JP3497351B2 - エンコーダ付転がり軸受ユニット - Google Patents
エンコーダ付転がり軸受ユニットInfo
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Description
転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対し
て回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検
出する為に利用する。
在に支持するのに、転がり軸受ユニットを使用する。
又、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラク
ションコントロールシステム(TCS)を制御する為に
は、上記車輪の回転速度を検出する必要がある。この
為、上記転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み
込んだ、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットによ
り、上記車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると
共に、この車輪の回転速度を検出する事が、近年広く行
なわれる様になっている。
度検出装置付転がり軸受ユニットの従来構造の1例とし
て、実開平7−31539号公報に記載されたものを示
している。この回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
は、外輪1の内側に、回転輪の構成部材であるハブ2を
回転自在に支持し、このハブ2の一部に固定したエンコ
ーダ3の回転速度を、上記外輪1に支持したセンサ4に
より検出自在としている。即ち、上記外輪1の内周面に
は、背面組み合わせの複列の外輪軌道5、5を設けてい
る。又、上記ハブ2及びこのハブ2に外嵌してナット6
によりこのハブ2に対し結合固定した状態で上記ハブ2
と共に上記回転輪を構成する内輪7の外周面には、背面
組み合わせの内輪軌道8、8を設けている。そして、こ
れら各内輪軌道8、8と上記各外輪軌道5、5との間に
それぞれ複数個ずつの転動体9、9を、それぞれ保持器
10、10により保持した状態で転動自在に設け、上記
外輪1の内側に上記ハブ2及び内輪7を、回転自在に支
持している。
付け状態で幅方向外側となる端部を言い、図6の右端
部)で上記外輪1の外端部から軸方向に突出した部分に
は、車輪を取り付ける為のフランジ11を設けている。
又、上記外輪1の内端部(自動車への組み付け状態で幅
方向中央側となる端部を言い、図6の左端部)には、こ
の外輪1を懸架装置に取り付ける為の取付部12を設け
ている。又、上記外輪1の外端開口部と上記ハブ2の中
間部外周面との間の隙間は、シールリング13により塞
いでいる。尚、図示の例では、転動体9、9として玉を
使用しているが、重量の嵩む自動車の転がり軸受ユニッ
トの場合には、これら転動体としてテーパころを使用す
る場合もある。
検出装置を組み込むべく、上記内輪7の端部で上記内輪
軌道8から外れた部分の外周面には、上記エンコーダ3
を外嵌固定している。このエンコーダ3は、軟鋼板等の
磁性金属板に塑性加工を施す事により、断面L字形で全
体を円環状に形成したもので、円筒部15と、被検知部
である円輪部16とを備える。このうちの円筒部15を
上記内輪7の端部に締り嵌めで外嵌する事により、上記
エンコーダ3をこの内輪7の内端部に固定している。
又、上記円輪部16には、それぞれがこの円輪部16の
直径方向に長いスリット状の透孔17、17を多数、放
射状に、円周方向に亙り等間隔で形成する事により、上
記円輪部16の磁気特性を、円周方向に亙って交互に且
つ等間隔で変化させている。
18を、上記エンコーダ3の円輪部16の内側面に対向
する状態で、嵌合固定している。金属板を塑性加工して
成る、このカバー18は、上記外輪1の内端開口部に内
嵌固定自在な嵌合筒部19と、この内端開口部を塞ぐ塞
ぎ板部20とを有する。そして、この塞ぎ板部20の外
周寄り部分にセンサ4を支持し、このセンサ4の検知部
14の先端面(図6の右端面)を上記エンコーダ3の円
輪部16の内側面に、微小隙間を介して対向させてい
る。
ユニットの場合、ハブ2の外端部に設けたフランジ11
に固定した車輪を、外輪1を支持した懸架装置に対し、
回転自在に支持できる。又、車輪の回転に伴ってハブ2
の内端部に外嵌固定したエンコーダ3が回転すると、上
記センサ4の検知部14の端面近傍を、上記円輪部16
に形成した透孔17、17と、円周方向に隣り合う透孔
17、17同士の間に存在する柱部とが交互に通過す
る。この結果、上記センサ4内を流れる磁束の密度が変
化し、このセンサ4の出力が変化する。このセンサ4の
出力が変化する周波数は、車輪の回転速度に比例する。
従って、センサ4の出力を図示しない制御器に送れば、
ABSやTCSを適切に制御できる。
回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合、この転
がり軸受ユニットの直径方向に関する寸法が小さいと、
エンコーダ3とセンサ4とにより構成する回転速度検出
装置による回転速度検出の精度が低下する事がある。即
ち、直径方向に関する寸法が小さい転がり軸受ユニット
の場合、上記エンコーダ3の円輪部16(被検知部)を
配置する部分である、外輪1の内端部内周面と内輪7の
内端部外周面との間部分の幅が狭い。この為、この様な
転がり軸受ユニットに上記エンコーダ3を組み込む場合
には、上記円輪部16の直径方向に関する幅寸法を小さ
くしなければならない。
する幅寸法を小さくした場合には、この円輪部16の円
周方向に関する磁気特性の変化も小さくなる。この為、
車輪の回転に伴って上記エンコーダ3が回転した場合に
も、このエンコーダ3の円輪部16と対向するセンサ4
内を流れる磁束量の変化が小さくなり、このセンサ4の
出力の変化も小さくなる。従って、上記円輪部16の直
径方向に関する幅寸法を小さくした場合には、上記回転
速度検出装置による回転速度検出の精度が低下する。本
発明のエンコーダ付転がり軸受ユニットは、この様な事
情に鑑みて、転がり軸受ユニットの直径方向に関する寸
法が小さい場合でも、上記回転速度検出装置による回転
速度検出の精度を向上させるべく発明したものである。
がり軸受ユニットは、前述した様にセンサと共に回転速
度検出装置付転がり軸受ユニットを構成する、従来のエ
ンコーダ付転がり軸受ユニットと同様に、内周面に背面
組み合わせの複列の外輪軌道を有し、車体の懸架装置に
対し固定された状態で使用時にも回転しない外輪と、外
周面に背面組み合わせの複列の内輪軌道を、一方の内輪
軌道をハブに直接形成すると共に他方の内輪軌道をその
外周面に形成した内輪をこのハブに外嵌する事により設
け、更に外周面に車輪を支持固定する為のフランジを有
し、使用時にこのフランジに固定した車輪と共に回転す
る、内輪及びハブを組み合わせて成る回転輪と、上記各
外輪軌道と上記各内輪軌道との間に転動自在に設けられ
た複数個の転動体と、円筒部及び円輪部を備え、このう
ちの円輪部の磁気特性を円周方向に関して交互に且つ等
間隔に変化させて被検知部とし、上記内輪の端部に上記
円筒部を、この円筒部全体をこの内輪に対し径方向に重
畳させた状態で外嵌する事によりこの内輪と同心に固定
されたエンコーダとを備える。そして、このエンコーダ
の被検知部を、回転しない部分に支持され、この被検知
部の磁気特性の変化に対応して出力信号を変化させるセ
ンサの検知部に対向させた状態で使用される。特に、本
発明のエンコーダ付転がり軸受ユニットに於いては、上
記内輪の端部には、この内輪の端面にまで達する小径の
段部が形成されており、上記被検知部を構成する上記円
輪部はその全体が、この段部とこの段部の周囲に存在す
る部材との間に存在する空間内に配置されている。
り軸受ユニットにより、車輪を懸架装置に対して回転自
在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する際
の作用自体は、前述した従来構造の場合と同様である。
特に、本発明のエンコーダ付転がり軸受ユニットの場合
には、転がり軸受ユニットの直径方向に関する寸法が小
さい場合でも、回転速度検出装置による回転速度検出の
精度が低下する事を防止できる。即ち、本発明の場合、
内輪の端部に支持固定するエンコーダのうちで被検知部
を構成する円輪部はその全体が、内輪の端部に形成した
小径の段部とこの段部の周囲に存在する部材との間に存
在する空間内に配置されている。従って、この段部を形
成する事で、上記エンコーダのうちで上記被検知部を構
成する円輪部の径方向一部と上記内輪の一部の径方向一
部とを軸方向に重畳させた分だけ、上記エンコーダの被
検知部の直径方向に関する幅寸法を大きくできる。この
為、上記転がり軸受ユニットの直径方向に関する寸法が
小さい場合でも、上記被検知部の磁気特性が円周方向に
関して変化する量を大きくして、上記回転速度検出装置
による回転速度検出の精度を向上させる事ができる。
する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、
本発明の特徴は、転がり軸受ユニットの直径方向に関す
る寸法が小さい場合でも、回転速度検出装置による回転
速度検出の精度が低下しない様にすべく、この回転速度
検出装置を構成するエンコーダ3の取付部の構造を工夫
した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の
図6に示した従来構造と同様であるので、同等部分には
同一符号を付して重複する説明を省略若しくは簡略に
し、以下、本発明の特徴部分並びに前述した従来構造と
異なる部分を中心に説明する。尚、本発明の実施の形態
を表す図は、前述の従来構造を表した図6とは、車両の
幅方向に関する内外方向が左右逆になっている。
の内端部で、内輪軌道8から軸方向内方(図1〜2の右
方)に外れた部分には、小径の段部21を、全周に亙り
上記内輪7aと同心に、この内輪7aの外周面よりも直
径方向内方に凹入する状態で形成している。そして、こ
の段部21に、前述の図6に示した従来構造に組み込ん
だものと同様のエンコーダ3を外嵌固定している。即
ち、このエンコーダ3は、内周縁部に形成した円筒部1
5を上記段部21の外周面に締り嵌めで外嵌する事で、
上記内輪7aの内端部に固定している。又、この状態で
上記エンコーダ3を構成する円輪部16(被検知部)の
内周寄り部分を、上記段部21に進入させ(上記内輪7
aの外周面よりも直径方向内方に位置させ)ている。
の右端)開口部は、カバー18aにより塞いでいる。こ
のカバー18aは、合成樹脂を射出成形して成る有底円
筒状の本体22と、この本体22の開口部に結合した嵌
合筒23とから成る。この嵌合筒23は、ステンレス鋼
板等の耐食性を有する金属板を塑性変形させて成るもの
で、断面L字形で全体を円環状とし、嵌合筒部24と、
この嵌合筒部24の基端縁(図1〜2の右端縁)から直
径方向内方に折れ曲がった内向鍔部25とを備える。こ
の様な嵌合筒23は、この内向鍔部25を上記本体22
の射出成形時にモールドする事により、この本体22の
開口部に結合している。この様に構成するカバー18a
は、上記嵌合筒23の嵌合筒部24を上記外輪1の内端
部に、締まり嵌めで外嵌固定する事により、この外輪1
の内端開口部を塞いでいる。
の底板部26の一部で、上記エンコーダ3を構成する円
輪部16の内側面と対向する部分には、上記底板部26
の内方に突出する円筒部27を形成している。又、この
円筒部27の内側には、この円筒部27の内端面と上記
底板部26の外側面とを連通させる挿入孔28を、上記
外輪1の軸方向に亙り形成している。そして、この挿入
孔28内に、合成樹脂製のホルダ中にセンサを包埋した
センサユニット29の先端寄り部分を挿入している。上
記センサの検知部は、このセンサユニット29の先端面
に配置している。又、上記センサを含むセンサユニット
29は、例えば軸方向(図1〜2の左右方向)に亙り着
磁した永久磁石と、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素
子)等、通過する磁束の量に応じて特性を変化させる磁
気検出素子と、この磁気検出素子の出力波形を整える為
の波形整形回路を組み込んだICとを、上記合成樹脂製
のホルダ中に包埋して成る。又、上記ICから整形され
た波形として出る出力信号を図示しない制御器に送る為
のハーネス30の端部を、(コネクタ等を介する事な
く)直接上記センサユニット29に接続している。尚、
上記センサとして、磁気検出素子に代えて、磁性材製の
ポールピースとコイルとを組み合わせたものを組み込
み、ポールピース内を流れる磁束量の変化に対応してこ
のコイルに電圧を惹起させる、パッシブ型のものを利用
する事もできる。
挿入孔28に挿入した状態で、このセンサユニット29
の先端面は、上記エンコーダ3の円輪部16の内端面と
微小隙間を介して対向する。尚、上述の様なセンサユニ
ット29を上記カバー18aに着脱する作業を容易且つ
迅速に行なえる様にすべく、本例の場合、上記円柱部2
7には、ステンレスのばね鋼等、弾性及び耐食性を有す
る線材を曲げ形成して成る1対の結合ばね31を、これ
ら各結合ばね31の基端部を上記円筒部27の外周面に
枢支した状態で設けている。そして、これら各結合ばね
31の先端部を、それぞれ上記センサユニット29の内
端面に設けた1対の係合溝(図示せず)に対し係合・離
脱させる事により、上記センサユニット29の着脱を行
なえる様にしている。但し、この部分は、本発明の要部
ではない為、詳しい説明は省略する。
の内端部に円筒部32を形成し、この円筒部32の先端
部で上記内輪7aの内端面から突出した部分を直径方向
外方にかしめ広げる事により、かしめ部47を形成して
いる。そして、このかしめ部47により上記内輪7aを
上記ハブ2aの内端部に抑え付ける事で、この内輪7a
をハブ2aに対し結合固定している。この様な構造を採
用すれば、前述の図6に示した従来構造の様に、ナット
により内輪とハブとを結合固定する構造に比べて、部品
点数の削減と組立の手間の軽減とにより、コスト低減を
図れる。尚、上記円筒部32の先端部を直径方向外方に
かしめ広げる際、上記内輪7aの一部には直径方向外方
に向いた力が加わる。この力が大きい場合、前記内輪軌
道8の直径が変化し、転動体9、9に付与した予圧が変
化する事が考えられる。但し、本例の場合には、上記か
しめ広げに伴う力は、上記内輪7aの内端部に形成した
段部21が受け、上記内輪軌道8部分にはこの力は殆ど
加わらない。従って、上記予圧が変化する事は殆どな
い。
がり軸受ユニットにより、車輪を懸架装置に対して回転
自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する
際の作用自体は、前述した従来構造の場合と同様であ
る。特に、本例の場合には、転がり軸受ユニットの直径
方向に関する寸法が小さい場合でも、エンコーダ3とセ
ンサユニット29とにより構成する回転速度検出装置に
よる回転速度検出の精度が低下する事を防止できる。即
ち、本例の場合、内輪7aの内端部に支持固定したエン
コーダ3は、被検知部である円輪部16の内周寄り部分
を、上記段部21に進入させる事により、この内周寄り
部分を上記内輪7aの外周寄り部分と全周に亙り軸方向
に重畳させている。従って、この様に重畳させた分だ
け、上記円輪部16の直径方向に関する幅寸法を大きく
できる。この為、上記転がり軸受ユニットの直径方向に
関する寸法が小さい場合でも、上記円輪部16の磁気特
性の円周方向に関する変化の量を大きくして、上記回転
速度検出装置による回転速度検出の精度を向上させる事
ができる。
本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場
合、内輪7aの内端部に外嵌固定するエンコーダ3a
は、支持環33と、被検知部に相当するエンコーダ本体
34とを組み合わせて成る。このうちの支持環33は、
軟鋼板等の磁性金属板を曲げ形成する事により、断面T
字形で全体を円環状に形成したもので、請求項に記載し
た円筒部である嵌合筒部35と、重ね合わせ部36と、
円輪部37とを備える。このうちの重ね合わせ部36
は、上記金属板の一部を上記円輪部37の内周縁で18
0度折り返し、この折り返した部分の両側で上記金属板
を互いに重ね合わせる事により構成している。又、上記
嵌合筒部35は、上記重ね合わせ部36の外周端縁を上
記円輪部37と反対側に向け直角に折り曲げる事により
形成している。そして、このうちの円輪部37の内側面
(図3の右側面)に、上記エンコーダ本体34を添着し
ている。
の粉末を混入したゴム磁石等の永久磁石により全体を円
輪状に形成したもので、軸方向(図3の左右方向)に着
磁している。着磁方向は、円周方向に関して交互に、且
つ等間隔で変化させている。従って、上記エンコーダ本
体34の内側面には、S極とN極とが交互に、且つ等間
隔で配置されている。上述の様なエンコーダ3aは、上
記嵌合筒部35を上記内輪7aの端部で小径の段部21
と内輪軌道8との間部分に設けた、この段部21よりも
大径の肩部38の外周面に締り嵌めにより外嵌すると共
に、上記重ね合わせ部36の外側面(図3の左側面)を
上記段部21の段差面に突き当てた状態で、上記内輪7
aの内端部に支持固定している。この状態で、上記エン
コーダ本体34は、内周寄り部分を上記段部21に進入
させる事により、この内周寄り部分を上記内輪7aの外
周寄り部分と全周に亙り軸方向に重畳させている。
テンレス鋼板等の金属板により形成した有底円筒状のカ
バー18bを内嵌固定する事により、上記外輪1の内端
開口部を塞いでいる。そして、このカバー18bの内側
に、ホール素子、磁気抵抗素子等、磁束の流れ方向に応
じて出力を変化させる磁気検出素子と、この磁気抵抗素
子の出力波形を整える為の波形整形回路を組み込んだI
Cとにより構成されるセンサ4aを支持している。この
センサ4aは、断面略矩形で円弧状に形成された合成樹
脂39に包埋した状態で、上記カバー18bに形成した
保持部40に保持固定している。そして、この状態で上
記センサ4aは、上記エンコーダ本体34の周方向一部
と微小隙間を介して対向している。又、上記センサ4a
の信号を取り出す為のコネクタ41は、上記カバー18
bを構成する塞ぎ板部20aの片面(図3の右面)で、
上記保持部40から外れた部分に突設している。本例の
場合、上記コネクタ41をこの様に保持部40から外れ
た位置に設ける事により、装置全体の軸方向寸法を小さ
くしている。
がり軸受ユニットの場合も、エンコーダ3aを構成する
エンコーダ本体34の内周寄り部分と上記内輪7aの外
周寄り部分とを軸方向に関して重畳させている分、この
エンコーダ本体34の直径方向に関する幅寸法を大きく
できる。従って、上記転がり軸受ユニットの直径方向に
関する寸法が小さい場合でも、上記エンコーダ本体34
の直径方向に関する幅寸法を大きくできる。この結果、
このエンコーダ本体34の磁気特性の円周方向に関する
変化の量を大きくして、回転速度検出装置による回転速
度検出の精度を向上させる事ができる。その他の構成及
び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
支持固定するエンコーダとしては、上述の様なエンコー
ダ3aの他、例えば請求項4に対応する構造である図4
に示す様に、円輪部37と重ね合わせ部36との互いに
整合する位置で、これら円輪部37及び重ね合わせ部3
6の円周方向に亙る等間隔位置に、多数の透孔59を形
成したものを使用する事もできる。但し、この様なエン
コーダを使用する場合、このエンコーダと共に回転速度
検出装置を構成するセンサとしては、前述の従来構造に
使用したセンサ4、或は第1例に使用したセンサユニッ
ト29と同様の構造のものを使用する。
る、本発明の実施の形態の第3例を示している。上述し
た第1〜2例が何れも、自動車の従動輪(FF車の後
輪、FR車及びRR車の前輪)を懸架装置に支持する為
のエンコーダ付転がり軸受ユニットに本発明を適用して
いたのに対し、本例は、自動車の駆動輪(FF車の前
輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全輪)を懸架
装置に支持する為のエンコーダ付転がり軸受ユニットに
本発明を適用している。この為に、本例のエンコーダ付
転がり軸受ユニットの場合には、ハブ2bを円筒状に形
成すると共に、このハブ2bの内周面に雌スプライン部
42を形成している。そして、この雌スプライン部42
に、外周面に雄スプライン部を形成した駆動軸43を挿
入している。そして、上記ハブ2bを、この駆動軸43
の先端部に螺合したナット44とこの駆動軸43の基端
部に形成した段部45との間部分に挟持した状態で、上
記ナット44を緊締する事により、上記ハブ2bと上記
駆動軸43とを結合している。
べく、この駆動軸43をハブ2bの内側に挿通する際
に、上記ハブ2bの内端部内周面と上記駆動軸43の内
端部外周面とが干渉しない様にする為、これら両周面同
士の間には全周に亙り隙間を形成している。又、上述の
様に上記ハブ2bと駆動軸43とを結合する際、上記段
部45の段差面46と当接する部分である、かしめ部4
7の内端面には、上記ナット44の緊締に基づいて大き
な面圧が作用する。この様に大きな面圧が発生した場合
には、上記かしめ部47が塑性変形し、上記ハブ2bの
先端部に螺合したナット44が緩む可能性がある。
7の内端面に、上記段差面46と面接触自在で、且つ上
記内輪7aの内端面に形成した平坦面48と平行な平坦
面49を設ける事により、上記かしめ部47の内端面に
加わる面圧を小さくしている。更に、この様な平坦面4
9の少なくとも一部分(外周寄り部分)を、上記内輪7
aの内周面(内輪7aの内端開口部に面取が存在する場
合には、更にこの面取)よりも直径方向外方に位置させ
る事により、上記ハブ2bの内端部に形成したかしめ部
47に、このかしめ部47を緩める方向の曲げ応力が発
生する事を防止している。即ち、上記ナット44の緊締
に基づいて上記かしめ部47に加えられる軸方向荷重に
より、上記かしめ部47の外周寄り部分で上記平坦面4
9を形成した部分を、上記内輪7aの平坦面48と上記
段差面46との間で軸方向に亙り挟持する。そして、上
記かしめ部47に上記曲げ応力が発生する事を防止し、
このかしめ部47に圧縮応力のみが付加される様にして
いる。
成する外輪1の内端部内周面で、上記内輪7aの内端部
に外嵌固定したエンコーダ3aの直径方向外方位置に、
シールリング50を内嵌している。このシールリング5
0は、芯金51とシールリップ52とを組み合わせて成
る。このうちの芯金51は、鋼板等の金属板を断面L字
形で全体を円環状に形成したもので、上記外輪1の内端
部に内嵌固定する円筒部53と、この円筒部53の端縁
部から直径方向内方に折れ曲がった円輪部54とから成
る。又、上記シールリップ52は、ゴムの如きエラスト
マー等の弾性材により全体を円環状に形成しており、上
記円輪部54の内周縁部に全周に亙って添着している。
そして、このシールリップ52の先端縁を、上記エンコ
ーダ3aの支持環33を構成する嵌合筒部35の外周面
及び円輪部37の外側面に全周に亙って摺接させる事に
より、転動体9、9を設置した空間の内端開口部を塞い
でいる。
んだセンサ4aと同様に構成され、上記エンコーダ3a
と共に回転速度検出装置を構成するセンサ4bを包埋支
持したホルダ57を、回転しない部分である、懸架装置
を構成するナックル(図示せず)に、ボルト締め等によ
り支持固定している。そして、この状態で、検知部であ
り、上記センサ4bを包埋した位置に整合する、上記ホ
ルダ57の先端部(図5の下端部)外側面を、上記エン
コーダ3aを構成するエンコーダ本体34(被検知部)
の内側面の一部に微小隙間を介して対向させている。
転がり軸受ユニットは、外輪1に設けた取付部12によ
り懸架装置に固定する。そして、自動車の走行時には、
前記駆動軸43の基端部(図5の右端部)に連結した等
速ジョイント55を介してこの駆動軸43を回転駆動
し、この回転駆動力により前記ハブ2bのフランジ11
に固定した車輪を回転させる。転がり軸受ユニットとし
て、この様な駆動輪側の転がり軸受ユニットを採用し、
それに合わせて各部の構造を変えた以外の構成及び作用
は、前述した第2例の場合とほぼ同様である。
例及び上述した第3例の場合には、内輪7aの内端部と
外輪1の内端部との双方に、段部を設ける事もできる。
この様に段部を双方に設けた場合には、エンコーダの被
検知部を配置する部分である、外輪1の内端部内周面と
内輪7aの内端部外周面との間部分の幅寸法をより大き
くする事ができて、回転速度検出装置による回転速度検
出の精度をより一層向上させる事ができる。
トは、以上の様に構成され作用する為、転がり軸受ユニ
ットの直径方向に関する寸法が小さい場合でも、エンコ
ーダの被検知部の円周方向に亙る特性の変化を大きくし
て、回転速度検出装置による回転速度検出の精度を向上
させる事ができる。
様の図。
コーダの別例を示す部分断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 内周面に背面組み合わせの複列の外輪軌
道を有し、車体の懸架装置に対し固定された状態で使用
時にも回転しない外輪と、外周面に背面組み合わせの複
列の内輪軌道を、一方の内輪軌道をハブに直接形成する
と共に他方の内輪軌道をその外周面に形成した内輪をこ
のハブに外嵌する事により設け、更に外周面に車輪を支
持固定する為のフランジを有し、使用時にこのフランジ
に固定した車輪と共に回転する、内輪及びハブを組み合
わせて成る回転輪と、上記各外輪軌道と上記各内輪軌道
との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、円筒
部及び円輪部を備え、このうちの円輪部の磁気特性を円
周方向に関して交互に且つ等間隔に変化させて被検知部
とし、上記内輪の端部に上記円筒部を、この円筒部全体
をこの内輪に対し径方向に重畳させた状態で外嵌する事
によりこの内輪と同心に固定されたエンコーダとを備
え、このエンコーダの被検知部を、回転しない部分に支
持され、この被検知部の磁気特性の変化に対応して出力
信号を変化させるセンサの検知部に対向させた状態で使
用されるエンコーダ付転がり軸受ユニットに於いて、上
記内輪の端部には、この内輪の端面にまで達する小径の
段部が形成されており、上記被検知部を構成する上記円
輪部はその全体が、上記段部とこの段部の周囲に存在す
る部材との間に存在する空間内に配置されている事を特
徴とするエンコーダ付転がり軸受ユニット。 - 【請求項2】 エンコーダが、金属板を折り曲げる事に
より造られて、円筒部と、この円筒部の端縁から直径方
向外方に折り曲げられた円輪部とを備えたものであり、
この円輪部に多数の透孔を、円周方向に亙り等間隔位置
に多数形成しており、上記円筒部を内輪の端部に形成し
た小径の段部に外嵌した状態で、上記円輪部に形成した
上記各透孔の内径寄り部分と、上記内輪の端部で内輪軌
道に隣接する部分に設けた肩部とを、軸方向に重畳させ
ている、請求項1に記載したエンコーダ付転がり軸受ユ
ニット。 - 【請求項3】 エンコーダが、支持環とエンコーダ本体
とから成るものであり、このうちの支持環は、金属板を
折り曲げる事により造られて、円筒部と、重ね合わせ部
と、円輪部とを備えたものであり、このうちの重ね合わ
せ部は、上記金属板の一部を上記円輪部の内周縁で18
0度折り返し、この折り返した部分の両側で上記金属板
を互いに重ね合わせる事により構成したものであり、上
記円筒部は、上記重ね合わせ部の外周端縁を上記円輪部
と反対側に向け直角に折り曲げる事により形成したもの
であり、上記エンコーダ本体は、側面にS極とN極とを
交互に配置した永久磁石であり、上記円筒部を、内輪の
端部で段部と他方の内輪軌道との間部分に設けた肩部に
外嵌した状態で、上記円輪部の側面に添着した上記エン
コーダ本体の内径寄り部分と、上記肩部とを、軸方向に
重畳させている、請求項1に記載したエンコーダ付転が
り軸受ユニット。 - 【請求項4】 エンコーダが、金属板を折り曲げる事に
より造られて、円筒部と、重ね合わせ部と、円輪部とを
備えたものであり、このうちの重ね合わせ部は、上記金
属板の一部を上記円輪部の内周縁で180度折り返し、
この折り返した部分の両側で上記金属板を互いに重ね合
わせる事により構成したものであり、上記円筒部は、上
記重ね合わせ部の外周端縁を上記円輪部と反対側に向け
直角に折り曲げる事により形成したものであり、これら
円輪部と重ね合わせ部との互いに整合する位置に多数の
透孔を、円周方向に亙り等間隔位置に多数形成してお
り、上記円筒部を、内輪の端部で段部と他方の内輪軌道
との間部分に設けた肩部に外嵌した状態で、上記円輪部
に形成した上記各透孔の内径寄り部分と、上記肩部と
を、軸方向に重畳させている、請求項1に記載したエン
コーダ付転がり軸受ユニット。 - 【請求項5】 外輪の一端部内周面とハブの外周面で一
方の内輪軌道に隣接する大径の部分の外周面との間、並
びに、上記外輪の他端部内周面と内輪の外周面で他方の
内輪軌道に隣接する大径の部分の外周面との間にそれぞ
れシールリングを設けて、転動体を設置した部分を密封
した、請求項1に記載したエンコーダ付転がり軸受ユニ
ット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18379797A JP3497351B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-07-09 | エンコーダ付転がり軸受ユニット |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9-80737 | 1997-03-31 | ||
JP8073797 | 1997-03-31 | ||
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Family Applications (1)
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JP18379797A Expired - Lifetime JP3497351B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-07-09 | エンコーダ付転がり軸受ユニット |
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- 1997-07-09 JP JP18379797A patent/JP3497351B2/ja not_active Expired - Lifetime
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