JP2001505623A - セルロース物質を基剤とする液晶溶液の水性凝固剤 - Google Patents

セルロース物質を基剤とする液晶溶液の水性凝固剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、セルロース物質を基剤とする液晶溶液の凝固剤であって、アンモニア、アミン又はこれらの化合物の塩からなる群から選択された1種以上の水溶性添加剤を含み、その添加剤が前記凝固剤のpHが6より大きくなるようような添加剤であることを特徴とする凝固剤に関する。好ましい添加剤は、アンモニウムホルメート、アセテート及びホスフェート、これらの化合物の混合塩、又はこれらの成分の混合物からなる群から選択された塩であり、特にジアンモニウムオルトホスフェート(NH4)2HPO4である。本発明はまた、本発明によるような凝固剤を用いてセルロース物質を基剤とする液晶溶液を紡糸する方法、特に“ドライ−ジェット−ウェット紡糸”と呼ばれる方法、並びにこれらの方法により得られる紡糸製品、繊維又はフィルムに関する。本発明は更に、靱性が40cN/texより高く、初期弾性率が1200cN/texより高く、かつ疲れ強さの高いセルロース繊維に関する。3.5%の圧縮率及び0.25cN/texの引張応力におけるいわゆる“試験片テスト”の350疲労サイクル後の切断荷重の低下ΔFは30%末満である。

Description

【発明の詳細な説明】 セルロース物質を基剤とする液晶溶液の水性凝固剤 本発明は、セルロース物質、すなわちセルロース又はセルロース誘導体、その ようなセルロース物質を基剤とする液晶溶液、特に凝固後に繊維又はフィルムの ような紡糸製品を製造しうる可紡性溶液、これらの紡糸製品自体、及びそのよう な紡糸製品を得る方法に関する。 本発明は特に、セルロース物質を基剤とする液晶溶液を凝固させるのに適する 水性凝固剤、特に紡糸方法においてそのような溶液を凝固させるためのそのよう な凝固剤の使用、及び予期せぬ機械的性質の組み合わせを有する新規セルロース 繊維に関する。 特に、アラミド繊維に関する特許US-A-3767756,及び芳香族ポリエステル繊維 に関する特許US-A-4746694に示されるように、紡糸により高い又は非常に高い機 械的性質を有する繊維を得るためには液晶溶液の製造が必要不可欠であることは 長い間公知である。セルロースの液晶溶液の紡糸はまた、例えば、セルロース及 び1種以上の燐酸を基剤とする液晶溶液に関する国際特許願PCT/CH85/00065及び PCT/CH95/00206に記載されているように、特にいわゆる“ドライ−ジェット−ウ ェット紡糸”法により機械的性質の高い繊維を得ることが可能になる。 WO85/05115として広告され、EP-B-179822及びUS-A-4839113に対応する特許願P CT/CH85/00065には、セルロースを蟻酸及び燐酸と反応させることによりセルロ ースホルメートを基剤とする紡糸溶液を得ることが記載されている。これらの溶 液は液晶状態である。これらの書類にはまた、セルロースホルメート繊維、並び にこれらのホルメート繊維から再生したセルロース繊維を得るのに、いわゆる“ ドライ-ジェット-ウェット紡糸”技術を使用してこれらの溶液を紡糸することが 記載されている。 WO96/09356として広告された特許願PCT/CH95/00206には、液晶溶液を得るのに 蟻酸なしにセルロースを直接溶媒に溶解させる方法が記載されている。この溶媒 は85重量%以上の1種以上の燐酸を含む。この溶液を紡糸した後に得ら れる繊維は非再生セルロースの繊維である。 レーヨン又はビスコース繊維のような従来のセルロース繊維、又はナイロン又 はポリエステル繊維のようなその他の従来の非セルロース繊維(すべて光学的に 等方性の液体から紡糸されたものである)と比較して、これらの2つの特許願WO 85/05115及びWO96/09356に記載されているセルロース繊維は、それらが得られる 紡糸溶液の液晶性のために、ずっと秩序のある配向した構造を特徴とする。それ らは、伸びにおける機械的特性が非常に高く、特に80乃至120cN/tex程度又 はそれ以上の靱性、及び2500乃至3000cN/tex以上も可能である初期弾性 率を有する。 しかしながら、非常に機械的性質が高いこれらの繊維を得る前述の2つの特許 願に記載されている方法はすべて同一の欠点を有する。すなわち、凝固工程がア セトン中で実施される。 今日では、アセトンは比較的高価な揮発性製品であり、更に特定な安全処置を 必要とする爆発の危険を有する製品である。更にそのような欠点はアセトンに特 有であるばかりでなく、それどころか特に凝固剤として紡糸業界で使用される多 くの有機溶媒には一般的である。 それ故、特に前述のような非常に高い機械的性質はある種の機械的用途におい ては過剰である場合もあるので、得られる繊維の機械的性質の低下を犠牲にして も、工業的見地から更に有利であり使用が容易である凝固剤に変えることにより 、アセトンを使用することに変わる方法を見いだすことが望ましかった。 前述の2つの特許願WO85/05115及びWO96/09356に記載されている液晶溶液を凝 固させるのにアセトンを水に変えることは技術的には可能であるけれども、アセ トンの代わりに水を使用すると紡糸が困難になり、前述のセルロース繊維と比較 して非常に靱性の低いセルロース繊維となることが経験で示されている。この靱 性は30乃至35cN/texを越えることはほとんどなく、形成された繊維を、例え ば特に高い引張応力下においた場合でも多くても35乃至40cN/texにしか達し ない。この場合には更に得られる製品の品質が損なわれる。そのような30乃至 40cN/texの値はいずれにしても、非液晶紡糸溶液、すなわち光学的に等方性で ある溶液から得られるレーヨンタイプの従来の繊維の公知の靱性の値(40 乃至50cN/tex)より低い。 したがって、セルロース物質を基剤とする液晶溶液の紡糸に関して、水は、例 えばゴム製品又はタイヤの強化のような工業的な用途に満足な機械的性質を有す る繊維、特に従来のレーヨン繊維の靱性と少なくとも等しい靱性の繊維を製造で きない凝固剤であることが分かった。 本発明の第一の目的は、工業的な見地からアセトンより有利であり、水単独よ り有効な新規の水を基剤とする凝固剤を提供することである。それは、その靱性 及び弾性率が、水単独で凝固させた繊維と比較して実質的に改良されている繊維 を製造することが可能である。 セルロース物質を基剤とする液晶溶液を凝固させうる本発明による水性凝固剤 は、アンモニア、アミン又はこれらの化合物の塩からなる群から選択された1種 以上の水溶性添加剤を含み、前記添加剤は前記凝固剤のpHが6より大きくなるよ うな添加剤であることを特徴とする。 本発明はまた、本発明による凝固剤を用いて実施される、紡糸製品を得るため の、セルロース物質を基剤とする液晶溶液の紡糸方法、及びそのような方法によ り得られる紡糸製品にも関する。 本発明の別の目的は、本発明の方法により得られる新規セルロース繊維を提供 することである。この新規繊維は、従来のレーヨン繊維と比較して、たとえそれ より大きくなくても、少なくとも等しい靱性、及び匹敵する疲れ強さを、有意に 高い初期引張弾性率と組み合わせて有する。 本発明のセルロース繊維は以下の特性を有する。 − 靱性Tは、40cN/texより大きく、 − 初期引張弾性率Imは、1200cN/texより大きく、 − 3.5%の圧縮率及び0.25cN/texの引張応力における、いわゆる“バー テスト”の350疲労サイクル後の切断荷重の低下ΔFは30%末満である 。 本発明は更に以下の製品に関する。 − 例えば、それ自体撚り合わされているケーブル、諸撚糸、マルチフィラメン ト糸のような1種以上の本発明による製品を含む強化アセンブリーで、例え ば、ハイブリッド、複合体のように本発明によらない異なる種類の要素を含 みうる強化アセンブリー、 − 本発明による1種以上の紡糸製品及び/又はアセンブリーにより強化された 製品で、例えばゴム又はプラスチック物質製の製品、例えばプライ、ベルト 、チューブ又はタイヤ、特にタイヤカーカス強化材。 本発明及びその利点は、以下の記載及び非限定実施例を考慮すれば容易に理解 されよう。I.使用した測定及び試験 I−1.置換度 セルロース誘導体、例えばセルロースホルメートから再生された繊維の置換度 (DS)は、以下に示すようにして公知の方法で測定する。約400mgの繊維を2 乃至3cmの長さに切断し、正確に秤量して50mlの水を含む100mlの三角フラ スコに入れる。1mlの規定苛性ソーダ溶液(1N NaOH)を添加する。混合物を 周囲温度で15分間混合する。このようにして、連続した繊維上の再生処理に抵 抗した最後の置換基がヒドロキシル基に変換されることによりセルロースは完全 に再生される。過剰の水酸化ナトリウムを塩酸のデシ規定溶液(0.1N HCl) で滴定し、それから置換度を推定する。I−2.溶液の光学的性質 溶液の光学的等方性又は異方性は、試験溶液の液滴を光学的偏光顕微鏡の直線 状の直交偏光子及び検光子間に置き、周囲温度において静止状態で、すなわち動 的応力の不在下でこの溶液を観察することにより決定する。 公知のように、液晶溶液とも呼ばれる光学的異方性溶液は、光を偏光解消する 、すなわち直線状の直交偏光子及び検光子間に置かれたときに光を透過する溶液 である(有色テキスチャー)。光学的等方性溶液、すなわち液晶溶液ではない溶液 は、同一観察条件下で前述の偏光解消の性質を有しない、顕微鏡の視域が黒いま まである溶液である。I−3.繊維の機械的性質 “繊維”という用語は、本明細書においては公知のように多数の直径の小さい (低線密度)素フィラメントを含むマルチフィラメント繊維(“紡績糸”とも呼 ばれる)を言及すると理解される。以下の機械的性質はすべて、予備状態調節を 受けた繊維について測定する。“予備状態調節”という用語は、測定前に、欧州 標準DIN EN20139(20±2℃の温度;65±2%の湿分)による標準雰囲気中 に24時間以上繊維を貯蔵することを言及すると理解される。セルロース物質の繊 維について、そのような予備状態調節を実施すると、その湿水が乾燥繊維の15 重量%未満の平衡量で安定化する。 繊維の線密度は、各々が50mの長さの3個以上の試料についてこの長さの繊 維を秤量することにより測定する。線密度はtex(長さ1000mの繊維のg単 位の重量)の単位で得られる。 伸びに関する機械的性質(靱性、初期弾性率及び破断点伸び)は、Zwick GmbH &Co(独国)1435-タイプ又は1445-タイプ引張試験機を用いて公知のように測定 する。低い予備保護撚り(約6°の螺旋角度)を受けた後、繊維は200mm/分 の呼称速度、又は破断点伸びが5%以下の場合は50mml分の速度で400mmの 初期長さ以上に張力を受ける。すべての結果は10回の測定の平均である。 靱性T(切断荷重を線密度で割る)及び初期引張弾性率Imは、cN/texの単位で 示される。初期弾性率Imは、0.5cN/texの標準予備引張直後に起こる、力−伸 び曲線の直線部分の勾配として定義される。Ebで示される破断点伸びは、%とし て示される。I−4.“バーテスト”に対する抵抗 “バーテスト”と呼ばれる簡単な試験は、繊維の疲れ強さを決定するのに使用 される。 この試験では、予備状態調節を受けた短い長さの繊維(600mm以上の長さ) を使用する。試験は周囲温度(約20℃)で実施する。その自由端の一方に固定 された一定重量で0.25cN/texの張力を受けると、この長さは磨かれた鋼のバ ーより長くなり、約90℃の曲率で後者から曲がる。繊維のもう一方の端部が固 定されている機械的装置は、所与の頻度(100回/分)及び大きさ(30mm)の交 互の直線状の動きで、磨かれた鋼のバー上で繊維を繰り返し滑らせる。繊維の軸 を含む垂直平面は、常に実質的にそれ自体が水平であるバーを含む垂直平面 に対して直角をなしている。 バーの直径は、バーの周りの繊維のフィラメントの通過時に3.5%の圧縮を 引き起こすように選択される。例として、フィラメントの平均直径が13μm( 又は1.52のセルロース密度で、フィラメントの平均線密度が0.20tex)の 繊維には直径360μmのバーが使用される。 試験は350サイクル後に停止し、ΔFとして示される疲労後の切断荷重の低 下を下式にしたがって決定する。 ΔF=100[F0−F1]/F0 (式中、F0は疲労前の切断荷重であり、F1は疲労後の切断荷重である。)II.本発明の実施条件 はじめに、セルロース物質を基剤とする液晶溶液の調製条件を記載し(II− 1)、次いで繊維を得るためのこれらの溶液の紡糸条件を記載する(II−2)。II−1.溶液の調製 液晶溶液は、例えば、前述の特許願WO85/05115及びWO96/09356に示されるよう にして、セルロース物質を“紡糸溶媒”と呼ばれる適する溶媒又は溶媒混合物に 溶解させることにより調製する。 “溶液”とは、本明細書においては、公知のように裸眼では固体粒子が見えな い均質液体組成物を意味すると理解される。“液晶溶液”は、周囲温度(約20 ℃)において静止状態、すなわち動的応力の不在下で光学的に異方性である溶液 を意味すると理解される。 好ましくは、本発明の凝固剤は1種以上の酸を含む液晶溶液を凝固させるのに 使用される。この酸は、好ましくは蟻酸、酢酸、燐酸又はこれらの酸の混合物か らなる群に属する。 本発明の凝固剤は、以下のものを凝固させるのに有利に使用される。 − 1種以上の燐酸を基剤とするセルロース誘導体の液晶溶液であって、特にセ ルロースエステルの溶液、特に、例えば前述の特許願WO85/05115に記載され ているような、セルロース、蟻酸及び燐酸(又は燐酸を基剤とする液体)を混 合することにより製造されるセルロースホルメート溶液であり、蟻酸がエス テル化酸であり、燐酸がセルロースホルメートの溶媒である溶液、 − 例えば前述の特許願WO96/09356に記載されているような、セルロースを誘導 することなしに、以下の平均式: [n(P2O5),p(H2O)], 0.33<(n/p)<1.0 にしたがう燐酸1種以上を85重量%以上含む適する溶媒に直接溶解させる ことにより調製される、1種以上の燐酸を基剤とするセルロースの液晶溶液 。 出発セルロースは種々の公知の形状でよく、特に、例えば未加工状態のセルロ ースプレートを粉末にすることにより調製された粉末状でもよい。好ましくは、 その初期水含量は10重量%未満であり、DP(重合度)は500乃至1000で ある。 溶液を得るための適する手段は当業者には公知である。溶液が得られるまで、 好ましくは制御された速度でセルロース及び酸を正確に混練及び混合しなければ ならない。混合は、例えば、Z-字型のアームを含むミキサー又は連続スクリュ ーを具備するミキサー中で実施しうる。これらの混合手段は、好ましくは真空下 で排気するための装置及び、例えば溶解作業を促進するため又は形成中の溶液の 温度を制御するための、ミキサー及びその内容物の温度を調節しうる加熱及び冷 却装置を具備する。 例として、セルロースホルメート溶液については、以下の作業方法を使用しう る。オルト燐酸(99%結晶質)及び蟻酸の適する混合物を、Z-字型のアーム 及び押出スクリューを含む二重ケーシングミキサーに導入する。次いで粉末セル ロースを添加する(その水含量は周囲空気の湿度と平衡している)。バッチ全体を 例えば約1乃至2時間混合する。混合物の温度は溶液が得られるまで10乃至2 0℃に保持される。特許願WO96/09356による溶液については、蟻酸を、例えばポ リ燐酸に変えることにより同様にして実施しうる。 このようにして得られた溶液は紡糸する用意ができているので、溶液を紡糸す るためには、例えば脱泡又は濾過工程のような通常の作業以外の予備的な変換を することなしに、例えばミキサーの出口に位置する押出スクリューにより直接紡 糸機に移しうる。II−2.溶液の紡糸 混合及び溶解手段から、溶液を公知のようにビスコースポンプに供給する紡糸 ブロックに移す。このビスコースポンプから、溶液は1個以上の、フィルターの 先にある紡糸口金を通して押し出される。その紡糸口金への搬送中に、溶液を徐 々に所望の紡糸温度にする。 各紡糸口金は種々の数の押出細管を含みうる。例えばフィルムを紡糸するため の単一のスロット形状の細管、又は繊維の場合には、例えば円筒状(例えば、直 径50乃至80μm)の数百の細管を含みうる。以下では、マルチフィラメント 繊維の紡糸の一般的な場合について論じよう。 したがって紡糸口金を離れたときに、種々の数の素液体管から形成された溶液 の液体押出物が得られる。好ましくは、溶液は、紡糸口金及び凝固手段間に非凝 固流体層、一般的には空気(“エアギャップ”)を用いた“ドライ−ジェット− ウェット紡糸”技術を用いて紡糸される。各素液体管は凝固帯に入る前にこのエ アギャップ中で、一般的には2乃至10倍(紡糸−延伸倍率)に延伸される。エ アギャップの厚さは、特定の紡糸条件に従って、例えば10乃至100mmのよう に大きく変化しうる。 前述の非凝固層を通過した後、延伸された液体管は凝固デバイスに入り、そこ で凝固剤と接触する。後者の作用下で、セルロース物質(セルロース又はセルロ ース誘導体)の沈殿により繊維を形成する固体フィラメントに変換される。使用 される凝固デバイスは公知のデバイスであり、例えば、凝固剤を含み、形成され た繊維が循環する槽、管及び/又はブースからなる。好ましくは、紡糸口金の直 下に位置する凝固槽を非凝固層からの出口で使用する。この槽は一般的には、そ の底部で“紡糸管”と呼ばれる垂直円筒状の管となり、そこでは凝固された繊維 が通過し、凝固剤が循環する。 “凝固剤”は、公知のように溶液を凝固させうる薬剤、すなわち溶液中でポリ マーを迅速に沈殿させうる、換言すれば迅速に溶媒と分離させうる薬剤を意味す ると理解される。凝固剤は、ポリマーの非溶媒であって、ポリマーの溶媒の良溶 媒でなければならない。 本発明によれば、使用する凝固剤は、アンモニア、アミン又はこれらの化合物 の塩からなる群から選択された1種以上の水溶性添加剤であって、凝固剤のpHが 6より大きくなるような添加剤を含む水性凝固剤である。 前述の定義に合う添加剤には、例えば、アンモニア(アンモニア水)、エタノー ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジ エチレントリアミン、トリエチルアミン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール 、モルホリン及びピペラジンのような脂肪族又は複素環式アミンがあり、好まし いアミンは1乃至5個の炭素原子を含む第一又は第二アミンである。 好ましくは、有機又は無機アンモニウム塩、更に好ましくは、アンモニウムの ホルメート、アセテート及びホスフェート、これらの化合物の混合塩又はこれら の成分の混合物からなる群から選択された塩を添加剤として使用する。このアンモニウム 塩は、特に液晶溶液中に存在する酸の塩、例えば、(NH4)2HPO4、(NH4)3HPO4、NaN H4HPO4、CH3COONH4又はHCOONH4である。 適当ではない(凝固剤のpHが6以下になる)アンモニウム塩には、特に、(NH4 )2SO4、(NH4)HSO4、(NH4)H2PO4及びNH4NO3がある。 本発明の凝固剤は、好ましくは、前述の特許願WO85/05115及びWO96/09356に記 載されているような燐酸1種以上に溶解させたセルロース又はセルロースホルメ ートを基剤とする液晶溶液に使用される。この場合には、ジアンモニウムオルト ホスフェート(NH4)2HPO4が特に有利に使用される。 凝固剤の添加剤濃度(Caと呼ばれる)は、本発明の特定な実施条件に従って、 例えば2乃至25%(凝固剤の総重量に対する%)、又はそれ以上に大きく変化し うる。 凝固剤の温度(以下ではTcと呼ばれる)に関して、低温、特に0℃に近い温度 ではフィラメントの形成中にフィラメントがくっつき合うこと(“結びついたフ ィラメント(married Filament)”)があることが観察された。このことは紡糸作 業を狂わせ、一般的には得られる糸の品質を損なう。したがって、好ましくは、 本発明の凝固剤は10℃より高いTc、更に好ましくは周囲温度(20℃)に近い かそれ以上のTcで使用される。例えばイソプロパノール、又はホスフェートを基 剤とする石鹸のような界面活性剤を添加すると、前述の困難を除去する、又は少 なくとも軽減する別の解決策となりうることが見いだされた。 本発明の方法によれば、凝固剤中の溶液により供給される紡糸溶媒の量は、好 ましくは10%未満、更に好ましくは5%未満(凝固剤の総重量に対する%)で あるが、いずれの場合も本発明にしたがって前記凝固剤のpHが6より大きくなる ように制御される。 槽への入り口から紡糸管への入り口まで測定された、フィラメントが凝固槽中 における形成中に通過する凝固剤の総深さは、例えば数mm乃至数cmのように幅広 く変化しうる。しかし、凝固剤の深さが不十分であるとまた、“結びついたフィ ラメント”が形成されうることが注目された。したがって、好ましくは、凝固剤 の深さは20mmより大きいように選択される。 当業者は、以下の記載及び実施態様の実施例を考慮して、凝固される液晶溶液 の特性にしたがって最も適する凝固剤を定義し、本発明の特定の実施条件に凝固 剤の添加濃度、温度及び深さのようなパラメータを適用させるであろう。 好ましくは、本発明による凝固剤は、前述のようないわゆる“ドライ−ジェッ ト−ウェット紡糸”法で使用されるが、例えば、いわゆる“湿式紡糸”法、すな わち紡糸口金が凝固剤中に浸漬されている紡糸法のようなその他の紡糸法でも使 用されうる。 凝固手段を離れるときに、繊維は、例えば電動式シリンダーのような駆動デバ イスに巻き取られ、公知のように好ましくは水を用いて、例えば槽又はブース中 で洗浄される。洗浄後、繊維は、例えば好ましくは200℃未満の温度に保持さ れている加熱ロール上を連続的に通過させるような適する手段により乾燥される 。 セルロース誘導体繊維の場合には、セルロースを再生して、洗浄及び乾燥後に 再生セルロース繊維となるように、洗浄されているが、乾燥されていない繊維を 、例えば水酸化ナトリウム水溶液のような再生槽により直接処理しうる。III.実施態様の実施例 本発明による又はよらない以下の実施例は、液晶セルロース又はセルロースホ ルメート溶液を紡糸することにより繊維を製造する実施例である。これらの公知 の溶液は、前述のセクションIIの記載にしたがって調製する。 すべてのこれらの実施例においては、特に指示がなければ、溶液又は凝固剤の 組成の百分率は、それぞれ溶液又は凝固剤の総重量に対する百分率である。示さ れたpH値は、pHメータで測定された値である。試験1 この第一の試験においては、セルロースホルメートの液晶溶液を、22%の粉 末セルロース(初期DP600)、61%のオルト燐酸(99%結晶質)及び17% の蟻酸から調製する。溶解(1時間の混合)後、セルロースのDS(置換度)は 33%で、DP(公知のように測定した重合度)は約480である。 次いで溶液を、特に指示がなければ、前述のII−2に記載した一般的な条件 下で、250の孔(直径65μmの細管)から構成される紡糸口金から約50℃ の紡糸温度で紡糸する。このようにして形成された液体管は、25mmのエアギャ ップ中で延伸され(紡糸−延伸倍率は6に等しい)、次いで界面活性剤を用いずに 、本発明による又はよらない種々の凝固剤(深さ:30mm)と接触させて凝固さ せる。このようにして形成されたセルロースホルメートは水中(15℃)で洗浄さ れ、次いで150m/分の速度で連続的に再生ラインに送られ、周囲温度におい て水酸化ナトリウム水溶液中(水酸化ナトリウム濃度:30重量%)ですぐに再 生され、水(15℃)で洗浄されて、最後に加熱シリンダー(180℃)上を通 過させることにより乾燥させてその湿分を15%未満に調節する。 このようにして得られた再生セルロース繊維(DS2%未満)は、250本のフ ィラメントの線密度が47tex(すなわちフィラメント1本あたり約0.19tex )で、以下の機械的性質を有する。 − 実施例1A:水のみからなる、本発明によらない凝固剤を20℃のTcで使用し た。 T = 34cN/tex Im = 1430cN/tex Eb = 5.1% − 実施例1B:10%のNa(NH4)HPO4を含む水溶液からなる(pH=8.1)、 本発明による凝固剤を20℃のTcで使用した。 T = 41cN/tex Im = 1935cN/tex Eb = 4.7% 対照(実施例1A)と比較して、20%以上の靱性の増大及び35%の初 期弾性率の増大は注目される。 − 実施例1C:水及び20%の(NH4)2HPO4、からなる(pH=8.1)、本発明によ る凝固剤を20℃のTcで使用した。 T = 49cN/tex Im = 1960cN/tex Eb = 6.4% 水のみで凝固させた対照と比較して、本発明にしたがって凝固させた繊維 の靱性は44%、その初期弾性率は37%増大していることは注目される 。 − 実施例1D:実施例1Aと同一の凝固剤を0℃に近い(+1℃)Tcで使用した。 T = 39cN/tex Im = 1650cN/tex Eb = 5.0% − 実施例1E:実施例1Cと同一の凝固剤を0℃のTcで使用した。 T = 52cN/tex Im = 1975cN/tex Eb = 4.7% ここで得られた靱性は、本発明によらない対照(実施例1D)より30%改 良されて50cN/texより大きく、弾性率は20%増大している。したがっ て、この試験において、凝固剤が本発明によるか否かにかかわらず、Tcを 0℃に近い温度に低下させることにより靱性及び弾性率が改良されうると いうことは注目される。しかし、そのような温度では粘着フィラメント( “結びついたフィラメント”)の形成が観察された。試験2 この第二の試験においては、液晶溶液を、セルロース(22%)、オルト燐酸( 66%)及び蟻酸(12%)から調製する。溶解後、セルロースのDSは29%で 、DPは約490である。次いで溶液を、特に指示がなければ、すべての実施例に おいて同一の添加剤を有する本発明による凝固剤:(NH4)2HPO4の水溶液を、種々 の添加剤濃度Ca及び温度Tcで用い、試験1に示したようにして紡糸する。 このようにして得られた再生セルロース繊維(DS0乃至1%)は、250本の フィラメントの線密度が47texで、以下の機械的性質を有する。 − 実施例2A:Ca=2.4%;pH=8.0;Tc=10℃ T = 48cN/tex Im = 1820cN/tex Eb = 5.9% − 実施例2B:Ca=2.4%;pH=8.0;Tc=20℃ T = 44cN/tex Im = 1725cN/tex Eb = 6.6% − 実施例2C:Ca=5%;pH=8.0;Tc=10℃ T = 46cN/tex Im = 1870cN/tex Eb = 5.2% − 実施例2D:Ca=12%;pH=8.1;Tc=0℃ T = 49cN/tex Im = 2135cN/tex Eb = 4.5% − 実施例2E:Ca=12%;pH=8.1;Tc=20℃ T = 44cN/tex Im = 1765cN/tex Eb = 6.5% − 実施例2F:Ca=20%;pH=8.2;Tc1℃ T = 62cN/tex Im = 2215cN/tex Eb = 5.6% − 実施例2G:Ca=20%;pH=8.2;Tc=30℃ T = 47cN/tex Im = 1770cN/tex Eb = 7.3% この試験においては、単に凝固剤の温度Tc及び/又は添加剤濃度Caを変化させ ることにより、同一の添加剤から、繊維の靱性が44cN/texから62cN/texに、 その初期弾性率が1725cN/texから2215cN/texに変化しうることが注目さ れた。 試験3 この第三の試験においては、液晶溶液を、セルロース(24%)、オルト燐酸( 70%)及び蟻酸(6%)から調製する。溶解後、セルロースのDSは20%で 、DPは約480である。次いで溶液を、特に指示がなければ、種々の凝固剤(す べて本発明による)、組成、添加剤濃度Ca又は温度Tcを用い、試験1に示したよ うにして紡糸する。 このようにして得られた再生セルロース繊維(DS0乃至1.5%)は、250 本のフィラメントの線密度が45tex(すなわちフィラメント1本あたり平均約 0.18tex)で、以下の機械的性質を有する。 − 実施例3A:10%のエタノールアミン(NH2CH2CH2OH);pH=12.1;Tc= 20℃ T = 43cN/tex Im = 1855cN/tex Eb = 4.8% − 実施例3B:5%のHCOO(NH4);pH=6.5;Tc=20℃ T = 41cN/tex Im = 1805cN/tex Eb = 5.7% − 実施例3C:20%のHCOO(NH4);pH=7;Tc=20℃ T = 56cN/tex Im = 2250cN/tex Eb = 4.8% − 実施例3D:10%のHCOO(NH4)+10%の(NH4)2HPO4;pH=7.8;Tc=2 0℃ T = 52cN/tex Im = 2135cN/tex Eb = 5.3% − 実施例3E:20%の(NH4)2HPO4;pH=8.2;Tc=30℃ T = 51cN/tex Im = 2035cN/tex Eb = 5.2% 試験4 この試験においては、液晶溶液を、前述のセクションIIの記載及び前述の特許 願WO96/09356にしたがって、18%のセルロース(初期DP540)、65.5%の オルト燐酸及び16.5%のポリ燐酸(85重量%のP2O5を滴定)から調製する 。すなわち、セルロースを、誘導工程を通過せずに直接酸の混合物に溶解させる 。 以下のようにして実施しうる。2種類の酸をあらかじめ混合し、酸の混合物を 0℃に冷却して、あらかじめ−15℃に冷却したZ-字型のアームを有するミキ サーに導入する。次いで、乾燥させた粉末セルロースを添加し、混合物の温度を 15℃以下に保持しながら酸の混合物と混合する。溶解(0.5時間の混合)後 、セルロースのDPは約450である。次いでこの溶液を、特に指示がなければ、 特に再生工程がないという違いで、前述の試験1で示したようにして紡糸する。 紡糸温度は40℃で、乾燥温度は90℃である。 このようにして非再生セルロース繊維は、セルロースの誘導、セルロース誘導 体の溶液の紡糸、及びセルロース誘導体の繊維の再生の連続工程を通過すること なしに、直接セルロース溶液を紡糸することにより得られる。 これらの非再生セルロース繊維は、250本のフィラメントの線密度が47te xで、以下の機械的性質を有する。 − 実施例4A:水のみからなる、本発明によらない凝固剤を20℃のTcで使用し た。 T = 30cN/tex Im = 1560cN/tex Eb = 6.4% − 実施例4B:20%の(NH4)2HPO4;pH=8.2;Tc=20℃ T = 45cN/tex Im = 1895cN/tex Eb = 6.4% ここでは、靱性の50%の増大と初期弾性率の21%の増大が観察される。 したがって、本発明による凝固剤は、再生又は非再生セルロースのセルロース 繊維を得ることが可能であり、その初期弾性率及び靱性は凝固剤として水のみを 用いて得られたそれより有意に大きいことが注目される。 すべての前述の比較例において、靱性及び初期弾性率はともに、単に水中で凝 固させた後に得られるそれと比較して20%以上増大し、場合によっては50% 増大する。初期弾性率は非常に高く、2000cN/texを越えうる。 本発明のセルロース繊維について前述のセクシヨンIに記載したバーテストを 実施し、その性能を従来のレーヨン繊維のそれ及び、前述の4種の試験に用いた それと同一であるが、(前述の特許願WO85/05115及びWO96/09356にしたがって) アセトン中で凝固させた後の液晶溶液を紡糸することにより得られた非常に機械 的性質の高い繊維のそれと比較した。 本発明によるセルロース繊維と同一液晶溶液から得られる、アセトン中で凝固 させた繊維は、切断荷重の低下ΔFが30%より大きく、一般的には35乃至4 5%であるのに対し、本発明によるセルロース繊維は、ΔFが常に30%未満で 、一般的には5乃至25%である。 例として、3.5%の圧縮率におけるバーテストの350疲労サイクル後に、 以下の切断荷重の低下が記録された。 − 実施例3C:ΔF=12% − 実施例3E:ΔF=14% − 実施例4B:ΔF=25% − WO85/05115による繊維(T=90cN/tex;Im=3050cN/tex):ΔF =38% − WO96/09356による繊維(T=95cN/tex;Im=2850cN/tex): ΔF=42% − 従来のレーヨン繊維(T=43−48cN/tex;Im=900−1000 0cN/tex):ΔF=8−12% したがって本発明のセルロース繊維の疲れ強さは、同一のセルロース物質の 液晶溶液から得られるが、公知のようにアセトン中で凝固させた繊維について記 録されたそれより明らかに大きい。更に、本発明の繊維においては、アセトン中 で凝固させた先行技術の繊維と比較してフィブリル化が減少することが観察され た。 これらの本発明の繊維は新しい性質の組み合わせを特徴とする。すなわち、従 来のレーヨン繊維と同等又はそれ以上の靱性、及び同等の疲れ強さと、そのよう なレーヨン繊維のそれより明らかに大きく、2000cN/tex以上にも達しうる初 期弾性率との組み合わせを特徴とする。 この特性の組み合わせは当業者には全く意外である。というのは、非液晶相か ら得られる従来のレーヨン繊維に匹敵する疲れ強さは、これまで液晶相から得ら れる高弾性率のセルロース繊維には不可能であると考えられていたからである。 好ましくは、本発明による繊維は1以上の以下の関係を満たす。 − T >45cN/tex − Im >1500cN/tex − ΔF <15% 更に好ましくは、1以上の以下の関係を満たす。 − T >50cN/tex − Im >2000cN/tex 本発明によるこの繊維はセルロースホルメートから再生されたセルロース繊維 であるのが有利であり、ホルメート基によるセルロースの置換度は0乃至2%で ある。 もちろん、本発明は前述の実施例に限定されない。 したがって、例えば、本発明の精神を変化させずに、前述の基本成分(セルロ ース、蟻酸、燐酸、凝固剤)に異なる成分を添加しうる。 追加の成分、好ましくは基本成分と化学的に非反応性であるそれは、例えば、 可塑剤、サイズ剤、染料、溶液の製造中にエステル化されうるセルロース以外の ポリマーである。これらはまた、例えば紡糸溶液の可紡性、得られる繊維の使用 特性又はこれらの繊維のゴムマトリックスへの接着性を改良しうる製品でもよい 。 本明細書において使用されている“セルロースホルメート”という用語は、セ ルロースのヒドロキシル基がホルメート基のほかにそれ以外の基、例えばエステ ル基、特にアセテート基で置換されている場合も含む。これらのその他の基によ るセルロースの置換度は、好ましくは10%未満である。 “紡糸”又は“紡糸製品”という用語は、非常に一般的には、特に紡糸口金に よる押出により得られるか、セルロース物質の液晶溶液を注入することにより得 られる繊維及びフィルムの両方に関する用語である。 要するに、本発明の繊維は、その性質の程度及びそれを得る簡単な方法のため に、工業繊維の分野及び紡織繊維の分野の両方において工業的に有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 2/28 D01F 2/28 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ツィーツェック ウラシュティミール スイス ツェーハー8052 チューリッヒ フロービュールシュトラーセ 9

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.セルロース物質を基剤とする液晶溶液の水性凝固剤において、アンモニア、 アミン及びこれらの化合物の塩からなる群から選択された1種以上の水溶性添 加剤を含み、前記添加剤が、前記凝固剤のpHが6より大きくなるような添加剤 であることを特徴とする凝固剤。 2.前記液晶溶液が1種以上の酸を含む請求の範囲1項記載の凝固剤。 3.前記添加剤がこの酸の塩である請求の範囲第2項記載の凝固剤。 4.前記酸が、蟻酸、酢酸、燐酸及びこれらの酸の混合物からなる群から選択さ れる請求の範囲第2項記載の凝固剤。 5.前記塩が、アンモニアのホルメートアセテート及びホスフェート、これらの 化合物の混合塩及びこれらの化合物の混合物からなる群から選択される請求の 範囲第3項又は第4項記載の凝固剤。 6.紡糸溶液が1種以上の燐酸に溶解させたセルロースホルメートを基剤とする 請求の範囲第4項又は第5項記載の凝固剤。 7.紡糸溶液が1種以上の燐酸に直接溶解させたセルロースを基剤とする請求の 範囲第4項又は第5項記載の凝固剤。 8.前記添加剤が、ジアンモニウムオルトホスフェート(NH4)2HPO4である請求の 範囲第6項又は第7項記載の凝固剤。 9.紡糸製品を得るための、セルロース物質を基剤とする液晶溶液を紡糸する方 法において、請求の範囲第1項乃至8項のいずれかに記載の凝固剤を用いて実 施することを特徴とする方法。 10.いわゆる“ドライ−ジェット−ウェット紡糸”法である請求の範囲第9項記 載の紡糸法。 11.前記紡糸製品の形成中に通過する凝固剤の深さが20mmより大きい請求の 範囲第9項又は第10項記載の紡糸法。 12.凝固剤の温度が10℃より高い請求の範囲第9項乃至11項のいずれかに記 載の紡糸法。 13.請求の範囲第9項乃至12項のいずれかに記載の紡糸法により得られる紡糸 製品。 14.− 靱性Tが40cN/texより大きく、 − 初期弾性率Imが1200cN/texより大きく、 − 3.5%の圧縮率及び0.25cN/texの引張応力における、いわゆる“ バーテスト”の350疲労サイクル後の切断荷重の低下ΔFが30%未満 である、 ことを特徴とするセルロース繊維。 15.− T >45cN/tex、 − Im >1500cN/tex、 − ΔF <15%、 の関係の1以上を満たす請求の範囲第14項記載の繊維。 16.− T >50cN/tex、 − Im >2000cN/tex、 の関係の1以上を満たす請求の範囲第15項記載の繊維。 17.セルロースホルメートから再生されたセルロースから製造され、セルロース のホルメート基による置換度が0乃至2%である請求の範囲第14項乃至16 項のいずれかに記載の繊維。 18.請求の範囲第14項乃至第17項のいずれかに記載の1種以上のセルロース 繊維により強化された、特にタイヤである、ゴム又はプラスチック製の製品。
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