JP2001334049A - パチンコ機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パチンコ機の球皿内全体にパチンコ球を偏り
なくほぼ均等に貯溜でき、球皿のパチンコ球貯溜量を確
実に増加できるようにする。 【解決手段】 球皿２０の後皿部２２を上方から覆う防
犯カバー２８に、球流れ誘導板３２を一体に形成し、こ
の球流れ誘導板３２で後皿部２２内のパチンコ球の貯溜
スペースを部分的に上下に２段に仕切る。球排出口３１
から後皿部２２内に流入するパチンコ球は、球流れ誘導
板３２上を転がって後皿部２２の隅々に分散して下段側
の貯溜スペースから順次貯溜し、後皿部２２内全体にパ
チンコ球を偏りなくほぼ均等に貯溜していく。上段側の
貯溜スペースには、満杯検出スイッチをオン／オフする
満杯検出レバー３７を設け、上段側の貯溜スペースに１
回の最大払出個数のパチンコ球を貯溜できるスペースを
残した位置までパチンコ球が溜まったことを検出して、
球払出装置の球払出動作を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、球払出装置から払
い出されるパチンコ球を受け溜める球皿を備えたパチン
コ機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的なパチンコ機は、球払出装
置から払い出されるパチンコ球を上皿で受け溜め、上皿
内がパチンコ球で満杯になったときに、後続のパチンコ
球を下皿内へオーバーフローさせ、その後、上皿内のパ
チンコ球が少なくなったときには、遊技者が下皿内のパ
チンコ球を上皿に移し替える必要があり、非常に面倒で
ある。

【０００３】そこで、球払出装置から払い出されるパチ
ンコ球を受け溜める球皿の容量を拡大することで、従来
の下皿を廃止し、パチンコ球を移し替える手間を省くよ
うにすると共に、１皿化によって遊技盤面を拡大するこ
とが提案されている。このものは、球皿の上流部に設け
られた満杯検出スイッチで球皿内のパチンコ球の貯溜量
が満杯になったことを検出したときに、球払出装置を停
止することで、球皿の容量を越えた過剰な球払出動作を
停止するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、球皿内が空
又は空に近い状態であれば、球払出流路から球皿内の底
面上流部に流入するパチンコ球は、該球皿の底面をその
下り勾配によってスムーズに下流側に転がっていくが、
その後、球皿の底面が上流部までパチンコ球で埋まった
状態になると、新たに球皿内に流入するパチンコ球は、
スムーズに下流方向に転がることができなくなるため、
球皿内の上流部にパチンコ球が偏って溜まるようにな
る。その結果、球皿内の下流部にパチンコ球の貯溜スペ
ースが残っていても、球皿内の上流部に偏って溜まった
パチンコ球によって満杯検出スイッチが作動して球払出
動作が停止されてしまい、球皿内の下流部のスペースを
パチンコ球の貯溜スペースとして有効に利用できない。
このため、せっかく球皿の容量を拡大しても、その割り
には球貯溜量を増加させる効果が少なくなってしまい、
大当り等でパチンコ球が多量に払い出される場合には、
球払出動作が停止する回数が増え、その都度、遊技者が
球皿内のパチンコ球を抜き取らなければならず、非常に
面倒である。

【０００５】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、球皿内全体にパチン
コ球を偏りなく貯溜することができ、球皿の球貯溜量を
確実に増加できるパチンコ機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１のパチンコ機は、球皿内に流入す
るパチンコ球を該球皿内の隅々に分散させる１枚又は複
数枚の球流れ誘導板を該球皿内のパチンコ球の貯溜スペ
ースを部分的に上下に２段以上に仕切るように設置し、
球皿内に流入するパチンコ球を下段側の貯溜スペースか
ら順次貯溜していくようにしたものである。この構成で
は、球皿内が空又は空に近い状態のときには、球皿内に
流入するパチンコ球は、球流れ誘導板上を転がって球皿
内の隅々に分散して最下段の貯溜スペースに落下し、ま
ず、最下段の貯溜スペースにパチンコ球が一部に偏るこ
となくほぼ均等に貯溜されていく。その後、パチンコ球
の払い出しに伴って、下段側の貯溜スペースが一杯にな
る毎に、その１段上の貯溜スペースに同じようにしてパ
チンコ球が一部に偏ることなくほぼ均等に貯溜されてい
く。これにより、球皿内全体にパチンコ球を偏りなく貯
溜することができ、球皿内全体をパチンコ球の貯溜スペ
ースとして有効に利用して球皿の球貯溜量を確実に増加
させることができる。

【０００７】一般に、球皿は、パチンコ機の本体枠に対
して開閉可能な前面パネル側に設けられているため、球
皿の容量を越えて最上段の貯溜スペースにパチンコ球を
溜め過ぎると、前面パネルを開放したときに、球皿から
パチンコ球がこぼれ落ちてしまうおそれがある。

【０００８】そこで、請求項２のように、球皿内の最上
段の貯溜スペースにパチンコ球が所定量以上溜まったこ
とを検出する満杯検出手段を設け、この満杯検出手段に
よって最上段の貯溜スペースにパチンコ球が所定量以上
溜まったことを検出したときに球払出装置の球払出動作
を停止させるようにすると良い。このようにすれば、球
皿内のパチンコ球貯溜量が球皿の容量を越える手前で、
パチンコ球貯溜量がほぼ満杯になったと判断して、球払
出装置のパチンコ球の払い出しを停止させることができ
る。これにより、球皿内に過剰にパチンコ球を貯溜して
しまうことを防止でき、パチンコ機の前面パネルを開放
しても、球皿からパチンコ球がこぼれ落ちてしまうこと
を防止することができる。

【０００９】この場合、満杯検出手段が満杯状態を検出
してから球払出装置が実際に停止するまでには多少の時
間遅れがある。また、球払出装置から球皿までの球払出
流路にはある程度の距離があるため、球払出装置を停止
しても、その時点では球払出流路内を何個かのパチンコ
球が流下している。このような事情により、満杯検出手
段で満杯状態を検出して球払出装置を停止した場合、満
杯検出後にも、何個かのパチンコ球が球皿内に流入し、
パチンコ球の貯溜量が満杯検出手段の検出位置よりも多
くなる。

【００１０】この点を考慮に入れて、請求項３のよう
に、満杯検出手段は、球皿内の最上段の貯溜スペースに
１回の最大払出個数のパチンコ球を貯溜できるスペース
を残した位置までパチンコ球が溜まったことを検出する
ように配置すると良い。このようにすれば、満杯検出手
段による満杯検出後に、１回の最大払出個数のパチンコ
球が球皿内に流入したとしても、球皿内のパチンコ球貯
溜量を球皿の容量以内に抑えることができ、前面パネル
開放時のパチンコ球のこぼれ落ちをより確実に防止する
ことができる。

【００１１】一方、請求項４のように、球皿を、パチン
コ機本体下部の前面パネルから前方に突出する前皿部
と、パチンコ球の貯溜スペースを前面パネルより後方に
拡大する後皿部とから構成したパチンコ機の場合、後皿
部に該後皿部を上方から覆う防犯カバーを設けると共
に、その防犯カバーに球流れ誘導板を一体に形成するよ
うにしても良い。このようにすれば、異物を前皿部と後
皿部の連通口を通して後皿部の上面開口からパチンコ機
の裏側に侵入させる不正行為を、後皿部を覆う防犯カバ
ーによって防止することができる。また、その防犯カバ
ーに球流れ誘導板を一体に形成することによって、防犯
カバーと球流れ誘導板を１部品とすることができ、組付
部品点数を削減することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図１
乃至図７に基づいて説明する。ここで、図１（ａ）、
（ｂ）はパチンコ球の異なる貯溜状態を示す後皿部２２
の縦断正面図、図２は球皿２０部分の一部破断平面図、
図３は図２のＡ−Ａ断面図、図４は後皿部２２の一部破
断平面図、図５は図４のＢ−Ｂ断面図、図６は図４のＣ
−Ｃ断面図、図７はパチンコ機の裏面図である。

【００１３】図７に示すように、パチンコ機の本体枠１
１の裏面側には、裏部品を組み付ける機構板１２が取り
付けられている。この機構板１２の裏面上部には、パチ
ンコ球を貯溜する球タンク１３が設けられ、この球タン
ク１３には、そこから流れ出るパチンコ球を整列状態で
流下させるタンクレール１４が接続されている。このタ
ンクレール１４の下端には、球供給路１５が設けられ、
その球供給路１５の下端部に、球払出装置１６が接続さ
れている。球払出装置１６から払い出されたパチンコ球
は球払出流路１７内を流下して後述する球皿２０内に受
け溜められる。

【００１４】一方、図２及び図３に示すように、本体枠
１１の前面下部には、前面パネル１９が設けられ、この
前面パネル１９に、１皿化された大容量の球皿２０が設
けられている。球皿２０は、前面パネル１９から前方に
突出した前皿部２１と、前面パネル１９よりパチンコ機
後部側に広がる後皿部２２とから構成されている。

【００１５】前皿部２１は、左側部分の流路が下流に向
かうにつれて狭められていると共に、底面２１ａが左方
に向かって下り傾斜するように形成され、パチンコ球
が、整列しながら案内流路２３に流下して球発射装置
（図示せず）側に向かうようになっている。また、前皿
部２１の底面２１ａの中央部に形成された球抜き穴２４
に、球抜き部材２５が設けられ、球皿２０前面に設けら
れた操作レバー（図示せず）で球抜き部材２５を横方向
に移動させることで、球皿２０内のパチンコ球を球抜き
穴２４から下方に抜き取ることができるようになってい
る。

【００１６】一方、後皿部２２は、底面２２ａが右前方
に向かって下り傾斜するように形成されていると共に、
後皿部２２の右側部（下流部）前方に、前皿部２１の右
側部（上流部）に通じる連通口２６が設けられている。

【００１７】また、図３及び図４に示すように、後皿部
２２の後端両側部に設けられた支持軸２７には、後皿部
２２（主として連通口２６の後方上部）を上方から覆う
第１の防犯カバー２８が開閉可能に取り付けられてい
る。第１の防犯カバー２８の前端部に形成された係止爪
２９を前面パネル１９の被係止部（図示せず）に引っ掛
けることで、第１の防犯カバー２８が閉じた状態（後皿
部２２を覆った状態）にロックされる。更に、本体枠１
１には、第２の防犯カバー３０（図３、図５、図６参
照）が、第１の防犯カバー２８の外側から後皿部２２の
上方及び後方を覆うように設けられている。後皿部２２
の左側後部（上流後部）の上方には、球払出流路１７の
球排出口３１（図５参照）が設けられている。

【００１８】また、第１の防犯カバー２８には、図１に
示すように、球排出口３１から後皿部２２内に流入する
パチンコ球を後皿部２２の隅々に分散させる１枚の球流
れ誘導板３２が一体に形成されている。この球流れ誘導
板３２は、右側（後皿部２２の底面２２ａの下流側）に
向かって下り傾斜するように後皿部２２の底面２２ａと
ほぼ平行に配置され、この球流れ誘導板３２によって後
皿部２２内のパチンコ球の貯溜スペースが部分的に上下
２段に仕切られている。球流れ誘導板３２と後皿部２２
の底面２２ａとの間のパチンコ球の貯溜スペースの高さ
は、パチンコ球の直径よりも少し高いだけであり、後皿
部２２の底面２２ａ上にパチンコ球が積み重ならずに貯
溜されるようになっている。

【００１９】球流れ誘導板３２の左側部（上流部）に
は、球排出口３１から落下するパチンコ球を受け止める
受け部３３が形成されている。受け部３３の下面側に
は、受け部３３の強度を確保するための補強リブ３４が
形成され、後皿部２２の内壁面には、受け部３３の後端
部を受け支える支持部３５（図５参照）が形成されてい
る。また、球流れ誘導板３２の左右両側と前縁部には、
球流れ誘導板３２上のパチンコ球を下段側（球流れ誘導
板３２の下側）の貯溜スペースに落下させる複数の球落
下口３６（図１及び図４参照）が設けられている。

【００２０】また、図４に示すように、球流れ誘導板３
２の後方には、満杯検出レバー３７と、この満杯検出レ
バー３７によってオン／オフされるマイクロスイッチ等
からなる満杯検出スイッチ３８が設けられている。これ
ら満杯検出レバー３７と満杯検出スイッチ３８とから満
杯検出手段が構成されている。満杯検出レバー３７は、
軸３９に前後方向に揺動可能に支持され、満杯検出レバ
ー３７の右側部には、パチンコ球に押圧される検出部４
０が形成されている。また、満杯検出スイッチ３８は、
スイッチ接点をオン／オフするプッシュ部４１の先端が
アーム部４２の後面に当接し、このアーム部４２の先端
が満杯検出レバー３７の後面に当接している。プッシュ
部４１は、図示しないばね等により前方に付勢されてい
る。

【００２１】通常時（満杯検出レバー３７の検出部４０
がパチンコ球に押圧されていない時）は、図４に実線で
示すように、プッシュ部４１の付勢力によって満杯検出
レバー３７の検出部４０が上段側（球流れ誘導板３２の
上側）の貯溜スペース内に突出した状態で保持される。
この状態では、プッシュ部４１が突出して満杯検出スイ
ッチ３８がオフされている。尚、満杯検出レバー３７の
上流側には、球流れ誘導板３２上を流下するパチンコ球
が満杯検出レバー３７の検出部４０に当ることを防止す
る誤検出防止壁４３が設けられている。

【００２２】一方、後皿部２２の上段側の貯溜スペース
に貯溜されたパチンコ球の圧力に満杯検出レバー３７の
検出部４０が押されて、図４に二点鎖線で示すように、
満杯検出レバー３７が後方に揺動すると、アーム部４２
を介してプッシュ部４１が押し込まれて満杯検出スイッ
チ３８がオンされる。本実施形態では、満杯検出レバー
３７と満杯検出スイッチ３８は、上段側の貯溜スペース
に１回の最大払出個数のパチンコ球を貯溜できるスペー
スを残した位置までパチンコ球が溜まったことを検出す
るように配置されている。

【００２３】また、パチンコ機には、パチンコ球が入賞
したことを検出する入賞球センサ（図示せず）や球貸し
用のカードユニット（図示せず）が設けられ、これら入
賞球センサ、カードユニット及び満杯検出スイッチ３７
の出力信号は、パチンコ機の制御回路（図示せず）に入
力される。制御回路は、入賞球センサからの入賞信号や
カードユニットからの球貸し要求信号に基づいて球払出
装置１６の動作を制御してパチンコ球を払い出す。

【００２４】球皿２０内が空又は空に近い状態のときに
は、球払出装置１６から払い出されたパチンコ球（賞球
又は貸球）は、球払出流路１７内を流下して球排出口３
１から後皿部２２内に流入し、図４に矢印で示すよう
に、球流れ誘導板３２上を転がって後皿部２２内の隅々
に分散して各球落下口３６から後皿部２２の下段側の貯
溜スペースに落下した後、連通口２６を通って前皿部２
１内に流入する。

【００２５】球払出装置１６から多くのパチンコ球が連
続的に払い出され、球発射装置から発射されるパチンコ
球よりも、球払出装置１６から払い出されるパチンコ球
の方が多いと、パチンコ球は、まず、前皿部２１内に貯
溜され、前皿部２１が満杯になると、次は、後皿部２２
内に貯溜される。前述したように後皿部２２内に流入す
るパチンコ球は、球流れ誘導板上３２を転がって後皿部
２２内の隅々に分散して下段側の貯溜スペースに落下す
るので、図１（ａ）に示すように、下段側の貯溜スペー
スに、パチンコ球が一部に偏ることなく均等に貯溜され
ていく。その後、パチンコ球の払い出しに伴って、下段
側の貯溜スペースが一杯になると、図１（ｂ）に示すよ
うに、上段側の貯溜スペースにパチンコ球が貯溜されて
いくようになる。

【００２６】その際、満杯検出レバー３７の検出部４０
の位置（上段側の貯溜スペースに１回の最大払出個数の
パチンコ球を貯溜できるスペースを残した位置）までパ
チンコ球が溜まると、満杯検出レバー３７の検出部４０
がパチンコ球に押圧されて満杯検出スイッチ３８がオン
され、それによって制御回路がパチンコ球貯溜量がほぼ
満杯になったと判断して、球払出装置１６の球払出動作
を停止させる。

【００２７】尚、満杯検出スイッチ３８がオンしてから
球払出装置１６が実際に停止するまでには多少の時間遅
れがある。また、球払出装置１６から後皿部２２までの
球払出流路１７にはある程度の距離があるため、球払出
装置１６を停止しても、その時点では球払出流路１７内
を何個かのパチンコ球が流下している。このため、満杯
検出レバー３７及び満杯検出スイッチ３８による満杯検
出後にも、何個かのパチンコ球が後皿部２２内に流入
し、図１（ｂ）に示すように、上段側の貯溜スペースの
パチンコ球の貯溜量は、満杯検出レバー３７の検出部４
０の位置よりも少し多くなる。

【００２８】その後、球皿２０内のパチンコ球が順に球
発射装置に送られて発射されたり、或は、球抜き穴２４
からパチンコ球が抜かれて、後皿部２２内のパチンコ球
の貯溜量が、満杯検出レバー３７の検出部４０の位置よ
りも少なくなると、満杯検出レバー３７がパチンコ球の
圧力から解放され、満杯検出スイッチ３８がオフ状態に
復帰し、制御回路が球払出装置１６の球払出動作を再開
させる。

【００２９】以上説明した実施形態によれば、球流れ誘
導板３２によって、後皿部２２内のパチンコ球の貯溜ス
ペースを部分的に上下に２段に仕切ると共に、後皿部２
２内に流入するパチンコ球を隅々に分散させて下段側の
貯溜スペースから順次貯溜するようにしているので、後
皿部２２内全体にパチンコ球を偏りなくほぼ均等に貯溜
していくことができ、後皿部２２内全体をパチンコ球の
貯溜スペースとして有効に利用して後皿部２２、ひいて
は、球皿２０全体の球貯溜量を効果的に増加することが
できる。これにより、大当り等でパチンコ球が多量に払
い出される場合でも、球払出動作が停止する回数が減少
し、遊技者が球皿２０内のパチンコ球を抜き取る作業を
少なくすることができる。

【００３０】また、本実施形態では、後皿部２２の上段
側の貯溜スペース側に、満杯検出レバー３７及び満杯検
出スイッチ３８を設け、後皿部２２内のパチンコ球貯溜
量が後皿部２２の容量を越える手前で、パチンコ球貯溜
量がほぼ満杯になったことを検出して、球払出装置１６
の球払出動作を停止させるようにしているので、後皿部
２２内に過剰にパチンコ球を貯溜してしまうことを防止
でき、パチンコ機の前面パネル１９を開放しても、後皿
部２２からパチンコ球がこぼれ落ちてしまうことを防止
することができる。

【００３１】前述した理由により、満杯検出レバー３７
及び満杯検出スイッチ３８による満杯検出後にも、何個
かのパチンコ球が後皿部２２内に流入するため、後皿部
２２の上段側の貯溜スペースのパチンコ球の貯溜量は、
満杯検出レバー３７の検出部４０の位置よりも多くなる
が、本実施形態では、満杯検出レバー３７及び満杯検出
スイッチ３８を、後皿部２２の上段側の貯溜スペースに
１回の最大払出個数のパチンコ球を貯溜できるスペース
を残した位置までパチンコ球が溜まったことを検出する
ように配置しているので、満杯検出レバー３７及び満杯
検出スイッチ３８による満杯検出後に、仮に、１回の最
大払出個数のパチンコ球が後皿部２２内に流入したとし
ても、後皿部２２内のパチンコ球貯溜量を後皿部２２の
容量以内に収めることができ、前面パネル１９開放時の
パチンコ球のこぼれ落ちをより確実に防止することがで
きる。

【００３２】また、本実施形態では、後皿部２２を第１
及び第２の防犯カバー２８，３０で２重に覆うようにし
たので、異物を連通口２６を通して後皿部２２の上面開
口からパチンコ機の裏側に侵入させる不正行為を、第１
及び第２の防犯カバー２８，３０によって防止すること
ができる。更に、第１の防犯カバー２８に球流れ誘導板
３２を一体に形成したので、防犯カバー２８と球流れ誘
導板３２を１部品とすることができ、組付部品点数を削
減することができる。このため、組付作業性を向上する
ことができ、製造コストを低く抑えることができる。

【００３３】しかしながら、本発明は、必ずしも、球流
れ誘導板３２を防犯カバー２８と一体化する必要はな
く、球流れ誘導板３２を防犯カバー２８と別体で設ける
ようにしても良い。

【００３４】また、上記実施形態では、１皿化した球皿
２０の後皿部２２に球流れ誘導板３２を設けるようにし
たが、１皿化した球皿２０の前皿部２１に球流れ誘導板
を設けたり、或は、従来と同じ２皿構成のパチンコ機の
上皿や下皿に球流れ誘導板を設けるようにしても良い。
更に、球皿内に球流れ誘導板を複数枚設けて、球皿内の
パチンコ球の貯溜スペースを上下に３段以上に仕切るよ
うにしても良い。

【００３５】その他、本発明は、満杯検出手段の検出位
置を変更したり、満杯検出手段として用いるスイッチを
マイクロスイッチ以外のものに変更したりしても良い
等、種々変更して実施できる。

【００３６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項１のパチンコ機によれば、球皿内に流入するパ
チンコ球を該球皿内の隅々に分散させる１枚又は複数枚
の球流れ誘導板を、該球皿内のパチンコ球の貯溜スペー
スを部分的に上下に２段以上に仕切るように設置し、球
皿内に流入するパチンコ球を下段側の貯溜スペースから
順次貯溜するようにしたので、球皿内全体にパチンコ球
を偏りなくほぼ均等に貯溜することができて、球皿の球
貯溜量を確実に増加することができ、大当り時のパチン
コ球の抜取作業を少なくして遊技者の負担を軽減するこ
とができる。

【００３７】また、請求項２では、満杯検出手段によっ
て最上段の貯溜スペースにパチンコ球が所定量以上溜ま
ったことを検出したときに球払出装置の球払出動作を停
止させるようにしたので、球皿内に過剰にパチンコ球を
貯溜してしまうことを防止でき、前面パネル開放時のパ
チンコ球のこぼれ落ちを防止することができる。

【００３８】更に、請求項３では、満杯検出手段を、最
上段の貯溜スペースに１回の最大払出個数のパチンコ球
を貯溜できるスペースを残した位置までパチンコ球が溜
まったことを検出するように配置したので、球皿内のパ
チンコ球貯溜量を確実に球皿の容量以内に抑えることが
でき、前面パネル開放時のパチンコ球のこぼれ落ち防止
効果を更に高めることができる。

【００３９】また、請求項４では、球皿を、前面パネル
から前方に突出する前皿部と、前面パネルより後方に拡
大する後皿部とから構成したパチンコ機の場合に、後皿
部に該後皿部を上方から覆う防犯カバーを設けると共
に、その防犯カバーに球流れ誘導板を一体に形成したの
で、防犯カバーによる防犯効果を得ながら、防犯カバー
と球流れ誘導板を１部品とすることができ、構成簡単
化、組付性向上、低コスト化の要求を満たすことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ），（ｂ）は本発明の一実施形態における
パチンコ球の異なる貯溜状態を示す後皿部の縦断正面図

【図２】球皿部分の一部破断平面図

【図３】図２のＡ−Ａ断面図

【図４】後皿部の一部破断平面図

【図５】図４のＢ−Ｂ断面図

【図６】図４のＣ−Ｃ断面図

【図７】パチンコ機の裏面図

【符号の説明】

１１…本体枠、１６…球払出装置、１７…球払出流路、
１９…前面パネル、２０…球皿、２１…前皿部、２２…
後皿部、２６…連通口、２８…第１の防犯カバー、３０
…第２の防犯カバー、３１…球排出口、３２…球流れ誘
導板、３３…受け部、３６…球落下口、３７…満杯検出
レバー（満杯検出手段）、３８…満杯検出スイッチ（満
杯検出手段）。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 球払出装置から払い出されるパチンコ球
   を球皿内に受け溜めるパチンコ機において、 前記球皿内に流入するパチンコ球を該球皿内の隅々に分
   散させる１枚又は複数枚の球流れ誘導板を、該球皿内の
   パチンコ球の貯溜スペースを部分的に上下に２段以上に
   仕切るように設置し、前記球皿内に流入するパチンコ球
   を下段側の貯溜スペースから順次貯溜していくことを特
   徴とするパチンコ機。
2. 【請求項２】 前記球皿内の最上段の貯溜スペースにパ
   チンコ球が所定量以上溜まったことを検出する満杯検出
   手段を備え、 前記満杯検出手段によって最上段の貯溜スペースにパチ
   ンコ球が所定量以上溜まったことを検出したときに前記
   球払出装置の球払出動作を停止させることを特徴とする
   請求項１に記載のパチンコ機。
3. 【請求項３】 前記満杯検出手段は、前記球皿内の最上
   段の貯溜スペースに１回の最大払出個数のパチンコ球を
   貯溜できるスペースを残した位置までパチンコ球が溜ま
   ったことを検出するように配置されていることを特徴と
   する請求項２に記載のパチンコ機。
4. 【請求項４】 前記球皿は、パチンコ機本体下部の前面
   パネルから前方に突出する前皿部と、パチンコ球の貯溜
   スペースを前記前面パネルより後方に拡大する後皿部と
   から構成され、 前記後皿部に該後皿部を上方から覆う防犯カバーが設け
   られていると共に、該防犯カバーに前記球流れ誘導板が
   一体に形成されていることを特徴とする請求項１乃至３
   のいずれかに記載のパチンコ機。