JP2001347769A - 平版印刷版用支持体及びps版 - Google Patents

平版印刷版用支持体及びps版

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JP2001347769A
JP2001347769A JP2000173770A JP2000173770A JP2001347769A JP 2001347769 A JP2001347769 A JP 2001347769A JP 2000173770 A JP2000173770 A JP 2000173770A JP 2000173770 A JP2000173770 A JP 2000173770A JP 2001347769 A JP2001347769 A JP 2001347769A
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slurry
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JP2000173770A
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Hideki Miwa
英樹 三輪
Teruyoshi Yasutake
輝芳 安竹
Mutsumi Matsuura
睦 松浦
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷紙面にブラシ汚れやポツ汚れが生じ
ず、印刷紙面の画質に優れたPS版と、その支持体にな
る平版印刷版用支持体の提供。 【解決手段】 粗面化及び陽極酸化処理を施した面のR
aが0.3〜1.0μm、Rmax≦10μm、粗さ山個数Pc
が、設定値+0.3μmよりも高い山高さと設定値−
0.3μmよりも深い谷深さとを有する山については1
5〜35個/mmであり、設定値+0.6μmよりも高
い山高さと設定値−0.6μmよりも深い谷深さと有す
る山については7〜25個/mmであり、設定値+1.
0μmよりも高い山高さと設定値−1.0μmよりも深
い谷深さとを有する山については2〜18個/mmであ
る前記平版印刷版用支持体、及び前記平版印刷版用支持
体の粗面化及び陽極酸化処理を施した面に感光層を形成
したPS版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体及びPS版に関し、特に、耐刷性及び印刷性能に優れ
るPS版の支持体になる平版印刷版用支持体、及び前記
特長を有するPS版に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版用支持体は、一般的に、アル
ミニウム板又はアルミニウム合金板等(以下、「アルミ
ニウム板等」という。)の表面に、機械的粗面化処理を
施し、次いでアルカリ剤によるエッチング処理、電解粗
面化処理、及び陽極酸化処理等を順次施すことにより製
造される。
【0003】前記機械的粗面化処理においては、粒子状
の研磨材を水等に懸濁させた研磨材スラリーを供給しつ
つローラ状ブラシ等により研磨するのが一般的であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、機械的粗面化の際に、アルミニウム板等の表面がロ
ーラ状ブラシの毛で擦られて長さ1mm程度の大きな傷
が生じたり、前記表面に研磨材が刺さって多数の凹みが
形成されたりし、しかもこれらの傷及び凹みが、その後
のエッチング処理及び電解粗面化処理等によっても除去
されずに残ることがあった。
【0005】このような平版印刷板用支持体に感光層を
形成したPS版から作製された刷版は、耐刷性が低く、
しかも、前記傷及び凹みにインキが入り、これが印刷機
のゴムロールの胴や印刷紙面に転写されて所謂ブラン汚
れ及びポツ汚れ等が生じることが多かった。
【0006】本発明は、前記事実を考慮し、耐刷性に優
れ、ブラン汚れ及びポツ汚れ等の外観不良が発生するこ
とが無いPS版の支持体になる平版印刷版用支持体、及
び前記特長を有するPS版を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、粗面化処理及び陽極酸化処理を施した面における表
面粗さRaが0.3〜1.0μmの範囲であり、最大粗
さRmaxが10μm以下であり、粗さ山個数Pcが、
設定値+0.3μmよりも高い山高さと設定値−0.3
μmよりも深い谷深さとを有する山については15〜3
5個/mmであり、設定値+0.6μmよりも高い山高
さと設定値−0.6μmよりも深い谷深さと有する山に
ついては7〜25個/mmであり、設定値+1.0μm
よりも高い山高さと設定値−1.0μmよりも深い谷深
さとを有する山については2〜18個/mmであること
を特徴とする平版印刷版用支持体に関する。
【0008】前記平版印刷版用支持体における前記面
は、均一に砂目立てされている。したがって、この平版
印刷版用支持体を支持体として有するPS版は、耐刷
性、保水性、調子再現性、非画像部の汚れ難さ、及び水
/インキバランスに優れ、ドットゲインが小さいという
特長を有する。
【0009】請求項2は、請求項1に記載された平版印
刷版用支持体における粗面化処理及び陽極酸化処理を施
した面に感光層を形成したことを特徴とするPS版に関
する。
【0010】前記PS版は、平版印刷版用支持体と感光
層との密着性に優れているから、耐刷性が高い。又、保
水性、調子再現性、非画像部の汚れ難さ、及び水/イン
キバランスに優れ、ドットゲインが小さい。更に、ブラ
ン汚れ及びポツ汚れなどの外観不良が発生することがな
い。
【0011】
【発明の実施の形態】1.平版印刷版用支持体 本発明の平版印刷版用支持体における粗面化処理及び陽
極酸化処理を施した面における表面粗さRaは、0.3
〜1.0μmの範囲であり、好ましくは0.45〜0.
7μmの範囲である。ここで、表面粗さRaは、JIS
B 0601に定義されているように、表面の粗さを
測定した面の粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さ
Lだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX
軸を、縦倍率の方向にY軸をとり、粗さ曲線をy=f
(x)で表したときに、次の式、即ち
【0012】
【数1】
【0013】で表される値であり、通常μmの単位で表
される。基準長さLは、通常3mmであるが、前記長さ
には限定されない。
【0014】本発明の平版印刷版用支持体の前記面にお
ける最大粗さRmaxは、10μm以下であり、好まし
くは7μm以下であり、更に好ましくは7〜2μmであ
る。
【0015】最大粗さRmaxは、JIS B 060
1に定義されているように、評価長さdの部分における
山頂線と谷底線との間の距離の最大値である。評価長さ
は、通常3mmであるが、前記長さには限定されないこ
とは、表面粗さRaと同様である。
【0016】粗さ山個数Pcは、設定値+0.3μmよ
りも高い山高さと設定値−0.3μmよりも深い谷深さ
とを有する山については15〜35個/mmであり、2
3〜30個/mmが好ましく、設定値+0.6μmより
も高い山高さと設定値−0.6μmよりも深い谷深さと
を有する山については7〜25個/mmであり、13〜
20個/mmが好ましい。そして、設定値+1.0μm
よりも高い山高さと設定値−1.0μmよりも深い谷深
さとを有する山については2〜18個/mmであり、5
〜10個/mmの範囲が好ましい。
【0017】前記粗さ山個数Pcにおける設定値は、S
AE−J911―1986(自動車技術会)に規定され
ているように、基準レベルとなる高さである。したがっ
て、設定値+0.3μmよりも高い山高さと設定値−
0.3μmよりも深い谷深さとを有する山の粗さ山個数
Pcは、山の高さが前記基準レベル+0.3μmよりも
高く、谷の深さが前記基準レベル−0.3μmよりも深
い山の、単位測定長さ当たりの個数、具体的には測定長
さ1mm当たりの個数である。
【0018】同様に、設定値+0.6μmよりも高い山
高さと設定値−0.6μmよりも深い谷深さとを有する
山の粗さ山個数Pcは、山の高さが前記基準レベル+
0.6μmよりも高く、谷の深さが前記基準レベル−
0.6μmよりも深い山の、測定長さ1mm当たりの個
数である。
【0019】又、設定値+1.0μmよりも高い山高さ
と設定値−1.0μmよりも深い谷深さとを有する山の
粗さ山個数Pcは、山の高さが前記基準レベル+1.0
μmよりも高く、谷の深さが前記基準レベル−1.0μ
mよりも深い山の、測定長さ1mm当たりの個数であ
る。
【0020】表面粗さRa、最大粗さRmax、及び粗
さ山個数Pcは、いずれも、平版印刷版の表面の粗さを
通常の表面粗さ計で測定した結果に基づき、求めること
ができる。
【0021】平版印刷版における粗面化処理及び陽極酸
化処理を施した面における表面粗さRa、最大粗さRm
ax、及び粗さ山個数Pcが前記範囲内である平版印刷
板用支持体は、前記面において、比較的目の粗い凹凸部
が均一に形成され、前記凹凸部の内側に、目のより細か
い均一な凹凸部が形成された構造を有する。したがっ
て、前記平版印刷版の前記面に感光層を形成したPS版
は、感光層と平版印刷版用支持体との密着性に優れるか
ら耐刷性が高い。しかも前記PS版は、表面の保水性が
高く、印刷インキで汚れ難く、調子再現性及び水/イン
キバランスに優れるから、明瞭で美麗な印刷紙面、即ち
優れた画質を有する印刷紙面が得られる。
【0022】本発明の平版印刷版用支持体としては、た
とえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
基板(以下、「アルミニウム基板」という。)等の表面
に粗面化処理及び陽極酸化処理を施したものが挙げられ
る。
【0023】前記アルミニウム基板の材質としては、た
とえばJIS A−1050材、JIS A−1100
材、JIS A−3003材、JIS A−3103
材、及びJIS A−5005材等が挙げられる。
【0024】2.平版印刷版用支持体の製造方法 本発明の平版印刷版用支持体は、たとえばアルミニウム
基板を粗面化処理し、次いで陽極酸化処理することによ
り製造できる。 2−1 粗面化処理 粗面化処理においては、機械的粗面化処理を行ない、次
いでエッチング処理及び電解粗面化処理の少なくとも一
方を行なうことができる。
【0025】A.機械的粗面化処理 機械的粗面化処理においては、アルミニウム基板の表面
を回転ブラシで擦るブラシグレイン処理を行なうことが
できる。
【0026】前記アルミニウム基板は、連続したシート
状の形態を有していてもよく、製品として出荷されるP
S版に対応した大きさの枚葉状の形態を有していてもよ
い。
【0027】前記ブラシグレイン処理は、回転ブラシと
前記アルミニウム基板との間に研磨材粒子を供給しなが
ら行なうことができる。
【0028】前記ブラシグレイン処理において使用され
る研磨材粒子としては、平均粒径が5〜70μmの範囲
であるものが好ましく、特に10〜40μmの範囲のも
のが好ましく、15〜35μmの範囲のものが最も好ま
しい。
【0029】前記研磨材粒子における粒径100μm以
上の粒子の含有量は、10重量%以内が好ましく、5重
量%を超えないことが特に好ましい。そして、前記粒子
を2.5重量%を超えない含有量で含有するか、又は実
質的に含有しないことが最も好ましい。
【0030】前記研磨材粒子における粒径500μm以
上の粒子の含有量は、1重量%以内が好ましく、特に
0.5重量%を超えないことが好ましく、前記粒子を
0.2重量%を超えない含有量で含有するか、又は実質
的に含有しないことが最も好ましい。
【0031】前記研磨材粒子は、SiO2粒子を90重
量%以上含有するものが好ましい。前記研磨材粒子は、
SiO2粒子のみを含有してもよいが、SiO2粒子の他
にアルミニウム分、鉄分、粘土、タルク、酸化鉄、酸化
クロム、及び焼成アルミナ等の琢磨材、並びにダイヤモ
ンド、エメリー、スピネル、コランダム、カーボランダ
ム、及び炭化硼素等の研削材等を含有してもよい。
【0032】機械的粗面化処理により、平版印刷用支持
体の表面に、最も目の粗い凹凸部である超大波、及び超
大波よりもやや目の細かい凹凸部である大波が主に形成
されると考えられる。そして、超大波及び大波の均一さ
は、PS版におけるドットゲインの大小、調子再現性、
及び表面の保水性と印刷インキによる汚れ難さとに特に
深く関連するとされている。前記研磨材粒子を使用して
機械的粗面化処理を行なうことにより、表面の最大粗さ
Rmaxが10μm以下であり、表面粗さRaが0.3
〜1.0μmである平版印刷版用支持体、言い換えれば
超大波及び大波が均一に形成された平版印刷版用支持体
が得られる。前記平版印刷版用支持体を有するPS版
は、ドットゲインが小さく、調子再現性、及び表面の保
水性、汚れ難さに優れる。
【0033】前記研磨材粒子は、たとえばスラリー等と
して使用することができる。前記スラリーとしては、前
記研磨材粒子を5〜70重量%程度の濃度で水中に懸濁
させた懸濁液等が挙げられる。前記懸濁液には、他に、
増粘剤、界面活性剤等の分散剤、及び防腐剤等を配合し
てもよい。
【0034】機械的粗面化処理は、たとえば、図1に示
すような研磨装置を用いて行なうことができる。
【0035】前記研磨装置は、図1に示すように、互い
に平行に、しかも同一の高さに配設され、一定の方向a
に沿って搬送されるアルミニウム基板Aを研磨する3本
のローラ状ブラシ2、4、及び6と、ローラ状ブラシ
2、4、及び6のそれぞれに対して平行に2本づつ設け
られ、アルミニウム基板Aを下方から支持する支持ロー
ラ8A、8B、10A、10B、12A、及び12B
と、ローラ状ブラシ2、4、及び6と支持ローラ8A、
8B、10A、10B、12A、及び12Bとを収容す
るとともに、アルミニウム基板Aが内部を通過する略直
方体状の筐体14とを備える。
【0036】ローラ状ブラシ2、4、及び6は、図1に
示すように、それぞれ、互いに平行な回転軸2C、4
C、及び6Cと、回転軸2C、4C、及び6Cの周りに
回転する胴2B、4B、及び6Bと、胴2B、4B、及
び6Bの側面に植設され、半径方向に沿って外側に向か
って伸びるブラシ毛2A、4A、及び6Aとを備えてい
る。
【0037】ブラシ毛2A、4A、及び6Aは、直径が
0.15〜1.35mmであることが好ましく、長さが
10〜100mmの範囲であることが好ましい。
【0038】ブラシ毛2A、4A、及び6Aとしては、
ナイロン、プロピレン、及び塩化ビニル樹脂等の合成樹
脂からなる合成樹脂毛、牛毛、豚毛、及び馬毛等の動物
毛、並びに羊毛などの天然繊維から選択されるブラシ材
等が挙げられる。
【0039】ブラシ毛2A、4A、及び6Aは、胴2
B、4B、及び6Bに、30〜5,000本/cm2
植毛密度で植設することが好ましく、1本づつ植設して
もよく、複数本、たとえば10〜5000本づつ束ねて
植設してもよい。
【0040】機械的粗面化において、ブラシ毛の直径及
び植設密度が前記範囲であるローラ状ブラシを前記研磨
材と併用すれば、アルミニウム基板の表面に更に均一な
超大波及び大波を形成できるから好ましい。
【0041】支持ローラ8A、10A、及び12Aは、
ローラ状ブラシ2、4、及び6におけるブラシ毛2A、
4A、及び6Aの先端に、搬送方向aに対して上流側
(以下、「上流側」という。)において当接するように
設けられ、支持ローラ8B、10B、及び12Bは搬送
方向aに対して下流側(以下、「下流側」という。)に
おいて当接するように設けられている。
【0042】図1に示すように、ローラ状ブラシ2及び
4は、アルミニウム基板の研磨面において、上流側から
下流側に向かう方向に回転し、ローラ状ブラシ6は、前
記研磨面において下流側から上流側に向かう方向、又は
前記方向とは反対の方向に回転する。ローラ状ブラシ
2、4、及び6の回転速度は、何れも100〜1000
回転/分程度が好ましい。
【0043】一方、支持ローラ8A、8B、10A、1
0B、12A、及び12Bは、何れも軸線の周りに回転
自在に設けられている。
【0044】図1に示すように、筐体14の上方におけ
るアルミニウム基板Aの入口側には、アルミニウム基板
Aを筐体14の内部に案内する第1上流側案内ローラ1
6Aが設けられ、アルミニウム基板Aの出口側には、ア
ルミニウム基板Aを筐体14の外部に導く第1下流側案
内ローラ18Aが設けられている。筐体14の内部に
は、第1上流側案内ローラ16Aによって筐体14の内
部に案内されたアルミニウム基板Aを、ローラ状ブラシ
1と支持ローラ2A及び2Bとの間に案内する第2上流
側案内ローラ16Bが、支持ローラ4Aの近傍における
上流側に、支持ローラ4A及び4Bに対して平行に設け
られている。
【0045】支持ローラ6Bの近傍における下流側に
は、ローラ状ブラシ2、4、及び6と支持ローラ8A、
8B、10A、10B、12A、及び12Bとの間を通
過したアルミニウム基板Aを第1下流側案内ローラ18
Aに向かって案内する第2下流側案内ローラ18Bが、
支持ローラ12A及び12Bに対して平行に設けられて
いる。
【0046】ローラ状ブラシ2、4、及び6の近傍にお
ける上流側には、それぞれ研磨材スラリーを供給する研
磨材スラリー供給ノズル20A、20B、及び20Cが
設けられている。
【0047】図1に示すように、筐体14の下方には、
研磨材スラリー供給ノズル20A、20B、及び20C
から供給された研磨材スラリーを回収する研磨材スラリ
ー回収タンク22が設けられている。研磨材スラリー回
収タンク22は、研磨材スラリー戻り管路24により、
筐体14の底部に連通している。
【0048】研磨材スラリー回収タンク22は、研磨材
スラリー中の研磨材を、粒径の大きなものと小さなもの
とに分離するサイクロン26に、スラリー移送管路28
によって接続されている。スラリー移送管路28には、
回収タンク22内の研磨材スラリーをサイクロン26に
移送するポンプ28Aと、ポンプ28Aと研磨材スラリ
ー回収タンク22との間に位置するオーバーフロータン
ク28Bとが介装されている。
【0049】サイクロン26は、下方に向かって直径の
縮小する略円錐形状に形成され、側面における上面近傍
部には、研磨材スラリーが導入されるスラリー導入管2
6Aが設けられている。そして上面における中央部に
は、前記サイクロン26で分離されたスラリーのうち、
主に粒径の小さな研磨材粒子を含有するスラリーを排出
するスラリー導出管26Bが設けられ、下端部には、前
記スラリーのうち、主に粒径の大きな研磨材粒子を含有
するスラリーを排出するスラリー導出管26Cが設けら
れている。スラリー導入管26Aは、スラリー移送管路
28に接続されている。一方、スラリー導出管26C
は、スラリー回収管路30によって研磨材スラリー回収
タンク22に連通し、スラリー導出管26Bは、後述す
る廃液ライン38に接続されている。
【0050】研磨材スラリー回収タンク22は、又、底
部近傍に接続された研磨材スラリー供給管路32によっ
て、研磨材スラリー供給ノズル20A、20B、及び2
0Cに連通している。研磨材スラリー供給管路32に
は、研磨材スラリーを研磨材スラリー供給ノズル20
A、20B、及び20Cに供給するポンプ32Aが介装
されている。
【0051】研磨材スラリー回収タンク22には、更
に、研磨材を補充する研磨材補充管路34と、水を補充
する水補充管路36とが設けられている。
【0052】廃液ライン38には、スラリー導出管26
Bから排出されたスラリーから研磨材粒子と水とを分離
する遠心分離機40が設けられている。
【0053】図1に示す研磨装置においては、搬送方向
aに沿って筐体14に向かって搬送されてきたアルミニ
ウム基板Aは、第1上流側案内ローラ16A及び第2上
流側案内ローラ16Bにより、ローラ状ブラシ2と支持
ローラ8Aとの間に案内される。
【0054】ローラ状ブラシ2と支持ローラ8Aとの間
に案内されたアルミニウム基板Aは、ローラ状ブラシ2
と支持ローラ8Bとの間を通過し、次いでローラ状ブラ
シ4と支持ローラ10A及び10Bとの間を通過し、更
に、ローラ状ブラシ6と支持ローラ12A及び12Bと
の間を通過する。そして、研磨材スラリー回収タンク2
2内に貯留された研磨材スラリーが、研磨材スラリー供
給ノズル20A、20B、及び20Cからアルミニウム
基板Aの上面に供給される。したがって、ブラシ毛2
A、4A、及び6Aによる摩擦と、前記研磨材スラリー
中の研磨材粒子の研磨作用とにより、アルミニウム板A
等の上面が機械的に粗面化され、前述のように超大波及
び大波が形成される。
【0055】ローラ状ブラシ6と支持ローラ12Bとの
間を通過したアルミニウム板Aは、第2下流側案内ロー
ラ18B及び第1下流側案内ローラ18Aにより、筐体
14の外部に導かれる。
【0056】一方、研磨材スラリー供給ノズル20A、
20B、及び20Cから供給された研磨材スラリーは、
研磨材スラリー戻り流路24を通って研磨材スラリー回
収タンク22に流下する。
【0057】研磨材スラリー回収タンク22中の研磨材
スラリーは、ポンプ28Aによって、スラリー移送管路
28中をサイクロン26に向かって移送される。
【0058】サイクロン26においては、前記研磨材ス
ラリーは、内側壁面に沿って導入され、前記内側壁面に
沿って回転しながら下端部に向かって流れる。したがっ
て、前記研磨材スラリー中の研磨材粒子の内、粒径の大
きなものは、遠心力により前記内側壁面の近傍に集ま
り、粒径の小さなものは、中心部に集まり、粒径の比較
的大きな研磨材粒子を主に含むスラリーと、研磨材粒子
の平均粒径よりも遥かに粒径の小さな研磨材粒子を主に
含むスラリーとに分離される。前者は、サイクロン26
の下端部におけるスラリー導出管26Cからスラリー回
収管路30に向かって導出され、後者のスラリーは、サ
イクロン26の上面中央部におけるスラリー導出管26
Bから廃液ライン38に導出される。
【0059】スラリー回収管路30に向かって導出され
たスラリーは、研磨材スラリー回収タンク22に戻され
る。
【0060】一方、廃液ライン38に導出されたスラリ
ーは、遠心分離機40に導かれ、ほぼ透明な液と研磨材
粒子とに分離される。前者は、廃液として放流され、後
者は、産業廃棄物として適宜処理される。
【0061】アルミニウム基板には、機械的粗面化処理
に引きづついて、エッチング処理及び電解粗面化処理の
少なくとも一方を施すことができる。又、電解粗面化処
理の後に更に第2回目のエッチング処理を施してもよ
い。更に、第1回目のエッチング処理、第1回目のデス
マット処理、電解粗面化処理、第2回目のエッチング処
理、及び第2回目のデスマット処理をこの順で施しても
よい。
【0062】B.エッチング処理 エッチング処理は、アルカリ剤を用いて行なう。
【0063】前記アルカリ剤としては、苛性アルカリ及
びアルカリ金属塩の溶液等が挙げられる。前記溶液にお
けるアルカリ剤の濃度は0.01〜30重量%が好まし
く、温度は20〜90℃の範囲が好ましい。
【0064】苛性アルカリとしては、苛性ソーダ及び苛
性カリ等が挙げられる。
【0065】前記アルカリ金属塩としては、メタ珪酸ソ
ーダ、珪酸ソーダ、メタ珪酸カリ、及び珪酸カリ等のア
ルカリ金属珪酸塩、炭酸ソーダ及び炭酸カリ等のアルカ
リ金属炭酸塩、アルミン酸ソーダ及びアルミン酸カリ等
のアルカリ金属アルミン酸塩、グルコン酸ソーダ及びグ
ルコン酸カリ等のアルカリ金属アルドン酸塩、並びに第
二燐酸ソーダ、第二燐酸カリ、第三燐酸ソーダ、及び第
三燐酸カリ等のアルカリ金属燐酸水素塩等が挙げられ
る。前記アルカリ剤としては、エッチング速度が速い
点、及び安価である点から苛性アルカリの溶液が特に好
ましい。
【0066】エッチング量は、0.1〜20g/m2
範囲が好ましく、1〜15g/m2の範囲が特に好まし
く、2〜10g/m2の範囲が最も好ましい。エッチン
グ時間は、5秒〜5分の範囲が好ましい。
【0067】エッチング量及びエッチング時間が前記範
囲内であれば、機械的粗面化処理で生じた削り滓及びア
ルミニウム基板の表面に残存する皮膜などは溶解・除去
されるが、超大波及び大波は平滑化されずに残るから好
ましい。
【0068】エッチング処理は、アルミニウム基板のエ
ッチング処理に通常に使用されるエッチング槽を用いて
行うことができる。前記エッチング槽としては、バッチ
式及び連続式の何れも使用できる。
【0069】尚、エッチング処理と次の電解粗面化処理
との間に、アルミニウム基板の表面に残存し、アルカリ
溶液に不要な残滓を除去する第1回目のデスマット処理
を行ってもよい。第1回目のデスマット処理は、たとえ
ばエッチング処理後のアルミニウム基板を水洗し、次い
で硝酸、燐酸、硫酸、クロム酸等の強酸、又はこれらの
混合物で処理することにより、行うことができる。
【0070】C.電解粗面化処理 電解粗面化処理においては、前記化学エッチング工程で
エッチングされたアルミニウム基板を、たとえば酸性電
解液中で交流を印加して交流電解する。
【0071】酸性電解液としては、たとえば、硫酸、塩
酸、及び硝酸の少なくとも1種を含有する電解液が挙げ
られる。前記酸性電解液中の硫酸、塩酸、及び硝酸の濃
度は、電解条件等に応じて適宜定めることができるが、
合計で0.3〜15重量%の範囲が好ましい。前記酸性
電解液には、他に、必要に応じて蓚酸、酢酸、クエン
酸、酒石酸、及び乳酸等の有機酸類、燐酸、クロム酸、
硝酸塩、塩化物、アミン類、並びにアルデヒド類等を配
合してもよい。酸性電解液は、アルミニウムイオンを含
んでいてもよいが、アルミニウムイオンの含有量は50
g/リットル以下が好ましい。酸性電解液の温度も又、
電解条件等に応じて適宜定めることができるが、30〜
80℃の範囲が好ましい。
【0072】アルミニウム基板に印加する交流の周波数
は、0.1〜100Hzの範囲が好ましく、電圧は、陽
極時電圧を基準にして10〜50Vの範囲が好ましい。
陰極時電圧は、陽極時電圧と同一であってもよく、陽極
時電圧よりも小さくてもよい。
【0073】電流密度は、5〜100A/dm2の範囲
が好ましく、陽極電気量は、150〜600クーロン/
dm2の範囲が好ましい。
【0074】前記交流は、正弦波電流であってもよく、
矩形波電流であってもよく、特開昭52−58602号
公報に記載されているような台形波電流であってもよ
い。
【0075】前記交流電解処理においては、バッチ式及
び連続式の交流電解槽が使用できる。
【0076】電解粗面化処理により、大波よりも目の細
かい凹凸部であるハニカム、及びハニカムよりも更に目
の細かい凹凸部であるマイクロポアが、主に形成される
と考えられる。前記ハニカム及びマイクロポアは、主
に、PS版における感光層と支持体との密着性、保水
性、汚れ難さ、水/インキバランス、及び耐磨耗性など
に関係するといわれている。そして、前記条件で電解粗
面化することにより、粗さ山個数Pcが本明細書の請求
項1において規定した範囲であり、言い換えればハニカ
ム及びマイクロポアが均一に形成された平版印刷版用支
持体が得られると考えられる。したがって、この平版印
刷版用支持体を支持体として有するPS版は、ドットゲ
インが小さく、調子再現性、表面の保水性、及び汚れ難
さに優れるだけでなく、耐刷性、水/インキバランス、
及び耐磨耗性にも優れている。
【0077】電解粗面化処理の後に、第2回目のエッチ
ング処理を行うことができる。
【0078】第2回目のエッチング処理は、pH10以
上のアルカリ溶液中で行なうことができる。前記アルカ
リ溶液としては、具体的には、前記エッチング処理のと
ころで述べたのと同様のアルカリ剤を含有する溶液が挙
げられる。アルカリ溶液におけるアルカリ剤の濃度は、
前記エッチング処理のところで述べたのと同様である。
アルカリ溶液の温度は25〜60℃の範囲が好ましい。
エッチング量は、0.1〜5g/m2が好ましい。エッ
チング時間は、エッチング量とアルカリ液の組成及び温
度などに応じて適宜定めることができるが、たとえば1
〜10秒の範囲が好ましい。
【0079】前記エッチング処理を行った後のアルミニ
ウム基板を、温度が25〜65℃であり、硫酸の濃度が
5〜40重量%の硫酸水溶液に浸漬して第2回目のデス
マット処理を行なってもよい。
【0080】2−2 陽極酸化処理 陽極酸化処理においては、前記粗面化処理が施されたア
ルミニウム基板を、常法に従って陽極酸化処理すること
ができる。
【0081】陽極酸化処理においては、たとえば硫酸、
燐酸、蓚酸、クロム酸、及びアミドスルホン酸の少なく
とも1種を含有する電解液中で、前記アルミニウム基板
に直流又は脈流を印加する。
【0082】陽極酸化処理に使用される電解液として
は、前記電解液のほかに、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム
酸、及びアミドスルホン酸の少なくとも1種とアルミニ
ウムイオンとを含有するものも挙げられる。
【0083】電解液における電解質の濃度は、1〜80
重量%の範囲が好ましく、温度は、5〜70℃の範囲が
好ましい。
【0084】陽極酸化処理は、陽極酸化皮膜の量が0.
1〜10g/m2になるように行なうことが好ましく、
電流密度は、0.5〜60A/dm2の範囲が好まし
く、電圧は、1〜100Vの範囲が好ましい。電解時間
は1秒〜5分の範囲が好ましい。
【0085】陽極酸化皮膜の量が前記範囲になるように
陽極酸化処理を行なった平版印刷版用支持体は、十分な
厚さと硬度とを有する陽極酸化皮膜が表面に均一に形成
されているから、この平版印刷版用支持体を支持体とし
て有するPS版は、非画像部の耐磨耗性に優れている。
【0086】3.PS版 本発明のPS版は、前記平版印刷版用支持体において、
粗面化処理され、陽極酸化皮膜が形成された側の表面
に、感光層を形成することにより作製できる。
【0087】前記感光層は、平版印刷版用支持体の前記
表面に、感光性樹脂を含有する感光性樹脂溶液を塗布
し、暗所で乾燥することにより形成できる。
【0088】前記感光性樹脂としては、光が当たると現
像液に溶けるようになるポジ型感光性樹脂、及び光が当
たると現像液に溶解しなくなるネガ型感光性樹脂が挙げ
られる。
【0089】ポジ型感光性樹脂としては、キノンジアジ
ド化合物及びナフトキノンジアジド化合物等のジアジド
化合物と、フェノールノボラック樹脂及びクレゾールノ
ボラック樹脂等のフェノール樹脂との組み合わせ等が挙
げられる。
【0090】一方、ネガ型感光性樹脂としては、芳香族
ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等のアルデヒド類と
の縮合物等のジアゾ樹脂、前記ジアゾ樹脂の無機酸塩、
及び前記ジアゾ樹脂の有機酸塩等のジアゾ化合物と、
(メタ)アクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリ
ウレタン等の結合剤との組み合わせ、並びに(メタ)ア
クリレート樹脂及びポリスチレン樹脂等のビニルポリマ
ーと、(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン等のビ
ニルモノマーと、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン誘
導体、及びチオキサントン誘導体等の光重合開始剤との
組み合わせ等が挙げられる。
【0091】前記感光性樹脂溶液における溶剤として
は、前記感光性樹脂を溶解し、しかも、室温である程度
の揮発性を有する溶剤が挙げられ、具体的には、たとえ
ばアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、
エーテル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、アミド系
溶剤、及び炭酸エステル系溶剤等が挙げられる。
【0092】アルコール系溶剤としては、エタノール、
プロパノール、及びブタノール等が挙げられる。ケトン
系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、及びジ
エチルケトン等が挙げられる。エステル系溶剤として
は、酢酸エチル、酢酸プロピル、蟻酸メチル、蟻酸エチ
ル等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、テトラヒ
ドロフラン及びジオキサン等が挙げられ、グリコールエ
ーテル系溶剤としては、エチルセロソルブ、メチルセロ
ソルブ、及びブチルセロソルブ等が挙げられる。アミド
系溶剤としては、ジメチルホルムアミド及びジメチルア
セトアミド等が挙げられる。炭酸エステル系溶剤として
は、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、及
び炭酸ジブチル等が挙げられる。
【0093】感光性樹脂の溶液には、更に、各種着色剤
等を配合することができる。前記着色剤としては、通常
の色素のほか、露光により発色する露光発色色素、及び
露光により殆ど又は完全に無色になる露光消色色素等が
使用できる。前記露光発色色素としては、たとえばロイ
コ色素等が挙げられる。一方、前記露光消色色素として
は、トリフェニルメタン系色素、ジフェニルメタン系色
素、オキザジン系色素、キサンテン系色素、イミノナフ
トキノン系色素、アゾメチン系色素、及びアントラキノ
ン系色素等が挙げられる。
【0094】本発明のPS版は、以下の手順に従って作
製できる。
【0095】まず、前記平版印刷版用支持体を、必要に
応じて、米国特許第2,714,066号明細書及び米
国特許第3,181,461号明細書に記載されている
ように、珪酸ソーダ及び珪酸カリ等のアルカリ金属珪酸
塩の水溶液に浸漬して表面を親水化処理するか、又は、
特開昭59−101651号公報及び特開昭60−14
9491号公報に記載されているように、スルホン酸基
を有するp−スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有
ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステル
等の通常のビニルモノマーとの共重合体、又はNH
2基、−COOH基、及びスルホン基を有する親水性化
合物を塗布し、親水性の下塗り層を形成する。
【0096】次いで、前記平版印刷版用支持体における
粗面化処理され、陽極酸化皮膜が形成された表面に前述
のように感光性樹脂溶液を塗布し、暗所で乾燥して感光
層を形成する。
【0097】感光性樹脂溶液の塗布方法としては、回転
塗布法、ワイヤーバー法、ディップ塗布法、エアーナイ
フ塗布法、ロール塗布法、及びブレード塗布法等、従来
公知の方法が挙げられる。
【0098】前記PS版を、必要に応じて適宜の大きさ
に裁断した後、露光,及び現像を行って製版する。露光
及び現像は、従来公知のPS版と同様の手順に沿って行
うことができる。
【0099】
【実施例】以下、本発明について、実施例を用いて具体
的に説明する。 (実施例1〜3、比較例1〜5)
【0100】1.平版印刷版用支持体の作製 以下の手順に従い、種々の表面粗さRa、最大粗さRm
ax、及び粗さ山個数Pcとを有する平板印刷版用支持
体を作成した。
【0101】1−1 粗面化処理 A.機械的粗面化処理 アルミニウム基板(アルミニウム板、厚さ0.3mm)
における一方の面を、図1に示す研磨装置を用いて機械
的粗面化処理した。ローラ状ブラシとしてナイロンブラ
シ8号を用いた。前記ナイロンブラシ8号は、外径が6
00mmであり、ブラシ毛の直径が0.5mmであり、
長さが50mmであり、植毛密度が400本/cm2
あった。研磨圧力は、0.5A/100mmであり、ロ
ーラ状ブラシの周速は、470m/分であった。
【0102】研磨材粒子として、平均粒径が20μであ
り、粒径100μm以上の粒子の割合が2重量%であ
り、粒径500μm以上の粒子の割合が0重量%であ
り、SiO2を主成分とする粒子を用いた。
【0103】前記研磨材粒子を400g/リットルの割
合で水で懸濁させた研磨材スラリーを、研磨材スラリー
ノズルから、それぞれ200リットル/分の割合でアル
ミニウム基板の研磨面上に供給した。アルミニウム基板
の搬送速度は30m/分であった。
【0104】B.エッチング処理 機械的粗面化処理を施したアルミニウム基板を、前記送
り速度で、液温60℃、濃度10重量%の苛性ソーダ溶
液が貯留された連続式エッチング槽を通過させ、エッチ
ング量が10g/m2になるようにエッチング処理し
た。
【0105】エッチング処理後のアルミニウム基板を、
水槽に通して水洗し、更に濃度30重量%、液温60℃
の硫酸水溶液が貯留された連続式デスマット処理槽に通
過させて第1回目のデスマット処理を行った。
【0106】C.電解粗面化処理 液温40℃、濃度2重量%の希硝酸を酸性電解液として
使用し、デスマット処理後のアルミニウム基板を連続的
に通過させつつ、周波数60Hz、電流密度20A/d
2、陽極電気量200クーロン/cm2、電圧20Vの
交流を印加して交流電解し、電解粗面化処理を行った。
【0107】電解粗面化処理を行ったアルミニウム基板
を、液温35℃、濃度10重量%の苛性ソーダ溶液中
を、エッチング量が1.5g/m2になるように連続的
に通過させて第2のエッチング処理を行った。第2回目
のエッチング処理を行なったアルミニウム基板を水洗
し、液温60℃、濃度30重量%の希硫酸中を、連続的
に通過させて第2回目のデスマット処理を施した。
【0108】1−2 陽極酸化処理 粗面化処理後のアルミニウム基板を、液温30℃、濃度
10重量%の希硫酸の溶液中に連続的に浸漬し、電流密
度が10A/dm2になるように、40Vの直流電流を
印加し、陽極酸化皮膜量が2g/m2になるように陽極
酸化処理を行って平版印刷版用支持体を作製した。
【0109】前述の手順によって作製した平版印刷版用
支持体における粗面化処理及び陽極酸化処理を施した側
の面について、表面粗さ計(東京精密株式会社製 Su
rfcom 470570A、触針2μmR)を用いて
表面の粗さを測定し、その結果から、表面粗さRa、最
大粗さRmax、及び設定値+0.3μmよりも高い山
高さと設定値−0.3μmよりも深い谷深さとを有する
山と、設定値+0.6μmよりも高い山高さと設定値−
0.6μmよりも深い谷深さと有する山と、設定値+
1.0μmよりも高い山高さと設定値−1.0μmより
も深い谷深さとを有する山との粗さ山個数Pcを求め
た。結果を表1に示す。
【0110】2.PS版の作製 前記平版印刷版用支持体を、濃度が3重量%であり、液
温が70℃である珪酸ソーダ溶液に30秒間浸漬して表
面を親水化した。
【0111】ついで、前記平版印刷版用支持体に、下記
の組成、即ち (a)1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロ
リドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物
(米国特許第3,635,709号明細書の実施例1に
記載されているもの):0.8g (b)下記構造式Iで表されるノボラック樹脂I:1.5
g (c)下記構造式IIで表されるノボラック樹脂II:
0.2g (d)下記構造式IIIで表される非ノボラック樹脂II
I:0.4g (e)2−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂(米国特許第4,123,279号明細書に記載
されているもの):0.02g (f)ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸
クロリド:0.01g (g)テトラヒドロ無水フタル酸:0.02g (h)安息香酸:0.02g (i)ピロガロール:0.05g (j)4−[p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチ
ル)アミノフェニル]−2,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−S−トリアジン:0.07g (k)ビクトリアピュアブルー(保土谷化学(株)製)の
対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に代えた染料:
0.045g (l)F176PF(フッ素系界面活性剤、大日本インキ化学工
業(株)製):0.01g (m)メチルエチルケトン:15g (n)1−メトキシ−2−プロパノール:10g を有する感光性樹脂溶液を1.5g/m2の塗布量で塗
布して感光層を形成した。
【0112】
【化1】
【0113】3.印刷特性の評価 前記PS版を、1mの距離から3kWのメタルハライド
ランプにより1分間露光した。
【0114】露光後のPS版を、下記の組成の現像液A
又は現像液Bを用い、富士写真フイルム(株)製PSプ
ロセッサー900VRにより、30℃で12秒間現像し
た。 <現像液Aの組成> (a)ソルビトール:5.1重量部 (b)水酸化ナトリウム:1.1重量部 (c)トリエタノールアミン・エチレンオキサイド付加物
(30モル):0.03重量部 (d)水:93.8重量部 <現像液Bの組成> (a)[SiO2]/[Na2O]のモル比が1.2であ
り、SiO2が1.4重量%の珪酸ナトリウム水溶液:
100重量部 (b)エチレンジアミン・エチレンオキサイド付加物(3
0モル):0.03重量部
【0115】以上のように処理したPS版について以下
の手順に従って耐刷性及び汚れ性を評価した。結果を表
1に示す。
【0116】<耐刷性>小森印刷機(株)製のリスロン
26型印刷機を用いて印刷を行ない、正常に印刷されな
くなるまでの印刷枚数を以って耐刷性を評価した。印刷
枚数が多いほど耐刷性が良好なことを示す。
【0117】<汚れ性>三菱重工(株)のダイヤ1F−
2型印刷機を用いて1000枚印刷後、印刷を停止して
PS版を外した。印刷機から外したPS版を30分間静
置した後、再度前記印刷機に装着して100枚印刷し、
このときの前記印刷機におけるゴムロールの胴の汚れ
(ブラン汚れ)、及び印刷紙面の汚れ(ポツ汚れ)を観
察した。結果を表1に示す。尚、表1における「0.3
−0.3」、「0.6−0.6」、及び「1.0−1.
0」は、それぞれ設定値+0.3μmよりも高い山高さ
と設定値−0.3μmよりも深い谷深さとを有する山、
設定値+0.6μmよりも高い山高さと設定値−0.6
μmよりも深い谷深さと有する山、及び設定値+1.0
μmよりも高い山高さと設定値−1.0μmよりも深い
谷深さとを有する山を意味する。
【0118】
【表1】
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、耐刷性に優れ、ブラン
汚れ及びポツ汚れ等の外観不良が発生することのないP
S版の支持体になる平版印刷版用支持体とその製造方
法、及び前記特長を有するPS版が提供される。
【0120】本発明によって提供されるPS版は、更に
印刷紙面の面質も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る平版印刷版用支持体を製
造するのに使用される研磨装置の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
A アルミニウム基板 2A ブラシ毛 4A ブラシ毛 6A ブラシ毛
フロントページの続き (72)発明者 松浦 睦 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA04 AA12 AB03 DA36 2H096 AA06 CA03 2H114 AA04 AA14 BA01 DA04 DA24 DA26 DA49 DA73 DA78 EA01 EA03 GA03 GA05 GA06 GA08 GA09 GA34 GA38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化処理及び陽極酸化処理を施した
    面における表面粗さRaが0.3〜1.0μmの範囲で
    あり、最大粗さRmaxが10μm以下であり、粗さ山
    個数Pcが、設定値+0.3μmよりも高い山高さと設
    定値−0.3μmよりも深い谷深さとを有する山につい
    ては15〜35個/mmであり、設定値+0.6μmよ
    りも高い山高さと設定値−0.6μmよりも深い谷深さ
    と有する山については7〜25個/mmであり、設定値
    +1.0μmよりも高い山高さと設定値−1.0μmよ
    りも深い谷深さとを有する山については2〜18個/m
    mであることを特徴とする平版印刷版用支持体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された平版印刷版用支
    持体における粗面化処理及び陽極酸化処理を施した面に
    感光層を形成したことを特徴とするPS版。
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