JP2001502292A - Pdgfアンタゴニストとしての4−〔2−(n−2−カルボキサミドインドール)アミノエチル〕ベンゼンスルホンアミドまたはスルホニル尿素 - Google Patents

Pdgfアンタゴニストとしての4−〔2−(n−2−カルボキサミドインドール)アミノエチル〕ベンゼンスルホンアミドまたはスルホニル尿素

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Abstract

(57)【要約】 霊長類を含む哺乳類の血管系において内膜過形成を抑制する方法が開示される。該方法は、4−〔2−(N−2−カルボキサミドインドール)アミノエチル〕ベンゼンスルホンアミドまたはスルホニル尿素のような非ペプチド性PDGFアンタゴニストを哺乳類に投与することを含んで成る。この方法は、例えば、血管形成術、動脈内膜切除術、整腹アテローム切除術または血管移植片の吻合に起因する血管損傷による、内膜過形成を減少させるのに有用である。非ペプチド性PDGFアンタゴニストは、所望によりヘパリンと協同して投与することができ、よって非ペプチド性PDGFアンタゴニストとヘパリンの協同投与は内膜過形成を抑制するのに併用すると有効である。

Description

【発明の詳細な説明】 PDGFアンタゴニストとしての4−〔2−(N−2−カルボキサミドインドール) アミノエチル〕ベンゼンスルホンアミドまたはスルホニル尿素 本出願は、1995年6月30日提出の米国仮出願第60/000,743号の優先権を主張す る。発明の背景 血管壁中の平滑筋細胞(SMC)の増殖は、アテローム硬化症によるか、血管 再建後かまたは他の血管損傷に関連した血管病変の形成にかかわる重要な現象で ある。例えば、アテローム硬化症の治療はしばしば、アテローム硬化斑をカテー テル挿入によって圧迫もしくは除去し(血管形成術)、切開によって動脈壁から 取り除き(動脈内膜切除術)、または自然もしくは人工移植片を使ってバイパス 形成するという外科的手法である、血管形成術、動脈内膜切除術、整腹アテロー ム切除術またはバイパス移植術による、閉塞血管の清浄化を含む。これらの手法 は、血管内皮を除去し、その下にある内膜層を破壊し、そして内側のSMCを致 死せしめる。この損傷の後に、内側のSMCの増殖と内膜への移動が起こり、そ れに細胞外マトリックスの過剰な沈着が付随する。この病変発生は、特徴的には 外傷後最初の数週間以内で且つ6カ月まで起こり、そして上に内皮層が再形成さ れると止まる。ヒトの場合、それらの病変は細胞約20%と細胞外マトリックス約 80%から成る。 血管形成術、動脈内膜切除術またはバイパス移植術により処置した患者の約30 %またはそれ以上において、血栓症および/または内 膜中のSMC増殖か血管の再閉塞を引き起こし、その結果として再形成術が失敗 に終わる。この手術後の血管の閉塞は再狭窄として知られている。 同様なSMC増殖過程が臓器移植片においても観察されており、これは移植片 アテローム硬化症および臓器機能不全の一因となり得る。この過程の内膜肥厚は 、移植した臓器のみが関係する。 血小板分裂促進因子(マイトジェン)、例えは血小板由来増殖因子(PDGF)は アテローム硬化斑の発生に何らかの役割を果たすと推測されている(Ross他,Ce ll 46:155-169,1986;Harker,AmJ .Cardiol. 60:20B-28B,1987)。硬化 斑形成の1つの提唱された機序は、内皮露出部位における、SMC増殖を剌激す る増殖因子の血小板による放出である(RossおよびGlomset,N .Eng.J.Med. 2 95 :369-377,420-425,1976;Ross,Arteriosclerosis 1:293-311,1981)。Moo re他(Thrombos .Haemostas.(Stuttg.)35:70,1976)とFrledman他(J .Clin .Invest. 60:1191-1201,1977)は、内在カテーテル損傷モデルを使って、抗血 小板血清の投与により誘導された長期血小板減少による、ウサギ動脈における実 験的に導入した内膜損傷発生の抑制を報告した。SMCがオートクリン機構を通 して損傷形成を刺激するPDGFを自己生産し得るとも仮定されている(Ross他,前 掲;Walker他,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 83:7311-7315,1986)。Fingerle 他(Proc .Natl.Acad.Sci.USA 86:8412-8416,1989)は血小板減少症ラット において内膜損傷形成を研究し、そして血小板がバルーン損傷後の内膜SMC増 殖に役割を果たすのではなくて内膜中へのSMCの移動を調節することかできる と結論づけた。血小板は現在、PDGF、表皮増殖因子(EGF)、形質転換増殖因 子αおよひβ(TGFαおよびTGFβ)、インスリン様増殖因子I(IGF− I)および血小板由来表 皮増殖因子をはじめとする多数の増殖因子、並びに幾つかの化学誘引分子を放出 することか知られている。ある実験はPDGFを病変発生に伴う過程に関係づけたけ れども、霊長類での内膜過形成の病因は不明のままである。 血管形成術または動脈内膜切除術によるアテローム硬化斑の除去は限定された 効果を有し、処置した血管の再狭窄またはバイパス移植片の狭窄の効果的な治療 法はまだ開発されていない。従って、血管壁における高SMC病変(バルーンカ テーテル挿入、動脈内膜切除、血管内ステント据付、整腹アテローム切除術、並 びに血管移植、臓器移植およびカテーテル挿入による損傷のような血管損傷後の 血管の狭窄を含む)の発生を削減または防止する方法が当業界で要望されている 。本発明はそういった方法を提供し、且つ別の関連した要望を満たす。発明の要約 本発明は、哺乳類の血管系における内膜過形成を抑制する方法、および血小板 由来増殖因子(PDGF)活性を抑制する方法に向けられる。 本明細書中で使用する時、 アルキルは飽和非環式炭化水素基を意味する。 アルコキシは少なくとも1つの酸素原子を含む飽和非環式炭化水素基を意味す る。 モノまたはポリシクロアルキルは、1つ(モノ)または複数(ポリ)の環を有 する飽和炭化水素基を意味する。 橋架モノまたはポリシクロアルキルは、分子の2つの異なる部分を連結する、 化学結合、単一原子または複数原子の鎖から成る1個もしくは複数個の橋を有す るモノまたはポリシクロアルキルを意味 する。 複素環は、少なくとも1つの環原子か炭素原子でない環状化合物の基を意味す る。 本発明は、式Iの4−〔2−(N−2−カルボキサミドインドール)アミノエ チル〕ベンゼンスルホンアミドまたはスルホニル尿素の抗過形成性有効量を投与 することを含んで成る、哺乳類の血管系における内膜過形成を抑制する方法を提 供する: 〔上式中、R1,R4およびR5は個別にH,F,Cl,Br,-CF3,または炭素原子 数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシであり、R2および R3は個別にHまたは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり; R6はH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分技鎖アルキル、または(ここでnは1または2であり;各Xは個別にC,N,NH,OまたはSであり 、ただし少なくとも1個、好ましくは2個のXがCであり;R9,R10およびR1 1 は個別にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝 鎖アルキルもしくはアルコ キシである)であり;R7およびR8は個別にH、炭素原子数1〜18の直鎖もしく は分枝鎖アルキルまたは-CONH-R12であるか、あるいはR7とR8はそれらを結合 しているN原子と一緒になって、環原子数3〜8の置換または非置換複素環を形 成し;R12はH、 (ここでYは窒素であり;R13およびR14は個別にH、炭素原子数1〜6の直鎖 もしくは分枝鎖アルキルであるか、またはR13とR14はそれらを結合しているN 原子と一緒になって、環原子数3〜8の置換もしくは非置換複素環を形成し;Z は炭素であり;そしてR15,R16およびR17は個別にHまたは炭素原子数1〜6 の直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、あるいはR15とR16、R16とR17、また はR15とR17がZと一緒になって炭素原子数3〜8の置換もしくは非置換モノシ クロアルキルを形成し、あるいはR15,R16およびR17がZと一緒になって炭素 原子数7〜14の置換もしくは非置換モノもしくはポリシクロアルキルまたは炭素 原子数6〜14の置換もしくは非置換橋架モノもしくはポリシクロアルキルを形成 する)である〕。 本発明の一態様では、R1,R4およびR5は個別にH、メチルまたはメトキシ であり;R2およびR3は個別にHまたはメチルであり;R6は炭素原子数1〜6 の直鎖もしくは分枝鎖アルコキシ、または (ここでnは1または2であり;各Xは個別にC,SおよびNから 成る群より選ばれ、ただし1個、好ましくは2個のXがCであり;R9,R10お よびR11は個別にH、メチルまたはメトキシである)であり;R7およびR8は個 別にH、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルまたは-CONH-R12であ り;R12はH、 (ここでYは窒素であり;Zは炭素であり;R13およびR14はYと一緒になって 環原子数5〜6の複素環を形成し;そしてR15とR16、R16とR17、またはR15 とR17がZと一緒になって炭素原子数5〜6の置換もしくは非置換モノシクロア ルキルを形成し、あるいはR15,R16およびR17がZと一緒になって炭素原子数 9〜10の置換もしくは非置換モノもしくはポリシクロアルキルまたは炭素原子数 8〜10の置換もしくは非置換橋架モノもしくはポリシクロアルキルを形成する) である。 別の関連する態様では、R7とR8はそれらを結合しているNと一緒になって環 原子数6以下の非置換の複素環を形成する。 別の態様では、R13とR14はYと一緒になって次の成分(ここでYは窒素であり、nは1または2であり、そしてR18およびR19は個別 にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキ ルもしくはアルコキシである)を形成する。 別の態様では、R15とR16、R16とR17、またはR15とR17がZと一緒になっ て次の成分 (ここでZは炭素であり、nは1または2であり、R20,R21およびR22は個別 にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝状アルキ ルもしくはアルコキシである)を形成する。 別の態様では、R6(ここで各Xは炭素である)である。 別の態様では、R18およびR19が個別にH、メチル、エチル、メトキシまたは エトキシである。 更なる態様は、R20,R21およびR22が個別にH、メチル、エチル、メトキシ またはエトキシであるものを提供する。 好ましい態様では、本発明はR6がベンジルオキシである化合物を提供する。 本発明の別の好ましい態様では、R7またはR8であるものを提供する。 本発明の特に好ましい態様では、化合物がNNC92-0270である: 本発明の更なる態様では、内膜過形成が血管形成術、動脈内膜切除術、整腹ア テローム切除術、血管内レーザー剥離または血管移植片の吻合のような血管再建 による血管損傷をはじめとする血管損傷に起因する。 本発明の別の態様では、哺乳類の急性血管損傷の前、同時または後の抗過形成 性有効期間内で式Iの化合物が投与される。 本発明の追加の態様では、抗過形成性有効量のヘパリンと同時に式Iの化合物 が投与される。 本発明は更に、例えば哺乳類においてPDGF活性を抑制するために、非ペプチド 性PDGFアンタゴニストとして式Iの化合物を使用する方法も提供する。 本発明の上記および他の面は、下記の発明の詳細な説明を参照することにより 明らかになるだろう。発明の詳細な説明 上述したように、血管の再狭窄は血管形成術、動脈内膜切除術またはバイパス 移植術を受けた患者に共通の問題である。再狭窄は、細胞外マトリックスの生成 (付着)はもちろん外科手術によっても、損傷を受けた部位への血管平滑筋細胞 の増殖(有糸分裂)と移動の両方を含む過程によって進行すると思われる、内膜 過形成の一例で ある。一般的には、Harker,Am .J.Cardiol. 60:20B-28B,1987;およびDeFe udis,Drug News and Perspectives 5:49-51,1992を参照のこと。この増殖過 程は、血管移植片(自系または同種異系を含む天然移植片、および合成移植片の 両方)および移植された臓器の閉塞の形でも現れる。この増殖過程は平滑筋細胞 に富む病変の発生を引き起こすので、本明細書中では内膜過形成と呼ぶことにす る。 本発明は、単独でまたは抗過形成性有効量のヘパリンと併用した、抗過形成性 有効量の非ペプチド性PDGFアンタゴニストの使用を通して高SMC病変〔内膜の 肥厚(過形成)による血管の一部または完全遮断〕の発生を抑制する方法を提供 する。本発明の範囲内での使用に特に着目されるのは、式Iの4−〔2−(N− 2−カルボキサミドインドール)アミノエチル〕ベンゼンスルホンアミドである 。本発明の非ペプチド性PDGFアンタゴニストは、強皮症、肺過形成、腎線維症、 慢性関節リウマチの治療法において、または骨肉腫、線維肉腫、神経膠腫もしく は他の増殖性細胞疾患を含むがそれに限定されない固形癌の治療において有用で ある。 本発明の化合物は、当業界で周知の方法を使って合成することができる〔Fran cia他,Boll .Chim.Farm114:379-393,1975;Vicentini他,II Farmaco .Ed .Sc38:672-678,1983;Biere他, Chem 16:1340-1346,1973を参照のこと〕。例えば、式Iの化合物の合成のた めの典型的なスキームを下記に示す。適当な2−(アミノエチル)ベンゼンをま ず無水酢酸との反応によりアセチル化し、次いでクロロスルホン酸での処理によ りベンゼンスルホニルクロリドIIに変換する。次にIIをアミン処理により所望の スルホンアミドに変換することができる。IIIはそのままで、R7とR8がスルホ ンアミドを形成する式Iの化合物のための適切な構成単位を提供す る。 7とR8がスルホニル尿素を形成する式Iの化合物の合成のためには、R7と R8がHであるIVが下記に示すような更なる操作のための出発材料となる。IVを まずエチルクロロホルメートでの処理によりエチルスルホニルカルバメートに 変換する。次いでを適当なアミンとの反応によりIVに(またはR7とR8が-CON H2である式Iの化合物に)、またはヒドラジンとの反応によりIVに変換すること ができる。 アセチルアミドを水性塩基または酸のいずれかの中で加水分解して遊離アミンVIII を与える。次いで適当なインドール−2−カルボン酸クロリドを使ってVIII をアシル化して、式Iの化合物であるを与えることができる。IXは対応するイ ンドール−2−カルボン酸をオキサリルクロリドと反応させることにより調製さ れる。インドール−2−カルボン酸は当業者に周知の多数の方法のうちの1つに より調製される。 より珍しい3−アルコキシインドール(R6はアルコキシまたは記載のような メトキシ−環化合物である)の典型的な化合物の調製を下記に示す。2−アミノ 安息香酸エチルをα−ブロモ酢酸エチルでN−アルキル化してXIを与える。 をナトリウムエトキシドで処理して3−オキソインドールXIIを与える。適当 なハロゲン化アルキルでのアルキル化により、3−アルコキシインドールXIII を与える。けん化後のオキサリルクロリドとの反応により、酸クロリドXVを与 える。 本明細書中で用いる「非ペプチド性PDGFアンタゴニスト」なる語は、PDGFで誘 導される応答経路の刺激を抑制する、ペプチド性化合物以外の化合物を言う。「 応答経路」は、必ずしも常にではないか一般的に、膜結合型レセプターに直接関 連づけられる外部刺激に応じて活性化される生化学経路である。応答経路は一般 に、感受性細胞系からの細胞外マトリックス分泌、ホルモン分泌、化学走性、分 化、または感受性細胞の細胞分裂の刺激、といった細胞性応答を誘導する。 PDGFレセプターは、通常その発現が中胚葉由来の細胞に限定される膜貫通型の 一体型糖タンパク質である。2つのPDGFレセプターポリペプチドが記載されてい る。それらは「αレセプター」(Kelly他,WO 90/14425;Kelly他,米国特許第5 ,371,205号;Claesson-Welsh他,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 86:4917-4921,1 989)および「βレセプター」(Claesson-Welsh他,Mol .Cell.Blol. 8:3476-3 486,1988;Gronwald他,Proc .Natl.Acad.Scl.USA 85:3435-3439,1988)と 呼ばれる。PDGFリガンドの存在下で、レセプターポリペプチドは二量化する。よ って3種のレセプターサブタイプが可能である:αα、αβおよびββ。βレセ プターはPDGFのB鎖に特異的であり、一方αレセプターはA鎖とB鎖に結合する 。従って、PDGFへの細胞の増殖調節応答性は、PPDFのAA、ABおよびBBリガ ンドイソ型タンパク質の利用可能性にだけでなく、異なるPDGFレセプターサブタ イプの発現および利用可能性にも依存する(Heldin他,Cell Regul1:555-566 ,1990)。ヒト平滑筋細胞はαレセプターとβレセプターの両サブタイプを発現 する(Heldin他,Cell Regul1:555-566,1990)が、単一のレセプターサブタ イプのみを発現する他の細胞型が知られている(Gronwald他,J .BiolChem 264:8120-8125,1989)。 本発明は、抗過形成性有効量の非ペプチド性PDGFアンタゴニストと抗過形成性 有効量のヘパリンを協同して投与することにより、内膜過形成を抑制する方法も 提供する。本明細書で用いる「ヘパリン」という語は、グルコサミンとグルクロ ン酸糖残基の反復構造により一般に特徴付けられる、構造的に複雑な硫酸化グリ コサミノグリカンの化合物群のいずれかの構成員を指す(Casu,Adv .Carbohyd .Chem.and Biochem. 47:578-583,1985)。最も広く知られているヘパリンは 、ウシ肺またはブタ腸から調製された「未分画の」また は「市販の」ヘパリンであって、それらは約8,000〜20,000ダルトンの分子量に 及ぶヘパリン分子の不均一混合物を包含する(Wolinsky他,J .Am.Coll.Cardi ol. 15:475-481,1990)。しかしなから、ヘパリンという語は広範囲のより均 一なヘパリン調製物、並びに硫酸ヘパランのようなヘパリン様分子も包含する。 それらの特定のヘパリン例の中で、より具体的なヘパリンサプタイプも知られて いる。例えば、報告によれば、平滑筋細胞の増殖を阻害することに関して未分画 ヘパリンよりも40倍まで活性である、内皮細胞(Castellot他,J.Cell .Biol. 90 :372-379,1981)および平滑筋細胞(Fritze他,J .Cell.Biol. 100:1041-1 049,1985)により生産される硫酸ヘパラン成分が単離されている。その上、天 然に存在するヘパリンサイズ変異体の中で、抗凝固活性または抗増殖活性のいず れかを主として示す分画ヘパリン種が単離されている(Wolinsky他,J .Am.Col l.Cardiol. 15:475-481,1990)。後者の活性は低分子量ヘパリン種、例えば 五(ペンタ)〜十(デカ)糖類の範囲内のヘパリンに存在する傾向があり、それ らの種はより大きな生体適合性とより長い半減期も与えることが報告されており (Id,Bacher他,Thrombosis Res70:295-306,1993)、従って本発明の特定態 様において特に有用かもしれない。本発明を説明する目的でのヘパリンの定義の 中には合成ヘパリンおよびヘパリン誘導体も含まれ、多種多様なヘパリンが常用 の化学合成、修飾および分解技術を使って製造されている〔例えばRoden,L.Th e Biochem-istry of Glycoproteins and Proteoglycans (Lennarz,W.J.編)26 7-371頁,Plenum Publishing Corp.,New York,1980を参照のこと。その内容は 参考として本明細書中に組み込まれる〕。 化合物の「抗過形成性有効量」は、血管、血管移植片または移植臓器の血管成 分において内膜過形成を測定可能なほどに減少または 防止するのに十分な化合物の量として定義される。より詳しくは、「内膜過形成 の抑制」は、技術の現状において説明されている内膜過形成過程、例えば血管平 滑筋細胞(VSMC)移動、VSMC増殖、および細胞外マトリックスの新生内膜沈着、 のうちの1つまたは複数の測定可能な抑制を含むものとして本明細書では定義さ れる。この状況下では、内膜過形成のまたは内膜過形成に含まれる過形成過程の 減少または防止は、当業界で周知の試験管内、生体内および生体外アッセイ方法 を使って、特に霊長類のアッセイ方法(例えば、非ヒトもしくはヒト霊長類のVS MC培養物もしくは血管組織外植片、または非ヒト霊長類の生体内試験)を使って 、容易に評価することができる。PDGFがそれの刺激作用を及ぼさないようにする ことにより、SMC増殖およびその後のマトリックス沈着を減らすことができる。 内膜過形成の減少は、急性血管損傷後の管腔容積の低下の有意な減少として臨床 的に表れる。そのような減少は一般的に、初期損傷部位における再血管形成手術 (例えば繰り返し血管形成術)の必要性の減少をもたらすだろう。 本発明の方法は、急性血管損傷による内膜過形成の治療に特に有用である。急 性血管損傷は、生涯に渡って発達する慢性血管損傷(例えばアテローム硬化症) とは対照的に、迅速に(即ち数日から数カ月の間に)起こる損傷である。急性血 管損傷はしばしば、血管形成術、動脈内膜切除術、整腹アテローム切除術、血管 内ステント据付、血管内レーザー剥離、血管移植片の吻合などの技術を使用する 、血管再建のような外科的処置から生じる。過形成は、例えば血管移植片の設置 または臓器移植に応答して、遅延反応として起こることもある。 単独でまたはヘパリンと併用して、非ペプチド性PDGFアンタゴニスト療法で治 療されるヒトの場合、該アンタゴニストは広範囲の条 件のもとで投与され得る。アンタゴニストは血管再生術の前とそのような手術後 の複数回、ボーラス注射によって投与することができる。アンタゴニストは、手 術前に(一般に手術前の24時間以内に)ボーラス注射(静脈内、筋肉内、腹腔内 または皮下)としておよび手術後の連続した輸液(埋込式ポンプを通した輸液を 含む)として与えることができる。多くの場合、入院中は一日量を投与し(輸液 による投与を含む)、その後で1〜2週間またはそれ以上の外来患者治療の期間 の間、より少頻度のボーラス注射を与えることが好ましいだろう。処置は最初の 損傷後6カ月まで続けることができる。アンタゴニストは静脈内、筋肉内または 皮下注射を含む複数のルートで投与することができる。加えて、灌流バルーンカ テーテル、ステント上へのコーティング、またはゲルコーティングされたバルー ンへの設置を使って、アンタゴニストを血管損傷部位に局所的に投与することも できる。後者の場合、アンタゴニストの用量は全身投与される時に必要であるも のよりも実質的に少ないだろうと期待される。アンタゴニストは徐放性デリバリ ーシステム、例えば血管移植片もしくはステント中に組み込んだそのようなシス テムにより、または濯流もしくは二重バルーンカテーテルによって送達せしめる こともできる。ポンプおよび他の既知のデリバリーシステムを使ってもよい。 本発明の別の態様では、非ペプチド性PDGFアンタゴニストは、哺乳類の血管系 での内膜過形成を協同して抑制するのに十分なアンタゴニストとヘパリンの各々 の単位用量で、哺乳類にヘパリンと協同投与される。本明細書中の「協同投与(c oordinate adminis tration)」は、アンタゴニストとヘパリンの同時の、別々の または連続した投与を含むつもりである。この場合、アンタゴニストとヘパリン の両者は互いに関して限定された併用有効期間の中で投与される。「併 用有効期間」とは、2つの剤が過形成を抑制するのに併用すると有効であるよう なアンタゴニストの投与とヘパリンの投与の間に入る最大期間として定義される 。「併用すると有効である」という語は、他の点では同等の条件および用量の下 で単独で投与した抗体またはヘパリンのいずれかにより独立に提供される最大抑 制レベルを上回る、内膜の肥厚もしくは損傷形成のまたは過形成過程の測定可能 な抑制をもたらすものとして定義される。 通常、ヘパリンの用量は約1μg〜100mg/kg/日であろう。好ましくは、ヘ パリンの用量は29μg〜10mg/kg/日であり、より好ましくは約1mg/kg/日未 満であろう。当業者が知るように、実際の用量は患者のパラメーターや投与され るアンタゴニストおよびヘパリンの特性を含む、特定の状況を考慮しながら決定 されるだろう。 過形成の抑制は患者の臨床的事象の減少をもたらすと期待されるだろう。それ らとしては、心筋梗塞、狭心症、再血管形成術の必要性および死亡のうちの1つ または複数の減少が挙げられる。 次の実施例は例示目的で与えられるのであって、限定目的ではない。実施例 実施例1 アンタゴニストアッセイ SWISS3T3細胞中で発現される血清応答要素(SRE)−ルシフェラーゼレポー ター遺伝子の発現を阻止することができる物質を同定するSRE−ルシフェラー ゼ高処理量アッセイ系を通して、非ペプチド性PDGFアンタゴニストとしてのNNC9 2-0270の最初の特徴づけが可能になった。SRE−ルシフェラーゼ構成物である pKZ67は、−360から+30までのヒトc-fos配列を含む合成セグメント(van Straaten他,Proc .Natl.Acad.Sci USA 80:3183-3187,1983)(TATA、 SREおよびSIEプロモーター要素を含む)、ルシフェラーゼ配列(Delegean e他,Mol .Cell Biol. 7:3994-4002,1987;deWet他,Mol .Cell Biol. 7:2 5-737,1987)およびヒト成長ホルモン遺伝子ターミネーターを含有するルシフ ェラーゼ発現単位を含んで成るpUC18由来の哺乳類細胞発現ベクターである。こ の発現単位は、SV40プロモーター配列とターミネーター配列によって隣接された ネオマイシン耐性マーカーを含む第二の発現単位に対して反対の転写方向にある 。SWISS3T3細胞は、PDGF−AA,−ABおよび−BB;bFGF並びにEGFのような内因性 増殖因子レセプターを発現する。それらの増殖因子のいずれかによる該レセプタ ーの刺激は、ルシフェラーゼの誘導に至るシグナルカスケードを開始させる。P MA(ホボール12−ミリステート13−アセテート)は、プロテインキナーゼCを 刺激することにより該レセプターを迂回しそして内部シグナルカスケードを開始 させてルシフェラーゼの誘導をもたらす。アンタゴニスト特異性の程度は、3つ の増殖因子(PDGF,bFGFおよびEGF)についての生成シグナルを比較することに より決定することができる。対照に比べて50倍のシグナル低下をもたらす化合物 を更なる分析に使った。 SWISS3T3細胞(SRE−ルシフェラーゼレポーター遺伝子でトランスフェクト された、SWISS3T3/KZ67-G1-6)を、維持培地〔10%ウシ胎児血清(FBS)、2 mML−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、1mg/mlのG418が補足されたD MEM(GIBCO BRL,Gaithersburg,MD)〕中での連続継代により維持した。ア ッセイの2日前に、細胞をトリプシン処理し、増殖培地(1%FBS、2mML− グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウムが補足されたDMEM)中で5×104細 胞/ウエルに調整し、不透明の白い96ウエルマイク ロタイタープレートに200μl/ウエル(1×104細胞/ウエル)を接種し、そし て37℃,5%CO2で48時間増殖させた。 試験物質は4%DMSO中に調製した。ウエルから弱った培地を除去し、50μl/ ウエルのアッセイ培地〔0.5%第V画分 BSA(Sigma,St.Louis,Mo.)、2m ML−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、20mM Hepesが補足されたハムF1 2培地(Gibco)〕を添加することにより、誘導を開始した。アッセイ培地中50ng/m lのPDGF 25μl(最終濃度12.5ng/ml)または8ng/mlのbFGF 25μl(最終濃度 2.0ng/ml)を該ウエルに添加した。アッセイ培地中に調製した次の対照を各プレ ートに含めた:未処理のウエル(基底)、12.5ng/ml、より好ましくは6.25ng/ml のPDGF−BB〔血小板由来増殖因子、原液10μl/ml10mM酢酸,0.25% RSA/PBS〕 、2.0ng/mlのbFGF〔塩基性繊維芽細胞増殖因子(Genzyme Diagnostics,Cambri dge,MA)〕、4.5ng/mlのEGF〔表皮増殖因子(Sigma)〕または50ng/mlのPMA(Sig ma)。DMSOの最終アッセイ濃度は1%を超えなかった。プレートを37℃,5%CO2 で5時間インキュベートした。 誘導後、プロメガ社製ルシフェラーゼアッセイキット(E1500;Promega Corp. ,Madison,WI)を使ってアッセイキットプロトコールに従ってルシフェラーゼ 活性を測定した。簡単に言えば、プレートからアッセイ培地を除去し、無菌水で 1:5希釈した25μl/ウエルの細胞溶解緩衝液をプレートに添加した。プレー トを15分間インキュベートした。プレートをLumiskan(商標)マイクロタイター ルミノメーター(ICN Biomedical,Cleveland,OH)に移し、そこに40μl/ウ エルのルシフェラーゼアッセイ基質(Promega Corp.)を添加した。1秒間の混 合と1〜3のシグナルの積分の後、発光の量(相対光単位、RLU)を測定した 。全ての測定値から基底の (未誘導の)ルシフェラーゼシグナルを差し引き、そして試験試料により誘導さ れたルシフェラーゼシグナルを、対照からのシグナルに対する百分率(%)とし て表した。基底レベルを超えるシグナルを誘導する試料を、更なる特徴づけのた めに選択した。表1に与えるデータは、対照活性の50%を阻害するのに必要なNN C92-0270のおよその有効量(IC50)を示す。 表1 実施例2 ラット平滑筋細胞(SMC)への125I−PDGF−BB結合の阻害 ラットSMCの単層培養物への125I−PDGF−BB結合を阻害する能力についてN NC92-0270を分析した。ラットSMCへの125I−PDGF−BB結合の阻害をアッセイ するために、SMCを約20,000細胞/ウエルの密度で24ウエル培養皿に接種した 。接種後2〜7日目に細胞をアッセイに使った。試験化合物を結合培地〔500ml のハムF12(Gibco BRL),12mlの1M Hepes,pH7.4,5mlの100×PSN(Gibco BRL) 、1gmのウサギ血清アルブミン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)〕中で表2 に示す濃度に希釈し、次いで三重反復試験においてSMC(1ml/ウエル)に添 加した。次いでそれらのウエルに50μlの125I−PDGF−BB原液を添加した。結 合培地のみを陰性対照として使用し、125I−PDGF−BBに対する非特異的結合を 測定するのに200ng/mlのPDGF−BBの添加を使った。4℃で約1.5時間細胞をイン キュベートし、次いで結合培地で洗浄して未結合のリガンドを除去した。次いで 細胞を抽出緩衝液(20mM Tris-HCl pH8.0,100mM NaCl,1mM EDTA,0.5%Nonident P-40,0.5%デオキシコール酸 ナトリウム,10mM Nal,1%ウシ血清アルブミン)と共にインキュベートし、抽 出液を収集し、γカウンター中でカウントした。結合研究の結果を表2に示す。 データは125I−PDGF−BBについての結合した比放射能(cpm)として与えられる 。200ng/mlの未標識のPDGF−BBの添加により測定された非特異的結合は853cpm であり、与えられるデータからこの値が差し引かれている。 表2 ラットSMCへの125I−PDGF−BB結合の阻害 これらの結果は、NNC92-0270が細胞表面PDGFレセプターへのPDGF−BB結合の有 力な阻害剤であることを証明する。 続いて、10%ヒト血清の存在下で放射標識リガンドを細胞に添加した時にラッ トSMCへの125I−PDGF−BB結合を阻害する能力についてNNC92-0270を分析し た。上記と同様にしてラットSMCを24ウエル培養皿に接種し、アッセイした。 試験化合物を結合培地のみ、または10%ヒト血清を含む結合培地のいずれかによ り表3に示す濃度に希釈し、次いで三重反復試験において1mlアリコートを試験 細胞に添加した。125I−PDGF−BBの20×原液50μlを各ウエルに添加した。4 ℃で2.5時間細胞をインキュベートし、次いで結合培地 で洗浄して未結合のリガンドを除去し、そして抽出緩衝液を使って収集した。次 いで抽出液をγカウンター中でカウントして結合したCPMを測定した。表3に与 える結果は、結合培地のみで希釈したものに比べて10%ヒト血清を含む結合培地 で希釈した時、NNC92-0270がほぼ等しい125I−PDGF−BB結合阻害力を有するこ とを証明する。結合培地のみを使った陰性対照試料よりも、ヒト血清を含む陰性 対照試料の方が125I−PDGF−BBの結合が低いことに注目すべきである。その結 果を結合した合計CPMとして与える。 表3 ヒト血清の存在下または非存在下での ラットSMCへの125I−PDGF−BB結合の阻害 実施例3 ヒヒ平滑筋細胞に対するPDGF−BB有糸分裂促進活性の阻害 ヒヒ平滑筋細胞に対するPDGFの有糸分裂促進活性を阻害する能力についてNNC9 2-0270を分析した。ヒヒ血管平滑筋細胞(BVSMC)に対して行った全ての有糸分裂 アッセイは、13〜20継代培養した細胞の初代培養物に関して実施した。出発培養 物は大動脈性組織外植片の派生物から確立された。ヒヒ平滑筋細胞を、10%ウシ 胎児血清が補 足されたDMEM中、ウエルあたり約20,000細胞の密度で24ウエルの培養皿に接種し た。使用する1日前に培地を除去し、1mlのMito Media(表5)を各ウエルに添 加して、細胞を静止状態にした。実験開始時点で、細胞をPDGF−BBで刺激した。 1,0.5,0.25,0.062および0ng/mlの濃度を使ってPDGF−BBについて標準曲線を 作成した。0.25%アルブミンを含む10mM酢酸中への希釈により各PDGF濃度につい て20×原液を作り、そして50μlのPDGFまたは希釈賦形剤のみを培養ウエルに添 加した。 PDGF−BB有糸分裂促進活性を中和するNNC92-0270の活性を分析するために、1 ng/mlのPDGFをNNC92-0270の様々な希釈液と一緒にウエルに添加した。細胞を試 験試料と共に37℃で約20時間インキュベートした。次いで、〔3H〕チミジンの2 0×原液50μlを各ウエルに添加して1μCi/mlの最終濃度を与えた。細胞を37 ℃で4時間インキュベートし、PBSで洗浄し、次いでトリプシンを使って収穫 し、Wallac(Turku,Finland)Betaplate(商標)液体シンチレーションカウン ター中で〔3H〕チミジンの取込みについてカウントした。表4に与える結果は 、PDGF−BB有糸分裂促進活性が用量依存形式でNNC92-0270により阻害されること を証明する。この阻害のED50はNNC92-0270の場合約12.5μMであった。表4 ヒヒ平滑筋細胞に対するPDGF−BB有糸分裂促進活性の阻害 これと同じ実験の一部として、ヘパリンの存在下でNNC92-0270の阻害活性を分 析した。我々は以前に、ヘパリンが中和モノクローナル抗体と協同形式でヒヒ平 滑筋細胞に対するPDGF有糸分裂促進活性を阻害する作用をすることを証明した。 本発明者らはPDGF−BB有糸分裂促進活性を阻害することにおいてヘパリンの存在 が同様な増強作用を有するかどうかをNNC92-0270を使って調べようと思う。 0.5U/mlの未分画ヘパリンの存在下でNNC92-0270を1ng/mlの PDGF−BBと共にインキュベートした。細胞を上記と同様に〔3H〕チミジンでパ ルス標識し、〔3H〕チミジン取込みのレベルを測定した。その結果を表4に与 える。 それらの結果は、NNC92-0270へのヘパリンの添加がNNC92-0270のみにより達成 されるものを超える大きな〔3H〕チミジン取込みの阻害をもたらしたことを証 明する。 実施例5 浄化試験 浄化(wash-out)試験においてヒヒ平滑筋細胞へのPDGF−BB有糸分裂促進活性 に対する長期阻害作用についてNNC92-01270を分析した。ヒヒSMCを24ウエル の培養皿にウエルあたり20,000個の密度で接種し、そして2日間増殖させた。培 地を除去し、Mito Media(表5)で置換して細胞を静止状態にしておいた。PDGF −BBの添加の24時間前かまたはPDGF−BBの添加に続いて、細胞をNNC92-0270また は賦形剤対照(0.5%DMSO)で処理するように、実験を設定した。NNC92-0270ま たは賦形剤対照で最初に24時間処理した細胞は、Mito Mediaで洗浄して試験化合 物を除去し、次いでPDGF−BB(1ng/ml)と共に更に24時間インキュベートした 。第二セットの細胞は、NNC 92-0270または賦形剤対照と同時にPDGF−BBで24時 間処理した。次いで両方の細胞を〔3H〕チミジンで4時間パルス標識し(最終 1μCi/ml)、そしてWallac Betaplateカウンター中で〔3H〕チミジン取込み についてCPMをカウントした。 表6に示す結果は、三重反復測定において〔3H〕チミジン取込みの平均±標 準偏差として与えられる。酢酸(10mM)をPDGF−BB賦形剤対照として使用し、そ して0.5%DMSOを試験化合物対照として使った。表5 表6 ヒヒ平滑筋細胞へのPDGF−BB有糸分裂促進活性に対する NNC92-0270 の長期作用を調べるための浄化試験 本発明の特定態様を例示目的で記載してきたけれども、上記から、発明の精神 および範囲から逸脱することなく様々な変更を行い得ることは理解されるだろう 。従って、本発明は添付の請求の範囲による以外は限定されない。
【手続補正書】 【提出日】平成10年1月13日(1998.1.13) 【補正内容】 請求の範囲 1. 哺乳類の血管系における内膜過形成を抑制するための剤であって、式I: 〔上式中、 R1,R4およびR5は個別にH,F,Cl,Br,-CF3,または炭素原子数1〜6 の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシであり; R2およびR3は個別にHまたは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキ ルであり; R6はH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキ シ、または (ここでnは1または2であり; 各Xは個別にC,N,NH,OまたはSであり、ただし少なくとも1〜2個のX がCであり; R9,R10およびR11は個別にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6 の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシである) であり; R7およびR8は個別にH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝鎖アルキル または-CONH-R12であるか、あるいはR7とR8はそれらを結合しているN原子と 一緒になって、環原子数3〜8の置換または非置換の複素環を形成し; R12はH、 (ここでYは窒素であり; R13およびR14は個別にH、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルで あるか、またはR13とR14はそれらを結合しているN原子と一緒になって、環原 子数3〜8の置換もしくは非置換の複素環を形成し; Zは炭素であり;そして R15,R16およびR17は個別にHまたは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖 アルキルであり、あるいはR15とR16、R16とR17、またはR15とR17がZと一 緒になって炭素原子数3〜8の置換もしくは非置換モノシクロアルキルを形成し 、あるいはR15,R16およびR17がZと一緒になって炭素原子数7〜14の置換も しくは非置換モノもしくはポリシクロアルキルまたは炭素原子数6〜14の置換も しくは非置換橋架モノもしくはポリシクロアルキルを形成する) である〕 により表される血小板由来増殖因子(PDGF)アンタゴニストの抗過形成性有効量を含んで成る剤。 2. R1,R4およびR5が個別にH、メチルまたはメトキシであり; R2およびR3が個別にHまたはメチルであり; R6が炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルコキシ、または(ここでnは1または2であり; 各Xは個別にC,SおよびNから成る群より選ばれ、ただし1〜2個のXがCで あり; R9,R10およびR11は個別にH、メチルまたはメトキシである) であり; R7およびR8が個別にH、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルまた は-CONH−R12であり; R12がH、 (ここでYは窒素であり; Zは炭素であり; R13およびR14はYと一緒になって環原子数5〜6の複素環を形成し;そしてR15 とR16、R16とR17、またはR15とR17がZと一緒になって炭素原子数5〜6 の置換もしくは非置換モノシクロアルキルを形成し、あるいはR15,R16および R17がZと一緒になって炭素原子数9〜10の置換もしくは非置換モノもしくはポ リシクロアルキルまたは炭素原子数8〜10の置換もしくは非置換橋架モノもしく はポリシクロアルキルを形成する) である、 請求項1に記載の。 3. R7とR8がそれらを結合しているNと一緒になって環原子数6以下の非 置換の複素環を形成する、請求項1に記載の。 4. R13とR14がYと一緒になって次の成分 (ここでYは窒素であり、 nは1または2であり、そして R18およびR19は個別にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6の直鎖 もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシである) を形成する、請求項1に記載の。 5. R15とR16、R16とR17、またはR15とR17がZと一緒になって次の成分 (ここでZは炭素であり、 nは1または2であり、 R20,R21およびR22は個別にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6 の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシである) を形成する、請求項1に記載の。 6. R6(ここで各Xは炭素である) である、請求項1に記載の。 7. R18およびR19が個別にH、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシで ある、請求項4に記載の。 8. R20,R21およびR22が個別にH、メチル、エチル、メトキシまたはエト キシである、請求項5に記載の。 9. R6がベンジルオキシである、請求項1に記載の。 10.R7またはR8である、請求項1に記載の。 11.前記非ペプチド性PDGFアンタゴニストがNNC92-0270: である、請求項1に記載の。 12.前記哺乳類が霊長類である、請求項1に記載の。 13.前記非ペプチド性PDGFアンタゴニストが、急性血管損傷と同時に、または その前の抗過形成性有効期間内に前記哺乳類に投与される、請求項1に記載の 。 14.前記損傷が血管再建によるものである、請求項13に記載の。 15.前記血管再建が、血管形成術、動脈内膜切除術、整腹アテローム切除術、 血管内レーザー剥離または血管移植片の吻合を含んで成る、請求項14に記載の 。 16.前記非ペプチド性PDGFアンタゴニストが、前記哺乳類における急性血管損 傷後の抗過形成性有効期間内に投与される、請求項1に記載の。 17.前記損傷が血管再建によるものである、請求項16に記載の。 18.前記血管再建が、血管形成術、動脈内膜切除術、整腹アテローム切除術、 血管内レーザー剥離または血管移植片の吻合を含んで成る、請求項17に記載の 。 19.前記哺乳類に協同投与される非ペプチド性PDGFアンタゴニストの抗過形成 性有効量とヘパリンの抗過形成性有効量とを含んで成る剤であって、前記協同投 与される抗原とヘパリンが併用すると前記過形成を抑制するのに有効である、 求項1に記載の剤 。 20.前記非ペプチド性PDGFアンタゴニストおよびヘパリンが、経口、静脈内、 脈管周囲、経皮および直腸投与方法から成る群より選ばれた投与方法により前記 哺乳類に投与される、請求項19に記載の。 21.哺乳類においてPDGF活性を阻害するための剤であって、式I: 〔上式中、 R1,R4およびR5は個別にH,F,Cl,Br,-CF3,または炭素原子数1〜6 の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシであり; R2およびR3は個別にHまたは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキ ルであり; R6はH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキ シ、または(ここでnは1または2であり; 各Xは個別にC,N,NH,OまたはSであり、ただし少なくとも1〜2個のX がCであり; R9,R10およびR11は個別にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6 の直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシである) であり; R7およびR8は個別にH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝鎖アルキルま たは-CONH-R12であるか、あるいはR7とR8はそれらを結合しているN原子と一 緒になって、環原子数3〜8の置換または非置換の複素環を形成し; R12はH、 (ここでYは窒素であり; R13およびR14は個別にH、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルで あるか、またはR13とR14はそれらを結合しているN原子と一緒になって、環原 子数3〜8の置換もしくは非置換の複素環を形成し; Zは炭素であり;そして R15,R16およびR17は個別にHまたは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖 アルキルであり、あるいはR15とR16、R16とR17、またはR15とR17がZと一 緒になって炭素原子数3〜8の置換もしくは非置換モノシクロアルキルを形成し 、あるいはR15,R16およびR17がZと一緒になって炭素原子数7〜14の置換も しくは非置換のモノもしくはポリシクロアルキルまたは炭素原子数6〜14の置換 もしくは非置換の橋架モノもしくはポリシクロアルキルを形成する) である〕 により表される化合物の有効量を含んで成る剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 オーメ,マーク ダブリュ アメリカ合衆国,ワシントン 98117,シ アトル,ノース ウエスト エイティーナ インス ストリート 636 (72)発明者 モイニハン,クリステン エム. アメリカ合衆国,ワシントン 98105,シ アトル,ナインス アベニュ ノース イ ースト 5209

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 哺乳類の血管系における内膜過形成を抑制する方法であって、式I: 〔上式中、 R1,R4およびR5は個別にH,F,Cl,Br,-CF3,または炭素原子数1〜6の 直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシであり; R2およびR3は個別にHまたは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキル であり; R6はH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分技鎖アルキルもしくはアルコキシ 、または (ここでnは1または2であり;各Xは個別にC,N,NH,OまたはSであり 、ただし少なくとも1〜2個のXがCであり;R9,R10およびR11は個別にH ,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分技鎖アルキルも しくはアルコキシである) であり; R7およびR8は個別にH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝鎖アルキルまた は-CONH-R12であるか、あるいはR7とR8はそれらを結合しているN原子と一緒 になって、環原子数3〜8の置換または非置換の複素環を形成し; R12はH、 (ここでYは窒素であり;R13およびR14は個別にH、炭素原子数1〜6の直鎖 もしくは分枝鎖アルキルであるか、またはR13とR14はそれらを結合しているN 原子と一緒になって、環原子数3〜8の置換もしくは非置換の複素環を形成し; Zは炭素であり;そしてR15,R16およびR17は個別にHまたは炭素原子数1〜 6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、あるいはR15とR16、R16とR17、ま たはR15とR17がZと一緒になって炭素原子数3〜8の置換もしくは非置換モノ シクロアルキルを形成し、あるいはR15,R16およびR17がZと一緒になって炭 素原子数7〜14の置換もしくは非置換モノもしくはポリシクロアルキルまたは炭 素原子数6〜14の置換もしくは非置換橋架モノもしくはポリシクロアルキルを形 成する)である〕 により表される血小板由来増殖因子(PDGF)アンタゴニストの抗過形成性有効量 を前記哺乳類に投与することを含んで成る方法。 2. R1,R4およびR5が個別にH、メチルまたはメトキシであり; R2およびR3が個別にHまたはメチルであり; R6が炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルコキシ、または (ここでnは1または2であり;各Xは個別にC,SおよびNから成る群より選 ばれ、ただし1〜2個のXがCであり;R9,R10およびR11は個別にH、メチ ルまたはメトキシである)であり; R7およびR8が個別にH、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルまた は-CONH-R12であり; R12がH、 (ここでYは窒素であり;Zは炭素であり;R13およびR14はYと一緒になって 環原子数5〜6の複素環を形成し;そしてR15とR16、R16とR17、またはR15 とR17がZと一緒になって炭素原子数5〜6の置換もしくは非置換モノシクロア ルキルを形成し、あるいはR15,R16およびR17がZと一緒になって炭素原子数 9〜10の置換もしくは非置換モノもしくはポリシクロアルキルまたは炭素原子数 8〜10の置換もしくは非置換橋架モノもしくはポリシクロアルキルを形成する) である、 請求項1に記載の方法。 3. R7とR8がそれらを結合しているNと一緒になって環原子数6以下の非置 換の複素環を形成する、請求項1に記載の方法。 4. R13とR14がYと一緒になって次の成分 (ここでYは窒素であり、nは1または2であり、そしてR18およびR19は個別 にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分技鎖アルキ ルもしくはアルコキシである)を形成する、請求項1に記載の方法。 5. R15とR16、R16とR17、またはR15とR17がZと一緒になって次の成分(ここでZは炭素であり、nは1または2であり、R20,R21およびR22は個別 にH,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキ ルもしくはアルコキシである)を形成する、請求項1に記載の方法。 6. R6(ここで各Xは炭素である)である、請求項1に記載の方法。 7. R18およびR19が個別にH、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシで ある、請求項4に記載の方法。 8. R20,R21およびR22が個別にH、メチル、エチル、メトキ シまたはエトキシである、請求項5に記載の方法。 9. R6がベンジルオキシである、請求項1に記載の方法。 10.R7またはR8である、請求項1に記載の方法。 11.前記非ペプチド性PDGFアンタゴニストがNNC92-0270:である、請求項1に記載の方法。 12.前記哺乳類が霊長類である、請求項1に記載の方法。 13.前記非ペプチド性PDGFアンタゴニストが、急性血管損傷と同時に、または その前の抗過形成性有効期間内に前記哺乳類に投与される、請求項1に記載の方 法。 14.前記損傷が血管再建によるものである、請求項13に記載の方法。 15.前記血管再建が、血管形成術、動脈内膜切除術、整腹アテローム切除術、 血管内レーザー剥離、血管内ステント据付または血管移植片の吻合を含んで成る 、請求項14に記載の方法。 16.前記非ペプチド性PDGFアンタゴニストが、前記哺乳類におけ る急性血管損傷後の抗過形成性有効期間内に投与される、請求項1に記載の方法 。 17.前記損傷が血管再建によるものである、請求項16に記載の方法。 18.前記血管再建が、血管形成術、動脈内膜切除術、整腹アテローム切除術、 血管内レーザー剥離、血管内ステント据付または血管移植片の吻合を含んで成る 、請求項17に記載の方法。 19.哺乳類の血管系における内膜過形成を抑制する方法であって、非ペプチド 性PDGFアンタゴニストの抗過形成性有効量とヘパリンの抗過形成性有効量とを協 同投与することを含んで成り、ここで前記協同投与される抗原とヘパリンが、併 用すると前記過形成を抑制するのに有効である、請求項1に記載の方法。 20.前記非ペプチド性PDGFアンタゴニストおよびヘパリンが、経口、静脈内、 脈管周囲、経皮および直腸投与方法から成る群より選ばれた投与方法により前記 哺乳類に投与される、請求項19に記載の方法。 21.哺乳類においてPDGF活性を阻害する方法であって、式I: 〔上式中、 R1,R4およびR5は個別にH,F,Cl,Br,-CF3,または炭素原子数1〜6の 直鎖もしくは分枝鎖アルキルもしくはアルコキシであり; R2およびR3は個別にHまたは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分技鎮アルキル であり; R6はH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分技鎖アルキルもしくはアルコキシ 、または (ここでnは1または2であり;各Xは個別にC,N,NH,OまたはSであり 、ただし少なくとも1〜2個のXがCであり;R9,R10およびR11は個別にH ,F,Br,Cl,-CF3,または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖アルキルも しくはアルコキシである)であり; R7およびR8は個別にH、炭素原子数1〜18の直鎖もしくは分枝鎖アルキルまた は-CONH-R12であるか、あるいはR7とR8はそれらを結合しているN原子と一緒 になって、環原子数3〜8の置換または非置換の複素環を形成し; R12はH、 (ここでYは窒素であり;R13およびR14は個別にH、炭素原子数1〜6の直鎖 もしくは分枝鎖アルキルであるか、またはR13とR14はそれらを結合しているN 原子と一緒になって、環原子数3〜8の置換もしくは非置換の複素環を形成し; Zは炭素であり;そしてR15,R16およびR17は個別にHまたは炭素原子数1〜 6の直鎖も しくは分枝鎖アルキルであり、あるいはR15とR16、R16とR17、またはR15と R17がZと一緒になって炭素原子数3〜8の置換もしくは非置換モノシクロアル キルを形成し、あるいはR15,R16およびR17がZと一緒になって炭素原子数7 〜14の置換もしくは非置換のモノもしくはポリシクロアルキルまたは炭素原子数 6〜14の置換もしくは非置換の橋架モノもしくはポリシクロアルキルを形成する )である〕 により表される化合物の有効量を前記哺乳類に投与することを含んで成る方法。
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