JP2001335577A - キナクリドンの製造方法 - Google Patents

キナクリドンの製造方法

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JP2001335577A
JP2001335577A JP2000158157A JP2000158157A JP2001335577A JP 2001335577 A JP2001335577 A JP 2001335577A JP 2000158157 A JP2000158157 A JP 2000158157A JP 2000158157 A JP2000158157 A JP 2000158157A JP 2001335577 A JP2001335577 A JP 2001335577A
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acid
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quinacridone
anhydride
arylsulfonic
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JP2000158157A
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Kasho Yao
家昌 矢尾
Koji Ono
晃司 大野
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高収率かつ高純度でキナクリドン化合物やキ
ナクリドン顔料を得る。 【解決手段】 アリールスルホン酸無水和物(A)の存在
下で、置換基を有していても良い2,5-ジアリールアミノ
テレフタル酸類(B)を環化するキナクリドン化合物(C)の
製造方法。前記化合物(C)と、アリールスルホン酸水溶
液又は水とを混合し、結晶化させるキナクリドン顔料の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤色およびマゼン
タ色顔料として一般的なキナクリドン、2,9−ジクロ
ロキナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドンなどの
キナクリドン系顔料前駆体、また顔料の新規な製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アリールスルホン酸として、一般的に知
られている2,5−ジアニリノテレフタル酸からキナク
リドン類の製造方法として、特公昭36−18990号
公報に記載されているように、メタンスルホン酸又はp
−トルエンスルホン酸一水和物10部と2,5−ジアニ
リノテレフタル酸1部との混合物を、160〜170℃
で数十分から数時間加熱し、2,5−ジアニリノテレフ
タル酸を閉環させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造方法では、大量のアリールスルホン酸を使用したの
で、経済性は極めて不利である。しかも、この製造方法
で得られるキナクリドンは、純度は低く、工業的に用い
る前に硫酸もしくはアルコール性水酸化ナトリウムを用
いての精製が不可欠であった。本発明が解決しようとす
る課題は、経済性を考慮した工業的製造法として、キナ
クリドン類を高収率で高純度に製造することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、従来の水和し
たスルホン酸類(水和物)に代えて、水和していないス
ルホン酸類(無水和物)を用いることで、高収率かつ高
純度のキナクリドン顔料の前駆体が得られること、そし
て、この前駆体を顔料化することにより、同様に、高収
率かつ高純度のキナクリドン顔料が得られることを見い
出し本発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は次の発明を提供する。 1.アリールスルホン酸無水和物(A)の存在下で、置換
基を有していても良い2,5-ジアリールアミノテレフタル
酸類(B)を環化するキナクリドン化合物(C)の製造方法。
【0006】2.アリールスルホン酸無水和物(A)が、
アリールジスルホン酸無水和物である上記1記載の製造
方法。
【0007】3.アリールスルホン酸無水和物(A)が、
無水硫酸もしくは発煙硫酸と、芳香族炭化水素とを反応
させたものである上記1記載の製造方法。
【0008】4.2種類以上の2,5−ジアリールアミ
ノテレフタル酸(B)を用いる上記1記載の製造方法。
【0009】5.上記1の化合物(C)と、アリールスル
ホン酸水溶液又は水とを混合し、結晶化させるキナクリ
ドン顔料の製造方法。
【0010】6.2種類以上の2,5−ジアリールアミ
ノテレフタル酸(B)を用いる上記4記載のキナクリドン
固溶体顔料の製造方法。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、アリールスルホン酸無水和物(A)として
は、例えばアリールモノスルホン酸無水和物、アリール
ジスルホン酸無水和物が挙げられる。これらは、各各単
独で用いることが出来るし、両者併用することも出来
る。
【0012】本発明において、2,5−ジアリールアミ
ノテレフタル酸類(B)は、置換基を有していても有して
いなくとも良い。これには、公知慣用の、芳香環に置換
基を有さない(無置換)2,5−ジアリールアミノテレ
フタル酸と、芳香環に置換基を有する(置換)2,5−
ジアリールアミノテレフタル酸があり、これらから1種
類以上を選択して使用できる。
【0013】具体的には、例えば、2,5−ジアニリノ
テレフタル酸又は、その誘導体があり、式(I)で表さ
れるものをあげることができる。
【0014】
【化1】
【0015】式(I)中、X1,X2は、同一でも異な
っていてもよい、それぞれ水素原子、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルファモイル基
から選ばれる置換基である。
【0016】この様なものとしては、例えば、2,5−
ジアニリノテレフタル酸〔式(I)において、X1=X
2=水素原子の化合物〕、2,5−ジトルイジノテレフ
タル酸〔式(I)において、X1=X2=メチル基の化
合物〕等が挙げられる。そして、2,5−ジアリールア
ミノテレフタル酸類(B)として2種以上を用いることに
より、2種のキナクリドン化合物の混合物ないしは、2
種以上のテレフタル酸類(B)に由来するキナクリドン化
合物の固溶体が得られる。
【0017】本発明では、環化反応に先立ち、無水物
(A)を予め調製しておくのが好ましい。この無水物(A)
は、好適には、例えばスルホン化剤と芳香族炭化水素と
を反応させることにより得ることが出来る。
【0018】本発明では、例えば、硫酸、無水硫酸、発
煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、塩化スルフリル等の
公知慣用のスルホン化剤を使用できる。好適には、スル
ホン化剤として、無水硫酸または発煙硫酸を使用する。
発煙硫酸としては、60%以上の発煙硫酸を使用するの
が良い。
【0019】また、この無水物(A)は、硫酸類をスルホ
ン化剤として、芳香族炭化水素とを反応させることによ
りアリールスルホン酸を得た後、無水硫酸を追加するこ
とが出来る。
【0020】ここで硫酸類としては、濃度70重量%以
上の硫酸を用いることができるが、より高い反応性が望
める点で、硫酸濃度が極力高いもの、具体的には、濃度
95重量%以上の硫酸を用いるのが好ましい。
【0021】一方、芳香族炭化水素としては、公知慣用
なものが挙げられる。具体的には、ベンゼン等の置換基
を有さない(無置換)芳香族炭化水素の他、トルエン、
フェノール、モノクロロベンゼン等のベンゼン環上にア
ルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等の置
換基を有する一置換芳香族炭化水素、キシレン、ジオキ
シベンゼン、ジクロルベンゼン等のベンゼン環上にアル
キル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換
基を有する二置換芳香族炭化水素等がある。芳香族炭化
水素としても、常温液体で、より高い反応性が望める点
で、置換基を有する、芳香環が一つの芳香族炭化水素が
好ましい。
【0022】無水和物(A)を得るに際しての芳香族炭化
水素とスルホン化剤との反応比率は、特に制限されない
が、前者1モルに対して、後者1〜2.2モルとするの
が好ましい。理論的には、前者1モルに対して後者1モ
ルが反応すれば、アリールモノスルホン酸無水和物が得
られ、前者1モルに対して後者2モルが反応すれば、ア
リールジスルホン酸無水和物が得られる。
【0023】アリールジスルホン酸無水和物の濃度を高
めるには、前者1モルに対して後者モル数が1以上でよ
り高くなる様にすれば良い。無水和物(A)全体中のアリ
ールジスルホン酸無水和物の含有率は、5%以上となる
様にするのが好ましい。
【0024】この無水物(A)を得るに当たっては、例え
ば、室温下のスルホン化剤の攪拌下に系内が50〜90
℃となる様に芳香族炭化水素を加え、もしくは、芳香族
炭化水素の攪拌下に系内が50〜90℃となる様にスル
ホン化剤を加え、次いで系内を110〜150℃となる
様に昇温し10分〜1時間保持することが出来る。
【0025】尚、濃度が90重量%以上の硫酸を用いる
場合には、例えば室温下の硫酸と芳香族炭化水素を加
え、次いで共沸させ、水分と過剰の芳香族炭化水素を系
外に留去した後、無水硫酸を追加する様にすれば系内を
無水状態とすることができる。この様な方法で無水和物
(A)を製造すると、製造コストも下げられるので好まし
い。
【0026】本発明においては、次いで、無水和物(A)
とテレフタル酸類(B)とを環化させてキナクリドン化合
物(C)とする。
【0027】環化における、無水和物(A)対テレフタル
酸類(B)との重量比率〔無水和物(A):テレフタル酸類
(B)〕は、例えば、2:1以上10:1以下、好ましく
は3:1〜4:1である。これは従来法よりも用いるア
リールスルホン酸の絶対量をより低減できることを意味
する。
【0028】本発明の製造方法で、環化に要する反応温
度は、通常は、110〜160℃であり、キナクリドン
の純度と収率の面を考えると、120〜140℃が好ま
しい。反応時間は、例えば30分〜4時間である。
【0029】こうして得られたキナクリドン化合物(C)
は、単離して、必要に応じて洗浄すれば、そのままでも
顔料として使用することが可能ではあるが、化合物(C)
と、アリールスルホン酸水溶液又は水とを混合する顔料
化工程を含める様にして、結晶化と粒子制御を確実にす
るのが好ましい。
【0030】この顔料化工程は、系内に、アリールスル
ホン酸水溶液もしくは水を添加して直ちに、キナクリド
ン結晶粒子を濾別しても良いが、具体的には、2,5−
ジアリールアミノテレフタル酸を加熱環化させた後、さ
らに、系内に、アリールスルホン酸水溶液もしくは水を
添加し、アリールスルホン酸の濃度を10〜50重量%
に調製し、例えば60〜100℃で1〜8時間加熱し、
キナクリドン結晶粒子を所望の大きさとなる様にゆっく
り伸長させ、直接顔料を製造する方法であるが、キナク
リドン化合物の性質と加熱時間を考えると、アリールス
ルホン酸の濃度は、20〜40重量%が好ましく、加熱
温度は65〜95℃が好ましい。
【0031】この際に用いる、アリールスルホン酸水溶
液は、別途準備したものを用いても良い。水としては、
例えば水道水、イオン交換水、純水、超純水等をいずれ
も使用できる。ここで、単なる水を用いるか、アリール
スルホン酸水溶液を用いるかは、例えば系内のスルホン
酸濃度により選択出来る。系内を均一攪拌できる程度の
粘度となる様に、水またはスルホン酸水溶液を加える様
にする。例えばスルホン酸濃度が高い場合には、スルホ
ン酸水溶液を用いるのが好ましい。
【0032】また、こうして得られたキナクリドン顔料
は、色材としてそのまま用いることができるが、さら
に、性能を得るため、粒子サイズや結晶長短軸比の調
整、結晶変換操作として、機械的磨砕、あるいは有機溶
媒,有機溶媒+水系において加熱処理してもよい。
【0033】機械的磨砕法としては、例えば、ペイント
シェーカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロール
ミル、アトライター、ニーダー、振動ミル、コロイドミ
ル等を用いることができる。磨砕は乾式でおこなっても
よいし、液状物質を用いて湿式で行ってもよい。食塩、
芒硝等の磨砕助剤を用いることもできる。
【0034】加熱処理として用いられる有機溶剤として
は、アルコール、エステル、ケトン、及び脂肪族及び芳
香族炭化水素およびそれらの誘導体のような有機溶媒等
公知の有機溶媒を使用して、粒子制御をしてもよい。ま
た、これらの有機溶媒は、水との混合系で使用してもか
まわない。
【0035】アリールスルホン酸水溶液又は水とを混合
する顔料化工程の後の任意の工程において、好ましく
は、塩基を加えて、系内やキナクリドン顔料表面のアリ
ールスルホン酸や硫酸等に由来する酸を中和して、中性
のキナクリドン顔料を得る様にする。
【0036】この際の塩基としては、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン等の有機塩基を用いることが出来
るが、好適には、キナクリドン顔料に影響を及ぼさない
無機塩基を用いるのが好ましい。
【0037】アリールスルホン酸水溶液又は水とを混合
する顔料化工程の後の任意の工程において、水洗や湯洗
等の洗浄を1〜4回行うことが出来る。
【0038】必要に応じて、湿潤したキナクリドン顔料
は、乾燥して粉体として用いることが出来る。この際に
は、例えば熱風乾燥機、スプレードライヤー等を用いる
ことが出来る。さらに粒径分布のシャープなものを得る
のに必要ならば分級することも出来る。
【0039】本発明では、上記した様な操作を行うこと
により、好適には、例えば窒素によるBET比表面積3
0〜80m2/gのキナクリドン顔料を得ることが出来
る。
【0040】本発明によって得られる公知のキナクリド
ン化合物(C)やキナクリドン顔料は、固溶体であるか混
合物であるかを含めて、Cuα線でのX線回折測定で得
られる回折図により、その化学構造を容易に特定するこ
とが出来る。また、得られた物質の純度は、紫外線(U
V)吸収スペクトルの測定により、標準スペクトルとの
対比から容易に特定することが出来る。
【0041】本発明で得られたキナクリドン顔料は、印
刷用インク、着色紙、又は着色高分子物質との混合物の
ような、非常に堅牢な着色系に対する着色剤として(又
は2種類以上の着色剤類の1種類として)使用すること
ができる。「その他の物質との混合物」の術語は、例え
ば、二酸化チタン(ルチル)又はセメントのような無機
の白色顔料、又はその他の無機顔料との混合物を含むと
理解することができる。
【0042】顔料調製物の例は、有機流体又はペースト
とのフラッシペースト並びに、水、分散剤及び、適当な
ら、保存剤との分散物、を含む。本発明のキナクリドン
顔料を使用することができる塗料の例は、例えば、物理
的又は酸化的乾燥ラッカー、焼き付けエナメル、反応性
塗料、二成分塗料、溶媒性もしくは水性塗料、防水塗装
のためのエマルション塗料、並びに水性塗料を含む。
【0043】印刷用インクは、紙、織物、及びブリキ板
印刷における使用のために既知のものを含む。高分子物
質は、ゴムのような自然界からのもの;アセチルセルロ
ース、酪酸セルロール、又はビスコースのような化学的
誘導により得られるもの;あるいは、ポリマー、重付加
生成物、及び重縮合物のような合成により生成されるも
のを含む。合成により生成される高分子物質の例は、塩
化ポリビニル、酢酸ポリビニル、及びプロピオン酸ポリ
ビニルのようなプラスチック物質;ポリエチレン及びポ
リプロピレンのようなポリオレフィン類;高分子量のポ
リアミド類;アクリル酸、メタクリ酸、アクリロニトリ
ル、アクリルアミド、ブタジエン、又はスチレン、のポ
リマー及びコポリマー;ポリウレタン;並びにポリカー
ボネートを含む。
【0044】本発明のキナクリドン顔料で染色された物
質は、あらゆる所望の形状又は形態をもつことができ
る。本発明により調製された顔料は、著しく水抵抗性、
油抵抗性、酸抵抗性、石灰抵抗性、アルカリ抵抗性、溶
媒抵抗性、過剰ラッカー吹き付けに堅牢、過剰噴霧に堅
牢、昇華に堅牢、熱抵抗性で、そして加硫耐性であり、
しかも非常に良好な着色製品をもたらしそして分散が容
易である。
【0045】また本発明のキナクリドン顔料は、例えば
静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、
液晶カラーフィルタ等のハイテク分野に適用することも
出来る。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具
体的に説明する。前記の明細書中に提示された本発明
は、その精神又は範囲においてこれらの実施例により制
約されない。当業者は、以下の方法の条件の既知の変法
を使用することができることは容易に理解するであろ
う。
【0047】特記されない限り、すべての温度は摂氏
で、「部」は『重量部』を表わす。結晶構造の特定のた
めに、CuKα線を用いてX線回折測定を行った。X線
回折やUV測定の標準を用いたキナクリドンは、既知の
ポリ燐酸環化法プロセスで合成したキナクリドンであ
る。尚、比表面積は、窒素ガスを用いたBET法により
測定した比表面積である。
【0048】純度の測定は、2mgのキナクリドンを精
秤して、100mlの95%濃硫酸に溶解させ、UVを
測定し、606nmでの吸収値を求め、標準に用いたキ
ナクリドンの同波長での吸収値と較べたのが純度であ
る。尚、キナクリドンの化学構造の相違により606n
mから波長がシフトするので、測定すべきキナクリドン
の種類に応じて最適波長は選定される。
【0049】(実施例1)攪拌機、コンデンサー、温度
計および電熱加熱ジャケットを備えたフラスコ中に、6
0%発煙硫酸87.2部を加え、室温で攪拌しながら、
トルエン46.0部を滴下し、内容物温度100℃以上
にならないように、滴下速度をコントロールする。滴下
終了後、内温130℃まで加熱し、30分保持し、2,
5−ジトルイジノテレフタル酸50部を添加し、135
℃で2時間反応させた。冷却、水200部を加え、攪
拌、分散した後、反応混合物をろ過し、湯洗、得られた
ウェットケーキを2%水酸化ナトリウム溶液300部中
に再びスラリとして、130℃、3時間加圧加熱し、ろ
過し、アルカリがなくなるまで熱水で洗浄し、90℃に
て24時間乾燥した。X線回折により、得られた固体は
β−2,9−ジメチルキナクリドンで、43.3部を得
た。UV測定による純度は、96%であった。
【0050】(実施例2)実施例1の装置を用いて、6
0%発煙硫酸87.2部、トルエン46.0部、2,5
−ジトルイジノテレフタル酸45部を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行った。得られた固体はβ−2,9
−ジメチルキナクリドンで、39.1部を得た。UV測
定による純度は、98%であった。
【0051】(実施例3)実施例1の装置を用いて、6
0%発煙硫酸87.2部、トルエン46.0部、2,5
−ジトルイジノテレフタル酸40部を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行った。得られた固体はβ−2,9
−ジメチルキナクリドンで、35.4部を得た。UV測
定による純度は、97%であった。
【0052】(実施例4)実施例1の装置を用いて、8
5%発煙硫酸82.7部、トルエン46.0部、2,5
−ジトルイジノテレフタル酸40部を用いた以外は実施
例1と同様の操作を行った。得られた固体はβ−2,9
−ジメチルキナクリドンで、35.5部を得た。UV測
定による純度は、97%であった。
【0053】(実施例5)実施例1の装置を用いて、6
0%発煙硫酸87.2部、トルエン46.0部、2,5
−ジアニリノテレフタル酸40部を用いた以外は実施例
1と同様の操作を行った。得られた固体はγ−キナクリ
ドンで、34.0部を得た。UV測定による純度は、9
7%であった。
【0054】(実施例6)実施例1の装置を用いて、6
0%発煙硫酸87.2部、オルソ−キシレン53.1
部、2,5−ジトルイジノテレフタル酸40部を用いた
以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた固体は
β−2,9−ジメチルキナクリドンで、34.9部を得
た。UV測定による純度は、96%であった。
【0055】(実施例7)攪拌機、コンデンサー、温度
計および電熱加熱ジャケットを備えたフラスコ中に、6
0%発煙硫酸87.2部を加え、室温で攪拌しながら、
トルエン46.0部を滴下し、内容物温度100℃以上
にならないように、滴下速度をコントロールする。滴下
終了後、内温130℃まで加熱し、30分保持し、2,
5−ジトルイジノテレフタル酸40部を添加し、135
℃で2時間反応させた。冷却し、100℃以下になった
とき、40%トルエンスルホン酸水溶液150部を加
え、90℃で6時間加熱反応させた後、反応混合物を冷
却し、ろ過、湯洗、得られたウェットケーキを2%水酸
化ナトリウム溶液300部中に再びスラリとして、13
0℃、3時間加圧加熱し、ろ過し、アルカリがなくなる
まで熱水で洗浄し、90℃にて24時間乾燥した。X線
回折により、得られた固体はβ−2,9−ジメチルキナ
クリドンで、34.6部を得た。UV測定による純度
は、97%であった。比表面積49m2/g。
【0056】(実施例8)実施例1の装置を用いて、8
5%発煙硫酸82.7部、トルエン46.0部、2,5
−ジトルイジノテレフタル酸40部、20%トルエンス
ルホン酸水溶液150部を用いた以外は実施例7と同様
の操作を行った。得られた固体はβ−2,9−ジメチル
キナクリドンで、34.8部を得た。UV測定による純
度は、97%であった。比表面積70m2/g。
【0057】(実施例9)攪拌機、コンデンサー、温度
計および電熱加熱ジャケットを備えたフラスコ中に、6
0%発煙硫酸80.0部を加え、室温で攪拌しながら、
トルエン46.0部を滴下し、内容物温度60℃以上に
ならないように、滴下速度をコントロールする。滴下終
了後、内温130℃まで加熱し、30分保持し、2,5
−ジトルイジノテレフタル酸40部を添加し、135℃
で2時間反応させた。冷却し、100℃以下になったと
き、20%トルエンスルホン酸水溶液150部を加え、
90℃で6時間加熱反応させた後、反応混合物を冷却
し、ろ過、湯洗、得られたウェットケーキを2%水酸化
ナトリウム溶液300部中に再びスラリとして、130
℃、3時間加圧加熱し、ろ過し、アルカリがなくなるま
で熱水で洗浄し、90℃にて24時間乾燥した。X線回
折により、得られた固体はβ−2,9−ジメチルキナク
リドンで、35.0部を得た。UV測定による純度は、
97%であった。比表面積52m2/g。
【0058】(実施例10)攪拌機、コンデンサー、温
度計および電熱加熱ジャケットを備えたフラスコ中に、
トルエン46.0部を加え、室温で攪拌しながら、無水
硫酸80.0部を滴下し、内容物温度60℃以上になら
ないように、滴下速度をコントロールする。滴下終了
後、内温130℃まで加熱し、30分保持し、2,5−
ジトルイジノテレフタル酸20部と2,5−ジアニリノ
テレフタル酸20部を添加し、130℃で2時間反応さ
せた。冷却し、100℃以下になったとき、20%トル
エンスルホン酸水溶液150部を加え、90℃で6時間
加熱反応させた後、反応混合物を冷却し、ろ過、湯洗、
得られたウェットケーキを2%水酸化ナトリウム溶液3
00部中に再びスラリとして、130℃、3時間加圧加
熱し、ろ過し、アルカリがなくなるまで熱水で洗浄し、
90℃にて24時間乾燥した。得られた固体は無置換キ
ナクリドンと2,9−ジメチルキナクリドンの固溶体
で、34.3部を得た。比表面積64m2/g。
【0059】(実施例11)攪拌機、水分定量管、コン
デンサー、滴下ロート、温度計および電熱加熱ジャケッ
トを備えたフラスコ中に、98%硫酸101部とp-キシ
レン130部を加え、室温から昇温し、還流させ、水を
留出し、140℃で1時間保温させ、水と過剰のp-キシ
レンを留出した後、冷却し、80℃以下になったとき、
40部無水硫酸を滴下し、反応系に残った水とp-キシレ
ンを硫酸とp−キシレンスルホン酸に転化した。2,5
−ジトルイジノテレフタル酸70部を加え、130℃で
2時間反応させた。冷却し、70℃以下になったとき、
水330部を加え、90℃で6時間加熱反応させた後、
反応混合物を冷却し、ろ過、湯洗、得られたウェットケ
ーキを20%水酸化ナトリウム溶液50部とIPA35
0部再びスラリとして、110℃、3時間加圧加熱し、
ろ過し、アルカリがなくなるまで熱水で洗浄し、90℃
にて24時間乾燥した。X線回折により、得られた固体
はβ−2,9−ジメチルキナクリドンで、59.2部を
得た。UV測定による純度は、100%であった。比表
面積46m2/g。
【0060】実施例で用いた、硫酸類と芳香族炭化水素
とを反応させて得たもの(アリールスルホン酸無水和
物)は、いずれも、アリールジスルホン酸無水和物とア
リールモノスルホン酸無水和物と硫酸との混合物であ
り、無水和物が全体の90モル%を占めていた。また、
無水和物中のアリールジスルホン酸無水和物は70モル
%以上であった。
【0061】(比較例1)攪拌機、コンデンサー、温度
計および電熱加熱ジャケットを備えたフラスコ中に、p
−トルエンスルホン酸1水和物100部と2,5−ジト
ルイジノテレフタル酸20部を加え、150℃で2時間
反応させた。冷却し、ろ過、湯洗、得られたウェットケ
ーキをを2%水酸化ナトリウム溶液150部中に再びス
ラリとして、130℃、3時間加圧加熱し、ろ過し、ア
ルカリがなくなるまで熱水で洗浄し、90℃にて24時
間乾燥した。X線回折により、得られた固体はβ−2,
9−ジメチルキナクリドンで、14.3部を得た。UV
測定による純度は、87%であった。
【0062】尚、キナクリドン化合物の合成時の収率と
純度は、いずれも実施例のもののほうが、比較例1のも
のよりも格段に優れていた。
【0063】実施例5と10を除く各実施例は、比較例
1に比べて、最終的なキナクリドン顔料としても、優れ
た収率と純度が得られていることが明らかである。
【0064】
【発明の効果】本発明のキナクリドン化合物の製造方法
では、アリールスルホン酸水和物に代えて、同様の無水
和物の存在下で環化するので、キナクリドン化合物を高
純度で得ることが出来るという格別顕著な効果を奏す
る。本発明のキナクリドン顔料の製造方法では、上記し
て得たキナクリドン化合物を、アリールスルホン酸水溶
液又は水で結晶化させて顔料とするのでキナクリドン顔
料を、高純度,高収率で製造することが出来るという格
別顕著な効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリールスルホン酸無水和物(A)の存在
    下で、置換基を有していても良い2,5-ジアリールアミノ
    テレフタル酸類(B)を環化するキナクリドン化合物(C)の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 アリールスルホン酸無水和物(A)が、ア
    リールジスルホン酸無水和物である請求項1記載の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 アリールスルホン酸無水和物(A)が、無
    水硫酸もしくは発煙硫酸と、芳香族炭化水素とを反応さ
    せたものである請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 2種類以上の2,5−ジアリールアミノ
    テレフタル酸(B)を用いる請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1の化合物(C)と、アリールスル
    ホン酸水溶液又は水とを混合し、結晶化させるキナクリ
    ドン顔料の製造方法。
  6. 【請求項6】 2種類以上の2,5−ジアリールアミノ
    テレフタル酸(B)を用いる請求項4のキナクリドン固溶
    体顔料の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096324A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Dainippon Ink & Chem Inc キナクリドンスルホン酸誘導体の製造方法
EP2058373A2 (en) 2003-09-22 2009-05-13 FUJIFILM Corporation Organic pigment fine-particle, and method of producing the same
JPWO2019202939A1 (ja) * 2018-04-17 2020-05-28 Dic株式会社 キナクリドン固溶体及びこれを含有するインキ組成物

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EP2058373A2 (en) 2003-09-22 2009-05-13 FUJIFILM Corporation Organic pigment fine-particle, and method of producing the same
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