JP4671957B2 - 固定用媒体、媒体処理方法、および連続的媒体処理装置 - Google Patents

固定用媒体、媒体処理方法、および連続的媒体処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、固定用媒体、媒体処理方法、および連続的媒体処理装置に関する。
従来、遺伝子の塩基配列の決定にDNAチップが用いられている。そのDNAチップは、半導体膜や、スライドグラス等の平板の表面上に、既知の多種類のオリゴヌクレオチドを各々微小量の溶液が点状となるように、アレイ状に配列して固定したものである。
DNAチップを製造するためには、狭い領域に平面状に高密度に多数種類のオリゴヌクレオチドを配列する必要があり、高密度であればあるほど相互に接近するので、クロスコンタミネーションが生じやすくなるのみならず、各固定位置でのオリゴヌクレオチドがより一層少量化することになる。特に、各固定位置でのオリゴヌクレオチドが少量化すると、その発光位置を定めることは、誤差が生じやすく正確さにおいて問題点を有していた。また、少量化によって、目的物質との遭遇性や反応性が低くなり処理に時間がかかるという問題点を有していた。
また、平面上にサンプルを配置するものであるために、高密度になればなるほどその扱いや自動化がより一層難しくなる。したがって、DNAチップの製造は、非常に多くの手間と時間を要することとなり高価になっていた。特に、膨大な量の塩基配列を含む未知の目的物質の構造の解析、分析や決定を行うには、大量のDNAチップの解析、分析等が必要であった。
本発明者は、この問題を解決するために種々の出願(特許文献1〜特許文献4)を行い、1または2以上の糸状、紐状、テープ状、または棒状等の細長形状に形成された基礎部材と、その基礎部材の長手方向に並んで固定された所定の化学構造をもつ各種の検出用物質とを有し、前記基礎部材は、巻かれ、積層され、または整列され、各種検出用物質の固定位置とその各化学構造とが対応付けられた集積支持体について開示している。その他、このような基礎部材に関連する文献がある (特許文献5、6)。
これらの集積支持体は、各種検出用物質の固定位置を基礎部材に沿ってそれほど高い密度で配置しなくても、その基礎部材同士を高密度に巻くことによって、全体として高密度の各種検出用物質を容易に配置することができるという利点があり、安価に提供することができる可能性がある。
このような集積支持体の製造をするために用いる基礎部材を形成する媒体に検出用物質に用いる種々の生体物質を固定するには、その媒体に、生体物質固定用の所定の物質をコーティングしたり、種々の表面処理を行う必要があった。
その基礎部材は連続的な媒体であり、かつ、その媒体の全表面を用いることが可能であるものであるため、DNAチップのようにプレートの1平面のみを用いるものと異なり、その媒体処理中にその媒体を支持台等に載置して処理を行うことができない。そのため、単に載置しておくだけで処理を行うことができる平面的な媒体に比較して取り扱いにくいおそれがあるという問題点を有していた。
また、媒体が連続的な形状であって、均質に処理しようとする場合には、媒体に沿って固定すべき薬剤の量、処理時間、または薬剤の濃度を常に人が監視する必要があり手間がかかり、また装置が複雑化するおそれがあるという問題点を有していた。
特に、処理中にその連続的な媒体を支持するための機構、さらには、処理もしくは固定を行うための手段と連続的な媒体とが接触する場合には一旦付着した物質が固定する前に剥がされたり、処理中にその媒体の表面が半柔軟化または軟質化するために、表面が損傷するおそれがあるという問題点を有していた。
また、このような生体物質等の固定に適した種々の媒体を、容易、安価、大量に提供することが求められていた。
WO01/61361 A1 WO01/53831 A1 WO01/69249 A1 WO02/63300 A1 WO02/45842 A1 WO99/3341 A1
したがって、解決しようとする問題点は、生体物質等を固定するのに適した固定用媒体を提供し、または連続的媒体の処理を、高い信頼性で、一貫して自動的に行う点である。
そこで、本発明は、以上の問題点を、解決するためになされたものであり、その第1の目的は、遺伝子、タンパク質等の生体物質等を確実、効率的かつ容易に固定することができる固定用媒体を提供することである。
第2の目的は、遺伝子、タンパク質等の生体物質等を固定する媒体を自動的に、安価にかつ大量に提供することができる固定用媒体、媒体処理方法、および連続的媒体処理装置を提供することである。
第3の目的は、その連続的媒体が処理用試薬を含有する液体以外との接触を防止して、処理中の連続的媒体の切断、損傷またはコンタミネーションを確実に防止し、円滑にかつ高い信頼性で処理を続行することができる連続的媒体処理装置を提供することである。
第4の目的は、均質で、かつ、高い品質の媒体を提供することができる固定用媒体、連続的媒体処理方法、および連続的媒体処理装置を提供することである。
第1の発明は、ポリアミド系高分子からなる媒体であって、生体物質と結合可能な官能基と、多孔質領域とを有する固定用媒体である。
「ポリアミド系高分子」は、ペプチド結合を有する化合物であって、天然のものであっても、人工的なものであっても良く、天然のものとしては、絹等、人工的なものとしては、ナイロン、PPTA(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)等の全芳香族ポリアミド、や、へテロ環含有芳香族ポリマー等がある。ナイロンには、3−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、12−ナイロン等がある。
「ポリアミド系高分子」としたのは、酸性水溶液で媒体を構成するペプチド結合を加水分解することで、生体物質の固定に用いる官能基が媒体上に発現または生成されるからである。すなわち、前記官能基は、媒体を構成する原子群と水分子との結合によって発現または生成されるので、官能基を有する物質または固体を外部から前記媒体に付着または固定させる工程が不必要となる。外部から媒体に官能基を有する物質を物理的に付着させる場合には、その官能基を有する溶液の濃度や媒体の多孔度によって官能基の密度が左右されることになるが、媒体上に官能基を発現または生成する場合には分子レベルの高密度で生成される。官能基の密度は、ポリアミド系高分子の繰返し構造の周期が短かければ短いほど高密度になる。すなわち、ポリアミド系高分子のうち、3−ナイロン、6−ナイロン、または6,6−ナイロンが比較的密度が高い。「生体物質と結合可能な官能基」とは、例えば、カルボキシル基-COOH、アミノ基-NH2、またはその誘導基である。「生体物質」とは、例えば、DNA、RNA、mRNA、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、タンパク質、抗原、抗体、糖鎖等の高分子からなる物質である。
「媒体」とは、固体であって、その形状は、特に限定されていないが、例えば、後述する連続的媒体、粒子状媒体またはプレート状媒体である。
「多孔質領域」とは、多数の孔が存在する媒体の領域であって、その媒体の表面部のみに存在する場合と、その媒体の全体に存在する場合とがある。また、「孔」には、貫通性のある場合と非貫通性の場合とがある。多孔質領域および官能基の存在により、生体物質または細胞、細菌、ウィルス等の生体を物理的にまたは化学的に結合することができる。すなわち、該媒体は多様な対象を媒体に固定することができる。
ここで、「表面部」とは、表面のみならず、表面より所定深さを持つ層状部分を含む。その層の厚みは、その媒体全体の大きさに依存する。その割合は、例えば、厚さの10%から50%程度である。例えば、直径が100μメートルの場合には、その層の厚みは、数10μメートル程度である。従って、表面部を持つ媒体は、多孔質化されていない芯の部分を持つ。これによって、媒体に剛性を与えることができる。特に、後述する連続的媒体のように、媒体を細く形成したり、粒子状媒体のように小さく形成した場合に、強度を保つために必要となる。
第1の発明によれば、ポリアミド系高分子よりなる媒体について、官能基が発現しているだけでなく、多孔質化領域を有するので、化学吸着や物理吸着等によって固定対象となる物質や生体との固定効率を高めるのみならず、多孔質化によって、多様な対象について、種々の固定化が可能となる。また、媒体を構成するペプチド結合を加水分解することによって、生体物質の固定に用いる官能基を媒体上に発現または生成するので、官能基を有する物質または固体を外部から固定させる処理が不必要となり、製造が容易である。また、媒体を構成するペプチド結合を加水分解することによって、媒体のペプチド結合に寄与する媒体構成原子群を用いて媒体上に官能基が発現または生成されるので、官能基を媒体上に高密度で生成することができる。また、官能基を有する物質または固体を媒体に付着させる場合に必要となるようなその濃度や媒体の多孔度を調節する作業がいらないので、処理が容易である。したがって、生体物質を高密度でかつ強固に固定することができる。
また、多孔質化を媒体の表面部のみ行った場合には、媒体に剛性を与えることができる。したがって、例えば、連続的媒体の長手方向に張力をかけて走行駆動させた連続処理を可能とする。
また、ポリアミド系高分子からなる媒体を酸性水溶液で処理し、多孔質化させ、固化させることによって固定用媒体を製造することができるので、容易に、安価かつ大量に製造することができる。
第2の発明は、前記媒体は、該媒体に付着した複数の粒子状媒体を有する固定用媒体である。
これによって、前記媒体が多孔質化領域をもつだけでなく、粒子状媒体を前記媒体に付着させているので、該媒体の表面がより一層拡張されていることになる。その際、前記粒子状媒体の径は、前記媒体の長さ、幅または厚みよりは十分に小さい微小径であるのが好ましい。多孔の孔の径よりも小さくする場合には、各孔にも粒子状媒体が付着することになる。粒子状媒体は、前記媒体、またはその表面部に不規則、ランダムに付着されることになる。ここで、多孔の径は、例えば、直径100μメートルの連続的媒体の場合には、数マイクロメートル以下である。
なお、前記媒体と、それに付着する粒子状媒体との材料は、同一の場合と異なる場合とがありうる。異なる場合であっても、ポリアミド系高分子である場合であって、共通の試薬によって多孔質化が可能な場合には、同一の場合と同様に、粒子状媒体自体も多孔質化することが可能である。
第2の発明によれば、多孔質化された媒体に複数の粒子状媒体を付着させることによって、多孔質化された媒体の表面積がさらに拡張している。さらに、該粒子状媒体が多孔質化されている場合には、その表面積の拡張はさらに大きくなる。また、粒子状媒体を溶液中に懸濁させることによって製造することができるので、容易かつ安価に作製することができる。また、粒子状媒体が処理の対象となっている媒体と同一の材料または異なる場合であってもポリアミド系高分子である場合には、粒子状媒体についても多孔質化されることになり、また、予め粒子状媒体が多孔質化されている場合には、さらに一層その表面積を拡張することができる。
第3の発明は、前記媒体に、1種または2種以上の生体物質を固定した固定媒体である。
ここで、前記生体物質は、その化学構造が既知の場合または未知の場合がある。媒体に固定した生体物質に対して結合しうる目的生体物質を標識化して結合させることによって、その目的生体物質の化学構造を特定したり、または、媒体に固定されている生体物質の化学構造を特定することが可能となる。特に、前記媒体上に固定した生体物質の位置を予め定めておく場合には、その標識化した目的生体物質の媒体上の位置を特定することによって、目的生体物質または、媒体上の生体物質の化学構造の特定を行うことが可能となる。ここで、「化学構造」には、化学式、塩基配列またはアミノ酸配列によって表されるものを含む。
第3の発明によれば、1種または2種以上の生体物質を予め媒体に固定することにより、標識化した目的生体物質との結合の有無を測定することによって、標識化物質の有無を測定することにより、さらには、その予め媒体上の特定した固定位置を測定することによって、媒体上に固定した生体物質または目的生体物質の化学構造を特定することができる。
第4の発明は、ポリアミド系高分子からなる媒体を半液体状態にまで溶解しかつペプチド結合を加水分解させる反応工程と、前記媒体を多孔質化させる多孔質化工程と、前記多孔質化した媒体を固化する固化工程とを有する媒体処理方法である。
ここで、前記反応工程のうち、前記媒体を半液体状態にまで溶解するには、前記媒体を所定溶媒と接触させることによって行い、ペプチド結合を加水分解するには酸性水溶液と接触させることによって行う。前記多孔質化工程は、所定有機溶媒と接触させることによって行い、前記固化工程は、多孔質化した媒体を固化剤と接触することによって行う。
ここで、「媒体の溶解」に用いる所定溶媒としては、3−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、12−ナイロン等のナイロン類に対しては、例えば、塩酸、蟻酸の水溶液が好ましいが、これに限られるものではなく、硫酸、硝酸等の水溶液であっても良い。その他、例えば、PPTAでは、濃硫酸であり、ヘテロ環含有芳香族ポリマーでは、メタンスルホン酸やポリリン酸である。また、蟻酸は、前記ポリアミド系高分子のうち、少なくとも、3−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、12−ナイロンについては、溶解の速度が大きい。用いる試薬の濃度は、溶解の対象となる媒体のサイズに応じて定められる。また、ペプチド結合に加水分解を引き起こさせるものとしては、酸性水溶液、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸が好ましい。したがって、少なくとも、3−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、12−ナイロンについては、溶解の速度の速い蟻酸と、加水分解の機能の高い塩酸を所定比で混合することによって迅速かつ効果的に溶解しかつ加水分解を行うことができる。
「所定有機溶媒」は、固化のための固化剤と、溶質の双方に対して相互に溶解しうる有機溶媒である。例えば、固化剤に水やアセトンを用いた場合には、例えば、エタノール、イソプロパノール、メタノール等の飽和1価アルコール等の親水性の溶媒または極性溶媒が適当である。このように、分子量の異なる有機溶媒の中から選択することによって、適当な置換え速度を選択することができる。この有機溶媒を表面部が加水分解された媒体と接触させて、濃度勾配を利用して該媒体の表面部から加水分解されて切れたオリゴマーを抜き出させ、代わりに前記親水性の溶媒を表面部に導入させるという交換によって表面部を多孔質化させる。
「半液体状態」とは、固体が、固体から液体に変化する溶解の途中の固体と液体との中間の状態であって、半柔軟状態ともいう。
「ペプチド結合の加水分解」とは、ポリアミド系高分子を構成するペプチド結合で結合された所定構造−R−CONH−R'−を、HO中で酸と反応させることによって、−R−COOHと、−R'−NHの構造に分解することである。
「固化剤」には、この処理で用いることができるものとしては、例えば、蒸留水、アセトン、ヘキサンがある。
また、前記固化工程と同時に、または固化工程の後で、前記溶液のpHを調節するpH調節工程、または、処理の際に生成されたペプチド結合の切断により生じたオリゴマー等の夾雑物を除去する洗浄工程を有するように設けることで、その後の、該媒体に対する生体物質の固定化作業を円滑に進めるようにすることができる。「pHの調節」には、例えば中和剤と接触させることによって、酸性を除去したり、弱アルカリ性にするためのバッファを加えることによって、遺伝子物質との固定を容易にすることができる。
なお、前記反応工程は、前記媒体の溶解および加水分解は前記媒体の表面部について行う場合と、媒体の全体について行う場合がある。表面部について行う場合には、媒体に多孔質化されていない芯が存在することになる。この芯の存在によって媒体に剛性を与えることができる。
第4の発明によれば、第1の発明で説明した効果と同様の効果がある。
第5の発明は、前記反応工程は、主として、前記媒体を半液体状態にまで溶解した後に加水分解させる媒体処理方法である。
このためには、例えば、溶解速度が大きいが加水分解機能の小さい蟻酸の水溶液に媒体を接触させて半液体状態にまで溶解した後に、溶解の機能は普通で加水分解機能の大きい塩酸の水溶液に前記媒体を接触させることができる。これによって、迅速かつ、半液体状態にまで溶解した後に、加水分解を行うことによって、媒体の表面のみならず、半液体状態にある媒体にまで加水分解用の試薬が浸透するので、より一層効率的に加水分解を起こさせることができる。
第5の発明によれば、媒体を半液体状態にまで溶解した後に加水分解を行うようにしているので、半液体状態にある媒体との加水分解反応を促進させることができる。また、溶解に適した試薬と、加水分解に適した試薬とを独立に接触させて行うので、溶解を迅速に行った後に加水分解を行うようにして、効率的迅速に処理を行うことができる。
第6の発明は、前記反応工程は、多数の粒子状媒体を溶液中に懸濁させる工程を有する媒体処理方法である。
これによって、処理の対象となる媒体の表面部が半液体状態にあるので、該媒体に粒子状媒体を容易に付着させることができる。なお、粒子状媒体の材料は、前述したように、処理の対象となる媒体と同一または異なるものがありうる。同一の試薬で加水分解や多孔質化が可能である場合には、処理の対象となる媒体に付着しやすくなり、かつ粒子状媒体についても多孔質化される。
第6の発明によれば、第2の発明で説明した効果と同様の効果がある。
第7の発明は、前記反応工程が前記ポリアミド系高分子がナイロン類の場合には塩酸および/または蟻酸の水溶液を前記媒体と接触させることによって行う媒体処理方法である。
第7の発明によれば、ポリアミド系高分子が前記ナイロン類の場合には、塩酸または蟻酸を用いることによって、溶解および加水分解を効率良くかつ容易に行うことができる。
第8の発明は、連続的媒体を長手方向に沿って所定走行経路を走行させる走行機構と、前記走行経路に沿って設けられ、前記連続的媒体に順次接触させるべき液を各々収容する1または2以上の容器と、前記連続的媒体が前記容器を貫通して走行可能となるように、各容器の壁部の前記走行経路上に設けた空隙部と、前記空隙部からの液の吐出を防止するために前記容器に設けた液吐出防止部とを有する連続的媒体処理装置である。
ここで、「連続的媒体」とは、連続的に処理することが可能かつ適当である長尺状の媒体であり、例えば、紐状、糸状等の一次元的な媒体やテープ状の媒体が含まれる。ここで、一次元的とは、その長手方向に沿った位置座標(所定原点からの距離)のみによってその媒体上の位置を特定することを可能としまたは特定するのが妥当もしくは便利である媒体をいう。その大きさや長さは特に制限はないが、例えば、長さが数メートル以上で、ボビン等に巻装可能な長さ、例えば、数100メートルである。その長手方向に垂直な幅または厚みは、数μメートル以上で数センチメートル程度以下である。
連続的媒体としては、例えばナイロン糸等の合成繊維、絹糸等の天然繊維、セルロース、ゴム、プラスチック等の高分子合成樹脂等を含む有機物、金属、半導体、半金属、アモルファス金属、ガラス繊維等の無機物で製造されたものがある。
連続的媒体を走行させるに際しては、前記連続的媒体に張力を加えて保持しながら行うことによって、該連続的媒体についての走行中の弛みを防止して接触されるべき液以外の他部材への接触を防止することができる。「走行」は、一定速度で行うのが好ましい。速度は、処理内容や、容器の大きさに応じて定まるものである。例えば、連続的媒体に多孔処理を行うような場合で、試薬量が数10ミリリットルから数千ミリリットルで、容器の幅が数10ミリメートルから数百ミリメートルの場合には、例えば、数mm/秒である。
また、「その連続的媒体に接触させるべき液」としては、例えば、その連続的媒体に生体物質等の物質を固定させるためにその連続的媒体を加工処理するために用いる試薬液、その連続的媒体に固定されるべき生体物質等の物質を含有する液、またはその物質が固定されたその連続的媒体を処理するために用いる試薬液等がある。
「その連続的媒体の処理」の内容としては、その連続的媒体またはその表面部に、ミクロの孔や凹凸を形成することである。そのために用いる液としては、塩酸または蟻酸の水溶液、エタノール、イソプロパノール、メタノール等の有機溶媒等の化学薬剤溶液がある。また、そのような処理のされたその連続的媒体上からこれらの化学薬剤溶液を除去するための洗浄剤や中和剤を含む溶液も用いる場合がある。表面処理のされた連続的媒体に対する洗浄の後に乾燥を行うのが好ましい。
また、「固定されるべき物質」としては、前記連続的媒体に対して、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、タンパク質、抗原、抗体、糖鎖、細胞等の生体物質や、生体を固定するための物質、例えば、カルボキシル基-COOH、アミノ基-NHまたはそ
の誘導基等の官能基がある。その物質で被覆した後に固定するには、被覆後のその連続的媒体の表面に対して紫外線照射を行うことによって固定する。
さらに、「前記物質が固定されたその連続的媒体を処理すべき試薬」として、前記連続的媒体の表面に存在するカルボキシル基 (-COOH)またはその誘導基と、核酸が有するアミノ基とを反応させる際に、カルボキシル基またはその誘導基を活性化させるものである。このような活性化用試薬としてEDAC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) carbodiimide))等のカルボジイミド類、ヒドロキシイミド類等、塩化物等の水溶性の脱水縮合剤がある。
「容器」は、前記薬剤等を含有する液を収容し、その容器は、例えば、ビン状、フラスコ状、ビーカ状、管状、流路状、槽状またはタンク状に形成される。その容器は、その内部について大気圧を遮断するためかつ液の蒸発を防止するため、前記空隙部を除く開口部分について前記覆部に相当する蓋で密閉するのが適当である。また、その蓋を通してその容器に液体を供給しまたは排出するための管路等を設けることができる。その容器の容積は、例えば、数リットルから数10リットルである。2以上の容器を設けた場合には、例えば、その1は、表面処理用の薬剤を含有する液を収容するものであり、その1は、その薬剤やオリゴマー等の夾雑物を除去する洗浄液や生体物質の固定に必要な状態に調節するために酸性を中和する中和剤を収容するものであったり、処理した連続用媒体を固化するための固化剤を収容するものである。
「走行経路」は、連続的媒体がその長手方向に沿って走行する経路である。通常は、直線状の経路である。
「空隙部」は、前記容器の壁部に、前記連続的媒体がその容器を貫通して走行可能となるように、前記走行経路に沿って設けたものである。その空隙部の大きさまたは形状は、その空隙部を通過する前記連続的媒体の断面の大きさや形状、その空隙部の位置、またはその空隙部からの液吐出防止の目的にかない、かつ、その連続的媒体が走行の際に接触しないように定められるものである。空隙部の個数は、1容器に対して通常2個であるが、空隙部が前記連続的媒体よりやや大きい幅を持ちその両端で、容器の壁部に設けた2個の孔に連結するようなスリット状開口をもつ場合には1個といえる。連続的媒体が接触しないように設けるのは、表面処理中にはその連続的媒体の表面部が軟質化するために接触による連続的媒体の切断を避けるためである。空隙部の形状は、円形等の閉じた孔、容器の上方に開いたスリット状開口、または走行経路上にある2つの孔をスリット状開口で連結したような上記形状のものがある。上方に開いたスリットやスリット状開口で連結した形状のものでは、該空隙部への連続的媒体の装着が容易である。その連続的媒体の径は、例えば、10μmから数mmであり、その場合のその空隙部の径、厚さまたは幅は、例えば、数mm程度から数cm程度になる。
「空隙部からの液の吐出を防止するための液吐出防止部」には、後述するように、前記容器の空隙部を除く開口部分、例えば、容器の上側に開口部を有する場合には、その開口部を覆う覆部であったり、各容器内を負圧にするためのポンプ等の圧力手段であったり、または、漏れた液体を溜め、その液を該容器内に戻す容器およびポンプ機構である。その場合、その負圧の大きさは、主として、前記容器内に収容されている液体の量、前記空隙部の大きさ、高さ位置、及び収容されるべき液体の比重、その位置における液体の圧力の大きさ等に基づいて定める。
前記連続的媒体を走行させる走行機構としては、例えば、前記連続的媒体を繰出しリール、および巻取りリール、またはローラに掛け渡し、そのリール、またはローラとともに回転駆動することによって行なう。また走行経路に沿った所定位置に、連続的媒体の長手方向の張力を調節するために張力制御ローラを設けるようにしても良い。
第8の発明によると、前記連続的媒体を走行経路に沿って走行させるだけで、その走行経路に配列された順に途中の前記液処理部内の液内を通過させ、人手を介することなく、連続的媒体を順次液と接触させて自動的に処理を行うことができるという利点がある。
また、前記連続的媒体の処理に必要な液を予め各容器に収容しておくとともにその連続的媒体をその走行経路に沿って走行させることによって、連続的媒体を必要な液の位置にまで運搬する作業と、その液との接触をさせる処理作業と、処理が終了した連続的媒体をその液から除去して再び運搬する作業とが分かたれることなく並行して実行されるので処理を連続的かつ一貫して実行できるという利点がある。したがって、本発明によると、連続的媒体を効率的かつ迅速に製造できるので、安価かつ大量に供給することができるという利点がある。
さらに、液との接触処理中にその連続的媒体は、該液以外の容器や空隙部等の装置部分に接触することがないので、処理中に軟質化した媒体の切断、損傷、およびコンタミネーションを確実に防止することができて、信頼性の高い連続的媒体処理装置および方法を提供することができるという利点がある。
なお、その連続的媒体を供給する際、または処理終了の際に、コアやリールまたはローラに巻かれた状態になるが、この場合には、前記連続的媒体は乾燥した状態におけば、最終段階での媒体の切断や損傷は回避される。
また、長手方向の長さが長い連続的媒体を用いることによって、長時間連続的に処理を続行することができるので、安価かつ大量に連続的媒体の処理を行うことができる。
第9の発明は、前記液吐出防止部は、前記空隙部を除く前記容器の開口部分を覆う覆部を有する連続的媒体処理装置である。
第9の発明によると、前記容器の主要な開口部分を覆う覆部によって、圧力の調節機構を設けることなく大気圧を遮断して負圧を生じさせているので、簡単な構造で、かつエネルギーを消費することなく容易に実現することができる。
第10の発明は、前記液吐出防止部は、前記各容器内を負圧にする圧力手段を有する連続的媒体処理装置である。
第10の発明によると、前記容器内の圧力を負圧にすることによって、比較的大きな空隙部であってもより確実にその液の吐出を防止することができる。
第11の発明は、前記液吐出防止部は、前記容器の外部に該容器から吐出した液を受け止めるように設けた器と、前記容器外で該器内に溜まった液を前記容器に戻すポンプ機構とを有する連続的媒体処理装置である。この場合には、空隙部からの液漏れが大きくても、前記容器からの液吐出を有効に防止することができる。
第11の発明によると、前記容器から吐出した液を受け入れる器内に溜まった液を前記容器に戻す処理を行うことによって、比較的大きな空隙部であってもより確実にその液の吐出を防止することができる。
第12の発明は、前記走行経路に沿った、前記容器内の長さまたはその容器に設けた前記空隙部間の長さ、および/または走行速度は、処理の内容に応じて定められる連続的媒体処理装置である。
ここで、走行速度を一定とすれば、走行経路に沿った前記容器内の長さまたは空隙部間の長さが長くなれば、連続的媒体と、液との接触時間が長くなる。すなわち、前記長さまたは走行速度は、その連続的媒体の単位長さ当りに必要とする液量に対応する。したがって、前記長さは、単位長さ当りに必要とする液量の増加に伴って増加する。また、前記走行速度は、連続的媒体の単位長さ当たりに必要とする液量の増加に伴って減少する。なお、走行速度は、処理内容に応じて可変であることが好ましい。
「処理の内容」には、処理目的、処理工程、処理対象の連続的媒体の材料、各容器に収容すべき処理に用いる溶液または試薬の種類、濃度、量、温度等が含まれる。
第12の発明によると、容器の走行経路に沿った長さまたは空隙部間の長さおよび/または走行速度を、各容器に収容する液の種類を含む処理の内容に応じて定めるようにしている。したがって、各容器において連続的媒体の速度を変えることなく、一定速度で連続的媒体を走行させることができるので、簡単な制御で効率良くかつ確実にその連続的媒体の処理を行うことができるという利点がある。
第13の発明は、前記容器に収容される液の質および/または量について維持処理を行う液維持処理部を前記各容器に設けた連続的媒体処理装置である。ここで、「質および/または量についての維持処理」は、液を均質化すること、液が変質しないように維持すること、液量を一定化すること、液の温度や圧力を最適化しておくこと、液内から夾雑物を除去すること等の液の質や量を維持する処理を行うことを意味する。
ここで、「均質化」とは、例えば、液の濃度、液の温度について、液内の空間的なムラや差異を除去または最小限化して空間的に一定に保つことをいう。これによって、前記連続的媒体表面の液との反応のムラや変動を防止して、均質で高い品質の表面処理や、所定物質の固定等の処理を行なうことができる。
「量を一定化する」には、例えば、液の質量や容積を測定して、これらが減少する場合には、その液を追加することによって行なう。
ここで、「前記液維持処理部」には、例えば、前記容器内に入口と出口とをもち、その容器外を通る管路を用いて、その容器内の液を循環させる循環部を含む。
この場合、「循環部」としては、例えば、各容器の下側に入口、上側に出口、または下側に出口、上側に入口を設けて循環させるようにすれば、液内で生ずる上下での濃度の差異や温度差を解消して溶液、混合液、懸濁液等の液の均質化をすることができる。なお、前記管路には、その途中に、例えば、循環用ポンプを設けて循環させる。
また、その管路を、その容器外に設けた前記液を貯留するタンクと接続させ、タンクの上流側および下流側に流量を変更可能なポンプを設けて、常に前記容器に一定量の液が貯留されるように、容器内の液を外部の管路を通って循環可能となるように制御することができる。
これによって、その各容器内における液の濃度、液の温度のムラを除去し、また、容器内の液量を一定化して時間的な変動を除去して量的に一定に保つことができる。したがって、均質で高い信頼性の連続的媒体を製造することができる。特に容器内の液を上下方向に循環させることで、上下方向の濃度差を解消してより一層均質な濃度を持つ液を処理に用いることができるという利点がある。
さらに、前記液維持処理部として、前記容器内の液を攪拌する攪拌部がある。これによって、容器内の液の濃度や温度差等の空間的な偏りを解消して均質化することができる。
ここで、その「攪拌部」としては、例えば、前記各容器内に攪拌子としての永久磁石を樹脂で被覆したものを回転可能に設け、その各容器外にその攪拌子を回転駆動するための磁石(永久磁石または電磁石)を用いた攪拌器を設けたものが好ましい。その攪拌部によれば、前記容器内の液体と接触する部分が攪拌子だけに限られるので、コンタミネーションを防止し、信頼性の高い連続的媒体処理を行うことができる。この場合には、容器内の液を攪拌させることによって、水平方向の濃度のむらや温度のむらを防止することができるという利点がある。
第13の発明によると、各容器に、その容器に収容されている液の質および/または量について維持を図るように液を処理することによって、均質で信頼性の高い連続的媒体を提供することができる。
第14の発明は、前記容器に対して、前記液の質および/または量について変更処理を行う液変更処理部を設けた連続的媒体処理装置である。
ここで、「液の質および/または量についての変更処理」とは、液の質および/または量についての変更を行うことであり、例えば、液を別の種類の液と入れ替え、または液の濃度を変更し、液に所定物質を追加し、液の量を増加させ、減少させ、または、外部からの影響(温度、圧力、電磁波、磁力等)によって液の質を変更させ、その容器に収容すべき液または物質を供給し、排出することである。このような液変更処理部としては、例えば、前記容器に収容すべき液または物質を供給し、排出させ、または新たな液または物質と入れ替える給排部である。また、この給排部としては、例えば、その容器に接続する管路、その管路に接続すると共に、前記容器に供給すべき液または物質を収容する供給タンクまたは前記容器から排出された液を収容する排出タンク、および、供給または排出用のポンプを有するものである。
なお、前記容器には、その容器内に収容されている液を加熱する加熱部および/または冷却する冷却部を設けるようにすることができる。
ここで、「加熱部」は、例えば、電熱器であり、「冷却部」としては、例えば、前記容器の外壁に設けたフィンおよびそのフィンに空気を送るファンを有するもの、または、その容器の外壁に設けた通路及びその通路内を冷媒が通るようにした冷蔵機構である。または、「加熱部」および「冷却部」をペルチェ素子を用いて、電流の向きを制御することによって切り換え可能に設けるようにしても良い。なお、該加熱部、冷却部は、溶液維持処理部または溶液変更処理部として用いることができる。容器に加熱部または冷却部を設けることによって、最適な温度で処理を行うようにすることができるので、信頼性の高い処理を行うことができるという利点がある。
第14の発明によると、液の変更処理を行うことによって、容器を効率的に利用することができるとともに、多様な処理を行うことが可能であるという利点がある。特に、該変更処理として、容器に対する液の給排部を設けることによって、処理に必要な液を供給し、または、新たな液と入れ替えて、容器を効率的に利用することができるとともに、多様な処理、例えば、連続的媒体に、その距離によって異なる勾配のある性質を付加することができるという利点がある。
第15の発明は、前記容器の壁部に設けた前記空隙部が、前記走行経路上に位置して、前記連続的媒体が前記空隙部を貫通して走行可能となるようにその容器の上下位置または水平位置を微調整する位置微調整手段を有する連続的媒体処理装置である。
さらに、前記空隙部の周辺を透光性部材で形成するのが好ましい。ここで、前記空隙部を、前記容器の側面よりも突出させた突出部の先端に設けるとともに、その突出部を透光性部材で形成するようにしても良い。これによって、その連続的媒体と前記空隙部との接触のみならず、その空隙部付近の連続的媒体との接触の有無を透視によって容易に感知することができて、連続的媒体と走行経路とのずれを検知して、容器と連続的媒体との接触状態を容易に避けることができる。
第15の発明によると、前記各容器について、上下位置または水平位置に微調整することを可能にしている。これによって走行経路が、確実に前記各容器の空隙部を通過するようにして、連続的媒体の空隙部との接触を防止し、連続的媒体の損傷や切断を防止して安定した処理を実現することができるという利点がある。
第16の発明は、前記容器には、その容器内の圧力を測定する圧力センサーおよび/またはその容器内の温度を測定する温度センサーを有し、その圧力センサーおよび/または温度センサーの結果に基づいて、前記液維持処理部、前記液変更処理部、前記圧力手段、加熱部、冷却部または走行機構を制御する制御部を有する連続的媒体処理装置である。
例えば、温度センサーにより、温度が基準値よりも高い場合には、温度が基準値である場合よりも反応が進むので、前記走行部による走行速度を速めることによって、その容器への滞在時間を短縮化して同一の効果を生ずるようにさせる。または、単に、温度を基準値に戻すように加熱部を制御する。圧力センサーにより、常に圧力が一定となるように圧力手段を制御する。または、処理時間を測定しながら、処理時間に応じた液量の減少に合わせて圧力を微調整して、前記各空隙部からの液漏れを防止する程度に圧力を微調整するようにしても良い。
なお、前記走行経路に前記連続的媒体を供給する媒体供給部を有するものが好ましい。その連続的媒体の供給は、例えば、10キロメートルのその連続的媒体が巻装された繰出しリールから取り出したその連続的媒体を前記走行経路に沿って走行させることにより行なう。最初にその連続的媒体を走行経路上を走行させる場合には、その連続的媒体の先端に長針を取付けてその各容器の空隙部を通過させ、その長針を除去して、前記連続的媒体の先端を走行機構の巻取りリールに取り付けて、走行に合わせて、前記繰出しリールから繰り出されて、前記各容器を通過し、最後にその巻取りリールに巻き取るようにして処理を連続して行う。前記走行経路に、前記連続的媒体を供給する媒体供給部を設けることによって、連続的媒体の供給による処理の開始から処理の終了まで、連続的かつ一貫して処理を行うことができるという利点がある。
第16の発明によると、温度を監視することによって、例えば、常に最適な温度で処理が進行するようにできるとともに、または、その連続的媒体の処理によって各容器内で減少する液量に応じて圧力を変更するようにして、空隙部からの液の吐出を最小の圧力差で防止するように監視することができるという利点がある。
第17の発明は、前記走行経路上に、前記連続的媒体を乾燥させる乾燥部を設けた連続的媒体処理装置である。
乾燥を行うには、例えば、その連続的媒体に対して熱風を浴びせることによってまたは赤外線若しくは遠赤外線を照射して行なう。前記容器を通過して処理された連続的媒体を乾燥させた後にその連続的媒体をリールに巻き取るようにする。
第17の発明によると、連続的媒体が前記容器を通過して何らかの処理がされた後に、乾燥させることによって、軟質化した媒体を元に戻し、その媒体の切断や損傷を防止するとともに、残留する試薬液による反応の進行を停止させるという利点がある。
第18の発明は、前記走行経路上に、前記連続的媒体に対して紫外線等の光を含む電磁波を照射して、連続的媒体表面を活性化させる活性化部を設けた連続的媒体処理装置である。
なお、「活性化」とは、物質の所定機能を活発にさせることをいい、例えば、電子または分子が光等のエネルギーを吸収させて、高いエネルギーに励起させて、化学反応を起こしやすい状態にしたり、酵素や触媒による反応において、反応物質分子が酵素や触媒の表面に結合し、その結果分子の電子状態に著しい影響を及ぼして反応しやすい状態にすること、または、触媒等によってその表面状態を変化させたり、他の微量物質を添加することによって作用を著しく高める場合がある。ここでは、光を照射することによって活性化させる場合を示している。その他、前述したように、試薬を用いて活性化を行う場合がある。例えば、前記連続的媒体の表面に存在するカルボキシル基 (-COOH)またはその誘導基と、核酸が有するアミノ基とを反応させる際に、カルボキシル基またはその誘導基を活性化させるものがある。このような活性化用試薬としてEDAC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) carbodiimide))等のカルボジイミド類、ヒドロキシイミド類等、塩化物等の水溶性の脱水縮合剤を用いて活性化が可能である。このようにして、前記連続的媒体を前記溶液EDACに5分間滞在させて、カルボキシル基またはその誘導基を活性化させる。その後、水または緩衝液(例えば、重炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.4))を加えて15分間程度処理し、活性化カルボキシル基と、固定化すべき核酸が有するアミノ基とを反応させる。ついで、1%カゼイン含有PBS緩衝液を加え、残存する活性化カルボキシル基を封鎖するようにする。
第18の発明によると、紫外線等の光を含む電磁波を照射することによって、前記連続的媒体表面を活性化して、その表面とDNA、RNA、タンパク質等との結合を促進させて、その連続的媒体に種々の物質を結合、保持させることができるという利点がある。
第19の発明は、連続的媒体が長手方向に沿って走行可能な走行経路に沿って設けられた1または2以上の容器に、その連続的媒体に接触させるべき液を供給する液体供給工程と、前記走行経路に沿って前記各容器の壁部に設けた空隙部からの液の吐出を防止する吐出防止工程と、前記連続的媒体が前記空隙部を通って前記容器を貫通して前記走行経路に沿って走行させる走行工程とを有する連続的媒体処理方法である。
第19の発明によると、第8の発明で説明した効果と同様の効果がある。
第20の発明は、前記液吐出防止工程は、前記空隙部を除く前記容器の開口部分を覆うことによって行う連続的媒体処理方法である。
第20の発明によると、第9の発明で説明した効果と同様の効果がある。
第21の発明は、前記液吐出防止工程は、前記各容器内を負圧にすることによって液吐出を防止する連続的媒体処理方法である。
第21の発明によると、第10の発明で説明した効果と同様の効果がある。
第22の発明は、前記液吐出防止工程は、前記容器の外部に設けられ、該容器を収容する容器内に溜まった液を前記容器内に戻すことによって液吐出を防止する連続的媒体処理方法である。
第22の発明によると、第11の発明で説明した効果と同様の効果がある。
本発明の実施例に係る連続的媒体処理装置の概要を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る処理前の連続的媒体を示す拡大図であり、(a)は表面図、(b)は連続的媒体の長手方向に垂直な断面図である。 本発明の実施例に係る処理後の固定用媒体を示す拡大図であり、(a)は表面図、(b)は連続的媒体の長手方向に垂直な断面図である。る。 本発明の実施例に係る処理後の固定用媒体を示す拡大図であり、(a)は表面図、(b)は連続的媒体の長手方向に垂直な断面図である。る。 本発明の実施例に係る連続的媒体処理装置の液処理部の側面断面図である。 本発明の実施例に係る連続的媒体処理装置の液処理部の正面断面図である。 本発明の実施例に係る連続的媒体処理装置の液処理部の斜視図である。 本発明の実施例に係る固定用媒体を示す拡大図である。
このようにして、生体物質を固定するのに適した固定用媒体、媒体処理方法を提供するとともに、連続的媒体が走行する走行経路に沿って液容器を配置し、その各容器内に前記連続的媒体の処理に用いる各種の液をその処理順に走行経路に沿って収容し、その走行経路と容器の壁部との交差する位置に、前記連続的媒体がその走行経路と接触しないように空隙部を設け、その連続的媒体が各容器を貫通するように一定速度で走行させることによって、連続的媒体が前記処理用の液以外との接触を避けて、確実で、効率的、迅速で、かつ信頼性の高い処理を実現した。
以下に、本発明の実施例に係る連続的媒体について、その処理装置および処理方法を図面に基づいて説明する。本実施例の説明は、特に指定のない限り、本発明を限定するものと解釈してはならない。
図1は、本発明に係る連続的媒体処理装置10の概要を示すブロック図である。
該連続的媒体処理装置10は、連続的媒体14を矢印の方向に走行させながら該連続的媒体14に処理、例えば、この例では、連続的媒体の表面部に多孔質層を形成する処理を行うものである。ここでは、処理前の連続的媒体14として、図2に示すような6−ナイロン糸(ユニチカ、商品名 0.5/C-TM12)を用いる。該6−ナイロン糸は、直径116μmである。
使用する連続的媒体処理装置10は、処理前の前記連続的媒体14が巻装されているボビン1と、連続的媒体14を走行経路上に沿って走行させるための複数のローラ2と、該連続的媒体14の張力を制御するための張力制御用ローラ3と、各種試薬が収容する容器が設けられている4個の液処理部4,11,12,13と、赤外線ランプを用いて連続的媒体14を乾燥させる乾燥部5と、処理された連続的媒体14を巻き取り、前記連続的媒体14を走行駆動するために、図示しないモータによって回転駆動されるボビン6とを有している。前記ボビン6は、前記連続的媒体14を、容器のサイズや処理内容に応じて、例えば、走行速度は、処理内容に応じて数100μmから数cm/秒の範囲で可変となるように駆動可能である。
液処理部4には、濃度5Nの塩酸およびエタノールの混合液を収容する容器を有し、液処理部11には、45%のエタノールを収容する容器を有し、液処理部12には、0.5MのTris-HClを収容する容器を有し、液処理部13には、蒸留水を収容する容器を有する。各容器の幅は、各試薬との接触時間(処理時間)に合わせて設定される。図1の液処理部4,11,12,13を表す各ブロックの幅は、この接触時間に概略比例するように示されている。各々、前記容器長L1、L2、L3、L4は、例えば、各々10mm、400mm、400mm、200mmであり、走行速度は、処理内容に応じて数mm/秒となるように設定した。このようにして処理された前記連続的媒体14を図3に示す。図4は、多孔質層を明瞭に示すために色素を用いて示したものである。
続いて、代表的なものとして前記液処理部11,12,13(液処理部4については、容器幅を除いて同様なので省略)について、図5,6,7に基づいて、以下に詳細に説明する。
図5は、本発明に係る連続的媒体処理装置10の糸状の連続的媒体14の走行方向に沿って切断した断面図である。
その連続的媒体処理装置10は、前記連続的媒体14の走行方向に沿って直列に配列された複数個(この例では3個)の前記液処理部11,12,13を示している。その液処理部11,12,13を貫通するように、処理の対象となる前記連続的媒体14が所定の走行経路に沿って、所定の定速度で走行可能となるように設けられている。図5において、その連続的媒体14は、左側から右側に走行させるものとすると、その連続的媒体14を処理するために必要な前述の3種類の試薬液15,16,17が、その連続的媒体14に作用する順、すなわち図上左側から右側の各液処理部11,12,13に設けられた角筒状の各容器18,19,20内に収容されている。
前記連続的媒体14が走行する走行経路に沿って、各容器18,19,20には、各々2個ずつの前記空隙部としての孔部21,22,23,24,25,26が設けられている。この孔部21〜26は、前記連続的媒体14の走行によって、その連続的媒体14と接触しないように、その連続的媒体14の径よりも十分大きい大きさをもたせている。これによって、処理中に軟化するおそれがある連続的媒体14が孔部21〜26と接触して損傷を受けたり切断されないようにしている。例えば、前記連続的媒体14のサイズは、10μmから数mmであり、孔部21〜26のサイズは、この径よりも大きく形成した数mm程度となる。
これらの孔部21〜26の近傍には、不使用時において、該孔部21〜26からの液の吐出を防止するためのストッパー66(図7参照)を取り付けるための溝21a〜26aが設けられている。これらの孔部21〜26および溝21a〜26aは、各々前記容器18,19,20の壁部から前記連続的媒体14の走行方向に突出した透光性のある突起部27,28,29,30,31,32に設けられている。その突起部27〜32は、好ましくは、前記容器18,19,20との間にOリング33を介して着脱可能に取り付けられ液漏れを防止している。ユーザは、この透光性のある突起部27〜32を介して、前記試薬液15,16,17中にある前記連続的媒体14を透視可能であり、この連続的媒体14の走行経路からのずれや、たるみ具合を容易に調べることができる。
また、これらの各容器18,19,20は、ベース34およびそのベース34上に設けたレール35上に移動可能に設けられている。なお、符号36は、磁石を樹脂で被覆した攪拌子であって前記容器18,19,20内に設けられ、符号37は攪拌器であり、前記容器18,19,20外に別途設けた磁石37aをモータで回転させることによって前記容器18,19,20内に設けた前記攪拌子36を磁力によって回転させるものである。
符号38,39,40は、各容器18,19,20の前記孔部21〜26を除く開口部分を覆う前記覆部に相当する蓋であり、円環状のパッキン41を挟んで前記開口部の周辺に設けられたフランジ18a,19a,20aにボルト47、ナット48でねじ止めされ、前記開口部に嵌め込まれている。また、この各蓋38,39,40には、各々4個の管路42,43,44,45が配管コネクタ46を介して、貫通するように設けられている。
なお符号49はドレンパンであり、前記容器18,19,20から漏れ出た液を溜める部分であリ、前記器に相当する。各容器18,19,20の下方には、各容器18,19,20の上下方向の位置を微調節するための微調節用ガイド50,51,52が前記レール35に支持されて設けられている。
図6は、前記液処理部11を前記連続的媒体14の走行方向が図上前後方向にくるように切断した断面図であり、なお、図5と同一のものは同一の符号で表示し、その説明を省略する。
前記微調節用ガイド50には、レール35に載置されている周縁部50aと、前記容器18の底部に設けた溝53と嵌装可能に設けた嵌装部50bとからなる。前記周縁部50aには、上下方向の位置を微調節する位置微調節手段として、複数個(この例では4個)のボルト54,55が、下側から貫通するように螺合し、そのボルト54,55の先端で前記容器18等の底部を支えている。各ボルト54,55を、各々別個独立に上下方向にその位置を調節し、それによって、前記溝53と嵌装部50bとの間の嵌装状態を変えて、容器18の上下位置、または傾きを変えて、前記孔部21,22等の位置を微調節することができる。
前記嵌装部50bは、中空に設けられ、その内部に攪拌器37が設けられて、攪拌器37の上端にある磁石が、前記容器18内にある攪拌子36に対向するように設けられている。前記嵌装部50bの上部の外側面は、前記容器18の底部に設けた溝53に嵌装可能であり、その下部の外側面が前記レール35間の空隙に嵌装されている。
当該液処理部11の前記ドレンパン49には、ドレインパイプ56が設けられ、そのドレンパン49に溜まった液体を排出することができる。前記管路42の一端は、蓋38を貫通するようにして前記容器18内の下部にまで到達し、該管路42の他端は、循環用ポンプ57に接続されている。また、前記管路43の一端は、前記容器18内の上部に達し、該管路43の他端は、前記循環用ポンプ57に接続されている。こうして、管路42、循環用ポンプ57および管路43は、前記容器18内に収容された液を上下方向に循環させる循環部に相当する。該循環部は、前記管路43の一端を前記容器18から脱着し、液が収容されているタンク(図示せず)と接続することによって、前記容器18に液を供給する供給部として利用することもできる。また、排水用タンク(図示せず)と接続することによって、前記容器18から液を除去する排出部として利用することもできる。
また管路44は、前記容器18内の上部にその一端が設けられ、他端はトラップ用容器59の下部にまで達している。当該管路44の途中には、圧力計58が設けられ、前記容器18内の気体の圧力を計測し、前記容器18内からの前記孔部21,22を通っての液漏れのないように負圧を加えている。当該トラップ用容器59は、管路60を通して真空ポンプ61と接続されている。なお管路62は、空気を排出するためのものである。この管路44、圧力計58、トラップ用容器63、管路60、真空ポンプ61、管路62は、前記圧力手段を構成する。
管路45の一端は、前記容器18内の中ほどに設けられ、その他端は、補充用タンク70に接続し、前記圧力手段による前記容器18内に及ぼす圧力に応じて、該容器18内の液量を調節している。さらに、前記容器18には、当該容器18に収容されている溶液の温度を検知する温度センサー64と、当該溶液を加熱するための加熱用ヒータ65が設けられている。
図7は、前記液処理部11の外観を示す斜視図である。
ここで、符号66は、前述したように、不使用状態の場合に、前記孔部21,22等の前記溝21a,22aを閉塞して、液体の蒸発や、漏れを防止するためのストッパーである。
続いて、本発明の実施の形態に係る連続的媒体処理装置の動作について説明する。
前述したように、連続的媒体14として6−ナイロン糸を用い、当該6−ナイロン糸に、DNA、タンパク質、抗原、抗体等の生体物質を付着固定するための多孔質を表面部に形成する処理を行う場合について、具体的に説明する。
前述したように、図1に示す液処理部4に対応する容器(図示せず)には、例えば、加水分解および溶解のための5N濃度の塩酸と99.5%のエタノールを収容し、液処理部11の容器18には、連続的媒体の表面部を多孔質化するための45%のエタノール溶液、液処理部12の容器19には中和剤として0.5モル濃度のTris-HCL、液処理部13の容器20には固化および洗浄のための蒸留水を収容しておく。
次に、これらの各液処理部4,11,12,13の前記容器(図示せず)、容器18,19,20に設けた前記孔部(図示せず)、孔部21,22,23,24,25,26を貫通するようにして、処理の対象である前記連続的媒体14である6−ナイロン糸を前記張力制御用ローラ3によって張力をかけて走行可能に張着する。その6−ナイロン糸は、ボビン1の繰り出しリールに巻装され、その先端がボビン6の巻取りリールに取り付けられる。前記ボビン6は、前記6−ナイロン糸を走行させるために、回転可能に設けられ、図示しないモータにより、6−ナイロン糸の走行速度が前記定速度となるように回転駆動される。
その際に、各孔部(図示せず)、孔部21,22,23,24,25,26の高さが揃わないために、6−ナイロン糸が各孔部(図示せず)、孔部21,22,23,24,25,26に接触して、その6−ナイロン糸が走行すべき走行経路が一直線から外れる場合には、各液処理部4,11,12,13に設けた前記ボルト54,55等の螺合位置を調節することによって、走行経路が一直線状となるようにする。
前記6−ナイロン糸が孔部(図示せず)、孔部21〜26を貫通して走行経路上に設けられるに際し、前記管路44,60、トラップ用容器59を通して、前記真空ポンプ61により前記容器18等内にある空気を吸い込み前記容器18等内を負圧となる所定圧力に設定する。その圧力については、前記圧力計58によって読み取る。これによって、前記孔部22,23等からの液の漏れを防止することができる。
さらに、各液処理部4,11,12,13においては、収容した各液の濃度の空間的なばらつきを避けて均質に保つために、前記各容器18の外部を通る前記管路42、外部に設けた前記循環用ポンプ57及び外部を通る前記管路43を用いて、その各容器18の外部の経路を通って液を上下に循環させる。これによって、各容器18内に収容された液の上下の濃度のばらつきを解消する。また、前記各容器18内の底部に設けた攪拌子36を、その外部に設けた攪拌器37を駆動させることによって回転させ、液を攪拌することによって、水平方向の濃度の不均一を解消させる。また、前記温度センサー64で温度を検出し、検出された温度に基づいて加熱用ヒータ65に流す電流を変動させることによって、各液処理部4,11,12,13の試薬の温度を最適に維持させる。
以上の準備が整った上で、攪拌、循環、温度、負圧の維持等を行いながら、前記6−ナイロン糸を、各液での処理時間、洗浄時間を考慮した予め定めた一定速度で走行経路に沿って走行させる。
前記連続的媒体14の先端から前記液処理部4の孔部(図示せず)に達している部分までの6−ナイロン糸および後端から液処理部13の孔部26に達しない部分の6−ナイロン糸は、処理が完全でないので無駄になることになる。
6−ナイロン糸が前記走行速度vで前記液処理部4の所定幅L1を通過する間、すなわち、L1/v時間の間に、塩酸を含有する試薬と6−ナイロン糸が接触して、その6−ナイロン糸の表面部が加水分解されるとともに、溶解して半液体化(または半柔軟化)する。これが反応工程に相当する。その6−ナイロン糸は、前記液処理部4から脱出して、次の液処理部11に進入し、その液処理部11の所定幅L2を通過する間、すなわち、L2/v時間の間に、エタノール溶液と接触し、これによって、6−ナイロン糸の半液体化した表面部に多孔を形成する。これが多孔質化工程に相当する。表面部に多孔が形成された6−ナイロン糸は、その液処理部11を脱出した後、次の液処理部12に進入し、その液処理部12の所定幅L3を通過する間、すなわち、L3/v時間の間に、残った酸性をTris-HClによって中和される。これが中和工程に相当する。
その6−ナイロン糸は、次に液処理部13に進入し、その液処理部13の所定幅L4を通過する間に、半柔軟化した表面部を蒸留水によって固化しかつ洗浄する。これが固化工程に相当する。次に、前記乾燥部5としての赤外線ランプによって、赤外線を照射して乾燥させる。これが乾燥工程に相当する。乾燥のための距離は、例えば、300mmで、乾燥時間は、60秒である。
なお、前記6−ナイロン糸のうち、処理が完全でない部分の長さは、先端および後端から、約(L1+L2+L3+L4)の長さであって、6−ナイロン糸の全体を十分に長くすれば、この長さは取るに足らないものとすることができる。なお、各液処理部4,11,12,13の各容器18,19,20等の各幅L1、L2、L3、L4および乾燥距離ならびに走行速度は、前述したように処理に必要な時間に合わせて設定されている。
続いて、連続的媒体14としての前記6−ナイロン糸を多孔質化しかつ多孔質化した微小粒子を該6−ナイロン糸の表面部に付着させる場合について説明する。
この場合、前述した6−ナイロン糸の多孔質化処理と同一の装置10を用いて処理を行うことができる。但し、前記液処理部4の容器に収容する試薬は、5N塩酸とエタノールとの混合液に、さらに、前記6−ナイロン製の多数の微小粒子を懸濁させたものを用いる。この微小粒子の径は、6−ナイロン糸の直径136μmよりも十分に小さくしたものを用いている。この懸濁液を用いることによって、前記6−ナイロン糸の表面部のみならず、微小粒子についても、加水分解および半液体化させるので、反応工程において、前記連続的媒体14の表面部に、多数の前記微小粒子を容易に付着させることができる。それ以降の処理は、前述した6−ナイロン糸の多孔質化処理と同様であり、これによって、6−ナイロン糸の多孔質化処理のみならず、微小粒子の付着による表面積の拡大を図ることができる。これによって、生体物質との反応性、結合性をより高めることができることになる。このようにして処理された6−ナイロン糸を図8に示す。
このようにして製造されたナイロン等の連続的媒体を使用する点については、例えば、前述した特許文献4等に開示されている。簡単に説明すると、該連続的媒体には、所定間隔で、長手方向に沿って、予め定めた位置または順序で化学構造が既知の生体物質、例えば、所定の塩基配列をもつオリゴヌクレオチドやタンパク質等の各種検出用物質である生体物質が固定される。固定用媒体への生体物質の固定については、例えば、分注機等で、多数のウェルに各々収容された各種生体物質が懸濁する液を吸引し、媒体上に移送して、媒体上の所定位置にスポッティングを行って前記媒体の官能基と生体物質とを結合させて固定する。これらの生体物質が固定された連続的媒体は、円筒または円柱状等のコアにその軸まわりに巻装された上で、内部に液体を吸引し吐出するための吸引吐出機能を備えた分注機の圧力調節手段のノズルに着脱自在に装着されたピペットチップ内に収容される。前記液体は、前記分注機外に設けた容器内に収容し、該液体中には、前記蛍光等で標識化された目的生体物質、例えば、未知の塩基配列をもつDNA断片等を懸濁させておく。次に、前記ピペットチップの先端を該容器内に挿入して、前記圧力調節手段によって液体を吸引させて、液体内に懸濁する目的生体物質の前記連続的媒体に固定された種々の生体物質とを接触させて、ライゲーション等によって生体物質のいずれかとの結合を可能とする。次に、前記容器内に、残りの液体を吐出させる。次に洗浄液が収容された別の容器内に前記ピペットチップを挿入し、洗浄液を吸引吐出することによって、固定されていない目的生体物質を除去する。このようにして処理された前記連続的媒体に対して、測定用の液体を吸引した状態で、前記収容部の外部から蛍光の励起用光を照射して、外部に設けた光受光部で発生した蛍光を受光し、前記連続的媒体上の発光位置から、その既知の化学構造を特定し、この化学構造から、その目的生体物質の構造を解析して、目的生体物質の構造を特定するように用いる。
以上説明した各実施の形態は、本発明をより良く理解させるために具体的に説明したものであって、別形態を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変更しない範囲で変更可能である。また、以上の各構成要素、部品、装置等、例えば、連続的媒体、液処理部、容器、空隙部、孔部、管路、攪拌子、温度センサー、乾燥部、ヒータ、試薬等は、適当に変形または変更しながら任意に組み合わせることができる。
また、液処理部の容器として4個を用いた場合について説明したが、容器の個数は、処理に必要とする試薬液の数または処理時間に応じて削減または追加することが可能である。例えば、単位長さの幅を持つ容器をその処理時間に合わせて個数で調節することも可能である。
また、以上の説明では、糸状の連続的媒体であるナイロン糸を多孔にする処理についてのみ説明したが、糸状の場合に限られず、紐状またはある程度の幅を持つテープ状であってもよい。さらには、媒体は、必ずしも連続的媒体である必要はなく粒子状媒体であっても、プレート状媒体であっても、各容器に順次媒体を分注機または他の媒体移送手段を用いて移送することによって、処理することができる。また、媒体は、ナイロンに限られず、他のポリアミド系高分子にも適用することができる。表面処理としては、多孔の場合に限られず、その他、連続的媒体に所定の物質、例えば、セルロース糸に官能基を固定させる処理等にも用いることができる。
本発明は、種々の分野、例えば、農水産、食品、家庭用品、薬学、衛生や保健等の医療、工学、化学、繊維、機械工業、電気の各分野で用いられ、詳細には、遺伝子、免疫系、アミノ酸、タンパク質、糖鎖等の生体物質を扱うことが要求される分野で、さらにいえば、遺伝子の変異解析、多型解析、マッピング、塩基配列解析、発現解析等において適しているがこれらの場合に限られるものではない。
符号の説明
1,6 ボビン
2 ローラ
3 張力制御用ローラ
4,11,12,13 液処理部
10 連続的媒体処理装置
14 連続的媒体(6−ナイロン糸)
15,16,17 試薬液
18,19,20 容器
21,22,23,24,25,26 孔部
36 攪拌子
37 攪拌器
42,43,44,45,62 管路
50,51,52 微調節用ガイド
61 真空ポンプ
64 温度センサー
65 加熱用ヒータ

Claims (13)

  1. 連続的媒体をその長手方向に沿って一直線状の所定走行経路を走行させる走行機構と、
    前記走行経路に沿って設けられ、前記連続的媒体に順次接触させるべき液を各々収容する1または2以上の容器と、
    前記連続的媒体が前記容器を貫通して走行可能となるように、各容器の壁部の前記走行経路上に走行する前記連続的媒体と接触しないように設けた空隙部と、
    前記空隙部からの液の吐出を防止するために前記容器に設けた液吐出防止部とを有し、前記液吐出防止部は、前記空隙部を除く前記容器の開口部分を覆う覆部を有する連続的媒体処理装置。
  2. 前記液吐出防止部は、前記各容器内を負圧にする圧力手段を有する請求項に記載の連続的媒体処理装置。
  3. 前記液吐出防止部は、前記容器の外部に該容器から吐出した液を受け止めるように設けた器と、前記容器外で該器内に溜まった液を前記容器に戻すポンプ機構とを有する請求項1または2のいずれか1項に記載の連続的媒体処理装置。
  4. 前記走行経路に沿った、前記容器内の長さまたはその容器に設けた前記空隙部間の長さ、個数および/または走行速度は、処理の内容に応じて定められる請求項1または請求項のいずれか1項に記載の連続的媒体処理装置。
  5. 前記容器に収容される液の質および/または量について維持処理を行う液維持処理部を前記各容器に設けた請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の連続的媒体処理装置。
  6. 前記容器に対して、前記液の質および/または量について変更処理を行う液変更処理部を設けた請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の連続的媒体処理装置。
  7. 前記容器の壁部に設けた前記空隙部が、前記走行経路上に位置して、前記連続的媒体が前記空隙部を貫通して走行可能となるようにその容器の上下位置または水平位置を微調整する位置微調整手段を有する請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の連続的媒体処理装置。
  8. 前記容器には、その容器内の圧力を測定する圧力センサーおよび/またはその容器内の温度を測定する温度センサーを有し、その圧力センサーおよび/または温度センサーの結果に基づいて、前記液維持処理部、前記液変更処理部、前記圧力手段、加熱部、冷却部または走行機構を制御する制御部を有する請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の連続的媒体処理装置。
  9. 前記走行経路上に、前記連続的媒体を乾燥する乾燥部を設けた請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の連続的媒体処理装置。
  10. 前記走行経路上に、前記連続的媒体に対して紫外線等の光を含む電磁波を照射して、連続的媒体表面を活性化させる活性化部を設けた請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の連続的媒体処理装置。
  11. 連続的媒体が長手方向に沿って走行可能な一直線状の走行経路に沿って設けられた1または2以上の容器に、その連続的媒体に、接触させるべき液を供給する液体供給工程と、
    前記走行経路に沿って前記各容器の壁部に走行する前記連続的媒体と接触しないように設けた空隙部からの液の吐出を防止するために、前記空隙部を除く前記容器の開口部分を覆う液吐出防止工程と、
    前記連続的媒体が前記空隙部を通って前記容器を貫通して前記走行経路に沿って走行させる走行工程とを有する連続的媒体処理方法。
  12. 前記液吐出防止工程は、前記各容器内を負圧にすることによって液吐出を防止する請求項11に記載の連続的媒体処理方法。
  13. 前記液吐出防止工程は、前記容器の外部に設けられ、該容器を収容する容器内に溜まった液を前記容器内に戻すことによって液吐出を防止する請求項11または12のいずれか1項に記載の連続的媒体処理方法。
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