JP2001336024A - 微粒子を包埋する架橋繊維およびその製造法 - Google Patents
微粒子を包埋する架橋繊維およびその製造法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微粒子を、耐久性よく包埋し機能性を付与さ
せた変性オレフィン−ビニルアルコール系共重合体繊維
を提供する。 【解決手段】 変性オレフィン−ビニルアルコール系共
重合体からなる繊維に対してアセタール化架橋処理時
に、平均粒径が0.1〜3μmである微粒子を添加し
て、該共重合体繊維に対して該微粒子の一部分が繊維表
面に露出した状態で包埋されている架橋繊維およびその
製造方法である。
せた変性オレフィン−ビニルアルコール系共重合体繊維
を提供する。 【解決手段】 変性オレフィン−ビニルアルコール系共
重合体からなる繊維に対してアセタール化架橋処理時
に、平均粒径が0.1〜3μmである微粒子を添加し
て、該共重合体繊維に対して該微粒子の一部分が繊維表
面に露出した状態で包埋されている架橋繊維およびその
製造方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の機能性微粒
子を包埋した架橋重合体からなる繊維とその製造方法に
関し、更に詳しくは、水酸基を有する重合体、特に変性
オレフィン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維
あるいは該繊維、または変性オレフィン−ビニルアルコ
ール系共重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維
において、架橋処理時に微粒子を添加して、架橋構造中
に微粒子を包埋することにより、耐久性、ドライ感のあ
る風合、及び種々の機能性に優れた架橋繊維を得る技術
に関する。
子を包埋した架橋重合体からなる繊維とその製造方法に
関し、更に詳しくは、水酸基を有する重合体、特に変性
オレフィン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維
あるいは該繊維、または変性オレフィン−ビニルアルコ
ール系共重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維
において、架橋処理時に微粒子を添加して、架橋構造中
に微粒子を包埋することにより、耐久性、ドライ感のあ
る風合、及び種々の機能性に優れた架橋繊維を得る技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】微粒子を繊維中に含有させ、各種の機能
性を付与する技術については、各種の提案がなされてお
り、紡糸時に無機微粒子練り込む方法(特開平4−17
4711号公報、特開平9−188915号公報)や後
加工方法等が知られている。練り込み方法の場合、紡糸
原液中に微粒子を添加するが、一般的に微粒子の平均粒
径が大きすぎると粘度低下が大きくなり、紡糸、延伸等
の繊維化工程性に劣るため、微粒子の粒度分布の適正範
囲が限られている。そのため微粒子の粉砕、分粒技術の
必要性によるコストアップや、微粒子の種類によっては
粉砕が難しい場合がある。
性を付与する技術については、各種の提案がなされてお
り、紡糸時に無機微粒子練り込む方法(特開平4−17
4711号公報、特開平9−188915号公報)や後
加工方法等が知られている。練り込み方法の場合、紡糸
原液中に微粒子を添加するが、一般的に微粒子の平均粒
径が大きすぎると粘度低下が大きくなり、紡糸、延伸等
の繊維化工程性に劣るため、微粒子の粒度分布の適正範
囲が限られている。そのため微粒子の粉砕、分粒技術の
必要性によるコストアップや、微粒子の種類によっては
粉砕が難しい場合がある。
【0003】後加工方法の場合、含浸法、Pad―キュ
ア法、コーティング法等によって微粒子を繊維に含有さ
せることが可能であるが、繊維表面への付着力が不十分
なため、洗濯耐久性に劣ったり、バインダー樹脂使用に
よる風合硬化、膨らみ感を欠いた外観形状となるなど問
題があった。また処理法として、放射線照射を使用する
場合、機械や装置の操業性の問題があった。
ア法、コーティング法等によって微粒子を繊維に含有さ
せることが可能であるが、繊維表面への付着力が不十分
なため、洗濯耐久性に劣ったり、バインダー樹脂使用に
よる風合硬化、膨らみ感を欠いた外観形状となるなど問
題があった。また処理法として、放射線照射を使用する
場合、機械や装置の操業性の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するものであり、微粒子の粒度分布の制約が少
なく、耐久性のある機能性および優れた風合を有する繊
維を提供することである。
点を解決するものであり、微粒子の粒度分布の制約が少
なく、耐久性のある機能性および優れた風合を有する繊
維を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、平均
粒径が0.1〜3μmである微粒子の一部分が繊維表面
に露出した状態で包埋されていることを特徴とする架橋
構造を有する重合体(A)からなる繊維である。
粒径が0.1〜3μmである微粒子の一部分が繊維表面
に露出した状態で包埋されていることを特徴とする架橋
構造を有する重合体(A)からなる繊維である。
【0006】さらに本発明は、反応性基を有する重合体
(C)を少なくとも一成分とする繊維を架橋処理するに
際し、平均粒径0.1〜3μmの微粒子を添加し、架橋
構造を形成させるとともに該微粒子をその一部分が該繊
維表面に露出した状態で包埋させることを特徴とする架
橋繊維の製造方法である。
(C)を少なくとも一成分とする繊維を架橋処理するに
際し、平均粒径0.1〜3μmの微粒子を添加し、架橋
構造を形成させるとともに該微粒子をその一部分が該繊
維表面に露出した状態で包埋させることを特徴とする架
橋繊維の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における架橋構造を有する
重合体(A)は、重合体中に反応性基を有している重合
体(C)を用いて架橋構造を形成させることができる。
架橋構造は、該重合体中の反応性基と架橋剤を反応させ
ることで形成される。反応性基としては、水酸基、アミ
ノ基、アミド基、チオ−ル基、カルボニル基、カルボキ
シル基等をあげることができ、中でも水酸基を有する重
合体が好ましい。
重合体(A)は、重合体中に反応性基を有している重合
体(C)を用いて架橋構造を形成させることができる。
架橋構造は、該重合体中の反応性基と架橋剤を反応させ
ることで形成される。反応性基としては、水酸基、アミ
ノ基、アミド基、チオ−ル基、カルボニル基、カルボキ
シル基等をあげることができ、中でも水酸基を有する重
合体が好ましい。
【0008】架橋構造を形成する前の水酸基を有する重
合体(C)からなる繊維としては、例えば、綿、麻など
の天然繊維、レーヨン、リヨセル、ポリビニルアルコー
ル繊維、変性オレフィン−ビニルアルコール系共重合体
繊維などの化学繊維をあげることができ、中でも変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体繊維が好ましく
用いられる。
合体(C)からなる繊維としては、例えば、綿、麻など
の天然繊維、レーヨン、リヨセル、ポリビニルアルコー
ル繊維、変性オレフィン−ビニルアルコール系共重合体
繊維などの化学繊維をあげることができ、中でも変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体繊維が好ましく
用いられる。
【0009】変性オレフィン−ビニルアルコール系共重
合体は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、
ヘキセン、ヘプテン等のオレフィンを共重合成分として
合成されるビニルアルコール系共重合体を使用すること
ができるが、エチレン、プロピレンを共重合成分とする
ビニルアルコール系共重合体が好ましく、特にエチレン
−ビニルアルコール系共重合体が好ましい。
合体は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、
ヘキセン、ヘプテン等のオレフィンを共重合成分として
合成されるビニルアルコール系共重合体を使用すること
ができるが、エチレン、プロピレンを共重合成分とする
ビニルアルコール系共重合体が好ましく、特にエチレン
−ビニルアルコール系共重合体が好ましい。
【0010】変性オレフィン−ビニルアルコール系共重
合体の一例としてエチレン−ビニルアルコール系共重合
体について述べると、共重合体におけるエチレン含有量
が30%よりも少なくなる、すなわちビニルアルコール
含有量が70%よりも多くなると、溶融紡糸により繊維
化する際の曳糸性が不良となって紡糸または延伸時に単
糸切れ、断糸が多くなり、しかも柔軟性の欠けたものと
なる。また、後述するが該重合体と他の熱可塑性重合体
とからなる複合繊維において、他の熱可塑性重合体とし
てポリエチレンテレフタレートのような高融点重合体を
使用した場合には通常250℃以上の高い紡糸温度を使
用するが、その場合にエチレン含有量が30mol%よ
りも少ないとエチレン−ビニルアルコール系共重合体の
耐熱性が不十分になり、良好な複合繊維が得られなくな
る。
合体の一例としてエチレン−ビニルアルコール系共重合
体について述べると、共重合体におけるエチレン含有量
が30%よりも少なくなる、すなわちビニルアルコール
含有量が70%よりも多くなると、溶融紡糸により繊維
化する際の曳糸性が不良となって紡糸または延伸時に単
糸切れ、断糸が多くなり、しかも柔軟性の欠けたものと
なる。また、後述するが該重合体と他の熱可塑性重合体
とからなる複合繊維において、他の熱可塑性重合体とし
てポリエチレンテレフタレートのような高融点重合体を
使用した場合には通常250℃以上の高い紡糸温度を使
用するが、その場合にエチレン含有量が30mol%よ
りも少ないとエチレン−ビニルアルコール系共重合体の
耐熱性が不十分になり、良好な複合繊維が得られなくな
る。
【0011】一方、エチレン含有量が70mol%を超
えると、ビニルアルコール単位、すなわち水酸基の割合
が必然的に少なくなり、その結果、架橋反応の割合が減
少して、目的とする微粒子を包埋することが困難にな
る。微粒子を効率よく、また脱落することなく繊維内に
包埋し得るという点から、エチレン−ビニルアルコール
系共重合体におけるエチレン含有量は、30〜70mo
l%であるのが好ましく、特に40〜70mol%であ
るのが好ましい。
えると、ビニルアルコール単位、すなわち水酸基の割合
が必然的に少なくなり、その結果、架橋反応の割合が減
少して、目的とする微粒子を包埋することが困難にな
る。微粒子を効率よく、また脱落することなく繊維内に
包埋し得るという点から、エチレン−ビニルアルコール
系共重合体におけるエチレン含有量は、30〜70mo
l%であるのが好ましく、特に40〜70mol%であ
るのが好ましい。
【0012】次に本発明で使用される変性オレフィン−
ビニルアルコール系共重合体の製造方法について、エチ
レン−ビニルアルコール系共重合体を例として説明する
と、メタノールなどの重合溶媒中でエチレンと酢酸ビニ
ルをラジカル重合触媒下でラジカル重合させ、ついで未
反応モノマーの追い出し、ついで苛性ソーダによりケン
化反応を起こさせ、エチレン−ビニルアルコール系共重
合体とした後、水中でペレット化した後、水洗して乾燥
する。またエチレン−ビニルアルコール系共重合体のケ
ン化度は、95%以上にすることが好ましい。ケン化度
が低くなると、重合体の結晶性が低下し、強度等の繊維
物性が低下してくるのみならず、該重合体が軟化しやす
くなり加工工程でトラブルが発生してくるとともに得ら
れた繊維構造物の風合も悪くなり好ましくない。
ビニルアルコール系共重合体の製造方法について、エチ
レン−ビニルアルコール系共重合体を例として説明する
と、メタノールなどの重合溶媒中でエチレンと酢酸ビニ
ルをラジカル重合触媒下でラジカル重合させ、ついで未
反応モノマーの追い出し、ついで苛性ソーダによりケン
化反応を起こさせ、エチレン−ビニルアルコール系共重
合体とした後、水中でペレット化した後、水洗して乾燥
する。またエチレン−ビニルアルコール系共重合体のケ
ン化度は、95%以上にすることが好ましい。ケン化度
が低くなると、重合体の結晶性が低下し、強度等の繊維
物性が低下してくるのみならず、該重合体が軟化しやす
くなり加工工程でトラブルが発生してくるとともに得ら
れた繊維構造物の風合も悪くなり好ましくない。
【0013】本発明においては、該共重合体は単独で繊
維化してもよいし、目的に応じて他の熱可塑性重合体と
複合紡糸してもよい。かかる熱可塑性重合体としては、
耐熱性、寸法安定性等の点から、融点が150℃以上の
結晶性熱可塑性重合体であることが好ましい。かかる熱
可塑性重合体としては、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リプロピレン等を挙げることができる。
維化してもよいし、目的に応じて他の熱可塑性重合体と
複合紡糸してもよい。かかる熱可塑性重合体としては、
耐熱性、寸法安定性等の点から、融点が150℃以上の
結晶性熱可塑性重合体であることが好ましい。かかる熱
可塑性重合体としては、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リプロピレン等を挙げることができる。
【0014】ポリエステルとしては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタ
ル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4'−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはこれら
のエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等のジオールまたはこれらのエス
テル形成性誘導体とから合成されるポリエステルや、ポ
リ乳酸等のポリエステルをあげることができ、中でも構
成単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位また
は、ブチレンテレフタレート単位であるポリエステルが
好ましい。また、かかるポリエステル中には、少量の添
加剤、蛍光増白剤、安定剤、紫外線吸収剤が含まれてい
てもよい。
ソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタ
ル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4'−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはこれら
のエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等のジオールまたはこれらのエス
テル形成性誘導体とから合成されるポリエステルや、ポ
リ乳酸等のポリエステルをあげることができ、中でも構
成単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位また
は、ブチレンテレフタレート単位であるポリエステルが
好ましい。また、かかるポリエステル中には、少量の添
加剤、蛍光増白剤、安定剤、紫外線吸収剤が含まれてい
てもよい。
【0015】ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン12を主成分とする脂肪族ポリアミ
ド、半芳香族ポリアミドをあげることができ、少量の第
3成分を含むポリアミドでもよい。かかるポリアミド中
には、少量の添加剤、蛍光増白剤、安定剤、紫外線吸収
剤等が含まれていてもよい。
ン66、ナイロン12を主成分とする脂肪族ポリアミ
ド、半芳香族ポリアミドをあげることができ、少量の第
3成分を含むポリアミドでもよい。かかるポリアミド中
には、少量の添加剤、蛍光増白剤、安定剤、紫外線吸収
剤等が含まれていてもよい。
【0016】反応性基を有する重合体(C)と他の熱可
塑性重合体との複合繊維を使用する場合、両重合体の複
合比は前者:後者(質量比)=20:80〜90:10
であることが紡糸性および微粒子包埋効果の点で好まし
い。また複合形態は、芯鞘、サイドバイサイド、積層等
の従来公知の複合形態であれば、特に限定はないが、該
重合体(C)が繊維表面の少なくとも一部分に露出して
いることが必要であり、重合体(C)の有する機能性、
風合改良性を発現させるためには、好ましくは50%以
上、特に100%露出していることが好ましい。
塑性重合体との複合繊維を使用する場合、両重合体の複
合比は前者:後者(質量比)=20:80〜90:10
であることが紡糸性および微粒子包埋効果の点で好まし
い。また複合形態は、芯鞘、サイドバイサイド、積層等
の従来公知の複合形態であれば、特に限定はないが、該
重合体(C)が繊維表面の少なくとも一部分に露出して
いることが必要であり、重合体(C)の有する機能性、
風合改良性を発現させるためには、好ましくは50%以
上、特に100%露出していることが好ましい。
【0017】次に、反応性基を有する重合体(C)を少
なくとも一成分とする繊維の処理方法について、変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体を少なくとも一
成分とする繊維の処理方法を例に挙げて詳述する。水酸
基を有する重合体、特にポリビニルアルコールや変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維
は、一般に耐熱水性を向上させるために架橋剤としてジ
アルデヒドおよび/またはジアルデヒド誘導体を用いて
アセタール化架橋処理が行われているが、本発明におい
ては、この架橋処理時に特定粒径の微粒子を存在させて
おくことにより、架橋反応と同時に微粒子が該重合体に
包埋される点に最大の特徴がある。
なくとも一成分とする繊維の処理方法について、変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体を少なくとも一
成分とする繊維の処理方法を例に挙げて詳述する。水酸
基を有する重合体、特にポリビニルアルコールや変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維
は、一般に耐熱水性を向上させるために架橋剤としてジ
アルデヒドおよび/またはジアルデヒド誘導体を用いて
アセタール化架橋処理が行われているが、本発明におい
ては、この架橋処理時に特定粒径の微粒子を存在させて
おくことにより、架橋反応と同時に微粒子が該重合体に
包埋される点に最大の特徴がある。
【0018】処理方法としては、浴中処理法、パディン
グ法、コーティング法、スプレー法、気流処理法など通
常の加工処理法を採用することができる。そのうちで
も、浴中処理法が、繊維の水による膨潤が起こり、繊維
中に微粒子を取り込みやすく、また架橋反応の均一性の
点から好ましい。
グ法、コーティング法、スプレー法、気流処理法など通
常の加工処理法を採用することができる。そのうちで
も、浴中処理法が、繊維の水による膨潤が起こり、繊維
中に微粒子を取り込みやすく、また架橋反応の均一性の
点から好ましい。
【0019】一般的に微粒子を該重合体中に包埋させる
手法としては、微粒子が反応性基を有している場合に
は、該重合体中の水酸基と直接反応させるなどの手法が
挙げられる。一方、微粒子が該重合体中の水酸基と反応
する官能基を有しない場合は、通常重合体中に練り込
む、あるいは後加工で繊維中に固着させるために、バイ
ンダー樹脂や、コーテイングによって付着させる方法が
取られている。しかしながら、練り込みの場合、微粒子
の平均粒径に制約があり、0.3μmを超えると紡糸ノ
ズル詰まりや、毛羽発生の原因となり、添加量が多い
と、ガイド摩耗等の問題がある。また後加工により、バ
インダー樹脂を使用して微粒子を付着させる場合、バイ
ンダー樹脂により、平滑な表面となり、膨らみ感のない
風合いとなる。また付着状態も繊維表面に限定され、繰
り返し洗濯による脱落の問題もある。
手法としては、微粒子が反応性基を有している場合に
は、該重合体中の水酸基と直接反応させるなどの手法が
挙げられる。一方、微粒子が該重合体中の水酸基と反応
する官能基を有しない場合は、通常重合体中に練り込
む、あるいは後加工で繊維中に固着させるために、バイ
ンダー樹脂や、コーテイングによって付着させる方法が
取られている。しかしながら、練り込みの場合、微粒子
の平均粒径に制約があり、0.3μmを超えると紡糸ノ
ズル詰まりや、毛羽発生の原因となり、添加量が多い
と、ガイド摩耗等の問題がある。また後加工により、バ
インダー樹脂を使用して微粒子を付着させる場合、バイ
ンダー樹脂により、平滑な表面となり、膨らみ感のない
風合いとなる。また付着状態も繊維表面に限定され、繰
り返し洗濯による脱落の問題もある。
【0020】このような問題に対して、本発明において
は、後加工により重合体の架橋処理を行う際に、特定の
平均粒径の微粒子を添加し、架橋構造中に微粒子の少な
くとも一部分を包埋することにより、これらの問題が一
挙に解決したのである。
は、後加工により重合体の架橋処理を行う際に、特定の
平均粒径の微粒子を添加し、架橋構造中に微粒子の少な
くとも一部分を包埋することにより、これらの問題が一
挙に解決したのである。
【0021】本発明における微粒子の包埋とは、架橋構
造を有する繊維内に微粒子の少なくとも一部分を取り込
むことであるが、微粒子を架橋構造内に取り込むには、
架橋構造が形成される前に、微粒子を重合体構造中に包
含させ、架橋構造が形成される際に該微粒子を架橋構造
中に取り込むことで包埋が可能となる。この場合、該微
粒子は架橋構造を有する繊維内に完全に包埋されていて
もよい。包埋された微粒子は架橋構造中に封入されるの
で、物理的付着とは異なり、繰り返し洗濯等による脱落
が生じにくい。
造を有する繊維内に微粒子の少なくとも一部分を取り込
むことであるが、微粒子を架橋構造内に取り込むには、
架橋構造が形成される前に、微粒子を重合体構造中に包
含させ、架橋構造が形成される際に該微粒子を架橋構造
中に取り込むことで包埋が可能となる。この場合、該微
粒子は架橋構造を有する繊維内に完全に包埋されていて
もよい。包埋された微粒子は架橋構造中に封入されるの
で、物理的付着とは異なり、繰り返し洗濯等による脱落
が生じにくい。
【0022】繊維への微粒子包埋による各種機能性の発
現には、該微粒子が繊維の表面に露出していることが好
ましい。従来の繊維内に微粒子を練り込む方法は、微粒
子が繊維内に均一に分散されているため、繊維表面に露
出しにくい。一方、本発明における微粒子の包埋状態
は、包埋された微粒子の大部分について、その表面積の
半分以上が繊維表面に露出していることに特徴がある。
そのため、微粒子の包埋による効果が奏されやすい。
現には、該微粒子が繊維の表面に露出していることが好
ましい。従来の繊維内に微粒子を練り込む方法は、微粒
子が繊維内に均一に分散されているため、繊維表面に露
出しにくい。一方、本発明における微粒子の包埋状態
は、包埋された微粒子の大部分について、その表面積の
半分以上が繊維表面に露出していることに特徴がある。
そのため、微粒子の包埋による効果が奏されやすい。
【0023】本発明に用いられる微粒子としては、有機
高分子からなる微粒子や無機微粒子等があげられ、該微
粒子の形状については特に限定されない。上述のよう
に、アセタール化架橋処理を行う場合には浴中処理法が
好ましく用いられるが、この場合、該微粒子を加工処理
液中に均一に分散させることが望ましい。従って、加工
処理液への微粒子の分散性等から、無機微粒子を用いる
のが好ましい。
高分子からなる微粒子や無機微粒子等があげられ、該微
粒子の形状については特に限定されない。上述のよう
に、アセタール化架橋処理を行う場合には浴中処理法が
好ましく用いられるが、この場合、該微粒子を加工処理
液中に均一に分散させることが望ましい。従って、加工
処理液への微粒子の分散性等から、無機微粒子を用いる
のが好ましい。
【0024】本発明における微粒子の平均粒径は、0.
1〜3μmであることが必要である。この粒径の範囲外
のものであっても、粒度分布の中で、一定粒径のものが
架橋構造中に取り込まれ、使用することが可能である。
粒径が0.1μm未満の場合は、変性オレフィン−ビニ
ルアルコール系共重合体の架橋構造の内部に入ったもの
が、染色等の加工工程中、あるいは洗濯、ドライクリー
ニング等により溶出しやすいので、粒径の下限値は好ま
しくは0.1μm、より好ましくは0.2μmである。
一方、粒径が3μmよりも大きい場合は、架橋構造中に
微粒子を繊維内部まで包埋することが困難であり、洗
濯、摩擦等で脱落し、耐久性のある機能性を得ることが
困難となる。
1〜3μmであることが必要である。この粒径の範囲外
のものであっても、粒度分布の中で、一定粒径のものが
架橋構造中に取り込まれ、使用することが可能である。
粒径が0.1μm未満の場合は、変性オレフィン−ビニ
ルアルコール系共重合体の架橋構造の内部に入ったもの
が、染色等の加工工程中、あるいは洗濯、ドライクリー
ニング等により溶出しやすいので、粒径の下限値は好ま
しくは0.1μm、より好ましくは0.2μmである。
一方、粒径が3μmよりも大きい場合は、架橋構造中に
微粒子を繊維内部まで包埋することが困難であり、洗
濯、摩擦等で脱落し、耐久性のある機能性を得ることが
困難となる。
【0025】微粒子を所定の粒径とするための粉砕法と
しては、無機微粒子の粉砕法があげられるが、例えば、
公知の粉砕機を用いた乾式法、水を用いた湿式法のいず
れも用いることができる。本発明においては、微粒子の
種類は1種類だけでなく2種類以上の異なる微粒子、ま
た同種の微粒子であって粒度分布の異なるものを併用し
ても差支えない。
しては、無機微粒子の粉砕法があげられるが、例えば、
公知の粉砕機を用いた乾式法、水を用いた湿式法のいず
れも用いることができる。本発明においては、微粒子の
種類は1種類だけでなく2種類以上の異なる微粒子、ま
た同種の微粒子であって粒度分布の異なるものを併用し
ても差支えない。
【0026】本発明に使用される無機微粒子としては、
例えばスメクタイト、トルマリン、珪酸アルミニウム、
珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムカルシウ
ム、セリサイト、二酸化チタン、酸化鉄、酸化コバル
ト、酸化銅、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の多価金属
酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、銀・ジルコニ
ウム等が挙げられる。
例えばスメクタイト、トルマリン、珪酸アルミニウム、
珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムカルシウ
ム、セリサイト、二酸化チタン、酸化鉄、酸化コバル
ト、酸化銅、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の多価金属
酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、銀・ジルコニ
ウム等が挙げられる。
【0027】本発明においては、例えば変性オレフィン
−ビニルアルコール系共重合体繊維をアセタール化架橋
処理する際に微粒子を同時に添加することにより、架橋
結合の導入で、重合体の分子運動が拘束される前に、熱
水中での繊維の膨潤によって、微粒子を繊維内部の非晶
領域まで、効率良く取り込むことができる。また、架橋
結合により、繊維中に網目構造が発現し、本発明に規定
している粒径の微粒子の溶出を防止することができる。
またこの架橋処理によって、耐熱水性が向上する。一
方、アセタール化架橋処理を先に行った後、微粒子を熱
水中で処理した場合は、架橋により重合体の分子運動が
拘束されるため、該共重合体繊維の熱水中での膨潤が抑
制され、微粒子が拡散されにくく、繊維中に効率よく取
り込むことができない。
−ビニルアルコール系共重合体繊維をアセタール化架橋
処理する際に微粒子を同時に添加することにより、架橋
結合の導入で、重合体の分子運動が拘束される前に、熱
水中での繊維の膨潤によって、微粒子を繊維内部の非晶
領域まで、効率良く取り込むことができる。また、架橋
結合により、繊維中に網目構造が発現し、本発明に規定
している粒径の微粒子の溶出を防止することができる。
またこの架橋処理によって、耐熱水性が向上する。一
方、アセタール化架橋処理を先に行った後、微粒子を熱
水中で処理した場合は、架橋により重合体の分子運動が
拘束されるため、該共重合体繊維の熱水中での膨潤が抑
制され、微粒子が拡散されにくく、繊維中に効率よく取
り込むことができない。
【0028】アセタール化架橋処理に用いる化合物とし
ては、グルタルアルデヒド、グリオキザール、1,9−
ノナンジアール等のジアルデヒドが挙げられるが、これ
らのジアルデヒドは、空気中の酸素により酸化されやす
く、経時安定性が悪い。そのため、該ジアルデヒドを用
いてのアセタール化の反応効率が悪く、微粒子の包埋が
困難となる。そこで、本発明においては、下記一般式
(1)で示される化合物を用いることが好ましい。
ては、グルタルアルデヒド、グリオキザール、1,9−
ノナンジアール等のジアルデヒドが挙げられるが、これ
らのジアルデヒドは、空気中の酸素により酸化されやす
く、経時安定性が悪い。そのため、該ジアルデヒドを用
いてのアセタール化の反応効率が悪く、微粒子の包埋が
困難となる。そこで、本発明においては、下記一般式
(1)で示される化合物を用いることが好ましい。
【化1】
【0029】ここで式中、R1〜R4で表されるアルキル
基としては炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、中
でも使いやすさのメチル基が好ましい。また、該アルキ
ル基はエチレンオキシ基等のアルキレンオキシ基で置換
されていてもよい。また、R 1〜R4の全てが同じ種類の
アルキル基であってもまたは異なっていてもよい。さら
に、R1とR2および/またはR3とR4が結合して環を形
成するアルキレン基である場合、アルキレン基としては
炭素数1〜4のアルキレン基が好ましいが、環構造の安
定性を考慮すると5員環または6員環が好ましく、従っ
て炭素数が2〜3個のエチレンまたはプロピレン基が好
ましい。これらのアルキル基、アルキレン基はいずれも
置換基を有していてもよい。
基としては炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、中
でも使いやすさのメチル基が好ましい。また、該アルキ
ル基はエチレンオキシ基等のアルキレンオキシ基で置換
されていてもよい。また、R 1〜R4の全てが同じ種類の
アルキル基であってもまたは異なっていてもよい。さら
に、R1とR2および/またはR3とR4が結合して環を形
成するアルキレン基である場合、アルキレン基としては
炭素数1〜4のアルキレン基が好ましいが、環構造の安
定性を考慮すると5員環または6員環が好ましく、従っ
て炭素数が2〜3個のエチレンまたはプロピレン基が好
ましい。これらのアルキル基、アルキレン基はいずれも
置換基を有していてもよい。
【0030】また、上記一般式(1)で表される式中、
nは化合物(1)を複数使用して処理する場合には、そ
の組成比に照らし合わせて算出した値であり、整数とは
限らない。化合物(1)は、架橋処理に際しては分岐鎖
を持たないことが好ましく、そのためR5は水素である
ことが好ましい。しかしながら、化合物(1)は、R5
が炭素数1〜4のアルキル基である、いわゆる分岐鎖を
有する化合物と、分岐鎖を有しない化合物の混合物であ
ってもよいが、耐熱性に一層優れる繊維が得られる点
で、分岐鎖を持たない化合物のみ、あるいは分岐鎖を持
たない化合物の比率が大きい混合物を使用することがよ
り好ましい。また、化合物(1)におけるnは1〜10
の数である。n個存在するR5は、全て同じ基、例え
ば、全てが水素であっても、例えば、アルキル基と水素
の和がn個となるように混在した場合も含む。また、ア
ルキル基としては同じ種類の基であっても、または異な
った種類の基が混在していてもよい。
nは化合物(1)を複数使用して処理する場合には、そ
の組成比に照らし合わせて算出した値であり、整数とは
限らない。化合物(1)は、架橋処理に際しては分岐鎖
を持たないことが好ましく、そのためR5は水素である
ことが好ましい。しかしながら、化合物(1)は、R5
が炭素数1〜4のアルキル基である、いわゆる分岐鎖を
有する化合物と、分岐鎖を有しない化合物の混合物であ
ってもよいが、耐熱性に一層優れる繊維が得られる点
で、分岐鎖を持たない化合物のみ、あるいは分岐鎖を持
たない化合物の比率が大きい混合物を使用することがよ
り好ましい。また、化合物(1)におけるnは1〜10
の数である。n個存在するR5は、全て同じ基、例え
ば、全てが水素であっても、例えば、アルキル基と水素
の和がn個となるように混在した場合も含む。また、ア
ルキル基としては同じ種類の基であっても、または異な
った種類の基が混在していてもよい。
【0031】本発明では、化合物(1)として、1種類
の化合物のみを使用しても、またはnが異なる複数の化
合物を混合して用いてもよい。nが異なる化合物の混合
物を使用する場合は、該化合物におけるnの平均値が1
〜10の範囲であればよい。本発明では、化合物(1)
におけるnの値[化合物(1)の混合物の場合はnの平
均値]が5〜9であることが、架橋処理された繊維製品
の風合の点から好ましい。
の化合物のみを使用しても、またはnが異なる複数の化
合物を混合して用いてもよい。nが異なる化合物の混合
物を使用する場合は、該化合物におけるnの平均値が1
〜10の範囲であればよい。本発明では、化合物(1)
におけるnの値[化合物(1)の混合物の場合はnの平
均値]が5〜9であることが、架橋処理された繊維製品
の風合の点から好ましい。
【0032】化合物(1)の好ましい具体例としては、
1,1,6,6−テトラメトキシヘキサン、1,1,
6,6−テトラエトキシヘキサン、1,1,7,7−テ
トラメトキシヘプタン、1,1,7,7−テトラエトキ
シヘプタン、1,1,8,8−テトラメトキシオクタ
ン、1,1,8,8−テトラエトキシオクタン、1,
1,9,9−テトラメトキシノナン、1,1,9,9−
テトラエトキシノナン、1,1,9,9−ビスエチレン
ジオキシノナン、1,1,9,9−ビスプロピレンジオ
キシノナン、1,1,10,10−テトラメトキシデカ
ン、1,1,10,10−テトラエトキシデカン、1,
1,11,11−テトラメトキシウンデカン、1,1,
11,11−テトラエトキシウンデカンなどを挙げるこ
とができる。これらの化合物は単独で使用しても、また
は2種類以上を用いてもよい。そのうちでも、架橋繊維
の風合の点から、1,1,9,9−テトラエトキシノナ
ン等の1,1,9,9−テトラアルコキシノナン、1,
1,9,9−ビスエチレンジオキシノナン、1,1,
9,9−ビスプロピレンジオキシノナン等の1,1,
9,9−ビスアルキレンジオキシノナンが好ましく用い
られ、特に、1,1,9,9−ビスエチレンジオキシノ
ナンが好ましく用いられる。
1,1,6,6−テトラメトキシヘキサン、1,1,
6,6−テトラエトキシヘキサン、1,1,7,7−テ
トラメトキシヘプタン、1,1,7,7−テトラエトキ
シヘプタン、1,1,8,8−テトラメトキシオクタ
ン、1,1,8,8−テトラエトキシオクタン、1,
1,9,9−テトラメトキシノナン、1,1,9,9−
テトラエトキシノナン、1,1,9,9−ビスエチレン
ジオキシノナン、1,1,9,9−ビスプロピレンジオ
キシノナン、1,1,10,10−テトラメトキシデカ
ン、1,1,10,10−テトラエトキシデカン、1,
1,11,11−テトラメトキシウンデカン、1,1,
11,11−テトラエトキシウンデカンなどを挙げるこ
とができる。これらの化合物は単独で使用しても、また
は2種類以上を用いてもよい。そのうちでも、架橋繊維
の風合の点から、1,1,9,9−テトラエトキシノナ
ン等の1,1,9,9−テトラアルコキシノナン、1,
1,9,9−ビスエチレンジオキシノナン、1,1,
9,9−ビスプロピレンジオキシノナン等の1,1,
9,9−ビスアルキレンジオキシノナンが好ましく用い
られ、特に、1,1,9,9−ビスエチレンジオキシノ
ナンが好ましく用いられる。
【0033】該化合物で水に難溶解のものは、アニオン
系界面活性剤を2〜25質量%、非イオン系界面活性剤
を2〜30質量%の割合で乳化して使用することが好ま
しい。アニオン系界面活性剤としてアルキルアリールス
ルホン酸塩および/またはポリオキシアルキレントリス
チリルフェニルエーテル硫酸塩を用い、そして非イオン
系界面活性剤として、ヒマシ油アルキレンオキサイド付
加物、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸部分
エステルおよびポリオキシアルキレントリスチリルフェ
ニルエーテルのうちの1種または2種以上を用いると、
化合物(1)の乳化安定性、起泡抑制効果などが良好な
ものとなる。化合物(1)の濃度は、処理される変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体繊維に対して、
5〜40質量%であることが好ましく、特に20〜30
質量%が好ましい。
系界面活性剤を2〜25質量%、非イオン系界面活性剤
を2〜30質量%の割合で乳化して使用することが好ま
しい。アニオン系界面活性剤としてアルキルアリールス
ルホン酸塩および/またはポリオキシアルキレントリス
チリルフェニルエーテル硫酸塩を用い、そして非イオン
系界面活性剤として、ヒマシ油アルキレンオキサイド付
加物、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸部分
エステルおよびポリオキシアルキレントリスチリルフェ
ニルエーテルのうちの1種または2種以上を用いると、
化合物(1)の乳化安定性、起泡抑制効果などが良好な
ものとなる。化合物(1)の濃度は、処理される変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体繊維に対して、
5〜40質量%であることが好ましく、特に20〜30
質量%が好ましい。
【0034】本発明においてアセタール化架橋処理は、
酸性下で行われ、酸性度は塩酸、硫酸等の無機酸、酢
酸、ギ酸、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、リン
ゴ酸、コハク酸等の有機酸によって調整することができ
る。なかでも処理装置の耐腐食性の点で有機酸が好まし
く使用される。水溶性の酸以外にも活性白土やイオン交
換樹脂などの固体酸を使用してもよい。
酸性下で行われ、酸性度は塩酸、硫酸等の無機酸、酢
酸、ギ酸、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、リン
ゴ酸、コハク酸等の有機酸によって調整することができ
る。なかでも処理装置の耐腐食性の点で有機酸が好まし
く使用される。水溶性の酸以外にも活性白土やイオン交
換樹脂などの固体酸を使用してもよい。
【0035】アセタール化架橋処理は、pH=1〜5の
酸性下で行うのが好ましい。pHが1未満での強酸下で
の処理は、着色、黄変の問題が生じ、耐光性不良の問題
が生じる。一方、pHが5を超えての処理は、処理温
度、処理時間等の処理条件を過酷にしないと、アセター
ル化が不十分となり、耐熱水性の向上を達成することが
できない。アセタール化架橋処理の点から、処理液のp
Hは2〜4が好ましい。
酸性下で行うのが好ましい。pHが1未満での強酸下で
の処理は、着色、黄変の問題が生じ、耐光性不良の問題
が生じる。一方、pHが5を超えての処理は、処理温
度、処理時間等の処理条件を過酷にしないと、アセター
ル化が不十分となり、耐熱水性の向上を達成することが
できない。アセタール化架橋処理の点から、処理液のp
Hは2〜4が好ましい。
【0036】変性オレフィン−ビニルアルコール系共重
合体の融点上昇効果、それに伴う耐熱水性の向上、微粒
子の包埋効率等により、処理温度は、90℃以上、12
0℃以下が好ましい。90℃未満の処理温度では上述の
pH範囲において、アセタール化速度が著しく遅くな
り、アセタール化、微粒子の包埋性が不十分となり、耐
熱水性向上効果及び、微粒子の包埋効果が発揮されな
い。一方、120℃を超えた処理温度では、繊維が過大
収縮を起こし、布帛の風合が損なわれる。
合体の融点上昇効果、それに伴う耐熱水性の向上、微粒
子の包埋効率等により、処理温度は、90℃以上、12
0℃以下が好ましい。90℃未満の処理温度では上述の
pH範囲において、アセタール化速度が著しく遅くな
り、アセタール化、微粒子の包埋性が不十分となり、耐
熱水性向上効果及び、微粒子の包埋効果が発揮されな
い。一方、120℃を超えた処理温度では、繊維が過大
収縮を起こし、布帛の風合が損なわれる。
【0037】染色処理は、アセタール化架橋処理時に同
時に行うこともできる。その際、耐酸性の良い染料を選
択しなければ、染料の発色性が悪化する場合がある。ま
たアセタール化処理後に通常の染色処理を行うこともで
きる。
時に行うこともできる。その際、耐酸性の良い染料を選
択しなければ、染料の発色性が悪化する場合がある。ま
たアセタール化処理後に通常の染色処理を行うこともで
きる。
【0038】本発明において処理される繊維の形態は特
に限定されず、例えば、ワタ状、短繊維状、長繊維状、
ステープルファイバー状、綛状、布帛状、網状、衣類や
その他の繊維製品のいずれの形態であってもよいが、該
繊維からなる織編物または該繊維を含む織編物、不織布
等の布帛の形態で処理を行うことが工程上、また操作容
易性の点で好ましい。
に限定されず、例えば、ワタ状、短繊維状、長繊維状、
ステープルファイバー状、綛状、布帛状、網状、衣類や
その他の繊維製品のいずれの形態であってもよいが、該
繊維からなる織編物または該繊維を含む織編物、不織布
等の布帛の形態で処理を行うことが工程上、また操作容
易性の点で好ましい。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれらにより何ら限定されない。本実
施例中の測定値は以下の方法で測定したものである。 (1)微粒子包埋量(質量%) 微粒子を添加した場合の架橋処理後の布帛を60℃にて
減圧乾燥(133Pa)を12時間行い絶乾した後の重
量Wを測定した。また、架橋処理前の布帛を60℃にて
減圧乾燥(133Pa)を12時間行い絶乾した後の重
量をW0とし、その差(W−W0)を架橋剤の重量増加率
Wtとした。また、微粒子を添加しない場合の架橋剤の
重量増加率Wtrとした。重量増加率の差(Wt−W
tr)を微粒子包埋量とした。 微粒子包埋量(質量%)=(Wt−Wtr) また、繊維表面での微粒子の包埋状態は走査型電子顕微
鏡により拡大して観察を行った。 (2)融点(℃) 示差走査熱量計(DSC)により、以下の条件で測定し
て、吸熱ピーク温度で示す。 測定条件:35℃で1分間放置し、ついで300℃まで
速度10℃/分で昇温した。また、試料が複合繊維の場
合は、そのまま測定を行い、低温側のピークをエチレン
−ビニルアルコール系共重合体の融点とした。 (3)架橋繊維の風合 架橋処理後の乾燥布帛に手で触れて風合を調べ、以下に
示すような基準で評価した。 ○:膠着もなくソフト △:一部膠着が見られる ×:膠着し、硬化
するが、本発明はそれらにより何ら限定されない。本実
施例中の測定値は以下の方法で測定したものである。 (1)微粒子包埋量(質量%) 微粒子を添加した場合の架橋処理後の布帛を60℃にて
減圧乾燥(133Pa)を12時間行い絶乾した後の重
量Wを測定した。また、架橋処理前の布帛を60℃にて
減圧乾燥(133Pa)を12時間行い絶乾した後の重
量をW0とし、その差(W−W0)を架橋剤の重量増加率
Wtとした。また、微粒子を添加しない場合の架橋剤の
重量増加率Wtrとした。重量増加率の差(Wt−W
tr)を微粒子包埋量とした。 微粒子包埋量(質量%)=(Wt−Wtr) また、繊維表面での微粒子の包埋状態は走査型電子顕微
鏡により拡大して観察を行った。 (2)融点(℃) 示差走査熱量計(DSC)により、以下の条件で測定し
て、吸熱ピーク温度で示す。 測定条件:35℃で1分間放置し、ついで300℃まで
速度10℃/分で昇温した。また、試料が複合繊維の場
合は、そのまま測定を行い、低温側のピークをエチレン
−ビニルアルコール系共重合体の融点とした。 (3)架橋繊維の風合 架橋処理後の乾燥布帛に手で触れて風合を調べ、以下に
示すような基準で評価した。 ○:膠着もなくソフト △:一部膠着が見られる ×:膠着し、硬化
【0040】実施例1〜5 重合溶媒としてメタノールを用い、60℃下でエチレン
と酢酸ビニルをラジカル重合させ、エチレン含有量が4
4mol%のランダム重合体を作製し、ついで苛性ソー
ダによるケン化処理を行い、ケン化度99%以上のエチ
レン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物とした後、湿潤状
態の重合体を酢酸が少量添加されている大過剰の純水で
洗浄を繰り返し、重合体中のK,Naのアルカリ金属イ
オン及びMg,Caのアルカリ土類金属イオン含有量を
それぞれ約10ppm以下とし、その後、脱水機により
重合体から水を分離した後、更に100℃以下で真空乾
燥を十分に実施して固有粘度[η]=1.05dl/g
(85%含水フェノールを溶剤とし30℃下で測定)の
重合体を得た。熱可塑性重合体として、[η]0.62dl/g
(溶媒としてフェノールとテトラクロルエタンの等量混
合溶媒を用い30℃恒温槽中でウーベローデ型粘度計を
用いて測定した)のポリエチレンテレフタレートを用
い、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)とポ
リエチレンテレフタレート(B)を複合比A/B=1/
1の芯鞘複合繊維を得た(Aが鞘部を、Bが芯部を形
成)。紡糸温度は250℃、紡糸速度1000m/分で
巻き取った。得られた紡糸原糸を延伸して、83dtex/
24fの複合フィラメントを得た。その後、この複合フ
ィラメントを経糸及び緯糸として使い平織物とした。
と酢酸ビニルをラジカル重合させ、エチレン含有量が4
4mol%のランダム重合体を作製し、ついで苛性ソー
ダによるケン化処理を行い、ケン化度99%以上のエチ
レン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物とした後、湿潤状
態の重合体を酢酸が少量添加されている大過剰の純水で
洗浄を繰り返し、重合体中のK,Naのアルカリ金属イ
オン及びMg,Caのアルカリ土類金属イオン含有量を
それぞれ約10ppm以下とし、その後、脱水機により
重合体から水を分離した後、更に100℃以下で真空乾
燥を十分に実施して固有粘度[η]=1.05dl/g
(85%含水フェノールを溶剤とし30℃下で測定)の
重合体を得た。熱可塑性重合体として、[η]0.62dl/g
(溶媒としてフェノールとテトラクロルエタンの等量混
合溶媒を用い30℃恒温槽中でウーベローデ型粘度計を
用いて測定した)のポリエチレンテレフタレートを用
い、エチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)とポ
リエチレンテレフタレート(B)を複合比A/B=1/
1の芯鞘複合繊維を得た(Aが鞘部を、Bが芯部を形
成)。紡糸温度は250℃、紡糸速度1000m/分で
巻き取った。得られた紡糸原糸を延伸して、83dtex/
24fの複合フィラメントを得た。その後、この複合フ
ィラメントを経糸及び緯糸として使い平織物とした。
【0041】この生機平織物は水酸化ナトリウム1g/
lとアクチノールR−100を0.5g/l含む混合液
で80℃、30分間糊抜きした。その後、ピンテンター
にて145℃でプレセットした。その後、架橋剤とし
て、1,1,9,9−ビスエチレンジオキシノナン(B
EN)を用い、該架橋剤に下記の表1に示す割合で混合
して、繊維架橋用処理剤を調製した。この架橋用処理剤
を用いて、以下に示すような条件で架橋処理を行った。
結果を表2に示す。
lとアクチノールR−100を0.5g/l含む混合液
で80℃、30分間糊抜きした。その後、ピンテンター
にて145℃でプレセットした。その後、架橋剤とし
て、1,1,9,9−ビスエチレンジオキシノナン(B
EN)を用い、該架橋剤に下記の表1に示す割合で混合
して、繊維架橋用処理剤を調製した。この架橋用処理剤
を用いて、以下に示すような条件で架橋処理を行った。
結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】架橋処理条件: 架橋処理剤(BEN等乳化物) 12質量% メイスターSA(有効成分:アルキルジフェニルエーテ
ルスルホン酸塩 明成化学工業製) 0.8g/L (マレイン酸等によりpHを変化させる) 微粒子 表2に記載 浴比 1:20 処理時間 115℃×40分
ルスルホン酸塩 明成化学工業製) 0.8g/L (マレイン酸等によりpHを変化させる) 微粒子 表2に記載 浴比 1:20 処理時間 115℃×40分
【0044】
【表2】
【0045】表2に示したように、平均粒径0.3〜
0.5μmであるスメクタイト(プリシェード2A:一
方社油脂工業製)や平均粒径0.2〜3μmであるトル
マリンや、セブントールN−PC(酸化チタン・亜鉛・
リンの複合組成物:武田薬品工業製)を0.5〜5質量
%添加したものについては、該微粒子が0.4〜2.4
質量%該繊維の表面に包埋されており、良好な風合のも
のが得られた。また、走査型電子顕微鏡により包埋状態
を観察したところ、包埋されている微粒子の大部分につ
いて、その表面積の半分以上が該繊維の表面に露出して
いた。これらの結果から、架橋処理と同時に微粒子を添
加することにより、微粒子を効率よく架橋構造中に取り
込むことができる。一方、架橋後に微粒子を添加して処
理した場合、繊維の膨潤が抑制され、微粒子を繊維中に
包埋することができなかった。
0.5μmであるスメクタイト(プリシェード2A:一
方社油脂工業製)や平均粒径0.2〜3μmであるトル
マリンや、セブントールN−PC(酸化チタン・亜鉛・
リンの複合組成物:武田薬品工業製)を0.5〜5質量
%添加したものについては、該微粒子が0.4〜2.4
質量%該繊維の表面に包埋されており、良好な風合のも
のが得られた。また、走査型電子顕微鏡により包埋状態
を観察したところ、包埋されている微粒子の大部分につ
いて、その表面積の半分以上が該繊維の表面に露出して
いた。これらの結果から、架橋処理と同時に微粒子を添
加することにより、微粒子を効率よく架橋構造中に取り
込むことができる。一方、架橋後に微粒子を添加して処
理した場合、繊維の膨潤が抑制され、微粒子を繊維中に
包埋することができなかった。
【0046】比較例1、2 実施例1,4において、表2のアセタール化架橋処理剤
を使用しないこと以外は同様にして、微粒子を添加した
結果を表3に示す。アセタール化処理をしないと、微粒
子を繊維中に包埋できず、かつ耐熱水性に劣るため、該
繊維の膠着、硬化が見られた。
を使用しないこと以外は同様にして、微粒子を添加した
結果を表3に示す。アセタール化処理をしないと、微粒
子を繊維中に包埋できず、かつ耐熱水性に劣るため、該
繊維の膠着、硬化が見られた。
【0047】
【表3】
【0048】比較例3、4 実施例4、5において、平均粒径3〜5μmのトルマリ
ンを用いたこと以外は同様にしてアセタール化架橋処理
を行った。結果を表4に示す。粒径が3μm以上のもの
を用いた場合には繊維中にトルマリンは包埋されなかっ
た。
ンを用いたこと以外は同様にしてアセタール化架橋処理
を行った。結果を表4に示す。粒径が3μm以上のもの
を用いた場合には繊維中にトルマリンは包埋されなかっ
た。
【0049】
【表4】
【0050】実施例6、比較例5、6 実施例1において、処理液のpHを変化させたこと以外
は、同様にしてアセタール化架橋処理と同時に微粒子を
添加した。結果を表5に示す。処理液pHが4の場合
(実施例6)は、微粒子が該繊維の表面に包埋されてい
ることが観察されるとともに、耐熱水性の向上が見られ
た。pHが−1(比較例5)の場合は、架橋反応のみが
優先して進行するため、微粒子が包埋されていなかっ
た。また、処理液pHが6(比較例6)の場合は架橋反
応はほとんど進行せず、処理後膠着が見られ、微粒子は
包埋されていなかった。
は、同様にしてアセタール化架橋処理と同時に微粒子を
添加した。結果を表5に示す。処理液pHが4の場合
(実施例6)は、微粒子が該繊維の表面に包埋されてい
ることが観察されるとともに、耐熱水性の向上が見られ
た。pHが−1(比較例5)の場合は、架橋反応のみが
優先して進行するため、微粒子が包埋されていなかっ
た。また、処理液pHが6(比較例6)の場合は架橋反
応はほとんど進行せず、処理後膠着が見られ、微粒子は
包埋されていなかった。
【0051】
【表5】
【0052】以上の結果から、変性オレフィン−ビニル
アルコール系共重合体繊維をアセタール化架橋処理する
際に、平均粒径0.1〜3μmの微粒子を同時に添加す
ることにより、該微粒子を該繊維中に後加工法で比較的
容易に繊維内部まで包埋することができ、耐久性のある
ものが得られることが分かった。
アルコール系共重合体繊維をアセタール化架橋処理する
際に、平均粒径0.1〜3μmの微粒子を同時に添加す
ることにより、該微粒子を該繊維中に後加工法で比較的
容易に繊維内部まで包埋することができ、耐久性のある
ものが得られることが分かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 BA08 CA29 DA00 DA07 4L035 EE20 JJ01 KK01 4L041 BA02 BA05 BA21 BD20 CA06 CA41 DD01 EE20
Claims (12)
- 【請求項1】 平均粒径が0.1〜3μmである微粒子
の一部分が繊維表面に露出した状態で包埋されているこ
とを特徴とする架橋構造を有する重合体(A)からなる
繊維。 - 【請求項2】 架橋構造を有する重合体(A)と他の熱
可塑性重合体(B)とからなる繊維であって、該重合体
(A)は繊維表面の少なくとも一部分に露出しており、
該重合体(A)に平均粒径が0.1〜3μmである微粒
子の一部分が繊維表面に露出した状態で包埋されている
ことを特徴とする繊維。 - 【請求項3】 架橋構造を有する重合体(A)が水酸基
を有する重合体である請求項1または2記載の繊維。 - 【請求項4】 架橋構造を有する重合体(A)が変性オ
レフィン−ビニルアルコール系共重合体又はポリビニル
アルコールのアセタール化架橋物である請求項1〜3の
いずれか1項に記載の繊維。 - 【請求項5】 変性オレフィン−ビニルアルコール系共
重合体のアセタール化架橋物が、エチレン含有量30〜
70mol%のエチレン−ビニルアルコール系共重合体
のアセタール化架橋物である請求項4記載の繊維。 - 【請求項6】 微粒子が無機微粒子である請求項1〜5
のいずれか1項に記載の繊維。 - 【請求項7】 反応性基を有する重合体(C)を少なく
とも一成分とする繊維を架橋処理するに際し、平均粒径
0.1〜3μmの微粒子を添加し、架橋構造を形成させ
るとともに該微粒子をその一部分が該繊維表面に露出し
た状態で包埋させることを特徴とする架橋繊維の製造方
法。 - 【請求項8】 繊維が、重合体(C)と他の熱可塑性重
合体(B)とからなり、該重合体(C)が繊維表面の少
なくとも一部分に露出している複合繊維である請求項7
記載の製造方法。 - 【請求項9】 反応性基が水酸基である請求項7または
8記載の製造方法。 - 【請求項10】 重合体(C)が変性オレフィン−ビニ
ルアルコール系共重合体又はポリビニルアルコールであ
る請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項11】 変性オレフィン−ビニルアルコール系
共重合体がエチレン含有量30〜70mol%のエチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体である請求項10記載
の製造方法。 - 【請求項12】 微粒子が無機微粒子である請求項7〜
11のいずれか1項に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000159828A JP2001336024A (ja) | 2000-05-30 | 2000-05-30 | 微粒子を包埋する架橋繊維およびその製造法 |
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JP2000159828A JP2001336024A (ja) | 2000-05-30 | 2000-05-30 | 微粒子を包埋する架橋繊維およびその製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001336024A true JP2001336024A (ja) | 2001-12-07 |
Family
ID=18664103
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000159828A Pending JP2001336024A (ja) | 2000-05-30 | 2000-05-30 | 微粒子を包埋する架橋繊維およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001336024A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006214052A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-08-17 | Daiwabo Co Ltd | 繊維構造物及びその製造方法、並びにフィラー固着繊維の製造方法 |
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JPWO2005095966A1 (ja) * | 2004-03-31 | 2008-07-31 | ユニバーサル・バイオ・リサーチ株式会社 | 固定用媒体、媒体処理方法、および連続的媒体処理装置 |
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WO2013170551A1 (zh) * | 2012-05-14 | 2013-11-21 | Mao Yingjun | 一种降温发冷的纤维、制备方法及纺织品 |
-
2000
- 2000-05-30 JP JP2000159828A patent/JP2001336024A/ja active Pending
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