JP2001341090A - 真空把持装置及びicテストハンドラ - Google Patents

真空把持装置及びicテストハンドラ

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JP2001341090A JP2000166954A JP2000166954A JP2001341090A JP 2001341090 A JP2001341090 A JP 2001341090A JP 2000166954 A JP2000166954 A JP 2000166954A JP 2000166954 A JP2000166954 A JP 2000166954A JP 2001341090 A JP2001341090 A JP 2001341090A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着パッド材料の剛体化ないし金属化が可能
であると共に、吸着パッドの柔軟な首振り特性と軽弾力
の昇降ストロークの確保を実現できる真空把持装置の提
供。 【解決手段】 真空把持装置50は、下端の吸気口52
aに連通する吸気路52及び取付部を備えたステンレス
製の支承部材50と、吸気口の真下でこれに間隙gを以
って臨む開口62aを備えた首振り遊動可能のステンレ
ス製の吸着パッド60と、支承部材に形成された第1の
曲率を持つ断面凹曲状の第1の位置決め周回溝56aと
これに離間対向して吸着パッドに形成された第2の位置
決め曲率を持つ断面凹曲状の第2の位置決め周回溝66
aとの間で密着ずれ回り可能に挟装されており、第1及
び第2の曲率よりも大きな曲率を持つ断面円形のシリコ
ンゴムからなるOリング70と、非吸着時において吸着
パッドを支承部材に対して軸方向下向きに予力として初
期弾性力を付与するための圧縮コイルバネ80とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICテストハンド
ラ等において使用される吸着パッドを持つ真空把持装置
に関し、特に、吸着パッド材料の剛体化ないし金属化が
可能であると共に、吸着パッドの柔軟な首振り特性と軽
弾力の昇降ストロークの確保が得られる真空把持装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】製造されたIC(半導体集積回路装置)
はその動作適否等を判定するために電気的試験にかけら
れる。かかるICの電気的試験には、多数のリードピン
を備えたICソケットにICを接触させて、外部から電
源及び所定パターン信号を印加しそのICから発生する
信号を測定するためのICテスタが用いられる。製造さ
れた同種多数のICは通常1個ずつ取入位置からマニピ
ュレータとしてのICテストハンドラ(IC取扱い搬送
装置)によってテスト位置まで搬入された後、下降され
てICソケットに圧接され、ICテスタによる所要の電
気的試験の後、ICソケットから試験済みICが引き離
されて取出位置まで搬出される。
【0003】図6は特許第2816114号に開示のI
Cテストハンドラにおけるヘッド部分を示す断面図であ
る。ICテストハンドラの試験台1における試験位置に
は多数のリードピン2aを備えたICソケット2が固定
されている。ICソケット2はICテスタ本体(図示せ
ず)に接続されている。そして、ヘッド部品としてのI
C3を吸着把持するICテストハンドラ5は、ボールネ
ジ等で構成された横送り機構(Y軸方向駆動機構)及び
ピニオンとラック等により構成された昇降機構(Z軸方
向駆動機構)を有しており、これらによりL形アーム1
2は図示Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となってい
る。L形アーム12の水平端片12aの下面にはIC3
の多数のリードピン3aをICソケット2のリードピン
2aに圧接するめのカップ状のIC押え14がネジ等に
より固着されている。このIC押え14内にはステンレ
ス製の真空把持装置20がボルト部22aを螺着して下
向きに固定されている。IC押え14のボルト孔14a
はL形アーム12の水平端片12aの吸気孔17及びフ
レキシブル吸気管18を介して図示しない真空源に接続
されている。
【0004】例えば、図示しない取入位置に置かれたI
C3を試験位置まで搬送し、更に試験位置から取出位置
へ搬送する場合には、取入位置のIC3の真上にアーム
12を持ち来たし、アーム12をZ方向に駆動して真空
把持装置20を下降させると共に、ステンレス製の吸着
パッド26の空洞内空気をフレキシブル吸気管18を介
して吸引すると、吸着パッド26の吸着面(開口縁)が
IC3の上面にほぼ接触したときそのIC3を吸い着け
るため、吸着パッド26内の空洞はIC3で完全に閉塞
されることになり、これにより瞬間的な空洞気圧の減圧
が発生し、後述するように、吸着パッド26はIC3を
弾力的に保持した軸承部材22側に若干上昇変位するの
で、IC3のリードピン3aがIC位置決め受け14の
下端で受け止められる。その後、アーム12をY軸方向
に駆動して試験位置近傍でZ軸方向に下降させ、把持し
たIC3をICソケット2に圧接させる。このIC3を
把持しながらIC押え14で押さえ付けた状態でICテ
スタによる所要の電気的試験が遂行された後、試験済み
のIC3を上方に引上げながらY軸方向に移動し、図示
しない取出位置で下降させて吸引動作を停止すると、吸
着パッド26の内圧が大気圧に回復するので、吸着パッ
ド26がIC3を手離し、そのIC3は取出位置上に載
置される。
【0005】この真空把持装置20はゴム製の蛇腹状吸
着パッドを有するものではなく、図7に示す如く、ステ
ンレス製の吸着バッド26を有するものである。即ち、
この真空把持装置20は、軸方向吸気路22cを穿設し
たボルト部22aを有する軸承部材22と、これに対し
第1のOリング23を介して軸方向に支持された可動吸
気ノズル軸24と、これに嵌合された第2のOリング2
5を内周面に抱えるステンレス製の吸着パッド26を備
えており、吸着面26bはノズル口24dより吸着変位
量程度のギャップ長Lだけ突出するように設定されてい
る。吸着パッド26は、吸気ノズル軸24の揺動運動性
とこれに相乗される第2のOリング25の弾性変形によ
り、ある程度の弾性復元力のある首振り遊動が可能とな
っている。このため、被吸着面に対するある程度の多角
的な方向からの吸い着き性を発揮できる。また吸い着き
後の吸着変位量は、吸気ノズル軸24及び第2のOリン
グ25の軸方向変位量の和であるため、吸着対象物のギ
ャップ長L程度の引き上げが可能である。更に、吸着パ
ッド26自体を金属部品で構成できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
真空把持装置20にあっては、次のような問題点があっ
た。
【0007】 気密材として第1のOリング23の弾
性変形による軸承部材22に対する吸気ノズル軸24の
首振り遊動と、第2のOリング25の弾性変形による吸
気ノズル軸24に対する吸着パッド26の首振り遊動と
の相乗作用により、吸着パッド26の軸承部材22に対
する弾性復元力のある首振り遊動をある程度得ることが
できるものの、軸承部材22のOリング位置決め収容部
22eは第1のOリング23の外周面側を位置決め拘束
し、また吸着パッド26のOリング位置決め収容部26
aも第2のOリング25の外周面側を位置決め拘束して
いるため、吸着パッド26の首振り遊動性は専らOリン
グの押し潰し変形により得られるに過ぎない。Oリング
の比例限度内の押し潰し変形は僅少であることから、首
振り遊動角が不十分であり、傾斜した姿勢のIC等に対
する吸着信頼性が乏しい。弾性係数の大きな軟質のOリ
ングを用いると、柔軟な首振り特性を得ることができる
が、Oリング位置決め収容部22e,26aでの円周方
向に亘るOリングの拘束に不均一さが生じ、吸着パッド
26に初期首振り癖が起こり易く、体裁が悪いばかりで
なく、逆方向への首振り角に遜色がある。
【0008】 可動吸気ノズル軸24の第1及び第2
のOリング位置決め域24a,24cは縮径面Cとこの
両側テーパ面A,Bとからなる略V字状周溝域となって
おり、一方のテーパ面Bは緩テーパ面であるため、吸着
時には、一方のテーパ面Bが第1のOリング23の内周
面に食い込むと共に第2のOリング25の内周面が他方
のテーパ面Bに食い込むため、吸着パッド26がギャッ
プ長L程度だけストローク変位するものの、上記の両食
い込みによりOリングには押し潰し変形が生じるため、
充分なストローク長を得ることができない。
【0009】そこで、上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、吸着パッド材料の剛体化ないし金属化が可能である
と共に、吸着パッドの柔軟な首振り特性と軽弾力の昇降
ストロークの確保を実現できる真空把持装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の講じた第1の手段は、下端の吸気口に連通
する吸気路及び取付部を備えた支承部材と、その吸気口
の真下で当該吸気口に間隙を以って臨む開口を備えた首
振り遊動可能の吸着パッドと、支承部材に形成された第
1の曲率を持つ断面略凹曲状の第1の位置決め周回溝と
この第1の位置決め周回溝に離間対向して吸着パッドに
形成された第2の曲率を持つ断面略凹曲状の第2の位置
決め周回溝との間で密着ずれ回り可能に挟装されてお
り、第1及び第2の曲率よりも大きな曲率を持つ断面略
円形の弾性材質からなるOリングと、非吸着時において
吸着パッドを支承部材に対して軸方向下向きに予力とし
て初期弾性力を付与するための圧縮コイルバネとを備え
ることを特徴とする。
【0011】吸気路が真空源に接続されて吸着対象面に
吸着パッドの吸着面の一部が当たると、吸着パッドは断
面略凹曲状の第2の位置決め周回溝に嵌るOリングを介
して支承部材に吊り下げ支持されており、第2の曲率は
Oリングの曲率よりも小さいため、Oリングの凸曲面上
を第2の位置決め周回溝の凹曲面が転がり接触して吸着
パッド全体がOリングを中心にして傾動するので、Oリ
ングの過剰な押し潰し変形を招くことなく、柔軟な首振
り遊動が生じて吸着面の全面が柔軟且つ自発的に吸着対
象面に吸い着く。これによって、吸着パッド内の空洞が
吸着対象面で完全に閉塞されることになり、内気圧に減
圧が生じ、吸着パッドが支承部材側に引き上げ(上昇)
変位する。この引き上げ過程においては、圧縮コイルバ
ネの初期弾性力による振り戻しも作用してOリングの凸
曲面上を第2の位置決め周回溝の凹曲面が上記とは逆方
向に戻り転がるため、吸着パッドの姿勢は略垂直姿勢に
復帰する。これと同時に、吸着パッドの上昇変位に伴な
い、Oリングの外周接触面は第2の位置決め周回溝の凹
曲面に対して滑動することなく相対的に上昇量の略半分
だけ順方向に密着ずれ回ると共に、Oリングの内周接触
面は第1の位置決め周回溝の凹曲面に対して滑動するこ
となく相対的に上昇量の略半分だけ順方向に密着ずれ回
るので、吸着パッドが所定のストロークだけ上昇変位す
る。
【0012】ここで、「Oリングの密着ずれ回り」と
は、Oリングが両凹曲面に挟まれて面接触しているの
で、Oリング断面の内外周接触に加わる偶力により両凹
曲面との接触点が滑ることなくずれた軌跡長さがOリン
グ断面の中立点(中心)に対して張る角度(転動角)を
持つようなOリングの弾性変形を意味し、接触面のずれ
軌跡は凹曲面で密着拘束されているため、Oリング自身
が持つ自由輪郭ではなく、凹曲面に倣うずれ軌跡(第1
の曲率の曲線及び第2の曲率の曲線)である。別言すれ
ば、瞬間的には第1の位置決め周回溝の接触面を瞬間中
心として第2の位置決め溝の接触面に回りモーメントが
作用しているとみることができる。この密着ずれ回りは
吸着時の気密性を確約する。なお、位置決め周回溝はO
リングを位置決めする機能の外に、Oリングの密着ずれ
回りを確保する意義があるが、密着ずれ回りの確保のた
めだけであれば、曲面でなくとも第1及び第2の曲率が
零である平面でも構わない。なお、本特許請求の範囲の
請求項に用いた「凹曲面」とは平面を含む意味でもあ
る。
【0013】非吸着時において、ずれ回りない状態(初
期自由状態)を以って両凹曲面間に挟まれたOリングの
密着ずれ回り過程についてみると、非吸着時には単にO
リングが両凹曲面間に挟まれているだけであるから、そ
の挟装断面は初期接触母線幅で凹曲面に面圧接した略楕
円状とみなすことができるが、吸着パッドが上昇変位す
る程、当初の接触点は離反しながら新たな接触点が加わ
り凹曲面に沿ってずれるとみることができ、内外周面の
接触母線幅に反平行一対のせん断力が加わるせん断歪み
変形を含んでいる。ただ、位置決め周回溝の溝底が凹曲
面ではなく平面の場合は、接触母線幅の拡幅は原理的に
殆ど起こらない。しかし、吸引力限界や物理的ストッパ
による最上昇点では、ストロークを長くすると、Oリン
グのずれ回りによるせん断歪みは比例限度をたやすく超
えてしまい、そこではもはやフックの法則が不成立であ
る。フックの法則が成立する範囲は、比較的小さな歪み
が生じる場合である。このため、転動角が例えば数度以
上になると、Oリングはせん断応力・せん断歪み特性の
指数関数的な非線形域におけるずれ回りの弾性変形とな
るので、過大なせん断応力の発生によりずれ回りが非常
に困難となり、吸着パッドの上昇ストロークを軽弾力で
大きく得ることができず、Oリング自身が弾力ストッパ
として作用してしまう。
【0014】ところが、本発明では、非吸着時において
吸着パッドを支承部材に対して軸方向下向きに予力とし
て初期弾性力を付与するための圧縮コイルバネを備えて
おり、吸着時におけるOリングの順方向の密着ずれ回り
変形とは逆方向の密着ずれ回り変形を予め非吸着時にオ
フセット設定してあるため、吸着時においてはまず吸着
パッドの上昇前半期にOリングの初期逆変形が解消して
前述の初期接触母線幅と略等しい中立接触母線幅となる
中立(零点)変形に戻った後、初めて吸着パッドの上昇
後半期にOリングの順方向の密着ずれ回りによるせん断
歪み変形(順変形)が生じる。初期逆変形の解消過程で
は圧縮コイルバネによる初期弾性力から比例限度内での
復元力増分だけが増え、順変形過程では圧縮コイルバネ
とOリングとが並列関係にあるため、圧縮コイルバネの
比例限度内の復元力とOリングの弾性復元力との和が吸
引力に対して拮抗衡平する。それ故、順変形過程ではO
リングが吸引力の分力と拮抗するだけで済むため、Oリ
ングの弾性力を比例限度内に限定した場合でも、ワーク
吸着に必要な密着度を得る吸引力に拮抗させて軽弾力な
ストロークを確保できると共に、オフセット設定された
Oリングの初期逆変形のずれ回り戻し変位量の分、吸着
パッドの上昇ストロークを長くすることができる。
【0015】圧縮コイルバネは、非吸着時にOリングの
初期逆変形を設定するものであるが、Oリングのずれ回
り変形による昇降ストロークと圧縮コイルバネの伸縮量
とを一致させるためには、Oリングのずれ回りの垂直方
向に沿う弾性係数と圧縮コイルバネの縦弾性係数とを等
しくするのが望ましい。バネ圧を調節する可動式バネ押
さえを設けても良い。ここで、圧縮コイルバネの初期弾
性力を、吸着時に吸着バッドの上昇変位に伴ないOリン
グが密着ずれ回る順方向とは逆方向の初期逆変形の比例
限度となる値に設定すると、比例限度の2倍に見合う長
いストロークを得ることができる。Oリングの初期逆変
形をオフセット設定する際、吸着パッドの重量の分だけ
圧縮コイルバネの初期弾性復元力をある程度小さくでき
るが、比較的重量のある吸着対象物も吸着するには、吸
着パッド自身を軽量化する必要があるため、圧縮コイル
バネにより専らOリングの逆変形の比例限度にオフセッ
ト設定することが望ましい。Oリングの初期応力を逆変
形側の応力にバイアスせしめる手段としては、圧縮コイ
ルバネ以外の弾力手段を用いることができるが、初期弾
性力値を設定するには、圧縮コイルバネが好適である。
【0016】このような構成の真空把持装置において
は、吸着パッドの剛体化ないし金属化が可能であるの
で、高温・低温下での真空吸着機能を発揮でき、しか
も、圧縮コイルバネを介して支承部材と吸着パッドとが
導電接続し、静電対策が施されているので、Oリング自
身が導電性材料でなくとも構わない。それ故、耐久性の
ある材質からなるOリングの選定自由度が増す。Oリン
グとしては中空のあるチューブ状のものでも構わない。
【0017】第1の手段に係る真空把持装置の具体例と
して、支承部材は拡径基部とこれに一体的に軸方向下向
きに突出して吸気口を持つ下端縮径部とを有し、吸着パ
ッドは開口を持つパッド部とこれに一体的に上方に突出
して縮径下端部を取り囲む上口筒部を有し、第1の位置
決め周回溝は縮径下端部の外周面に形成された外周溝で
あって、第2の位置決め周回溝は上口筒部の内周面に形
成された内周溝であり、圧縮コイルバネは拡径基部と上
口筒部の上部との間に装填されている構成を採用でき
る。吸着パッドが支承部材の外側に位置するので、比較
的大きな吸着面積を得ることができる。また、別の具体
例として、支承部材は吸気口を持つ縮径内筒部とこれを
取り囲んで下方に突出した下口外筒部とを有し、吸着パ
ッドは下口外筒部に取り囲まれており、第1の位置決め
周回溝は下口外筒部の内周面に形成された内周溝であっ
て、第2の位置決め周回溝は吸着パッドの外周面に形成
された外周溝であり、コイルバネは縮径内筒部と吸着パ
ッドの上部との間に装填されている構成を採用できる。
吸着パッドが支承部材の内側に位置するので、比較的小
さな吸着面積を得ることができる。
【0018】このように、凹曲面に挟装されたOリング
とこれに初期逆変形を付与するための圧縮コイルバネを
用いると、吸着パッドの柔軟な首振り性とストロークの
確保を得ることができるが、更に首振り運動の柔軟性と
長いストロークを確保するには、凹曲面に挟装されたO
リングを複数個多段に連設すると良い。即ち、本発明の
第2の手段としては、下端の吸気口に連通する吸気路及
び取付部を備えた支承部材と、吸気口の真下で当該吸気
口に間隙を以って臨む吸気孔を備えた首振り遊動可能の
吸気ノズル軸体と、吸気孔の真下で当該吸気孔に間隙を
以って臨む開口を備えた首振り遊動可能の吸着パッド
と、支承部材に形成された第1の曲率を持つ断面略凹曲
状の第1の位置決め周回溝とこの第1の位置決め周回溝
に離間対向して吸気ノズル軸体に形成された第2の曲率
を持つ断面略凹曲状の第2の位置決め周回溝との間で密
着ずれ回り可能に挟装されており、第1及び第2の曲率
よりも大きな曲率を持つ断面略円形の弾性材質からなる
第1のOリングと、吸気ノズル軸体に形成された第3の
曲率を持つ断面略凹曲状の第3の位置決め周回溝とこの
第3の位置決め周回溝に離間対向して吸着パッドに形成
された第4の曲率を持つ断面略凹曲状の第4の位置決め
周回溝との間で密着ずれ回り可能に挟装されており、第
3及び第4の曲率よりも大きな曲率を持つ断面略円形の
弾性材質からなる第2のOリングと、非吸着時において
吸着パッドを支承部材に対して軸方向下向きに予力とし
て初期弾性力を付与するための圧縮コイルバネとを備え
ることを特徴とする。
【0019】吸気ノズル軸体は第1のOリングを介して
支承部材に吊り下げ支持されており、吸着パッドは第2
のOリングを介して吸気ノズル軸体に吊り下げ支持され
ているため、2段のOリングの相乗作用により首振り性
が更に柔軟となり、また第1のOリングのずれ回り変形
と第2のOリングのずれ回り変形との和の2倍が吸着パ
ッドのストロークとなるため、単一のOリングの場合に
比べて軽弾力なストロークが長くなる。
【0020】圧縮コイルバネの初期弾性力を、吸着時に
吸着パッドの上昇変位に伴ない第1及び第2のOリング
が夫々密着ずれ回る順方向とは夫々逆方向の初期逆変形
の比例限度となる値に設定すると、単一のOリングのと
きに比べて軽弾力なストロークを2倍にできる。
【0021】なお、上記の真空把持装置としては、各種
マニピュレータに用いることができるが、ICテストハ
ンドラに用いるに適している。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0023】
【実施例1】図1は本発明の実施例1に係る真空把持装
置の要部を示す縦断側面図である。なお、図1に示す状
態は吸着パッド60の半ストロークs/2位置での状態
である。本例の真空把持装置40は、図6に示すような
ボルト部22aと同様な取付部(図示せず)を上端に有
すると共に下端の吸気口52aに連通する吸気路52を
有するステンレス製の支承部材50と、吸気口52aの
真下でこれに間隙gを以って臨む開口62aを備えた首
振り遊動可能のステンレス製の吸着パッド60と、支承
部材50に形成された断面凹曲状の第1の位置決め周回
溝56aとこの周回溝に離間対向して吸着パッド60に
形成された断面凹曲状の第2の位置決め周回溝66aと
の間で密着ずれ回り可能に挟装されたシリコンゴム等か
らなる弾性材質のOリング70と、非吸着時において吸
着パッド60を支承部材50に対して軸方向下向きに予
力として初期弾性力を付与するための圧縮コイルバネ8
0とを備えている。
【0024】支承部材50は、拡径基部54と、これに
一体的に軸方向下向きに突出して吸気口52aを持つ縮
径下端部56とを有し、縮径下端部56の外周面には第
1の位置決め周回溝56aが形成されている。吸着パッ
ド60は、開口62aを持つパッド部62と、これに一
体的に上方に突出して縮径下端部56を取り囲む上口筒
部66を有し、上口筒部66の内周面には第2の位置決
め周回溝66aが形成されている。圧縮コイルバネ70
は拡径基部54の外周段差部54bと上口筒部66の上
部バネ受け66bとの間に装填されている。
【0025】本例では、第1の位置決め周回溝56aの
第1の曲率と第2の位置決め周回溝66aの第2の曲率
とを相等しくしてあるが、図1に示すように、第1及び
第2の曲率はOリング70の曲率よりも小さくしてあ
り、Oリング70の曲面との接触点がその断面中心Oの
周りにずれ回り可能となっている。
【0026】縮径下端部56の端面が昇降ストロークの
上限界点を規制するストッパ面となっており、非吸着時
での間隙gはストロークsである。吸気路52が図示し
ない真空源に接続されて吸着対象面90に吸着パッド6
0の吸着面の一部が当たると、吸着パッド60は断面凹
曲状の第2の位置決め周回溝66aに嵌るOリング70
を介して支承部材50に吊り下げ支持されており、第2
の曲率はOリング70の曲率よりも小さいため、ほぼ不
動体としてのOリング70の凸曲面上を第2の位置決め
周回溝66aの凹曲面が転がり接触して吸着パッド全体
がOリング70を中心にして傾動する。ここため、Oリ
ング70の過剰な押し潰し変形を招くことなく、柔軟な
首振り遊動が生じて吸着面の全面が柔軟且つ自発的に吸
着対象面90に吸い着く。これによって、吸着パッド6
0内の空洞が吸着対象面で完全に閉塞されることにな
り、内気圧に減圧が生じ、吸着パッド60が支承部材5
0側に引き上げ(上昇)変位する。この引き上げ過程に
おいては、圧縮コイルバネ80の初期弾性力による振り
戻しも作用してOリング70の凸曲面上を第2の位置決
め周回溝66aの凹曲面が上記首振りとは逆方向に戻り
転がるため、吸着パッド60の姿勢は略垂直姿勢に復帰
する。これと同時に、吸着パッドの上昇変位に伴ない、
Oリング70の外周接触面は第2の位置決め周回溝66
aの凹曲面に対して滑動することなく相対的に上昇量の
略s/2だけ矢印aの順方向に密着ずれ回ると共に、O
リング70の内周接触面は第1の位置決め周回溝56a
の凹曲面に対して滑動することなく相対的に上昇量の略
s/2だけ矢印aの順方向に密着ずれ回るので、吸着パ
ッド60がストロークsだけ上昇変位する。
【0027】本例では、非吸着時において吸着パッド6
0を支承部材50に対して軸方向下向きに予力として初
期弾性力fを付与するための圧縮コイルバネ80を備
えており、吸着時におけるOリング70の順方向aの密
着ずれ回り変形(図2(c))とは逆方向bの密着ずれ
回り変形(図2(a))にOリング70がオフセット設
定されている。
【0028】ここで、非吸着時において、図2(b)に
示すようなOリング70が自由輪郭を持つ状態で両凹鏡
面にて挟装して初期設定した場合、非吸着時には単にO
リング70が両凹曲面間に挟まれているだけであるか
ら、その挟装断面は初期接触母線幅wで凹曲面に面圧
接した略楕円状とみなすことができるが、吸着パッド6
0が上昇変位する程、当初の接触点が離反しながら新た
な接触点が加わり凹曲面に沿ってずれるものとみること
ができ、接触母線幅が次第に拡幅しながら、最上昇点で
は図2(c)に示す如く接触母線幅wとなり、この順
方向aの密着ずれ回り過程は内外周接触面の接触母線幅
に反平行一対のせん断力Tが加わるせん断歪み変形を含
んでいる。外周側面にはせん断力の外に引っ張り応力が
作用し、内周側面はせん断力の外に圧縮応力が発生して
いるものとみることができる。なお、図2では、内外接
触面の引っ張り・圧縮によりその近傍部の膨れは図示し
ていない。この密着ずれ回りは、Oリング70の中心O
に視点を置いた場合であるが、別言すれば、瞬間的に
は、第1の位置決め周回溝56aの接触面を瞬間中心と
して第2の位置決め溝66aの接触面に回りモーメント
が作用しているとみることができる。吸引力限界や物理
的ストッパによる最上昇点では、ストロークを長くする
と、図3に示すように、Oリング70のずれ回りによる
せん断歪みδはせん断応力σの比例限度σmaxをたや
すく超えてしまい、そこではもはやフックの法則が不成
立である。フックの法則が成立する範囲は、比較的小さ
な歪みが生じる場合である。このため、転動角が例えば
数度以上になると、図3のAに示すように、Oリング7
0はせん断応力・せん断歪み特性の指数関数的な非線形
域におけるずれ回りの弾性変形となるので、過大なせん
断応力の発生によりずれ回りが非常に困難となり、吸着
パッド60の上昇ストロークを軽弾力で大きく得ること
ができず、Oリング70自身が弾力ストッパとして作用
してしまう。
【0029】ところが、本例では、圧縮コイルバネ80
により、Oリング70が吸着時におけるOリング70の
順方向aの密着ずれ回り変形(図2(c))とは逆方向
bの密着ずれ回り変形(図2(a))にオフセット設定
されており、対称性により初期接触母線幅がwとなっ
ている。このオフセット設定は図3に示す如く逆方向b
での比例限度限σmaxとしておくと良い。吸着時にお
いてはまず吸着パッド60の上昇前半期にOリング70
の初期逆変形が解消して図2(b)に示す中立接触母線
幅wとなる中立(零点)変形に戻った後、初めて吸着
パッドの上昇後半期にOリング70の順方向aの密着ず
れ回りによるせん断歪み変形(順変形)が生じる。初期
逆変形の解消過程では圧縮コイルバネ80による初期弾
性力から比例限度σmax内での復元力増分だけが増
え、順変形過程では圧縮コイルバネ80とOリング70
とが並列関係にあるため、圧縮コイルバネ80の比例限
度内の復元力とOリング70の弾性復元力との和が吸引
力に対して拮抗衡平する。それ故、順変形過程ではOリ
ング70が吸引力の分力と拮抗するだけで済むため、図
3のBに示す如く、Oリング70の弾性力を比例限度σ
max内に限定した場合でも、IC吸着に必要な密着度
を得る吸引力に拮抗させて軽弾力なストロークを確保で
きると共に、オフセット設定されたOリングの初期逆変
形のずれ回り戻し変位量s/2の分、吸着パッド60の
上昇ストロークを長くすることができる。
【0030】
【実施例2】図3は本発明の実施例2に係る真空把持装
置の要部を示す縦断側面図である。なお、図3に示す状
態は吸着パッド160の半ストローク位置での状態であ
り、図1に示す部分と同一部分には同一参照符号を付
し、その説明を省略する。
【0031】本例の真空把持装置140においては、支
承部材150は吸気口52aを持つ縮径内筒部154と
これを取り囲んで下方に突出した下口外筒部156とを
有している。吸着パッド160は略筒状であって、下口
外筒部156に取り囲まれている。下口外筒部156の
内周面に第1の位置決め周回溝156aが形成されてお
り、吸着パッド160の外周面には第2の位置決め周回
溝166aが形成されている。圧縮コイルバネ180は
縮径内筒部の外周面と吸着パッド160の上部バネ受け
162との間に装填されている。
【0032】本例もまた、実施例1と同様の作用によ
り、柔軟な首振り遊動性と軽弾力なストロークの確保を
実現できるものであるが、実施例1では吸着パッド60
が支承部材50の外側に位置するので、比較的大きな吸
着面積を得ることができるのに対し、本例では吸着パッ
ド160が支承部材150の内側に位置するので、比較
的小さな吸着面積を得ることができる。
【0033】
【実施例3】図5は本発明の実施例3に係る真空把持装
置の要部を示す縦断側面図である。なお、図1に示す状
態は吸着パッド260の半ストローク位置での状態であ
る。
【0034】本例の真空把持装置240は、下端の吸気
口242aに連通する吸気路242及び取付部(図示せ
ず)を備えた支承部材250と、吸気口242aの真下
でこれに間隙Gを以って臨む吸気孔(軸貫通孔)25
2を備えた首振り遊動可能の吸気ノズル軸体255と、
吸気孔252の真下でこれに間隙Gを以って臨む開口
266aを備えた首振り遊動可能の筒状の吸着パッド2
60とを備えている。支承部材250は吸気口242a
を持つ基部251とこの下方に突出した下口筒部253
とを有している。また、真空把持装置240は、下口筒
部253の内周面に形成された断面凹曲状の第1の位置
決め周回溝253aとこれに離間対向して吸気ノズル軸
体255の上半分の外周面に形成された断面凹曲状の第
2の位置決め周回溝255aとの間で密着転動可能に挟
装されたシリコンゴム等からなる第1のOリング270
と、吸気ノズル軸体255の下半分の外周面に形成され
た断面凹曲状の第3の位置決め周回溝255bとこれに
離間対向して吸着パッド260の筒壁内周面に形成され
た断面凹曲状の第4の位置決め周回溝260bとの間で
密着転動可能に挟装されたシリコンゴム等からなる第2
のOリング280と、下口筒部253の外周段差部25
3bと吸着パッド260の上部バネ受け260cとに装
填された圧縮コイルバネ290とを備える。
【0035】吸気ノズル軸体255は第1のOリング2
70を介して支承部材250に吊り下げ支持されてお
り、吸着パッド260は第2のOリング280を介して
吸気ノズル軸体255に吊り下げ支持されているため、
2段のOリングの相乗作用により首振り性が実施例1及
び2の場合に比し更に柔軟となり、また第1のOリング
270のずれ回り変形と第2のOリング280のずれ回
り変形との和の2倍が吸着パッド260のストロークS
となるため、単一のOリングの場合に比べて軽弾力なス
トロークが長くなる。
【0036】圧縮コイルバネ290の初期弾性力を、吸
着時に吸着パッド260の上昇変位に伴ない第1及び第
2のOリング270,280が夫々密着ずれ回る順方向
とは夫々逆方向の初期逆変形の比例限度となる値に設定
すると、単一のOリングのときに比べて軽弾力なストロ
ークを2倍にできる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る真空
把持装置によれば次の効果を奏する。
【0038】 Oリングの凸曲面上を第2の位置決め
周回溝の凹曲面が転がり接触して吸着パッド全体がOリ
ングを中心にして傾動するので、Oリングの過剰な押し
潰し変形を招くことなく、柔軟な首振り遊動性を得るこ
とができる。この際、圧縮コイルバネは振り戻しの付勢
力を作用する。また、圧縮コイルバネにより非吸着時に
おけるOリングが初期逆変形にオフセット設定されてい
るため、Oリングの初期逆変形のずれ回り戻し変位量の
分、吸着パッドの上昇ストロークを長くすることができ
る。勿論、吸着パッドの剛体化ないし金属化が可能であ
るので、高温・低温下での真空吸着機能を発揮でき、し
かも、圧縮コイルバネを介して支承部材と吸着パッドと
が導電接続し、静電対策が施されているので、Oリング
自身が導電性材料でなくとも構わない。それ故、耐久性
のある材質からなるOリングの選定自由度が増す。
【0039】 両凹曲面に挟装されたOリングを複数
個多段に連設した構成を採用すると、首振り柔軟性の更
なる向上と、軽弾力なストロークを長くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る真空把持装置の要部を
示す縦断側面図である。
【図2】(a)乃至(c)は同真空把持装置におけるO
リングの密着ずれ回りの態様の推移を示す拡大概略図で
ある。
【図3】同Oリングの密着ずれ回り変形のせん断応力と
せん断歪みとの関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例2に係る真空把持装置の要部を
示す縦断側面である。
【図5】本発明の実施例3に係る真空把持装置の要部を
示す縦断側面図である。
【図6】ICテストハンドラにおけるヘッド部分を示す
側面図である。
【図7】従来の真空把持装置を一部破断して示す側面図
である。
【符号の説明】
1…試験台 2…ICソケット 2a,3a…リードピン 3…IC 5…ICテストハンドラ。 12…L形アーム 12a…水平端片 14…IC位置決め受け 17…吸気孔 20,40,140,240…真空把持装置 18…フレキシブル吸気管 22a…ボルト部(取付部) 60,160,260…吸着パッド 50,150,250…支承部材 52…吸気路 52a…吸気口 62a…開口 56a,156a,253a…第1の位置決め周回溝 66a,166a,255a…第2の位置決め周回溝 54…拡径基部 54b…外周段差部 56…縮径下端部 62…パッド部 66…上口筒部 66b…上部バネ受け 70…Oリング 80,180,290…圧縮コイルバネ 90…吸着対象面 150…縮径内筒部 156…下口外筒部 162,260c…上部バネ受け 242a…吸気口 242…吸気路 251…基部 252…吸気孔 253…下口筒部 253b…外周段差部 255…吸気ノズル軸体 255b…第3の位置決め周回溝 260b…第4の位置決め周回溝 266a…開口 270…第1のOリング 280…第2のOリング g,G,G…間隙 s,S…ストローク f…初期弾性力 a…順方向 b…逆方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端の吸気口に連通する吸気路及び取付
    部を備えた支承部材と、前記吸気口の真下で当該吸気口
    に間隙を以って臨む開口を備えた首振り遊動可能の吸着
    パッドと、前記支承部材に形成された第1の曲率を持つ
    断面略凹曲状の第1の位置決め周回溝とこの第1の位置
    決め周回溝に離間対向して前記吸着パッドに形成された
    第2の曲率を持つ断面略凹曲状の第2の位置決め周回溝
    との間で密着ずれ回り可能に挟装されており、第1及び
    第2の曲率よりも大きな曲率を持つ断面略円形の弾性材
    質からなるOリングと、非吸着時において前記吸着パッ
    ドを前記支承部材に対して軸方向下向きに予力として初
    期弾性力を付与するための圧縮コイルバネとを備えるこ
    とを特徴とする真空把持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の真空把持装置におい
    て、前記支承部材は拡径基部とこれに一体的に軸方向下
    向きに突出して前記吸気口を持つ縮径下端部とを有し、
    前記吸着パッドは前記開口を持つパッド部とこれに一体
    的に上方に突出して前記縮径下端部を取り囲む上口筒部
    とを有し、前記第1の位置決め周回溝は前記縮径下端部
    の外周面に形成された外周溝であって、第2の位置決め
    周回溝は前記上口筒部の内周面に形成された内周溝であ
    り、前記圧縮コイルバネは前記拡径基部と前記上口筒部
    の上部との間に装填されていることを特徴とする真空把
    持装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の真空把持装置におい
    て、前記支承部材は前記吸気口を持つ縮径内筒部とこれ
    を取り囲んで下方に突出した下口外筒部とを有し、前記
    吸着パッドは前記下口外筒部に取り囲まれており、前記
    第1の位置決め周回溝は前記下口外筒部の内周面に形成
    された内周溝であって、第2の位置決め周回溝は前記吸
    着パッドの外周面に形成された外周溝であり、前記圧縮
    コイルバネは前記縮径内筒部と前記吸着パッドの上部と
    の間に装填されていることを特徴とする真空把持装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、前記圧縮コイルバネの初期弾性力を、吸着時に
    前記吸着パッドの上昇変位に伴ない前記Oリングが密着
    ずれ回る順方向とは逆方向の初期逆変形の略比例限度と
    なる値に設定してなることを特徴とする真空把持装置。
  5. 【請求項5】 下端の吸気口に連通する吸気路及び取付
    部を備えた支承部材と、前記吸気口の真下で当該吸気口
    に間隙を以って臨む吸気孔を備えた首振り遊動可能の吸
    気ノズル軸体と、前記吸気孔の真下で当該吸気孔に間隙
    を以って臨む開口を備えた首振り遊動可能の吸着パッド
    と、前記支承部材に形成された第1の曲率を持つ断面略
    凹曲状の第1の位置決め周回溝とこの第1の位置決め周
    回溝に離間対向して前記吸気ノズル軸体に形成された第
    2の曲率を持つ断面略凹曲状の第2の位置決め周回溝と
    の間で密着ずれ回り可能に挟装されており、第1及び第
    2の曲率よりも大きな曲率を持つ断面略略円形の弾性材
    質からなる第1のOリングと、前記吸気ノズル軸体に形
    成された第3の曲率を持つ断面略凹曲状の第3の位置決
    め周回溝とこの第3の位置決め周回溝に離間対向して前
    記吸着パッドに形成された第4の曲率を持つ断面略凹曲
    状の第4の位置決め周回溝との間で密着ずれ回り可能に
    挟装されており、第3及び第4の曲率よりも大きな曲率
    を持つ断面略円形の弾性材質からなる第2のOリング
    と、非吸着時において吸着パッドを支承部材に対して軸
    方向下向きに予力として初期弾性力を付与するための圧
    縮コイルバネとを備えることを特徴とする真空把持装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記圧縮コイルバネ
    の初期弾性力を、吸着時に前記吸着バッドの上昇変位に
    伴ない前記第1及び第2のOリングが夫々密着ずれ回る
    順方向とは夫々逆方向の初期逆変形の略比例限度となる
    値に設定してなることを特徴とする真空把持装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に
    規定する真空把持装置を用いて成ることをことを特徴と
    するICテストハンドラ。
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