JP2001517438A - Tieレセプターチロシンキナーゼリガンドホモログ - Google Patents

Tieレセプターチロシンキナーゼリガンドホモログ

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規TIEリガンドホモログNL2、NL3、およびNL6(FLS139)をコードする単離された核酸分子、このような核酸分子によってコードされるタンパク質、ならびにこのような核酸およびタンパク質分子を製造および使用するための方法および手段に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、新規TIEリガンドホモログをコードする単離された核酸分子、こ
のような核酸分子によってコードされるTIEリガンドホモログタンパク質、な
らびにこのような核酸およびタンパク質分子を製造および使用するための方法お
よび手段、ならびに開示されたTIEリガンドホモログを結合する抗体に関する
【0002】 (背景技術) 略号「TIE」または「tie」は頭字語であり、これらは、「チロシンキナ
ーゼ含有IgおよびEGF相同性ドメイン」を表し、そして血管内皮細胞および
初期造血細胞でほぼ排他的に発現され、そしてEGF様ドメイン、および「免疫
グロブリン(IG)様」折り畳みと一般にいわれる鎖内ジスルフィド結合によっ
て安定化される細胞外折り畳みユニットの存在によって特徴づけられる、レセプ
ターチロシンキナーゼの新しいファミリーを示すために新しく作り出された。ヒ
ト白血病細胞からのチロシンキナーゼホモログcDNAフラグメント(tie)
は、Partanenら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 8
7,8913−8917(1990)に記載された。このヒト「tie」レセプ
ターのmRNAは、すべてのヒト胎児およびマウス胚組織で検出されており、そ
して心臓および血管内皮細胞に局在することが報告されている。Korhone
nら,Blood 80,2548−2555(1992);PCT出願公開公
報第WO 93/14124号(1993年7月22日公開)。「tie−1」
といわれるヒトtieのラットホモログは、Maisonpierreら,On
cogene 8,1631−1637(1993)によって同定された。「t
ie−2」と命名されたもう1つのtieレセプターは、もともとラットで同定
されたが(Dumontら,Oncogene 8,1293−1301(19
93))、「ork」といわれる、tie−2のヒトホモログは、米国特許第5
,447,860号(Ziegler)に記載された。tie−2のマウスホモ
ログは、もともと「tek」と称された。脳毛細管cDNAライブラリーからの
マウスtie−2レセプターのクローニングは、PCT出願公開公報第WO 9
5/13387号(1995年5月18日公開)に開示される。TIEレセプタ
ーは、新脈管形成に積極的に関与すると考えられ、そしてその上造血においても
役割を果たし得る。
【0003】 ヒトTIE−2リガンドの発現クローニングは、PCT出願公開公報第WO
96/11269号(1996年4月18日公開)および米国特許第5,521
,073号(1996年5月28日公開)に記載されている。「htie−2リ
ガンド1」または「hTL1」と命名されたTIE−2リガンドをコードするλ
gt10と命名されたベクターは、ATCC受託番号75928で寄託されてい
る。「htie−2 2」または「hTL2」と命名されたもう1つのTIE−
2リガンドをコードするプラスミドは、ATCC受託番号75928で入手可能
である。この第2のリガンドは、TAI−2レセプターのアンタゴニストとして
記載されている。TIE−2レセプターについての分泌されたヒトおよびマウス
リガンドの同定は、Davisら,Cell 87,1161−1169(19
96)によって報告されている。新脈管形成および造血中の可能性のある作用に
おけるその役割を反映するために、「アンジオポエチン−1」と命名したヒトリ
ガンドは、WO 96/11269において「htie−2 1」または「hT
L−1」と種々に命名されたリガンドと同じリガンドである。アンジオポエチン
−1は、後で脈管形成役割を果たし、そしてVEGFの役割とは異なることが記
載されている(Suriら,Cell 87,1171−1180(1996)
)。TIE−2は、腫瘍増殖に必要な病理的な脈管形成中に明らかにアップレギ
ュレートされるので(Kaipainenら,Cancer Res.54,6
571−6577(1994))、アンジオポエチン−1は、腫瘍脈管構造を特
異的に標的するためにさらに有用であることが示唆されている(Davisら,
前出)。
【0004】 (発明の要旨) 本発明は、血管系に強力な効果を有する新規ヒトTIEリガンドホモログに関
する。本発明はまた、このようなリガンドホモログまたはその機能的誘導体をコ
ードする単離された核酸分子、およびこのような核酸分子を含むベクターを提供
する。本発明はさらに、新規TIEリガンドホモログまたはその機能的誘導体を
産生するためにこのような核酸で形質転換された宿主細胞に関する。新規リガン
ドホモログは、公知または以後に発見された、TIEレセプターのアゴニストま
たはアンタゴニストであり得る。他の治療剤または診断剤のそれぞれのTIEレ
セプターを発現する細胞への送達を含む、その治療または診断用途もまた、本発
明の範囲内である。
【0005】 本発明はさらに、本明細書中のTIEリガンドホモログを特異的に結合するア
ゴニストまたはアンタゴニスト抗体、およびこのような抗体の診断または治療用
途を提供する。
【0006】 別の局面では、本発明は、この新規リガンドホモログまたは抗体を含む組成物
に関する。
【0007】 さらなる局面では、本発明は、本発明の新規TIEリガンドホモログと他の治
療剤または細胞傷害性薬剤との結合体、およびこのような結合体を含む組成物に
関する。TIE−2レセプターは、腫瘍増殖に必要である病理的な脈管形成中に
アップレギュレートされることが報告されており、そして他のTIEレセプター
は同様の特徴を有し得る。従って、本発明のTIEリガンドホモログの細胞傷害
性または他の抗腫瘍薬剤への結合体は、腫瘍血管系を特異的に標的することにお
いて有用であり得る。
【0008】 なお別の局面では、本発明は、TIEレセプターを発現する細胞を同定するた
めの方法に関し、これは、このようなTIEリガンドホモログのTIEレセプタ
ーへの結合を可能にする条件下で、本発明の検出可能に標識したTIEリガンド
ホモログと細胞とを接触させる工程、およびこのような結合が実際に生じたかど
うかを決定する工程を包含する。
【0009】 異なる局面では、本発明は、TIEリガンドホモログを特異的に結合する少な
くとも1つの抗体と生物学的試料を接触させる工程、および形成したTIEリガ
ンドホモログ−抗体複合体の量を測定する工程によって、生物学的試料中の本発
明のTIEリガンドホモログの量を測定するための方法に関する。
【0010】 本発明はさらに、対応するTIEレセプターに結合するために本発明のネイテ
ィブなまたは改変体TIEリガンドホモログと競合する能力に基づいて、TIE
レセプターのポリペプチドまたは低分子アゴニストまたはアンタゴニストを同定
するためのスクリーニング方法に関する。
【0011】 本発明はまた、創傷治癒、炎症、またはヒト患者の腫瘍において新脈管形成の
存在を画像化するための方法に関し、これは、本発明の検出可能に標識されたT
IEリガンドホモログまたはアゴニスト抗体を投与する工程、および新脈管形成
を検出する工程を包含する。
【0012】 別の局面では、本発明は、薬学的に受容可能なビヒクル中の本発明のTIEリ
ガンドホモログの有効量を投与する工程による、患者において新生血管形成を促
進または阻害する方法に関する。好ましい実施態様では、本発明は、創傷治癒の
促進のための方法に関する。別の実施態様では、本発明は、虚血性心臓または肢
において側副血管新生を誘導するためのような、脈管形成プロセスを促進するた
めの方法に関する。さらに好ましい実施態様では、本発明は、腫瘍増殖を阻害す
るための方法に関する。
【0013】 なお別の局面では、本発明は、患者における骨発生および/または成熟および
/または増殖を促進する方法に関し、薬学的に受容可能なビヒクル中の本発明の
TIEリガンドホモログの有効量を患者に投与する工程を包含する。
【0014】 さらなる局面では、本発明は、筋肉増殖および発達を促進する方法に関し、こ
れは、薬学的に受容可能なビヒクル中の本発明のTIEリガンドホモログの有効
量を必要な患者に投与する工程を包含する。
【0015】 なお別の局面において、本発明は、本発明のTIEリガンドホモログの有効量
を投与する工程による、内非細胞増殖を阻害および/または内非細胞のアポトー
シスを誘導する方法に関する。さらに、本発明は、炎症を阻害する方法に関し、
この方法は、本発明のTIEホモログのアゴニスト(例えば、本明細書中のTI
Eリガンドホモログに対する抗体(例えば、アゴニスト抗NL−6抗体))の有 効量を患者に投与する工程を包含する。
【0016】 本発明のTIEリガンドホモログは、単独で、あるいは互いにおよび/または
VEGFファミリーのメンバーを含む他の治療剤もしくは診断剤と組み合わせて
、投与され得る。組み合わせ治療は、新生血管形成、ならびに筋肉および/また
は骨の増殖、発達または分化を促進または阻害するための新しいアプローチ、あ
るいは不要な内非細胞増殖に関連する条件の処置(例えば、腫瘍処置)に導き得
る。
【0017】 (発明の詳細な説明) (A.リガンドホモログおよびそれをコードする核酸分子) 本発明のTIEリガンドホモログは、NL2(配列番号2)、NL3(配列番
号4)、およびFLS139(続いて「NL6」と改名した;配列番号6)と命
名したネイティブなヒトリガンドホモログ、ならびに、サルのような高等哺乳動
物;マウス、ラットハムスターのような齧歯類;ブタ;ウマ;ウシを含む(しか
しこれらに限定されない)、他の非ヒト哺乳動物種におけるそのホモログ、天然
に存在する対立遺伝子およびスプライス改変体、ならびに、ネイティブなTL−
1またはTL−2リガンドとは異なる限り、このようなネイティブな分子のアミ
ノ酸配列改変体のような、生物学的に活性な(機能的)誘導体を含む。本明細書
中に開示されるネイティブNL2は、hTL−1(TIE2L1)と27%アミ
ノ酸配列同一性およびhTL2(TIE2L2)と約24%アミノ酸配列同一性
を有する。本明細書中に開示されるネイティブNL3のアミノ酸配列は、hTL
−1のアミノ酸配列と約30%同一およびhTL−2のアミノ酸配と約29%列
同一性である。本明細書中に開示される天然のFLS139(NL6)とhTL
−1およびhTL−2との間のアミノ酸配列同一性は、約21%である。本発明
のネイティブなTIEリガンドホモログは、そのネイティブな環境に関連する他
のタンパク質を実質的に含まない。この定義は、本発明のTIEリガンドホモロ
グが得られる方法によっていかなるようにも限定されず、そしてその他の点で定
義内のすべてのリガンドホモログを含み、天然供給源から精製されるか、組換え
DNA技法から得られるか、合成されるか、またはこれらおよび/もしくは他の
技術の任意の組み合わせによって調製されるいずれかである。本発明のネイティ
ブなTIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体は、本発明の全長のネイティ
ブなヒトTIEリガンドホモログと、または本発明のネイティブなヒトTIEリ
ガンドホモログのフィブリノーゲン様ドメインと、少なくとも約90%、好まし
くは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%、最も好ましくは
少なくとも約99%配列同一性を有する。このようなアミノ酸配列改変体は、好
ましくは、ネイティブなTIEリガンドホモログの定性的生物学的活性を提示ま
たは阻害する。
【0018】 用語「フィブリノーゲンドメイン」または「フィブリノーゲン様ドメイン」は
、公知のhTL−1アミノ酸配列における約278位〜約498位のアミノ酸;
公知のhTL−2アミノ酸配列における約276位〜約496位のアミノ酸;N
L2のアミノ酸配列における約180位〜約453位のアミノ酸;NL3のアミ
ノ酸配列における約77位〜約288位のアミノ酸;およびFLS139のアミ
ノ酸配列における約238位〜約460位のアミノ酸;ならびに他のTIEリガ
ンドホモログにおけるホモログドメインをいうために使用される。NL2のフィ
ブリノーゲン様ドメインは、hTL−1(TIE2L1)およびhTL−2(T
IE2L2)のフィブリノーゲン様ドメインと約37〜38%同一である。NL
3フィブリノーゲン様ドメインは、hTL−1およびhTL−2のフィブリノー
ゲン様ドメインと約37%同一であり、一方、FLS139フィブリノーゲン様
ドメインは、hTL−1およびhTL−2のフィブリノーゲン様ドメインと約3
2〜33%同一である。
【0019】 用語「核酸分子」は、RNA、DNA、およびcDNA分子を含む。遺伝コー
ドの縮重の結果として、所定のTIEホモログをコードする多数のヌクレオチド
配列が産生され得ることが理解される。本発明は、すべての可能なコドン選択に
基づいて、本発明のTIEリガンドホモログをコードする、ヌクレオチド配列の
あらゆる可能な改変体を特に意図する。本明細書中におけるTIEリガンドホモ
ログをコードする核酸分子は、好ましくは、ストリンジェント条件下で天然に存
在するTIEリガンドホモログ遺伝子にハイブリダイズし得るが、実質的に異な
るコドン利用を有する、TIEリガンドホモログをコードするヌクレオチド配列
を産生するために有利であり得る。例えば、コドンは、特定のコドンが宿主によ
って利用される頻度に従って、ポリペプチドの発現が特定の原核生物または真核
生物宿主細胞で起こる割合を増加させるように選択され得る。さらに、改良され
た特性(例えば、半減期)を有するRNA転写物は、所定のTIEリガンドホモ
ログをコードするヌクレオチド配列の適切な選択によって産生され得る。
【0020】 「配列同一性」は、Lasergene biocomputingソフトウ
エア(DNASTAR,Inc.,Madison,Wisconsin)のバ
ージョン1.6、またはこのソフトウエアの任意のアップデート版もしくは等価
物に組み込まれる、多配列アラインメントのClustal方法(Higgin
sらComput.Appl.Biosci.5,151−153(1989)
およびHigginsら,Gene 73,237−244(1988))に従
って比較されるべき2つの配列を整列することによって決定される。
【0021】 ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容
易に決定可能であり、そして一般に、プローブ長、洗浄温度、および塩濃度に依
存的な経験的計算である。一般に、より長いプローブは、適切なアニーリングの
ためにより高い温度を必要とするが、より短いプローブはより低い温度を必要と
する。ハイブリダイゼーションは、一般に、相補鎖が融解温度以下の環境に存在
する場合に変性したDNAが再アニールする能力に依存する。プローブとハイブ
リダイズ可能な配列との間の所望の相同性の程度が高いほど、使用され得る相対
温度が高い。結果として、より高い相対温度が、反応条件をよりストリンジェン
トにする傾向があるが、より低い温度ではそうではないことになる。ハイブリダ
イゼーション反応のストリンジェンシーのさらなる詳細および説明については、
Ausubelら,Current Protocols in Molecu
lar Biology,Wiley Interscience Publi
shers,(1995)を参照のこと。
【0022】 本明細書で定義される「ストリンジェント条件」または「高ストリンジェンシ
ー条件」は、(1)洗浄のための低イオン強度および高温、例えば、50℃で0
.015M塩化ナトリウム/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%ドデ
シル硫酸ナトリウムを用いる;(2)ホルムアルドのような変性剤、例えば、4
2℃にて、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1%ポ
リビニルピロリドン/750mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウム
を含むpH 6.5での50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)を含
む50%(v/v)ホルムアミド、をハイブリダイゼーション中に用いる;また
は(3)42℃にて50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、
0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH 6.8
)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハート溶液、超音波処理したサケ
精子DNA(50μg/ml)、0.1% SDS、および10%硫酸デキスト
ランを用い、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)および5
5℃で50%ホルムアミド中で42℃にて洗浄し、次いで55℃にてEDTAを
含む0.1×SSCからなる高ストリンジェンシー洗浄する、条件によって同定
され得る。
【0023】 「中程度のストリンジェント条件」は、Sambrookら,Molecul
ar Cloning:A Laboratory Manual,New Y
ork:Cold Spring Harbor Press,1989に記載
のように同定され得、そして上記よりもストリンジェントでない洗浄溶液および
ハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度、および%SDS)の
使用を含む。中程度のストリンジェント条件の例は、20%ホルムアミド、5×
SSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリ
ン酸ナトリウム(pH 7.6)、5×デンハート溶液、10%硫酸デキストラ
ン、および20mg/mL変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中で37℃にての
一晩インキュベート、次いで約37〜50℃にて1×SSC中でフィルターを洗
浄することである。当業者は、プローブ長などのような適切な因子に必要なよう
に、温度、イオン強度などをどのように調節するかを認識する。
【0024】 本明細書で使用する場合、用語「タグ化されたエピトープ」とは、「タグポリ
ペプチド」に融合したTIEリガンドホモログポリペプチドを含むキメラポリペ
プチドをいう。タグポリペプチドは、抗体が作製され得るエピトープを提供する
ために十分な残基を有するが、融合されるポリペプチドの活性を妨害しないよう
に十分に短い。タグポリペプチドはまた、好ましくは、抗体が他のエピトープと
実質的に交差反応しないように、かなり独特である。適切なタグポリペプチドは
、一般に、少なくとも6アミノ酸残基、および通常は約8〜50アミノ酸残基(
好ましくは、約10〜20アミノ酸残基)を有する。
【0025】 本発明のTIEリガンドホモログに関して、用語「生物学的活性」および「生
物学的に活性な」とは、分子が公知または本明細書中以降に発見されるTIEリ
ガンドのネイティブなレセプター(以降「TIEレセプター」という)、例えば
、ネイティブなTIE−2レセプターに特異的に結合しそしてそれによってシグ
ナルを出す能力、あるいはシグナル伝達に関与するネイティブなTIEレセプタ
ー(例えば、TIE−2)の能力をブロックする能力をいう。従って、本発明の
(ネイティブなおよび改変体)TIEリガンドは、ネイティブなTIE(例えば
、TIE−2)レセプターのアゴニストおよびアンタゴニストを含む。本発明の
TIEリガンドの好ましい生物学的活性は、新生血管形成を誘導または阻害する
能力を含む。新生血管形成を誘導する能力は、生物学的状態および疾患(例えば
、創傷治癒、虚血、および糖尿病)の処置に有用であり、ここでは、新生血管形
成が望ましい。他方で、新生血管形成を阻害またはブロックする能力は、例えば
、腫瘍増殖を予防または減弱することに有用であり得る。別の好ましい生物学的
活性は、筋肉増殖または発達に影響を及ぼす能力である。さらに好ましい生物学
的活性は、骨発生、成熟、または増殖に影響を与える能力である。なお別の好ま
しい生物学的活性は、内皮細胞増殖を阻害および/またはアポトーシスを誘導す
る能力である。
【0026】 本明細書で使用される場合、用語「細胞傷害性薬剤」とは、細胞の機能を阻害
または抑制するおよび/または細胞の破壊を引き起こす物質をいう。この用語は
、放射性同位元素(例えば、I131、I125、Y90、およびRe186)、化学療法 剤、および細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素的に活性な毒素またはその
フラグメントのようなトキシンを含むことを意図する。
【0027】 「化学療法剤」は、ガンの処置に有用な化学化合物である。化学療法剤の例に
は、アドリアマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、5−フルオロウラシル
、シトシンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、
ブスルファン、シトキシン、タキソイド類、例えば、パクリタキセル(Taxo
l,Bristol−Myers Squibb Oncology,Prin
ceton,NJ)、およびドキセタキセル(Taxotere,Rhone−
Poulenc Rorer,Antony,Rnace)、トキソテレ、メト
トレキセート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン
、エトポシド、イフォスファミド、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ビン
クリスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カ
ルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン類、エス
ペラミシン類(米国特許第4,675,187号を参照のこと)、メルファラン
、および他の関連のナイトロジェンマスタードが挙げられる。この定義には、タ
モキシフェンおよびオナプリストンのような腫瘍においてホルモン作用を調節ま
たは阻害するように作用するホルモン性薬剤もまた含まれる。
【0028】 本明細書で使用される場合、「増殖阻害薬剤」とは、インビトロまたはインビ
ボのいずれかで、細胞、特に本明細書で同定された遺伝子のいずれかを過剰発現
するガン細胞の増殖を阻害する化合物または組成物をいう。したがって、増殖阻
害薬剤は、S期においてこのような遺伝子を過剰発現する細胞の割合を顕著に減
少させるものである。増殖阻害薬剤の例には、G1期阻止およびM期阻止を誘導
する薬剤のような、細胞周期進行(S期以外の期間で)をブロックする薬剤が挙
げられる。古典的M期ブロッカーには、ビンカス(ビンクリスチンおよびビンブ
ラスチン)、タキソール、ならびに、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノル
ビシン、エトポシド、およびブレオマイシンのようなトポIIインヒビターが挙
げられる。G1期を阻止する薬剤はまた、S期阻止にも及び、例えば、タモキシ
フェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクトレタミン、シスプラチン、メトト
レキセート、5−フルオロウラシル、およびara−CのようなDNAアルキル
化剤である。さらなる情報が、Murakamiら(WB Saunders:
Philadelphia, 1995)による「Cell cycle re
gulation, oncogenes, and antineoplas
tic drugs」という題の、The Molecular Basis
of Cancer, MendelsohnおよびIsrael編,Chap
ter 1、特に13頁で見られ得る。
【0029】 「ドキソルビシン」は、アントラサイクリン系抗生物質である。ドキソルビシ
ンの完全な化学物質名は、(8S−シス)−10−[(3−アミノ−2,3,6
−トリデオキシ−α−L−リソキシ−ヘキサピラノシル)オキシ]−7,8,9
,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−8−(ヒドロキシアセ
チル)−1−メトキシ−5,12−ナフタセネジオンである。
【0030】 用語「サイトカイン」は、細胞内メディエーターとしてもう1つの細胞で作用
する1つの細胞集団によって放出されるタンパク質についての一般的な用語であ
る。このようなサイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン、および伝統的
ポリペプチドホルモンである。サイトカインの中には、ヒト成長ホルモン、N−
メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンのような成長ホルモン;
副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;レラキシン;プ
ロレラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、
および黄体形成ホルモン(LH)のような糖タンパク質ホルモン;肝臓増殖因子
;繊維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子−αお
よび−β;ミュラー管阻害因子;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒ
ビン;アクチビン;血管内皮増殖因子;インテグリン;トロンボポエチン(TP
O);NFG−βのような神経増殖因子;血小板増殖因子;TGF−αおよびT
GF−βのようなトランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様増殖
因子−Iおよび−II;エリスロポエチン(EPO);骨誘導性因子;インター
フェロン−α、−β、および−γのようなインターフェロン;マクロファージ−
CSF(M−CSF)のようなコロニー刺激因子(CSF);顆粒球−マクロフ
ァージ−CSF(GM−CSF);および顆粒球−CSF(G−CSF);IL
−1、IL−1α、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL
−7、IL−8、IL−9、IL−11、IL−12のようなインターロイキン
(IL);TNF−αまたはTNF−βのような腫瘍壊死因子;およびLIFお
よびキットリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が挙げられる。本明細
書で使用される場合。用語サイトカインには、天然供給源からまたは組換え細胞
培養物からのタンパク質およびネイティブな配列のサイトカインの生物学的に活
性な等価物が挙げられる。
【0031】 「血管内皮増殖因子」/「血管透過因子」(VEGF/VPF)は、低酸素症
によって刺激されそして腫瘍脈管形成に必要とされることが最近示された、内皮
細胞特異的マイトジェンである(Sengerら,Cancer 46:562
9−5632(1986);Kimら,Nature 362:841−844
(1993);Schweikiら,Nature 359:843−845(
1992);Plateら,Nature 359:845−848(1992
))。これは、合成されそして種々の腫瘍および正常細胞によって分泌される3
4〜43kDa(約45kDaにて優勢な種を有する)ダイマーのジスルフィド
結合した糖タンパク質である。さらに、色素上皮細胞および周皮細胞のような培
養したヒト網膜細胞は、低酸素症に応答してVEGFを分泌しそしてVEGF遺
伝子発現を増加させることが証明された(Adamisら,Biochem.B
iophys.Res.Commun.193:631−638(1993);
Plouetら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.34
:900(1992);Adamisら,Invest.Ophthalmol
.Vis.Sci.34:1440(1993);Aielloら,Inves
t.Ophthalmol.Vis.Sci.35:1868(1994);S
imorre−pinatelら,Invest.Ophthalmol.Vi
s.Sci.35:3393−3400(1994))。逆に、正常組織におけ
るVEGFは比較的低い。したがって、VEGFは、新生血管形成に関連する多
くの病理学的状態およびプロセスにおいて主要な役割を果たすようである。した
がって、上記の種々の状態によって影響を受ける組織におけるVEGF発現の調
節は、低酸素症に関連する処置または予防的治療に重要であり得る。
【0032】 用語「アゴニスト」は、ネイティブなTIEレセプター(例えば、TIE−2
)によってシグナルを出す能力を有するならば、本発明のネイティブなTIEリ
ガンドホモログのペプチドおよび非ペプチドアナログ、ならびにこのようなネイ
ティブなTIEリガンドホモログを特異的に結合する抗体をいうために使用され
る。言い換えると、用語「アゴニスト」は、TIEレセプターの生物学的役割の
状況において定義され、およびネイティブなTIEリガンドホモログの生物学的
役割に関して定義されず、これは、上述のように、TIEレセプター生物学的機
能のアゴニストまたはアンタゴニストであり得る。好ましいアゴニストは、上記
に列挙したTIEホモログの好ましい生物学的活性を保有し、そして血管形成の
プロモーター、骨形成成熟または増殖に役割を果たす分子、ならびに筋肉増殖お
よび/または発達のプロモーターを含む。
【0033】 用語「アンタゴニスト」は、ネイティブなTIEレセプター(例えば、TIE
−2)の生物学的機能を阻害する能力を有するならば、本発明のネイティブなT
IEリガンドホモログのペプチドおよび非ペプチドアナログを、ならびにこのよ
うなネイティブなTIEリガンドホモログを特異的に結合する抗体をいうために
使用される。また、用語「アンタゴニスト」は、TIEレセプターの生物学的役
割に関して定義され、およびネイティブなTIEリガンドホモログの生物学的役
割に関して定義されず、これは、TIEレセプター生物学的機能のアゴニストま
たはアンタゴニストのいずれかであり得る。好ましいアンタゴニストは、血管形
成、あるいは病理学的骨格または筋肉の発達または成長のインヒビターである。
【0034】 本明細書で使用される場合、「腫瘍」とは、悪性または良性の、ならびにすべ
ての前ガン性およびガン性の細胞および組織のいずれかの、全ての新形成細胞成
長および増殖をいう。
【0035】 用語「ガン」および「ガン性」とは、代表的には調節されない細胞増殖によっ
て特徴づけられる、哺乳動物における生物学的症状をいうかまたは記載する。ガ
ンの例には、ガン腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が挙げられるが
、これらに限定されない。このようなガンのより特定な例には、乳ガン、前立腺
ガン、結腸ガン、扁平上皮ガン、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、胃腸ガン、膵
臓ガン、神経膠芽腫、子宮頚ガン、卵巣ガン、肝臓ガン、膀胱ガン、悪性肝ガン
(hepatoma)、結直腸ガン、子宮内膜ガン、唾液腺ガン、腎臓ガン、肝
臓ガン、外陰部ガン、甲状腺ガン、肝ガン腫、ならびに種々のタイプの頭部およ
び頚部ガンが挙げられる。
【0036】 「処置」は、発生を抑制することまたは障害の病理を変更することを意図して
行われる介入である。したがって、「処置」とは、治療処置および予防または防
止尺度の両方をいう。処置を必要とするものには、既に障害を有するものならび
に障害が予防されるべきものが挙げられる。腫瘍(例えば、ガン)処置では、治
療薬剤は、腫瘍細胞の病理を直接減少し得るか、または腫瘍細胞が他の治療薬剤
による処置、例えば、放射線照射および/または化学療法をより受けやすくし得
る。
【0037】 ガンの「病理」は、患者の安寧に欠陥を生じさせるすべての現象を含む。これ
には、異常または制御不能な細胞増殖、転移、隣接細胞の正常機能の妨害、サイ
トカインまたは他の分泌産物の異常レベルでの放出、炎症または免疫学的応答の
抑制または悪化などが挙げられが、これらに限定されない。
【0038】 処置の目的のための「哺乳動物」とは、ヒト、家畜および飼育動物、ならびに
イヌ、ウマ、ネコ、ウシなどのような動物園、競技、またはペット動物を含む、
哺乳動物として分類される任意の動物をいう。好ましくは、哺乳動物はヒトであ
る。
【0039】 1つ以上のさらなる治療薬剤「と組み合わせた」投与は、同時(共同して作用
する(concurrent))および任意の順での連続投与を含む。
【0040】 用語「機能的誘導体」は、本発明のネイティブなTIEリガンドホモログの生
物学的に活性なアミノ酸配列改変体、ならびに、有機誘導体化薬剤との反応によ
って得られた誘導体、翻訳後修飾、非タンパク質性ポリマーを有する誘導体、お
よびイムノアドヘシンを含む共有改変を定義するために使用される。
【0041】 本明細書に記載される種々のポリペプチドを記載するために使用される場合、
用語「単離された」とは、その天然環境の成分から同定および分離および/また
は回収されているポリペプチドを意味する。その天然の環境の夾雑成分は、代表
的には、ポリペプチドについての診断または治療用途を妨害し、そして酵素、ホ
ルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る物質であ
る。好ましい実施態様では、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエ
ネーターの使用によるN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得
るために十分な程度まで、または(2)クーマシーブルーまたは好ましくは銀染
色を使用して非還元または還元条件下でSDS−PAGEによる均一性まで、精
製される。単離されたポリペプチドは、インサイチュで、組換え細胞内にポリペ
プチドを含む。なぜなら、TIEリガンドの天然環境の少なくとも1つの成分が
存在しないからである。しかし、通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも
1つの精製工程によって調製される。
【0042】 「単離された」核酸分子は、核酸の天然供給源中に普通に会合する少なくとも
1つの夾雑核酸分子から同定および分離される核酸分子である。単離された核酸
分子は、天然で見いだされる形態または配置以外である。単離された核酸分子は
、したがって、天然細胞に存在するので、核酸分子とは区別される。しかし、単
離された核酸分子には、例えば、核酸分子が天然細胞とは異なる染色体位置にあ
る場合、本発明のTIEリガンドを普通に発現する細胞に含まれる核酸分子が含
まれる。
【0043】 用語「アミノ酸配列改変体」とは、ネイティブなアミノ酸配列と比較してその
アミノ酸配列にいくつかの差を有する分子をいう。
【0044】 置換改変体は、除去されるネイティブな配列で少なくとも1つのアミノ酸残基
および同じ位置で代わりに挿入される異なるアミノ酸を有するものである。置換
は、分子中の1つのみのアミノ酸が置換される場合、単一であり得、あるいは、
2つ以上のアミノ酸が同じ分子で置換される場合は、複数であり得る。
【0045】 挿入改変体は、ネイティブな配列において特定の位置でアミノ酸に直接隣接し
て挿入される1つ以上のアミノ酸を有する改変体である。アミノ酸に直接隣接す
るとは、アミノ酸のα−カルボキシ官能基またはα−アミノ官能基のいずれかに
接続されることを意味する。
【0046】 欠失改変体は、ネイティブなアミノ酸配列に除去される1つ以上のアミノ酸を
有する改変体である。通常、欠失改変体は、分子の特定の領域で欠失した1また
は2アミノ酸を有する。欠失改変体には、C−および/またはN−末端欠失(短
縮)を有するもの、ならびに1つ以上のアミノ酸の内部欠失を有する改変体が挙
げられる。本発明の好ましい欠失改変体は、本発明のネイティブなTIEリガン
ドホモログのフィブリノーゲン様ドメインの外側の欠失を含む。
【0047】 本発明のアミノ酸配列改変体は、最適の特徴を有する分子を産生するために、
アミノ酸置換、挿入、および/または欠失の種々の組み合わせを含み得る。
【0048】 アミノ酸は、化学組成およびその側鎖の特性に従って分類され得る。これらは
、2つの群、荷電的および非荷電的に広く分類される。これらの群のそれぞれは
、アミノ酸をより正確に分類するために下位集団に分割される。 I.荷電アミノ酸 酸性残基:アスパラギン酸、グルタミン酸 塩基性残基:リジン、アルギニン、ヒスチジン II.非荷電アミノ酸 親水性残基:セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン 脂肪族残基:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン 非極性残基:システイン、メチオニン、プロリン 芳香族残基:フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン 保存的置換は、1つの群内のメンバーを同じ群内のもう1つのメンバーと交換
することを含むが、非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーをもう1
つに交換することを伴う。非保存的置換によって得られる改変体は、得られた改
変体の生物学的特性/機能の顕著な変化を生じることが予測される。
【0049】 アミノ酸配列欠失は、一般に、約1〜30残基、より好ましくは約1〜10残
基の範囲であり、そして代表的には隣接する。欠失は、ネイティブなTIEレセ
プターとの相互作用に直接関連しない領域に導入され得る。欠失は、好ましくは
、本発明のTIEリガンドホモログのC末端のフィブリノーゲン様領域の外側で
行われる。
【0050】 アミノ酸挿入には、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの長
さの範囲のアミノおよび/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複
数アミノ酸残基の配列内挿入が挙げられる。配列内挿入(すなわち、TIEリガ
ンドホモログアミノ酸配列内の挿入)は、一般に、約1〜10残基、より好まし
くは1〜5残基、より好ましくは1〜3残基の範囲であり得る。末端挿入の例に
は、N末端メチオニル残基を有するTIEリガンドホモログ、細菌組換え細胞培
養物中のその直接発現の人工産物、および組換え宿主細胞からの成熟TIEリガ
ンドホモログの分泌を容易にするための異種N末端シグナル配列のTIEリガン
ドホモログ分子のN末端への融合物が挙げられる。このようなシグナル配列は、
一般に、目的の宿主細胞種から得られ、したがってそれに相同である。適切な配
列には、例えば、E.coliについてはSTIIまたはIpp、酵母について
はα因子、および哺乳動物細胞についてはヘルペスgDのようなウイルスシグナ
ルが挙げられる。
【0051】 ネイティブなTIEリガンド分子の他の挿入改変体には、免疫原性ポリペプチ
ド、例えば、β−ラクタマーゼまたはE.coli trp遺伝子座によってコ
ードされる酵素のような細菌ポリペプチド、または酵母タンパク質への、TIE
リガンドホモログ分子のN末端またはC末端の融合物、ならびに、1989年4
月6日に公開されたWO 89/02922に記載のように、免疫グロブリン領
域(好ましくは、免疫グロブリン定常領域)、アルブミン、またはフェリチンの
ような長い半減期を有するタンパク質とのC末端融合物が挙げられる。
【0052】 改変体TIEリガンドホモログの特徴を予め予測することがしばしば困難であ
るので、いくつかのスクリーニングが最適な改変体を選択するために必要とされ
ることが理解される。
【0053】 本発明のネイティブなTIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体は、ネイ
ティブなまたは改変体TIEリガンドホモログのDNAに適切なヌクレオチド変
化を導入することによって、または所望のポリペプチドのインビトロ合成によっ
て、当該技術分野で公知の方法によって調製される。アミノ酸配列改変体の構築
における2つの主な変数がある:変異部位の位置および変異の性質。TIEリガ
ンドホモログをコードするDNA配列の操作を必要としない、天然に存在する対
立遺伝子を除いて、TIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体は、好ましく
は、天然に存在しない対立遺伝子またはアミノ酸配列改変体のいずれかを実現す
るために、DNAを変異することによって構築される。
【0054】 変異の1つの群は、TIEレセプター、例えば、TIE−1もしくはTIE−
2、またはまだ発見されていないレセプターとの相互作用に関連すると同定され
た、本発明のTIEリガンドホモログのドメイン内で生成される。
【0055】 あるいはまたはさらに、アミノ酸の変更は、実現されるべき目的に依存して、
種々の種からのTIEリガンドホモログにおいて異なる部位、または高度に保存
された領域に作成され得る。
【0056】 このような位置での部位は、代表的には、例えば、(1)最初に保存的選択で
、次いで実現した結果に依存してより根本的選択で置換すること、(2)標的残
基を欠失すること、または(3)位置した部位に隣接する同じまたは異なるクラ
スの残基を挿入すること、または選択肢1〜3の組み合わせによって連続して改
変される。
【0057】 1つの有用な技術は、「アラニンスキャンニング」と呼ばれる(Cunnin
ghamおよびWells,Science 244,1081−1085[1
989])。ここで、残基または標的残基の群は、アラニンまたはポリアラニン
によって同定されそして置換される。次いで、アラニン置換に対する機能的感受
性を証明するドメインは、アラニン置換の部位でまたは部位に対してさらにまた
は他の置換基を導入することによって精錬される。
【0058】 所望の変異を同定した後、TIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体をコ
ードする遺伝子は、例えば、上記のように化学合成によって得られ得る。
【0059】 より好ましくは、TIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体をコードする
DNAは、より初期に調製されたリガンドの改変体または非改変型をコードする
DNAの部位特異的変異誘発によって調製される。部位特異的変異誘発は、所望
の変異のDNA配列をコードする特異的オリゴヌクレオチド配列、ならびに横切
った欠失連結部の両側で安定な二重鎖を形成するために十分なサイズおよび配列
複雑性のプライマー配列を提供するために、隣接ヌクレオチドの十分な数の使用
によってリガンド改変体の産生を可能にする。代表的には、約20〜25ヌクレ
オチド長のプライマーが好ましく、配列の連結部の両側での約5〜10残基が変
更される。一般に、部位特異的変異誘発の技術は、当該分野で周知であり、Ed
elmanら,DNA 2,183(1983)のような刊行物に例示される。
理解されるように、部位特異的変異誘発技術は、代表的には、一本鎖形態および
二本鎖形態の両方で存在するファージベクターを用いる。部位特異的変異誘発に
有用な代表的なベクターには、例えば、Messingら,Third Cle
veland Symposium on Macromolecules a
nd Recombinant DNA,A.Walton編,Elsevie
r,Amsterdam(1981)に開示されるように、M13ファージのよ
うなベクターが挙げられる。これおよび他のファージベクターは市販されており
、そしてその使用は、当業者に周知である。M13由来ベクターを使用するDN
Aフラグメントにおける部位特異的変異を指示するオリゴデオキシリボヌクレオ
チドの構築のための多才なおよび有効な手順は、Zoller,M.J.および
Smith,M.,Nucleic Acids Res.10,6487−6
500[1982]によって公開された。また、一本鎖ファージ複製起点を含む
プラスミドベクター(Veiraら,Meth.Enzymol.153,3[
1987])は、一本鎖DNAを得るために用いられ得る。あるいは、ヌクレオ
チド置換は、インビトロで適切なDNAフラグメントを合成することによって、
および当該技術分野で公知のPCR手順によって増幅することによって導入され
る。
【0060】 一般に、本願の部位特異的変異誘発は、関連タンパク質をコードするDNA配
列をその配列内に含む一本鎖ベクターを最初に得ることによって行われる。所望
に変異された配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、例えば、Crea
ら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 75,5765(197
8)の方法によって、一般に合成的に調製される。次いで、このプライマーは、
一本鎖タンパク質配列含有ベクターとアニールし、そしてE.coliポリメラ
ーゼIクレノウフラグメントのようなDNA重合化酵素を受けさせて、変異含有
鎖の合成を完了させる。したがって、ヘテロ二重鎖は、1つの鎖が元の非変異配
列をコードし、そして第2鎖が所望の変異を有する場合に形成される。次いで、
このヘテロ二重鎖ベクターは、JP101細胞のような適切な宿主細胞を形質転
換するために使用され、そして変異した配列アライメントを有する組換えベクタ
ーを含むクローンが選択される。その後、変異した領域は除去され、そしてタン
パク質産生に適切な発現ベクター中に配置され得る。
【0061】 PCR技術はまた、TIEリガンドのアミノ酸配列改変体を生成することに使
用され得る。少量のテンプレートDNAがPCRにおける開始物質として使用さ
れる場合、テンプレートDNAにおいて対応する領域とは配列がわずかに異なる
プライマーは、プライマーがテンプレートと異なる位置のみでテンプレート配列
とは異なる比較的大量の特異的DNAフラグメントを生成するために使用され得
る。プラスミドDNAへの変異の導入のために、プライマーの1つは、変異の位
置を重複しそして変異を含むように設計され;他のプライマーの配列は、プラス
ミドの反対鎖の配列のストレッチと同一でなければならないが、この配列は、プ
ラスミドDNAに沿ってどこにでも位置し得る。しかし、第2プライマーの配列
が、第1の配列から200ヌクレオチド内に位置しそのため末端でプライマーに
結合したDNAの全体の増幅した領域が容易に配列決定され得ることが好ましい
。まさに記載したもののようなプライマー対を使用するPCR増幅は、プライマ
ーによって特定される変異の位置で異なるDNAフラグメントの集団を生じ、そ
しておそらく他の位置では、テンプレートとしてコピーすることは、幾分誤る傾
向がある。
【0062】 物質を産生するためのテンプレートの比が非常に低いならば、大多数の産物D
NAフラグメントは、所望の変異を組み込む。この産物物質は、標準的DNA技
術を使用してPCRテンプレートとして用いたプラスミド中の対応する領域を置
換するために使用される。別々の位置での変異は、変異体第2プライマーを使用
するかまたは異なる変異体プライマーでの第2PCRを行うことのいずれか、お
よび3つ(またはそれ以上)の部分的ライゲーションにおいてベクターフラグメ
ントに2つの得られるPCRフラグメントを同時にライゲートすることによって
、同時に導入され得る。
【0063】 PCR変異誘発の特定の例では、テンプレートプラスミドDNA(1μg)は
、増幅されるべき領域の外側でプラスミドDNA中に独特の認識部位を有する制
限エンドヌクレアーゼによる切断によって直線化される。この物質のうち、10
0ngを、4つのデオキシヌクレオチド三リン酸を含みそしてGeneAmp(
商標)キット(Perkin−Elmer Cetus,Norwalk,CT
およびEmeryville,CAより入手)、および25pmolの各オリゴ
ヌクレオチドプライマーに含まれるPCR緩衝液を含むPCR混合物に、50μ
lの最終容量まで添加する。反応混合物を、35μl鉱油で重層する。反応物を
、100℃にて5分間変性し、氷上に簡単に置き、次いでPerkin−Elm
er Cetus,Norwalk,CTおよびEmeryville,CAか
ら購入した1μl Thermus aquaticus(Taq)DNAポリ
メラーゼ(5単位/l)を、鉱油層の下に添加する。次いで、反応混合物を、以
下のようにプログラムされたDNAサーマルサイクラー(Perkin−Elm
er Cetusから購入した)に差し込む: 2分、55℃、 30秒、72℃、次いで以下の19サイクル: 30秒、94℃、 30秒、55℃、および 30秒、72℃。
【0064】 プログラムの最後に、反応バイアルを、サーマルサイクラーから取り出しそし
て水相を新しいバイアルに移し、フェノール/クロロホルム(50:50vol
)で抽出し、そしてエタノール沈殿し、そしてDNAを標準的手順によって回収
する。この物質は、その後、ベクターへの挿入のために適切な処置にかける。
【0065】 改変体を調製するためのもう1つの方法である、カセット変異誘発は、Wel
lsら,[Gene 34,315(1985)]に記載の技術に基づく。開始
物質は、変異されるべきTIEリガンドホモログDNAを含むプラスミド(また
はベクター)である。変異されるべきTIEリガンドホモログ内のコドンが同定
される。同定された変異部位の各側における独特の制限エンドヌクレアーゼがな
ければならない。このような制限部位が存在しないならば、これらは、TIEリ
ガンドホモログをコードするDNAにおいて適切な位置に導入するための上記の
オリゴヌクレオチド媒介変異誘発方法を使用して生成され得る。制限部位がプラ
スミドに導入された後、プラスミドを、直線にするためにこれらの部位で切断す
る。制限部位間のDNAの配列をコードするが所望の変異を含む二本鎖オリゴヌ
クレオチドを、標準的手順を使用して合成する。2つの鎖を別々に合成し、次い
で標準的技術を使用してともにハイブリダイズする。この二本鎖オリゴヌクレオ
チドは、カセットという。このカセットを、プラスミドに直接連結され得るよう
に、直線にしたプラスミドの末端と適合可能である3’および5’末端を有する
ように設計する。このプラスミドは、今や、変異したTIEリガンドホモログD
NA配列を含む。
【0066】 さらに、いわゆるファージミド提示方法は、ネイティブか、または改変体TI
Eリガンドホモログのアミノ酸配列改変体を作成することに有用であり得る。こ
の方法は、(a)変異させるべきレセプターをコードする第1の遺伝子、第1お
よび第2の遺伝子が異種である天然または野生型ファージコートタンパク質の少
なくとも一部をコードする第2の遺伝子、および融合タンパク質をコードする遺
伝子融合物を形成する第1および第2の遺伝子に作動可能に連結される転写調節
エレメントを含む、複製可能な発現ベクターを構築する工程;(b)関連のプラ
スミドのファミリーを形成する第1の遺伝子内の1つ以上の選択された位置でベ
クターを変異する工程;(c)プラスミドで適切な宿主細胞を形質転換する工程
;(d)ファージコートタンパク質をコードする遺伝子を有するヘルパーファー
ジで、形質転換された宿主細胞を感染させる工程;(e)プラスミドの少なくと
も一部を含む組換えファージミド粒子を形成するために適切でありそして宿主を
形質転換し得る条件下で、形質転換し感染した宿主細胞を培養する工程であって
、この条件が、ほんの少量のファージミド粒子が粒子の表面上に融合タンパク質
の1つより多くのコピーを提示するように調節される、工程;(f)ファージミ
ド粒子の少なくとも一部が抗原に結合するように、適切な抗原とファージミド粒
子とを接触させる工程;および(g)結合するファージミド粒子を結合しないも
のと分離する工程、を包含する。工程(d)〜(g)は、1回以上繰り返され得
る。好ましくは、この方法において、プラスミドは、転写調節エレメントの堅い
制御下にあり、そして培養条件は、粒子の表面上に融合タンパク質の1つより多
くのコピーを提示するファージミド粒子の量または数が、約1%以下であるよう
に調節される。また、好ましくは、融合タンパク質の1つより多くのコピーを提
示するファージミド粒子の量は、融合タンパク質の単一コピーを提示するファー
ジミド粒子の量の10%以下である。最も好ましくは、この量は20%以下であ
る。代表的には、この方法では、発現ベクターは、ポリペプチドの各サブユニッ
トをコードするDNAに融合した分泌シグナル配列をさらに含み、そして転写調
節エレメントは、プロモーター系である。好ましいプロモーター系は、lac
Z、λPL、tac、T7ポリメラーゼ、トリプトファン、およびアルカリホスフ
ァターゼプロモーター、ならびにその組み合わせから選択される。また、通常は
、この方法は、M13K07、M13R408、M13−VCS、およびPhi
X 174から選択されるヘルパーファージを用いる。好ましいヘルパーファ
ージは、M13K07であり、そして好ましいコートタンパク質は、M13ファ
ージ遺伝子IIIコートタンパク質である。好ましい宿主は、E.coli、お
よびE.coliのプロテアーゼ欠失株である。
【0067】 上記および類似の変異誘発技術のさらなる詳細は、例えば、Sambrook
らMolecular Cloning:A laboratory Manu
al(New York:Cold Spring Harbor Labor
atory Press,1989)、およびCurrent Protoco
ls in Molecular Biology,Ausubelら編,Wi
ley−Interscience,1991のような、一般的教科書で見いだ
される。
【0068】 「イムノアドヘシン」は、適切な免疫グロブリン定常ドメイン配列に連結した
レセプター配列から伝統的に構築されるキメラである(イムノアドヘシン)。こ
のような構造は、当該技術分野で周知である。文献で報告されたイムノアドヘシ
ンには、T細胞レセプター*[Gascoigneら,Proc.Natl.A cad.Sci USA 84、2936−2940(1987)];CD4* [Caponら,Nature 337,525−531(1989);Tra
uneckerら,Nature 339,68−70(1989);Zett
meisslら,DNA Cell Biol.USA 9,347−353(
1990);Byrnら,Nature 344,667−670(1990)
];L−セレクチン(ホーミングレセプター)[Watsonら,J.Cell
.Biol.,110,2221−2229(1990);Watsonら,N
ature 349,164−167(1991)];CD44*[Aruff oら,Cell 61,1303−1313(1990)];CD28*および B7*[Linsleyら,J.Exp.Med.173,721−730(1 991)];CTLA−4*[Linsleyら,J.Exp.Med.174 ,561−569(1991)];CD22*「Stamenkovicら,C ell 66,1133−1144(1991)];TNFレセプター[Ash
kenaziら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 88,10
535−10539(1991);Lesslauerら,Eur.J.Imm
unol.27,2883−2886(1991);Peppelら,J.Ex
p.Med.174,1483−1489(1991)];NPレセプター[B
ennettら,J.Biol.Chem.266,23060−23067(
1991)];IgEレセプターα鎖*[RidgwayおよびGorman, J.Cell.Biol.115,abstr.1448(1991)];HG
Fレセプター[Mark,M.R.ら,1992,J.Biol.Chem.,
投稿中]の融合物が挙げられ、ここでアステリスク(*)は、レセプターが免疫 グロブリンスーパーファミリーのメンバーであることを示す。
【0069】 リガンド−免疫グロブリンキメラもまた公知であり、そして例えば、米国特許
第5,304,640号(L−セレクチンリガンドについて);同第5,316
,921号および同第5,328,837号(HGF改変体について)に開示さ
れる。これらのキメラは、レセプター−免疫グロブリンキメラの構築と類似の方
法で作成され得る。
【0070】 本発明のTIEリガンドホモログの共有改変は、本発明の範囲内に含まれる。
このような改変は、TIEリガンドの標的されたアミノ酸残基を、選択された側
面または末端残基と反応し得る有機誘導体化薬剤と反応させることによって、あ
るいは選択された宿主細胞で機能する翻訳後改変のメカニズムを利用することに
よって伝統的に導入される。得られる共有誘導体は、生物学的活性に、イムノア
ッセイに、または組換え体のイムノアフィニティー精製のための抗TIEリガン
ド抗体の調製に、重要な残基を同定することに関するプログラムで有用である。
例えば、ニンヒドリンとの反応後のタンパク質の生物学的活性の完全不活化は、
少なくとも1つのアルギニル残基またはリジル残基がその活性に重要であり、そ
の後選択された条件下で改変された個々の残基が、改変したアミノ酸残基を含む
ペプチドフラグメントの単離によって同定されることを示唆する。このような改
変は、当業者の範囲内であり、そして過度の実験を行うことなく行われる。
【0071】 システニル残基は、最も普通には、クロロ酢酸またはクロロアセタミドのよう
なα−ハロ酢酸塩(および対応するアミン)と反応して、カルボキシメチルまた
はカルボキシアミドメチル誘導体を得る。システニル残基はまた、ブロモトリフ
ルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、クロロ
アセチルリン酸、N−アルキルマレイミド,3−ニトロ−2−ピリジルジスルフ
ィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ水銀安息香酸、2−クロロ
水銀−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−
1,3−ジアゾールとの反応によって誘導体化される。
【0072】 ヒスチジル残基は、この薬剤がヒスチジル側鎖に比較的特異的であるので、p
H 5.5〜7.0でのジエチルピロカーボネートとの反応によって誘導体化さ
れる。パラ−ブロモフェナシルブロミドも有用である;反応は、好ましくは、p
H 6.0にて0.1Mカコジル酸ナトリウム中で行われる。
【0073】 リジニルおよびアミノ末端残基は、コハク酸または他のカルボン酸無水物と反
応する。これらの薬剤の誘導体化は、リジニル残基の電荷を逆にする効果を有す
る。α−アミノ含有残基を誘導体化するための他の適切な試薬には、メチルピコ
リンイミデートのようなイミドエステル;ピリドキサルリン酸;ピリドキサール
;クロロボロヒドリド;トリニトロベンゼンスルホン酸;O−メチルイソ尿素;
2,4−ペンタンジオン;およびグリコキシレートとのトランスアミナーゼ触媒
した反応物が挙げられる。
【0074】 アルギニル残基は、1つまたはいくつかの従来の試薬、その中でもフェニルグ
リオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、および
ニンヒドリンとの反応によって改変される。アルギニン残基の誘導体化は、グア
ニジン官能基の高いpKaのために、反応がアルカリ条件で行われることが必要 とされる。さらに、これらの試薬は、リジン基およびアルギニンイプシロン−ア
ミノ基と反応し得る。
【0075】 チロシル残基の特定の改変は、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロ
メタンとの反応によってチロシル残基にスペクトル標識を導入することにおいて
、特定の目的で行われ得る。最も普通には、N−アセチルイミジゾールおよびテ
トラニトロメタンは、それぞれO−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体
を形成するために使用される。チロシル残基は、ラジオイムノアッセイでの使用
のために標識されたタンパク質を調製するために125Iまたは131Iを使用してヨ
ード化される。
【0076】 カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)は、1−シクロヘキシル
−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3
−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドのようなカルボ
ジイミド(R’−N=C=N−R’)との反応によって選択的に改変される。さ
らに、アスパルチル残基およびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応
によってアスパラギニル残基およびグルタミニル残基に変換される。
【0077】 グルタミニル残基およびアスパラギニル残基は、頻繁に、対応するグルタミル
およびアスパルチル残基に脱アミド化される。あるいは、これらの残基は、穏や
かな酸性条件下で脱アミド化される。これらの残基のいずれかの形態は、本発明
の範囲内にはいる。
【0078】 他の改変には、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリル、トレオニル
、またはチロシル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、およ
びヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,P
roteins:Structure and Molecular Prop
erties,W.H.Freeman & Co.,San Francis
co,pp.79−86[1983])、N−末端アミンのアセチル化、ならび
に任意のC−末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。分子は、さらに、米
国特許4,640,835;4,496,689;4,301,144;4,6
70,417;4,791,192;または4,179,337に記載の方法で
、非タンパク質性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、またはポリオキシアルキレンに共有結合され得る。
【0079】 二官能性薬剤での誘導体化は、TIEリガンドのポリペプチドとの分子内凝集
を調製するために、ならびにアッセイまたはアフィニティー精製での使用のため
に水不溶性支持体マトリクスまたは表面にTIEリガンドポリペプチドを架橋す
るために、有用である。さらに、鎖間架橋の研究は、コンホメーション構造にお
ける直接情報を提供する。普通に使用される架橋剤には、1,1−ビス(ジアゾ
アセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステル、ホモ二官能性イミドエステル、および二官能性マレイミドが
挙げられる。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデー
トのような誘導体化剤は、光の存在下で架橋を形成し得る光活性化可能中間体を
得る。あるいは、臭化シアン活性化した炭化水素のような反応性水不溶性マトリ
クスならびに米国特許第3,959,642号;第3,969,287号;第3
,691,016号;第4,195,128号;第4,247,642号;第4
,229,537号;第4,055,635号;および第4,330,440号
に記載の系反応性基質が、タンパク質固定化および架橋に用いられる。
【0080】 ある翻訳後修飾は、発現したポリペプチドにおける組換え宿主細胞の作用の結
果である。グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、頻繁に、対応するグルタ
ミルおよびアスパルチル残基に翻訳後脱アミド化される。あるいは、これらの残
基は、穏やかな酸性条件下で脱アミド化される。これらの残基のいずれかの形態
は、本発明の範囲内にはいる。
【0081】 他の翻訳後修飾には、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリン、トレ
オニン、またはチロシン残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン
、およびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化[T.E.Creighto
n,Proteins:Structure and Molecular P
roperties,W.H.Freeman & Co.,San Fran
cisco,pp.79−86(1983)]が挙げられる。
【0082】 他の誘導体は、非タンパク質性ポリマーに共有結合した本発明の新規ペプチド
を含む。非タンパク質性ポリマーは、通常は、親水性合成ポリマー、すなわち、
天然で他には見いだされないポリマーである。しかし、天然に存在し、そして組
換えまたはインビトロ方法によって産生されるポリマーは、天然から単離される
ポリマーと同様に、有用である。親水性ポリビニルポリマー、例えば、ポリビニ
ルアルコールおよびポリビニルピロリドンは、本発明の範囲にはいる。ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコールのようなポリビニルアルキレンエー
テルは、特に有用である。
【0083】 TIEリガンドホモログは、米国特許第4,640,835号;第4,496
,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791
,192号;または第4,179,337号に記載の様式で、ポリエチレングリ
コール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンの
ような種々の非タンパク質性ポリマーに連結され得る。まさに本発明のイムノア
ドヘシンのような、これらの改変体は、対応するネイティブなTIEリガンドホ
モログよりも長い半減期を有することが予測される。
【0084】 TIEリガンドホモログは、例えば、コアセルベーション技術によってまたは
界面重合化によって調製されるマイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例
えばリポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノパ
ーティクル、およびナノカプセル)に、あるいはマクロエマルジョンに捕らえら
れ得る。このような技術は、Remington’s Pharmaceuti
cal Sciences,16版,Osol,A.編(1980)に開示され
る。
【0085】 用語「ネイティブなTIEレセプター」は、公知であるか、本明細書中以後に
開示されているヒト、他の高等霊長類(例えば、サル)、ならびに齧歯類(例え
ば、ラットおよびマウス)を含むが、これらに限定されない任意の動物種のTI
Eレセプターをいうために本明細書で使用される。この定義は、詳細には、例え
ば、PCT出願第WO 95/13387号(1995年5月18日公開)に開
示されるTIE−2レセプター、およびPCT出願公開公報第WO 93/14
124号(1993年7月22日公開)で「TIE」という内皮細胞レセプター
チロシンキナーゼを含み、そして好ましくはTIE−2である。
【0086】 (B.抗TIEリガンドホモログ抗体) 本発明は、TIEリガンドホモログを特異的に結合する、アゴニストおよびア
ンタゴニスト抗体をカバーする。この抗体は、モノクローナルまたはポリクロー
ナルであり得、そして限定することなく、成熟抗体、抗体フラグメント(例えば
、Fab、F(ab’)2、FVなど)、単鎖抗体、および種々の鎖の組み合わせ
を含む。
【0087】 用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、そして具体的には本発明のTIE
リガンドを特異的に結合する単一モノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニ
スト、および中和抗体を含む)、ならびに多エピトープ特異性を有する抗体組成
物をカバーする。
【0088】 本明細書で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均質
の抗体の集団から得られる抗体をいい、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少
ない量で存在し得る潜在的な天然に存在する変異を除いては、同一である。モノ
クローナル抗体は、非常に特異的であり、単一抗原性部位に対して指向される。
さらに、代表的には種々の決定基(エピトープ)に対して指向される種々の抗体
を含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは逆に、各モノクローナル抗体は
、抗原上の単一の決定基に対して指向される。
【0089】 本明細書におけるモノクローナル抗体には、起源の種または免疫グロブリンク
ラスもしくはサブクラスの指定にかかわりなく、定常ドメインを伴う、抗TIE
リガンドホモログ抗体の可変(超可変を含む)ドメインをスプライシングするこ
とによって産生されるハイブリッドおよび組換え抗体(例えば、「ヒト化」抗体
)、または重鎖を伴う軽鎖、またはもう1つの種からの鎖を伴う1つの種からの
鎖、または異種タンパク質を伴う融合物、ならびに所望の生物学的活性を示す限
り抗体フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)2、およびFv)が挙げら れる。例えば、米国特許第4,816,567号およびMageら,Monoc
lonal Antibody Production Techniques
and Applications,pp.79−97(Marcel De
kker,Inc.:New York,1987)を参照のこと。
【0090】 したがって、修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得
られるような抗体の特徴を示し、そして任意の特定の方法による抗体の産生を必
要とすると解釈されない。例えば、本発明に従って使用されるべきモノクローナ
ル抗体は、KohlerおよびMilstein,Nature,256:49
5(1975)に最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作製され得、ま
たは米国特許第4,816,567号に記載のような組換えDNA方法によって
作製され得る。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、McCafferty
ら,Nature,348:552−554(1990)に記載の技術を使用し
て生成されるファージライブラリーから単離され得る。
【0091】 非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、特異的キメラ免疫グロブ
リン、免疫グロブリン鎖、またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab
、Fab’、F(ab’)2、または抗体の他の抗原結合サブ配列)であり、こ れは非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含む。ほとんどの部分につい
て、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、ここで、
このレシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基は、所望の特異性、親
和性、および能力を有するマウス、ラットまたはウサギのような非ヒト種(ドナ
ー抗体)のCDRからの残基によって置換される。いくつかの場合、ヒト免疫グ
ロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によっ
て置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体においても、移入され
たCDRもしくはフレームワーク配列においても見られない残基を含み得る。こ
れらの改変は、抗体性能をさらに精錬および最適化するために行われる。一般に
、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、そして代表的には2つの可変ドメインの実質
的にすべてを含み、このドメインにおいてCDR領域のすべてまたは実質的にす
べては、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、そしてFR領域のすべて
または実質的にすべては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域であ
る。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(F
c)の少なくとも一部(代表的にはヒト免疫グロブリンのもの)の一部を含む。
【0092】 本発明のTIEリガンドホモログに対するポリクローナル抗体は、一般に、T
IEリガンドおよびアジュバントの複数回の皮下(sc)または腹腔内(ip)
注射によって動物で惹起される。TIEリガンドまたは標的アミノ酸配列を含む
フラグメントを、免疫される種において免疫原性であるタンパク質、例えば、キ
ーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、ま
たはダイズトリプシンインヒビターに対して、二官能性または誘導体化剤、例え
ば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介
した結合体化)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する)、グル
タルアルデヒド、コハク酸無水物、SOCl2、またはR1N=C=NR(ここで
RおよびR1は異なるアルキル基である)を用いて、結合体化することが有用で あり得る。
【0093】 動物は、1mgまたは1μgの結合体(それぞれ、ウサギまたはマウスに対し
て)を3容量のフロイント完全アジュバントと合わせること、および複数の部位
で皮内に溶液を注射することによって、免疫原性結合体または誘導体に対して免
疫される。1カ月後、その動物に、複数の部位での皮下注射によってフロイント
完全アジュバント中の元の量の1/5〜1/10の結合体を用いてブーストする
。7〜14日後、動物から採血し、そしてその血清を抗TIEリガンド抗体力価
についてアッセイする。動物に、その力価がプラトーになるまでブーストする。
好ましくは、動物を、同じTIEリガンドの結合体であるが異なるタンパク質に
および/または異なる架橋試薬を介して結合体化された結合体でブーストする。
結合体はまた、タンパク質融合体として組換え細胞培養物中で作製され得る。ま
た、ミョウバンのような凝集剤が、免疫応答を増強するために使用される。
【0094】 モノクローナル抗体は、実質的に均質な抗体の集団から得られ、すなわち、こ
の集団を含む個々の抗体は、少ない量で存在し得る可能性のある天然に存在する
変異を除いては、同一である。したがって、修飾語「モノクローナル」は、異な
る抗体の混合物ではないような抗体の特徴を示す。
【0095】 例えば、本発明の抗TIEリガンドホモログモノクローナル抗体は、Kohl
erおよびMilstein,Nature 256:495(1975)に最
初に記載されたハイブリドーマ方法を使用して作製され得るか、または組換えD
NA方法[Cabillyら,米国特許第4,816,567号]によって作製
され得る。
【0096】 ハイブリドーマ方法では、マウス、またはハムスターのような他の適切な宿主
動物が、本明細書中上記のように免疫されて、免疫のために使用されるタンパク
質に特異的に結合する抗体を産生または産生し得るリンパ球を誘起する。あるい
は、リンパ球は、インビトロで免疫され得る。次いで、リンパ球は、ポリエチレ
ングリコールのような適切な融合剤を使用してミエローマ細胞と融合されて、ハ
イブリドーマ細胞を形成する[Goding,Monoclonal Anti
bodies:Principles and Practice,pp.59
−103(Academic Press,1986)]。
【0097】 このように調製されたハイブリドーマ細胞を、融合していない親ミエローマ細
胞の増殖または生存を阻害する、好ましくは1つ以上の物質を含む、適切な培養
培地中に播種し、そして増殖する。例えば、親ミエローマ細胞が酵素ヒポキサン
チングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)
を欠くならば、ハイブリドーマについての培養培地は、代表的には、ヒポキサン
チン、アミノプテリン、およびチミジンを含み(HAT培地)、これらの物質は
HGPRT欠失細胞の増殖を妨げる。
【0098】 好ましいミエローマ細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による
抗体の安定な高いレベルの発現を支持し、そしてHAT培地のような培地に感受
性である細胞である。これらのうち、好ましいミエローマ細胞株は、the S
alk Institute Cell Distribution Cent
er,San Diego, California USAから入手可能なM
OPC−21およびMPC−11マウス腫瘍に由来するようなマウスミエローマ
株、ならびにアメリカンタイプカルチャーコレクション,Rockville,
Maryland USAから入手可能なSP−2細胞である。ヒトミエローマ
およびマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株もまた、ヒトモノクローナル抗体の
産生について記載されている[Kozbor,J.Immunol.133:3
001(1984);Brodeurら,Monoclonal Antibo
dy Production Techniques and Applica
tions,pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,Ne
w York,1987)]。
【0099】 ハイブリドーマ細胞が増殖している培養培地は、TIEリガンドホモログに対
して指向されるモノクローナル抗体の産生についてアッセイされる。好ましくは
、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、
免疫沈降剤あるいはラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着ア
ッセイ(ELISA)のようなインビトロ結合アッセイにより決定される。
【0100】 このモノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonおよびPol
lard,Anal.Biochem.107:220(1980)のスキャッ
チャード分析によって決定され得る。
【0101】 所望の特異性、親和性、および/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ
細胞を同定した後、そのクローンは、限界希釈手順によってサブクローニングさ
れ、そして標準的方法によって増殖され得る。Goding,Monoclon
al Antibodies:Principles and Practic
e,pp.59−104(Academic Press,1986)。この目
的に適切な培養培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地またはRPM
I−1640培地が挙げられる。さらに、ハイブリドーマ細胞は、動物における
腹水腫瘍のようにインビボで増殖され得る。
【0102】 このサブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えば、プロテ
インA−Sepharose、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲ
ル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィーのような従来の免
疫グロブリン精製手順によって、培養培地、腹水液、または血清から適切に分離
される。
【0103】 本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(
例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得る
オリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離され、そして
配列決定される。本発明のハイブリドーマ細胞を、このようなDNAの好ましい
供給源として用いる。一旦単離すると、DNAは、発現ベクター中に配置され得
、このベクターは、次いでそうでなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しな
いサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはミエロ
ーマ細胞のような宿主細胞にトランスフェクトされて、組換え宿主細胞中でのモ
ノクローナル抗体の合成を得る。このDNAはまた、例えば、同種マウス配列の
代わりにヒト重鎖および軽鎖定常ドメインでコード配列を置換することによって
(Morrisonら,Proc.Natl.Acad.Sci.81,685
1(1984))、または非免疫グロブリンポリペプチドについてのコード配列
のすべてまたは一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合することによって、
改変され得る。このように、本明細書における抗TIEリガンドモノクローナル
抗体の結合特異性を有する「キメラ」または「ハイブリッド」抗体が調製される
【0104】 代表的には、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定
常ドメインと置換されるか、または本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ド
メインと置換されて、本発明のTIEリガンドに対する特異性を有する1つの抗
原結合部位および異なる抗原に対する特異性を有するもう1つの抗原結合部位を
含むキメラ二価抗体を生成する。
【0105】 キメラまたはハイブリッド抗体はまた、架橋剤を含む化学反応を含む、合成タ
ンパク質化学で公知の方法を使用してインビトロで調製され得る。例えば、イム
ノトキシンは、ジスルフィド交換反応を使用して、またはチオエーテル結合を形
成することによって、構築され得る。この目的に適切な試薬の例には、イミノチ
オレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデートが挙げられる。
【0106】 診断適用のために、本発明の抗体は、代表的には、検出可能部分を用いて標識
される。この検出可能部分は、直接的または間接的のいずれかで、検出可能シグ
ナルを産生し得る任意の部分であり得る。例えば、この検出可能部分は、3H、1 4 C、32P、35S、または125Iのような放射性同位元素、フルオレセンイソチオ
シアネート、ローダミン、またはルシフェリンのような蛍光または化学発光化合
物;ビオチン;例えば、125I、32P、14C、または3Hのような放射性同位元素
標識、あるいは、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、または西洋
ワサビペルオキシダーゼのような酵素であり得る。
【0107】 抗体を検出可能部分に別々に結合するための当該技術分野で公知の任意の方法
が用いられ得、これには、Hunterら,Nature 144:945(1
962);Davidら,Biochemistry 13:1014(197
4);Painら,J.Immunol.Meth.40:219(1981)
;およびNygren,J.Histochem.and Cytochem.
30:407(1982)に記載の方法が挙げられる。
【0108】 本発明の抗体は、競合結合アッセイ、直接および間接サンドイッチアッセイ、
ならびに免疫沈降アッセイのような、任意の公知のアッセイ方法で用いられ得る
。Zola,Monoclonal Antibodies:A Manual
of Techniques,pp.147−158(CRC Press,
Inc.,1987)。
【0109】 競合結合アッセイは、標識された標準(TIEリガンドホモログまたはその免
疫学的反応性部分であり得る)が、限定された量の抗体との結合についてテスト
試料分析物(TIEリガンド)と競合する能力に依存する。テスト試料中のTI
Eリガンドホモログの量は、抗体に結合するようになる標準の量に反比例する。
結合するようになる標準の量を決定することを容易にするために、抗体は、一般
に、競合前または後に不溶化され、そのため抗体に結合される標準および分析物
は、結合しないままの標準および分析物から簡便に分離され得る。
【0110】 サンドイッチアッセイは、2つの抗体の使用を含み、それぞれは、検出される
タンパク質の異なる免疫原性部分、またはエピトープに結合し得る。サンドイッ
チアッセイでは、テスト試料分析物は、固体支持体上に固定されている第一の抗
体によって結合され、その後第二の抗体がその分析物に結合し、したがって不溶
性3部分複合体を形成する。DavidおよびGreene,米国特許第4,3
76,110号。この第二の抗体は、それ自体が検出可能部分で標識され得るか
(直接的サンドイッチアッセイ)、または検出可能部分で標識される抗免疫グロ
ブリン抗体を使用して測定され得る(間接的サンドイッチアッセイ)。例えば、
サンドイッチアッセイの1つのタイプは、ELISAアッセイであり、この場合
、検出可能部分は酵素である。
【0111】 非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該技術分野で周知である。一般に、
ヒト化抗体は、非ヒトである供給源から導入される1つ以上のアミノ酸残基を有
する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「移入(import)」残
基といわれ、これは代表的には、「移入」可変ドメインから採用される。ヒト化
は、本質的に、ヒト抗体の対応する配列で齧歯類CDRまたはCDR配列を置換
することによる、Winterおよび共同研究者[Jonesら,Nature
321,522−525(1986);Riechmannら,Nature
332,323−327(1988);Verhoeyenら,Scinec
e 239,1534−1536(1988)]の方法に従って行われ得る。し
たがって、このような「ヒト化」抗体は、キメラ抗体であり(Cabilly,
前出)、ここで、インタクトなヒト可変ドメインより実質的に少ないものが、非
ヒト種からの対応する配列によって置換されている。実際に、ヒト化抗体は、代
表的には、いくつかのCDR残基およびおそらくいくつかのFR残基が、齧歯類
抗体における類似部位由来の残基によって置換されているヒト抗体である。
【0112】 抗体が、抗原についての高い親和性および他の好ましい生物学的特性を保持し
ながらヒト化されることは重要である。この目的を達成するために、好ましい方
法にしたがって、ヒト化抗体は、親およびヒト化配列の三次元モデルを使用して
、親配列および種々の概念上のヒト化産物の分析のプロセスによって調製される
。モデル中の三次元免疫グロブリンは、一般に利用可能であり、そして当業者は
熟知している。選択された候補免疫グロブリン配列の有望な三次元コンホメーシ
ョン構造を例示および提示するコンピュータプログラムは、利用可能である。こ
れらの提示の検査は、候補免疫グロブリン配列の機能性における残基の可能性の
ある役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンがその抗原を結合する能力に影
響を及ぼす残基の分析を可能にする。この方法で、FR残基が、標的抗原に対す
る増加した親和性のような所望の抗体特性が達成されるように、コンセンサスお
よび移入配列から選択され、そして組み合わせられ得る。一般に、CDR残基は
、抗原結合に影響を及ぼすことに、直接的およびほとんど実質的に関与する。
【0113】 あるいは、免疫の際に、内因性免疫グロブリン産生の不在下でヒト抗体の完全
レパートリーを産生し得る、トランスジェニック動物(例えば、マウス)を産生
することが、今や可能である。例えば、キメラおよび生殖細胞系変異マウスにお
ける抗体重鎖J領域(JH)遺伝子のホモ接合欠損が、内因性抗体産生の完全阻 害を生じることが記載されている。このような生殖細胞系変異マウスへのヒト生
殖細胞系免疫グロブリン遺伝子アレイの移入は、抗原チャレンジの際のヒト抗体
の産生を生じる。例えば、Jakobovitsら,Proc.Natl.Ac
ad.Sci USA 90,2551−255(1993);Jakobov
itsら,Nature 362,255−258(1993)を参照のこと。
【0114】 二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する
、モノクローナル、好ましくはヒトまたはヒト化、抗体である。本発明の場合で
は、結合特異性の1つは、特定のTIEリガンドに対してであり、他方は、任意
の他の抗原に対してであり、そして好ましくはもう1つのリガンドに対してであ
る。例えば、2つの異なるTIEリガンドホモログを特異的に結合する二重特異
性抗体は、本発明の範囲内である。
【0115】 二重特異性抗体を作成する方法は、当該技術分野で公知である。
【0116】 伝統的には、二重特異性抗体の組換え産生は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽
鎖対の同時発現に基づき、ここでこの2つの重鎖は異なる特異性を有する(Mi
llsteinおよびCuello,Nature 305,537−539(
1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖のランダム類別のため、これらの
ハイブリドーマ(クアドローマ)は、1つのみが正しい二重特異性構造を有する
、10の異なる抗体分子の潜在的混合物を産生する。アフィニティークロマトグ
ラフィー工程によって通常行われる、正しい分子の精製は、むしろ煩わしく、そ
して産物収量は低い。類似の手順が、PCT出願公開公報第WO 93/088
29号(1993年5月13日に公開)およびTrauneckerら,EMB
O 10,3655−3659(1991)に開示される。
【0117】 異なるおよびより好ましいアプローチよれば、所望の結合特異性を有する抗体
可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)は、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融
合される。この融合物は、好ましくは、免疫グロブリン重鎖定常ドメインを有し
、ヒンジの少なくとも一部、および免疫グロブリン重鎮の第2および第3の定常
領域(CH2およびCH3)を含む。この融合物の少なくとも1つに存在する軽
鎖結合に必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好まし
い。免疫グロブリン重鎖融合物、および所望であれば、免疫グロブリン軽鎖をコ
ードするDNAは、別々の発現ベクターに挿入され、そして適切な宿主生物に同
時トランスフェクトされる。これは、構築に使用される3つのポリペプチド鎖の
不同の比が最適収量を提供する場合の実施態様では、3つのポリペプチドフラグ
メントの相互の割合を調節することに、非常に柔軟性を提供する。しかし、少な
くとも2つのポリペプチド鎖の等しい比での発現が、高い収量を得る場合、また
は比が特に重要ではない場合、1つの発現ベクター中に、2つまたは3つすべて
のポリペプチド鎖についてのコード配列を挿入することが可能である。このアプ
ローチの好ましい実施態様では、二重特異性抗体は、1つのアームにおける第1
の結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、および他のアームにお
ける(第2の結合特性を提供する)ハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対か
ら構成される。二重特異性分子の半分のみにおける免疫グロブリン軽鎖の存在が
分離の容易な方法を提供するので、この非対称構造が、望ましくない免疫グロブ
リン鎖の組み合わせから、所望の二重特異性化合物の分離を容易にすることを見
いだした。
【0118】 二重特異性抗体を生成することのさらに詳細については、例えば、Sures
hら,Methods in Enzymology 121,210(198
6)を参照のこと。
【0119】 用語「ダイアボディ」とは、2つの抗原結合部位を有する小抗体フラグメント
をいい、このフラグメントは同じポリペプチド鎖中に軽鎖可変ドメイン(VL) に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む(VH−VL)。短すぎて同じ鎖に おける2つのドメイン間の対形成ができないリンカーを使用することによって、
このドメインは、もう1つの鎖の相補ドメインと対形成させ、そして2つの抗原
結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、EP 404,097;WO
93/11161;およびHollingerら,Proc.Natl.Aca
d.Sci USA,90:6444−6448(1993)に、より十分に記
載される。
【0120】 「単離された」抗体は、単離されたポリペプチドについて本明細書中上記で提
供される定義と同様に定義される。詳細には、「単離された」抗体は、その天然
環境の成分から同定および分離および/または回収されたものである。その天然
環境の夾雑成分は、抗体についての診断または治療使用を妨害する物質であり、
そして酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質が挙
げられ得る。好ましい実施態様では、抗体は、(1)Lowry方法によって決
定される場合95%重量を越える抗体、および最も好ましくは99%重量を越え
るまで、(2)スピニングカップシークエネーターの使用によってN末端または
内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るために十分な程度まで、または(
3)クーマシーブルーまたは好ましくは銀染色を使用して還元または非還元条件
下でのSDS−PAGEによる均一性まで、精製される。抗体の天然環境の少な
くとも1つの成分が存在しないので、単離された抗体は、組換え細胞内でのイン
サイチュでの抗体を含む。しかし、通常、単離された抗体は、少なくとも1つの
精製工程によって調製される。
【0121】 本明細書で使用される場合、用語「標識」とは、「標識された」抗体を生成す
るように抗体に直接的または間接的に結合体化される検出可能な化合物または組
成物をいう。この標識は、それ自体によって検出可能であり得るか(例えば、放
射性同位元素標識または蛍光標識)、または酵素的標識の場合には、検出可能で
ある基質化合物または組成物の化学変更を触媒し得る。
【0122】 「固相」とは、本発明の抗体が付着し得る非水性マトリクスを意味する。本明
細書において含まれる固相の例は、ガラス(例えば、制御された孔ガラス)、多
糖類(例えば、アガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニル
アルコール、およびシリコーンから部分的または全体が形成されるものを含む。
ある実施態様では、状況に依存して、その固相は、アッセイプレートのウェルを
含み得;他では、固相は精製カラム(例えば、アフィニティークロマトグラフィ
ーカラム)である。この用語はまた、米国特許第4,275,149号に記載の
ような別々の粒子の不連続固相を含む。
【0123】 「リポソーム」は、哺乳動物への薬物(例えば、本明細書で開示される抗Er
bB2抗体、および必要に応じて、化学療法剤)の送達に有用である、種々のタ
イプの脂質、リン脂質、および/または界面活性剤から構成される小胞である。
リポソームの成分は、生物学的膜の脂質配置に類似の、二層形成で一般に配置さ
れる。
【0124】 抗体「アゴニスト」および「アンタゴニスト」は、上で定義されるとおりであ
る。
【0125】 ヘテロ結合体抗体はまた、本発明の範囲内である。ヘテロ結合体抗体は、2つ
の共有結合した抗体から構成される。このような抗体は、例えば、望ましくない
細胞に免疫系細胞を標的するため(米国特許第4,676,980号)、および
HIV感染の処置のために(PCT出願公開公報第WO 91/00360号お
よび第WO 92/200373号;EP 03089)提案されている。ヘテ
ロ結合体抗体は、任意の便利な架橋方法を使用して作製され得る。適切な架橋剤
は当該技術分野で周知であり、そして多くの架橋技術とともに米国特許第4,6
76,980号に開示される。
【0126】 「単鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメ
インを含み、ここでこれらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。
好ましくは、Fvポリペプチドは、VHおよびVLドメイン間にポリペプチドリン
カーをさらに含み、このことはsFvが抗原結合のための所望の構造を形成する
ことを可能にする。sFvの総説については、Pluckthun、The P
harmacology of Monoclonal Antibodies
,113巻,RosenburgおよびMoore編,Springer−Ve
rlag,New York,pp.269−315(1994)を参照のこと
【0127】 (C.TIEリガンドホモログのクローニングおよび発現) 本発明の文脈では、表現「細胞」、「細胞株」、および「細胞培養物」は、交
換可能に使用され、そしてすべてのこのような名称は子孫を含む。すべての子孫
が、故意のまたは偶然の変異のため、DNA含量が正確に同一であり得ないこと
も理解される。最初の形質転換された細胞についてスクリーニングした場合に、
同じ機能または生物学的特性を有する変異体子孫が、含まれる。
【0128】 用語「複製可能な発現ベクター」および「発現ベクター」とは、一片の外来D
NAを挿入され得る、通常二本鎖の、一片のDNAをいう。外来DNAは、異種
DNAと定義され、これは、宿主細胞中に天然に見いだされないDNAである。
このベクターは、適切な宿主細胞に外来または異種DNAを輸送するために使用
される。一旦宿主細胞にはいると、ベクターは、宿主染色体DNAから独立して
複製し得、そしてベクターおよびその挿入された(外来)DNAのいくつかのコ
ピーが生成され得る。さらに、このベクターは、外来DNAをポリペプチドに翻
訳することを可能にするのに必要なエレメントを含む。したがって、外来DNA
によってコードされるポリペプチドの多くの分子は、迅速に合成され得る。
【0129】 発現およびクローニングベクターは、当該技術分野で周知であり、そして1つ
以上の選択された宿主細胞中でベクターが複製することを可能にする核酸配列を
含む。適切なベクターの選択は、1)DNA増幅またはDNA発現に使用される
べきかどうか、2)ベクターに挿入されるべきDNAのサイズ、および3)ベク
ターで形質転換されるべき宿主細胞、に依存する。各ベクターは、その機能(D
NAの発現、DNAの増幅)および適合可能である宿主細胞に依存して、種々の
成分を含む。ベクター成分は、一般に、1つ以上の以下のものを含むが、これら
に限定されない:シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハ
ンサーエレメント、プロモーター、および転写終結配列。
【0130】 ((i)シグナル配列成分) 一般に、シグナル配列は、ベクターの成分であり得るか、またはベクターに挿
入されるTIEリガンド分子の一部であり得る。シグナル配列が異種であるなら
ば、宿主細胞によって認識およびプロセシング(すなわち、シグナルペプチダー
ゼによって切断)されるように選択されるべきである。
【0131】 原核生物宿主細胞に適切な異種シグナル配列は、好ましくは、α−アミラーゼ
、ompA、ompC、ompE、ompF、アルカリホスファターゼ、ペニシ
リナーゼ、lpp、または熱安定性エンテロトキシンIIのリーダーのような、
原核生物シグナル配列である。酵母分泌については、例えば、酵母インベルター
ゼ、アミラーゼ、α因子、または酸性ホスファターゼのリーダーが使用され得る
。哺乳動物細胞発現では、哺乳動物シグナル配列が最も適切である。列挙したシ
グナル配列は、例示のためのみであり、そしていかなるようにも本発明の範囲を
限定しない。
【0132】 ((ii)複製起点成分) 発現ベクターおよびクローニングベクターの両方とも、1つ以上の選択された
宿主細胞においてベクターが複製することを可能にした核酸配列を含む。一般に
、クローニングベクターでは、この配列は、ベクターが宿主染色体から独立して
複製することを可能にする配列であり、そして複製起点または自律複製する配列
を含む。このような配列は、種々の細菌、酵母、およびウイルスにとって周知で
ある。周知のプラスミドpBR322由来の複製起点は、ほとんどのグラム陰性
菌に適切であり、酵母についての2μプラスミド起点および種々のウイルス起点
(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、またはBPV)は、哺乳動
物細胞におけるクローニングベクターにとって有用である。複製起点は、哺乳動
物発現ベクターに必要ではない(SV40起点は、代表的には、単に初期プロモ
ーターを含むので、使用され得る)。ほとんどの発現ベクターは、「シャトル」
ベクターであり、すなわち、これらは、少なくとも1つのクラスの生物で複製し
得るが、発現のために他の生物にトランスフェクトされ得る。例えば、ベクター
はE.coliにクローニングされ、次いで同じベクターが、たとえ宿主細胞染
色体から独立して複製し得ないとしても、発現のために酵母または哺乳動物細胞
にトランスフェクトされる。
【0133】 DNAはまた、宿主ゲノムへの挿入によってクローニングされる。これは、例
えば、BacillusゲノムDNAで見いだされる配列に相補的であるDNA
配列をベクターに含むことによって、宿主としてBacillus種を使用して
、容易に達成される。このベクターでのBacillusのトランスフェクショ
ンは、ゲノムとの相同組換えおよび所望の異種ポリペプチドをコードするDNA
の挿入を生じる。しかし、制限酵素切断が、コードされたポリペプチド分子を切
り出すために必要とされるので、ゲノムDNAの回収は、外因性の複製されたベ
クターの回収よりも複雑である。
【0134】 ((iii)選択遺伝子成分) 発現およびクローニングベクターは、選択可能マーカーとも称する、選択遺伝
子を含むべきである。これは、このベクターで形質転換した宿主細胞の生存また
は増殖に必要なタンパク質をコードする遺伝子である。この遺伝子の存在は、そ
のベクターを欠失する宿主細胞が、形質転換した宿主よりも増殖または再生で全
く有利点を得ないことを確実にする。代表的な選択遺伝子は、(a)抗生物質ま
たは他のトキシン、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、
またはテトラサイクリンに対する耐性を与えるか、(b)栄養要求性の欠損を相
補するか、または(c)複合培地から利用可能でない重要な栄養を供給する(例
えば、バチルス属についてのD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子)、タ
ンパク質をコードする。
【0135】 選択スキームの1つの例は、宿主細胞の増殖を停止するために薬物を利用する
。異種遺伝子でうまく形質転換される細胞は、薬物耐性を与えるタンパク質を発
現し、したがって選択レジメを生存する。このような優性選択の例は、薬物ネオ
マイシン[Southernら,J.Molec.Appl.Genet.1,
327(1982)]、ミコフェノール酸[Mulliganら,Scienc
e 209,1422(1980)]、またはハイグロマイシン[Sudgen
ら,Mol.Cel.Biol.5,410−413(1985)]を使用する
。上記の3つの例は、それぞれ、適切な薬物G418またはネオマイシン(ゲネ
チシン)、xgpt(ミコフェノール酸)、あるいはハイグロマイシンに対する
耐性を与えるために真核生物制御下で細菌遺伝子を用いる。
【0136】 哺乳動物細胞に適切な選択可能マーカーの他の例は、ジヒドロ葉酸レダクター
ゼ(DHFR)またはチミジンキナーゼである。このようなマーカーは、所望の
核酸を取り込むためにコンピテントであった細胞の同定を可能にする。哺乳動物
細胞の形質転換体は、形質転換体のみが、そのマーカーを取り込んでいることに
よって生存するために独特に適合される選択圧下に、配置される。選択圧は、培
地中の選択薬剤の濃度がうまく変化する条件下で形質転換体を培養することによ
って課され、それによって、選択遺伝子および所望のポリペプチドをコードする
DNAの両方の増幅を導く。増幅は、増殖に重要なタンパク質の産生について非
常に需要がある遺伝子が、染色体内で協調して組換え細胞のうまくいった生成を
繰り返すプロセスである。所望のポリペプチドの増加した量は、増幅したDNA
から合成される。
【0137】 例えば、DHFR選択遺伝子で形質転換した細胞は、ヒポキサンチン、グリシ
ン、およびチミジンを含まない培養培地中で、すべての形質転換体を培養するこ
とによって、最初に同定される。この場合に適切な宿主細胞は、DHFR活性を
欠失するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株であり、Urlaubお
よびChasin,Proc.Nat’l.Acad.Sci USA 77、
4216(1980)に記載のように調製および増殖される。特に有用なDHF
Rは、MTX(EP 117,060)に非常に耐性である、変異DHFRであ
る。この選択薬剤は、内因性DHFRの存在にもかかわらず、他の適切な任意の
宿主、例えば、ATCC No.CCL61 CHO−K1を用いて使用され得
る。次いで、DHFRおよび所望のポリペプチドをコードするDNAは、それぞ
れ、DHFRを不活化する薬剤(メトトレキサート、またはMTX)への曝露に
よって増幅される。細胞が、常により多量のMTX濃度の連続したラウンドにお
いて増殖し得る細胞についてのみ選択することによって、より多くのDHFRを
必要とする(そして結果としてすべての外因性DNAを増幅する)ことを確実に
する。あるいは、所望のポリペプチド、野生型DHFR、およびneo遺伝子の
ようなもう1つの選択可能マーカーをコードする遺伝子で同時形質転換した宿主
は、G418のような選択可能マーカーについての選択薬剤を使用して同定され
得、次いで内因性DHFRを含む野生型宿主中でメトトレキサートを使用して選
択および増幅され得る(米国特許第4,965,199号も参照のこと)。
【0138】 酵母における使用に適切な選択遺伝子は、酵母プラスミドYRp7に存在する
trp1遺伝子である(Stinchcombら,1979,Nature 2
82:39;Kingsmanら,1979,Gene 7:141;またはT
schemperら,1980,Gene 10:157)。trp1遺伝子は
、トリプトファン中で増殖する能力のない酵母の変異体株、例えば、ATCC
No.44076、またはPEP4−1(Jones,1977,Geneti
cs 85:12)についての選択マーカーを提供する。次いで、酵母宿主細胞
ゲノム中のtrp1障害の存在は、トリプトファンの不在下での増殖による、形
質転換体を検出するために効果的な環境を提供する。同様に、Leu2欠失酵母
株(ATCC 20,622または38,626)は、Leu2遺伝子を有する
公知のプラスミドによって相補される。
【0139】 ((iv)プロモーター成分) 発現ベクターは、クローニングベクターとは異なって、宿主生物によって認識
されそして所望のポリペプチドをコードする核酸に作動可能に連結されるプロモ
ーターを含むべきである。プロモーターは、その制御下で核酸の転写および翻訳
を制御する、構造遺伝子(一般に約100〜1000bp以内)の開始コドンか
ら上流に位置する非翻訳配列である。これらは、代表的には、2つのクラス、誘
導性および構成性に分かれる。誘導性プロモーターは、培養条件のいくつかの変
化、例えば、栄養の存在または不在あるいは温度変化に応じて、その制御下でD
NAからの転写のレベルの増加を開始するプロモーターである。この時、種々の
可能性のある宿主細胞によって認識される多数のプロモーターが周知である。こ
れらのプロモーターは、制限酵素切断によって起源の遺伝子から取り出され、次
いで発現されるべきポリペプチドについての開始コドンの5’への挿入によって
、所望のポリペプチドをコードするDNAに作動可能に連結される。これは、T
IEリガンドについてのゲノムプロモーターが使用可能ではないことをいうので
はない。しかし、異種プロモーターは、一般に、天然のままのTIEリガンドプ
ロモーターと比較した場合、発現したTIEリガンドホモログのより大きい転写
および高い収量を生じる。
【0140】 原核生物宿主との使用に適切なプロモーターには、β−ラクタマーゼおよびラ
クトースプロモーター系(Changら,Nature 275:615(19
78);およびGoeddelら,Nature 281:544(1979)
)、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系(Go
eddel,Nucleic Acids Res.8:4057(1980)
および欧州特許出願公開公報第36,776号)、およびtacプロモーターの
ようなハイブリッドプロモーター(H.de Boerら,Proc.Nat’
l.Acad.Sci USA 80:21−25(1983))が挙げられる
。しかし、他の公知の細菌プロモーターが適切である。それらのヌクレオチド配
列は公開されており、それによって、当業者は、任意の必要とされる制限部位を
供給するためにリンカーまたはアダプターを使用してTIEリガンドをコードす
るDNAに作動可能に連結することを可能にする(Siebenlistら,C
ell 20:269(1980))。細菌系での使用のためのプロモーターは
また、TIEリガンドをコードするDNAに作動可能に連結されるシャイン・ダ
ルガーノ(S.D.)配列を含む。
【0141】 酵母宿主との使用に適切なプロモーター配列には、3−ホスホグリセリン酸キ
ナーゼ(Hitzemanら J.Biol.Chem.255:2073(1
980))または他の解糖系酵素(例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−
3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ
、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホ
グリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、
ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼ)(Hessら,J.A
dv.Enzyme Reg.7:149(1978);およびHolland
,Biochemistry 17:4900(1978))のプロモーターが
挙げられる。
【0142】 増殖条件によって制御される転写のさらなる有利点を有する誘導性プロモータ
ーである、他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシト
クロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関連する分解酵素、メタロチオネ
イン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ならびにマルトース
およびガラクトース利用に応答する酵素についてのプロモーター領域である。酵
母発現における使用に適切なベクターおよびプロモーターは、さらに、R.Hi
tzemanら,EP 73,657Aに記載される。酵母エンハンサーもまた
、酵母プロモーターとともに有利に使用される。
【0143】 プロモーター配列は、真核生物について公知である。実際には、すべての真核
生物遺伝子は、転写が開始される部位から約25〜30塩基上流に位置するAT
リッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写の開始から70〜80塩基上流に見い
だされるもう1つの配列は、CXCAAT領域であり、ここでXは任意のヌクレ
オチドであり得る。ほとんどの真核生物遺伝子の3’末端にはコード配列の3’
末端へのポリAテイルの付加のためのシグナルであり得るAATAAA配列が存
在する。これらの配列のすべては、哺乳動物発現ベクターに適切に挿入される。
【0144】 哺乳動物宿主細胞におけるベクターからのTIEリガンド転写は、ポリオーマ
ウイルス、鶏痘ウイルス(1989年7月5日に公開された英国特許2,211
,504)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2型)、ウシパピローマ
ウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝
炎ウイルスのようなウイルス、および最も好ましくはシミアンウイルス40(S
V40)のゲノムから、異種哺乳動物プロモーター、例えば、アクチンプロモー
ターまたは免疫グロブリンプロモーターから、熱ショックプロモーターから、な
らびにこのようなプロモーターが宿主細胞系と適合可能であるならば、TIEリ
ガンド配列に通常付随するプロモーターから、得られるプロモーターによって制
御され得る。
【0145】 SV40ウイルスの初期プロモーターおよび後期プロモーターは、SV40ウ
イルス複製起点もまた含むSV40制限フラグメントとして便利に得られる[F
iersら、Nature 273:113(1978)、Mulliganお
よびBerg,Science 209,1422−1427(1980);P
avlakisら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 78,7
398−7402(1981)]。ヒトサイトメガロウイルスの前初期プロモー
ターは、HindIII E制限フラグメントとして便利に得られる[Gree
nawayら,Gene 18,355−360(1982)]。ベクターとし
てウシパピローマウイルスを使用する哺乳動物宿主中でDNAを発現するための
系は、米国特許第4,419,446号に開示される。この系の改変は、米国特
許第4,601,978号に記載される。サル細胞中でヒト免疫インターフェロ
ンをコードするcDNAを発現することにおいては、Grayら,Nature
295,503−508(1982);単純ヘルペスウイルス由来のチミジン
キナーゼプロモーターの制御下で、マウス細胞におけるヒトβ−インターフェロ
ンcDNAを発現することにおいてはReyesら,Nature 297,5
98−601(1982);培養したマウス細胞およびウサギ細胞におけるヒト
インターフェロンβ1遺伝子の発現においてはCanaaniおよびBerg、
Proc.Natl.Acad.Sci USA 79,5166−5170(
1982);ならびにプロモーターとしてラウス肉腫ウイルス長末端反復を使用
するCV−1サル腎臓細胞、ニワトリ胚線維芽細胞、チャイニーズハムスター卵
巣細胞、HeLa細胞、およびマウスNIH−3T3細胞における細菌CAT配
列の発現においてはGormanら,Proc.Natl.Acad.Sci
USA 79,6777−6781(1982)も参照のこと。
【0146】 (v)エンハンサーエレメント成分 高等真核生物による本発明のTIEリガンドホモログをコードするDNAの転
写は、しばしば、ベクターにエンハンサー配列を挿入することによって増加する
。エンハンサーは、その転写を増加させるためにプロモーターで作用する、通常
約10〜300bpのDNAのシス作用性エレメントである。エンハンサーは、
転写ユニットに対して5’[Laiminsら,Proc.Natl.Acad
.Sci USA 78,993(1981)]および3’[Laskyら,M
ol.Cel.Biol.3,1108(1983)]、イントロン内[Ban
erjiら,Cell 33,729(1983)]ならびにコード配列自体内
[Osborneら,Mol.Cel.Biol.4,1293(1984)]
に見いだされており、比較的配向性および位置非依存性である。多くのエンハン
サー配列は、現在は、哺乳動物遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、
α−フェトプロテイン、およびインスリン)由来で公知である。しかし、代表的
には、真核生物細胞ウイルスからのエンハンサーを使用する。例としては、複製
起点の後ろ側におけるSV40エンハンサー(bp100〜270)、サイトメ
ガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後ろ側におけるポリオ
ーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。真核生物
プロモーターの活性化のためのエレメントを増強することにおいてはYaniv
、Nature 297,17−18(1982)も参照のこと。エンハンサー
は、TIEリガンドDNAの5’または3’の位置でベクターにスプライスされ
得るが、好ましくは、プロモーターから5’の部位に位置する。
【0147】 (vi)転写終結成分 真核生物宿主細胞(酵母、真菌類、昆虫、植物、動物、ヒト、または他の多細
胞生物由来の有核細胞)で使用される発現ベクターはまた、転写の終結およびm
RNAを安定化するために必要な配列を含む。このような配列は、真核生物また
はウイルスDNAまたはcDNAの5’および時には3’非翻訳領域から一般に
利用可能である。これらの領域は、TIEリガンドをコードするmRNAの非翻
訳部分においてポリアデニル化フラグメントとして転写されたヌクレオチドセグ
メントを含む。3’非翻訳領域はまた、転写終結部位を含む。
【0148】 上記の成分、所望のコード配列および制御配列の1つ以上を含む適切なベクタ
ーの構築は、標準的ライゲーション技術を用いる。単離したプラスミドまたはD
NAフラグメントは、切断され、適合させられ、そして必要とされるプラスミド
を生成することが所望される形態に再ライゲートされる。
【0149】 構築したプラスミドにおいて正確な配列を確認するための分析のために、ライ
ゲーション混合物は、E.coli K12株294(ATCC 31,446
)を形質転換するために使用され、そして成功した形質転換体は、適切であるア
ンピシリン耐性またはテトラサイクリン耐性によって選択される。形質転換体か
らのプラスミドは、調製され、制限エンドヌクレアーゼ消化によって分析され、
および/またはMessingら,Nucleic Acids Res.9,
309(1981)の方法によってか、またはMaxamら,Methods
in Enzymology 65,499(1980)の方法によって配列決
定される。
【0150】 TIEリガンドをコードするDNAの哺乳動物細胞における一過性発現を提供
する発現ベクターは、本発明の実施に特に有用である。一般に、一過性発現は、
宿主細胞に効率的に複製し得る発現ベクターの使用を含み、そのため、宿主細胞
は、発現ベクターの多くのコピーを蓄積し、次に、発現ベクターによってコード
される高いレベルの所望のポリペプチドを合成する。適切な発現ベクターおよび
宿主細胞を含む一過性の系は、クローンDNAによってコードされるポリペプチ
ドの便利な陽性同定、ならびに所望の生物学的または生理学的特性についてのこ
のようなポリペプチドの迅速なスクリーニングを可能にする。したがって、一過
性発現系は、TIEリガンドのアナログおよび改変体を同定する目的のために、
本発明で特に有用である。
【0151】 組換え脊椎動物細胞培養物におけるTIEポリペプチドの合成への適合に適切
な他の方法、ベクター、および宿主細胞は、Gettingら,Nature
293,620−625(1981);Mantelら,Nature 281
,40−46(1979);Levinsonら;EP 117,060および
EP 117,058に記載される。TIEリガンドポリペプチドの哺乳動物細
胞培養物発現に特に有用なプラスミドは、pRK5(EP 307,247)、
その他に、sp6転写開始部位、次いでXho/NotII cDNAクローニ
ング部位の前にSfiI制限酵素部位を有するpRK5D、およびSfiI部位
を含まないpRK5Dの前駆体のpRK5Bのような、pRK5の誘導体である
;Holmesら,Science 253,1278−1280(1991)
を参照のこと。
【0152】 (vii)ベクターの構築および分析 1つ以上の上記の成分を含む適切なベクターの構築は、標準的なライゲーショ
ン技術を用いる。単離されたプラスミドまたはDNAフラグメントは、切断され
、適合させられ、そして必要とされるプラスミドを生成することが所望される形
態に再ライゲートされる。
【0153】 構築したプラスミドにおいて正確な配列を確認するための分析のために、ライ
ゲーション混合物は、E.coli K12株294(ATCC 31,446
)を形質転換するために使用され、そして成功した形質転換体は、適切であるア
ンピシリンまたはテトラサイクリン耐性によって選択される。形質転換体からの
プラスミドは、調製され、制限エンドヌクレアーゼ消化によって分析され、およ
び/またはMessingら,Nucleic Acids Res.9,30
9(1981)の方法によってか、またはMaxamら,Methods in
Enzymology 65,499(1980)の方法によって配列決定さ
れる。
【0154】 (viii)一過性発現ベクター TIEリガンドをコードするDNAの哺乳動物細胞における一過性発現を提供
する発現ベクターは、本発明の実施に特に有用である。一般に、一過性発現は、
宿主細胞で効率的に複製し得る発現ベクターの使用を含み、そのため、宿主細胞
は、発現ベクターの多くのコピーを蓄積し、次に、発現ベクターによってコード
される高いレベルの所望のポリペプチドを合成する。Sambrookら,前出
,16.17−16.22頁。適切な発現ベクターおよび宿主細胞を含む一過性
発現系は、所望の生物学的特性または生理学的特性についてのこのようなポリペ
プチドの便利なポジティブスクリーニングを可能にする。したがって、一過性発
現系は、必要な生物学的活性を有する天然のTIEリガンドホモログのアナログ
および改変体を同定する目的のために、本発明で特に有用である。
【0155】 (ix)適切な例示的脊椎動物細胞ベクター 組換え脊椎動物細胞培養物におけるTIEリガンド(天然のタンパク質の機能
的誘導体を含む)の合成への適合に適切な他の方法、ベクター、および宿主細胞
は、Gethingら,Nature 293,620−625(1981);
Manteiら,Nature 281,40−46(1979);Levin
sonら;EP 117,060およびEP 117,058に記載される。T
IEリガンドの哺乳動物細胞培養物発現に特に有用なプラスミドは、pRK5(
EP 307,247)またはpSV16B(PCT公開公報第WO 91/0
8291号)である。
【0156】 本発明のベクターをクローニングまたは発現するために適切な宿主細胞は、上
記の原核生物、酵母、または高等真核生物細胞である。適切な原核生物には、グ
ラム陰性またはグラム陽性生物、例えば、E.coliまたはバチルス属が挙げ
られる。好ましいクローニング宿主は、E.coli 294(ATCC 31
,446)であるが、E.coli B、E.coli X1776(ATCC
31,537)、E.coli W3110(ATCC 27,325)、P
seudomonas種またはSerratia Marcesansのような
他のグラム陰性またはグラム陽性原核生物が適切である。
【0157】 原核生物の他に、糸状真菌または酵母のような真核生物微生物は、本発明のベ
クターに適切な宿主である。Saccharomyces cerevisia
eまたは一般のパン酵母は、下等真核生物宿主微生物のうちで最も一般に使用さ
れる。しかし、多くの他の属、種、および株は一般に利用可能であり、そして本
発明で有用であり、例えば、S.pombe[BeachおよびNurse,N
ature 290,140(1981)]、Kluyveromyces l
actis[Louvencourtら,J.Bacteriol.737(1
983)];yarrowia(EP 402,226);Pichia pa
storis(EP 183,070)、Trichoderma reesi
a(EP 244,234)、Neurospora crassa[Case
ら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 76,5259−526
3(1979)];およびA.nidulans[Ballanceら,Bio
chem.Biophys.Res.Commun.112,284−289(
1983);Tilburnら,Gene 26,205−221(1983)
;Yeltonら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 81,1
470−1474(1984)]およびA.niger[KellyおよびHy
nes,EMBO J.4,475−479(1985)]のようなAsper
gillus宿主である。
【0158】 適切な宿主細胞はまた、多細胞生物に由来し得る。このような宿主細胞は、複
雑なプロセシングおよびグリコシル化活性を行い得る。原則として、脊椎動物ま
たは無脊椎動物のいずれかからの、任意の高等真核生物培養物は作動可能である
が、ヒトのような哺乳動物からの細胞が好ましい。無脊椎動物の例には、植物お
よび昆虫細胞が挙げられる。多くのバキュロウイルス株および改変体およびSp
odoptera frugiperda(イモムシ)、Aedes aegy
pti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophil
a melangaster(ショウジョウバエ)、およびBombyx mo
ri宿主細胞のような宿主由来の対応する許容昆虫宿主細胞が同定されている。
例えば、Luckowら、Bio/Technology 6,47−55(1
988);Millerら,Genetic Engineering,Set
low,J.K.ら、(編) 第8巻(Plenum Publishing,
1986),277−279頁;およびMaedaら,Nature 315,
592−594(1985)を参照のこと。種々のこのようなウイルス株は、例
えば、Autographa californica NPVのL−1改変体
は、公に利用可能であり、そしてこのようなウイルスは、本発明による本発明の
ウイルスとして、特にSpodoptera frugiperda細胞のトラ
ンスフェクションのために使用され得る。
【0159】 一般に、植物細胞は、細菌Agrobacterium tumefacie
nsの特定の株(TIEリガンドDNAを含むように既に操作されている)との
インキュベーションによってトランスフェクトされる。A.tumefacie
nsとの植物細胞培養物のインキュベーション中、TIEリガンドをコードする
DNAは、トランスフェクトされるように植物細胞宿主に移入され、そして適切
な条件下で、TIEリガンドDNAを発現する。さらに、ノパリンシンターゼプ
ロモーターおよびポリアデニル化シグナル配列のような植物細胞と適合可能な調
節およびシグナル配列は、利用可能である。Depickerら,J.Mol.
Appl.Gen.1,561(1982)。さらに、T−DNA 780遺伝
子の上流領域から単離されたDNAセグメントは、組換えDNA含有植物組織に
おいて植物発現可能遺伝子の転写レベルを活性化または増加し得る。1989年
6月21日に公開されたEP 321,196を参照のこと。
【0160】 しかし、脊椎動物細胞が最も興味深く、そして培養物(組織培養物)中での脊
椎動物細胞の増殖はそれ自体周知である。Tissue Culture,Ac
ademic Press,KruseおよびPatterson編(1973
)を参照のこと。有用な哺乳宿主細胞株の例は、SV40によって形質転換され
たサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓
細胞株[293細胞または、懸濁培養物中の増殖のためにサブクローニングした
293細胞、Grahamら,J.Gen.Virol.36,59(1977
)];ベビーハムスター腎臓細胞9BHK(ATCC CCL 10);チャイ
ニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR[CHO、UrlaubおよびChas
in,Proc.Natl.Acad.Sci USA 77,4216(19
80)];マウスセルトリ細胞[TM4、Mather,Biol.Repro
d.23,243−251(1980)];サル腎臓細胞(CV1 ATCC
CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC C
RL−1587);ヒト子宮頚部ガン腫細胞(HELA、ATCC CCL 2
);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット
肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W13
8、ATCC CCL75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065)
;マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細
胞[Matherら,Annals N.Y.Acad.Sci.383,44
068(1982)];MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝ガン細胞株
(Hep G2)である。好ましい宿主細胞は、ヒト胚腎臓293およびチャイ
ニーズハムスター卵巣細胞である。
【0161】 本発明の目的に特に好ましい宿主細胞は、本発明のTIEリガンドホモログを
産生する脊椎動物細胞である。
【0162】 宿主細胞は、トランスフェクトされ、そして好ましくは上記の発現またはクロ
ーニングベクターで形質転換され、そしてプロモーターを誘導するかまたは増幅
した遺伝子を含む形質転換体を選択するために適切であるように改変された従来
の栄養培地中で培養される。
【0163】 本発明のTIEリガンドホモログを産生するために使用される原核生物細胞は
、一般にSambrookら、(前出)に記載のように適切な培地中で培養され
る。
【0164】 哺乳動物細胞は、種々の培地中で培養され得る。Ham’s F10(Sig
ma)、最少必須培地(MEM,Sigma)RPMI−1640(Sigma
)、およびダルベッコの改変イーグル培地(DMEM,Sigma)のような市
販の培地は、宿主細胞を培養するために適切である。さらに、HamおよびWa
llace,Meth.Enzymol.58,44(1979);Barne
sおよびSato、Anal.Biochem.102,255(1980)、
米国特許第4,767,704号;同第4,657,866号;同第4,927
,762号;または同第4,560,655号;WO 90/03430;WO
87/00195、または米国特許再発行30,985に記載の培地のいずれ
かが、宿主細胞のための培養培地として使用され得る。これらの培地のいずれか
は、ホルモンおよび/または他の増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェ
リン、または上皮増殖因子)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグ
ネシウム、およびリン酸)、緩衝液(例えば、HEPES)、ヌクレオシド(例
えば、アデノシンおよびチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシンTM薬物
)、微量元素(μモル範囲での最終濃度で通常存在する無機化合物として定義さ
れる)、およびグルコースまたは等価のエネルギー源が必要な場合に補充され得
る。任意の他の必要な補充物はまた、当業者に公知である適切な濃度で含まれ得
る。温度、pHなどのような培養条件は、適切には、場合によっては、クローニ
ングまたは発現のために選択される宿主とともにこれまで使用された条件であり
、そして当業者には明らかである。
【0165】 本開示でいわれる宿主細胞は、インビトロ細胞培養物中の細胞ならびに宿主動
物または植物内にある細胞を含む。
【0166】 本発明のTIEリガンドホモログが、相同組換えによって、または特定のTI
EリガンドをコードするDNAを既に含む細胞に導入された制御エレメントを利
用する組換え産生方法で、産生され得ることが、さらに想到される。
【0167】 遺伝子増幅および/または発現は、例えば、本発明で提供される配列に基づく
適切に標識されたプローブを使用して便利なサザンブロッティング、mRNAの
転写を定量するためのノーザンブロッティング[Thomas,Proc.Na
tl.Acad.Sci USA 77,5201−5205(1980)]、
ドットブロッティング(DNA分析)、またはインサイチュハイブリダイゼーシ
ョンによって、試料中で直接的に測定され得る。種々の標識が用いられ得、最も
一般には、放射性同位体、特に32Pである。しかし、ポリヌクレオチドへの導入
のためにビオチン改変化ヌクレオチドを使用するような、他の技術も用いられ得
る。次いで、ビオチンは、アビジンまたは抗体に結合するための部位として作用
し、これは放射性同位元素、蛍光体、酵素などのような広範な標識で標識され得
る。あるいは、DNA二重鎖、RNA二重鎖、およびDNA−RNAハイブリッ
ド二重鎖またはDNA−タンパク質二重鎖を含む、特異的二重鎖を認識し得る抗
体が用いられ得る。抗体は、次に、標識され得、そしてアッセイは、二重鎖が表
面に結合される場合に行われ得、そのため表面上での二重鎖の形成の際に、その
二重鎖に結合した抗体の存在が検出され得る。
【0168】 あるいは、遺伝子発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量するための、組織
切片の免疫組織化学的染色および細胞培養物または体液のアッセイのような、免
疫学的方法によって測定され得る。免疫組織化学的染色技術では、細胞試料は、
代表的には、脱水および固定、次いで遺伝子産物に特異的な標識された抗体との
結合反応によって調製され、ここで、酵素標識、蛍光標識、化学発光標識などの
ような標識は、通常、可視で検出可能である。本発明での使用に適切な特に感度
の高い染色技術は、Hseら,Am.J.Clin.Pharm.75,734
−738(1980)に記載される。
【0169】 試料液体の免疫組織化学的染色および/またはアッセイに有用な抗体は、モノ
クローナルまたはポリクローナルのいずれかであり得、そして任意の動物で調製
され得る。都合よく、その抗体は、本発明の天然のTIEリガンドポリペプチド
に対して、または以下にさらに記載されるような本発明で提供されるDNA配列
に基づく合成ペプチドに対して、調製され得る。
【0170】 TIEリガンドホモログは、封入体の形態で宿主細胞中で産生され得るか、あ
るいはペリプラズム空間または培養培地中に分泌され得、そして、代表的には、
宿主細胞溶解物から回収される。組換えリガンドホモログは、安定なタンパク質
のその後の形成を考慮して、任意の技術によって精製され得る。
【0171】 TIEリガンドホモログがヒト起源の細胞以外の組換え細胞で発現される場合
、ヒト起源のタンパク質またはポリペプチドを完全に含まない。しかし、リガン
ドについて実質的に均質である調製物を得るために組換え細胞タンパク質または
ポリペプチドからTIEリガンドホモログを精製することが必要である。第1の
工程としては、培養培地または溶解物を遠心分離して、粒子状の細胞破砕片を除
去する。次いで、膜および可溶性タンパク質画分を分離する。次いで、TIEリ
ガンドホモログは、可溶性タンパク質画分から精製され得る。以下の手順は、適
切な精製手順の例である:イムノアフィニティーまたはイオン交換カラムでの分
画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカでまたはDEAEのような陽イオン
交換樹脂でのクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE
;硫酸アンモニウム沈殿;例えば、Sephadex G−75を使用するゲル
濾過;およびIgGのような夾雑物を除去するためのプロテインA Sepha
roseカラム。
【0172】 残基が欠失、挿入、および/または置換されているTIEリガンドホモログの
機能的誘導体は、変更によって生じた特性の任意の実質的変化を考慮して、天然
のリガンドと同じ様式で回収される。例えば、TIEリガンドホモログと、もう
1つのタンパク質またはポリペプチド、例えば、細菌またはウイルス抗原との融
合物は、精製を容易にし;抗原に対する抗体を含むイムノアフィニティーカラム
は、融合物を吸着するために使用され得る。ウサギポリクローナル抗TIEリガ
ンドホモログカラムのようなイムノアフィニティーカラムは、少なくとも1つの
残っている免疫エピトープに結合することによってTIEリガンドホモログ改変
体を吸着するために用いられ得る。フェニルメチルスルホニルフルオライド(P
MSF)のようなプロテアーゼインヒビターはまた、精製中のタンパク質分解を
阻害するために有用であり得、そして抗生物質は、偶然の夾雑物の増殖を防ぐた
めに含まれ得る。本発明のTIEリガンドホモログは、TIEレセプター、例え
ば、TIE−2に結合する能力に基づいて、アフィニティークロマトグラフィー
によって便利に精製される。
【0173】 当業者は、天然のTIEリガンドホモログに適切な精製方法が、改変を必要と
し得ること、そしてこのことが組換え細胞培養物中での発現の際に天然のTIE
リガンドホモログまたはその改変体の特徴の変化を説明することを理解する。
【0174】 (D.TIEリガンドホモログ、核酸分子、および抗体の使用) 本発明のTIEリガンドホモログは、細胞培養物においてTIEレセプターを
発現する細胞の生存および/または増殖および/または分化を促進することに有
用であることが予測される。
【0175】 TIEリガンドホモログは、天然のTIEレセプターを発現する細胞を同定す
るためにさらに使用され得る。この目的ために、検出可能に標識されたリガンド
を、そのレセプター(TIEレセプター)への結合を可能にする条件下で標的細
胞と接触させ、そして結合はモニターされる。
【0176】 本発明のTIEリガンドホモログはまた、例えば、本発明のTIEリガンドホ
モログを発現する細胞をテスト分子に曝露すること、そして直接的検出によって
または二次的生物学的効果に基づいてのいずれかで、テスト分子のTIEレセプ
ターへの特異的結合を検出することによって、TIEリガンドホモログの生物学
的活性を提示する分子を同定するために使用され得る。このアプローチは、TI
Eリガンドファミリーの新しいメンバーを同定するために、あるいはペプチドま
たは非ペプチド小分子ライブラリーをスクリーニングするために特に適切である
【0177】 本明細書中で開示されたTIEホモログリガンドはまた、骨発生、成熟、もし
くは成長に、または筋肉増殖または発育に重要な役割を果たし、および/あるい
は血管新生を促進または阻害する、天然のTIEレセプターのアゴニストまたは
アンタゴニストを同定するように設計されたスクリーニングアッセイで有用であ
る。例えば、TIEレセプターのアンタゴニストは、例えば、BIAcoreバ
イオセンサー技術(BIAcore;Pharmacia Biosensor
,Midscataway,N.J.)を使用することによって;または本発明
の生物学的に活性なTIEリガンドホモログによって引き起こされる生物学的応
答をブロックする能力をモニターすることによって、測定されるように、天然の
TIEレセプターへの本発明のTIEリガンドホモログの結合をブロックする能
力に基づいて同定され得る。モニターされ得る生物学的応答には、例えば、TI
EレセプターまたはTIEシグナル伝達経路の下流の成分のリン酸化、あるいは
、TIEレセプターを発現する細胞の生存、増殖、または分化が挙げられる。T
IEレセプターを発現するようにか、またはTIEレセプターおよび本発明のT
IEリガンドホモログを同時発現するように操作された、TIEレセプターを正
常に発現しない細胞を利用する細胞ベースのアッセイは、使用に特に便利である
【0178】 特定の実施態様では、天然のTIEレセプターの小分子アゴニストおよびアン
タゴニストは、TIEリガンド/TIEレセプター相互作用を妨害する能力に基
づいて、同定され得る。TIEレセプターへのテスト分子の特異的結合を測定す
るために多くの方法があり、これには、TIEレセプターを発現するインタクト
な細胞の表面に結合したか、細胞溶解物中のTIEレセプターに架橋したか、ま
たはインビトロでTIEレセプターに結合した、テスト分子の量を検出または測
定することが含まれるがこれに限定されない。
【0179】 検出可能に標識されたTIEリガンドホモログには、例えば、放射活性物質、
例えば、125I、蛍光物質、酵素活性を有する物質(好ましくは、比色検出に適 切な)、酵素のための基質(好ましくは、比色検出に適切な)、または(検出可
能に標識された)抗体分子によって認識され得る物質に共有または非共有結合し
たTIEリガンドホモログが挙げられる。
【0180】 本発明のアッセイは、1996年4月18日に公開された、PCT公開公報W
O 96/11269に記載されるものと類似の方法で行われ得る。
【0181】 本発明のTIEリガンドホモログはまた、イムノアドヘシン(immunoa
dhesin)の形態で必要に応じて使用されるTIEレセプターを精製するた
めに有用であり、TIEリガンドまたはそのTIEレセプター結合部分は、免疫
グロブリン重鎖または軽鎖定常領域に融合される。
【0182】 さらに、本発明の新規のTIEリガンドホモログは、新血管形成を促進するた
めに使用され得、そして腫瘍増殖を阻害するために有用であり得る。
【0183】 更なる潜在的な治療用途としては、筋肉および骨発達、成熟、または増殖の調
整が挙げられる。
【0184】 本発明の核酸分子は、細胞または組織切片においてTIEリガンドホモログの
発現を検出することに有用である。細胞または組織切片は、ハイブリダイズ条件
下で本発明のTIEリガンドをコードする検出可能に標識された核酸分子と接触
され得、そして核酸分子にハイブリダイズしたmRNAの存在を決定し、それに
よってTIEリガンドの発現を検出する。
【0185】 本発明の抗体は、例えば、生物学的試料においてTIEリガンドの量を測定す
るためにイムノアッセイで使用され得る。生物学的試料は、本発明のTIEリガ
ンドを特異的に結合する抗体または抗体混合物と接触され、そしてテスト試料に
存在するリガンドと形成された複合体の量が測定される。
【0186】 本発明のTIEリガンドホモログに対する抗体は、さらに、対応するTIEレ
セプターを発現する細胞に対する、細胞傷害性分子、例えば、放射性同位元素ま
たはトキシン、あるいは治療薬剤の送達に有用であり得る。治療薬剤は、例えば
、TIE−2リガンドを含む他のTIEリガンド、血管内皮増殖因子(VEGF
)ファミリーのメンバー、公知の抗腫瘍薬剤、および筋肉増殖または発育、ある
いは骨発生、成熟、または増殖に関連することが公知の薬剤であり得る。
【0187】 抗TIEリガンドホモログ抗体はまた、TIE(例えば、TIE−2)レセプ
ターの発現に関連する疾患状態を検出するために、診断薬剤として適切である。
したがって、検出可能に標識されたTIEリガンドホモログおよびTIEレセプ
ターの抗体アゴニストは、血管新生の存在をイメージングするために使用され得
る。
【0188】 抗TIEリガンドホモログ抗体特異的抗NL6抗体もまた、抗炎症性薬剤とし
ての有用性を見出す。
【0189】 治療用途については、本発明のTIEリガンドホモログまたは抗TIEリガン
ド抗体は、全身または局所適用に適切な、薬理学的に受容可能なビヒクルとの混
合物中に活性成分を含む治療組成物として処方される。本発明の薬学的組成物は
、凍結乾燥した処方物または水溶液の形態で、所望の程度の純度を有する活性成
分を、必要に応じて生理学的に受容可能なキャリア、賦形剤、または安定化剤と
混合することによって、貯蔵のために調製される(Remington’s P
harmaceutical Sciences 16版,Osol,A.編(
1980))。受容可能なキャリア、賦形剤、または安定化剤は、用いられる投
与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、およ
び他の有機酸のような緩衝剤;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約1
0残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン
のようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン
、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジンのようなアミノ酸;グ
ルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖類、二糖類、および他の
炭水化物;EDTAのようなキレート化剤;マンニトールまたはソルビトールの
ような糖アルコール;ナトリウムのような塩形成カウンターイオン;および/ま
たはTween、Pluronics、またはPEGのような非イオン性界面活
性剤を含む。
【0190】 活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって、または界面重合
化、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロ
カプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセルによって調製
されるマイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アル
ブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノパーティクル、およびナ
ノカプセル)に、またはマクロエマルジョンに捕らえられ得る。このような技術
は、Remington’s Pharmaceutical Sceince
s,前出に開示される。
【0191】 インビボ投与に使用されるべき処方物は、無菌でなければならない。これは、
凍結乾燥および再構成の前または後に、滅菌濾過メンブランを通す濾過によって
容易に行われる。
【0192】 本発明の治療組成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、
皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイ
アル中に配置される。
【0193】 投与の経路は、例えば、静脈内、腹腔内、大脳内、筋肉内、眼内、動脈内、ま
たは病巣内経路による注射または注入、局所投与、または持続放出システムによ
る、公知の方法に従う。
【0194】 持続放出調製物の適切な例には、成形品の形態、例えば、フィルムまたはマイ
クロカプセルでの、半透性ポリマーマトリクスが挙げられる。持続放出マトリク
スには、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国特許3,773,91
9、EP 58,481)、L−グルタミン酸とガンマエチル−L−グルタミン
酸とのコポリマー(U.Sidmanら,1983,「Biopolymers
」22(1):547−556)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート
)(R.Langerら,1981,「J.Biomed.Mater.Res
.」15:167−277およびR.Langer,1982,Chem.Te
ch.12:98−105)、エチレンビニル酢酸(R.Langerら,同上
)、またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP 133,988A)
が挙げられる。持続放出組成物はまた、リポソームを含む。本発明の範囲内の分
子を含むリポソームは、それ自体公知の方法によって調製される:DE 3,2
18,121A;Epsteinら,1985,「Proc.Natl.Aca
d.Sci USA」82:3688−3692;Hwangら,1980,「
Proc.Natl.Acad.Sci USA」77:4030−4034;
EP 52322A;EP 36676A;EP 88046A;EP 143
949A;EP 142641A;日本国特許出願83−118008;米国特
許4,485,045および4,544,545;およびEP 102,324
A。もともと、リポソームは、脂質含量が約30mol.%を越えるコレステロ
ールである小さい(約200〜800オングストローム)単層タイプであり、選
択された割合は、最適なNT−4治療に対して調節される。
【0195】 治療的に用いられるべき本発明の分子の有効量は、例えば、治療対象、投与経
路、および患者の症状に依存する。したがって、投与量を滴定し、そして最適な
治療効果を得るために必要とされる投与経路を改変することが、治療医師には必
要である。代表的な1日の用量は、上記の要素に依存して、約1μg/kg〜1
00mg/kg以上の範囲であり得る。代表的には、臨床医は、必要とされる生
物学的効果を提供する投与量に達するまで、本発明の分子を投与する。この治療
の進捗は、従来のアッセイによって容易にモニターされる。
【0196】 この治療の到達点が腫瘍の予防または処置である場合、本発明における化合物
は、他の治療と組み合わせられ得る。例えば、このような抗腫瘍剤で処置される
患者は放射線療法もまた受け得る。あるいは、またはさらに、化学療法剤が患者
に投与され得る。このような化学療法剤についての調製および投薬のスケジュー
ルが、製造者の指導書に従って、または熟練した開業医により経験的に決定され
たように使用され得る。このような化学療法についての調製および投薬スケジュ
ールはまた、Chemotherapy Service編、M.C.Perr
y,Williams&Wilkins,Baltimore,MD(1992
)において記載される。化学療法剤は、抗腫瘍剤の投与に先行し得るかまたは続
き得、またはそれらと共に同時に授与され得る。
【0197】 抗原に関連する他の腫瘍に対する抗体(例えば、ErbB2、EGFR、Er
bB3、ErbB4または血管内皮因子(VEGF)に結合する抗体)を投与す
ることもまた所望され得る。あるいは、またはさらに、本明細書に開示される同
じかまたは2つ以上の異なる抗原に結合する2つ以上の抗体が患者に同時投与さ
れ得る。時々、1つ以上のサイトカインを患者に投与することもまた有益であり
得る。好ましい実施態様では、本発明の抗腫瘍化合物が、さらなる増殖阻害剤と
ともに同時投与される。
【0198】 疾患の予防または処置のために、例えば、本発明の抗体のような抗腫瘍剤の適
切な用量は、上記で定義されるような処置されるべき疾患の型、疾患の重篤度お
よび経過、薬剤が予防的な目的または治療的な目的のために投与されるか否か、
先行治療、患者の臨床的経歴および薬剤への応答、ならびに主治医の裁量に依存
する。この薬剤は、1回または一連の処置にわたって患者に適切に投与される。
【0199】 本発明のさらなる詳細が、以下の制限されない実施例から明らかである。
【0200】 (実施例1) (FLS139リガンドの同定) FLS139を、本明細書中に参考として援用される「説明書マニュアル:c
DNA合成およびλクローニングのためのSuperscript(登録商標)
Lambda System」、カタログ番号19643−014、Life
Technologies,Gaithersburg,MD,USAに記載の
プロトコルに従って、Clontech Laboratories,Inc.
Palo Alto,CA USAから得たヒト胎児肝臓mRNA、カタログ番
号64018−1から調製したcDNAライブラリーにおいて同定した。他に言
及されない限り、全試薬もまた、Life Technologiesから得た
。全手順は、以下の工程に要約され得る:(1)第1鎖合成;(2)第2鎖合成
;(3)アダプター添加;(4)酵素消化;(5)cDNAのゲル単離;(6)
ベクターへの連結;および(7)形質転換。
【0201】 (第1鎖合成:) NotIプライマー−アダプター(Life Tech.,2μl、0.5μ
g/μl)を滅菌1.5ml微量遠心管に添加し、これにポリA+mRNA(7
μl、5μg)を添加した。反応管を、70℃まで、5分間、またはmRNAの
2次構造を変性するのに十分な時間で加熱した。次いで、反応物を氷上で冷却し
、そして5×第1鎖緩衝液(Life Tech.,4μl)、0.1M DT
T(2μl)、および10mM dNTP Mix(Life Tech.,1
μl)を添加し、次いで、37℃まで2分間加熱して、温度を平衡化させた。次
いで、SuperscriptII(登録商標)逆転写酵素(Life Tec
h.,5μl)を添加し、反応管を十分に混合し、そして37℃で1時間インキ
ュベートし、そして氷上に置くことにより終結させた。反応物の最終濃度は、以
下の通りであった:50mM Tris−HCl(pH8.3);75mM K
Cl;3mM MgCl2;10mM DTT;500μM 各dATP、dC TP、dGTP、およびdTTP;50μg/ml NotIプライマー−アダ
プター;5μg(250μg/ml)mRNA;50,000U/ml Sup
erscriptII(登録商標)逆転写酵素。
【0202】 (第2鎖合成:) 氷上の間に、以下の試薬を、第1鎖合成からの反応管に添加し、反応物を十分
に混合し、そして温度を16℃より上にさせないように注意して、16℃で2時
間反応させた:蒸留水(93μl);5×第2鎖緩衝液(30μl);dNTP
混合物(3μl);10U/μl E.Coli DNAリガーゼ(1μl);
10U/μl E.Coli DNAポリメラーゼI(4μl);2U/μl
E.Coli RNaseH(1μl)。10U T4 DNAポリメラーゼ(
2μl)を添加し、そして反応物を、もう5分間16℃でインキュベートし続け
た。反応物の最終濃度は、以下の通りであった:25mM Tris−HCl(
pH7.5);100mM KCl;5mM MgCl2;10mM (NH4 2 SO4;0.15mM β−NAD+;250μM 各dATP、dCTP、d
GTP、およびdTTP;1.2mM DTT;65U/ml DNAリガーゼ
;250U/ml DNAポリメラーゼI;13U/ml RNaseH。反応
を、氷上に置くことおよび0.5M EDTA(10μl)の添加により止め、
次いで、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、
150μl)により抽出した。水相を取り出し、収集し、そして5M NaCl
(15μl)および無水エタノール(−20℃、400μl)に希釈し、そして
14,000×gで2分間遠心分離した。上清を、得られたDNAペレットから
注意深く除去し、ペレットを、70%エタノール(0.5ml)に再懸濁し、そ
して14,000×gで2分間、再度遠心分離した。上清を再度除去し、そして
ペレットをスピードバックで乾燥した。
【0203】 (アダプター添加) 以下の試薬を、上記の第2鎖合成からのcDNAペレットに添加し、そして反
応物を穏やかに混合し、そして16℃で16時間インキュベートした:蒸留水(
25μl);5×T4 DNAリガーゼ緩衝液(10μl);SalIアダプタ
ー(10μl);T4 DNAリガーゼ(5μl)。反応物の最終組成は、以下
であった:50mM Tris−HCl(pH7.6);10mM MgCl2 ;1mM ATP;5%(w/v)PEG8000;1mM DTT;200μ
g/ml SalIアダプター;100U/ml T4 DNAリガーゼ。反応
物を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、5
0μl)により抽出し、水相を取り出し、収集し、そして5M NaCl(8μ
l)および無水エタノール(−20℃、250μl)に希釈した。次いで、これ
を14,000×gで20分間遠心分離し、上清を除去し、そしてペレットを0
.5mlの70%エタノールに再懸濁し、そして14,000×gで2分間、再
度遠心分離した。続いて、上清を除去し、そして得られたペレットをスピードバ
ックにおいて乾燥し、そして次の手順へ続けた。
【0204】 (酵素消化:) 以下の試薬を、前段落からのSalIアダプターを用いて調製したcDNAに
添加し、そして混合物を37℃で2時間インキュベートした:DEPC処理水(
41μl);NotI制限緩衝液(REACT,Life Tech.,5μl
)、NotI(4μl)。この反応物の最終組成は、以下であった:50mM
Tris−HCl(pH8.0);10mM MgCl2;100mM NaC l;1,200U/ml NotI。
【0205】 (cDNAのゲル単離:) cDNAを、5%アクリルアミドゲルでのアクリルアミドゲル電気泳動により
サイズ分画し、そして分子量マーカーとの比較により決定される、1kbより長
いいずれのフラグメントもゲルから切り出した。次いで、cDNAを、ゲルから
0.1×TBE緩衝液(200μl)に電気溶出させ、そしてフェノール:クロ
ロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、200μl)により抽出し
た。水相を取り出し、収集し、そして14,000×gで20分間遠心分離した
。上清をDNAペレットから除去し、これを70%エタノール(0.5ml)に
再懸濁し、そして14,000×gで2分間、再度遠心分離した。上清を再度捨
て、ペレットをスピードバックにおいて乾燥し、そして蒸留水(15μl)に再
懸濁した。
【0206】 (cDNAのpRK5ベクターへの連結:) 以下の試薬を共に添加し、そして16℃で16時間インキュベートした:5×
T4リガーゼ緩衝液(3μl);pRK5、XhoI、NotIで消化したベク
ター、0.5μg、1μl);前段落から調製したcDNA(5μl)、および
蒸留水(6μl)。続いて、さらなる蒸留水(70μl)および10mg/ml
tRNA(0.1μl)を添加し、そして全反応物を、フェノール:クロロホ
ルム:イソアミルアルコール(25:24:1)により抽出した。水相を取り出
し、収集し、そして5M NaCl(10μl)および無水エタノール(−20
℃、250μl)に希釈した。次いで、これを、14,000×gで20分間遠
心分離し、デカントし、そしてペレットを70%エタノール(0.5ml)に再
懸濁し、そして14,000×gで2分間、再度遠心分離した。次いで、DNA
ペレットをスピードバックにおいて乾燥し、そして後の手順における使用のため
に蒸留水(3μl)に溶出した。
【0207】 (ライブラリー連結物の細菌への形質転換:) 前で調製した連結cDNA/pRK5ベクターDNAを氷上で冷却し、これに
エレクトロコンピテント(electrocompetent)DH10B細菌
(Life Tech.,20μl)を添加した。次いで、細菌ベクター混合物
を、製造者の推奨どおりにエレクトロポレーションした。続いて、SOC培地(
1ml)を添加し、そして混合物を、37℃で30分間インキュベートした。次
いで、形質転換体を、20個の標準的な、150mm アンピシリン含有LBプ
レートに配置し、そして16時間(37℃)インキュベートして、コロニーを増
殖させた。次いで、陽性コロニーをそぎ落とし、そしてDNAを、標準的なCs
Cl勾配プロトコルを用いて細菌ペレットから単離した。例えば、Ausube
lら、2.3.1。
【0208】 (FLS139の同定) FLS139は、当該分野で既知の任意の標準的な方法(Klein R.D
.ら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.93,7108−7
113、およびJacobs(1996年7月16日に発行された米国特許第5
,563,637号)により報告された方法を含む)により、ヒト胎児肝臓ライ
ブラリーにおいて同定され得る。Kleinら、およびJacobsによれば、
新規の分泌および膜結合哺乳動物タンパク質をコードするcDNAは、それらの
分泌リーダー配列を、リポーター系として酵母インベルターゼ遺伝子を用いて検
出することにより同定される。この酵素インベルターゼは、スクロースからグル
コースおよびフルクトースへの分解、ならびにラフィノースからスクロースおよ
びメリビオースへの分解を触媒する。分泌形態のインベルターゼは、酵母(Sa
ccharomyces cerevisiae)によるスクロース資化に必要
とされ、その結果、分泌型インベルターゼを生成し得ない酵母細胞は、唯一の炭
素源およびエネルギー源としてスクロースを含む培地上で十分に増殖しない。K
lein R.D.、前出、およびJacobs、前出の両方は、哺乳動物シグ
ナル配列が、機能的に、酵母インベルターゼのネイティブシグナル配列の代わり
になるという既知の能力を利用する。哺乳動物cDNAライブラリーを、非分泌
型酵母インベルターゼをコードするDNAに連結し、連結されたDNAを単離し
、そしてインベルターゼ遺伝子を含まない酵母細胞に形質転換する。哺乳動物シ
グナル配列に連結した非分泌型酵母インベルターゼ遺伝子を含む組換え体を、炭
素源としてスクロースのみまたはラフィノースのみを含む培地上で増殖するそれ
らの能力に基づいて同定する。次いで、同定された哺乳動物シグナル配列を使用
して、第2の完全長cDNAライブラリーをスクリーニングし、対応する分泌型
タンパク質をコードする完全長クローンを単離する。例えば、クローニングは、
発現クローニングによって、または当該分野で既知の任意のほかの技術によって
行われ得る。
【0209】 FL139の同定のために使用されたプライマーは、以下の通りである: OLI114:CCACGTTGGCTTGAAATTGA 配列番号13 OLI115:CCTCCAGAATTGATCAAGACAATTCATG
ATTTGATTCTCTATCTCCAGAG 配列番号14 OLI116:TCGTCTAACATAGCAAATC 配列番号15。
【0210】 FLS139のヌクレオチド配列を図6(配列番号5)に示すが、一方、その
アミノ酸配列を図7(配列番号6)に示す。図1に例示するように、FLS13
9は、2つの既知のヒトTIE−2レセプターリガンド(h−TIE2L1およ
びh−TIE2L2)と高度の配列相同性を示す、フィブリノーゲン様ドメイン
を含む。従って、FLS139は、TIEリガンドファミリーの新規メンバーと
して同定された。
【0211】 FLS139クローンは、ブタペスト条約により、1997年9月18日に、
American Type Culture Collection(ATC
C),12301 Parklawn Drive,Rockville,Ma
ryland 20852に寄託し、そして寄託番号ATCC 209281を
与えられている。
【0212】 (実施例2) (NL2およびNL3の同定) NL2およびNL3は、コンピュータープログラムBLASTを使用してGe
nBankデーターベースをスクリーニングすることによった(Altshul
ら、Methods in Enzymology 266:460−480(
1996))。NL2配列は、既知のEST配列、T08223、AA1220
61およびM62290との相同性を示す。同様に、NL3は、既知のEST配
列、T57280およびT50719との相同性を示す。完全長配列として同定
され、またはTIEレセプターと結合したリガンドとして記載されている既知の
EST配列はない。
【0213】 これらの同定の後、NL2およびNL3を製造者の指示に従って、Clont
ech、Inc.(Palo Alto,CA、USA)、カタログ#6528
−1から購入したmRNAから調製したヒト胎児肺ライブラリーからクローニン
グした。このライブラリーを以下の合成オリゴヌクレオチドプローブとのハイブ
リダイゼーションによりスクリーニングした: NL2に関して: NL2,5−1 ATGAGGTGGCCAAGCCTGCCCGAAGAA
AGAGGC 配列番号7 NL2,3−1 CAACTGGCTGGGCCATCTCGGGCAGCC
TCTTTCTTCGGG 配列番号8 NL2,3−4 CCCAGCCAGAACTCGCCGTGGGGA 配列
番号9 NL3に関して: NL3,5−1 TGGTTGGCAAAGGCAAGGTGGCTGACG
ATCCGG 配列番号10 NL3,3−1 GTGGCCCTTATCTCTCCTGTACAGCTT
CCGGATCGTCAGCCAC 配列番号11 NL3,3−2 TCCATTCCCACCTATGACGCTGACCCA
配列番号12。これらは、GenBankデータベースにおいて見出されたE
STに基づく。cDNA配列は、それらの全体での配列であった。
【0214】 NL2のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を図2(配列番号1)および図3(
配列番号2)にそれぞれ示す。NL3のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を図4
(配列番号3)および図5(配列番号4)にそれぞれ示す。
【0215】 NL−2のクローン(NL−2−DNA22780−1078)をブダペスト
条約により、1997年9月18日にAmerican Type Cultu
re Collection(ATCC)、12301 Parklawn D
rive、Rockville、Maryland 20852に寄託し、そし
て寄託番号ATCC 209284を与えられている。
【0216】 NL3のクローンを、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)
(12301 Parklawn Drive, Rockville, Ma
ryland20852)に、1997年9月18日に、ブタペスト条約の下に
寄託し、そして受託番号ATCC209283を割り当てられた。
【0217】 (実施例3) (ノーザンブロット分析およびインサイチュハイブリダイゼーション結果) ヒト組織におけるFLS139、NL2およびNL3 mRNAの発現をノー
ザンブロット分析によって試験した。ヒトmRNAブロットを全長cDNAに基
づいた32P−標識DNAプローブとハイブリダイズした;このプローブをcDN
Aインサートを消化し、精製することによって生成した。ヒト胎児RNAブロッ
トMTN(Clontech)およびヒト成体RNAブロットMTN−II(C
lontech)をDNAプローブとインキュベートした。ブロットをハイブリ
ダイゼーション緩衝液(5×SSPE;2Denhardt’s 溶液;100
mg/mL 変性剪断サケ精子DNA;50% ホルムアミド;2% SDS)
中で42℃、60時間プローブとインキュベートした。このプローブは、数回、
2×SSC;0.05% SDSで1時間、室温で洗浄し、次いで50℃で0.
1×SSC;0.1% SDSにおいて30分間洗浄した。このブロットは、ホ
スホルイメージャー分析(Fuji)によって一晩の曝露後、発色させた。
【0218】 図8および9に示したように、NL2およびNL3 mRNA転写物を検出し
た。
【0219】 NL3の組織発現パターンをまた、PCR−生成した33P−標識化リボプロー
ブを使用する最適化されたプロトコールを使用して、インサイチューハイブリダ
イゼーション(細胞RNAに対するハイブリダイゼーションを観察して)によっ
て決定した。(LuおよびGillett、Cell Vision 1:16
9−176(1994))。ホルマリン固定し、パラフィン包埋したヒト胎児お
よび成体組織を切り出し、脱パラフィンし、プロテイナーゼK(20mg/ml
)で15分間、37℃でタンパク質除去した。そして、さらにLuおよびGil
lett(1994)によって記載されるようにインサイチューハイブリダイゼ
ーションについてさらに処理した。[33−P]UTP−標識化アンチセンスリボプ
ローブをPCR産物から生成し、そして55℃で一晩、ハイブリダイズした。こ
のスライドをKodak NTB2 核トラックエマルジョンに浸漬し、4週間
曝露した。
【0220】 (33P−リボプローブ合成) 6.0μl(125mCi)の33P−UTP(Amersham BF 10
02,SA<2000Ci/mmol)をスピードバック乾燥した。乾燥33P−
UTPを含む各々のチューブに、以下の成分を添加した: 2.0μl 5×転写緩衝液 1.0μl DTT(100mM) 2.0μl NTP混合物(2.5mM:10μ:各10mM GTP、CT
P、およびATP+10μl H2O) 1.0μl UTP(50μM) 1.0μl Rnasin 1.0μl DNA鋳型(1μg) 1.0μl H2O 1.0μl RNAポリメラーゼ(PCR産物については通常、T3=AS、
T7=S) チューブを37℃で1時間インキュベートした。1.0μlのRQ1 DNa
seを添加し、次いで、37℃で15分間インキュベートを行った。90μlの
TE(10mM Tris(pH7.6)/1mM EDTA(pH8.0))
を添加し、そして混合物をDE81紙の上にピペットで移した。残っている溶液
を、Microcon−50限外濾過ユニットにロードし、そしてプログラム1
0(6分)を用いてスピンをかけた。濾過ユニットを、2番目の管の上に逆さま
にし、そしてプログラム2(3分)を用いてスピンをかけた。最後の回収スピン
の後、100μlのTEを添加した。1μlの最終産物をDE81紙の上にピペ
ットで移し、そして6mlのBiofluor IIでカウントした。
【0221】 プローブをTBE/尿素ゲルにおいて流した。1〜3μlのプローブまたは5
μlのRNA Mrk IIIを、3μlのローディング緩衝液に添加した。9
5℃ヒートブロック上で3分間の加熱後、ゲルを直ぐに氷上に置いた。ゲルのウ
ェルをフラッシュし、サンプルをロードし、そして180〜250ボルトで45
分間流した。ゲルをサランラップでくるみ、そして−70℃フリーザーで、1時
間〜一晩、増感スクリーンと共にXARフィルムに曝露した。
【0222】 (33Pハイブリダイゼーション) (凍結切片の前処理) スライドをフリーザーから取り出し、アルミニウム
トレー上に置き、そして室温で5分間解凍した。トレーを55℃のインキュベー
ターに5分間入れて、曇りを減少させた。スライドを、換気装置(fume h
ood)内で、氷上で、4%パラホルムアルデヒド中で10分間固定し、そして
0.5×SSCで、室温で5分間洗浄した(25ml 20×SSC+975m
l SQ H2O)。0.5μg/mlプロテイナーゼK中で37℃10分のタ ンパク質除去(予め温めたRNaseを含まないRNAse緩衝液250ml中
、 12.5μlの10mg/mlストック)の後、切片を、0.5×SSCで、室
温で10分間洗浄した。切片を、70%、95%、100%エタノール中で各々
2分間脱水した。
【0223】 (パラフィン包埋切片の前処理) スライドを脱パラフィンし、SQ H2 O中に置き、そして2×SSCで、室温で2回各時5分間リンスした。この切片
を、ヒト胚−20μg/mlプロテイナーゼK(RNaseを含まないRNas
e緩衝液250ml中、10mg/mlの500μl;37℃、15分)、また
はホルマリン組織−8×プロテイナーゼK(RNase緩衝液250ml中、1
00μl;37℃、30分)中でタンパク質除去した。その後の0.5×SSC
でのリンスおよび脱水を、上記のように行った。
【0224】 (プレハイブリダイゼーション) スライドを、Box緩衝液(4×SSC
、50%ホルムアミド)に浸した濾紙が並んだプラスチックの箱の中に置いた。
組 織を、50μlのハイブリダイゼーション緩衝液(3.75g デキストラン硫
酸+6ml SQ H2O)で覆い、ボルテックスし、そして蓋を緩めてマイク ロ波で2分間加熱した。氷上で冷却した後、18.75mlのホルムアミド、3
.75mlの20×SSC、および9mlのSQ H2Oを添加し、組織を十分 にボルテックスし、そして42℃で1〜4時間インキュベートした。
【0225】 (ハイブリダイゼーション) スライド1枚あたり1.0×106cpmの プローブおよび1.0μlのtRNA(50mg/mlストック)を、95℃で
3分間加熱した。スライドを氷上で冷却し、そしてスライドあたり48μlのハ
イブリダイゼーション緩衝液を添加した。ボルテックスした後、50μlの33
混合物を、スライド上の50μlのプレハイブリダイゼーションに添加した。ス
ライドを、55℃で一晩インキュベートした。
【0226】 (洗浄) 洗浄を、2×SSC、EDTAを用いて室温で、2×10分で行
い(400ml 20×SSC+16ml 0.25M EDTA、Vf=4L )、それに続いてRNaseA処理を37℃で30分間行った(RNase緩衝
液250ml中、10mg/mlの500μl=20μg/ml)。スライドを
、2×SSC、EDTAを用いて室温、2×10分で洗浄した。ストリンジェン
シーな洗浄条件は以下の通りであった:55℃で2時間、0.1×SSC、ED
TA(20mlの20×SSC+16mlのEDTA、Vf=4L)。
【0227】 (オリゴ:) C−141F−NL3p1:48マー GGA TTC TAA TAC GA
C TCA CTA TAG GGC AAG TTG TCC TCC (配
列番号16) C−141G−NL3p2:47マー CTA TGA AAT TAA CC
C TCA CTA AAG GGA CGT GGT CAG CGT (配
列番号17)。
【0228】 検査された成体組織は以下のものである:肝臓、腎臓、副腎、心筋層、大動脈
、脾臓、リンパ節、膵臓、肺、皮膚、大脳皮質、海馬、小脳、陰茎、目、膀胱、
胃、胃ガン、結腸、結腸ガンおよび軟骨肉腫、アセトアミノフェン誘導肝臓損傷
および肝硬変。検査された胎児組織は、以下のものである:胎盤、臍帯、肝臓、
腎臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大脈管、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、
脳、目、脊髄、体壁、骨盤および下肢。発現は、正常組織または胎児組織のいず
れからも観察されなかった。発現は、急性(アセトアミノフェン誘導)および慢
性肝臓障害(肝硬変および直腸結腸ガン転移に隣接した)において肝臓洞様毛細
血管細胞(おそらく内皮の)で検出された。これらの結果は、NL3が肝臓の再
生の調節において役割を果たし得ることを示す。
【0229】 NL1の発現をまた成体および胎児組織の同様の配列で検査したが、発現は、
上に示した状態下では観察されなかった。
【0230】 (実施例4) (E.coli中でのFLS139、NL2およびNL3の発現) 本実施例は、E.coliにおける本発明のTIEリガンドホモログの非グリ
コシル化形態の調製を例示する。NL2、NL3、またはFLS139リガンド
をコードするDNA配列(それぞれ、配列番号1、3、および5)を、選択した
PCRプライマーを用いて最初に増幅した。このプライマーは、選択した発現ベ
クター上の制限酵素部位に対応する制限酵素部位を含むべきである。種々の発現
ベクターが使用され得る。ベクターは、好ましくは、抗生物質耐性遺伝子、複製
起点、プロモーター、およびリボザイム結合部位をコードする。適切なベクター
の例は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含む、pB
R322(E.coli由来;Bolivarら、Gene 2:95(197
7)を参照のこと)である。ベクターを制限酵素で消化し、そして脱リン酸化す
る。次いで、PCR増幅配列をベクターに連結する。
【0231】 次いで、連結混合物を使用して、Sambrookら、前出に記載の方法を用
いて、選択したE.coli株を形質転換する。形質転換体を、LBプレート上
で増殖するそれらの能力により同定し、次いで、抗生物質耐性コロニーを選択す
る。プラスミドDNAを単離し、そして制限分析により確認し得る。
【0232】 選択したクローンを、液体培養培地(例えば、抗生物質を補充したlBブロス
)中で一晩増殖し得る。続いて、一晩培養物を使用して、大規模(later
scale)培養物に接種し得る。次いで、細胞を、所望の光学密度まで増殖さ
せる。誘導物質(例えば、IPTG)を添加し得る。
【0233】 さらに数時間細胞を培養した後、細胞を遠心分離によって回収し得る。遠心分
離によって得られた細胞ペレットを当該分野で既知の種々の薬剤を使用して可溶
化し得、次いで可溶化タンパク質を金属キレートカラムを使用して、タンパク質
のタイトな結合を可能にする条件下で精製し得る。
【0234】 実際、NL2を、次の手順を使用して、ポリ−Hisタグ化形態でE.col
i中で発現させた。NL2をコードするDNAを選択したPCRプライマーを使
用して最初に増幅した。このプライマーは、選択した発現ベクターで制限酵素部
位に対応する制限酵素部位、ならびに有効および信頼できる翻訳開始、金属キレ
ートカラムでの迅速な精製、ならびにエンテロキナーゼを用いたタンパク質分解
除去のために提供する他の有用な配列を含んだ。次いで、PCR増幅したポリ−
Hisタグ化配列を発現ベクターに連結した。これは、株52(W3110fu
hA(tonA)lon galE rpoHts(htpRts)clpP(
lacIq)に基づいたE.coli宿主を形質転換するために使用した。形質
転換体をまず、3〜5のO.D.600に達するまで50mg/mlのカルベニ
シリンを含むLB中で30℃で振とうして増殖させた。次いで培養物をCRAP
培地(3.57g(NH42SO4、0.71gクエン酸ナトリウム2水和物、 1.07g KCl、5.36g Difco 酵母抽出物、5.36gの50
0ml水中におけるSheffield hycase SF、ならびに110
mM MPOS、pH7.3、0.55%(w/v)グルコースおよび7mM
MgSO4を混合することにより調製した)中で50〜100倍希釈し、そして 振とうして30℃で約20〜30時間増殖させた。サンプルを取り出し、SDS
−PAGE分析によって発現を確かめた。そして大量培養物を遠心分離して細胞
をペレットにした。細胞ペレットを精製およびリフォールディングまで凍結した
。 0.5〜1Lの発酵からのE.coliペースト(6〜10g ペレット)
を10容量(w/v)で7M グアニジン、20mM Tris、pH8緩衝液
中に再懸濁した。固形亜硫酸ナトリウムおよびテトラチオン酸ナトリウムを加え
てそれぞれ0.1Mおよび0.02Mの最終濃度とし、そしてこの溶液を4℃で
一晩攪拌した。この工程は、亜硫酸化(sulfitolization)によ
ってブロックされた全システイン残基を有する変性されたタンパク質を生じる。
この溶液を30分間、Beckman 超遠心機で40,000rpmで遠心分
離した。上清を3〜5容量の金属キレートカラムバッファー(6M グアニジン
、20mM Tris、pH7.4)で希釈し、そして0.22ミクロンのフィ
ルターを通して濾過し、透明化した。未定の透明化した抽出物を、金属キレート
緩衝液で平衡化した5mlのQiagen Ni−NTA金属キレートカラムに
ロードした。このカラムを50mMイミダゾール(Calbiochem,Ut
rol grade)を含むさらなる緩衝液、pH7.4で洗浄した。このタン
パク質を250mM イミダゾールを含む緩衝液で溶出した。所望のタンパク質
を含む画分をプールし、そして4℃で貯蔵した。タンパク質濃度を、このアミノ
酸配列に基づいた計算された吸光係数を使用して280nmの吸光度によって推
定した。
【0235】 このタンパク質を20mM Tris、pH8.6、0.3M NaCl、2
.5M 尿素、5mM システイン、20mM グリシンおよび1mM EDT
Aからなる新鮮に調製されたリフォールディング緩衝液中にサンプルをゆっくり
と希釈することによりリフォールドした。リフォールディング容量を最終タンパ
ク質濃度が50〜100μg/mlであるように選択した。リフォールディング
溶液を4℃で12〜36時間穏やかに攪拌した。リフォールディング反応は、0
.4%の最終濃度にTFAを添加することによって停止した。このタンパク質の
さらなる精製の前に、この溶液を0.22ミクロンのフィルターを通してろ過し
、そしてアセトニトリルを2〜10%の最終濃度まで添加した。リフォールドさ
れたタンパク質を0.1% TFAの流動緩衝液を使用して、10〜80%のア
セトニトリルのグラジエントを用いた溶出でPoros R1/H逆相カラムに
おいてクロマトグラフした。A280の吸光度を有するフラクションのアリコー
トをSDSポリアクリルアミドゲルで分析し、そして均質なリフォールドタンパ
ク質を含むフラクションをプールした。一般に、ほとんどのタンパク質の適切に
リフォールドされた種は、最も低濃度のアセトニトリルで溶出される。なぜなら
これらの種は、最もコンパクトであり、これらの疎水性の内部は、逆相樹脂との
相互作用から遮蔽されるからである。凝集した種は、より高いアセトニトリル濃
度で通常、溶出される。所望の形態からタンパク質のミスフォールドされた形態
を分離することに加えて、逆相工程はまた、サンプルからエンドトキシンを取り
除く。
【0236】 所望のフォールドされたNL2タンパク質を含む画分をプールし、この溶液に
対する窒素の緩やかな流れを使用してアセトニトリルを除いた。タンパク質を透
析によってまたは処方緩衝液で平衡化されたG25 Superfine(Ph
armacia)樹脂を使用したゲルろ過によって0.14M 塩化ナトリウム
および4% マニトールを有する20mM Hepes、pH6.8中に処方し
、そして滅菌濾過した。
【0237】 (実施例5) (哺乳動物細胞におけるFLS139、NL2およびNL3の発現) 本実施例は、哺乳動物細胞における組換え発現による、FLS139、NL2
およびNL3リガンドホモログのグリコシル化形態の調製を例示する。
【0238】 ベクター、pRK5(1989年3月15日に公開されたEP 307,24
7を参照のこと)を、発現ベクターとして使用する。必要に応じて、FLS13
9、NL2およびNL3 DNAを、連結方法(例えば、Sambrookら、
前出に記載)を用いて、FLS139、NL2およびNL3 DNAの挿入を可
能にする選択した制限酵素で、pRK5に連結する。得られたベクターを、それ
ぞれ、pRK5−FLS139、−NL2およびNL3と呼ぶ。
【0239】 1つの実施態様において、選択した宿主細胞は293細胞であり得る。ヒト2
93細胞(ATCC CCL 1573)を、培地(例えば、ウシ胎仔血清、必
要に応じて栄養成分および/または抗生物質を補充したDMEM)中で組織培養
プレートにおいてコンフルエンスまで増殖させる。約10μgのpRK5−FL
S139、−NL2またはNL3 DNAを、約1μgのVA RNA遺伝子を
コードするDNA(Thimmappayaら、Cell,31:543(19
82))と混合し、そして500μlの1mM Tris−HCl、0.1mM
EDTA、0.227M CaCl2に溶解する。この混合物に、500μl の50mM HEPES(pH7.35)、280mM NaCl、1.5mM
NaPO4を滴下し、そして沈殿物を、25℃で10分間形成させる。沈殿物 を懸濁し、そして293細胞に添加し、そして37℃で約4時間放置する。培養
培地を吸引し、そしてPBS中20%のグリセロール2mlを30秒間添加する
。次いで、293細胞を無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、そして細胞
を約5日間インキュベートする。
【0240】 トランスフェクションの約24時間後、培養培地を除去し、そして培養培地(
単独)、または200μCi/ml、35S−システインおよび200μCi/m
l、35S−メチオニンを含む培養培地で置換する。12時間のインキュベーショ
ン後、馴化培地を収集し、スピンフィルター上で濃縮し、そして15%SDSゲ
ル上にロードする。処理したゲルを乾燥し、そして選択した期間、フィルムに暴
露して、FLS139、NL2およびNL3ポリペプチドの存在を明らかにし得
る。トランスフェクト細胞を含む培養物は、さらなるインキュベーション(無血
清培地中で)を受け得、そして培地を、選択されたバイオアッセイで試験する。
【0241】 代替の技術において、Somparyracら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.,12:7575(1981)により記載されたデキストラン硫酸
法を用いて、FLS139、NL2およびNL3を、293細胞に一過的に導入
し得る。293細胞を、スピナーフラスコ中で最大密度まで増殖し、そして70
0μgのpRK5−FLS139、NL2およびNL3 DNAを添加する。細
胞を、最初に、遠心分離によりスピナーフラスコから濃縮し、そしてPBSで洗
浄する。DNA−デキストラン沈殿物を、細胞ペレット上で4時間インキュベー
トする。細胞を、20%グリセロールで90秒間処理し、組織培養培地で洗浄し
、そして組織培養培地、5μg/mlウシインシュリン、および0.1μg/m
lウシトランスフェリンを含むスピナーフラスコに再導入する。約4日後、馴化
培地を遠心分離し、そして濾過して細胞および破片を除去する。次いで、発現F
LS139、NL2およびNL3を含むサンプルを濃縮し、そして任意の選択し
た方法(例えば、透析および/またはカラムクロマトグラフィー)により精製し
得る。
【0242】 別の実施態様においては、FLS139、NL2およびNL3は、CHO細胞
において発現され得る。pRK5−FLS139、NL2およびNL3を、既知
の試薬(例えば、CaPO4またはDEAE−デキストラン)を用いて、CHO 細胞にトランスフェクトし得る。上記のように、細胞培養物をインキュベートし
、そして培地を、培養培地(単独)または放射性標識(例えば、35S−メチオニ
ン)を含む培養培地で置換し得る。FLS139、NL2およびNL3ポリペプ
チドの存在を決定した後、培養培地を無血清培地で置換し得る。好ましくは、培
養物を約6日間インキュベートし、次いで、馴化培地を回収する。次いで、発現
FLS139、NL2またはNL3を含む培地を濃縮し、そして任意の選択した
方法により精製し得る。
【0243】 エピトープタグ化FLS139、NL2およびNL3もまた、宿主CHO細胞
において発現され得る。FLS139、NL2およびNL3を、pRK5ベクタ
ーからサブクローニングし得る。サブクローン挿入物は、バキュロウイルス発現
ベクターに、選択したエピトープタグ(例えば、ポリ−hisタグ)とインフレ
ームで融合するようにPCRを受け得る。次いで、ポリ−hisタグ化FLS1
39、NL2およびNL3挿入物を、安定クローンの選択のための選択マーカー
(例えば、DHFR)を含むSV40駆動ベクターにサブクローニングし得る。
最後に、CHO細胞を、SV40駆動ベクターで(上記のように)トランスフェ
クトし得る。標識を上記のように行って、発現を確かめ得る。次いで、発現ポリ
−Hisタグ化FLS139、NL2およびNL3を含む培養培地を濃縮し、そ
して任意の選択した方法(例えば、Ni2+キレートアフィニティークロマトグラ
フィー)により精製し得る。
【0244】 グルコシル化形態のNL2、NL3およびFLS139(NL6)を実際、ポ
リHisタグ化された形態でCHO細胞中で発現させた。PCR増幅の後、NL
2、NL3またはNL6DNAをAusubelら、Current Prot
ocols of Molecular Biology、Unit 3.16
、John Wiley and Sons(1997)に記載されたような標
準の技術を使用してCHO発現ベクター中でサブクローニングした。CHO発現
ベクターを目的のDNAの5’および3’に適合性制限酵素部位を有し、cDN
Aの便利なシャトリングを可能にするように構築する。CHO細胞におけるNL
2、NL3またはNL6の発現のために使用されるベクターは、Lucasら、
Nucl.Acids Res.24:9(1774−1779(1996))
に記載されている通りであり、そして目的のcDNAおよびジヒドロ葉酸レダク
ターゼ(DHFR)の発現を駆動するためにSV40初期プロモーター/エンハ
ンサーを使用する。DHFR発現はトランスフェクション後のプラスミドの安定
な維持のための選択を可能とする。
【0245】 12μgのNL2、NL3またはNL6をコードするプラスミドDNAを市販
のトランスフェクション試薬、Superfect(登録商標)(Quiage
n)、Dosper(登録商標)またはFugene(登録商標)(Boehr
inger Mannheim)を使用して約1000万のCHO細胞に導入し
た。この細胞は増殖され、そしてLucasら、前出で記載された。約3×10 -7 の細胞を下記のようにさらなる増殖および生成のためにアンプル中に凍結した
【0246】 NL2、NL3またはNL6プラスミドDNAを含むアンプルを、水浴に入れ
ることにより解凍し、そしてボルテックスにより混合した。内容物を、10mL
の培地を含む遠心管にピペットで移し、そして1000rpmで5分間遠心分離
した。上清を吸引し、そして細胞を、10mLの選択培地(5% 0.2μmダ
イアフィルトレーションしたウシ胎仔血清を含む0.2μm濾過PS20)に再
懸濁した。次いで、細胞を、90mLの選択培地を含む100mLスピナーにア
リコートした。1〜2日後、細胞を、150mLの選択増殖培地で満たした25
0mLスピナーに移し、そして37℃でインキュベートした。さらに2〜3日後
、250mL、500mL、および2000mLスピナーに3×105個細胞/ mLを接種した。培地を、遠心分離および生成培地中への再懸濁により新鮮な培
地と交換した。任意の適切なCHO培地(例えば、1992年6月16日に発行
された、米国特許第5,122,469号に記載の培地)を、使用し得る。3L
生成スピナーに、1.2×106個細胞/mLで接種する。0日目に、細胞数お よびpHを測定した。1日目に、スピナーをサンプリングし、そして濾過空気の
散布を開始した。2日目に、スピナーをサンプリングし、温度を33℃に変え、
そして30mLの500g/L−グルコースおよび0.6mLの10%消泡剤(
例えば、35%ポリジメチルシロキサンエマルジョン、Dow Corning
365 Medical Grade Emulsion)を添加した。生成
の間、pHを、約7.2で保持するために必要なように調節した。10日後、ま
たは生存率が70%未満に下がるまで、遠心分離により細胞培養物を採集し、そ
して0.22μmフィルターに通して濾過した。濾過物を、精製カラムへのロー
ディングまで4℃で貯蔵した。
【0247】 このポリHisタグ化構築物をNi−NTAカラム(Qiagen)を用いて
精製した。精製前に、イミダゾールを、5mMの濃度まで馴化培地に添加した。
馴化培地を、流速4〜5ml/分、4℃で、0.3M NaClおよび5mM
イミダゾールを含む20mM Hepes(pH7.4)緩衝液で平衡化した6
ml Ni−NTAカラムにポンプで注入した。ローディング後、カラムをさら
なる平衡化緩衝液で洗浄し、そしてタンパク質を、0.25Mイミダゾールを含
む平衡化緩衝液で溶出した。続いて、精製タンパク質を、10mM Hepes
、0.14M NaCl、および4% マンニトールを含む貯蔵緩衝液(pH6
.8)中に、25ml G25 Superfine(Pharmacia)カ
ラムを用いて脱塩し、そして−80℃で貯蔵した。
【0248】 精製タンパク質の均質性をSDS PEGにより確かめ、そしてN末端アミノ
酸配列決定をエドマン分解により行った。
【0249】 (実施例6) (酵母におけるFLS139、NL2およびNL3の発現) まず、FLS139、NL2またはNL3の細胞内産生または分泌のために、
酵母発現ベクターを、ADH2/GAPDHプロモーターから構築する。FLS
139、NL2またはNL3をコードするDNA、選ばれたシグナルペプチドお
よびプロモーターを、FLS139、NL2またはNL3の細胞内発現を指示す
るために、選ばれたプラスミド中の適当な制限酵素部位に挿入する。分泌に関し
ては、FLS139、NL2またはNL3の発現のための、ADH2/GAPD
HプロモーターをコードするDNA、酵母α因子分泌シグナル/リーダー配列、
およびリンカー配列(もし必要なら)と共に、FLS139、NL2またはNL
3をコードするDNAを、選ばれたプラスミドにクローニングし得る。
【0250】 次いで、酵母株AB110のような酵母細胞を、上記で述べられたような発現
プラスミドで形質転換し、選ばれた発酵培地中で培養し得る。形質転換した酵母
の上清を、10%トリクロロ酢酸を用いた沈澱およびSDS−PAGEによる分
離によって、次にゲルをクマシーブルー染料で染色することによって分析し得る
【0251】 次に、組換えFLS139、NL2およびNL3を、遠心分離によって酵母細
胞を発酵培地から除去すること、次に選ばれたカートリッジフィルターを用いて
その培地を濃縮することによって、単離および精製し得る。FLS139、NL
2またはNL3を含む濃縮液を、選ばれたカラムクロマトグラフィー樹脂を用い
て、さらに精製し得る。
【0252】 (実施例7) (バキュロウイルストランスフェクトされた昆虫細胞におけるFLS139
、NL2およびNL3の発現) 次の方法は、バキュロウイルストランスフェクトされた昆虫細胞におけるFL
S139、NL2またはNL3の組換え発現について記載する。
【0253】 FLS139、NL2またはNL3を、バキュロウイルス発現ベクターと、含
まれるエピトープタグの上流に融合する。そのようなエピトープタグは、ポリヒ
スチジンタグおよび免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域のような)を含む。
pVL1393(Novagen)のような、市販のプラスミド由来のプラスミ
ドを含む、種々のプラスミドを利用し得る。簡単には、FLS139、NL2ま
たはNL3、またはFLS139、NL2またはNL3の所望の部分(膜貫通タ
ンパク質の細胞外ドメインをコードする配列のような)を、5’および3’領域
に相補的なプライマーを用いてPCRで増幅する。5’プライマーを隣接する(
選ばれた)制限酵素部位に組み込むことができる。産生物を次にそれらの選ばれ
た制限酵素で消化して、発現ベクターにサブクローニングする。
【0254】 組換えバキュロウイルスを、Spodoptera frugiperda(
「Sf9」)細胞(ATCC CRL 1711)に、リポフェクチン(GIB
CO−BRLから市販)を用いて、上記のプラスミドおよびBaculoGol
TMウイルスDNA(Pharmingen)を同時にトランスフェクトするこ
とによって産生する。28℃で4−5日間インキュベートした後、放出されたウ
イルスを回収してさらに増幅するために使用する。ウイルス感染およびタンパク
質の発現を、O’Reilleyら、Baculovirus express
ion vectors:A laboratory Manual、Oxfo
rd:Oxford University Press(1994)によって
述べられたように、実施する。
【0255】 次に、発現したポリヒスチジンタグのついたFLS139、NL2またはNL
3を、例えばNi2+キレートアフィニティークロマトグラフィーによって、次の
ように精製し得る。Rupertら、Nature、362:175−179(
1993)によって記載されるように、組換えウイルスが感染したSf9細胞か
ら抽出物を調製する。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、超音波処理緩衝液(25
mL Hepes、pH7.9;12.5mM MgCl2;0.1mM ED TA;10%グリセロール;0.1%NP−40;0.4M KCl)に再懸濁
し、氷上で20秒間、2回超音波処理する。超音波処理したものを遠心分離によ
り透明にし、上清をローディング緩衝液(50mMリン酸、300mM NaC
l、10%グリセロール、pH7.8)で50倍に希釈し、0.45μmのフィ
ルターで濾過する。Ni2+−NTAアガロースカラム(Qiagenから市販)
を床容積5mLで調製し、25mLの水で洗浄して25mLのローディング緩衝
液で平衡化する。濾過した細胞抽出液を1分あたり0.5mLカラムにロードす
る。カラムをA280のベースラインになるまでローディング緩衝液で洗浄し、そ の時点から画分の回収を開始する。次に、非特異的に結合したタンパク質を溶出
する2番目の洗浄緩衝液(50mMリン酸;300mM NaCl、10%グリ
セロール、pH6.0)でカラムを洗浄する。再びA280のベースラインに達し た後、2番目の洗浄緩衝液中、0から500mMまでのイミダゾールの勾配でカ
ラムを展開する。1mLの画分を回収し、SDS−PAGEおよび、銀染色また
はアルカリホスファターゼに結合したNi2+−NTAを用いたウエスタンブロッ
ト(Qiagen)によって分析する。溶出されたヒスチジン10タグのついたF
LS139、NL2またはNL3を含む画分をプールし、ローディング緩衝液に
対して透析する。
【0256】 あるいは、IgGタグ(またはFcタグ)のついたFLS139、NL2また
はNL3の精製を、例えばプロテインAまたはプロテインGカラムクロマトグラ
フィーを含む既知のクロマトグラフィー技術を用いて行い得る。
【0257】 NL2またはFLS139(NL6)を、バキュロウイルスが感染したHig
h5細胞においてポリヒスチジンタグのついた形態で発現させた。発現は実際に
は0.5Lの規模で実施したが、より大きな(例えば、8L)調製法に簡単に規
模を拡大することができる。
【0258】 それぞれのコード配列をPCR増幅後、バキュロウイルス発現ベクター(pb
.PH.His.c)にサブクローニングし、ベクターおよびBaculogo
ld(登録商標)バキュロウイルスDNA(Pharmingen)をHigh
5細胞に、リポフェクチン(GibcoBRL)を用いて、同時にトランスフェ
クトした。pb.PH.Hisは、市販のバキュロウイルス発現ベクターpVL
1393(Pharmingen)を修飾したものであり、ヒスチジン配列を含
む改変されたポリリンカー領域を伴う。その細胞を、10%FBS(Hyclo
ne)を補充したHink’s TNM−FH培地中で増殖した。細胞を、28
℃で5日間インキュベートした。この上清を採取し、次に10%FBSを補充し
たHink’s TNM−FH培地中のSf9細胞に、感染多重度(MOI)約
10で感染させることにより、最初のウイルス増幅に使用した。細胞を28℃で
3日間インキュベートした。この上清を回収し、バキュロウイルス発現ベクター
におけるNL2およびNL6構築物の発現を、1mlの上清の、25mLのNi
−NTAビーズ(QIAGEN)に対するバッチ結合によって決定し、次にSD
S−PAGE分析でクマシーブルー染色によって既知の濃度の標準タンパク質と
比較した。
【0259】 最初のウイルス増幅上清を、ESF−921培地(Expression S
ystems LLC)中で増殖された、High5細胞のスピナー培養物(5
00ml)への感染に、約0.1のMOIで使用した。細胞を、28℃で3日間
インキュベートした。この上清を採取し、そして濾過した。必要に応じて、この
スピナー培養物での発現が確認されるまで、バッチ結合とSDS−PAGE分析
を繰り返した。
【0260】 トランスフェクトされた細胞(0.5〜3L)からの馴化培地を、遠心分離に
よって採取して細胞を除いて、そして0.22ミクロンフィルターを通して濾過
した。ポリヒスチジンタグのついた構築物については、タンパク質構築物をNi
−NTAカラム(Qiagen)を用いて精製した。精製の前に、イミダゾール
を馴化培地に5mMの濃度まで加えた。この馴化培地を、0.3M NaClお
よび5mMイミダゾールを含む20mM Hepes緩衝液、pH7.4で平衡
化した6mlのNi−NTAカラムに、4℃、流速4−5ml/分で注入した。
ロード後、このカラムをさらなる平衡化緩衝液で洗浄し、タンパク質を0.25
Mのイミダゾールを含む平衡化緩衝液で溶出した。次いで、その高度に精製され
たタンパク質を、10mM Hepes、0.14M NaClおよび4%マン
ニトールを含む、pH6.8の保存緩衝液に、25mlのG25 Superf
ine(Pharmacia)カラムを用いて脱塩し、そして−80℃で保存し
た。
【0261】 NL2およびNL6タンパク質の均質性を、SDSポリアクリルアミドゲル(
PAG)電気泳動およびエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決定によって実
証した。
【0262】 (実施例8) (FLS139、NL2またはNL3に結合する抗体の調製) この実施例はFLS139、NL2またはNL3に特異的に結合し得るモノク
ローナル抗体の調製を説明する。
【0263】 モノクローナル抗体の産生技術は当該分野において公知であり、そして例えば
、Goding、前出において記載される。使用され得る免疫原は、本発明の精
製されたリガンドホモログ、そのようなリガンドホモログを含む融合タンパク質
、および細胞表面に組換えリガンドホモログを発現した細胞を含む。当業者は過
度な実験をせずに免疫原を選択し得る。
【0264】 Balb/cのようなマウスを完全フロイントアジュバントに乳化した免疫原
で免疫し、そして1〜100μgの量を皮下または腹腔内に注射する。あるいは
、この免疫原を、MPL−TDMアジュバント(Ribi Immunoche
mical Research、Hamilton、MT)に乳化し、そして動
物の後足肉趾内に注射する。免疫されたマウスに、次に10から12日後に選ん
だアジュバントに乳化した追加の免疫原で追加免疫する。その後、数週間、マウ
スをさらなる免疫注射で追加免疫もまたし得る。抗体を検出するELISAアッ
セイを試験するために、血清サンプルを定期的にマウスから眼窩後方の採血によ
って採取し得る。
【0265】 適切な抗体力価を検出した後、抗体「陽性」の動物に、所定のリガンドを最終
的に静脈内注射し得る。3日から4日後、そのマウスを屠殺し、そして脾臓細胞
を回収する。次にこの脾臓細胞を、ATCC、No.CRL 1597より入手
可能なP3X63AgU.1のような選ばれたマウスミエローマ細胞株と融合す
る(35%ポリエチレングリコールを用いて)。この融合物は、ハイブリドーマ
細胞を産生し、次にこれを、融合していない細胞、ミエローマハイブリッド、お
よび脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害するために、HAT(ヒポキサンチン、
アミノプテリン、およびチミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートにプ
レートし得る。
【0266】 ハイブリドーマ細胞を、抗原に対する反応性についてELISAでスクリーニ
ングする。本明細書中のTIEリガンドホモログに対する望ましいモノクローナ
ル抗体を分泌する「陽性」ハイブリドーマ細胞の決定は当業者の技術的範囲内で
ある。
【0267】 抗TIEリガンドホモログモノクローナル抗体を含む腹水を産生するために、
陽性ハイブリドーマ細胞を同系Balb/cマウスの腹腔内に注射し得る。ある
いは、ハイブリドーマ細胞を組織培養フラスコまたはローラーボトル中で増殖さ
せ得る。腹水中で産生されたモノクローナル抗体の精製を、硫酸アンモニウム沈
澱、次にゲル排除クロマトグラフィーを用いて達成し得る。あるいは、抗体のプ
ロテインAまたはプロテインGへの結合に基づくアフィニティークロマトグラフ
ィーを使用し得る。
【0268】 (実施例9) (VEGF刺激による内皮細胞増殖の阻害) ウシ副腎皮質毛細管内皮(ACE)細胞(初代培養から最大12〜14継代)
を、96ウェルマイクロタイタープレート(Amersham Life Sc
ience)で、100μLあたり500個の細胞/ウェルの密度で、3ng/
mLのVEGFを追加した低グルコースDMEM、10%仔ウシ血清、2mMグ
ルタミン、1×pen/streptおよびファンギゾン(fungizone
)中にプレートした。コントロールを同じ方法でプレートしたが、いくつかはV
EGFを含まなかった。NL8ポリペプチドの試験サンプルを100μl容量で
加えて、最終的な容積を200μL容量とした。細胞を37℃で6〜7日間イン
キュベートした。この培地を吸引し、細胞をPBSで1回洗浄した。酸性ホスフ
ァターゼ反応混合物(100μL、0.1M酢酸ナトリウム、pH5.5、0.
1%Triton−100、10mM p−ニトロフェニルリン酸)を加えた。
37℃で2時間インキュベートした後、10μLの1N NaOHを加えて反応
を止めた。マイクロタイタープレートリーダーで405nmの光学密度を測定し
た。コントロールは細胞なし、細胞単独、細胞+FGF(5ng/mL)、細胞
+VEGF(3ng/mL)、細胞+VEGF(3ng/ml)+TGF−β(
1ng/ml)、および細胞+VEGF(3ng/mL)+LIF(5ng/m
L)であった(1ng/mlの濃度のTGF−βはVEGF刺激による細胞増殖
を70−90%阻害することが知られている)。
【0269】 酸性ホスファターゼの活性をOD405nmで測定することによって決定する
、VEGF(3ng/ml)刺激による細胞増殖の阻害の割合を計算することに
よって、(1)刺激なしの細胞と比較して、および(2)VEGF刺激活性の参
照TGF−β阻害と比較して、結果を評価した。阻害が30%以上であれば、結
果を陽性と判断する。以下の表1に示す結果は、NL5、およびおそらく関連ポ
リペプチドの、ガン治療および特に腫瘍脈管形成を阻害することにおける有用性
の指標である。表1に示される数値(相対阻害)を、VEGF刺激増殖のパーセ
ント阻害を、刺激無しの細胞に対する試験したTIEリガンドホモログを計算す
ること、次いでこのパーセンテージをVEGF刺激細胞増殖の70〜90%をブ
ロックすることが公知である2ng/mlでのTGF−βによって得られたパー
セント阻害へと除することによって決定した。
【0270】
【表1】 (実施例10) (内皮細胞のアポトーシス誘導) NL2、NL3およびNL6が内皮細胞にアポトーシスを誘導する能力を、9
6ウェル形式で、100ng/mlのVEGFを補充した0%血清培地中で、ヒ
ト静脈性臍静脈内皮細胞(HUVEC、Cell Systems)において試
験した(HUVEC細胞は容易にプレート表面から取り除かれるので、ウェル中
のすべてのピペット操作は実施可能な限り穏やかに行わなければならない)。
【0271】 培地を吸引し、細胞を1回PBSで洗浄した。5mlの1×トリプシンをT−
175フラスコ中の細胞に加え、細胞がプレートから離れるまで(約5−10分
)静置した。5mlの増殖培地を加えることにより、トリプシン処理を止めた。
細胞を4℃、1000rpmで5分間、遠心分離(spin)した。培地を吸引
し、細胞を10mlの10%血清補充培地(Cell Systems)、1×
penn/strepに再懸濁した。
【0272】 この細胞を、96ウェルマイクロタイタープレート(Amersham Li
fe Science、cytostar−T scintillating
microplate、RPNQ160、滅菌、組織培養処理、個別包装)で、
10%血清(CSG培養液、Cell Systems)中で、総容積100μ
l、ウェルあたり2×104個の細胞密度でプレートした。NL5およびNL8 ポリペプチドを1%、0.33%、0.11%の希釈で3組づつ加えた。細胞無
しのウェルをブランクとして、細胞のみのウェルをネガティブコントロールとし
て使用した。ポジティブコントロールとして、50μlのスタウロスポリン3倍
ストックを1:3に連続的に希釈したものを使用した。NL5ポリペプチドがア
ポトーシスを誘導する能力を、アポトーシスを検出するためにカルシウムおよび
リン脂質結合タンパク質の1つであるアネキシンVを用いて決定した。
【0273】 0.2mlのアネキシンV−ビオチンストック溶液(100μg/ml)を4
.6mlの2×Ca2+結合緩衝液および2.5%BSAに希釈した(1:25希
釈)。50μlの希釈したアネキシンV−ビオチン溶液を各ウェルに加え(コン
トロールを除いて)、最終的な濃度を1.0μg/mlとした。35S−ストレプ
トアビジンを直接加える前に、サンプルをアネキシン−ビオチンと共に10−1
5分間インキュベートした。35S−ストレプトアビジンを2×Ca2+結合緩衝液
、2.5%BSAで希釈し、全てのウェルに最終的な濃度が3×104cpm/ ウェルになるように加えた。プレートに封をし、1000rpmで15分間遠心
分離して軌道振盪機(orbital shaker)に2時間置いた。145
0Microbeta Trilux(Wallac)で分析を行った。
【0274】 NL2、NL3、およびNL6はこのアッセイで陽性であった。これらの結果
は、この分子、および潜在的に関連する分子の、ガン治療における潜在的な有用
性をさらに確認する。
【0275】 (実施例11) (内皮細胞におけるc−fosの誘導) 増殖培地(50%Ham’s F12、GHT無し、低グルコース、および5
0%DMEM、グリシン無し、NaHCO3有、1%グルタミン、10mM H epes、10%FBS、10ng/ml bFGF)中のヒト静脈臍静脈内皮
細胞(HUVEC、Cell Systems)を、96ウェルのマイクロタイ
タープレートに、1×104細胞/ウェルの細胞密度でプレートした。プレーテ ィングの翌日、その細胞を、増殖培地を除去することおよびその細胞を100μ
l/ウェルの試験サンプルおよびコントロール(陽性コントロール:増殖培地;
陰性コントロール:10mM HEPES、140mM NaCl、4%(w/
v)マンニトール、pH6.8)で処置することによって飢餓させた。その細胞
を30分間37℃で5%CO2中でインキュベートした。そのサンプルを取り出 し、そしてbDNAキットプロトコル(Chiron Diagnostics
、cat#6005−037)の第一部にしたがい、ここで、以下に列挙した各
大文字で始まる試薬/緩衝液はそのキットから利用可能であった。
【0276】 手短には、その試験に必要なTM Lysis BufferおよびProb
eの量を、製造業者によって提供される情報に基づいて計算した。解凍したPr
obeの適切な量をTM Lysis Bufferに添加した。Captur
e Hybridization Bufferを室温に暖めた。bDNAスト
リップを金属ストリップホルダに設定し、そして100μlのCapture
Hybridization Bufferを、必要とされる各bDNAウェル
に添加し、次いで少なくとも30分間インキュベートした。その細胞を有する試
験プレートをインキュベーターから取り出し、そしてその培地を緩やかにそのバ
キュームマニホルドを用いて除去した。100μlのProbeを伴うLysi
s Hybridization Bufferを、マイクロタイタープレート
の各ウェルへ迅速にピペッティングした。次いで、このプレートを55℃で15
分間インキュベートした。インキュベーターからの取り出しの際、そのプレート
をマイクロタイターアダプターヘッドを伴うボルテックスミキサに置き、そして
#2設定で1分間ボルテックスした。80μlの溶解物を取り出し、そしてCa
pture Hybridization Bufferを含むbDNAウェル
へ添加し、そして上下にピペッティングして混合した。このプレートを53℃で
少なくとも16時間インキュベートした。
【0277】 翌日、bDNAキットプロトコルの第二部を行った。詳細には、Plateを
インキュベーターから取り出し、そしてベンチにおいて10分間冷却した。必要
とされる追加の容量を、製造業者によって提供された情報に基づいて計算した。
Amplifier Working Solutionを、Amplifie
r Concentrate(20fm/μl)のAL Hybridizat
ion Bufferへの1:100希釈を行うことによって調製した。ハイブ
リダイゼーション混合物を、プレートから取り出し、そしてWash Aを用い
て2回洗浄した。50μlのAmplifier Working Solut
ionを各ウェルに添加し、そしてそのウェルを53℃で30分間インキュベー
トした。次いで、そのプレートをそのインキュベーターから取り出し、そして1
0分間放冷した。Label Probe Working Solution
を、Label Concentrate(40pモル/μl)のAL Hyr
bidization Buffer中で1:100希釈を行うことによって調
製した。10分間の放冷期間の後、Amplifier Hybridizat
ion Mixtureを除去し、そしてそのプレートをWash Aで2回洗
浄した。50μlのLabel Probe Working Solutio
n を各ウェルに添加し、そしてそのウェルを53℃で15分間インキュベート
した。10分間冷却した後、そのSubstrateを室温まで暖めた。アッセ
イに必要とされるSubstrate1mlあたり3μlのSubstrate
Enhancerを添加する際に、そのプレートを10分間放冷し、Labe
l Hybridization Mixtureを除去し、そしてそのプレー
トを2回Wash Aで洗浄し、そしてWash Dで3回洗浄した。50μl
のEnhancerを伴うSubstrate Solutionを各ウェルに
添加した。そのプレートを30分間37℃でインキュベートし、そしてRLUを
適切なルミノメーターで読み取った。
【0278】 複製を平均し、そして変動係数を決定した。陰性コントロール(上記のHEP
ES緩衝液)の値に対する増加倍数の活性の尺度を、化学発光単位(RLU)に
より示した。陰性コントロールの値に対して少なくとも2倍の値を示したサンプ
ルを陽性とみなした。
【0279】
【表2】 (実施例12) (内皮細胞Ca流入アッセイ) Ca流入は、特定のリガンドの、そのレセプターに対する結合の際の充分に記
載された応答である。このCa流入アッセイにおいて陽性応答をもたらす試験化
合物を、特定のレセプターに結合し、そしてヒト内皮細胞における生物学的シグ
ナル伝達経路を活性化するといい得る。これは、最終的には、例えば、細胞分裂
、細胞増殖の阻害、内皮細胞管形成、細胞移動、アポトーシスなどを導き得る。
【0280】 増殖培地(50:50グリシン無し、1%グルタミン、10mM Hepes
、10%FBS,10ng/ml bFGF)中のヒト静脈臍静脈内皮細胞(H
UVEC、Cell Systems)を、96ウェルのViewPlates
−96(Packard Instrument Company#60051 82)マイクロタイタープレートに、2×104細胞/ウェルでプレートした。 この細胞を緩衝液(HBSS+10mM Hepes)で3回洗浄し、1ウェル
あたり100μl放置した。NL6ポリペプチドの試験サンプルを、異なる96
ウェルプレートに、緩衝液中に5×濃縮で調製した。陽性コントロール:50μ
Mイオノマイシン(5×);陰性コントロール:Protein 32.細胞プ
レートおよびサンプルプレートを、FLIPR(Molecular Devi
ces)装置上にかけた。FLIPR装置は25μlの試験サンプルを細胞に添
加し、および読み取りを、1分間にわたり1秒ごとに行い、次いで次の3分間に
わたり3秒ごとに行った。
【0281】 曲線(Δ変化)の最大の上昇に対する基底線の蛍光変化を計算し、そしてその
複製を平均した。蛍光が増加する速度を、モニターし、そして1000を超える
Δ変化を有し、そして60秒以内に上昇したそのサンプルのみを陽性とみなした
。以下の表3には、結果が、陽性コントロールと比較して表現される。
【0282】
【表3】 (実施例13) (モルモット皮膚生検評価) 350グラム以上の体重の無毛モルモットにケタミン(75〜80mg/kg
)およびキシラジン(5mg/kg)で筋肉内で麻酔をかけた。NL6または馴
化培地試験サンプルを、注射部位あたり100μlで背中に皮内注射した。動物
1匹あたりおよそ16〜24の注射部位が存在した。1mlのEvans青色色
素(1%生理学的緩衝化生理食塩水)を心臓内注射した。試験化合物に対する前
炎症または皮膚血管透過性応答を、肉眼で、試験材料(NL6)の投与後1〜6
時間で注射部位からもれる青色色素の直径を測定することによってスコア付けし
た。動物を投与後6時間で屠殺した。各皮膚部位を生検し、そしてホルマリンで
固定した。皮膚を組織学的評価のために調製した。各部位を皮膚内への炎症細胞
浸潤について評価した。可視の炎症細胞浸潤を有する部位を、陽性とスコア付け
した。炎症細胞浸潤物は、好中球、好酸球、単球、またはリンパ球性であり得る
。NL6を、このアッセイにおいて、潜在的な前炎症物質と同定した。
【0283】 (実施例14) (内皮の管形成の刺激) このアッセイは、以下のようにDavisおよびCamarillo、Exp
erimental Cell Research、224:39−51(19
96)で述べられたアッセイまたは、その変形の1つに従う。
【0284】 プロトコル:HUVE細胞(継代回数が初代培養から8回未満)を6×105 個の細胞/mlの密度でI型ラットテイルコラーゲンと混合し、最終濃度は2.
6mg/ml、そして96ウェルプレート上にウェルあたり50μlをプレート
した。ゲルを37℃で1時間凝固させておいて、次いでウェルあたり50μlの
1%FBSを追加したM199培養培地およびNL6ポリペプチドサンプル(各
1%、0.1%、0.01%の希釈で)を、液胞が形成されている間それを染色
する1μMの6−FAM−FITC色素と共に加える。細胞を37℃/5%CO 2 で48時間インキュベートし、3.7%ホルマリンを用いて室温で10分間固 定し、PBSで5回洗浄した。次にRh−ファロイジンを用いて4℃で1晩染色
し、次に4μMのDAPIで核を染色した。
【0285】 (1.アポトーシスアッセイ) このアッセイは、3次元マトリクス中で、外来性の増殖因子(VEGF、PM
AなしのbFGF)存在下で、細胞の生存を促進する因子を同定する。
【0286】 1以下の結果が陽性である。0=アポトーシスなし、1=20%未満の細胞が
アポトーシスをおこしている、2=50%未満の細胞がアポトーシスをおこして
いる、3=50%を超える細胞がアポトーシスをおこしている。この系でアポト
ーシスを刺激する物質は、アポトーシス因子と予想され、インヒビターはアポト
ーシスを防止または抑制することが予想れる。
【0287】 (2.液胞アッセイ) このアッセイは、bFGFおよびVEGF(40ng/ml)の存在下で、内
皮の液胞形成および管腔形成を刺激する因子を同定する。
【0288】 2以上の結果が陽性である。1=20%未満の細胞に液胞が存在する、2=2
0−50%の細胞に液胞が存在する、3=50%を超える細胞に液胞が存在する
。このアッセイをピノサイトーシス、イオン輸送、透過性、および結合形成の刺
激に関与する因子を同定するために設計する。
【0289】 (3.管形成アッセイ) このアッセイは、3次元マトリクス中で内皮の管形成を刺激する因子を同定す
る。このアッセイは、3次元マトリクス中で外来性の増殖因子(VEGF、bF
GF)存在下で、内皮細胞の管様構造への分化を刺激する因子を同定する。
【0290】 2以上の結果が陽性である。1=細胞は全て丸い、2=細胞は細長くなってい
る、3=細胞はいくらか結合した管を形成している、4=細胞は複雑な管ネット
ワークを形成している。このアッセイはトラッキング、走化性、または内皮の形
状変化の刺激に関与し得る因子を同定する。
【0291】 図10はHUVECの管形成に対する、ポリヒスチジンに結合した1%希釈の
NL6ポリペプチド、および1%希釈の緩衝液コントロール(10mM HEP
ES/0.14M NaCl/4%マンニトール、pH6.8)の効果を示して
いる。IgG融合物として試験した、もう1つの新規のTIEリガンドホモログ
(NL1)および2つの公知のTIEリガンドであるTIE−1およびTIE−
2と比較した結果もまた図10に示す。
【0292】 (材料の寄託) 前に言及したように、次の材料をアメリカンタイプカルチャーコレクション、
12301 Parklawn Drive、Rockville、MD、US
A(ATCC)に寄託した:
【0293】
【表4】 これらの寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト
条約(ブダペスト条約)およびその下での規制の規定の下になされた。これは寄
託の生存可能な培養物を寄託日から30年間維持することを保証する。寄託物は
ブダペスト条約の条項の下で、Genentech,Inc.およびATCC間
の合意を条件として、ATCCによって入手可能となり、これは、適切な米国特
許が発行された時点、またはあらゆる米国または外国特許出願が公開された時点
のどちらが先にきても、寄託物の培養物の子孫を、公衆が永続的に無制限に入手
できることを保証する。そして、35USC§122およびそれに準ずる米国特
許商標庁長官の規則(886OG683に特に言及している37C.F.R.§
1.14を含む)によって、米国特許商標庁長官によってその権利があると決定
されたものがその子孫を入手できることを保証する。
【0294】 本願の譲受人は、寄託した材料の培養物が、適切な条件下で培養されている時
に死滅または喪失または破壊された場合、通知に基づいて直ちにもう1つの同じ
ものと交換することに同意した。寄託した材料の入手可能性は、あらゆる政府の
権威のもとでその特許法に従って授与された権利に違反して本発明を実施する実
施許諾とは解釈されるべきではない。
【0295】 本明細書は、当業者が発明を実施するのを可能にするのに十分であると判断さ
れる。寄託された実施態様は本発明の特定の局面の1つの例示として意図されて
おり、機能的に等価なあらゆる構築物は本発明の範囲内であるので、本発明は寄
託された構築物によって範囲が制限されるべきではない。本明細書中の材料の寄
託は、明細書がその最良の形態を含む本発明のあらゆる局面の実施を可能にする
のに不適当であるという承認を構成しない。また請求の範囲をそれが表す特定の
例示に制限するように解釈されるべきではない。実際に、本明細書中に示され記
述されたものに加えて、本発明の様々な変形が、前述の記載から当業者に明らか
になり、添付される請求の範囲の範囲内に入る。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、リガンドホモログNL2、NL3およびFLS139の、TIE2レ
セプターの2つの公知のリガンドホモログ(h−TIE2L1およびh−TIE
2L2)ならびに出願番号第08/933,821号(1997年9月19日出
願)に開示される他のTIEリガンドホモログとの関係の図示である。
【図2】 図2は、TIEリガンドNL2のヌクレオチド配列である(配列番号1)(D
NA 22780)。
【図3】 図3は、TIEリガンドNL2のアミノ酸配列である(配列番号2)。
【図4】 図4は、TIEリガンドNL3のヌクレオチド配列である(配列番号3)(D
NA 33457)。
【図5】 図5は、TIEリガンドNL3のアミノ酸配列である(配列番号4)。
【図6】 図6は、TIEリガンドFLS139のヌクレオチド配列である(配列番号5
)(DNA 16451)。
【図7】 図7は、TIEリガンドFLS139のアミノ酸配列である(配列番号6)。
【図8】 図8は、種々の組織においてTIEリガンドホモログNL2およびNL3のm
RNAの発現を示すノーザンブロットである。
【図9】 図9は、種々の組織においてTIEリガンドNL2およびNL3のmRNAの
発現を示すノーザンブロットである。
【図10】 図10は、1%希釈でポリ−hisに結合したNL6ポリペプチドの、および
1%希釈で緩衝液コントロール(10mM HEPES/0.14M NaCl
/4%マンニトール、pH 6.8)の、HUVECチューブ形成における効果
を示す。IgG融合体としてテストした、別の新規TIEリガンドホモログ(N
L1)および2つの公知のTIEリガンドTIE−1およびTIE−2との比較
結果もまた、図中で示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C07K 14/475 4H045 43/00 105 16/22 C07K 14/475 16/46 16/22 C12N 1/15 16/46 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/08 1/21 G01N 33/53 D 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/08 A61K 37/24 G01N 33/53 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ゴッダード, オードリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94131, サン フランシスコ, コンゴ ストリ ート 110 (72)発明者 ゴドウスキー, ポール アメリカ合衆国 カリフォルニア 94010, バーリンガム, イーストン ドライブ 2627 (72)発明者 ガーニー, オースティン エル. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94002, ベルモント, デビー レーン 1 (72)発明者 ヒラン, ケネス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94114, サン フランシスコ, シワード 64 (72)発明者 ウイリアムズ, ピー. ミッキー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94019, ハーフ ムーン ベイ, アルト アベ ニュー 509 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA44 BA80 CA01 CA04 CA11 GA11 HA01 4B064 AG01 AG27 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA93Y AB01 BA01 BA30 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA01 AA02 ZA361 ZA362 ZA891 ZA892 ZA941 ZA942 ZA961 ZA962 ZB011 ZB012 ZB211 ZB212 ZB261 ZB262 ZC351 ZC352 4C085 AA14 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA76 EA28 FA74 【要約の続き】

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物TIEリガンドホモログポリペプチドをコードする
    単離された核酸分子であって、該ポリペプチドが、 (a)ヒトNL2(配列番号2)、ヒトNL3(配列番号4)、ヒトNL6(
    FLS139)(配列番号6)、および非ヒト哺乳動物種におけるそれらのホモ
    ログからなる群から選択される;または (b)それらの生物学的に活性な機能的誘導体であり、 ただし、該機能的誘導体がアミノ酸配列改変体である場合、該機能的誘導体は
    、ヒトNL2、ヒトNL3、もしくはヒトNL6リガンドのフィブリノーゲン様
    ドメインと少なくとも約90%配列同一性を有する、 単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 配列番号1;配列番号3;または配列番号5のコード領域を
    含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 配列番号1;配列番号3;または配列番号5のフィブリノー
    ゲン様ドメインを含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の核酸分子で形質転換した、組換え宿主細胞
  6. 【請求項6】 原核生物細胞である、請求項5に記載の組換え宿主細胞。
  7. 【請求項7】 真核生物細胞である、請求項5に記載の組換え宿主細胞。
  8. 【請求項8】 単離された哺乳動物TIEリガンドホモログポリペプチドで
    あって、該ポリペプチドが、 (a)ヒトNL2(配列番号2)、ヒトNL3(配列番号4)、ヒトNL6(
    配列番号6)、および非ヒト哺乳動物種におけるそれらのホモログからなる群か
    ら選択される;または (b)それらの生物学的に活性な機能的誘導体であり、 ただし、該機能的誘導体がアミノ酸配列改変体である場合、該機能的誘導体は
    、ヒトNL2、ヒトNL3、もしくはNL6リガンドのフィブリノーゲン様領域
    と少なくとも約90%配列同一性を有する、 単離された哺乳動物TIEリガンドホモログポリペプチド。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のTIEリガンドを特異的に結合する、抗体
  10. 【請求項10】 モノクローナル抗体である、請求項9に記載の抗体。
  11. 【請求項11】 非ヒト相補性決定領域(CDR)残基およびヒトフレーム
    ワーク(FR)残基を有する、請求項10に記載の抗体。
  12. 【請求項12】 内皮細胞の増殖を阻害する、請求項9に記載の抗体。
  13. 【請求項13】 前記細胞が腫瘍細胞である、請求項12に記載の抗体。
  14. 【請求項14】 細胞のアポトーシスを誘導する、請求項9に記載の抗体。
  15. 【請求項15】 腫瘍細胞の血管新生を阻害する、請求項9に記載の抗体。
  16. 【請求項16】 抗NL2、抗NL3、または抗NL6抗体である、請求項
    9に記載の抗体。
  17. 【請求項17】 標識されている、請求項9に記載の抗体。
  18. 【請求項18】 請求項8に記載のポリペプチドをキャリアとともに含む、
    組成物。
  19. 【請求項19】 請求項9に記載の抗体をキャリアとともに含む、組成物。
  20. 【請求項20】 前記抗体の増殖阻害量を含む、請求項19に記載の組成物
  21. 【請求項21】 抗NL2、抗NL3、または抗NL6抗体を含む、請求項
    20に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 細胞傷害性薬剤または化学療法剤の二次抗体をさらに含む
    、請求項21に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 さらなる治療剤または細胞傷害性薬剤に融合された、請求
    項8に記載のポリペプチドまたは請求項9に記載の抗体を含む、結合体。
  24. 【請求項24】 前記さらなる治療剤が、トキシン、異なるTIEリガンド
    、または血管内皮増殖因子(VEGF)ファミリーのメンバーである、請求項2
    3に記載の結合体。
  25. 【請求項25】 血管新生の存在を画像化するための方法であって、請求項
    8に記載の検出可能に標識されたTIEリガンドホモログ、または請求項9に記
    載のアゴニスト抗体を患者に投与する工程、および血管新生をモニタリングする
    工程、を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 血管形成を阻害するための方法であって、請求項8に記載
    のTIEリガンドホモログまたは請求項9に記載のアゴニスト抗体の有効量を患
    者に投与する工程を包含する、方法。
  27. 【請求項27】内皮細胞増殖の阻害のための方法であって、請求項8に記載
    のTIEリガンドホモログポリペプチドの有効量で、該内皮細胞を処理する工程
    、を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 内皮細胞アポトーシスの誘導のための方法であって、請求
    項8に記載のTIEリガンドホモログポリペプチドの有効量で該内皮細胞を処理
    する工程、を包含する、方法。
  29. 【請求項29】 腫瘍増殖を阻害するための方法であって、請求項8に記載
    のアゴニストTIEリガンドの有効量を患者に投与する工程、を包含する、方法
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