JP2002055055A - 複屈折性検査対象物の検査装置及び検査方法 - Google Patents

複屈折性検査対象物の検査装置及び検査方法

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JP2002055055A
JP2002055055A JP2000250559A JP2000250559A JP2002055055A JP 2002055055 A JP2002055055 A JP 2002055055A JP 2000250559 A JP2000250559 A JP 2000250559A JP 2000250559 A JP2000250559 A JP 2000250559A JP 2002055055 A JP2002055055 A JP 2002055055A
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analyzer
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polarization direction
film
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JP2000250559A
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Toshiji Takei
利治 武居
Ikuo Okamoto
育雄 岡本
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明なフィルムまたはフィルムパッケージの
ような複屈折性検査対象物の表面やパッケージの内部の
状態に拘わらずそのようなフィルム等を検査することが
できる検査装置及び検査方法を提供する。 【解決手段】複屈折性を有する検査対象物1に所定の偏
光方向に偏光した光を照射する照射装置12と;照射さ
れた検査対象物1からの光を検出し、色情報を取得する
撮像素子22と;検査対象物1と撮像素子22との間に
配置された検光子21とを備え;前記所定の偏光方向と
前記検光子の偏光方向とを、直交ニコルの関係に設定
し;前記直交ニコルの関係を維持したまま、前記偏光し
た光と検光子21の偏光方向とをそれぞれの光軸AX
1、AX2回りに回転可能に構成した複屈折性検査対象
物の検査装置。検光子を備えるので、透明なフィルムや
フィルムパッケージで偏光状態が変化したとき、その変
化を撮像素子で検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複屈折性検査対象
物の検査装置及び検査方法に関し、特に透明なフィルム
またはフィルムパッケージ等の複屈折性検査対象物の表
面やパッケージの内部の状態に拘わらずフィルム等を検
査できる検査装置及び検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、透明なフィルムまたはフィルムパ
ッケージの検査は、図14に示すようにフィルムパッケ
ージ1等を、被観察面への入射角が90°付近になるよ
うな方向から光源4で照明し、照明によってできる折り
目の影等を肉眼5で目視したり、カメラを使って観察す
ることにより行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来の方法によれば、フィルムやフィルムパッケ
ージの被観察面にしわやよれなどがあると、その部分も
光ってしまうため、見たい折れ目のみを観察することが
難しかった。またフィルムやフィルムパッケージ1の表
面のてかり2によってフィルムの製造むら、傷、ピンホ
ール等の欠陥が判別しにくかった。フィルムパッケージ
ではフィルムが透明であるために、下地の文字や絵3な
どが透けて見えるため、パッケージの状態を分離して観
察することができなかった。
【0004】そこで本発明は、複屈折性を有する検査対
象物、例えば透明なフィルムまたはフィルムパッケージ
の、表面やパッケージの内部の状態に拘わらずそのよう
なフィルム等を検査することができる検査装置及び検査
方法を提供することを目的にしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明による複屈折性検査対象物の検
査装置は、例えば図2に示すように、複屈折性を有する
検査対象物1に所定の偏光方向に偏光した光を照射する
照射装置12と;照射された検査対象物1からの光を検
出し、色情報を取得する撮像素子22と;検査対象物1
と撮像素子22との間に配置された検光子21とを備
え;前記所定の偏光方向と検光子21の偏光方向とを、
直交ニコルの関係に設定し;前記直交ニコルの関係を維
持したまま、前記偏光した光と検光子21の偏光方向と
をそれぞれの光軸AX1、AX2回りに回転可能に構成
する。
【0006】前記所定の偏光方向と検光子21の偏光方
向とを、直交ニコルの関係に設定するとは、例えば、所
定の偏光方向に偏光した光を偏光子で生成する場合は、
該偏光子と検光子とをそれぞれの偏光方向が直交の関係
になるように配置することである。このように構成した
場合は、両偏光フィルタ(偏光子と検光子)が直交ニコ
ルの関係に配置されているので、照射された光のうち偏
光方向が変化しない光がカットされ、例えばフィルム内
部を通過しない反射光によるパッケージ表面のてかりが
消される。
【0007】複屈折性検査対象物は典型的には透明な複
屈折材料でできている。例えば透明なフィルムあるいは
フィルムパッケージである。ここで透明とは半透明を含
む概念とする。所定の偏光方向に偏光した光は、例えば
光源(単色であってもよいし、白色であってもよい)と
フィルムパッケージとの間に照明側偏光フィルタである
偏光子を配置することによって得られる。
【0008】検査対象物は、光を照射された結果、その
表面で、あるいは透明な複屈折材料の内面で正反射等す
ることにより、光を撮像素子の方に発する。
【0009】ここで色情報とは、複数の色の情報に限ら
ず、例えば照射する光が単色光であっても、その特定の
色がフィルムあるいはフィルムパッケージから拾う情報
であればよい。また例えば撮像素子が検出する光が単色
光であっても、その特定の色が拾って来た情報を撮像素
子は取得する。
【0010】撮像素子は、例えば前記偏光が白色光であ
るときはカラーカメラ、単色光であるときはモノクロカ
メラとするとよい。また撮像素子がモノクロカメラであ
り、且つ前記フィルムパッケージとモノクロカメラとの
間に特定の波長のみを検出するフィルタを備えるように
すれば、前記偏光は白色光であってもよい。また、前記
偏光が白色光であり、特定の波長の光のみを検出する撮
像素子を備えるモノクロカメラを用いてもよい。ここで
カメラとしたが、カメラはラインセンサであってもよ
い。
【0011】照射装置で照射される検査対象物、例えば
フィルムあるいはフィルムパッケージは、典型的には全
体的に平面であり、撮像素子は、好ましくはその平面で
正反射される方向に配置される。また撮像素子はそのよ
うな場合のフィルムあるいはフィルムパッケージからの
正反射光を受光する。但し受光するのは散乱光であって
もよい。フィルムあるいはフィルムパッケージが全体的
に平面であるときも、それは完全な鏡面ではなく、特に
折り畳み部分には凹凸や小さな曲面を有する。ここで正
反射方向というとき、凹凸を有する面の平均的平面の法
線に対して入射角と射出角とが等しい場合をいう。
【0012】もちろん、被検査面であるフィルムやフィ
ルムパッケージは、全体的に曲面例えば球面を有してい
てもよい。
【0013】このように構成すると、検光子を備えるの
で、透明なフィルムやフィルムパッケージで偏光状態が
変化したとき、その変化を撮像素子で検出することがで
きる。
【0014】所定の偏光方向と検光子21の偏光方向と
を、前記直交ニコルの関係に維持したまま、それぞれの
光軸AX1、AX2回りに回転可能に構成するとき、例
えば所定の偏光方向に偏光した光を偏光子で生成する場
合は、該偏光子と検光子とをそれぞれの光軸AX1、A
X2回りに回転可能に構成すればよい。偏光子と検光子
の光軸は、一般には平面状の偏光子、検光子のほぼ中心
に位置する法線方向の直線である。
【0015】このように構成すると、所定の偏光の偏光
方向と検光子の偏光方向とをそれぞれの光軸回りに回転
できるように構成するので、光軸回りの特定の位置で、
互いに異なる画像を、前記撮像素子により得ることがで
きる。ここで偏光の光軸とは、検査対象面において検光
子の光軸と射出光と入射光との関係にある直線をいうも
のとする。
【0016】上記目的を達成するために、請求項2に係
る発明による複屈折性検査対象物の検査装置は、例えば
図2に示すように、複屈折性を有する検査対象物1に所
定の偏光方向に偏光した光を照射する照射装置12と;
照射された検査対象物1からの光を検出し、色情報を取
得する撮像素子22と;検査対象物1と撮像素子22と
の間に配置された検光子21と;撮像素子22からの信
号に基づき検査対象物1の画像を形成する画像処理装置
41とを備え;画像処理装置41は、撮像素子22から
の信号に基づき検査対象物1の少なくとも2つの異なる
画像を形成し、前記2つの異なる画像の差画像を得るよ
うに構成される。
【0017】このように構成すると、画像処理装置を備
えるので、画像を形成し、その画像に対して種々の処理
を行うことができる。
【0018】ここで、異なる画像とは、形状が異なる必
要はなく、例えば2つの異なる偏光方向に偏光した光に
より照射されたフィルムパッケージの像も、偏光毎に異
なるものであり、本発明で言う異なる画像である。
【0019】差画像を得ると、例えば、フィルムの下に
ある下地の文字や絵が消去されて、フィルムパッケージ
の良不良の検査が容易に行える。差画像は、2つの異な
る画像から得られる1つの差画像に限らず、3以上の異
なる画像から得られる2以上の差画像を得るとさらに正
確な検査が可能となる。画像処理装置は、色相の差を強
調するように構成するのが好ましい。
【0020】以上の発明では、光源を白色光源とし、色
情報を取得する撮像素子をカラーのカメラ、ラインセン
サ等を使用することを特徴としてもよいし、光源を白色
光源とし、色情報を取得する撮像素子を特定の波長の光
のみを検出するモノクロのカメラ、ラインセンサ等を使
用することを特徴としてもよい。また、光源を単色光源
とし、色情報を取得する撮像素子をモノクロのカメラ、
ラインセンサ等を使用することを特徴としてもよい。
【0021】上記目的を達成するために、請求項3に係
る発明による複屈折性検査対象物の検査装置は、例えば
図2に示すように、複屈折性を有する検査対象物1に所
定の偏光方向に偏光した光を照射する照射装置12と;
照射された検査対象物1からの光を検出し、色情報を取
得する撮像素子22と;検査対象物1と撮像素子22と
の間に配置された検光子21とを備え;前記所定の偏光
方向と検光子21の偏光方向とを、直交ニコルの関係に
設定し;撮像素子22からの信号に基づき検査対象物1
の画像を形成する画像処理装置41を備え;画像処理装
置41は、撮像素子22からの信号に基づき検査対象物
1の少なくとも2つの異なる画像を形成し、前記2つの
異なる画像の差画像を得るように構成される。
【0022】このように構成すると、例えば両偏光フィ
ルタ(偏光子と検光子)が直交ニコルの関係に配置され
ているので、照射された光のうち偏光方向が変化しない
光がカットされ、例えばフィルム内部を通過しない反射
光によるパッケージ表面のてかりが消される。
【0023】また請求項4に記載のように、請求項1に
記載の複屈折性検査対象物の検査装置では、撮像素子2
2からの信号に基づき検査対象物1の画像を形成する画
像処理装置41を備え;画像処理装置41は、撮像素子
22からの信号に基づき検査対象物1の少なくとも2つ
の異なる画像を形成し、前記2つの異なる画像の差画像
を得るように構成してもよい。
【0024】2組の直交ニコル状態において、それぞれ
異なる画像が形成される。即ち、前記所定の偏光方向に
偏光した光と前記検光子とを、前記直交ニコルの関係に
維持したまま、それぞれの光軸回りに回転させて、前記
撮像素子により得られる少なくとも2つの異なった画像
の差画像を得ることができる。
【0025】また請求項5に記載のように、請求項1乃
至請求項4のいずれか1項に記載の複屈折性検査対象物
の検査装置では、前記照射装置のための光源11から撮
像素子22までの光路中に配置された複屈折板51を備
える(図10参照)。
【0026】このように構成すると、複屈折板を備える
ので、観察する光の色違いを強調したり、色の付き具合
を調整したりすることができる。
【0027】前記目的を達成するために、請求項6に係
る発明による複屈折性検査対象物の検査方法は、複屈折
性を有する検査対象物1に、検査対象物1に対して第1
の偏光方向を有する偏光を照射する第1の工程と;第1
の工程で照射された検査対象物1から反射された光のう
ち前記第1の偏光方向を有する偏光と直交ニコルの関係
にある偏光を受光する第2の工程と;前記検査対象物
に、該検査対象物に対して前記第1の偏光方向とは異な
る第2の偏光方向を有する偏光を照射する第3の工程
と;第3の工程で照射された前記検査対象物からの光の
うち前記第2の偏光方向を有する偏光と直交ニコルの関
係にある偏光を受光する第4の工程と;第2の工程で受
光された光から得られる画像と第4の工程で受光された
光から得られる画像の差画像を得る第5の工程とを備え
る。
【0028】第1の偏光方向と第2の方向は、例えば光
源とフィルムパッケージとの間に置かれた照明側の偏光
フィルタである偏光子を光軸回りに回転させて得る。ま
た直交ニコルの関係にある偏光を受光するためには、例
えば、反射された光を第2の偏光方向を有する偏光と直
交ニコルの関係に置かれた受光側偏光フィルタである検
光子を介して受光するようにすればよく、この受光側の
検光子も、照明側の偏光子に対応して回転させればよ
い。
【0029】また請求項7に記載のように、請求項6に
記載の複屈折性検査対象物の検査方法では、前記第1の
工程で照射する偏光及び前記第3の工程で照射する偏光
と、前記第2の工程で受光する偏光及び前記第4の工程
で受光する偏光とのうち少なくとも一方を前記検査対象
物による複屈折に加えて追加的に複屈折させる第6の工
程を備えるようにしてもよい。
【0030】このように構成すると、追加的に複屈させ
るので、観察する光の色違いを強調したり、色の付き具
合を調整したりすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。なお、各図において互い
に同一あるいは相当する部材には同一符号または類似符
号を付し、重複した説明は省略する。
【0032】図1に複屈折性を有する検査対象物として
の透明なフィルム及びフィルムパッケージの状態を示
す。ここで透明とは、フィルムの一方の側から他方の側
を見たとき、他方の側に置かれた物を目視で識別するこ
とができる程度に半透明な場合も含むものとする。図の
(a)は、シート状の透明フィルムを広げて見た平面
図、(b)(c)は、(a)に示すような透明フィルム
で包装したフィルムパッケージの折り曲げ状態を示す平
面図である。
【0033】包装用の透明フィルムは、一般にポリプロ
ピレン、ポリエチレン等の高分子材料を実質的に一定の
方向に延伸することによってシート状に形成して製造さ
れることが多い。そのような透明フィルムは複屈折性を
有しており、偏光した光をこれらフィルムに入射してや
ると、出てきた光の偏光状態は変化している。
【0034】また入射させる光の波長によって透明フィ
ルムの屈折率は異なるので、フィルムから出てきた光の
偏光状態の変化量は光の波長に依存する。ここでフィル
ムから出てきた光は、パッケージに入射させた光が、第
1にフィルムの表面で反射されたもの、第2にフィルム
の中に入射してフィルムの内面で反射され再びフィルム
内部を透過して出てきたもの、第3にフィルムの内面も
透過して下地で反射され再びフィルム内部を透過して出
てきたものが考えられる。
【0035】第1の光(表面反射光)は、てかりの成分
でありフィルムを通過していないので偏光の状態は変化
しない。いわば第1の光には、フィルムパッケージの重
なり等の情報は含まれておらず、フィルムの表面の情報
が含まれているだけである。
【0036】第2と第3の光は、フィルムの内部を通過
しているので、共にフィルムパッケージの重なりなどの
状態を反映して偏光の状態が変化する。但し、第2の光
は下地に到達していないので、下地の情報は含んでおら
ず、フィルムの状態だけが含まれている。
【0037】これに対して第3の光は、下地に到達して
いるので、フィルムの状態と共に下地の状態の情報を含
んでいる。
【0038】さらに透過した光の偏光状態の変化量は、
フィルムの厚みに比例する。したがってフィルムの厚い
部分、あるいは重なった結果厚くなった部分は、偏光の
変化量が大きい。
【0039】図13を参照して、本発明の原理を、延伸
して製造する有機高分子材料製のフィルムのような複屈
折性を有する透明フィルムの場合で説明する。(a)は
フィルム1aへの光の入射と出射の様子を示したもので
あり、(b)は、入射光と出射光のフィルム1a内部の
複屈折の軸、O軸(常光線方向の軸)とE軸(異常光線
方向の軸)と、直線偏光である入射光とが45°をなし
ていることを示す図である。
【0040】フィルム1aの入射光は、(b)に示すよ
うに、フィルム1aの複屈折軸に対して45°の直線偏
光とする。ここで、Kを空間周波数とすれば、一般的に
光路長Xを透過した直線偏光の複素振幅分布Eiは次式
で表される。 Ei=Asin(K・X)
【0041】Eiは次のように2方向の成分、Eio
(O軸方向成分)とEie(E軸方向成分)とに分解す
ることができる。 Eio=Asin(Ko・X)/√2 Eie=Asin(Ke・X)/√2 ここで、Ko=2πNo/λ、Ke=2πNe/λであ
り、Noは常光線成分の屈折率、Neは異常光線成分の
屈折率である。
【0042】したがって、フィルム1aの表面から入射
し、フィルム1a内部で反射後、フィルム1a表面から
再び外部へ出射した光の偏光状態は、次式で表される。
ここで光は、厚さdのフィルム1aに垂直に入射し垂直
に出射するとすれば、光は往復するので、X=2d(膜
厚)であるから、 Ero=Asin(Ko・X)/√2 Ere=Asin(Ke・X)/√2 =Asin(2Ko・d+2(Ke−Ko)d)/√2 =Asin(2Ko・d+θ)/√2 となる。 ここで、θ=2(Ke−Ko)d とする。光は、厚さ
dのフィルム1aに垂直に入射し垂直に出射するとした
が、斜めに入射したとしても、表面から反対側の内面と
の間の斜めの光路をdとすれば、上式がそのまま適用で
きる。
【0043】次に、検光子を直交ニコル(クロスニコ
ル)の状態にすると検出される光量Iは、次式で表され
る。 I=((Ero−Ere)/√2) =1/4A(sin(2Ko・d)−sin(2Ko・d+θ)) =Acos(2Ko・d+θ/2)sin(θ/2) 即ち、複屈折性があるがゆえに、直交ニコル状態で検出
される光量が変化するとともに、屈折率も波長依存性を
有するために、膜厚の変化やフィルムの重なり具合や剥
がれの状態の違い、シートの厚み斑等が色の違いとし
て、観察される。
【0044】ここで光路中に複屈折板を配置する場合
は、複屈折板により光の複屈折性を変化させることがで
き、またその複屈折板を光軸回りに回転させるとその回
転角度によって複屈折性を変化させることができるの
で、複屈折板と透明なフィルムとを併せた実効的空間周
波数Kと位相差θが変化することになる。したがって、
図10を参照して後で説明するように、複屈折板により
検光子を通過した光の色付きを変化させることができ
る。
【0045】図1(a)は、広げられたフィルムの一方
の面の側から見た平面図であるが、フィルムの製造過程
で図中上下方向に向いた両側矢印で示す方向に延伸され
ている。このようなフィルムのシートでは、延伸方向
(図中pで示す方向)と、それに垂直な方向(図中qで
示す方向)に複屈折の軸がある。
【0046】このような透明フィルムシートをたばこや
キャラメルの包装に用いると、包装された直方体のパッ
ケージの矩形の1面には、(b)(c)に示すような折
り目ができ、透明フィルムの重なりができる。
【0047】折り曲げられた透明フィルムの延伸方向は
(b)に両側矢印で示すように、折り目を境にして各領
域で矩形の長辺方向(図中左右方向)であったり、短辺
方向(図中上下方向)であったり、または長辺方向と短
辺方向の両方向といったようにばらばらになる。このこ
とは、複屈折における常光と異常光の軸方向が入れ替わ
っている場所があることを意味する。図中両側矢印が十
文字に交わっているのは、延伸されている方向が透明フ
ィルムの重なりによって混在していることを示してい
る。
【0048】また(c)に示すように、透明フィルムの
重なり枚数が各領域により異なる。これは透明フィルム
の厚さが異なっているのと同等である。したがって、各
領域で偏光の変化量が異なる。図中、各領域の1〜5の
数字は重なり枚数を示す。
【0049】図2を参照して、本発明の第1の実施の形
態を説明する。図中フィルムパッケージ1の表面に対し
て斜め上方に白色光源11が配置され、白色光源11と
フィルムパッケージ1の表面との間には照明側偏光フィ
ルタである偏光子12が配置されている。偏光子12の
光軸AX1は、フィルムパッケージ1の表面に斜めに交
差している。
【0050】偏光子12を介した光源11の光がフィル
ムパッケージ1の表面で正反射する方向には受光側偏光
フィルタである検光子21が配置されている。検光子2
1の光軸AX2は、フィルムパッケージ1の表面に対し
て、光軸AX1の正反射方向にある。検光子21を介し
て、光源11からの正反射光を受光する位置に、撮像素
子としての、カラーCCDカメラ22が配置されてい
る。図中、偏光子12、検光子21は、それぞれ回転機
構31、32で光軸回りに回転可能に構成されている
が、これらについては第4の実施の形態として後で詳し
く説明する。
【0051】例えば、光源11は図3に示すように広い
波長域を有する白色光源であるとする。すなわち波長4
00〜750nmの可視光線を含み、幅広い波長を含ん
でいる。これが偏光子12を介して直線状に偏光した光
になる。
【0052】図4に、前記のような照射装置で透明フィ
ルムパッケージを照射した場合の画像の例を説明する。
フィルムパッケージ1の表面においては、図1(b)
(c)に示したように、折り目を境界にした各領域で波
長毎に偏光の変化量が異なるので、検光子21を通過で
きる波長の光は限定されてしまう。したがってカラーC
CDカメラ22で得られる画像は、図4に示すように、
各領域で異なる色に色分けされる。各領域は、例えば、
赤、黄、紫、桃、青、緑のような色を呈する。
【0053】このように各領域が色分けして観察される
ので、パッケージの折り目、フィルムの重なり状態等を
鮮明に判別することができる。
【0054】図5を参照して別の実施の形態を説明す
る。図5(a)は第2の実施の形態を示す。図中、撮像
素子は第1の実施の形態のカラーCCDカメラ22の代
わりにモノクロCCDカメラ24を配置してある。また
検光子21とモノクロCCDカメラ24との間にカラー
フィルタ23が配置されている。但し、カラーフィルタ
23の配置される位置は、検光子21とモノクロCCD
カメラ24との間に限らず、被検査物であるフィルムパ
ッケージ1の表面と撮像素子24との間であれば他の位
置でもよい。ここでは、カラーフィルタ23を挿入する
ものとして示してあるが、その代わりに、撮像素子24
を特定の波長の光のみを検出する撮像素子としてもよ
い。
【0055】第2の実施の形態によれば、フィルムパッ
ケージ1の各領域における色に対応させてカラーフィル
タ23の色を選択することにより、その領域を抽出して
観察することができる。例えば図1と図4で言えば、フ
ィルムが5枚に重なっている領域は桃色になるが、カラ
ーフィルタ23をこの色を透過するフィルタとすれば、
フィルムが5枚に重なった領域だけが、モノクロCCD
カメラでは白色に撮像され、その他の部分は黒色とな
る。したがって、5枚重なり部分を特に抽出して観察す
ることができる。
【0056】図5(b)を参照して第3の実施の形態を
説明する。ここでは第1の実施の形態における白色光源
の代わりに、単色光源13を配置し、撮像素子としてカ
ラーCCDカメラ22の代わりにモノクロCCDカメラ
24を配置したものである。この実施の形態では、フィ
ルムパッケージからの反射光の中で、検光子21の偏光
方向と一致した光を反射する特定の領域からの光のみが
検光子21を透過し、モノクロCCDカメラ24で観察
される。その特定の領域は、単色光源13の色に応じて
変わる。
【0057】以上の実施の形態では、偏光子と検光子と
を直交ニコルの関係にすると、てかりを除く効果が得ら
れ、フィルムの内側で、あるいは下地で反射された光を
観察することができる。
【0058】偏光子12と検光子21とが直交ニコルの
関係にあるとは、偏光子12と検光子21とを透過する
直線偏光の電気ベクトルの振動面が互いに垂直になるよ
うにこれらを光路中に配置した状態をいう。以上の実施
の形態でいえば、偏光子12を透過した光が、透明フィ
ルムによって偏光状態の特別な変化を受けることなく正
反射された光の振動面と、検光子21を透過する光の振
動面が直交する関係にあることをいう。
【0059】図2に戻りまた図6を参照して本発明の第
4の実施の形態を説明する。この実施の形態では、図2
に示すように偏光子12と検光子21とをそれぞれの光
軸AX1、AX2の回りに回転可能に構成する。偏光子
12は回転機構31により光軸AX1回りに回転され、
検光子21は回転機構32により回転される。回転機構
31と回転機構32とは、コントローラ33により、偏
光子12と検光子21との相対的な関係を維持しなが
ら、それぞれを回転できるように構成されている。とく
に偏光子12と検光子21とを直交ニコルの関係を維持
しながら回転させることができる。このように構成する
と、偏光子12と透明フィルムを介した偏光のうち特定
の方位の偏光を、検光子21で選択して撮像素子22、
24により観察することができる。
【0060】またCCDカメラ22には、画像処理装置
41が接続されている。画像処理装置41は、CCDカ
メラ22からの信号に基づきフィルムパッケージ1の表
面の画像を形成することができる。
【0061】特に、直交ニコルの関係を維持したまま回
転可能に構成した場合を、図6に示す。(a)には、偏
光子12と検光子21の偏光方位が図中で傾いている場
合の、フィルムパッケージ1の表面の領域の色分けを示
す。(b)には、偏光子12と検光子21の偏光方位が
図中で左右方向、上下方向に向けられた場合の、領域の
色分けを示す。このように、(a)と(b)の場合で、
各領域の色はそれぞれ異なる。しかしながら、不図示の
下地の文字や模様は、偏光子と検光子の偏光方位に拘わ
らず同じ明るさでCCDカメラで撮像される。即ち、偏
光子12と検光子21とを直交ニコルの関係に維持した
まま、光軸AX1、AX2回りに回転させて、2つの回
転方向位置で撮像すると、図6(a)(b)に示すよう
な2つの異なる画像が形成されるが、その中にはほぼ同
一の下地の画像が含まれている。
【0062】図6に示すような画像を差算して、前記2
つの異なる画像の差画像を作ると、図7(a)に示すよ
うな下地の文字や絵、模様3が、図7(b)に示すよう
にほぼ見えなくなる。同様にしてフィルム表面のてかり
2もほぼ消去される。したがって、透明フィルムの厚さ
むら等及びパッケージの折り目を抽出して観察すること
ができる。このようにして、包装された内部の物の材質
(紙、アルミなど)や、表面の状態によって包装の折り
目の状態が観察できないような問題を解決できる。
【0063】以上、異なる画像は2つ画像の場合で説明
したが、3以上の複数の画像としてもよく、使用する画
像の数を増やせば、それだけきめ細かな観察が可能とな
る。
【0064】また第3の実施の形態では、単色光源は1
つとしたが、複数の単色光源を用いてもよく、さらに複
数の輝線を有する光源を用いてもよい。それに応じて、
2つ以上の領域を抽出して観察することが可能となる。
【0065】図8を参照して、本発明の第4の実施の形
態を説明する。本実施の形態は、透明フィルムを検査す
る装置及び検査方法である。図中、透明フィルム1a
が、その生産ラインにおいて高速(例えば数m/s)移
動している。フィルムには例えばピンホール6のような
欠陥があり得る。そのような生産中のフィルム1aを検
査するために、図5(b)の第3の実施の形態で説明し
たように、光源13と偏光子12、そして検光子21が
備えられている。さらに、第3の実施の形態のCCDカ
メラの代わりに、被検査面である透明フィルムからの光
が検光子21を透過した方向には、ラインセンサ25が
備えられている。図示は省略されているが、検光子21
とラインセンサ25との間には、被検査面とラインセン
サとを共役関係に置くような結像光学系が備えられてい
る。ラインセンサ25は、例えばCCD撮像素子を直線
状に(1次元的に)1列に配列したものである。その直
線の方向は、典型的には透明フィルム1aの高速移動方
向に直角な方向に対応している。
【0066】光源としては単色光源13を使用する。こ
のときはラインセンサとしてはモノクロセンサを用いる
のがよい。モノクロセンサを用いて、光源として白色光
源11を使用する場合は、図5(a)で説明したように
カラーフィルタ23をラインセンサ25と被検査物との
間に置く。本実施の形態では、ラインセンサを用いるの
で、2次元のセンサと違って、高速移動する物の検査に
適する。またフィルムのピンホールだけではなく、厚さ
やムラなどの検出ができる。ここでは、フィルムシート
1aを検査する場合で説明したが、もちろんフィルムパ
ッケージの検査にも用いることができる。光源として白
色光源を用い、かつラインセンサとしてカラーセンサを
用いてもよい。
【0067】図9を参照して、本発明の第5の実施の形
態を説明する。この実施の形態は、図2の第1の実施の
形態と違って、画像処理装置を備えず、CCDカメラ2
2からの信号は、モニタ42に送られる。モニタ42
は、CRTや液晶モニタである。モニタ42には、パッ
ケージ1の各領域が色分けされて画像として表示され
る。これを肉眼5で目視することにより、フィルムやフ
ィルムパッケージの検査ができる。
【0068】図10を参照して、本発明の第6の実施の
形態を説明する。以上の実施の形態では、照明系に偏光
子を、撮像系に検光子を配置していたが、これに付け加
えて、適当な複屈折作用をもたらす素子(複屈折板)を
照明系と撮像系に配置する。但し、照明系、撮像系のい
ずれか一方に付け加えるだけでもよい。
【0069】この実施の形態では、第1の実施の形態の
場合を利用して、検査対象であるフィルムパッケージ1
と検光子21との間に複屈折板51を挿入してある。こ
こで、照明光源、偏光子、を一つの照明系とし、検光
子、撮像素子を一つの撮像系とするとき、照明系の光路
上のいずれかの箇所と、撮像系の光路上のいずれかの箇
所、典型的には、偏光子12と検査対象1との間、検査
対象1と検光子21との間のいずれか一方又は双方に複
屈折板51を挿入配置する。いずれにしても、複屈折板
51は、光源11と撮像素子22との間に配置すればよ
い。また、複屈折板51は、回転機構52により光軸回
りに回転可能に構成されている。
【0070】第6の実施の形態の作用を説明する。図1
3を参照して原理について説明したように、複屈折性が
あると、直交ニコル状態で検出される光量が変化すると
ともに、屈折率も波長依存性を有する。したがって、膜
厚の変化やフィルムの重なり具合や剥がれの状態の違
い、シートの厚み斑等が色の違いとして、観察される。
【0071】ここでは、図10に示すように、複屈折板
が、照明系にはなく、撮像系にはある場合で説明する。
検光子21を通過した波長の光は、検査物1の複屈折波
長依存性により撮像系に入射してR、G、Bの3原色の
強度違いとして、色付く。
【0072】ここで、さらに複屈折板51を挿入し、回
転機構52を使って適当に回転させることで、3原色の
強度比をある程度自由にコントロールすることができ
る。このようにして、色違いを強調したり、色付き具合
を調整することができる。
【0073】したがって、従来、通常の照明系では、検
査が不可能であった膜厚の目視検査やフィルムの剥がれ
等を、ある程度自由な色合いで観察することができる上
に、偏光子12と検光子21だけでは、フィルムの材質
によっては、識別したい領域で、色具合が似ていて判別
が困難な領域であっても、色違いを強調することができ
るので、目視的にも自動的にも判断をし易くすることが
できる。
【0074】図11の正面図を参照して、本発明の第7
の実施の形態を説明する。以上の実施の形態では、照明
系に1つの光源を用いていたが、本実施の形態では2つ
の光源を用いる。(b)(c)の構成は、(a)の実施
の形態の変形例である。
【0075】(a)中、フィルムパッケージ1の表面に
対して斜め上方に白色光源11aが配置され、白色光源
11aとフィルムパッケージ1の表面との間には照明側
偏光フィルタである偏光子12aが配置されている。偏
光子12aの光軸AX1は、フィルムパッケージ1の表
面に斜めに交差している。
【0076】偏光子12aを介した光源11の光がフィ
ルムパッケージ1の表面で正反射する方向には受光側偏
光フィルタである検光子21aが配置されている。検光
子21aの光軸AX2は、フィルムパッケージ1の表面
に対して、光軸AX1の正反射方向にある。検光子21
aを介して、光源11aからの正反射光を受光する位置
に、撮像素子としての、カラーCCDカメラ22aが配
置されている。このように、光源11a、偏光子12
a、フィルムパッケージ1、検光子21a、カラーCC
Dカメラ22aは、図2の実施の形態と同様の関係をも
って配置されている。
【0077】本実施の形態では、さらに偏光子12aと
フィルムパッケージ1との間の光軸AX1中にビームス
プリッタ26aが、フィルムパッケージ1と検光子21
aとの間の光軸AX2中にはビームスプリッタ26bが
それぞれ挿入配置されている。
【0078】さらにビームスプリッタ26aで反射した
結果、光軸AX1と一致してフィルムパッケージ1の表
面に光を入射させる方向に白色光源11bと偏光子12
bが配置されている。偏光子12bは白色光源11bと
ビームスプリッタ26aとの間に配置されている。
【0079】また、フィルムパッケージ1からの光軸A
X2に沿った光が、ビームスプリッタ26bで反射する
方向に検光子21bとカラーCCDカメラ22bがこの
順番で配置されている。
【0080】カラーCCDカメラ22aと22bには、
画像処理装置41が接続されている。
【0081】ここで、偏光子12aと検光子21aと
は、それぞれの偏光方向が、図2を参照して説明したよ
うに、直交ニコルの関係にあるように配置されている。
同様に、偏光子12bと検光子21bとは、それぞれの
偏光方向が、直交ニコルの関係にあるように配置されて
いる。但し、偏光子12aの偏光方向と偏光子12bの
偏光方向とは異なるように配置する。特に90度ずらし
て配置するとよい。
【0082】以上説明したような構成において、光源1
1aを点灯し、光源11bを消灯して、カメラ22aで
光を検出し、画像処理装置41に画像を形成する。次
に、光源11aを消灯し、光源11bを点灯して、カメ
ラ22bで光を検出し、画像処理装置41に画像を形成
する。このようにして、画像処理装置41には、2つの
異なる画像が形成される。これらの画像は、これまでの
実施の形態で説明したように処理する。
【0083】光源11a、11bの点灯時間は、画像を
形成できる時間であればよく、点灯、消灯はごく短時間
のうちに行うことができる。特に機械的に偏光子と検光
子とを回転させて2つの画像を形成する場合と比較する
と、ほとんど同時と言ってもいいほどの短時間で、2つ
の異なる画像を形成することができる。
【0084】(b)に示す構成では、(a)の構成のビ
ームスプリッタ26bの代わりに、偏光ビームスプリッ
タ27bが挿入配置されている。また、検光子21a、
21bは不要であるので取り除かれている。
【0085】偏光ビームスプリッタ27bの透過光の偏
光方向は、偏光子12aの偏光方向と直交ニコルの関係
に設定されており、偏光ビームスプリッタ27bの反射
光の偏光方向は、偏光子12bの偏光方向と直交ニコル
の関係に設定されている。このときも、(a)と同様に
ほとんど同時に2つの異なる画像を形成することができ
る。
【0086】(c)に示す構成では、(b)の構成のビ
ームスプリッタ26aの代わりに、偏光ビームスプリッ
タ27aが挿入配置されている。偏光ビームスプリッタ
27bの透過光の偏光方向は、偏光ビームスプリッタ2
7aの透過光の偏光方向と直交ニコルの関係に設定され
ており、偏光ビームスプリッタ27bの反射光の偏光方
向は、偏光ビームスプリッタ27aの反射光の偏光方向
と直交ニコルの関係に設定されている。このときも、
(a)、(b)と同様にほとんど同時に2つの異なる画
像を形成することができる。
【0087】以上、偏光方向を直交ニコルの関係に置く
のを、それぞれ偏光子12aと検光子21a、偏光子1
2bと検光子21bとしたが、逆に、偏光子12aと検
光子21b、偏光子12bと検光子21aとして、光源
11aを点灯したときカメラ22bで画像形成し、光源
11bを点灯したときカメラ22aで画像形成するよう
にしてもよい。
【0088】(b)(c)も同様であり、それぞれ偏光
子12aと偏光ビームスプリッタ27bの反射光とを、
また、偏光ビームスプリッタ27aの透過光と偏光ビー
ムスプリッタ27bの反射光とを、それぞれ直交ニコル
の関係に置いて、光源11aを点灯したときカメラ22
bで画像形成し、光源11bを点灯したときカメラ22
aで画像形成するようにしてもよい。
【0089】図12の一部断面正面図を参照して、第8
の実施の形態の装置を説明する。フィルムパッケージ1
の表面に対する法線方向に光軸AXを有するカラーCC
Dカメラ22が備えられ、カメラ22とフィルムパッケ
ージ1との間には、検光子21が挿入配置されている。
また、光軸AXに対して回転対称の形状を有する円環状
光源11cと、円環状光源11cとフィルムパッケージ
1との間に配置された円環状偏光子12cとを備えてい
る。
【0090】偏光子12cと検光子21とには、これら
を光軸AX回りに回転させる回転機構31aと回転機構
31bとが、それぞれ結合されており、回転機構31a
と回転機構31bとは、コントローラ33により、偏光
子12cと検光子21の偏光方向の関係を所定の関係に
維持しながら、それぞれを回転することができるように
構成されている。コントローラ33には、カメラ22が
接続されており、カメラ22は、コントローラ33から
の撮影指示信号により、偏光子12c、検光子21の偏
光方向が複数(例えば2つ)の特定の方向に向いたとき
の複数の異なる画像を撮像することができる。
【0091】図11、図12の実施の形態においても、
図10の場合と同様に、複屈折板51を挿入するように
してもよい。特に、フィルムパッケージ1とビームスプ
リッタ26a、26b、あるいは偏光ビームスプリッタ
27a、27bとの間に配置するとよい。
【0092】さらに色相の差を利用する場合を説明す
る。以上説明した実施の形態において、2組の直交ニコ
ルの構成で得られた画像に対して以下説明するような処
理をする。即ち、 色相の中心を決めて、その中心か
ら所定の範囲内にある画像上の領域を白、その範囲外の
領域を黒とし、2値化する。即ち、カラーの画像をモノ
クロの画像にする。例えば、色相の中心をs(例えば1
20°)としたら、s±t(例えば120°±10°)
の色を持つ領域を白としてしまう。 ここで、明度のスライスレベルを決め、それより暗
いところには、の処理をしないようにする。明度は0
〜1の範囲の値を有する。0は真っ暗の場合であり、1
は最も明るい場合を示す。あるスライスレベルより暗い
ところでの処理をしないのは、明度の低いところ即ち
あまり照明されていないところは雑音の成分が多いの
で、これをカットするためである。 2つの画像に対して、との処理を行い、得られ
た2つのモノクロ画像を作る。 以上のようして作った2つの画像を、既に説明した実施
の形態における画像として差画像を作る等の処理をし、
また観察をする。このようにすると、色相の差が強調さ
れることになり、検査の精度とスピードを上げることが
できる。ここで、との処理の順番については、どち
らが先でもよい。
【0093】以上の実施の形態では、所定の偏光方向に
偏光した光を照射する照射装置としては、光源と偏光子
の組合せで説明したが、これに限らない。例えば、光源
に偏光フィルムを張り付けたものであってもよい。その
場合は、偏光を光軸回りに回転するのは、偏光子を回転
するのではなく、光源そのものを回転することになる。
【0094】以上のように、下地の影響を排除して純粋
に透明フィルム、あるいはフィルムパッケージの部分を
抽出して、折り目等を観察できるので、フィルムやフィ
ルムパッケージの良不良の判定を確実に行うことが可能
となる。
【0095】また、フィルムパッケージの検査とは、例
えばお菓子の包装などにおける封止の接着面の検査も含
むものであり、例えば接着面からの内容物の漏れの有無
等を検査することができる。
【0096】以上複屈折性を有する検査対象物として
は、透明なフィルムまたは透明なフィルムにより包装さ
れたフィルムパッケージを例として説明したが、これに
限らず、表面に複屈折性を有する薄膜が形成されている
CD等の光ディスク基板、液晶表示装置に貼付する透明
フィルムやそれが貼付された液晶表示装置を対象とする
ことができる。
【0097】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、検光子を
備えるので、複屈折性を有する検査対象物で偏光状態が
変化したとき、その変化を撮像素子で検出することがで
き、透明フィルムやフィルムパッケージ等の複屈折性を
有する検査対象物の良不良を判定することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明フィルムの延伸方向及び透明フィルムによ
るパッケージ表面の延伸方向、重なり状態を示す平面図
である。
【図2】本発明の第1の実施の形態である検査装置の概
念的斜視図である。
【図3】白色光の波長域を示す線図である。
【図4】図2の装置を用いて、フィルムパッケージの表
面をカラーCCDカメラで撮像した画像の例を示す平面
図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態(a)と第3の実施
の形態(b)である検査装置の概念的斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態である検査装置を用
い、偏光子と検光子を回転して2つの異なる回転位置
で、フィルムパッケージの表面をカラーCCDカメラで
撮像した画像の例を示す平面図である。
【図7】図6に示す2つの異なる画像の差画像を得て、
下地の文字や表面のてかりを除去した状態を示す平面図
である。
【図8】本発明の第4の実施の形態である検査装置の概
念的斜視図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態である検査装置の概
念的斜視図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態である検査装置の
概念的斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態である検査装置の
概念的正面図である。
【図12】本発明の第8の実施の形態である検査装置の
概念的一部断面正面図である。
【図13】本発明の原理を説明する図である。
【図14】従来の検査方法を説明する概念的斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 フィルムパッケージ 11 白色光源 12 偏光子 13 単色光源 21 検光子 22 CCDカメラ 23 カラーフィルタ 24 CCDカメラ 25 ラインセンサ 26a、26b ビームスプリッタ 27a、27b 偏光ビームスプリッタ 31、32 回転機構 33 コントローラ 41 画像処理装置 42 モニタ 51 複屈折板 AX、AX1、AX2 光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G051 AA41 AB04 AB20 BA11 BA20 CA03 CA04 CA07 CB01 EA08 EA11 EA17 FA10 2H049 BA02 BA06 BB03 BC01 BC22 2H088 FA11 FA13 FA30 MA20 2H091 FA11X FA11Z FA50X FA50Z FC30 LA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複屈折性を有する検査対象物に所定の偏
    光方向に偏光した光を照射する照射装置と;前記照射さ
    れた検査対象物からの光を検出し、色情報を取得する撮
    像素子と;前記検査対象物と前記撮像素子との間に配置
    された検光子とを備え;前記所定の偏光方向と前記検光
    子の偏光方向とを、直交ニコルの関係に設定し;前記直
    交ニコルの関係を維持したまま、前記偏光した光と前記
    検光子とをそれぞれの光軸回りに回転可能に構成したこ
    とを特徴とする;複屈折性検査対象物の検査装置。
  2. 【請求項2】 複屈折性を有する検査対象物に所定の偏
    光方向に偏光した光を照射する照射装置と;前記照射さ
    れた検査対象物からの光を検出し、色情報を取得する撮
    像素子と;前記検査対象物と前記撮像素子との間に配置
    された検光子と;前記撮像素子からの信号に基づき前記
    検査対象物の画像を形成する画像処理装置とを備え;前
    記画像処理装置は、前記撮像素子からの信号に基づき前
    記検査対象物の少なくとも2つの異なる画像を形成し、
    前記2つの異なる画像の差画像を得るように構成された
    ことを特徴とする;複屈折性検査対象物の検査装置。
  3. 【請求項3】 複屈折性を有する検査対象物に所定の偏
    光方向に偏光した光を照射する照射装置と;前記照射さ
    れた検査対象物からの光を検出し、色情報を取得する撮
    像素子と;前記検査対象物と前記撮像素子との間に配置
    された検光子とを備え;前記所定の偏光方向と前記検光
    子の偏光方向とを、直交ニコルの関係に設定し;前記撮
    像素子からの信号に基づき前記検査対象物の画像を形成
    する画像処理装置を備え;前記画像処理装置は、前記撮
    像素子からの信号に基づき前記検査対象物の少なくとも
    2つの異なる画像を形成し、前記2つの異なる画像の差
    画像を得るように構成されたことを特徴とする;複屈折
    性検査対象物の検査装置。
  4. 【請求項4】 前記撮像素子からの信号に基づき前記検
    査対象物の画像を形成する画像処理装置を備え;前記画
    像処理装置は、前記撮像素子からの信号に基づき前記検
    査対象物の少なくとも2つの異なる画像を形成し、前記
    2つの異なる画像の差画像を得るように構成されたこと
    を特徴とする;請求項1に記載の複屈折性検査対象物の
    検査装置。
  5. 【請求項5】 前記照射装置のための光源から前記撮像
    素子までの光路中に配置された複屈折板を備える、請求
    項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の複屈折性検査
    対象物の検査装置。
  6. 【請求項6】 複屈折性を有する検査対象物に、該検査
    対象物に対して第1の偏光方向を有する偏光を照射する
    第1の工程と;第1の工程で照射された検査対象物から
    反射された光のうち前記第1の偏光方向を有する偏光と
    直交ニコルの関係にある偏光を受光する第2の工程と;
    前記検査対象物に、該検査対象物に対して前記第1の偏
    光方向とは異なる第2の偏光方向を有する偏光を照射す
    る第3の工程と;第3の工程で照射された前記検査対象
    物からの光のうち前記第2の偏光方向を有する偏光と直
    交ニコルの関係にある偏光を受光する第4の工程と;第
    2の工程で受光された光から得られる画像と第4の工程
    で受光された光から得られる画像の差画像を得る第5の
    工程とを備える;複屈折性検査対象物の検査方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程で照射する偏光及び前記
    第3の工程で照射する偏光と、前記第2の工程で受光す
    る偏光及び前記第4の工程で受光する偏光とのうち少な
    くとも一方を前記検査対象物による複屈折に加えて追加
    的に複屈折させる第6の工程を備える、請求項6に記載
    の複屈折性検査対象物の検査方法。
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