JP2001343329A - フィルムまたはフィルムパッケージ検査装置及び検査方法 - Google Patents

フィルムまたはフィルムパッケージ検査装置及び検査方法

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JP2001343329A
JP2001343329A JP2000163673A JP2000163673A JP2001343329A JP 2001343329 A JP2001343329 A JP 2001343329A JP 2000163673 A JP2000163673 A JP 2000163673A JP 2000163673 A JP2000163673 A JP 2000163673A JP 2001343329 A JP2001343329 A JP 2001343329A
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film
image
light
film package
package
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JP2000163673A
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English (en)
Inventor
Toshiji Takei
利治 武居
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明なフィルムまたはフィルムパッケージの
表面やパッケージの内部の状態に拘わらずそのようなフ
ィルム等を検査することができる検査装置及び検査方法
を提供する。 【解決手段】 透明なフィルムまたは透明なフィルムに
より包装されたフィルムパッケージ1に所定の偏光方向
に偏光した光を照射する照射装置12と;透明なフィル
ムまたはフィルムパッケージ1からの光を検出し、色情
報を取得する2次元に配置された複数の画素22cと;
透明なフィルムまたはフィルムパッケージ1と画素22
cとの間に配置された受光側偏光フィルタ21と;複数
の画素22cからの信号に基づきフィルムまたはフィル
ムパッケージ1の観察画像を形成する画像処理装置41
とを備え;観察画像をぼかすように構成したフィルムま
たはフィルムパッケージ検査装置。観察画像における色
とびを抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムまたはフ
ィルムパッケージ検査装置及び検査方法に関し、特に透
明なフィルムまたはフィルムパッケージの表面やパッケ
ージの内部の状態に拘わらずフィルム等を検査できる検
査装置及び検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、透明なフィルムまたはフィルムパ
ッケージの検査は、図14に示すようにフィルムパッケ
ージ等1を、被観察面への入射角が90°付近になるよ
うな方向から光源4で照明し、照明によってできる折り
目の影等を肉眼5で目視したり、カメラを使って観察す
ることにより行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来の方法によれば、フィルムやフィルムパッケ
ージの被観察面にしわやよれなどがあると、その部分も
光ってしまうため、見たい折れ目のみを観察することが
難しかった。またフィルムやフィルムパッケージ1の表
面のてかり2によってフィルムの製造むら、傷、ピンホ
ール等の欠陥が判別しにくかった。フィルムパッケージ
ではフィルムが透明であるために、下地の文字や絵3な
どが透けて見えるため、パッケージの状態を分離して観
察することができなかった。またパッケージフィルムの
しわやたるみ等で照明光の反射状態がずれると、識別し
たい領域内での色具合に色とびや色むらが生じることが
あった。
【0004】そこで本発明は、透明なフィルムまたはフ
ィルムパッケージの表面やパッケージの内部の状態に拘
わらずそのようなフィルム等を検査することができる検
査装置及び検査方法を提供することを目的にしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明によるフィルムまたはフィルム
パッケージ検査装置は、例えば図2、図5に示すよう
に、透明なフィルムまたは透明なフィルムにより包装さ
れたフィルムパッケージ1に所定の偏光方向に偏光した
光を照射する照射装置12(図2)と;透明なフィルム
またはフィルムパッケージ1からの光を検出し、色情報
を取得する2次元に配置された複数の画素22c(図
5)と;透明なフィルムまたはフィルムパッケージ1と
画素22cとの間に配置された検光子21(図2)と;
複数の画素22cからの信号に基づきフィルムまたはフ
ィルムパッケージ1の観察画像を形成する画像処理装置
41(図2)とを備え;観察画像をぼかすように構成し
た(図5(c))。
【0006】ここで透明とは半透明を含む概念とする。
所定の偏光方向に偏光した光は、例えば光源(単色であ
ってもよいし、白色であってもよい)とフィルムパッケ
ージとの間に照明側偏光フィルタである偏光子を配置す
ることによって得られる。
【0007】ここで色情報とは、複数の色の情報に限ら
ず、例えば照射する光が単色光であっても、その特定の
色がフィルムあるいはフィルムパッケージから拾う情報
であればよい。また例えば撮像素子が検出する光が単色
光であっても、その特定の色が拾って来た情報を撮像素
子は取得する。
【0008】撮像素子は、例えば前記偏光が白色光であ
るときはカラーカメラ、単色光であるときはモノクロカ
メラとするとよい。また撮像素子がモノクロカメラであ
り、且つ前記フィルムパッケージとモノクロカメラとの
間に特定の波長のみを検出するフィルタを備えるように
すれば、前記偏光は白色光であってもよい。また、前記
偏光が白色光であり、特定の波長の光のみを検出する撮
像素子を備えるモノクロカメラを用いてもよい。ここで
カメラとしたが、カメラはラインセンサであってもよ
い。
【0009】照射装置で照射されるフィルムあるいはフ
ィルムパッケージは典型的には全体的に平面であり、撮
像素子は、好ましくはその平面で正反射される方向に配
置される。また撮像素子はそのような場合のフィルムあ
るいはフィルムパッケージからの正反射光を受光する。
但し受光するのは散乱光であってもよい。フィルムある
いはフィルムパッケージが全体的に平面であるときも、
それは完全な鏡面ではなく、特に折り畳み部分には凹凸
や小さな曲面を有する。ここで正反射方向というとき、
凹凸を有する面の平均的平面の法線に対して入射角と射
出角とが等しい場合をいう。
【0010】もちろん、被検査面であるフィルムやフィ
ルムパッケージは、全体的に曲面例えば球面を有してい
てもよい。
【0011】このように構成すると、観察画像をぼかす
ように構成したので、観察画像における色とびや色むら
を抑えることができる。
【0012】また請求項2に記載のように、(例えば図
5参照)請求項1に記載のフィルムまたはフィルムパッ
ケージ検査装置では、2次元に配置された複数の画素2
2c上に、前記色情報を含む画素画像を形成する結像光
学系22a、22bと;結像光学系22a、22bを駆
動して合焦する合焦装置であって、結像光学系22a、
22bの合焦状態を非合焦側に所定量だけずらすように
構成した合焦装置22dを備えるようにしてもよい。
【0013】このように構成すると、結像光学系の合焦
状態を非合焦側に所定量だけずらすように構成した合焦
装置を備えるので、観察画像を光学的にぼかすことがで
きる。
【0014】また請求項3に記載のように、請求項1に
記載のフィルムまたはフィルムパッケージ検査装置で
は、2次元に配置された複数の画素22c上に、前記色
情報を含む画素画像を形成する結像光学系22a、22
bを備え;画像処理装置41は、前記画素画像を、2次
元に配置された複数の画素22c(M11〜M33)の
各画素のまわりの近傍画素間演算を行う画像処理をして
前記観察画像を形成するように構成してもよい。
【0015】ここで画像処理は例えば近傍画素間演算に
よる平滑化である。近傍画素間演算は、典型的には、各
画素の取得する色情報と該各画素の近傍の他の1以上の
画素の取得する色情報とを平均するように構成される。
平均は画素毎に重みを変えた加重平均であってもよい。
ここで画素画像は2次元複数画素上に形成され、平均処
理された結果形成される観察画像は例えばCRTや液晶
表示装置等の表示装置に表示されるようにするとよい。
【0016】また請求項4に記載のように、請求項1に
記載のフィルムまたはフィルムパッケージ検査装置で
は、前記所定の偏光方向と検光子21の偏光方向とを、
直交ニコルの関係に設定することを特徴としてもよい。
例えば、所定の偏光方向に偏光した光を偏光子で生成す
る場合は、該偏光子と検光子とをそれぞれの偏光方向が
直交ニコルの関係になるように配置する。
【0017】また請求項5に記載のように、請求項4に
記載のフィルムまたはフィルムパッケージの検査装置で
は、前記所定の偏光方向と検光子21の偏光方向とを、
前記直交ニコルの関係に維持したまま、前記偏光した光
と前記検光子とをそれぞれの光軸AX1、AX2回りに
回転可能に構成してもよい。即ち、例えば所定の偏光方
向に偏光した光を偏光子で生成する場合は、該偏光子と
検光子とをそれぞれの光軸AX1、AX2回りに回転可
能に構成すればよい。偏光子と検光子の光軸は、一般に
は平面状の偏光子、検光子のほぼ中心に位置する法線方
向の直線である。
【0018】このように構成すると、所定の偏光の偏光
方向と検光子の偏光方向とをそれぞれの光軸回りに回転
できるように構成するので、光軸回りの特定の位置で、
互いに異なる画像を、前記撮像素子により得ることがで
きる。ここで偏光の光軸とは、検査対象面において検光
子の光軸と、射出光と入射光との関係にある直線をいう
ものとする。
【0019】前記目的を達成するために、請求項6に係
る発明によるフィルムまたはフィルムパッケージ検査方
法は、透明なフィルムまたは透明なフィルムにより包装
されたフィルムパッケージに、該フィルムまたは該フィ
ルムパッケージに対して第1の偏光方向を有する偏光を
照射する第1の工程と;第1の工程で照射されたフィル
ムまたはフィルムパッケージから反射された光のうち前
記第1の偏光方向を有する偏光と直交ニコルの関係にあ
る偏光を、色情報を取得する2次元に配置された複数の
画素で検出して画素画像を形成する第2の工程と;第2
の工程で形成する画素画像、または第2の工程で形成し
た画素画像をぼかして、観察画像を形成する第3の工程
を備える。
【0020】ここで、ぼかした観察画像は、画素画像を
ぼかして、その結果観察画像がぼけるようにしてもよい
し、画素画像はシャープに形成し、その像から観察画像
を形成するときにぼかしてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一符号または類似符
号を付し、重複した説明は省略する。
【0022】図1に透明なフィルム及びフィルムパッケ
ージの状態を示す。ここで透明とは、フィルムの一方の
側から他方の側を見たとき、他方の側に置かれた物を目
視で識別することができる程度に半透明な場合も含むも
のとする。図の(a)は、シート状の透明フィルムを広
げて見た平面図、(b)(c)は、(a)に示すような
透明フィルムで包装したフィルムパッケージの折り曲げ
状態を示す平面図である。
【0023】包装用の透明フィルムは、一般にポリプロ
ピレン、ポリエチレン等の高分子材料を実質的に一定の
方向に延伸することによってシート状に形成して製造さ
れることが多い。そのような透明フィルムは複屈折性を
有しており、偏光した光をこれらフィルムに入射してや
ると、出てきた光の偏光状態は変化している。
【0024】また入射させる光の波長によって透明フィ
ルムの屈折率は異なるので、フィルムから出てきた光の
偏光状態の変化量は光の波長に依存する。ここでフィル
ムから出てきた光は、パッケージに入射させた光が、第
1にフィルムの表面で反射されたもの、第2にフィルム
の中に入射してフィルムの内面で反射され再びフィルム
内部を透過して出てきたもの、第3にフィルムの内面も
透過して下地で反射され再びフィルム内部を透過して出
てきたものが考えられる。
【0025】第1の光(表面反射光)は、てかりの成分
でありフィルムを通過していないので偏光の状態は変化
しない。いわば第1の光には、フィルムパッケージの重
なり等の情報は含まれておらず、フィルムの表面の情報
が含まれているだけである。
【0026】第2と第3の光は、フィルムの内部を通過
しているので、共にフィルムパッケージの重なりなどの
状態を反映して偏光の状態が変化する。但し、第2の光
は下地に到達していないので、下地の情報は含んでおら
ず、フィルムの状態だけが含まれている。
【0027】これに対して第3の光は、下地に到達して
いるので、フィルムの状態と共に下地の状態の情報を含
んでいる。
【0028】さらに透過した光の偏光状態の変化量は、
フィルムの厚みに比例する。したがってフィルムの厚い
部分、あるいは重なった結果厚くなった部分は、偏光の
変化量が大きい。
【0029】図13を参照して、本発明の原理を、延伸
して製造する有機高分子材料製のフィルムのような複屈
折性を有する透明フィルムの場合で説明する。(a)は
フィルム1aへの光の入射と出射の様子を示したもので
あり、(b)は、入射光と出射光のフィルム1a内部の
複屈折の軸、O軸(常光線方向の軸)とE軸(異常光線
方向の軸)と、直線偏光である入射光とが45°をなし
ていることを示す図である。
【0030】フィルム1aの入射光は、(b)に示すよ
うに、フィルム1aの複屈折軸に対して45°の直線偏
光とする。ここで、Kを空間周波数とすれば、一般的に
光路長Xを透過した直線偏光の複素振幅分布Eiは次式
で表される。 Ei=Asin(K・X)
【0031】Eiは次のように2方向の成分、Eio
(O軸方向成分)とEie(E軸方向成分)とに分解す
ることができる。 Eio=Asin(Ko・X)/√2 Eie=Asin(Ke・X)/√2 ここで、Ko=2πNo/λ、Ke=2πNe/λであ
り、Noは常光線成分の屈折率、Neは異常光線成分の
屈折率である。
【0032】したがって、フィルム1aの表面から入射
し、フィルム1a内部で反射後、フィルム1a表面から
再び外部へ出射した光の偏光状態は、次式で表される。
ここで光は、厚さdのフィルム1aに垂直に入射し垂直
に出射するとすれば、光は往復するので、X=2d(膜
厚)であるから、 Ero=Asin(Ko・X)/√2 Ere=Asin(Ke・X)/√2 =Asin(2Ko・d+2(Ke−Ko)d)/√2 =Asin(2Ko・d+θ)/√2 となる。 ここで、θ=2(Ke−Ko)d とする。光は、厚さ
dのフィルム1aに垂直に入射し垂直に出射するとした
が、斜めに入射したとしても、表面から反対側の内面と
の間の斜めの光路をdとすれば、上式がそのまま適用で
きる。
【0033】次に、検光子を直交ニコル(クロスニコ
ル)の状態にすると検出される光量Iは、次式で表され
る。 I=((Ero−Ere)/√2) =1/4A(sin(2Ko・d)−sin(2Ko・d+θ)) =Acos(2Ko・d+θ/2)sin(θ/2) 即ち、複屈折性があるがゆえに、直交ニコル状態で検出
される光量が変化するとともに、屈折率も波長依存性を
有するために、膜厚の変化やフィルムの重なり具合や剥
がれの状態の違い、シートの厚み斑等が色の違いとし
て、観察される。
【0034】図1(a)は、広げられたフィルムの一方
の面の側から見た平面図であるが、フィルムの製造過程
で図中上下方向に向いた両側矢印で示す方向に延伸され
ている。このようなフィルムのシートでは、延伸方向
(図中pで示す方向)と、それに垂直な方向(図中qで
示す方向)に複屈折の軸がある。
【0035】このような透明フィルムシートをたばこや
キャラメルの包装に用いると、包装された直方体のパッ
ケージの矩形の1面には、(b)(c)に示すような折
り目ができ、透明フィルムの重なりができる。
【0036】折り曲げられた透明フィルムの延伸方向は
(b)に両側矢印で示すように、折り目を境にして各領
域で矩形の長辺方向(図中左右方向)であったり、短辺
方向(図中上下方向)であったり、または長辺方向と短
辺方向の両方向といったようにばらばらになる。このこ
とは、複屈折における常光と異常光の軸方向が入れ替わ
っている場所があることを意味する。図中両側矢印が十
文字に交わっているのは、延伸されている方向が透明フ
ィルムの重なりによって混在していることを示してい
る。
【0037】また(c)に示すように、透明フィルムの
重なり枚数が各領域により異なる。これは透明フィルム
の厚さが異なっているのと同等である。したがって、各
領域で偏光の変化量が異なる。図中、各領域の1〜5の
数字は重なり枚数を示す。
【0038】図2を参照して、本発明の第1の実施の形
態を説明する。図中フィルムパッケージ1の表面に対し
て斜め上方に白色光源11が配置され、白色光源11と
フィルムパッケージ1の表面との間には照明側偏光フィ
ルタである偏光子12が配置されている。偏光子12の
光軸AX1は、フィルムパッケージ1の表面に斜めに交
差している。
【0039】偏光子12を介した光源11の光がフィル
ムパッケージ1の表面で正反射する方向には受光側偏光
フィルタである検光子21が配置されている。検光子2
1の光軸AX2は、フィルムパッケージ1の表面に対し
て、光軸AX1の正反射方向にある。検光子21を介し
て、光源11からの正反射光を受光する位置に、撮像素
子としての、カラーCCDカメラ22が配置されてい
る。図中、偏光子12、検光子21は、それぞれ回転機
構31、32で光軸回りに回転可能に構成されている
が、これらについては第5の実施の形態として後で詳し
く説明する。
【0040】例えば、光源11は図3に示すように広い
波長域を有する白色光源であるとする。すなわち波長4
00〜750nmの可視光線を含み、幅広い波長を含ん
でいる。これが偏光子12を介して直線状に偏光した光
になる。
【0041】図4に、前記のような照射装置で透明フィ
ルムパッケージを照射した場合の画像の例を説明する。
フィルムパッケージ1の表面においては、図1(b)
(c)に示したように、折り目を境界にした各領域で波
長毎に偏光の変化量が異なるので、検光子21を通過で
きる波長の光は限定されてしまう。したがってカラーC
CDカメラ22で得られる画像は、図4に示すように、
各領域で異なる色に色分けされる。各領域は、例えば、
赤、黄、紫、桃、青、緑のような色を呈する。
【0042】このように各領域が色分けして観察される
ので、パッケージの折り目、フィルムの重なり状態等を
鮮明に判別することができる。
【0043】図5を参照して、以上の実施の形態で使用
するカラーCCDカメラ22の、撮像素子に形成される
画像をぼかす構造を説明する。同図(a)に示すよう
に、カラーCCDカメラ22は、撮像対象であるフィル
ムパッケージ1とカメラ22の結像面である撮像素子面
22cとの間に、対物レンズ22aと結像レンズ22b
を含んで構成される結像光学系を備える。対物レンズ2
2aには、オートフォーカス装置22dが接続されてい
る。
【0044】本実施の形態では、オートフォーカス装置
22dは、(b)に示すような撮像素子面22c上に形
成される像(画素画像)がシャープに結像する合焦状態
から、対物レンズ22aを所定の量だけ光軸方向に移動
した、(c)に示すような非合焦状態に結像光学系を設
定するように構成されている。このように構成すると、
撮像素子面22c上に結像する画像そのものを、ぼかす
ことができる。いわば画像自体をデフォーカス状態で取
得することになる。このデフォーカス状態の画像を観察
する。
【0045】ここで所定量だけずらすというとき、その
所定量は対物レンズ22a又は結像レンズ22bの光軸
方向へのずらし移動量を一定の長さ量としてもよいし、
図5(b)に示すような、シャープな点が(c)に示す
ような、広がりを有するぼけた像のその広がりを一定
量、例えば広がりのカバーする画素の数で設定してもよ
い。
【0046】光学的にぼかすときは、まずシャープな画
像を得てから、レンズをずらして観察画像を得るように
してもよいし、シャープな画像を経由しないで観察画像
を得るようにしてもよい。
【0047】フィルムやパッケージを検査するとき、通
常は1バッチの検査対象物は一種類であり、大きさは揃
っており、検査対象面の位置の変化はない。このような
ときは、最初の一つの検査対象物で光学的にぼかして、
その合焦状態を固定して1バッチの複数の検査対象物を
検査すればよい。
【0048】また不図示のダミーの面を検査対象面か
ら、所定の距離(結像レンズ系の焦点深度によるが例え
ば5〜10mm程度)だけ離して設置し、その面に合焦
させるようにしてもよい。このときは、ダミーの面以外
は合焦からずれるのでぼける。ダミーの面は合焦するに
十分な必要最小限の面積を有すればよい。実際の検査対
象面の検査に差し支えのない程度の小面積にするか、検
査対象面と重ならない位置に配置すればよい。
【0049】以上の構成において、検査対象面の位置と
ダミー面の位置とを検出して、ダミー面が検査対象面か
ら常に所定の距離だけ離れるように制御すれば、検査対
象物の大きさがその都度異なっても対応できる。
【0050】なお、光学的な観察画像のぼかしは、以上
説明したように、対物レンズ22aを光軸方向にずらす
他、結像レンズ22bをずらすことによって行ってもよ
い。
【0051】また本発明の実施の形態では、検査対象物
は、カメラの光軸に対して斜めに設置されている。カメ
ラの結像部が検査対象面に対して走査するラインセンサ
の場合は、そのラインが検査対象面に平行になるように
カメラを設置すれば、合焦あるいは所定のぼかしを全面
に及ぼすことができる。
【0052】一方、カメラが2次元面に配列された画素
で構成される結像面を備える場合に、検査対象面の全面
に渡って一定の合焦あるいは一定のぼかしを与えるため
には、検査対象面と結像面とがシャインプルーフの条件
を充足するように、結像面にあおり角度を与えればよ
い。また結像光学系はテレセントリック光学系とするの
が好ましい。
【0053】パッケージフィルムの重なり具合や剥が
れ、あるいはフィルムの破れを検出するにあたり、合焦
状態にある画像では、フィルムのしわやたるみ等で、照
明光の反射状態がずれるので、識別したい領域(何重に
フィルムが重なっているかを示す領域、即ち、重なり具
合で、フィルムの色付きが変わる)内での色具合に画素
毎に色むらが多少なりとも生じることがある。
【0054】このようなとき、色相、色差、彩度、明度
等で自動的に領域を区分けしたいとすると、この色むら
の為に、同じ識別領域にあっても細かい色とびが生じ、
正確に領域を抽出することが困難であった。
【0055】本実施の形態の検査装置では、デフォーカ
ス状態で光学的に画像を取得するので、画像の色とびが
少なくなる。即ち、デフォーカスにより、近接画素の色
が混じるので、色とびの効果を薄めることができる。こ
のようにすると、細かなピンホール等は検出しにくい代
償として、大きな欠陥を検出し易い。
【0056】図6を参照して、本発明の第2の実施の形
態を説明する。この実施の形態では、撮像素子面22c
上には合焦状態でシャープな画像を形成するが、その後
画像処理によりぼかす構成をとる。
【0057】図中、画素M11からM33で示すのは、
画像素子面22cの中の碁盤目状に互いに隣り合う任意
の9個の画素を抽出したものである。画素M11からM
33は、マトリクス状に配置されている。ここで、添え
字の左側の数字は行(横方向)、右側の数字は列(縦方
向)を表す。
【0058】図の(a)は、中央の画素M22に、これ
に対応するフィルムパッケージ1の点がシャープに結像
している状態を示す。画像素子面22c上には、フィル
ムパッケージ1は、全面にわたって(a)に示すように
合焦状態で結像している。
【0059】(b)は、画像処理装置41内で、画素M
22の回りの近傍画素である画素M11〜M33の間
で、演算を行って画像をぼかした結果を示す。ここで
は、画像処理による平均値フィルタを用いている。この
平均値フィルタは、3×3の画素M11〜M33のフィ
ルタを全画素にわたって、コンボリユーションすること
により、これらの画素の受光量の平均値をとって、それ
をひとつの画素M22の値とする。
【0060】ここで、平均は加重平均であってもよい。
例えば、画素M22の光量には重み2を掛け、画素M1
1〜M33のうち画素M22以外の画素の光量には重み
1を掛け、合計光量を10で除して、その値を画素M2
2の値とする。他の画素についても同様に、自分自身の
重みは重くして、その回りの近傍画素の重みは軽くして
平均する。(b)で影の濃さに差をつけて、画素M22
を濃くしてあるのは、そのような平均値をとった状態を
イメージしたものである。
【0061】このように、光学的手法によりぼかした場
合でも、画像処理手法によりぼかした場合でも、得られ
た観察画像では色とびや色むらが緩和され、または色と
びや色むらをなくすことができる。
【0062】以上の実施の形態は、平均する画素が3×
3の場合で説明したが、5×5、あるいは7×7であっ
てもよい。いずれの場合も、加重平均をとるときは、重
みは中心を重く、中心から離れるに従って軽くするのが
よい。
【0063】またぼかしは、光学的手法によっても、画
像処理手法によってもよいのは、以下説明する実施の形
態でも同様である。
【0064】図7を参照して別の実施の形態を説明す
る。図7(a)は第3の実施の形態を示す。図中、撮像
素子は第1の実施の形態のカラーCCDカメラ22の代
わりにモノクロCCDカメラ24を配置してある。また
検光子21とモノクロCCDカメラ24との間にカラー
フィルタ23が配置されている。但し、カラーフィルタ
23の配置される位置は、検光子21とモノクロCCD
カメラ24との間に限らず、被検査物であるフィルムパ
ッケージ1の表面と撮像素子24との間であれば他の位
置でもよい。ここでは、カラーフィルタ23を挿入する
ものとして示してあるが、その代わりに、撮像素子24
を特定の波長の光のみを検出する撮像素子としてもよ
い。
【0065】第3の実施の形態によれば、フィルムパッ
ケージ1の各領域における色に対応させてカラーフィル
タ23の色を選択することにより、その領域を抽出して
観察することができる。例えば図1と図4で言えば、フ
ィルムが5枚に重なっている領域は桃色になるが、カラ
ーフィルタ23をこの色を透過するフィルタとすれば、
フィルムが5枚に重なった領域だけが、モノクロCCD
カメラでは白色に撮像され、その他の部分は黒色とな
る。したがって、5枚重なり部分を特に抽出して観察す
ることができる。
【0066】図7(b)を参照して第4の実施の形態を
説明する。ここでは第1の実施の形態における白色光源
の代わりに、単色光源13を配置し、撮像素子としてカ
ラーCCDカメラ22の代わりにモノクロCCDカメラ
24を配置したものである。この実施の形態では、フィ
ルムパッケージからの反射光の中で、検光子21の偏光
方向と一致した光を反射する特定の領域からの光のみが
検光子21を透過し、モノクロCCDカメラ24で観察
される。その特定の領域は、単色光源13の色に応じて
変わる。
【0067】以上の実施の形態では、偏光子と検光子と
を直交ニコルの関係にすると、てかりを除く効果が得ら
れ、フィルムの内側で、あるいは下地で反射された光を
観察することができる。
【0068】偏光子12と検光子21とが直交ニコルの
関係にあるとは、偏光子12と検光子21とを透過する
直線偏光の電気ベクトルの振動面が互いに垂直になるよ
うにこれらを光路中に配置した状態をいう。以上の実施
の形態でいえば、偏光子12を透過した光が、透明フィ
ルムによって偏光状態の特別な変化を受けることなく正
反射された光の振動面と、検光子21を透過する光の振
動面が直交する関係にあることをいう。
【0069】図2に戻りまた図8を参照して本発明の第
5の実施の形態を説明する。この実施の形態では、図2
に示すように偏光子12と検光子21とをそれぞれの光
軸AX1、AX2の回りに回転可能に構成する。偏光子
12は回転機構31により光軸AX1回りに回転され、
検光子21は回転機構32により回転される。回転機構
31と回転機構32とは、コントローラ33により、偏
光子12と検光子21との相対的な関係を維持しなが
ら、それぞれを回転できるように構成されている。とく
に偏光子12と検光子21とを直交ニコルの関係を維持
しながら回転させることができる。このように構成する
と、偏光子12と透明フィルムを介した偏光のうち特定
の方位の偏光を、検光子21で選択してCCDカメラ2
2の撮像素子面22cにより画像を形成して観察するこ
とができる。
【0070】またCCDカメラ22には、画像処理装置
41が接続されている。画像処理装置41は、CCDカ
メラ22からの信号に基づきフィルムパッケージ1の表
面の画像を形成することができる。
【0071】特に、直交ニコルの関係を維持したまま回
転可能に構成した場合を、図8に示す。(a)には、偏
光子12と検光子21の偏光方位が図中で傾いている場
合の、フィルムパッケージ1の表面の領域の色分けを示
す。(b)には、偏光子12と検光子21の偏光方位が
図中で左右方向、上下方向に向けられた場合の、領域の
色分けを示す。このように、(a)と(b)の場合で、
各領域の色はそれぞれ異なる。しかしながら、不図示の
下地の文字や模様は、偏光子と検光子の偏光方位に拘わ
らず同じ明るさでCCDカメラで撮像される。即ち、偏
光子12と検光子21とを直交ニコルの関係に維持した
まま、光軸AX1、AX2回りに回転させて、2つの回
転方向位置で撮像すると、図8(a)(b)に示すよう
な2つの異なる画像が形成されるが、その中にはほぼ同
一の下地の画像が含まれている。
【0072】図8に示すような画像を差算して、前記2
つの異なる画像の差画像を作ると、図9(a)に示すよ
うな下地の文字や絵、模様3が、図9(b)に示すよう
にほぼ見えなくなる。同様にしてフィルム表面のてかり
2もほぼ消去される。したがって、透明フィルムの厚さ
むら等及びパッケージの折り目を抽出して観察すること
ができる。このようにして、包装された内部の物の材質
(紙、アルミなど)や、表面の状態によって包装の折り
目の状態が観察できないような問題を解決できる。この
実施の形態でも、光学的手法あるいは画像処理的手法に
より、観察画像をぼかすので、色とびや色むらを抑えた
画像を得ることができる。
【0073】以上、異なる画像は2つ画像の場合で説明
したが、3以上の複数の画像としてもよく、使用する画
像の数を増やせば、それだけきめ細かな観察が可能とな
る。
【0074】また第5の実施の形態では、単色光源は1
つとしたが、複数の単色光源を用いてもよく、さらに複
数の輝線を有する光源を用いてもよい。それに応じて、
2つ以上の領域を抽出して観察することが可能となる。
【0075】図10を参照して、本発明の第6の実施の
形態を説明する。本実施の形態は、透明フィルムを検査
する装置及び検査方法である。図中、透明フィルム1a
が、その生産ラインにおいて高速(例えば数m/s)移
動している。フィルムには例えばピンホール6の他、破
れ6aのような欠陥があり得る。そのような生産中のフ
ィルム1aを検査するために、図7(b)の第4の実施
の形態で説明したように、光源13と偏光子12、そし
て検光子21が備えられている。さらに、第4の実施の
形態のCCDカメラの代わりに、被検査面である透明フ
ィルムからの光が検光子21を透過した方向には、ライ
ンセンサ25が備えられている。図示は省略されている
が、検光子21とラインセンサ25との間には、被検査
面とラインセンサとを共役関係に置くような結像光学系
が備えられている。ラインセンサ25は、例えばCCD
撮像素子を直線状に(1次元的に)1列に配列したもの
である。その直線の方向は、典型的には透明フィルム1
aの高速移動方向に直角な方向に対応している。
【0076】光源としては単色光源13を使用する。こ
のときはラインセンサとしてはモノクロセンサを用いる
のがよい。モノクロセンサを用いて、光源として白色光
源11を使用する場合は、図7(a)で説明したように
カラーフィルタ23をラインセンサ25と被検査物との
間に置く。本実施の形態では、ラインセンサを用いるの
で、2次元のセンサと違って、高速移動する物の検査に
適する。
【0077】この実施の形態においても、結像光学系あ
るいは画像処理装置を使って、ラインセンサ25上に形
成されるライン状の画像をぼかし、あるいはラインセン
サ25上に形成されるシャープな画像をぼかして観察画
像とするので、フィルムの小さいピンホール6は観察し
にくくなるものの、厚さやムラなどの検出、あるいは破
れ6aの検出ができる。ここでは、フィルムシート1a
を検査する場合で説明したが、もちろんフィルムパッケ
ージの検査にも用いることができる。光源として白色光
源を用い、かつラインセンサとしてカラーセンサを用い
てもよい。
【0078】図11を参照して、本発明の第7の実施の
形態を説明する。この実施の形態は、図2の第1の実施
の形態と違って、画像処理装置を備えず、CCDカメラ
22からの信号は、モニタ42に送られる。モニタ42
は、CRTや液晶モニタである。モニタ42には、パッ
ケージ1の各領域が色分けされて画像として表示され
る。CRTで観察する観察画像は、カメラ22の結像光
学系を使って光学的にぼかすので、これを肉眼5で目視
することにより、色とびや色むらのない観察画像で、フ
ィルムやフィルムパッケージの検査ができる。
【0079】またモニタ42とカメラ22との間に、画
像処理装置41’(不図示)を備えて、カメラ22にシ
ャープに形成された画素画像を画像処理装置41’で画
像処理によってぼかして、モニタ42で観察できるよう
にしてもよい。
【0080】図12を参照して、本発明の第8の実施の
形態を説明する。以上の実施の形態では、照明系に偏光
子を、撮像系に検光子を配置していたが、これに付け加
えて、適当な複屈折作用をもたらす素子(複屈折板)を
照明系と撮像系に配置する。但し、照明系、撮像系のい
ずれか一方に付け加えるだけでもよい。
【0081】この実施の形態では、第1の実施の形態の
場合を利用して、検査対象であるフィルムパッケージ1
と検光子21との間に複屈折板51を挿入してある。こ
こで、照明光源、偏光子、を一つの照明系とし、検光
子、撮像素子を一つの撮像系とするとき、照明系の光路
上のいずれかの箇所と、撮像系の光路上のいずれかの箇
所、典型的には、偏光子12と検査対象1との間、検査
対象1と検光子21との間のいずれか一方又は双方に複
屈折板51を挿入配置する。いずれにしても、複屈折板
51は、光源11と撮像素子22との間に配置すればよ
い。また、複屈折板51は、回転機構52により光軸回
りに回転可能に構成されている。
【0082】第8の実施の形態の作用を説明する。図1
3を参照して原理について説明したように、複屈折性が
あると、直交ニコル状態で検出される光量が変化すると
ともに、屈折率も波長依存性を有する。したがって、膜
厚の変化やフィルムの重なり具合や剥がれの状態の違
い、シートの厚み斑等が色の違いとして、観察される。
【0083】ここでは、図12に示すように、複屈折板
が、照明系にはなく、撮像系にはある場合で説明する。
検光子21を通過した波長の光は、検査物1の複屈折波
長依存性により撮像系に入射してR、G、Bの3原色の
強度違いとして、色付く。
【0084】ここで、さらに複屈折板51を挿入し、回
転機構52を使って適当に回転させることで、3原色の
強度比をある程度自由にコントロールすることができ
る。このようにして、色違いを強調したり、色付き具合
を調整することができる。
【0085】したがって、従来、通常の照明系では、検
査が不可能であった膜厚の目視検査やフィルムの剥がれ
等を、ある程度自由な色合いで観察することができる上
に、偏光子12と検光子21だけでは、フィルムの材質
によっては、識別したい領域で、色具合が似ていて判別
が困難な領域であっても、色違いを強調することができ
るので、目視的にも自動的にも判断をし易くすることが
できる。
【0086】さらに色相の差を利用する場合を説明す
る。以上説明した実施の形態において、2組の直交ニコ
ルの構成で得られた画像に対して以下説明するような処
理をする。即ち、 色相の中心を決めて、その中心か
ら所定の範囲内にある画像上の領域を白、その範囲外の
領域を黒とし、2値化する。即ち、カラーの画像をモノ
クロの画像にする。例えば、色相の中心をs(例えば1
20°)としたら、s±t(例えば120°±10°)
の色を持つ領域を白としてしまう。 ここで、明度のスライスレベルを決め、それより暗
いところには、の処理をしないようにする。明度は0
〜1の範囲の値を有する。0は真っ暗の場合であり、1
は最も明るい場合を示す。あるスライスレベルより暗い
ところでの処理をしないのは、明度の低いところ即ち
あまり照明されていないところは雑音の成分が多いの
で、これをカットするためである。 2つの画像に対して、との処理を行い、得られ
た2つのモノクロ画像を作る。 以上のようして作った2つの画像を、既に説明した実施
の形態における画像として差画像を作る等の処理をし、
また観察をする。このようにすると、色相の差が強調さ
れることになり、検査の精度とスピードを上げることが
できる。ここで、との処理の順番については、どち
らが先でもよい。
【0087】以上の実施の形態では、所定の偏光方向に
偏光した光を照射する照射装置としては、光源と偏光子
の組合せで説明したが、これに限らない。例えば、光源
に偏光フィルムを張り付けたものであってもよい。その
場合は、偏光を光軸回りに回転するのは、偏光子を回転
するのではなく、光源そのものを回転することになる。
【0088】以上のように、下地の影響を排除して純粋
に透明フィルム、あるいはフィルムパッケージの部分を
抽出して、折り目等を観察できるので、フィルムやフィ
ルムパッケージの良不良の判定を確実に行うことが可能
となる。
【0089】また、フィルムパッケージの検査とは、例
えばお菓子の包装などにおける封止の接着面の検査も含
むものであり、例えば接着面からの内容物の漏れの有無
等を検査することができる。
【0090】以上の実施の形態では、光学的なぼかしと
画像処理的なぼかしとは別々に行うものとして説明した
が、両方を併せて行ってもよい。
【0091】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、検光子を
備えるので、透明なフィルムやフィルムパッケージで偏
光状態が変化したとき、その変化を撮像素子で検出する
ことができ、また、観察画像をぼかすように構成したの
で、例えば色とびや色むらを抑えた画像が得られ、透明
フィルムやフィルムパッケージの良不良を判定すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明フィルムの延伸方向及び透明フィルムによ
るパッケージ表面の延伸方向、重なり状態を示す平面図
である。
【図2】本発明の第1の実施の形態である検査装置の概
念的斜視図である。
【図3】白色光の波長域を示す線図である。
【図4】図2の装置を用いて、フィルムパッケージの表
面をカラーCCDカメラで撮像した画像の例を示す平面
図である。
【図5】本発明の実施の形態中の観察画像をぼかす結像
光学系の例を説明する概念図である。
【図6】本発明の実施の形態中の観察画像を画像処理に
よりぼかす構成を説明する概念図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態(a)と第4の実施
の形態(b)である検査装置の概念的斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態である検査装置を用
い、偏光子と検光子を回転して2つの異なる回転位置
で、フィルムパッケージの表面をカラーCCDカメラで
撮像する第5の実施の形態における画像の例を示す平面
図である。
【図9】図8に示す2つの異なる画像の差画像を得て、
下地の文字や表面のてかりを除去した状態を示す平面図
である。
【図10】本発明の第6の実施の形態である検査装置の
概念的斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態である検査装置の
概念的斜視図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態である検査装置の
概念的斜視図である。
【図13】本発明の原理を説明する図である。
【図14】従来の検査方法を説明する概念的斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 フィルムパッケージ 11 白色光源 12 偏光子 13 単色光源 21 検光子 22 CCDカメラ 22a 対物レンズ 22b 結像レンズ 22c 撮像素子面 22d オートフォーカス装置 23 カラーフィルタ 24 CCDカメラ 25 ラインセンサ 31、32 回転機構 33 コントローラ 41 画像処理装置 42 モニタ 51 複屈折板 AX1、AX2 光軸 M21〜M33 画素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B65B 57/00 B65B 57/00 A Fターム(参考) 2G051 AA41 AA90 AB20 BA11 BB20 CA03 CB01 CC07 CC20 ED07 ED14 ED30 2G059 AA05 BB08 CC20 EE02 EE05 FF01 FF06 GG04 JJ19 KK04 MM01 MM09 NN01 4B044 CF02Y

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なフィルムまたは透明なフィルムに
    より包装されたフィルムパッケージに所定の偏光方向に
    偏光した光を照射する照射装置と;前記透明なフィルム
    または前記フィルムパッケージからの光を検出し、色情
    報を取得する2次元に配置された複数の画素と;前記透
    明なフィルムまたは前記フィルムパッケージと前記画素
    との間に配置された検光子と;前記複数の画素からの信
    号に基づき前記フィルムまたは前記フィルムパッケージ
    の観察画像を形成する画像処理装置とを備え;前記観察
    画像をぼかすように構成した;フィルムまたはフィルム
    パッケージ検査装置。
  2. 【請求項2】 前記2次元に配置された複数の画素上
    に、前記色情報を含む画素画像を形成する結像光学系
    と;前記結像光学系を駆動して合焦する合焦装置であっ
    て、前記結像光学系の合焦状態を非合焦側に所定量だけ
    ずらすように構成した合焦装置を備える;請求項1に記
    載のフィルムまたはフィルムパッケージ検査装置。
  3. 【請求項3】 前記2次元に配置された複数の画素上
    に、前記色情報を含む画素画像を形成する結像光学系を
    備え;前記画像処理装置は、前記画素画像を、前記2次
    元に配置された複数の画素の各画素のまわりの近傍画素
    間演算を行う画像処理をして前記観察画像を形成するよ
    うに構成された、請求項1に記載のフィルムまたはフィ
    ルムパッケージ検査装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の偏光方向と前記検光子の偏光
    方向とを、直交ニコルの関係に設定することを特徴とす
    る、請求項1に記載のフィルムまたはフィルムパッケー
    ジ検査装置。
  5. 【請求項5】 前記所定の偏光方向と前記検光子の偏光
    方向とを、前記直交ニコルの関係に維持したまま、前記
    偏光した光と前記検光子とをそれぞれの光軸回りに回転
    可能に構成したことを特徴とする、請求項4に記載のフ
    ィルムまたはフィルムパッケージの検査装置。
  6. 【請求項6】 透明なフィルムまたは透明なフィルムに
    より包装されたフィルムパッケージに、該フィルムまた
    は該フィルムパッケージに対して第1の偏光方向を有す
    る偏光を照射する第1の工程と;第1の工程で照射され
    たフィルムまたはフィルムパッケージから反射された光
    のうち前記第1の偏光方向を有する偏光と直交ニコルの
    関係にある偏光を、色情報を取得する2次元に配置され
    た複数の画素で検出して画素画像を形成する第2の工程
    と;第2の工程で形成する画素画像、または第2の工程
    で形成した画素画像をぼかして、観察画像を形成する第
    3の工程を備える;フィルムまたはフィルムパッケージ
    検査方法。
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