JP3523168B2 - 含窒素化合物およびその製造方法 - Google Patents

含窒素化合物およびその製造方法

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JP3523168B2
JP3523168B2 JP2000261465A JP2000261465A JP3523168B2 JP 3523168 B2 JP3523168 B2 JP 3523168B2 JP 2000261465 A JP2000261465 A JP 2000261465A JP 2000261465 A JP2000261465 A JP 2000261465A JP 3523168 B2 JP3523168 B2 JP 3523168B2
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純一 坂本
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  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含窒素化合物およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】窒素原子
を含むジスルフィド類は非常に多くの化合物が知られ、
ファインケミカルの重要な合成中間体である。構造が簡
単なシスタミンは放射線障害防護作用を有する医薬品ま
たはその中間体として有用であり、医薬品のパンテチン
の重要な出発原料でもある。アミノ酸のシスチンもジス
ルフィド類化合物としてよく知られている。
【0003】ジスルフィド類の合成方法としては、通常
相当するチオール類を合成しさらにそれを酸化する2つ
の工程からなる方法が一般的に知られている。たとえ
ば、シスタミンを得る方法としては、エチレンイミンと
硫化水素より得られたシステアミンを過酸化水素で酸化
する方法が一般的である(特開昭55−127360
号、同57−62251号、同59−108761号、
同59−110667号、同60−8292号、同61
−10961号参照)。また、他のジスルフィド類も一
般に同様に相当するチオール類の酸化により合成され
る。
【0004】一方、相当するハロゲン化物から直接ジス
ルフィドを得ようとする試みは、工程の短縮、費用の低
減の見地からも工業的に有利であるので、長年にわたっ
てなされてきたが、まだ成功には至っていない。たとえ
ば、ハロゲン化炭化水素と二硫化ナトリウムを反応させ
て一挙にジスルフィドに導く方法は、得られるジスルフ
ィドにモノスルフィドとポリスルフィドが不純物として
含まれるため、これらを除去しなければならず、プロセ
スが長くなり工業的ではない。
【0005】別の方法としては、ハロゲン化炭化水素と
チオ硫酸ナトリウムを反応させて相当するブンテ塩とし
たのち、このブンテ塩を固体で取り出し、高温で加熱分
解する方法が知られている(Chem. Ber., 7, 646(187
4))。
【0006】しかしながら、この方法では求めるジスル
フィドの収率が低く、更に水溶性のブンテ塩を一旦反応
液より取り出して乾燥し、得られた固体を加熱分解する
操作が必要であるので、工業的実施においては問題を有
している。
【0007】他の方法としてはブンテ塩にヨウ素又は1
0モル%のチオ尿素を加え、酸性条件下で加熱する方法
が知られている(J.Chem. Soc., 2172(1962))。この方
法によるとジスルフィドが直接得られるものの、チオ尿
素は触媒として働くだけで、反応系内にそのままの形で
とどまるので、反応後チオ尿素とジスルフィドを分離す
る必要がある。さらにヨウ素は高価な原料であり、コス
ト向上の原因となるため工業的に有利とはいえない。
【0008】このようなことから、当業界では短い工程
で簡易にジスルフィド類を得る有利な方法の開発が期待
されているが、未だ満足できる方法は見い出されていな
い。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チオール
を経ずにジスルフィド類を1工程で得る方法について検
討を重ねた結果、前記ブンテ塩を水および/または水溶
性の有機溶媒中で酸性下、好ましくはpH4を越えない
範囲で、更に好ましくはpH2以下にて加熱するだけで
意外にも1工程で相当するジスルフィド類が得られるこ
とを見いだし本発明に到達した。
【0010】即ち、本発明の要旨は、 (1)一般式(1) (SCH2 CH2 + 2 Cl- CH2 CH2 S)m (1) (式中、mは3〜1000を示す。)で表される含窒素
化合物、および (2)一般式(2) H(3-n) N(CH2 CH2 X)n (2) (式中、nは2を示す。Xは塩素原子または臭素原子を
示す。)で表されるアミン化合物またはその塩とチオ硫
酸ナトリウムとを反応させてブンテ塩とした後、水およ
び/または水溶性有機溶媒中で酸性下加熱することを特
徴とする一般式(1) (SCH2 CH2 + 2 Cl- CH2 CH2 S)m (1) (式中、mは3〜1000を示す。)で表される含窒素
化合物の製造方法に関する。
【0011】本発明の一般式(1)で表される含窒素化
合物は、一般式(2)で表されるアミン化合物またはそ
の塩とチオ硫酸ナトリウムとを反応させてブンテ塩とし
た後、水および/または水溶性有機溶媒中で酸性下加熱
することによって得られる。
【0012】前記ブンテ塩を得る方法としては、前記の
ようにハロゲン化炭化水素や、そのハロゲンがアルコー
ルの硫酸エステルに変わった化合物とチオ硫酸ナトリウ
ムを反応させる方法等が知られている。本発明の方法に
おいて用いられるブンテ塩の調製方法は、特に限定され
るものではないが、原料の入手の容易さ、コスト的な問
題、製品の分離の容易さ等を勘案すれば、ハロゲン化炭
化水素とチオ硫酸ナトリウムより得る方法が有利に用い
られる。特に分子内に窒素を含有する含窒素ハロゲン化
合物とチオ硫酸ナトリウムを反応させて相当するブンテ
塩とした後、前記のように反応系を酸性下加熱すること
によりジスルフィド類が1工程で収率よく得られる。
【0013】即ち、本発明で用いることのできるブンテ
塩は、下記に示す一般式(3)、(4)、(5)で示す
含窒素ハロゲン化合物とチオ硫酸ナトリウムを、水およ
び/または水溶性有機溶媒中で加熱して得られるものが
好適なものとして例示される。ここで、含窒素ハロゲン
化合物としては、 R1 2 N−Alk−X で表される化合物またはその塩 (3) R3 4 5 + −Alk−X で表される4級アンモニウム塩 (4) Py−CH2 −X で表されるピリジン誘導体またはその塩 (5) が例示される。
【0014】ここに、R1 、R2 はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜8の直鎖または分岐アルキル基、炭素数2〜
8のアルケニル基、炭素数2〜8のアシル基、炭素数1
〜8のヒドロキシアルキル基を示す。炭素数1〜8のア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ヘ
キシル基、オクチル基等が例示される。炭素数2〜8の
アルケニル基としてはアリル基、ブテニル基、ヘキセニ
ル基等が例示される。炭素数2〜8のアシル基としては
アセチル基、プロピオニル基、ヘキサノイル基等が例示
される。炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基としては
前記のアルキル基にヒドロキシル基が置換したものが例
示される。
【0015】R1 、R2 はそれらが結合する窒素原子と
共に複素環を形成してもよいが、そのような複素環とし
てはピロリジン、ピペリジン、ピロール、モルホリンが
例示される。
【0016】Alkとしてはメチレン基、エチレン基、
トリメチレン基、テトラメチレン基等の1〜4個の炭素
原子を主鎖とする直鎖または分岐アルキレン基が例示さ
れる。R3 、R4 およびR5 で示される炭素数1〜8の
直鎖または分岐アルキル基としては、R1 、R2 につい
て記載した前記のものと同様なものが例示される。
【0017】含窒素ハロゲン化合物の具体例としては、
ジメチルアミノメチルクロリド、2−アミノエチルクロ
リド、2−アミノエチルブロミド、3−アミノプロピル
クロリド、2−(メチルアミノ)エチルクロリド、2−
(ジメチルアミノ)エチルクロリド、3−(ジメチルア
ミノ)プロピルクロリド、4−(ジメチルアミノ)ブチ
ルクロリド、2−(ジメチルアミノ)−1−メチルエチ
ルクロリド、2−(ジエチルアミノ)エチルクロリド、
2−(ジプロピルアミノ)エチルクロリド、2−(ジオ
クチルアミノ)エチルクロリド、2−(エチルオクチル
アミノ)エチルクロリド、2−(1−ピロリジニル)エ
チルクロリド、2−(1−ピペリジノ)エチルクロリ
ド、2−(4−モルホリノ)エチルクロリド、2−(1
−ピペラジノ)エチルクロリド、2−(1−ピロリル)
エチルクロリド、塩化(2−クロロエチル)トリメチル
アンモニウム、塩化(2−クロロエチル)トリエチルア
ンモニウム、塩化(2−クロロエチル)ジメチルエチル
アンモニウム、2−ピリジルメチルクロリド、3−ピリ
ジルメチルクロリド、4−ピリジルメチルクロリド、
(2−アセトアミノ)エチルクロリド、ビス(2−ヒド
ロキシメチル)アミノエチルクロリド等が挙げられる。
置換し得るアルキル基の長さには特に制限はないがC18
程度までなら十分利用可能であり、そのアルキル基は分
岐していても良いし、アラルキル基であっても良い。さ
らに上記一般式(3)、(4)、(5)で表される化合
物に加えて一般式(2)で表される含窒素ハロゲン化合
物が本発明に用いられ得る。
【0018】 H(3-n) N(CH2 CH2 X)n (2) (式中、nは2または3を示す。Xは塩素原子または臭
素原子を示す。)で表されるアミン化合物またはその
塩。その具体例としては、ビス(2−クロロエチル)ア
ミン、トリス(2−クロロエチル)アミン等が例示され
る。
【0019】含窒素ハロゲン化合物中の窒素原子は、1
級、2級、3級又は4級のいずれであってもよく、また
複素環に含まれる窒素原子であってもよい。4級の窒素
原子の場合、窒素原子の周りに対アニオンが存在する
が、対アニオンの種類は特に制限されない。
【0020】本発明で用いるブンテ塩は、このような含
窒素ハロゲン化合物とチオ硫酸ナトリウムを、水および
/または水溶性有機溶媒中で加熱して得られるものであ
る。ここで用いられる水溶性有機溶媒としては、通常水
のみを用いるのが工業的に有利であるが、反応基質が水
に溶解しにくい場合には反応性を向上させる目的でアル
コール類、エーテル類等の水と混和してそれ自身は反応
には関与しない溶媒を反応系に添加すると効果的な場合
が多い。アルコール類の一例としてはメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル等を挙げることができ、エーテル類としてはジオキサ
ン、ジメチルセロソルブ、ジエチルセロソルブ、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0021】また、加熱の条件は含窒素ハロゲン化合物
の種類によって異なるが、通常60℃〜還流温度で0.
5〜10時間が好ましい。
【0022】本発明に用いられるブンテ塩中の窒素原子
と硫黄原子との位置関係は、特に制約されないが、窒素
原子と硫黄原子が1〜4個の炭素原子を主鎖とする直鎖
または分岐アルキレン基を介して結合していれば本発明
のジスルフィド合成に特に有効である。すなわち一般式
(3)、(4)において、Alkとしてはメチレン基、
エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のア
ルキレン基を挙げることができる。また、硫黄原子と直
接結合している炭素原子に置換基があっても特に問題は
ない。たとえば2−アミノ−1−メチルエチル基、2−
アミノ−1,1−ジメチルエチル基等である。
【0023】また、本発明において含窒素ハロゲン化合
物として前記一般式(2)で示される化合物を用いた場
合、ブンテ塩としては例えばNH(CH2 CH2 SSO
3 Na)2 やN(CH2 CH2 SSO3 Na)3 等の多
価のブンテ塩が得られる。この中でNH(CH2 CH2
SSO3 Na)2 を原料として用いた場合には反応条件
により下記の化合物を合成することができる。
【0024】
【化1】
【0025】ここで、(SCH2 CH2 + 2 Cl-
CH2 CH2 S)m の化合物は、新規化合物であり、耐
熱性樹脂、金属捕捉剤としての用途が期待される。
【0026】さらに本発明に用いられるブンテ塩におい
ては、主鎖中の炭素原子の一部が窒素原子と環を形成し
ていても良い。その一例としては2−ピリジルメチル
基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2
−ピロリルメチル基、3−ピロリルメチル基、2−イン
ドリルメチル基、3−インドリルメチル基、2−ピペリ
ジルメチル基、3−ピペリジルメチル基、4−ピペリジ
ルメチル基、2−ピロリジニルメチル基、3−ピロリジ
ニルメチル基等である。
【0027】また、以上で示したブンテ塩の対カチオン
としては、ナトリウム、カリウム等が用いられ、経済的
にはナトリウムが有利である。
【0028】本発明においてブンテ塩からジスルフィド
類を得る反応に用いられる反応溶媒としては、前記ブン
テ塩の生成反応に用いたのと同様に水および/または水
溶性有機溶媒が挙げられる。通常水のみを用いるのが工
業的に有利であるが、反応基質が水に溶解しにくい場合
には反応性を向上させる目的でアルコール類、エーテル
類等の水と混和してそれ自身は反応には関与しない溶媒
を反応系に添加すると効果的な場合が多い。アルコール
類の一例としてはメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、エチレングリコール等を挙げることが
でき、エーテル類としてはジオキサン、ジメチルセロソ
ルブ、ジエチルセロソルブ、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル等が挙げられる。
【0029】本発明におけるブンテ塩からジスルフィド
類を得る反応は、酸性下加熱することによりなされる
が、ここで用いられる酸としては、鉱酸が有利である。
ブンテ塩を含有する溶液に鉱酸を加えて反応系を酸性に
して加熱する。鉱酸としては塩酸、硫酸等が一般的であ
るが他の鉱酸であっても問題はない。上記の溶液に通常
鉱酸/ブンテ塩を当量比で0.2〜3.0となるように
加え加熱する。鉱酸を添加した後で反応液のpHが好ま
しくは4を越えない範囲、特に好ましくは2以下となっ
ていれば良い。鉱酸を加える量が多いとすぐにジスルフ
ィドが生じるが必要以上に鉱酸を添加したことになり経
済的でなく、逆に少ないとジスルフィドの生成に時間が
かかるので好ましくない。鉱酸の添加は一括でも分割で
も良い。添加時の反応液の温度は20℃〜還流温度であ
り、鉱酸を加えた後通常60℃〜還流温度で10分〜5
時間加熱すると収率良くジスルフィドが得られる。加熱
温度がこの範囲より低いと反応時間が長くかかるために
好ましくない。鉱酸以外にも酢酸等の有機酸も本発明に
利用できるが、反応収率が若干悪くなること、及び製品
のジスルフィドに有機酸が混入してくるために有利とは
言えない。得られた反応液よりジスルフィドを単離する
には通常の方法、例えば反応液をアルカリ性として含窒
素ジスルフィドを遊離させ、有機溶媒で抽出すれば良
い。水と混じり合わない溶媒で有れば抽出溶媒として利
用可能である。生成物によってはアルカリ性とするのみ
で水と分離してくる物もある。
【0030】一般に2位にアミノ基を持つチオール、例
えばシステアミンは酸素により比較的速やかに酸化され
てシスタミンを与えるとされている(J. Am. Chem. So
c., 67,1845(1945))。しかしながら実際にはこの速度
は思ったほど速くはない。前記の文献には2位にアミノ
基を持つチオールは酸素により酸化されやすいとされる
が、3位、4位にアミノ基を持つチオールに関してはそ
のような記載はない。シスタミンを得るためには過酸化
水素で酸化しているのが現実である(特開昭55−12
7360号、同57−62251号、同59−1087
61号、同59−110667号、同60−8292
号、同61−10961号参照)。
【0031】本発明の反応を窒素雰囲気下で行っても収
率良くジスルフィドが得られること、及び反応の経時変
化を追いかけても相当するチオールが検出されないこと
から、本発明の反応はチオールが一旦系内に生じそれが
酸化を受けてジスルフィドとなる機構ではないと考えら
れる。
【0032】
【実施例】以下に実施例および参考例を挙げて本発明を
具体的に説明する。 参考例1 2−アミノエチルクロリド塩酸塩11.6g(0.10
0モル)、チオ硫酸ナトリウム・5水塩24.9g
(0.100モル)及び水50gを反応器に仕込み10
0℃で2時間加熱しブンテ塩を調製した。この反応はほ
ぼ定量的に進行した。この反応液に36%塩酸を10.
2g(0.100モル)添加した。このときのpHは1
以下であった。この溶液を更に30分間100℃に加熱
した。この時点で分析すると原料の2−アミノエチルク
ロリドはすべて消失し、ビス(2−アミノエチル)ジス
ルフィド塩酸塩が10.2g(0.045モル)生成し
ていた。この反応液を室温まで冷却した後に苛性ソーダ
溶液を加えて反応液をアルカリ性とし、酢酸エチル20
0gにて5回抽出を行った。この酢酸エチル層を一つに
まとめ塩化水素ガスを吹き込むと、ビス(2−アミノエ
チル)ジスルフィド塩酸塩が析出した。濾過、乾燥によ
りビス(2−アミノエチル)ジスルフィド塩酸塩が9.
6g(0.043モル)、収率86%で得られた。
【0033】参考例2 3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩酸塩15.
8g(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム・5水塩
24.8g(0.100モル)及び水50gを反応器に
仕込み100℃で2時間加熱し、参考例1と同様に反応
を行った。その後36%塩酸10.1g(0.100モ
ル)をこの反応液に加えた。このときのpHは1以下で
あった。この溶液を更に1時間加熱した。この反応液を
室温まで冷却した後苛性ソーダでアルカリ性となし、酢
酸エチル200gで2回抽出した。得られた酢酸エチル
溶液に塩化水素ガスを通気して、生成物を塩酸塩として
析出させた。析出物を濾過、乾燥するとビス(3−(ジ
メチルアミノ)プロピル)ジスルフィド塩酸塩が12.
4g(0.040モル)、収率80%で得られた。
【0034】参考例3 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて3−アミノプロピルクロリド塩酸塩13.
0g(0.100モル)とし、抽出に酢酸エチル200
gを3回用いた以外は参考例2と同様に反応を行い、ビ
ス(3−アミノプロピル)ジスルフィド塩酸塩が9.9
g(0.039モル)、収率78%で得られた。
【0035】参考例4 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド塩
酸塩14.4g(0.100モル)とした以外は参考例
2と同様に反応を行い、ビス(2−(ジメチルアミノ)
エチル)ジスルフィド塩酸塩が11.5g(0.041
モル)、収率82%で得られた。
【0036】参考例5 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて4−(ジメチルアミノ)ブチルクロリド塩
酸塩17.2g(0.100モル)とした以外は参考例
2と同様に反応を行い、ビス(2−(ジメチルアミノ)
ブチル)ジスルフィド塩酸塩が13.5g(0.040
モル)、収率80%で得られた。
【0037】参考例6 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えてジメチルアミノメチルクロリド塩酸塩1
3.0g(0.100モル)とした以外は参考例2と同
様に反応を行い、ビス(ジメチルアミノメチル)ジスル
フィド塩酸塩が9.0g(0.036モル)、収率72
%で得られた。
【0038】参考例7 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて2−(1−ピペリジノ)エチルクロリド塩
酸塩18.4g(0.100モル)とした以外は参考例
2と同様に行い、ビス(2−(1−ピペリジノ)エチ
ル)ジスルフィド塩酸塩が13.5g(0.037モ
ル)、収率74%で得られた。
【0039】参考例8 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて2−(ジメチルアミノ)−1−メチルエチ
ルクロリド塩酸塩15.8g(0.100モル)とした
以外は参考例2と同様に行い、ビス(2−(ジメチルア
ミノ)−1−メチルエチル)ジスルフィド塩酸塩が1
2.7g(0.041モル)、収率82%で得られた。
【0040】参考例9 反応基質を3−(ジメチルアミノ)プロピルクロリド塩
酸塩に代えて2−ピリジルメチルクロリド塩酸塩16.
4g(0.100モル)とした以外は参考例2と同様に
行い、ビス(2−ピリジルメチル)ジスルフィド塩酸塩
が12.6g(0.039モル)、収率78%で得られ
た。
【0041】参考例10 塩化(2−クロロエチル)トリメチルアンモニウム1
5.8g(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム2
4.8g及び水50gを反応器に仕込み100℃で2時
間加熱した。反応液に36%塩酸を10.1g(0.1
00モル)加えた。このときのpHは1以下であった。
この溶液をさらに1時間加熱した。生成物を反応液から
ブタノール100gで3回抽出した。ブタノール層を1
つにまとめ濃縮乾固すると、二塩化2,2’−ジチオビ
スエチレン−1,1’−ビス(トリメチルアンモニウ
ム)が11.4g(0.037モル)、収率74%で得
られた。
【0042】実施例1 ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩17.8g
(0.100モル)、チオ硫酸ナトリウム49.6g
(0.200モル)及び水50gを反応器に仕込み10
0℃で2時間加熱した。反応液に36%塩酸を20.3
g(0.200モル)加えた。このときのpHは1以下
であった。この溶液を更に1時間加熱した。加熱中に沈
殿が生成してくるので濾過取得した。得られた生成物は
相当するジスルフィド塩酸塩のポリマー(SCH2 CH
2 + 2 Cl- CH2 CH2 S)m 16.8g(モノ
マーとして0.098モル)であった。ゲルパーミショ
ンクロマト法による分子量測定によれば37000を中
心とする分布を有していた。
【0043】元素分析(C4 10NClS2 として) 分析値 C 27.70, H 5.98, N 8.41, S 37.08, Cl 20.55
% 計算値 C 27.98, H 5.87, N 8.16, S 37.34, Cl 20.65
% 融点 187℃(結晶構造変化) 223.2〜226.1℃(分解)1 H−NMR δ(DMSO−d6 ) 3.56(broad singlet ) IR cm-1(KBr) 3450,2960,2750,2450,1640,1580,1470,1430,1140,630
【0044】
【発明の効果】分子内に窒素原子とハロゲン原子を有す
る化合物にチオ硫酸ナトリウムを反応させてブンテ塩と
した後、そのまま反応液を酸性にすると相当するジスル
フィドが一挙に高収率で生成する。従来、ジスルフィド
を得る方法としては一旦チオールを得、つぎにそのチオ
ールを酸化してジスルフィドとする2工程反応であるの
で、本発明の方法はハロゲン原子を含む基質よりジスル
フィドを一挙に得る方法として優れている。更に、ジス
ルフィドの硫黄源は安価なチオ硫酸ナトリウムに由来し
ているので工業的見地からも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 幹生 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住友精化株式会社内 (72)発明者 真子 恵一郎 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住友精化株式会社内 (72)発明者 大江 聡之 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住友精化株式会社内 (56)参考文献 特公 昭33−2150(JP,B1) 特公 昭44−26305(JP,B1) Bioorg.Khim,1990年,16 (7),976−980 Tetrahedron,1988年,44 (7),1893−1904 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/14 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) (SCH2 CH2 + 2 Cl- CH2 CH2 S)m (1) (式中、mは3〜1000を示す。)で表される含窒素
    化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(2) H(3-n) N(CH2 CH2 X)n (2) (式中、nは2を示す。Xは塩素原子または臭素原子を
    示す。)で表されるアミン化合物またはその塩とチオ硫
    酸ナトリウムとを反応させてブンテ塩とした後、水およ
    び/または水溶性有機溶媒中で酸性下加熱することを特
    徴とする一般式(1) (SCH2 CH2 + 2 Cl- CH2 CH2 S)m (1) (式中、mは3〜1000を示す。)で表される含窒素
    化合物の製造方法。
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