル基、炭素数1
〜8のヒドロキシアルキル基を示す。炭素数1〜8のア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ヘ
キシル基、オクチル基等が例示される。炭素数2〜8の
アルケニル基としてはアリル基、ブテニル基、ヘキセニ
ル基等が例示される。炭素数2〜8のアシル基としては
アセチル基、プロピオニル基、ヘキサノイル基等が例示
される。炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基としては
前記のアルキル基にヒドロキシル基が置換したものが例
示される。R1 、R2 はそれらが結合する窒素原子と共
に複素環を形成してもよいが、そのような複素環として
はピロリジン、ピペリジン、ピロール、モルホリンが例
示される。
トリメチレン基、テトラメチレン基等の1〜4個の炭素
原子を主鎖とする直鎖または分岐アルキレン基が例示さ
れる。R3 、R4 およびR5 で示される炭素数1〜8の
直鎖または分岐アルキル基としては、R1 、R2につい
て記載した前記のものと同様なものが例示される。
ジメチルアミノメチルクロリド、2−アミノエチルクロ
リド、2−アミノエチルブロミド、3−アミノプロピル
クロリド、2−(メチルアミノ)エチルクロリド、2−
(ジメチルアミノ)エチルクロリド、3−(ジメチルア
ミノ)プロピルクロリド、4−ジメチルアミノブチルク
ロリド、2−(ジメチルアミノ)−1−メチルエチルク
ロリド、2−(ジエチルアミノ)エチルクロリド、2−
(ジプロピルアミノ)エチルクロリド、2−(ジオクチ
ルアミノ)エチルクロリド、2−(エチルオクチルアミ
ノ)エチルクロリド、2−(1−ピロリジニル)エチル
クロリド、2−(1−ピペリジノ)エチルクロリド、2
−(4−モルホリノ)エチルクロリド、2−(1−ピペ
ラジノ)エチルクロリド、2−(1−ピロリル)エチル
クロリド、塩化(2−クロロエチル)トリメチルアンモ
ニウム、塩化(2−クロロエチル)トリエチルアンモニ
ウム、塩化(2−クロロエチル)ジメチルエチルアンモ
ニウム、2−ピリジルメチルクロリド、3−ピリジルメ
チルクロリド、4−ピリジルメチルクロリド、(2−ア
セトアミノ)エチルクロリド、ビス(2−ヒドロキシメ
チル)アミノエチルクロリド等が挙げられる。置換し得
るアルキル基の長さには特に制限はないがC18程度まで
なら十分利用可能であり、そのアルキル基は分岐してい
ても良いし、アラルキル基であっても良い。さらに上記
一般式(3)、(4)、(5)、で表される化合物に加
えて一般式(6)で表される含窒素ハロゲン化合物も本
発明に用いられ得る。 H(3-n) N(CH2 CH2 X)n (6) (式中、nは2または3を示す。Xは塩素原子または臭
素原子を示す。)で表されるアミン化合物またはその
塩。その具体例としては、ビス(2−クロロエチル)ア
ミン、トリス(2−クロロエチル)アミン等が例示され
る。
級、2級、3級又は4級のいずれであってもよく、また
複素環に含まれる窒素原子であってもよい。4級の窒素
原子の場合、窒素原子の周りに対アニオンが存在する
が、対アニオンの種類は特に制限されない。
窒素ハロゲン化合物とチオ硫酸ナトリウムを、水および
/または水溶性有機溶媒中で加熱して得られるものであ
る。ここで用いられる水溶性有機溶媒としては、通常水
のみを用いるのが工業的に有利であるが、反応基質が水
に溶解しにくい場合には反応性を向上させる目的でアル
コール類、エーテル類等の水と混和してそれ自身は反応
には関与しない溶媒を反応系に添加すると効果的な場合
が多い。アルコール類の一例としてはメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル等を挙げることができ、エーテル類としてはジオキサ
ン、ジメチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。ま
た、加熱の条件は含窒素ハロゲン化合物の種類によって
異なるが、通常60℃〜還流温度で0.5〜10時間が
好ましい。
と硫黄原子との位置関係は、特に制約されないが、窒素
原子と硫黄原子が1〜4個の炭素原子を主鎖とする直鎖
または分岐アルキレン基を介して結合していれば本発明
のジスルフィド合成に特に有効である。すなわち一般式
(3)、(4)において、Alkとしてはメチレン基、
エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のア
ルキレン基を挙げることができる。また、硫黄原子と直
接結合している炭素原子に置換基があっても特に問題は
ない。たとえば2−アミノ−1−メチルエチル基、2−
アミノ−1、1−ジメチルエチル基等である。
物として前記一般式(6)で示される化合物を用いた場
合、ブンテ塩としては例えばNH(CH2 CH2 SSO
3 Na)2 やN(CH2 CH2 SSO3 Na)3 等の多
価のブンテ塩が得られる。この中でNH(CH2 CH2
SSO3 Na)2 を原料として用いた場合には反応条件
により下記の化合物を合成することができる。
S)m の化合物は、新規化合物であり、耐熱性樹脂、金
属捕捉剤としての用途が期待される。
ては、主鎖中の炭素原子の一部が窒素原子と環を形成し
ていても良い。その一例としては2−ピリジルメチル
基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2
−ピロリルメチル基、3−ピロリルメチル基、2−イン
ドリルメチル基、3−インドリルメチル基、2−ピペリ
ジルメチル基、3−ピペリジルメチル基、4−ピペリジ
ルメチル基、2−ピロリジニルメチル基、3−ピロリジ
ニルメチル基等である。また、以上で示したブンテ塩の
対カチオンとしては、ナトリウム、カリウム等が用いら
れ、経済的にはナトリウムが有利である。
類を得る反応に用いられる反応溶媒としては、前記ブン
テ塩の生成反応に用いたのと同様に水および/または水
溶性有機溶媒が挙げられる。通常水のみを用いるのが工
業的に有利であるが、反応基質が水に溶解しにくい場合
には反応性を向上させる目的でアルコール類、エーテル
類等の水と混和してそれ自身は反応には関与しない溶媒
を反応系に添加すると効果的な場合が多い。アルコール
類の一例としてはメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、エチレングリコール等を挙げることが
でき、エーテル類としてはジオキサン、ジメチルセロソ
ルブ、ジエチルセロソルブ、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル等が挙げられる。
類を得る反応は、酸性下加熱することによりなされる
が、ここで用いられる酸としては、鉱酸が有利である。
ブンテ塩を含有する溶液に鉱酸を加えて反応系を酸性に
して加熱する。鉱酸としては塩酸、硫酸等が一般的であ
るが他の鉱酸であっても問題はない。上記の溶液に通常
鉱酸/ブンテ塩を当量比で0.2〜3.0となるように
加え加熱する。鉱酸を添加した後で反応液のpHが好ま
しくは4を越えない範囲、特に好ましくは2以下となっ
ていれば良い。鉱酸を加える量が多いとすぐにジスルフ
ィドが生じるが必要以上に鉱酸を添加したことになり経
済的でなく、逆に少ないとジスルフィドの生成に時間が
かかるので好ましくない。鉱酸の添加は一括でも分割で
も良い。添加時の反応液の温度は20℃〜還流温度であ
り、鉱酸を加えた後通常60℃〜還流温度で10分〜5
時間加熱すると収率良くジスルフィドが得られる。加熱
温度がこの範囲より低いと反応時間が長くかかるために
好ましくない。鉱酸以外にも酢酸等の有機酸も本発明に
利用できるが、反応収率が若干悪くなること、及び製品
のジスルフィドに有機酸が混入してくるために有利とは
言えない。得られた反応液よりジスルフィドを単離する
には通常の方法、例えば反応液をアルカリ性として含窒
素ジスルフィドを遊離させ、有機溶媒で抽出すれば良
い。水と混じり合わない溶媒で有れば抽出溶媒として利
用可能である。生成物によってはアルカリ性とするのみ
で水と分離してくる物もある。
えばシステアミンは酸素により比較的速やかに酸化され
てシスタミンを与えるとされている(J. Am. Chem. So
c., 67,1845(1945))。しかしながら実際にはこの速度
は思ったほど速くはない。前記の文献には2位にアミノ
基を持つチオールは酸素により酸化されやすいとされる
が、3位、4位にアミノ基を持つチオールに関してはそ
のような記載はない。シスタミンを得るためには過酸化
水素で酸化しているのが現実である(特開昭55−12
7360号、同57−62251号、同59−1087
61号、同59−110667号、同60−8292
号、同61−10961号参照)。本発明の反応を窒素
雰囲気下で行っても収率良くジスルフィドが得られるこ
と、及び反応の経時変化を追いかけても相当するチオー
ルが検出されないことから、本発明の反応はチオールが
一旦系内に生じそれが酸化を受けてジスルフィドとなる
機構ではないと考えられる。
する。 実施例1 2−アミノエチルクロリド塩酸塩11.6g(0.10
0モル)、チオ硫酸ナトリウム・5水塩24.9g
(0.100モル)及び水50gを反応器に仕込み10
0℃で2時間加熱しブンテ塩を調製した。この反応はほ
ぼ定量的に進行した。この反応液に36%塩酸を10.
2g(0.100モル)添加した。このときのpHは1
以下であった。この溶液を更に30分間100℃に加熱
した。この時点で分析すると原料の2−アミノエチルク
ロリドはすべて消失し、ビス(2−アミノエチル)ジス
ルフィド塩酸塩が10.2g(0.045モル)生成し
ていた。この反応液を室温まで冷却した後に苛性ソーダ
溶液を加えて反応液をアルカリ性とし、酢酸エチル20
0gにて5回抽出を行った。この酢酸エチル層を一つに
まとめ塩化水素ガスを吹き込むと、ビス(2−アミノエ
チル)ジスルフィド塩酸塩が析出した。濾過、乾燥によ
りビス(2−アミノエチル)ジスルフィド塩酸塩が9.
6g(0.043モル)、収率86%で得られた。
8g(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム・5水塩
24.8g(0.100モル)及び水50gを反応器に
仕込み100℃で2時間加熱し、実施例1と同様に反応
を行った。その後36%塩酸10.1g(0.100モ
ル)をこの反応液に加えた。このときのpHは1以下で
あった。この溶液を更に1時間加熱した。この反応液を
室温まで冷却した後苛性ソーダでアルカリ性となし、酢
酸エチル200gで2回抽出した。得られた酢酸エチル
溶液に塩化水素ガスを通気して、生成物を塩酸塩として
析出させた。析出物を濾過、乾燥するとビス(3−(ジ
メチルアミノ)プロピル)ジスルフィド塩酸塩が12.
4g(0.040モル)、収率80%で得られた。
酸塩に代えて3−アミノプロピルクロリド塩酸塩13.
0g(0.100モル)とし、抽出に酢酸エチル200
gを3回用いた以外は実施例2と同様に反応を行い、ビ
ス(3−アミノプロピル)ジスルフィド塩酸塩が9.9
g(0.039モル)、収率78%で得られた。
酸塩に代えて2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド塩
酸塩14.4g(0.100モル)とした以外は実施例
2と同様に反応を行い、ビス(2−(ジメチルアミノ)
エチル)ジスルフィド塩酸塩が11.5g(0.041
モル)、収率82%で得られた。
酸塩に代えて4−(ジメチルアミノ)ブチルクロリド塩
酸塩17.2g(0.100モル)とした以外は実施例
2と同様に反応を行い、ビス(2−(ジメチルアミノ)
ブチル)ジスルフィド塩酸塩が13.5g(0.040
モル)、収率80%で得られた。
酸塩に代えてジメチルアミノメチルクロリド塩酸塩1
3.0g(0.100モル)とした以外は実施例2と同
様に反応を行い、ビス(ジメチルアミノメチル)ジスル
フィド塩酸塩が9.0g(0.036モル)、収率72
%で得られた。
酸塩に代えて2−(1−ピペリジノ)エチルクロリド塩
酸塩18.4g(0.100モル)とした以外は実施例
2と同様に行い、ビス(2−(1−ピペリジノ)エチ
ル)ジスルフィド塩酸塩が13.5g(0.037モ
ル)、収率74%得られた
酸塩に代えて2−(ジメチルアミノ)−1−メチルエチ
ルクロリド塩酸塩15.8g(0.100モル)とした
以外は実施例2と同様に行い、ビス(2−(ジメチルア
ミノ)−1−メチルエチル)ジスルフィド塩酸塩が1
2.7g(0.041モル)、収率82%で得られた。
酸塩に代えて2−ピリジルメチルクロリド塩酸塩16.
4g(0.100モル)とした以外は実施例2と同様に
行い、ビス(2−ピリジルメチル)ジスルフィド塩酸塩
が12.6g(0.039モル)、収率78%で得られ
た。
5.8g(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム2
4.8g及び水50gを反応器に仕込み100℃で2時
間加熱した。反応液に36%塩酸を10.1g(0.1
00モル)加えた。このときのpHは1以下であった。
この溶液をさらに1時間加熱した。生成物を反応液から
ブタノール100gで3回抽出した。ブタノール層を1
つにまとめ濃縮乾固すると、二塩化2,2’−ジチオビ
スエチレン−1,1’−ビス(トリメチルアンモニウ
ム)が11.4g(0.037モル)、収率74%で得
られた。
(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム49.6g
(0.200モル)及び水50gを反応器に仕込み10
0℃で2時間加熱した。反応液に36%塩酸を20.3
g(0.200モル)加えた。このときのpHは1以下
であった。この溶液を更に1時間加熱した。加熱中に沈
殿が生成してくるので濾過取得した。得られた生成物は
相当するジスルフィド塩酸塩のポリマー(SCH2 CH
2 N+ H2 Cl- CH2 CH2 S)m 16.8g(モノ
マーとして0.098モル)であった。ゲルパーミショ
ンクロマト法による分子量測定によれば37000を中
心とする分布を有していた。 元素分析(C4 H10NClS2 として) 分析値 C 27.70, H 5.98, N 8.41, S 37.08, Cl 20.55
% 計算値 C 27.98, H 5.87, N 8.16, S 37.34, Cl 20.65
% 融点 187℃(結晶構造変化) 223.2〜226.1℃(分解) 1 H−NMR δ(DMSO−d6 ) 3.56(broad singlet ) IR cm-1(KBr) 3450,2960,2750,2450,1640,1580,1470,1430,1140,630
る化合物にチオ硫酸ナトリウムを反応させてブンテ塩と
した後、そのまま反応液を酸性にすると相当するジスル
フィドが一挙に高収率で生成する。従来、ジスルフィド
を得る方法としては一旦チオールを得、つぎにそのチオ
ールを酸化してジスルフィドとする2工程反応であるの
で、本発明の方法はハロゲン原子を含む基質よりジスル
フィドを一挙に得る方法として優れている。更に、ジス
ルフィドの硫黄源は安価なチオ硫酸ナトリウムに由来し
ているので工業的見地からも優れている。
Claims (2)
- 【請求項1】 分子内に窒素原子を含む一般式(1) RSSO3 M (1) (式中、Rはアルキルアミノアルキル基、トリアルキル
アンモニウムアルキル基またはピリジルアルキル基、M
はアルカリ金属を示す。)で表されるブンテ塩を、水お
よび/または水溶性有機溶媒中で酸性下加熱することを
特徴とする一般式(2) RSSR (2) (式中、Rは前記と同じ定義である。)で表されるジス
ルフィド類の製造方法。 - 【請求項2】 ブンテ塩が、一般式(3) R 1 R 2 N−Alk−X (3) (式中、R 1 およびR 2 はそれぞれ水素原子、炭素数1
〜8の直鎖または分岐アルキル基、炭素数2〜8のアル
ケニル基、炭素数2〜8のアシル基、または炭素数1〜
8のヒドロキシアルキル基を示す。R 1 およびR 2 はそ
れらが結合する窒素原子と共に複素環を形成しても良
い。Alkは1〜4個の炭素原子を主鎖とする直鎖また
は分岐アルキレン基、Xは塩素原子または臭素原子を示
す。)で表される化合物またはその塩、一般式(4) R 3 R 4 R 5 N + −Alk−X (4) (式中、R 3 、R 4 およびR 5 はそれぞれ同一または異
なって、水素原子、炭素数1〜8の直鎖または分岐アル
キル基を示す。AlkおよびXは前記と同じ定義であ
る。)で表される4級アンモニウム塩、ならびに一般式
(5) Py−CH 2 −X (5) (式中、Pyは2−ピリジル基、3−ピリジル基および
4−ピリジル基のいずれかを示す。Xは前記と同じ定義
である。)で表されるピリジン誘導体またはその塩 から
選ばれた 含窒素ハロゲン化合物とチオ硫酸ナトリウム
を、水および/または水溶性有機溶媒中で加熱して得ら
れるものである請求項1記載の製造方法。
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1991
- 1991-09-12 JP JP26295791A patent/JP3169644B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Bioorg.Khim.(1990),16(7),976−980 |
Tetrahedron(1988),44(7),1893−1904 |
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JPH0570427A (ja) | 1993-03-23 |
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