JP2001347755A - 自己発色型感圧記録紙 - Google Patents

自己発色型感圧記録紙

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JP2001347755A
JP2001347755A JP2000171890A JP2000171890A JP2001347755A JP 2001347755 A JP2001347755 A JP 2001347755A JP 2000171890 A JP2000171890 A JP 2000171890A JP 2000171890 A JP2000171890 A JP 2000171890A JP 2001347755 A JP2001347755 A JP 2001347755A
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Kenji Yanagisawa
健司 柳沢
Takashi Koyama
高史 小山
Ikuko Furukawa
郁子 古川
Hiroshi Iwasaki
浩 岩崎
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は発色性、耐汚染性、減感適性が良好な
自己発色型感圧記録紙に関する。 【解決手段】電子供与性有機発色剤を溶解した油滴を内
包するマイクロカプセルを主成分とする塗被層上に電子
受容性有機顕色剤を含有する顕色剤層を設けた自己発色
型感圧記録紙において、該顕色剤層中に平均粒子径が
0.5〜2.0μm、BET比表面積が4.5〜10.
5m2/g、JIS K−5101にて測定される吸油
度が30〜70ml/100gの条件を満たす軽質炭酸
カルシウムを含有させた自己発色型感圧記録紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体の同一面に
電子供与性有機発色剤を溶解した油滴を内包するマイク
ロカプセルと電子受容性有機顕色剤を含有する所謂自己
発色型感圧記録紙に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に感圧記録紙は、電子供与性有機発
色剤(以下単に発色剤と記す)を溶解した油滴を内包す
るマイクロカプセルを主成分とする発色剤マイクロカプ
セル組成物を支持体の片面に塗被した上用紙と、上記発
色剤と接触したときに呈色する電子受容性顕色剤(以下
単に顕色剤と記す)を含有する顕色剤組成物を支持体の
片面に塗被し同支持体の反対面に発色剤マイクロカプセ
ル組成物を塗被した中用紙、ならびに支持体の片面に顕
色剤を含有する顕色剤組成物を塗被した下用紙からな
り、これら3種類の紙を上用紙と下用紙、あるいは上用
紙、中用紙、下用紙の順に組み合わせて感圧複写セット
として実用化されている。また、支持体の同一面上に発
色剤と顕色剤を塗被して一枚で感圧記録が可能である自
己発色型感圧記録紙も感圧記録紙の一形態として例えば
米国特許第2730457号等によって良く知られてい
る。
【0003】かかる自己発色型感圧記録紙の製造方法と
しては、一般に発色剤を包含したマイクロカプセルを主
体とする塗被液と顕色剤を含有する塗被液を別々に塗被
する所謂2層型とものと、発色剤および顕色剤を包含す
る1種類の塗被液を調製しこれを支持体に塗被する所謂
1層型のものに大別できる。このうち後者は塗被液中に
マイクロカプセルと顕色剤の両方を含んでいることから
支持体に塗被する際に工程が1度ですみ、しかも塗被層
全体にわたってマイクロカプセルと顕色剤が近接して存
在するために比較的少量でも良好な発色性を得られると
いうメリットを持っているが、反面マイクロカプセルと
顕色剤が近接して存在しているということからこの両者
の隔離が完全でないと使用前に発色剤と顕色剤が接触反
応して記録紙全面にわたる発色現象、所謂発色かぶりを
起こしてしまったり、減感効果に劣るという欠点も併せ
持っている。
【0004】一方、2層型の自己発色型感圧記録紙の場
合、発色かぶりという欠点は起こりにくいものの塗被工
程が2回にならざるを得ないため塗被工程中に塗被面が
こすられることにより記録面が発色して汚れが発生する
ことが懸念されるが、これは近年の製造技術の向上によ
り塗被工程の管理を行うことで回避することが容易であ
る。この2層型の自己発色型感圧記録紙のうち、発色剤
を包含したマイクロカプセルを主体とする塗被液を塗被
した層(以下単に発色剤層と記す)上に顕色剤を含有す
る顕色剤組成物を塗被した層(以下単に顕色剤層と記
す)が存在する形態のものは顕色剤層が保護層としての
働きを持つこととなり、1層型の自己発色型感圧記録紙
でも問題になる使用前の取り扱いにより感圧記録面がさ
まざまなものに擦られて汚れてしまう現象、所謂こすれ
汚れが良好となることが期待できる。さらに塗被液が2
層に積層されて塗被されることから、各々の層を変更す
ることにより自己発色型感圧記録紙の特性を所望のもの
に変更しやすいというメリットも併せ持っている。
【0005】これまで2層型の自己発色感圧記録紙はさ
まざまな形態のものが開示されている。例えば、顕色剤
層中に湿潤剤を含有させる方法(特開昭57−1898
77号公報)、自己発色感圧記録層上にラミネート層を
設ける方法(特開平7−304252号公報、特開平8
−52938号公報、特開平8−108619号公
報)、尿素系化合物、グリオキザール並びにアクリルア
ミドを反応させて得られる重縮合物を自己発色感圧記録
層中に含有させる方法(特開平7−137437号公
報)などを例示することができる。しかしながら、いず
れの方法においても発色性に満足のいくものでなかった
り筆記具での筆記性に劣る等の問題を有しており、本発
明の所望する良好な発色を呈するのはもちろんのこと、
印刷仕上がりが良好なうえに減感効果に優れ、かつ耐汚
染性も良好である自己発色感圧記録紙としては満足のい
くものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はマイクロカプ
セルを含有する発色剤層上に特定の軽質炭酸カルシウム
と有機顕色剤を含む顕色剤層を設けることにより発色性
・耐汚染性が良好であり、減感効果に優れる自己発色型
感圧記録紙を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子供与性有
機発色剤を溶解した油滴を内包するマイクロカプセルを
主成分とする塗被層上に電子受容性有機顕色剤を含有す
る顕色剤層を設けた自己発色型感圧記録紙において、顕
色剤層中に平均粒子径が0.5〜2.0μm、BET比
表面積が4.5〜10.5m2/g、JIS K−51
01にて測定される吸油度が30〜70ml/100g
の条件を満たす軽質炭酸カルシウムを含有させたことを
特徴とする自己発色型感圧記録紙に係わる。好ましくは
顕色剤層中に、さらに平均粒子径が0.1〜1.0μm
であるカオリンを5〜35重量%含有させた自己発色型
感圧記録紙に係わる。
【0008】
【発明の実施の形態】発明者等が鋭意研究を行った結
果、マイクロカプセルを含有する発色剤層上に有機顕色
剤および特定の軽質炭酸カルシウムを含有する顕色剤層
を塗被した自己発色型感圧記録紙が非常に良好な結果を
もたらすことを発見した。すなわち、支持体の同一面に
電子供与性有機発色剤を溶解した油滴を内包するマイク
ロカプセルを主成分とする塗被層上に電子受容性有機顕
色剤を含有する顕色剤層を有することを特徴とし、かつ
顕色剤層中に平均粒子径が0.5〜2.0μm、BET
比表面積が4.5〜10.5m2/g、JIS K−5
101にて測定される吸油度が30〜70ml/100
gの条件を満たす軽質炭酸カルシウムを含有させた場合
に発色性、耐汚染性が良好であり、かつ呈色を所望しな
い範囲に発色を阻害する物質を含有する減感インキを印
刷した場合、減感効果に優れる自己発色型感圧記録紙が
得られることを見出したのである。また、軽質炭酸カル
シウムは顕色剤中の全顔料に対して50重量%以上用い
るのが好ましい。
【0009】さらに本発明による自己発色型感圧記録紙
は、有機顕色剤を使用しており耐光性、耐水性にも優れ
ているほか、顕色剤層に顔料を併用しているため印刷時
のインキ受理性が良好で、その結果、印刷適性に優れた
自己発色型感圧記録紙が得られる。
【0010】また、該顕色剤層中にさらに平均粒子径
(Micromeritics株式会社製セディグラフ
による50%粒子径)が0.1〜1.0μmであるカオ
リンを5〜35重量%含有させた場合、そうでない場合
に比較してより良好な耐汚染性を実現できる。これはカ
オリンが六角板状の平坦な粒子であることにより良好な
滑り性を付与することができるためと考えられる。ちな
みにカオリンの平均粒子径が0.1μm未満もしくは
1.0μmを超える場合には耐汚染性の改善効果に劣
り、また含有率が5重量%未満でも耐汚染性の改善効果
に劣り、他方35重量%を超えると発色性が低下して好
ましくない。
【0011】顕色剤層中の軽質炭酸カルシウムの平均粒
子径(Micromeritics株式会社製セディグ
ラフによる50%粒子径)が0.5〜2.0μm、さら
に好ましくは0.7〜1.5μmである場合,そうでな
い場合に比べて発色性と耐汚染性のバランスが良好であ
る自己発色型感圧記録紙を得ることができる。ちなみに
軽質炭酸カルシウムの平均粒子径が0.5μm未満であ
ると耐汚染性には優れるが発色性が低調になり、他方平
均粒子径が2.0μmを超えると発色性は非常に良好に
なるが耐汚染性が大幅に低下する。また平均粒子径が該
範囲にある炭酸カルシウムでも、重質炭酸カルシウムは
湿式、乾式いずれの方法により製造されたものも粒子の
形状が均一でなく、さらに粒度分布がブロードで粗大粒
子が多く存在するために発色性、耐汚染性ともに劣るも
のとなり、本発明の所望の効果を得ることができない。
【0012】顕色剤層中の軽質炭酸カルシウムのJIS
K―5101(1991年版)にて測定される吸油度
が70ml/100gを超える、あるいはBET比表面
積が10.5m2/gを超える場合には、塗被層の接着
強度が低下してバインダーを多量に配合しなければいけ
なくなるとともに発色性を低下させ、他方吸油度が30
ml/100g未満の場合、あるいはBET比表面積が
4.5m2/g未満の場合には得られる自己発色型感圧
記録紙は耐汚染性に劣ることとなり、本発明の所望の結
果を得ることができない。
【0013】本発明により得られる自己発色型感圧記録
紙は減感効果に優れることも特徴である。理由について
は定かでないが、以下のように推察される。すなわち、
自己発色型感圧記録紙の一部または全面に圧力を加える
ことにより該加圧された部分に存在するマイクロカプセ
ルの少なくとも一部が破壊されることにより発色剤が放
出され有機顕色剤と接触して呈色するが、オイルに溶解
されている発色剤はこのオイルと共に移動すると考えら
れる。従って発色剤を含むオイルが顕色剤層を移動して
顕色剤と接触した場合には呈色するが、減感インキによ
り顕色剤表面を被覆せしめた場合には該減感インキが顕
色剤層の空隙に充填され、オイルの移動を妨げると共に
オイルと顕色剤との呈色反応を阻害するために減感効果
に優れるものと思われる。
【0014】本発明において使用される有機顕色剤とし
ては例えば安息香酸、p−tert−ブチル−安息香
酸、4−メチルー3−ニトロ安息香酸、サリチル酸、3
−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル
酸、3−tert−ブチル−5−メチルサリチル酸、
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−メチル
−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,
α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−シクロヘキシ
ル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3
−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル
酸、3,5−ジ−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−
ジ−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−
(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α−
メチルベンジル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)
サリチル酸、4−メチル−5−シクロヘキシルサリチル
酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸、
1−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、3
−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル−2−ナフトエ酸、
2−ヒドロキシ−4−〔(4−カルボキシ−5−ヒドロ
キシ)フェニル〕−1−ナフトエ酸等の芳香族カルボン
酸およびこれらと例えば亜鉛、アルミニウム、マグネシ
ウム、カルシウム、コバルト等の多価金属との塩:6,
6’−メチレンビス(4−クロロ−m−クレゾール)等
のフェノール化合物:p−フェニルフェノール−ホルム
アルデヒド樹脂等のフェノール−アルデヒド樹脂、p−
tert−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェ
ノール−アセチレン樹脂の様なフェノール樹脂およびこ
れらの多価金属塩:マレイン酸−ロジン樹脂、スチレ
ン、エチレン、またはビニルメチルエーテルと無水マレ
イン酸との共重合体のような酸性重合体:芳香族カルボ
ン酸とアルデヒドないしはアセチレンとの重合体および
これらの多価金属塩等が挙げられる。
【0015】本発明で使用する発色剤としては例えば、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3,3−ビス−(p−ジメチル
アミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノ
フェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−
イル)フタリドなどのトリアリールメタン系化合物、
4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジ
ルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイ
コオーラミン等のジフェニルメタン系化合物、7−ジエ
チルアミノ−3−クロロフルオラン、7−ジエチルアミ
ノ−3−クロロ−2−メチルフルオラン、2−フェニル
アミノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トリルア
ミノ)フルオラン等のフルオラン系化合物、ベンゾイル
ロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメ
チレンブルー等のチアジン系化合物、3−メチル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピ
ラン、3−プロピル−スピロ−ジナフトピラン、3−エ
チル−スピロ−ジナフトピラン、3−プロピル−スピロ
−ジベンゾピペラン等のスピロ系化合物等の電子供与性
有機発色剤が挙げられる。
【0016】また、上記発色剤は単独または2種以上適
宜選択して混合して使用することができる。マイクロカ
プセルに含有される発色剤を溶解した油については本発
明は何ら制限されず、感圧複写紙用として従来公知の油
または溶剤が使用できる。具体的にはアルキルナフタレ
ン、アルキル化ビフェニル、水添ターフェニル、アルキ
ル化ジフェニルメタン等の芳香族合成油、ケロシン、ナ
フサ、パラフィン油等の石油留分、塩素化パラフィン等
の脂肪族合成油、綿実油、大豆油、亜麻仁油等の植物油
またはこれらの混合物などを例示することができる。
【0017】本発明において、発色剤層中に含有される
電子供与性有機発色剤等を溶解した油滴を内包するマイ
クロカプセルの調製法としては特に限定させるものでは
なく、例えば相分離法、界面重合法、in−situ重
合法等公知の技術を使用することができる。
【0018】また、顕色剤層に使用される顔料としては
本発明所望の軽質炭酸カルシウムのほか、例えば酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、二酸化チタン、カオリン、クレ
ー、焼成カオリン、デラミネーテッドカオリン、構造化
カオリン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の無機
顔料およびポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹
脂微粒子、微小中空粒子等の有機顔料(プラスチックピ
グメント)等を本発明の効果を阻害しない範囲で適宜使
用することができる。
【0019】バインダーとしては特に限定はなく、例え
ば澱粉、カゼイン、アラビアゴム、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリ
ビニルアルコール、スチレン・ブタジエン共重合体ラテ
ックス、酢酸ビニル系ラテックス等が配合される。
【0020】本発明において発色剤層・顕色剤層塗被液
の調製方法に関しては特に限定されるものではない。さ
らに発色剤層・顕色剤層塗被液の中には必要に応じて耐
水化剤、硬化剤、架橋剤、消泡剤、着色剤、濡れ剤、流
動変性剤、防腐剤、界面活性剤等の各種助剤を適宜添加
することができる。
【0021】上記の如く調製された塗布液は、紙、合成
紙、フィルム等の支持体に塗布される。塗布方法につい
ての限定はなく、エアーナイフコーター、ブレードコー
ター、ショートドウェルコーター、ロッドブレードコー
ター、ロールコーター、バーコーター、サイズプレスコ
ーター、ビルブレードコーター等が使用できるが、塗布
時マイクロカプセルが破壊されないように注意しなけれ
ばならない。従って塗被装置としてはエアーナイフコー
ター、カーテンコーター、ダイコーター等塗被時に支持
体上マイクロカプセル含有塗被層に対して大きな圧力を
生じせしめない塗被装置が好ましい。
【0022】また、支持体への塗被量は特に限定されな
いが、マイクロカプセルを主成分とする発色剤層として
は乾燥重量で1.0〜7.0g/m2、好ましくは3.
0〜6.0g/m2、有機顕色剤を含有する顕色剤層と
しては乾燥重量で1.0〜10.0g/m2、好ましく
は3.0〜7.0g/m2である。
【0023】さらに、本発明で得られる自己発色感圧記
録紙の自己発色感圧記録層とは反対面の支持体上に所望
する塗被層を設けることも可能である。例えば電子供与
性有機発色剤を溶解した油滴を内包するマイクロカプセ
ルを含有する塗被層を設け、中用紙もしくは下用紙と組
み合わせた場合に該用紙上に記録像を残すことも可能で
ある。
【0024】
【実施例】以下に本発明の効果をいっそう明確にするた
めに実施例および比較例を記載するが、もちろん本発明
はこれらにより限定されるものではない。また、実施例
および比較例中の「部」および「%」は特に断りのない
限り「重量部」および「重量%」を表わす。
【0025】実施例1 〔発色剤層塗被液の調製〕発色剤ODBおよびBlac
k−100各4部をジイソプロピルナフタレン(KMC
−113:クレハ化学株式会社製)100部に加熱溶解
して内相液を得た。さらにエチレン−無水マレイン酸共
重合体(EMA31:モンサント株式会社製)の3%水
溶液200部に、20%苛性ソーダ水溶液を滴下してp
Hを6.0とした液中に、この内相液を乳化分散させた
後に系を55℃に昇温した。別に37%ホルムアルデヒ
ド水溶液45部にメラミン15部を加え、60℃で15
分間反応させてプレポリマー水溶液を調製した。このプ
レポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、さらに攪拌
しながら0.1N−塩酸を滴下してpH5.3とした
後、80℃まで昇温して1時間保持してから、0.2N
−塩酸でpHを3.5に下げ、さらに3時間保温してか
ら放冷して平均粒子径5μmのマイクロカプセル分散液
を得た。上記マイクロカプセル分散液に、小麦澱粉50
部、酸化変性澱粉の25%水溶液90部を加え発色剤層
塗被液を得た。
【0026】〔顕色剤層塗被液の調製〕3,5−ジ(α
―メチルベンジル)サリチル酸亜鉛100部をトルエン
100部に溶解し、3%のポリビニルアルコール水溶液
150部中にホモミキサーを用いて乳化し、その後トル
エンを水蒸気蒸留して40%の顕色剤微粒子の水分散液
を得た。この顕色剤水分散液10部(固形分として)に
軽質炭酸カルシウム(TP−121MS:奥多摩工業株
式会社製)92部、酸化亜鉛8部、酸化変性澱粉の30
%水溶液20部(固形分として)、スチレン・ブタジエ
ン共重合体ラテックス5部を混合、攪拌して顕色剤層塗
被液を調製した。なお、使用された炭酸カルシウムの物
性値は表1に記載した。 〔自己発色型感圧記録紙の作成〕上記の如く調製された
発色剤層塗被液および顕色剤層塗被液をを坪量40g/
2の原紙の片面に順次乾燥重量が3.5g/m2および
5.5g/m2となるようにエアーナイフコーターにて
塗被、乾燥して自己発色型感圧記録紙を得た。
【0027】実施例2 実施例1における顕色剤層塗被液の顔料として軽質炭酸
カルシウムの添加部数を82部に変更し、カオリン(U
W−90;エンゲルハード株式会社製)10部を加えた
ほかは実施例1と同様にして自己発色型感圧記録紙を得
た。
【0028】実施例3 実施例1における顕色剤層塗被液の顔料として軽質炭酸
カルシウムの添加部数を62部に変更し、カオリン(U
W−90)30部を加えたほかは実施例1と同様にして
自己発色型感圧記録紙を得た。
【0029】実施例4 実施例1における顕色剤層塗被液中の軽質炭酸カルシウ
ムをED−I(米庄石灰工業株式会社製)に変更した以
外は実施例1と同様にして自己発色型感圧記録紙を得
た。
【0030】実施例5 発色剤としてODBおよびBlack−100の代りに
CVL5部をジイソプロピルナフタレンに溶解してマイ
クロカプセル分散液を得たほかは実施例3と同様にして
自己発色型感圧記録紙を得た。
【0031】比較例1 実施例1における顕色剤層塗被液中の軽質炭酸カルシウ
ムをブリリアントS−15(白石工業株式会社製)に変
更した以外は実施例1と同様にして自己発色型感圧記録
紙を得た。
【0032】比較例2 実施例1における顕色剤層塗被液中の軽質炭酸カルシウ
ムをED−001(米庄石灰工業株式会社製)に変更し
た以外は実施例1と同様にして自己発色型感圧記録紙を
得た。
【0033】比較例3 実施例1における顕色剤層塗被液中の軽質炭酸カルシウ
ムをトヨグロスTG(東洋電化工業株式会社製)に変更
した以外は実施例1と同様にして自己発色型感圧記録紙
を得た。
【0034】比較例4 実施例1における顕色剤層塗被液中の軽質炭酸カルシウ
ムを重質炭酸カルシウム(ソフトン1500;備北粉化
工業株式会社)に変更した以外は実施例1と同様にして
自己発色型感圧記録紙を得た。なお使用した重質炭酸カ
ルシウムの平均粒子径は1.5μm、比表面積(島津式
粉体比表面積測定機による測定値)は1.5m2/g、
吸油度は36ml/100gであった。
【0035】比較例5 実施例1記載のマイクロカプセル100部に小麦澱粉5
0部、酸化変性澱粉水溶液40部(固形分として)、軽
質炭酸カルシウム(TP−121MS)200部、酸化
亜鉛16部、カオリン(UW−90)30部、スチレン
・ブタジエン共重合体ラテックス10部を混合攪拌し、
発色剤および顕色剤の両者を含有する塗被液を得た。上
記の如く調製された発色剤および顕色剤含有塗被液をを
坪量40g/m2の原紙の片面に乾燥重量が13.0g
/m2となるようにエアーナイフコーターにて塗被、乾
燥して自己発色型感圧記録紙を得た。
【0036】〔自己発色型感圧記録紙の評価方法〕上記
により得られた自己発色型感圧記録紙の評価として、発
色濃度、耐汚染性(こすれ汚れ)および減感適性を評価
した。発色濃度は高さ20cmから先端直径8mm、重
さ500gの金属体を垂直に落下させて発色させた後、
24時間経過してからマクベス濃度計にて発色濃度を測
定した。耐汚染性は自己発色面と自己発色紙の作成に使
用した原紙を対向させて900gの加重をかけ、こすれ
試験機(サザランドラブテスター;東洋精機株式会社
製)にて20回往復させた後の汚れ状態を目視にて評価
した。減感適性は自己発色層上に減感インキ(オフセッ
ト減感インキNo.5;王子製紙株式会社製)を1.5
g/m2となるようにRI印刷試験機(RI−I型;明
製作所株式会社製)にて印刷し、一昼夜放置乾燥させた
後タイプライターにて発色させ、減感作用を目視にて評
価した。
【0037】〔発色濃度〕 0.80未満:発色性に劣り、実用上問題がある。 0.80〜0.85未満:発色性が十分でなく、実用上
問題となることがある。 0.85〜0.90未満:発色性は十分で、実用上問題
ない。 0.90以上:発色性は非常に良好である。
【0038】〔こすれ汚れ〕 ◎:汚れがほとんど認められない。 ○:汚れが一部認められるが実用上十分なレベルであ
る。 △:汚れがひどく実用上問題がある。 ×:汚れが著しく実用上大きな問題がある。
【0039】〔減感効果〕 ○:減感効果が十分であり、実用上問題ない。 ×:減感効果に劣り実用上問題がある。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】表2のとおり本発明による自己発色型感
圧記録紙は発色性、対汚染性が良好であり、かつ減感効
果に優れたものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 浩 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 王子 製紙株式会社尼崎研究センター内 Fターム(参考) 2H085 AA07 BB01 BB24 CD04 DD32 FE02 FE03 FE11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子供与性有機発色剤を溶解した油滴を内
    包するマイクロカプセルを含有する塗被層上に電子受容
    性有機顕色剤を含有する顕色剤層を設けた自己発色型感
    圧記録紙において、該顕色剤層中に平均粒子径が0.5
    〜2.0μm、BET比表面積が4.5〜10.5m2
    /g、JIS K−5101にて測定される吸油度が3
    0〜70ml/100gの条件を満たす軽質炭酸カルシ
    ウムを含有させたことを特徴とする自己発色型感圧記録
    紙。
  2. 【請求項2】顕色剤層中にさらに平均粒子径が0.1〜
    1.0μmであるカオリンを5〜35重量%含有させた
    請求項1記載の自己発色型感圧記録紙。
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