JP2001515113A - イオン交換膜 - Google Patents

イオン交換膜

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JP2001515113A JP2000509766A JP2000509766A JP2001515113A JP 2001515113 A JP2001515113 A JP 2001515113A JP 2000509766 A JP2000509766 A JP 2000509766A JP 2000509766 A JP2000509766 A JP 2000509766A JP 2001515113 A JP2001515113 A JP 2001515113A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、自有機部分に少なくとも1つのイオン交換基が共有結合した有機部分とグラフトした多孔性ポリマー支持体を有するイオン交換膜と、このイオン交換膜を作製する方法とを提供する。またイオンを含む流体を処理する方法を提供し、この方法において、流体と本発明のイオン交換膜とを接触させることでイオンを除去する。加えて本発明は、流体からイオンを除去するためのろ過装置を提供し、このろ過装置は本発明のイオン交換膜を利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、イオン交換膜とその作製方法に関する。本発明はさらに、流体を処
理するためのイオン交換膜の使用方法、並びにイオン交換膜を備えるろ過装置に
関する。
【0002】 発明の背景 イオン交換膜は、様々な用途において使用されている。例えば陽イオン交換膜
は、主としてクロル−アルカリ(chlor-alkali)製造の際に電気化学的電池中に
利用されているために、ますます重要になっている。例えば、NAFION(登
録商標)(DuPont)のようなフッ素ポリマー陽イオン交換膜は、塩素及び焼灼剤
(caustic)の製造の際に使用される電解槽の陽極及び陰極区画室を分離する隔 膜として、広範囲にわたる発展を享受してきた。クロル−アルカリ製造における
フッ素ポリマー陽イオン膜の成功は、NaCl溶液中のナトリウムイオンを選択
透過させるが、塩化物イオンを拒絶して、かなりより低い塩含有量を有するより
清浄な焼灼剤溶液をもたらす膜の能力に帰すると考えられる。
【0003】 イオン隔膜としての機能を果たすことに加えて、イオン交換膜は、イオン除去
のための魅力的な手段となる。イオンの除去は多くの産業において重要であり、
例えばマイクロエレクトロニクス産業では、非常に低濃度のイオン汚染物がマイ
クロチップの性能と製造とに悪影響を及ぼし得る。例えば、化学的試薬を加える
必要無しに、超低レベルの金属イオン汚染物を有するポジ型及びネガ型フォトレ
ジストを作製する能力は、マイクロリソグラフィにおいて非常に望ましい。さら
に例えば、陰イオン性及び陽イオン性不純物を除去して超高純度水を提供する能
力は、脱イオン水の精製、ブラインの脱塩、及び医薬組成物からのイオン性の汚
染物の除去において非常に望ましい。
【0004】 フッ素ポリマー陽イオン交換膜は、焼灼剤製造プロセスにおいて選択透過性電
気化学的隔膜として広く使用されているが、構造が緻密で均一なためと膜を横切
る流体流束が低いために、これはイオンろ過装置としては適さない。特に、NA
FION(登録商標)(DuPont)のようなフッ素ポリマー陽イオン交換膜は一般
に非多孔性とみなされており、それを通る認知できるほどの流体流量を示さず、
それによってそのような膜はろ過用途には適さない。さらにフッ素ポリマー膜は
、膨潤及び不安定性が原因で様々な有機溶媒と共存しない傾向がある。同様に他
のタイプのイオン交換膜及びイオン交換樹脂は、低い流体流束、有機溶媒不安定
性、及び低いイオン交換容量が原因で、イオンろ過用途における適用可能性が制
限される。
【0005】 さらに、イオンの除去のためのイオン交換樹脂を多孔性媒体に付け加えるが、
この多孔性媒体にはかなりの制限がある。そのようなイオン交換媒体は、多孔性
媒体の表面のイオン交換樹脂の特性と範囲とによって制限される。特にイオン交
換反応は、本質的に露出した樹脂表面積の範囲内に制限され、従って、大きな部
分である露出されない樹脂は未使用であり、イオン交換プロセスに関与しない。
その上、多孔性媒体表面でイオン交換樹脂は一般に不連続に(連続でも均一でも
ない)配置されているために、多孔性媒体のかなりの面積はイオン交換プロセス
に関与しない。この結果、そのようなイオン交換媒体は不満足な性能を示す(例
えば不満足な速度論的特性)。
【0006】 従って、高いイオン交換容量、様々な溶媒中、特に有機溶媒中での安定性、及
びろ過において利用するのに適した流体流束を有するイオン交換膜が要望されて
いる。その上、微量重金属イオンの有機及び水性溶媒からの除去を可能にする材
料及び方法が要望されている。さらに、微量イオン性汚染物の有機溶媒からの、
特にフォトレジスト溶媒からの除去を可能にする材料及び方法が要望されている
。本発明は、そのようなイオン交換膜と関連する方法とを提供する。本発明の上
述した目的及び他の目的は、下記に述べる本発明の好適な実施例の詳細な説明か
ら明瞭になろう。
【0007】 発明の簡単な要約 本発明は、自有機部分に共有結合した少なくとも1つのイオン交換基を有する
有機部分とグラフトした多孔性ポリマー支持体を有するイオン交換膜を提供する
【0008】 本発明はまたイオン交換膜を作製する方法を提供し、この方法において、多孔
性ポリマー支持体と少なくとも1種の有機モノマーとを接触させ、モノマーを次
に多孔性ポリマー支持体にグラフトさせる。それに続いて少なくとも1つのイオ
ン交換基をグラフト済み有機部分に導入して共有結合させ、少なくとも1つのイ
オン交換基を有する有機部分とグラフトした多孔性ポリマー支持体を与える。
【0009】 本発明はさらにイオン交換膜を作製する方法を提供し、この方法において、多
孔性ポリマー支持体と、自有機モノマーに共有結合した少なくとも1つのイオン
交換基を持つ少なくとも1種の有機モノマーとを接触させる。有機モノマーを次
に多孔性ポリマー支持体にグラフトさせ、それによって、自有機部分に共有結合
し少なくとも1つのイオン交換基を有する有機部分とグラフトした多孔性ポリマ
ー支持体を与える。
【0010】 本発明は、イオンを含む流体を処理する方法を提供し、この方法において、流
体と本発明のイオン交換膜とを接触させることでイオンを除去する。加えて本発
明は、流体からイオンを除去するためのろ過装置を提供し、より低いイオン濃度
を有するろ液を生じる。本発明のろ過装置は、有機及び水性溶媒から微量イオン
汚染物を除去して、極低濃度のイオン性汚染物を有する超高純度溶媒を与えるた
めに有用である。本ろ過装置は、本発明のイオン交換膜を利用したフィルターユ
ニットと、流体をフィルターユニットを通過させるための手段とを有する。
【0011】 発明の詳細な説明 本発明は、自有機部分に少なくとも1つのイオン交換基が共有結合した有機部
分とグラフトした多孔性ポリマー支持体を含むイオン交換膜を提供する。有機部
分は好ましくは、多孔性ポリマー支持体の表面全体にわたって(細孔の内部表面
、例えば多孔性マトリックスの内部表面を含む)一様にグラフトする。従って、
表面積とイオン交換基の(例えば流体中のイオンへの)接近し易さとは、イオン
交換膜表面全体にわたるイオン交換基の均一な分布によって高められる。質量の
単位当り、本発明のイオン交換膜は、イオン交換樹脂から得られる類似のイオン
交換媒体を顕著にしのぐことができるイオン交換容量を有する。
【0012】 本発明のイオン交換膜においては、有機部分は、共有結合によって有機部分に
結合した少なくとも1つのイオン交換基を持つ(すなわち、少なくとも1つのイ
オン交換基で置換されている)。適切なイオン交換基は、任意の官能基、官能基
の任意の組合せ、またはこれらの任意の誘導体であり、イオンに対する親和性を
有する。好ましくはこのイオン交換基は、本発明の膜を用いて処理する対象であ
る適切な流体媒体中に含まれるイオンとイオン結合を形成できる。イオン交換基
は、陽イオン交換基の例えばスルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸、ボロン酸(
boronic acid)、または任意の適切な誘導体、これらの塩を含むことができ、イ
オンに対する親和性を有する。その他にイオン交換基は、陰イオン交換基の例え
ば第四級アンモニウム塩とすることができる。好ましくはイオン交換基は、スル
ホン酸、カルボン酸、これらの適切な塩、及びこれらの適切な誘導体からなる群
から選択される陽イオン交換基である。1つの好適な実施例においては、スルホ
ン酸基はイオン有機部分に共有結合しており、イオン有機部分は多孔性ポリマー
支持体にグラフトしている。別の好適な実施例においては、スルホン酸基とカル
ボン酸とが有機部分に共有結合している。
【0013】 イオン交換基の性質によって、本発明の膜は、陽イオン交換膜または陰イオン
交換膜とすることができる。有機部分が陽イオン交換基(すなわち、陽イオンに
対する親和性を有するイオン交換基)を有する場合、膜は陽イオン交換膜である
。有機部分が陰イオン交換基(すなわち、陰イオンに対する親和性を有するイオ
ン交換基)の例えば第四級アンモニウム塩を有する場合、膜は陰イオン交換膜で
ある。
【0014】 陽イオン交換基と陰イオン交換基との組合せを、本発明のイオン交換膜の有機
部分に共有結合させることができる。両方のタイプのイオン交換基を有するよう
な本発明の膜のイオン交換特性は一般に、どのタイプのイオン交換基が他のもの
よりも優勢であるかによって決まる。例えば、スルホン酸基対トリメチルアンモ
ニウム基の比が約2対1であるような本発明のイオン交換膜は、典型的には陽イ
オン交換膜の特性を有する。
【0015】 本発明はまた、単層フィルム及び重畳した多層フィルム等の多層フィルムを具
体化し、このフィルムにおいて、自有機部分に少なくとも1つのイオン交換基が
共有結合した有機部分とグラフトした多孔性ポリマー支持体を各層が有すること
は了解されよう。用いる特定の使用によっては、個々の層の数を増加させて、よ
り大きなイオン交換能力を与えることができる。もちろん個々の層は、物理的ま
たは化学的構造が同一である必要はない。例えば4層系は、スルホン酸イオン交
換媒体の4つの同一の層(例えば膜層)、または、2対の交互のスルホン酸及び
カルボン酸イオン交換膜を含むことができる。
【0016】 本発明のイオン交換膜は、有機及び/または水性液体からイオン汚染物を除去
して、イオン性の汚染物が事実上無い超高純度液体を与えるために特に有用であ
る。
【0017】 多孔性ポリマー支持体は、任意の適切な多孔性膜とすることができ、これは構
造的にアモルファス、結晶性、またはこれらの任意の適切な形態の組合せとする
ことができる。多孔性ポリマー支持体は、任意の適切なポリマーで作ることがで
き、例えば、ポリオレフィン類(フッ素化ポリオレフィン類を含む)、ポリアミ
ド類、ポリアクリレート類、ポリエステル類、ナイロン類、ポリスルホン類(P
S)、ポリエーテルスルホン類(PES)、セルロース類、ポリカーボネート類
、単一ポリマー類(single polymers)、コポリマー類、複合材、及びこれらの 組合せで作ることができる。自有機部分にイオン交換基が共有結合した有機部分
に化学的にグラフトできる他の適切なポリマー物質で、多孔性ポリマー支持体を
作ることができることは当業者には了解されよう。
【0018】 好ましくは多孔性ポリマー支持体は、ポリオレフィン類を含む。任意の適切な
ポリオレフィンを、本発明のイオン交換膜の多孔性ポリマー支持体に使用できる
。適切なポリオレフィン類としては、例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、及びポリふっ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる
。より好ましくは多孔性ポリマー支持体は、ポリエチレン、特に超高分子量ポリ
エチレン(例えば分子量が少なくとも約500,000ダルトン(例えば約50
0,000〜5,000,000ダルトン)、好ましくは約1,000,000
ダルトン以上のポリエチレン)を含む。
【0019】 分子寸法を基準として大きな空隙を含む膜は、多孔性とみなされる(例えば本
発明に関連する多孔性膜は、自らを通して分子を通過させることができる)。多
孔性膜においては、細孔は相互接続し、ポリマーは全体積の低いパーセントのみ
を占めることができる。多孔性膜は通例従来技術において周知であり、市販のも
のを得るか、または任意の適切な方法によって作製できる。多孔性ポリマー膜の
作製方法は、例えば、冷却によるポリマー溶液の液相分離と、放射線損傷によっ
て生じたトラックの化学的エッチングと、非溶媒によるポリマー溶液の凝固と、
ポリマーフィルムの制御された延伸と、微細ポリマー粒子の焼結とを含む。もち
ろんそのような多孔性膜は、布(例えば織成繊維状ウェブ(woven fibrous web ))または繊維(例えば不織繊維状ウェブ(nonwoven fibrous web))等を用い
て強化して、機械的剛性及び強度を得ることができる。
【0020】 細孔は任意の適切なサイズとすることができ、細孔は、例えばその配置、均質
性、対称、形状、及びテクスチャーが変化し得る。多孔性ポリマー支持体膜は例
えば、微孔質膜とすることができる。本発明の膜は、好ましくは約0.01μm を超える(例えば約0.01〜100μm)、より好ましくは約0.1μmを超え
る(例えば約0.1〜50μm)細孔径を有する。しかしながら、本発明のイオ ン交換膜は、粒子ろ過に対する用途のための厳密な細孔径の要件を必要としない
【0021】 本膜は任意の適切な形状とすることができ、限定するものでないが、小管、ス
タック、シート、カートリッジ、中空糸、微小管、プレート−フレームアセンブ
リ、及びプリーツ型フィルターカートリッジを含む。例えば中空糸は、高い表面
積対単位体積比を与えることで、分離プロセスにおいて使用する膜に利点を与え
る。10μmもの小ささの内径を有する中空糸は、合成繊維産業から改作した紡 糸技術を使用して形成できる。中空糸に関する初期の仕事は逆浸透用途に向けら
れていたが、現在こうした形状は、血液透析及びガス分離等の様々な他の膜用途
において使用されている。
【0022】 有機部分は、イオン交換基と共有結合でき、及び、多孔性ポリマー支持体にグ
ラフトによって結合できる(イオン交換基を経由する以外に)ような任意の適切
な有機物質とすることができる。多孔性ポリマー支持体にグラフトする有機部分
の物理的構造及び分子構造は、グラフトプロセスにおいて用いる方法、材料、及
び条件、並びにグラフト後の処理によってかなり変化し得ることが了解されよう
。さらにグラフト済み物質は、グラフトプロセスにおいて並びにグラフト後の処
理条件において用いる方法、材料、及び条件によって、モノマー、オリゴマー、
またはポリマーとすることができる。有機部分を形成するためには、例えば、任
意の適切な有機モノマー、1種以上の異なるモノマーの混合物、適切なオリゴマ
ー物質、またはこれらの任意の適切な組合せで多孔性ポリマー支持体へのグラフ
トを形成できるものを、多孔性ポリマー支持体にグラフトさせる。他に、有機部
分を形成するためには、例えば、適切な有機モノマーまたは1種以上の異なる有
機モノマーの混合物を多孔性ポリマー支持体にグラフトさせる。どちらの実施例
においても、有機部分は、グラフトを経由して多孔性ポリマー支持体に結合した
有機物質であり、少なくとも1つのイオン交換基(例えばスルホン酸またはカル
ボン酸)は、有機部分に共有結合している。
【0023】 任意の適切な有機部分を利用できるが、有機部分は好ましくはアリール部分で
ある。アリール部分は1つ以上の芳香環を包含できる。本明細書において使用す
る「芳香環」という用語は、化学業界において通例周知のように、「芳香族性」
を有する炭素環または複素環若くは環系を指す。芳香環は、同じかまた異なる、
置換済みかまたは未置換、縮合済み、結合済み、架橋済みまたは相互接続済み、
対称または非対称とすることができ、及び順番、配列、または配置に関わらず任
意の組合せとすることができる。例えばアリール部分は、単環式芳香環の例えば
ベンゼン環を含むことができる。アリール部分はまた、縮合芳香環の例えばナフ
タレン、ベンゾチオフェン、またはアントラセン環を含むことができる。アリー
ル部分はまた、他の配置を有する芳香族環系も含むことができ、例えば、ビフェ
ニル、ビフェニルエーテル、またはビフェニルスルホン環系である。アリール部
分の芳香環は、炭素環式芳香環に限定されない;それどころか芳香環はまた、複
素環式とすることができる。例えばアリール部分は、複素環式芳香環の例えばチ
オフェン環またはフラン環を含むことができる。
【0024】 好ましくは有機部分は、自アリール部分にイオン交換基が共有結合したアリー
ル部分を含み、それによってイオン交換膜を提供する。イオン交換基は、望まし
くは芳香環に共有結合しており、好ましくは、スルホン酸イオン交換基、適切な
塩、またはこれらの適切な誘導体である。最も好ましくは、アリール部分の芳香
環に共有結合したイオン交換基は、スルホン酸イオン交換基である。好適な実施
例においては、アリール部分の芳香環はベンゼン環である。
【0025】 別の好適な実施例においては、少なくとも1つのスルホン酸と少なくとも1つ
のカルボン酸とが本イオン交換膜の有機部分に共有結合している。さらに別の好
適な実施例においては、本発明のイオン交換膜は、自アリール部分にイオン交換
基が共有結合したアリール部分と、式:
【0026】
【化3】
【0027】 [式中、R1またはR2は独立にH、C1〜C6アルキル、またはフェニルであり
、及びC1〜C6アルキル置換基またはフェニル置換基の少なくとも1個の水素原
子は任意に、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、及びOHからなる群から選
択される少なくとも1つの置換基で置換されており;nは0〜2の整数である。
] の二塩基酸モノマー、そのエステル、またはその無水物から誘導された二塩基酸
部分とを含む有機部分を含む。この特定の実施例は、アリール部分に共有結合し
たイオン交換基の好都合な特性を利用するのみならず、さらに二塩基酸部分のジ
カルボン酸イオン交換基の利点を有し、これは、重金属(例えばFeイオン)を
そのようなイオンを含む水性及び非水性流体から除去することに関して優れたイ
オン交換容量をもたらすことが発見されている。この実施例においては、スルホ
ン酸、カルボン酸、これらの適切な塩、及びこれらの適切な誘導体からなる群か
ら選択されるイオン交換基が共有結合した芳香環をアリール部分が含むのが好ま
しい。より好ましくは、アリール部分の芳香環に共有結合したイオン交換基は、
スルホン酸またはカルボン酸イオン交換基である。最も好ましくは、アリール部
分の芳香環に共有結合したイオン交換基は、スルホン酸イオン交換基である。
【0028】 有機部分の構成要素である二塩基酸部分を多孔性ポリマー支持体にグラフトさ
せることと、二塩基酸部分は、それ自体では、二塩基酸部分の誘導元である未グ
ラフト二塩基酸モノマーと同じ構造を有しないこととは了解されよう。また、二
塩基酸部分の物理的構造及び分子構造は、多孔性ポリマー支持体にグラフトする
際に存在するように、グラフトプロセスにおいて並びにプロセス全体において用
いる任意のグラフト後の処理において用いる方法、材料、及び条件によってかな
り変化し得ることが了解されよう。従って、式Iの構造上の表現において示すよ
うに、多孔性ポリマー支持体とのグラフトを形成するためには、二塩基酸モノマ
ーの二重結合は何らかの特定の形状(例えば、E、Z、シス、またはトランス)
である必要はない。
【0029】 二塩基酸モノマーにおいては、nは好ましくはゼロ(0)であり、その場合に
は、二重結合とそれに結合したカルボキシラート基との間にアルキルリンカーは
ない。また、位置R1またはR2の1つがHであるのが好ましい。より好ましくは
、二塩基酸モノマーの二重結合は未置換であり、その場合には、R1及びR2の両
方がHである。非常に好適な実施例においては、アリール部分は、自ベンゼン環
にスルホン酸イオン交換基が共有結合したベンゼン環を含み、二塩基酸部分はマ
レイン酸から誘導する。
【0030】 本発明はさらに、イオン交換膜を作製する方法を提供し、これは、多孔性ポリ
マー支持体を提供することと、多孔性ポリマー支持体への化学的グラフトを形成
できる有機モノマーと多孔性ポリマー支持体とを接触させることと、有機モノマ
ーを多孔性ポリマー支持体にグラフトさせて、多孔性ポリマー支持体にグラフト
した有機部分を与えることとを含み、この方法において、有機モノマーは、自有
機モノマーに共有結合したイオン交換基を含むか、または、有機部分が多孔性ポ
リマー支持体にグラフトした後に、有機部分にイオン交換基を導入し共有結合さ
せて、それによってイオン交換膜を提供する。好ましくは有機モノマーは、芳香
環を含むアリールモノマーであり、それに共有結合したイオン交換基を任意で持
つ(イオン交換基で置換されている)。アリールモノマーを利用する場合には、
イオン交換膜を作製する本方法は、多孔性ポリマー支持体を提供することと、多
孔性ポリマー支持体と芳香環を含むアリールモノマーとを接触させることと、ア
リールモノマーを多孔性ポリマー支持体にグラフトさせて、芳香環を含む有機部
分を与えることとを含み、この方法において望ましくは、アリールモノマーは、
自芳香環に共有結合したイオン交換基を持つ芳香環を含むか、または、多孔性ポ
リマー支持体にグラフトさせた有機部分の芳香環に、イオン交換基を導入し共有
結合させて、それによってイオン交換膜を提供する。
【0031】 イオン交換膜を作製する本方法はさらに、多孔性ポリマー支持体を提供するこ
とと、多孔性ポリマー支持体と有機モノマー及び式:
【0032】
【化4】
【0033】 [式中、R1またはR2は独立にH、C1〜C6アルキル、またはフェニルであり
、及びC1〜C6アルキル置換基またはフェニル置換基の少なくとも1個の水素原
子は任意に、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、及びOHからなる群から選
択される少なくとも1つの置換基で置換されており;nは0〜2の整数である。
] の少なくとも1種の二塩基酸モノマー、そのエステル、またはその無水物とを接
触させることと、有機モノマーと二塩基酸モノマーの両方を多孔性ポリマー支持
体にグラフトさせることとを含み、この方法において、有機モノマーは、自有機
モノマーに共有結合したイオン交換基を含むか、または、有機モノマーから誘導
された有機部分にイオン交換基を導入し共有結合させて、それによってイオン交
換膜を提供する。好ましくは有機モノマーはアリールモノマーである(芳香環を
含む)。イオン交換膜を作製する本方法においてアリールモノマーを使用する場
合には、アリールモノマーと二塩基酸モノマーの両方を多孔性ポリマー支持体に
グラフトさせる。1つの好適な実施例においては、アリールモノマーは、自芳香
環に共有結合したイオン交換基を持つ芳香環を含み、それによってイオン交換膜
を提供する。別の好適な実施例においては、アリール部分(アリールモノマーか
ら誘導された)の芳香環に、イオン交換基を導入し共有結合させて、それによっ
てイオン交換膜を提供する。
【0034】 任意の適切な多孔性ポリマー支持体を本方法において使用でき、本明細書にお
いて説明するもの及び適切な有機部分と化学的グラフトを形成できるものを含む
。好ましくは多孔性ポリマー支持体はポリオレフィンである。より好ましくは多
孔性ポリマー支持体は、ポリエチレン、特に超高分子量ポリエチレンである。
【0035】 イオン交換膜を作製する本方法は、1種以上の異なる物質、典型的にはモノマ
ーを多孔性ポリマー支持体にグラフトさせることと、グラフトを形成した後にイ
オン交換基を導入する必要がある場合、有機部分にイオン交換基を共有結合させ
ることとを含む。本明細書において説明するように、有機部分がアリール部分で
ある場合には、その芳香環は望ましくは、グラフトする前に自芳香環に共有結合
したイオン交換基を有するか、または、アリールモノマーを多孔性ポリマー支持
体にグラフトさせた後に、アリール部分の芳香環にイオン交換基を導入する。一
般に、グラフト後の工程における有機部分へのイオン交換基の導入は、(二塩基
酸モノマーから誘導された)二塩基酸部分の存在下でまたは無しで実行できる。
二塩基酸部分は、多孔性ポリマー支持体にグラフトさせた有機部分の構成要素と
なることができるものである。
【0036】 従って1つの好適な実施例においては、有機モノマーは、自芳香環に共有結合
した少なくとも1つのイオン交換基を持つ芳香環を含むアリールモノマーである
。芳香環が、自芳香環に共有結合したイオン交換基を有する場合には、アリール
モノマーを多孔性ポリマー支持体にグラフトさせた後に、アリール部分の芳香環
に追加のイオン交換基を導入する必要はない。アリールモノマーの芳香環に共有
結合したイオン交換基を含むアリールモノマーを、市販源から得るか、または従
来技術において周知の合成法によって得ることができる。例えばアリールモノマ
ーの芳香環に、またはアリールモノマーの前駆体の芳香環に、イオン交換基を合
成的に導入できる(すなわち共有結合させる)。一方、イオン交換基が自芳香環
に共有結合した芳香環を持つアリールモノマーを、市販源から得ることができる
。例えば、アリールモノマーの例えばスチレンスルホン酸(ここでイオン交換基
はスルホン酸である)またはビニル安息香酸(ここでイオン交換基はカルボン酸
である)は市販されている。従って例えば、超高分子量ポリエチレン支持体と適
切なスチレンスルホン酸溶液とを接触させ、適切なグラフト条件下で処理して、
超高分子量ポリエチレン支持体と、自ベンゼン環にスルホン酸イオン交換基が共
有結合したベンゼン環を含むアリール部分(スチレンスルホン酸から誘導された
)とを得ることができ、ここで、アリール部分を多孔性超高分子量ポリエチレン
支持体にグラフトさせる。もちろん、希望するなら、アリールモノマーから誘導
されたアリール部分の芳香環はさらに、既にアリールモノマーに結合したイオン
交換基と同じかまたは異なる追加のイオン交換基で置換でき、これによって特定
の用途においてはより適切なことがある膜にイオン交換特性を与える。例えば、
スチレンスルホン酸から誘導されたアリール部分の芳香環を、さらにスルホン化
条件にさらすことができ、それによって第2の(場合によっては第3の)スルホ
ン酸イオン交換基をアリール部分の芳香環に導入して、自芳香環に共有結合した
2つ以上のスルホン酸イオン交換基を持つ芳香環を得る。例えば、アリール部分
がナフタレン環のような多環式芳香環を含む場合に、1を超えるイオン交換基を
芳香環に取り入れることは望ましいかもしれない。
【0037】 別の好適な実施例においては、有機モノマーは、自芳香環に共有結合したイオ
ン交換基を有しない芳香環を含むアリールモノマーである。アリールモノマー(
イオン交換基を欠く)を多孔性ポリマー支持体にグラフトさせた後、誘導された
有機部分の芳香環にイオン交換基を導入し共有結合させて、それによってイオン
交換膜を提供する。従って、アリールモノマーを多孔性ポリマー支持体にグラフ
トさせた後に、アリール部分の芳香環にイオン交換基を導入する。
【0038】 アリール部分を、芳香環を含む任意の適切なアリールモノマーから誘導できる
。適切なアリールモノマーは、単一芳香環(例えばベンゼン環)または縮合芳香
環の例えばナフタレン、ベンゾチオフェン、またはアントラセン環を持つことが
できる。縮合芳香環を有するアリールモノマーは、例えば2−ビニルナフタレン
を含むことができる。アリールモノマーはまた、多孔性ポリマー支持体に化学的
にグラフトすることに加えて、他の機構的な経路(mechanistic pathways)によ
って反応できるモノマーとすることができる。例えばジビニルベンゼンは、多孔
性ポリマー支持体へのグラフトを形成することに加えて、架橋反応を受けること
ができる。好ましくはアリールモノマーは未置換芳香環を含み、その場合には、
モノマーを多孔性ポリマー支持体にグラフトさせた後に、誘導されたアリール部
分の芳香環にイオン交換基を導入する。より好ましくは未置換芳香環は単環式芳
香環であり、特にベンゼン環である。さらに好ましくは、アリールモノマーはス
チレンまたはその誘導体であり、最も好ましくはスチレンである。
【0039】 イオン交換膜を作製する本方法において式Iの二塩基酸モノマーを使用する場
合に、nは好ましくは0である。またR1またはR2がHであることが好ましい。
より好ましくは、R1とR2の両方がHである;しかしながら、上記に開示したも
の等のR1とR2の組合せに関する他の実施例を、有機モノマーと一緒に多孔性ポ
リマー支持体に適切に共グラフトさせることができ、それによってイオン交換膜
を提供する。さらに好ましくは、二塩基酸モノマー中のnは0であり、R1とR2 の両方がHである。最も好ましくは二塩基酸モノマーはマレイン酸である。
【0040】 グラフトは、すなわち有機部分をポリマーマトリックス(すなわち多孔性ポリ
マー支持体)にエネルギー源によって導入することであり、これは共有結合の形
成をもたらし、共有結合を介して有機部分は多孔性ポリマー支持体に結合する。
従って本発明のイオン交換膜の有機部分は、多孔性ポリマー支持体に共有結合す
る。有機部分は、任意の適切な手段によって多孔性ポリマー支持体にグラフトさ
せることができ、この手段の多くは従来技術において周知であり、例えば、照射
、電子線処理、照射前グラフト、照射後グラフト、熱グラフト、紫外線放射、及
びプラズマグラフトである。好ましくはグラフトを放射によって誘導し、より好
ましくはガンマ線放射によるかまたは電子線放射によって、最も好ましくはガン
マ線放射によって誘導する。
【0041】 適切なイオン交換基は、本明細書において説明するように、任意の官能基、官
能基の任意の組合せ、またはこれらの任意の誘導体であり、イオンに対する親和
性を有する。イオン交換膜を作製する本方法においては、有機モノマーから誘導
された有機部分に共有結合したイオン交換基は、スルホン酸イオン交換基である
ことが好ましい。より好ましくは、適切なアリールモノマーを多孔性ポリマー支
持体にグラフトさせた後に、アリール部分の芳香環に、スルホン酸イオン交換基
を導入し共有結合させる。
【0042】 任意の適切な有機反応方法を用いて、イオン交換基を有機部分に導入できる。
例えば、陽イオン交換基(例えばスルホン酸基)をベンゼン環のような芳香環に
導入でき、これは、クロロスルホン酸を用いた求電子的クロロスルホン化と、そ
の後の、生成した塩化スルホニルの水性加水分解によって行う。陰イオン交換基
(例えばアンモニウム塩)をベンゼン環のような芳香環に導入でき、これは、ベ
ンゼン環のニトロ化、続いてアミンへの還元、その後に適切なアルキル化剤を用
いた四級化によって行う。置換反応に関する全般的な説明については、March, "
Advanced Organic Chemistry," Wiley-Interscience (1985)を参照されたい。好
ましくはイオン交換基は、スルホン化反応によって導入されるスルホン酸基であ
る。
【0043】 典型的には、多孔性ポリマー支持体にグラフトしたアリール部分の芳香環への
スルホン酸イオン交換基の導入は、アリールモノマーを膜にグラフトさせた後に
、アリール部分の芳香環がスルホン化を受ける条件下で、膜をスルホン化試薬(
例えばクロロスルホン酸溶液)にさらすことによって成し遂げられ、これによっ
て芳香族スルホン酸種を与える。
【0044】 イオン交換膜を作製する本方法においては、膜を処理して汚染物を除去するこ
とができ、例えば、高純度水で洗浄して微量汚染物を除去する。低レベルの汚染
物を有する膜は、微量汚染物が好ましくないことがあるマイクロリソグラフィに
おける用途にとって非常に望ましい。
【0045】 本発明はさらに、イオンを含む流体を処理する方法に関し、これは、流体と本
発明のイオン交換膜とを接触させることを含む。好ましくはこの方法は、イオン
を含む流体からイオンを除去することを含み、最も好ましくは流体を本発明のイ
オン交換膜を通過させることによって除去する。本発明の方法は、正に帯電した
イオン(例えばナトリウム、マグネシウム、アルミニウム)及び/または負に帯
電したイオン(例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩)の流体からの除去に対して適用
できる。望ましくは本発明の方法は、より低い金属イオン濃度を有する流体を得
るための、金属イオンを含む流体からの金属イオンの除去に対して適用できる。
流体を処理する本発明の方法は、例えば流体からイオンを除去するための、有機
及び水性流体の両方の処理に適する。例えば、イオンを含む流体を処理する本方
法は、乳酸エチルまたはメタノール等の有機溶媒の処理に対して適用できる。そ
の上、流体を処理する本方法は、有機溶媒及び有機溶質を含むイオン含有有機溶
液、例えば、有機溶媒/有機樹脂溶液の例えばメタノール性の有機樹脂溶液の処
理に対して適用できる。加えて本発明の方法は、有機フォトレジスト溶媒と溶液
とからイオンを有効に除去できる。その他に本方法は、水性液体(例えば希水性
HF)からの、並びに有機溶媒と水性溶媒との混合物を含む溶液からのイオンの
除去に等しく適する。
【0046】 望ましくは、流体を処理する本発明の方法は、イオンを含む流体と本発明のイ
オン交換膜とを接触させて、イオン濃度の低減した流体を与えることを含む。1
つの好適な実施例においては本発明の方法は、ナトリウムイオン濃度約2.5pp
mを有する流体と本発明の膜とを接触させて、ナトリウム濃度約0.2ppm未満、
好ましくは約0.1ppm未満のナトリウムイオンを有する流体を与えることを含 む。別の好適な実施例においては本発明の方法は、本発明の膜とナトリウムイオ
ン濃度約8.4ppm及び鉄イオン濃度約7.3ppmを有する流体とを接触させて、
ナトリウム濃度約0.1ppm未満及び鉄濃度約0.2ppm未満を有する流体を与え
ることを含む。別の好適な実施例においては本発明の方法は、本発明の膜とナト
リウム及び銅イオン濃度約0.9ppmを有する流体とを接触させて、ナトリウム 及び銅イオン濃度約0.09ppm未満を有する流体を与えることを含む。非常に 好適な実施例においては本発明の方法は、本発明の膜と金属イオン濃度約900
ppb〜約0.2ppbを有する流体とを接触させて、金属イオン濃度約9ppb未満、 好ましくは約1ppb未満、より好ましくは約0.1ppb未満を有する流体を与える
ことを含む。
【0047】 本発明はさらに、流体を処理する本発明の方法において使用できるような、流
体からイオンを除去するためのろ過装置を提供する。本装置はフィルターユニッ
トと流体をフィルターユニットを通過させるための手段とを含む。任意で本発明
のろ過装置はさらに、ろ液を回収するための手段を含む。フィルターユニットは
、本発明のイオン交換膜を利用する。好ましくは本発明のろ過装置は、本明細書
において説明する陽イオン交換膜を有するフィルターユニットを用いる。より好
ましくは本ろ過装置は、陽イオン交換膜を有するフィルターユニットを用い、こ
の陽イオン交換膜において少なくとも1つのイオン交換基はスルホン酸基であり
、また陽イオン交換膜は、有機溶媒と溶液とから微量金属汚染物を除去する際に
有効であり、極低濃度の金属イオンを有するかまたは金属イオンが事実上無い溶
媒または溶液を与える。好適な実施例においてはフィルターユニットは、多孔性
ポリマー支持体と、自芳香環にイオン交換基が共有結合した芳香環を含むアリー
ル部分とを含む陽イオン交換膜を利用し、ここでアリール部分は多孔性ポリマー
支持体にグラフトしている。別の好適な実施例においては本発明のろ過装置は、
多孔性ポリマー支持体と、自芳香環にイオン交換基が共有結合した芳香環を含む
アリール部分及び式Iのモノマーから誘導された二塩基酸部分を含む有機部分と
を含む陽イオン交換膜を利用し、ここでアリール部分と二塩基酸部分とは多孔性
ポリマー支持体にグラフトしており、これは本明細書において説明する通りであ
る。
【0048】 以下の実施例はさらに本発明を説明するが、もちろん、如何なる点でも本発明
の範囲を限定するように解釈すべきではない。
【0049】 実施例1 この実施例は、本発明の陽イオン交換膜を作製する方法を説明し、この作製は
、多孔性超高分子量ポリエチレン支持体を提供することと、支持体とスチレンモ
ノマーとを接触させることと、ガンマ線放射によってスチレンモノマーを支持体
にグラフトさせることと、スルホン化によってスルホン酸陽イオン交換基を導入
することとによって行う。
【0050】 超高分子量ポリエチレンで作られかつ細孔径約2μmを有する膜は、市販のも のを得た(Solupor 160−P20TM, DSM Solutech, B. V.)。膜ロ ール(153m×61cm(500フィート×24インチ))に紙を差し込み、キ ャニスター中に置き、次に、塩化メチレン中に15重量%のスチレンを含むグラ
フト溶液を用いてキャニスターを真空充填した。系を約6,000R/時で60 時間、周囲温度で照射した。生成したグラフト済み膜をグラフト溶液から取り出
し、塩化メチレンで洗浄した。グラフト済み膜を、3wt%のクロロスルホン酸を
含むスルホン化浴中に置いた。次に膜を水で洗浄し、続いて5%水性HCl、次
に高純度水を用いて少しずつ流しながら洗浄し(trickle wash)、本発明の陽イ
オン交換膜を得た。
【0051】 実施例2 この実施例は、本発明のイオン交換膜のイオン交換特性を説明する。実施例1
に従って作製した陽イオン交換膜のイオン交換容量(IEC)を決定した。表1
には、乳酸エチル溶液(EL)中の実施例1のイオン交換膜(「膜1」)のIE
Cを示す。IECを、単位質量(mmol-eq/g)、単位面積(μmol-eq/cm2)、及 び単位体積(mol-eq/cm3)の関数として決定した。
【0052】
【表1】
【0053】 表1に示すデータによると、本発明のイオン交換膜は、単位質量、単位面積、
及び単位体積に関して優れたIECを示すことが明らかである。さらに、大気圧
で膜を横切る流量が比較的に高いこと(1.5ml/分/cm2)は、この膜が、ろ 過用途において有効に機能を果たすのに十分に高い流束を有することを示す。
【0054】 実施例3 この実施例は、イオンを含む様々な有機溶媒を処理するための本発明の陽イオ
ン交換膜の能力を説明する。
【0055】 この実施例においては、3種の異なるフォトレジスト溶媒中の広く様々な金属
陽イオン汚染物を除去する能力に関して、実施例1に従って作製した陽イオン交
換膜を試験した。フォトレジスト溶媒であるメチル−アミルケトン(MAK)、
エチル−3−エトキシプロピオネート(EEP)、及びプロピレングリコールメ
チルエーテルアセテート(PGMEA)は、市販のものを得(Aldrich Chemical
Co., Milwaukee, Wisconsin)、実施例1に従って作製した陽イオン交換膜を通
過させた。ろ液を分析のために回収した。こうしたフォトレジスト溶媒の各々に
関して、溶液が膜を通過する前と後の金属イオンの濃度を測定した。結果を表2
に示す。示す金属はイオンの形態で存在したが、金属イオンの酸化状態は測定し
なかった。
【0056】
【表2】
【0057】 様々な金属イオン汚染物の濃度検出限界(「DL」)を、表2の「DL」の列
に示す。DLは、誘導結合プラズマ(inductive couple plasma)/質量スペク トル(ICP/MS)法を使用して決定し、試験した個々の金属によってDLは
0.1〜3ppbの範囲だった。処理前の各溶媒の金属汚染物の濃度を「前」の列 に示し、処理後の金属イオン汚染物の濃度を「後」の列に示す。検出限界未満の
金属イオン濃度を「<DL」として示す。
【0058】 表2に示す得られたデータから明らかなように、金属イオン濃度は、本発明の
処理の結果、大幅に低下した。例えばMAK中のNa濃度は、860ppbから処 理後に4.3ppbに低下した。PGMEAにおいては、Na濃度は310ppbから
0.6ppbに低下し、Zn濃度は劇的に、690ppbから処理後に検出限界未満に
低下した。こうしたデータは、本発明のイオン交換膜が、フォトレジスト溶媒中
の様々な金属を大幅に除去することを証明する。重要なことに、金属濃度は1桁
のppbレベルにまで低減し、金属濃度がppm範囲よりも数桁低い溶媒が得られた。
【0059】 実施例4 この実施例は、本発明に従って処理したフォトレジスト溶媒中の流出液Na濃
度に流量が及ぼす影響を説明する。
【0060】 各々の層が実施例1に従って作製したイオン交換膜である3つの層を有するろ
過装置を、2.55ppmのNaを用いて汚染したフォトレジスト溶媒中の様々な 流量でのナトリウムイオンの除去に関して試験した。各層は、露出した表面積5
0cm2を有した。汚染したフォトレジスト溶媒は様々な流量でイオン交換膜を通 過させ、流出液を原子吸光(AA)によってNaに関して分析し、DLは0.0
5ppmの範囲内だった。
【0061】 結果を表3に示す。「時間」の列は、流出液を6つの範囲にわたって収集した
際の時間間隔を表わし、この範囲は、列内に示す時点によって表わされる。従っ
て試料1は、流出液収集の最初の3分間に、示される流量で収集され、これをナ
トリウムに関して分析した。試料2〜6は、それに続いて1分の間隔にわたって
収集した試料を表わし、各間隔は、示される開始及び終了時刻によって表わされ
る。「重量」の列は、示される時間間隔にわたって、金属イオン分析のために実
際に収集した流出液の重量を示す。「流量」の列は、示される時間間隔にわたっ
て、流入液がろ過装置を通過した割合を示し(g/分)、収集した流出液の重量 を収集時間で割って計算した。
【0062】
【表3】
【0063】 表3における結果は、本発明の陽イオン交換膜が、流量に関係無くNaイオン
汚染物を有効に除去したことを示す。従って例えば、4分と5分の間に流量31
.4g/分で行った測定3は、7分と8分の間により低い流量21.2g/分で行
った測定6のものと本質的に同じである(それぞれ0.06ppm対0.05ppm)
【0064】 実施例5 この実施例では、実施例1に従って作製した1層陽イオン交換膜に関する貫流
曲線を得た。
【0065】 20ppmのNaを用いてスパイクした(spiked)乳酸エチル溶液を、実施例1 に従って作製した単層イオン交換膜を通過させ、流出液中のNaの濃度を監視し
た。結果を図1のグラフに示す。Y軸は、流出液のNa濃度対流入液のNa濃度
の比をパーセント単位で示す。X軸は、チャレンジした(challenged)Naの全
量(μg)を示す。流出液/流入液の比を、様々な点において、予め定められた 合計のチャレンジしたNaから測定し、汚染された乳酸エチルの全流出液体積か
ら計算した。
【0066】 得られたデータは、イオン交換膜がナトリウムを保持する能力を失い始める範
囲を示す。この実施例においてはイオン交換膜は、全チャレンジ1500μg〜 2500μgのNaの後に、Naをトラップする能力を失い始めた。
【0067】 実施例6 この実施例では、乳酸エチル中のナトリウムを除去する相対的な容量に関して
、1層及び5層系を評価し、各層は実施例1に従って作製したイオン交換膜(「
膜1」)だった。
【0068】 結果を、1から6層の本発明の膜1を有するシミュレートした系の理論値と比
較した。
【0069】 結果を図2に示す。Y軸は、流出液のNa濃度対流入液のNa濃度の比を示す
(パーセント単位で表わす)。X軸は、チャレンジしたNaの全量(μg)を示 す。膜1の実際の1及び5層系に関する流出液/流入液のNa濃度の比を、乳酸
エチル中のNaによる様々な予め定められた全チャレンジから計算し、ここで実
際の1層系を黒い正方形( )で示し、実際の5層系を黒丸(●)で示す。1か
ら6層を有するシミュレートした系に関する理論上の流出液/流入液のNa濃度
の比を、塗りつぶしていない(すなわち中空、黒くない)形状で表わし、ここで
シミュレートした2層系を上向きの三角形(△)で示し、シミュレートした3層
系を菱形(◇)で示し、シミュレートした4層系を逆三角形(▽)で示し、シミ
ュレートした5層系を丸(○)で示し、シミュレートした6層系を長方形( )
で示す。
【0070】 得られたデータは、多層を用いることで、全体のイオン除去容量が累積的に増
大することを証明する。実際の5層系に関する曲線は、5層系の理論上の曲線と
良好な相関関係にあるので、このデータは、イオン除去容量に及ぼす多層の影響
を予測する際に有用となり得る。
【0071】 実施例7 この実施例では、市販のイオン交換媒体のイオン除去容量と、実施例1に従っ
て作製したイオン交換膜(「膜1」)のイオン除去容量を比較する。
【0072】 Na及びFeイオンを含む乳酸エチルを、Gelman ICE−450TM
Pall Corporation)媒体と膜1とを通過させた。各膜に関して、金属イオンの幾
つかの予め定められた全チャレンジ後に、流出液中の金属イオン濃度を測定した
【0073】 結果を図3に示す。Y軸は、流出液/流入液の金属イオン濃度の比をパーセン
ト単位で示す。X軸は、金属イオンの全チャレンジ(μg)を示す。ナトリウム (Na)イオン除去に関して得られた結果を、中空の(塗りつぶしていない)形
状で表わす。鉄(Fe)イオン除去に関して得られた結果を、黒い形状で表わす
【0074】 黒丸(●)は、Gelman ICE−450TM媒体による鉄イオン除去に関
して得られた結果を示す。中空の丸(○)は、Gelman ICE−450TM 媒体によるナトリウムイオン除去に関して得られた結果を表わす。中空で上向き
の三角形(△)は、本発明の膜1によるナトリウムイオン除去に関して得られた
結果を示す。黒い上向きの三角形、すなわち、▲は、本発明の膜1によるフェロ
センの形態での鉄イオン除去に関して得られた結果を示す。中空の逆三角形(▽
)は、本発明の膜1によるナトリウムイオン除去を再試験することで、ナトリウ
ムイオン除去に関して得られた結果を示す。黒い逆三角形、すなわち、▼は、本
発明の膜1による鉄イオン除去を再試験することで、鉄イオンの除去に関して得
られた結果を示す。
【0075】 こうしたデータは、本発明のイオン交換膜の金属イオン除去容量が、Gelm
an ICE−450TM媒体の金属イオン除去容量を顕著に上回ることを証明す
る。例えば、全チャレンジ600μgのNa及びFeの後で、流出液/流入液の 金属濃度の比は、本発明のイオン交換膜(膜1)の場合に事実上0%だったのに
反して、Gelman ICE−450TM媒体の比は、大幅により低い全Na及
びFeチャレンジ(<100μg)の後で、かなりより高かった(20%〜60 %)。
【0076】 実施例8 この実施例は、本発明のイオン交換膜を作製する方法を説明し、この方法にお
いて、アリールモノマーと二塩基酸モノマーとを多孔性ポリマー支持体に共グラ
フトさせて有機部分を形成し、この有機部分はアリール部分構成要素と二塩基酸
部分構成要素とを含む。その後、有機部分構成要素の芳香環にスルホン酸イオン
交換基を導入し共有結合させて、それによってイオン交換膜を提供する。
【0077】 超高分子量ポリエチレン支持体(3.05m×40.6cm(10フィート×1 6インチ))を得て、差し込み紙と共にロールにし、ロールを試験管に入れた。
スチレン(10重量%)、マレイン酸(10重量%)、及びメタノール(80重
量%)のグラフト溶液を加えた。試験管を真空排気してパージした後(3回)、
ガンマ線放射を用いて周囲温度で約7,000R/時で72時間照射した。膜を 塩化メチレンで洗浄(2回)してから、クロロスルホン酸浴(塩化メチレン中に
3重量%のクロロスルホン酸)中に30分間置いた。膜を高純度脱イオン水で約
30分間、80℃で洗浄した。得られた膜を乾燥させるために加熱した乾燥機を
通過させてから、完成品として再度巻いた。
【0078】 得られたイオン交換媒体の特性、具体的には坪量、厚さ、臨界湿潤表面張力(
critical wetting surface tension)(CWST)、IEC、及び水流量を測定
した。得られたデータを表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】 表4におけるデータは、本発明のイオン交換膜が、優れたイオン交換容量(I
EC)毎単位質量(3.5mmol-eq/g)を有することを証明する。その上このイ オン交換膜は膜を横切る高い水流量を示し、このことは、この膜が、ろ過用途に
おいて有効に機能を果たすために十分に高い流束を有することを示す。
【0081】 実施例9 この実施例は、イオンを含む有機溶媒からイオンを除去する際の本発明のイオ
ン交換膜の有効性を説明する。この実施例においては、メタノール/有機樹脂溶
液からナトリウム及び第二鉄イオン(ferric ion)を除去する能力に関して、実
施例8に従って作製した陽イオン交換膜(「膜2」)を試験した。
【0082】 各層が膜2の断片である5層媒体ディスクを作製し、媒体ディスクをジグ中に
置いた。イオンを含むメタノール/有機樹脂溶液を作製するために、メタノール
/有機樹脂溶液を、ナトリウム(Na+)と第二鉄(Fe3+)イオンとを用いて スパイクした。スパイクした溶液を媒体ディスクを通過させ、流入液と流出液流
の両方を金属イオンの濃度に関して分析した。流入液流に関する、及び、流出液
流の特定の体積に関するナトリウム及び第二鉄イオン濃度をAAで測定した。流
出液の各体積に関して、イオンのパーセント除去も計算した。得られたデータを
表5に示す。
【0083】
【表5】
【0084】 表5におけるデータは、本発明のイオン交換膜が、有機溶媒及び/または溶液
からイオンを除去する際に非常に有効であることを明確に証明する。特に膜2は
、アルカリ金属イオンと重金属イオンの両方を除去するのに非常に有効である。
例えば膜2は、溶液中のほぼ99%の第二鉄イオンを除去した。その上膜2は、
99%を超えるナトリウムイオンを除去した。膜の性能は、全ての示された流出
液レベルで安定していた。一般的には溶液から重金属イオンをろ過によって除去
するのが非常に難しいという点で、重金属イオンを除去する本膜の能力は注目す
べきである。さらに、本実施例において使用したスパイクしたイオンの濃度は高
かった(1ppmを超える)ので、本発明のイオン交換膜は、優れたイオン除去容 量を証明した。
【0085】 実施例10 この実施例は、イオンを含む水溶液からイオンを除去する本発明のイオン交換
膜の能力を証明する。この実施例においては、水性フッ化水素酸溶液からアルカ
リ金属イオン及び重金属イオンを除去する能力に関して、実施例8に従って作製
した陽イオン交換膜(「膜2」)を試験した。
【0086】 5層媒体ディスクを、実施例9に述べたのと同様にして得た。イオンを含む0
.1%水性HF溶液を作製するために、0.1%水性HF溶液を、既知の濃度の
ナトリウム(Na)と銅(Cu)イオンとを用いてスパイクした。スパイクした
溶液を媒体ディスクを通過させ、流入液と流出液流の両方を金属イオンの濃度に
関して分析した。流入液流に関する、及び、流出液流の特定の体積に関するナト
リウム及び銅イオン濃度をAAで測定した。流出液の各体積に関して、イオンの
パーセント除去を計算した。得られたデータを表6に示す。
【0087】
【表6】
【0088】 表6におけるデータは、本発明のイオン交換膜が、水性溶媒及び/または溶液
からイオンを除去する際に非常に有効であることを明確に証明する。特に本膜は
、水性媒質中の微量アルカリ金属イオンと重金属イオンとを除去するのに非常に
有効である。例えば膜2は、60mlの0.1%HF流出液を収集した後にAAで
測定して、溶液中の100%の銅イオン及び99%のナトリウムイオンを除去し
た。
【0089】 特許及び特許出願を含む本明細書において引用した参考文献の全てを、本明細
書によって参考のためにその全体を取り入れる。
【0090】 本発明を好適な実施例に重点を置いて説明してきたが、当業者であれば、好適
な実施例の変更を使用できることと、本発明は、本明細書において具体的に説明
したものとは異なって実施できることを意図していることとは明白である。従っ
て本発明は、請求の範囲によって定義されるように、本発明の精神及び範囲内に
包含される全ての修正を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Naでスパイクした乳酸エチル溶液中の、本発明のイオン交換膜に関する貫流
曲線のグラフ([流出液]/[流入液]%対全チャレンジNa(μg))である 。
【図2】 本発明のイオン交換膜の様々な層系に関する、実際の及び計算上のNaイオン
除去プロファイルを比較するグラフ([流出液]/[流入液]%対全チャレンジ
Na(μg))である。
【図3】 本発明のイオン交換膜の金属イオン除去性能をGelman ICE−450 TM (Pall Corporation)媒体と比較するグラフ([流出液]/[流入液]%対全
チャレンジNa(μg))である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月18日(2000.2.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項16
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項17
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項18
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 [式中、R1またはR2は独立にH、C1〜C6アルキル、またはフェニルであり
、及び前記C1〜C6アルキルまたは前記フェニルの少なくとも1個の水素原子は
任意に、F、Cl、Br、及びOHからなる群から選択される少なくとも1つの
置換基で置換されており;nは0〜2の整数である。] のモノマー、そのエステル、またはその無水物から誘導された二塩基酸部分を含
み、ステップ(c)は、前記アリールモノマー及び前記二塩基酸モノマーを前記
多孔性ポリマー支持体にグラフトさせることを含む、請求項16または17に記
載の方法。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】 発明の分野 本発明は、イオン交換膜とその作製方法に関する。本発明はさらに、流体を処
理するためのイオン交換膜の使用方法、並びにイオン交換膜を備えるろ過装置に
関する。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】 従って1つの好適な実施例においては、有機モノマーは、自芳香環に共有結合
した少なくとも1つのイオン交換基を持つ芳香環を含むアリールモノマーである
。芳香環が、自芳香環に共有結合したイオン交換基を有する場合には、アリール
モノマーを多孔性ポリマー支持体にグラフトさせた後に、アリール部分の芳香環
に追加のイオン交換基を導入する必要はない。アリールモノマーの芳香環に共有
結合したイオン交換基を含むアリールモノマーを、市販源から得るか、または従
来技術において周知の合成法によって得ることができる。例えばアリールモノマ
ーの芳香環に、またはアリールモノマーの前駆体の芳香環に、イオン交換基を合
成的に導入できる(すなわち共有結合させる)。一方、イオン交換基が自芳香環
に共有結合した芳香環を持つアリールモノマーを、市販源から得ることができる
。例えば、アリールモノマーの例えばスチレンスルホン酸(ここでイオン交換基
はスルホン酸である)またはビニル安息香酸(ここでイオン交換基はカルボン酸
である)は市販されている。従って例えば、超高分子量ポリエチレン支持体と適
切なスチレンスルホン酸溶液とを接触させ、適切なグラフト条件下で処理して、
超高分子量ポリエチレン支持体と、自ベンゼン環にスルホン酸イオン交換基が共
有結合したベンゼン環を含むアリール部分(スチレンスルホン酸から誘導された
)とを得ることができ、ここで、アリール部分を多孔性超高分子量ポリエチレン
支持体にグラフトさせる。もちろん、希望するなら、アリールモノマーから誘導
されたアリール部分の芳香環はさらに、既にアリールモノマーに結合したイオン
交換基と同じかまたは異なる追加のイオン交換基で置換でき、これによって特定
の用途においてはより適切なことがある膜にイオン交換特性を与える。例えば、
スチレンスルホン酸から誘導されたアリール部分の芳香環を、さらにスルホン化
条件にさらすことができ、それによって第2の(場合によっては第3の)スルホ
ン酸イオン交換基をアリール部分の芳香環に導入して、自芳香環に共有結合した
2つ以上のスルホン酸イオン交換基を持つ芳香環を得る。例えば、アリール部分
がナフタレン環のような多環式芳香環を含む場合に、1を超えるイオン交換基を
芳香環に取り入れることは望ましいかもしれない。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】 別の好適な実施例においては、有機モノマーは、自芳香環に共有結合したイオ
ン交換基を有しない芳香環を含むアリールモノマーである。アリールモノマー(
イオン交換基を欠く)を多孔性ポリマー支持体にグラフトさせた後、誘導された
有機部分の芳香環にイオン交換基を導入し共有結合させて、それによってイオン
交換膜を提供する。従って、アリールモノマーを多孔性ポリマー支持体にグラフ
トさせた後に、アリール部分の芳香環にイオン交換基を導入する。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】 アリール部分を、芳香環を含む任意の適切なアリールモノマーから誘導できる
。適切なアリールモノマーは、単一芳香環(例えばベンゼン環)または縮合芳香
環の例えばナフタレン、ベンゾチオフェン、またはアントラセン環を持つことが
できる。縮合芳香環を有するアリールモノマーは、例えば2−ビニルナフタレン
を含むことができる。アリールモノマーはまた、多孔性ポリマー支持体に化学的
にグラフトすることに加えて、他の機構的な経路(mechanistic pathways)によ
って反応できるモノマーとすることができる。例えばジビニルベンゼンは、多孔
性ポリマー支持体へのグラフトを形成することに加えて、架橋反応を受けること
ができる。好ましくはアリールモノマーは未置換芳香環を含み、その場合には、
モノマーを多孔性ポリマー支持体にグラフトさせた後に、誘導されたアリール部
分の芳香環にイオン交換基を導入する。より好ましくは未置換芳香環は単環式芳
香環であり、特にベンゼン環である。さらに好ましくは、アリールモノマーはス
チレンまたはその誘導体であり、最も好ましくはスチレンである。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】 適切なイオン交換基は、本明細書において説明するように、任意の官能基、官
能基の任意の組合せ、またはこれらの任意の誘導体であり、イオンに対する親和
性を有する。イオン交換膜を作製する本方法においては、有機モノマーから誘導
された有機部分に共有結合したイオン交換基は、スルホン酸イオン交換基である
ことが好ましい。より好ましくは、適切なアリールモノマーを多孔性ポリマー支
持体にグラフトさせた後に、アリール部分の芳香環に、スルホン酸イオン交換基
を導入し共有結合させる。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】 任意の適切な有機反応方法を用いて、イオン交換基を有機部分に導入できる。
例えば、陽イオン交換基(例えばスルホン酸基)をベンゼン環のような芳香環に
導入でき、これは、クロロスルホン酸を用いた求電子的クロロスルホン化と、そ
の後の、生成した塩化スルホニルの水性加水分解によって行う。陰イオン交換基
(例えばアンモニウム塩)をベンゼン環のような芳香環に導入でき、これは、ベ
ンゼン環のニトロ化、続いてアミンへの還元、その後に適切なアルキル化剤を用
いた四級化によって行う。置換反応に関する全般的な説明については、March, "
Advanced Organic Chemistry," Wiley-Interscience (1985)を参照されたい。好
ましくはイオン交換基は、スルホン化反応によって導入されるスルホン酸基であ
る。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】 典型的には、多孔性ポリマー支持体にグラフトしたアリール部分の芳香環への
スルホン酸イオン交換基の導入は、アリールモノマーを膜にグラフトさせた後に
、アリール部分の芳香環がスルホン化を受ける条件下で、膜をスルホン化試薬(
例えばクロロスルホン酸溶液)にさらすことによって成し遂げられ、これによっ
て芳香族スルホン酸種を与える。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】 イオン交換膜を作製する本方法においては、膜を処理して汚染物を除去するこ
とができ、例えば、高純度水で洗浄して微量汚染物を除去する。低レベルの汚染
物を有する膜は、微量汚染物が好ましくないことがあるマイクロリソグラフィに
おける用途にとって非常に望ましい。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】 望ましくは、流体を処理する本発明の方法は、イオンを含む流体と本発明のイ
オン交換膜とを接触させて、イオン濃度の低減した流体を与えることを含む。1
つの好適な実施例においては本発明の方法は、ナトリウムイオン濃度約2.5pp
mを有する流体と本発明の膜とを接触させて、ナトリウム濃度約0.2ppm未満、
好ましくは約0.1ppm未満のナトリウムイオンを有する流体を与えることを含 む。別の好適な実施例においては本発明の方法は、本発明の膜とナトリウムイオ
ン濃度約8.4ppm及び鉄イオン濃度約7.3ppmを有する流体とを接触させて、
ナトリウム濃度約0.1ppm未満及び鉄濃度約0.2ppm未満を有する流体を与え
ることを含む。別の好適な実施例においては本発明の方法は、本発明の膜とナト
リウム及び銅イオン濃度約0.9ppmを有する流体とを接触させて、ナトリウム 及び銅イオン濃度約0.09ppm未満を有する流体を与えることを含む。非常に 好適な実施例においては本発明の方法は、本発明の膜と金属イオン濃度約900
ppb〜約0.2ppbを有する流体とを接触させて、金属イオン濃度約9ppb未満、 好ましくは約1ppb未満、より好ましくは約0.1ppb未満を有する流体を与える
ことを含む。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】 本発明はさらに、流体を処理する本発明の方法において使用できるような、流
体からイオンを除去するためのろ過装置を提供する。本装置はフィルターユニッ
トと流体をフィルターユニットを通過させるための手段とを含む。任意で本発明
のろ過装置はさらに、ろ液を回収するための手段を含む。フィルターユニットは
、本発明のイオン交換膜を利用する。好ましくは本発明のろ過装置は、本明細書
において説明する陽イオン交換膜を有するフィルターユニットを用いる。より好
ましくは本ろ過装置は、陽イオン交換膜を有するフィルターユニットを用い、こ
の陽イオン交換膜において少なくとも1つのイオン交換基はスルホン酸基であり
、また陽イオン交換膜は、有機溶媒と溶液とから微量金属汚染物を除去する際に
有効であり、極低濃度の金属イオンを有するかまたは金属イオンが事実上無い溶
媒または溶液を与える。好適な実施例においてはフィルターユニットは、多孔性
ポリマー支持体と、自芳香環にイオン交換基が共有結合した芳香環を含むアリー
ル部分とを含む陽イオン交換膜を利用し、ここでアリール部分は多孔性ポリマー
支持体にグラフトしている。別の好適な実施例においては本発明のろ過装置は、
多孔性ポリマー支持体と、自芳香環にイオン交換基が共有結合した芳香環を含む
アリール部分及び式Iのモノマーから誘導された二塩基酸部分を含む有機部分と
を含む陽イオン交換膜を利用し、ここでアリール部分と二塩基酸部分とは多孔性
ポリマー支持体にグラフトしており、これは本明細書において説明する通りであ
る。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】 結果を図2に示す。Y軸は、流出液のNa濃度対流入液のNa濃度の比を示す
(パーセント単位で表わす)。X軸は、チャレンジしたNaの全量(μg)を示 す。膜1の実際の1及び5層系に関する流出液/流入液のNa濃度の比を、乳酸
エチル中のNaによる様々な予め定められた全チャレンジから計算し、ここで実
際の1層系を黒い正方形、すなわち、
【化2】 で示し、実際の5層系を黒丸(●)で示す。1から6層を有するシミュレートし
た系に関する理論上の流出液/流入液のNa濃度の比を、塗りつぶしていない(
すなわち中空、黒くない)形状で表わし、ここでシミュレートした2層系を上向
きの三角形(△)で示し、シミュレートした3層系を菱形(◇)で示し、シミュ
レートした4層系を逆三角形(▽)で示し、シミュレートした5層系を丸(○)
で示し、シミュレートした6層系を長方形、すなわち、
【化3】 で示す。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】 実施例10 この実施例は、イオンを含む水溶液からイオンを除去する本発明のイオン交換
膜の能力を証明する。この実施例においては、水性フッ化水素酸溶液からアルカ
リ金属イオン及び重金属イオンを除去する能力に関して、実施例8に従って作製
した陽イオン交換膜(「膜2」)を試験した。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】 5層媒体ディスクを、実施例9に述べたのと同様にして得た。イオンを含む0
.1%水性HF溶液を作製するために、0.1%水性HF溶液を、既知の濃度の
ナトリウム(Na)と銅(Cu)イオンとを用いてスパイクした。スパイクした
溶液を媒体ディスクを通過させ、流入液と流出液流の両方を金属イオンの濃度に
関して分析した。流入液流に関する、及び、流出液流の特定の体積に関するナト
リウム及び銅イオン濃度をAAで測定した。流出液の各体積に関して、イオンの
パーセント除去を計算した。得られたデータを表6に示す。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】
【表1】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月18日(2000.2.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項18
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 [式中、R1またはR2は独立にH、C1〜C6アルキル、またはフェニルであり
、及び前記C1〜C6アルキルまたは前記フェニルの少なくとも1個の水素原子は
任意に、F、Cl、Br、及びOHからなる群から選択される少なくとも1つの
置換基で置換されており;nは0〜2の整数である。] のモノマー、そのエステル、またはその無水物から誘導された二塩基酸部分を含
む、請求項16または17に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項19
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項20
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項21
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項22
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項23
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 サリナロ,リチャード・エフ アメリカ合衆国ニューヨーク州10706,ヘ イスティングズ・オン・ハドソン,バーン サイド・ドライブ 19 (72)発明者 シプサス,イオアニス・ピー アメリカ合衆国ニューヨーク州11375,フ ォレスト・ヒルズ,セヴンティサード・ロ ード 110−31,ナンバー 3ディー Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA26 AA27 AA31 AA43 AA50 AA54 AA62 AA64 AC02 AC05 AC09 AF01 FA05 FA06 FC01

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性ポリマー支持体と自有機部分にイオン交換基が共有結
    合した有機部分とを含むイオン交換膜において、前記有機部分は前記多孔性ポリ
    マー支持体にグラフトしているイオン交換膜。
  2. 【請求項2】 前記イオン交換基は陽イオン交換基である、請求項1に記載
    のイオン交換膜。
  3. 【請求項3】 前記陽イオン交換基は、スルホン酸、カルボン酸、及びこれ
    らの誘導体からなる群から選択される、請求項2に記載のイオン交換膜。
  4. 【請求項4】 前記多孔性ポリマー支持体は、ポリオレフィン類、ポリアミ
    ド類、ポリアクリレート類、ポリエステル類、ナイロン類、ポリスルホン類、ポ
    リエーテルスルホン類、及びポリカーボネート類からなる群から選択されるポリ
    マーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
  5. 【請求項5】 前記多孔性ポリマー支持体はポリオレフィンを含む、請求項
    4に記載のイオン交換膜。
  6. 【請求項6】 前記ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリテトラフルオロ
    エチレン、及びポリふっ化ビニリデンからなる群から選択される、請求項5に記
    載のイオン交換膜。
  7. 【請求項7】 前記ポリオレフィンはポリエチレンである、請求項6に記載
    のイオン交換膜。
  8. 【請求項8】 前記ポリエチレンは超高分子量ポリエチレンである、請求項
    7に記載のイオン交換膜。
  9. 【請求項9】 前記有機部分はアリール部分を含む、請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載のイオン交換膜。
  10. 【請求項10】 前記アリール部分は、自芳香環にスルホン酸イオン交換基
    が共有結合した芳香環を含む、請求項9に記載のイオン交換膜。
  11. 【請求項11】 少なくとも1つのスルホン酸と少なくとも1つのカルボン
    酸とは前記有機部分に共有結合している、請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のイオン交換膜。
  12. 【請求項12】 前記有機部分は、アリール部分と、式: 【化1】 [式中、R1またはR2は独立にH、C1〜C6アルキル、またはフェニルであり
    、及び前記C1〜C6アルキルまたは前記フェニルの少なくとも1個の水素原子は
    任意に、F、Cl、Br、及びOHからなる群から選択される少なくとも1つの
    置換基で置換されており;nは0〜2の整数である。] のモノマー、そのエステル、またはその無水物から誘導された二塩基酸部分とを
    含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
  13. 【請求項13】 前記アリール部分は、自芳香環にスルホン酸イオン交換基
    が共有結合した芳香環を含む、請求項12に記載のイオン交換膜。
  14. 【請求項14】 nは0である、請求項12または13に記載のイオン交換
    膜。
  15. 【請求項15】 R1及びR2はHである、請求項12〜14のいずれか1項
    に記載のイオン交換膜。
  16. 【請求項16】 前記アリール部分は、自ベンゼン環にスルホン酸イオン交
    換基が共有結合したベンゼン環を含み、前記二塩基酸部分はマレイン酸から誘導
    される、請求項12〜15のいずれか1項に記載のイオン交換膜。
  17. 【請求項17】 (a)多孔性ポリマー支持体を提供することと; (b)芳香環を含むアリールモノマーと前記多孔性ポリマー支持体とを接触させ
    ることと; (c)前記アリールモノマーを前記多孔性ポリマー支持体にグラフトさせて、芳
    香環を含む有機部分を与えることと;を含む、イオン交換膜を作製する方法にお
    いて、前記アリールモノマーは、自芳香環に共有結合したイオン交換基を持つ芳
    香環を含むか、または、前記有機部分の芳香環にイオン交換基を導入し共有結合
    させて、それによってイオン交換膜を提供する、方法。
  18. 【請求項18】 ステップ(b)はさらに、前記多孔性ポリマー支持体と式
    : 【化2】 [式中、R1またはR2は独立にH、C1〜C6アルキル、またはフェニルであり
    、及び前記C1〜C6アルキルまたは前記フェニルの少なくとも1個の水素原子は
    任意に、F、Cl、Br、及びOHからなる群から選択される少なくとも1つの
    置換基で置換されており;nは0〜2の整数である。] の少なくとも1種の二塩基酸モノマー、そのエステル、またはその無水物とを接
    触させることを含み、ステップ(c)は、前記アリールモノマー及び前記二塩基
    酸モノマーを前記多孔性ポリマー支持体にグラフトさせることを含む、請求項1
    7に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記アリールモノマーは、自芳香環に共有結合したイオン
    交換基を持つ芳香環を含む、請求項17または18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 イオン交換基は、前記有機部分の芳香環に導入され共有結
    合する、請求項17または18に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記多孔性ポリマー支持体はポリオレフィンを含む、請求
    項17〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記ポリオレフィンはポリエチレンである、請求項21に
    記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記ポリエチレンは超高分子量ポリエチレンである、請求
    項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記アリールモノマーはスチレンである、請求項17、1
    8、または20〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 【請求項25】 nは0である、請求項18〜24のいずれか1項に記載の
    方法。
  26. 【請求項26】 R1及びR2はHである、請求項18〜25のいずれか1項
    に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記イオン交換基はスルホン酸である、請求項17〜26
    のいずれか1項に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記二塩基酸モノマーはマレイン酸である、請求項18〜
    27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 【請求項29】 イオンを含む流体を処理する方法であって、前記流体と、
    請求項1〜16のいずれか1項に記載のイオン交換膜とを接触させることを含む
    方法。
  30. 【請求項30】 (a)請求項1〜16のいずれか1項に記載のイオン交換
    膜を備えるフィルターユニットと; (b)流体を前記フィルターユニットを通過させるための手段と; を備えるろ過装置。
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