JP2001348442A - 耐熱性成形体 - Google Patents
耐熱性成形体Info
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- JP2001348442A JP2001348442A JP2000168610A JP2000168610A JP2001348442A JP 2001348442 A JP2001348442 A JP 2001348442A JP 2000168610 A JP2000168610 A JP 2000168610A JP 2000168610 A JP2000168610 A JP 2000168610A JP 2001348442 A JP2001348442 A JP 2001348442A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 260℃×60秒乃至は280℃×60秒の
耐リフロー性を有する安価で、成形加工性に優れる耐熱
性エンプラの成形体を提供する。 【解決手段】 カルボキシル酸基を有するポリマー
と、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾリン
基を有する化合物を溶融混合して得られる樹脂組成物を
成形体に成形し、電離放射線を照射する。
耐リフロー性を有する安価で、成形加工性に優れる耐熱
性エンプラの成形体を提供する。 【解決手段】 カルボキシル酸基を有するポリマー
と、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾリン
基を有する化合物を溶融混合して得られる樹脂組成物を
成形体に成形し、電離放射線を照射する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、高度な耐リフロ
ー性が要求される基板コネクター等の電子部品に用いら
れる耐熱性成形品を提供することを目的とする。
ー性が要求される基板コネクター等の電子部品に用いら
れる耐熱性成形品を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化と高機能化に伴い、電
子部品の高密度実装が進み、LSIやIC等の半導体素
子、コンデンサ、コイル等の電子部品だけでなく、コネ
クター等の部品もプリント基板に直接実装されたり、表
面実装されるようになった。ところで、電子部品のプリ
ント基板への実装は、従来から錫/鉛合金半田が使用さ
れてきたが、昨今の環境問題に対する関心の高まりか
ら、鉛を使用しない、いわゆる鉛フリー半田の実用化が
盛んに検討されるようになった。そして、鉛フリー半田
の融点は従来の錫/鉛合金半田に比べて20乃至は40
℃高くなるため、例えば、表面実装用の基板コネクター
のハウジング材料に対しても、これまでは耐リフロー性
が240℃×10〜60秒で良かったものが、少なくと
も260℃×10〜60秒が要求され、場合によっては
280℃×10〜60秒の耐リフロー性が必要となっ
た。そのため、従来、適用されていた6−ナイロン等の
ポリアミド系エンジニアリングプラスチック(エンプ
ラ)や、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポ
リエステル系のエンプラ等のいわゆる汎用エンプラでは
対応できなくなり、PPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)やLCP(液晶ポリマー)等の高価なスーパーエプ
ラを適用せざるを得ないケースが増加している。
子部品の高密度実装が進み、LSIやIC等の半導体素
子、コンデンサ、コイル等の電子部品だけでなく、コネ
クター等の部品もプリント基板に直接実装されたり、表
面実装されるようになった。ところで、電子部品のプリ
ント基板への実装は、従来から錫/鉛合金半田が使用さ
れてきたが、昨今の環境問題に対する関心の高まりか
ら、鉛を使用しない、いわゆる鉛フリー半田の実用化が
盛んに検討されるようになった。そして、鉛フリー半田
の融点は従来の錫/鉛合金半田に比べて20乃至は40
℃高くなるため、例えば、表面実装用の基板コネクター
のハウジング材料に対しても、これまでは耐リフロー性
が240℃×10〜60秒で良かったものが、少なくと
も260℃×10〜60秒が要求され、場合によっては
280℃×10〜60秒の耐リフロー性が必要となっ
た。そのため、従来、適用されていた6−ナイロン等の
ポリアミド系エンジニアリングプラスチック(エンプ
ラ)や、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポ
リエステル系のエンプラ等のいわゆる汎用エンプラでは
対応できなくなり、PPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)やLCP(液晶ポリマー)等の高価なスーパーエプ
ラを適用せざるを得ないケースが増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、スーパーエ
ンプラは高価格という問題だけでなく、射出成形時の成
形加工性が劣ったり、成形体の強度に異方性があるなど
の問題も抱えている。このような問題から、安価で射出
成形性に優れ、成形体の強度等の問題がなく、かつ耐熱
性のエンプラが求められている。こうした状況に鑑み
て、本願発明者等は、260℃×60秒乃至は280℃
×60秒の耐リフロー性を有する安価で、成形加工性に
優れる耐熱性エンプラの成形体を提供することを目的と
して検討した。
ンプラは高価格という問題だけでなく、射出成形時の成
形加工性が劣ったり、成形体の強度に異方性があるなど
の問題も抱えている。このような問題から、安価で射出
成形性に優れ、成形体の強度等の問題がなく、かつ耐熱
性のエンプラが求められている。こうした状況に鑑み
て、本願発明者等は、260℃×60秒乃至は280℃
×60秒の耐リフロー性を有する安価で、成形加工性に
優れる耐熱性エンプラの成形体を提供することを目的と
して検討した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は上記の課
題について鋭意検討した結果、カルボキシル酸基を有す
るポリマーと、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオ
キサゾリン基を有する化合物を溶融混合して得られる樹
脂組成物を成形体に成形し、電離放射線を照射すること
で260〜280℃×〜60秒の耐リフロー性を有する
成形体が得られることを見出し、かかる知見に基づき、
本願発明に至った。
題について鋭意検討した結果、カルボキシル酸基を有す
るポリマーと、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオ
キサゾリン基を有する化合物を溶融混合して得られる樹
脂組成物を成形体に成形し、電離放射線を照射すること
で260〜280℃×〜60秒の耐リフロー性を有する
成形体が得られることを見出し、かかる知見に基づき、
本願発明に至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本願発明に言うカルボキシル基を
有するポリマーには、スチレンとメタクリル酸の共重合
体、スチレンとアクリロニトリルとメタクリル酸の共重
合体、スチレンとアクリロニトリルとアクリル酸の共重
合体等のカルボン酸変性ポリスチレン系樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのよ
うなポリエステル樹脂を挙げることができる。
有するポリマーには、スチレンとメタクリル酸の共重合
体、スチレンとアクリロニトリルとメタクリル酸の共重
合体、スチレンとアクリロニトリルとアクリル酸の共重
合体等のカルボン酸変性ポリスチレン系樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのよ
うなポリエステル樹脂を挙げることができる。
【0006】一方、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合
とオキサゾリン基を有する化合物とは、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、クロトン酸、デセン酸、ウンデ
シレン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸から既知の方法
により誘導されるオキサゾリン化合物を例示でき、これ
らは相当する不飽和カルボン酸やそのエステル誘導体
と、エタノールアミンや2,2−ジメチル−2−アミノ
−1−ヒドロキシエタン等のエタノールアミン化合物と
を、トルエン中で環流するなどの方法、例えば、新実験
化学講座14(II)p953、p981−982(丸
善)等に記載されている方法で容易に合成でき、不飽和
カルボン酸やそのエステル化合物とエタノールアミン化
合物から任意の不飽和カルボン酸のオキサゾリン誘導体
が得られるが、当該化合物においては、不飽和カルボン
酸に由来する炭素数が12以下のものが耐熱性の良い成
形体を与える結果が得られる。
とオキサゾリン基を有する化合物とは、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、クロトン酸、デセン酸、ウンデ
シレン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸から既知の方法
により誘導されるオキサゾリン化合物を例示でき、これ
らは相当する不飽和カルボン酸やそのエステル誘導体
と、エタノールアミンや2,2−ジメチル−2−アミノ
−1−ヒドロキシエタン等のエタノールアミン化合物と
を、トルエン中で環流するなどの方法、例えば、新実験
化学講座14(II)p953、p981−982(丸
善)等に記載されている方法で容易に合成でき、不飽和
カルボン酸やそのエステル化合物とエタノールアミン化
合物から任意の不飽和カルボン酸のオキサゾリン誘導体
が得られるが、当該化合物においては、不飽和カルボン
酸に由来する炭素数が12以下のものが耐熱性の良い成
形体を与える結果が得られる。
【0007】本願発明においては、上記のカルボキシル
基を有するポリマーと同一分子内に炭素−炭素不飽和結
合とオキサゾリン基を併せ持つ化合物をバンバリーミキ
サー、加圧式ニーダー等のインテンシィブミキサー、単
軸混練機もしくは二軸混練機などの押出型混合機等を用
いて200〜260℃の範囲で溶融混合し、造粒してペ
レットを得た後、射出成形機や圧縮成型機等により、所
望の形状に賦形した後、加速電子線やγ線等の電離放射
線を照射すれば、260℃乃至は280℃×60秒の耐
リフロー性を有する耐熱性成形体が得られる。
基を有するポリマーと同一分子内に炭素−炭素不飽和結
合とオキサゾリン基を併せ持つ化合物をバンバリーミキ
サー、加圧式ニーダー等のインテンシィブミキサー、単
軸混練機もしくは二軸混練機などの押出型混合機等を用
いて200〜260℃の範囲で溶融混合し、造粒してペ
レットを得た後、射出成形機や圧縮成型機等により、所
望の形状に賦形した後、加速電子線やγ線等の電離放射
線を照射すれば、260℃乃至は280℃×60秒の耐
リフロー性を有する耐熱性成形体が得られる。
【0008】カルボキシル基を有するポリマーと、同一
分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾリン基を有す
る化合物の比率については、カルボキシル基を有するポ
リマー100重量部に対し、同一分子内に炭素−炭素不
飽和結合とオキサゾリン基を有する化合物が1〜30重
量部、好ましくは2〜20重量部の範囲であり、1重量
部未満では耐熱性が不十分となり、30重量部を越える
と、成形加工性が低下する。
分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾリン基を有す
る化合物の比率については、カルボキシル基を有するポ
リマー100重量部に対し、同一分子内に炭素−炭素不
飽和結合とオキサゾリン基を有する化合物が1〜30重
量部、好ましくは2〜20重量部の範囲であり、1重量
部未満では耐熱性が不十分となり、30重量部を越える
と、成形加工性が低下する。
【0009】カルボキシル基を有するポリマーのカルボ
キシル基の含量については、スチレンとメタクリル酸の
共重合体、スチレンとアクリメニトリルとメタクリル酸
の共重合体、スチレンとアクリロニトリルとアクリル酸
の共重合体等のポリスチレン系のものでは、相当する不
飽和カルボン酸モノマーの共重合比を変更することで、
適宜設定することが可能であり、好ましくは1〜20重
量より好ましくは2〜10重量%の範囲であり、1重量
部未満では耐熱性が不十分となり、20重量部を越える
と、射出成形性が低下したり、耐衝撃性が低下するなど
の問題が生じて好ましくない。
キシル基の含量については、スチレンとメタクリル酸の
共重合体、スチレンとアクリメニトリルとメタクリル酸
の共重合体、スチレンとアクリロニトリルとアクリル酸
の共重合体等のポリスチレン系のものでは、相当する不
飽和カルボン酸モノマーの共重合比を変更することで、
適宜設定することが可能であり、好ましくは1〜20重
量より好ましくは2〜10重量%の範囲であり、1重量
部未満では耐熱性が不十分となり、20重量部を越える
と、射出成形性が低下したり、耐衝撃性が低下するなど
の問題が生じて好ましくない。
【0010】一方、ポリエステル樹脂の場合は、化学両
論的には片末端がカルボキシル基であるポリマーとな
る。末端のカルボキシル残基の比率はモノマーの仕込み
比率の制御等により、任意に制御可能であるが、本願で
は末端カルボキシル基の比率がおよそ5%を越えるもの
であれば、適用可能である。
論的には片末端がカルボキシル基であるポリマーとな
る。末端のカルボキシル残基の比率はモノマーの仕込み
比率の制御等により、任意に制御可能であるが、本願で
は末端カルボキシル基の比率がおよそ5%を越えるもの
であれば、適用可能である。
【0011】また、本願発明の樹脂組成物に、更に、ト
リメチロールプロパントリメタクリレートやトリアリル
イソシアヌレート等の多官能性モノマーを添加すると、
より低線量の照射で耐熱性の良い成形体が得られる。な
お、本願発明の樹脂組成物には、必要に応じて、滑剤、
可塑剤、着色剤、補強剤、充填剤、難燃剤、酸化防止剤
等の既知の配合薬品を適宜添加できる。
リメチロールプロパントリメタクリレートやトリアリル
イソシアヌレート等の多官能性モノマーを添加すると、
より低線量の照射で耐熱性の良い成形体が得られる。な
お、本願発明の樹脂組成物には、必要に応じて、滑剤、
可塑剤、着色剤、補強剤、充填剤、難燃剤、酸化防止剤
等の既知の配合薬品を適宜添加できる。
【0012】
【実施例】以下に実施例および比較例をもって本願発明
について更に具体的に説明するが、本願発明はこれらの
実施例のみに制限されるものではない。表1から表3の
上方に示した組成を特徴とする混合物を、各々、2軸混
合機(30mmφ、L/D=30)で220〜260℃、
スクリュー回転数10〜100rpmの範囲で溶融混合
し、吐出ストランドを水冷し、ストランドカッターにて
ペレット化した。なお、表1から表3の上方に記載した
組成以外に、ポリマー100重量部に対して、重合禁止
剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ルを0.1重量部、酸化防止剤として、イルガノックス
1010(チバガイギー(株)社製)を1重量部を共通に
配合した。
について更に具体的に説明するが、本願発明はこれらの
実施例のみに制限されるものではない。表1から表3の
上方に示した組成を特徴とする混合物を、各々、2軸混
合機(30mmφ、L/D=30)で220〜260℃、
スクリュー回転数10〜100rpmの範囲で溶融混合
し、吐出ストランドを水冷し、ストランドカッターにて
ペレット化した。なお、表1から表3の上方に記載した
組成以外に、ポリマー100重量部に対して、重合禁止
剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ルを0.1重量部、酸化防止剤として、イルガノックス
1010(チバガイギー(株)社製)を1重量部を共通に
配合した。
【0013】得られたペレットを70℃の恒温槽内に2
4時間投入して乾燥した後、溶融流動性をメルトインデ
クサーで測定した。また、ペレットを射出成型機(型締
力40トン、バレル温度260℃、保圧時間10秒、金
型温度60℃)を用いて厚み0.50mmのシート状に
射出成形し、加速電圧が2MeVの電子線を照射した
後、耐リフロー性(半田耐熱性)を評価した。半田耐熱
性は260℃及び280℃の溶融半田浴にシート状成形
体を60秒浸積にした後、変形等の有無を目視で判定
し、判定の基準は次のようにした。 ○:形状保持 △:部分的に溶融変形 ×:浸漬した面積の50%以上が溶融変形 そして、各々の配合に対するこれらの溶融流動性、耐リ
フロー性(半田耐熱性)の結果を、それぞれ、表1から
表3の下方に示した。
4時間投入して乾燥した後、溶融流動性をメルトインデ
クサーで測定した。また、ペレットを射出成型機(型締
力40トン、バレル温度260℃、保圧時間10秒、金
型温度60℃)を用いて厚み0.50mmのシート状に
射出成形し、加速電圧が2MeVの電子線を照射した
後、耐リフロー性(半田耐熱性)を評価した。半田耐熱
性は260℃及び280℃の溶融半田浴にシート状成形
体を60秒浸積にした後、変形等の有無を目視で判定
し、判定の基準は次のようにした。 ○:形状保持 △:部分的に溶融変形 ×:浸漬した面積の50%以上が溶融変形 そして、各々の配合に対するこれらの溶融流動性、耐リ
フロー性(半田耐熱性)の結果を、それぞれ、表1から
表3の下方に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】(実施例1〜4について)カルボキシル基
を有するポリマーとして、スチレンとメタクリル酸の共
重合体もしくはスチレンとアクリロニトリルとメタクリ
ル酸の共重合体を用いた。また、同一分子内に炭素−炭
素不飽和結合とオキサゾリン基を有する化合物として
は、クロトン酸とエタノールアミンから前記の方法で合
成したクロトン酸のオキサゾリン誘導体(化学式1)、
メタクリル酸と2,2−ジメチル−2−アミノ−1−ヒ
ドロキシエタンから同様に合成したメタクリル酸のオキ
サゾリン誘導体(化学式2)、ウンデシレン酸とエタノ
ールアミンから合成したウンデシレン酸のオキサゾリン
誘導体(化学式3)、リシノール酸とエタノールアミン
から合成したリシノール酸のオキサゾリン誘導体(化学
式4)を用いた。そして、二軸混合機による溶融混合は
バレル温度220℃、スクリュー回転数100rpmの
条件にて行った。
を有するポリマーとして、スチレンとメタクリル酸の共
重合体もしくはスチレンとアクリロニトリルとメタクリ
ル酸の共重合体を用いた。また、同一分子内に炭素−炭
素不飽和結合とオキサゾリン基を有する化合物として
は、クロトン酸とエタノールアミンから前記の方法で合
成したクロトン酸のオキサゾリン誘導体(化学式1)、
メタクリル酸と2,2−ジメチル−2−アミノ−1−ヒ
ドロキシエタンから同様に合成したメタクリル酸のオキ
サゾリン誘導体(化学式2)、ウンデシレン酸とエタノ
ールアミンから合成したウンデシレン酸のオキサゾリン
誘導体(化学式3)、リシノール酸とエタノールアミン
から合成したリシノール酸のオキサゾリン誘導体(化学
式4)を用いた。そして、二軸混合機による溶融混合は
バレル温度220℃、スクリュー回転数100rpmの
条件にて行った。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】表1下方に示したように、実施例1〜3の
シート状成形体は280℃×60秒でも形状保持し、優
れた耐熱性を有することがわかった。また、実施例4の
リシノール酸から誘導されるオキサゾリン化合物を適用
したものは280℃×60秒の条件では部分的に溶融変
形したが、260℃×60秒の条件では形状保持してお
り、やはり、耐熱性に優れることがわかった。また、実
施例1〜4は、いずれも、メルトフローレートが十分大
きく、成形性も良好である。
シート状成形体は280℃×60秒でも形状保持し、優
れた耐熱性を有することがわかった。また、実施例4の
リシノール酸から誘導されるオキサゾリン化合物を適用
したものは280℃×60秒の条件では部分的に溶融変
形したが、260℃×60秒の条件では形状保持してお
り、やはり、耐熱性に優れることがわかった。また、実
施例1〜4は、いずれも、メルトフローレートが十分大
きく、成形性も良好である。
【0023】(比較例1〜4について)比較例1,2は
表2上方に示したように、カルボキシル基を有するポリ
マーとして、実施例1〜4で用いたスチレンとメタクリ
ル酸の共重合体もしくはスチレンとアクリロニトリルと
メタクリル酸の共重合体をそれぞれ単独でシート状に成
形し電子線を照射した試料であるが、260℃×60秒
の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣っていることがわかっ
た。比較例3は実施例1のシート状成形体に電子線の照
射を行わず、耐リフロー性を調べたものであるが、26
0℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣っている
ことがわかった。比較例4はスチレンとアクリロニトリ
ルとメタクリル酸の共重合体に多官能性モノマーである
トリアリルイソシアヌレートを実施例1〜4と同じ条件
で溶融混合し、射出成形したシート状成形体を用いたも
のであるが、260℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐
熱性が劣っていることがわかった。
表2上方に示したように、カルボキシル基を有するポリ
マーとして、実施例1〜4で用いたスチレンとメタクリ
ル酸の共重合体もしくはスチレンとアクリロニトリルと
メタクリル酸の共重合体をそれぞれ単独でシート状に成
形し電子線を照射した試料であるが、260℃×60秒
の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣っていることがわかっ
た。比較例3は実施例1のシート状成形体に電子線の照
射を行わず、耐リフロー性を調べたものであるが、26
0℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣っている
ことがわかった。比較例4はスチレンとアクリロニトリ
ルとメタクリル酸の共重合体に多官能性モノマーである
トリアリルイソシアヌレートを実施例1〜4と同じ条件
で溶融混合し、射出成形したシート状成形体を用いたも
のであるが、260℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐
熱性が劣っていることがわかった。
【0024】(実施例5〜6について)実施例5〜6は
カルボキシル基を有するポリマーとしてポリブチレンテ
レフタレート(末端のカルボキシル基の比率42%)を
用い、、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾ
リン基を有する化合物としては、クロトン酸とエタノー
ルアミンから前記の方法で合成したクロトン酸のオキサ
ゾリン誘導体(化学式1)、メタクリル酸と2,2−ジ
メチル−2−アミノ−1−ヒドロキシエタンから同様に
合成したメタクリル酸のオキサゾリン誘導体(化学式
2)を用いたものである。二軸混合機による溶融混合は
バレル温度240℃、スクリュー回転数50rpmの条
件にて行った。実施例5、6の耐リフロー性(半田耐熱
性)、溶融流動性の結果は、表3の下方に示したよう
に、成形体はどちらも280℃×60秒の条件で形状保
持していて、耐熱性に優れた成形体が得られており、ま
た、実施例5、6は、どちらも、メルトフローレートが
十分大きく、成形性も良好である。
カルボキシル基を有するポリマーとしてポリブチレンテ
レフタレート(末端のカルボキシル基の比率42%)を
用い、、同一分子内に炭素−炭素不飽和結合とオキサゾ
リン基を有する化合物としては、クロトン酸とエタノー
ルアミンから前記の方法で合成したクロトン酸のオキサ
ゾリン誘導体(化学式1)、メタクリル酸と2,2−ジ
メチル−2−アミノ−1−ヒドロキシエタンから同様に
合成したメタクリル酸のオキサゾリン誘導体(化学式
2)を用いたものである。二軸混合機による溶融混合は
バレル温度240℃、スクリュー回転数50rpmの条
件にて行った。実施例5、6の耐リフロー性(半田耐熱
性)、溶融流動性の結果は、表3の下方に示したよう
に、成形体はどちらも280℃×60秒の条件で形状保
持していて、耐熱性に優れた成形体が得られており、ま
た、実施例5、6は、どちらも、メルトフローレートが
十分大きく、成形性も良好である。
【0025】(比較例5〜6について)比較例5は実施
例5〜6で用いたポリブチレンテレフタレート単体をシ
ート状に成形し、電子線の照射を行ったものであるが、
260℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣って
いることがわかった。比較例6は実施例5〜6で用いた
ポリブチレンテレフタレートに多官能性モノマーのトリ
アリルイソシアヌレートを実施例5〜6と同じ条件で溶
融混合した材料をシート状に成形し、電子線の照射を行
ったものであるが、260℃×60秒の浸漬で部分的に
溶融変形し、280℃×60秒の浸漬では溶融変形し、
耐熱性が劣っていることがわかった。
例5〜6で用いたポリブチレンテレフタレート単体をシ
ート状に成形し、電子線の照射を行ったものであるが、
260℃×60秒の浸漬で溶融変形し、耐熱性が劣って
いることがわかった。比較例6は実施例5〜6で用いた
ポリブチレンテレフタレートに多官能性モノマーのトリ
アリルイソシアヌレートを実施例5〜6と同じ条件で溶
融混合した材料をシート状に成形し、電子線の照射を行
ったものであるが、260℃×60秒の浸漬で部分的に
溶融変形し、280℃×60秒の浸漬では溶融変形し、
耐熱性が劣っていることがわかった。
【0026】
【発明の効果】本願発明によれば、安価な汎用エンジニ
アリングプラスチックを電離放射線で架橋できるように
なり、耐熱性の要求されるコネクター等の電子部品の製
造分野での利用価値は大きいものがある。
アリングプラスチックを電離放射線で架橋できるように
なり、耐熱性の要求されるコネクター等の電子部品の製
造分野での利用価値は大きいものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/353 C08K 5/353 C08L 25/08 C08L 25/08 33/02 33/02 33/20 33/20 67/00 67/00 101/08 101/08 Fターム(参考) 4F073 AA12 BA18 BA19 BA23 BA48 CA42 4J002 BC041 CF061 CF071 EU216 FD146 FD150 GQ00 4J100 AB02P AJ02Q AM02R CA04 CA05 HA53 HC64 JA43
Claims (6)
- 【請求項1】 カルボキシル基を有するポリマーと、同
一分子内に炭素−炭素二重結合とオキサゾリン基を有す
る化合物を溶融混合して得られる樹脂組成物の成形体に
電離放射線を照射して架橋せしめたことを特徴とする耐
熱性成形体。 - 【請求項2】 カルボキシル基を有するポリマーがスチ
レンと不飽和カルボン酸の共重合体もしくはスチレンと
アクリロニトリルと不飽和カルボン酸の共重合体である
ことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性成形体。 - 【請求項3】 カルボキシル基を有するポリマーがスチ
レンとメタクリル酸の共重合体もしくはスチレンとアク
リロニトリルとメタクリル酸の共重合体であることを特
徴とする請求項1に記載の耐熱性成形体。 - 【請求項4】 カルボキシル基を有するポリマーがポリ
エステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の
耐熱性成形体。 - 【請求項5】 同一分子内に炭素−炭素二重結合とオキ
サゾリン基を有する化合物が、炭素数12以下の不飽和
カルボン酸から誘導されるオキサゾリン化合物であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の耐熱性成形体。 - 【請求項6】 同一分子内に炭素−炭素二重結合とオキ
サゾリン基を有する化合物が、メタクリル酸、クロトン
酸、ウンデシレン酸からなる群より選ばれる不飽和カル
ボン酸から誘導されるオキサゾリン化合物であることを
特徴とする請求項1に記載の耐熱性成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000168610A JP2001348442A (ja) | 2000-06-06 | 2000-06-06 | 耐熱性成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000168610A JP2001348442A (ja) | 2000-06-06 | 2000-06-06 | 耐熱性成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001348442A true JP2001348442A (ja) | 2001-12-18 |
Family
ID=18671595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000168610A Pending JP2001348442A (ja) | 2000-06-06 | 2000-06-06 | 耐熱性成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001348442A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002146067A (ja) * | 2000-11-17 | 2002-05-22 | Sumitomo Electric Fine Polymer Inc | 照射架橋樹脂シート |
DE112010004034T5 (de) | 2009-10-14 | 2012-12-27 | Autonetworks Technologies, Ltd. | Modifiziertes recyceltes Polyesterharz und dieses verwendendes Formteil |
-
2000
- 2000-06-06 JP JP2000168610A patent/JP2001348442A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002146067A (ja) * | 2000-11-17 | 2002-05-22 | Sumitomo Electric Fine Polymer Inc | 照射架橋樹脂シート |
JP4500430B2 (ja) * | 2000-11-17 | 2010-07-14 | 住友電工ファインポリマー株式会社 | 照射架橋樹脂シート |
DE112010004034T5 (de) | 2009-10-14 | 2012-12-27 | Autonetworks Technologies, Ltd. | Modifiziertes recyceltes Polyesterharz und dieses verwendendes Formteil |
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Legal Events
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050310 |