JP2001353826A - 化粧シート - Google Patents
化粧シートInfo
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Abstract
って、耐スクラッチ性、耐折曲性に優れると共に、バラ
ツキの少ないほぼ一様な発泡セル形状と滑らかな表面状
態を有する発泡樹脂層を備えた化粧シートを提供するこ
とである。 【解決手段】 紙基材上に、発泡剤と無機充填剤とを少
なくとも含む添加剤が添加された熱可塑性樹脂からなる
発泡樹脂層を少なくとも設けた化粧シートにおいて、前
記熱可塑性樹脂層がオレフィン系熱可塑性樹脂とスチレ
ン−エチレン共重合樹脂の混合樹脂からなることを特徴
とする化粧シート。
Description
等に用いられる化粧シートに関し、さらに詳しくは、環
境に優しく、耐擦傷性や耐折曲性に優れると共に、難燃
性にも優れた化粧シートに関するものである。
化粧シートとしては、紙基材上に塩化ビニル樹脂からな
る発泡樹脂層を設けたもの、あるいは、これに意匠性を
付与するために絵柄層や凹凸模様を設けたものなどが一
般的に用いられている。しかし、塩化ビニル樹脂を用い
た化粧シートは、燃焼時には有害な塩化水素ガスを発生
するために、一般の焼却炉では焼却処分することができ
ないといった廃材処理の問題や、また火災時には発生す
る塩化水素ガスを吸引して中毒になるといった問題があ
り、塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートの使用を避ける
ようになってきた。
シートにかわるものとして、塩素等のハロゲン系元素を
分子構造中に持たない非ハロゲン系樹脂を用いた化粧シ
ートが使用されるようになってきた。この非ハロゲン系
樹脂を用いた化粧シートの代表的なものとしては、ポリ
エチレン等のオレフィン系樹脂を用いた化粧シートを挙
げることができる。このオレフィン系樹脂は、塩化ビニ
ル樹脂と比較して、焼却処分しても有害な塩化水素ガス
を発生することがなく環境に優しい上に、発泡セルの形
成に最適な溶融張力を有するために発泡樹脂層を極めて
効率良く形成することができ、塩化ビニル樹脂の代替樹
脂として広く用いられている。
樹脂層は、引き裂き強度や伸びが小さいために、外力が
加わったときなどに発泡樹脂層に傷が付き易く、また、
折り曲げに対して発泡樹脂層が破断し易いといった問題
があった。また、塩化ビニル樹脂からなる化粧シート
は、塩化ビニル樹脂自体が自己消火性を有する樹脂であ
るが、オレフィン系樹脂からなる化粧シートは、オレフ
ィン系樹脂自体が可燃性であり、少なくとも化粧シート
に要求される難燃性を付与する必要があり、通常オレフ
ィン系樹脂に水酸化アルミニウムや炭酸カルシウムとい
った無機充填剤が難燃剤として添加されるが、この無機
充填剤の添加量を多くすると、加熱溶融押し出し時の成
膜に支障を来たし、加工性を低下させるといった問題や
形成した発泡樹脂層の、たとえば、耐スクラッチ性、耐
摩耗性、引き裂き強度や伸度などの機械的強度を益々低
下させるといった問題が生じる。さらにその上に、発泡
セルにバラツキを生じる(発泡効率が悪い)と共にその
表面が荒れた状態となり意匠性を低下させるといった問
題が生じる。
問題に鑑みてなされたものであり、その目的とすること
ろは、難燃性を有する環境に優しい化粧シートであっ
て、耐スクラッチ性、耐折曲性に優れると共に、バラツ
キの少ないほぼ一様な発泡セル形状と滑らかな表面状態
を有する発泡樹脂層(発泡効率が良い)を備えた化粧シ
ートを提供することである。
を達成するために、請求項1記載の本発明は、紙基材上
に、発泡剤と無機充填剤とを少なくとも含む添加剤が添
加された熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層を少なくとも
設けた化粧シートにおいて、前記熱可塑性樹脂がオレフ
ィン系熱可塑性樹脂とスチレン−エチレン共重合樹脂の
混合樹脂からなることを特徴とするものである。このよ
うに構成することにより、発泡樹脂層の皮膜強度を強く
することができ、スクラッチ性、摩耗性、引裂き性や伸
び等の機械的強度を向上させることができる。また、難
燃剤として添加する無機充填剤の添加量を多くしても加
熱溶融押し出し時の成膜性を悪化させることがないため
に加工性を低下させることがなく、容易に難燃性を付与
することができる。
に記載する化粧シートにおいて、前記熱可塑性樹脂が10
0 重量部に対して、前記スチレン−エチレン共重合樹脂
が10〜30重量部であることを特徴とするものである。こ
のように構成することにより、特に優れた発泡樹脂層を
形成することができる。すなわち、スチレン−エチレン
共重合樹脂の含有量が10重量部未満の場合には、発泡樹
脂層の引き裂き強度や伸び、あるいは、耐スクラッチ性
や耐摩耗性において、十分に満足できる物性を得ること
ができず、また、スチレン−エチレン共重合樹脂の含有
量が30重量部より多い場合には、発泡樹脂組成物層を加
熱発泡させて発泡樹脂層とする際に発泡樹脂組成物の樹
脂張力が大き過ぎるために発泡セルが成長せず十分な発
泡倍率が得られない。
1、2のいずれかに記載する化粧シートにおいて、前記
スチレン−エチレン共重合樹脂のスチレン含有率が30
mol %以上であることを特徴とするものである。このよ
うに構成することにより、発泡樹脂組成物層の表面張力
を改善することができ(表面の濡れ性を向上することが
でき)、コロナ放電処理等の易接着処理を施すことなく
印刷して印刷絵柄層等を容易に形成することができる。
特に、水性インキで印刷することができ、製造時の揮発
性有機化合物の排出量を抑えることができると共に、化
粧シートから発生する揮発性有機化合物の臭気をなくす
ことができる。また、スクラッチ性、摩耗性、引裂き性
や伸び等の機械的強度の向上に大きく寄与すると共に、
難燃剤として添加する無機充填剤との接着性向上にも大
きく寄与する。
〜3のいずれかに記載する化粧シートにおいて、前記発
泡樹脂層上に装飾層を設けたことを特徴とするものであ
る。このように構成することにより、意匠性を向上させ
ることができる。
用いて以下に説明する。図1は本発明にかかる化粧シー
トの第1の実施形態の層構成図、図2は本発明にかかる
化粧シートの第2の実施形態の層構成図、図3は本発明
にかかる化粧シートの第3の実施形態の層構成図であ
り、図中の1,1’,1''は化粧シート、2は紙基材、
3は発泡樹脂層、4は装飾層、40は印刷絵柄層、41は保
護層、42は凹凸模様をそれぞれ示す。
態の層構成図を示したものであり、化粧シート1は、紙
基材2上に発泡樹脂層3を形成したものである。前記発
泡樹脂層3は発泡剤と無機充填剤とを少なくとも含む添
加剤が添加されたオレフィン系熱可塑性樹脂とスチレン
−エチレン共重合樹脂の混合樹脂からなる発泡樹脂層形
成組成物を前記紙基材2上にTダイ押出機から加熱溶融
押し出して積層し、その後に加熱発泡炉で加熱発泡させ
ることにより形成したものである。
態の層構成図を示したものであり、化粧シート1’は、
図1に示した第1の実施形態の化粧シート1の前記発泡
樹脂層3上に、装飾層4の一つの態様である印刷層40と
該印刷層40上に保護層41を設けたものであって、これ以
外は第1の実施形態と同じである。
態の層構成図を示したものであり、化粧シート1''は、
図2に示した第2に実施形態の化粧シート1’の装飾層
4側から装飾層4の他の態様である凹凸模様42を設けた
ものであって、これ以外は第2の実施例と同じである。
に詳述する。まず、本発明の化粧シートを構成する紙基
材2について説明する。紙基材2としては、壁紙用の難
燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジ
ン、リン酸グアニジンなどの難燃剤で処理したシー
ト)、あるいは、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシ
ウムなどの無機質剤を混抄した無機質紙、あるいは、一
般紙などの通常壁紙用裏打紙といわれているものを用い
ることができ、これらの坪量としては20〜300g/m2 、
好ましくは30〜120g/m2 である。
樹脂層3について説明する。発泡樹脂層3を形成する樹
脂としては、オレフィン系熱可塑性樹脂とスチレン−エ
チレン共重合樹脂とからなる混合樹脂を用いる。前記オ
レフィン系熱可塑性樹脂としては、特に限定するもので
はないが、低温加工性に優れるなどの理由から、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−αオレフィン共
重合樹脂、メタロセン触媒を用いて重合した線状低密度
ポリエチレン、エチレン−アクリル酸メチル共重体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の1
種ないし2種以上の混合樹脂、あるいは、低結晶性軟質
ポリプロピレンやプロピレンとエチレン及び/ないしブ
テン−1を共重合させた非晶性ポリオレフィン樹脂のい
ずれか1種ないし混合樹脂が好ましい。
としては、メタロセン触媒ないしシングルサイト幾何拘
束触媒(米国特許第5703187号)によって重合さ
れた立体規則性を有するスチレンとエチレンのランダム
共重合体が適当であり、より好ましくはスチレン含有率
が30mol %以上のものであって、なかでも、長鎖分岐
が選択的に導入されたものが適当である。この理由とし
ては、長鎖分岐を選択的に導入することにより、Tダイ
押出機等での成膜性を改善することができ、また、スチ
レン含有率を30mol %以上のランダム共重合体とする
ことにより、発泡樹脂組成物層の表面張力を改善するこ
とができ(表面の濡れ性を向上することができ)、コロ
ナ放電処理等の易接着処理を施すことなく印刷して印刷
絵柄層等の装飾層を容易に形成することができる。特
に、水性インキで印刷することができ、製造時の揮発性
有機化合物の排出量を抑えることができると共に、化粧
シートから発生する揮発性有機化合物の臭気をなくすこ
とができる。また、スクラッチ性、摩耗性、引裂き性や
伸び等の機械的強度の向上に大きく寄与すると共に、難
燃剤として添加する無機充填剤との接着性向上にも大き
く寄与する。
レフィン系熱可塑性樹脂と前記スチレン−エチレン共重
合樹脂との混合樹脂について説明する。この混合樹脂
は、前記オレフィン系熱可塑性樹脂のみで発泡樹脂層を
形成した場合に生じる問題、すなわち、発泡樹脂層の皮
膜強度が弱く、スクラッチ性、摩耗性、引裂き性や伸び
等の機械的強度に劣るといった問題、また、難燃性を付
与するために難燃剤として添加する無機充填剤の添加量
を多くした場合に生じる加熱溶融押し出し時の成膜性が
悪化し、加工性が低下するといった問題などを解決する
ために用いるものである。そのために、前記オレフィン
系熱可塑性樹脂に添加されるスチレン−エチレン共重合
樹脂は、前記オレフィン系熱可塑性樹脂の改質剤として
機能し、前記混合樹脂により形成された発泡樹脂層は、
皮膜強度が強く、スクラッチ性、摩耗性、引裂き性や伸
び等の機械的強度に優れ、また、難燃性を付与するため
に難燃剤として添加する無機充填剤の添加量を多くして
も加熱溶融押し出し時の成膜性を悪化させることがない
ために加工性を低下させることがない。前記オレフィン
系熱可塑性樹脂と前記スチレン−エチレン共重合樹脂の
混合割合は、前記オレフィン系熱可塑性樹脂と前記スチ
レン−エチレン共重合樹脂の混合樹脂100 重量部に対し
て、前記スチレン−エチレン共重合樹脂10〜30重量部で
ある。この理由としては、前記混合樹脂100 重量部に対
して前記スチレン−エチレン共重合樹脂が10重量部未満
の場合は、発泡樹脂層3の引く裂き強度や伸び、あるい
は、耐スクラッチ性や耐摩耗性において、十分に満足で
きる物性を得ることができず、また、スチレン−エチレ
ン共重合樹脂の含有量が30重量部より多い場合には、発
泡樹脂組成物層を加熱発泡させて発泡樹脂層3とする際
に発泡樹脂組成物の樹脂張力が大き過ぎるために発泡セ
ルが成長せず十分な発泡倍率が得られないためである。
いて説明する。発泡剤としては、低沸点の炭化水素を内
包した熱膨張型カプセル発泡剤を用いるてもよいが、低
コストであると共に、難燃性や自己消火性に優れること
等からアゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド等
のアゾ系化合物の熱分解型発泡剤が好適である。なお、
前記熱分解型発泡剤の前記発泡樹脂層3を形成する混合
樹脂に対する添加量は、概ね混合樹脂100 重量部に対し
て2〜10重量部が適当である。
ての無機充填剤について説明する。無機充填剤として、
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、グラスファ
イバー等の周知の無機物の1種ないし2種以上の混合物
を用いることができる。なお、無機充填剤の前記発泡樹
脂層3を形成する混合樹脂に対する添加量は、概ね混合
樹脂100 重量部に対して20〜300 重量部が適当である。
る劣化を防止し、耐候性を向上させる目的で、必要に応
じて光安定剤としてラジカル捕捉剤、および/ないし、
紫外線吸収剤を添加することができる。このラジカル捕
捉剤としては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤が好
ましい。この理由としては、ヒンダードアミン系ラジカ
ル捕捉剤は、テトラアルキルピペリジンを母核に持ち、
紫外線で発生するラジカルを捕捉するラジカル捕捉作用
がある他に、ヒドロペルオキシド(ROOH)の不活性
作用等の各種作用機構によりその効果が発揮されると推
定されており、多機能の安定剤として優れた性能が得ら
れる。ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤の具体例とし
ては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル−トリデシル−1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボキシレート、テトラギス−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,
3,4−ブタンテトラカルボキシレート等の他、たとえ
ば、特公平4−82625号公報に開示されている化合
物などのヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を挙げるこ
とができる。このヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤の
添加量としては前記発泡樹脂層3を形成する混合樹脂10
0 重量部に対して0.01〜3.0 重量部添加するのが適当で
ある。
2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'
−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−3'−tert−アミル−5'−イソブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒ
ドロキシ−3'−イソブチル−5'−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−
3'−イソブチル−5'−プロピルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール等の2'−ヒドロキシフェニル−5−
クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2'
−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2'−ヒドロキ
シフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2,
2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,
2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノ
ン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン
等の2,2'−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収
剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキ
シベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、サリチル酸フェニ
ル、4−tert−ブチル−フェニル−サリシレート等
のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤類、2−エチル−
ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレ
ート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアク
リレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤類等を
用いることができる。これら紫外線吸収剤の添加量は、
前記発泡樹脂層3を形成する混合樹脂100 重量部に対し
て、通常0.1 〜10重量部程度である。また、環境に優し
い点を考慮すると、上記した紫外線吸収剤の中でも非塩
素系の紫外線吸収剤が好ましい。
着色してもよく、これに用いる着色剤としては有機顔
料、無機顔料のいずれであってもよく、要するに意匠に
合わせて任意に用いればよいが、高隠蔽顔料である必要
があり、無機顔料、たとえば、二酸化チタン、亜鉛華、
弁柄、朱、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボン
ブラック、あるいは、アルミニウム、真鍮等の金属顔
料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉から
なる真珠光沢(パール)顔料等が一般的に好適である。
これらは、粉状あるいは鱗片状箔片として、前記発泡樹
脂層3を形成する樹脂に添加、分散せしめられる。
4の一つの態様として、印刷絵柄層40および保護層41が
ある。前記印刷絵柄層40の形成は、一般的にはグラビア
印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シ
ートからの転写印刷等周知の印刷法によりインキにて形
成することができる。印刷絵柄としては、木目柄、石目
柄、布目柄、皮紋柄、幾何学図形、文字、記号、あるい
は、全面ベタ等の印刷絵柄がある。インキとしては、ビ
ヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピ
レン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシ
アネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアク
リル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系
樹脂等を1種ないし2種以上混合して用い、これに顔
料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用
いることができるが、環境に優しい化粧シートを考慮す
ると、ポリエステル、イソシアネートとポリオールから
なるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、セ
ルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種
以上混合した非塩素系のビヒクルが好適である。なお、
この印刷絵柄層40にも前記発泡樹脂層3と同様に、必要
に応じて光安定剤としてラジカル捕捉剤、および/ない
し、紫外線吸収剤を添加してもよい
記保護層41は、本発明の化粧シート1’,1''の耐スク
ラッチ性、耐磨耗性、耐薬品性、耐汚染性等を向上させ
るために設けられるものであり、エポキシ系樹脂、アク
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、あるいは、ポリエチレン,ポリプロピ
レン,ポリブテン,ポリブタジエン,イソプレン等のポ
リオレフィンの1種ないしエチレン,プロピレン,ブテ
ン,ブタジエン,イソプレン等のオレフィンの2種以上
の共重合体、あるいは、炭素数が4以上のαオレフィン
の共重合体、あるいは、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−
アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物、あるいは、アイオノマー、
あるいは、これらの1種ないしそれ以上からなる混合樹
脂などの樹脂が適当であり、前記印刷絵柄層40等のよう
に前記保護層41と直接に接する層との接着性等を考慮し
て、上記樹脂の1種ないし2種以上を混合したものを適
宜用いればよい。また、前記保護層41の形成方法として
は、たとえば、前記樹脂を溶液化したもの、あるいは、
加熱溶融したものを、周知のグラビア印刷法、ロールコ
ート法、あるいは、押し出しコート法等の塗工手段を適
宜用いて塗工するなり、あるいは、上記樹脂をフィルム
化したものを周知のドライラミネーション法等で貼合す
ることにより形成することができる。この保護層41の厚
さとしては、ドライ時で0.5 〜100 μm、通常は1〜15
μm程度である。なお、この保護層41にも前記発泡樹脂
層3と同様に、必要に応じて光安定剤としてラジカル捕
捉剤、および/ないし、紫外線吸収剤を添加してもよい
し、また、必要に応じて着色しても構わない。
様42について説明する。凹凸模様42の形成は、周知の枚
葉、あるいは、輪転式のエンボス機を用いて、化粧シー
トが加熱された状態にある時に、基材2上の最も外側の
層からエンボス版で凹凸を施して後に冷却することによ
り、前記基材2上の最も外側の層から前記発泡樹脂層3
にかけて凹凸模様42を形成することができる。この凹凸
模様42の形状としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、
布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条
溝等がある。
本発明の化粧シートの代表的な層構成を示したものであ
って、本発明の化粧シートはこれらに限られるものでは
なく、たとえば、第2、第3の実施形態で示した発泡樹
脂層3の上下ないし上下のいずれかに発泡樹脂層3を形
成する樹脂として説明したオレフィン系熱可塑性樹脂、
あるいは、オレフィン系熱可塑性樹脂とスチレン−エチ
レン共重合樹脂との混合樹脂からなる前記発泡樹脂層3
を補強するための発泡樹脂補強層(図示せず)を設けて
もよい。なお、この発泡樹脂補強層(図示せず)につい
ても、必要に応じて着色剤、難燃剤としての無機充填
剤、光安定剤としてのラジカル捕捉剤、および/ない
し、紫外線吸収剤を添加することができる。また、前記
装飾層4の一つの態様として説明した前記印刷絵柄層40
および前記保護層41は、いずれか一つであっても構わな
い。
て、さらに詳しく説明する。 実施例1 坪量70g/m2の壁紙用難燃紙〔(株)興人:WK〕上に、
同方向二軸Tダイ押出機から加熱溶融した表1に示す樹
脂組成物Aを100 μm厚さに押し出し塗工し、壁紙用難
燃紙70g/m2/樹脂組成物A100 μmの積層体を作製し、
該積層体の樹脂組成物A面にアクリル系樹脂からなる水
性インキ〔大日精化工業(株)製:ハイドリックWP〕で
グラビア印刷して砂目模様の印刷絵柄層を形成し、該印
刷絵柄層面全面に2液硬化型ウレタン樹脂を周知のグラ
ビア印刷法でドライ時に2g/m2となるように塗工して保
護層を形成した。このものを炉内温度180 ℃〜220 ℃の
発泡炉で前記樹脂組成物Aを約400 μm厚さに発泡させ
ると共に、前記保護層側から砂目柄模様のエンボス版に
てエンボス加工を行い、本発明の化粧シートを得た。
同方向二軸Tダイ押出機から加熱溶融した表1に示す樹
脂組成物Bを100 μm厚さに押し出し塗工し、壁紙用難
燃紙70g/m2/樹脂組成物B100 μmの積層体を作製し、
該積層体の樹脂組成物B面にアクリル系樹脂からなる水
性インキ〔ザインクテック(株)製:オーデAG〕でグ
ラビア印刷して木目模様の印刷絵柄層を形成し、該印刷
絵柄層面全面に2液硬化型ウレタン樹脂を周知のグラビ
ア印刷法でドライ時に2g/m2となるように塗工して保護
層を形成した。このものを炉内温度180 ℃〜220 ℃の発
泡炉で前記樹脂組成物Bを約500 μm厚さに発泡させる
と共に、前記保護層側から木目柄模様のエンボス版にて
エンボス加工を行い、本発明の化粧シートを得た。
同方向二軸Tダイ押出機から加熱溶融した表1に示す樹
脂組成物Cを100 μm厚さに押し出し塗工し、壁紙用難
燃紙70g/m2/樹脂組成物C100 μmの積層体を作製し、
該積層体の樹脂組成物C面にエチレン−酢酸ビニル系樹
脂からなるプライマー液〔ザインクテック(株)製:オ
ーデEV〕を周知のグラビア塗工法でドライ時に2g/m2
となるように塗工し、該塗工面にアクリル系樹脂からな
る水性インキ〔ザインクテック(株)製:オーデKS〕
でグラビア印刷して木目模様の印刷絵柄層を形成し、該
印刷絵柄層面全面に2液硬化型ウレタン樹脂を周知のグ
ラビア印刷法でドライ時に2g/m2となるように塗工して
保護層を形成した。このものを炉内温度180 ℃〜220 ℃
の発泡炉で前記樹脂組成物Cを約500 μm厚さに発泡さ
せると共に、前記保護層側から木目柄模様のエンボス版
にてエンボス加工を行い、本発明の化粧シートを得た。
同方向二軸Tダイ押出機から加熱溶融した表1に示す樹
脂組成物Dを100 μm厚さに押し出し塗工し、壁紙用難
燃紙70g/m2/樹脂組成物D100 μmの積層体を作製し、
該積層体の樹脂組成物D面にアクリル系樹脂からなる水
性インキ〔大日精化工業(株)製:ハイドリックWP〕で
グラビア印刷して砂目模様の印刷絵柄層を形成し、該印
刷絵柄層面全面に2液硬化型ウレタン樹脂を周知のグラ
ビア印刷法でドライ時に2g/m2となるように塗工して保
護層を形成した。このものを炉内温度180 ℃〜220 ℃の
発泡炉で前記樹脂組成物Dを約400 μm厚さに発泡させ
ると共に、前記保護層側から砂目柄模様のエンボス版に
てエンボス加工を行い、比較例とする化粧シートを得
た。
同方向二軸Tダイ押出機から加熱溶融した表1に示す樹
脂組成物Eを100 μm厚さに押し出し塗工し、壁紙用難
燃紙70g/m2/樹脂組成物E100 μmの積層体を作製し、
該積層体の樹脂組成物E面にエチレン−酢酸ビニル系樹
脂からなるプライマー液〔ザインクテック(株)製:オ
ーデEV〕を周知のグラビア塗工法でドライ時に2g/m2
となるように塗工し、該塗工面にアクリル系樹脂からな
る水性インキ〔ザインクテック(株)製:オーデKS〕
でグラビア印刷して木目模様の印刷絵柄層を形成し、該
印刷絵柄層面全面に2液硬化型ウレタン樹脂を周知のグ
ラビア印刷法でドライ時に2g/m2となるように塗工して
保護層を形成した。このものを炉内温度180 ℃〜220 ℃
の発泡炉で前記樹脂組成物Eを約500 μm厚さに発泡さ
せると共に、前記保護層側から木目柄模様のエンボス版
にてエンボス加工を行い、比較例とする化粧シートを得
た。
同方向二軸Tダイ押出機から加熱溶融した表1に示す樹
脂組成物Fを100 μm厚さに押し出し塗工したが、膜切
れが発生して塗工することができなかった。
1〜3の化粧シートについて、建築基準法施行令(昭和
25年政令第338 号)第1条第5号及び第6号の規定に基
づき準不燃材料及び難燃材料の指定を行う時に用いる表
面試験に準じて加熱試験を行うと共に、耐スクラッチ
性、耐折曲性、発泡状態の評価及びコストを比較し、そ
の結果を表2、表3に纏めて示した。
実施例1〜3の化粧シートは耐スクラッチ性、耐折曲性
に優れ、バラツキの少ないほぼ一様な発泡セル形状を有
するすると共に滑らかな表面状態を有する発泡樹脂層を
得ることができた。さらに、無機充填剤の添加量が多く
ても、加熱溶融押し出し時の成膜に支障を来たすことが
なく、加工性を低下させることがないために、容易に難
燃性を付与することができた。また、コスト的にも比較
的安価なものとすることができた。
してきたが、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐折り曲げ
性、難燃性に優れ、環境に優しいという優れた効果を奏
すると共に、難燃剤として添加する無機充填剤の添加量
を多くしても加熱溶融押し出し時の成膜性を悪化させる
ことがない上に、発泡効率が良く(発泡セル形状が一様
な)、滑らかな表面状態を有する発泡樹脂層を得ること
ができるという効果を奏するものである。
の層構成図である。
の層構成図である。
の層構成図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 紙基材上に、発泡剤と無機充填剤とを少
なくとも含む添加剤が添加された熱可塑性樹脂からなる
発泡樹脂層を少なくとも設けた化粧シートにおいて、前
記熱可塑性樹脂がオレフィン系熱可塑性樹脂とスチレン
−エチレン共重合樹脂の混合樹脂からなることを特徴と
する化粧シート。 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂が100 重量部に対し
て、前記スチレン−エチレン共重合樹脂が10〜30重量部
であることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。 - 【請求項3】 前記スチレン−エチレン共重合樹脂のス
チレン含有率が30mol %以上であることを特徴とする
請求項1、2のいずれかに記載の化粧シート。 - 【請求項4】 前記発泡樹脂層上に装飾層を設けたこと
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シー
ト。
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- 2000-06-14 JP JP2000178835A patent/JP4592877B2/ja not_active Expired - Fee Related
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