JP2001515808A - 画像転写方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 一方の媒体から第２の媒体に大気温度でインク画像を転写する改良型の方法の利用法が開示されている。インクタイプのプリンタで印刷する予定のデジタル画像は、コンピュータ装置上で選択される。画像は、印刷前にコンピュータ装置上で種々の方法で処理することができる。画像は、インクタイプのプリンタを利用して非吸収性の媒体に印刷される。その後、この非吸収性媒体から、画像を備えることが望まれる物体に、画像が転写される。この転写工程は余分な熱を要しない。画像転写を助けるために、非吸収性媒体の裏側に圧力が加えられる。画像転写前に、傷をつけたり、適切な基層を与えることによって物体の表面を用意することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 技術分野 本発明は、広義には、物体に印刷画像を付着させる技術に関するものであり、
具体的には、中間部材を利用して大気温度でコンピュータ画像を対象物体に転写
するためのインク式プリンタの利用法に関するものである。 背景技術

【０００２】 画像や単語を物体上に印刷する技術は数多くおり、凸版印刷法、リソグラフィ
法、グラビア印刷法、およびスクリーン印刷法といった工程がある。特定の作業
に合った適切な工程を決定するには、品質、数量、複写の複雑さ、色数、対象物
体すなわち媒体の特徴、および費用の問題を評価して調整しなくてはならない。
また、経済的なマルチメディアコンピュータに接続して利用できる高品質で経済
的なプリンタが開発されたことにより、素人でも高解像色を含む高品質な画像や
文書を作成よび印刷することができる。

【０００３】 コンピュータに付属しているプリンタは、一般に、レーザ式プリンタまたはイ
ンク式プリンタである。レーザ式プリンタは、プリンタに送給する媒体、一般に
紙、の表面にトナーを付着させるために熱を利用している。インク式プリンタは
、プリンタに送給する媒体、やはり一般に紙、に対して選択的にインクを噴射す
る。上記両タイプのプリンタは、約６００〜１２００ドット／インチ以上の高解
像度を出すことができる。特にレーザタイプなど、プリンタのタイプによっては
更に高い解像度を出せるものもある。

【０００４】 これらのタイプのプリンタは、経済的および時間的観点から言うと前述の従来
の印刷工程を超える素晴らしい節約をすることができるが、このプリンタに送給
することのできる媒体のタイプおよびサイズが限定されるという欠点がある。例
えば、ほとんどすべてのプリンタは、媒体が比較的に平坦な面であることを要求
する。野球用のボールをプリンタに送給することは不可能である。また、媒体の
サイズは、プリンタの大きさおよび送り機構に対応するように限定される。最も
安上がりのプリンタには、リーガルサイズの紙をはるかに上回る大きさの媒体を
送給することができない。また、プリンタの多くは、プリンタに媒体を平坦な状
態でしか送給することができないことにより、媒体は通常は可撓性を備えていな
くてはならない。ボール紙は、幅、厚さ、硬さともに大きすぎてプリンタを送給
することができないので、適切な媒体ではない。プロッタとして知られているタ
イプのプリンタを利用することにより、前述の問題のうちのいくつか（第１に幅
、第２に硬さ）に対処することができるが、大部分のプロッタは他のプリンタを
同じ制限に煩わされている。

【０００５】 コンピュータプリンタに送給できない媒体に印刷を施すには、前述以外の印刷
工程を利用しなくてはならない。そのような前述以外の印刷工程には、余分な時
間と費用がかかるといった欠点がある。これは、セットアップとして知られてい
る印刷工程の初期段階に特に該当する。印刷予定の物体の数がかなり多い場合、
セットアップに注ぎ込まれる時間とリソースが増大するため、従来の印刷工程の
いずれかを利用することが是認されることになるだろう。しかし、印刷予定の物
体の数が小さい場合は、初期セットアップ投資が高いために印刷物に対する全体
印刷コストが極めて高くなる。

【０００６】 従来の印刷工程の他の欠点および高いセットアップ投資では、大量生産の準備
完了時以前に印刷物がどのように見えるかを見て確認することなど無理である。
すなわち、これらの印刷工程では、初期セットアップ投資が既になされており、
何らかの変更を行うにはその投資をことごとくやり直す必要があるので、最初の
印刷物を見てから修正または調整を行うことは極めて難しい。

【０００７】 したがって、前述の印刷工程の欠点を克服する、具体的には、比較的少数の印
刷においても経済的で、インクタイプのプリンタを使用することができ、プリン
タに送給することができない広範囲な媒体に印刷することができる印刷工程が必
要とされている。

【０００８】 発明の開示 本発明は、広義には、物体に印刷画像を付着させる技術に関するものであり、
具体的には、中間部材を利用してコンピュータ画像を対象物体に転写するための
インク式プリンタの利用法に関するものである。転写方法で必要なのは、周囲温
度と手圧力のみであることが好ましい。しかしながら、場合により、手圧力以上
の圧力を加えることが望ましいこともある。しかし、本発明を利用するのに際し
、高い温度は必要ない。本発明は、コンピュータ装置でデジタル画像を選択して
インクタイプのプリンタで印刷する工程を含んでいる。画像は水性インクで印刷
され、非吸収性媒体は、水性インクによる精密な画像パターンを受ける性質を有
していることが好ましい。この性質は、レーザタイププリンタ用の透明フィルム
または同様な組成を有する他の半透明または不透明なフィルムを利用することに
よって得られる。第１の媒体のインク画像を受ける面が表側である。このフィル
ムは、次に、第２の媒体に接触させられ、インク画像が第２の媒体に実質的に転
写されるように第１の媒体の裏側に圧力が加えられる。

【０００９】 第１の媒体から第２の媒体にインク画像を転写するのに利用される圧力は、バ
ニシング、ローラ、スタンプなど、第１の媒体の裏側にかけられる実質的に垂直
な圧力をかける他の加圧手段によって得られる。インク画像を正確に重ね合わせ
るように注意しながらこの工程を１回以上繰り返すことによって、高密度の転写
画像が得られる。適当な非吸収性媒体が選択された場合には、１回の転写操作で
高密度の転写画像を達成できることが好ましい。コンピュータ画像の適切な設定
を以下に記載する。

【００１０】 第２の媒体は、木、プラスチック、ガラス、金属、セラミック、アクリル、ビ
ニル、自己接着性ビニル、塗料、紙、ボール紙など実質的に任意の材料から構成
できる。第２の媒体の表面は、インク画像を受けるのに適していなくてはならな
い。第２の媒体の表面がインクを受けることに元来適していない場合は、傷をつ
ける、または、適切な基層を与えることによって用意する必要があるかもしれな
い。表面の用意が必要なのは、インク画像を受ける表面部分だけである。

【００１１】 インク画像が第２の媒体に転写された後、インク画像を保護するために転写画
像の上にシール材を与えてもよい。インクタイプのプリンタには、水溶性インク
、非水溶性インク、高顔料濃度インク、およびシール材入りインクを含む種々の
タイプのインクを利用できる。

【００１２】 コンピュータ上で選択される画像の由来は、スキャナの使用、デジタルカメラ
の使用、遠隔供給元（ディスクまたはネットワークなど）からの画像のダウンロ
ード、およびコンピュータ上での新画像の作成などである。選択されたコンピュ
ータ画像は、印刷前に処理を施すことができる。画像の処理では、明度、色、方
向、大きさ、背景、前景、形状、およびその他の種々の視覚効果の調節を含むこ
とができる。当業者は、いろいろな画像操作コミュータプログラムを利用できる
。その中に、アドビ・ページメーカー（Ａｄｏｂｅ ＰａｇｅＭａｋｅｒ）、ア
ドビ・フォトショップ（Ａｄｏｂｅ Ｐｈｏｔｏｓｈｏｐ）、アドビ・イラスト
レーター（Ａｄｏｂｅ Ｉｌｌｕｓｔｒａｔｏｒ）、３Ｍグラフィックメーカイ
ンクジェットソフトウェア［ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャ
リング社（Ｍｉｎｎｅｓｏｔａ Ｍｉｎｉｎｇ ａｎｄ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒ
ｉｎｇ Ｃｏｍｐａｎｙ）（３Ｍ）］他、多くが含まれる。画像処理機能は、第
２の媒体への転写するために非吸収性媒体に与える画像を制御する機能にとって
重要な機能である。

【００１３】 本発明の目的は、コンピュータとインクタイプのプリンタとを利用して実質的
に任意の表面に画像を印刷および転写できる画像転写工程を提供することである
。

【００１４】 本発明の別の目的は、工程時に温度上昇を行わずに対象面に画像を転写できる
画像転写工程を提供することである。

【００１５】 本発明の更に別の目的は、一般のインクタイププリンタに送給することができ
ない表面に画像を転写できる画像転写工程を提供することである。

【００１６】 本発明の更に別の目的は、一般に印刷画像を受けるのに適しない表面を有する
媒体を用意できる画像転写工程を提供することである。

【００１７】 本発明の更に別の目的は、少量印刷に使用する場合であっても、高速で効果的
で経済的な方法で実質的に任意の表面にコンピュータ選択画像を転写できる画像
転写工程を提供することである。

【００１８】 本発明の他の目的、利点、および新奇な特徴は、添付図面と組みあわせて考え
るときに以下の本発明の詳述から明らかになるであろう。

【００１９】 発明を実施するための最良の形態 ここで、本発明の更に深い理解を助けるために、本発明の種々の形式および実
施形態を更に詳しく説明する。添付図面を参照する。図面上の特定の部品および
位置を示すために、図面では参照番号および符合を利用する。特に指示がない限
り、全図面を通して同一の参照番号および符合を利用する。

【００２０】 ここで図１を参照すると、本発明の画像転写方法（１０）のフローチャート図
が記載されている。画像転写方法（１０）を更に理解しやすくするために、この
工程について概括的に論じた後に、種々の段階について更に詳しく論じることに
する。

【００２１】 本発明の画像転写方法の第１の段階は、最終的に画像を受ける物体すなわち品
物の表面を用意することである（１２）。以下に詳しく説明するが、この段階（
１２）は必ずしも必要では無い。転写画像を受ける物体の表面を用意した後（１
２）、必要があれば、転写予定の画像をコンピュータ上で選択しなくてはならな
い（１４）。コンピュータ上で画像が選択された後（１４）、画像はコンピュー
タ上で処理すなわち修正される（１６）。最も一般的な２タイプの画像処理（１
６）は、画像反転と、画像の明度の用意である。

【００２２】 画像が処理されて（１６）最終的な形態になった後、画像は、レーザタイプの
プリンタ用に製造された透明フィルム、以下「レーザ用透明フィルム」と呼ぶ、
などの非吸収性媒体に印刷される（１８）。レーザ用透明フィルムへの印刷は、
しかしながら、コンピュータにせつぞくされたインクタイプのプリンタを利用し
て行われる。レーザタイプのプリンタの利用は、本発明と組み合わせてもうまく
いかない。プリンタは、基本的に、プリンタに送給される媒体にインクを噴射す
るタイプのものでなくてはならない。

【００２３】 レーザ用透明フィルムは、正確な画像パターンでインク画像を解離できる性質
を持っている非吸収性の媒体である。同様の性質を有する半透明または不透明の
フィルムを利用することもできる。

【００２４】 転写媒体としても知られているレーザ用透明フィルムは、表側と裏側を含んで
いる。説明のために、インク画像は透明フィルムの表側に配置されるものと仮定
する。非吸収性の媒体を利用することにより、インク画像は、転写媒体の表面に
そのまま存続する。少なくとも３Ｍブランドのレーザ用透明フィルムに関する、
そうしないようにとの警告にもかかわらず、インクタイプのプリンタにレーザ用
透明フィルムを使用するというのは普通でない驚くべきことのように聞こえるか
もしれないが、この場合に行われることは、全くその通りのことである。

【００２５】 この工程は、レーザ用透明フィルムが不透明になったとしても有効に作用する
。レーザ用透明フィルムだけでなく、他の滑らかな非吸収性の媒体（１８）も使
用できる。片面に解決手段を有しているインクタイププリンタ用に製造された透
明フィルム、以下「インク用透明フィルム」と呼ぶ、は、透明フィルムの反転す
ることに避けるように警告する透明フィルムパッケージ記載の指示に反して滑ら
かな裏側を使用しない限り、当該工程で使用することはできない。しかしながら
、インク用透明フィルムを反転すると、インクタイプのプリンタに障害が生じる
。これが、好適実施形態としてレーザ用透明フィルムを使用することの理由であ
る。

【００２６】 次に、表側にインク画像を備えた透明フィルムすなわち転写媒体は、表側を下
向きにして、画像を受ける予定の対象物体とも呼ばれる物体すなわち品物の上に
置かれる。、その後、画像は、転写フィルムの裏側に圧力をかけることによって
、転写媒体から対象物体に実質的に転写される（２０）。その後、透明フィルム
は対象物体から注意深く剥離される。

【００２７】 転写は、加熱せずに行われる。転写媒体から対象媒体すなわち第２の媒体に画
像を転写するのに、手または手動工具の圧力と大気温度だけで十分である。高温
の適用を要する布（特にＴシャツ）への画像転写など、当業者に公知の他の転写
工程と異なり、本発明の方法は加熱転写の必要を無くした。これにより、本発明
を利用するものにいくつかの利点が与えられる。この転写では、余分なエネルギ
ーを必要としない。熱が無いので、人間の皮膚に対する火傷や、それ自体が感温
性の場合がある第２の媒体すなわち対象物体を含む他の品物に対する損傷を伴わ
ない転写が可能となる。最も重要なのは、熱の排除によって、転写段階を複雑化
する要因が無くなったことであり、これによって本発明は、画像の加熱転写にか
かわり同を必要とする当該分野で公知の方法よりも、利便性、経済性、安全性、
汎用性を増した。よって、作業するのに熱を必要としないということなので、本
発明は「低温転写工程」である。

【００２８】 その後、対象物体は、画像が満足なものか見て確認される（２２）。画像が満
足なものでない場合は、画像を対象物体から除去することもできる（２４）。イ
ンクタイププリンがで使用されるインクの大部分は水溶性なので、画像の除去は
、一般に、対象物体を洗うだけでよい。画像が容認できるものであれば、画像を
乾燥させる。別の画像を適用することが決定された場合には（２６）、画像印刷
段階（１８）と画像転写段階（２０）とが繰り返される。別画像の適用は、基本
的に、画像中にもっと明るくもっとはっきりした色を与える別のインクコーティ
ングを適用するだけである。

【００２９】 すべての画像を転写して乾燥した時点で、シール材を与えることもできる（２
８）。シール材のタイプは、対象物体として使用される材料タイプによって異な
る。シール材は、保護層を構成するとともに、フラット、セミグロス、グロス、
サテンといった種々の仕上外観を選択する機会を与えるものである。ここで、最
もよく知られているプラスチック用シール材は、オハイオ州ソロンのシャーマン
ウィリアムズ社（Ｓｈｅｒｍａｎ Ｗｉｌｌｉａｍｓ Ｃｏｍｐａｎｙ）の特殊
分野部のクライロン製品グループから市販されている、ＫＡＭＡＲ Ｖａｒｎｉ
ｓｈとも呼ばれているＫｒｙｌｏｎ＃１３１２スプレイである。あるいは、シー
ル材を与えるのではなく、画像を保護する透明な接着ラミネートで画像を保護す
ることもできる。そのような上掛け用ラミネートの市販供給元は、ミネソタ・マ
イニング・アンド・マニュファクチャリング社（Ｍｉｎｎｅｓｏｔａ Ｍｉｎｉ
ｎｇ ａｎｄ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ Ｃｏｍｐａｎｙ）（３Ｍ）などで
ある。

【００３０】 ここで図２を参照すると、対象物体が転写媒体からのインク画像を適切に受け
られることを保証するために、対象物体の表面を用意することが必要な場合があ
る。インク画像を適切に受けるためには、対象物体の表面は、吸収性、多孔性、
または十分に摩損されたものでなくてはならない。対象物体の表面はいずれも、
きれいで（３２）、乾燥して（３３）いなくてはならない。対象物体の表面に更
に用意を施す必要があるかどうかは、媒体の製造材料のタイプによる。

【００３１】 対象物体すなわち第２の媒体が、木、紙、ボール紙、または他の同様な吸収性
材料などの材料から作られているいる場合、きれいな状態にする（３２）および
乾燥した状態にする（３３）以外に表面を用意する必要はない。しかしながら、
対象物体が、プラスチック、ガラス、アクリル、金属、ビニル、自己接着性ビニ
ル、または他の同様な非吸収性の滑らかな材料から作られている場合は、インク
画像を適切に受けることができるように表面を用意しなくてはならない。インク
画像を実際に受ける表面部分を更に用意するだけでよいことは明らかである。

【００３２】 表面用意方法の１つは、対象物体の表面を粗くする、または、傷つけること（
３４）である。対象物体の表面を粗くするまたは傷つけることによって、表面が
摩損状態となり、インク画像を適切に受ける。表面を傷つける方法の１つはサン
ドブラスティング（３５）である。本発明の一方法において、この傷つけは、サ
ンドブラスティング工程で１５０ｇｒｉｔの酸化アルミニウムを使用して行われ
る。サンドブラスティング工程は、当該分野において公知の方法により、サンド
ブラスティング用の適切な容器の構造を活用することができる。表面を傷つける
別の方法は、サンドペーパを利用すること（３６）である。表面を傷つける更に
別の方法は、エメリークロスまたはエメリーボードを利用すること（３７）であ
る。更に別の方法は、粗ローラで表面を研磨することである。

【００３３】 更に別の対象物体表面用意方法は、適切な基層を表面に加えることである。適
切な基層は、対象物体の表面に付着して、インク画像を適正に受けるように、十
分な吸収性、多孔性、または摩損状態を備えている任意の基層である。基層を好
適に用いた場合、基層は透明で、与えられた後に僅かに摩損状態の表面を呈する
。別の一般的だが優れた基層は、ラテックス塗料である。いろいろな色のラテッ
クス塗料を使うことにより、転写画像に種々の目視様相を加えることができる。

【００３４】 ここで図３を参照すると、選択される（１４）画像の各種供給元が記載されて
いる。画像は、画像印刷前に、獲得または作成されなくてはならない。画像は、
スキャナの使用（４２）、デジタルカメラの使用（４４）、または、ディスク、
ハードドライブ、ＣＤ−ＲＯＭ、アプリケーションプログラム、またはネットワ
ークなどの別の供給元からの画像のダウンロード（４６）を含む多くの供給元か
ら獲得することができる。画像は、入手可能なワードプロセッシング、グラフィ
クス、ペイント、製図用の数多くのプログラム、または、ユーザに印刷の選択肢
を与える実質的に任意の他のプログラムの中から、任意のものを使用してコンピ
ュータ上で作成すること（４８）も可能である。これらのプログラムは当業者に
は周知である。実施に画像を選択するときは、必ずしも表示させる必要はない。

【００３５】 ここで図４を参照すると、画像を処理する（１６）種々の方法が記載されてい
る。前述のプログラムの多くは、下記の処理を実行することができる。前述のよ
うに、最も一般的に２通りの処理は、明度の調節（５０）と画像の反転（５１）
である。画像（５０）の明度の調節は視覚効果のために行うことができ、画像を
明るくするために利用されることの方が多い。画像を明るくすることによって、
転写媒体に噴射するインクが少なくなる。媒体に利用するインクが多すぎると、
画像を対象物体に転写するときに画像が滲む危険が増す。１つの厚いインク塗膜
を与えるよりも、２つの薄いインク塗膜を与えるほうが優れている。画像の反転
（５１）は、転写媒体から対象物体に画像を転写した後に画像が正しく方向付け
るように利用されるに過ぎない。これは一般に、転写対象画像がテキストを含ん
でいる場合に必要である。

【００３６】 その他の多くの画像処理を実施することができるが、これらは画像の見た目に
のみ関係している。これらの処理は、回転（５２）、拡大（５３）、縮小（５４
）、色用意（５５）、背景削除（５６）、前景削除（５７）、背景追加（５８）
、前景追加（５９）、画像追加（６０）、および画像除去（６１）などである。
引き伸ばし、ねじり、渦巻きといった他の多くの視覚効果は、種々のグラフィッ
クプログラムによって達成できる。

【００３７】 画像処理時、複数の塗膜を適用するときに画像の位置合わせを助けるために利
用できる位置合わせガイドを画像の外側に追加できる。位置合わせガイドは、好
適実施形態では画像両側の小さな点であるが、実質的にどのような形状であって
も構わない。

【００３８】 ここで図５を参照すると、本発明の印刷段階（１８）で使用できる種々のタイ
プのインクのサンプルが記載されている。印刷段階（１８）で使用されるプリン
タは、ヒューレットパッカード社（Ｈｅｗｌｅｔｔ Ｐａｃｋａｒｄ）のインク
ジェットカートリッジやキャノン社のバブルジェットカートリッジを利用するプ
リンタのような、インクを噴射するインクタイププリンタでなくてはならない。
前述のように、インクタイププリンタで使用されるインクは、液状（６４）で、
水溶性（６５）である。しかしながら、前述した滲みの可能性に対処するのを助
けるために、インクタイプについて２つの変更態様を利用できる。第１に、高顔
料濃度インク（６７）を利用できる。このタイプのインクは、厚い塗膜は複数の
塗膜を与える必要無く、より明るい色を出すことができる。第２に、ジェル状の
インクなどの高粘度のインクは、滲みの可能性を減少させながら、より厚い塗膜
を与えることができる。インクタイププリンタのインクは、熱インクジェット用
着色インク、圧電インクジェット用着色インク、または染料ベースのインクジェ
ットインクであればどれでもよい。、ヒューレットパッカード社（Ｈｅｗｌｅｔ
ｔ Ｐａｃｋａｒｄ ）、エンキャド社（Ｅｎｃａｄ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ
）、キャノン社、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社（
Ｍｉｎｎｅｓｏｔａ Ｍｉｎｉｎｇ ａｎｄ Ｍａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ Ｃ
ｏｍｐａｎｙ ）（３Ｍ）他を含む、前述のインクの販売元の番号は周知である
。本発明の利点の１つは、本発明の転写方法を、種々のインクジェット用インク
および多数のインクタイププリンタのプリントヘッドと組み合わせて利用できる
ことである。例えば、当該転写方法は、デスクトップ型のインクジェットプリン
タでも、幅５０インチまでの画像を印刷できる床置き型プリンタでも、利用する
ことができる。これらの「大形」プリンタは、第２の媒体への非加熱転写の恩恵
を受ける画像を生成する。

【００３９】 最終段階でシール材の塗膜を与える必要を減らすために、他の２タイプのイン
クを使用してもよい。第１に、保護シール材が無くても劣化しにくい非水溶性イ
ンクを使用できる。第２に、シール材含有インク（６８）を使用できる。これら
のタイプのインクは、乾燥しながらセルフシールする。これらのインクは、乾燥
後は永久的になるが、乾燥前には洗い落とすことさえできる。これら２タイプの
インクは、対象物体の素材がシーリングしにくい布であるときに、本発明の方法
を著しく向上させるものである。

【００４０】 ここで図６を参照すると、転写工程（２０）のときに加えることができるタイ
プの圧力が示されている。転写媒体の裏側への加圧することにより、転写媒体か
ら対象物体（実質的に別媒体）への画像の実質的な転写が大幅に助けられる。加
圧することの重要側面は、圧力が転写媒体に対して実質的に垂直すなわち直角で
なくてはならないことである。転写媒体の上をすべるような圧力を加えると、イ
ンク画像が滲みを生じることになる。好適な加圧（７０）方法は、バニシング用
の工具を使用すること（７２）である。ローラ（７５）およびスタンプ（７６）
を使って加圧することもできる。

【００４１】 前述のように、転写工程（２０）で使用されるタイプの圧力は、熱の存在また
は利用を必要としない。したがって、転写工程（２０）は、大気温度、通常は室
温、で処理される。屋外環境で転写工程（２０）行う場合、転写されるインクの
温度変化と、対象物体に対する大気温度の影響を考慮しなくてはならない。しか
しながら、前述のように転写媒体すなわち第２の媒体の温度上昇を回避すること
によって得られる利益のため、通常、屋外の対象物体への加熱は、室温を超えて
はならない（約７５〜８０°Ｆ）。

【００４２】 適切な指示により、パーソナルコンピュータ、インクジェットプリンタ、およ
び、本発明に関連して記載された媒体とを利用することにより、これまで画像な
どを表示させることができなかった対象物体に美しい正確な画像を与えることが
できる。本発明は、本発明によらなければインクジェット用インクまたはインク
タイプのプリンタで画像形成できなかった数多くの対象物体に対して、インクジ
ェット方式の画像生成の可能性を開くものである。

【００４３】 本発明の方法をこのように利用することにより、３つの次元のすべてが物体に
形状を与えている画像付き三次元物体を作ることができる。本発明以前は、イン
クタイプのプリンタに確実に合わせることができる媒体の平坦な３次元シートに
限定されていた。本発明によれば、転写工程は前述のように準備された任意の適
切な三次元物体に作用する。転写工程（２０）のときに加えられるタイプの圧力
のために、三次元物体は、圧力を利用する転写段階を妨害する可能性のある複雑
な曲面を有していてはならない。しかしながら、本発明を利用すれば、平面およ
び／または単純な曲面を有する三次元物体に画像を形成することが可能である。

【００４４】 当該工程は、転写に熱を要しないので、パーソナルコンピュータおよび種々の
サイズ、速度、出力機能等のインクタイププリンタを用いる業務および個人ユー
ザが使用する場合に安全である。

【００４５】 以上、本発明のいくつかの例示実施形態についてのみ詳細に記載したが、当業
者は、本発明の新奇な教示内容と利点とから実質的に逸脱することなく多くの変
更が上記実施形態に対して可能であることを容易に理解するであろう。したがっ
て、そのような変更はすべて添付クレームに定める本発明の範囲に含まれるもの
とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の種々の段階を詳細に示す、画像転写方法のフローチャー
トである。

【図２】 表面処理に利用される段階と方法とを詳細に示すブロック図であ
る。

【図３】 デジタル画像を選択する種々の方法を詳細に示すブロック図であ
る。

【図４】 デジタル画像を処理できる種々の方法を詳細に示すブロック図で
ある。

【図５】 プリンタで使用できる種々のインクタイプを詳細に示すブロック
図である。

【図６】 第２の媒体に画像を転写する種々の方法を詳細に示すブロック図
である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (19)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 非吸収性の第１の媒体に画像を印刷する段階と、 前記第１の媒体から第２の媒体に前記印刷画像を転写する段階であって、該転
   写を熱を加えずに行う段階と、 を含むインク画像転写方法。
2. 【請求項２】 前記印刷画像転写段階は大気温度で行われる、請求項１に記
   載の方法。
3. 【請求項３】 前記印刷画像転写段階は室温で行われる、請求項１に記載の
   方法。
4. 【請求項４】 前記第２の媒体の表面の転写画像を受ける部分に傷を付ける
   ことによって、前記第２の媒体を用意する段階を含む、請求項１に記載の方法。
5. 【請求項５】 前記第２の媒体に転写された前記印刷画像の上面にシール材
   を与える段階を含む、請求項１に記載の方法。
6. 【請求項６】 前記選択画像を印刷する前に、前記コンピュータを利用して
   前記選択画像を処理する段階を含む、請求項１に記載の方法。
7. 【請求項７】 前記印刷画像を前記第２の媒体に転写する段階の間に、前記
   第１の媒体を加圧する段階を含む、請求項１に記載の方法。
8. 【請求項８】 前記第１の媒体として透明なフィルムを使用する段階を含む
   、請求項１に記載の方法。
9. 【請求項９】 基層を与えることにより、前記第２の媒体に転写画像を受け
   る表面部分を用意する段階を含む、請求項１に記載の方法。
10. 【請求項１０】 前記第１の媒体に前記画像を印刷する前記段階は、インク
    タイプのプリンタから前記第１の媒体にインクを付着させる段階を含む、請求項
    １に記載の方法。
11. 【請求項１１】 前記インクを、加熱せずに前記第１の媒体に付着させる、
    請求項１０に記載の方法。
12. 【請求項１２】 前記インクを、大気温度で前記第１の媒体に付着させる、
    請求項１１に記載の方法。
13. 【請求項１３】 前記インクを、室温で前記第１の媒体に付着させる、請求
    項１１に記載の方法。
14. 【請求項１４】 前記インクタイプのプリンタで使用される前記インクは、
    標準的なインクタイププリンタ用インクである、請求項１０に記載の方法。
15. 【請求項１５】 前記第２の媒体は、形状が平面状でない物品からなる、請
    求項１に記載の方法。
16. 【請求項１６】 前記物品は複数の平坦面を含む、請求項１５に記載の方法
    。
17. 【請求項１７】 前記物品は複数の単純曲面を含む、請求項１５に記載の方
    法。
18. 【請求項１８】 前記物品は、インクタイプのプリンタに送給することがで
    きないような形状を有する、請求項１５に記載の方法。
19. 【請求項１９】 前記第２の媒体に転写された前記印刷画像の上面に上張り
    用薄板を与える段階を含む、請求項１に記載の方法。