JP2001348727A - ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

ポリエステル繊維の製造方法

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Yoshiji Funatsu
義嗣 船津
Masato Kuroda
正人 黒田
Mototada Fukuhara
基忠 福原
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高強度繊維を生産性に優れかつ省スペース、省
エネルギーで製造する方法を提供すること。 【解決手段】密度1.355g/cm3未満、複屈折率△n0.020
以上であるポリエステル未延伸糸にレーザ光を照射し、
延伸速度50m/min以上で実質的に1段で延伸を施し、密
度1.360g/cm3以上、△n0.130以上、沸収12%以下の繊
維を得ることを特徴とするポリエステル繊維の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル繊維の
製造方法に関する。詳しくは機械特性良好なポリエステ
ル繊維の生産性に優れる製造方法、さらに詳しくは高速
生産に適し、省スペース、省エネルギーであり、かつ機
械特性、特に強度に優れるポリエステル繊維の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートをはじめと
するポリエステル繊維は強度、弾性率、寸法安定性にお
いてバランスよく優れた特性をもち、かつ比較的安価に
製造できるため、衣料用途のみならず、産業用途にも広
く使用されている。
【0003】ポリエステル繊維が産業用途に用いられる
場合、一般に最も重要視される特性は機械的特性、すな
わちその強度が大きいことであり、ポリエステル繊維の
産業用としての用途が広がるにつれ、さらなる高強度化
への要望が高まってきている。また一方ではポリエステ
ル繊維の「比較的安価に製造できる」という特徴も重要
視されており、他素材との競争力を高めるため生産性の
向上、昨今の繊維製造事情を考えると省スペース、省エ
ネルギーも要請されている。これらの事情からポリエス
テル繊維の需要が拡大するにつれ、高強度ポリエステル
繊維の生産性向上が強く望まれている。
【0004】高強度ポリエステル繊維の代表的な製造法
は「繊維便覧」p.107(繊維学会編、丸善(1994))にあ
り、高[η]ポリエチレンテレフタレートで低配向原糸を
得て、高倍率延伸、高温セットを施すという手法が長ら
く採用されている。
【0005】しかし一般的な加熱延伸手法である加熱ロ
ーラーによる多段延伸は、生産性向上のため延伸速度を
高速化した場合、繊維の加熱ローラーへの接触時間を維
持するためローラー上への多周巻き付けあるいはローラ
ー大径化が必要となり、ローラーのためのスペースが広
く必要となる問題があることに加え、ローラー表面速度
が上昇することによりローラー加熱効率が悪化するとい
う問題がある。
【0006】加熱効率を高める他の加熱延伸手法として
は、蒸気延伸、非接触高温ヒーター延伸などが知られて
いる。確かにこのような手法により加熱効率を高めるこ
とが出来るが、高速とした場合には加熱帯の長尺化が必
要でありスペースが広く必要となることに加え、単糸間
での加熱ムラによる特性の悪化、特に強度低下が起こる
可能性がある。
【0007】また低配向原糸を得るためには紡糸速度を
極めて低くする必要があり、生産性が低いという問題が
ある。生産性向上のためには紡糸速度を増加させること
が望ましいが、この場合未延伸糸配向が増加する。この
ような高配向原糸を用いる手法も特公昭63-528号公報な
ど多数見られ、熱安定性が良好などの好ましい特性も得
られるが、延伸糸強度が低下することも事実である。
【0008】上記したように、従来の手法では高強度ポ
リエステル繊維の生産性を向上するため紡糸速度あるい
は延伸速度を高速化すると延伸スペースを広く必要と
し、加えて加熱効率の悪化からエネルギー負荷が大きく
増加し生産性が低下するという背反する問題を抱えてお
り、加えて原糸配向の増加に伴い強度が低下する問題も
あった。これは未延伸糸を高速で延伸する際の加熱手法
が十分考慮されていないためである。
【0009】一方、延伸を行う際の加熱源としてレーザ
光を用いる技術が特開昭48-45612号公報等により知られ
ている。この中で特開昭60-94619号および61-75811号公
報にはレーザ光により多段延伸して得た高配向非晶繊維
を熱処理により結晶化せしめることにより超高強力糸が
得られる技術が開示されており、注目される。
【0010】しかし該公報ではレーザ光により延伸して
得られるのは高配向非晶繊維であり、実用的な高強力糸
を得るためには熱処理工程が必要である。加えてレーザ
光を用いても多段延伸が好ましいとの記載があり、レー
ザ光を用いた延伸でも省スペース化は達成できていな
い。
【0011】さらに該公報には延伸速度の記載はないも
のの、実施例での延伸速度は複屈折率△n0.048の未延
伸糸で100m/min未満、複屈折率△n0.008の未延伸糸で
約320m/minであり生産性が非常に低下してしまう。また
延伸速度とレーザ出力の関係については該公報中に下記
式が開示されているが、これに基づくと、延伸速度を10
00m/min前後とした場合数100Wのレーザ出力が必要とな
ってしまい工業的な実用性に乏しい。
【0012】
【数1】 この様に、高強度ポリエステル繊維を得るためにレーザ
光を用いる従来技術では得られる繊維は超強力であって
も省スペースは実現されておらず、かつ高速化のために
は過大な出力が要求されエネルギー負荷が大きく、生産
性向上が困難であるという課題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点を解消し、高強度繊維を生産性に優れ
かつ省スペース、省エネルギーで製造する方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レーザ延
伸を用いた高強度ポリエステル繊維の生産性向上につい
て鋭意検討を重ねてきた。その中で、原糸配向と延伸速
度がある一定条件を満たすことによって従来技術の欠点
を解消できることを見いだし、本発明に到達したもので
ある。
【0015】すなわち、本発明は密度1.355g/cm3未満、
配向度の指標である△nが0.020以上であるポリエステ
ル未延伸糸にレーザ光を照射し、延伸速度50m/min以上
で実質的に1段で延伸を施し、密度1.360g/cm3以上、△
n0.130以上、沸収12%以下の繊維を得ることを特徴と
するポリエステル繊維の製造方法を提供するものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明でいうポリエステルとは、
ジカルボン酸化合物とジオール化合物のエステル結合か
ら形成される重合体であり、好ましくはポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートであり、より好ましくはポリエチ
レンテレフタレートである。
【0017】また本発明で用いるポリエステルは、発明
の主旨を損ねない範囲で他の成分が共重合されていても
良い。さらに、本発明のポリエステルは艶消剤、難燃
剤、滑剤等の添加剤を少量含有しても良い。共重合成分
としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウ
ムイソフタル酸等の芳香族、脂肪族、脂環族ジカルボン
酸およびそれらの誘導体、またプロピレングリコール、
ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールSのような芳香
族、脂肪族、脂環族のジオール化合物を挙げることがで
きる。
【0018】本発明で用いるポリエステルの固有粘度
(IV)は0.70以上であることが好ましい。IVの低下に
伴い、得られる繊維の強度は低下するため、IV0.70以
上とすることで十分な強度を持つポリエステル繊維が得
られる。
【0019】本発明での延伸における要件は密度1.355g
/cm3未満、△n0.020以上であるポリエステル未延伸糸
にレーザ光を照射し、延伸速度50m/min以上で実質的に
1段で延伸を施すことである。このような延伸条件を採
用することで密度1.360g/cm3以上、△n0.130以上、沸
収12%以下、好ましくは強度0.90GPa以上である高強度
ポリエステル繊維を高速、省スペース、省エネルギーで
製造することができるのである。本発明者らはレーザ延
伸技術について検討を行い、本発明に至ったのである
が、その理由は十分に明らかになっていないが以下に説
明する。
【0020】高強度繊維を得るために必要なことは高倍
率かつ均一な延伸に加え、最終的に緊張熱処理を施すこ
とである。高倍率かつ均一な延伸を実現するためには未
延伸糸を十分可塑化する必要があり、このため十分な加
熱が要求される。また均一な延伸を施すためには1段で
急激な延伸を加えることは好ましくないと考えられる。
さらに緊張熱処理を施すためには処理温度をより高温と
する必要がある。このため従来のローラー加熱延伸では
広大なスペースで高温多段延伸を行う必要があった。
【0021】そこでレーザ光による加熱が重要となる。
レーザ光を用い延伸を行う特徴は、均一性などもあるが
最大の特徴は大過剰のエネルギーを瞬間に糸条に与える
ことができる点にある。省スペース化の理想的な形は1
段延伸であるため、本発明者らは十分なレーザ光を照射
することで1段で高倍率かつ均一延伸に加え緊張熱処理
が実現できると考えた。しかしながらこの手法では公知
例にもあるように延伸挙動が不安定となり、延伸点がレ
ーザ照射部から外れる現象が起こった。この現象につい
て原糸配向との関係を中心に検討を進めた結果、原糸の
降伏応力と延伸倍率および延伸張力との関係が重要であ
ることを見出した。そこで原糸配向を増加させ、原糸の
降伏応力を増加させるとともに延伸倍率を低下させるこ
とで1段延伸での延伸挙動の安定化と高張力下での熱処
理を同時に達成できたのである。
【0022】本発明の方法を用いることで、同一原糸を
用いても一般的な加熱延伸を施した繊維に比べ強度が高
くなるが、その理由については以下のように考える。
【0023】従来の一般的な加熱手法は高温物に繊維を
接触させて加熱するものであり、繊維内部への加熱は主
に熱伝導、単糸間での加熱は主に熱伝達であるため均一
加熱が難しい。加えて、特に原糸配向が増加すると温度
上昇に伴い結晶化が進行し、分子鎖の運動性を低下させ
るため高倍率延伸がより困難となる。非接触式の加熱手
段も種々考案されているが、全て繊維表面を加熱させる
方式であるため、上記した問題点は解決できない。一方
レーザは単一波長で構成されており、照射物に対し適当
な透過率を持つ波長のレーザを用いることで繊維断面内
を瞬間的に均一に加熱することができる。このため均
一、高倍率延伸が達成されるのである。加えてレーザ加
熱は非接触で行うことができるため、加熱し可塑化した
状態で繊維に傷を付けることもなく、さらに1段延伸で
あるため糸条へのローラー等の接触が極限的に減少で
き、糸条へのダメージを小さくできる。これらの理由に
より繊維の強度が向上すると考えられる。
【0024】本発明に用いるポリエステル未延伸糸は密
度1.355g/cm3未満、△n0.020以上である。△nが0.020
に満たない場合未延伸糸の降伏応力が低く、かつ1段で
の延伸倍率が大きすぎるためレーザ延伸が安定して実現
できない。△nの上昇、すなわち原糸配向の増加に伴い
延伸挙動は安定するが、レーザによる加熱をもってして
も結晶化したポリエステル繊維の高倍率延伸は困難であ
るため、原糸の結晶化度の指標である密度は1.355g/cm3
未満とする必要がある。
【0025】本発明に用いるレーザ光は単一波長で構成
される光線であり、好ましくは照射されるポリエステル
に対する厚み1μmあたりの透過率が70%以上である。
透過率が70%に満たない場合繊維表面の加熱が支配的と
なり、単糸間および単糸内部での均一加熱が難しくな
る。透過率が高い方が均一加熱の点からは好ましいが、
透過率が大きすぎると加熱効率が低下する。ポリエステ
ルに対しこれらの要件を満たす好適な例は炭酸ガスレー
ザである。
【0026】レーザ光の照射方法は任意であり、平行光
でもレンズを用い集光して照射しても良いし、片面照射
でも多方向から照射しても良い。照射効率を高めるため
反射を利用した多面照射を行うことが好ましい。なおレ
ーザ出力は照射効率に加え糸条の走行速度、表面形態、
添加物の影響などがあり一概に規定できないが、糸条に
大過剰のエネルギーを付与するため、糸条が溶断しない
程度に高めることが好ましい。したがってレーザ照射に
より糸条に与えられるエネルギーの範囲は以下の範囲が
好ましい。
【0027】
【数2】 本発明における延伸倍率は実質的に1段である。ここで
言う実質的とは延伸前後での若干のストレッチを含まな
いことを意味する。レーザを照射しつつ多段延伸を行う
ことも可能ではあるが、結晶化した糸のさらなる延伸は
困難であり、高倍率延伸が達成できないことに加え、ロ
ーラー数が増加するとスペース、エネルギーの負荷が増
え、糸条への損傷も懸念されることから好ましくない。
【0028】本発明の延伸手法を用いることでレーザ以
外の実質的な加熱手段が不要となる。加熱手段が不要と
なることでローラー数の減少、ローラーの小径短尺化が
可能となり省スペース、省エネルギー化が達成される。
ただし、得られる繊維は十分実用的であるが、さらに低
収縮、高弾性率、高強度といった特性を向上させるため
に熱処理帯を設けても良い。
【0029】本発明において延伸速度は50m/min以上、
好ましくは延伸速度100m/min以上である。なお本発明で
言う延伸速度とは延伸後最初に通過するローラーの速度
である。延伸速度が50m/minに満たないと生産性が低下
するばかりか、条件によっては延伸挙動が不安定とな
る。なおレーザを用いることで糸条の加熱効率が大幅に
向上するため、本発明はより高速での延伸挙動に適して
おり、直接紡糸延伸は好適な実施形態である。直接紡糸
延伸の場合、原糸配向をある程度高めるため引取速度は
2000m/min以上、レーザ照射はローラー間で行うことが
より好ましい。
【0030】以下実施例により、本発明を具体的かつよ
り詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に制
限されるものではない。なお、実施例中の物性値は以下
の方法によって測定した。
【0031】
【実施例】A.IV オルソクロロフェノール中、25℃で測定した。
【0032】B.強度・伸度 オリエンテック社製テンシロン引張試験機を用い、未延
伸糸は初期試料長50mm、引張速度400mm/min、延伸糸は
初期試料長200mm、引張速度200mm/minで測定し求めた。
【0033】C.密度 臭化ナトリウム水溶液による密度勾配管法で測定した。
【0034】D.複屈折率(△n) OLYMPUS社製BH−2偏光顕微鏡コンペンセータ
ーを用い、通常の干渉縞法によって、レターデーション
と繊維径より求めた。
【0035】参考例1 IV0.7のポリエチレンテレフタレートを2軸エクスト
ルーダーを用い紡糸温度295℃で孔径0.30mmφ、孔数36
の紡糸口金より吐出量12g/minで吐出し、250m/minの紡
糸速度で引き取ってポリエステル未延伸糸を得た。
【0036】参考例2 吐出量を58g/min、紡糸速度を2400m/minとする以外は参
考例1と同様の方法で紡糸を行いポリエステル未延伸糸
を得た。
【0037】参考例3 吐出量を63g/min、紡糸速度を4200m/minとする以外は参
考例1と同様の方法で紡糸を行いポリエステル未延伸糸
を得た。
【0038】参考例4 IV1.1のポリエチレンテレフタレートを用い、吐出量
を49g/min、紡糸速度を2800m/minとする以外は参考例1
と同様の方法で紡糸を行いポリエステル未延伸糸を得
た。
【0039】参考例1〜4で得られた未延伸糸の物性を
表1に示す。
【0040】
【表1】 実施例1 参考例4で得た未延伸糸を1ローラー238m/min、2ロー
ラー500m/min(延伸倍率2.1)とし、1−2ローラー間で
出力60Wの炭酸ガスレーザを照射し延伸を行った。なお
各ローラーは特に加熱しておらず室温である。得られた
延伸糸物性を表2に示す。
【0041】表2から分かるように高配向原糸を高速で
レーザ延伸することにより1段延伸で十分な強度、収縮
特性を持つ延伸糸を得ることができる。
【0042】
【表2】 比較例1 レーザを照射せず1ローラーを90℃、2ローラーを170
℃と加熱すること以外は実施例1と同様の方法で延伸を
試みたが、断糸が頻発したため1ローラーを278m/min
(延伸倍率1.8)として延伸を行った。得られた延伸糸物
性を表2に示す。
【0043】表2から分かるように通常の加熱延伸では
レーザ延伸に比べ延伸倍率が低く、得られる繊維の強度
が低下する。
【0044】比較例2 参考例1で得た未延伸糸を用い、1ローラー速度を89m/
min(延伸倍率5.6)とすること以外は実施例1と同様の方
法で延伸を行ったが、延伸挙動が安定せず満足な延伸糸
は得られなかった。
【0045】実施例2 参考例2で得た未延伸糸を用い、1ローラー速度を172m
/min(延伸倍率2.9)とすること以外は実施例1と同様の
方法で延伸を行った。得られた延伸糸物性を表2に示
す。
【0046】表2から分かるように原糸の△nが0.022
であれば高速でレーザ延伸することにより1段延伸で十
分な強度、収縮特性を持つ延伸糸を得ることができる。
【0047】実施例3 1ローラー速度を789m/min、2ローラー速度を1500m/mi
n(延伸倍率1.9)とし、レーザ出力を160Wとすること以外
は実施例2と同様の方法で延伸を行った。得られた延伸
糸物性を表2に示す。なお得られた延伸糸の伸度は28%
であった。
【0048】このように、レーザ出力と延伸速度を調整
することで1段延伸で強度とタフネスを兼ね備えた延伸
糸を得ることができる。
【0049】実施例4 参考例3で得た未延伸糸を用い、1ローラー速度を28m/
min、2ローラー速度を50m/min(延伸倍率1.8)とし、レ
ーザ出力を8Wとすること以外は実施例1と同様の方法で
延伸を行った。得られた延伸糸物性を表2に示す。
【0050】表2から分かるように高配向原糸をレーザ
延伸する際に延伸速度が50m/minであれば1段延伸で十
分な強度、収縮特性を持つ延伸糸を得ることができる。
【0051】実施例5 IV1.1のポリエチレンテレフタレートを2軸エクスト
ルーダーを用い紡糸温度295℃で孔径0.30mmφ、孔数36
の紡糸口金より吐出量47g/minで吐出し、非加熱の第1
ゴデットローラー(1GR)にて2800m/minの紡糸速度で
引き取り、GR間で出力180Wの炭酸ガスレーザを照射
し、非加熱の第2ゴデットローラー(2GR)を5600m/mi
n(延伸倍率2.0)として直接紡糸延伸を行った。得られた
延伸糸物性を表3に示す。
【0052】表3から分かるようにレーザを用いること
で直接紡糸延伸のような高速紡糸でも非加熱の1段延伸
で十分な強度、収縮特性を持つ延伸糸を得ることができ
る。
【0053】
【表3】 比較例3 1GRを温度95℃、2GRを温度180℃に加熱すること
以外は実施例5と同様の方法で直接紡糸延伸を試みた
が、GR間で単糸切れが頻発するため、2GR速度を51
00m/min(延伸倍率1.8)として直接紡糸延伸を行った。得
られた延伸糸物性を表3に示す。
【0054】表3から分かるように加熱ローラーによる
直接紡糸延伸ではレーザ加熱に比べ延伸倍率が低く、加
えて実施例5と同程度のスペースでは十分な熱処理を施
すことができず収縮特性が悪化する。
【0055】実施例6 IV0.7のポリエチレンテレフタレートを用い、1GR
速度を4000m/min(延伸倍率1.4)、レーザ出力を150Wとす
ること以外は実施例5と同様の方法で直接紡糸延伸を行
った。得られた延伸糸物性を表3に示す。なお、得られ
た延伸糸の伸度は30%であった。
【0056】このように、レーザ出力と延伸速度を調整
することで直接紡糸延伸でも1段延伸で強度とタフネス
を兼ね備えた延伸糸を得ることができる。
【0057】実施例7 1GR速度を2000m/min、2GR速度を5100m/min(延伸
倍率2.6)とすること以外は実施例5と同様の方法で直接
紡糸延伸を行った。得られた延伸糸物性を表3に示す。
【0058】表3から分かるように紡糸速度(1GR速
度)が2000m/minであればレーザ延伸を行うことで直接紡
糸延伸でも十分な強度、収縮特性を持つ延伸糸を得るこ
とができる。
【0059】
【発明の効果】高強度繊維を生産性に優れかつ省スペー
ス、省エネルギーで製造できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB33 BB79 EE09 4L036 MA05 MA25 MA33 PA03 PA18 UA07 UA21 4L045 AA05 BA03 BA49 BA50 BA51 BA52 BA60 DA15 DA42 DC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度1.355g/cm3未満、複屈折率△n0.020
    以上であるポリエステル未延伸糸にレーザ光を照射し、
    延伸速度50m/min以上で実質的に1段で延伸を施し、密
    度1.360g/cm3以上、△n0.130以上、沸収12%以下の繊
    維を得ることを特徴とするポリエステル繊維の製造方
    法。
  2. 【請求項2】得られる繊維の強度が0.90GPa以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のポリエステル繊維の製
    造方法。
  3. 【請求項3】レーザ光が炭酸ガスレーザであることを特
    徴とする請求項1または2記載のポリエステル繊維の製
    造方法。
  4. 【請求項4】ポリエステル繊維が延伸工程においてレー
    ザ照射部以外で実質的に加熱されないことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエステル繊維の
    製造方法。
  5. 【請求項5】ポリエステルを溶融紡糸し、実質的に非加
    熱のローラーで引き取った後、ローラー間でレーザ光を
    照射し実質的に1段で延伸を施し、巻き取ることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステル
    繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】2000m/min以上の速度で引き取ることを特
    徴とする請求項5記載のポリエステル繊維の製造方法。
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