JPH10158536A - キナクリドン調製時のキナクリドン添加物の組み込み - Google Patents

キナクリドン調製時のキナクリドン添加物の組み込み

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JPH10158536A
JPH10158536A JP9327209A JP32720997A JPH10158536A JP H10158536 A JPH10158536 A JP H10158536A JP 9327209 A JP9327209 A JP 9327209A JP 32720997 A JP32720997 A JP 32720997A JP H10158536 A JPH10158536 A JP H10158536A
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sulfonyl
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    • C09B67/0036Mixtures of quinacridones
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 キナクリドン顔料の調製方法の提供。 【解決手段】 a)i) 2,5−ジアニリノテレフタ
ル酸、2,5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレフ
タル酸又は2,5−ジアニリノ−3,6−ジオキソ−
1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸; ii) 成分a)i)の約0.1〜15重量%の、1種類
以上の、成分a)i)のスルホニル含有誘導体及び iii) 成分a)i)の約3〜20重量部の脱水物質を
含む反応混合物を加熱、ただし成分a)i)又はa)i
i)の一方が2,5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロ
テレフタル酸又はその誘導体である場合は段階a)が更
に酸化段階を含む; b) キナクリドン顔料が実質的に不溶な流体で段階
a)からの反応混合物を浸漬;並びに c) キナクリドン顔料を単離することによる調製方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、減少された粉末
度、改善された着色性、改善されたレオロジー性、及び
より安価な製造経費を有するキナクリドン顔料の調製方
法に関する。キナクリドン合成中の、2,5−ジアニリ
ノテレフタル酸のある種のスルホニル−含有誘導体の組
み込みは、より濃く、より明るい上色(masstones)及
び改善された透明度及びレオロジー性、並びにより明る
く、より青味を帯びた金属的光沢及びより青みを帯びた
色相を有するキナクリドン顔料を提供する。その上、融
解物の粘度の減少が、閉環時の原料のより大量の使用
(loadings)を可能にするため、一般的に製造経費が軽
減される。
【0002】
【従来の技術】キナクリドンの製造方法は既知である。
例えば、Chemical Review, 67, 1-18(1967)中のS.S. La
bana 及び L.L. Labana, “Quinacridone" 、及び米国
特許第3,157,659号、同第3,256,285
号及び同3,317,539号明細書を参照願いたい。
粗製キナクリドンとして知られる、このようにして得ら
れたキナクリドンは概括的に、顔料としての使用に不適
で、更に1段階以上の精製段階を踏んで、粉末度、粒子
の形態、あるいは結晶構造を変えることにより顔料とし
ての品質を達成せねばならない。
【0003】キナクリドンの好ましい調製方法は、ポリ
リン酸の存在下における、2,5−ジアニリノテレフタ
ル酸前駆物質、並びにそれらの既知のアニリン置換誘導
体の熱誘導閉環を伴う。例えば、米国特許第3,25
7,405号明細書を参照願いたい。閉環が終結後、キ
ナクリドンが実質的に不溶の流体、通常水及び/又はア
ルコール中に注入することにより融解物を浸漬させる
(drowned)。次いで生成された結晶顔料を、溶媒処理
又は溶媒処理と組み合わせた微粉砕により更に調整処理
する。
【0004】キナクリドンキノンは、閉環反応における
出発物質として2,5−ジアニリノ−3,6−ジオキソ
−1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸
誘導体を使用すること以外は、同様な方法で調製するこ
とができる。例えば、Chemical Review, 67, 1-18(196
7)中の S.S.Labana 及び L.L. Labanaによる “Quinacr
idones"、及び W.Herbst 及び K. Hungerの Industrial
Organic Pigments (New York: VCH Publishers, Inc.
1993), pages 452-453を参照願いたい。
【0005】閉環反応の出発物質として2,5−ジアニ
リノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸誘導体を使用す
ることも可能である。しかし、生成されるジヒドロキナ
クリドンを、調整処理(conditioning)の前に、対応す
るキナクリドンに酸化させなければならない。例えば、
Chemical Review, 67, 1-18(1967)中の S.S.Labana及び
L.L. Labanaによる “Quinacridones"、及び W.Herbst
及び K. Hungerの Industrial Organic Pigments (New
York: VCH Publishers, Inc. 1993), pages 448-449を
参照願いたい。
【0006】キナクリドン顔料の最終粉末度は、合成及
び後処理の両者で使用される方法により調節することが
できる。例えば、キナクリドン顔料は粉末度を減少させ
ることにより、もっと透明に、あるいは、粉末度を増加
させることにより、もっと不透明にすることができる。
既知の方法では、粉末度は概括的に、浸漬させることに
よる顔料の沈澱時に、あるいは粗製顔料の微粉砕又は溶
媒処理時に調整される。顔料の着色力及び透明度もまた
溶媒処理により影響を受ける可能性がある。粗製顔料の
粉末度を調整する後処理段階はしばしば調整処理(cond
itioning)法と称される。
【0007】幾つかの適宜な調整処理方法が知られてい
る。しかし、最も一般的に使用される方法は、概括的
に、その後に除去せねばならないような、望ましくない
程大量の無機塩の存在下での乾燥粗製キナクリドンの微
粉砕(milling)を伴う。顔料キナクリドンはまた、最
初に乾燥粗製物質を前微粉砕し、そして次に微粉砕され
た物質を有機流体で処理することにより得ることができ
る。その他の方法は、前段階微粉砕とそれに続く、水及
び少量の有機流体を使用する更なる微粉砕段階を伴う。
顔料キナクリドンはまた、大量の溶媒中における、粗製
プレスケーキの熱処理により得ることができる。顔料の
特性を更に改善するために、微粉砕、溶媒処理、又は溶
媒による後処理段階で、種々の添加物が添加されてき
た。例えば米国特許第5,084,100号明細書は、
粗製キナクリドンを硫酸アルミニウム及び、アルカンジ
カルボン酸のエステルの存在下でボールミル粉砕する方
法を公表している。米国特許第4,455,173号明
細書は、粗製キナクリドン顔料を酸ペースト又はボール
ミルし、次いで有機流体中で、好ましくは2−フタルイ
ミドメチルキナクリドン粉末度増加抑制剤の存在下で微
粉砕する方法を公表している。キナクリドン顔料を含
む、顔料を処理するための種々の顔料誘導体もまた、米
国特許第3,386,843号、同第4,310,35
9号、及び同第5,472,494号明細書中に記載さ
れている。
【0008】閉環段階に対するある種のキナクリドン誘
導体の添加もまた報告されている。例えば、米国特許第
5,368,641号明細書は、2,9−ジメチルキナ
クリドンの製造における種々のキナクリドン誘導体の使
用につき公表しており、そして欧州特許出願第643,
110号明細書はジヒドロキナクリドン(2,5−ジア
ニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸から調製)の
キナクリドンへの酸化過程中のキナクリドン誘導体の使
用につき記載している。米国特許出願第08/639,
598号及び同第08/639,599号明細書も参照
願いたい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの既知の方法に
比較して、本発明の方法は、閉環段階にこのような顔料
添加物を導入せず、その代わりに、閉環時に、ある種の
スルホニル含有キナクリドン添加物の前駆物質を組み込
む。これらの前駆物質はキナクリドン顔料自体が生成さ
れると同時に、スルホニル含有キナクリドン添加物に転
化される。本発明の方法は、しばしばより安価な製造経
費を伴う、望ましい着色性を有するキナクリドン顔料を
提供する。
【0010】本発明は、キナクリドン合成の閉環段階に
対する、2,5−ジアニリノテレフタル酸の、ある種の
スルホニル含有誘導体の添加により、改善されたレオロ
ジー性及び透明度を有する、粉末度のより小さいキナク
リドンを提供する。閉環段階におけるこのような誘導体
の添加は、改善された透明度及びレオロジー性、並びに
より明るく、より青味を帯びた金属的光沢及び、より青
味を帯びた色相を有する、より濃く、より明るい(brig
hter)顔料をもたらす。
【0011】
【発明の構成】本発明は、 (a) 約80℃から約145℃(好ましくは100℃
から130℃)の温度で(好ましくは約1時間から約2
4時間)、 (i) 2,5−ジアニリノテレフタル酸、2,5−ジ
アニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸、2,5−
ジアニリノ−3,6−ジオキソ−1,4−シクロヘキサ
ジエン−1,4−ジカルボン酸、あるいは、少なくとも
1個のアニリン環に1個以上の置換基を有するそれらの
誘導体;前記の酸の塩又はエステル又はそれらの誘導
体;あるいはそれらの混合物; (ii) 成分(a)(i)の約0.1から約15重量パ
ーセント(好ましくは0.1から10重量パーセント)
の、式(I)
【0012】
【化4】
【0013】を有する2,5−ジアニリノテレフタル酸
の、スルホニル含有誘導体、式(II)
【0014】
【化5】
【0015】を有する2,5−ジアニリノ−6,13−
ジヒドロテレフタル酸のスルホニル含有誘導体、式(II
I)
【0016】
【化6】
【0017】[上記の式中、X1及びX2は独立してOR
a又はNRbcであり、Y1及びY2は独立して水素、ハ
ロゲン、C1−C6アルキル、又はC1−C6アルコキシで
あり、R1及びR2は独立して水素、金属、アンモニウム
イオン、又はC1−C12アルキルであり、Raは水素、金
属、アンモニウムイオン、又はC1−C12アルキルであ
り、Rbは水素、C1−C12アルキルもしくは置換C1
12アルキル、C5−C7シクロアルキルもしくは置換C
5−C7シクロアルキル、C6−C10アリール、5もしく
は6員環原子(その少なくとも1つの環原子がN、O、
S又はそれらの組み合わせであり、そして場合によって
は1個以上のその他の芳香族環に縮合されている)を有
するヘテロアリール、又はC7−C16アラルキルであ
り、Rcは水素、C1−C12アルキルもしくは置換C1
12アルキル、C5−C7シクロアルキルもしくは置換C
5−C7シクロアルキル、又はC7−C16アラルキルであ
るか、あるいはRbとRcが窒素原子とともに、5から7
員環原子を有する複素環を形成し、そしてm及びnは独
立して、0から3である、ただし、m又はnの少なくと
も1個は0でない(好ましくはm及びnの両者が1であ
る)ことを前提にする]を有する、2,5−ジアニリノ
−3,6−ジオキソ−1,4−シクロヘキサジエン−
1,4−ジカルボン酸のスルホニル含有誘導体、あるい
はそれらの混合物;並びに (iii) 成分(a)(i)の約3から約20重量部(好
ましくは3から10重量部)の脱水物質(好ましくはポ
リリン酸)、ただし、成分(a)(i)又は成分(a)
(ii)のどちからかが2,5−ジアニリノ−6,13−
ジヒドロテレフタル酸又はその誘導体である場合は、反
応段階(a)は更に、酸化段階(最初に生成されたジヒ
ドロキナクリドン中間体を、対応するキナクリドンに転
化させる)を含んでなることを前提とする;を含んでな
る反応混合物を加熱すること; (b) 前記の反応混合物を、成分(a)(i)の約3
から約15重量部(好ましくは5から10重量部)の、
キナクリドン顔料が実質的に不溶である流体に添加する
ことにより、段階(a)からの反応混合物を浸漬させる
こと; (c) キナクリドン顔料を単離すること; (d) 場合によっては、キナクリドン顔料を調整処理
すること;並びに (e) 場合によっては、1種類以上の顔料誘導体(好
ましくはキナクリドン誘導体)と、生成されたキナクリ
ドン顔料を混合する(好ましくは乾燥混合する)こと;
を含んでなるキナクリドン顔料の調製方法に関する。
【0018】キナクリドン顔料(非置換キナクリドン、
キナクリドン誘導体、及びそれらの固溶体を意味する)
は、最初、脱水物質(好ましくはポリリン酸)及び本発
明による2,5−ジアニリノテレフタル酸のスルホニル
含有誘導体の存在下で、2,5−ジアニリノテレフタル
酸前駆物質を加熱することにより、既知の、それらのア
ニリン置換誘導体、並びにそれらの金属又はアミン塩又
はエステルを含む、2,5−ジアニリノテレフタル酸前
駆物質を閉環させること、あるいは、それほど好ましく
はないが、本発明による2,5−ジアニリノテレフタル
酸のスルホニル含有誘導体の存在下で、閉環を高沸点溶
媒中で熱誘導することにより、本発明に従い調製され
る。次いでキナクリドン含有反応混合物を浸漬させ(dr
owned)、生成されたキナクリドン顔料を既知の方法で
単離させる。キナクリドン顔料はまた好ましくは、更な
る調整処理段階を通過させて顔料の特性を改善させそし
て、所望するなら、種々の添加物と混合させる。
【0019】閉環段階(a)は脱水物質、特には、ポリ
リン酸、ポリリン酸の酸性エステル、又は硫酸、のよう
な強酸中で実施される。例えば、米国特許第4,75
8,665号明細書及び Chemical Reviews, 67,1-18(1
967) 中のS.S.Labana and L.L.Labana, “Quinacridone
s" を参照願いたい。約110−120%H3PO4等量
のリン酸塩を含有するポリリン酸が特に好ましい。ポリ
リン酸を使用する場合、スルホニル含有誘導体の量を含
む、テレフタル酸前駆物質の総量に対する、ポリリン酸
の重量比は具体的には約3:1から約10:1(好まし
くは4:1から8:1)である。段階(a)の反応混合
物を約80℃から約145℃(好ましくは100℃から
130℃)の温度で、好ましくは約1時間から24時間
(より好ましくは1時間から12時間)加熱する。
【0020】本発明の方法は、閉環を、非置換の2,5
−ジアニリノテレフタル酸を使用して実施するか又は、
2個のアニリン環の少なくとも1個に1個以上の置換基
を有するその誘導体を使用して実施するかにより、非置
換キナクリドン又は環置換キナクリドン誘導体を調製す
るために使用することができる。本質的には当該技術分
野で既知のいずれの2,5−ジアニリノテレフタル酸誘
導体をも使用することができるが、特に好ましい2,5
−ジアニリノテレフタル酸誘導体は、両方のアニリン部
分がハロゲン(好ましくは塩素)、C1−C6アルキル
(好ましくはメチル)、及びC1−C6アルコキシ(好ま
しくはメトキシ)のような基でパラ位で置換(典型的に
は同一の置換基で)されているものである。アニリン部
分がオルソ又はメタ位で置換されている2,5−ジアニ
リノテレフタル酸の誘導体を使用することもできる。前
記化合物それぞれの対応する金属又はアミン塩(好まし
くはアルカリ又はアルカリ土類金属塩)又はエステル
(好ましくはアルキルエステル)もまた、もちろん使用
することができる。特に適宜な2,5−ジアニリノテレ
フタル酸誘導体の例は、2,5−ジ(4−クロロアニリ
ノ)テレフタル酸、2,5−ジ(4−メチルアニリノ)
テレフタル酸、及び2,5−ジ(4−メトキシアニリ
ノ)テレフタル酸である。
【0021】2,5−ジアニリノテレフタル酸及び1種
類以上のそれらの誘導体を含有する混合物又は、2種類
以上の2,5−ジアニリノテレフタル誘導体を含有する
混合物、を使用することもできる。このような混合物の
使用はキナクリドン固溶液を得るために特に好都合な方
法を提供する。完成されたキナクリドン顔料(概括的に
粗製形態の)と組み合わせた2,5−ジアニリノテレフ
タル酸及び/又はその誘導体を含有する混合物もまた使
用することができる。
【0022】それほど好ましくはないが、閉環反応にお
ける出発物質として2,5−ジアニリノ−3,6−ジオ
キソ−1,4−シクロヘキジエン−1,4−ジカルボン
酸又はその誘導体(対応する塩又はエステルを含む)を
使用すること以外は同様な方法でキナクリドンキノンを
調製することができる。
【0023】時には、閉環反応の出発物質として2,5
−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸(好ま
しくはC1−C6アルキルエステルとして)又はその誘導
体(対応するスルホニル含有誘導体もまた含むことがで
きる)を使用することが好ましいが、その後に、生成さ
れたジヒドロキナクリドンを、既知の方法で(例えば、
芳香族ニトロ化合物、クロロアニル、アントラキノン−
2−スルホン酸又はその塩、アントラキノン−2,7−
ジスルホン酸又はその塩、空気又はその他の酸素含有ガ
ス、ハロゲン又は電気分解酸化を使用する)酸化させて
対応するキナクリドンを生成させ、既知の方法で回収せ
ねばならない。例えば、Chemical Reviews, 67,1-18(19
67)(4−5ページ参照)中のS.S.Labana and L.L.Laba
na, “Quinacridones"及び W.Herbst and K.Hunger, In
dustrial Organic Pigments (NewYork: VCH Publisher
s, Inc., 1993), pages448-449を参照願いたい。本発明
はまたキナクリドン合成のこの変法に関する。キナクリ
ドン固溶液を得るためには、2,5−ジアニリノ−6,
13−ジヒドロテレフタル酸類及び/又はそれらの誘導
体の混合物を使用することができる。
【0024】スルホニル含有誘導体は本質的には、閉環
段階(a)中又はその前のいずれの時点でも添加するこ
とができるが、本発明の重要な特徴は、閉環反応中のス
ルホニル含有誘導体(a)(ii)の存在である。適宜な
スルホニル含有2,5−ジアニリノテレフタル酸誘導体
は、強力に着色されたスルホニル含有キナクリドン生成
物を生成することができる。しかし、スルホニル含有前
駆物質の有用性は、それら自体良好な顔料の特性を示
す、スルホニル含有キナクリドン生成物の生成には依存
しない。
【0025】2,5−ジアニリノテレフタル酸の適宜な
スルホニル含有誘導体は次式(I)
【0026】
【化7】
【0027】[式中、X1及びX2は独立して、OH(す
なわち、遊離スルホン酸基)、O-陽イオン+(すなわ
ち、金属又は種々のアンモニウムイオンの塩)、O−ア
ルキル(すなわち、スルホン酸アルキルエステル)、又
はNRbc(すなわち、Rbはそれぞれ独立して、水素
あるいは、場合によっては、置換アルキル、シクロアル
キル、アリール、ヘテロアリール、又はアラルキルの可
能性があり、そしてRcはそれぞれ独立して、水素ある
いは、場合によっては、置換アルキル、シクロアルキ
ル、又はアラルキルの可能性があるか、あるいはRb
びRcが窒素原子とともに、5から7環原子を有する複
素環を形成することができる、種々のスルホンアミド)
の可能性があり;Y1及びY2は独立して、水素、ハロゲ
ン、アルキル、又はアルコキシの可能性があり;そして
m及びnは、m又はnの少なくとも一方が0でない限
り、0から3の可能性がある]を有する。好ましい態様
においては、Y1及びY2基が同一で(両者は好ましくは
水素である)そしてすべてのX1及びX2基が同一であ
る。
【0028】本明細書で使用される「C1−C12アルキ
ル」の術語は、1から12個の炭素原子を有する直鎖状
又は分枝鎖状の脂肪族炭化水素基を意味する。C1−C
12アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、及びそれらの異性
体形態である。C1−C12アルキル基はまた例えば、1
種類以上のC1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチ
オ、又はハロゲン基で置換することができる。「C1
6アルコキシ」の術語は、1から6個の炭素原子を有
する直鎖状又は分枝鎖状アルキルオキシ基を意味する。
1−C6アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロ
ポシキ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ及
びそれらの異性体形態を意味する。「C1−C6アルキル
チオ」の術語は、硫酸原子が酸素原子と置換されている
同類の基を意味する。「C5−C7シクロアルキル」の術
語は、5から7個の炭素原子を有する環状脂肪族炭化水
素基を意味する。C5−C7シクロアルキルの例は、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルであ
る。C5−C7シクロアルキル基はまた例えば、1個以上
のC1−C6アルコキシ、C1−C6アルキルチオ、又はハ
ロゲン基で置換することができる。「C6−C10アリー
ル」の術語はフェニル及び1−もしくは2−ナフチル、
並びに、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シアノ、及
びニトロで置換されたフェニル及びナフチル基を意味す
る。「ヘテロアリール」の術語は、少なくとも1個の環
原子がN、O、S、又はそれらの組み合わせであり、そ
して、場合によっては1個以上のその他の芳香族環に縮
合されることができる、5−及び6−員の芳香族基を意
味する。このようなヘテロアリール基は、環の炭素原子
においてスルホンアミドの窒素原子に結合している。ヘ
テロアリールの例は、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾ
リル、フラニル、チオフェニル、イソチアゾリル、イソ
キサゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、
ピリダジニル、等である。「C7−C16アラルキル」の
術語は、炭素原子の総数が7から16であるようにC6
−C10アリールで置換されたC1−C6アルキルを意味す
る。C7−C16アラルキルの例は、ベンジル、フェネチ
ル、及びナフチルメチルである。NRbcが、5から7
環原子を有する複素環である化合物を記載するために使
用された「複素環]の術語は、その中で、Rb及びRc
ともに、1種類以上の置換基(アルキル、アルコキシ、
又はハロゲンのような)を有する、線状のC4−C6アル
キレン、アルケニレン、アルカジエニレン、又はアルカ
トリエニレン基でありそして窒素原子が常に第四級でな
く、第三級である、基を含む。適宜な複素環はまた、1
種類以上の、環の炭素原子が、N、O、又はS(環中の
二重結合の最大数はもちろん、化学的に合理的な複素環
基を与えるような数に限定される)で置換されている基
を含む。適宜な複素環の例は、ピロリジニル、ピロリニ
ル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニ
ル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、等で
ある。ハロゲンの例はフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素
である。
【0029】例えば、ハロゲン(好ましくは塩素)、C
1−C6アルキル(好ましくはメチル)、及びC1−C6
ルコキシ(好ましくはメトキシ)を含む、スルホニル基
以外の1種類以上の置換基を含有する2,5−ジアニリ
ノテレフタル酸誘導体を使用することは可能であるが、
好ましい2,5−ジアニリノテレフタル酸誘導体は、ス
ルホニル基以外の置換基を含有しない。特に好ましい
2,5−ジアニリノテレフタル酸誘導体は式(IV)
【0030】
【化8】
【0031】[式中、X1及びX2は前記に定義されたも
のである]の「ジスルホニル」化合物である。
【0032】好ましいスルホニル含有の2,5−ジアニ
リノテレフタル酸誘導体の中には、次式(V)
【0033】
【化9】
【0034】[式中、Raは前記に定義されている]を
有するスルホン酸類(又はそれらの塩)がある。式
(V)の好ましい化合物は、遊離スルホン酸(すなわ
ち、Raが水素であるもの)であるが、対応する金属又
はアンモニウム塩を使用することもできる。適宜な金属
は、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、及びカリウ
ムのような)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カル
シウム、及びバリウムのような)、アルミニウム、遷移
金属及びその他の重金属(ニッケル、鉄、コバルト、マ
ンガン、銅、及びスズのような)を含み、その際、多価
金属は、化学量論的に適量(すなわち、酸素1モル当た
りk−価金属1/kモル)で使用される。適宜なアンモ
ニウム陽イオンは、NH4 +及び、それらの種々のN−ア
ルキル、N−アリール、及び/又はN−アラルキル置換
誘導体を含む。閉環のために典型的に使用される強酸性
状態はこのような塩を、対応する遊離スルホン酸に転化
させるかも知れないが、にもかかわらず、塩形態の、ス
ルホニル含有2,5−ジアニリノテレフタル酸誘導体を
添加することは好都合の可能性がある。
【0035】特に好ましいスルホニル含有2,5−ジア
ニリノテレフタル酸誘導体は、次式(VI)
【0036】
【化10】
【0037】[式中、Rbはそれぞれ独立して、水素、
アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキルもしく
は置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又
はアラルキルでありそして、Rcはそれぞれ独立して、
水素、アルキルもしくは置換アルキル、シクロアルキル
もしくは置換シクロアルキル、又はアラルキル又は、そ
れほど好ましくはないが、Rb及びRcが窒素原子と一緒
に、5から7員環原子を有する複素環を形成する]を有
する、スルホンアミドを含む。式(VI)の好ましい化合
物は、Rb及びRcが両者とも水素か又は両者ともアルキ
ルであるものか又は、Rbがアルキル、アリール、又は
ヘテロアリールでありそしてRcが水素であるものであ
る。高温における強酸性の脱水物質(特にポリリン酸)
の使用は、すべてではないにしても、多くの式(VI)の
スルホンアミドを、対応する遊離スルホン酸に転化させ
ることが期待されるであろうが、驚くべきことに、遊離
酸、塩又はエステルの代わりに、式(VI)のもののよう
なスルホンアミドを使用することが好都合であることが
見いだされた。
【0038】式(II)の2,5−ジアニリノ−6,13
−ジヒドロテレフタル酸の同様なスルホニル含有誘導体
もまた、特に、顔料出発物質(a)(i)として、2,
5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸又は
それらの誘導体を使用する場合に、適宜である。好まし
い2,5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル
酸誘導体は式(VII)
【0039】
【化11】
【0040】[式中、X1及びX2は前記に定義されてい
る]の「ジスルホニル」化合物である。特に好ましい
2,5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸
誘導体は、式(V)及び(VI)のテレフタル酸誘導体の
ものと一致する置換基を有するものである。閉環段階で
形成されるスルホニル含有ジヒドロキナクリドンは、主
要顔料成分のジヒドロキナクリドン中間体を酸化させる
ために使用されたものと同様な条件下で、対応するスル
ホニル含有キナクリドンに酸化させることができる。
【0041】式(III)を有する2,5−ジアニリノ−
3,6−ジオキソ−1,4−シクロヘキサジエン−1,
4−ジカルボン酸のスルホニル含有誘導体もまた、特
に、顔料出発物質(a)(i)として2,5−ジアニリ
ノ−3,6−ジオキソ−1,4−シクロヘキサジエン−
1,4−ジカルボン酸又はそれらの誘導体を使用する際
には、適宜である。好ましいジオキソシクロヘキサジエ
ンジカルボン酸誘導体は、式(IV)、(V)、及び(V
I)のテレフタル酸誘導体のものと一致する置換基を有
するものである。
【0042】一般的にそれほど好ましくはないが、顔料
の前駆物質(a)(i)のスルホニル含有前駆物質
(a)(ii)とのいずれの組み合わせをも使用すること
ができる。例えば、キナクリドン顔料は、生成物質のス
ルホニル含有キナクリドン成分の酸化を伴って、又は伴
わないで、スルホニル含有2,5−ジアニリノ−6,1
3−ジヒドロテレフタル酸の存在下で、2,5−ジアニ
リノテレフタル酸から調製することができる。
【0043】閉環段階に、種々の完成されたキナクリド
ン誘導体、特に、本発明で使用された、スルホニル含有
2,5−ジアニリノテレフタル酸誘導体から調製された
スルホニル含有キナクリドン生成物を添加することは可
能である。しかし、一般的にはこのような添加物を使用
しない方がより経済的で時間もかからない。
【0044】閉環段階(a)が終結した後、キナクリド
ン顔料を、キナクリドン顔料が実質的に不溶の流体、好
ましくは水、水混和可能溶媒(メタノール、又はその他
の低級脂肪族アルコール)、又はそれらの混合物に強酸
性の融解物を添加することにより、段階(b)で沈澱さ
せる(すなわち「浸漬させる(drowned)」)。酸性融
解物に浸漬用流体(drowning liquid)を添加すること
は可能である(例えば、米国特許第3,265,699
号明細書)が、本発明は好ましくは、酸性融解物を溶媒
に添加することにより実施される(米国特許第4,10
0,162号明細書と比較願いたい)。
【0045】適宜な浸漬用流体は水及び/又は、例え
ば、メタノールのような低級脂肪族アルコール;アセト
ン、メチルエチルケトン、及び二酢酸アルコールのよう
な、ケトン及びケトアルコール;ジメチルホルムアミド
及びジメチルアセトアミドのようなアミド;テトラヒド
ロフラン及びジオキサンのようなエーテル;エチレング
リコール及びグリセロールのような、アルキレングリコ
ール及びトリオール;並びに当該技術分野で既知のその
他のこのような有機流体を含む、水混合可能有機流体を
含む。その他の有機流体を使用することはできるが、一
般的にあまり好ましくない。
【0046】浸漬流体の温度は通常、約5℃と約65℃
の間である。概括的に、より低い浸漬温度は、粉末度の
より小さい顔料をもたらす。しかし、工程のサイクル時
間もまた非常に重要であるので(製造経費のために)、
より短い浸漬時間が好まれる。幾分、粉末度増加抑制物
質として作用する顔料誘導体(a)(iii)の存在は、
浸漬過程中に溶媒温度を上昇させるので、これにより過
剰な粉末度増加をもたらさないで時間を節約させる。
【0047】次いで浸漬された顔料を、濾過等の当該技
術分野で既知の方法を使用して段階(c)で単離し、次
いで所望なら乾燥させる。遠心分離、微細濾過、また単
なる傾斜法のような、当該技術で既知のその他の回収法
もまた適宜である。
【0048】段階(c)で得られた結晶顔料を、溶媒処
理又は、溶媒処理と組み合わせた微粉砕のような、当該
技術分野で既知の方法を使用して、場合によって使用す
る段階(d)において調整処理する(conditioned)こ
とができる。顔料の最終粉末度は、後処理法を変えるこ
とにより調節することができる。例えば、顔料は、粉末
度を減少させることにより、より透明に、あるいは粉末
度を増加させることにより、より不透明にさせることが
できる。適宜な微粉砕方法は、添加物質を伴う、又は伴
わない、サンドミル、ボールミル、等のような乾燥粉砕
法、あるいは添加物質を伴う、又は伴わない、水又は有
機溶媒中での、塩混練、粒状粉砕のような湿性粉砕法を
含む。
【0049】顔料の着色力及び透明度もまた、適宜な溶
媒中で、しばしば添加物質の存在下で、顔料の分散物を
加熱することにより実施される溶媒処理により影響を与
えることができる。適宜な溶媒は、アルコール、エステ
ル、ケトン、及び脂肪族及び芳香族炭化水素及びそれら
の誘導体のような有機溶媒、並びに、水のような無機溶
媒を含む。適宜な添加物質は、ポリマー性分散剤(又は
界面活性剤)のような、凝集を弱めるか又は回避させ、
顔料分散物の安定度を増加させ、そして塗膜粘度を減少
させる組成物を含む。例えば、米国特許第4,455,
173号;同第4,758,665号;同第4,84
4,742号;同第4,895,948号;及び同第
4,895,949号明細書を参照願いたい。
【0050】調整処理中又はその後に、性状の改良をも
たらす、種々のその他の、場合により使用される成分を
使用することがしばしば所望される。このような、場合
により使用される成分の例は、ステアリン酸又はベヘン
酸のような、少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪
酸、あるいは対応するアミド、エステル又は、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ア
ルミニウム、又はベヘン酸マグネシウムのような塩;ト
リ[(C1−C4アルキル)ベンジル]アンモニウム塩の
ような第四級アンモニウム化合物;エポキシド化大豆油
のような可塑剤;ポリエチレンワックスのようなワック
ス類;アビエチン酸、ロジン石鹸、水素化又はダイマー
化ロジン、のような樹脂酸;C12−C18パラフィンジス
ルホン酸;アルキルフェノール;ステアリルアルコール
のようなアルコール類;ラウリルアミン又はステアリル
アミンのようなアミン類;並びに、ドデカン−1,2−
ジオールのような脂肪族1,2−ジオール類を含む。こ
のような添加物質は、顔料の量の約0.05重量%から
20重量%(好ましくは1から10重量%)の範囲の量
で取り込むことができる。
【0051】顔料を単離し、場合によっては調整処理
後、顔料を当該技術分野で既知の1種類以上の顔料誘導
体と混合(好ましくは乾燥混合)することができる。段
階(e)に適宜な顔料誘導体はキナクリドン誘導体、特
に、既知のキナクリドンスルホン酸及びスルホンアミド
及び、その他の置換基(フタルイミド又は複素環芳香族
基を含有する置換基のような)を含有するキナクリドン
誘導体を含む。特に好ましいキナクリドン誘導体は、本
発明において使用されたスルホニル含有の2,5−ジア
ニリノテレフタル酸誘導体の閉環により生成されるスル
ホニル含有キナクリドン生成物と一致する。
【0052】本発明により調製された顔料は、特徴的
に、明るい、青色の金属的光沢を伴う、深い(暗い)、
明るい、透明な上色及び青い色相を示し、そして時には
改善されたレオロジー性を示し、これらすべてが、特に
自動車の用途に使用される際の、キナクリドン顔料の著
しく望ましい特徴である。
【0053】それらの光線安定性及び移動性のために、
本発明に従って調製されたキナクリドン顔料は、多くの
異なった顔料の用途に適宜である。例えば、本発明に従
って調製された顔料は、その他の物質、顔料調製物、塗
料、印刷用インク、着色紙、又は着色高分子物質との混
合物のような、非常に堅牢な着色系に対する着色剤とし
て(又は2種類以上の着色剤類の1種類として)使用す
ることができる。「その他の物質との混合物」の術語
は、例えば、二酸化チタン(ルチル)又はセメントのよ
うな無機の白色顔料、又はその他の無機顔料との混合物
を含むと理解することができる。顔料調製物の例は、有
機流体又はペーストとのフラッシペースト並びに、水、
分散剤及び、適当なら、保存剤との分散物、を含む。本
発明の顔料を使用することができる塗料の例は、例え
ば、物理的又は酸化的乾燥ラッカー、焼き付けエナメ
ル、反応性塗料、二成分塗料、溶媒性もしくは水性塗
料、防水塗装のためのエマルション塗料、並びに水性塗
料を含む。印刷用インクは、紙、織物、及びブリキ板印
刷における使用のために既知のものを含む。高分子物質
は、ゴムのような自然界からのもの;アセチルセルロー
ス、酪酸セルロール、又はビスコースのような化学的誘
導により得られるもの;あるいは、ポリマー、重付加生
成物、及び重縮合物のような合成により生成されるもの
を含む。合成により生成される高分子物質の例は、塩化
ポリビニル、酢酸ポリビニル、及びプロピオン酸ポリビ
ニルのようなプラスチック物質;ポリエチレン及びポリ
プロピレンのようなポリオレフィン類;高分子量のポリ
アミド類;アクリル酸、メタクリ酸、アクリロニトリ
ル、アクリルアミド、ブタジエン、又はスチレン、のポ
リマー及びコポリマー;ポリウレタン;並びにポリカー
ボネートを含む。本発明のキナクリドン顔料で染色され
た物質はあらゆる所望の形状又は形態をもつことができ
る。本発明により調製された顔料は、著しく水抵抗性、
油抵抗性、酸抵抗性、石灰抵抗性、アルカリ抵抗性、溶
媒抵抗性、過剰ラッカー吹き付けに堅牢、過剰噴霧に堅
牢、昇華に堅牢、熱抵抗性で、そして加硫耐性であり、
しかも非常に良好な着色製品をもたらしそして分散が容
易である(例えば、プラスチック物質中において)。
【0054】以下の実施例は本発明の方法を更に詳細に
示している。前記の明細書中に提示された本発明は、そ
の精神又は範囲においてこれらの実施例により制約され
ない。当業者は、以下の方法の条件の既知の変法を使用
することができることは容易に理解するであろう。特記
されない限り、すべての温度は摂氏で、すべての百分率
は重量パーセントである。
【0055】
【実施例】実施例に従って調製された顔料の色相及び彩
度の差異を、応用色彩系スペクトル感知器(Hunt Assoc
iated Laboratories Fairfax, Virginia)を使用して測
定した。
【0056】溶媒性塗料のテスト 溶媒性塗料のテストを、一般的な(generic)アルキド
メラミン塗料系を使用して実施した。顔料分散物は、3
3% AROPLAZ(R) 1453ーX-50アルキド樹脂(Reichhold C
hemicals Inc.)、63%のキシレン、及び4%の顔料
の混合物を使用して調製し、それは4:33の顔料対結
合剤比及び37%の総固形分をもたらした。2.3%の
AROPLAZ(R) 1453ーX-50アルキド樹脂及び6.5%の RES
IMENE(R)717 メラミン樹脂( Monsanto Company)の添
加により顔料対結合剤比は1:10に減少され、総固形
分は40%になった。上色及び透明度の測定は、それぞ
れ152μm及び38μmの未乾燥塗膜厚さに塗布され、
室温で30分間そして121℃で30分間フラッシュさ
れた塗膜を使用して実施した。
【0057】底色の色相塗料は、30%AROPLAZ(R) 145
3ーX-50アルキド樹脂、20%キシレン、5% NUOSPERSE
(R) 657(Huls America)、及び50%TI-PURE(R) R-96
0 TiO2顔料(Du Pont)から調製された分散物を31
%;21%AROPLAZ(R) 1453ーX-50アルキド樹脂;並びに
7% RESIMENE(R) 717メラミン樹脂;を添加することに
より、4:33の顔料対結合剤比をもつ前記の分散物か
ら調製され、それにより顔料対結合剤比1:2、総固形
分50%及びTiO2対顔料比90:10をもたらし
た。測色(color measurement)は76μmの未乾燥塗膜
厚さに塗布され、室温で30分間そして121℃で30
分間フラッシュされた塗膜を使用して実施した。
【0058】金属的光沢塗料は、顔料対結合剤比4:3
3をもつ前記の分散物から、顔料対結合剤比1:9、ア
ルミナム対顔料比20:80、及び総固形分41%をも
たらすような量の、アルミナムペースト(Siberline Ma
nufacturing Co.,Inc.から5251 ARとして市販 )、AROP
LAZ(R) 1453ーX-50 アルキド樹脂、及びRESIMENE(R) 717
メラミン樹脂を使用して調製した。測色は76μm未乾
燥塗膜厚さに塗布され、室温で30分間そして121℃
で30分間フラッシュされた塗膜を使用して実施した。
【0059】水性塗料のテスト 水性塗料のテストは水媒体下塗り塗膜/溶媒媒体の透明
塗膜系を使用して実施した。水性分散物を、12.4%
AROLON(R) 559-G4-70のアクリル樹脂(Reichhold Chemi
cals,Inc.)、3.2%SOLSPERSE(R) 27000 超分散剤
(hyperdispersant)(Zeneca, Inc.)、1.6%の2
−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(Angus Chem
ical)及び18%の顔料、の混合物を使用して調製し、
それは顔料対結合剤比18:12及び総固形分30%を
与えた。次いで、更なるAROLON(R)559-G4-70アクリル樹
脂(総量26%)及び25%のCYMEL(R) 325メラミン/
ホルムアルデヒド樹脂(Cytec Industries)の添加によ
り、顔料対結合剤比は10:40に減少させ、50%の
総固形分を与えた。上色及び透明度測定は、それぞれ7
6μm及び38μmの未乾燥塗膜厚さに塗布され、室温で
15分間そして100℃で5分間静置された塗膜を使用
して実施した。次いで、57%の総固形分の、80%AR
OPLAZ(R) 1453-X-50 アルキド樹脂及び20%のCYMEL
(R) 325 メラミン/ホルムアルデヒド樹脂の混合物を含
有する透明な塗膜を、76μmの未乾燥塗膜厚さで下塗
塗膜上に塗布し、室温で15分間そして121℃で15
分間静置した。
【0060】底色の色相塗料は、更にAROLON(R) 559-G4
-70アクリル樹脂、CYMEL(R) 325メラミン/ホルムアル
デヒド樹脂、及び35%TINT-AYD(R) CW-5003 白色分散
物(Daniel Products Company)を添加することによ
り、10:40の顔料対結合剤比を有する前記の減少さ
れた水性分散物から調製し、それは顔料対結合剤比1:
1.1、総固形分55%及びTIO2対顔料比90:1
0をもたらした。測色は、38μmの未乾燥塗膜厚さに
塗布され、室温で15分間そして100℃で15分間静
置された塗膜を使用して実施した。次いで透明な塗膜を
塗布しそして前記のように焼き付けた。
【0061】金属光沢塗料は、顔料対結合剤比1:2、
アルミナム対顔料比20:80、及び総固形分43%を
与えるような量の、水分散性のアルミナム顔料(Silber
lineManufacturing Co., Inc.からHYDRO PASTE(R) 8726
として市販)、AROLON(R) 559-G4-70 アクリル樹脂、及
びCYMEL(R) 325 メラミン/ホルムアルデヒド樹脂を使
用して、顔料対結合剤比18:12を有する前記の分散
物から調製した。測色は38μm未乾燥塗膜厚さに塗布
し、前記のように焼き付けた塗膜を使用して実施した。
次いで透明な塗膜を塗布し前記のように焼き付けた。
【0062】顔料着色プラスチックのテスト 塩化ポリビニル(「PVC」)の顔料着色性を、下記の
方法により調製された冷粉砕サンプルを比較することに
より評価した。
【0063】A.上色測定。各テストサンプルにつきP
VC50gを、34mils(約0.8mm)のニップ厚さを
もつ熱い(177℃)2ロール粉砕機に添加し、均一に
なるまで熔融させた。テスト顔料又は対照顔料0.05
0gを約10秒間、ニップ中に振り込み、次いで熔融物
質を切り取り3分間ミル上でロール粉砕させた。顔料で
着色されたシートをミルから取り出し、17mils(約
0.4mm)のニップ厚さをもつ、冷温の(24℃)2ロ
ールミル上におき、次いで折り込み、そしてミル中を1
2回通過させた。冷温ロールシートを再度、高温ミル中
で(ニップは17milsにセット)滑らかになるまで熔融
させた。生成されたシートを上色測定に使用した。
【0064】B.色相測定。 50%の二酸化チタンペ
ースト1gをPVCに添加し、次いでそれを顔料添加の
前に均一になるまで熔融することを除いて、上色測定の
際の前記の方法を繰り返した。次いで色相及び彩度の差
を測定した。
【0065】スルホニル含有2,5−ジアニリノテレフ
タル酸誘導体の調製 実施例中で使用された2,5−ジアニリノテレフタル酸
のスルホニル含有誘導体を下記のように調製した:2,
5−ジ(4−スルファモイルアニリノ)テレフタル酸
【0066】
【化12】
【0067】メタノール200gに、コハク酸ジメチル
スクシニル31.2g(137mmol)、p−スルファニ
ルアミド(Aldrich Chemical Co., Milwaukee, Wiscons
in)61.2g(355mmol)及び濃硫酸0.7gを撹拌
しながら添加した。反応混合物を95から97℃にゆっ
くり加熱し、5時間その温度で維持した。反応混合物を
50℃に冷却後、3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム34.4g、水31.8g、及び45%水酸化カリウ
ム水溶液100gを、撹拌しながらゆっくり添加した。
次いで生成混合物を90℃までゆっくり加熱し、4時間
その温度で維持した。反応混合物を室温に冷却し、水5
00mlに添加した。濃硫酸をゆっくり添加すると固体が
生成され、それを濾過回収し、水で洗浄した。未乾燥プ
レスケーキをオーブン乾燥させると、2,5−ジ(スル
ファモイルアニリノ)テレフタル酸56.4g(理論値
の81.3%)が得られた。乾燥生成物は、テトラヒド
ロフラン/水を溶剤として使用するWaters Nova C-18
カートリッジの付いた Waters712 WISPシステムによる
逆相高圧液体クロマトグラフィーにより測定されたよう
に、唯一の主要な成分を含有していた。
【0068】2,5−ビス[4−(3,4−ジメチル−
5−イソキサゾリル)スルファモイルアニリノ]テレフ
タル酸
【0069】
【化13】
【0070】メタノール150gに、コハク酸ジメチル
スクシニル20g(87.6mmol)、4−アミノ−N−
(3,4−ジメチル−5−イソキサゾリル)ベンゼンス
ルホンアミド(Aldrich Chemical Co.)53.9g(2
01.6mmol)、及び濃硫酸0.7gを撹拌しながら添
加した。反応混合物を95から97℃にゆっくり加熱
し、その温度で5時間維持した。反応混合物を50℃に
冷却後、3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム26
g、水2g及び45%水酸化カリウム水溶液75gをゆっ
くり、撹拌しながら添加した。次いで生成混合物を90
℃までゆっくり加熱し、4時間その温度で維持した。反
応混合物を室温まで冷却し水500mlに添加した。濃硫
酸をゆっくり添加すると固体が生成され、それを濾過回
収し水で洗浄した。未乾燥のプレスケーキをオーブン乾
燥させると、2,5−ビス[4−(3,4−ジメチル−
5−イソキサゾリル)スルファモイルアニリノ]テレフ
タル酸43g(理論値の70.4%)が得られた。
【0071】2,5−ジ[4−(N,N−ジエチルスル
ファモイル)アニリノ]テレフタル酸
【0072】
【化14】
【0073】10℃に冷却した無水アセトン150ml中
のジエチルアミン56.34g(0.77mol)の混合物
に、10分間にわたり、塩化アセトアミドベンゼンスル
ホニル(Aldrich Chemical Co.)60.0g(0.26m
ol)を添加した。反応は発熱性で激しかった。更にアセ
トン50mlを添加後、混合物を還流上で2時間加熱し
た。室温に冷却後、混合物を水1400mlに添加し撹拌
した。生成された固体を濾過により回収し、アルカリ性
でなくなるまで水で洗浄した。未乾燥のプレスケーキを
水150mlに添加し、濃塩酸90gで処理し、45分
間、撹拌しながら還流上で加熱し、そして室温に冷却し
た。濃水酸化アンモニウムをゆっくり添加すると、固体
が生成され、それを濾過回収し、アルカリ性でなくなる
まで、水で洗浄した。未乾燥のプレスケーキをオーブン
乾燥させると、中間化合物の4−アミノ−(N,N−ジ
エチル)−ベンゼンスルホンアミド(又はp−(N,N
−ジエチル)スルファニルアミド)51.0g(理論値
の86.6%)が得られた。
【0074】メタノール150gに、コハク酸ジメチル
スクシニル20g(87.6mmol)、p−(N,N−ジ
エチル)スルファニルアミド46g(201.6mmo
l)、及び濃硫酸0.7gを撹拌しながら添加した。反応
混合物を95から97℃にゆっくり加熱し、その温度で
5時間維持した。反応混合物を50℃に冷却後、3−ニ
トロベンゼンスルホン酸ナトリウム26g、水2g及び4
5%水酸化カリウム水溶液75gをゆっくり、撹拌しな
がら添加した。次いで生成混合物を90℃までゆっくり
加熱し、その温度で4時間維持した。反応混合物を室温
まで冷却し水500mlに添加した。濃硫酸をゆっくり添
加すると固体が生成され、それを濾過回収し水で洗浄し
た。未乾燥のプレスケーキをオーブン乾燥させると、
2,5−ジ[4−(N,N−ジエチルスルファモイル)
アニリノ]テレフタル酸52.2g(理論値の96.3
%)が得られた。
【0075】2,5−ビス[4−(3−メトキシプロピ
ルスルファモイル)アニリノ]−1,4−シクロヘキサ
ジエン−1,4−ジカルボン酸、ジメチルエステル
【0076】
【化15】
【0077】無水テトラヒドロフラン113ml中メトキ
シプロピルアミン40.11g(0.45mol)の混合物
に、炭酸ナトリウム54.9gを撹拌しながら添加し
た。混合物を10℃に冷却し、その後塩化アセトアミド
ベンゼンスルホニル(AldrichChemical Co.)104.
9g(0.45mol)を45分間かけて添加した。混合物
を50℃で2時間維持し、室温に冷却した。水酸化ナト
リウム21g(0.525mol)を添加後、反応混合物を
1時間還流で加熱した。室温に冷却後、混合物を塩化メ
チレンで抽出した。塩化メチレン溶液を水で洗浄し、硫
酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮す
ると中間化合物の4−アミノ−N−(3−メトキシプロ
ピル)ベンゼンスルホンアミド108g(98%)が得
られた。
【0078】メタノール150gに、コハク酸ジメチル
スクシニル20g(87.6mmol)、4−アミノ−N−
(3−メトキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド50
g(204.6mmol)、及び濃硫酸1.0gを撹拌しなが
ら添加した。反応混合物を95から97℃にゆっくり加
熱し、その温度で5時間維持した。反応混合物を室温ま
で冷却後、水200mlに添加し撹拌した。生成固体を濾
過回収し水で洗浄した。未乾燥のプレスケーキをオーブ
ン乾燥させると、2,5−ビス[4−(3−メトキシプ
ロピルスルファモイル)アニリノ]−1,4−シクロヘ
キサジエン−1,4−ジカルボン酸、ジメチルエステル
30gが得られた。
【0079】(実施例1)(対照) 顔料の2,9−ジメチルキナクリドンを、本発明による
スルホニル含有誘導体不在下で調製した。
【0080】88℃に加熱されたポリリン酸300g
(112%リン酸)に、35分間かけて、2,5−ジ
(4−メチルアニリノ)テレフタル酸68.2gを添加
し、添加速度の調整により温度を120℃より下に維持
した。反応混合物を2時間123℃に加熱した。融解物
を93℃に冷却し、次いでメタノール494g中にゆっ
くり注入し、外部からの冷却及び融解物添加速度の調整
により温度を64℃より下に維持した。スラリーを1時
間還流加熱し、60℃より下に冷却し、水で希釈し、濾
過回収し、そして酸がなくなるまで水で洗浄した。生成
プレスケーキを水中に再スラリー化した。pHを7より
大きく調整後、50%水酸化ナトリウム5.5gを添加
し、生成スラリーを1時間90℃に加熱した。スラリー
を冷却し、濾過し、そしてアルカリ性でなくなるまで水
で洗浄し、次いで水中に再スラリー化した。pHを9.
5に調整後、スラリーを密閉系中(例えば、圧力反応
釜)で2時間143℃に加熱し、そして40℃に冷却し
た。スラリーをpH3.3に酸性化した後、陰イオン性
の界面活性剤2.2g、石油蒸留物30g、及び水80g
のエマルションを添加し、そしてスラリーを3時間撹拌
した。未乾燥ケーキは乾燥するか又は特別な用途のため
のものとして使用することができる。ここでは、未乾燥
ケーキを60℃でオーブン乾燥させると、2,9−ジメ
チルキナクリドン約60gがマゼンタ顔料として得られ
た。
【0081】(実施例2)(対照) 顔料のキナクリドンを、本発明によるスルホニル含有誘
導体不在下において調製した。
【0082】80℃に加熱されたポリリン酸270g
(117%リン酸)に、2,5−ジアニリノテレフタル
酸60gを添加した。反応混合物を4時間123℃に加
熱した。融解物を94℃に冷却後、リン酸の滴加により
酸強度を110%に調整した。融解物を20分間撹拌
し、次いでメタノール400g中にゆっくり注入し、温
度を外部冷却及び融解物添加速度の調整により60℃よ
り下に維持した。スラリーを1時間還流加熱し、水で希
釈し、その後固形分を濾過回収し、そして酸がなくなる
まで水で洗浄した。生成プレスケーキを水中に再スラリ
ー化した。pHを約7に調整後、50%水酸化ナトリウ
ム6gを添加し、生成スラリーを2時間90℃に加熱し
た。スラリーを冷却し、濾過し、そしてアルカリ性でな
くなるまで水で洗浄し、次いで水中に再スラリー化し
た。pHを9.3に調整後、脂環式カルボン酸3.2g
を添加した。生成スラリーを密閉系中で2時間142℃
に加熱し、冷却し、リン酸で酸性化し、そして撹拌し
た。固形分を濾過回収し、水で洗浄した。未乾燥ケーキ
は乾燥するか又は特別な用途のためのものとして使用す
ることができる。ここでは、未乾燥ケーキを60℃のオ
ーブン中で乾燥させると、キナクリドン約48.4gが
バイオレット顔料として得られた。
【0083】(実施例3)顔料の2,9−ジメチルキナ
クリドンを、2,5−ジ(4−メチルアニリノ)テレフ
タル酸の2重量%の、2,5−ジ(スルファモイルアニ
リノ)テレフタル酸(1.4g)を閉環反応に取り込ん
だことを除いて、対照例1に記載の方法と全く同様に調
製した。2,9−ジメチルキナクリドン(58g)がマ
ゼンタ顔料として得られた。
【0084】前記のように調製された水性塗料は、QUIN
DO(R) Magenta RV-6832(Bayer Corporationから販売)
に比較して、改善されたレオロジー性を伴った、より濃
く、より明るく、より透明な上色、及び増加した金属性
光沢を示した。
【0085】前記のように調製したアルキドメラミンエ
ナメル塗料は、QUINDO(R) MagentaRV-6832を使用して調
製された塗料に比較して、改善されたレオロジー性を伴
った、より濃く、より明るく、より透明な上色を示し
た。
【0086】(実施例4)顔料の2,9−ジメチルキナ
クリドンを、2,5−ジ(4−メチルアニリノ)テレフ
タル酸の5重量%の、2,5−ジ(スルファモイルアニ
リノ)テレフタル酸(3.4g)を閉環反応に取り込ん
だことを除いて、対照例1に記載の方法と全く同様に調
製した。2,9−ジメチルキナクリドン(59g)がマ
ゼンタ顔料として得られた。
【0087】前記のように調製された水性塗料は、QUIN
DO(R) Magenta RV-6832(Bayer Corporationから販売)
に比較して、改善されたレオロジー性を伴った、より濃
く、より明るく、より透明な上色及び増加した金属性光
沢を示した。
【0088】前記のように調製したアルキドメラミンエ
ナメル塗料は、QUINDO(R) MagentaRV-6832を使用して調
製された塗料に比較して、改善されたレオロジー性を伴
った、より濃く、より明るく、より透明な上色及び増加
した金属性光沢を示した。 (実施例5)顔料の2,9−ジメチルキナクリドンを、
2,5−ジ(4−メチルアニリノ)テレフタル酸の10
重量%の、2,5−ジ(スルファモイルアニリノ)テレ
フタル酸(6.8g)を閉環反応に取り込んだことを除
いて、対照例1に記載の方法と全く同様に調製した。
2,9−ジメチルキナクリドン(59g)がマゼンタ顔
料として得られた。
【0089】前記のように調製された水性塗料は、QUIN
DO(R) Magenta RV-6832(Bayer Corporationから販売)
に比較して、改善されたレオロジー性を伴った、より濃
く、より明るく、より透明な上色及び増加した金属性光
沢を示した。
【0090】前記のように調製したアルキドメラミンエ
ナメル塗料は、QUINDO(R) MagentaRV-6832を使用して調
製された塗料に比較して、改善されたレオロジー性を伴
った、より濃く、より明るく、より透明な上色及び増加
した金属性光沢を示した。 (実施例6)顔料のキナクリドンを、2,5−ジアニリ
ノテレフタル酸の10重量%の、2,5−ジ(スルファ
モイルアニリノ)テレフタル酸(6g)を閉環反応に取
り込んだことを除いて、対照例2に記載の方法と全く同
様に調製した。キナクリドン(50.2g)がバイオレ
ット顔料として得られた。
【0091】前記のように調製した水性塗料は、対照例
2の顔料を使用して調製した塗料に比較して、僅かによ
り濃く、より透明な上色及び増加した金属性光沢を示し
た。 (実施例7)顔料の2,9−ジメチルキナクリドンを、
2,5−ジ(4−メチルアニリノ)テレフタル酸の10
重量%の2,5−ビス[4−(3,4−ジメチル−5−
イソキサゾリル)スルファモイルアニリノ]テレフタル
酸(6.8g)を閉環反応に取り込んだことを除いて、
対照例1に記載の方法と全く同様に調製した。2,9−
ジメチルキナクリドン(59g)がマゼンタ顔料として
得られた。
【0092】前記のように調製した水性塗料は、対照例
1の顔料を使用して調製した塗料に比較して、より濃
く、より明るく、より透明な上色、青い色相及び、金属
性のそして増加した金属性光沢を示した。
【0093】(実施例8)顔料の2,9−ジメチルキナ
クリドンを、2,5−ジ(4−メチルアニリノ)テレフ
タル酸の10重量%の、2,5−ジ[4−(N,N−ジ
エチルスルファモイル)アニリノ]テレフタル酸(6.
8g)を閉環反応に取り込んだことを除いて、対照例1
に記載の方法と全く同様に調製した。2,9−ジメチル
キナクリドン(59g)がマゼンタ顔料として得られ
た。
【0094】前記のように調製した水性塗料は、対照例
1の顔料を使用して調製した塗料に比較して、より濃
く、より明るく、より透明な上色、青い色相及び、金属
性のそして増加した金属性光沢を示した。
【0095】(実施例9)顔料の2,9−ジメチルキナ
クリドンを、2,5−ジ(4−メチルアニリノ)テレフ
タル酸の10重量%の、2,5−ビス[4−(3−メト
キシプロピルスルファモイル)アニリノ]−1,4−シ
クロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、ジメチルエ
ステル(6.8g)を閉環反応に取り込んだことを除い
て、対照例1に記載の方法と全く同様に調製した。2,
9−ジメチルキナクリドン(60.3g)がマゼンタ顔
料として得られた。
【0096】(実施例10)(対照) ガンマキナクリドンを、スルホニル含有誘導体の不在下
で2,5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル
酸から調製した。
【0097】ポリリン酸320g(リン酸116.5
%)に、45分間にわたって2,5−ジアニリノ−6,
13−ジヒドロテレフタル酸64gを添加し、温度を1
10℃より下に維持した。反応混合物を1時間、100
から110℃で撹拌し、次いで85℃に放置冷却し、そ
の後リン酸濃度を、冷却水をゆっくり添加することによ
り85%に減少させた。混合物を30分間、85から9
0℃で撹拌し、次いで氷/水1200ml中にゆっくり注
入し、更に1時間30℃より下で撹拌した。固形分を濾
過により回収し、水で洗浄した。生成未乾燥プレスケー
キをメタノール181.3g及び水73.9g中に再度ス
ラリー化させ、均一になるまで撹拌した。50%水酸化
ナトリウム水溶液37.3gを添加後、スラリーを1時
間35℃より下で撹拌した。次いでスラリーを60℃に
加熱し、水116.6gで希釈し、30分間還流加熱し
た。スラリーを60℃に冷却させた後、92%の3−ニ
トロベンゼンスルホン酸ナトリウム37.3g及び水3
1.6gを連続添加した。10分後、スラリーを3時間
にわたり88℃に加熱した。室温に冷却後、固形分を濾
過により単離し、水で洗浄した。未乾燥プレスケーキを
乾燥すると、ガンマキナクリドン42.5gが得られ
た。
【0098】(実施例11)ガンマキナクリドンを、本
発明によるスルホニル含有の2,5−ジアニリノ−6,
13−ジヒドロテレフタル酸誘導体の存在下で、2,5
−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸から調
製した。
【0099】ポリリン酸320g(リン酸116.5
%)に、45分間にわたって2,5−ビス[4−(3−
メトキシプロピルスルファモイル)アニリノ]−1,4
−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、ジメチ
ルエステル6.8g及び2,5−ジアニリノ−6,13
−ジヒドロテレフタル酸64gを連続添加し、温度を1
10℃より下に維持した。反応混合物を1時間、100
から110℃で撹拌し、次いで85℃に放置冷却し、そ
の後、冷却水をゆっくり添加することによりリン酸濃度
を85%に減少させた。混合物を30分間85から90
℃で撹拌し、次いで氷/水1200ml中にゆっくり注入
し、そして更に1時間30℃より下で撹拌した。固形分
を濾過により回収し、水で洗浄した。生成未乾燥プレス
ケーキをメタノール181.3g及び水73.9g中に再
度スラリー化させ、均一になるまで撹拌した。50%水
酸化ナトリウム水溶液37.3gを添加後、スラリーを
1時間、35℃より下で撹拌した。次いでスラリーを6
0℃に加熱し、水12.6gで希釈し、30分間還流加
熱した。スラリーを60℃に放置冷却させた後、92%
の3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム37.3g
及び水31.6gを連続添加した。10分後、スラリー
を15時間にわたり88℃に加熱した。室温に冷却後、
固形分を濾過により単離し、水で洗浄した。未乾燥プレ
スケーキをメタノール357.1g及び水357.1g
(プレスケーキ中の水分を含む)中に再度スラリー化さ
せた。スラリーが均一になったら、50%水酸化ナトリ
ウム水溶液95.2g及び更に92%3−ニトロベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム60.0gを添加した。生成ス
ラリーを密閉系中で6時間、115から120℃で加熱
した。室温に冷却後、固形分を濾過により単離し、水で
洗浄した。未乾燥プレスケーキを乾燥すると、ガンマキ
ナクリドン41.0gが得られた。
【0100】本発明の実施例11の顔料を使用すること
により前記のように調製した着色PVCのサンプルは、
対照例10の顔料を使用して調製した着色PVCのサン
プルよりも、より透明な上色及びより黄色を帯びた色相
を示した。
【0101】本発明の特徴と態様を以下に示す。
【0102】1. (a) 約80℃から約145℃の
温度において、 (i) 2,5−ジアニリノテレフタル酸、2,5−ジ
アニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸、2,5−
ジアニリノ−3,6−ジオキソ−1,4−シクロヘキサ
ジエン−1,4−ジカルボン酸、又は、少なくとも1個
のアニリン環中に1個以上の置換基を有するそれらの誘
導体;前記の酸の塩又はエステル又はそれらの誘導体;
あるいはそれらの混合物; (ii) 成分(a)(i)の約0.1から約15重量パ
ーセントの、式
【0103】
【化16】
【0104】を有する、2,5−ジアニリノテレフタル
酸のスルホニル含有誘導体、式
【0105】
【化17】
【0106】を有する、2,5−ジアニリノ−6,13
−ジヒドロテレフタル酸のスルホニル含有誘導体、及び
/又は式
【0107】
【化18】
【0108】[式中、X1及びX2は独立してORa又は
NRbcであり、Y1及びY2は独立して水素、ハロゲ
ン、C1−C6アルキル、又はC1−C6アルコキシであ
り、R1及びR2は独立して水素、金属、アンモニウムイ
オン、又はC1−C12アルキルであり、Raは水素、金
属、アンモニウムイオン、又はC1−C12アルキルであ
り、Rbは水素、C1−C12アルキルもしくは置換C1
12アルキル、C5−C7シクロアルキルもしくは置換C
5−C7シクロアルキル、C6−C10アリール、少なくと
も1個のこのような環原子がN、O、S又はそれらの組
み合わせである、5もしくは6員環原子を有するヘテロ
アリール、又はC7−C16アラルキルであり、Rcは水
素、C1−C12アルキルもしくは置換C1−C12アルキ
ル、C5−C7シクロアルキルもしくは置換C5−C7シク
ロアルキル、又はC7−C16アラルキルであるか、ある
いはRb及びRcが窒素原子とともに、5から7員環原子
を有する複素環を形成し、そしてm及びnは独立して、
0から3である、ただしm又はnのうち少なくとも1個
は0でないことを前提とする]を有する、2,5−ジア
ニリノ−3,6−ジオキソ−1,4−シクロヘキサジエ
ン−1,4−ジカルボン酸のスルホニル含有誘導体、又
はそれらの混合物;並びに (iii) 成分(a)(i)の約3から約20重量部の
脱水物質、ただし、成分(a)(i)又は成分(a)
(ii)のどちらかが、2,5−ジアニリノ−6,13−
ジヒドロテレフタル酸又はその誘導体である場合は、反
応段階(a)は更に酸化段階を含んでなることを前提と
する;を含んでなる反応混合物を加熱すること; (b) 前記の反応混合物を成分(a)(i)の約3か
ら約15重量部の、キナクリドン顔料が実質的に不溶の
流体に添加することにより、段階(a)からの反応混合
物を浸漬させること; (c) キナクリドン顔料を単離すること; (d) 場合によっては、キナクリドン顔料を調整処理
すること;並びに (e) 場合によっては、生成されたキナクリドン顔料
を1種類以上の顔料誘導体と混合すること;を含んでな
る、キナクリドン顔料の調製方法。
【0109】2. 成分(a)(i)が、2,5−ジア
ニリノテレフタル酸、2,5−ジ(4−メチルアニリ
ノ)テレフタル酸、2,5−ジ(4−メトキシアニリ
ノ)テレフタル酸、2,5−ジ(4−クロロアニリノ)
テレフタル酸、及びそれらの混合物からなる群から選ば
れる、第1項に記載の方法。
【0110】3. 成分(a)(ii)が、式
【0111】
【化19】
【0112】[式中、X1及びX2は独立して、OR
a(ここで、Raは水素、金属、アンモニウムイオン、又
はC1−C12アルキルである)又はNRbc(ここで、
bは水素、C1−C12アルキルもしくは置換C1−C12
アルキル、C5−C7シクロアルキルもしくは置換C5
7シクロアルキル、C6−C10アリール、少なくとも1
個のこのような環原子がN、O、S、又はそれらの組み
合わせである、5もしくは6員環原子を有するヘテロア
リール、又はC7−C16アラルキルであり、そしてRc
水素、C1−C12アルキルもしくは置換C1−C12アルキ
ル、C5−C7シクロアルキルもしくは置換C5−C7シク
ロアルキル、又はC7−C16アラルキルであるか、ある
いはRb及びRcが窒素原子とともに、5から6員環原子
を有する複素環を形成する)である]を有する、2,5
−ジアニリノテレフタル酸のスルホニル含有誘導体であ
る、第1項記載の方法。
【0113】4. 成分(a)(ii)が式
【0114】
【化20】
【0115】[式中、Raは水素、金属、アンモニウム
イオン、又はC1−C12アルキルである]を有する2,
5−ジアニリノテレフタル酸のスルホニル含有誘導体で
ある、第1項記載の方法。
【0116】5. 成分(a)(ii)が式
【0117】
【化21】
【0118】[式中、Rbはそれぞれ独立して水素、C1
−C12アルキルもしくは置換C1−C12アルキル、C5
7シクロアルキルもしくは置換C5−C7シクロアルキ
ル、C6−C1 0アリール、少なくとも1個のこのような
環原子がN、O、S、又はそれらの組み合わせである、
5もしくは6員環原子を有するヘテロアリール、又はC
7−C16アラルキルであり、そしてRcはそれぞれ独立し
て、水素、C1−C12アルキル、C5−C7シクロアルキ
ル、又はC7−C16アラルキルであるか、あるいはRb
びRcが窒素原子とともに5から7員環原子を有する複
素環を形成する]を有する、2,5−ジアニリノテレフ
タル酸のスルホニル含有誘導体である、第1項記載の方
法。
【0119】6. 成分(a)(ii)が
【0120】
【化22】
【0121】である、第1項記載の方法。
【0122】7. 成分(a)(ii)が式
【0123】
【化23】
【0124】[式中、X1及びX2は独立して、OR
a(ここで、Raは水素、金属、アンモニウムイオン、又
はC1−C12アルキルである)あるいはNRbc(ここ
で、Rbは水素、C1−C12アルキルもしくは置換C1
12アルキル、C5−C7シクロアルキルもしくは置換C
5−C7シクロアルキル、C6−C10アリール、少なくと
も1個のこのような環原子がN、O、S、もしくはそれ
らの組み合わせである、5もしくは6員環の原子を有す
るヘテロアリール、又はC7−C16アラルキルであり、
そしてRcは水素、C1−C12アルキルもしくは置換C1
−C12アルキル、C5−C7シクロアルキルもしくは置換
5−C7シクロアルキル、又はC7−C16アラルキルで
あるか、あるいはRb及びRcが窒素原子とともに5から
7員環原子を有する複素環を形成する)である]を有す
る、2,5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレフタ
ル酸のスルホニル含有誘導体である、第1項記載の方
法。
【0125】8. 成分(a)(ii)が
【0126】
【化24】
【0127】である、第1項記載の方法。
【0128】9. 反応混合物が、段階(a)におい
て、100℃から130℃の温度で加熱される、第1項
記載の方法。
【0129】10. 脱水物質(a)(iii)がポリリ
ン酸である、第1項記載の方法。
【0130】11. 成分(a)(i)の3から10重
量部のポリリン酸を使用する、第10項記載の方法。
【0131】12. 段階(a)からの反応混合物を、
前記の反応混合物を水、低級脂肪族アルコール、又はそ
れらの混合物に添加することにより浸漬させる、第1項
記載の方法。
【0132】13. 段階(a)からの反応混合物を、
前記反応混合物をメタノールに添加することにより浸漬
させる、第1項記載の方法。
【0133】14. 第1項記載の方法により調製され
たキナクリドン顔料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デフネ・ジエイ・ライス アメリカ合衆国サウスカロライナ州29414 チヤールストン・トレントストリート879

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 約80℃から約145℃の温度に
    おいて、 (i) 2,5−ジアニリノテレフタル酸、2,5−ジ
    アニリノ−6,13−ジヒドロテレフタル酸、2,5−
    ジアニリノ−3,6−ジオキソ−1,4−シクロヘキサ
    ジエン−1,4−ジカルボン酸、又は、少なくとも1個
    のアニリン環中に1個以上の置換基を有するそれらの誘
    導体;前記の酸の塩又はエステル又はそれらの誘導体;
    あるいはそれらの混合物; (ii) 成分(a)(i)の約0.1から約15重量パ
    ーセントの、式 【化1】 を有する、2,5−ジアニリノテレフタル酸のスルホニ
    ル含有誘導体、 式 【化2】 を有する、2,5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテ
    レフタル酸のスルホニル含有誘導体、及び/又は式 【化3】 [式中、X1及びX2は独立してORa又はNRbcであ
    り、Y1及びY2は独立して水素、ハロゲン、C1−C6
    ルキル、又はC1−C6アルコキシであり、R1及びR2
    独立して水素、金属、アンモニウムイオン、又はC1
    12アルキルであり、Raは水素、金属、アンモニウム
    イオン、又はC1−C12アルキルであり、Rbは水素、C
    1−C12アルキルもしくは置換C1−C12アルキル、C5
    −C7シクロアルキルもしくは置換C5−C7シクロアル
    キル、C6−C10アリール、少なくとも1個のこのよう
    な環原子がN、O、S又はそれらの組み合わせである、 5もしくは6員環原子を有するヘテロアリール、又はC
    7−C16アラルキルであり、Rcは水素、C1−C12アル
    キルもしくは置換C1−C12アルキル、C5−C7シクロ
    アルキルもしくは置換C5−C7シクロアルキル、又はC
    7−C16アラルキルであるか、あるいはRb及びRcが窒
    素原子とともに、5から7員環原子を有する複素環を形
    成し、そしてm及びnは独立して、0から3である、た
    だしm又はnのうち少なくとも1個は0でないことを前
    提とする]を有する、2,5−ジアニリノ−3,6−ジ
    オキソ−1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカル
    ボン酸のスルホニル含有誘導体、又はそれらの混合物;
    並びに (iii) 成分(a)(i)の約3から約20重量部の
    脱水物質、 ただし、成分(a)(i)又は成分(a)(ii)のどち
    らかが、2,5−ジアニリノ−6,13−ジヒドロテレ
    フタル酸又はその誘導体である場合は、反応段階(a)
    は更に酸化段階を含んでなることを前提とする;を含ん
    でなる反応混合物を加熱すること; (b) 前記の反応混合物を、成分(a)(i)の約3
    から約15重量部の、キナクリドン顔料が実質的に不溶
    の流体に添加することにより、段階(a)からの反応混
    合物を浸漬させること; (c) キナクリドン顔料を単離すること; (d) 場合によっては、キナクリドン顔料を調整処理
    すること(conditioning);並びに (e) 場合によっては、生成されたキナクリドン顔料
    を1種類以上の顔料誘導体と混合すること;を含んでな
    る、キナクリドン顔料の調製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により調製されたキ
    ナクリドン顔料。
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