JP2001349899A - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送作業及び自動車への装着作業の容易化に
よるコスト低減を、転がり軸受ユニットの耐久性及び回
転速度検出の信頼性を低下させる事なく実現し、更に、
センサユニットの共通化によりコストを低減する。 【解決手段】 外輪1の端部に固定したカバー17aの
一部に形成した挿入孔32に、センサユニット33aの
一部を挿入した状態で、このセンサユニット33aを上
記カバー17aに装着する。このセンサユニット33a
の一部に、センサの出力信号を取り出す為のコネクタ5
3を包埋支持する。このコネクタ53と相手ハーネスの
プラグとを接続自在とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置
に回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検
出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対して回転自
在に支持すると共に、アンチロックブレーキシステム
(ABS)、或はトラクションコントロールシステム
(TCS)を制御すべく車輪の回転速度を検出する為
に、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが広く使用
されている。この様な回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットの1例として、特開平9−196945号公報に
は、図6〜8に示す様な構造が記載されている。この従
来から知られている回転速度検出装置付転がり軸受ユニ
ットは、図示しない懸架装置に支持固定して使用時にも
回転しない外輪1の内側に、それぞれが内輪相当部材を
構成するハブ2及び内輪3を回転自在に支持している。
即ち、上記外輪1は、外周面に懸架装置に取り付ける為
の第一の取付フランジ4を、内周面に複列の外輪軌道
5、5を、それぞれ有する。又、上記ハブ2は、外周面
の外(軸方向に関しては、自動車の組み付け状態で車両
の幅方向外側。本明細書で同じ。図1、2、6の左
側。)端寄り部分に、車輪を支持する為の第二の取付フ
ランジ6を設けている。又、上記ハブ2の外周面の中間
部に第一の内輪軌道7を形成し、同じく内(軸方向に関
しては、自動車の組み付け状態で車両の幅方向中央側。
本明細書で同じ。図1、2、6の右側。)端寄り部分に
形成した小径段部8に、その外周面に第二の内輪軌道9
を形成した上記内輪3を外嵌固定している。そして、上
記ハブ2の内端部に形成した雄ねじ部10にナット11
を螺着して、上記内輪3を抑え付けている。
【0003】又、上記各外輪軌道5、5と上記各内輪軌
道7、9との間には、それぞれ複数個ずつの転動体1
2、12を転動自在に設け、上記外輪1の内側に、上記
ハブ2及び内輪3を回転自在に支持している。又、上記
外輪1の外端開口部と上記ハブ2の中間部外周面との間
の隙間は、シールリング31により塞いでいる。尚、図
示の例では、転動体12、12として玉を使用している
が、重量が嵩む自動車用の回転速度検出付転がり軸受ユ
ニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する
場合もある。
【0004】更に、上記内輪3の端部外周面で上記第二
の内輪軌道9から外れた部分には、エンコーダ13を外
嵌固定している。このエンコーダ13は、鋼板等の磁性
金属板により断面L字形で全体を円環状に形成した支持
環14と、この支持環14を構成する円輪部15の側面
に添着したエンコーダ本体16とを組み合わせて成る。
このエンコーダ本体16は、例えばフェライトの粉末を
混入したゴム磁石等の永久磁石により全体を円輪状に形
成したもので、軸方向に着磁すると共に、着磁方向を、
円周方向に関して交互に、且つ等間隔で変化させてい
る。従って、上記エンコーダ本体16の側面には、S極
とN極とが、交互に、且つ等間隔で配置されている。
【0005】又、前記外輪1の内端開口部には、有底円
筒状のカバー17を外嵌固定している。このカバー17
は、鋼板等の金属板にプレス加工を施す事により造って
いる。そして、上記外輪1の内端部に、上記カバー17
の外周縁部に設けた嵌合筒部18を外嵌固定する事で、
この外輪1の内端開口部を塞いでいる。更に、上記カバ
ー17の外径寄り部分で、上記エンコーダ本体16の内
側面と対向する部分には、センサ20を支持する為の保
持筒部21を、軸方向外側に突出する状態で形成し、そ
の内側を挿入孔32としている。又、この保持筒部21
の先端部(図6の右端部、図8の下端部)外周縁に、外
向フランジ状の鍔部22を形成し、この鍔部22の外周
縁の直径方向反対側2個所位置に、1対の係止突起2
3、23を形成している。これら各係止突起23、23
は、それぞれ先端縁に向かう程上記保持筒部21の基端
(図6の左端、図8の上端)に向かう方向に傾斜してい
る。
【0006】上記センサ20は、合成樹脂製のホルダ2
4中に包埋している。このホルダ24は、上記保持筒部
21内に隙間なく挿入自在な挿入部25と、この挿入部
25の基端部に設けた大径部26とを有する。又、この
大径部26の外周面の直径方向反対側2個所位置に、1
対の弾性係止片27、27を形成している。これら各弾
性係止片27、27は、それぞれ先端縁に向かう程上記
挿入部25の先端(図6の左端、図8の上端)に向かう
方向に傾斜している。又、これら各弾性係止片27、2
7の先端部に、上記各係止突起23、23を係止自在な
係止孔28、28を、それぞれ形成している。そして、
上記センサ20とホルダ24とが、センサユニット33
を構成している。
【0007】そして、上記挿入部25を上記挿入孔32
に挿入し、上記鍔部22の内側面と上記大径部26の片
側面との間で波板ばね29を弾性的に挟持した状態で、
上記各弾性係止片27、27に形成した係止孔28、2
8と上記各係止突起23、23とを係合させている。
又、この状態で、上記挿入部25の先端部に設けたセン
サ20の検知部と、前記エンコーダ本体16の内側面と
が微小隙間を介して対向する。尚、上記挿入部25の中
間部外周面にはOリング30を係止し、このOリング3
0により、上記挿入部25の中間部外周面と上記挿入孔
32の内周面との間部分を通じて、泥水等の異物が前記
カバー17内に進入するのを防止している。
【0008】上述の様に構成する前記公報に記載された
回転速度検出装置付転がり軸受ユニットによれば、前記
ハブ2に固定した車輪を、前記外輪1を支持した懸架装
置に対して回転自在に支持できる。又、車輪の回転に伴
ってハブ2の端部に外嵌固定した内輪3と共にエンコー
ダ13が回転すると、このエンコーダ13を構成するエ
ンコーダ本体16と対向したセンサ20の出力が変化す
る。このセンサ20の出力が変化する周波数は、車輪の
回転速度に比例する為、このセンサ20の出力信号をホ
ルダ24の端部から導出したハーネス19を介して図示
しない制御器に入力すれば、上記車輪の回転速度を求
め、ABSやTCSを適切に制御できる。更に、上記回
転速度検出装置付転がり軸受ユニットによれば、外輪1
に固定したカバー17に対してセンサユニット33を、
容易に着脱できる。
【0009】又、特開平10−319027号公報に
は、外輪の端部に固定した合成樹脂製のカバーに対し、
センサユニットを容易に着脱できる回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットが記載されている。この公報に記載
された従来構造の第2例の場合には、カバーに設けた保
持筒部の内側に、その端部からハーネスを導出したセン
サユニットの一部を挿入した状態で、これら保持筒部と
センサユニットとに結合ばねを係合させて、このセンサ
ユニットを上記カバーに結合している。又、このカバー
から上記センサユニットを取り外す場合には、このセン
サユニットと上記結合ばねとの係合を外した状態で、上
記センサユニットを上記保持筒部の内側から抜き取る。
【0010】一方、特開2000−19191号公報に
は、自動車の車体への組み付け作業を容易に行なえる回
転速度検出装置付転がり軸受ユニットが記載されてい
る。この公報に記載された従来構造の第3例の場合、外
輪の端部に固定した金属板製のカバーの内周側に、円環
状の合成樹脂を内嵌固定し、この合成樹脂に、全体を円
環状に形成したセンサを包埋している。従って、上述し
た従来構造の第1〜2例の場合と異なり、上記センサの
上記カバーに対する着脱は容易でない。しかも、上記カ
バーの側面からは、センサに接続したハーネスの端部が
導出されている。但し、この従来構造の第3例の場合に
は、このハーネスの曲げ剛性を所定値以上に大きくする
と共に、このハーネスのうち、上記カバーの側面から外
部に露出している部分と上記ハーネスの端部に結合した
コネクタとから成る部分の全長を、適正に規制してい
る。そして、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを
自動車の懸架装置に組み付けるべく、この懸架装置を構
成するナックルの支持孔内に上記外輪の端部を挿入する
際に、上記ハーネスが邪魔にならない様にしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来構造の場
合には、それぞれ次の様な不都合が発生する可能性があ
る。先ず、前述した特開平9−196945号公報に記
載された従来構造の第1例と、上述した特開平10−3
19027号公報に記載された従来構造の第2例とに於
いて、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを車体に
組み付ける場合、軸受メーカー及び自動車メーカーで、
例えば、次の(1)、(2)の2通りの方法が採られ
る。 (1)軸受メーカーが外輪の端部に固定したカバーにセ
ンサユニットを装着した状態で、回転速度検出装置付転
がり軸受ユニットを自動車メーカーに搬送した後、自動
車メーカーが自動車の組立工場で、上記回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットを車体に組み付ける。 (2)軸受メーカーが上記カバーに上記センサユニット
を装着しない状態で、回転速度検出装置用転がり軸受ユ
ニットを自動車メーカーに搬送した後、自動車メーカー
が自動車の組立工場で、上記回転速度検出装置用転がり
軸受ユニットを車体に組み付け、その後、上記カバーに
上記センサユニットを装着する。
【0012】このうちの(1)の方法により、回転速度
検出装置付転がり軸受ユニットを車体に組み付ける場合
には、この回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの搬
送作業や車体への組み付け作業の能率化を図りにくい。
即ち、懸架装置を構成するナックルの支持孔内に、外輪
の端部を挿入して、回転速度検出装置付転がり軸受ユニ
ットを車体に組み付ける場合に、上記センサユニットの
端部から導出した長いハーネスが、組み付け作業の邪魔
になる事が考えられる。又、回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットを自動車メーカーに搬送する際に、上記ハ
ーネスが搬送作業の邪魔になる事が考えられる。又、こ
の場合には、多くの製品を効率良く積み込んで搬送する
事が難しくなる。従って、上記(1)の方法は、回転速
度検出装置付転がり軸受ユニットの搬送作業や組み付け
作業の能率化を図りにくく、回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットを組み込んだ自動車のコスト低減を図る上
からは好ましくない。
【0013】これに対して、上記(2)の方法により、
回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを車体に組み付
ける場合には、上記(1)の方法による場合の様に、搬
送作業や組み付け作業が難しくなる事はない。但し、こ
の(2)の方法による場合には、回転速度検出装置用転
がり軸受ユニットを組立工場に搬送し、この組立工場で
車体に組み付け、上記センサユニットを装着する迄の間
に、上記カバーの一部に上記センサユニットの一部を挿
入すべく設けた挿入孔を通じて、このカバー内に異物が
進入する可能性がある。この様に異物が進入すると、こ
の異物がエンコーダに付着して回転速度検出の精度が悪
化したり、転がり軸受ユニットの耐久性が悪化する可能
性がある。
【0014】一方、特開2000−19191号公報に
記載された従来構造の第3例の場合には、搬送中等にカ
バー内に異物が進入する事はなく、しかも車体への組み
付け作業を比較的能率良く行なえる。但し、ハーネスが
上記カバーの側面から導出している為、やはり上記組み
付け作業を十分に容易に行なえるとは言い難い。又、搬
送作業の際には、やはりハーネスが邪魔になり、この搬
送作業の能率化を図る事は難しい。又、センサの修理・
点検をする必要が生じた場合に、このセンサを上記カバ
ーから取り外す作業が容易ではなく、このセンサの修理
・点検に要する費用が嵩む原因になる。又、この従来構
造の第3例の場合には、円環状に形成したセンサをカバ
ーの内側に固定している為、このカバー及び軸受ユニッ
トの径方向の寸法が異なった場合には、異なる大きさの
センサを用いる必要がある。この為、センサの共通化を
図りにくく、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの
コストが嵩む原因になる。本発明の回転速度検出用転が
り軸受ユニットは、この様な不都合を何れも解消すべく
発明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットは、前述の図6〜8に示した、
従来構造の第1例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニ
ットと同様に、外周面に懸架装置に取り付ける為の第一
の取付フランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞ
れ有し、使用時にも回転しない外輪と、外周面の外端寄
り部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジを、同
じく中間部に上記複列の外輪軌道と対向する複列の内輪
軌道を、それぞれ有し、使用時に車輪と共に回転する内
輪相当部材と、上記複列の外輪軌道と複列の内輪軌道と
の間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体
と、上記外輪の内端部に支持固定されたカバーと、上記
内輪相当部材の一部でこのカバーに対向する部分に、こ
の内輪相当部材と同心に支持された、円周方向に関して
特性を交互に且つ等間隔に変化させたエンコーダと、セ
ンサをホルダに保持して成り、上記カバーの一部で上記
エンコーダと対向する部分に形成された挿入孔にその一
部を挿入された状態で、上記カバーに着脱自在に固定さ
れたセンサユニットとを備える。
【0016】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットに於いては、上記センサユニットの一部
に、上記センサの出力信号を取り出す為のコネクタを直
接固定して、このコネクタと相手ハーネスの端部に設け
られたプラグとを接続自在としている。
【0017】
【作用】上述の様に構成する本発明の回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットによれば、センサユニットをカバ
ーに装着した状態で搬送や車体への組み付けを行なう場
合でも、このセンサユニットから、長いハーネスが外部
に導出される事がなくなり、搬送作業及び組み付け作業
の能率化を図れる。即ち、本発明によれば、車体への組
み付け時に、カバーの側面から長いハーネスが導出され
た状態で、転がり軸受ユニットと長いハーネスとの双方
を持ちながら、このハーネスを、懸架装置を構成するナ
ックルの支持孔の内側に挿通し、その後、外輪をこのナ
ックルの一部に取り付けたりする様な面倒な手間が不要
となる。又、長いハーネスが搬送作業の邪魔になる事が
なくなり、搬送作業の能率化を図れる。
【0018】又、上記挿入孔は、上記センサユニットに
より塞いでいるので、搬送中又は車体への組み付け中
に、上記挿入孔を通じて、上記カバーの内側に異物が入
り込む事はない。更に、上記カバーに装着するセンサユ
ニットは、軸受ユニット及びカバーの寸法に応じて、そ
の寸法を変える必要がない。従って、センサユニットの
共通化を図れて、回転速度検出装置付転がり軸受ユニッ
トのコスト低減を図れる。更に、本発明によれば、上記
カバーに対して上記センサユニットの着脱を自在とする
為の適宜の手段を採用する事により、このセンサユニッ
トの着脱作業が容易になり、センサの修理・点検に要す
るコストの低減を図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。尚、本発明の特徴は、搬送中等に、
カバー17aの一部に、センサユニット33aの一部を
挿入すべく設けた挿入孔32を通じて、上記カバー17
aの内部に異物が進入する事を防止すると共に、搬送作
業及び車体への組み付け作業の能率化を図るべく、上記
カバー17aに装着したセンサユニット33aの構造を
工夫した点にある。その他の部分の構成及び作用は、前
述の図6〜8に示した従来構造の第1例の場合とほぼ同
様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説
明を省略し、以下、本発明の特徴部分並びに上記従来構
造の第1例と異なる部分を中心に説明する。
【0020】本例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニ
ットの場合、前述の従来構造の第1例の場合と異なり、
内輪3をハブ2aに固定する為にナット11(図6参
照)を用いない。その代わりに、上記ハブ2aの内端部
に円筒部34を形成すると共に、この円筒部34の先端
部で上記内輪3の内端面から突出した部分を、直径方向
外方に塑性変形させる事で構成したかしめ部35によ
り、上記内輪3の内端面を抑え付けて、この内輪3を上
記ハブ2aに対し固定している。この様な構造を採用す
る事により、上記ナット11が不要となる事によるコス
ト低減を図れるだけでなく、このナット11を省略した
分、空間の有効活用も図れる。又、外輪1の一部で、第
一の取付フランジ部4よりも軸方向内側部分は、固定側
円筒部36とし、この固定側円筒部36を懸架装置を構
成する図示しないナックルの支持孔内に、がたつきなく
挿入自在としている。
【0021】一方、上記ハブ2aと共に内輪相当部材を
構成する、上記内輪3の内端部(図1の右端部)には、
エンコーダ13aを外嵌固定している。このエンコーダ
13aは、支持環14aとエンコーダ本体16とから成
る。このうちの支持環14aは、SPCC等の磁性金属
板を折り曲げる事により、断面略T字形で全体を円環状
に形成し、上記内輪3の内端部に締まり嵌めで外嵌固定
している。又、上記エンコーダ本体16は、例えばフェ
ライト等の強磁性材の粉末を混入したゴムを上記支持環
14aを構成する円輪部15aの内側面に、焼き付け等
により添着して成る。このエンコーダ本体16は、軸方
向(図1の左右方向)に着磁すると共に、着磁方向を円
周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。従
って、上記エンコーダ13aの内側面には、S極とN極
とが円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置されてい
る。尚、このエンコーダ13aを、上述した様に断面略
T字形としたのは、このエンコーダ13aの支持環14
aを構成する円輪部15aに添着したエンコーダ本体1
6の内径を上記内輪3の肩部の外径より小さくして、上
記エンコーダ本体16の各磁極(N極或はS極)の着磁
面積を大きくする為である。そして、この様にエンコー
ダ本体16の各磁極の着磁面積を大きくする事により、
このエンコーダ本体16を被検知部とするセンサの検知
能力を向上させる事ができる。
【0022】尚、本例の場合には、上記内輪3の内端部
外周面に小径段部37を形成している。この為、上記ハ
ブ2aの円筒部34を直径方向外方に塑性変形させる事
で上記内輪3の内端部に加わる、直径方向外方に向いた
力に拘らず、この内輪3の外周面に設けた第二の内輪軌
道9が歪む事を防止できる。尚、上記小径段部37の形
状の歪みが少なければ、上記支持環14aをこの小径段
部37に外嵌する事もできる。
【0023】使用時にも回転しない外輪1の内端(図1
の右端)開口部には、カバー17aを被着して、この外
輪1の内端開口部を塞いでいる。このカバー17aは、
合成樹脂を射出成形して成る有底円筒状の本体38と、
この本体38の開口部に結合した嵌合筒39とから成
る。この嵌合筒39は、ステンレス鋼板等の耐食性を有
する金属板を塑性変形させて成るもので、断面L字形で
全体を円環状とし、嵌合筒部40と、この嵌合筒部40
の基端縁(図1の右端縁)から直径方向内方に向け折れ
曲がった内向鍔部41とから成る。この様な嵌合筒39
は、内向鍔部41を上記本体38の開口端部に、この本
体38の射出成形時にモールドする事により、結合して
いる。尚、上記内向鍔部41には、多数の透孔(図示せ
ず)を円周方向に亙り間欠的に形成している。これら各
透孔の内側には上記本体38を構成する合成樹脂が、こ
の本体38の射出成形時に流入して、この本体38と上
記嵌合筒39との結合強度を高める。
【0024】上述の様に構成するカバー17aは、上記
嵌合筒部40を上記外輪1の内端部に、締まり嵌めで外
嵌固定する事により、この外輪1の内端開口部を塞いで
いる。又、この状態で上記本体38の開口部端面、即
ち、この本体38の外周縁部に形成した円筒壁部42の
先端面は、上記外輪1の内端面に当接させる。この円筒
壁部42の先端面には全周に亙って係止溝43を形成す
ると共に、この係止溝43内にOリング44を係止して
いる。上記円筒壁部42の先端面と上記外輪1の内端面
とが当接した状態では、上記Oリング44がこの内端面
と上記係止溝43の底面との間で弾性的に圧縮されて、
上記カバー17aと外輪1との結合部を密封する。
【0025】又、このカバー17aを構成する本体38
の底板部45の内側面(図1の右側面)の一部で、直径
方向外側(図1の上側)寄り部分には、軸方向に突出す
る突部46を設けている。そして、この突部46に対応
する上記底板部45の一部で前記エンコーダ13aの内
側面と対向する部分に、前記挿入孔32を、上記底板部
45を軸方向に貫通する状態で設け、この挿入孔32内
に、センサユニット33aに設けた挿入部47を挿入自
在としている。
【0026】このセンサユニット33aは、ホール素
子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応
じて特性を変化させる磁気検出素子並びにこの磁気検出
素子の出力波形を整える為の波形整形回路を組み込んだ
ICと、上記エンコーダ13aから出る(或は上記エン
コーダ13aに流れ込む)磁束を上記磁気検出素子に導
く為の、磁性材製のポールピース等とから成るセンサ
を、合成樹脂から成るホルダ48中に包埋している。こ
のホルダ48は、先端寄り部分に上記挿入部47を、基
端部に取付フランジ部49を、それぞれ設けている。上
記センサの検知部は、上記挿入部47の先端面部分に存
在する。
【0027】又、上記挿入部47の中間部外周面には係
止溝50を形成すると共に、この係止溝50にOリング
51を係止している。上記挿入部47を上記挿入孔32
内に挿通した状態では、上記Oリング51がこの挿入孔
32の内周面と上記係止溝50の底面との間で弾性的に
圧縮されて、この間部分を通じて泥水等の異物が前記カ
バー17a内に進入する事を防止する。
【0028】又、上記ホルダ48の基端部に設けた上記
取付フランジ部49の外側面は、上記カバー17aに設
けた突部46の端面に当接自在とすべく、これら両部4
9、46の互いに当接する面を平滑面としている。又、
上記取付フランジ部49の先端部(図1の下端部)に
は、通孔52を形成している。尚、図示は省略するが、
この通孔52の内側に、円筒状の芯金をインサートする
事もできる。
【0029】特に、本発明の場合には、前記ICから整
形された波形として出る出力信号を図示しない制御器に
送る為のコネクタ53を、上記センサユニット33aの
一部に直接(外部に露出したハーネスを介する事なく)
固定している。この為に、上記ホルダ48の一部で、上
記取付フランジ部49に関して上記挿入部47と反対側
に突部54を、軸方向外側に突出する状態で形成してい
る。そして、この突部54に上記コネクタ53を、その
接続方向が上記センサユニット33aの軸方向と一致す
る状態で、包埋支持している。このコネクタ53は、上
記センサと図示しない導線等により連結して、このセン
サの出力信号を取り出し自在としている。そして、その
一端を上記制御器に連結した、図示しない相手ハーネス
の他端部に設けたプラグを、上記コネクタ53に接続自
在としている。このコネクタ53に上記プラグを接続し
た状態では、上記センサからの出力信号を上記制御器に
向け送り出せる。
【0030】尚、図示の例の場合には、上記突部54の
外周面の一部に、係止突部56を設けている。この係止
突部56の軸方向内側面は、軸方向内方に向かう程内径
側に位置する方向に傾斜させている。又、上記相手ハー
ネスの端部に設けたプラグの外周面の一部に、その先端
部に係止孔を有する略L字形の弾性係止片を設けてい
る。そして、この係止孔に上記係止突部56を係合自在
としている。
【0031】一方、前記カバー17aの突部46の端面
の一部で、上記センサユニット33aの先端寄り部分に
設けた挿入部47を上記カバー17aに設けた挿入孔3
2に挿入した状態で、上記センサユニット33aに設け
た通孔52と整合する部分には、ナット57を埋め込ん
でいる。このナット57は、内周面に雌ねじ部58を、
外周面の直径方向反対側2個所位置に、円周方向に関し
て互いに異なる方向に傾斜する状態で設けたはす歯5
9、59を、それぞれ形成している。そして、上記突部
46の端面の一部に設けた、このナット57の外接円の
直径よりも少しだけ小さな内径を有する、有底の円孔6
0内に、上記ナット57を加熱状態で押し込んで、この
ナット57を上記カバー17aに固定している。尚、上
記ナット57は、上記カバー17aの射出成形時にモー
ルドする事により、このカバー17aに固定する事もで
きる。
【0032】そして、上記センサユニット33aを上記
カバー17aに対し、次の様にして結合固定している。
先ず、上記挿入孔32に上記挿入部47を挿入した状態
で、上記センサユニット33aに設けた取付フランジ部
49の先端部に設けた通孔52に、ボルト61のねじ部
を挿通する。そして、このねじ部の先端部で上記取付フ
ランジ部49の軸方向外側面から突出した部分を、上記
カバー17aに固定したナット57の雌ねじ部58に螺
合し更に緊締する。これにより、上記センサユニット3
3aが、上記カバー17aに対し結合固定される。
【0033】上述の様に構成する本発明の回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットを懸架装置に組み付ける場合
には、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを懸架装
置に組み付ける以前に、予め、制御器にその一端を接続
した相手ハーネスの中間部を、車体側に支持固定してお
く。一方、外輪1の端部に固定したカバー17aの一部
に形成した挿入孔32には、上記センサユニット33a
を装着しておく。次いで、懸架装置を構成する前記ナッ
クルの支持孔内に、前記外輪1の内端部に設けた固定側
円筒部36を挿入した状態で、上記外輪1を上記ナック
ルの一部に取り付ける。そして、上記センサユニット3
3aの一部に固定したコネクタ53に、上記制御器に接
続した相手ハーネスの他端部に設けたプラグを接続す
る。この場合には、このプラグに設けた弾性係止片と、
上記センサユニット33aの一部に設けた係止突部56
とを係合させて、上記プラグが上記コネクタ53から不
用意に抜け出るのを防止する。
【0034】上述の様に構成する本発明の回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットによれば、センサユニット3
3aをカバー17aに装着した状態で搬送や車体への組
付けを行なう場合でも、このセンサユニット33aか
ら、長いハーネスが外部に導出する事がなくなり、搬送
作業及び組み付け作業の能率化を図れる。即ち、本発明
によれば、車体への組み付け時に、カバー17aの内側
面から長いハーネスが導出した状態で、転がり軸受ユニ
ットと長いハーネスとの双方を持ちながら、このハーネ
スを前記ナックルの支持孔の内側に挿通し、その後、外
輪1をこのナックルの一部に取り付けたりする様な、面
倒な手間が不要となる。又、長いハーネスが搬送作業の
邪魔になる事がなくなり、搬送作業の能率化を図れる。
【0035】又、上記センサユニット33aの一部に設
けたコネクタ53に、車体側に接続した相手ハーネスの
端部に設けたプラグを接続する作業は、狭い空間でも比
較的容易に行なえる為、回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットの組み付け作業の能率化を妨げる事はない。
【0036】又、上記挿入孔32は、上記センサユニッ
ト33aの挿入部47を挿入する事により塞いでいるの
で、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの搬送中等
に、上記挿入孔32を通じて、上記カバー17aの内側
に異物が入り込む事はない。更に、このカバー17aに
装着するセンサユニット33aは、上記カバー17a及
び軸受ユニットの寸法に応じて、その寸法を異ならせる
必要がない。従って、本発明によれば、軸受ユニットの
寸法に拘らず、上記センサユニット33aの共通化を図
れて、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットのコスト
低減を図れる。更に、本例の場合には、センサユニット
33aをカバー17aに着脱する際に、このカバー17
aに固定したナット57に対しボルト61を緊締した
り、緩めたりするだけで良く、カバー17aに対するセ
ンサユニット33aの着脱作業の容易化を図れる。この
為、センサの修理・点検に要するコストの低減を図れ
る。
【0037】次に、図2〜5は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合には、内輪3の内端部
に固定するエンコーダ13bを、SPCC等の磁性金属
板を折り曲げて、断面略T字形で全体を円筒状に形成し
ている。即ち、このエンコーダ13bは、円筒部62
と、この円筒部62の外端縁から内径側に180度折り
返す状態で形成した支持筒部63と、この支持筒部63
の内端縁から内径側に直角に折り曲げる状態で形成した
円輪部64とから成る。このうちの円筒部62の軸方向
長さは、上記支持筒部63の軸方向長さに比べて十分に
大きくしている。そして、上記円筒部62の内半部の円
周方向複数個所の等間隔位置に、軸方向に長い透孔6
5、65を形成して、上記円筒部62の内半部内周面の
磁気特性を円周方向に関して交互に且つ等ピッチで異な
らせている。
【0038】又、本例の場合には、上述した第1例の場
合と異なり、外輪1の内端開口部に被着してこの外輪1
の内端開口部を塞ぐカバー17bの全体を、合成樹脂を
射出成形する事により造っている。即ち、このカバー1
7bは、筒部66と、この筒部66の一端を塞ぐ底板部
67とから成る。このうちの筒部66の中間部外周面に
は外向鍔部68を、全周に亙り形成している。そして、
この筒部66の外端部を、上記外輪1の内端部に締り嵌
めで内嵌固定する事により、この外輪1の内端開口部を
塞いでいる。又、この状態で上記外向鍔部68の外端面
が、上記外輪1の内端面に当接して、上記カバー17b
の上記外輪1に対する位置決めを図っている。又、上記
筒部66の外周面で、上記外向鍔部68よりも軸方向外
側に位置する部分に係止溝43aを全周に亙り形成し、
この係止溝43aにOリング44を係止している。本例
の場合には、このOリング44が、上記カバー17bと
外輪1との結合部の密封を図っている。尚、本例の場合
には、上記カバー17bを、ポリアミド66樹脂等の合
成樹脂中にガラス繊維を30%容量程度混入したものに
より構成している。
【0039】又、上記底板部67の一部にはこの底板部
67の両側面を貫通する通孔69を、この通孔69の外
端が、上記エンコーダ13bを構成する円筒部62より
も少し内径側の位置に開口する状態で形成している。そ
して、上記底板部67の内側面の一部で、この通孔69
の内端開口周縁部に保持筒部70を、軸方向に突出する
状態で形成している。尚、本例の場合には、上記通孔6
9と、上記保持筒部70の内径側とが、請求項に記載し
た挿入孔に相当する。
【0040】又、上記保持筒部70の内周面は、開口端
側の大径円筒部71と、奥端側の小径円筒部72とから
成る。そして、この小径円筒部72の内周面の円周方向
一部に、軸方向に長い係止溝73を形成している。尚、
図示は省略するが、上記大径円筒部71と小径円筒部7
2との間部分である段部に係止溝を、全周に亙り形成
し、この係止溝にOリングを係止する事もできる。この
様にした場合には、次述するセンサユニット33bの大
径部76の基半部(図2、3の左半部)を、上記保持筒
部70の内側に挿入した状態で、この大径部76の軸方
向外側面と上記係止溝の底面との間で上記Oリングを弾
性的に圧縮して、この間部分の密封を図れる。
【0041】上記保持筒部70及び通孔69の内側に
は、センサをホルダ48a中に包埋して成るセンサユニ
ット33bの一部を挿入自在としている。このホルダ4
8aは、合成樹脂製で、先端部に小径部75を、基端部
に大径部76を、それぞれ設けている。そして、上記小
径部75を上記通孔69及び小径円筒部72に、上記大
径部76の基半部を上記大径円筒部71に、それぞれが
たつきなく挿入自在としている。
【0042】又、上記小径部75の基端部外周面の円周
方向一部に、軸方向に長い係止突起77を設けて、この
係止突起77と上記小径円筒部72の内周面の円周方向
の一部に設けた係止溝73とを係合自在としている。上
記センサユニット33bの小径部75及び大径部76の
基半部を、上記保持筒部70及び通孔69の内側に挿入
した状態では、上記係止突起77と係止溝73とが係合
して、上記センサユニット33bの上記通孔69内での
回転が阻止される。
【0043】更に、上記大径部76の先半部(図2、3
の右半部)外周面の円周方向一部に突部54aを、外径
側に突出する状態で設けている。そして、この突部54
aに、センサの出力信号を取り出す為のコネクタ53
を、その接続方向が、センサユニット33bの径方向と
一致する状態で包埋支持している。
【0044】又、上記保持筒部70の中間部先端寄り部
分の直径方向反対側2個所位置には、互いに平行なスリ
ット状の切り欠き78、78を、それぞれ上記保持筒部
70の内外両周面同士を連通させる状態で形成してい
る。そして、これら両切り欠き78、78に、図4に示
す様な結合ばね79の脚部80、80を係合自在として
いる。この結合ばね79は、全体を略U字形に形成した
もので、両端部に上記脚部80、80を設けている。
又、これら各脚部80、80の中間部同士の自由状態で
の間隔を、上記保持筒部70に設けた切り欠き78、7
8同士の間隔よりも小さくしている。又、上記センサユ
ニット33bを構成する大径部76の外半部外周面の直
径方向反対側2個所位置には、それぞれが上記結合ばね
79の脚部80、80の中間部と係合自在な係止溝8
1、81を形成している。
【0045】そして、上記センサユニット33bを前記
カバー17bに対し、次の様にして結合固定している。
先ず、図2に示す様に、上記保持筒部70の内側に上記
センサユニット33bの小径部75及び大径部76の基
半部を、前記各係止溝81、81と前記各切り欠き7
8、78とが整合するまで挿入する。次いで、前記結合
ばね79の脚部80、80を、上記各切り欠き78、7
8に挿入し、これら各脚部80、80により、上記大径
部76の外周面に設けた係止溝81、81を抑え付け
て、上記センサユニット33bが上記保持筒部70から
不用意に抜け出るのを防止する。逆に、このセンサユニ
ット33bを上記カバー17bから取り外す場合には、
上記結合ばね79を上記各切り欠き78、78から抜き
取った状態で、上記保持筒部70の内側から上記センサ
ユニット33bを抜き取る。この様に本例の場合にも、
上述の図1に示した第1例の場合と同様に、カバー17
bに対するセンサユニット33bの着脱作業の容易化を
図れる。
【0046】特に、本例の場合には、上述した様に、セ
ンサの出力信号を取り出す為のコネクタ53を、その接
続方向が、センサユニット33bの径方向と一致する状
態で設けている。この為、本例によれば、上記コネクタ
53を、その接続方向が、上記センサユニット33bの
軸方向と一致する状態で設けた場合に比べて、このセン
サユニット33bの軸方向長さを小さくできる。従っ
て、本例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを、
前置エンジン後輪駆動車(FR車)の前輪を支持する部
分に用いれば、ステアリング操作に伴い前輪に舵角が付
与されて、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが所
定の軸を中心として揺動した場合でも、上記コネクタ5
3の先端部の回転半径を小さくできる。そして、使用時
に、このコネクタ53に相手ハーネスのプラグを接続し
た状態で、この相手ハーネスが大きく振れ動く事を防止
できる。この結果、この相手ハーネスが凍結する様な寒
冷時等に、この相手ハーネスが大きく振れ動く事によ
り、早期に破損する事を防止できる。又、この様に相手
ハーネスの振れを小さくできる事により、回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットを支持する部分の空間の有効
活用を図れる。
【0047】尚、本例で使用するセンサは、永久磁石と
ポールピースと磁気検出素子とを備えたものとする。そ
して、上記センサユニット33bを上記カバー17bに
装着した状態で、このセンサユニット33bの小径部7
5の先端部の側面に設けたセンサの検知部を、前記エン
コーダ13bの円筒部62の内周面に、微小隙間を介し
て対向させる。回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
の使用時には、上記ポールピース内を流れる磁束の量
が、このポールピースの端面が上記エンコーダ13bに
設けた各透孔65、65に対向する瞬間と、それ以外の
瞬間とで変化するので、この変化に伴う上記磁気検出素
子の特性変化を、検出信号として取り出す事により、回
転速度検出を行なう。その他の構成及び作用に就いて
は、上述の図1に示した第1例の場合と同様である為、
同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略す
る。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、搬送作業及び自動車への組み付け作業を容
易化できると共に、転がり軸受ユニットの耐久性及び回
転速度検出の信頼性の向上を図れる。更に、センサの着
脱作業を容易に行なえて、このセンサの修理・点検に要
するコストの低減を図れると共に、軸受ユニットの寸法
に拘らず、センサの共通化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】同第2例を示す断面図。
【図3】第2例で用いるセンサユニットの斜視図。
【図4】このセンサユニットをカバーに装着する為に用
いる結合ばねを示す斜視図。
【図5】図2のA−A断面図。
【図6】従来構造の1例を示す、図7のB−B断面図。
【図7】図6の右方から見た図。
【図8】図7の拡大C−C断面図。 1 外輪 2、2a ハブ 3 内輪 4 第一の取付フランジ 5 外輪軌道 6 第二の取付フランジ 7 第一の内輪軌道 8 小径段部 9 第二の内輪軌道 10 雄ねじ部 11 ナット 12 転動体 13、13a、13b エンコーダ 14、14a 支持環 15、15a 円輪部 16 エンコーダ本体 17、17a、17b カバー 18 嵌合筒部 19 ハーネス 20 センサ 21 保持筒部 22 鍔部 23 係止突起 24 ホルダ 25 挿入部 26 大径部 27 弾性係止片 28 係止孔 29 波板ばね 30 Oリング 31 シールリング 32 挿入孔 33、33a、33b センサユニット 34 円筒部 35 かしめ部 36 固定側円筒部 37 小径段部 38 本体 39 嵌合筒 40 嵌合筒部 41 内向鍔部 42 円筒壁部 43、43a 係止溝 44 Oリング 45 底板部 46 突部 47 挿入部 48、48a ホルダ 49 取付フランジ部 50 係止溝 51 Oリング 52 通孔 53 コネクタ 54、54a 突部 56 係止突部 57 ナット 58 雄ねじ部 59 はす歯 60 円孔 61 ボルト 62 円筒部 63 支持筒部 64 円輪部 65 透孔 66 筒部 67 底板部 68 外向鍔部 69 通孔 70 保持筒部 71 大径円筒部 72 小径円筒部 73 係止溝 75 小径部 76 大径部 77 係止突起 78 切り欠き 79 結合ばね 80 脚部 81 係止溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 19/18 F16C 19/18 19/52 19/52 G01D 5/245 G01D 5/245 Y B G01P 1/00 G01P 1/00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に懸架装置に取り付ける為の第一
    の取付フランジを、内周面に複列の外輪軌道を、それぞ
    れ有し、使用時にも回転しない外輪と、外周面の外端寄
    り部分に車輪を支持する為の第二の取付フランジを、同
    じく中間部に上記複列の外輪軌道と対向する複列の内輪
    軌道を、それぞれ有し、使用時に車輪と共に回転する内
    輪相当部材と、上記複列の外輪軌道と複列の内輪軌道と
    の間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体
    と、上記外輪の内端部に支持固定されたカバーと、上記
    内輪相当部材の一部でこのカバーに対向する部分に、こ
    の内輪相当部材と同心に支持された、円周方向に関して
    特性を交互に且つ等間隔に変化させたエンコーダと、セ
    ンサをホルダに保持して成り、上記カバーの一部で上記
    エンコーダと対向する部分に形成された挿入孔にその一
    部を挿入された状態で、上記カバーに着脱自在に固定さ
    れたセンサユニットとを備えた回転速度検出装置付転が
    り軸受ユニットに於いて、上記センサユニットの一部
    に、上記センサの出力信号を取り出す為のコネクタを直
    接固定して、このコネクタと相手ハーネスの端部に設け
    られたプラグとを接続自在としている事を特徴とする回
    転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
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