JP2001506983A - 新規な低密度リポ蛋白質結合性蛋白質並びにアテローム性動脈硬化症の診断及び治療におけるそれらの利用 - Google Patents

新規な低密度リポ蛋白質結合性蛋白質並びにアテローム性動脈硬化症の診断及び治療におけるそれらの利用

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Abstract

(57)【要約】 ネイティブな及びメチル化したLDL(低密度リポ蛋白質)に結合し得る新規なポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、単離されたLBP(LDL結合性蛋白質)と呼ばれるそれらのポリペプチド、及び生物学的に活性なそれらの断片及びアナログを記載する。動物がアテローム性動脈硬化症の危険にあるかどうかを測定する方法、アテローム性動脈硬化症の治療において使用する薬剤を評価する方法、アテローム性動脈硬化症の治療方法、及びLBPの構造又は代謝に異常を有する細胞の治療方法も又、記載する。医薬組成物及びワクチン組成物も又、提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な低密度リポ蛋白質結合性蛋白質並びに アテローム性動脈硬化症の診断及び治療におけるそれらの利用 発明の分野 この出願は、1996年11月27日出願の米国仮出願第60/031,93 0号及び1997年6月3日出願の米国仮出願第60/048,547号の利益 を請求する。 この発明は、低密度リポ蛋白質(LDL)に結合する新規なポリペプチド(LB P)、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、並びにアテローム 性動脈硬化症の治療、診断及び治療剤に関係する。 発明の背景 アテローム性硬化症は、心臓発作の主要な原因である。米国、欧州及び日本に おける全死亡の約50%がアテローム性動脈硬化症によると報告されている。動 脈壁内のアテローム性硬化病変がアテローム性動脈硬化症の特徴を与える。コレ ステリルエステル(CE)が、これらのアテローム性病変中に存在する。低密度リ ポ蛋白質(LDL)は、血漿CEの主要なキャリアーであることが示されており、 CEをアテローム性病変に入れる因子として関係してきた。 散在性の脂質充満マクロファージ(泡沫細胞と呼ばれる)の群は、アテローム性 動脈硬化症の最初の可視的徴候であり、I型病変として記載される。これらのマ クロファージは、LDLに由来するCEを含むことが報告されている。これらの マクロファージは、酸化されたLDLを認識するが、ネイティブなLDLを認識 せず、酸化されたLDLのファゴサイトーシスにより泡沫細胞になる。一層大き い一層組織化された泡沫細胞の堆積、脂肪性の縞は、第II型病変に相当する。こ れらの病変は、更に、プラークと呼ばれる複合病変に発達し、それらは動脈内の 血流の妨げとなり得る。 LDLの動脈内の蓄積は、機能的に変化した内皮細胞の動脈壁内の存在に依存 すると広く信じられている。LDL(ネイティブなLDL及びメチル化したLD Lの両方)が大動脈の病変内の再生する内皮の島の縁にのみ集中して不可逆的に 蓄積し、該縁には機能的に変化した内皮細胞が存在するがこれらの島の中心には 存在せずそこでは内皮の再生が完了していることが、アテローム性動脈硬化症の モデル動物において報告されている。同様に、LDLは、ヒトのアテローム性動 脈硬化症病変に蓄積する。LDLが動脈の病変内に集中して不可逆的に蓄積する 機構は、現在まで分かっていない。 発明の要約 LDLに結合するポリペプチドを提供することは、この発明の目的である。 動物がアテローム性動脈硬化症の危険にあるかどうかを測定する方法を提供す ることは、この発明の更に別の目的である。 アテローム性動脈硬化症の治療において用いるための薬剤を評価する方法を提 供することは、この発明の更に別の目的である。 アテローム性動脈硬化症の治療方法を提供することは、この発明の更に別の目 的である。 この発明の更に別の目的は、LBP(低密度リポ蛋白質結合性蛋白質)遺伝子及 び/又はポリペプチド、又はこれらの断片、アナログ及び変異物を利用して、ア テローム性動脈硬化症の治療、診断及び/又は治療剤の同定を助成することであ る。 一面において、この発明は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SE Q ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8又はSE Q ID NO:9に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオ チドを含む単離されたポリヌクレオチド;又は上記のポリヌクレオチドの何れか にハイブリダイズすることができる及び少なくとも約95%同一であるポリヌク レオチド(コードされるポリペプチドは、LDLに結合することができる);又は 上記のポリヌクレオチドの何れかの生物学的に活性な断片(コードされるポリペ プチドは、LDLに結合することができる)を特徴とする。 ある具体例において、このポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:10、SEQ ID N O:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、 SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17又はSEQ ID NO:18に示した核酸配列を含む。 この発明の他の面は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID N O:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8又はSEQ ID N O:9に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む単離されたポリペプチド ;又は上記のポリペプチドの何れかに少なくとも約95%同一であるポリペプチ ド(このポリペプチドは、LDLに結合することができる);又は上記のポリペプ チドの何れかの生物学的に活性な断片(この断片は、LDLに結合することがで きる)である。 この発明の他の面は、動物がアテローム性動脈硬化症の危険にあるかどうかを 測定する方法である。一の動物を準備する。LBPの代謝又は構造の面を、この 動物において評価する。LBPの代謝又は構造の面における異常は、アテローム 性動脈硬化症の危険にあるという診断となる。 この発明の他の面は、アテローム性動脈硬化症の治療において用いるための薬 剤を評価する方法である。一の薬剤を準備する。この薬剤を試験用の細胞、無細 胞系又は動物に治療上有効な量で投与する。この薬剤のLBPの代謝又は構造の 面に対する効果を評価する。LBPの代謝又は構造の面における変化は、この薬 剤のアテローム性動脈硬化症の治療における有用性を示す。 この発明の他の面は、薬剤を、LBPポリペプチドの結合性分子(例えば、ネ イティブなLDL、改変したLDL例えばメチル化したLDL若しくは酸化した LDL)又は動脈の細胞外マトリクス構造成分への結合を変える能力について評 価する方法である。一の薬剤を準備する。LBPポリペプチドを準備する。結合 性分子を準備する。この薬剤、LBPポリペプチド及び結合性分子を合わせる。 このLBPポリペプチド及び結合性分子を含む複合体の形成を検出する。この薬 剤の存在下での複合体の形成における変化(この薬剤の不在時と比較しての変化) は、この薬剤がLBPポリペプチドの結合分子への結合を変えることを示す。 この発明の他の面は、薬剤を、LBPポリペプチドに結合する能力について評 価する方法である。一の薬剤を準備する。LBPポリペプチドを準備する。この 薬剤をLBPポリペプチドと接触させる。この薬剤のLBPポリペプチドと結合 する能力を評価する。 この発明の他の面は、薬剤を、LBP調節配列をコードする核酸に結合する能 力について評価する方法である。一の薬剤を準備する。LBP調節配列をコード する核酸を準備する。この薬剤をこの核酸と接触させる。この薬剤のこの核酸に 結合する能力を評価する。 この発明の他の面は、動物におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法である 。アテローム性動脈硬化症の治療の必要な動物を準備する。LBPの構造又は代 謝の面を変えることのできる薬剤を準備する。この薬剤をこの動物に、治療上有 効な量で、アテローム性動脈硬化症の治療が生じるように投与する。ある具体例 においては、この薬剤は、LBPポリペプチド例えばLBP−1、LBP−2若 しくはLBP−3又はこれらの生物学的に活性な断片若しくはアナログである。 ある具体例においては、この薬剤は、約100、50、30、20、10、5、 4、3又は2アミノ酸残基長以下のポリペプチドである。ある具体例において、 この薬剤は、少なくとも約20%、40%、60%、80%、90%、95%又 は98%の酸性アミノ酸残基を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドである。 この発明の他の面は、アテローム性動脈硬化症の危険にある動物の治療方法で ある。アテローム性動脈硬化症の危険にある動物を準備する。LBPの構造又は 代謝の面を変えることのできる薬剤を準備する。この薬剤をこの動物に治療上有 効な量で、この動物の治療が生じるように投与する。 この発明の他の面は、LBPの構造又は代謝に以上を有する細胞を治療する方 法である。LBPの構造又は代謝に異常を有する細胞を準備する。LBPの構造 又は代謝の面を変えることのできる薬剤を準備する。この薬剤をこの細胞に治療 上有効な量で、この細胞の治療が生じるように投与する。 この発明の他の面は、動物におけるアテローム性動脈硬化症を治療するための 医薬組成物であって、治療上有効な量の薬剤(この薬剤は、アテローム性動脈硬 化症の治療を生じるようにその動物におけるLBPの代謝又は構造の面を変える ことができる)及び製薬上許容し得るキャリアーを含む上記の医薬組成物である 。 この発明の他の面は、動物におけるアテローム性動脈硬化症を治療するための ワクチン組成物であって、治療上有効な量の薬剤(この薬剤は、アテローム性動 脈硬化症の治療を生じるようにその動物におけるLBPの代謝又は構造の面を変 えることができる)及び製薬上許容し得るキャリアーを含む上記のワクチン組成 物。 この発明の他の面は、動物におけるアテローム性動脈硬化症病変の診断方法で ある。一の動物を準備する。LBP例えばLBP−1、LBP−2又はLBP− 3に結合し得る標識した薬剤を準備する。この標識した薬剤をこの動物に、標識 されたLBPを生じるようにこの標識した薬剤をLBPと相互作用させる条件下 で投与する。この標識されたLBPの局在性又は定量化を、イメージングにより 、この動物におけるアテローム性動脈硬化症病変の存在を診断するように測定す る。 この発明の他の面は、動物を、LBP例えばLBP−1、LBP−2若しくは LBP−3又はこれらの断片若しくはアナログに対して免疫化する方法である。 LDLを有する動物を準備する。LBP又はその断片若しくはアナログをこの動 物に、このLBP又はその断片若しくはアナログに対するこの動物による抗体産 生を刺激するように投与して、LBPのLDLへの結合を変える(例えば、減少 させ又は増大させる)。 この発明の他の面は、LBPポリペプチドの断片又はアナログの製造方法であ る(この断片又はアナログは、ネイティブなLDLに結合する能力及び改変され たLDL例えばメチル化LDL、酸化されたLDL、アセチル化されたLDL又 はシクロヘキサンジオン処理したLDLに結合する能力を有する)。LBPポリ ペプチドを準備する。このLBPポリペプチドの配列を変化させる。この変化さ せたLBPポリペプチドを改変したLDL及びネイティブなLDLに結合する能 力について試験する。 この発明の更に別の面は、LBPをコードするcDNAを単離する方法である 。cDNAライブラリーを準備する。このcDNAライブラリーを、ネイティブ なLDL及び改変したLDL例えばメチル化LDL又は酸化LDLに結合するポ リペプチドをコードするcDNAについてスクリーニングする。このポリペプチ ドをコードするcDNAを単離する(このcDNAは、LBPをコードする)。 本発明の上記の及びその他の特徴、目的及び利点は、下記の詳細な説明を図面 と合わせて読むことにより一層理解されるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、ウサギのLBP−1のアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)を描写している。 ウサギとヒトのLBP−1の間のアミノ酸の差異を太字で描いてある。 図2は、ウサギのLBP−2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)を描写している。 ウサギとヒトのLBP−2の間のアミノ酸の差異を太字で描いてある。 図3は、ウサギのLBP−2のアミノ酸86〜317のアミノ酸配列(SEQ ID NO:3)を描写している。 図4は、ウサギのLBP−2のアミノ酸66〜317のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4)を描写している。 図5は、ウサギのLBP−3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:5)を描写している。 ウサギとヒトのLBP−3の間のアミノ酸の差異を太字で描いてある。 図6は、ヒトのLBP−1のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6)を描写している。 ウサギとヒトのLBP−1の間のアミノ酸の差異を太字で描いてある。 図7は、ヒトのLBP−2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:7)を描写している。 ウサギとヒトのLBP−2の間のアミノ酸の差異を太字で描いてある。 図8は、ヒトのLBP−3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:8)を描写している。 ウサギとヒトのLBP−3の間のアミノ酸の差異を太字で描いてある。 図9は、ヒト又はウサギのLBP−1のアミノ酸14〜33のアミノ酸配列( BHF−1という)(SEQ ID NO:9)を描写している。 図10は、ウサギのLBP−1をコードするcDNA配列(SEQ ID NO:10)及 び対応するアミノ酸配列を描写している。ウサギとヒトのLBP−1の間のアミ ノ酸の差異を太字で描いてある。 図11は、ウサギのLBP−2をコードするcDNA配列(SEQ ID NO:11)及 び対応するアミノ酸配列を描写している。ウサギとヒトのLBP−2の間のアミ ノ酸の差異を太字で描いてある。 図12は、ウサギのLBP−2のcDNA配列256〜1617(SEQ ID NO: 12)及び対応するアミノ酸配列を描写している。 図13は、ウサギのLBP−2のcDNA配列196〜1617(SEQ ID NO: 13)及び対応するアミノ酸配列を描写している。 図14は、ウサギのLBP−3をコードするcDNA配列(SEQ ID NO:14)及 び対応するアミノ酸配列を描写している。ウサギとヒトのLBP−3の間のアミ ノ酸の差異を太字で描いてある。 図15は、ヒトのLBP−1をコードするcDNA配列(SEQ ID NO:15)及び 対応するアミノ酸配列を描写している。ウサギとヒトのLBP−1の間のアミノ 酸の差異を太字で描いてある。 図16は、ヒトのLBP−2をコードするcDNA配列(SEQ ID NO:16)及び 対応するアミノ酸配列を描写している。ウサギとヒトのLBP−2の間のアミノ 酸の差異を太字で描いてある。 図17は、ヒトのLBP−3をコードするcDNA配列(SEQ ID NO:17)及び 対応するアミノ酸配列を描写している。ウサギとヒトのLBP−3の間のアミノ 酸の差異を太字で描いてある。 図18は、BHF−1をコードするcDNA配列(SEQ ID NO:18)を描写して いる。 図19は、ヒトのLBP−1のアミノ酸配列(下段の配列)と整列させたウサギ のLBP−1のアミノ酸配列(上段の配列)に対応する。 図20は、ヒトのLBP−2のアミノ酸配列(下段の配列)と整列させたウサギ のLBP−2のアミノ酸配列(上段の配列)に対応する。 図21は、ヒトのLBP−3のアミノ酸配列(下段の配列)と整列させたウサギ のLBP−3のアミノ酸配列(上段の配列)に対応する。 詳細な説明 本発明の面に従って、新規な成熟したヒト及びウサギのポリペプチドLBP− 1、LBP−2及びLBP−3並びにこれらの生物学的に活性なアナログ及び断 片を提供し、そしてかかるポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチ ドを提供する。LBPは、低密度リポ蛋白質(LDL)結合性蛋白質の略号である 。用語ポリヌクレ9オチド、ヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドは、ここでは 、 交換可能に用い、用語ポリペプチド、蛋白質及びペプチドは、ここでは、交換可 能に用いる。 この発明は、図1に示したウサギのLBP−1(SEQ ID NO:1);図2に示した ウサギのLBP−2(SEQ ID NO:2);図3に示したウサギのLBP−2の86〜 317(SEQ ID NO:3);図4に示したウサギのLBP−2の66〜317(SEQ I D NO:4);図5に示したウサギのLBP−3(SEQ ID NO:5);図6に示したヒト のLBP−1(SEQ ID NO:6);図7に示したヒトのLBP−2(SEQ ID NO:7); 図8に示したヒトのLBP−3(SEQ ID NO:8);図9に示したヒト又はウサギの LBP−1の14〜33(BHF−1という)(SEQ ID NO:9)のアミノ酸配列を有 するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離されたポリヌクレオ チド;上記のポリヌクレオチドの何れかとハイブリダイズすることのできる及び 少なくとも約80%同一の一層好ましくは少なくとも約90%同一の一層好まし くは少なくとも約95%同一の最も好ましくは少なくとも約98%同一のポリヌ クレオチド(コードされるポリペプチドは、LDLに結合することができる);又 は上記のポリヌクレオチドの何れかの生物学的に活性な断片(コードされるポリ ペプチドは、LDLに結合することができる)を提供する。 この発明は又、図7に示したヒトのLBP−2(SEQ ID NO:7)のアミノ酸残基 8〜22(SEQ ID NO:19)、8〜33(SEQ ID NO:20)、23〜33(SEQ ID NO :21)又は208〜217(SEQ ID NO:22)を有するポリペプチド;図1(SEQ I D NO:1)及び図6(SEQ ID NO:6)に示したウサギ又はヒトのLBP−1のアミノ 酸残基14〜43(SEQ ID NO:23)又は38〜43(SEQ ID NO:24);図2に示 したウサギのLBP−2(SEQ ID NO:2)のアミノ酸残基105〜120(SEQ ID NO:25)、105〜132(SEQ ID NO:26)、121〜132(SEQ ID NO:27) 又は211〜220(SEQ ID NO:28);図5に示したウサギのLBP−3(SEQ I D NO:5);図8に示したヒトのLBP−3(SEQ ID NO:8)のアミノ酸残基53〜 59(SEQ ID NO:41)をコードするポリヌクレオチドを含む単離されたポリヌク レオチド;上記のポリヌクレオチドの何れかとハイブリダイズすることができる 及び少なくとも約80%同一の一層好ましくは少なくとも約90%同一の一層好 ましくは少なくとも約95%同一の最も好ましくは少なく とも約98%同一のポリヌクレオチド(コードされるポリペプチドは、LDLに 結合することができる);又は上記のポリヌクレオチドの何れかの生物学的に活 性な断片(コードされるポリペプチドは、LDLに結合することができる)をも包 含する。 ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとは、ポリペプチドのコード配列 のみを含むポリヌクレオチド並びに更なるコード配列及び/又は非コード配列を 含むポリヌクレオチドを意味する。従って、例えば、図1〜9の成熟ポリペプチ ド(SEQ ID NO:1〜9)をコードするポリヌクレオチドは、成熟ポリペプチドのコ ード配列のみを含むことができ;成熟ポリペプチドのコード配列と更なるコード 配列例えばリーダー配列若しくは分泌用配列又はプロ蛋白質配列を含むことがで き;成熟ポリペプチドのコード配列(及び随意に更なるコード配列)及び非コード 配列例えばイントロン又は成熟ポリペプチドのコード配列の5’及び/又は3’ 側の非コード配列を含むことができる。この発明のポリヌクレオチドは又、成熟 ポリペプチドのコード配列が、ポリペプチドの発現及び/又は宿主細胞からの分 泌を助成するポリヌクレオチド配列例えばリーダー配列と同じリーディングフレ ームで融合しているポリヌクレオチドを含むことも意味する。これらのポリヌク レオチドは又、コード配列が例えばそのポリペプチドの精製を可能にするマーカ ー配列とイン・フレームで融合しているポリヌクレオチドを含むことも意味する 。 本発明のポリヌクレオチドは、RNA、DNA又はPNAの形態例えばcRN A、cDNA、ゲノムDNA、又は合成のDNA、RNA若しくはPNAであっ てよい。このDNAは、二本鎖であっても一本鎖であってもよく、もし一本鎖で あれば、コード鎖であっても非コード鎖(アンチセンス鎖)であってもよい。 好適具体例において、このポリヌクレオチドには、図10に示したウサギのL BP−1の核酸(SEQ ID NO:10);図11に示したウサギのLBP−2の核酸(S EQ ID NO:11);図12に示したウサギのLBP−2のヌクレオチド256〜1 617(SEQ ID NO:12);図13に示したウサギのLBP−2のヌクレオチド1 96〜1617(SEQ ID NO:13);図14に示したウサギのLBP−3(SEQ ID NO:14);図15に示したヒトのLBP−1(SEQ ID NO:15);図16に 示したヒトのLBP−2(SEQ ID NO:16);図17に示したヒトのLBP−3(S EQ ID NO:17);又は図18に示したウサギのLBP−1のヌクレオチド97〜 156又はヒトのLBP−1のヌクレオチド157〜216(BHF−1)が含ま れる。 他の好適具体例において、このポリペプチドには、SEQ ID NO:30、SEQ ID N O:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、 SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID N O:40又はSEQ ID NO:42に示した核酸が含まれる。 成熟ポリペプチドをコードするコード配列は、図10〜18(SEQ ID NO:10 〜18)又はSEQ ID NO:30〜40若しくは42に示したコード配列と同一であ ってよく、又は、遺伝コードの重複若しくは縮重の結果として、図10〜18(S EQ ID NO:10〜18)又はSEQ ID NO:30〜40及び42のDNAと同じ成熟ポ リペプチドをコードする異なるコード配列であってよい。 この発明は又、上記のポリヌクレオチドを含む組換えベクターをも包含する。 このベクターは、例えばプラスミド、ウイルス粒子又はファージであってよい。 ある具体例において、この組換えベクターは、発現ベクターである。これらのベ クターは又、かかるベクターを含む細胞を同定するのに有用な種々のマーカー遺 伝子をも含んでよい。 この発明は又、かかる組換えベクターを含む細胞をも包含する。ここに記載し た組換えベクターは、例えばトランスフォーメーション、トランスフェクション 又は感染により、宿主細胞に導入することができる。 この発明は又、かかる細胞をLBPの発現を与える条件下で培養することを含 むLBPを生成する方法をも包含する。 この発明は又、図1(SEQ ID NO:1);図2(SEQ ID NO:2);図3(SEQ ID NO: 3);図4(SEQ ID NO:4);図5(SEQ ID NO:5);図6(SEQ ID NO:6);図7(SE Q ID NO:7);図8(SEQ ID NO:8)若しくは図9(SEQ ID NO:9)に示したアミノ 酸配列を有するポリペプチドを含む単離されたポリペプチド;又は上記のポリペ プチドと少なくとも約80%同一の一層好ましくは少なくとも約90%同一の一 層好ましくは約95%同一の最も好ましくは約98%同一のポリペプチド (該ポリペプチドは、LDLに結合することができる);又は上記のポリペプチド の何れかの生物学的に活性な断片(この断片は、LDLに結合することができる) をも包含する。ウサギ及びヒトのLBP−1、LBP−2及びLBP−3遺伝子 の間のアミノ酸の差異を、これらの図中に太字で描いてある。ウサギ及びヒトの LBP−1、LBP−2及びLBP−3の間のアミノ酸配列の差異も又、図19 、20及び21にそれぞれ示してある。 この発明は又、図7(SEQ ID NO:7)に示したアミノ酸残基8〜22(SEQ ID NO :19)、8〜33(SEQ ID NO:20)、23〜33(SEQ ID NO:21)又は208〜 217(SEQ ID NO:22)を有するポリペプチドを含む単離されたポリペプチド; 図1(SEQ ID NO:1)及び図6(SEQ ID NO:6)に示したアミノ酸残基14〜43(S EQ ID NO:23)若しくは38〜43(SEQ ID NO:24);図2(SEQ ID NO:2)に示 したアミノ酸残基105〜120(SEQ ID NO:25)、105〜132(SEQ ID NO :26)、121〜132(SEQ ID NO:27)若しくは211〜220(SEQ ID NO: 28);図5(SEQ ID NO:5)に示したアミノ酸残基96〜110(SEQ ID NO:29 );図8(SEQ ID NO:8)に示したアミノ酸残基53〜59(SEQ ID NO:41)を有 するポリペプチドを含む単離されたポリペプチド;上記のポリペプチドと少なく とも約80%同一の一層好ましくは少なくとも約90%同一の一層好ましくは少 なくとも約95%同一の最も好ましくは少なくとも約98%同一のポリペプチド (該ポリペプチドは、LDLに結合することができる);又は上記のポリペプチド の何れかの生物学的に活性な断片(この断片は、LDLに結合することができる) をも包含する。 この発明のポリペプチドは、例えば、天然の精製した生成物、化学合成した生 成物及び組換えにより誘導した生成物を包含することを意味する。 これらのポリペプチドを用いて、例えば、LDLに結合することができ、それ により、アテローム性動脈硬化症プラークの形成を阻止することができる。これ らのポリペプチドを、例えば、遺伝子治療において、かかるポリペプチドのイン ・ビボでの発現により、用いることができる。これらのポリペプチドは又、医薬 組成物又はワクチン組成物において用いることもできる。これらのポリペプチド を免疫原として用いて、それらに対する抗体を生成することもでき、更に、それ らをLBPポリペプチドに対するアンタゴニストとして用いることもできる。 如何なる理論に縛られるものでもないが、LBPは、アテローム性動脈硬化症 がLDLの酸化を通して促進される機構を与えると考えられる。これらのLBP は、集中した不可逆的なLDL結合が動脈壁に起きることが(順序正しく)必要で あると考えられ、かかる結合は、LDLがネイティブな状態から完全に酸化され た状態に変化するのに必要な時間を与えるので、アテローム性動脈硬化症の決定 的な初期事象であると考えられる。酸化されたネイティブでないLDLは外来蛋 白質であるので、マクロファージがそれを摂食して、最初は、I型病変の泡沫細 胞となり、その後、II型病変の脂肪性の縞を形成する。 この発明は又、動物がアテローム性動脈硬化症の危険にあるかどうかを測定す る方法を包含する。一の動物を準備する。LBPの代謝及び構造の面をこの動物 において評価する。LBPの代謝又は構造の面における異常は、アテローム性動 脈硬化症の危険にあるという診断となる。 アテローム性動脈硬化症とは、LDLの不可逆的結合、LDLの酸化、マクロ ファージの動員、動脈の閉塞及び組織の死(梗塞)を含む無知覚で相互に混合する 幾つかのステージを含む病気又は症状を意味する。 動物とは、ヒト並びに非ヒト動物を意味する。非ヒト動物には、例えば、哺乳 動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類及び原生動物が含まれる。好ましく は、非ヒト動物は、哺乳動物例えばウサギ、ゲッ歯類例えばマウス、ラット若し くはモルモット、霊長類例えばサル、又はブタである。動物には、非ヒトトラン スジェニック動物も含まれる。用語トランスジェニック動物は、外来DNA(即 ち、部分的に又は全体的に異質のDNA)のその動物のDNA中への導入により ;又は、損傷例えばイン・ビトロで導入された突然変異例えば欠失若しくは他の 染色体の再配置のその細胞のDNA中への導入により:又は、相同なDNAのそ の細胞のDNA中への、該相同なDNAが挿入された細胞のゲノムが変化する( 例えば、それを、天然の遺伝子と異なる位置に挿入し又はその挿入が相同な宿主 遺伝子のノックアウト若しくは置換を生じるか又はその遺伝子の変化した及び/ 若しくは調節可能な発現若しくは/又は代謝を生じる)ような仕方での導入によ り新たな遺伝情報を得た動物を包含することを意味する。この動物は、生殖系列 細胞を含 むその細胞のすべてにトランスジーンを含むことができる。この発明のトランス ジェニック動物は、アテローム性動脈硬化症の研究用の又はアテローム性動脈硬 化症の治療剤を評価するためのモデルとして役立ち得る。 ある具体例において、アテローム性動脈硬化症の危険にあることについての測 定は、胎児動物において行う。 LBPとは、LDL及びメチル化LDLに結合することのできる低密度リポ蛋 白質(LDL)結合性蛋白質を意味する。メチル化LDLとは、LDLのリジン残 基の約50〜90%が化学的に結合させたメチル基を有することを意味する。メ チル化LDLは、前に報告された細胞表面レセプターによっては認識されない。 例えば、Weisgraber等J.Biol.Chem.253:9053-9062(1978)を参照されたい。ある 具体例において、LBPは又、酸化されたLDLに結合することもできる。ある 好適な具体例において、LDLのLBPへの結合は、不可逆である。ある好適な 具体例において、LBPは、LDLを何れの細胞内コンパートメントへも輸送し ない。LBPの例は、ここに記載したLBP−1、LBP−2及びLBP−3で ある。 LBPの代謝とは、LBPの産生、放出、発現、機能、作用、相互作用又は調 節の何れかを意味する。LBPの代謝には、LBPポリペプチドの修飾例えば共 有結合による修飾又は非共有結合による修飾が含まれる。LBPの代謝には、L BPが他の物質において誘導するLBPポリペプチドの修飾例えば共有結合によ る修飾又は非共有結合による修飾が含まれる。LBPの代謝には又、LBPポリ ペプチドの分布の変化、及びLBPが他の物質の分布において誘導する変化も含 まれる。 LBP代謝の任意の面を評価することができる。用いる方法は、当業者に公知 の標準的技術であり、標準的参考文献例えば、Ausubel等編、Current Protocols in Mol.Biology,New York:John Wiley & Sons,1990;-Kriegler,M.編、Gene Tra nsfer and Expression,Stockton Press,New York,ニューヨーク、1989;pDisplay gene expression system(Invitrogen,Carlsbad,カリフォルニア)中に見出すことができる。評 価することのできるLBP代謝の好適な例には、LBPポリペプチドの結合性分 子例えばLDLに対する結合活性;LBPポリペプチドの標的遺伝子に対するト ランス活性 化活性;LBP蛋白質のレベル;LBPmRNAのレベル;LBP修飾例えばリ ン酸化、グリコシル化若しくはアシル化のレベル;又はトランスフェクトされた 哺乳動物細胞のLDLの結合に対するLBP発現の効果が含まれる。 結合性分子とは、LBPが結合することのできる任意の分子例えば核酸例えば DNA調節領域、蛋白質例えばLDL、代謝産物、ペプチド模倣物、非ペプチド 模倣物、抗体又は任意の他の型のリガンドを意味する。ある好適具体例において は、評価するLBP代謝の面は、LBPのネイティブなLDL及び/又はメチル 化LDL及び/又は酸化LDLに結合する能力である。LDLへの結合は、例え ば、LDLに対する抗体、アフィニティークロマトグラフィー、アフィニティー 同時電気泳動(ACE)アッセイ、又はELISAアッセイにより示すことができ る。実施例を参照されたい。他の具体例において、それは、LBPの評価される 動脈の細胞外マトリクス構造の成分に結合する能力である。かかる成分の例には 、プロテオグリカン例えばコンドロイチン硫酸プロテオグリカン及びヘパリン硫 酸プロテオグリカン;コラーゲン;フィブロネクチン;ビトロネタチン;インテ グリン;及び関連する細胞外マトリクス分子が含まれる。動脈の細胞外マトリク ス構造の成分に対する結合は、当業者に公知の標準的方法により例えばELIS Aアッセイにより示すことができる。次いで、LBPに対する一次抗体を加え、 その後、一次抗体に対する酵素結合した二次抗体を加え、それは、適当な基質の 存在下で安定な色を生じ、プレート上での色の発生をミクロ滴定プレートリーダ ーにて測定する。 LBPによる標的遺伝子のトランス活性化を、例えば、一過性トランスフェク ションアッセイにおいて測定することができる(該アッセイでは、標的遺伝子の プロモーターをレポーター遺伝子例えばβ−ガラクトシダーゼ又はルシフェラー ゼとリンクさせ、LBP発現ベクターを同時トランスフェクトする)。かかる評 価をイン・ビトロ又はイン・ビボで行うことができる。LBP蛋白質、mRNA 又はリン酸化のレベルは、例えば試料において、例えば組織試料(例えば、動脈 壁)において、当業者に公知の標準的方法によって測定することができる。 ある具体例において、LBPの構造の面例えばLBP遺伝子の構造又はLBP 蛋白質の構造を評価する。例えば、一次、二次又は三次構造を評価することがで きる。例えば、この遺伝子のDNA配列を決定し及び/又はこの蛋白質のアミノ 酸配列を決定する。標準的なクローニング方法及び配列決定法を、当業者に知ら れているように用いることができる。ある具体例においては、アンチセンス核酸 が通常特異的に結合する標的mRNA又はDNA配列の存在又は不在を検出する ために、アンチセンス核酸の細胞性LBPのmRNA及び/又はゲノムDNAと の結合活性を、当業者に公知の標準的方法を用いて測定する。 測定されるアテローム性動脈硬化症の危険は、正常の動物と比較して、減じた 危険又は増大した危険であり得る。例えば、減じた危険を与えるであろう異常は 、不活性なLBPポリペプチドである。増大した危険を与えるであろう異常は、 例えば、ネイティブなLBPポリペプチドより一層高い活性(例えば、LDL結 合活性)を有するLBPポリペプチドである。 この発明は又、アテローム性動脈硬化症の治療において用いる薬剤を評価する 方法をも包含する。試験細胞、無細胞系又は動物を準備する。一の薬剤を準備す る。この薬剤をこの試験細胞、無細胞系又は動物に治療上有効な量で投与する。 この薬剤のLBPの代謝又は構造の面に対する効果を評価する。LBPの代謝又 は構造の面の変化は、アテローム性動脈硬化症の治療における薬剤の有用性を示 している。 ある具体例においては、この方法は、アテローム性動脈硬化症の治療で使用す るための薬剤を評価するために2つのフェーズ(初期のイン・ビトロフェーズ及 びその後のイン・ビボフェーズ)を用いる。この薬剤を、イン・ビトロで、試験 細胞又は無細胞系に投与し、LBPの代謝の面に変化が起きれば、次いで、その 薬剤を更に試験動物に治療上有効な量で投与して、LBPの代謝の面に対するそ の薬剤の効果をイン・ビボで評価する。 細胞とは、細胞若しくは細胞の群又は動物の部分である細胞を意味する。この 細胞は、ヒトの細胞又は非ヒト細胞であってよい。細胞は又、トランスジェニッ ク細胞をも包含する。この細胞は、例えば培養から又は動物から得ることができ る。動物は、例えば天然の動物及びトランスジェニックの非ヒト動物を包含する ことを意味する。ある具体例においては、このトランスジェニック細胞又は非ヒ トトランスジェニック動物は、LBPトランスジーン又はその断片若しくはアナ ログを有する。ある具体例においては、トランスジェニック細胞又は非ヒトトラ ンスジェニック動物は、LBP遺伝子についてのノックアウトを有する。 この試験細胞、無細胞系又は動物は、LBP代謝の野生型パターン又は非野生 型パターンを有してよい。LBP代謝の非野生型パターンは、例えば、過少発現 、過剰発現、非発現又は時間的な、部位による若しくは分布の変化から生じ得る 。かかる非野生型パターンは、例えば、LBP遺伝子、結合性分子の遺伝子、調 節遺伝子、又は直接若しくは間接にLBP代謝に影響する他の何れかの遺伝子に おける1つ以上の突然変異から生じ得る。突然変異は、例えば、核酸における大 きい又は微細な構造の変化を包含することを意味する。例は、単一塩基対の変化 例えばミスセンス若しくはナンセンス変異、フレームシフト、欠失、挿入及び転 座を包含する。突然変異は、優性であっても劣性であってもよい。突然変異は、 ホモ接合であってもヘテロ接合であってもよい。好ましくは、LBP−1、LB P−2又はLBP−3の代謝の面を評価する。 薬剤は、例えば任意の物質例えば抗アテローム性動脈硬化症薬剤を包含するこ とを意味する。この発明の薬剤は、好ましくは、LBP代謝の面を変化させるこ とができる。かかる変化は、多様な事象(LBPと結合性分子例えばLDL又は 動脈の細胞外マトリクス成分との間の防止的又は減少的相互作用;LBP及び/ 又は結合性分子の例えば開裂又は他の改変による不活性化;LBP及び/又は結 合性分子の希釈;LBP及び/又は結合性分子の発現の防止;LBP及び/又は 結合性分子の合成の減少;異常なLBP及び/又は結合性分子の合成;選択的ス プライスされたLBP及び/又は結合性分子の合成;LBP及び/又は結合性分 子の適当なコンホメーションでの折り畳みの防止又は減少;LBP及び/又は結 合性分子の結合特性の調節;LBP及び/又は結合性分子の活性化又は不活性化 に必要なシグナルの妨害;LBP及び/又は結合性分子の結合を防止するような 仕方での活性化又は不活性化;又はLBP及び/又は結合性分子の正常な合成又 はこれらの正常な機能に必要な他のレセプター、リガンド又は分子を妨害するこ と)の何れかの結果であってよい。例えば、この薬剤は、動脈壁の細胞外マトリ クスに集中的に発現されるLBPに対するLDL上の結合部位をブロックするこ とができるか、又はそれは、LDLに対するLBP上の結合部位をブロックする こと ができ、又はそれは、二官能性であり得よう(即ち、それは、両結合部位をブロ ックすることができよう)。 薬剤の例には、LBPポリペプチド例えばLBP−1、LBP−2若しくはL BP−3又は生物学的に活性なその断片若しくはアナログ;LBPポリペプチド 又は生物学的に活性なその断片若しくはアナログをコードする核酸;LBP調節 配列又は生物学的に活性なその断片若しくはアナログをコードする核酸;LBP ポリペプチドに対する結合性分子;LBP核酸に対する結合性分子(LBP核酸 は、例えば、LBPの調節領域を含む核酸又はLBP若しくは生物学的に活性な その断片の構造領域を含む核酸である);アンチセンス核酸;LBP又は結合性 分子の模倣物;LBP又は結合性分子に対する抗体;代謝産物;又は阻害性炭水 化物若しくは糖蛋白質が含まれる。ある具体例においては、この薬剤は、アンタ ゴニスト、アゴニスト又はスーパーアゴニストである。 LBPの配列の存在の知識は、アテローム性動脈硬化症の治療においてLDL レベルを調節するための天然の又は人工のリガンドの検索を可能にする。ある具 体例において、この薬剤は、LBPに対する天然のリガンドである。ある具体例 において、この薬剤は、LBPに対する人工のリガンドである。 アナログとは、アミノ酸配列又は配列に関係しない他の点において、又はこれ らの両方において天然のLBPと異なる化合物を意味する。この発明のアナログ は、一般に、天然のLBP配列の完全な配列と、好ましくは約100アミノ酸残 基のセグメントと、一層好ましくは約50アミノ酸残基のセグメントと、更に一 層好ましくは約30アミノ酸残基のセグメントと、更に一層好ましくは約20ア ミノ酸残基のセグメントと、更に一層好ましくは約10アミノ酸残基のセグメン トと、更に一層好ましくは約5アミノ酸残基のセグメントと、更に一層好ましく は約4アミノ酸残基のセグメントと、更に一層好ましくは約3アミノ酸残基のセ グメントと、最も好ましくは約2アミノ酸残基のセグメントと、実質的に少なく と約80%相同性を、好ましくは少なくとも約90%相同性を、一層好ましくは 少なくとも約95%相同性を、最も好ましくは少なくとも約98%相同性を示す 。非配列性改変には、例えば、LBPのイン・ビボ又はイン・ビトロでの化学的 誘導体化が含まれる。非配列性改変には、例えば、リン酸化、アセチル化、メチ ル化、カルボキシル化、又はグリコシル化における変化が含まれる。かかる改変 を行う方法は、当業者に公知である。例えば、リン酸化は、LBPをリン酸化を 変える酵素例えばキナーゼ又はホスファターゼに曝すことにより改変することが できる。 好適なアナログには、その配列が、少なくとも一の保存的アミノ酸置換により 又は少なくとも一の非保存的アミノ酸置換、欠失若しくは挿入(これらは、LB Pの生物学的活性を完全には破壊しない)により野生型の配列と異なるLBP又 は生物学的に活性なその断片が含まれる。保存的置換は、典型的には、一のアミ ノ酸の他の類似の特性を有するアミノ酸での置換、例えば次のグループ内での置 換を包含する:バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン 、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリ ン、スレオニン;リジン、アルギニン;及びフェニルアラニン、チロシン。保存 的置換の他の例を表1に示す。 蛋白質のアミノ酸配列変異物は、当業者に公知の様々な方法の何れかによって 製造することができる。例えば、蛋白質又は蛋白質の特定のドメイン若しくは領 域をコードするDNAのランダム突然変異、例えば、PCR突然変異誘発(例え ば、減じたTaqポリメラーゼ忠実度を利用してランダムな突然変異をクローン 化したDNA断片中に導入する;Leung等BioTechnique 1:11-15(1989))、又は飽 和 突然変異誘発(例えば、一本鎖DNAのイン・ビトロでの化学処理又は照射によ り、及び相補的DNA鎖の合成による;Mayers等Science 229:242(1985))を利用 することができる。ランダム突然変異誘発は又、縮重オリゴヌクレオチド生成に よっても達成することができる(例えば、縮重配列を化学合成するための自動化 DNAシンセサイザーを用いる;Narang,Tetrahedron 39:3(1983);Itakura等Re combinant DNA,Proc.3rd Cleveland Sympos.Macromolecules,A.G.Walton編Amste rdam:Elsevier,p.273-289(1981))。ランダムでない又は位置指定の突然変異誘発 を用いて特異的配列又は特異的領域内の突然変異を与えることができる。これら の技術を用いて、例えば、蛋白質の公知のアミノ酸配列の残基の欠失、挿入又は 置換を含む変異物を造ることができる。突然変異のための部位を、例えば、(i) 先ず保存的アミノ酸で置換し、次いで、達成された結果に依っては一層過激な選 択物で置換することにより、(ii)標的残基を削除することにより、(iii)同じ又 は異なるクラスの残基を指定部位に隣接して挿入することにより、又は(iv)上記 の組合せにより、個々に又は連続的に改変することができる。例えば、アナログ を、図10〜18の配列(SEQ ID NO:10〜18)のイン・ビトロDNA配列改変 により作製することができる。例えば、イン・ビトロ突然変異誘発を用いて、こ れらのDNA配列の何れかをアナログをコードする配列に変換することができる (該アナログにおいては、少なくとも一のアミノ酸残基が、置換例えば表1に記 載したような保存的置換を受けている)。 望ましい突然変異を同定する方法には、例えば、アラニンスキャニング突然変 異誘発(Cunningham及びWells,Science 244:1081-1085(1989))、オリゴヌクレオ チド媒介の突然変異誘発(Adelmn等DNA2:183(1983));カセット突然変異誘発(Wel ls等Gene 34:315(1985))、組合せ突然変異誘発、及びファージディスプレーライ ブラリー(Ladner等、PCT国際出願No.WO88/06630号)が含まれ る。これらのLBPアナログを、例えば、それらのLDLに結合する能力及び/ 又は動脈細胞外マトリクス成分に結合する能力について、ここに記載したように 試験することができる。 この発明の範囲内の他のアナログには、ペプチドの安定性を増大させる改変を 有するものが含まれる。かかるアナログは、ペプチド配列中に1つ以上の非ペプ チド結合(ペプチド結合に取って代わったもの)を含んでよい。例えば、天然のL −アミノ酸以外の残基例えばD−アミノ酸又は非天然若しくは合成のアミノ酸例 えばβ若しくはγアミノ酸を含むアナログ;及び環状アナログも又、包含される 。 アナログは又、ペプチドを加水分解されないようにするために、構造的改変が ペプチド主鎖に導入されたペプチドを含むことも意味する。かかるペプチドは、 消化されないので、経口投与に特に有用である。ペプチド主鎖の改変には、例え ば、アミド窒素、α−炭素、アミドカルボニル又はアミド結合の改変及び伸長、 欠失又は主鎖の架橋を含む改変が含まれる。例えば、主鎖を、カルボニルのスル ホキシドでの置換により、ペプチド結合を逆にすることにより、又はカルボニル 基をメチレンで置換することにより改変することができる。かかる改変は、当業 者に公知の標準的手順によって作製することができる。例えば、Spatola,A.F.「 Peptide Backbone Modifications:A Structurc-Activity Analysis of Peptides Containing Amide Bond Surrogatcs,Conformational Constraints,and Related Backbone Replacements」{Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Pept ides and Proteins,Vol.7,p.267-357,B.Weinstein(編),Marcel Dekker,Inc.New York(1983)}を参照されたい。 アナログは又、少なくとも一のアミノ酸残基が置換基を含むポリペプチド又は 他の化合物(例えば、ポリペプチドの半減期を増大させる化合物、例えばポリエ チレングリコール)と融合したポリペプチドを含むことも意味する。 断片とは、天然のLBPポリペプチドの幾らかの部分を意味する。好ましくは 、この断片は、少なくとも約100アミノ酸残基、一層好ましくは少なくとも約 50アミノ酸残基、更に一層好ましくは少なくとも約30アミノ酸残基、更に一 層好ましくは少なくとも約20アミノ酸残基、更に一層好ましくは少なくとも約 5アミノ酸残基、更に一層好ましくは少なくとも約4アミノ酸残基、更に一層好 ましくは少なくとも約3アミノ酸残基、最も好ましくは少なくとも約2アミノ酸 残基長である。断片には、例えば、切りつめられた分泌型、蛋白質分解断片、ス プライシング断片、その他の断片、及び関連遺伝子例えばLBP−1、LBP− 2又はLBP−3の少なくとも一部分と他の分子との間の化学的構築物が含まれ る。LBPの断片は、当業者に公知の方法により生成することができる。ある具 体例においては、この断片は、生物学的に活性である。候補の断片のLBPの生 物学的活性を示す能力を、当業者に公知の方法によってアッセイすることができ る。例えば、LBP断片を、LDL及び/又は動脈細胞外マトリクス構造成分に 結合するそれらの能力について試験することができる。断片の生物学的活性に必 要でない残基を含むLBP断片又は選択的mRNAスプライシング若しくは選択 的蛋白質プロセッシング事象から生じるLBP断片も又包含される。 蛋白質の断片は、当業者に公知の様々な方法の何れかによって、例えば、組換 えにより、蛋白質分解消化により又は化学合成により、製造することができる。 ポリペプチドの内部断片又は末端断片を、そのポリペプチドをコードする核酸の 一方の末端(末端断片を作る場合)又は両端(内部断片を作る場合)から一つ以上の ヌクレオチドを除去することにより生成することができる。この変異されたDN Aの発現は、ポリペプチド断片を生成する。従って、「末端をかじり取る」エン ドヌクレアーゼでの消化は、一連の断片をコードするDNAを生成することがで えきる。蛋白質の断片をコードするDNAは又、例えば、ランダム剪断、制限消 化又は上記の方法の組合せによっても生成することができる。例えば、LBPの 断片は、所望の断片をコードするようにイン・ビトロで(例えば、図10〜18 のDNA配列(SEQ ID NO:10〜18)の何れかの制限消化により)操作したLB PDNAを発現させることにより作成することができる。 断片は又、当分野で公知の技術例えば慣用のMerrifield固相f−Moc又はt −Boc化学を用いて、化学合成することもできる。例えば、本発明のペプチド は、重複を有しない又は重複を有する所望の長さの断片に任意に分割することが できる。 LBP又はその生物学的に活性な断片若しくはアナログ、又は結合性分子又は その生物学的に活性な断片若しくはアナログは、例えば、同起源の分子と、相補 性分子上の結合部位について競争し、それにより、LBPと細胞性の結合性分子 との結合を減じ又は排除する。LBP又は結合性分子は、例えば、天然のLBP 若しくは結合性分子の精製若しくは分泌により、組換えLBP若しくは結合性分 子から、又は合成のLBP若しくは結合性分子から得ることができる。 それ故、アナログ又は断片を生成する方法及びそれらを活性について試験する 方法は、当業者に公知である。 薬剤は、アンチセンス分子として用いる核酸であってもよい。アンチセンス療 法は、例えば、コードされた蛋白質の発現を例えば転写及び/又は翻訳を阻止す ることによって阻止するために、細胞条件下で、LBPポリペプチド又はその変 異物をコードする細胞性mRNA及び/又はゲノムDNAと特異的にハイブリダ イズする(例えば、結合する)オリゴヌクレオチド又はそれらの誘導体の投与又は その場(in・situ)での生成を包含することを意味する。この結合は、慣用の塩基 対相補性によるか、又は、例えば、二本鎖DNAへの結合の場合には、二重らせ んの大きい溝における特異的相互作用によるものであってよい。 ある具体例においては、アンチセンス構築物は、天然のLBP遺伝子の配列( 例えば、その遺伝子の発現に関与する)に結合する。これらの配列には、例えば 、プロモーター、開始コドン、停止コドン及びRNAポリメラーゼ結合部位が含 まれる。 他の具体例において、このアンチセンス構築物は、野生型遺伝子中に存在しな いヌクレオチド配列に結合する。例えば、このアンチセンス構築物は、外因性の 非野生型配列の挿入を含有するLBP遺伝子の領域に結合することができる。或 は、このアンチセンス構築物は、欠失を受けたLBP遺伝子の領域に結合し、そ れにより、自然には一緒に位置することのないその遺伝子の2つの領域を一緒に して、非野生型配列を造ることができる。イン・ビボで患者に投与する場合、非 野生型配列に結合するアンチセンス構築物は、何れの野生型LBP遺伝子の発現 も阻止せずに変異型LBP遺伝子の発現を阻止する利点を提供する。 本発明のアンチセンス構築物は、細胞中で転写されたときに、LBPポリペプ チドをコードする細胞性mRNAの少なくとも一のユニークな部分に相補的なR NAを生成する発現プラスミドとして送達することができる。別法は、アンチセ ンス構築物が、エキス・ビボで生成され、細胞に導入されたときにLBP遺伝子 のmRNA(二本鎖形成)及び/又はゲノム配列(三重鎖形成)とハイブリダイズす ることにより発現の阻止を引き起こすオリゴヌクレオチドであることである。か かるオリゴヌクレオチドは、好ましくは、内因性のヌクレアーゼ例えばエキソヌ クレアーゼ及び/又はエンドヌクレアーゼに抵抗性であり、それ故、イン・ビボ で安定である改変されたオリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレ オチドとしての使用のための典型的な核酸分子は、DNAのホスホルアミデート 、ホスホチオエート、ホスホロジチオエート及びメチルホスホネートアナログ及 びペプチド核酸(PNA)である(米国特許第5,176,996号;5,264 ,564号及び5,256,775号も参照されたい)。更に、アンチセンス療 法において有用なオリゴマーを構築する一般的アプローチは、総説されている( 例えば、Van der Krol等Biotechniques 6:958-976(1988);Stein等Cancer Res.4 8:2659-2668(1988)を参照されたい)。 模倣物とは、形状及び/又は電荷分布においてLBP又は結合性分子に類似し ている分子を意味する。この模倣物は、ペプチド又は非ペプチドであってよい。 模倣物は、例えば、LBPの結合性分子への結合を競争的に阻止することができ るので、治療剤として作用することができる。結合性分子への結合に関与する特 定のLBPポリペプチドのアミノ酸残基をマップするために、例えばスキャニン グ突然変異誘発、例えばアラニンスキャニング突然変異誘発、リンカースキャニ ング突然変異誘発又は飽和突然変異誘発を用いることにより、結合性分子への結 合においてそれらの残基を真似し、それ故、LBPの結合性分子への結合を阻止 し、それにより、LBPの機能を妨害するぺプチド模倣物例えばジアゼピン又は イソキノリン誘導体を生成することができる。かかる残基の加水分解可能でない ペプチドアナログは、例えば、ベンゾジアゼピン(例えば、Freidinger等{Peptid cs:Chemistry and Biology,G.R.Marshall編,ESCOM出版:Leidcn,オンダ(1988)}参照 );アゼピン(例えば、Huffman等{Peptides:Chemistry and Biology,G.R.Marshal l編,ESCOM出版:Leiden,オランダ(1988)}参照);置換されたガンマラクタム環(例え ば、Garvey等{Peptides:Chemistry and Biology,G.R.Marshall編,ESCOM出版:Le iden,オランダ(1988)}参照);ケト−メチレンシュードペプチド(例えば、Ewenson等J .Med.Chem.29:295(1986):Ewnson等{Peptieds:Structure and Function(Proceed ings of 9th American Peptide Symposium)Pierce Chemical Co.Rockland,IL(19 85)参照);β−ターンジペプチドコア(例えば、Nagai等Tetrahedron Lett.26:64 7(1985);Sato等J.Chem.Soc.Perkin Trans.1:1231(1986)参照);又はβ−アミノ アルコール(例 えば、Gordon等Biochem.Biophys.Res.Commun.126:419(1985);Dann等Biochem.Bio phys.Res.Commun.134:71(1986)参照)を用いて生成することができる。 抗体は、直接又は間接にLBP代謝に影響を及ぼす任意の部分に対する抗体を 包含することを意味する。これらの抗体は、例えばLBP又は結合性分子に対す る抗体であっても、それらのサブユニット又は断片に対する抗体であってもよい 。例えば、抗体には、抗LBP−1、LBP−2又はLBP−3抗体;及び抗結 合性分子抗体が含まれる。抗体断片は、例えば、Fab断片、Fab’断片、F (ab')2断片、F(v)断片、重鎖モノマー、重鎖ダイマー、重鎖トリマー、軽鎖 モノマー、軽鎖ダイマー、軽鎖トリマー、一の重鎖と一の軽鎖とからなるダイマ ー、及び抗LBP又は抗結合性分子抗体の活性を真似るペプチドを包含すること を意味する。例えば、阻害性抗体のFab'2断片は、例えば、酵素的開裂によっ て生成することができる。ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方を この発明において用いることができる。好ましくは、モノタローナル抗体を用い る。天然の抗体、組換え抗体又はキメラ抗体例えばヒト化抗体は、この発明に含 まれる。好ましくは、患者がヒトの場合には、ヒト化抗体を用いる。最も好まし くは、これらの抗体は、ヒトの抗体に由来する定常領域及び阻害性のマウスモノ クローナル抗体由来の可変領域を有する。LBPに対するポリクローナル抗体の 製造を、実施例6に記載する。モノクローナルのヒト化抗体は、当業者に公知の 標準的方法によって生成される。モノクローナル抗体は、例えば、連続的細胞株 培養により産生される抗体を与える任意の技術により製造することができる。例 には、ハイブリドーマ技術(Kohler及びMilstein,Nature 256:495-497(1975))、 トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor等Immunology Today 4: 72(1983))、及びヒトモノクローナル抗体を生成するためのEBVハイブリドー マ技術(Cole等{Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,A.R.Liss,Inc.,p.7 7-96(1985)})が含まれる。好ましくは、ヒト化抗体を慣用の製造及び採集技術に よって高める(Berkower,I.,Curr.Opin.Biotechnol.7:622-628(1996);Ramharaya n及びSkaletsky,Am.Biotechnol.Lab 13:26-28(1995))。ある好適な具体例におい て、これらの抗体を、LBPに対して、好ましくはLDL結合部位及び製造した Fab断片に対して高める。これらの抗体又はそれらから誘導した断片を用いて 、例えば、L BP分子上のLDL結合部位をブロックすることができる。 薬剤には、LBP及び/又は結合性分子の合成、翻訳後修飾に若しくは機能に 必要とされる分子のインヒビター又は、LBP及び/又は結合性分子の合成又は 機能を阻害する分子のアクチベーターをも包含される。薬剤には、例えば、サイ トカイン、ケモカイン、成長因子、ホルモン、シグナリング成分、キナーゼ、ホ スファターゼ、ホメオボッタス蛋白質、転写因子、編集因子、翻訳因子及び翻訳 後因子又は酵素が含まれる。薬剤は又、LBP及び/又は結合性分子を少なくと も部分的に不活性化し又は破壊する電離放射線、非電離放射線、超音波及び毒性 薬剤をも包含することを意味する。 すべての薬剤は又、完全にLBP特異的ではない薬剤をも包含することを意味 する。例えば、薬剤は、動脈のプラーク形成に関係する他の遺伝子又は蛋白質を 変化させることができる。かかる重複する特異性は、更なる治療上の利点を提供 することができる。 この発明は又、アテローム性動脈硬化症の治療に有用であると同定された薬剤 をも包含する。 この発明は又、薬剤を、LBPポリペプチドの結合性分子との結合を変化させ る能力について評価する方法をも包含する。一の薬剤を準備する。LBPポリペ プチドを準備する。結合性分子を準備する。これらの薬剤、LBPポリペプチド 及び結合性分子を合わせる。これらのLBPポリペプチド及び結合性分子を含む 複合体の形成を検出する。この薬剤の不在時と比較して該剤の存在下での複合体 の形成における変化は、この薬剤がLBPポリペプチドの結合性分子への結合を 変化させることを示している。 好適具体例において、LBPポリペプチドは、LBP−1、LBP−2又はL BP−3である。結合性分子の例には、ネイティブなLDL、改変されたLDL 例えばメチル化LDL又は酸化LDL、及び動脈細胞外マトリクス構造成分が含 まれる。 この結合の変化には、例えば結合の阻止又は促進が含まれる。この薬剤の効力 を、例えば、種々の濃度の薬剤を用いて得られたデータから投与量応答曲線を生 成することにより査定することができる。複合体の形成を測定する方法は、標準 的であり当業者に公知である(例えば、アフィニティー同時電気泳動(ACE)ア ッセイ又はELISAアッセイ(本明細書中に記載してある))。 この発明は又、LBPポリペプチドの結合性分子への結合を変化させ得ると同 定された薬剤をも包含する。 この発明は又、薬剤を、LBPポリペプチドに結合する能力について評価する 方法をも包含する。一の薬剤を準備する。LBPポリペプチドを準備する。この 薬剤をLBPポリペプチドと接触させる。この薬剤のLBPポリペプチドに結合 する能力を評価する。好ましくは、LBPポリペプチドは、LBP−1、LBP −2又はLBP−3である。結合は、例えば、アフィニティー同時電気泳動(A CE)アッセイ又はELISAアッセイ(本明細書中に記載してある)等の当業者 に公知の標準的な方法によって複合体の形成を測定することにより測定すること ができる。 この発明は又、LBPポリペプチドに結合し得ると同定された薬剤をも包含す る。 この発明は又、薬剤を、LBP調節配列をコードする核酸に結合する能力につ いて評価する方法をも包含する。一の薬剤を準備する。LBP調節配列をコード する核酸を準備する。この薬剤をこの核酸と接触させる。この薬剤のこの核酸に 結合する能力を評価する。好ましくは、LBP調節配列は、LBP−1、LBP −2又はLBP−3調節配列である。結合は、例えば、当業者に公知の標準的な 方法例えばDNA移動度シフトアッセイ、DNアーゼIフットプリント分析(Aus ubel等編Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New Yor k,NY,(1989))によって複合体の形成を測定することにより測定することができる 。 この発明は又、LBP調節配列をコードする核酸に結合することができると同 定された薬剤をも包含する。 この発明は又、動物におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法をも包含する 。アテローム性動脈硬化症の治療を要する動物を準備する。LBPの構造又は代 謝の面を変えることのできる薬剤を準備する。この薬剤を、この動物に、治療上 有効な量で、アテローム性動脈硬化症の治療を生じるように投与する。 ある好適具体例において、この薬剤は、LBPポリペプチド例えばLBP−1 、LBP−2若しくはLBP−3又は生物学的に活性なそれらの断片若しくはア ナログである。この薬剤は、例えば、SEQ ID NO:1〜9に示したポリペプチドで あってよい。好ましくは、この薬剤は、約100アミノ酸残基長以下の、一層好 ましくは約50アミノ酸残基長以下の、更に一層好ましくは約30アミノ酸残基 長以下の、更に一層好ましくは約20アミノ酸残基長以下の、更に一層好ましく は約5アミノ酸残基長以下の、更に一層好ましくは約4アミノ酸残基長以下の、 更に一層好ましくは約3アミノ酸残基長以下の、最も好ましくは約2アミノ酸残 基長以下のポリペプチドである。好ましくは、このポリペプチドは、少なくとも 約20%の酸性アミノ酸残基を、一層好ましくは少なくとも約40%の酸性アミ ノ酸残基を、更に一層好ましくは少なくとも約60%の酸性アミノ酸残基を、更 に一層好ましくは少なくとも約80%の酸性アミノ酸残基を、更に一層好ましく は少なくとも約90%の酸性アミノ酸残基を、更に一層好ましくは少なくとも約 95%の酸性アミノ酸残基を、最も好ましくは少なくとも約98%の酸性アミノ 酸残基を含む。酸性アミノ酸残基には、アスパラギン酸及びグルタミン酸が含ま れる。かかるLBPポリペプチドの例は、アミノ酸残基14〜33を含むヒト又 はウサギのLBP−1の20アミノ酸長の断片であるBHF−1である。図9(S EQ ID NO:9)を参照されたい。BHF−1のアミノ酸残基の45%は、酸性であ る。この発明は又、BHF−1の生物学的に活性な断片及びアナログをも包含す る。 他の好適なLBPからの酸性領域は、図7に描いたヒトのLBP−2(SEQ ID NO:7)のアミノ酸残基8〜22(SEQ ID NO:19)、8〜33(SEQ ID NO:20)、 23〜33(SEQ ID NO:21)及び208〜217(SEQ ID NO:22);図1(SEQ ID NO:1)及び図6(SEQ ID NO:6)に描いたウサギ又はヒトのLBP−1のアミ ノ酸残基14〜43(SEQ ID NO:23)及び38〜43(SEQ ID NO:24);図2(S EQ ID NO:2)に描いたウサギのLBP−2のアミノ酸残基105〜120(SEQ I D NO:25)、105〜132(SEQ ID NO:26)、121〜132(SEQ ID NO:2 7)及び211〜220(SEQ ID NO:28);図5に描いたウサギのLBP−3(SE Q ID NO:5)のアミノ酸残基96〜110(SEQ ID NO:29);及 び図8に描いたヒトのLBP−3(SEQ ID NO:8)のアミノ酸残基53〜59(SEQ ID NO:41)である。この発明は又、これらのポリペプチドの何れかの生物学的 に活性な断片又はアナログをも包含することを意味する。 薬剤の他の例には、任意のアミノ酸又はアミノ酸アナログのホモポリマー又は ヘテロポリマーが含まれる。ある好適具体例において、この薬剤は、酸性アミノ 酸又はそのアナログのホモポリマーである。ある具体例において、この薬剤は、 一種以上の酸性アミノ酸と一種以上の他のアミノ酸との又はこれらのアナログの ヘテロポリマーである。例えば、薬剤には、ポリ(glu)、ポリ(asp)、ポリ (glu asp)、ポリ(glu N)、ポリ(asp N)及びポリ(glu a spN)が含まれる。Nとは、glu又はasp以外の任意のアミノ酸又はその アナログを意味する。ポリ(glu asp)とは、所定の長さのペプチドについ てのgluとaspのすべての順列を意味する。好適なペプチドは、約10アミ ノ酸長以下の、好ましくは約7アミノ酸長以下のポリ(glu)である。 ある好適具体例において、この薬剤は、LBP核酸又は生物学的に活性なその 断片若しくはアナログ(例えば、LBP−1、LBP−2若しくはLBP−3ポ リペプチドをコードする核酸又はその生物学的に活性な断片若しくはアナログ) である。この薬剤は、例えば、SEQ ID NO:10〜18に示したヌクレオチド配列 を含む核酸であってよい。他の具体例において、この薬剤は、アンチセンス分子 例えばLBP遺伝子配列に結合することのできるものである。 治療は、例えば、アテローム性動脈硬化症の徴候を予防し、治療し、減じ、又 は該動脈硬化症を癒すことを包含することを意味する。この薬剤の投与は、この 薬剤を標的細胞に到達させる任意の方法によって達成することができる。これら の方法には、例えば、注射、付着、移植、坐薬、経口摂取、吸入法、局所投与、 又はこの薬剤の標的細胞への到来が得られる任意の他の投与が含まれる。注射は 、例えば、静脈注射、皮内注射、皮下注射、筋肉注射又は腹腔内注射であってよ い。移植は、移植可能な薬物送達システム例えばミクロスフェア、ヒドロゲル、 高分子リザーバー、コレステロールマトリクス、高分子システム例えばマトリク ス侵食及び/又は拡散システム並びに非高分子システム例えば圧縮した、融合し た若しくは部分的に融合したペレットの挿入を包含する。坐薬には、グリセリン 坐薬が含まれる。経口摂取の一回分は、腸溶性に被覆されていてよい。吸入法は 、薬剤を吸入器内のエアゾールと共に投与する(単独で又は吸収され得るキャリ アーに付着させて)ことを包含する。 この薬剤の投与は、単独で又は他の治療剤と組み合わせて行うことができる。 ある具体例においては、この薬剤を適当なキャリアーと合わせ、リポソーム中に 取り込ませ、又は高分子放出システム中に取り込ませることができる。 この発明のある具体例においては、幾らかの期間(例えば、数時間、数日、数 週間、数ヶ月又は数年)にわたって順次的に薬剤にさらされるように投与をデザ インすることができる。これは、上記の方法の一つによる薬剤の反復投与によっ て、或は、反復投与なしで長期間にわたって薬剤を動物に送達する制御された放 出用の送達システムによって達成することができる。制御された放出用の送達シ ステムとは、薬剤投与量の全放出が投与に際して直ちには起きないで、幾らかの 時間だけ遅れることを意味する。放出を一気に起こすこともできるし、徐々に且 つ継続的に起こすこともできる。かかるシステムの投与は、例えば、長期間作用 する経口投薬形態、軟塊注入、経皮投与用絆創膏又は皮下インプラントによるこ とができる。 放出が一気に起きるシステムの例には、例えば、薬剤が高分子マトリクス中に 封入されたリポソームにトラップされ、これらのリポソームが特定の刺激(例え ば、温度、pH、光、磁場又は分解酵素)に感受性であるシステム及びマイクロ カプセルコア分解酵素でイオン的に被覆したマイクロカプセルにより薬剤を封入 したシステムが含まれる。薬剤の放出が徐々に且つ継続的に起きるシステムの例 には、例えば、薬剤が一定の形態でマトリクス中に含まれる侵食システム及び薬 剤が例えばポリマーを通して制御された速度で透過する拡散システムが含まれる 。かかる持続的放出システムは、例えば、ペレット又はカプセルの形態であって よい。 この薬剤を、液体に懸濁させることができる(例えば、溶解した形態又はコロ イド状形態で)。この液体は、溶剤、不完全溶剤又は溶剤以外のものであってよ い。多くの場合に、水又は有機液体を用いることができる。 この薬剤を、アテローム性動脈硬化症の徴候の出現の前又は後に投与すること ができる。ある具体例においては、この薬剤を、アテローム性動脈硬化症の家族 病歴のある患者に、又はアテローム性動脈硬化症の素因を示し得る表現型を有す る患者に、又はアテローム性動脈硬化症に傾ける遺伝子型を有すると診断された 患者に、又は他の危険因子例えば高コレステロール血症、高血圧症若しくは喫煙 を有する患者に投与する。 この薬剤を、動物に、治療上有効な量で投与する。治療上有効な量とは、少な くとも部分的にアテローム性動脈硬化症を予防し又は逆行させることのできる量 を意味する。治療上有効な量は、個人ベースで決定することができ、少なくとも 部分的に、動物の種、動物の大きさ、動物の年齢、使用する薬剤、使用する送達 システムの種類、アテローム性動脈硬化症の徴候の開始に対する投与の時期、及 び単独の、複数の若しくは制御された放出の投薬養生法の何れを用いるかに基づ く。治療上有効な量は、かかる因子を用いる当業者により、日常的実験を用いて 決定され得る。 好ましくは、薬剤の濃度は、1日当たり体重1kg当たり約0.1〜1000 mg、一層好ましくは約0.1〜500mg、更に一層好ましくは約0.1〜1 00mg、最も好ましくは約0.1〜5mgの投与量である。特定の濃度は、部 分的に、使用する特定の薬剤に依存する(幾つかは、他のものより一層有効であ るので)。実際に投与する薬剤の投薬濃度は、少なくとも部分的に、作用部位で 望まれる終濃度、投与方法、特定の薬剤の効力、特定の薬剤の寿命、及びアテロ ーム性動脈硬化症の徴候の開始に対する投与のタイミングに依存する。好ましく は、投薬形態は、実質的に動物に悪影響を与えないものである。この投薬は、か かる因子を採用する当業者により、日常的実験を用いて決定され得る。 ある具体例においては、遺伝子治療プロトコールの一部として、種々の遺伝子 構築物を用いて、例えばLBPポリペプチドのアゴニスト形態又はアンタゴニス ト形態等の薬剤をコードする核酸を送達することができる。例えば、非野生型L BPが発現されている細胞においてLBPポリペプチドの機能を再構成するため に、或は、該機能を排除するために、発現ベクターを、イン・ビボトランスフェ クション用に及び特定の細胞型におけるLBPポリペプチドの発現用に用いるこ とができる。このLBPポリペプチドの発現用構築物及びその変異物は、任意の 生物学的に有効なキャリアーにて(例えば、LBP遺伝子をイン・ビボで細胞に 有効に送達することのできる任意の配合又は組成にて)投与することができる。 アプローチは、例えば、主題の遺伝子のウイルスベクター(例えば、組換えレト ロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス及び1型単純ヘルペスウイル ス)又は組換えの細菌性若しくは真核生物のプラスミド中への挿入を包含する。 ウイルスベクターは、直接細胞に感染し又は形質導入し;プラスミドDNAは、 例えばカチオン性リボソーム(リボフェクチン(商標)(Life Technologies,MD,Gai thersburg在))、ポリリジン結合体、グラマシジンS、人工ウイルスエンベロー プ若しくは他のかかる細胞内キャリアーの助けにより並びにイン・ビボにて行う 遺伝子構築物の直接注射又はCa3(PO4)2沈殿によって送達され得、又は誘導 体化(例えば、抗体結合体化)され得る。上記の方法は、当業者に公知であり、過 度の実験なしで実施できる。適当な標的細胞の形質導入は遺伝子治療の決定的な 第1のステップに相当するので、特定の遺伝子送達システムの選択は、意図され る標的の表現型及び投与の経路(例えば、局所的か又は全身投与か)等の因子に依 存する。投与は、治療上有効であるように、当業者に公知の方法によって、一種 以上の細胞型に対して行うことができ、ある細胞型の内の1つ以上の細胞に対し て行うことができる。好適具体例において、この薬剤を、動物の動脈壁細胞に投 与する。例えば、遺伝子工学処理されたLBP遺伝子を、動脈壁細胞に投与する 。ある具体例においては、投与を、出生前の動物又は胚細胞において行う。LB P発現のイン・ビボでの形質導入のために提供された特定の遺伝子構築物は又、 ここに記載の診断アッセイでの使用等のために、細胞のイン・ビトロ形質導入に も有用であるということは認められよう。 ある具体例において、アテローム性動脈硬化症の治療を、LBPをコードする 遺伝子のアンチセンスヌクレオチドアナログを用いて行う。好ましくは、アンチ センスヌクレオチドは、加水分解可能でない「主鎖」例えばホスホロチオエート 、ホスホロジチオエート又はメチルホスホネートを有する。そのヌクレオシド塩 基配列は、例えばLBP−1、2又は3をコードする遺伝子の一部の配列と相補 的である。かかる配列は、例えば、もしLBPの遺伝子配列がTAACCGであ るならば、ATTGGCである。かかる治療の一具体例は、LBP遺伝子の一つ の一部のアンチセンスアナログのゆっくり放出する媒体(例えば、ポリビニルア ルコール)中への取り込みであり、該媒体を、アンチセンスヌクレオチドを数週 間又は数ヶ月の期間にわたって放出するように例えば皮下注射によって投与する 。他の具体例においては、このアンチセンスアナログを、高分子マトリクス例え ばポリビニルアルコール中に、ゲルを傷害された動脈壁に局所的に適用してLB P合成を阻止し及びLDLの蓄積を予防することができるように、例えば、血管 形成又はアテローム摘出術後に取り込ませる。 この発明は又、アテローム性動脈硬化症の危険にある動物の治療方法をも包含 する。アテローム性動脈硬化症の危険にある動物を準備する。LBPの構造及び 代謝の面を変えることのできる薬剤を準備する。この薬剤を、この動物に、治療 上有効な量で、その動物の治療が生じるように投与する。アテローム性動脈硬化 症の危険にあることは、例えば、家族のアテローム性動脈硬化症の病歴、アテロ ーム性動脈硬化症に傾かせる遺伝子型、又はアテローム性動脈硬化症に傾かせる 表現型の徴候例えば高コレステロール血症、高血圧症若しくは喫煙を有すること から帰着される。 この発明は又、LBPの構造又は代謝に異常を有する細胞の治療方法をも包含 する。LBPの構造又は代謝に異常を有する細胞を準備する。LBPの構造又は 代謝の面を変えることのできる薬剤を準備する。この薬剤を、この細胞に、治療 上有効な量で、この細胞の治療が生じるように投与する。 ある具体例において、この細胞は、細胞培養若しくは組織培養から又は胎児の 繊維芽細胞から得られる。この細胞は、例えば動物(例えば、天然の動物又は非 ヒトトランスジェニック動物)の部分であってよい。好ましくは、LBPは、L BP−1、LBP−2又はLBP−3である。 この発明は又、動物におけるアテローム性動脈硬化症を治療するための医薬組 成物であって、治療上有効な量の薬剤(この薬剤は、アテローム性動脈硬化症の 治療が生じるように、この動物におけるLBPの代謝又は構造の面を変えること ができる)及び製薬上許容し得るキャリアーを含む医薬組成物をも包含する。製 薬上許容し得るキャリアーには、例えば、塩溶液、リポソーム及び脂質エマルジ ョンが含まれる。 ある好適具体例において、この医薬組成物の薬剤は、LBPポリペプチド例え ばLBP−1、LBP−2若しくはLBP−3又は生物学的に活性なその断片若 しくはアナログである。この薬剤は、例えば、SEQ ID NO:1〜9に示したポリペ プチドである。好ましくは、この薬剤は、約100アミノ酸残基長以下の、一層 好ましくは約50アミノ酸残基以下の、更に一層好ましくは約30アミノ酸残基 以下の、更に一層好ましくは約20アミノ酸残基以下の、更に一層好ましくは約 10アミノ酸残基以下の、更に一層好ましくは約5アミノ酸残基以下の、更に一 層好ましくは約4アミノ酸残基以下の、更に一層好ましくは約3アミノ酸残基以 下の、最も好ましくは約2アミノ酸残基以下のポリペプチドである。好ましくは 、このポリペプチドは、少なくとも約20%の酸性アミノ酸残基を、一層好まし くは少なくとも約40%の酸性アミノ酸残基を、更に一層好ましくは少なくとも 約60%の酸性アミノ酸残基を、更に一層好ましくは少なくとも約80%の酸性 アミノ酸残基を、更に一層好ましくは少なくとも約90%の酸性アミノ酸残基を 、更に一層好ましくは少なくとも約95%の酸性アミノ酸残基を、最も好ましく は少なくとも約98%の酸性アミノ酸残基を含む。 ある好適具体例においては、この薬剤は、LBP核酸例えばLBP−1、LB P−2若しくはLBP−3又は生物学的に活性なこれらの断片若しくはアナログ をコードする核酸である。この薬剤は、例えば、SEQ ID NO:10〜18に示した ヌクレオチド配列を含む核酸であってよい。 この発明は又、動物におけるアテローム性動脈硬化症を治療するためのワクチ ン組成物であって、治療上有効な量の薬剤(この薬剤は、アテローム性動脈硬化 症の治療を生じるように、この動物におけるLBPの代謝又は構造の面を変える ことができる)及び製薬上許容し得るキャリアーを含むワクチン組成物をも包含 する。 この発明は又、動物におけるアテローム性動脈硬化病変の診断方法をも包含す る。一の動物を準備する。アテローム性動脈硬化病変に存在するLBPに結合す ることのできる標識した薬剤を準備する。この標識した薬剤を、この動物に、標 識されたLBPが生じるように、この標識した薬剤がLBPと相互作用する条件 下で投与する。この標識されたLBPの位置測定又は定量を、この動物中のアテ ローム性動脈硬化病変の存在を診断するように、イメージングにより測定する。 好ましくは、LBPは、LBP−1、LBP−2又はLBP−3である。この イメージングは、例えば、磁気共鳴イメージング、ガンマーカメライメージング 、単一光子放出コンピューター断層(SPECT)イメージング又は陽電子放出断 層撮影法(PET)を包含する当業者に公知の標準的方法によって実施することが できる。 好ましくは、アテローム性動脈硬化病変中のLBPに固く結合する薬剤を、ア テローム性動脈硬化症のイメージング及び診断に用いる。この薬剤は、例えば、99m Tcその他の臨床用イメージング(ガンマーカメラ、SPECT、PETスキ ャニング又は他の類似の断層撮影法による)に適したアイソトープで放射性標識 する。LBPは非常に初期の病変に生じるので、かかるイメージングは、未だ動 脈内腔に可視的隆起又は乱れた流れを生じるような影響を与えていない非常に初 期の病変をつきとめるために、血管造影法又は超音波より一層鋭敏である。初期 の及び一層進んだ病変の両者をつきとめることに加えて、これらのLBPに結合 するイメージング剤は又、アテローム性動脈硬化症の進行を追跡するために用い ることもできる(食事療法と薬理学的療法の両者の有効性を評価する手段として) 。 従って、この発明の診断の具体例は、例えばLBPの一つに相補的なペプチド を、それを放射性標識し、肉眼で見えないアテローム性動脈硬化症の検出のため の注射可能なイメージング剤として用いるによって適合させることである。この ペプチドは、LBPに結合することが知られているもの(例えば、RRRRRR R又はKKLKLXX)又は、LBPの高度に電気陰性のドメインに結合する任 意の他のポリカチオン性ペプチドから選択する。ガンマーシンチレーション(Ang er)カメラを用いる生体外での検出のために、テクテチウム結合したリガンド例 えばCGC、GGCGC又はGGCGCFをこれらのペプチドのN末端又はC末 端に99mTc標識のために取り込むことができる。磁気共鳴イメージング(MRI )による外部イメージングのために、例えば、ガドリニウム結合キレーター、ジ エチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)を、これらのペプチドのN又はC末端 に共有結合させる。更に別の具体例において、LBP結合ペプチドは、当業者に 公知の標準的方法によって、例えばこれらのペプチドを磁性イオンを含む活性化 ポリス チレン樹脂ビーズと結合させることによって、例えば磁性イオン粒子に共有結合 される。 この発明は又、動物をLBP例えばLBP−1、LBP−2若しくはLBP− 3又はこれらの断片若しくはアナログに対して免疫化する方法をも包含する。L DLを有する動物を準備する。LBP又はその断片若しくはアナログを準備する 。このLBP又はその断片若しくはアナログを、この動物によるLBP又はその 断片若しくはアナログに対する抗体産生を刺激するように、この動物に投与し、 それにより、LBPのLDLへの結合を変化させる(例えば、減少させ又は増大 させる)。 この発明は又、LBPポリペプチドの断片又はアナログの製造方法をも包含す る(この断片又はアナログは、改変されたLDL及びネイティブなLDLに結合 する能力を有する)。一のLBPポリペプチドを準備する。LBPポリペプチド の配列を変化させる。変化したLBPポリペプチドを、改変したLDL例えばメ チル化LDL、酸化LDL、アセチル化LDL、シクロヘキサンジオン処理した LDL(CHD−LDL)及びネイティブなLDLに結合する能力について試験す る。 これらの断片又はアナログを生成して、これらの改変したLDL及びネイティ ブなLDLに結合するそれらの能力について、例えば個々に記載の当業者に公知 の方法により試験することができる。好ましくは、それらを、メチル化LDL及 びネイティブなLDLに結合するそれらの能力について試験する。この断片又は アナログの結合活性は、ネイティブなLBPの結合活性より強くても弱くてもよ い。好ましくは、それは、より強い。好適具体例において、LBPは、LBP− 1、LBP−2又はLBP−3である。 この発明は又、LBPをコードするcDNAを単離する方法をも包含する。一 のcDNAライブラリーを準備する。そのcDNAライブラリーを、ネイティブ なLDL及び改変したLDL例えばメチル化LDL又は酸化LDLに結合するポ リペプチドをコードするcDNAについてスクリーニングする。このポリペプチ ドをコードするcDNA(LBPをコードするcDNA)を単離する。 下記の非制限的実施例は、本発明を更に説明する。実施例 実施例1ウサギのcDNAライブラリーの構築 この実施例は、バルーンによる内皮剥奪の治癒からのmRNAを用いるウサギ のcDNAライブラリーの構築を説明する。バルーンカテーテルにより内皮剥奪 されたウサギの大動脈は、アテローム性動脈硬化症の有効なモデルであることが 示されている(Minick等Am.J.Pathol.95:131-158(1979))。 バルーン処理したウサギの大動脈中の集中的なLDL結合を最大にするバルー ン処理の4週間後にこのmRNAが得られた。第一鎖cDNA合成を、4μgの mRNA;2μgのオリゴd(T)プライマー;メチル化dNTPmix(各10 mM);10mM DTT;800単位のスーパースクリプトIIRT(Life Techn ologies,MD,Gaithersburg在);1×第一鎖cDNA合成用緩衝液(50mMトリ ス−HCl、pH8.3;75mM KCl;5mM MgCl2)を含む50μ lの反応混合物中で行った(37℃で、1時間インキュベートした)。次いで、こ の反応混合物を、1×第二鎖用緩衝液(30mMトリス−HCl、pH7.5; 105mM KCl;5.2mM MgCl2);0.1mM DTT;メチル 化dNTPmix(各10mM);50単位の大腸菌DNAポリメラーゼI、3単 位のRNアーゼH;15単位の大腸菌DNAリガーゼ(すべての酵素は、Life Te chnologiesより購入)の添加により250μlに調節し、更に2.5時間にわた って15℃でインキュベートした。その結果生成した二本鎖cDNA(dscD NA)を、次いで、1.5単位のT4DNAポリメラーゼ(NovagenInc.,WI,Madis on在)で、20分間11℃で処理して鈍端化dscDNAを作製した。次いで、 これらを、エタノール沈殿により濃縮して、EcoRI/HindIIIリンカを T4DNAリガーゼ(Novagen Inc.)により両端に付着させた。これらのリンカー を連結したcDNAを、EcoRI及びHindIII制限酵素で処理してEco RI及びHindIII認識配列を、それぞれ、それらの5’及び3’末端に作っ た。リンカーDNAのゲル排除クロマトグラフィーによる除去の後に、dscD NAを、T4DNAリガーゼにより、一方向性の様式で、λEXloxファージ アーム(ovagen Inc.)中に挿入し、製造者のプロトコール(Novagen Inc.)に従っ てファージ粒子中にパッケージングした。2×106の独立のクローンを含むc DNAのファージライ ブラリーが、4μgのmRNAから樹立された。実施例2LDL結合性蛍白質(LBP)をコードするウサギcDNAの同定 この実施例は、ネイティブなLDL及びメチルLDLの両方に結合するLBP をコードするcDNAを同定するようにウサギのcDNAライブラリーを機能的 にスクリーニングする方法を説明する。メチルLDLは、前に報告された細胞表 面レセプターによって認識されない。例えば、Weisgrabcr等,J.Biol.Chcm.253:9 053-9062(1978)を参照されたい。 大腸菌ER1647細胞(Novagen Inc.)の新鮮な一晩培養物に、実施例1で得 られたcDNAファージを感染させ、2XYT寒天を含む直径150mmのプレ ート中に、2×104プラーク形成単位(pfu)の密度でプレートした。50プ レートすべて(1×106ファージに相当)をプレートして、プラークが直径1m mに達するまで(5〜6時間)37℃でインキュベートした。予め10mM IP TG溶液に浸した乾燥ニトロセルロース膜を、各プレート上に重ねて組換え蛋白 質の産生を誘導し、それらの蛋白質を膜上に固定した。これらの膜を、37℃で 更に3〜4時間インキュベートし、次いで、一晩4℃でインキュベートした。 翌日、これらの膜を、各プレートから取り出して次のように処理した。TBS T溶液(10mMトリス−HCl、pH8.0;150mM NaCl、0.0 5% ツイーン20)中での数回の簡単なすすぎ;HBB(20mM HEPES 、pH7.5;5mM MgCl2、1mM DTT及び5mM KCl)中の6 Mグアニジン−HClでの2回の10分間ずつのすすぎ;HBB中の3Mグアニ ジン−HClでの2回の5分間ずつのすすぎ;TBSEN(TBS、1mM E DTA、0.02%NaN3)中での最後の簡単なすすぎ。 次いで、これらの膜を、室温で、5%脱脂粉乳を含むTBSEN溶液にて30 分間、その後、1%脱脂粉乳を含むTBSENにて10分間ブロックした。ブロ ッキングの後に、これらの膜を、ネイティブなヒトLDL(実施例11に記載し たようにして得たもの)又はメチル化ヒトLDL(meLDL)(Weisgraber等,J.B iol.Chem.253:9053-9062(1978)参照)と共に、1×TBSEN、1%脱脂粉乳、 1mM PMSF、0.5×プロテアーゼインヒビター溶液(1mMε−アミノ カプロ ン酸/1mMベンザミジン)を含む溶液中で、4μg/mlの濃度でインキュベ ートした。インキュベーションを、4時間、室温で、攪拌用テーブル上で穏やか に攪拌しながらガラス製ペトリ皿中で行い、その後、攪拌せずに4℃で一晩行っ た。 特異的に結合したeLDL及びネイティブなLDLを、ニトロセルロース上で 、ヒトLDLに対する抗体によって検出した。ヒツジの抗ヒトLDLポリクロー ナル抗体(Boehringer Mannheim,IN,Indianapolis在)を大腸菌プライE細胞抽出 物で吸着してバックグラウンドを無くした。吸着のために、大腸菌プライE細胞 を対数期まで増殖させ、遠心分離で沈めて、1mM PMSF、2mMε−アミ ノカプロン酸及び1mMベンザミジンを含むPBS中に再懸濁した。この細胞懸 濁液を、次いで、8サイタルの凍結融解にかけた(液体窒素及び冷たい水道水へ の浸漬による)。抗LDL抗体/細胞抽出物溶液を、穏やかに攪拌しながら、4 ℃で1時間インキュベートした(1mlの抗体溶液/3mgの粗細胞抽出物)。イ ンキュベーションの後に、この混合物を遠心分離して(10,000×g;10 分間;4℃)、上清を、使用するまで0.02%NaN3の存在下で4℃で貯蔵し た。これらの膜を免疫スクリーニングのために次のように処理した:(i)1%ゼ ラチンを含むTBSENでの室温で5分間ずつ3回の洗浄;(ii)1%ゼラチンを 含むpH7.4のPBS中での30分間のインキュベーション;(iii)吸着した ヒツジ抗ヒトLDL抗体(Boehringer Mannheim,IN,Indianapolis在)を含む新鮮 なPBS/ゼラチン溶液(1:1000希釈)中で穏やかに攪拌しながら室温で2 時間のインキュベーション;(iv)TBS、pH7.4中での3回の簡単な洗浄; (v)ロバの抗ヒツジアルカリホスファターゼ結合抗体(Sigma,MO,St.Louis在)を 含むPBS/ゼラチン溶液中で穏やかに攪拌しながら室温で1時間のインキュベ ーション;(vi)TBS、pH7.4での3回の簡単な洗浄;及び(vii)アルカリ ホスファターゼ基質展開キット(Novagen Inc.)を用いての製造者の指示に従って の展開。LBPを生成したファージプラークは、これらの膜上で青色の「ドーナ ッツ」として現れた。 LBPcDNAを含む実施例1のファージをプラーク精製して、Novagcn Inc. より提供された「Autosubcloning by Cremediatcd Plasmid Excision」と呼ばれ るプ ロトコールに従ってプラスミドクローンに変換した。ジデオキシヌクレオチドチ エーンターミネーション法(Sanger等,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 74:5463-5467(1 977))によりDNA配列を得て、Applied Biosystemsの自動化シーケンサーによ り分析した。各cDNAのオープンリーディングフレーム(ORF)を、これらの cDNAのセンス及びアンチセンス鎖の両方から得られた一致する配列から決定 した。配列決定は、3つの以前には知られていない遺伝子が単離されたことを確 実にした。これらの遺伝子は、LDL結合についての機能的スクリーニングによ り選択されたので、これらの遺伝子によりコードされた蛋白質は、LDL結合性 蛋白質(LBP)、詳細にはLBP−1、LBP−2及びLBP−3と呼ばれた。 ウサギのLBP−1、LBP−2及びLBP−3のcDNA配列並びに対応する 蛋白質を、SEQ ID NO:10〜14に示す。 各cDNAのコード配列に基づいて、組換え蛋白質の大きさを、LBP−1は 16.2kDa、LBP−2は40kDa、LBP−3は62.7kDaである と決定した。実施例3LBPcDNA又はcRNAを用いるウサギRNAのノーザンブロッ ト分析 この実施例は、LBPmRNAの大きさ及び組織分布を説明する。全RNAを 種々のウサギ組織(副腎、胸部大動脈、腹大動脈、バルーン処理して内皮再生し た腹大動脈、心臓、腎臓、平滑筋細胞、肺、及び肝臓)から、トリゾール試薬(Li fe Technologies)により単離してエタノール沈殿により濃縮した。RNAのゲル 電気泳動を、1×MOPS緩衝液(0.2M MOPS、pH7.0;50mM 酢酸ナトリウム;5mM EDTA,pH8.0)及び0.37Mホルムアルデ ヒドを含む1.2%アガロースゲル中で行った。調べた各組織からの20μgの 全RNAをゲルに載せて、100ボルトで1時間、1×MOPS緩衝液中で電気 泳動した。RNAを、支持されたニトロセルロース膜(Schleichcr & Schuell,NH ,Keene在)上にブロットして、80℃に2時間ベークすることにより固定化した 。放射性標識したLBP−1、LBP−2及びLBP−3cDNA又はcRNA プローブへのハイブリダイゼーションを、当業者に公知の標準的手順によって行 い(例えば 、Ausubel等,Current Protocols in Molecular Biology;John Wiley & Sons(198 9)参照);シグナルをオートラジオグラフィーにより検出した。 結果は、次の通りであった:mRNAの大きさは、LBP−1は約1.3kb であり、LBP−2は約2.3〜2.5kbであり、LBP−3は約4.7kb であった。LBP−1、LBP−2及びLBP−3mRNAは、試験したすべて の組織で見出されたが、最大量は、バルーン処理した腹大動脈内であった。実施例4ヒトLBPcDNAの単離 この実施例は、ヒトLBPcDNAの単離を説明する。ヒトLBPcDNAク ローンを、3つのcDNAライブラリーから単離した。ヒト胎児脳cDNAライ ブラリーをカリフォルニア、LaJolla在、Stratageneから、ヒト大動脈cDNA ライブラリーをカリフォルニア、Palo Alto在、Clontechから得て、ウサギLB P−1、LBP−2又はLBP−3由来の放射性標識したcDNAプローブを用 いて、Law等,Gene Expression 4:77-84(1994)に記載された方法に従ってスクリ ーニングした。幾つかの強くハイブリダイズするクローンを同定してプラーク精 製した。クローンは、ジデオキシチェーンターミネーション法を用いるDNA配 列決定及びApplied Biosystems自動化シーケンサーによる分析によって、ヒトの LBP−1、LBP−2及びLBP−3であることが確認された。これらのcD NA配列及びヒトのLBP−1、LBP−2及びLBP−3の対応する蛋白質を SEQ ID NO:15、16及び17にそれぞれ示す。ウサギとヒトの対応するLBP −1、LBP−2及びLBP−3蛋白質配列の比較を、図19、20及び21に 示す。実施例5組換えのLBP−1、LBP−2及びLBP−3ウサギ蛋白質の大腸 菌からの単離 LBPcDNAを、実施例1及び2で得られた元のpEXloxプラスミドか ら単離して、組換え蛋白質の発現のために、pPROEX−HTベクター(Life Technologies)中にサブクローン化した。トランスフォームした大腸菌DH10 B培養物中へのIPTGの添加による組換え蛋白質の誘導は、6−ヒスチジンタ グ (N末端)を含む組換え蛋白質の発現を生じた。このタグを付けた蛋白質を、次い で、全細胞蛋白質から、Ni−NTA(ニッケルニトリロ三酢酸)への結合により 、製造者(Qiagen,Inc.,CA,Santa Clara在)により提供されたプロトコールに記載 されたようにして精製した。クロマトグラフィーステップの後に得られた標品は 、約90%の純度であり;調製用SDS−PAGEを、最終精製ステップとして 行った。 特性決定手順により必要とされる場合には、LBPのヨウ素化を、ヨードビー ズ(Pierce,IL,Rockford在)を用いて行った。これらのヨードビーズを500μC iのNa125I溶液(17Ci/mg)(New England Nuclear,MA,Boston在)と共に 、キャップをした小型遠心分離機用チューブ中で5分間室温でインキュベートし た。この蛋白質溶液を、ヨードビーズ−Na125Iの小型遠心分離機用チューブ に加えて、15分間室温でインキュベートした。このインキュベーションの最後 に、アリコートを、全溶解性カウント及びTCA沈殿されたカウントの測定のた めに採取した。この放射性標識された蛋白質を、次いで、冷アセトン(2.5容 ;−20℃;2.5時間)で沈殿させた。このインキュベーションの後に、沈殿 した蛋白質を遠心分離(14,000g;1時間;室温)により集めて、試料用緩 衝液(6M尿素/50mMトリス、pH8.0/2mM EDTA)に再懸濁した 。この蛋白質標品の完全性をSDS−PAGEにより評価した。 これらの組換えLBPの正体を、当業者に公知の標準的な蛋白質配列決定プロ トコールを用いて確認した。(A Practical Guide for Protein and Peptide Pur ification for Microsequencing,Matsudaira編、Academic Press,Inc.,第二版(1 993))。分析を、Applied Biosystemsモデル477A蛋白質シーケンサー及びオンラ インモデル120PTHアミノ酸アナライザーを用いて行った。実施例6LBP−1、LBP−2及びLBP−3に対する抗体の産生 この実施例は、LBP−1、LBP−2及びLBP−3に対するポリクローナ ル抗体の産生を説明する。精製した組換えLBP蛋白質(0.5ml;200μ g)とRIBIアジュバント(RIBI ImmunoChem Research,Inc.,MT,Hamilton在)と の混合物を、雄のモルモット(Dunkin Hartley;Hazelton Research Products,Inc .,P A,Denver在)に、背側の胸部及び腹部領域に沿って3〜5カ所に皮下注射した。 静脈穿刺により、1日目(免疫化前)、28日目、49日目及び70日目に採血し た。追加抗原を21日目(100μg;SC)、42日目(50μg;SC)、及び 63日目(25μg;SC)に投与した。このモルモットの抗血清の力価を一連の 希釈物の「ドットブロッティング」により評価した。免疫化前抗血清を同時に評 価した。LBP蛋白質の第三の追加免疫の後に、この組換え蛋白質に対する力価 は、156pgのドットブロットアッセイ上の検出可能な比色応答における最高 レベルに達した。 組換えLBP−1、LBP−2又はLBP−3に対するポリクローナル抗体の 特異性を、ウエスタンブロット分析(Towbin等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:435 0(1979))を用いて示した。この蛋白質−抗体複合体を、アルカリホスファターゼ 結合ヤギ抗モルモットIgGを用い、続いてニトロブルーテトラゾリウム(BioRa d Laboratories,CA,Hercules在)で染色することによって免疫化学的に可視化し た。非特異的結合を、トリス緩衝塩溶液(100mMトリス;0.9%NaCl 、pH7.4)中の3%脱脂粉乳を用いてブロックした。実施例7免疫組織化学的特性決定 この実施例は、プラークを覆う内皮細胞内又は該細胞上の、隣接する平滑筋細 胞内又は該細胞上の、及び細胞外マトリクス中のLBPの存在を説明する。更に 、LDL及びLBPの同所局在性を示した。これらの結果は、バルーン処理した ウサギの動脈病変及びヒトのアテローム性動脈硬化症のプラークを免疫組織化学 的方法により調べることにより得られた。 バルーン処理して内皮剥奪した大動脈を、組織採取の24時間前にヒトのLD L軟塊の注射(3mg;i.v.)をしたウサギから得た。アテローム性動脈硬化 症のプラークを含むヒトの大動脈を、日常的な剖検試料から得た。組織を、10 %緩衝ホルマリン(≦24時間)にて固定し、自動化組織包埋機を用いてパラフィ ンに包埋した。組織切片を切り(5〜7μ)、1時間60℃でインキュベートする ことによりスライドガラス上に載せた。切片をパラフィン除去した。脱イオン化 H2Oでの最終的洗浄の後に、内因性ペルオキシダーゼ活性を、これらの切片を 1 %H22/H2O緩衝液と室温で5分問インキュベートすることにより除去した 。切片をリン酸緩衝塩溶液(PBS)で5分間室温ですすぎ、非特異的結合を5% 正常ヤギ血清又は5%正常ウサギ血清でブロックした{二次抗体(Sigma,MO,St.L ouis在)の起源に依存(1時間;室温)}。次いで、切片を、組換えLBP−1、L BP−2又はLBP−3のウサギ型に対するモルモットのポリクローナル抗体の 1:50希釈物(5%正常ヤギ血清/PBS中)と共にインキュベートした。対照 は、免疫化前血清並びにLBP−1、LBP−2又はLBP−3に対する特異的 抗体を含んだ(そこでは、一次抗体は、組織とのインキュベーションの前に、組 換えLBP−1、LBP−2又はLBP−3とのインキュベーションとその後の 遠心分離によって完全に吸着除去された)。ヒトのアポリポ蛋白質Bに対するア フィニティー精製したウサギのポリクローナル抗体(Polysciences Inc.;PA,Warr ington在)を、1:100の希釈物として用いた(5%正常ウサギ血清/PBS中 )。切片を、2時間、室温で、加湿チャンバー中でインキュベートした。インキ ュベーションの最後に、切片を、PBSですすぎ、ヤギ抗モルモットビオチン化 IgG結合体(Vector Laboratories,CA,Burlingame在)の1:200希釈物(5% 正常ヤギ血清/PBS中)と又はウサギ抗ヤギビオチン化IgG結合体(Vector L aboratories,CA,Burlingame在)の1:250希釈物(5%正常ウサギ血清/PB S中)と1時間、室温で、加湿チャンバー中でインキュベートした。次いで、切 片を、PBSですすぎ、抗原−抗体シグナルをアビジン/ビオチンHRP結合体 (Vectastain ABCキット;Vector Laboratories,CA,Burlingame在)を用いて増幅 した。切片を、DAB基質を用いて展開させ(4〜6分間;室温)、ヘマトキシリ ンで対比染色した。 バルーン処理したウサギの動脈において、抗LBP−1、LBP−2及びLB P−3抗体を用いる免疫組織化学は、LBP−1、LBP−2及びLBP−3が 再生中の内皮島の縁の機能的に改変された内皮細胞内に及び該細胞上に局在する ことを示した{不可逆的LDL結合が示された同様の局在}(Chang等,Arterioscle rosis and Thrombosis 12:1088-1098(1992))。LBP−1、LBP−2及びLB P−3は又、機能的に改変された内皮細胞の下の脈管内膜平滑筋細胞内又は該細 胞上にも見出され、一層少ないが、細胞外マトリクスにも見出された。LBP− 1 、LBP−2又はLBP−3は、LDL結合が可逆的であることが示された依然 内皮剥奪されたままの領域では、検出されなかった(Chang等,Arteriosclerosis and Thrombosis 12:1088-1098(1992))。バルーン処理したウサギの大動脈の抗ヒ トアポリポ蛋白質B抗体を用いる免疫組織化学は、LBP−1、LBP−2及び LBP−3について見出されたのと同じ局在性のLDLの存在を示した。 日常的剖検において得られたヒトのアテローム性プラークにおいて、抗LBP −1、LBP−2及びLBP−3抗体を用いた免疫組織化学は、LBP−1、L BP−2及びLBP−3がプラークを覆う内皮細胞内又は該細胞上及び隣接する 平滑筋細胞内又は該細胞上にも見出されることを示した。ヒトの組織においては 、細胞外マトリクス中のLBP−1、LBP−2及びLBP−3の一層多くの証 拠があった。 これらのパラフィン切片を用いて得られた結果は、凍結切片のものと同一であ った。実施例8LBPとLDL又はHDLとのアフィニティー同時電気泳動(ACE) 分析 この例は、LBP−1、LBP−2又はLBP−3とLDLとの間で結合が起 きること、及びLBP−1、LBP−2又はLBP−3とHDL(高密度リポ蛋 白質)との間では結合が起きないという事実により説明されるように、この結合 が特異的であることを示す。 組換えのウサギLBP−1、LBP−2又はLBP−3のLDLへの結合の親 和性及び特異性の分析を、アフィニティー電気泳動の原理(Lee及びLander,Proc. Natl.Acad.Sci.USA 88:2768-2772(1991))を用いて行った。溶融アガロース(1% ;65℃)を、50mM MOPSナトリウム(pH7.0);125mM酢酸ナ トリウム、0.5%CHAPSにて調製した。9つの平行なバーよりなるテフロ ン製のコーム(45×4×4mm/3mmのバー間隔)を、プレキシガラス製のキ ャスティングトレーに適合させたGelBondフイルム(FMC Bioproducts,ME,Rocklan d在)上に、バーの長軸をキャスティングトレーの長軸に平行に置いた。テフロン 製ストリップ(66×1×1mm)を、縁に、その長軸をキャスティングトレーの 短軸 に平行に、テフロン製コームの縁から4mmの距離に置いた。次いで、溶融アガ ロース(>65℃)を、注いで約4mmの高さを達成した。コーム及びストリップ の除去は、9つの45×4×4mmの矩形のウェル(66×1mmのスロットに 隣接)を含むゲルを生じた。LDL又はHDL試料を、ゲル緩衝液(50mM M OPSナトリウム、pH7.0、125mM酢酸ナトリウム)にて、所望濃度の 2倍で調製した。次いで、試料を、等容の溶融アガロース(50mM MOPS 、pH7.0;125mM酢酸ナトリウム;50℃)と混合して、ピペットで適 当な矩形ウェルに注ぎ、ゲル化させた。LBP−1及びLBP−3の結合親和性 及び特異性を、幾つかの濃度のLDL(540〜14nM)及びHDL(2840 〜177nM)を用いて試験した。一定量(0.003〜0.016nM)の125I 標識したLBP−1、LBP−2又はLBP−3(50mM MOPSナトリウ ム、pH7.0;125mM酢酸ナトリウム;0.5%ブロモフェノールブルー ;6%(wt/vol)シュークロース中に懸濁)を、このスロットに載せた。ゲ ルを、70v/2時間/20℃で電気泳動した。この操作の最後に、ゲルを風乾 して、遅延プロフィルを、X線フィルムをゲルに一晩−70℃で増感スクリーン と共に露出することにより可視化した。 LDLは、ゲル中でのLBP−1、LBP−2及びLBP−3の移動を、濃度 依存の飽和し得る様式で遅延させ、これは、LBP−1、LBP−2及びLBP −3のLDLへの結合が高度に特異的であることを示している。この結論は、H DLがLBP−1、LBP−2又はLBP−3を遅延させないという事実によっ て支持される。アフィニティー同時電気泳動アッセイから生成した結合曲線は、 LBP−1が25.6nMのKdでLDLに結合すること、LBP−2(ウサギの クローン26)が100nMのKdでLDLに結合すること、及びLBP−3(8 0kDaの断片)が333nMのKdでLDLに結合することを示した。 LBP−1、LBP−2及びLBP−3のLDLへの結合の親和性及び特異性 を試験することに加えて、「コールド」の(即ち、放射性標識してない)LBP− 1、LBP−2又はLBP−3が、それぞれ、放射性標識したLBP−1、LB P−2又はLBP−3のLDLへの結合を競争的に阻害する能力を試験した。競 争研究を、固定した濃度のコールドなLDLと放射性標識したLBP−1及び増 大する量のコールドな組換えLBP−1(6〜31μM)を用いて行った。ACE アッセイ試料とゲルをここに記載したように調製した。コールドなLBP−1は 、放射性標識したLBP−1のLDLへの結合を濃度依存的様式で阻害し、コー ルドなLBP−2は、放射性標識したLBP−2のLDLへの結合を濃度依存的 様式で阻害し、コールドなLBP−3は、放射性標識したLBP−3のLDLへ の結合を濃度依存的様式で阻害した。 ウサギ及びヒトのLBP−2は、酸性アミノ酸の長いストレッチをアミノ末端 に含む(ウサギLBP−2のアミノ酸残基105〜132及びヒトのLBP−2 のアミノ酸残基8〜33)。LBP−2のこのセグメントがLDL結合ドメイン である可能性を、この酸性領域の存否によって互いに異なる2つのウサギLBP −2クローン(クローン26及び45)を当業者に公知の標準的方法によって発現 ベクター中にサブクローニングすることにより試験した。次いで、ACEアッセ イを、これらの2つのクローンのLDLへの結合の親和性及び特異性を評価する ために行った。LDLは、クローン26由来の放射性標識したLBP−2のゲル 中の移動を濃度依存性の飽和し得る様式で遅延させたが、クローン45由来の放 射性標識したLBP−2の移動は遅延されなかった。 固定した濃度のコールドなLDL及びクローン26由来の放射性標識したLB P−2並びに増大する濃度のコールドな組換えLBP−2/クローン26及びL BP−2/クローン45を用いて、競争研究を行った。コールドなクローン26 由来のLBP−2は、クローン26由来の放射性標識したLBP−2のLDLへ の結合を濃度依存的様式で阻害した。他方、クローン45由来のLBP−2は、 クローン26由来の放射性標識したLBP−2のLDLへの結合に影響しなかっ た。これらの結果は、酸性アミノ酸の長いストレッチがLBP−2のLDLへの 結合ドメインを含むことを示している。実施例9インヒビターの存在下でのLBP−1又はLBP−2とLDLとのア フィニティー同時電気泳動(ACE)アッセイ この実施例は、LBP−1又はLBP−2とLDLとの間の結合がポリグルタ ミン酸又はBHF−1により阻害されるということを説明する。第三の化合物が 前に相互作用することを示した2つの蛋白質の間の結合を阻害する能力を、実施 例8に記載したACEアッセイの改変によって試験した。この第三の化合物を、 上に又はウェルに加えた(放射性標識した蛋白質と共に)。もしこの第三の化合物 が結合を阻害したならば、放射性標識された蛋白質は、ゲルを通って進むであろ う。もしこの第三の化合物が結合を阻害しなかったならば、放射性標識した蛋白 質の移動は、ゲル中への蛋白質キャストにより遅延された。 LBP−1/LDL又はLBP−2/LDL結合のポリグルタミン酸(平均M W約7500、約7モノマーに相当)による阻害が、これらのすべての矩形レー ン内の一定量のLDL(148nM)のキャストにより示された。一定量(1μl) の125I標識したLBP−1又はLBP−2(0.003〜0.016nM)をゲ ル上部のウェル中に、増大する濃度のポリグルタミン酸(Sigmaから得た)(0〜0 .4nM)と共に載せた。このゲルを、70ボルトで2時間にわたって電気泳動 し、乾燥して、増強スクリーンと共にX線フィルム上に一晩−70℃で置いてか ら、そのフィルムを現像してLBP−1及びLBP−2の遅延プロフィルを測定 した。ポリグルタミン酸濃度を増すにつれて、放射性標識したLBP−1及びL BP−2の移動のLDLによる遅延は、濃度依存的様式で減少し、これは、ポリ グルタミン酸がLBP−1、LBP−2とLDLとの間の結合を阻害することを 示した。 LBP−1/LDL結合のBHF−1による阻害は、一定量のLDL(148 nM)のキャスティングによりすべての矩形レーンにおいて示された。一定量の125 I標識したLBP−1(0.003〜0.016nM)を、ゲル上部のウェル に、実施例15に記載したように得た増大する濃度のBHF−1(0〜10nM) と共に載せた。このゲルを、70ボルトで2時間にわたって電気泳動し、乾燥し て、増強スクリーンと共に、X線フィルム上に−70℃で一晩置いた。次いで、 このフィルムを現像して125I−LBP−1の遅延プロフィルを測定した。BH F−1の濃度が増大するにつれて、LBP−1のLDLによる遅延は、濃度依存 的様式で減少し、これは、BHF−1がLBP−1とLDLとの間の結合を阻害 することを示した。実施例10LDLに結合するLBPの断片、アナログ及び模倣物を同定するた めのアフィニティー同時電気泳動(ACE)アッセイ この実施例は、LDLに結合し、それ故、LDL分子上の結合部位を占めるこ とによりこれらの部位を動脈壁内のLBPへの結合に利用できなくすることによ ってLDLのLBPへの結合のインヒビターとして用いることのできるLBPの 断片、アナログ及び模倣物を同定するための方法を説明する。 LBPの断片は、化学的開裂により生成され又は既知のアミノ酸配列から合成 する。これらの断片の試料(コールド)を、個々に、放射性標識したLBPに実施 例8に記載のように加えて、種々の断片の潜在的阻害能力を評価する。阻害性で あると同定された断片の一層小さい部分へのこの手順の反復適用により、最も小 さい活性ポリペプチド断片を同定する。同様の方法において、LBPのアナログ を試験して、LDLへの結合によりインヒビターとして作用し得るアナログを同 定する。そして、同様にして、LBPの模倣物(LBP分子上のLDL結合部位 のコンホメーション及び/又は電荷分布を真似る分子)を、類似の方法で試験し て、LBP上のLDL結合部位に対する親和性を示す分子を同定する。 このように同定されたインヒビターの親和性は、少なくとも、LBP上のLD L結合部位に対するLDL自身の親和性と同程度の強さである。これらのインヒ ビターは、少なくとも競争的に、そして幾らか不可逆的に、そしてその上優先的 にLDL結合部位に結合し、それにより、かかる部位を体液性LDLへの結合に 利用できなくする。実施例11ELISAアッセイ この実施例は、試験化合物のLDLの特異的LBPへの結合を阻止する能力の 定量のためのELISAプレートアッセイの利用を説明する。 このアッセイを次のように行う:LDLを50mM Na2CO3、pH9.6 /0.02%NaN3にて希釈し、96ウェルプレート(Immuno Ware 96-Well Re acti-Birid EIA Polystyrene Plates;Pierce(IL,Rockford在))のウェルに加えて ウェル当たり0.1〜1μgの終濃度を達成した。これらのプレートを室温で6 時間インキュベートした。インキュベーション期間の最後に、これらのウェルを トリ ス緩衝塩溶液、pH7.4(TBS)で3回洗い、200μlの1%ウシ血清アル ブミン(BSA){TBS/0.02%NaN3(Sigma;MO St.Louis在)中}で一晩室 温でブロックした。次いで、これらのウェルを200μlのTBS中のLBP蛋 白質(5〜10μg/ウェル)とインキュベートし、試験化合物の濃度を変化させ た。プレートを1時間室温でインキュベートした。次いで、これらのウェルをT BSで3回洗い、2時間にわたって200μlのTBS/0.02%NaN3中 の1%BSAで室温でブロックした。インキュベーション期間の最後に、これら のウェルをTBSで3回洗い、適当なモルモットの抗LBP蛋白質ポリクローナ ル抗体の1:1000希釈物(TBS/0.05%ツイーン20中)をこれらのウ ェルに加え、室温で1時間インキュベートした。次いで、これらのウェルを、T BS/0.05%ツイーン20で3回洗い;ヤギ抗モルモットIgGアルカリホ スファターゼ結合体(Sigma)の1:30,000希釈物を各ウェルに加えた。プ レートを1時間室温でインキュベートした。これらのウェルを、TBS/0.0 5%ツイーン20で3回洗い、200μのp−ニトロフェニルホスフェート基質 (Sigma;MO,St.Louis在)をこれらのウェルに加えることにより比色反応を行った 。この反応を室温で30分間進行させ、50μlの3N NaOHにより停止さ せた。吸光度を、ELISAプレートリーダーを用いて、405nmで測定した 。この試験化合物の、LDLの組換え蛋白質への結合のブロックにおける有効性 を、対照群と処理群の吸光度値を比較することにより評価した。 別法として、LDLではなく、LBPをプレートに結合した。組換えLBP蛋 白質のLDLへの結合及びインヒビター濃度を変えることのLBP−LDL結合 に対する影響を、LDLに対する抗体を用いて測定した。この相互作用を、レポ ーター酵素(例えば、アルカリホスファターゼ)に結合させた第2抗体の利用によ り可視化した。 ELISAプレートアッセイを用いて、LBP蛋白質のLDLへの結合に影響 を与え得る薬剤をスクリーニングした。例えば、LBP−1及びヒトのLBP− 3蛋白質配列由来のペプチド(それぞれ、BHF−1及びBHF−2)を合成して 、LDLの組換えLBP−1及びLBP−2(この形式)への結合を減ずることが 示されている。これらの結果は、ACEアッセイにより得られたものと一致した 。実施例12LBP上のLDL結合部位をブロックするためのLBPに対するヒ ト化抗体の投与 この実施例は、動脈のLBP分子上のLDL結合部位をブロックするための、 LBP−1、LBP−2又はLBP−3に対するヒト化抗体の患者への投与を説 明する。マウスモノクローナル抗体を、組換えDNA技術によってヒト化し、当 業者に公知の標準的手順(Berkower,I.,Curr.Opin.Biotechnol.7:622-628(1996) ;Ramharayan及びSkaletsky,Am.Biotechnol.Lab 13:26-28(1995))によって、L BP及び/又はLBP上のLDL結合部位に対して生成した。対応するFab断 片も又、Goding,J.W.,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academ ic Press,New York,NY(1986)に記載されたようにして製造する。これらの抗体を 、十分な量で(即ち、1日当たり1〜10mg/kg)、LBP分子上のLDL結 合部位をブロックするように非経口的に投与する。これは、LDLの酸化を促進 するのに必要とされる動脈によるLDLの不可逆的取込みを予防する。実施例13LDLの調製 この実施例は、LDLの調製を説明する。LDLを、ノルモ脂血症の(normoli pemic)ドナーの血漿から調製した(Chang等,Arterioscler.Thromb.12:1088-1098( 1992))。100mlの全血液を100mM EDTAナトリウムを含む管に入れ た。血漿を、赤血球から低速遠心分離(2,000g;30分間;4℃)により調 製した。血漿の密度を、KBr溶液を用いて1.025g/mlに調節して、1 8〜20時間にわたって、100,000×gで、12℃で遠心分離した。超低 密度リポ蛋白質(VLDL)を、パスツールピペットを用いて遠心管の上部から取 り出した。浮遊物(infranate)の密度を、KBr溶液を用いて1.050g/m lまで高め、22〜24時間、100,000×gで、12℃で遠心分離した。 LDLを、遠心管の上部からパスツールピペットチップでの吸い出しにより取り 出した。このLDL標品の純度を、ヒトLDL、ヒトHDL、ヒト免疫グロブリ ン及びヒトアルブミンに対する抗体に対するオクタロニー二重免疫拡散法により チェ ックした。KBrをLDL溶液から、1mM EDTA及び10μMブチル化ヒ ドロキシトルエン(BHT)(後者は、LDLの酸化を防止する)を含む0.9%塩 溶液、pH9.0に対する透析(1L、×2,≒16時間)により除去した。透析 の後に、LDL蛋白質をローリー法(Lowry等,J.Biol.Chem.193:265-275(1951)) によって測定し、このLDLを、使用まで4℃で貯蔵した。LDL標晶は、最長 で4〜6週間保存した。実施例14HDLの調製 この実施例は、HDLの調製を説明する。HDLをノルモ脂血症のドナーの血 漿から調製した。100mlの全血液を、100mM EDTA二ナトリウムを 含む管に入れ、血漿を遠心分離(2000g;30分間;4℃)によって集めた 。次いで、血漿中に存在するアポリポ蛋白質B含有リポ蛋白質を、ヘパリンナト リウム(5,000単位/ml)及びMnCl2(1M)の順次的添加(それぞれ、 200単位/ml及び0.46Mの終濃度まで)によって沈殿させた(Warnick及 びAlbcrs,J.Lipid Res.19:65-76(1978))。次いで、試料を遠心分離した(200 0g;1時間;4℃)。上清を集めて、密度を、固体のKBrをゆっくり加える ことにより1.21g/mlに調節した。HDLを、超遠心分離(100,00 g;>46時間;12℃)により分離した。このHDL標品の純度を、ヒトHD L、ヒトLDL、ヒト免疫グロブリン及びヒトアルブミンに対する抗体を用いる オクタロニー二重免疫拡散試験により評価した。HDL試料を、塩溶液pH9. 0/1mMEDTA/10μM BHT(4L;24時間/4℃)に対して透析し 、全蛋白質をローリーの蛋白質アッセイ(Lowry等,J.Biol.Chem.193:265-275(195 1))によって測定した。HDLを、使用まで4℃で貯蔵した。HDL標品は、最 長で2週間保存した。実施例15BHF−1の合成 この実施例は、BHF−1、ヒト又はウサギのLBP−1の断片(アミノ酸残 基14〜33を含む)の合成を説する。BHF−1を、Applied Biosystems Mode l 430Aペプチドシンセサイザー(標準的T−BocNMP化学サイクルを使用)を 用いて合成した。BHF−1の配列は、下記の通りである:合成後、このペプチドを、フッ化水素酸/アニソール(10/1 v/v)により 10℃、30分間で開裂させ、次いで、0℃で30分間インキュベートした。次 いで、BHF−1を沈殿させて3回洗った(冷ジエチルエーテル使用)。アミノ酸 カップリングをニンヒドリン試験(>99%)によりモニターした。 このBHF−1ペプチドを、均質になるまで、逆相Vydac C4カラム(2.24 ×25cm)にて、直線的勾配分離(2〜98%B;60分間)と9ml/分の流 量を用いて、高性能液体クロマトグラフィーにより精製した。緩衝液Aは、0. 1%のトリフルオロ酢酸(TFA)/Milli Q水よりなり、緩衝液Bは、0.08 5%TFA/80%アセトニトリルよりなった。この勾配を、室温で流し、吸光 度を210及び277nmにてモニターした。 高速原子衝撃質量分析は、プロトン化分子イオンピーク(M+H)+を、m/z =2290.2に与え、これは、計算値とよく一致した。アミノ酸分析において 、ペプチド中の比較的多い各アミノ酸についての実験値は、理論値とよく一致し た。凍結乾燥したペプチドを−20℃で貯蔵した。実施例16LDLとLBPとの間の結合を阻害する薬剤のイン・ビトロスクリ ーニング この実施例は、LDLとLBPとの間の結合を阻害する薬剤のイン・ビトロス クリーニングを説明する。 薬剤であることについての候補のポリペプチドを選択する(例えば、LBP− 1、LBP−2、LBP−3、BHF−1又は任意の他のポリペプチド)。LD LのLBPへの結合をイン・ビトロで阻害するポリペプチドの最短の断片を決定 する。ペプチドを、ここに記載の標準的技術によって合成する。阻害アッセイを 、ス クリーニングのための標準的ELISA技術を用いて行い、ここに記載のように アフィニティー同時電気泳動(ACE)アッセイを行ってELISAの結果を確認 した。短いペプチド(例えば、2量体〜20量体)を、候補のポリペプチドの配列 を横切って構築する(該配列の化学的特性は、それらをありそうなLDL結合部 位例えば酸性領域にする)。一層短い長さのこれらのペプチドのLDLの結合及 び培養哺乳動物細胞に対する結合を阻害する能力を試験する。例えば、このペプ チドの、LBP遺伝子を発現するようにトランスフェクトされた哺乳動物細胞に おけるLDL結合の阻害に対する効果を試験する。インヒビターとして同定され たこれらのペプチドの各々を、LBP−1、LBP−2及びLBP−3の各々を 用いて試験して、単一のインヒビターがすべての3つのLBPに対して作用する かどうかを測定する。 一度最小活性配列が決定されれば、このペプチドの主鎖を、ここに記載のよう に、蛋白質分解を阻止するように改変する。例えば、改変を、カルボニルの代わ りにスルホキシドを代用することにより、ペプチド結合を逆にすることにより、 カルボニル基の代わりにメチレンを代用することにより、又は他の類似の標準的 方法によって達成する。Spatola,A.F.,「Peptide Backbone Modifications:A St ructure-Activity Analysis of Peptides Containing Amide Bond Surrogates,C onformational Constraints,and Related Backbone Replacements,」{Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides and Proteins,Vol.7,p.267-357,B .Weinstein(編),Marcel Dekker,Inc.,New York(1983)}を参照されたい。これら のアナログのLDLのLBPへの結合をイン・ビトロで阻害する能力を、ELI SA及びACEアッセイにより、上記の天然のペプチドに対するのと同じ仕方で 試験する。実施例17培養哺乳動物細胞を用いるLDLとLPBとの間の結合を阻害する 薬剤のイン・ビトロスクリーニング この実施例は、ACEアッセイ及びELISA等のイン・ビトロ試験によりL DLとLBPとの間の結合の潜在的インヒビターであることが示された薬剤の細 胞ベースのイン・ビトロスクリーニングを説明する。 組換え遺伝子構築物の発現のために一般に用いられる哺乳動物細胞例えば29 3細胞を用いて、LBPを細胞表面で発現する細胞株を開発する。これは、LB Pのオープンリーディングフレーム(ORF)を哺乳動物用発現プラスミドベクタ ーpDisplay(Invitrogen,CA,Carlsbad在)(これは、細胞表面上に関心あ る遺伝子を発現するようにデザインされている)中にサブクローン化することに より行う。LBPを生成するために哺乳動物細胞を利用することは、機能的に活 性なネイティブなコンホメーションでのそれらの発現を与える。それ故、LBP の表面発現を有する安定にトランスフェクトされた哺乳動物細胞は、個々に又は 組み合わせて、細胞培養中のLDL結合をブロックするインヒビターをアッセイ し及びスクリーニングするのに並びにこれらの化合物の細胞毒性を評価するのに 特に適している。 特に、LBPORFは、cDNAテンプレートから、Taqポリメラーゼ(Pcr kin Elmer)及び適当なプライマーを用いて、PCR(Perkin Elmer,CA,Foster Ci ty在)により増幅される。これらの増幅されたLBPORFを、アガロースゲル 電気泳動により精製し、ゲルスライスからBio-Rad DNA精製キット(Bio-Rad,C A,Hercules在)を用いて抽出する。次いで、これらの精製したDNAを、制限酵 素BglII及びSalI(New England Biolabs,MA,Beverly在)で切断して粘着末 端を生成し、上記のアガロースゲル電気泳動とDNA抽出により再精製する。次 いで、これらのLBPORFを、哺乳動物用発現ベクターpDisplay(Inv itrogen)のBglII/SalI部位に、ライゲーションによりサブクローン化す る。組換えプラスミドを、大腸菌株TOP10(Invitrogen)又はDH5α(Life Technologies,NY,Grand Island在)におけるトランスフォーメーションにより樹 立する。組換えpDisplay/LBPプラスミドDNAを、大腸菌一晩培養 物からBio-Radプラスミドミニプレプキットを用いて単離し、BglII/Sal Iで切断して、アガロースゲル電気泳動により分析する。上首尾にトランスフォ ームされたクローン中のLBPORFを、自動化ジデオキシDNA配列決定によ り確認する。ヒトの腎臓の293細胞をトランスフェクトするために、1〜2μ gのDNAを、6μlのリポフェクタミン試薬(Life Technologies)と混合して 、Life Technologiesのプロトコールに記載されたように細胞とインキュベート する。トランスフェクトされた細胞におけるLBP発現を、トランスフェクショ ンの48時間 後に得られた細胞抽出物のウエスタンブロット分析により確認する。安定にトラ ンスフェクトされた293細胞を選択するために、抗生物質G418(Life Tech nologies)を成長培地に800μg/mlの濃度で加える。G418に耐性のコ ロニーをウエスタンブロットにより組換えLBP発現について試験し、LBPを 発現している組換えクローンを拡大してLDL結合についてアッセイし、化合物 をLDL結合を阻害するそれらの能力について試験するのに用いる。実施例18LDLとLBPとの間の結合を阻害する薬剤のイン・ビボスクリー ニング この実施例は、イン・ビトロ試験によりLDLとLBPとの間の結合の有望な 候補のインヒビターであることが示された薬剤のイン・ビボスクリーニングを説 明する。 治癒しつつあるバルーンカテーテルにより内皮剥奪されたウサギ大動脈の動脈 病変モデルにおいて、イン・ビボ阻害活性を先ず試験する(Roberts等,J.Lipid R es.24:1160-1167(1983);Chang等,Arterioscler.Thomb.12:1088-1098(1992))。 このモデルは、ヒトのアテローム性動脈硬化症病変の優れた類似物であることが 示された。各候補のインヒビターを、5〜10匹のバルーン処理したウサギで試 験すると同時に、同数のウサギに対照用ペプチド又は偽薬を与える。大動脈の内 皮剥奪の4週間後に、再内皮形成(治癒)が部分的に完了するときに、これらのペ プチド及びアナログの毎日の非経口投与(静脈又は皮下投与)又は胃内投与を体重 1kg当たり10mgの初期濃度で開始し、結果に応じて最大100mg/kg 以内で増減させる。30分後に、一塊の125I(又は99mTc)標識したLDLの静 脈注射をして候補のインヒビターの治癒しつつある動脈病変におけるLDL封鎖 を阻止する能力を短期間の研究で試験する。もし125I−LDLを用いるならば 、前に記載されたように(Roberts等,J.Lipid Res.24:1160-1167(1983);Chang等 ,Arterioscler.Thomb.12:1088-1098(1992))、これらの動物を8〜24時間後に 犠牲にして大動脈を切り出し、洗浄して定量的オートラジオグラフィーにかける 。もし99mTc−LDLを用いるならば、分析は、前に記載されたように(Lee及 びLees,Syndromes of Atherosclerosis,in Fuster,編、Futura Publishing Co., NY,Armonk,p385-401(19 96))、2〜24時間目に、生きている麻酔した動物の外部ガンマーカメライメー ジングにより、その後、犠牲にして大動脈を切り出してそのイメージングを行う 。試験の終了の直前に、これらの動物に、CBC、肝臓酵素及び尿検査を含む標 準的な毒性試験を施す。 最も有効で且つ最も低毒性の化合物を、次いで、2%コレステロール食餌を与 えられたウサギの短期間の研究で試験する(Schwenke及びCarew,Arteriosclerosi s 9:895-907(1989))。各候補のインヒビターを5〜10匹のウサギで試験すると 同時に、同数のウサギに対照用ペプチド又は偽薬を投与する。1日当たり1投与 以上の候補のインヒビター又は偽薬を最長で2週間にわたって動物に与える。毎 日の投与回数は、投与経路によって決定する。もし活性な薬物又は偽薬を非経口 投与するならば、それらを、毎日1〜3回与え、2%コレステロール食餌を継続 する。もし薬物又は偽薬を経口投与するならば、それらを、2%コレステロール 食餌と混合する。Schwenke及びCarew(Arteriosclerosis 9:895-907(1989))は、 ウサギ大動脈の病変を受けやすい領域内のLDL濃度が、2%コレステロール食 餌を16日間与えたウサギにおいて、正常の22倍に増大すること及び増大した LDL含量が初期アテローム性動脈硬化症の組織学的証拠に先行することを示し た。それ故に、候補のインヒビターの効果の分析を、コレステロール給餌の開始 から2週間後に、125I−LDLを注射し、その後に8〜24時間循環させ、次 いで、試験動物及び対照用動物の両方の切り出した大動脈について定量的オート ラジオグラフィーを行うことによって試験する。もし適当であれば、大動脈のコ レステロール含量の定量も行う(Schwenke及びCarew,Arteriosclerosis 9:895-90 7(1989;Schwenke及びCarew,Arteriosclerosis 9:908-918(1989))。 上記の手順は、最も有望な候補のインヒビター、並びに最良の経路及びそれら の投与回数を同定する。こうして同定されたインヒビターを、次いで、コレステ ロール給餌されたウサギの長期間の研究において試験する。これらの試験を、短 期間のコレステロール給餌研究と同じ方法で行うが、但し、インヒビターの有効 性を、コレステロール給餌の開始後の125I−LDLの一層長い間隔での注射に より試験し、大動脈の病変を受けやすい領域をアテローム性動脈硬化症の証拠に ついて組織学的に調べる。試験期間は、2、4及び6ヶ月である。主要な動脈を 、 アテローム性動脈硬化症の証拠及び程度について、肉眼的に及び組織学的に調べ る。もし必要であれば、他の許容し得る動物モデル例えばアテローム性動脈硬化 症にかかり易い霊長類(Williams等,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.15:827-836 (1995))及び/又はWatanabeウサギを、短期及び長期のコレステロール給餌を用 いて試験する。実施例19バルーン処理で内皮剥奪したウサギ大動脈における放射性標識した LDLの蓄積の、LBP蛋白質に対する活性な免疫の誘導によるイン・ビボでの 阻止 この実施例は、LBP蛋白質に対する免疫の誘導が、バルーン処理により内皮 剥奪されたウサギの大動脈のアテローム性動脈硬化症モデルにおいて、放射性標 識したLDLの蓄積に対して有する効果を説明する。 免疫を雄のニュージーランド白ウサギ(Hazelton Research Products,PA,Denve r在)において、次のようにして誘導した:精製したヒト組換えLBP−2又はB HF−1ペプチド(1ml;1mg)とRIBIアジュバント(RIBI ImmunoChem R esearch,Inc.,MT,Hamilton在)との混合物を、ウサギの背側の胸部及び腹部領域 に沿って2〜5カ所に皮下注射した。血液を静脈穿刺により、1日目(免疫化前) 、35日目、63日目及び91日目に採血した。追加抗原を、28日目(500 μg;SC)、56日目(250μg;SC)及び84日目(125μg;SC)に 注射した。 これらのウサギの力価を、一連の希釈物により、ELISAプレート形式を用 いて評価した。免疫化前血清を同時に評価した。LBP蛋白質又はペプチドの第 三回目の追加免疫の後に、力価は、156pgのELISAプレート上の検出可 能な比色応答にて最大レベルに達した。力価は、30分以内に対照を超える0. 5の吸光度の読みを生じる抗体の最大希釈として定義される。ポリクローナル抗 体の特異性を、実施例6に記載のようにしてウエスタンブロット分析を用いて示 した。 93日目に、免疫化したウサギ及び対照用のウサギの腹大動脈を、Fogarty4 番塞栓摘出用カテーテル(Chang等,Arteriosclerosis and Thrombosis 12:1088-1 098( 1992))を用いて内皮剥奪した。バルーン処理の4週間後に、ウサギに一塊の125 I標識したLDLを注射した(1ml;i.v.)。血液試料を、1時間間隔で 、注射後8時間にわたって及び24時間にて採取した。血液試料を30分間にわ たって2000rpm(40℃)で遠心分離し、血清中に存在するすべての活性を 、ガンマーカウンターを用いて測定した。全TCA沈降性のカウントを、TCA をこの血清に10%の終濃度まで加え、その後4℃で10分間インキュベートす ることにより測定した。次いで、血清試料を遠心分離し(2000rpm;30 分間;40℃)、上清に存在する全活性を測定した。TCA沈降性カウントを減 算により計算した(全可溶性カウント−TCA沈殿後の上清中に存在するカウン ト)。抗体力価の測定のための血液試料を、放射性標識したLDLの注射前に集 めた。 24時間後に、これらのウサギに、5%エバンス青染料を静脈注射して15分 間循環させた。内皮の被覆が存在しない大動脈の領域は、青く染まるが、内皮に よる被覆が残っている領域は染まらない。インキュベーション期間の最後に、こ れらのウサギを麻酔して腹部及び胸部の大動脈を切開してすすぎ、一晩10%T CA中で室温で固定した。これらの大動脈を、次いで、生理的塩溶液で徹底的に すすぎ、重さを量り、計数し、吸い取って乾燥させ、内皮剥奪したウサギの腹大 動脈中の放射性標識したLDL蓄積のパターンを可視化するためにX線フィルム 上に置いた。 組換えのヒトLBP−2又はBHF−1ペプチドに対するウサギの免疫化は、 バルーン処理した内皮剥奪した腹大動脈中の放射性標識したLDL蓄積のパター ンを変化させた。投薬量及び内皮再生パーセントを補正すると、免疫化したバル ーン処理したウサギは、免疫化してないバルーン処理したウサギに比較して一層 低い放射性標識LDLの蓄積を有した。これらの結果は、LBPに対する活性な 免疫化が傷害された動脈壁内のLDLの蓄積を変えることのできる有効な手段を 提供することを示している。実施例20ヒトにおけるLDLとLBPとの間の結合を阻止する薬剤のスクリ ーニング ヒトの研究を、新たな薬物の安全性(フェーズI)、効力(フェーズII)及び他の 治療剤と比較しての効力(フェーズIII)の試験に関する標準的FDAプロトコー ルに従って行う。インフォームドコンセント後に研究に登録された患者は、18 〜70歳である。妊娠中若しくは妊娠しそうな女性又は初期アテローム性動脈硬 化症以外の病気例えば癌、肝臓病若しくは糖尿病を有する患者は、除外する。F DAのフェーズII及びフェーズIII試験における研究のために選択する患者は、 標準的技術例えば超音波及び/又は血管造影法により以前に記録されたアテロー ム性動脈硬化症を有するか、又は少なくとも一人の記録されたアテローム性動脈 硬化症を有する一親等の親類を有することによりアテローム性動脈硬化症の高度 の危険にあることが知られている患者である。患者自身は、正常又は異常な血漿 脂質を有する。最初の試験には、活性薬物について20〜50人の患者が、偽薬 について20〜50人の患者(同じ年齢、性別及びアテローム青銅脈硬化症の状 態を有する)が含まれる。患者数を、予め、統計的有意性に必要な数により決定 する。インヒビターの効力についての終点には、高い危険にある患者並びに既知 の頸動脈又は冠状動脈疾患を有する患者の頸動脈の厚みの超音波測定;アテロー ム性動脈硬化事象;アテローム性動脈硬化症による死亡;及びすべての患者にお けるすべての原因による死亡が含まれる。Stadler(Med.and Biol.22:25-34(1996 ))による非侵襲的分析(超音波による頸動脈の厚みの測定)を、6〜12ヶ月の間 隔で3年間にわたって行う。アテローム性動脈硬化事象及び死亡並びにすべての 原因による死亡を、3年目に表にする。 FDAフェーズI試験における薬物の経口投与量は、0.01〜10g/日に わたり、動物研究の結果により決定する(kgベースにて推定する)。フェーズI の研究から得られたデータに基づいて、投与量の範囲及び回数をフェーズII及び IIIの試験において狭める。もし薬物の非経口投与が、動物研究により、唯一の 有効な方法であると決定されたならば、ヒト患者における非経口投与を注射によ り並びに経皮的経路及び鼻吸入経路により試験する。非経口薬物の試験は、経口 投与についてのものと同じアウトラインに従う。 こうして、ヒトについての最適な治療スケジュール及び投薬量を確立する。実施例21アテローム性動脈硬化症を有する個人のBHF−1による治療 この実施例は、アテローム性動脈硬化症を有する個人を、その個人における動 脈に結合したLDLのレベルを低下させるようにLBP断片例えばBHF−1を 用いて治療する方法を説明する。BHF−1をここに記載したようにして得る。 そのBHF−1を動物に体重1kg当たり0.5〜10mgの濃度で一塊として 又は一回の注射にて静脈投与する。かかる投与を、アテローム性動脈硬化症の徴 候の発生又は進行を防止するために無期限に繰り返す(丁度、現在、コレステロ ール低下剤を用いて行われているように)。安定な患者を、年に2回調べて任意 のアテローム性動脈硬化症疾患の程度を物理的検査及び非侵襲的研究例えば頸動 脈の厚み、主要な動脈の超音波及び/又はガンマーカメライメージングにより評 価して、アテローム性動脈硬化症病変が存在するかどうか及び以前に存在した場 合には後戻り又は進行しているかどうかを測定する。 当業者は、ここに記載した発明の特定の具体例の多くの同等物を日常的実験を 用いて確認することができるであろう。これらの及び他のすべての同等物は、後 記の請求の範囲に包含されるべきものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 C07K 14/47 C07K 14/47 C12P 21/02 C C12N 5/10 C12Q 1/68 A 15/09 ZNA Z C12P 21/02 G01N 33/566 C12Q 1/68 33/92 Z A61K 37/02 G01N 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/92 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, UZ,VN (72)発明者 リーズ,ロバート エス. アメリカ合衆国 02146 マサチューセッ ツ,ブルックライン,クリントン ロード 203 (72)発明者 ロー,サイモン ダブリュー. アメリカ合衆国 02173 マサチューセッ ツ,レクシントン グリーンウッド スト リート 30 (72)発明者 アルホーナ,アニバル エイ. アメリカ合衆国 02134 マサチューセッ ツ,ボストン,コモンウエルス アベニュ ー 1238,アパートメント 22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記よりなる群から選択するメンバーを含む単離されたポリヌクレオチド: (a)SEQ ID NO:1に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (b)SEQ ID NO:2に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (c)SEQ ID NO:3に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (d)SEQ ID NO:4に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (e)SEQ ID NO:5に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (f)SEQ ID NO:6に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (g)SEQ ID NO:7に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (h)SEQ ID NO:8に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (i)SEQ ID NO:9に示したアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (j)(a)〜(h)又は(i)のポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができ 及び少なくとも約95%同一であるポリヌクレオチド(ここに、コードされるポ リペプチドは、LDLに結合することができる); (k)生物学的に活性なポリペプチド(a)〜(i)又は(j)の断片(ここに、コー ドされるポリペプチドは、LDLに結合することができる)。 2.前記のメンバーを下記よりなる群から選択する、請求項1に記載の単離され たポリヌクレオチド: (a)SEQ ID NO:7に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基8〜22(SEQ ID NO :19)、8〜33(SEQ ID NO:20)、23〜33(SEQ ID NO:21)又は208〜 217(SEQ ID NO:22)を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド; (b)SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:6に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基14 〜43(SEQ ID NO:23)又は38〜43(SEQ ID NO:24)を含むポリペプチドを コードするポリヌクレオチド; (C)SEQ ID NO:2に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基105〜120(SEQ I D NO:25)、105〜132(SEQ ID NO:26)、121〜132(SEQ ID NO:2 7)又は211〜220(SEQ ID NO:28)を含むポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド; (d)SEQ ID NO:5に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基96〜110(SEQ ID NO:29)を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド; (e)SEQ ID NO:8に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基53〜59(SEQ ID NO :41)を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド; (f)(a)〜(d)又は(e)のポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができ 及び少なくとも約95%同一であるポリヌクレオチド(ここに、コードされるポ リペプチドは、LDLに結合することができる);及び (g)生物学的に活性なポリヌクレオチド(a)〜(e)又は(f)の断片(ここに、 コードされるポリペプチドは、LDLに結合することができる)。 3.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:10に示した核酸を含む、請求項1に 記載のポリヌクレオチド。 4.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:11に示した核酸を含む、請求項1に 記載のポリヌクレオチド。 5.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:12に示した核酸を含む、請求項1に 記載のポリヌクレオチド。 6.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:13に示した核酸を含む、請求項1に 記載のポリヌクレオチド。 7.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:14に示した核酸を含む、請求項1に 記載のポリヌクレオチド。 8.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:15に示した核酸を含む、請求項1に 記載のポリヌクレオチド。 9.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:16に示した核酸を含む、請求項1に 記載のポリヌクレオチド。 10.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:17に示した核酸を含む、請求項1 に記載のポリヌクレオチド。 11.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:18に示した核酸を含む、請求項1 に記載のポリヌクレオチド。 12.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:30に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 13.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:31に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 14.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:32に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 15.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:33に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 16.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:34に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 17.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:35に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 18.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:36に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 19.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:37に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 20.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:38に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 21.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:39に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリヌクレオチド。 22.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:40に示した核酸を含む、請求項 2に記載のポリヌクレオチド。 23.前記のポリヌクレオチドがSEQ ID NO:42に示した核酸を含む、請求項2 に記載のポリペプチド。 24.前記のポリヌクレオチドをDNA及びRNAよりなる群から選択する、請 求項1に記載のポリヌクレオチド。 25.前記のポリヌクレオチドがゲノムDNAである、請求項1に記載のポリヌ クレオチド。 26.請求項1に記載の前記のポリヌクレオチドを含む組換えベクター。 27.請求項26に記載の前記の組換えベクターを含む細胞。 28.請求項27に記載の細胞をLDL結合性蛋白質を発現させる条件下で培養 することを含むLDL結合性蛋白質の製造方法。 29.下記よりなる群から選択するメンバーを含む単離されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:1に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (b)SEQ ID NO:2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (c)SEQ ID NO:3に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (d)SEQ ID NO:4に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (e)SEQ ID NO:5に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (f)SEQ ID NO:6に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (g)SEQ ID NO:7に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (h)SEQ ID NO:8に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (i)SEQ ID NO:9に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド; (j)(a)〜(h)又は(i)のポリペプチドと少なくとも約95%同一であるポリ ペプチド(ここに、該ポリペプチドは、LDLと結合することができる);及び (k)生物学的に活性なポリペプチド(a)〜(i)又は(j)の断片(ここに、該断 片は、LDLに結合することができる)。 30.前記のメンバーを下記よりなる群から選択する、請求項29に記載の単離 されたポリペプチド: (a)SEQ ID NO:7に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基8〜22(SEQ ID NO: 19)、8〜33(SEQ ID NO:20)、23〜33(SEQ ID NO:21)又は208 〜217(SEQ ID NO:22)を有するポリペプチド; (b)SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:6に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基14 〜43(SEQ ID NO:23)又は38〜43(SEQ ID NO:24)を有するポリペプチド ; (c)SEQ ID NO:2に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基105〜120(SEQ I D NO:25)、105〜132(SEQ ID NO:26)、121〜132(SEQ ID NO:2 7)又は211〜220(SEQ ID NO:28)を有するポリペプチド; (d)SEQ ID NO:5に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基96〜110(SEQ ID NO:29)を有するポリペプチド; (e)SEQ ID NO:8に示したアミノ酸配列のアミノ酸残基53〜59(SEQ ID NO :41)を有するポリペプチド; (f)(a)〜(d)又は(e)のポリペプチドと少なくとも約95%同一であるポリ ペプチド(ここに、該ポリペプチドは、LDLに結合することができる);及び (g)生物学的に活性なポリペプチド(a)〜(e)又は(f)の断片(ここに、該断 片は、LDLに結合することができる)。 31.動物がアテローム性動脈硬化症の危険にあるかどうかを測定する方法であ って、下記を含む当該方法: 一の動物を準備し;そして 該動物におけるLBP代謝又は構造の面を評価する(該LBP代謝又は構造の面 における異常は、アテローム性動脈硬化症の危険にあることの診断となる)。 32.前記のLBPをLBP−1、LBP−2及びLBP−3よりなる群から選 択する、請求項31に記載の方法。 33.前記のLBP代謝の面が該LBPのLDLに結合する能力である、請求項 31に記載の方法。 34.前記のLBP代謝の面が該LBPの動脈細胞外マトリクス構造成分に結合 する能力である、請求項31に記載の方法。 35.前記の成分を、プロテオグリカン、エラスチン、コラーゲン、フィブロネ クチン、ビトロネタチン及びインテグリンよりなる群から選択する、請求項34 に記載の方法。 36.前記の危険が正常動物に比較して減少した危険である、請求項31に記載 の方法。 37.前記の異常が不活性なLBPポリペプチドを生じる、請求項36に記載の 方法。 38.前記の危険が正常動物に比較して増大した危険である、請求項31に記載 の方法。 39.前記の異常がネイティブなLBPポリペプチドより一層高い活性を有する LBPポリペプチドを生じる、請求項38に記載の方法。 40.前記の動物が出生前の動物である、請求項31に記載の方法。 41.アテローム性動脈硬化症の治療に用いる薬剤を評価する方法であって、下 記を含む当該方法: 試験用の細胞、無細胞系又は動物を準備し; 薬剤を準備し; 該剤を該試験用細胞、無細胞系又は動物に治療上有効な量で投与し;そして該剤 のLBP代謝又は構造の面に対する効果を評価する(該LBP代謝又は構造の面 における変化は、該剤のアテローム性動脈硬化症の治療における有用性を示す) 。 42.前記の試験用細胞、無細胞系又は動物がLBP代謝の野生型パターンを有 する、請求項41に記載の方法。 43.前記の試験用細胞、無細胞系又は動物がLBP代謝の非野生型パターンを 有する、請求項41に記載の方法。 44.前記のLBPを、LBP−1、LBP−2及びLBP−3よりなる群から 選択する、請求項41に記載の方法。 45.前記の薬剤がLBP−1、LBP−2若しくはLBP−3ポリペプチド又 は生物学的に活性なこれらの断片若しくはアナログを含む、請求項41に記載の 方法。 46.前記の薬剤を、図1〜8及び9に示したアミノ酸配列(SEQ ID NO:1〜9) を含むポリペプチドよりなる群から選択する、請求項41に記載の方法。 47.前記の薬剤がLBP−1、LBP−2若しくはLBP−3ポリペプチド又 は生物学的に活性なこれらの断片若しくはアナログをコードする核酸を含む、請 求項41に記載の方法。 48.前記の薬剤を、図10〜17及び18に示したヌクレオチド配列(SEQ ID NO:10〜18)を含む核酸よりなる群から選択する、請求項41に記載の方法。 49.前記の薬剤がLBP調節配列をコードする核酸又は生物学的に活性なその 断片を含む、請求項41に記載の方法。 50.前記の薬剤を、前記のLBPポリペプチドに対する結合性分子及び前記の LBP核酸に対する結合性分子よりなる群から選択する、請求項41に記載の方 法。 51.前記の薬剤がアンチセンス核酸又はそのアナログである、請求項41に記 載の方法。 52.前記の薬剤を、前記のLBPの模倣物及び前記のLBPの結合性分子の模 倣物よりなる群から選択する、請求項41に記載の方法。 53.前記の薬剤が、LBPポリペプチドと免疫反応し得るポリクローナル若し くはモノクローナル抗体又はこれらの断片である、請求項41に記載の方法。 54.前記の薬剤を、LBPポリペプチドと免疫反応し得る天然の抗体、組換え 抗体、キメラ抗体及びヒト化抗体よりなる群から選択する、請求項41に記載の 方法。 55.前記の薬剤が、前記のLBPに対する天然のリガンドである、請求項41 に記載の方法。 56.前記の薬剤が、前記のLBPに対する人工のリガンドである、請求項41 に記載の方法。 57.前記の薬剤を、アンタゴニスト、アゴニスト及びスーパーアゴニストより なる群から選択する、請求項41に記載の方法。 58.前記の薬剤を、トランスジェニック細胞及びトランスジェニック動物より なる群から選択するメンバーに投与する、請求項41に記載の方法。 59.前記の薬剤を、前記の試験用細胞又は無細胞系にイン・ビトロで投与し、 もし前記のLBP代謝の面に前記の変化が起きれば、該剤を更に試験用動物に治 療上有効な量で投与し、該剤のLBP代謝の面に対する効果をイン・ビボで評価 する、請求項41に記載の方法。 60.請求項41において同定された薬剤。 61.LBPポリペプチドの結合性分子に対する結合を変化させる能力について 薬剤を評価する方法であって、下記を含む当該方法: 一の薬剤を準備し; LBPポリペプチドを準備し; 結合性分子を準備し; 該薬剤、該LBP及び該結合性分子を合わせ;そして 該LBPポリペプチドと該結合性分子とを含む複合体の形成を検出する(該薬 剤の不在時と比較しての該薬剤の存在下での該複合体の形成における変化は、該 薬剤が該LBPポリペプチドの該結合性分子への結合を変化させることを示す) 。 62.前記のLBPポリペプチドを、LBP−1、LBP−2及びLBP−3ポ リペプチドよりなる群から選択する、請求項61に記載の方法。 63.前記のLBPポリペプチドの前記の結合性分子への結合を変化させること が、その結合を阻害することである、請求項61に記載の方法。 64.前記のLBPポリペプチドの前記の結合性分子への結合を変化させること が、その結合を促進することである、請求項61に記載の方法。 65.前記の結合性分子を、ネイティブなLDL及び改変したLDLよりなる群 から選択する、請求項61に記載の方法。 66.前記の結合性分子が、動脈細胞外マトリクス構造成分である、請求項61 に記載の方法。 67.請求項61において同定された薬剤。 68.LBPポリペプチドに結合する能力について薬剤を評価する方法であって 、下記を含む当該方法: 一の薬剤を準備し; LBPポリペプチドを準備し; 該薬剤を該LBPポリペプチドと接触させ;そして 該薬剤の該LBPポリペプチドに結合する能力を評価する。 69.前記のLBPポリペプチドを、LBP−1、LBP−2及びLBP−3ポ リペプチドよりなる群から選択する、請求項68に記載の方法。 70.請求項68において同定された薬剤。 71.LBP調節配列をコードする核酸に結合する能力について薬剤を評価する 方法であって、下記を含む当該方法: 一の薬剤を準備し; LBP調節配列をコードする核酸を準備し; 該薬剤を該核酸と接触させ;そして 該薬剤の該核酸に結合する能力を評価する。 72.前記のLBP調節配列を、LBP−1、LBP−2及びLBP−3よりな る群から選択する、請求項71に記載の方法。 73.請求項71において同定された薬剤。 74.下記を含む、動物におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法: アテローム性動脈硬化症の治療の必要な動物を準備し; LBP構造又は代謝の面を変えることのできる薬剤を準備し; 該薬剤を該動物に治療上有効な量で、該アテローム性動脈硬化症の治療を生じ るように投与する。 75.前記の薬剤がLBPポリペプチドである、請求項74に記載の方法。 76.前記のLBPポリペプチドがLBP−1、LBP−2若しくはLBP−3 ポリペプチド又は生物学的に活性なその断片又はアナログである、請求項75に 記載の方法。 77.前記の薬剤を、SEQ ID NO:1〜8及び9に示したアミノ酸配列を含むポリ ペプチドよりなる群から選択する、請求項76に記載の方法。 78.前記の薬剤を、SEQ ID NO:7に描いたヒトLBP−2のアミノ酸残基8〜 22(SEQ ID NO:19)、8〜33(SEQ ID NO:20)、23〜33(SEQ ID NO:2 1)又は208〜217(SEQ ID NO:22);SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:6に描 いたウサギ又はヒトのLBP−1のアミノ酸残基14〜43(SEQ ID NO:23)又 は38〜43(SEQ ID NO:24);SEQ ID NO:2に描いたアミノ酸残基105〜1 20(SEQ ID NO:25)、105〜132(SEQ ID NO:26)、121 〜132(SEQ ID NO:27)又は211〜220(SEQ ID NO:28);SEQ ID NO:5 に描いたウサギLBP−3のアミノ酸残基96〜110(SEQ ID NO:29);及 びSEQ ID NO:8に示したアミノ酸残基53〜59(SEQ ID NO:41)を含むポリペ プチドよりなる群から選択する、請求項76に記載の方法。 79.前記の薬剤が、約50アミノ酸残基長以下である、請求項74に記載の方 法。 80.前記の薬剤が、少なくとも約20%の酸性アミノ酸残基を含むアミノ酸配 列を有するポリペプチドである、請求項74に記載の方法。 81.前記の薬剤を、酸性アミノ酸のホモポリマー又はそのアナログ並びに一種 以上の酸性アミノ酸及び一種以上の他のアミノ酸のヘテロポリマー又はあそのア ナログよりなる群から選択する、請求項74に記載の方法。 82.前記の薬剤を、ポリ(glu)、ポリ(asp)及びポリ(glu asp)よ りなる群から選択する、請求項74に記載の方法。 83.前記の薬剤を、ポリ(glu N)、ポリ(asp N)及びポリ(glu asp N)よりなる群から選択する、請求項74に記載の方法。 84.前記の薬剤が、約10アミノ酸残基長以下のポリ(glu)である、請求項 74に記載の方法。 85.前記の薬剤が、LBP核酸又は生物学的に活性なその断片若しくはアナロ グである、請求項74に記載の方法。 86.前記のLBP核酸が、LBP−1、LBP−2若しくはLBP−3ポリペ プチド又は生物学的に活性なその断片又はアナログをコードする核酸を含む、請 求項85に記載の方法。 87.前記の薬剤を、SEQ ID NO:10〜17及び18に示したヌクレオチド配列 を含む核酸よりなる群から選択する、請求項86に記載の方法。 88.前記の薬剤がアンチセンス核酸又はそのアナログである、請求項74に記 載の方法。 89.下記を含む、アテローム性動脈硬化症の危険にある動物の治療方法: アテローム性動脈硬化症の危険にある動物を準備し; LBP構造又は代謝の面を変えることのできる薬剤を準備し;そして 該薬剤を該動物に治療上有効な量で、該動物の治療が生じるように投与する。 90.LBPの構造又は代謝に異常を有する細胞の治療方法であって、下記を含 む当該方法: LBPの構造又は代謝に異常を有する細胞を準備し; LBP構造又は代謝の面を変えることのできる薬剤を準備し;そして 該薬剤を該細胞に治療上有効な量で、該細胞の治療が生じるように投与する。 91.前記のLBPを、LBP−1、LBP−2及びLBP−3よりなる群から 選択する、請求項90に記載の方法。 92.前記の細胞を、細胞培養又は組織培養から得る、請求項90に記載の方法 。 93.前記の細胞を、胎児繊維芽細胞から得る、請求項90に記載の方法。 94.前記の細胞が、動物の一部である、請求項90に記載の方法。 95.前記の動物が、非ヒトトランスジェニック動物である、請求項94に記載 の方法。 96.動物におけるアテローム性動脈硬化症を治療するための医薬組成物であっ て、下記を含む当該医薬組成物: 治療上有効な量の薬剤(該薬剤は、該アテローム性動脈硬化症の治療を生じるよ うに該動物におけるLBP代謝又は構造の面を変えることができる);及び 製薬上許容し得るキャリアー。 97.前記の薬剤が、LBPポリペプチド若しくは核酸であり、又は生物学的に 活性なその断片若しくはアナログである、請求項96に記載の医薬組成物。 98.前記の薬剤が、約50アミノ酸残基長以下のポリペプチドである、請求項 96に記載の医薬組成物。 99.前記の薬剤が、少なくとも約20%の酸性アミノ酸残基を含むアミノ酸配 列を有するポリペプチドである、請求項96に記載の医薬組成物。 100.下記を含む、動物におけるアテローム性動脈硬化症を治療するためのワ クチン組成物:治療上有効な量の薬剤(該薬剤は、該アテローム性動脈硬化症の 治療を生じるように、該動物におけるLBP代謝又は構造の面を変えることがで きる);及び 製薬上許容し得るキャリアー。 101.動物におけるアテローム性動脈硬化症病変の診断方法であって、下記を 含む当該方法: アテローム性動脈硬化症病変中に存在するLBPに結合することのできる標識 した薬剤を準備し; 該標識した薬剤を該動物に、標識されたLBPが生じるように、該標識した薬 剤が該LBPと相互作用する条件下で投与し;そして 該標識されたLBPの位置決定及び定量を、該動物中のアテローム性動脈硬化 症病変の存在を診断するようにイメージングにより行う。 102.前記のLBPを、LBP−1、LBP−2及びLBP−3よりなる群か ら選択する、請求項101に記載の方法。 103.前記のイメージングを、磁気共鳴イメージング、ガンマーカメライメー ジング、単一光子放出コンピュータートモグラフィー(SPECT)イメージング 及びポジトロン放出トモグラフィー(PET)よりなる群から選択する、請求項1 01に記載の方法。 104.LBP又はその断片若しくはアナログに対して動物を免疫化する方法: LDLを有する動物を準備し; LBP又はその断片若しくはアナログを準備し; 該LBP又はその断片若しくはアナログを該動物に、該動物による該LBP又 はその断片若しくはアナログに対する抗体産生を刺激するように、該LBPの該 LDLへの結合が変化するように投与する。 105.前記のLBPの前記のLDLへの結合が減少する、請求項104に記載 の方法。 106.改変したLDL及びネイティブなLDLに結合する能力を有するLBP ポリペプチドの断片又はアナログの作製方法であって、下記を含む当該方法: LBPポリペプチドを準備し; 該LBPポリペプチドの配列を変化させ;そして 該変化させたLBPポリペプチドを、改変したLDL及びネイティブなLDL に結合する能力について試験する。 107.前記のLBPを、LBP−1、LBP−2及びLBP−3よりなる群か ら選択する、請求項106に記載の方法。 108.前記の変化させたLBPポリペプチドを、アンタゴニスト、アゴニスト 及びスーパーアゴニストよりなる群から選択する、請求項106に記載の方法。 109.下記を含む、LBPをコードするcDNAを単離する方法: cDNAライブラリーを準備し; 該cDNAライブラリーをネイティブなLDL及び改変したLDLに結合する ポリペプチドをコードするcDNAについてスクリーニングし;そして 該ポリペプチドをコードする該LBPをコードするcDNAを単離する。
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