JP2005185284A - Tieレセプターチロシンキナーゼリガンドホモログ - Google Patents

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Abstract

【課題】血管系に強力な作用を有するヒトTIEリガンドホモログを提供する。
【解決手段】新規TIEリガンドホモログNL3をコードする単離された核酸分子、このような核酸分子によってコードされるタンパク質、ならびにこのような核酸およびタンパク質分子を製造および使用するための方法および手段。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規TIEリガンドホモログをコードする単離された核酸分子、このような核酸分子によってコードされるTIEリガンドホモログタンパク質、ならびにこのような核酸およびタンパク質分子を製造および使用するための方法および手段、ならびに開示されたTIEリガンドホモログを結合する抗体に関する。
略号「TIE」または「tie」は頭字語であり、これらは、「チロシンキナーゼ含有IgおよびEGF相同性ドメイン」を表し、そして血管内皮細胞および初期造血細胞でほぼ排他的に発現され、そしてEGF様ドメイン、および「免疫グロブリン(IG)様」折り畳みと一般にいわれる鎖内ジスルフィド結合によって安定化される細胞外折り畳みユニットの存在によって特徴づけられる、レセプターチロシンキナーゼの新しいファミリーを示すために新しく作り出された。ヒト白血病細胞からのチロシンキナーゼホモログcDNAフラグメント(tie)は、Partanenら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 87,8913−8917(1990)に記載された。このヒト「tie」レセプターのmRNAは、すべてのヒト胎児およびマウス胚組織で検出されており、そして心臓および血管内皮細胞に局在することが報告されている。Korhonenら,Blood 80,2548−2555(1992);PCT出願公開公報第WO 93/14124号(1993年7月22日公開)。「tie−1」といわれるヒトtieのラットホモログは、Maisonpierreら,Oncogene 8,1631−1637(1993)によって同定された。「tie−2」と命名されたもう1つのtieレセプターは、もともとラットで同定されたが(Dumontら,Oncogene 8,1293−1301(1993))、「ork」といわれる、tie−2のヒトホモログは、米国特許第5,447,860号(Ziegler)に記載された。tie−2のマウスホモログは、もともと「tek」と称された。脳毛細管cDNAライブラリーからのマウスtie−2レセプターのクローニングは、PCT出願公開公報第WO 95/13387号(1995年5月18日公開)に開示される。TIEレセプターは、新脈管形成に積極的に関与すると考えられ、そしてその上造血においても役割を果たし得る。
ヒトTIE−2リガンドの発現クローニングは、PCT出願公開公報第WO 96/11269号(1996年4月18日公開)および米国特許第5,521,073号(1996年5月28日公開)に記載されている。「htie−2リガンド1」または「hTL1」と命名されたTIE−2リガンドをコードするλgt10と命名されたベクターは、ATCC受託番号75928で寄託されている。「htie−2 2」または「hTL2」と命名されたもう1つのTIE−2リガンドをコードするプラスミドは、ATCC受託番号75928で入手可能である。この第2のリガンドは、TAI−2レセプターのアンタゴニストとして記載されている。TIE−2レセプターについての分泌されたヒトおよびマウスリガンドの同定は、Davisら,Cell 87,1161−1169(1996)によって報告されている(例えば、非特許文献1参照)。新脈管形成および造血中の可能性のある作用におけるその役割を反映するために、「アンジオポエチン−1」と命名したヒトリガンドは、WO 96/11269において「htie−2 1」または「hTL−1」と種々に命名されたリガンドと同じリガンドである。アンジオポエチン−1は、後で脈管形成役割を果たし、そしてVEGFの役割とは異なることが記載されている(例えば、非特許文献2参照)。TIE−2は、腫瘍増殖に必要な病理的な脈管形成中に明らかにアップレギュレートされるので(例えば、非特許文献3参照)、アンジオポエチン−1は、腫瘍脈管構造を特異的に標的するためにさらに有用であることが示唆されている(Davisら,前出)。
Davisら,Cell 87:1161−1169,1996 Suriら,Cell 87:1171−1180,1996 Kaipainenら,Cancer Res.54:6571−6577,1994
(発明の要旨)
本発明は、血管系に強力な効果を有する新規ヒトTIEリガンドホモログに関する。
本発明はまた、このようなリガンドホモログまたはその機能的誘導体をコードする単離された核酸分子、およびこのような核酸分子を含むベクターを提供する。本発明はさらに、新規TIEリガンドホモログまたはその機能的誘導体を産生するためにこのような核酸で形質転換された宿主細胞に関する。新規リガンドホモログは、公知または以後に発見された、TIEレセプターのアゴニストまたはアンタゴニストであり得る。他の治療剤または診断剤のそれぞれのTIEレセプターを発現する細胞への送達を含む、その治療または診断用途もまた、本発明の範囲内である。
本発明はさらに、本明細書中のTIEリガンドホモログを特異的に結合するアゴニスト またはアンタゴニスト抗体、およびこのような抗体の診断または治療用途を提供する。
別の局面では、本発明は、この新規リガンドホモログまたは抗体を含む組成物に関する。
さらなる局面では、本発明は、本発明の新規TIEリガンドホモログと他の治療剤または細胞傷害性薬剤との結合体、およびこのような結合体を含む組成物に関する。TIE−2レセプターは、腫瘍増殖に必要である病理的な脈管形成中にアップレギュレートされることが報告されており、そして他のTIEレセプターは同様の特徴を有し得る。従って、本発明のTIEリガンドホモログの細胞傷害性または他の抗腫瘍薬剤への結合体は、腫瘍血管系を特異的に標的することにおいて有用であり得る。
なお別の局面では、本発明は、TIEレセプターを発現する細胞を同定するための方法に関し、これは、このようなTIEリガンドホモログのTIEレセプターへの結合を可能にする条件下で、本発明の検出可能に標識したTIEリガンドホモログと細胞とを接触させる工程、およびこのような結合が実際に生じたかどうかを決定する工程を包含する。
異なる局面では、本発明は、TIEリガンドホモログを特異的に結合する少なくとも1つの抗体と生物学的試料を接触させる工程、および形成したTIEリガンドホモログ−抗体複合体の量を測定する工程によって、生物学的試料中の本発明のTIEリガンドホモログの量を測定するための方法に関する。
本発明はさらに、対応するTIEレセプターに結合するために本発明のネイティブなまたは改変体TIEリガンドホモログと競合する能力に基づいて、TIEレセプターのポリペプチドまたは低分子アゴニストまたはアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。
本発明はまた、創傷治癒、炎症、またはヒト患者の腫瘍において新脈管形成の存在を画像化するための方法に関し、これは、本発明の検出可能に標識されたTIEリガンドホモログまたはアゴニスト抗体を投与する工程、および新脈管形成を検出する工程を包含する。
別の局面では、本発明は、薬学的に受容可能なビヒクル中の本発明のTIEリガンドホモログの有効量を投与する工程による、患者において新生血管形成を促進または阻害する方法に関する。好ましい実施態様では、本発明は、創傷治癒の促進のための方法に関する。別の実施態様では、本発明は、虚血性心臓または肢において側副血管新生を誘導するためのような、脈管形成プロセスを促進するための方法に関する。さらに好ましい実施態様では、本発明は、腫瘍増殖を阻害するための方法に関する。
なお別の局面では、本発明は、患者における骨発生および/または成熟および/または増殖を促進する方法に関し、薬学的に受容可能なビヒクル中の本発明のTIEリガンドホモログの有効量を患者に投与する工程を包含する。
さらなる局面では、本発明は、筋肉増殖および発達を促進する方法に関し、これは、薬学的に受容可能なビヒクル中の本発明のTIEリガンドホモログの有効量を必要な患者に投与する工程を包含する。
なお別の局面において、本発明は、本発明のTIEリガンドホモログの有効量を投与する工程による、内非細胞増殖を阻害および/または内非細胞のアポトーシスを誘導する方法に関する。さらに、本発明は、炎症を阻害する方法に関し、この方法は、本発明のTIEホモログのアゴニスト(例えば、本明細書中のTIEリガンドホモログに対する抗体(例えば、アゴニスト抗NL−6抗体))の有効量を患者に投与する工程を包含する。
本発明のTIEリガンドホモログは、単独で、あるいは互いにおよび/またはVEGFファミリーのメンバーを含む他の治療剤もしくは診断剤と組み合わせて、投与され得る。組み合わせ治療は、新生血管形成、ならびに筋肉および/または骨の増殖、発達または分化を促進または阻害するための新しいアプローチ、あるいは不要な内非細胞増殖に関連する条件の処置(例えば、腫瘍処置)に導き得る。
(発明の詳細な説明)
(A.リガンドホモログおよびそれをコードする核酸分子)
本発明のTIEリガンドホモログは、NL2(配列番号2)、NL3(配列番号4)、およびFLS139(続いて「NL6」と改名した;配列番号6)と命名したネイティブなヒトリガンドホモログ、ならびに、サルのような高等哺乳動物;マウス、ラットハムスターのような齧歯類;ブタ;ウマ;ウシを含む(しかしこれらに限定されない)、他の非ヒト哺乳動物種におけるそのホモログ、天然に存在する対立遺伝子およびスプライス改変体、ならびに、ネイティブなTL−1またはTL−2リガンドとは異なる限り、このようなネイティブな分子のアミノ酸配列改変体のような、生物学的に活性な(機能的)誘導体を含む。本明細書中に開示されるネイティブNL2は、hTL−1(TIE2L1)と27%アミノ酸配列同一性およびhTL2(TIE2L2)と約24%アミノ酸配列同一性を有する。本明細書中に開示されるネイティブNL3のアミノ酸配列は、hTL−1のアミノ酸配列と約30%同一およびhTL−2のアミノ酸配と約29%列同一性である。本明細書中に開示される天然のFLS139(NL6)とhTL−1およびhTL−2との間のアミノ酸配列同一性は、約21%である。本発明のネイティブなTIEリガンドホモログは、そのネイティブな環境に関連する他のタンパク質を実質的に含まない。この定義は、本発明のTIEリガンドホモログが得られる方法によっていかなるようにも限定されず、そしてその他の点で定義内のすべてのリガンドホモログを含み、天然供給源から精製されるか、組換えDNA技法から得られるか、合成されるか、またはこれらおよび/もしくは他の技術の任意の組み合わせによって調製されるいずれかである。本発明のネイティブなTIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体は、本発明の全長のネイティブなヒトTIEリガンドホモログと、または本発明のネイティブなヒトTIEリガンドホモログのフィブリノーゲン様ドメインと、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%、最も好ましくは少なくとも約99%配列同一性を有する。このようなアミノ酸配列改変体は、好ましくは、ネイティブなTIEリガンドホモログの定性的生物学的活性を提示または阻害する。
用語「フィブリノーゲンドメイン」または「フィブリノーゲン様ドメイン」は、公知のhTL−1アミノ酸配列における約278位〜約498位のアミノ酸;公知のhTL−2アミノ酸配列における約276位〜約496位のアミノ酸;NL2のアミノ酸配列における約180位〜約406位のアミノ酸;NL3のアミノ酸配列における約77位〜約288位のアミノ酸;およびFLS139のアミノ酸配列における約238位〜約460位のアミノ酸;ならびに他のTIEリガンドホモログにおけるホモログドメインをいうために使用される。NL2のフィブリノーゲン様ドメインは、hTL−1(TIE2L1)およびhTL−2(TIE2L2)のフィブリノーゲン様ドメインと約37〜38%同一である。NL3フィブリノーゲン様ドメインは、hTL−1およびhTL−2のフィブリノーゲン様ドメインと約37%同一であり、一方、FLS139フィブリノーゲン様ドメインは、hTL−1およびhTL−2のフィブリノーゲン様ドメインと約32〜33%同一である。
用語「核酸分子」は、RNA、DNA、およびcDNA分子を含む。遺伝コードの縮重の結果として、所定のTIEホモログをコードする多数のヌクレオチド配列が産生され得ることが理解される。本発明は、すべての可能なコドン選択に基づいて、本発明のTIEリガンドホモログをコードする、ヌクレオチド配列のあらゆる可能な改変体を特に意図する。本明細書中におけるTIEリガンドホモログをコードする核酸分子は、好ましくは、ストリンジェント条件下で天然に存在するTIEリガンドホモログ遺伝子にハイブリダイズし得るが、実質的に異なるコドン利用を有する、TIEリガンドホモログをコードするヌクレオチド配列を産生するために有利であり得る。例えば、コドンは、特定のコドンが宿主によって利用される頻度に従って、ポリペプチドの発現が特定の原核生物または真核生物宿主細胞で起こる割合を増加させるように選択され得る。さらに、改良された特性(例えば、半減期)を有するRNA転写物は、所定のTIEリガンドホモログをコードするヌクレオチド配列の適切な選択によって産生され得る。
「配列同一性」は、Lasergene biocomputingソフトウエア(DNASTAR,Inc.,Madison,Wisconsin)のバージョン1.6、またはこのソフトウエアの任意のアップデート版もしくは等価物に組み込まれる、多配列アラインメントのClustal方法(HigginsらComput.Appl.Biosci.5,151−153(1989)およびHigginsら,Gene 73,237−244(1988))に従って比較されるべき2つの配列を整列することによって決定される。
ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に決定可能であり、そして一般に、プローブ長、洗浄温度、および塩濃度に依存的な経験的計算である。一般に、より長いプローブは、適切なアニーリングのためにより高い温度を必要とするが、より短いプローブはより低い温度を必要とする。ハイブリダイゼーションは、一般に、相補鎖が融解温度以下の環境に存在する場合に変性したDNAが再アニールする能力に依存する。プローブとハイブリダイズ可能な配列との間の所望の相同性の程度が高いほど、使用され得る相対温度が高い。結果として、より高い相対温度が、反応条件をよりストリンジェントにする傾向があるが、より低い温度ではそうではないことになる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーのさらなる詳細および説明については、Ausubelら,Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience Publishers,(1995)を参照のこと。
本明細書で定義される「ストリンジェント条件」または「高ストリンジェンシー条件」は、(1)洗浄のための低イオン強度および高温、例えば、50℃で0.015M塩化ナトリウム/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを用いる;(2)ホルムアルドのような変性剤、例えば、42℃にて、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドン/750mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを含むpH 6.5での50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)を含む50%(v/v)ホルムアミド、をハイブリダイゼーション中に用いる;または(3)42℃にて50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl、0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH 6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハート溶液、超音波処理したサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1% SDS、および10%硫酸デキストランを用い、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)および55℃で50%ホルムアミド中で42℃にて洗浄し、次いで55℃にてEDTAを含む0.1×SSCからなる高ストリンジェンシー洗浄する、条件によって同定され得る。
「中程度のストリンジェント条件」は、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,New York:Cold Spring Harbor Press,1989に記載のように同定され得、そして上記よりもストリンジェントでない洗浄溶液およびハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度、および%SDS)の使用を含む。中程度のストリンジェント条件の例は、20%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH 7.6)、5×デンハート溶液、10%硫酸デキストラン、および20mg/mL変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中で37℃にての一晩インキュベート、次いで約37〜50℃にて1×SSC中でフィルターを洗浄することである。当業者は、プローブ長などのような適切な因子に必要なように、温度、イオン強度などをどのように調節するかを認識する。
本明細書で使用する場合、用語「タグ化されたエピトープ」とは、「タグポリペプチド」に融合したTIEリガンドホモログポリペプチドを含むキメラポリペプチドをいう。タグポリペプチドは、抗体が作製され得るエピトープを提供するために十分な残基を有するが、融合されるポリペプチドの活性を妨害しないように十分に短い。タグポリペプチドはまた、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応しないように、かなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6アミノ酸残基、および通常は約8〜50アミノ酸残基(好ましくは、約10〜20アミノ酸残基)を有する。
本発明のTIEリガンドホモログに関して、用語「生物学的活性」および「生物学的に活性な」とは、分子が公知または本明細書中以降に発見されるTIEリガンドのネイティブなレセプター(以降「TIEレセプター」という)、例えば、ネイティブなTIE−2レセプターに特異的に結合しそしてそれによってシグナルを出す能力、あるいはシグナル伝達に関与するネイティブなTIEレセプター(例えば、TIE−2)の能力をブロックする能力をいう。従って、本発明の(ネイティブなおよび改変体)TIEリガンドは、ネイティブなTIE(例えば、TIE−2)レセプターのアゴニストおよびアンタゴニストを含む。本発明のTIEリガンドの好ましい生物学的活性は、新生血管形成を誘導または阻害する能力を含む。新生血管形成を誘導する能力は、生物学的状態および疾患(例えば、創傷治癒、虚血、および糖尿病)の処置に有用であり、ここでは、新生血管形成が望ましい。他方で、新生血管形成を阻害またはブロックする能力は、例えば、腫瘍増殖を予防または減弱することに有用であり得る。別の好ましい生物学的活性は、筋肉増殖または発達に影響を及ぼす能力である。さらに好ましい生物学的活性は、骨発生、成熟、または増殖に影響を与える能力である。なお別の好ましい生物学的活性は、内皮細胞増殖を阻害および/またはアポトーシスを誘導する能力である。
本明細書で使用される場合、用語「細胞傷害性薬剤」とは、細胞の機能を阻害または抑制するおよび/または細胞の破壊を引き起こす物質をいう。この用語は、放射性同位元素(例えば、I131、I125、Y90、およびRe186)、化学療法剤、および細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素的に活性な毒素またはそのフラグメントのようなトキシンを含むことを意図する。
「化学療法剤」は、ガンの処置に有用な化学化合物である。化学療法剤の例には、アドリアマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、シトキシン、タキソイド類、例えば、パクリタキセル(Taxol,Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,NJ)、およびドキセタキセル(Taxotere,Rhone−Poulenc Rorer,Antony,Rnace)、トキソテレ、メトトレキセート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イフォスファミド、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン類、エスペラミシン類(米国特許第4,675,187号を参照のこと)、メルファラン、および他の関連のナイトロジェンマスタードが挙げられる。この定義には、タモキシフェンおよびオナプリストンのような腫瘍においてホルモン作用を調節または阻害するように作用するホルモン性薬剤もまた含まれる。
本明細書で使用される場合、「増殖阻害薬剤」とは、インビトロまたはインビボのいずれかで、細胞、特に本明細書で同定された遺伝子のいずれかを過剰発現するガン細胞の増殖を阻害する化合物または組成物をいう。したがって、増殖阻害薬剤は、S期においてこのような遺伝子を過剰発現する細胞の割合を顕著に減少させるものである。増殖阻害薬剤の例には、G1期阻止およびM期阻止を誘導する薬剤のような、細胞周期進行(S期以外の期間で)をブロックする薬剤が挙げられる。古典的M期ブロッカーには、ビンカス(ビンクリスチンおよびビンブラスチン)、タキソール、ならびに、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、およびブレオマイシンのようなトポIIインヒビターが挙げられる。G1期を阻止する薬剤はまた、S期阻止にも及び、例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクトレタミン、シスプラチン、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、およびara−CのようなDNAアルキル化剤である。さらなる情報が、Murakamiら(WB Saunders:Philadelphia, 1995)による「Cell cycle regulation, oncogenes, and antineoplastic drugs」という題の、The Molecular Basis of Cancer, MendelsohnおよびIsrael編,Chapter 1、特に13頁で見られ得る。
「ドキソルビシン」は、アントラサイクリン系抗生物質である。ドキソルビシンの完全な化学物質名は、(8S−シス)−10−[(3−アミノ−2,3,6−トリデオキシ−α−L−リソキシ−ヘキサピラノシル)オキシ]−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−8−(ヒドロキシアセチル)−1−メトキシ−5,12−ナフタセネジオンである。
用語「サイトカイン」は、細胞内メディエーターとしてもう1つの細胞で作用する1つの細胞集団によって放出されるタンパク質についての一般的な用語である。このようなサイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン、および伝統的ポリペプチドホルモンである。サイトカインの中には、ヒト成長ホルモン、N−メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンのような成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;レラキシン;プロレラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH)のような糖タンパク質ホルモン;肝臓増殖因子;繊維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子−αおよび−β;ミュラー管阻害因子;マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NFG−βのような神経増殖因子;血小板増殖因子;TGF−αおよびTGF−βのようなトランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様増殖因子−Iおよび−II;エリスロポエチン(EPO);骨誘導性因子;インターフェロン−α、−β、および−γのようなインターフェロン;マクロファージ−CSF(M−CSF)のようなコロニー刺激因子(CSF);顆粒球−マクロファージ−CSF(GM−CSF);および顆粒球−CSF(G−CSF);IL−1、IL−1α、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−11、IL−12のようなインターロイキン(IL);TNF−αまたはTNF−βのような腫瘍壊死因子;およびLIFおよびキットリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が挙げられる。本明細書で使用される場合。用語サイトカインには、天然供給源からまたは組換え細胞培養物からのタンパク質およびネイティブな配列のサイトカインの生物学的に活性な等価物が挙げられる。
「血管内皮増殖因子」/「血管透過因子」(VEGF/VPF)は、低酸素症によって刺激されそして腫瘍脈管形成に必要とされることが最近示された、内皮細胞特異的マイトジェンである(Sengerら,Cancer 46:5629−5632(1986);Kimら,Nature 362:841−844(1993);Schweikiら,Nature 359:843−845(1992);Plateら,Nature 359:845−848(1992))。これは、合成されそして種々の腫瘍および正常細胞によって分泌される34〜43kDa(約45kDaにて優勢な種を有する)ダイマーのジスルフィド結合した糖タンパク質である。さらに、色素上皮細胞および周皮細胞のような培養したヒト網膜細胞は、低酸素症に応答してVEGFを分泌しそしてVEGF遺伝子発現を増加させることが証明された(Adamisら,Biochem.Biophys.Res.Commun.193:631−638(1993);Plouetら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.34:900(1992);Adamisら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.34:1440(1993);Aielloら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.35:1868(1994);Simorre−pinatelら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.35:3393−3400(1994))。逆に、正常組織におけるVEGFは比較的低い。したがって、VEGFは、新生血管形成に関連する多くの病理学的状態およびプロセスにおいて主要な役割を果たすようである。したがって、上記の種々の状態によって影響を受ける組織におけるVEGF発現の調節は、低酸素症に関連する処置または予防的治療に重要であり得る。
用語「アゴニスト」は、ネイティブなTIEレセプター(例えば、TIE−2)によってシグナルを出す能力を有するならば、本発明のネイティブなTIEリガンドホモログのペプチドおよび非ペプチドアナログ、ならびにこのようなネイティブなTIEリガンドホモログを特異的に結合する抗体をいうために使用される。言い換えると、用語「アゴニスト」は、TIEレセプターの生物学的役割の状況において定義され、およびネイティブなTIEリガンドホモログの生物学的役割に関して定義されず、これは、上述のように、TIEレセプター生物学的機能のアゴニストまたはアンタゴニストであり得る。好ましいアゴニストは、上記に列挙したTIEホモログの好ましい生物学的活性を保有し、そして血管形成のプロモーター、骨形成成熟または増殖に役割を果たす分子、ならびに筋肉増殖および/または発達のプロモーターを含む。
用語「アンタゴニスト」は、ネイティブなTIEレセプター(例えば、TIE−2)の生物学的機能を阻害する能力を有するならば、本発明のネイティブなTIEリガンドホモログのペプチドおよび非ペプチドアナログを、ならびにこのようなネイティブなTIEリガンドホモログを特異的に結合する抗体をいうために使用される。また、用語「アンタゴニスト」は、TIEレセプターの生物学的役割に関して定義され、およびネイティブなTIEリガンドホモログの生物学的役割に関して定義されず、これは、TIEレセプター生物学的機能のアゴニストまたはアンタゴニストのいずれかであり得る。好ましいアンタゴニストは、血管形成、あるいは病理学的骨格または筋肉の発達または成長のインヒビターである。
本明細書で使用される場合、「腫瘍」とは、悪性または良性の、ならびにすべての前ガン性およびガン性の細胞および組織のいずれかの、全ての新形成細胞成長および増殖をいう。
用語「ガン」および「ガン性」とは、代表的には調節されない細胞増殖によって特徴づけられる、哺乳動物における生物学的症状をいうかまたは記載する。ガンの例には、ガン腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病が挙げられるが、これらに限定されない。このようなガンのより特定な例には、乳ガン、前立腺ガン、結腸ガン、扁平上皮ガン、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、胃腸ガン、膵臓ガン、神経膠芽腫、子宮頚ガン、卵巣ガン、肝臓ガン、膀胱ガン、悪性肝ガン(hepatoma)、結直腸ガン、子宮内膜ガン、唾液腺ガン、腎臓ガン、肝臓ガン、外陰部ガン、甲状腺ガン、肝ガン腫、ならびに種々のタイプの頭部および頚部ガンが挙げられる。
「処置」は、発生を抑制することまたは障害の病理を変更することを意図して行われる介入である。したがって、「処置」とは、治療処置および予防または防止尺度の両方をいう。処置を必要とするものには、既に障害を有するものならびに障害が予防されるべきものが挙げられる。腫瘍(例えば、ガン)処置では、治療薬剤は、腫瘍細胞の病理を直接減少し得るか、または腫瘍細胞が他の治療薬剤による処置、例えば、放射線照射および/または化学療法をより受けやすくし得る。
ガンの「病理」は、患者の安寧に欠陥を生じさせるすべての現象を含む。これには、異常または制御不能な細胞増殖、転移、隣接細胞の正常機能の妨害、サイトカインまたは他の分泌産物の異常レベルでの放出、炎症または免疫学的応答の抑制または悪化などが挙げられが、これらに限定されない。
処置の目的のための「哺乳動物」とは、ヒト、家畜および飼育動物、ならびにイヌ、ウマ、ネコ、ウシなどのような動物園、競技、またはペット動物を含む、哺乳動物として分類される任意の動物をいう。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
1つ以上のさらなる治療薬剤「と組み合わせた」投与は、同時(共同して作用する(concurrent))および任意の順での連続投与を含む。
用語「機能的誘導体」は、本発明のネイティブなTIEリガンドホモログの生物学的に活性なアミノ酸配列改変体、ならびに、有機誘導体化薬剤との反応によって得られた誘導体、翻訳後修飾、非タンパク質性ポリマーを有する誘導体、およびイムノアドヘシンを含む共有改変を定義するために使用される。
本明細書に記載される種々のポリペプチドを記載するために使用される場合、用語「単離された」とは、その天然環境の成分から同定および分離および/または回収されているポリペプチドを意味する。その天然の環境の夾雑成分は、代表的には、ポリペプチドについての診断または治療用途を妨害し、そして酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る物質である。好ましい実施態様では、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターの使用によるN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るために十分な程度まで、または(2)クーマシーブルーまたは好ましくは銀染色を使用して非還元または還元条件下でSDS−PAGEによる均一性まで、精製される。単離されたポリペプチドは、インサイチュで、組換え細胞内にポリペプチドを含む。なぜなら、TIEリガンドの天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないからである。しかし、通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製工程によって調製される。
「単離された」核酸分子は、核酸の天然供給源中に普通に会合する少なくとも1つの夾雑核酸分子から同定および分離される核酸分子である。単離された核酸分子は、天然で見いだされる形態または配置以外である。単離された核酸分子は、したがって、天然細胞に存在するので、核酸分子とは区別される。しかし、単離された核酸分子には、例えば、核酸分子が天然細胞とは異なる染色体位置にある場合、本発明のTIEリガンドを普通に発現する細胞に含まれる核酸分子が含まれる。
用語「アミノ酸配列改変体」とは、ネイティブなアミノ酸配列と比較してそのアミノ酸配列にいくつかの差を有する分子をいう。
置換改変体は、除去されるネイティブな配列で少なくとも1つのアミノ酸残基および同じ位置で代わりに挿入される異なるアミノ酸を有するものである。置換は、分子中の1つのみのアミノ酸が置換される場合、単一であり得、あるいは、2つ以上のアミノ酸が同じ分子で置換される場合は、複数であり得る。
挿入改変体は、ネイティブな配列において特定の位置でアミノ酸に直接隣接して挿入される1つ以上のアミノ酸を有する改変体である。アミノ酸に直接隣接するとは、アミノ酸のα−カルボキシ官能基またはα−アミノ官能基のいずれかに接続されることを意味する。
欠失改変体は、ネイティブなアミノ酸配列に除去される1つ以上のアミノ酸を有する改変体である。通常、欠失改変体は、分子の特定の領域で欠失した1または2アミノ酸を有する。欠失改変体には、C−および/またはN−末端欠失(短縮)を有するもの、ならびに1つ以上のアミノ酸の内部欠失を有する改変体が挙げられる。本発明の好ましい欠失改変体は、本発明のネイティブなTIEリガンドホモログのフィブリノーゲン様ドメインの外側の欠失を含む。
本発明のアミノ酸配列改変体は、最適の特徴を有する分子を産生するために、アミノ酸置換、挿入、および/または欠失の種々の組み合わせを含み得る。
アミノ酸は、化学組成およびその側鎖の特性に従って分類され得る。これらは、2つの群、荷電的および非荷電的に広く分類される。これらの群のそれぞれは、アミノ酸をより正確に分類するために下位集団に分割される。
I.荷電アミノ酸 酸性残基:アスパラギン酸、グルタミン酸 塩基性残基:リジン、アルギニン、ヒスチジンII.非荷電アミノ酸 親水性残基:セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン 脂肪族残基:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン 非極性残基:システイン、メチオニン、プロリン 芳香族残基:フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン 保存的置換は、1つの群内のメンバーを同じ群内のもう1つのメンバーと交換することを含むが、非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーをもう1つに交換することを伴う。非保存的置換によって得られる改変体は、得られた改変体の生物学的特性/機能の顕著な変化を生じることが予測される。
アミノ酸配列欠失は、一般に、約1〜30残基、より好ましくは約1〜10残基の範囲であり、そして代表的には隣接する。欠失は、ネイティブなTIEレセプターとの相互作用に直接関連しない領域に導入され得る。欠失は、好ましくは、本発明のTIEリガンドホモログのC末端のフィブリノーゲン様領域の外側で行われる。
アミノ酸挿入には、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの長さの範囲のアミノおよび/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複数アミノ酸残基の配列内挿入が挙げられる。配列内挿入(すなわち、TIEリガンドホモログアミノ酸配列内の挿入)は、一般に、約1〜10残基、より好ましくは1〜5残基、より好ましくは1〜3残基の範囲であり得る。末端挿入の例には、N末端メチオニル残基を有するTIEリガンドホモログ、細菌組換え細胞培養物中のその直接発現の人工産物、および組換え宿主細胞からの成熟TIEリガンドホモログの分泌を容易にするための異種N末端シグナル配列のTIEリガンドホモログ分子のN末端への融合物が挙げられる。このようなシグナル配列は、一般に、目的の宿主細胞種から得られ、したがってそれに相同である。適切な配列には、例えば、E.coliについてはSTIIまたはIpp、酵母についてはα因子、および哺乳動物細胞についてはヘルペスgDのようなウイルスシグナルが挙げられる。
ネイティブなTIEリガンド分子の他の挿入改変体には、免疫原性ポリペプチド、例えば、β−ラクタマーゼまたはE.coli trp遺伝子座によってコードされる酵素のような細菌ポリペプチド、または酵母タンパク質への、TIEリガンドホモログ分子のN末端またはC末端の融合物、ならびに、1989年4月6日に公開されたWO 89/02922に記載のように、免疫グロブリン領域(好ましくは、免疫グロブリン定常領域)、アルブミン、またはフェリチンのような長い半減期を有するタンパク質とのC末端融合物が挙げられる。
改変体TIEリガンドホモログの特徴を予め予測することがしばしば困難であるので、いくつかのスクリーニングが最適な改変体を選択するために必要とされることが理解され る。
本発明のネイティブなTIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体は、ネイティブなまたは改変体TIEリガンドホモログのDNAに適切なヌクレオチド変化を導入することによって、または所望のポリペプチドのインビトロ合成によって、当該技術分野で公知の方法によって調製される。アミノ酸配列改変体の構築における2つの主な変数がある:変異部位の位置および変異の性質。TIEリガンドホモログをコードするDNA配列の操作を必要としない、天然に存在する対立遺伝子を除いて、TIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体は、好ましくは、天然に存在しない対立遺伝子またはアミノ酸配列改変体のいずれかを実現するために、DNAを変異することによって構築される。
変異の1つの群は、TIEレセプター、例えば、TIE−1もしくはTIE−2、またはまだ発見されていないレセプターとの相互作用に関連すると同定された、本発明のTIEリガンドホモログのドメイン内で生成される。
あるいはまたはさらに、アミノ酸の変更は、実現されるべき目的に依存して、種々の種からのTIEリガンドホモログにおいて異なる部位、または高度に保存された領域に作成され得る。
このような位置での部位は、代表的には、例えば、(1)最初に保存的選択で、次いで実現した結果に依存してより根本的選択で置換すること、(2)標的残基を欠失すること、または(3)位置した部位に隣接する同じまたは異なるクラスの残基を挿入すること、または選択肢1〜3の組み合わせによって連続して改変される。
1つの有用な技術は、「アラニンスキャンニング」と呼ばれる(CunninghamおよびWells,Science 244,1081−1085[1989])。ここで、残基または標的残基の群は、アラニンまたはポリアラニンによって同定されそして置換される。次いで、アラニン置換に対する機能的感受性を証明するドメインは、アラニン置換の部位でまたは部位に対してさらにまたは他の置換基を導入することによって精錬される。
所望の変異を同定した後、TIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体をコードする遺伝子は、例えば、上記のように化学合成によって得られ得る。
より好ましくは、TIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体をコードするDNAは、より初期に調製されたリガンドの改変体または非改変型をコードするDNAの部位特異的変異誘発によって調製される。部位特異的変異誘発は、所望の変異のDNA配列をコードする特異的オリゴヌクレオチド配列、ならびに横切った欠失連結部の両側で安定な二重鎖を形成するために十分なサイズおよび配列複雑性のプライマー配列を提供するために、隣接ヌクレオチドの十分な数の使用によってリガンド改変体の産生を可能にする。代表的には、約20〜25ヌクレオチド長のプライマーが好ましく、配列の連結部の両側での約5〜10残基が変更される。一般に、部位特異的変異誘発の技術は、当該分野で周知であり、Edelmanら,DNA 2,183(1983)のような刊行物に例示される。理解されるように、部位特異的変異誘発技術は、代表的には、一本鎖形態および二本鎖形態の両方で存在するファージベクターを用いる。部位特異的変異誘発に有用な代表的なベクターには、例えば、Messingら,Third Cleveland Symposium on Macromolecules and Recombinant DNA,A.Walton編,Elsevier,Amsterdam(1981)に開示されるように、M13ファージのようなベクターが挙げられる。これおよび他のファージベクターは市販されており、そしてその使用は、当業者に周知である。M13由来ベクターを使用するDNAフラグメントにおける部位特異的変異を指示するオリゴデオキシリボヌクレオチドの構築のための多才なおよび有効な手順は、Zoller,M.J.およびSmith,M.,Nucleic Acids Res.10,6487−6500[1982]によって公開された。また、一本鎖ファージ複製起点を含むプラスミドベクター(Veiraら,Meth.Enzymol.153,3[1987])は、一本鎖DNAを得るために用いられ得る。あるいは、ヌクレオチド置換は、インビトロで適切なDNAフラグメントを合成することによって、および当該技術分野で公知のPCR手順によって増幅することによって導入される。
一般に、本願の部位特異的変異誘発は、関連タンパク質をコードするDNA配列をその配列内に含む一本鎖ベクターを最初に得ることによって行われる。所望に変異された配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、例えば、Creaら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 75,5765(1978)の方法によって、一般に合成的に調製される。次いで、このプライマーは、一本鎖タンパク質配列含有ベクターとアニールし、そしてE.coliポリメラーゼIクレノウフラグメントのようなDNA重合化酵素を受けさせて、変異含有鎖の合成を完了させる。したがって、ヘテロ二重鎖は、1つの鎖が元の非変異配列をコードし、そして第2鎖が所望の変異を有する場合に形成される。次いで、このヘテロ二重鎖ベクターは、JP101細胞のような適切な宿主細胞を形質転換するために使用され、そして変異した配列アライメントを有する組換えベクターを含むクローンが選択される。その後、変異した領域は除去され、そしてタンパク質産生に適切な発現ベクター中に配置され得る。
PCR技術はまた、TIEリガンドのアミノ酸配列改変体を生成することに使用され得る。少量のテンプレートDNAがPCRにおける開始物質として使用される場合、テンプレートDNAにおいて対応する領域とは配列がわずかに異なるプライマーは、プライマーがテンプレートと異なる位置のみでテンプレート配列とは異なる比較的大量の特異的DNAフラグメントを生成するために使用され得る。プラスミドDNAへの変異の導入のために、プライマーの1つは、変異の位置を重複しそして変異を含むように設計され;他のプライマーの配列は、プラスミドの反対鎖の配列のストレッチと同一でなければならないが、この配列は、プラスミドDNAに沿ってどこにでも位置し得る。しかし、第2プライマーの配列が、第1の配列から200ヌクレオチド内に位置しそのため末端でプライマーに結合したDNAの全体の増幅した領域が容易に配列決定され得ることが好ましい。まさに記載したもののようなプライマー対を使用するPCR増幅は、プライマーによって特定される変異の位置で異なるDNAフラグメントの集団を生じ、そしておそらく他の位置では、テンプレートとしてコピーすることは、幾分誤る傾向がある。
物質を産生するためのテンプレートの比が非常に低いならば、大多数の産物DNAフラグメントは、所望の変異を組み込む。この産物物質は、標準的DNA技術を使用してPCRテンプレートとして用いたプラスミド中の対応する領域を置換するために使用される。別々の位置での変異は、変異体第2プライマーを使用するかまたは異なる変異体プライマーでの第2PCRを行うことのいずれか、および3つ(またはそれ以上)の部分的ライゲーションにおいてベクターフラグメントに2つの得られるPCRフラグメントを同時にライゲートすることによって、同時に導入され得る。
PCR変異誘発の特定の例では、テンプレートプラスミドDNA(1μg)は、増幅されるべき領域の外側でプラスミドDNA中に独特の認識部位を有する制限エンドヌクレアーゼによる切断によって直線化される。この物質のうち、100ngを、4つのデオキシヌクレオチド三リン酸を含みそしてGeneAmp(商標)キット(Perkin−Elmer Cetus,Norwalk,CTおよびEmeryville,CAより入手)、および25pmolの各オリゴヌクレオチドプライマーに含まれるPCR緩衝液を含むPCR混合物に、50μlの最終容量まで添加する。反応混合物を、35μl鉱油で重層する。反応物を、100℃にて5分間変性し、氷上に簡単に置き、次いでPerkin−Elmer Cetus,Norwalk,CTおよびEmeryville,CAから購入した1μl Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ(5単位/l)を、鉱油層の下に添加する。次いで、反応混合物を、以下のようにプログラムされたDNAサーマルサイクラー(Perkin−Elmer Cetusから購入した)に差し込む: 2分、55℃、 30秒、72℃、次いで以下の19サイクル: 30秒、94℃、 30秒、55℃、および 30秒、72℃。
プログラムの最後に、反応バイアルを、サーマルサイクラーから取り出しそして水相を新しいバイアルに移し、フェノール/クロロホルム(50:50vol)で抽出し、そしてエタノール沈殿し、そしてDNAを標準的手順によって回収する。この物質は、その後、ベクターへの挿入のために適切な処置にかける。
改変体を調製するためのもう1つの方法である、カセット変異誘発は、Wellsら,[Gene 34,315(1985)]に記載の技術に基づく。開始物質は、変異されるべきTIEリガンドホモログDNAを含むプラスミド(またはベクター)である。変異されるべきTIEリガンドホモログ内のコドンが同定される。同定された変異部位の各側における独特の制限エンドヌクレアーゼがなければならない。このような制限部位が存在しないならば、これらは、TIEリガンドホモログをコードするDNAにおいて適切な位置に導入するための上記のオリゴヌクレオチド媒介変異誘発方法を使用して生成され得る。制限部位がプラスミドに導入された後、プラスミドを、直線にするためにこれらの部位で切断する。制限部位間のDNAの配列をコードするが所望の変異を含む二本鎖オリゴヌクレオチドを、標準的手順を使用して合成する。2つの鎖を別々に合成し、次いで標準的技術を使用してともにハイブリダイズする。この二本鎖オリゴヌクレオチドは、カセットという。このカセットを、プラスミドに直接連結され得るように、直線にしたプラスミドの末端と適合可能である3’および5’末端を有するように設計する。このプラスミドは、今や、変異したTIEリガンドホモログDNA配列を含む。
さらに、いわゆるファージミド提示方法は、ネイティブか、または改変体TIEリガンドホモログのアミノ酸配列改変体を作成することに有用であり得る。この方法は、(a)変異させるべきレセプターをコードする第1の遺伝子、第1および第2の遺伝子が異種である天然または野生型ファージコートタンパク質の少なくとも一部をコードする第2の遺伝子、および融合タンパク質をコードする遺伝子融合物を形成する第1および第2の遺伝子に作動可能に連結される転写調節エレメントを含む、複製可能な発現ベクターを構築する工程;(b)関連のプラスミドのファミリーを形成する第1の遺伝子内の1つ以上の選択された位置でベクターを変異する工程;(c)プラスミドで適切な宿主細胞を形質転換する工程;(d)ファージコートタンパク質をコードする遺伝子を有するヘルパーファージで、形質転換された宿主細胞を感染させる工程;(e)プラスミドの少なくとも一部を含む組換えファージミド粒子を形成するために適切でありそして宿主を形質転換し得る条件下で、形質転換し感染した宿主細胞を培養する工程であって、この条件が、ほんの少量のファージミド粒子が粒子の表面上に融合タンパク質の1つより多くのコピーを提示するように調節される、工程;(f)ファージミド粒子の少なくとも一部が抗原に結合するように、適切な抗原とファージミド粒子とを接触させる工程;および(g)結合するファージミド粒子を結合しないものと分離する工程、を包含する。工程(d)〜(g)は、1回以上繰り返され得る。好ましくは、この方法において、プラスミドは、転写調節エレメントの堅い制御下にあり、そして培養条件は、粒子の表面上に融合タンパク質の1つより多くのコピーを提示するファージミド粒子の量または数が、約1%以下であるように調節される。また、好ましくは、融合タンパク質の1つより多くのコピーを提示するファージミド粒子の量は、融合タンパク質の単一コピーを提示するファージミド粒子の量の10%以下である。最も好ましくは、この量は20%以下である。代表的には、この方法では、発現ベクターは、ポリペプチドの各サブユニットをコードするDNAに融合した分泌シグナル配列をさらに含み、そして転写調節エレメントは、プロモーター系である。好ましいプロモーター系は、lac Z、λPL、tac、T7ポリメラーゼ、トリプトファン、およびアルカリホスファターゼプロモーター、ならびにその組み合わせから選択される。また、通常は、この方法は、M13K07、M13R408、M13−VCS、およびPhi X 174から選択されるヘルパーファージを用いる。好ましいヘルパーファージは、M13K07であり、そして好ましいコートタンパク質は、M13ファージ遺伝子IIIコートタンパク質である。好ましい宿主は、E.coli、およびE.coliのプロテアーゼ欠失株である。
上記および類似の変異誘発技術のさらなる詳細は、例えば、SambrookらMolecular Cloning:A laboratory Manual(New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)、およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubelら編,Wiley−Interscience,1991のような、一般的教科書で見いだされる。
「イムノアドヘシン」は、適切な免疫グロブリン定常ドメイン配列に連結したレセプター配列から伝統的に構築されるキメラである(イムノアドヘシン)。このような構造は、当該技術分野で周知である。文献で報告されたイムノアドヘシンには、T細胞レセプター*[Gascoigneら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 84、2936−2940(1987)];CD4*[Caponら,Nature 337,525−531(1989);Trauneckerら,Nature 339,68−70(1989);Zettmeisslら,DNA Cell Biol.USA 9,347−353(1990);Byrnら,Nature 344,667−670(1990)];L−セレクチン(ホーミングレセプター)[Watsonら,J.Cell.Biol.,110,2221−2229(1990);Watsonら,Nature 349,164−167(1991)];CD44*[Aruffoら,Cell 61,1303−1313(1990)];CD28*およびB7*[Linsleyら,J.Exp.Med.173,721−730(1991)];CTLA−4*[Linsleyら,J.Exp.Med.174,561−569(1991)];CD22*「Stamenkovicら,Cell 66,1133−1144(1991)];TNFレセプター[Ashkenaziら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 88,10535−10539(1991);Lesslauerら,Eur.J.Immunol.27,2883−2886(1991);Peppelら,J.Exp.Med.174,1483−1489(1991)];NPレセプター[Bennettら,J.Biol.Chem.266,23060−23067(1991)];IgEレセプターα鎖*[RidgwayおよびGorman,J.Cell.Biol.115,abstr.1448(1991)];HGFレセプター[Mark,M.R.ら,1992,J.Biol.Chem.,投稿中]の融合物が挙げられ、ここでアステリスク(*)は、レセプターが免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであることを示す。
リガンド−免疫グロブリンキメラもまた公知であり、そして例えば、米国特許第5,304,640号(L−セレクチンリガンドについて);同第5,316,921号および同第5,328,837号(HGF改変体について)に開示される。これらのキメラは、レセプター−免疫グロブリンキメラの構築と類似の方法で作成され得る。
本発明のTIEリガンドホモログの共有改変は、本発明の範囲内に含まれる。このような改変は、TIEリガンドの標的されたアミノ酸残基を、選択された側面または末端残基と反応し得る有機誘導体化薬剤と反応させることによって、あるいは選択された宿主細胞で機能する翻訳後改変のメカニズムを利用することによって伝統的に導入される。得られる共有誘導体は、生物学的活性に、イムノアッセイに、または組換え体のイムノアフィニティー精製のための抗TIEリガンド抗体の調製に、重要な残基を同定することに関するプログラムで有用である。例えば、ニンヒドリンとの反応後のタンパク質の生物学的活性の完全不活化は、少なくとも1つのアルギニル残基またはリジル残基がその活性に重要であり、その後選択された条件下で改変された個々の残基が、改変したアミノ酸残基を含むペプチドフラグメントの単離によって同定されることを示唆する。このような改変は、当業者の範囲内であり、そして過度の実験を行うことなく行われる。
システニル残基は、最も普通には、クロロ酢酸またはクロロアセタミドのようなα−ハロ酢酸塩(および対応するアミン)と反応して、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得る。システニル残基はまた、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸、クロロアセチルリン酸、N−アルキルマレイミド,3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ水銀安息香酸、2−クロロ水銀−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応によって誘導体化される。
ヒスチジル残基は、この薬剤がヒスチジル側鎖に比較的特異的であるので、pH 5.5〜7.0でのジエチルピロカーボネートとの反応によって誘導体化される。パラ−ブロモフェナシルブロミドも有用である;反応は、好ましくは、pH 6.0にて0.1Mカコジル酸ナトリウム中で行われる。
リジニルおよびアミノ末端残基は、コハク酸または他のカルボン酸無水物と反応する。これらの薬剤の誘導体化は、リジニル残基の電荷を逆にする効果を有する。α−アミノ含有残基を誘導体化するための他の適切な試薬には、メチルピコリンイミデートのようなイミドエステル;ピリドキサルリン酸;ピリドキサール;クロロボロヒドリド;トリニトロベンゼンスルホン酸;O−メチルイソ尿素;2,4−ペンタンジオン;およびグリコキシレートとのトランスアミナーゼ触媒した反応物が挙げられる。
アルギニル残基は、1つまたはいくつかの従来の試薬、その中でもフェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、およびニンヒドリンとの反応によって改変される。アルギニン残基の誘導体化は、グアニジン官能基の高いpKaのために、反応がアルカリ条件で行われることが必要とされる。さらに、これらの試薬は、リジン基およびアルギニンイプシロン−アミノ基と反応し得る。
チロシル残基の特定の改変は、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応によってチロシル残基にスペクトル標識を導入することにおいて、特定の目的で行われ得る。最も普通には、N−アセチルイミジゾールおよびテトラニトロメタンは、それぞれO−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体を形成するために使用される。チロシル残基は、ラジオイムノアッセイでの使用のために標識されたタンパク質を調製するために125Iまたは131Iを使用してヨード化される。
カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)は、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドのようなカルボジイミド(R’−N=C=N−R’)との反応によって選択的に改変される。さらに、アスパルチル残基およびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によってアスパラギニル残基およびグルタミニル残基に変換される。
グルタミニル残基およびアスパラギニル残基は、頻繁に、対応するグルタミルおよびアスパルチル残基に脱アミド化される。あるいは、これらの残基は、穏やかな酸性条件下で脱アミド化される。これらの残基のいずれかの形態は、本発明の範囲内にはいる。
他の改変には、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリル、トレオニル、またはチロシル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79−86[1983])、N−末端アミンのアセチル化、ならびに任意のC−末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。分子は、さらに、米国特許4,640,835;4,496,689;4,301,144;4,670,417;4,791,192;または4,179,337に記載の方法で、非タンパク質性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンに共有結合され得る。
二官能性薬剤での誘導体化は、TIEリガンドのポリペプチドとの分子内凝集を調製するために、ならびにアッセイまたはアフィニティー精製での使用のために水不溶性支持体マトリクスまたは表面にTIEリガンドポリペプチドを架橋するために、有用である。さらに、鎖間架橋の研究は、コンホメーション構造における直接情報を提供する。普通に使用される架橋剤には、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ホモ二官能性イミドエステル、および二官能性マレイミドが挙げられる。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートのような誘導体化剤は、光の存在下で架橋を形成し得る光活性化可能中間体を得る。あるいは、臭化シアン活性化した炭化水素のような反応性水不溶性マトリクスならびに米国特許第3,959,642号;第3,969,287号;第3,691,016号;第4,195,128号;第4,247,642号;第4,229,537号;第4,055,635号;および第4,330,440号に記載の系反応性基質が、タンパク質固定化および架橋に用いられる。
ある翻訳後修飾は、発現したポリペプチドにおける組換え宿主細胞の作用の結果である。グルタミニルおよびアスパラギニル残基は、頻繁に、対応するグルタミルおよびアスパルチル残基に翻訳後脱アミド化される。あるいは、これらの残基は、穏やかな酸性条件下で脱アミド化される。これらの残基のいずれかの形態は、本発明の範囲内にはいる。
他の翻訳後修飾には、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリン、トレオニン、またはチロシン残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化[T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79−86(1983)]が挙げられる。
他の誘導体は、非タンパク質性ポリマーに共有結合した本発明の新規ペプチドを含む。非タンパク質性ポリマーは、通常は、親水性合成ポリマー、すなわち、天然で他には見いだされないポリマーである。しかし、天然に存在し、そして組換えまたはインビトロ方法によって産生されるポリマーは、天然から単離されるポリマーと同様に、有用である。親水性ポリビニルポリマー、例えば、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンは、本発明の範囲にはいる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのようなポリビニルアルキレンエーテルは、特に有用である。
TIEリガンドホモログは、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号;または第4,179,337号に記載の様式で、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンのような種々の非タンパク質性ポリマーに連結され得る。まさに本発明のイムノアドヘシンのような、これらの改変体は、対応するネイティブなTIEリガンドホモログよりも長い半減期を有することが予測される。
TIEリガンドホモログは、例えば、コアセルベーション技術によってまたは界面重合化によって調製されるマイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノパーティクル、およびナノカプセル)に、あるいはマクロエマルジョンに捕らえられ得る。このような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16版,Osol,A.編(1980)に開示される。
用語「ネイティブなTIEレセプター」は、公知であるか、本明細書中以後に開示されているヒト、他の高等霊長類(例えば、サル)、ならびに齧歯類(例えば、ラットおよびマウス)を含むが、これらに限定されない任意の動物種のTIEレセプターをいうために本明細書で使用される。この定義は、詳細には、例えば、PCT出願第WO 95/13387号(1995年5月18日公開)に開示されるTIE−2レセプター、およびPCT出願公開公報第WO 93/14124号(1993年7月22日公開)で「TIE」という内皮細胞レセプターチロシンキナーゼを含み、そして好ましくはTIE−2である。
(B.抗TIEリガンドホモログ抗体)
本発明は、TIEリガンドホモログを特異的に結合する、アゴニストおよびアンタゴニスト抗体をカバーする。この抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得、そして限定することなく、成熟抗体、抗体フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)2、FVなど)、単鎖抗体、および種々の鎖の組み合わせを含む。
用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、そして具体的には本発明のTIEリガンドを特異的に結合する単一モノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、および中和抗体を含む)、ならびに多エピトープ特異性を有する抗体組成物をカバーする。
本明細書で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均質の抗体の集団から得られる抗体をいい、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少ない量で存在し得る潜在的な天然に存在する変異を除いては、同一である。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一抗原性部位に対して指向される。さらに、代表的には種々の決定基(エピトープ)に対して指向される種々の抗体を含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは逆に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して指向される。
本明細書におけるモノクローナル抗体には、起源の種または免疫グロブリンクラスもしくはサブクラスの指定にかかわりなく、定常ドメインを伴う、抗TIEリガンドホモログ抗体の可変(超可変を含む)ドメインをスプライシングすることによって産生されるハイブリッドおよび組換え抗体(例えば、「ヒト化」抗体)、または重鎖を伴う軽鎖、またはもう1つの種からの鎖を伴う1つの種からの鎖、または異種タンパク質を伴う融合物、ならびに所望の生物学的活性を示す限り抗体フラグメント(例えば、Fab、F(ab’)2、およびFv)が挙げられる。例えば、米国特許第4,816,567号およびMageら,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.79−97(Marcel Dekker,Inc.:New York,1987)を参照のこと。
したがって、修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得られるような抗体の特徴を示し、そして任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されない。例えば、本発明に従って使用されるべきモノクローナル抗体は、KohlerおよびMilstein,Nature,256:495(1975)に最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作製され得、または米国特許第4,816,567号に記載のような組換えDNA方法によって作製され得る。「モノクローナル抗体」はまた、例えば、McCaffertyら,Nature,348:552−554(1990)に記載の技術を使用して生成されるファージライブラリーから単離され得る。
非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態は、特異的キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、または抗体の他の抗原結合サブ配列)であり、これは非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含む。ほとんどの部分について、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、ここで、このレシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基は、所望の特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラットまたはウサギのような非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置換される。いくつかの場合、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体においても、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列においても見られない残基を含み得る。これらの改変は、抗体性能をさらに精錬および最適化するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、そして代表的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、このドメインにおいてCDR領域のすべてまたは実質的にすべては、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、そしてFR領域のすべてまたは実質的にすべては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域である。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部(代表的にはヒト免疫グロブリンのもの)の一部を含む。
本発明のTIEリガンドホモログに対するポリクローナル抗体は、一般に、TIEリガンドおよびアジュバントの複数回の皮下(sc)または腹腔内(ip)注射によって動物で惹起される。TIEリガンドまたは標的アミノ酸配列を含むフラグメントを、免疫される種において免疫原性であるタンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、またはダイズトリプシンインヒビターに対して、二官能性または誘導体化剤、例えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介した結合体化)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する)、グルタルアルデヒド、コハク酸無水物、SOCl2、またはR1N=C=NR(ここでRおよびR1は異なるアルキル基である)を用いて、結合体化することが有用であり得る。
動物は、1mgまたは1μgの結合体(それぞれ、ウサギまたはマウスに対して)を3容量のフロイント完全アジュバントと合わせること、および複数の部位で皮内に溶液を注射することによって、免疫原性結合体または誘導体に対して免疫される。1カ月後、その動物に、複数の部位での皮下注射によってフロイント完全アジュバント中の元の量の1/5〜1/10の結合体を用いてブーストする。7〜14日後、動物から採血し、そしてその血清を抗TIEリガンド抗体力価についてアッセイする。動物に、その力価がプラトーになるまでブーストする。好ましくは、動物を、同じTIEリガンドの結合体であるが異なるタンパク質におよび/または異なる架橋試薬を介して結合体化された結合体でブーストする。結合体はまた、タンパク質融合体として組換え細胞培養物中で作製され得る。また、ミョウバンのような凝集剤が、免疫応答を増強するために使用される。
モノクローナル抗体は、実質的に均質な抗体の集団から得られ、すなわち、この集団を含む個々の抗体は、少ない量で存在し得る可能性のある天然に存在する変異を除いては、同一である。したがって、修飾語「モノクローナル」は、異なる抗体の混合物ではないような抗体の特徴を示す。
例えば、本発明の抗TIEリガンドホモログモノクローナル抗体は、KohlerおよびMilstein,Nature 256:495(1975)に最初に記載されたハイブリドーマ方法を使用して作製され得るか、または組換えDNA方法[Cabillyら,米国特許第4,816,567号]によって作製され得る。
ハイブリドーマ方法では、マウス、またはハムスターのような他の適切な宿主動物が、本明細書中上記のように免疫されて、免疫のために使用されるタンパク質に特異的に結合する抗体を産生または産生し得るリンパ球を誘起する。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫され得る。次いで、リンパ球は、ポリエチレングリコールのような適切な融合剤を使用してミエローマ細胞と融合されて、ハイブリドーマ細胞を形成する[Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−103(Academic Press,1986)]。
このように調製されたハイブリドーマ細胞を、融合していない親ミエローマ細胞の増殖または生存を阻害する、好ましくは1つ以上の物質を含む、適切な培養培地中に播種し、そして増殖する。例えば、親ミエローマ細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠くならば、ハイブリドーマについての培養培地は、代表的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含み(HAT培地)、これらの物質はHGPRT欠失細胞の増殖を妨げる。
好ましいミエローマ細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定な高いレベルの発現を支持し、そしてHAT培地のような培地に感受性である細胞である。これらのうち、好ましいミエローマ細胞株は、the Salk Institute Cell Distribution Center,San Diego, California USAから入手可能なMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍に由来するようなマウスミエローマ株、ならびにアメリカンタイプカルチャーコレクション,Rockville,Maryland USAから入手可能なSP−2細胞である。ヒトミエローマおよびマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株もまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について記載されている[Kozbor,J.Immunol.133:3001(1984);Brodeurら,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51−63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987)]。
ハイブリドーマ細胞が増殖している培養培地は、TIEリガンドホモログに対して指向されるモノクローナル抗体の産生についてアッセイされる。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降剤あるいはラジオイムノアッセイ(RIA)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)のようなインビトロ結合アッセイにより決定される。
このモノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonおよびPollard,Anal.Biochem.107:220(1980)のスキャッチャード分析によって決定され得る。
所望の特異性、親和性、および/または活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定した後、そのクローンは、限界希釈手順によってサブクローニングされ、そして標準的方法によって増殖され得る。Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,pp.59−104(Academic Press,1986)。この目的に適切な培養培地には、例えば、ダルベッコの改変イーグル培地またはRPMI−1640培地が挙げられる。さらに、ハイブリドーマ細胞は、動物における腹水腫瘍のようにインビボで増殖され得る。
このサブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えば、プロテインA−Sepharose、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィーのような従来の免疫グロブリン精製手順によって、培養培地、腹水液、または血清から適切に分離される。
本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離され、そして配列決定される。本発明のハイブリドーマ細胞を、このようなDNAの好ましい供給源として用いる。一旦単離すると、DNAは、発現ベクター中に配置され得、このベクターは、次いでそうでなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しないサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはミエローマ細胞のような宿主細胞にトランスフェクトされて、組換え宿主細胞中でのモノクローナル抗体の合成を得る。このDNAはまた、例えば、同種マウス配列の代わりにヒト重鎖および軽鎖定常ドメインでコード配列を置換することによって(Morrisonら,Proc.Natl.Acad.Sci.81,6851(1984))、または非免疫グロブリンポリペプチドについてのコード配列のすべてまたは一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合することによって、改変され得る。このように、本明細書における抗TIEリガンドモノクローナル抗体の結合特異性を有する「キメラ」または「ハイブリッド」抗体が調製される。
代表的には、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインと置換されるか、または本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインと置換されて、本発明のTIEリガンドに対する特異性を有する1つの抗原結合部位および異なる抗原に対する特異性を有するもう1つの抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を生成する。
キメラまたはハイブリッド抗体はまた、架橋剤を含む化学反応を含む、合成タンパク質化学で公知の方法を使用してインビトロで調製され得る。例えば、イムノトキシンは、ジスルフィド交換反応を使用して、またはチオエーテル結合を形成することによって、構築され得る。この目的に適切な試薬の例には、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデートが挙げられる。
診断適用のために、本発明の抗体は、代表的には、検出可能部分を用いて標識される。この検出可能部分は、直接的または間接的のいずれかで、検出可能シグナルを産生し得る任意の部分であり得る。例えば、この検出可能部分は、3H、14C、32P、35S、または125Iのような放射性同位元素、フルオレセンイソチオシアネート、ローダミン、またはルシフェリンのような蛍光または化学発光化合物;ビオチン;例えば、125I、32P、14C、または3Hのような放射性同位元素標識、あるいは、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、または西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素であり得る。
抗体を検出可能部分に別々に結合するための当該技術分野で公知の任意の方法が用いられ得、これには、Hunterら,Nature 144:945(1962);Davidら,Biochemistry 13:1014(1974);Painら,J.Immunol.Meth.40:219(1981);およびNygren,J.Histochem.and Cytochem.30:407(1982)に記載の方法が挙げられる。
本発明の抗体は、競合結合アッセイ、直接および間接サンドイッチアッセイ、ならびに免疫沈降アッセイのような、任意の公知のアッセイ方法で用いられ得る。Zola,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,pp.147−158(CRC Press,Inc.,1987)。
競合結合アッセイは、標識された標準(TIEリガンドホモログまたはその免疫学的反応性部分であり得る)が、限定された量の抗体との結合についてテスト試料分析物(TIEリガンド)と競合する能力に依存する。テスト試料中のTIEリガンドホモログの量は、抗体に結合するようになる標準の量に反比例する。結合するようになる標準の量を決定することを容易にするために、抗体は、一般に、競合前または後に不溶化され、そのため抗体に結合される標準および分析物は、結合しないままの標準および分析物から簡便に分離され得る。
サンドイッチアッセイは、2つの抗体の使用を含み、それぞれは、検出されるタンパク質の異なる免疫原性部分、またはエピトープに結合し得る。サンドイッチアッセイでは、テスト試料分析物は、固体支持体上に固定されている第一の抗体によって結合され、その後第二の抗体がその分析物に結合し、したがって不溶性3部分複合体を形成する。DavidおよびGreene,米国特許第4,376,110号。この第二の抗体は、それ自体が検出可能部分で標識され得るか(直接的サンドイッチアッセイ)、または検出可能部分で標識される抗免疫グロブリン抗体を使用して測定され得る(間接的サンドイッチアッセイ)。例えば、サンドイッチアッセイの1つのタイプは、ELISAアッセイであり、この場合、検出可能部分は酵素である。
非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該技術分野で周知である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源から導入される1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「移入(import)」残基といわれ、これは代表的には、「移入」可変ドメインから採用される。ヒト化は、本質的に、ヒト抗体の対応する配列で齧歯類CDRまたはCDR配列を置換することによる、Winterおよび共同研究者[Jonesら,Nature 321,522−525(1986);Riechmannら,Nature 332,323−327(1988);Verhoeyenら,Scinece 239,1534−1536(1988)]の方法に従って行われ得る。したがって、このような「ヒト化」抗体は、キメラ抗体であり(Cabilly,前出)、ここで、インタクトなヒト可変ドメインより実質的に少ないものが、非ヒト種からの対応する配列によって置換されている。実際に、ヒト化抗体は、代表的には、いくつかのCDR残基およびおそらくいくつかのFR残基が、齧歯類抗体における類似部位由来の残基によって置換されているヒト抗体である。
抗体が、抗原についての高い親和性および他の好ましい生物学的特性を保持しながらヒト化されることは重要である。この目的を達成するために、好ましい方法にしたがって、ヒト化抗体は、親およびヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列および種々の概念上のヒト化産物の分析のプロセスによって調製される。モデル中の三次元免疫グロブリンは、一般に利用可能であり、そして当業者は熟知している。選択された候補免疫グロブリン配列の有望な三次元コンホメーション構造を例示および提示するコンピュータプログラムは、利用可能である。これらの提示の検査は、候補免疫グロブリン配列の機能性における残基の可能性のある役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンがその抗原を結合する能力に影響を及ぼす残基の分析を可能にする。この方法で、FR残基が、標的抗原に対する増加した親和性のような所望の抗体特性が達成されるように、コンセンサスおよび移入配列から選択され、そして組み合わせられ得る。一般に、CDR残基は、抗原結合に影響を及ぼすことに、直接的およびほとんど実質的に関与する。
あるいは、免疫の際に、内因性免疫グロブリン産生の不在下でヒト抗体の完全レパートリーを産生し得る、トランスジェニック動物(例えば、マウス)を産生することが、今や可能である。例えば、キメラおよび生殖細胞系変異マウスにおける抗体重鎖J領域(JH)遺伝子のホモ接合欠損が、内因性抗体産生の完全阻害を生じることが記載されている。このような生殖細胞系変異マウスへのヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子アレイの移入は、抗原チャレンジの際のヒト抗体の産生を生じる。例えば、Jakobovitsら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 90,2551−255(1993);Jakobovitsら,Nature 362,255−258(1993)を参照のこと。
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する、モノクローナル、好ましくはヒトまたはヒト化、抗体である。本発明の場合では、結合特異性の1つは、特定のTIEリガンドに対してであり、他方は、任意の他の抗原に対してであり、そして好ましくはもう1つのリガンドに対してである。例えば、2つの異なるTIEリガンドホモログを特異的に結合する二重特異性抗体は、本発明の範囲内である。
二重特異性抗体を作成する方法は、当該技術分野で公知である。
伝統的には、二重特異性抗体の組換え産生は、2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づき、ここでこの2つの重鎖は異なる特異性を有する(MillsteinおよびCuello,Nature 305,537−539(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖のランダム類別のため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、1つのみが正しい二重特異性構造を有する、10の異なる抗体分子の潜在的混合物を産生する。アフィニティークロマトグラフィー工程によって通常行われる、正しい分子の精製は、むしろ煩わしく、そして産物収量は低い。類似の手順が、PCT出願公開公報第WO 93/08829号(1993年5月13日に公開)およびTrauneckerら,EMBO 10,3655−3659(1991)に開示される。
異なるおよびより好ましいアプローチよれば、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)は、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合される。この融合物は、好ましくは、免疫グロブリン重鎖定常ドメインを有し、ヒンジの少なくとも一部、および免疫グロブリン重鎮の第2および第3の定常領域(CH2およびCH3)を含む。この融合物の少なくとも1つに存在する軽鎖結合に必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合物、および所望であれば、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAは、別々の発現ベクターに挿入され、そして適切な宿主生物に同時トランスフェクトされる。これは、構築に使用される3つのポリペプチド鎖の不同の比が最適収量を提供する場合の実施態様では、3つのポリペプチドフラグメントの相互の割合を調節することに、非常に柔軟性を提供する。しかし、少なくとも2つのポリペプチド鎖の等しい比での発現が、高い収量を得る場合、または比が特に重要ではない場合、1つの発現ベクター中に、2つまたは3つすべてのポリペプチド鎖についてのコード配列を挿入することが可能である。このアプローチの好ましい実施態様では、二重特異性抗体は、1つのアームにおける第1の結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、および他のアームにおける(第2の結合特性を提供する)ハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対から構成される。二重特異性分子の半分のみにおける免疫グロブリン軽鎖の存在が分離の容易な方法を提供するので、この非対称構造が、望ましくない免疫グロブリン鎖の組み合わせから、所望の二重特異性化合物の分離を容易にすることを見いだした。
二重特異性抗体を生成することのさらに詳細については、例えば、Sureshら,Methods in Enzymology 121,210(1986)を参照のこと。
用語「ダイアボディ」とは、2つの抗原結合部位を有する小抗体フラグメントをいい、このフラグメントは同じポリペプチド鎖中に軽鎖可変ドメイン(VL
に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む(VH−VL)。短すぎて同じ鎖における2つのドメイン間の対形成ができないリンカーを使用することによって、このドメインは、もう1つの鎖の相補ドメインと対形成させ、そして2つの抗原結合部位を生成する。ダイアボディは、例えば、EP 404,097;WO 93/11161;およびHollingerら,Proc.Natl.Acad.Sci USA,90:6444−6448(1993)に、より十分に記載される。
「単離された」抗体は、単離されたポリペプチドについて本明細書中上記で提供される定義と同様に定義される。詳細には、「単離された」抗体は、その天然環境の成分から同定および分離および/または回収されたものである。その天然環境の夾雑成分は、抗体についての診断または治療使用を妨害する物質であり、そして酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質が挙げられ得る。好ましい実施態様では、抗体は、(1)Lowry方法によって決定される場合95%重量を越える抗体、および最も好ましくは99%重量を越えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターの使用によってN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るために十分な程度まで、または(3)クーマシーブルーまたは好ましくは銀染色を使用して還元または非還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性まで、精製される。抗体の天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないので、単離された抗体は、組換え細胞内でのインサイチュでの抗体を含む。しかし、通常、単離された抗体は、少なくとも1つの精製工程によって調製される。
本明細書で使用される場合、用語「標識」とは、「標識された」抗体を生成するように抗体に直接的または間接的に結合体化される検出可能な化合物または組成物をいう。この標識は、それ自体によって検出可能であり得るか(例えば、放射性同位元素標識または蛍光標識)、または酵素的標識の場合には、検出可能である基質化合物または組成物の化学変更を触媒し得る。
「固相」とは、本発明の抗体が付着し得る非水性マトリクスを意味する。本明細書において含まれる固相の例は、ガラス(例えば、制御された孔ガラス)、多糖類(例えば、アガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、およびシリコーンから部分的または全体が形成されるものを含む。ある実施態様では、状況に依存して、その固相は、アッセイプレートのウェルを含み得;他では、固相は精製カラム(例えば、アフィニティークロマトグラフィーカラム)である。この用語はまた、米国特許第4,275,149号に記載のような別々の粒子の不連続固相を含む。
「リポソーム」は、哺乳動物への薬物(例えば、本明細書で開示される抗ErbB2抗体、および必要に応じて、化学療法剤)の送達に有用である、種々のタイプの脂質、リン脂質、および/または界面活性剤から構成される小胞である。リポソームの成分は、生物学的膜の脂質配置に類似の、二層形成で一般に配置される。
抗体「アゴニスト」および「アンタゴニスト」は、上で定義されるとおりである。
ヘテロ結合体抗体はまた、本発明の範囲内である。ヘテロ結合体抗体は、2つの共有結合した抗体から構成される。このような抗体は、例えば、望ましくない細胞に免疫系細胞を標的するため(米国特許第4,676,980号)、およびHIV感染の処置のために(PCT出願公開公報第WO 91/00360号および第WO 92/200373号;EP 03089)提案されている。ヘテロ結合体抗体は、任意の便利な架橋方法を使用して作製され得る。適切な架橋剤は当該技術分野で周知であり、そして多くの架橋技術とともに米国特許第4,676,980号に開示される。
「単鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを含み、ここでこれらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、VHおよびVLドメイン間にポリペプチドリンカーをさらに含み、このことはsFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。sFvの総説については、Pluckthun、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,113巻,RosenburgおよびMoore編,Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照のこと。
(C.TIEリガンドホモログのクローニングおよび発現)
本発明の文脈では、表現「細胞」、「細胞株」、および「細胞培養物」は、交換可能に使用され、そしてすべてのこのような名称は子孫を含む。すべての子孫が、故意のまたは偶然の変異のため、DNA含量が正確に同一であり得ないことも理解される。最初の形質転換された細胞についてスクリーニングした場合に、同じ機能または生物学的特性を有する変異体子孫が、含まれる。
用語「複製可能な発現ベクター」および「発現ベクター」とは、一片の外来DNAを挿入され得る、通常二本鎖の、一片のDNAをいう。外来DNAは、異種DNAと定義され、これは、宿主細胞中に天然に見いだされないDNAである。このベクターは、適切な宿主細胞に外来または異種DNAを輸送するために使用される。一旦宿主細胞にはいると、ベクターは、宿主染色体DNAから独立して複製し得、そしてベクターおよびその挿入された(外来)DNAのいくつかのコピーが生成され得る。さらに、このベクターは、外来DNAをポリペプチドに翻訳することを可能にするのに必要なエレメントを含む。したがって、外来DNAによってコードされるポリペプチドの多くの分子は、迅速に合成され得る。
発現およびクローニングベクターは、当該技術分野で周知であり、そして1つ以上の選択された宿主細胞中でベクターが複製することを可能にする核酸配列を含む。適切なベクターの選択は、1)DNA増幅またはDNA発現に使用されるべきかどうか、2)ベクターに挿入されるべきDNAのサイズ、および3)ベクターで形質転換されるべき宿主細胞、に依存する。各ベクターは、その機能(DNAの発現、DNAの増幅)および適合可能である宿主細胞に依存して、種々の成分を含む。ベクター成分は、一般に、1つ以上の以下のものを含むが、これらに限定されない:シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、および転写終結配列。
((i)シグナル配列成分)
一般に、シグナル配列は、ベクターの成分であり得るか、またはベクターに挿入されるTIEリガンド分子の一部であり得る。シグナル配列が異種であるならば、宿主細胞によって認識およびプロセシング(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断)されるように選択されるべきである。
原核生物宿主細胞に適切な異種シグナル配列は、好ましくは、α−アミラーゼ、ompA、ompC、ompE、ompF、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lpp、または熱安定性エンテロトキシンIIのリーダーのような、原核生物シグナル配列である。酵母分泌については、例えば、酵母インベルターゼ、アミラーゼ、α因子、または酸性ホスファターゼのリーダーが使用され得る。哺乳動物細胞発現では、哺乳動物シグナル配列が最も適切である。列挙したシグナル配列は、例示のためのみであり、そしていかなるようにも本発明の範囲を限定しない。
((ii)複製起点成分)
発現ベクターおよびクローニングベクターの両方とも、1つ以上の選択された宿主細胞においてベクターが複製することを可能にした核酸配列を含む。一般に、クローニングベクターでは、この配列は、ベクターが宿主染色体から独立して複製することを可能にする配列であり、そして複製起点または自律複製する配列を含む。このような配列は、種々の細菌、酵母、およびウイルスにとって周知である。周知のプラスミドpBR322由来の複製起点は、ほとんどのグラム陰性菌に適切であり、酵母についての2μプラスミド起点および種々のウイルス起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、またはBPV)は、哺乳動物細胞におけるクローニングベクターにとって有用である。複製起点は、哺乳動物発現ベクターに必要ではない(SV40起点は、代表的には、単に初期プロモーターを含むので、使用され得る)。ほとんどの発現ベクターは、「シャトル」ベクターであり、すなわち、これらは、少なくとも1つのクラスの生物で複製し得るが、発現のために他の生物にトランスフェクトされ得る。例えば、ベクターはE.coliにクローニングされ、次いで同じベクターが、たとえ宿主細胞染色体から独立して複製し得ないとしても、発現のために酵母または哺乳動物細胞にトランスフェクトされる。
DNAはまた、宿主ゲノムへの挿入によってクローニングされる。これは、例えば、BacillusゲノムDNAで見いだされる配列に相補的であるDNA配列をベクターに含むことによって、宿主としてBacillus種を使用して、容易に達成される。このベクターでのBacillusのトランスフェクションは、ゲノムとの相同組換えおよび所望の異種ポリペプチドをコードするDNAの挿入を生じる。しかし、制限酵素切断が、コードされたポリペプチド分子を切り出すために必要とされるので、ゲノムDNAの回収は、外因性の複製されたベクターの回収よりも複雑である。
((iii)選択遺伝子成分)
発現およびクローニングベクターは、選択可能マーカーとも称する、選択遺伝子を含むべきである。これは、このベクターで形質転換した宿主細胞の生存または増殖に必要なタンパク質をコードする遺伝子である。この遺伝子の存在は、そのベクターを欠失する宿主細胞が、形質転換した宿主よりも増殖または再生で全く有利点を得ないことを確実にする。代表的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他のトキシン、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、またはテトラサイクリンに対する耐性を与えるか、(b)栄養要求性の欠損を相補するか、または(c)複合培地から利用可能でない重要な栄養を供給する(例えば、バチルス属についてのD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子)、タンパク質をコードする。
選択スキームの1つの例は、宿主細胞の増殖を停止するために薬物を利用する。異種遺伝子でうまく形質転換される細胞は、薬物耐性を与えるタンパク質を発現し、したがって選択レジメを生存する。このような優性選択の例は、薬物ネオマイシン[Southernら,J.Molec.Appl.Genet.1,327(1982)]、ミコフェノール酸[Mulliganら,Science 209,1422(1980)]、またはハイグロマイシン[Sudgenら,Mol.Cel.Biol.5,410−413(1985)]を使用する。上記の3つの例は、それぞれ、適切な薬物G418またはネオマイシン(ゲネチシン)、xgpt(ミコフェノール酸)、あるいはハイグロマイシンに対する耐性を与えるために真核生物制御下で細菌遺伝子を用いる。
哺乳動物細胞に適切な選択可能マーカーの他の例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはチミジンキナーゼである。このようなマーカーは、所望の核酸を取り込むためにコンピテントであった細胞の同定を可能にする。哺乳動物細胞の形質転換体は、形質転換体のみが、そのマーカーを取り込んでいることによって生存するために独特に適合される選択圧下に、配置される。選択圧は、培地中の選択薬剤の濃度がうまく変化する条件下で形質転換体を培養することによって課され、それによって、選択遺伝子および所望のポリペプチドをコードするDNAの両方の増幅を導く。増幅は、増殖に重要なタンパク質の産生について非常に需要がある遺伝子が、染色体内で協調して組換え細胞のうまくいった生成を繰り返すプロセスである。所望のポリペプチドの増加した量は、増幅したDNAから合成される。
例えば、DHFR選択遺伝子で形質転換した細胞は、ヒポキサンチン、グリシン、およびチミジンを含まない培養培地中で、すべての形質転換体を培養することによって、最初に同定される。この場合に適切な宿主細胞は、DHFR活性を欠失するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株であり、UrlaubおよびChasin,Proc.Nat’l.Acad.Sci USA 77、4216(1980)に記載のように調製および増殖される。特に有用なDHFRは、MTX(EP 117,060)に非常に耐性である、変異DHFRである。この選択薬剤は、内因性DHFRの存在にもかかわらず、他の適切な任意の宿主、例えば、ATCC No.CCL61 CHO−K1を用いて使用され得る。次いで、DHFRおよび所望のポリペプチドをコードするDNAは、それぞれ、DHFRを不活化する薬剤(メトトレキサート、またはMTX)への曝露によって増幅される。細胞が、常により多量のMTX濃度の連続したラウンドにおいて増殖し得る細胞についてのみ選択することによって、より多くのDHFRを必要とする(そして結果としてすべての外因性DNAを増幅する)ことを確実にする。あるいは、所望のポリペプチド、野生型DHFR、およびneo遺伝子のようなもう1つの選択可能マーカーをコードする遺伝子で同時形質転換した宿主は、G418のような選択可能マーカーについての選択薬剤を使用して同定され得、次いで内因性DHFRを含む野生型宿主中でメトトレキサートを使用して選択および増幅され得る(米国特許第4,965,199号も参照のこと)。
酵母における使用に適切な選択遺伝子は、酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である(Stinchcombら,1979,Nature 282:39;Kingsmanら,1979,Gene 7:141;またはTschemperら,1980,Gene 10:157)。trp1遺伝子は、トリプトファン中で増殖する能力のない酵母の変異体株、例えば、ATCC No.44076、またはPEP4−1(Jones,1977,Genetics 85:12)についての選択マーカーを提供する。次いで、酵母宿主細胞ゲノム中のtrp1障害の存在は、トリプトファンの不在下での増殖による、形質転換体を検出するために効果的な環境を提供する。同様に、Leu2欠失酵母株(ATCC 20,622または38,626)は、Leu2遺伝子を有する公知のプラスミドによって相補される。
((iv)プロモーター成分)
発現ベクターは、クローニングベクターとは異なって、宿主生物によって認識されそして所望のポリペプチドをコードする核酸に作動可能に連結されるプロモーターを含むべきである。プロモーターは、その制御下で核酸の転写および翻訳を制御する、構造遺伝子(一般に約100〜1000bp以内)の開始コドンから上流に位置する非翻訳配列である。これらは、代表的には、2つのクラス、誘導性および構成性に分かれる。誘導性プロモーターは、培養条件のいくつかの変化、例えば、栄養の存在または不在あるいは温度変化に応じて、その制御下でDNAからの転写のレベルの増加を開始するプロモーターである。この時、種々の可能性のある宿主細胞によって認識される多数のプロモーターが周知である。これらのプロモーターは、制限酵素切断によって起源の遺伝子から取り出され、次いで発現されるべきポリペプチドについての開始コドンの5’への挿入によって、所望のポリペプチドをコードするDNAに作動可能に連結される。これは、TIEリガンドについてのゲノムプロモーターが使用可能ではないことをいうのではない。しかし、異種プロモーターは、一般に、天然のままのTIEリガンドプロモーターと比較した場合、発現したTIEリガンドホモログのより大きい転写および高い収量を生じる。
原核生物宿主との使用に適切なプロモーターには、β−ラクタマーゼおよびラクトースプロモーター系(Changら,Nature 275:615(1978);およびGoeddelら,Nature 281:544(1979))、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel,Nucleic Acids Res.8:4057(1980)および欧州特許出願公開公報第36,776号)、およびtacプロモーターのようなハイブリッドプロモーター(H.de Boerら,Proc.Nat’l.Acad.Sci USA 80:21−25(1983))が挙げられる。しかし、他の公知の細菌プロモーターが適切である。それらのヌクレオチド配列は公開されており、それによって、当業者は、任意の必要とされる制限部位を供給するためにリンカーまたはアダプターを使用してTIEリガンドをコードするDNAに作動可能に連結することを可能にする(Siebenlistら,Cell 20:269(1980))。細菌系での使用のためのプロモーターはまた、TIEリガンドをコードするDNAに作動可能に連結されるシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列を含む。
酵母宿主との使用に適切なプロモーター配列には、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzemanら J.Biol.Chem.255:2073(1980))または他の解糖系酵素(例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼ)(Hessら,J.Adv.Enzyme Reg.7:149(1978);およびHolland,Biochemistry 17:4900(1978))のプロモーターが挙げられる。
増殖条件によって制御される転写のさらなる有利点を有する誘導性プロモーターである、他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関連する分解酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ならびにマルトースおよびガラクトース利用に応答する酵素についてのプロモーター領域である。酵母発現における使用に適切なベクターおよびプロモーターは、さらに、R.Hitzemanら,EP 73,657Aに記載される。酵母エンハンサーもまた、酵母プロモーターとともに有利に使用される。
プロモーター配列は、真核生物について公知である。実際には、すべての真核生物遺伝子は、転写が開始される部位から約25〜30塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写の開始から70〜80塩基上流に見いだされるもう1つの配列は、CXCAAT領域であり、ここでXは任意のヌクレオチドであり得る。ほとんどの真核生物遺伝子の3’末端にはコード配列の3’末端へのポリAテイルの付加のためのシグナルであり得るAATAAA配列が存在する。これらの配列のすべては、哺乳動物発現ベクターに適切に挿入される。
哺乳動物宿主細胞におけるベクターからのTIEリガンド転写は、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス(1989年7月5日に公開された英国特許2,211,504)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2型)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスのようなウイルス、および最も好ましくはシミアンウイルス40(SV40)のゲノムから、異種哺乳動物プロモーター、例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーターから、熱ショックプロモーターから、ならびにこのようなプロモーターが宿主細胞系と適合可能であるならば、TIEリガンド配列に通常付随するプロモーターから、得られるプロモーターによって制御され得る。
SV40ウイルスの初期プロモーターおよび後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点もまた含むSV40制限フラグメントとして便利に得られる[Fiersら、Nature 273:113(1978)、MulliganおよびBerg,Science 209,1422−1427(1980);Pavlakisら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 78,7398−7402(1981)]。ヒトサイトメガロウイルスの前初期プロモーターは、HindIII E制限フラグメントとして便利に得られる[Greenawayら,Gene 18,355−360(1982)]。ベクターとしてウシパピローマウイルスを使用する哺乳動物宿主中でDNAを発現するための系は、米国特許第4,419,446号に開示される。この系の改変は、米国特許第4,601,978号に記載される。サル細胞中でヒト免疫インターフェロンをコードするcDNAを発現することにおいては、Grayら,Nature 295,503−508(1982);単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下で、マウス細胞におけるヒトβ−インターフェロンcDNAを発現することにおいてはReyesら,Nature 297,598−601(1982);培養したマウス細胞およびウサギ細胞におけるヒトインターフェロンβ1遺伝子の発現においてはCanaaniおよびBerg、Proc.Natl.Acad.Sci USA 79,5166−5170(1982);ならびにプロモーターとしてラウス肉腫ウイルス長末端反復を使用するCV−1サル腎臓細胞、ニワトリ胚線維芽細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、およびマウスNIH−3T3細胞における細菌CAT配列の発現においてはGormanら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 79,6777−6781(1982)も参照のこと。
(v)エンハンサーエレメント成分
高等真核生物による本発明のTIEリガンドホモログをコードするDNAの転写は、しばしば、ベクターにエンハンサー配列を挿入することによって増加する。エンハンサーは、その転写を増加させるためにプロモーターで作用する、通常約10〜300bpのDNAのシス作用性エレメントである。エンハンサーは、転写ユニットに対して5’[Laiminsら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 78,993(1981)]および3’[Laskyら,Mol.Cel.Biol.3,1108(1983)]、イントロン内[Banerjiら,Cell 33,729(1983)]ならびにコード配列自体内[Osborneら,Mol.Cel.Biol.4,1293(1984)]に見いだされており、比較的配向性および位置非依存性である。多くのエンハンサー配列は、現在は、哺乳動物遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン、およびインスリン)由来で公知である。しかし、代表的には、真核生物細胞ウイルスからのエンハンサーを使用する。例としては、複製起点の後ろ側におけるSV40エンハンサー(bp100〜270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後ろ側におけるポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。真核生物プロモーターの活性化のためのエレメントを増強することにおいてはYaniv、Nature 297,17−18(1982)も参照のこと。エンハンサーは、TIEリガンドDNAの5’または3’の位置でベクターにスプライスされ得るが、好ましくは、プロモーターから5’の部位に位置する。
(vi)転写終結成分
真核生物宿主細胞(酵母、真菌類、昆虫、植物、動物、ヒト、または他の多細胞生物由来の有核細胞)で使用される発現ベクターはまた、転写の終結およびmRNAを安定化するために必要な配列を含む。このような配列は、真核生物またはウイルスDNAまたはcDNAの5’および時には3’非翻訳領域から一般に利用可能である。これらの領域は、TIEリガンドをコードするmRNAの非翻訳部分においてポリアデニル化フラグメントとして転写されたヌクレオチドセグメントを含む。3’非翻訳領域はまた、転写終結部位を含む。
上記の成分、所望のコード配列および制御配列の1つ以上を含む適切なベクターの構築は、標準的ライゲーション技術を用いる。単離したプラスミドまたはDNAフラグメントは、切断され、適合させられ、そして必要とされるプラスミドを生成することが所望される形態に再ライゲートされる。
構築したプラスミドにおいて正確な配列を確認するための分析のために、ライゲーション混合物は、E.coli K12株294(ATCC 31,446)を形質転換するために使用され、そして成功した形質転換体は、適切であるアンピシリン耐性またはテトラサイクリン耐性によって選択される。形質転換体からのプラスミドは、調製され、制限エンドヌクレアーゼ消化によって分析され、および/またはMessingら,Nucleic Acids Res.9,309(1981)の方法によってか、またはMaxamら,Methods in Enzymology 65,499(1980)の方法によって配列決定される。
TIEリガンドをコードするDNAの哺乳動物細胞における一過性発現を提供する発現ベクターは、本発明の実施に特に有用である。一般に、一過性発現は、宿主細胞に効率的に複製し得る発現ベクターの使用を含み、そのため、宿主細胞は、発現ベクターの多くのコピーを蓄積し、次に、発現ベクターによってコードされる高いレベルの所望のポリペプチドを合成する。適切な発現ベクターおよび宿主細胞を含む一過性の系は、クローンDNAによってコードされるポリペプチドの便利な陽性同定、ならびに所望の生物学的または生理学的特性についてのこのようなポリペプチドの迅速なスクリーニングを可能にする。したがって、一過性発現系は、TIEリガンドのアナログおよび改変体を同定する目的のために、本発明で特に有用である。
組換え脊椎動物細胞培養物におけるTIEポリペプチドの合成への適合に適切な他の方法、ベクター、および宿主細胞は、Gettingら,Nature 293,620−625(1981);Mantelら,Nature 281,40−46(1979);Levinsonら;EP 117,060およびEP 117,058に記載される。TIEリガンドポリペプチドの哺乳動物細胞培養物発現に特に有用なプラスミドは、pRK5(EP 307,247)、その他に、sp6転写開始部位、次いでXho/NotII cDNAクローニング部位の前にSfiI制限酵素部位を有するpRK5D、およびSfiI部位を含まないpRK5Dの前駆体のpRK5Bのような、pRK5の誘導体である;Holmesら,Science 253,1278−1280(1991)を参照のこと。
(vii)ベクターの構築および分析
1つ以上の上記の成分を含む適切なベクターの構築は、標準的なライゲーション技術を用いる。単離されたプラスミドまたはDNAフラグメントは、切断され、適合させられ、そして必要とされるプラスミドを生成することが所望される形態に再ライゲートされる。
構築したプラスミドにおいて正確な配列を確認するための分析のために、ライゲーション混合物は、E.coli K12株294(ATCC 31,446)を形質転換するために使用され、そして成功した形質転換体は、適切であるアンピシリンまたはテトラサイクリン耐性によって選択される。形質転換体からのプラスミドは、調製され、制限エンドヌクレアーゼ消化によって分析され、および/またはMessingら,Nucleic Acids Res.9,309(1981)の方法によってか、またはMaxamら,Methods in Enzymology 65,499(1980)の方法によって配列決定される。
(viii)一過性発現ベクター
TIEリガンドをコードするDNAの哺乳動物細胞における一過性発現を提供する発現ベクターは、本発明の実施に特に有用である。一般に、一過性発現は、宿主細胞で効率的に複製し得る発現ベクターの使用を含み、そのため、宿主細胞は、発現ベクターの多くのコピーを蓄積し、次に、発現ベクターによってコードされる高いレベルの所望のポリペプチドを合成する。Sambrookら,前出,16.17−16.22頁。適切な発現ベクターおよび宿主細胞を含む一過性発現系は、所望の生物学的特性または生理学的特性についてのこのようなポリペプチドの便利なポジティブスクリーニングを可能にする。したがって、一過性発現系は、必要な生物学的活性を有する天然のTIEリガンドホモログのアナログおよび改変体を同定する目的のために、本発明で特に有用である。
(ix)適切な例示的脊椎動物細胞ベクター
組換え脊椎動物細胞培養物におけるTIEリガンド(天然のタンパク質の機能的誘導体を含む)の合成への適合に適切な他の方法、ベクター、および宿主細胞は、Gethingら,Nature 293,620−625(1981);Manteiら,Nature 281,40−46(1979);Levinsonら;EP 117,060およびEP 117,058に記載される。TIEリガンドの哺乳動物細胞培養物発現に特に有用なプラスミドは、pRK5(EP 307,247)またはpSV16B(PCT公開公報第WO 91/08291号)である。
本発明のベクターをクローニングまたは発現するために適切な宿主細胞は、上記の原核生物、酵母、または高等真核生物細胞である。適切な原核生物には、グラム陰性またはグラム陽性生物、例えば、E.coliまたはバチルス属が挙げられる。好ましいクローニング宿主は、E.coli 294(ATCC 31,446)であるが、E.coli B、E.coli X1776(ATCC 31,537)、E.coli W3110(ATCC 27,325)、Pseudomonas種またはSerratia Marcesansのような他のグラム陰性またはグラム陽性原核生物が適切である。
原核生物の他に、糸状真菌または酵母のような真核生物微生物は、本発明のベクターに適切な宿主である。Saccharomyces cerevisiaeまたは一般のパン酵母は、下等真核生物宿主微生物のうちで最も一般に使用される。しかし、多くの他の属、種、および株は一般に利用可能であり、そして本発明で有用であり、例えば、S.pombe[BeachおよびNurse,Nature 290,140(1981)]、Kluyveromyces lactis[Louvencourtら,J.Bacteriol.737(1983)];yarrowia(EP 402,226);Pichia pastoris(EP 183,070)、Trichoderma reesia(EP 244,234)、Neurospora crassa[Caseら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 76,5259−5263(1979)];およびA.nidulans[Ballanceら,Biochem.Biophys.Res.Commun.112,284−289(1983);Tilburnら,Gene 26,205−221(1983);Yeltonら,Proc.Natl.Acad.Sci USA 81,1470−1474(1984)]およびA.niger[KellyおよびHynes,EMBO J.4,475−479(1985)]のようなAspergillus宿主である。
適切な宿主細胞はまた、多細胞生物に由来し得る。このような宿主細胞は、複雑なプロセシングおよびグリコシル化活性を行い得る。原則として、脊椎動物または無脊椎動物のいずれかからの、任意の高等真核生物培養物は作動可能であるが、ヒトのような哺乳動物からの細胞が好ましい。無脊椎動物の例には、植物および昆虫細胞が挙げられる。多くのバキュロウイルス株および改変体およびSpodoptera frugiperda(イモムシ)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila melangaster(ショウジョウバエ)、およびBombyx mori宿主細胞のような宿主由来の対応する許容昆虫宿主細胞が同定されている。例えば、Luckowら、Bio/Technology 6,47−55(1988);Millerら,Genetic Engineering,Setlow,J.K.ら、(編) 第8巻(Plenum Publishing,1986),277−279頁;およびMaedaら,Nature 315,592−594(1985)を参照のこと。種々のこのようなウイルス株は、例えば、Autographa californica NPVのL−1改変体は、公に利用可能であり、そしてこのようなウイルスは、本発明による本発明のウイルスとして、特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために使用され得る。
一般に、植物細胞は、細菌Agrobacterium tumefaciensの特定の株(TIEリガンドDNAを含むように既に操作されている)とのインキュベーションによってトランスフェクトされる。A.tumefaciensとの植物細胞培養物のインキュベーション中、TIEリガンドをコードするDNAは、トランスフェクトされるように植物細胞宿主に移入され、そして適切な条件下で、TIEリガンドDNAを発現する。さらに、ノパリンシンターゼプロモーターおよびポリアデニル化シグナル配列のような植物細胞と適合可能な調節およびシグナル配列は、利用可能である。Depickerら,J.Mol.Appl.Gen.1,561(1982)。さらに、T−DNA 780遺伝子の上流領域から単離されたDNAセグメントは、組換えDNA含有植物組織において植物発現可能遺伝子の転写レベルを活性化または増加し得る。1989年6月21日に公開されたEP 321,196を参照のこと。
しかし、脊椎動物細胞が最も興味深く、そして培養物(組織培養物)中での脊椎動物細胞の増殖はそれ自体周知である。Tissue Culture,Academic Press,KruseおよびPatterson編(1973)を参照のこと。有用な哺乳宿主細胞株の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓細胞株[293細胞または、懸濁培養物中の増殖のためにサブクローニングした293細胞、Grahamら,J.Gen.Virol.36,59(1977)];ベビーハムスター腎臓細胞9BHK(ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR[CHO、UrlaubおよびChasin,Proc.Natl.Acad.Sci USA 77,4216(1980)];マウスセルトリ細胞[TM4、Mather,Biol.Reprod.23,243−251(1980)];サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587);ヒト子宮頚部ガン腫細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞[Matherら,Annals N.Y.Acad.Sci.383,44068(1982)];MRC 5細胞;FS4細胞;およびヒト肝ガン細胞株(Hep G2)である。好ましい宿主細胞は、ヒト胚腎臓293およびチャイニーズハムスター卵巣細胞である。
本発明の目的に特に好ましい宿主細胞は、本発明のTIEリガンドホモログを産生する脊椎動物細胞である。
宿主細胞は、トランスフェクトされ、そして好ましくは上記の発現またはクローニングベクターで形質転換され、そしてプロモーターを誘導するかまたは増幅した遺伝子を含む形質転換体を選択するために適切であるように改変された従来の栄養培地中で培養される。
本発明のTIEリガンドホモログを産生するために使用される原核生物細胞は、一般にSambrookら、(前出)に記載のように適切な培地中で培養される。
哺乳動物細胞は、種々の培地中で培養され得る。Ham’s F10(Sigma)、最少必須培地(MEM,Sigma)RPMI−1640(Sigma)、およびダルベッコの改変イーグル培地(DMEM,Sigma)のような市販の培地は、宿主細胞を培養するために適切である。さらに、HamおよびWallace,Meth.Enzymol.58,44(1979);BarnesおよびSato、Anal.Biochem.102,255(1980)、米国特許第4,767,704号;同第4,657,866号;同第4,927,762号;または同第4,560,655号;WO 90/03430;WO 87/00195、または米国特許再発行30,985に記載の培地のいずれかが、宿主細胞のための培養培地として使用され得る。これらの培地のいずれかは、ホルモンおよび/または他の増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、または上皮増殖因子)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸)、緩衝液(例えば、HEPES)、ヌクレオシド(例えば、アデノシンおよびチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシンTM薬物)、微量元素(μモル範囲での最終濃度で通常存在する無機化合物として定義される)、およびグルコースまたは等価のエネルギー源が必要な場合に補充され得る。任意の他の必要な補充物はまた、当業者に公知である適切な濃度で含まれ得る。温度、pHなどのような培養条件は、適切には、場合によっては、クローニングまたは発現のために選択される宿主とともにこれまで使用された条件であり、そして当業者には明らかである。
本開示でいわれる宿主細胞は、インビトロ細胞培養物中の細胞ならびに宿主動物または植物内にある細胞を含む。
本発明のTIEリガンドホモログが、相同組換えによって、または特定のTIEリガンドをコードするDNAを既に含む細胞に導入された制御エレメントを利用する組換え産生方法で、産生され得ることが、さらに想到される。
遺伝子増幅および/または発現は、例えば、本発明で提供される配列に基づく適切に標識されたプローブを使用して便利なサザンブロッティング、mRNAの転写を定量するためのノーザンブロッティング[Thomas,Proc.Natl.Acad.Sci USA 77,5201−5205(1980)]、ドットブロッティング(DNA分析)、またはインサイチュハイブリダイゼーションによって、試料中で直接的に測定され得る。種々の標識が用いられ得、最も一般には、放射性同位体、特に32Pである。しかし、ポリヌクレオチドへの導入のためにビオチン改変化ヌクレオチドを使用するような、他の技術も用いられ得る。次いで、ビオチンは、アビジンまたは抗体に結合するための部位として作用し、これは放射性同位元素、蛍光体、酵素などのような広範な標識で標識され得る。あるいは、DNA二重鎖、RNA二重鎖、およびDNA−RNAハイブリッド二重鎖またはDNA−タンパク質二重鎖を含む、特異的二重鎖を認識し得る抗体が用いられ得る。抗体は、次に、標識され得、そしてアッセイは、二重鎖が表面に結合される場合に行われ得、そのため表面上での二重鎖の形成の際に、その二重鎖に結合した抗体の存在が検出され得る。
あるいは、遺伝子発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量するための、組織切片の免疫組織化学的染色および細胞培養物または体液のアッセイのような、免疫学的方法によって測定され得る。免疫組織化学的染色技術では、細胞試料は、代表的には、脱水および固定、次いで遺伝子産物に特異的な標識された抗体との結合反応によって調製され、ここで、酵素標識、蛍光標識、化学発光標識などのような標識は、通常、可視で検出可能である。本発明での使用に適切な特に感度の高い染色技術は、Hseら,Am.J.Clin.Pharm.75,734−738(1980)に記載される。
試料液体の免疫組織化学的染色および/またはアッセイに有用な抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれかであり得、そして任意の動物で調製され得る。都合よく、その抗体は、本発明の天然のTIEリガンドポリペプチドに対して、または以下にさらに記載されるような本発明で提供されるDNA配列に基づく合成ペプチドに対して、調製され得る。
TIEリガンドホモログは、封入体の形態で宿主細胞中で産生され得るか、あるいはペリプラズム空間または培養培地中に分泌され得、そして、代表的には、宿主細胞溶解物から回収される。組換えリガンドホモログは、安定なタンパク質のその後の形成を考慮して、任意の技術によって精製され得る。
TIEリガンドホモログがヒト起源の細胞以外の組換え細胞で発現される場合、ヒト起源のタンパク質またはポリペプチドを完全に含まない。しかし、リガンドについて実質的に均質である調製物を得るために組換え細胞タンパク質またはポリペプチドからTIEリガンドホモログを精製することが必要である。第1の工程としては、培養培地または溶解物を遠心分離して、粒子状の細胞破砕片を除去する。次いで、膜および可溶性タンパク質画分を分離する。次いで、TIEリガンドホモログは、可溶性タンパク質画分から精製され得る。以下の手順は、適切な精製手順の例である:イムノアフィニティーまたはイオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカでまたはDEAEのような陽イオン交換樹脂でのクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えば、Sephadex G−75を使用するゲル濾過;およびIgGのような夾雑物を除去するためのプロテインA Sepharoseカラム。
残基が欠失、挿入、および/または置換されているTIEリガンドホモログの機能的誘導体は、変更によって生じた特性の任意の実質的変化を考慮して、天然のリガンドと同じ様式で回収される。例えば、TIEリガンドホモログと、もう1つのタンパク質またはポリペプチド、例えば、細菌またはウイルス抗原との融合物は、精製を容易にし;抗原に対する抗体を含むイムノアフィニティーカラムは、融合物を吸着するために使用され得る。ウサギポリクローナル抗TIEリガンドホモログカラムのようなイムノアフィニティーカラムは、少なくとも1つの残っている免疫エピトープに結合することによってTIEリガンドホモログ改変体を吸着するために用いられ得る。フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)のようなプロテアーゼインヒビターはまた、精製中のタンパク質分解を阻害するために有用であり得、そして抗生物質は、偶然の夾雑物の増殖を防ぐために含まれ得る。本発明のTIEリガンドホモログは、TIEレセプター、例えば、TIE−2に結合する能力に基づいて、アフィニティークロマトグラフィーによって便利に精製される。
当業者は、天然のTIEリガンドホモログに適切な精製方法が、改変を必要とし得ること、そしてこのことが組換え細胞培養物中での発現の際に天然のTIEリガンドホモログまたはその改変体の特徴の変化を説明することを理解する。
(D.TIEリガンドホモログ、核酸分子、および抗体の使用)
本発明のTIEリガンドホモログは、細胞培養物においてTIEレセプターを発現する細胞の生存および/または増殖および/または分化を促進することに有用であることが予測される。
TIEリガンドホモログは、天然のTIEレセプターを発現する細胞を同定するためにさらに使用され得る。この目的ために、検出可能に標識されたリガンドを、そのレセプター(TIEレセプター)への結合を可能にする条件下で標的細胞と接触させ、そして結合はモニターされる。
本発明のTIEリガンドホモログはまた、例えば、本発明のTIEリガンドホモログを発現する細胞をテスト分子に曝露すること、そして直接的検出によってまたは二次的生物学的効果に基づいてのいずれかで、テスト分子のTIEレセプターへの特異的結合を検出することによって、TIEリガンドホモログの生物学的活性を提示する分子を同定するために使用され得る。このアプローチは、TIEリガンドファミリーの新しいメンバーを同定するために、あるいはペプチドまたは非ペプチド小分子ライブラリーをスクリーニングするために特に適切である。
本明細書中で開示されたTIEホモログリガンドはまた、骨発生、成熟、もしくは成長に、または筋肉増殖または発育に重要な役割を果たし、および/あるいは血管新生を促進または阻害する、天然のTIEレセプターのアゴニストまたはアンタゴニストを同定するように設計されたスクリーニングアッセイで有用である。例えば、TIEレセプターのアンタゴニストは、例えば、BIAcoreバイオセンサー技術(BIAcore;Pharmacia Biosensor,Midscataway,N.J.)を使用することによって;または本発明の生物学的に活性なTIEリガンドホモログによって引き起こされる生物学的応答をブロックする能力をモニターすることによって、測定されるように、天然のTIEレセプターへの本発明のTIEリガンドホモログの結合をブロックする能力に基づいて同定され得る。モニターされ得る生物学的応答には、例えば、TIEレセプターまたはTIEシグナル伝達経路の下流の成分のリン酸化、あるいは、TIEレセプターを発現する細胞の生存、増殖、または分化が挙げられる。TIEレセプターを発現するようにか、またはTIEレセプターおよび本発明のTIEリガンドホモログを同時発現するように操作された、TIEレセプターを正常に発現しない細胞を利用する細胞ベースのアッセイは、使用に特に便利である。
特定の実施態様では、天然のTIEレセプターの小分子アゴニストおよびアンタゴニストは、TIEリガンド/TIEレセプター相互作用を妨害する能力に基づいて、同定され得る。TIEレセプターへのテスト分子の特異的結合を測定するために多くの方法があり、これには、TIEレセプターを発現するインタクトな細胞の表面に結合したか、細胞溶解物中のTIEレセプターに架橋したか、またはインビトロでTIEレセプターに結合した、テスト分子の量を検出または測定することが含まれるがこれに限定されない。
検出可能に標識されたTIEリガンドホモログには、例えば、放射活性物質、例えば、125I、蛍光物質、酵素活性を有する物質(好ましくは、比色検出に適切な)、酵素のための基質(好ましくは、比色検出に適切な)、または(検出可能に標識された)抗体分子によって認識され得る物質に共有または非共有結合したTIEリガンドホモログが挙げられる。
本発明のアッセイは、1996年4月18日に公開された、PCT公開公報WO 96/11269に記載されるものと類似の方法で行われ得る。
本発明のTIEリガンドホモログはまた、イムノアドヘシン(immunoadhesin)の形態で必要に応じて使用されるTIEレセプターを精製するために有用であり、TIEリガンドまたはそのTIEレセプター結合部分は、免疫グロブリン重鎖または軽鎖定常領域に融合される。
さらに、本発明の新規のTIEリガンドホモログは、新血管形成を促進するために使用され得、そして腫瘍増殖を阻害するために有用であり得る。
更なる潜在的な治療用途としては、筋肉および骨発達、成熟、または増殖の調整が挙げられる。
本発明の核酸分子は、細胞または組織切片においてTIEリガンドホモログの発現を検出することに有用である。細胞または組織切片は、ハイブリダイズ条件下で本発明のTIEリガンドをコードする検出可能に標識された核酸分子と接触され得、そして核酸分子にハイブリダイズしたmRNAの存在を決定し、それによってTIEリガンドの発現を検出する。
本発明の抗体は、例えば、生物学的試料においてTIEリガンドの量を測定するためにイムノアッセイで使用され得る。生物学的試料は、本発明のTIEリガンドを特異的に結合する抗体または抗体混合物と接触され、そしてテスト試料に存在するリガンドと形成された複合体の量が測定される。
本発明のTIEリガンドホモログに対する抗体は、さらに、対応するTIEレセプターを発現する細胞に対する、細胞傷害性分子、例えば、放射性同位元素またはトキシン、あるいは治療薬剤の送達に有用であり得る。治療薬剤は、例えば、TIE−2リガンドを含む他のTIEリガンド、血管内皮増殖因子(VEGF)ファミリーのメンバー、公知の抗腫瘍薬剤、および筋肉増殖または発育、あるいは骨発生、成熟、または増殖に関連することが公知の薬剤であり得る。
抗TIEリガンドホモログ抗体はまた、TIE(例えば、TIE−2)レセプターの発現に関連する疾患状態を検出するために、診断薬剤として適切である。したがって、検出可能に標識されたTIEリガンドホモログおよびTIEレセプターの抗体アゴニストは、血管新生の存在をイメージングするために使用され得る。
抗TIEリガンドホモログ抗体特異的抗NL6抗体もまた、抗炎症性薬剤としての有用性を見出す。
治療用途については、本発明のTIEリガンドホモログまたは抗TIEリガンド抗体は、全身または局所適用に適切な、薬理学的に受容可能なビヒクルとの混合物中に活性成分を含む治療組成物として処方される。本発明の薬学的組成物は、凍結乾燥した処方物または水溶液の形態で、所望の程度の純度を有する活性成分を、必要に応じて生理学的に受容可能なキャリア、賦形剤、または安定化剤と混合することによって、貯蔵のために調製される(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16版,Osol,A.編(1980))。受容可能なキャリア、賦形剤、または安定化剤は、用いられる投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、そしてリン酸、クエン酸、および他の有機酸のような緩衝剤;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジンのようなアミノ酸;グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート化剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような塩形成カウンターイオン;および/またはTween、Pluronics、またはPEGのような非イオン性界面活性剤を含む。
活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって、または界面重合化、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセルによって調製されるマイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノパーティクル、およびナノカプセル)に、またはマクロエマルジョンに捕らえられ得る。このような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sceinces,前出に開示される。
インビボ投与に使用されるべき処方物は、無菌でなければならない。これは、凍結乾燥および再構成の前または後に、滅菌濾過メンブランを通す濾過によって容易に行われる。
本発明の治療組成物は、一般に、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアル中に配置される。
投与の経路は、例えば、静脈内、腹腔内、大脳内、筋肉内、眼内、動脈内、または病巣内経路による注射または注入、局所投与、または持続放出システムによる、公知の方法に従う。
持続放出調製物の適切な例には、成形品の形態、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルでの、半透性ポリマーマトリクスが挙げられる。持続放出マトリクスには、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリラクチド(米国特許3,773,919、EP 58,481)、L−グルタミン酸とガンマエチル−L−グルタミン酸とのコポリマー(U.Sidmanら,1983,「Biopolymers」22(1):547−556)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.Langerら,1981,「J.Biomed.Mater.Res.」15:167−277およびR.Langer,1982,Chem.Tech.12:98−105)、エチレンビニル酢酸(R.Langerら,同上)、またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP 133,988A)が挙げられる。持続放出組成物はまた、リポソームを含む。本発明の範囲内の分子を含むリポソームは、それ自体公知の方法によって調製される:DE 3,218,121A;Epsteinら,1985,「Proc.Natl.Acad.Sci USA」82:3688−3692;Hwangら,1980,「Proc.Natl.Acad.Sci USA」77:4030−4034;EP 52322A;EP 36676A;EP 88046A;EP 143949A;EP 142641A;日本国特許出願83−118008;米国特許4,485,045および4,544,545;およびEP 102,324A。もともと、リポソームは、脂質含量が約30mol.%を越えるコレステロールである小さい(約200〜800オングストローム)単層タイプであり、選択された割合は、最適なNT−4治療に対して調節される。
治療的に用いられるべき本発明の分子の有効量は、例えば、治療対象、投与経路、および患者の症状に依存する。したがって、投与量を滴定し、そして最適な治療効果を得るために必要とされる投与経路を改変することが、治療医師には必要である。代表的な1日の用量は、上記の要素に依存して、約1μg/kg〜100mg/kg以上の範囲であり得る。代表的には、臨床医は、必要とされる生物学的効果を提供する投与量に達するまで、本発明の分子を投与する。この治療の進捗は、従来のアッセイによって容易にモニターされる。
この治療の到達点が腫瘍の予防または処置である場合、本発明における化合物は、他の治療と組み合わせられ得る。例えば、このような抗腫瘍剤で処置される患者は放射線療法もまた受け得る。あるいは、またはさらに、化学療法剤が患者に投与され得る。このような化学療法剤についての調製および投薬のスケジュールが、製造者の指導書に従って、または熟練した開業医により経験的に決定されたように使用され得る。このような化学療法についての調製および投薬スケジュールはまた、Chemotherapy Service編、M.C.Perry,Williams&Wilkins,Baltimore,MD(1992)において記載される。化学療法剤は、抗腫瘍剤の投与に先行し得るかまたは続き得、またはそれらと共に同時に授与され得る。
抗原に関連する他の腫瘍に対する抗体(例えば、ErbB2、EGFR、ErbB3、ErbB4または血管内皮因子(VEGF)に結合する抗体)を投与することもまた所望され得る。あるいは、またはさらに、本明細書に開示される同じかまたは2つ以上の異なる抗原に結合する2つ以上の抗体が患者に同時投与され得る。時々、1つ以上のサイトカインを患者に投与することもまた有益であり得る。好ましい実施態様では、本発明の抗腫瘍化合物が、さらなる増殖阻害剤とともに同時投与される。
疾患の予防または処置のために、例えば、本発明の抗体のような抗腫瘍剤の適切な用量は、上記で定義されるような処置されるべき疾患の型、疾患の重篤度および経過、薬剤が予防的な目的または治療的な目的のために投与されるか否か、先行治療、患者の臨床的経歴および薬剤への応答、ならびに主治医の裁量に依存する。この薬剤は、1回または一連の処置にわたって患者に適切に投与される。
本発明のさらなる詳細が、以下の制限されない実施例から明らかである。
(実施例1)
(FLS139リガンドの同定)
FLS139を、本明細書中に参考として援用される「説明書マニュアル:cDNA合成およびλクローニングのためのSuperscript(登録商標)Lambda System」、カタログ番号19643−014、Life Technologies,Gaithersburg,MD,USAに記載のプロトコルに従って、Clontech Laboratories,Inc.Palo Alto,CA USAから得たヒト胎児肝臓mRNA、カタログ番号64018−1から調製したcDNAライブラリーにおいて同定した。他に言及されない限り、全試薬もまた、Life Technologiesから得た。全手順は、以下の工程に要約され得る:(1)第1鎖合成;(2)第2鎖合成;(3)アダプター添加;(4)酵素消化;(5)cDNAのゲル単離;(6)ベクターへの連結;および(7)形質転換。
(第1鎖合成:)
NotIプライマー−アダプター(Life Tech.,2μl、0.5μg/μl)を滅菌1.5ml微量遠心管に添加し、これにポリA+mRNA(7μl、5μg)を添加した。反応管を、70℃まで、5分間、またはmRNAの2次構造を変性するのに十分な時間で加熱した。次いで、反応物を氷上で冷却し、そして5×第1鎖緩衝液(Life Tech.,4μl)、0.1M DTT(2μl)、および10mM dNTP Mix(Life Tech.,1μl)を添加し、次いで、37℃まで2分間加熱して、温度を平衡化させた。次いで、SuperscriptII(登録商標)逆転写酵素(Life Tech.,5μl)を添加し、反応管を十分に混合し、そして37℃で1時間インキュベートし、そして氷上に置くことにより終結させた。反応物の最終濃度は、以下の通りであった:50mM Tris−HCl(pH8.3);75mM KCl;3mM MgCl2;10mM DTT;500μM 各dATP、dCTP、dGTP、およびdTTP;50μg/ml NotIプライマー−アダプター;5μg(250μg/ml)mRNA;50,000U/ml SuperscriptII(登録商標)逆転写酵素。
(第2鎖合成:)
氷上の間に、以下の試薬を、第1鎖合成からの反応管に添加し、反応物を十分に混合し、そして温度を16℃より上にさせないように注意して、16℃で2時間反応させた:蒸留水(93μl);5×第2鎖緩衝液(30μl);dNTP混合物(3μl);10U/μl E.Coli DNAリガーゼ(1μl);10U/μl E.Coli DNAポリメラーゼI(4μl);2U/μl E.Coli RNaseH(1μl)。10U T4 DNAポリメラーゼ(2μl)を添加し、そして反応物を、もう5分間16℃でインキュベートし続けた。反応物の最終濃度は、以下の通りであった:25mM Tris−HCl(pH7.5);100mM KCl;5mM MgCl2;10mM (NH42SO4;0.15mM β−NAD+;250μM 各dATP、dCTP、dGTP、およびdTTP;1.2mM DTT;65U/ml DNAリガーゼ;250U/ml DNAポリメラーゼI;13U/ml RNaseH。反応を、氷上に置くことおよび0.5M EDTA(10μl)の添加により止め、次いで、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、150μl)により抽出した。水相を取り出し、収集し、そして5M NaCl(15μl)および無水エタノール(−20℃、400μl)に希釈し、そして14,000×gで2分間遠心分離した。上清を、得られたDNAペレットから注意深く除去し、ペレットを、70%エタノール(0.5ml)に再懸濁し、そして14,000×gで2分間、再度遠心分離した。上清を再度除去し、そしてペレットをスピードバックで乾燥した。
(アダプター添加)
以下の試薬を、上記の第2鎖合成からのcDNAペレットに添加し、そして反応物を穏やかに混合し、そして16℃で16時間インキュベートした:蒸留水(25μl);5×T4 DNAリガーゼ緩衝液(10μl);SalIアダプター(10μl);T4 DNAリガーゼ(5μl)。反応物の最終組成は、以下であった:50mM Tris−HCl(pH7.6);10mM MgCl2;1mM ATP;5%(w/v)PEG8000;1mM DTT;200μg/ml SalIアダプター;100U/ml T4 DNAリガーゼ。反応物を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、50μl)により抽出し、水相を取り出し、収集し、そして5M NaCl(8μl)および無水エタノール(−20℃、250μl)に希釈した。次いで、これを14,000×gで20分間遠心分離し、上清を除去し、そしてペレットを0.5mlの70%エタノールに再懸濁し、そして14,000×gで2分間、再度遠心分離した。続いて、上清を除去し、そして得られたペレットをスピードバックにおいて乾燥し、そして次の手順へ続けた。
(酵素消化:)
以下の試薬を、前段落からのSalIアダプターを用いて調製したcDNAに添加し、そして混合物を37℃で2時間インキュベートした:DEPC処理水(41μl);NotI制限緩衝液(REACT,Life Tech.,5μl)、NotI(4μl)。この反応物の最終組成は、以下であった:50mM Tris−HCl(pH8.0);10mM MgCl2;100mM NaCl;1,200U/ml NotI。
(cDNAのゲル単離:)
cDNAを、5%アクリルアミドゲルでのアクリルアミドゲル電気泳動によりサイズ分画し、そして分子量マーカーとの比較により決定される、1kbより長いいずれのフラグメントもゲルから切り出した。次いで、cDNAを、ゲルから0.1×TBE緩衝液(200μl)に電気溶出させ、そしてフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、200μl)により抽出した。水相を取り出し、収集し、そして14,000×gで20分間遠心分離した。上清をDNAペレットから除去し、これを70%エタノール(0.5ml)に再懸濁し、そして14,000×gで2分間、再度遠心分離した。上清を再度捨て、ペレットをスピードバックにおいて乾燥し、そして蒸留水(15μl)に再懸濁した。
(cDNAのpRK5ベクターへの連結:)
以下の試薬を共に添加し、そして16℃で16時間インキュベートした:5×T4リガーゼ緩衝液(3μl);pRK5、XhoI、NotIで消化したベクター、0.5μg、1μl);前段落から調製したcDNA(5μl)、および蒸留水(6μl)。続いて、さらなる蒸留水(70μl)および10mg/ml tRNA(0.1μl)を添加し、そして全反応物を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)により抽出した。水相を取り出し、収集し、そして5M NaCl(10μl)および無水エタノール(−20℃、250μl)に希釈した。次いで、これを、14,000×gで20分間遠心分離し、デカントし、そしてペレットを70%エタノール(0.5ml)に再懸濁し、そして14,000×gで2分間、再度遠心分離した。次いで、DNAペレットをスピードバックにおいて乾燥し、そして後の手順における使用のために蒸留水(3μl)に溶出した。
(ライブラリー連結物の細菌への形質転換:)
前で調製した連結cDNA/pRK5ベクターDNAを氷上で冷却し、これにエレクトロコンピテント(electrocompetent)DH10B細菌(Life Tech.,20μl)を添加した。次いで、細菌ベクター混合物を、製造者の推奨どおりにエレクトロポレーションした。続いて、SOC培地(1ml)を添加し、そして混合物を、37℃で30分間インキュベートした。次いで、形質転換体を、20個の標準的な、150mm アンピシリン含有LBプレートに配置し、そして16時間(37℃)インキュベートして、コロニーを増殖させた。次いで、陽性コロニーをそぎ落とし、そしてDNAを、標準的なCsCl勾配プロトコルを用いて細菌ペレットから単離した。例えば、Ausubelら、2.3.1。
(FLS139の同定)
FLS139は、当該分野で既知の任意の標準的な方法(Klein R.D.ら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.93,7108−7113、およびJacobs(1996年7月16日に発行された米国特許第5,563,637号)により報告された方法を含む)により、ヒト胎児肝臓ライブラリーにおいて同定され得る。Kleinら、およびJacobsによれば、新規の分泌および膜結合哺乳動物タンパク質をコードするcDNAは、それらの分泌リーダー配列を、リポーター系として酵母インベルターゼ遺伝子を用いて検出することにより同定される。この酵素インベルターゼは、スクロースからグルコースおよびフルクトースへの分解、ならびにラフィノースからスクロースおよびメリビオースへの分解を触媒する。分泌形態のインベルターゼは、酵母(Saccharomyces cerevisiae)によるスクロース資化に必要とされ、その結果、分泌型インベルターゼを生成し得ない酵母細胞は、唯一の炭素源およびエネルギー源としてスクロースを含む培地上で十分に増殖しない。Klein R.D.、前出、およびJacobs、前出の両方は、哺乳動物シグナル配列が、機能的に、酵母インベルターゼのネイティブシグナル配列の代わりになるという既知の能力を利用する。哺乳動物cDNAライブラリーを、非分泌型酵母インベルターゼをコードするDNAに連結し、連結されたDNAを単離し、そしてインベルターゼ遺伝子を含まない酵母細胞に形質転換する。哺乳動物シグナル配列に連結した非分泌型酵母インベルターゼ遺伝子を含む組換え体を、炭素源としてスクロースのみまたはラフィノースのみを含む培地上で増殖するそれらの能力に基づいて同定する。次いで、同定された哺乳動物シグナル配列を使用して、第2の完全長cDNAライブラリーをスクリーニングし、対応する分泌型タンパク質をコードする完全長クローンを単離する。例えば、クローニングは、発現クローニングによって、または当該分野で既知の任意のほかの技術によって行われ得る。
FL139の同定のために使用されたプライマーは、以下の通りである: OLI114:CCACGTTGGCTTGAAATTGA 配列番号13 OLI115:CCTCCAGAATTGATCAAGACAATTCATGATTTGATTCTCTATCTCCAGAG 配列番号14 OLI116:TCGTCTAACATAGCAAATC 配列番号15。
FLS139のヌクレオチド配列を図6(配列番号5)に示すが、一方、そのアミノ酸配列を図7(配列番号6)に示す。図1に例示するように、FLS139は、2つの既知のヒトTIE−2レセプターリガンド(h−TIE2L1およびh−TIE2L2)と高度の配列相同性を示す、フィブリノーゲン様ドメインを含む。従って、FLS139は、TIEリガンドファミリーの新規メンバーとして同定された。
FLS139クローンは、ブタペスト条約により、1997年9月18日に、American Type Culture Collection(ATCC),12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852に寄託し、そして寄託番号ATCC 209281を与えられている。
(実施例2)
(NL2およびNL3の同定)
NL2およびNL3は、コンピュータープログラムBLASTを使用してGenBankデーターベースをスクリーニングすることによった(Altshulら、Methods in Enzymology 266:460−480(1996))。NL2配列は、既知のEST配列、T08223、AA122061およびM62290との相同性を示す。同様に、NL3は、既知のEST配列、T57280およびT50719との相同性を示す。完全長配列として同定され、またはTIEレセプターと結合したリガンドとして記載されている既知のEST配列はない。
これらの同定の後、NL2およびNL3を製造者の指示に従って、Clontech、Inc.(Palo Alto,CA、USA)、カタログ#6528−1から購入したmRNAから調製したヒト胎児肺ライブラリーからクローニングした。このライブラリーを以下の合成オリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによりスクリーニングした: NL2に関して: NL2,5−1 ATGAGGTGGCCAAGCCTGCCCGAAGAAAGAGGC 配列番号7 NL2,3−1 CAACTGGCTGGGCCATCTCGGGCAGCCTCTTTCTTCGGG 配列番号8 NL2,3−4 CCCAGCCAGAACTCGCCGTGGGGA 配列番号9 NL3に関して: NL3,5−1 TGGTTGGCAAAGGCAAGGTGGCTGACGATCCGG 配列番号10 NL3,3−1 GTGGCCCTTATCTCTCCTGTACAGCTTCCGGATCGTCAGCCAC 配列番号11 NL3,3−2 TCCATTCCCACCTATGACGCTGACCCA 配列番号12。これらは、GenBankデータベースにおいて見出されたESTに基づく。cDNA配列は、それらの全体での配列であった。
NL2のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を図2(配列番号1)および図3(配列番号2)にそれぞれ示す。NL3のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を図4(配列番号3)および図5(配列番号4)にそれぞれ示す。
NL−2のクローン(NL−2−DNA22780−1078)をブダペスト条約により、1997年9月18日にAmerican Type Culture Collection(ATCC)、12301 Parklawn Drive、Rockville、Maryland 20852に寄託し、そして寄託番号ATCC 209284を与えられている。
NL3のクローンを、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland20852)に、1997年9月18日に、ブタペスト条約の下に寄託し、そして受託番号ATCC209283を割り当てられた。
(実施例3)
(ノーザンブロット分析およびインサイチュハイブリダイゼーション結果)
ヒト組織におけるFLS139、NL2およびNL3 mRNAの発現をノーザンブロット分析によって試験した。ヒトmRNAブロットを全長cDNAに基づいた32P−標識DNAプローブとハイブリダイズした;このプローブをcDNAインサートを消化し、精製することによって生成した。ヒト胎児RNAブロットMTN(Clontech)およびヒト成体RNAブロットMTN−II(Clontech)をDNAプローブとインキュベートした。ブロットをハイブリダイゼーション緩衝液(5×SSPE;2Denhardt’s 溶液;100mg/mL 変性剪断サケ精子DNA;50% ホルムアミド;2% SDS)中で42℃、60時間プローブとインキュベートした。このプローブは、数回、2×SSC;0.05% SDSで1時間、室温で洗浄し、次いで50℃で0.1×SSC;0.1% SDSにおいて30分間洗浄した。このブロットは、ホスホルイメージャー分析(Fuji)によって一晩の曝露後、発色させた。
図8および9に示したように、NL2およびNL3 mRNA転写物を検出した。
NL3の組織発現パターンをまた、PCR−生成した33P−標識化リボプローブを使用する最適化されたプロトコールを使用して、インサイチューハイブリダイゼーション(細胞RNAに対するハイブリダイゼーションを観察して)によって決定した。(LuおよびGillett、Cell Vision 1:169−176(1994))。ホルマリン固定し、パラフィン包埋したヒト胎児および成体組織を切り出し、脱パラフィンし、プロテイナーゼK(20mg/ml)で15分間、37℃でタンパク質除去した。そして、さらにLuおよびGillett(1994)によって記載されるようにインサイチューハイブリダイゼーションについてさらに処理した。[33−P]UTP−標識化アンチセンスリボプローブをPCR産物から生成し、そして55℃で一晩、ハイブリダイズした。このスライドをKodak NTB2 核トラックエマルジョンに浸漬し、4週間曝露した。
33P−リボプローブ合成)
6.0μl(125mCi)の33P−UTP(Amersham BF 1002,SA<2000Ci/mmol)をスピードバック乾燥した。乾燥33P−UTPを含む各々のチューブに、以下の成分を添加した: 2.0μl 5×転写緩衝液 1.0μl DTT(100mM)
2.0μl NTP混合物(2.5mM:10μ:各10mM GTP、CTP、およびATP+10μl H2O)
1.0μl UTP(50μM)
1.0μl Rnasin 1.0μl DNA鋳型(1μg)
1.0μl H2O 1.0μl RNAポリメラーゼ(PCR産物については通常、T3=AS、T7=S)
チューブを37℃で1時間インキュベートした。1.0μlのRQ1 DNaseを添加し、次いで、37℃で15分間インキュベートを行った。90μlのTE(10mM Tris(pH7.6)/1mM EDTA(pH8.0))を添加し、そして混合物をDE81紙の上にピペットで移した。残っている溶液を、Microcon−50限外濾過ユニットにロードし、そしてプログラム10(6分)を用いてスピンをかけた。濾過ユニットを、2番目の管の上に逆さまにし、そしてプログラム2(3分)を用いてスピンをかけた。最後の回収スピンの後、100μlのTEを添加した。1μlの最終産物をDE81紙の上にピペットで移し、そして6mlのBiofluor IIでカウントした。
プローブをTBE/尿素ゲルにおいて流した。1〜3μlのプローブまたは5μlのRNA Mrk IIIを、3μlのローディング緩衝液に添加した。95℃ヒートブロック上で3分間の加熱後、ゲルを直ぐに氷上に置いた。ゲルのウェルをフラッシュし、サンプルをロードし、そして180〜250ボルトで45分間流した。ゲルをサランラップでくるみ、そして−70℃フリーザーで、1時間〜一晩、増感スクリーンと共にXARフィルムに曝露した。
33Pハイブリダイゼーション)
(凍結切片の前処理)
スライドをフリーザーから取り出し、アルミニウムトレー上に置き、そして室温で5分間解凍した。トレーを55℃のインキュベーターに5分間入れて、曇りを減少させた。スライドを、換気装置(fume hood)内で、氷上で、4%パラホルムアルデヒド中で10分間固定し、そして0.5×SSCで、室温で5分間洗浄した(25ml 20×SSC+975ml SQ H2O)。0.5μg/mlプロテイナーゼK中で37℃10分のタンパク質除去(予め温めたRNaseを含まないRNAse緩衝液250ml中、12.5μlの10mg/mlストック)の後、切片を、0.5×SSCで、室温で10分間洗浄した。切片を、70%、95%、100%エタノール中で各々2分間脱水した。
(パラフィン包埋切片の前処理)
スライドを脱パラフィンし、SQ H2O中に置き、そして2×SSCで、室温で2回各時5分間リンスした。この切片を、ヒト胚−20μg/mlプロテイナーゼK(RNaseを含まないRNase緩衝液250ml中、10mg/mlの500μl;37℃、15分)、またはホルマリン組織−8×プロテイナーゼK(RNase緩衝液250ml中、100μl;37℃、30分)中でタンパク質除去した。その後の0.5×SSCでのリンスおよび脱水を、上記のように行った。
(プレハイブリダイゼーション)
スライドを、Box緩衝液(4×SSC、50%ホルムアミド)に浸した濾紙が並んだプラスチックの箱の中に置いた。組織を、50μlのハイブリダイゼーション緩衝液(3.75g デキストラン硫酸+6ml SQ H2O)で覆い、ボルテックスし、そして蓋を緩めてマイクロ波で2分間加熱した。氷上で冷却した後、18.75mlのホルムアミド、3.75mlの20×SSC、および9mlのSQ H2Oを添加し、組織を十分にボルテックスし、そして42℃で1〜4時間インキュベートした。
(ハイブリダイゼーション)
スライド1枚あたり1.0×106cpmのプローブおよび1.0μlのtRNA(50mg/mlストック)を、95℃で3分間加熱した。スライドを氷上で冷却し、そしてスライドあたり48μlのハイブリダイゼーション緩衝液を添加した。ボルテックスした後、50μlの33P混合物を、スライド上の50μlのプレハイブリダイゼーションに添加した。スライドを、55℃で一晩インキュベートした。
(洗浄
洗浄を、2×SSC、EDTAを用いて室温で、2×10分で行い(400ml 20×SSC+16ml 0.25M EDTA、Vf=4L)、それに続いてRNaseA処理を37℃で30分間行った(RNase緩衝液250ml中、10mg/mlの500μl=20μg/ml)。スライドを、2×SSC、EDTAを用いて室温、2×10分で洗浄した。ストリンジェンシーな洗浄条件は以下の通りであった:55℃で2時間、0.1×SSC、EDTA(20mlの20×SSC+16mlのEDTA、Vf=4L)。
(オリゴ:)
C−141F−NL3p1:48マー GGA TTC TAA TAC GAC TCA CTA TAG GGC AAG TTG TCC TCC (配列番号16)
C−141G−NL3p2:47マー CTA TGA AAT TAA CCC TCA CTA AAG GGA CGT GGT CAG CGT (配列番号17)。
検査された成体組織は以下のものである:肝臓、腎臓、副腎、心筋層、大動脈、脾臓、リンパ節、膵臓、肺、皮膚、大脳皮質、海馬、小脳、陰茎、目、膀胱、胃、胃ガン、結腸、結腸ガンおよび軟骨肉腫、アセトアミノフェン誘導肝臓損傷および肝硬変。検査された胎児組織は、以下のものである:胎盤、臍帯、肝臓、腎臓、副腎、甲状腺、肺、心臓、大脈管、食道、胃、小腸、脾臓、胸腺、膵臓、脳、目、脊髄、体壁、骨盤および下肢。発現は、正常組織または胎児組織のいずれからも観察されなかった。発現は、急性(アセトアミノフェン誘導)および慢性肝臓障害(肝硬変および直腸結腸ガン転移に隣接した)において肝臓洞様毛細血管細胞(おそらく内皮の)で検出された。これらの結果は、NL3が肝臓の再生の調節において役割を果たし得ることを示す。
NL1の発現をまた成体および胎児組織の同様の配列で検査したが、発現は、上に示した状態下では観察されなかった。
(実施例4)
(E.coli中でのFLS139、NL2およびNL3の発現)
本実施例は、E.coliにおける本発明のTIEリガンドホモログの非グリコシル化形態の調製を例示する。NL2、NL3、またはFLS139リガンドをコードするDNA配列(それぞれ、配列番号1、3、および5)を、選択したPCRプライマーを用いて最初に増幅した。このプライマーは、選択した発現ベクター上の制限酵素部位に対応する制限酵素部位を含むべきである。種々の発現ベクターが使用され得る。ベクターは、好ましくは、抗生物質耐性遺伝子、複製起点、プロモーター、およびリボザイム結合部位をコードする。適切なベクターの例は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含む、pBR322(E.coli由来;Bolivarら、Gene 2:95(1977)を参照のこと)である。ベクターを制限酵素で消化し、そして脱リン酸化する。次いで、PCR増幅配列をベクターに連結する。
次いで、連結混合物を使用して、Sambrookら、前出に記載の方法を用いて、選択したE.coli株を形質転換する。形質転換体を、LBプレート上で増殖するそれらの能力により同定し、次いで、抗生物質耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、そして制限分析により確認し得る。
選択したクローンを、液体培養培地(例えば、抗生物質を補充したlBブロス)中で一晩増殖し得る。続いて、一晩培養物を使用して、大規模(later scale)培養物に接種し得る。次いで、細胞を、所望の光学密度まで増殖させる。誘導物質(例えば、IPTG)を添加し得る。
さらに数時間細胞を培養した後、細胞を遠心分離によって回収し得る。遠心分離によって得られた細胞ペレットを当該分野で既知の種々の薬剤を使用して可溶化し得、次いで可溶化タンパク質を金属キレートカラムを使用して、タンパク質のタイトな結合を可能にする条件下で精製し得る。
実際、NL2を、次の手順を使用して、ポリ−Hisタグ化形態でE.coli中で発現させた。NL2をコードするDNAを選択したPCRプライマーを使用して最初に増幅した。このプライマーは、選択した発現ベクターで制限酵素部位に対応する制限酵素部位、ならびに有効および信頼できる翻訳開始、金属キレートカラムでの迅速な精製、ならびにエンテロキナーゼを用いたタンパク質分解除去のために提供する他の有用な配列を含んだ。次いで、PCR増幅したポリ−Hisタグ化配列を発現ベクターに連結した。これは、株52(W3110fuhA(tonA)lon galE rpoHts(htpRts)clpP(lacIq)に基づいたE.coli宿主を形質転換するために使用した。形質転換体をまず、3〜5のO.D.600に達するまで50mg/mlのカルベニシリンを含むLB中で30℃で振とうして増殖させた。次いで培養物をCRAP培地(3.57g(NH42SO4、0.71gクエン酸ナトリウム2水和物、1.07g KCl、5.36g Difco 酵母抽出物、5.36gの500ml水中におけるSheffield hycase SF、ならびに110mM MPOS、pH7.3、0.55%(w/v)グルコースおよび7mM MgSO4を混合することにより調製した)中で50〜100倍希釈し、そして振とうして30℃で約20〜30時間増殖させた。サンプルを取り出し、SDS−PAGE分析によって発現を確かめた。そして大量培養物を遠心分離して細胞をペレットにした。細胞ペレットを精製およびリフォールディングまで凍結した。 0.5〜1Lの発酵からのE.coliペースト(6〜10g ペレット)を10容量(w/v)で7M グアニジン、20mM Tris、pH8緩衝液中に再懸濁した。固形亜硫酸ナトリウムおよびテトラチオン酸ナトリウムを加えてそれぞれ0.1Mおよび0.02Mの最終濃度とし、そしてこの溶液を4℃で一晩攪拌した。この工程は、亜硫酸化(sulfitolization)によってブロックされた全システイン残基を有する変性されたタンパク質を生じる。この溶液を30分間、Beckman 超遠心機で40,000rpmで遠心分離した。上清を3〜5容量の金属キレートカラムバッファー(6M グアニジン、20mM Tris、pH7.4)で希釈し、そして0.22ミクロンのフィルターを通して濾過し、透明化した。未定の透明化した抽出物を、金属キレート緩衝液で平衡化した5mlのQiagen Ni−NTA金属キレートカラムにロードした。このカラムを50mMイミダゾール(Calbiochem,Utrol grade)を含むさらなる緩衝液、pH7.4で洗浄した。このタンパク質を250mM イミダゾールを含む緩衝液で溶出した。所望のタンパク質を含む画分をプールし、そして4℃で貯蔵した。タンパク質濃度を、このアミノ酸配列に基づいた計算された吸光係数を使用して280nmの吸光度によって推定した。
このタンパク質を20mM Tris、pH8.6、0.3M NaCl、2.5M 尿素、5mM システイン、20mM グリシンおよび1mM EDTAからなる新鮮に調製されたリフォールディング緩衝液中にサンプルをゆっくりと希釈することによりリフォールドした。リフォールディング容量を最終タンパク質濃度が50〜100μg/mlであるように選択した。リフォールディング溶液を4℃で12〜36時間穏やかに攪拌した。リフォールディング反応は、0.4%の最終濃度にTFAを添加することによって停止した。このタンパク質のさらなる精製の前に、この溶液を0.22ミクロンのフィルターを通してろ過し、そしてアセトニトリルを2〜10%の最終濃度まで添加した。リフォールドされたタンパク質を0.1% TFAの流動緩衝液を使用して、10〜80%のアセトニトリルのグラジエントを用いた溶出でPoros R1/H逆相カラムにおいてクロマトグラフした。A280の吸光度を有するフラクションのアリコートをSDSポリアクリルアミドゲルで分析し、そして均質なリフォールドタンパク質を含むフラクションをプールした。一般に、ほとんどのタンパク質の適切にリフォールドされた種は、最も低濃度のアセトニトリルで溶出される。なぜならこれらの種は、最もコンパクトであり、これらの疎水性の内部は、逆相樹脂との相互作用から遮蔽されるからである。凝集した種は、より高いアセトニトリル濃度で通常、溶出される。所望の形態からタンパク質のミスフォールドされた形態を分離することに加えて、逆相工程はまた、サンプルからエンドトキシンを取り除く。
所望のフォールドされたNL2タンパク質を含む画分をプールし、この溶液に対する窒素の緩やかな流れを使用してアセトニトリルを除いた。タンパク質を透析によってまたは処方緩衝液で平衡化されたG25 Superfine(Pharmacia)樹脂を使用したゲルろ過によって0.14M 塩化ナトリウムおよび4% マニトールを有する20mM Hepes、pH6.8中に処方し、そして滅菌濾過した。
(実施例5)
(哺乳動物細胞におけるFLS139、NL2およびNL3の発現)
本実施例は、哺乳動物細胞における組換え発現による、FLS139、NL2およびNL3リガンドホモログのグリコシル化形態の調製を例示する。
ベクター、pRK5(1989年3月15日に公開されたEP 307,247を参照のこと)を、発現ベクターとして使用する。必要に応じて、FLS139、NL2およびNL3 DNAを、連結方法(例えば、Sambrookら、前出に記載)を用いて、FLS139、NL2およびNL3 DNAの挿入を可能にする選択した制限酵素で、pRK5に連結する。得られたベクターを、それぞれ、pRK5−FLS139、−NL2およびNL3と呼ぶ。
1つの実施態様において、選択した宿主細胞は293細胞であり得る。ヒト293細胞(ATCC CCL 1573)を、培地(例えば、ウシ胎仔血清、必要に応じて栄養成分および/または抗生物質を補充したDMEM)中で組織培養プレートにおいてコンフルエンスまで増殖させる。約10μgのpRK5−FLS139、−NL2またはNL3 DNAを、約1μgのVA RNA遺伝子をコードするDNA(Thimmappayaら、Cell,31:543(1982))と混合し、そして500μlの1mM Tris−HCl、0.1mM EDTA、0.227M CaCl2に溶解する。この混合物に、500μlの50mM HEPES(pH7.35)、280mM NaCl、1.5mM NaPO4を滴下し、そして沈殿物を、25℃で10分間形成させる。沈殿物を懸濁し、そして293細胞に添加し、そして37℃で約4時間放置する。培養培地を吸引し、そしてPBS中20%のグリセロール2mlを30秒間添加する。次いで、293細胞を無血清培地で洗浄し、新鮮な培地を添加し、そして細胞を約5日間インキュベートする。
トランスフェクションの約24時間後、培養培地を除去し、そして培養培地(単独)、または200μCi/ml、35S−システインおよび200μCi/ml、35S−メチオニンを含む培養培地で置換する。12時間のインキュベーション後、馴化培地を収集し、スピンフィルター上で濃縮し、そして15%SDSゲル上にロードする。処理したゲルを乾燥し、そして選択した期間、フィルムに暴露して、FLS139、NL2およびNL3ポリペプチドの存在を明らかにし得る。トランスフェクト細胞を含む培養物は、さらなるインキュベーション(無血清培地中で)を受け得、そして培地を、選択されたバイオアッセイで試験する。
代替の技術において、Somparyracら、Proc.Natl.Acad.Sci.,12:7575(1981)により記載されたデキストラン硫酸法を用いて、FLS139、NL2およびNL3を、293細胞に一過的に導入し得る。293細胞を、スピナーフラスコ中で最大密度まで増殖し、そして700μgのpRK5−FLS139、NL2およびNL3 DNAを添加する。細胞を、最初に、遠心分離によりスピナーフラスコから濃縮し、そしてPBSで洗浄する。DNA−デキストラン沈殿物を、細胞ペレット上で4時間インキュベートする。細胞を、20%グリセロールで90秒間処理し、組織培養培地で洗浄し、そして組織培養培地、5μg/mlウシインシュリン、および0.1μg/mlウシトランスフェリンを含むスピナーフラスコに再導入する。約4日後、馴化培地を遠心分離し、そして濾過して細胞および破片を除去する。次いで、発現FLS139、NL2およびNL3を含むサンプルを濃縮し、そして任意の選択した方法(例えば、透析および/またはカラムクロマトグラフィー)により精製し得る。
別の実施態様においては、FLS139、NL2およびNL3は、CHO細胞において発現され得る。pRK5−FLS139、NL2およびNL3を、既知の試薬(例えば、CaPO4またはDEAE−デキストラン)を用いて、CHO細胞にトランスフェクトし得る。上記のように、細胞培養物をインキュベートし、そして培地を、培養培地(単独)または放射性標識(例えば、35S−メチオニン)を含む培養培地で置換し得る。FLS139、NL2およびNL3ポリペプチドの存在を決定した後、培養培地を無血清培地で置換し得る。好ましくは、培養物を約6日間インキュベートし、次いで、馴化培地を回収する。次いで、発現FLS139、NL2またはNL3を含む培地を濃縮し、そして任意の選択した方法により精製し得る。
エピトープタグ化FLS139、NL2およびNL3もまた、宿主CHO細胞において発現され得る。FLS139、NL2およびNL3を、pRK5ベクターからサブクローニングし得る。サブクローン挿入物は、バキュロウイルス発現ベクターに、選択したエピトープタグ(例えば、ポリ−hisタグ)とインフレームで融合するようにPCRを受け得る。次いで、ポリ−hisタグ化FLS139、NL2およびNL3挿入物を、安定クローンの選択のための選択マーカー(例えば、DHFR)を含むSV40駆動ベクターにサブクローニングし得る。最後に、CHO細胞を、SV40駆動ベクターで(上記のように)トランスフェクトし得る。標識を上記のように行って、発現を確かめ得る。次いで、発現ポリ−Hisタグ化FLS139、NL2およびNL3を含む培養培地を濃縮し、そして任意の選択した方法(例えば、Ni2+キレートアフィニティークロマトグラフィー)により精製し得る。
グルコシル化形態のNL2、NL3およびFLS139(NL6)を実際、ポリHisタグ化された形態でCHO細胞中で発現させた。PCR増幅の後、NL2、NL3またはNL6DNAをAusubelら、Current Protocols of Molecular Biology、Unit 3.16、John Wiley and Sons(1997)に記載されたような標準の技術を使用してCHO発現ベクター中でサブクローニングした。CHO発現ベクターを目的のDNAの5’および3’に適合性制限酵素部位を有し、cDNAの便利なシャトリングを可能にするように構築する。CHO細胞におけるNL2、NL3またはNL6の発現のために使用されるベクターは、Lucasら、Nucl.Acids Res.24:9(1774−1779(1996))に記載されている通りであり、そして目的のcDNAおよびジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)の発現を駆動するためにSV40初期プロモーター/エンハンサーを使用する。DHFR発現はトランスフェクション後のプラスミドの安定な維持のための選択を可能とする。
12μgのNL2、NL3またはNL6をコードするプラスミドDNAを市販のトランスフェクション試薬、Superfect(登録商標)(Quiagen)、Dosper(登録商標)またはFugene(登録商標)(Boehringer Mannheim)を使用して約1000万のCHO細胞に導入した。この細胞は増殖され、そしてLucasら、前出で記載された。約3×10-7の細胞を下記のようにさらなる増殖および生成のためにアンプル中に凍結した。
NL2、NL3またはNL6プラスミドDNAを含むアンプルを、水浴に入れることにより解凍し、そしてボルテックスにより混合した。内容物を、10mLの培地を含む遠心管にピペットで移し、そして1000rpmで5分間遠心分離した。上清を吸引し、そして細胞を、10mLの選択培地(5% 0.2μmダイアフィルトレーションしたウシ胎仔血清を含む0.2μm濾過PS20)に再懸濁した。次いで、細胞を、90mLの選択培地を含む100mLスピナーにアリコートした。1〜2日後、細胞を、150mLの選択増殖培地で満たした250mLスピナーに移し、そして37℃でインキュベートした。さらに2〜3日後、250mL、500mL、および2000mLスピナーに3×105個細胞/mLを接種した。培地を、遠心分離および生成培地中への再懸濁により新鮮な培地と交換した。任意の適切なCHO培地(例えば、1992年6月16日に発行された、米国特許第5,122,469号に記載の培地)を、使用し得る。3L生成スピナーに、1.2×106個細胞/mLで接種する。0日目に、細胞数およびpHを測定した。1日目に、スピナーをサンプリングし、そして濾過空気の散布を開始した。2日目に、スピナーをサンプリングし、温度を33℃に変え、そして30mLの500g/L−グルコースおよび0.6mLの10%消泡剤(例えば、35%ポリジメチルシロキサンエマルジョン、Dow Corning 365 Medical Grade Emulsion)を添加した。生成の間、pHを、約7.2で保持するために必要なように調節した。10日後、または生存率が70%未満に下がるまで、遠心分離により細胞培養物を採集し、そして0.22μmフィルターに通して濾過した。濾過物を、精製カラムへのローディングまで4℃で貯蔵した。
このポリHisタグ化構築物をNi−NTAカラム(Qiagen)を用いて精製した。精製前に、イミダゾールを、5mMの濃度まで馴化培地に添加した。馴化培地を、流速4〜5ml/分、4℃で、0.3M NaClおよび5mM イミダゾールを含む20mM Hepes(pH7.4)緩衝液で平衡化した6ml Ni−NTAカラムにポンプで注入した。ローディング後、カラムをさらなる平衡化緩衝液で洗浄し、そしてタンパク質を、0.25Mイミダゾールを含む平衡化緩衝液で溶出した。続いて、精製タンパク質を、10mM Hepes、0.14M NaCl、および4% マンニトールを含む貯蔵緩衝液(pH6.8)中に、25ml G25 Superfine(Pharmacia)カラムを用いて脱塩し、そして−80℃で貯蔵した。
精製タンパク質の均質性をSDS PEGにより確かめ、そしてN末端アミノ酸配列決定をエドマン分解により行った。
(実施例6)
(酵母におけるFLS139、NL2およびNL3の発現)
まず、FLS139、NL2またはNL3の細胞内産生または分泌のために、酵母発現ベクターを、ADH2/GAPDHプロモーターから構築する。FLS139、NL2またはNL3をコードするDNA、選ばれたシグナルペプチドおよびプロモーターを、FLS139、NL2またはNL3の細胞内発現を指示するために、選ばれたプラスミド中の適当な制限酵素部位に挿入する。分泌に関しては、FLS139、NL2またはNL3の発現のための、ADH2/GAPDHプロモーターをコードするDNA、酵母α因子分泌シグナル/リーダー配列、およびリンカー配列(もし必要なら)と共に、FLS139、NL2またはNL3をコードするDNAを、選ばれたプラスミドにクローニングし得る。
次いで、酵母株AB110のような酵母細胞を、上記で述べられたような発現プラスミドで形質転換し、選ばれた発酵培地中で培養し得る。形質転換した酵母の上清を、10%トリクロロ酢酸を用いた沈澱およびSDS−PAGEによる分離によって、次にゲルをクマシーブルー染料で染色することによって分析し得る。
次に、組換えFLS139、NL2およびNL3を、遠心分離によって酵母細胞を発酵培地から除去すること、次に選ばれたカートリッジフィルターを用いてその培地を濃縮することによって、単離および精製し得る。FLS139、NL2またはNL3を含む濃縮液を、選ばれたカラムクロマトグラフィー樹脂を用いて、さらに精製し得る。
(実施例7)
(バキュロウイルストランスフェクトされた昆虫細胞におけるFLS139、NL2およびNL3の発現)
次の方法は、バキュロウイルストランスフェクトされた昆虫細胞におけるFLS139、NL2またはNL3の組換え発現について記載する。
FLS139、NL2またはNL3を、バキュロウイルス発現ベクターと、含まれるエピトープタグの上流に融合する。そのようなエピトープタグは、ポリヒスチジンタグおよび免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域のような)を含む。pVL1393(Novagen)のような、市販のプラスミド由来のプラスミドを含む、種々のプラスミドを利用し得る。簡単には、FLS139、NL2またはNL3、またはFLS139、NL2またはNL3の所望の部分(膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列のような)を、5’および3’領域に相補的なプライマーを用いてPCRで増幅する。5’プライマーを隣接する(選ばれた)制限酵素部位に組み込むことができる。産生物を次にそれらの選ばれた制限酵素で消化して、発現ベクターにサブクローニングする。
組換えバキュロウイルスを、Spodoptera frugiperda(「Sf9」)細胞(ATCC CRL 1711)に、リポフェクチン(GIBCO−BRLから市販)を用いて、上記のプラスミドおよびBaculoGoldTMウイルスDNA(Pharmingen)を同時にトランスフェクトすることによって産生する。28℃で4−5日間インキュベートした後、放出されたウイルスを回収してさらに増幅するために使用する。ウイルス感染およびタンパク質の発現を、O’Reilleyら、Baculovirus expression vectors:A laboratory Manual、Oxford:Oxford University Press(1994)によって述べられたように、実施する。
次に、発現したポリヒスチジンタグのついたFLS139、NL2またはNL3を、例えばNi2+キレートアフィニティークロマトグラフィーによって、次のように精製し得る。Rupertら、Nature、362:175−179(1993)によって記載されるように、組換えウイルスが感染したSf9細胞から抽出物を調製する。簡単には、Sf9細胞を洗浄し、超音波処理緩衝液(25mL Hepes、pH7.9;12.5mM MgCl2;0.1mM EDTA;10%グリセロール;0.1%NP−40;0.4M KCl)に再懸濁し、氷上で20秒間、2回超音波処理する。超音波処理したものを遠心分離により透明にし、上清をローディング緩衝液(50mMリン酸、300mM NaCl、10%グリセロール、pH7.8)で50倍に希釈し、0.45μmのフィルターで濾過する。Ni2+−NTAアガロースカラム(Qiagenから市販)を床容積5mLで調製し、25mLの水で洗浄して25mLのローディング緩衝液で平衡化する。濾過した細胞抽出液を1分あたり0.5mLカラムにロードする。カラムをA280のベースラインになるまでローディング緩衝液で洗浄し、その時点から画分の回収を開始する。次に、非特異的に結合したタンパク質を溶出する2番目の洗浄緩衝液(50mMリン酸;300mM NaCl、10%グリセロール、pH6.0)でカラムを洗浄する。再びA280のベースラインに達した後、2番目の洗浄緩衝液中、0から500mMまでのイミダゾールの勾配でカラムを展開する。1mLの画分を回収し、SDS−PAGEおよび、銀染色またはアルカリホスファターゼに結合したNi2+−NTAを用いたウエスタンブロット(Qiagen)によって分析する。溶出されたヒスチジン10タグのついたFLS139、NL2またはNL3を含む画分をプールし、ローディング緩衝液に対して透析する。
あるいは、IgGタグ(またはFcタグ)のついたFLS139、NL2またはNL3の精製を、例えばプロテインAまたはプロテインGカラムクロマトグラフィーを含む既知のクロマトグラフィー技術を用いて行い得る。
NL2またはFLS139(NL6)を、バキュロウイルスが感染したHigh5細胞においてポリヒスチジンタグのついた形態で発現させた。発現は実際には0.5Lの規模で実施したが、より大きな(例えば、8L)調製法に簡単に規模を拡大することができる。
それぞれのコード配列をPCR増幅後、バキュロウイルス発現ベクター(pb.PH.His.c)にサブクローニングし、ベクターおよびBaculogold(登録商標)バキュロウイルスDNA(Pharmingen)をHigh5細胞に、リポフェクチン(GibcoBRL)を用いて、同時にトランスフェクトした。pb.PH.Hisは、市販のバキュロウイルス発現ベクターpVL1393(Pharmingen)を修飾したものであり、ヒスチジン配列を含む改変されたポリリンカー領域を伴う。その細胞を、10%FBS(Hyclone)を補充したHink’s TNM−FH培地中で増殖した。細胞を、28℃で5日間インキュベートした。この上清を採取し、次に10%FBSを補充したHink’s TNM−FH培地中のSf9細胞に、感染多重度(MOI)約10で感染させることにより、最初のウイルス増幅に使用した。細胞を28℃で3日間インキュベートした。この上清を回収し、バキュロウイルス発現ベクターにおけるNL2およびNL6構築物の発現を、1mlの上清の、25mLのNi−NTAビーズ(QIAGEN)に対するバッチ結合によって決定し、次にSDS−PAGE分析でクマシーブルー染色によって既知の濃度の標準タンパク質と比較した。
最初のウイルス増幅上清を、ESF−921培地(Expression Systems LLC)中で増殖された、High5細胞のスピナー培養物(500ml)への感染に、約0.1のMOIで使用した。細胞を、28℃で3日間インキュベートした。この上清を採取し、そして濾過した。必要に応じて、このスピナー培養物での発現が確認されるまで、バッチ結合とSDS−PAGE分析を繰り返した。
トランスフェクトされた細胞(0.5〜3L)からの馴化培地を、遠心分離によって採取して細胞を除いて、そして0.22ミクロンフィルターを通して濾過した。ポリヒスチジンタグのついた構築物については、タンパク質構築物をNi−NTAカラム(Qiagen)を用いて精製した。精製の前に、イミダゾールを馴化培地に5mMの濃度まで加えた。この馴化培地を、0.3M NaClおよび5mMイミダゾールを含む20mM Hepes緩衝液、pH7.4で平衡化した6mlのNi−NTAカラムに、4℃、流速4−5ml/分で注入した。ロード後、このカラムをさらなる平衡化緩衝液で洗浄し、タンパク質を0.25Mのイミダゾールを含む平衡化緩衝液で溶出した。次いで、その高度に精製されたタンパク質を、10mM Hepes、0.14M NaClおよび4%マンニトールを含む、pH6.8の保存緩衝液に、25mlのG25 Superfine(Pharmacia)カラムを用いて脱塩し、そして−80℃で保存した。
NL2およびNL6タンパク質の均質性を、SDSポリアクリルアミドゲル(PAG)電気泳動およびエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決定によって実証した。
(実施例8)
(FLS139、NL2またはNL3に結合する抗体の調製)
この実施例はFLS139、NL2またはNL3に特異的に結合し得るモノクローナル抗体の調製を説明する。
モノクローナル抗体の産生技術は当該分野において公知であり、そして例えば、Goding、前出において記載される。使用され得る免疫原は、本発明の精製されたリガンドホモログ、そのようなリガンドホモログを含む融合タンパク質、および細胞表面に組換えリガンドホモログを発現した細胞を含む。当業者は過度な実験をせずに免疫原を選択し得る。
Balb/cのようなマウスを完全フロイントアジュバントに乳化した免疫原で免疫し、そして1〜100μgの量を皮下または腹腔内に注射する。あるいは、この免疫原を、MPL−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Research、Hamilton、MT)に乳化し、そして動物の後足肉趾内に注射する。免疫されたマウスに、次に10から12日後に選んだアジュバントに乳化した追加の免疫原で追加免疫する。その後、数週間、マウスをさらなる免疫注射で追加免疫もまたし得る。抗体を検出するELISAアッセイを試験するために、血清サンプルを定期的にマウスから眼窩後方の採血によって採取し得る。
適切な抗体力価を検出した後、抗体「陽性」の動物に、所定のリガンドを最終的に静脈内注射し得る。3日から4日後、そのマウスを屠殺し、そして脾臓細胞を回収する。次にこの脾臓細胞を、ATCC、No.CRL 1597より入手可能なP3X63AgU.1のような選ばれたマウスミエローマ細胞株と融合する(35%ポリエチレングリコールを用いて)。この融合物は、ハイブリドーマ細胞を産生し、次にこれを、融合していない細胞、ミエローマハイブリッド、および脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害するために、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン)培地を含む96ウェル組織培養プレートにプレートし得る。
ハイブリドーマ細胞を、抗原に対する反応性についてELISAでスクリーニングする。本明細書中のTIEリガンドホモログに対する望ましいモノクローナル抗体を分泌する「陽性」ハイブリドーマ細胞の決定は当業者の技術的範囲内である。
抗TIEリガンドホモログモノクローナル抗体を含む腹水を産生するために、陽性ハイブリドーマ細胞を同系Balb/cマウスの腹腔内に注射し得る。あるいは、ハイブリドーマ細胞を組織培養フラスコまたはローラーボトル中で増殖させ得る。腹水中で産生されたモノクローナル抗体の精製を、硫酸アンモニウム沈澱、次にゲル排除クロマトグラフィーを用いて達成し得る。あるいは、抗体のプロテインAまたはプロテインGへの結合に基づくアフィニティークロマトグラフィーを使用し得る。
(実施例9)
(VEGF刺激による内皮細胞増殖の阻害)
ウシ副腎皮質毛細管内皮(ACE)細胞(初代培養から最大12〜14継代)を、96ウェルマイクロタイタープレート(Amersham Life Science)で、100μLあたり500個の細胞/ウェルの密度で、3ng/mLのVEGFを追加した低グルコースDMEM、10%仔ウシ血清、2mMグルタミン、1×pen/streptおよびファンギゾン(fungizone)中にプレートした。コントロールを同じ方法でプレートしたが、いくつかはVEGFを含まなかった。NL8ポリペプチドの試験サンプルを100μl容量で加えて、最終的な容積を200μL容量とした。細胞を37℃で6〜7日間インキュベートした。この培地を吸引し、細胞をPBSで1回洗浄した。酸性ホスファターゼ反応混合物(100μL、0.1M酢酸ナトリウム、pH5.5、0.1%Triton−100、10mM p−ニトロフェニルリン酸)を加えた。37℃で2時間インキュベートした後、10μLの1N NaOHを加えて反応を止めた。マイクロタイタープレートリーダーで405nmの光学密度を測定した。コントロールは細胞なし、細胞単独、細胞+FGF(5ng/mL)、細胞+VEGF(3ng/mL)、細胞+VEGF(3ng/ml)+TGF−β(1ng/ml)、および細胞+VEGF(3ng/mL)+LIF(5ng/mL)であった(1ng/mlの濃度のTGF−βはVEGF刺激による細胞増殖を70−90%阻害することが知られている)。
酸性ホスファターゼの活性をOD405nmで測定することによって決定する、VEGF(3ng/ml)刺激による細胞増殖の阻害の割合を計算することによって、(1)刺激なしの細胞と比較して、および(2)VEGF刺激活性の参照TGF−β阻害と比較して、結果を評価した。阻害が30%以上であれば、結果を陽性と判断する。以下の表1に示す結果は、NL5、およびおそらく関連ポリペプチドの、ガン治療および特に腫瘍脈管形成を阻害することにおける有用性の指標である。表1に示される数値(相対阻害)を、VEGF刺激増殖のパーセント阻害を、刺激無しの細胞に対する試験したTIEリガンドホモログを計算すること、次いでこのパーセンテージをVEGF刺激細胞増殖の70〜90%をブロックすることが公知である2ng/mlでのTGF−βによって得られたパーセント阻害へと除することによって決定した。
Figure 2005185284
(実施例10)
(内皮細胞のアポトーシス誘導)
NL2、NL3およびNL6が内皮細胞にアポトーシスを誘導する能力を、96ウェル形式で、100ng/mlのVEGFを補充した0%血清培地中で、ヒト静脈性臍静脈内皮細胞(HUVEC、Cell Systems)において試験した(HUVEC細胞は容易にプレート表面から取り除かれるので、ウェル中のすべてのピペット操作は実施可能な限り穏やかに行わなければならない)。
培地を吸引し、細胞を1回PBSで洗浄した。5mlの1×トリプシンをT−175フラスコ中の細胞に加え、細胞がプレートから離れるまで(約5−10分)静置した。5mlの増殖培地を加えることにより、トリプシン処理を止めた。細胞を4℃、1000rpmで5分間、遠心分離(spin)した。培地を吸引し、細胞を10mlの10%血清補充培地(Cell Systems)、1×penn/strepに再懸濁した。
この細胞を、96ウェルマイクロタイタープレート(Amersham Life Science、cytostar−T scintillating microplate、RPNQ160、滅菌、組織培養処理、個別包装)で、10%血清(CSG培養液、Cell Systems)中で、総容積100μl、ウェルあたり2×104個の細胞密度でプレートした。NL5およびNL8ポリペプチドを1%、0.33%、0.11%の希釈で3組づつ加えた。細胞無しのウェルをブランクとして、細胞のみのウェルをネガティブコントロールとして使用した。ポジティブコントロールとして、50μlのスタウロスポリン3倍ストックを1:3に連続的に希釈したものを使用した。NL5ポリペプチドがアポトーシスを誘導する能力を、アポトーシスを検出するためにカルシウムおよびリン脂質結合タンパク質の1つであるアネキシンVを用いて決定した。
0.2mlのアネキシンV−ビオチンストック溶液(100μg/ml)を4.6mlの2×Ca2+結合緩衝液および2.5%BSAに希釈した(1:25希釈)。50μlの希釈したアネキシンV−ビオチン溶液を各ウェルに加え(コントロールを除いて)、最終的な濃度を1.0μg/mlとした。35S−ストレプトアビジンを直接加える前に、サンプルをアネキシン−ビオチンと共に10−15分間インキュベートした。35S−ストレプトアビジンを2×Ca2+結合緩衝液、2.5%BSAで希釈し、全てのウェルに最終的な濃度が3×104cpm/ウェルになるように加えた。プレートに封をし、1000rpmで15分間遠心分離して軌道振盪機(orbital shaker)に2時間置いた。1450Microbeta Trilux(Wallac)で分析を行った。
NL2、NL3、およびNL6はこのアッセイで陽性であった。これらの結果は、この分子、および潜在的に関連する分子の、ガン治療における潜在的な有用性をさらに確認する。
(実施例11)
(内皮細胞におけるc−fosの誘導)
増殖培地(50%Ham’s F12、GHT無し、低グルコース、および50%DMEM、グリシン無し、NaHCO3有、1%グルタミン、10mM Hepes、10%FBS、10ng/ml bFGF)中のヒト静脈臍静脈内皮細胞(HUVEC、Cell Systems)を、96ウェルのマイクロタイタープレートに、1×104細胞/ウェルの細胞密度でプレートした。プレーティングの翌日、その細胞を、増殖培地を除去することおよびその細胞を100μl/ウェルの試験サンプルおよびコントロール(陽性コントロール:増殖培地;陰性コントロール:10mM HEPES、140mM NaCl、4%(w/v)マンニトール、pH6.8)で処置することによって飢餓させた。その細胞を30分間37℃で5%CO2中でインキュベートした。そのサンプルを取り出し、そしてbDNAキットプロトコル(Chiron Diagnostics、cat#6005−037)の第一部にしたがい、ここで、以下に列挙した各大文字で始まる試薬/緩衝液はそのキットから利用可能であった。
手短には、その試験に必要なTM Lysis BufferおよびProbeの量を、製造業者によって提供される情報に基づいて計算した。解凍したProbeの適切な量をTM Lysis Bufferに添加した。Capture Hybridization Bufferを室温に暖めた。bDNAストリップを金属ストリップホルダに設定し、そして100μlのCapture Hybridization Bufferを、必要とされる各bDNAウェルに添加し、次いで少なくとも30分間インキュベートした。その細胞を有する試験プレートをインキュベーターから取り出し、そしてその培地を緩やかにそのバキュームマニホルドを用いて除去した。100μlのProbeを伴うLysis Hybridization Bufferを、マイクロタイタープレートの各ウェルへ迅速にピペッティングした。次いで、このプレートを55℃で15分間インキュベートした。インキュベーターからの取り出しの際、そのプレートをマイクロタイターアダプターヘッドを伴うボルテックスミキサに置き、そして#2設定で1分間ボルテックスした。80μlの溶解物を取り出し、そしてCapture Hybridization Bufferを含むbDNAウェルへ添加し、そして上下にピペッティングして混合した。このプレートを53℃で少なくとも16時間インキュベートした。
翌日、bDNAキットプロトコルの第二部を行った。詳細には、Plateをインキュベーターから取り出し、そしてベンチにおいて10分間冷却した。必要とされる追加の容量を、製造業者によって提供された情報に基づいて計算した。Amplifier Working Solutionを、Amplifier Concentrate(20fm/μl)のAL Hybridization Bufferへの1:100希釈を行うことによって調製した。ハイブリダイゼーション混合物を、プレートから取り出し、そしてWash Aを用いて2回洗浄した。50μlのAmplifier Working Solutionを各ウェルに添加し、そしてそのウェルを53℃で30分間インキュベートした。次いで、そのプレートをそのインキュベーターから取り出し、そして10分間放冷した。Label Probe Working Solutionを、Label Concentrate(40pモル/μl)のAL Hyrbidization Buffer中で1:100希釈を行うことによって調製した。10分間の放冷期間の後、Amplifier Hybridization Mixtureを除去し、そしてそのプレートをWash Aで2回洗浄した。50μlのLabel Probe Working Solution を各ウェルに添加し、そしてそのウェルを53℃で15分間インキュベートした。10分間冷却した後、そのSubstrateを室温まで暖めた。アッセイに必要とされるSubstrate1mlあたり3μlのSubstrate Enhancerを添加する際に、そのプレートを10分間放冷し、Label Hybridization Mixtureを除去し、そしてそのプレートを2回Wash Aで洗浄し、そしてWash Dで3回洗浄した。50μlのEnhancerを伴うSubstrate Solutionを各ウェルに添加した。そのプレートを30分間37℃でインキュベートし、そしてRLUを適切なルミノメーターで読み取った。
複製を平均し、そして変動係数を決定した。陰性コントロール(上記のHEPES緩衝液)の値に対する増加倍数の活性の尺度を、化学発光単位(RLU)により示した。陰性コントロールの値に対して少なくとも2倍の値を示したサンプルを陽性とみなした。
Figure 2005185284
(実施例12)
(内皮細胞Ca流入アッセイ)
Ca流入は、特定のリガンドの、そのレセプターに対する結合の際の充分に記載された応答である。このCa流入アッセイにおいて陽性応答をもたらす試験化合物を、特定のレセプターに結合し、そしてヒト内皮細胞における生物学的シグナル伝達経路を活性化するといい得る。これは、最終的には、例えば、細胞分裂、細胞増殖の阻害、内皮細胞管形成、細胞移動、アポトーシスなどを導き得る。
増殖培地(50:50グリシン無し、1%グルタミン、10mM Hepes、10%FBS,10ng/ml bFGF)中のヒト静脈臍静脈内皮細胞(HUVEC、Cell Systems)を、96ウェルのViewPlates−96(Packard Instrument Company#6005182)マイクロタイタープレートに、2×104細胞/ウェルでプレートした。
この細胞を緩衝液(HBSS+10mM Hepes)で3回洗浄し、1ウェルあたり100μl放置した。NL6ポリペプチドの試験サンプルを、異なる96ウェルプレートに、緩衝液中に5×濃縮で調製した。陽性コントロール:50μMイオノマイシン(5×);陰性コントロール:Protein 32.細胞プレートおよびサンプルプレートを、FLIPR(Molecular Devices)装置上にかけた。FLIPR装置は25μlの試験サンプルを細胞に添加し、および読み取りを、1分間にわたり1秒ごとに行い、次いで次の3分間にわたり3秒ごとに行った。
曲線(Δ変化)の最大の上昇に対する基底線の蛍光変化を計算し、そしてその複製を平均した。蛍光が増加する速度を、モニターし、そして1000を超えるΔ変化を有し、そして60秒以内に上昇したそのサンプルのみを陽性とみなした。以下の表3には、結果が、陽性コントロールと比較して表現される。
Figure 2005185284
(実施例13)
(モルモット皮膚生検評価)
350グラム以上の体重の無毛モルモットにケタミン(75〜80mg/kg)およびキシラジン(5mg/kg)で筋肉内で麻酔をかけた。NL6または馴化培地試験サンプルを、注射部位あたり100μlで背中に皮内注射した。動物1匹あたりおよそ16〜24の注射部位が存在した。1mlのEvans青色色素(1%生理学的緩衝化生理食塩水)を心臓内注射した。試験化合物に対する前炎症または皮膚血管透過性応答を、肉眼で、試験材料(NL6)の投与後1〜6時間で注射部位からもれる青色色素の直径を測定することによってスコア付けした。動物を投与後6時間で屠殺した。各皮膚部位を生検し、そしてホルマリンで固定した。皮膚を組織学的評価のために調製した。各部位を皮膚内への炎症細胞浸潤について評価した。可視の炎症細胞浸潤を有する部位を、陽性とスコア付けした。炎症細胞浸潤物は、好中球、好酸球、単球、またはリンパ球性であり得る。NL6を、このアッセイにおいて、潜在的な前炎症物質と同定した。
(実施例14)
(内皮の管形成の刺激)
このアッセイは、以下のようにDavisおよびCamarillo、Experimental Cell Research、224:39−51(1996)で述べられたアッセイまたは、その変形の1つに従う。
プロトコル:HUVE細胞(継代回数が初代培養から8回未満)を6×105個の細胞/mlの密度でI型ラットテイルコラーゲンと混合し、最終濃度は2.6mg/ml、そして96ウェルプレート上にウェルあたり50μlをプレートした。ゲルを37℃で1時間凝固させておいて、次いでウェルあたり50μlの1%FBSを追加したM199培養培地およびNL6ポリペプチドサンプル(各1%、0.1%、0.01%の希釈で)を、液胞が形成されている間それを染色する1μMの6−FAM−FITC色素と共に加える。細胞を37℃/5%CO2で48時間インキュベートし、3.7%ホルマリンを用いて室温で10分間固定し、PBSで5回洗浄した。次にRh−ファロイジンを用いて4℃で1晩染色し、次に4μMのDAPIで核を染色した。
(1.アポトーシスアッセイ)
このアッセイは、3次元マトリクス中で、外来性の増殖因子(VEGF、PMAなしのbFGF)存在下で、細胞の生存を促進する因子を同定する。
1以下の結果が陽性である。0=アポトーシスなし、1=20%未満の細胞がアポトーシスをおこしている、2=50%未満の細胞がアポトーシスをおこしている、3=50%を超える細胞がアポトーシスをおこしている。この系でアポトーシスを刺激する物質は、アポトーシス因子と予想され、インヒビターはアポトーシスを防止または抑制することが予想れる。
(2.液胞アッセイ)
このアッセイは、bFGFおよびVEGF(40ng/ml)の存在下で、内皮の液胞形成および管腔形成を刺激する因子を同定する。
2以上の結果が陽性である。1=20%未満の細胞に液胞が存在する、2=20−50%の細胞に液胞が存在する、3=50%を超える細胞に液胞が存在する。このアッセイをピノサイトーシス、イオン輸送、透過性、および結合形成の刺激に関与する因子を同定するために設計する。
(3.管形成アッセイ)
このアッセイは、3次元マトリクス中で内皮の管形成を刺激する因子を同定する。このアッセイは、3次元マトリクス中で外来性の増殖因子(VEGF、bFGF)存在下で、内皮細胞の管様構造への分化を刺激する因子を同定する。
2以上の結果が陽性である。1=細胞は全て丸い、2=細胞は細長くなっている、3=細胞はいくらか結合した管を形成している、4=細胞は複雑な管ネットワークを形成している。このアッセイはトラッキング、走化性、または内皮の形状変化の刺激に関与し得る因子を同定する。
図10はHUVECの管形成に対する、ポリヒスチジンに結合した1%希釈のNL6ポリペプチド、および1%希釈の緩衝液コントロール(10mM HEPES/0.14M NaCl/4%マンニトール、pH6.8)の効果を示している。IgG融合物として試験した、もう1つの新規のTIEリガンドホモログ(NL1)および2つの公知のTIEリガンドであるTIE−1およびTIE−2と比較した結果もまた図10に示す。
(材料の寄託)
前に言及したように、次の材料をアメリカンタイプカルチャーコレクション、12301 Parklawn Drive、Rockville、MD、USA(ATCC)に寄託した:
Figure 2005185284
これらの寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約(ブダペスト条約)およびその下での規制の規定の下になされた。これは寄託の生存可能な培養物を寄託日から30年間維持することを保証する。寄託物はブダペスト条約の条項の下で、Genentech,Inc.およびATCC間の合意を条件として、ATCCによって入手可能となり、これは、適切な米国特許が発行された時点、またはあらゆる米国または外国特許出願が公開された時点のどちらが先にきても、寄託物の培養物の子孫を、公衆が永続的に無制限に入手できることを保証する。そして、35USC§122およびそれに準ずる米国特許商標庁長官の規則(886OG683に特に言及している37C.F.R.§1.14を含む)によって、米国特許商標庁長官によってその権利があると決定されたものがその子孫を入手できることを保証する。
本願の譲受人は、寄託した材料の培養物が、適切な条件下で培養されている時に死滅または喪失または破壊された場合、通知に基づいて直ちにもう1つの同じものと交換することに同意した。寄託した材料の入手可能性は、あらゆる政府の権威のもとでその特許法に従って授与された権利に違反して本発明を実施する実施許諾とは解釈されるべきではない。
本明細書は、当業者が発明を実施するのを可能にするのに十分であると判断される。寄託された実施態様は本発明の特定の局面の1つの例示として意図されており、機能的に等価なあらゆる構築物は本発明の範囲内であるので、本発明は寄託された構築物によって範囲が制限されるべきではない。本明細書中の材料の寄託は、明細書がその最良の形態を含む本発明のあらゆる局面の実施を可能にするのに不適当であるという承認を構成しない。また請求の範囲をそれが表す特定の例示に制限するように解釈されるべきではない。実際に、本明細書中に示され記述されたものに加えて、本発明の様々な変形が、前述の記載から当業者に明らかになり、添付される請求の範囲の範囲内に入る。
図1は、リガンドホモログNL2、NL3およびFLS139の、TIE2レセプターの2つの公知のリガンドホモログ(h−TIE2L1およびh−TIE2L2)ならびに出願番号第08/933,821号(1997年9月19日出願)に開示される他のTIEリガンドホモログとの関係の図示である。 図2AおよびBは、TIEリガンドNL2のヌクレオチド配列である(配列番号1)(DNA 22780)。 図2AおよびBは、TIEリガンドNL2のヌクレオチド配列である(配列番号1)(DNA 22780)。 図3AおよびBは、TIEリガンドNL2のアミノ酸配列である(配列番号2)。 図3AおよびBは、TIEリガンドNL2のアミノ酸配列である(配列番号2)。 図4は、TIEリガンドNL3のヌクレオチド配列である(配列番号3)(DNA 33457)。 図5は、TIEリガンドNL3のアミノ酸配列である(配列番号4)。 図6AおよびBは、TIEリガンドFLS139のヌクレオチド配列である(配列番号5)(DNA 16451)。 図6AおよびBは、TIEリガンドFLS139のヌクレオチド配列である(配列番号5)(DNA 16451)。 図7AおよびBは、TIEリガンドFLS139のアミノ酸配列である(配列番号6)。 図7AおよびBは、TIEリガンドFLS139のアミノ酸配列である(配列番号6)。 図8は、種々の組織においてTIEリガンドホモログNL2およびNL3のmRNAの発現を示すノーザンブロットである。 図9は、種々の組織においてTIEリガンドNL2およびNL3のmRNAの発現を示すノーザンブロットである。 図10は、1%希釈でポリ−hisに結合したNL6ポリペプチドの、および1%希釈で緩衝液コントロール(10mM HEPES/0.14M NaCl/4%マンニトール、pH 6.8)の、HUVECチューブ形成における効果を示す。IgG融合体としてテストした、別の新規TIEリガンドホモログ(NL1)および2つの公知のTIEリガンドTIE−1およびTIE−2との比較結果もまた、図中で示す。

Claims (21)

  1. 哺乳動物TIEリガンドホモログポリペプチドをコードする単離された核酸分子であって、
    (a)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするか、または、
    (b)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ内皮細胞の増殖阻害能および/またはアポトーシス誘導能を有するポリペプチドをコードする、
    単離された核酸分子。
  2. 配列番号3で示される核酸配列中のコード領域を含む請求項1に記載された核酸分子。
  3. 請求項1に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  4. 請求項1に記載の核酸分子で形質転換した、組換え宿主細胞。
  5. 原核生物細胞である、請求項4に記載の組換え宿主細胞。
  6. 真核生物細胞である、請求項4に記載の組換え宿主細胞。
  7. 単離された哺乳動物TIEリガンドホモログポリペプチドであって、該ポリペプチドが、
    (a)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるか、または、
    (b)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ内皮細胞の増殖阻害能および/またはアポトーシス誘導能を有する、
    単離された哺乳動物TIEリガンドホモログポリペプチド。
  8. 請求項7に記載のTIEリガンドと特異的に結合する、抗体。
  9. モノクローナル抗体である、請求項8に記載の抗体。
  10. 非ヒト相補性決定領域(CDR)残基およびヒトフレームワーク(FR)残基を有する、請求項9に記載の抗体。
  11. 標識されている、請求項8に記載の抗体。
  12. 請求項7に記載のポリペプチドをキャリアとともに含む医薬組成物。
  13. 請求項8に記載の抗体をキャリアとともに含む、医薬組成物。
  14. 細胞傷害性薬剤または化学療法剤の二次抗体をさらに含む請求項13に記載の医薬組成物。
  15. さらなる治療剤または細胞障害性薬剤に融合された、請求項7に記載のポリペプチドまたは請求項8に記載の抗体を含む、結合体。
  16. 前記さらなる治療剤が、トキシン、異なるTIEリガンド、または血管内皮増殖因子(VEGF)ファミリーのメンバーである、請求項15に記載の結合体。
  17. 血管新生をモニタリングし、血管新生の存在を画像化するための診断用組成物であって、検出可能に標識された請求項7に記載のTIEリガンドホモログポリペプチド、またはアゴニストである請求項8に記載の抗体を含有する、組成物。
  18. 血管形成を阻害する請求項12または13に記載の医薬組成物。
  19. 内皮細胞増殖を阻害する請求項12または13に記載の医薬組成物。
  20. 内皮細胞のアポトーシスを誘導する請求項12または13に記載の医薬組成物。
  21. 腫瘍増殖を阻害する請求項12または13に記載の医薬組成物。
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