JP2658059B2 - チオエーテル類の製造方法 - Google Patents

チオエーテル類の製造方法

Info

Publication number
JP2658059B2
JP2658059B2 JP62157323A JP15732387A JP2658059B2 JP 2658059 B2 JP2658059 B2 JP 2658059B2 JP 62157323 A JP62157323 A JP 62157323A JP 15732387 A JP15732387 A JP 15732387A JP 2658059 B2 JP2658059 B2 JP 2658059B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sch
general formula
schch
alkyl group
scr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62157323A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63146854A (ja
Inventor
晃 中村
和行 巽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JPS63146854A publication Critical patent/JPS63146854A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2658059B2 publication Critical patent/JP2658059B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はチオエーテル類の製造方法に関する。詳しく
は本発明は脂肪族ジチオールを縮合させてチオエーテル
類を製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
チオエーテル類の合成法は、従来、硫化アルカリとハ
ロゲン化アルカリとの反応、チオールとハロゲン化アル
キルとの求核反応、チオールのアルケンへの付加反応な
ど数多く知られている(Sir D.Barton,F.R.S.,and W.D.
Ollis,F.R.S.,“Comprehensive Organic Chemistry,The
Synthesis and Reactions of Organic Compounds,No.
3,P.36,Pergamon Press,1979)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これらの反応を用いて、本発明において製造されるチ
オエーテル類、即ち、3−チア−1,5−ジチオール化合
物を製造するには、工程数を要し、また反応後に当量の
塩を副生するか或いは選択性が低いというという欠点を
有する。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはジチオールを原料とする合成法につき種
々検討した結果、特定の触媒によりジチオールを縮合さ
せてチオエーテル類を合成する新規な反応を見出して本
発明に到達したものである。
即ち本発明の要旨は、 一般式(I): 〔An+6-x{〔M(SCR1R2CR3R4S)x-6 (I) 〔式中、An+は、環状エーテル配位子が1価の無機金属
陽イオンに配位した錯イオン、アンモニウムイオン、ホ
スホニウムイオン、アルソニウムイオン、イミニウムイ
オンより選ばれた有機陽イオンを表わし、nは1の整数
を表わす。
R1、R2、R3及びR4は水素原子又はアルキル基を表わ
し、相互に異なっていてもよい。
また、MはNb、Zr、Ta、Wの金属元素からなる群から
選択される一種の金属元素を表わし、xはMの金属元素
の価数を表わす。〕 で表わされるジチオレート錯化合物、 又は、一般式(II): 〔An+P〕6-x{〔MS(SCR1R2CR3R4S)(SCR1′R2′CR3′R4
S− CR5′、R6′、CR7′、R8′、S)〕x-6 (II) 〔式中、An+、n、xは式(I)と同じであり、R1
R2、R3、R4、R1′、R2′、R3′、R4′、R5′、R6′、
R7′及びR8′は水素原子又はアルキル基を表わし、相互
に異なっていてもよい。〕 で表わされるスルフィドジチオレート錯化合物とブレン
ステッド酸との存在下に、 一般式(III): HSCR5R6CR7R8SH (III) 〔式中、R5、R6、R7及びR8は水素原子又はアルキル基を
表わし、相互に異なっていてもよい。〕 又は、一般式(IV): HSCR9R10CR11R12SCR13R14CR15R16SH (IV) 〔式中、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16
水素原子又はアルキル基を表わし、相互に異なっていて
もよい。〕 で表わされる脂肪族ジチオールを液相で縮合させて、一
般式(V)または(VI)で示されるチオエーテル類を得
ることを特徴とするチオエーテル類の製造方法、に存す
る。
〔式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R
14、R15およびR16は、式(III)と(IV)の定義と同じ
である。〕 以下、本発明について詳細に説明する。
本発明方法で原料として用いられる脂肪族ジチオール
は、 一般式(III): HSCR5R6CR7R8SH (III) 〔式中、R5、R6、R7及びR8は水素原子又はアルキル基を
表わし、相互に異なっていてもよい。〕 又は、一般式(IV): HSCR9R10CR11R12SCR13R14CR15R16SH (IV) 〔式中、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16
水素原子又はアルキル基を表わし、相互に異なっていて
もよい。〕 で表わされる脂肪族ジチオールである。
上記アルキル基としては、通常、炭素数1〜20、好ま
しくは1〜10の直鎖又は分岐の飽和アルキル基が挙げら
れる。
上記脂肪族ジチオールの具体例としては、 等の1,2−ジメルカプトエタン類; 等の3−チア−1,5−ペンタンジオール類; 等が挙げられる。
本発明方法においては触媒成分として特定のジチオレ
ート錯化合物又はスルフィドジチオレート錯化合物を使
用する。
上記ジチオレート錯化合物は前記式(I): 〔An+6-x{〔M(SCR1R2CR3R4S)x-6 (I) で表わされる。
一般式(I)においてAn+としては、Li+(テトラヒド
ロフラン)、Li+(18−クラウン−6)、K+(18−ク
ラウン−6)等の環状エーテル配位子が1価の無機金属
陽イオンに配位した錯イオン;NH4 +、NHEt3 +、NMe4 +、NE
4 +、NPr4 +、N(n−Bu)4 +、N(CH2Ph)4 +、N(n−
Bu)(CH2Ph)等のアンモニウムイオン(上式中、M
e、Et、Pr、Bu及びPhはそれぞれメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基及びフェニル基を表わす。以下に
おいても同様。);PH4 +、PMe4 +、PEt4 +、PMe3Et+、PMe3
(CH2Ph)、PPh3Me+、PPh4 +、P(n−C8H173Me+
のホスホニウムイオン;AsMe4 +、AsEt3Me+、AsPh3Me+、A
sPh4 +等のアルソニウムイオン;〔Ph3P=N=PPh3
(ビストリフェニルホスフィンイミニウム)等のイミニ
ウムイオン;の有機陽イオン;が挙げられる。上記のう
ちでは特にエーテル類が配位した一価の金属陽イオン、
テトラアルキルアンモニウムイオン、テトラアリールホ
スホニウムイオン、テトラアリールアルソニウムイオン
が好ましい。
一般式(I)における置換基R1、R2、R3及びR4として
は、例えばMe、Et、n−Pr、n−Bu、sec−Bu、iso−B
u、n−C5H11、c−C5H9、n−C6H13、c−C6H11、n−
C8H17等の炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜10の脂
肪族アルキル基が挙げられる。
また、Mとしては周期表の第4A族、第5A族及び第6A族
の元素からなる群から選択された一種の金属元素であ
り、具体的にはチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニ
オブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)のう
ちの一種である。
一般式(I)のジチオレート錯化合物の具体例として
は、 〔Li(thf)〕〔Nb(SCH2CH2S)〕(式中、thfはテ
トラヒドロフランを示す。)、 〔Li(thf)〕〔Nb(SCHCH3CH2S)〕、 〔NEt4〕〔Nb(SCH2CH2S)〕、 〔NEt4〕〔Nb(SCHC2H5CH2S)〕、 〔PPh4〕〔Nb(SCH2CH2S)〕、 〔PPh4〕〔Nb(SCHCH3CH2S)〕、 及びこれらのニオブ(V)ジチオレートアニオン錯体に
おいて、ニオブ(Nb)がタンタル(Ta)に置き換えられ
たもの; 〔Li(thf)〔Ti(SCH2CH2S)〕、 〔Li(thf)〔Ti(SCHCH3CH2S)〕、 〔NEt4〔Ti(SCH2CH2S)〕、 〔NEt4〔Ti(SCHCH3CH2S)〕、 〔PPh4〔Ti(SCH2CH2S)〕、 〔PPh4〔Ti(SCHCH3CH2S)〕、 及び、これらのチタン(IV)ジチオレートアニオン錯化
合物のチタン(Ti)がジルコニウム(Zr)に置き換えら
れたもの;或いは〔W(SCH2CH2S)〕、〔W(SCHCH3
CH2S)〕、等が挙げられる。
また前記スルフィドジチオレート錯化合物は前式(I
I): 〔An+6-x{〔MS(SCR1R2CR3R4S)(SCR1′R2′CR3′R4
S− CR5′、R6′、CR7′、R8′、S)〕x-6 (II) で表わされる。
一般式(II)においてAn+としては、一般式(I)に
ついて例示した陽イオンと同一のものが挙げられる。
一般式(II)における置換基R1、R2、R3、R4、R1′、
R2′、R3′、R4′、R5′、R6′、R7′及びR8′として
は、例えばMe、Et、n−Pr、n−Bu、sec−Bu、iso−B
u、n−C5H11、n−C5H9、n−C6H13、c−C6H11、n−
C8H17等の炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜10の脂
肪族アルキル基が挙げられる。
またMとしてはチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、
ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、タングステン(W)の
うちの金属元素である。
一般式(II)のスルフィドジチオレート錯化合物の具
体例としては、 〔Li(thf)〕〔NbS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH
2S)〕、 〔Li(thf)〕〔NbS(SCHCH3CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH
3CH2S)〕、 〔NEt4〕〔NbS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕、 〔NEt4〕〔NbS(SCHCH3CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH3CH
2S)〕、 〔NEt4〕〔NbS(SCH2CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH3CH
2S)〕、 〔PPh4〕〔NbS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕、 〔PPh4〕〔NbS(SCHCH3CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH3CH
2S)〕、 及びこれらのニオブ(V)スルフィドジチオレート錯化
合物のニオブ(Nb)をタンタル(Ta)に置き換えたも
の; 〔Li(thf)〔TiS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2
S)〕、 〔Li(thf)〔TiS(SCHCH3CH2S)(SCHCH3CH2SCH
CH3CH2S)〕、 〔NEt4〔TiS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕、 〔NEt4〔TiS(SCHCH3CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH3CH
2S)〕、 〔NEt4〔TiS(SCH2CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH3CH
2S)〕、 〔PPh4〔TiS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕、 〔PPh4〔TiS(SCHCH3CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH3CH
2S)〕、 及びこれらのチタン(IV)スルフィドジチオレート錯化
合物のチタン(Ti)をジルコニウム(Zr)に置き換えた
もの;或いは 〔WS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕、 〔WS(SCHCH3CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH3CH2S)〕、 〔WS(SCH2CH2S)(SCHCH3CH2SCHCH3CH2S)〕、 などが挙げられる。
一般式(I)で表わされるジチオレート錯化合物は、
K.Tatsumi、Y.Sekiguchi、A.Nakamura、R.E.Cramerおよ
びJ.Rupp著、Angewandte Chemie誌、25巻、1号、86頁
(1986年)に記載された方法で合成することができる。
具体的には、次の(1)式に従って、例えば錯体〔Li
(thf)〕〔Nb(SCH2CH2S)〕を合成することが出
来る。
更にこの錯体をアセトニトリル中で対カチオン交換を
させることにより各種の構造を有するジチオレート錯体
も合成される。例えばEt4NClを作用させて〔Et4N〕〔Nb
(SCH2CH2S)〕が得られる。
〔Et4N〕〔Nb(SCH2CH2S)〕は、次の(2)式に従
ってEt4NClの存在下、NbCl5とLiSCH2CH2SLiとを直接、
アセトニトリル中で反応させても得られる。
また、〔Et3NH〕〔Nb(SCH2CH2S)〕は、次の
(3)式に従って、Et3Nの存在下、NbCl5とHSCH2CH2SH
とを直接、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の
中で反応させることによって得られる。
更に、K.Tatsumi、Y.Sekiguti、A.Nakamura、R.E.Cra
mer、J.J.Rupp著、Journal of American Chemical Soci
ety、108巻、1358頁(1986年)に記載された方法で、一
般式(I)で表わされたジチオレート錯化合物とブレン
ステッド酸とを混合することにより、一般式(II)で表
わされるスルフィドジチオレート錯化合物を含む溶液を
調製、又は単離することが出来る。
なお、本発明においては、上記のジチオレート錯化合
物及びスルフィドジチオレート錯化合物を調製、単離し
た後に反応に供してもよいし、或いはこれらを反応系中
で生成させてもよい。
これらジチオレート錯化合物及びスルフィドジチオレ
ート錯化合物(以下、併せて「チオレート錯化合物」と
いう。)の使用量は、反応液中の濃度として、反応溶液
1リットル当り1〜1×10-5モル、好ましくは0.1〜0.0
01モルの範囲である。
本発明方法はブレンステッド酸の共存下で実施され
る。ブレンステッド酸については例えば田部浩三、竹下
常一著「酸塩基触媒」、産業図書(1966)に記載されて
いる。
ブレンステッド酸の具体例としては、フッ化水素、塩
化水素、ヨウ化水素、過塩素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、
亜硝酸、リン酸、水等の無機酸;H3PW12O40、H3PMo
12O40、H4SiMo12O40等のヘテロポリ酸;ギ酸、酢酸、酪
酸、アジピン酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸等
の有機カルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機スル
ホン酸;メタノール、エタノール、プロピルアルコー
ル、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリ
セリン等のアルコール化合物;フェノール、p−クロル
フェノール、p−ニトロフェノール、クレゾール、ナフ
トール等のフェノール化合物;メタンチオール、エタン
チオール、プロパンチオール、1,2−ジメルカプトエタ
ン、1,3−ジメルカプトプロパン、ベンゼンチオール、
p−クロロベンゼンチオール、p−ニトロベンゼンチオ
ール、ベンゼンジチオール等のチオール化合物;塩化ア
ンモニウム、トリエチルアミン塩酸塩、ピリジン塩酸塩
等の陽子供与性塩;ニトロメタン、シクロペンタンジエ
ン、アセト酢酸エチル等の活性メチレン化合物;等が挙
げられる。特に水、アルコール化合物、フェノール化合
物及びチオール化合物が好ましい。
これらブレンステッド酸の使用量は、チオレート錯化
合物1モルに対し、通常0.1〜1000モル、好ましくは0.5
〜100モル、更に好ましくは1〜10モルの範囲である。
原料として用いられる脂肪族ジチオールの使用量は、
チオレート錯化合物1モルに対し、通常1〜10,000モ
ル、好ましくは50〜5,000モル、更に好ましくは100〜1,
000モルの範囲である。
本発明は溶媒の不存在下に、即ち反応原料及び触媒成
分自体を反応触媒として実施することもできるが、溶媒
を使用することもできる。
このような溶媒としては例えば、ジエチルエーテル、
アニソール、テトラヒドロフラン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;メタノ
ール、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコー
ル、フェノール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール等のアルコール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、
トルイル酸等のカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸n−ブ
チル、安息香酸ベンジル等のエステル類;ベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水
素;n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂
肪族炭化水素;ジクロロメタン、トリクロロエタン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、
ニトロベンゼン等のニトロ化合物;トリエチルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ピ
リジン、α−ピコリン、2−ヒドロキシピリジン等の第
三級アミン;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のカルボン酸
アミド;ヘキサメチルリン酸トリアミド、N,N,N′,N′
−テトラエチルスルファミド等の無機酸アミド類;N,N′
−ジメチルイミダゾリドン、N,N,N′,N′−テトラメチ
ル尿素等の尿素類;ジメチルスルホン、テトラメチルス
ルホン等のスルホン類;ジメチルスルホキシド、ジフェ
ニルスルホキシド等のスルホキシド類;γ−ブチロラク
トン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;テトラグラ
イム、18−クラウン−6等のポリエーテル類;アセトニ
トリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルカー
ボネート、エチレンカーボネート等の炭酸エステル類等
があげられる。
上記の溶媒の中でも非プロトン性極性溶媒、即ちアミ
ド類、尿素類、ポリエーテル類の使用が好ましい。
本発明の反応は均一系或いは不均一懸濁系のいずれで
も実施可能である。
反応温度としては、通常0〜200℃の条件が採用され
るが、より好ましい温度範囲は10〜150℃程度、更に好
ましくは20〜100℃程度である。
反応圧力としては、減圧、大気圧、或いは加圧下のい
ずれでも行なうことができる。なお反応はアルゴン、窒
素等の不活性気流下で行なうのが好ましい。
本発明方法は回分式、半連続式、または連続式のいず
れの反応形態でも実施することができる。
反応により生成したチオエーテル類等は通常の分離方
法、例えば蒸留、抽出等により分離できる。さらに、そ
の蒸留、抽出等の残渣は触媒液として循環再使用するこ
とが可能である。
本発明方法により前記一般式(III)または(IV)の
脂肪族ジチオールから対応するチオエーテル類を得るこ
とができる。例えば、 〔実施例〕 次に本発明の具体的態様を実施例によって更に詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。
実施例−1 (1)〔PPh4〕〔NbS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH
2S)〕の合成: 1.3g(1.7mmol)の〔PPh4〕〔Nb(SCH2CH2S)〕を
含むDMF(ジメチルホルムアミド)10mlの溶液に2.8mmol
の水蒸気(酵素不含)を室温で移送した。溶液を70℃で
5時間加熱した。少量の不溶成分をろ過で除いた後、溶
媒を減圧下に除き、冷却アセトンで洗浄し、純粋の〔PP
h4〕〔NbS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕を収率70
%で得た。
(2)反応: 150mlのガラス製フラスコに、触媒としての〔PPh4
〔NbS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕0.05mmol、ブ
レンステッド酸としてのPhOH 0.25mmolを入れ、触媒濃
度が0.01mol/となるようにDMFを加えた。
次に1,2−エタンジチオール54mmolを加えて、100℃で
アルゴン下、106時間、反応を実施した。反応を実施す
る際には反応生成物のH2Sガスを反応系から約12時間毎
に抜いた。
反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、1,2−エタンジチオール32mmolが反応したことがわ
かった。そして、3−チアペンタン−1,5−ジチオール
が14mmol生成し、反応した1,2−エタンジチオールの量
に対して、収率88%で、3−チアペンタン−1,5−ジチ
オールが得られた。conversion numberは2.8/hであっ
た。
実施例−2 150mlのガラス製フラスコに、触媒としての〔PPh4
〔NbS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕0.04mmol、ブ
レンステッド酸としてのMeOH 0.19mmolを入れ、触媒濃
度が0.01mol/となるようにDMFを加えた。
次に1,2−エタンジチオール3.6mmolを加えて、70℃で
アルゴン下、67時間、反応を実施した。反応生成物のH2
Sガスを抜くことと分析とは、実施例−1(反応)と同
様に行なった。
その結果、1,2−エタンジオール1.3mmolが反応したこ
とがわかった。3−チアペンタン−1,5−ジチオールは
0.6mmol生成し、反応した1,2−エタンジチオールの量に
対して、収率92%であった。conversion numberは0.3/h
であった。
実施例−3 150mlのガラス製フラスコに、触媒としての〔PPh4
〔NbS(SCH2CH2S)(SCH2CH2SCH2CH2S)〕0.21mmol、ブ
レンステッド酸としてのPhOH 1.0mmolを入れ、更に50ml
のCH3CNを加えた(触媒濃度4.2mmol/l)。そして、1,2
−エタンジチオール21mmolを加えて、CH3CN還流下、ア
ルゴン気流中で140時間、反応を実施した。
反応生成物をガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、1,2−エタンジチオール10mmolが反応したことがわ
かった。そして、3−チアペンタン−1,5−ジチオール
が3mmol生成し、反応した1,2−エタンジチオールの量に
対して、収率60%であった。またconversion numberは
0.3/hであった。
参考例−1 〔PPh4〕〔Nb(SCHCH3CH2S)〕の合成: NbCl50.7g(2.6mmol)を15mlのCH3CNに溶解し、氷水
浴中でプロパン−1,2−ジチオール0.58g(7.8mmol)を
滴下した。次いでトリエチルアミン1.6g(15.6mmol)を
加え室温で2.5時間撹拌し、得られた赤色溶液中に生成
した白色粉末を除去した後、該溶液にPh4PBr 1,1g(2.6
mmol)のアセトニトリル溶液8mlを加えた。
その後アセトニトリル溶液を濃縮しながら過剰のPh4P
Br及びEt3N・HClを結晶として分離し、アセトニトリル
を留去して赤色粉末の〔Ph4P〕〔Nb(SCHCH3CH2S)
を収率58%で得た。
実施例−4 150mlのガラス製フラスコに、触媒として上記参考例
−1で調製した〔PPh4〕〔Nb(SCHCH3CH2S)〕73mg
(0.1mmol)及び触媒としてDMF10mlを入れ、次にプロパ
ン−1,2−ジチオール1.1g(10mmol)を加え、100℃でア
ルゴン下、8時間、反応を実施した。
その結果、供給したプロパン−1,2−ジチオールの転
化率は44%で、縮合二量化物の収率は10%であった。
なお、縮合二量化物の異性体中、4−チアヘプタン−
2,6−ジチオールが60%以上存在していることがわかっ
た。
実施例−5 第1表に示す塩化物を用い、各塩化物の0.05M DMF溶
液を調製し、各DMF溶液2mlに塩化物に対して100倍当量
の1,2−エタンジチオールを加え、その後6倍当量のト
リエチルアミンを加え、100℃でアルゴン下、12時間、
反応を行ない、、3−チアペンタン−1,5−ジチオール
を得た。その結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明方法により有機合成原料として有用なチオエー
テル類を経済的に製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): 〔An+6-x{〔M(SCR1R2CR3R4S)x-6 (I) 〔式中、An+は、環状エーテル配位子が1価の無機金属
    陽イオンに配位した錯イオン、アンモニウムイオン、ホ
    スホニウムイオン、アルソニウムイオン、イミニウムイ
    オンより選ばれた有機陽イオンを表わし、nは1の整数
    を表わす。 R1、R2、R3及びR4は水素原子又はアルキル基を表わし、
    相互に異なっていてもよい。 また、MはNb、Zr、Ta、Wの金属元素からなる群から選
    択される一種の金属元素を表わし、xはMの金属元素の
    価数を表わす。〕 で表わされるジチオレート錯化合物、 又は、一般式(II): 〔An+6-x{〔MS(SCR1R2CR3R4S)(SCR1′R2′CR3′R4
    S− CR5′、R6′、CR7′、R8′、S)〕x-6 (II) 〔式中、An+、n、xは式(I)と同じであり、R1
    R2、R3、R4、R1′、R2′、R3′、R4′、R5′、R6′、
    R7′及びR8′は水素原子又はアルキル基を表わし、相互
    に異なっていてもよい。〕 で表わされるスルフィドジチオレート錯化合物とブレン
    ステッド酸との存在下に、 一般式(III): HSCR5R6CR7R8SH (III) 〔式中、R5、R6、R7及びR8は水素原子又はアルキル基を
    表わし、相互に異なっていてもよい。〕 又は、一般式(IV): HSCR9R10CR11R12SCR13R14CR15R16SH (IV) 〔式中、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15及びR16
    水素原子又はアルキル基を表わし、相互に異なっていて
    もよい。〕 で表わされる脂肪族ジチオールを液相で縮合させて、一
    般式(V)または(VI)で示されるチオエーテル類を得
    ることを特徴とするチオエーテル類の製造方法。 〔式中、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R
    14、R15およびR16は、式(III)と(IV)の定義と同じ
    である。〕
JP62157323A 1986-07-30 1987-06-24 チオエーテル類の製造方法 Expired - Lifetime JP2658059B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61-179450 1986-07-30
JP17945086 1986-07-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63146854A JPS63146854A (ja) 1988-06-18
JP2658059B2 true JP2658059B2 (ja) 1997-09-30

Family

ID=16066067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62157323A Expired - Lifetime JP2658059B2 (ja) 1986-07-30 1987-06-24 チオエーテル類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2658059B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0255243U (ja) * 1988-10-17 1990-04-20

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63146854A (ja) 1988-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004529956A (ja) 置換試薬としてのイオン性の組成物の使用、フッ素化試薬を構成する組成物およびそれを用いる方法
HUT63404A (en) Process for producing cyclic sulfate derivatives
JP3337728B2 (ja) 2‐アセチルベンゾ[b]チオフェンの製造方法
JP2658059B2 (ja) チオエーテル類の製造方法
KR20050057057A (ko) 나프록센의 니트로옥시유도체 제조방법
HU193147B (en) Process for sulfenizing carbamate derivatives in the presence of trialkyl-amine and sulfur-dioxide
JP4215986B2 (ja) 環状サルフェイトの製造方法
Jarosinski et al. Preparation of noncondensed 2-substituted 1-methylimidazoles via ipso substitution reaction on 2-sulfinyl or 2-sulfonyl derivatives of 4, 5-disubstituted 1-methylimidazoles
JPH0625223A (ja) 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造法
US5847205A (en) Method for producing homocystine
JP2000086617A (ja) ビスパーフルオロアルキルスルホンイミド化合物の製造方法
CN114835646B (zh) 一种咪唑三氟甲硫基试剂及其合成应用
KR950008208B1 (ko) 메르캅토벤조에이트의 제조방법
JPH0159265B2 (ja)
JPS6156224B2 (ja)
JPS61218555A (ja) トリフルオロジクロロエチル基により置換された酸類の製法および亜鉛化合物類
US5081268A (en) Process for the preparation of oxetanes from 1,3-glycol monosulfates
JPH0159266B2 (ja)
JP3174968B2 (ja) 2−ハロゲノ−6−置換チオベンゾニトリル類の製造法
JPS63119454A (ja) 新規なα−クロロケトン誘導体および製造法
JPH02304061A (ja) 含硫黄脂肪族カルボン酸エステル及びその酸の製造方法
JPH0687852A (ja) 2−アセチルベンゾ〔b〕チオフェンの製造法
CN117486856A (zh) 一种4-溴-5-(三氟甲基)噻吩-2-羧酸甲酯的合成方法
JPH05140086A (ja) ハロゲノチオフエノールの製造方法および精製方法
JPH0482144B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 11