JP6278807B2 - ワークハンドリング装置 - Google Patents
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Description
また、図16(d)のようにウレタンパッドを用いるときにワークへの接触面積が大きくなるという問題があった。
ハンドプレートと、
前記ハンドプレートに固定されて昇降シリンダロッドを上下方向に移動させる一対のパッドプレート昇降シリンダと、
前記昇降シリンダロッドにより昇降されるパッドプレートと、
前記パッドプレートに固定されてワークの中心を基準として対角上に少なくとも一対が配置され、ワークの外周端付近を負圧により吸引する複数の吸引部と、
ワークの外周端付近であって前記吸引部の付近に位置するように前記パッドプレートに固定され、吸引されるワークと前記吸引部との間に隙間を形成する隙間保持部材と、
前記ハンドプレートに固定されて開閉シリンダロッドを横方向に移動させるチャック部材開閉シリンダと、
前記開閉シリンダロッドにより駆動されてワークの外周端からワークを着脱するチャック部材と、
を有するハンド装置を備え、
前記パッドプレート昇降シリンダを前記ハンドプレートと前記パッドプレートとに取り付ける取り付け部は、前記ハンドプレートに対して固定されるとともに前記パッドプレートに対してピン支持される第1取り付け部と、前記ハンドプレートおよび前記パッドプレートの両方にピン支持される第2取り付け部と、の両者を含み、
前記第1取り付け部および第2取り付け部のピンを、前記パッドプレートの表面と平行であり、かつ、互いに向かい合うように配置された前記一対のパッドプレート昇降シリンダの各作用点を結んだ直線と直角方向にそれぞれ配置し、
前記ワーク用孔からワークを剥離させる時に、前記第2取り付け部側の前記パッドプレート昇降シリンダにより前記パッドプレートを上昇させ、前記パッドプレート及び前記吸引部の動作によってワークを剥離させることを特徴とする。
前記チャック部材開閉シリンダと前記チャック部材との間に介在されるチャック部材支柱と、
前記チャック部材支柱の先端で前記チャック部材を下側方向に付勢しつつ前記チャック部材支柱内へ移動可能とするばね付勢部と、を備え、
前記キャリアに前記チャック部材が当接してから所定距離にわたり前記ハンド装置を降下可能にしたことを特徴とする。
ワークのローディング位置およびアンローディング位置へ前記ハンド装置を移送する移送部と、
前記移送部、前記パッドプレート昇降シリンダ、前記チャック部材開閉シリンダおよび前記吸引部の制御をそれぞれ独立して行う制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記移送部を制御して前記ハンド装置をアンローディング位置へ移送し、前記パッドプレート昇降シリンダを制御して前記吸引部をワークから所定距離だけ離れた位置に配置し、前記吸引部を制御してワークの外周端部付近で前記隙間保持部材に当接させつつワークの複数箇所を吸引してワークを前記ワーク用孔から上昇させるとともに、前記チャック部材開閉シリンダを制御してワークの外周端を前記チャック部材により把持させ、前記移送部を制御することにより、前記チャック部材により把持されたワークを前記ハンド装置とともに上昇させて前記ワーク用孔からアンローディングすることを特徴とする。
前記制御装置は、
前記移送部を制御して、前記チャック部材にワークが把持されている前記ハンド装置をローディング位置へ移送するとともに前記ハンド装置を降下させて前記チャック部材をキャリアに当接させ、前記パッドプレート昇降シリンダを制御してワークと前記隙間保持部材とが僅かな隙間を空ける位置まで前記パッドプレートを降下させ、前記パッドプレート昇降シリンダを制御して前記隙間を維持するように前記チャック部材の外周方向への移動量に応じた量だけ前記パッドプレートを降下させつつ、前記複数のチャック部材開閉シリンダを同期させて制御することにより、前記チャック部材を外周端から離したワークを前記ワーク用孔へローディングすることを特徴とする。
ハンドプレート102は、ハンド連結部材101に連結されるプレートである。ハンドプレート102は、パッドプレート昇降シリンダ105およびチャック部材開閉シリンダ110を固定する基準プレートである。ハンドプレート102は、1枚のプレートで構成することを基本とする。
昇降シリンダピン固定部104は、ハンドプレート102の上側に固定される部材である。
昇降シリンダ固定部103と昇降シリンダピン固定部104はパッドプレート昇降シリンダ105を支持する取り付け部の具体例であるが支持方法が異なる。なお、支持方法については後述する。
昇降シリンダピン固定部104ではピン支持がされており、図2で示すようにピン支持部材104aの昇降シリンダ固定ピン104bに回転可能に支持される昇降シリンダクレピス104cが、パッドプレート昇降シリンダ105の端部に取り付けられる。これによりパッドプレート昇降シリンダ105は回転可能に支持されることとなる。
また、隙間保持部材109の材質は、樹脂製あるいはウレタンゴム等の柔軟性を有する弾性体であり、ワークエッジへの均一な当たりや傷つきを防止する。
ハンド装置100の構成はこのようなものである。
図1で示すようなパッドプレート107の引上げ構造では、2個ある非接触吸引パッド108の一方は剥離が開始される剥離側(図1の右側)であり、他方は剥離が終了する固定側(図1の左側)となる。これら非接触吸引パッド108を一体のパッドプレート107上に配置し、それぞれ剥離側のパッドプレート昇降シリンダ105および固定側のパッドプレート昇降シリンダ105をそれぞれ配置する。特に剥離側ではハンドプレート102側およびパッドプレート107側でピン支持構造となっており、剥離時にワーク2の姿勢に沿ってパッドプレート107を移動させることでパッドプレート107の動きを安定化し、過度な剥離力が加わらないようにする。
そこで、非接触吸引パッド108による吸引力を抑制する必要があり、吸引力の適正な設定が重要となる。この点について説明する。
図4は、剥離力の経時変化の例を表す特性図である。この剥離力の時間経過は実験結果から得た知見である。1個の非接触吸引パッド108によりワーク端部から剥離する時の力(以下、剥離力)を力覚センサ300で計測した検出信号から得たデータ(剥離速度は一定)により一般化したものであり、力覚センサ300の検出信号のうち鉛直方向軸力のみを抽出した特性である。ここにTsは剥離開始時間、Tmは剥離力が最大の時間、Nmは最大剥離力、Nxは剥離力の許容値である。ワーク2への影響を考慮して実際のハンドリング時に許容される剥離力の閾値をNxとしたものであり、Nx未満が通常剥離力となる。
また、剥離力は図5に示すように、通常は剥離速度と比例関係にあるので、剥離動作にかかる(無理のない)目標時間などを設定して剥離速度を決めることになる。
このようにワークおよび定盤の研磨面の材質や性状あるいは経時変化等によっても剥離力は大きく変わると言われており、力覚センサを適用して、変化する剥離力に応じて吸引力の適正な設定を行う。これにより過大な吸引力発生時のワーク保護を実現する。
また、制御装置は、ハンド装置等が他の部材との接触により過剰な力が加わっているかについても力覚センサ300を通じて監視している。過剰な力が加わらないように移動を停止することができる。
図示しない制御装置は、搬送ロボット200を制御し、図7(a)で示すように、ハンド装置100をキャリア3のワーク用孔内のワーク2の直上へ移動する。この動作は市販の多関節ロボットのティーチングによる位置決めとなるが、高精度の位置決めが可能である。
図示しない制御装置は、搬送ロボット200を制御し、図7(b)で示すように、ハンド装置100を降下させ、チャック部材112をキャリア3に当接させ、ばね力に抗しつつ若干押し込む状態で停止させる。このときキャリア3上にチャック部材112が当接している。
図示しない制御装置は、パッドプレート昇降シリンダ105を制御し、図7(c)で示すように、パッドプレート107を降下させ、隙間保持部材109をワーク2に押し当てる位置で停止させる。これは図9(a)で示すような状態である。
図示しない制御装置は、電磁弁を制御して剥離側の非接触吸引パッド108へ加圧エアを供給し、吸引力を発生させ吸引状態とする。そして、制御装置は、剥離側のパッドプレート昇降シリンダ105の昇降シリンダロッド105aを所定速度で引き上げながら剥離していき、図7(d)で示すように、一方を剥離させつつ持ち上げていく。この際、図9(b)で示すように非接触吸引パッド108がワーク2を非接触で吸引すると隙間保持部材109に当接した状態で吸着される。
図示しない制御装置は、電磁弁を制御して反対側の非接触吸引パッド108へ加圧エアを供給し、吸引力を発生させ吸引状態とする。そして、制御装置は、反対側のパッドプレート昇降シリンダ105の昇降シリンダロッド105aを所定速度で引き上げながら剥離していき、剥離させつつ持ち上げていく。最終的には図8(a)で示すように、ワーク2を水平状態となるように操作する。この状態ではワーク2との間にわずかに隙間がある状態とする。ワーク外周端では図9(b)で示すようにワーク2がチャック部材112の把時位置と同じ高さまで持ち上げられた状態となっている。
なお、本形態では非接触吸引パッド108の剥離側および固定側を順次吸引状態としたが、(4)の一方の剥離開始時に剥離側および固定側の両方でともに吸引状態としてもよい。
図示しない制御装置は、チャック部開閉シリンダ110を制御し、図8(b)で示すように、ワーク2の外周に配置したすべてのチャック部材112を内側のワーク把時位置まで移動させてワーク2を把持する。図9(c)で示すように、チャック部材112が外周側からワーク2をチャックする。図10は、ワークをチャック部材で把持した状態を表す平面図であり、対角上にある二対で計4個のチャック部材112が把持している。ここにチャック可動方向はワークの円周方向としているが、片側2個一組として連結した場合は、半径方向への動作としても問題ない。
図示しない制御装置は、電磁弁を制御して非接触吸引パッド108への加圧エアの供給を停止して吸引を停止し、その後、パッドプレート107を上昇させて、図8(c)や図9(d)で示すように、ワーク2をチャック部材112のみにて支持する状態とする。なお、必要があれば、チャック部材112によるワーク把時状態を確実にするため、さらにチャック部材112をワーク側へ移動させてもよい。
図示しない制御装置は、搬送ロボット200を制御し、図8(d)で示すように、ハンド装置100全体をゆっくり上昇させてワーク2を次工程の所定位置へ搬送する。アンローディングはこのようにして行う。
(A)ハンド装置100の移動
図示しない制御装置は、搬送ロボット200を制御し、図11(a)で示すように、チャック部材112がワーク2を把時したハンド装置100をキャリア3のワーク用孔の直上へ移動する。この動作は市販の多関節ロボットのティーチングによる位置決めとなるが、高精度の位置決めが可能である。
図示しない制御装置は、搬送ロボット200を制御し、ハンド装置100を降下させ、図11(b)で示すように、チャック部材112をキャリア3に当接させ、ばね力に抗しつつ若干押し込む状態で停止させる。このときキャリア3上にチャック部材112が当接している。こうすることで、各チャック部材下面とキャリア面を隙間なく置くことができるので、後工程のワーク嵌合動作を円滑に行うことができる。
図示しない制御装置は、パッドプレート昇降シリンダ105を制御し、図11(c)で示すように、さらにパッドプレート107を降下させ、隙間保持部材109がワーク面上で近傍に若干の隙間がある位置まで移動させる。
図示しない制御装置は、パッドプレート昇降シリンダ105およびチャック部材開閉シリンダ110を制御し、図12(a)で示すように、全てのチャック部材112を同期して外周方向へ等距離を移動させつつ、非接触吸引パッド108の隙間保持部材109もワーク2との隙間を保った状態で徐々に降下させる。この時の隙間保持部材109の役割は、ワーク2がチャック部材112の傾斜面を滑る時にいずれかに引っ掛かってワーク2の全体が降下しない状態を回避する。なお、積極的に押し込む動作はしない。
図示しない制御装置は、さらにパッドプレート昇降シリンダ105およびチャック部材開閉シリンダ110を制御し、図12(b)で示すように、チャック部材112のワーク側端面がキャリアのワーク用孔のエッジの位置へ移動するまで継続する。同時に隙間保持部材109を降下させる。こうすることで、上記のようにワークの引っ掛かりによる嵌合不調を回避しつつ最終的にはワーク2が嵌め込まれる。
図示しない制御装置は、チャック部材開閉シリンダ110および搬送ロボット200を制御し、図12(c)で示すように、チャック部材112を全て外周側へ移動しつつハンド装置100全体をゆっくり上昇させてチャック部材112の接触状態を解消した後、次工程位置へ移動する。ワーク2のローディングはこのようなものである。
100:ハンド装置
101:ハンド連結部材
102:ハンドプレート
103:昇降シリンダ固定部
104:昇降シリンダピン固定部
104a:ピン支持部材
104b:昇降シリンダ固定ピン
104c:昇降シリンダクレピス
105:パッドプレート昇降シリンダ
105a:昇降シリンダロッド
106:ロッドピン固定部
106a:ナックルジョイント
106b:昇降シリンダ連結ピン
106c:ヒンジベース
107:パッドプレート
108:非接触吸引パッド
109:隙間保持部材
109a:ワーク抑え部
110:チャック部材開閉シリンダ
110a:開閉シリンダロッド
111:チャック部材支柱
111a:チャック部材用圧縮ばね
112:チャック部材
112a:チャック部材ロッド
113:ハンドカバー
114:隙間
200:搬送ロボット
300:力覚センサ
2:ワーク
Claims (6)
- キャリアのワーク用孔にワークをローディングまたはアンローディングするワークハンドリング装置であって、
ハンドプレートと、
前記ハンドプレートに固定されて昇降シリンダロッドを上下方向に移動させる一対のパッドプレート昇降シリンダと、
前記昇降シリンダロッドにより昇降されるパッドプレートと、
前記パッドプレートに固定されてワークの中心を基準として対角上に少なくとも一対が配置され、ワークの外周端付近を負圧により吸引する複数の吸引部と、
ワークの外周端付近であって前記吸引部の付近に位置するように前記パッドプレートに固定され、吸引されるワークと前記吸引部との間に隙間を形成する隙間保持部材と、
前記ハンドプレートに固定されて開閉シリンダロッドを横方向に移動させるチャック部材開閉シリンダと、
前記開閉シリンダロッドにより駆動されてワークの外周端からワークを着脱するチャック部材と、
を有するハンド装置を備え、
前記パッドプレート昇降シリンダを前記ハンドプレートと前記パッドプレートとに取り付ける取り付け部は、前記ハンドプレートに対して固定されるとともに前記パッドプレートに対してピン支持される第1取り付け部と、前記ハンドプレートおよび前記パッドプレートの両方にピン支持される第2取り付け部と、の両者を含み、
前記第1取り付け部および第2取り付け部のピンを、前記パッドプレートの表面と平行であり、かつ、互いに向かい合うように配置された前記一対のパッドプレート昇降シリンダの各作用点を結んだ直線と直角方向にそれぞれ配置し、
前記ワーク用孔からワークを剥離させる時に、前記第2取り付け部側の前記パッドプレート昇降シリンダにより前記パッドプレートを上昇させ、前記パッドプレート及び前記吸引部の動作によってワークを剥離させることを特徴とするワークハンドリング装置。 - 請求項1に記載したワークハンドリング装置において、
前記チャック部材開閉シリンダと前記チャック部材との間に介在されるチャック部材支柱と、
前記チャック部材支柱の先端で前記チャック部材を下側方向に付勢しつつ前記チャック部材支柱内へ移動可能とするばね付勢部と、を備え、
前記キャリアに前記チャック部材が当接してから所定距離にわたり前記ハンド装置を降下可能にしたことを特徴とするワークハンドリング装置。 - 請求項1または請求項2に記載したワークハンドリング装置において、
ワークのローディング位置およびアンローディング位置へ前記ハンド装置を移送する移送部と、
前記移送部、前記パッドプレート昇降シリンダ、前記チャック部材開閉シリンダおよび前記吸引部の制御をそれぞれ独立して行う制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記移送部を制御して前記ハンド装置をアンローディング位置へ移送し、前記パッドプレート昇降シリンダを制御して前記吸引部をワークから所定距離だけ離れた位置に配置し、前記吸引部を制御してワークの外周端部付近で前記隙間保持部材に当接させつつワークの複数箇所を吸引してワークを前記ワーク用孔から上昇させるとともに、前記チャック部材開閉シリンダを制御してワークの外周端を前記チャック部材により把持させ、前記移送部を制御することにより、前記チャック部材により把持されたワークを前記ハンド装置とともに上昇させて前記ワーク用孔からアンローディングすることを特徴とするワークハンドリング装置。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載したワークハンドリング装置において、
前記制御装置は、
前記移送部を制御して、前記チャック部材にワークが把持されている前記ハンド装置をローディング位置へ移送するとともに前記ハンド装置を降下させて前記チャック部材をキャリアに当接させ、前記パッドプレート昇降シリンダを制御してワークと前記隙間保持部材とが僅かな隙間を空ける位置まで前記パッドプレートを降下させ、前記パッドプレート昇降シリンダを制御して前記隙間を維持するように前記チャック部材の外周方向への移動量に応じた量だけ前記パッドプレートを降下させつつ、前記複数のチャック部材開閉シリンダを同期させて制御することにより、前記チャック部材を外周端から離したワークを前記ワーク用孔へローディングすることを特徴とするワークハンドリング装置。 - 請求項3に記載したワークハンドリング装置において、
前記移送部と前記ハンド装置との間に配置され、前記制御装置へ力および/またはモーメント力の検出信号を出力する力覚センサを備え、
前記制御装置は、アンローディング時に加わる力に応じて前記昇降シリンダロッドの位置制御および速度制御を行うことを特徴とするワークハンドリング装置。 - 請求項5に記載したワークハンドリング装置において、
前記吸引部へ付与する吸引力設定レベルを、前記力覚センサにより予め検出された値に応じて設定することを特徴とするワークハンドリング装置。
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