JPH0919937A - 射出成形体 - Google Patents
射出成形体Info
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Abstract
出成形体を提供する。 【構成】 異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂
(A)99〜50重量%と異方性溶融相を形成し得る液
晶性ポリマー(B)1〜50重量%との樹脂組成物10
0重量部に対して、熱可塑性樹脂(A)用の増粘剤
(C)0.01〜10重量部を配合してなる熱可塑性樹
脂組成物(X)からなり、液晶性ポリマー(B)が平均
アスペクト比6以上の繊維状で熱可塑性樹脂(A)のマ
トリックス相に分散していることを特徴とする射出成形
体。
Description
しない熱可塑性樹脂(A)、異方性溶融相を形成し得る
液晶性ポリマー(B)および増粘剤(C)を配合してな
る熱可塑性樹脂組成物(X)からなる射出成形体に関す
る。
融相を形成し得る液晶性ポリマーは、高強度、高剛性、
高耐熱性、易成形性といった数多くの特性を有する熱可
塑性樹脂であるが、分子鎖配向方向と垂直方向では成形
収縮率や機械的物性が異なり、更に高価格といった、商
業上の不利もある。一方、異方性溶融相を形成しない熱
可塑性樹脂は比較的安価であるが耐熱性、剛性等の物性
が液晶性ポリエステルよりも劣るという不利がある。特
に薄肉のハウジングに使用するには、製造時の溶融樹脂
の流動性や成形品の剛性が不足するため、どうしても設
計上肉厚にせざるを得ないので、昨今の電気、電子、通
信機器分野での小型軽量化に対応するには限界があっ
た。そこで、液晶性ポリマーと熱可塑性樹脂の利点を活
かし、両者の持つ欠点を補うために、これらを混合して
使用する試みが行われている。しかしながら、加工温度
での溶融粘度比を考慮せずに両者をブレンドした熱可塑
性樹脂組成物からなる成形体では、液晶性ポリマーの高
強度、高剛性、耐熱性、易成形性(高流動)といった特
性が活かされず、その機械的強度が著しく低下してしま
う。この原因は、液晶性ポリマーの高い機械的物性等の
発現の源は溶融加工時に剪断応力、伸張応力を受けるこ
とによる分子配向であるにもかかわらず、熱可塑性樹脂
と液晶性ポリマーとの溶融粘度比を考慮せずにブレンド
しただけの熱可塑性樹脂組成物では、成形しても表層以
外は熱可塑性樹脂をマトリックスとしてほとんどの液晶
性ポリマーが球状に分散しただけの補強効果のない形態
をしているためである。そこで、液晶性ポリマーの割合
を多くして熱可塑性樹脂を少なくすると、今度は液晶性
ポリマーがマトリックスとなり、熱可塑性樹脂が島状に
分散した形態になるが、これでは熱可塑性樹脂の利点を
活かすことが出来ず、利用価値が少ない。
00号公報や特開平5−112709号公報に記載され
ているように、まず液晶性ポリマーと熱可塑性樹脂が共
に溶融する温度に於いて延伸しながら押出すことによっ
て、予め液晶性ポリマーがアスペクト比(長さ/太さ)
の大きな繊維状で存在するように成形用素材を調製し、
成形品を成形する際には、その成形用素材を液晶性ポリ
マーが溶融しないで熱可塑性樹脂のみが溶融する温度で
成形することによって補強効果を持つ繊維状液晶性ポリ
マーを含有する成形体を作製する方法が考えられた。
は、予め延伸しながら押出し、更にローラーなどにより
溶融押出物を伸張させて液晶性ポリマーを繊維状に配向
した状態の組成物にしておき、次いで射出成形などによ
り成形体を得るときは液晶性ポリマーの融点以下の成形
温度で成形する。あるいは初めから成形体を作製する場
合には、型に樹脂組成物を充填する際にかなり大きな剪
断力をかけ、液晶性ポリマーを配向させなければならな
い。従って前者の場合には、流動性が悪くなったり、成
形条件が狭くなり、また剛性も十分に満足できるもので
はない。後者の場合には、液晶性ポリマーの繊維状配向
は成形品形状にかなり影響されると共に、型の部位によ
り充分に配向しないため強度不足となる。
に鑑み、薄肉成形材料として優れた特性を有する素材を
鋭意探索、検討を行ったところ、熱可塑性樹脂(A)と
液晶性ポリマー(B)に熱可塑性樹脂(A)用の増粘剤
を添加し、射出形成することにより容易に液晶性ポリマ
ーが繊維化し、従来にない極めて高い補強効果を発現す
ること、従って得られる成形品性状が特異であり、特に
機械的強度に優れた薄肉成形品となり得ることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
形成しない熱可塑性樹脂(A)99〜50重量%と異方
性溶融相を形成し得る液晶性ポリマー(B)1〜50重
量%との樹脂組成物100重量部に対して、熱可塑性樹
脂(A)用の増粘剤(C)0.01〜10重量部を配合
してなる熱可塑性樹脂組成物(X)からなり、液晶性ポ
リマー(B)が平均アスペクト比6以上の繊維状で熱可
塑性樹脂(A)のマトリックス相に分散していることを
特徴とする射出成形体が提供される。
しては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4
−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン系(共)重
合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリアルキレンテレフタレート(共重合
体)樹脂、ポリカーボネート(共重合体)樹脂等のポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系(共)重合体、ABS樹
脂、ポリアリーレンサルファイド(共重合体)樹脂、ポ
リアクリルアリレート、ポリアセタール(共)重合体お
よびこれらの樹脂を主体とする樹脂等が挙げられ、一種
又は二種以上用いてもよい。また、増粘剤と反応する官
能基を付与した樹脂を用いてもよい。熱可塑性樹脂
(A)の中では、増粘剤との反応性及び耐熱性の点で、
ポリエステル系の樹脂が好ましく、特にポリアルキレン
テレフタレート樹脂が好ましい。
ンブラック等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑
剤、離型剤および難燃剤等の添加剤を添加して、所望の
特性を付与した熱可塑性樹脂も本発明で云う熱可塑性樹
脂の範囲に含まれる。
性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマー
を指す。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した
慣用の偏光検査法により確認することが出来る。より具
体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微
鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試
料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより
実施できる。本発明に適用できる液晶性ポリマーは直交
偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であ
っても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
は特に限定されないが、芳香族ポリエステルまたは芳香
族ポリエステルアミドであることが好ましく、芳香族ポ
リエステルまたは芳香族ポリエステルアミドを同一分子
鎖中に部分的に含むポリエステルもその範囲にある。こ
れらは60℃でペンタフルオロフェノールに濃度0.1
重量%で溶解したときに、好ましくは少なくとも約2.
0dl/g、さらに好ましくは2.0〜10.0dl/
gの固有粘度(I.V.)を有するものが使用される。
としての芳香族ポリエステルまたは芳香族ポリエステル
アミドとして特に好ましくは、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの群か
ら選ばれた少なくとも1種以上の化合物を構成成分とし
て有する芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステルアミ
ドである。より具体的には、(1)主として芳香族ヒド
ロキシカルボン酸およびその誘導体の1種または2種以
上からなるポリエステル;(2)主として(a)芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種または2種
以上と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸
およびその誘導体の1種または2種以上と、(c)芳香族
ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその
誘導体の少なくとも1種または2種以上、とからなるポ
リエステル;(3)主として(a)芳香族ヒドロキシカル
ボン酸およびその誘導体の1種または2種以上と、(b)
芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘
導体の1種または2種以上と、(c)芳香族ジカルボン
酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種または
2種以上、とからなるポリエステルアミド;(4)主と
して(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体
の1種または2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミ
ン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種または2種
以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸
およびその誘導体の1種または2種以上と、(d)芳香族
ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその
誘導体の少なくとも1種または2種以上、とからなるポ
リエステルアミドなどが挙げられる。さらに上記の構成
成分に必要に応じ分子量調整剤を併用してもよい。
(B)を構成する具体的化合物の好ましい例としては、
p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフト
エ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、
レゾルシン、下記一般式[1]および下記一般式[2]
で表される化合物等の芳香族ジオール;テレフタル酸、
イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸および下記一般式
[3]で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;p−
アミノフェノール,p−フェニレンジアミン等の芳香族
アミン類が挙げられる。
リマー(B)としては、p−ヒドロキシ安息香酸および
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を構成単位成分とする
芳香族ポリエステルである。
性樹脂と反応させることが重要であるが、その増粘剤
(C)の効果は、熱可塑性樹脂(A)の溶融粘度が本来
持つ粘度の数倍になるため、液晶性ポリマー(B)に十
分な剪断応力、伸張応力が掛けられ、液晶性ポリマーが
繊維化しやすくなり、そのため高剛性、高強度が発現さ
れることにある。また、液晶性ポリマーが繊維化するた
め、液晶性ポリマーの流動開始温度以上の加工温度条件
下で、熱可塑性樹脂組成物の剪断速度1200sec-1
における溶融粘度が熱可塑性樹脂(A)を増粘剤(C)
にて増粘させた時の同温度、同剪断速度における溶融粘
度以下となる。増粘剤を添加した熱可塑性樹脂組成物の
場合、熱可塑性樹脂の官能基と増粘剤が反応して増粘し
ているため、液晶性ポリマーとの反応が抑制されている
ことになる。その結果、液晶性ポリマーが粒子分散し、
加工時に繊維化し、前記熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度
が熱可塑性樹脂(A)の溶融粘度以下となり、加工時の
高流動が発現されるものと考えられる。
は、熱可塑性樹脂(A)の官能基との反応を伴い、分子
鎖の架橋若しくは分子鎖の分岐により増粘効果を示すも
のである。また増粘剤(C)としては、通常2官能以上
の多官能化合物が用いられるが、多量の増粘剤の添加で
も押出し時および形成時の樹脂のメルトフラクチャーを
少なくするため、増粘した熱可塑性樹脂(A)の溶融粘
度が増粘前の溶融粘度の10倍以下、好ましくは5倍以
下、さらに好ましくは2.0〜4.0倍の範囲になるよ
うな化合物がよい。
増粘させるものであれば、いずれのものでもかまわない
が、比較的反応性の高いエポキシ化合物が好ましい。そ
のエポキシ化合物としては、一分子内に1個以上のエポ
キシ基を有するものがいずれも使用できるが、好ましく
は2個以上のエポキシ基を有するものであり、一般式
(1)および一般式(2)で示されるグリシジル基を有
する化合物が好ましく用いられる。
しては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリ
シジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビス
フェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物のジ
グリシジルエーテル等が挙げられる。
例としては、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソ
フタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジル
エステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエス
テル、アジピン酸ジグリシジルエステル等が挙げられ
る。
アクリル酸グリシジルエステル等のグリシジル基含有モ
ノマーとエチレン等のオレフィン系モノマー、酢酸ビニ
ル、芳香族ビニル等のビニル系モノマー等との共重合
体、例えばエチレン−メタクリル酸グリシジルエステル
−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸グリシジル
エステル−芳香族ビニル−シアン化ビニル共重合体、例
えばメタクリル酸グリシジルエステル−スチレン−アク
リロニトリル共重合体やこれらの共重合体をグラフト重
合等によって変性したものも、本発明において用いられ
るエポキシ化合物の好ましい例として挙げられ、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、エポキシ化ポリブタジエン等も使用可能であり、塩
素や臭素等のハロゲン原子で置換されていてもよい。ま
た本発明においては、これらのエポキシ化合物は2種以
上を混合して使用することも可能である。
い増粘度、耐熱性、ポリエステル系樹脂との反応性及び
液晶性ポリマーとの反応性を勘案すると、グリシジル基
を含有するグリシジル基含有モノマーとビニル系モノマ
ーとの共重合体が特に好ましく、中でも特に(メタ)ア
クリル酸グリシジルエステル−芳香族ビニル−シアン化
ビニル共重合体、とりわけメタクリル酸グリシジルエス
テル−スチレン−アクリロニトリル共重合体が好まし
い。また(メタ)アクリル酸グリシジルエステル等の
α,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルの共重
合量が1.0〜25重量%であることが好ましく、5.
0〜25重量%がより好ましい。また、好ましい増粘度
からポリエステル系樹脂の固有粘度も0.5〜1.6で
あることが好ましい。
記熱可塑性樹脂(A)と液晶性ポリマー(B)および熱
可塑性樹脂(A)用の増粘剤(C)からなるものであ
る。熱可塑性樹脂(A)と液晶性ポリマー(B)の組成
割合としては、(A)が99〜50重量%、好ましくは
95〜60重量%、(B)が1〜50重量%、好ましく
は5〜40重量%であり、増粘剤(C)の配合量として
は、(A)と(B)との樹脂組成物100重量部に対し
て、0.01〜10重量部、好ましくは0.5〜6重量
部である。液晶性ポリマー(B)の組成割合が1〜50
重量%の範囲にあれば、マトリックス相が反転すること
が無く、また液晶性ポリマー(B)による熱可塑性樹脂
(A)の補強が可能となる。増粘剤の配合量が0.01
〜10重量部であれば、メルトフラクチャーを起こすこ
となく、熱可塑性樹脂を増粘することができる。
には、全部を前記組成割合で配合し、混練すればよい。
または予め熱可塑性樹脂と増粘剤を配合し、調製した組
成物にさらに液晶性ポリマーを配合して混練してもよ
い。通常、押出機で混練し、ペレット状に押し出し、射
出成形等に用いるが、この様な押出機による混練に限定
されるものではない。
としては、加工温度での各組成成分の溶融粘度比が前記
条件を満たすことが必須であり、前記特開平5−112
709号公報や特開平5−70700号公報に開示され
ているように組成物の中で液晶性ポリマー(B)が繊維
化されていても差し支えはないが、そのような繊維化は
必要ではない。従って、前記公報にあるような、押出機
の後の溶融時に施されるロール伸張による配向繊維化は
不要である。本発明においては、熱可塑性樹脂(A)と
液晶性ポリマー(B)に熱可塑性樹脂(A)用の増粘剤
(C)から成る熱可塑性樹脂組成物を射出成形すること
により、液晶性ポリマー(B)の粒子が剪断応力により
容易にアスペクト比が大きい状態で繊維化するため、成
形体の内部に均一に繊維が形成され、液晶性ポリマー
(B)の同一組成割合で公知方法により得られる成形体
と比べて、容易に高強度、高剛性を発現することとな
る。従って、本発明の射出成形体の製造に用いる射出成
形機および射出条件は特別なものではなく、通常使用さ
れる射出成形機および成形条件によれば容易に成形体中
の液晶性ポリマー(B)を平均アスペクト比6以上の繊
維状とすることができる。
成物を用いて得られた射出成形体は、それに含まれる液
晶性ポリマー(B)が繊維状で含まれ補強作用を有する
こととなるため、補強のために通常配合される充填剤は
必要ないが、用途によっては本発明の効果を阻害しない
範囲で、公知の繊維状、粉粒状、板状または中空状の充
填剤を配合してもよい。
るが、本発明はこれらに限定されるものでない。なお、
評価方法などは以下の通りである。
((株)島津製作所製フローテスターCFT−500
型)を用い、4℃/minの昇温速度で加熱溶融された
サンプル樹脂を100kg/cm2の荷重下で、内径1
mm、長さ10mmのノズルから押し出した時に、該溶
融粘度が48,000ポイズを示す温度で表した。 (曲げ弾性率)ASTM D790に従い、1/32イ
ンチの厚さの曲げ試験片の曲げ弾性率(kg/cm2)
を測定した。 (繊維状液晶性ポリマーの平均アスペクト比)曲げ弾性
率の測定で用いた試験片を流動方向に平行な面が出るよ
うに切削した後、断面を鏡面研磨し、その表面を電子顕
微鏡により観察して評価した。任意に選んだ繊維化して
いる液晶性ポリマー50本の太さと長さを測定した。な
お、長さについては、表面上で観察できる部分の長さを
繊維の長さとした。結果は、平均アスペクト比8以上の
ものを○で、平均アスペクト比8〜6のものを△、平均
アスペクト比6未満のものを×で表した。 (溶融粘度)測定する樹脂や樹脂組成物のペレット若し
くは粉状体を東洋精機製キャピログラフを用い、120
0sec-1の剪断応力下での溶融粘度を各熱可塑性樹脂
組成物の加工温度にて測定した。また、熱可塑性樹脂を
増粘剤にて増粘させた組成物の溶融粘度は、熱可塑性樹
脂と増粘剤のみを配合し、押出機にて混練後得られたペ
レット状物を測定した。 (熱滞留安定性)各熱可塑性樹脂組成物を東洋精機製キ
ャピログラフを用い、加工温度にて10分間滞留させ、
その後1200sec-1の剪断応力下での溶融粘度を測
定した。これにより、成形時の溶融安定性の指標とし
た。
樹脂(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度0.7
5)と液晶性ポリエステル{p−ヒドロキシ安息香酸お
よび6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(モル比70:3
0)を構成モノマーとする固有粘度5.7(dl/g)
の液晶性ポリエステルである。}との混合重量比70:
30の樹脂組成物100重量部に対して増粘剤(日本油
脂(株)製「マープルーフG120SA」,アクリロニ
トリル−スチレン−グリシジルメタクリレートランダム
共重合体,グリシジルメタクリレート含有量:20重量
%)を1.4重量部配合し、30mmの2軸押出機にて
樹脂温度290℃で溶融混練し、ペレット化した。次い
で、該ペレットを射出成形機にて成形温度270℃で試
験片を成形し、曲げ弾性率、繊維化、熱滞留安定性を評
価した。結果を表−1に示す。
樹脂(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度1.0)
と実施例1で用いた液晶性ポリエステルとの混合重量比
が70:30の樹脂組成物100重量部に対して1.4
重量部の実施例1で用いた増粘剤を配合し、30mmの
2軸押出機にて樹脂温度290℃で溶融混練し、ペレッ
ト化した。次いで、該ペレットを射出成形機にて成形温
度270℃で試験片を成形し、曲げ弾性率、繊維化、熱
滞留安定性を評価した。結果を表−1に示す。
樹脂(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度0.7
5)と実施例1で用いた液晶性ポリエステルとの混合重
量比が7:3となるように両樹脂を配合し、30mmの
2軸押出機にて樹脂温度290℃で溶融混練し、ペレッ
ト化した。次いで、該ペレットを射出成形機にて成形温
度270℃で試験片を成形し、曲げ弾性率、繊維化、熱
滞留安定性を評価した。結果を表−1に示す。
樹脂(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度0.7
5)65重量%と実施例1で用いた液晶性ポリエステル
35重量%の樹脂組成物100重量部に対して増粘剤
(日本油脂(株)製、マープルーフG120SA)を1
2重量部を配合し、30mmの2軸押出機にて樹脂温度
290℃で溶融混練したが、メルトフラクチャーを起こ
し、押し出しが出来なかった。
樹脂(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度0.7
5)70重量%と実施例1で用いた液晶性ポリエステル
30重量%の樹脂組成物100重量部に対して増粘剤
(2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキ
サゾリン))3重量部を配合し、30mmの2軸押出機
にて樹脂温度290℃で溶融混練し、ペレット化した。
次いで、該ペレットを射出成形機にて成形温度270℃
で試験片を成形し、曲げ弾性率、繊維化、熱滞留安定性
を評価した。結果を表−1に示す。
樹脂(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度0.7
5)70重量%と液晶性ポリエステル30重量%の樹脂
組成物100重量部に対して増粘剤(油化シェルエポキ
シ(株)製、エピコート1004、下記構造式のもの)
2重量部を配合し、30mmの2軸押出機にて樹脂温度
290℃で溶融混練し、ペレット化した。次いで、該ペ
レットを射出成形機にて成形温度270℃で試験片を成
形し、機械的物性、溶融粘度、繊維化を評価した。結果
を表−1に示す。
晶性ポリマー(B)に熱可塑性樹脂(A)用の増粘剤を
添加して得られる熱可塑性樹脂組成物を射出形成するこ
とにより、容易に液晶性ポリマー(B)が繊維化し、従
来にない極めて高い補強効果を発現し、機械的強度に優
れた薄肉成形品となり得ることとなった。
Claims (11)
- 【請求項1】 異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂
(A)99〜50重量%と異方性溶融相を形成し得る液
晶性ポリマー(B)1〜50重量%との樹脂組成物10
0重量部に対して、熱可塑性樹脂(A)用の増粘剤
(C)0.01〜10重量部を配合してなる熱可塑性樹
脂組成物(X)からなり、液晶性ポリマー(B)が平均
アスペクト比6以上の繊維状で熱可塑性樹脂(A)のマ
トリックス相に分散していることを特徴とする射出成形
体。 - 【請求項2】 液晶性ポリマー(B)の流動開始温度以
上の加工温度条件下で、剪断速度1200sec-1にお
ける熱可塑性樹脂組成物(X)の溶融粘度が、熱可塑性
樹脂(A)のみを増粘剤(C)にて増粘させた時の溶融
粘度以下であることを特徴とする請求項1記載の射出成
形体。 - 【請求項3】 増粘した熱可塑性樹脂(A)の加工温度
条件下で、剪断速度1200sec-1における溶融粘度
が、増粘前の溶融粘度の10倍以下であることを特徴と
する請求項1または2記載の射出成形体。 - 【請求項4】 熱可塑性樹脂(A)がポリエステル系樹
脂であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに1項
記載の射出成形体。 - 【請求項5】 ポリエステル系樹脂がポリアルキレンテ
レフタレート樹脂であることを特徴とする請求項4記載
の射出成形体。 - 【請求項6】 ポリエステル系樹脂の固有粘度が0.5
〜1.6であることを特徴とする請求項4〜5の何れか
1項記載の射出成形体。 - 【請求項7】 増粘剤(C)がエポキシ化合物であるこ
とを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の射出成
形体。 - 【請求項8】 増粘剤(C)がグリシジル基を含有する
化合物であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1
項記載の射出成形体。 - 【請求項9】 グリシジル基を含有する化合物がビニル
系モノマーとα,β−不飽和カルボン酸のグルシジルエ
ステルからなる共重合体である請求項8記載の射出成形
体。 - 【請求項10】 請求項9記載の共重合体のα,β−不
飽和カルボン酸のグリシジルエステルの共重合量が1〜
25重量%である特許請求の範囲9記載の射出成形体。 - 【請求項11】 増粘剤(C)がアクリロニトリル−ス
チレン−グリシジル(メタ)アクリレートランダム共重
合体であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項
記載の射出成形体。
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JP2008201855A (ja) * | 2007-02-16 | 2008-09-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 樹脂分散体 |
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