JP2001348442A - 耐熱性成形体 - Google Patents

耐熱性成形体

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JP2001348442A
JP2001348442A JP2000168610A JP2000168610A JP2001348442A JP 2001348442 A JP2001348442 A JP 2001348442A JP 2000168610 A JP2000168610 A JP 2000168610A JP 2000168610 A JP2000168610 A JP 2000168610A JP 2001348442 A JP2001348442 A JP 2001348442A
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polymer
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oxazoline
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Hiroshi Hayami
宏 早味
Shinya Nishikawa
信也 西川
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Sumitomo Electric Fine Polymer Inc
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Sumitomo Electric Fine Polymer Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 260℃×60秒乃至は280℃×60秒の
耐リフロー性を有する安価で、成形加工性に優れる耐熱
性エンプラの成形体を提供する。 【解決手段】 カルボキシル酸基を有するポリマー
と、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾリン
基を有する化合物を溶融混合して得られる樹脂組成物を
成形体に成形し、電離放射線を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、高度な耐リフロ
ー性が要求される基板コネクター等の電子部品に用いら
れる耐熱性成形品を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化と高機能化に伴い、電
子部品の高密度実装が進み、LSIやIC等の半導体素
子、コンデンサ、コイル等の電子部品だけでなく、コネ
クター等の部品もプリント基板に直接実装されたり、表
面実装されるようになった。ところで、電子部品のプリ
ント基板への実装は、従来から錫/鉛合金半田が使用さ
れてきたが、昨今の環境問題に対する関心の高まりか
ら、鉛を使用しない、いわゆる鉛フリー半田の実用化が
盛んに検討されるようになった。そして、鉛フリー半田
の融点は従来の錫/鉛合金半田に比べて20乃至は40
℃高くなるため、例えば、表面実装用の基板コネクター
のハウジング材料に対しても、これまでは耐リフロー性
が240℃×10〜60秒で良かったものが、少なくと
も260℃×10〜60秒が要求され、場合によっては
280℃×10〜60秒の耐リフロー性が必要となっ
た。そのため、従来、適用されていた6−ナイロン等の
ポリアミド系エンジニアリングプラスチック(エンプ
ラ)や、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポ
リエステル系のエンプラ等のいわゆる汎用エンプラでは
対応できなくなり、PPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)やLCP(液晶ポリマー)等の高価なスーパーエプ
ラを適用せざるを得ないケースが増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、スーパーエ
ンプラは高価格という問題だけでなく、射出成形時の成
形加工性が劣ったり、成形体の強度に異方性があるなど
の問題も抱えている。このような問題から、安価で射出
成形性に優れ、成形体の強度等の問題がなく、かつ耐熱
性のエンプラが求められている。こうした状況に鑑み
て、本願発明者等は、260℃×60秒乃至は280℃
×60秒の耐リフロー性を有する安価で、成形加工性に
優れる耐熱性エンプラの成形体を提供することを目的と
して検討した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は上記の課
題について鋭意検討した結果、カルボキシル酸基を有す
るポリマーと、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオ
キサゾリン基を有する化合物を溶融混合して得られる樹
脂組成物を成形体に成形し、電離放射線を照射すること
で260〜280℃×〜60秒の耐リフロー性を有する
成形体が得られることを見出し、かかる知見に基づき、
本願発明に至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本願発明に言うカルボキシル基を
有するポリマーには、スチレンとメタクリル酸の共重合
体、スチレンとアクリロニトリルとメタクリル酸の共重
合体、スチレンとアクリロニトリルとアクリル酸の共重
合体等のカルボン酸変性ポリスチレン系樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのよ
うなポリエステル樹脂を挙げることができる。
【0006】一方、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合
とオキサゾリン基を有する化合物とは、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、クロトン酸、デセン酸、ウンデ
シレン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸から既知の方法
により誘導されるオキサゾリン化合物を例示でき、これ
らは相当する不飽和カルボン酸やそのエステル誘導体
と、エタノールアミンや2,2−ジメチル−2−アミノ
−1−ヒドロキシエタン等のエタノールアミン化合物と
を、トルエン中で環流するなどの方法、例えば、新実験
化学講座14(II)p953、p981−982(丸
善)等に記載されている方法で容易に合成でき、不飽和
カルボン酸やそのエステル化合物とエタノールアミン化
合物から任意の不飽和カルボン酸のオキサゾリン誘導体
が得られるが、当該化合物においては、不飽和カルボン
酸に由来する炭素数が12以下のものが耐熱性の良い成
形体を与える結果が得られる。
【0007】本願発明においては、上記のカルボキシル
基を有するポリマーと同一分子内に炭素−炭素不飽和結
合とオキサゾリン基を併せ持つ化合物をバンバリーミキ
サー、加圧式ニーダー等のインテンシィブミキサー、単
軸混練機もしくは二軸混練機などの押出型混合機等を用
いて200〜260℃の範囲で溶融混合し、造粒してペ
レットを得た後、射出成形機や圧縮成型機等により、所
望の形状に賦形した後、加速電子線やγ線等の電離放射
線を照射すれば、260℃乃至は280℃×60秒の耐
リフロー性を有する耐熱性成形体が得られる。
【0008】カルボキシル基を有するポリマーと、同一
分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾリン基を有す
る化合物の比率については、カルボキシル基を有するポ
リマー100重量部に対し、同一分子内に炭素−炭素不
飽和結合とオキサゾリン基を有する化合物が1〜30重
量部、好ましくは2〜20重量部の範囲であり、1重量
部未満では耐熱性が不十分となり、30重量部を越える
と、成形加工性が低下する。
【0009】カルボキシル基を有するポリマーのカルボ
キシル基の含量については、スチレンとメタクリル酸の
共重合体、スチレンとアクリメニトリルとメタクリル酸
の共重合体、スチレンとアクリロニトリルとアクリル酸
の共重合体等のポリスチレン系のものでは、相当する不
飽和カルボン酸モノマーの共重合比を変更することで、
適宜設定することが可能であり、好ましくは1〜20重
量より好ましくは2〜10重量%の範囲であり、1重量
部未満では耐熱性が不十分となり、20重量部を越える
と、射出成形性が低下したり、耐衝撃性が低下するなど
の問題が生じて好ましくない。
【0010】一方、ポリエステル樹脂の場合は、化学両
論的には片末端がカルボキシル基であるポリマーとな
る。末端のカルボキシル残基の比率はモノマーの仕込み
比率の制御等により、任意に制御可能であるが、本願で
は末端カルボキシル基の比率がおよそ5%を越えるもの
であれば、適用可能である。
【0011】また、本願発明の樹脂組成物に、更に、ト
リメチロールプロパントリメタクリレートやトリアリル
イソシアヌレート等の多官能性モノマーを添加すると、
より低線量の照射で耐熱性の良い成形体が得られる。な
お、本願発明の樹脂組成物には、必要に応じて、滑剤、
可塑剤、着色剤、補強剤、充填剤、難燃剤、酸化防止剤
等の既知の配合薬品を適宜添加できる。
【0012】
【実施例】以下に実施例および比較例をもって本願発明
について更に具体的に説明するが、本願発明はこれらの
実施例のみに制限されるものではない。表1から表3の
上方に示した組成を特徴とする混合物を、各々、2軸混
合機(30mmφ、L/D=30)で220〜260℃、
スクリュー回転数10〜100rpmの範囲で溶融混合
し、吐出ストランドを水冷し、ストランドカッターにて
ペレット化した。なお、表1から表3の上方に記載した
組成以外に、ポリマー100重量部に対して、重合禁止
剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ルを0.1重量部、酸化防止剤として、イルガノックス
1010(チバガイギー(株)社製)を1重量部を共通に
配合した。
【0013】得られたペレットを70℃の恒温槽内に2
4時間投入して乾燥した後、溶融流動性をメルトインデ
クサーで測定した。また、ペレットを射出成型機(型締
力40トン、バレル温度260℃、保圧時間10秒、金
型温度60℃)を用いて厚み0.50mmのシート状に
射出成形し、加速電圧が2MeVの電子線を照射した
後、耐リフロー性(半田耐熱性)を評価した。半田耐熱
性は260℃及び280℃の溶融半田浴にシート状成形
体を60秒浸積にした後、変形等の有無を目視で判定
し、判定の基準は次のようにした。 ○:形状保持 △:部分的に溶融変形 ×:浸漬した面積の50%以上が溶融変形 そして、各々の配合に対するこれらの溶融流動性、耐リ
フロー性(半田耐熱性)の結果を、それぞれ、表1から
表3の下方に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】(実施例1〜4について)カルボキシル基
を有するポリマーとして、スチレンとメタクリル酸の共
重合体もしくはスチレンとアクリロニトリルとメタクリ
ル酸の共重合体を用いた。また、同一分子内に炭素−炭
素不飽和結合とオキサゾリン基を有する化合物として
は、クロトン酸とエタノールアミンから前記の方法で合
成したクロトン酸のオキサゾリン誘導体(化学式1)、
メタクリル酸と2,2−ジメチル−2−アミノ−1−ヒ
ドロキシエタンから同様に合成したメタクリル酸のオキ
サゾリン誘導体(化学式2)、ウンデシレン酸とエタノ
ールアミンから合成したウンデシレン酸のオキサゾリン
誘導体(化学式3)、リシノール酸とエタノールアミン
から合成したリシノール酸のオキサゾリン誘導体(化学
式4)を用いた。そして、二軸混合機による溶融混合は
バレル温度220℃、スクリュー回転数100rpmの
条件にて行った。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】表1下方に示したように、実施例1〜3の
シート状成形体は280℃×60秒でも形状保持し、優
れた耐熱性を有することがわかった。また、実施例4の
リシノール酸から誘導されるオキサゾリン化合物を適用
したものは280℃×60秒の条件では部分的に溶融変
形したが、260℃×60秒の条件では形状保持してお
り、やはり、耐熱性に優れることがわかった。また、実
施例1〜4は、いずれも、メルトフローレートが十分大
きく、成形性も良好である。
【0023】(比較例1〜4について)比較例1,2は
表2上方に示したように、カルボキシル基を有するポリ
マーとして、実施例1〜4で用いたスチレンとメタクリ
ル酸の共重合体もしくはスチレンとアクリロニトリルと
メタクリル酸の共重合体をそれぞれ単独でシート状に成
形し電子線を照射した試料であるが、260℃×60秒
の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣っていることがわかっ
た。比較例3は実施例1のシート状成形体に電子線の照
射を行わず、耐リフロー性を調べたものであるが、26
0℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣っている
ことがわかった。比較例4はスチレンとアクリロニトリ
ルとメタクリル酸の共重合体に多官能性モノマーである
トリアリルイソシアヌレートを実施例1〜4と同じ条件
で溶融混合し、射出成形したシート状成形体を用いたも
のであるが、260℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐
熱性が劣っていることがわかった。
【0024】(実施例5〜6について)実施例5〜6は
カルボキシル基を有するポリマーとしてポリブチレンテ
レフタレート(末端のカルボキシル基の比率42%)を
用い、、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾ
リン基を有する化合物としては、クロトン酸とエタノー
ルアミンから前記の方法で合成したクロトン酸のオキサ
ゾリン誘導体(化学式1)、メタクリル酸と2,2−ジ
メチル−2−アミノ−1−ヒドロキシエタンから同様に
合成したメタクリル酸のオキサゾリン誘導体(化学式
2)を用いたものである。二軸混合機による溶融混合は
バレル温度240℃、スクリュー回転数50rpmの条
件にて行った。実施例5、6の耐リフロー性(半田耐熱
性)、溶融流動性の結果は、表3の下方に示したよう
に、成形体はどちらも280℃×60秒の条件で形状保
持していて、耐熱性に優れた成形体が得られており、ま
た、実施例5、6は、どちらも、メルトフローレートが
十分大きく、成形性も良好である。
【0025】(比較例5〜6について)比較例5は実施
例5〜6で用いたポリブチレンテレフタレート単体をシ
ート状に成形し、電子線の照射を行ったものであるが、
260℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣って
いることがわかった。比較例6は実施例5〜6で用いた
ポリブチレンテレフタレートに多官能性モノマーのトリ
アリルイソシアヌレートを実施例5〜6と同じ条件で溶
融混合した材料をシート状に成形し、電子線の照射を行
ったものであるが、260℃×60秒の浸漬で部分的に
溶融変形し、280℃×60秒の浸漬では溶融変形し、
耐熱性が劣っていることがわかった。
【0026】
【発明の効果】本願発明によれば、安価な汎用エンジニ
アリングプラスチックを電離放射線で架橋できるように
なり、耐熱性の要求されるコネクター等の電子部品の製
造分野での利用価値は大きいものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/353 C08K 5/353 C08L 25/08 C08L 25/08 33/02 33/02 33/20 33/20 67/00 67/00 101/08 101/08 Fターム(参考) 4F073 AA12 BA18 BA19 BA23 BA48 CA42 4J002 BC041 CF061 CF071 EU216 FD146 FD150 GQ00 4J100 AB02P AJ02Q AM02R CA04 CA05 HA53 HC64 JA43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基を有するポリマーと、同
    一分子内に炭素−炭素二重結合とオキサゾリン基を有す
    る化合物を溶融混合して得られる樹脂組成物の成形体に
    電離放射線を照射して架橋せしめたことを特徴とする耐
    熱性成形体。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有するポリマーがスチ
    レンと不飽和カルボン酸の共重合体もしくはスチレンと
    アクリロニトリルと不飽和カルボン酸の共重合体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性成形体。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基を有するポリマーがスチ
    レンとメタクリル酸の共重合体もしくはスチレンとアク
    リロニトリルとメタクリル酸の共重合体であることを特
    徴とする請求項1に記載の耐熱性成形体。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基を有するポリマーがポリ
    エステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の
    耐熱性成形体。
  5. 【請求項5】 同一分子内に炭素−炭素二重結合とオキ
    サゾリン基を有する化合物が、炭素数12以下の不飽和
    カルボン酸から誘導されるオキサゾリン化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の耐熱性成形体。
  6. 【請求項6】 同一分子内に炭素−炭素二重結合とオキ
    サゾリン基を有する化合物が、メタクリル酸、クロトン
    酸、ウンデシレン酸からなる群より選ばれる不飽和カル
    ボン酸から誘導されるオキサゾリン化合物であることを
    特徴とする請求項1に記載の耐熱性成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146067A (ja) * 2000-11-17 2002-05-22 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc 照射架橋樹脂シート
DE112010004034T5 (de) 2009-10-14 2012-12-27 Autonetworks Technologies, Ltd. Modifiziertes recyceltes Polyesterharz und dieses verwendendes Formteil

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