JP2001333830A - ラチェット式レバー機構 - Google Patents

ラチェット式レバー機構

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JP2001333830A JP2000157686A JP2000157686A JP2001333830A JP 2001333830 A JP2001333830 A JP 2001333830A JP 2000157686 A JP2000157686 A JP 2000157686A JP 2000157686 A JP2000157686 A JP 2000157686A JP 2001333830 A JP2001333830 A JP 2001333830A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成の簡素化をはかるとともに、その操作性
の向上をはかる。 【構成】 ラチェットギヤ12が、ベースブラケット30の
支軸34回りに回転自在に配置、保持されるとともに、ラ
チェットギヤが兼ねる第1ギヤと、ブレーキユニット22
の制動軸24に一体的に係着された第2ギヤ42との組み合
わせとしてなる増速ギヤ手段40を介して、このラチェッ
トギヤは制動軸に連動可能に連結されている。また、レ
バープレート46、および駆動レバー14と一体化されるレ
バーブラケット48が、支軸34回りを回動自在にそれぞれ
配設、支持され、アップ用、ダウン用のラチェット爪18
u,18dを一体に有する二股形状のラチェット爪体16が、
レバープレート延出部46aに枢着されるとともに、連結
手段56を介して、レバーブラケット48に連動可能に連結
されている。そして、単一のリターンばね62から一体的
に付与された偏倚力のもとで、レバープレート46、およ
びレバーブラケット48がベースブラケット30に対するニ
ュートラル位置にそれぞれ偏倚、保持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動レバーの回
動操作力をブレーキユニットの制動軸に伝達するラチェ
ット式レバー機構、特に、シートを昇降可能に支持する
シートリフターの駆動手段として適用可能なラチェット
式レバー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、着座者の体形や好み等に応じ
たシートの高さ、および、運転等に適した視点の高さ等
を任意の調整のもとで確保可能とするシートリフター
が、着座姿勢制御装置として自動車等のシートに装着さ
れている。
【0003】シートリフターは、たとえば、シートを昇
降自在に支持するフロント、リヤのリフターリンクを備
えている。そして、ハンドル、レバー等を駆動部材とし
た駆動手段による各リンクの同期した回動のもとでシー
トを昇降可能に、この種のシートリフターは構成されて
いる。
【0004】ところで、シートリフターの駆動手段とし
て、たとえば、特開平11−342036号公報等に開示のよう
な、駆動レバーに連動可能な二股形状のラチェット爪体
を有して形成され、このラチェット爪体の一方のラチェ
ット爪を、駆動レバーの回動操作のもとでラチェットギ
ヤに選択的に噛合させた後、駆動レバーを更に回動させ
ることによってラチェットギヤ、ひいてはブレーキユニ
ットの制動軸等からその回転力を出力可能とした、いわ
ゆるラチェット式レバー機構が提供されている。
【0005】このようなラチェット式レバー機構によれ
ば、駆動レバーの回動操作であるため、てこの原理によ
り、その操作力は軽くなる。そして、特定の切り換え操
作を要することなく、駆動レバーの繰り返しの回動動作
のもとで、任意の一方向への回転力が出力できるため、
シートリフターに対する駆動操作の簡略化がはかられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、前出の特開平
11−342036号等のような、公知のラチェット式レバー機
構においては、駆動レバーと、ラチェット爪体の枢着さ
れたレバープレートとが、個別のリターンばねの偏倚力
のもとでそれぞれのニュートラル位置に偏倚、保持され
ている。そして、リターンばねの偏倚力に抗した、ニュ
ートラル位置からの駆動レバーの回動のもとで、ラチェ
ット爪体の対応する側のラチェット爪をラチェットギヤ
に選択的に噛合させることによって、駆動レバーによる
ラチェットギヤの回転操作が可能となっている。
【0007】しかしながら、この公知の構成において
は、駆動レバーとレバープレートとが、個別のリターン
ばねの偏倚力のもとでそれぞれのニュートラル位置に偏
倚、保持されているため、部品点数の増加が避けられ
ず、構成の複雑化、およびコストの上昇を伴いやすい。
【0008】ここで、この種のラチェット式レバー機構
においては、1回あたりの駆動レバーの回動操作量が所
定の範囲内に限定されるため、その操作量が小さいと、
シートの昇降の際における操作回数が多く要求されやす
い。そのため、操作が煩雑化しやすく、その操作性の低
下を招く虞れも否定できない。
【0009】この対応策としては、駆動レバーの回動範
囲の拡大化等が考えられる。しかし、駆動レバーの回動
範囲の拡大化においては、ラチェット式レバー機構の周
辺に、この駆動レバーの回動を保障可能とする広大なス
ペースを確保する必要があり、また、広範囲にわたる駆
動レバーの回動操作はその操作性を劣らせる原因となり
やすいため、その適応性に劣ることは否定できない。
【0010】この発明は、構成の簡素化をはかるととも
に、その操作性の向上をはかるラチェット式レバー機構
の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明によれば、一方向に回転制動された制動軸
を持つブレーキユニットが、固定基部を兼ねるベースブ
ラケットへの制動軸の貫通配置を伴って、このベースブ
ラケットと共に固定され、ギヤプレートの外歯車として
なるラチェットギヤが、ベースブラケットの支軸回りに
回転自在に配置、保持されるとともに、ギヤプレートに
形成された第1ギヤと、ブレーキユニットの制動軸に一
体的に係着された第2ギヤとの組み合わせとしてなる増
速ギヤ手段を介して、ブレーキユニットの制動軸に連動
可能に連結されている。また、駆動レバーと一体的に連
結、固定されるレバーブラケット、およびラチェットギ
ヤの周端外方に延出する延出部を持ったレバープレート
が、支軸回りを回動自在にそれぞれ配設、支持され、ラ
チェットギヤに噛合可能なアップ用、ダウン用のラチェ
ット爪を一体に有する二股形状のラチェット爪体が、ラ
チェットギヤの半径延長線上でレバープレート延出部に
枢着されるとともに、所定の連結手段を介して、レバー
ブラケットに連動可能に連結されている。
【0012】そして、単一のリターンばねから一体的に
付与された偏倚力のもとで、レバープレート、およびレ
バーブラケットがベースブラケットに対するニュートラ
ル位置にそれぞれ偏倚、保持され、リターンばねの偏倚
力に抗した、ニュートラル位置からの駆動レバー、レバ
ーブラケットの一体の回動に伴うラチェット爪体の傾動
よって、その対応する側のラチェット爪をラチェットギ
ヤに選択的に噛合させ、この噛合状態からの駆動レバー
の更なる回動操作に伴った対応方向へのレバープレート
の回動によって、ラチェットギヤを対応量だけ回転させ
るとともに、増速ギヤ手段による回転量の増大化を経
て、このラチェットギヤの回転をブレーキユニットの制
動軸に伝達可能としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】図1、図2に示すように、この発明に係る
ラチェット式レバー機構10は、外歯車としてなるラチェ
ットギヤ12と、駆動レバー14に連動可能に連結された二
股形状のラチェット爪体16とを備えている。そして、ラ
チェット爪体16の持つアップ用、ダウン用のラチェット
爪18u,18dのいずれかを、駆動レバー14の回動操作のも
とでラチェットギヤ12に選択的に噛合させることによっ
て、ラチェットギヤを対応する方向に回転させ、このラ
チェットギヤの回転を所定の出力端に伝達させることに
よって所定の可動体を移動可能に、このラチェット式レ
バー機構10は構成されている。
【0015】一般に、この種のラチェット式レバー機構
10は、掛かる負荷の大きな可動体を持つ装置、たとえ
ば、シート自体をその可動体とするシートリフター等の
駆動手段として設けられる。
【0016】なお、シートリフター自体は公知であり、
また、この種のラチェット式レバー機構を駆動手段とし
て設けたシートリフターとしては、特開平11−342036号
公報等に開示されたものが例示できるため、この発明の
趣旨でない、このシートリフターに対する詳細な説明
は、ここでは省略する。
【0017】図3を見るとわかるように、シートリフタ
ー等に設けられるラチェット式レバー機構10において
は、一方向への回転にその制動力の付与されたブレーキ
ユニット22の制動軸24に、その出力端24aが規定され、
この出力端から、駆動レバー14による回動操作力がシー
トリフターに伝達される。そして、制動軸24の制動方向
をシートリフターにおけるシートの下降方向に一致させ
ることにより、シートの不意な下降の防止、ひいては任
意の高さでのシートの保持が可能となっている。
【0018】なお、このブレーキユニット22の構成は公
知であり、その構成自体はこの発明の趣旨でないため、
ここでは詳細に説明しない。
【0019】図1ないし図3に示すように、ブレーキユ
ニット22は、通常、等角度等に離間形成された複数の固
定脚26をその基部22aに一体に有して形成され、この固
定脚を介して、取り付けの対象となる部材、たとえばシ
ートリフターにおいてはアッパフレーム28等に固定され
る。そして、この発明の実施の形態においては、ラチェ
ット式レバー機構10の固定基部を兼ねるベースブラケッ
ト30が、このブレーキユニット22を覆って配置可能に形
成され、ブレーキユニットと同じ固定部材、つまりシー
トリフターのアッパフレーム28等に、自身の脚部30aを
介して固定されることにより、ブレーキユニットとの一
体的な固定がはかられている。
【0020】なお、この構成においては、ブレーキユニ
ットの制動軸24の入力端24bが、ベースブラケット30の
挿通孔32を介して、ベースブラケットの反対面側、つま
り図3の上面側に突出されている。
【0021】ここで、図1ないし図3を見るとわかるよ
うに、この構成においては、支軸34が、ブレーキユニッ
トの制動軸24から所定間隔ずれた位置で、ベースブラケ
ット30の、図3上面側に突設され、ラチェットギヤ12を
外歯車としてその外周端に有するギヤプレート36が、こ
の支軸回りを回転自在に、挿通孔38を介して配設、支持
されている。そして、この発明においては、ギヤプレー
ト36に形成された第1ギヤと、ブレーキユニットの制動
軸24に一体的に係着、固定された第2ギヤとの組み合わ
せとしてなる増速ギヤ手段40を介して、ラチェットギヤ
12が制動軸に連動可能に連結されている。
【0022】この発明の実施の形態においては、ギヤプ
レートのラチェットギヤ12を増速ギヤ手段40の第1ギヤ
として兼用し、このラチェットギヤに噛合する外歯車42
を、この第1ギヤに対応する第2ギヤとしてブレーキユ
ニットの制動軸、ひいてはその入力端24bに一体的に係
着させている。
【0023】なお、図2に示すように、ブレーキユニッ
トの制動軸24をセレーション軸とし、第2ギヤ(外歯
車)42の軸受42aをこれに対応するセレーション軸受と
するとともに、更にこの軸受回りに、いわゆるCリング
等のような係止部材44を嵌着することによって、その一
体的な係着、固定は容易に確保できる。
【0024】また、この発明のラチェット式レバー機構
10においては、ラチェットギヤ12の周端外方に延出する
延出部46aを持ったレバープレート46、および同様の延
出部48aを持ったレバーブラケット48が、ベースブラケ
ットの支軸34の回りを回動自在に、挿通孔50、および挿
通孔52を介してそれぞれ配設、支持されている。
【0025】そして、ラチェットギヤ12に噛合可能なア
ップ用、ダウン用のラチェット爪18u,18dをその二股形
状端16aに一体に持つ二股形状のラチェット爪体16が、
ラチェットギヤ、つまりはギヤプレート36の半径延長線
上に規定されたレバープレート延出部46aに、枢支ピン
からなるラチェット支点54を介して枢着されるととも
に、所定の連結手段56、たとえば係止爪16bとこの係止
爪の遊挿される係合窓58との組み合わせを介して、レバ
ーブラケット48に連動可能に連結されている。
【0026】なお、この種のラチェット式レバー機構10
においては、シートの昇降方向と駆動レバー14の操作方
向とが一致されるため、二股形状端16aの図1中の上側
がアップ用ラチェット爪18uとして、またその下側がダ
ウン用ラチェット爪18dとして、それぞれ規定されてい
る。
【0027】また、図2、図3に示すように、ラチェッ
ト支点54となる枢支ピンの圧潰部分は、たとえば、レバ
ーブラケット48に設けた段部59によって逃げることが好
ましい。
【0028】ここで、この発明の実施の形態において
は、ベースブラケット30とカバープレート60との組み合
わせが、このラチェット式レバー機構10のユニットベー
スとなり、このユニットベースを基体として、このラチ
ェット式レバー機構はユニットかされる。図2、図3に
示すように、このカバープレート60は、レバーブラケッ
ト48の外方(図3の上方)に、支軸34の突端34aの挿着
を伴って配設され、スペーサを兼ねるその脚部60aを介
して、ベースブラケット30に一体的に固定されている。
【0029】そして、この発明の実施の形態において
は、駆動レバー14が、樹脂外装体として所定形状、たと
えば、ラチェットギヤ12、レバープレート46、レバーブ
ラケット48等を平面的に覆う形状に成形され、カバープ
レート60の外方(図3の上方)から、レバーブラケット
に対して一体的に連結、固定されている。
【0030】ところで、ラチェット爪体のラチェット爪
18u,18dをラチェットギヤ12に選択的に噛合可能とする
この発明の構成においては、図1に示す、ラチェットギ
ヤに対する双方のラチェット爪の不噛合位置が、ラチェ
ット爪体16、ひいては駆動レバー14のニュートラル位置
として規定されるとともに、レバープレート46の通常の
位置、つまりニュートラル位置が、たとえば、ベースブ
ラケット30の所定部との整列位置として予め規定されて
いる。そして、この発明においては、単一のリターンば
ね62の偏倚力のもとで、駆動レバー14、およびレバープ
レート46の双方をそれぞれのニュートラル位置に偏倚、
保持可能としている。
【0031】図1ないし図3を見るとわかるように、こ
の発明においては、ねじりばねをリターンばね62として
用いている。そして、たとえば、支軸34との同軸上でベ
ースブラケット30の裏面(図3の下面)に配された支軸
基部34b回りへの巻装のもとで、このリターンばね62は
配設され、ほぼ同一幅に形成されたベースブラケット3
0、レバープレート46、およびレバーブラケット48の挟
持部30b,46b,48bをこのリターンばねの一対の端末62a,6
2b間で一体的に挟持することによって、これらの整列位
置となるそれぞれのニュートラル位置にレバープレー
ト、および駆動レバー14を偏倚、保持可能にこのリター
ンばねは構成されている。
【0032】この発明の実施の形態においては、ベース
ブラケットのいずれか一つの脚部30aとの整列位置に設
けられたレバープレート46、およびレバーブラケット48
の延出折曲片が、挟持部46b,48bとしてそれぞれ形成さ
れ、図1に示すように、この延出折曲片としてなる挟持
部をベースブラケットの脚部と共に一体的に挟持して、
リターンばねの端末62a,62bは配設されている。
【0033】レバープレート48、駆動レバー14がリター
ンばね62の偏倚力によってそのニュートラル位置にそれ
ぞれ偏倚、保持された状態、つまり駆動レバーの非操作
状態を、ラチェット式レバー機構10の初期状態として図
1に示す。通常、この種のラチェット式レバー機構10に
おいては、駆動レバー14の操作方向がシートの昇降方向
に一致するため、この初期状態から駆動レバーを図中反
時計方向に回動させることによってシートの上昇(アッ
プ)が、また図中時計方向に駆動レバーを回動させるこ
とによってシートの下降(ダウン)が、それぞれ確保可
能となる。
【0034】この、図1に示す初期状態から、駆動レバ
ー14を、たとえばアップ方向、つまり図中反時計方向に
回動させると、まず、駆動レバー、つまりレバーブラケ
ット48が、支軸34の回りを、リターンばねの図中下端末
62bに作用する偏倚力に抗して単独で回動し、レバープ
レート46を伴わないこのレバーブラケットの単独回動に
よる、連結手段56を介した連動のもとでのラチェット爪
体16の傾動により、アップ用ラチェット爪18uが、図4
に示すようにラチェットギヤ12の対応箇所に噛合され
る。そして、このラチェットギヤ14へのアップ用ラチェ
ット爪18uの噛合状態においては、ラチェット支点54を
中心としたラチェット爪体16のこれ以降の傾動、つまり
レバープレート46を伴わないレバーブラケット48の単独
回動が阻止されるため、この状態で駆動レバー14をアッ
プ方向となる反時計方向に、リターンばねの図中下端末
62bに作用する偏倚力に抗して更に回動させれば、図5
に示すように、支軸34回りでのレバープレートの回動の
もとで、ラチェットギヤ12が、対応量だけ対応方向、つ
まりはアップ方向に回転される。
【0035】ここで、このラチェット式レバー機構10に
おいては、ラチェットギヤ12の回転に伴って、増速ギヤ
手段40が作動される。つまり、駆動レバー14によってラ
チェットギヤ12が対応量だけ回転されると、このラチェ
ットギヤに噛合した第2ギヤ42の回転のもとで、ブレー
キユニットの制動軸24は回転される。
【0036】駆動レバー14の回動操作力が増速ギヤ手段
40を介してブレーキユニットの制動軸24に伝達されるこ
の構成においては、その回転量が増大して伝達されるた
め、駆動レバーの回動操作量よりも増大化された回転量
が、制動軸24の出力端24aから出力される。そして、こ
の制動軸24の回転をその出力端24aからシートリフター
に出力、伝達させ、これによりシートリフターを作動さ
せることによって、シートは対応量だけ上昇される。
【0037】図5を見るとわかるように、駆動レバー14
の回動範囲は、たとえば、カバープレートの脚部60aに
対するレバーブラケット48の係合端48cの係合によって
規制され、この回動限度位置で駆動レバーの操作力を解
除すれば、駆動レバー、およびレバープレートは、リタ
ーンばね62の偏倚力、つまりはリターンばねの図中下端
末62bに作用する偏倚力のもとで図1のニュートラル位
置にそれぞれ偏倚、保持される。
【0038】そして、図1に示すニュートラル位置から
駆動レバー14を再度アップ方向に回動操作すれば、上記
と同様に、ラチェットギヤ12、ひいては制動軸24の対応
する回転量だけシートが上昇されるため、この動作を繰
り返すことで、操作者はシートを所望の高さまで上昇さ
せることができる。
【0039】また、シートを下降させる場合において
は、駆動レバー14を、リターンばねの図中上端末62aに
作用する偏倚力に抗してニュートラル位置からダウン方
向(図1の時計方向)に回動させて、図6に示すよう
に、ラチェット爪体のダウン用ラチェット爪18dをラチ
ェットギヤ12の対応箇所に噛合させ、この状態から、駆
動レバーを、リターンばねの上端末に作用する偏倚力に
抗してダウン方向に更に回動させることにより、ラチェ
ットギヤの回転量、ひいては制動軸24の回転量に応じた
シートの下降が確保可能となる。
【0040】上記のように、この発明のラチェット式レ
バー機構10においては、単一のリターンばね62の偏倚力
のもとで、駆動レバー14とレバープレート46とを、ニュ
ートラル位置にそれぞれ偏倚、保持可能としている。
【0041】つまり、駆動レバー14、レバープレート46
等に対する個別のリターンばねが不要となることから、
この発明によれば、その部品点数の削減が確実にはから
れ、これによって、ラチェット式レバー機構10の構成の
簡素化、およびコストの低減が十分にはかられる。
【0042】そして、駆動レバー14を任意の方向に繰り
返し回動操作することによる駆動動作、つまり方向選択
を同時に可能とした操作性の高い駆動動作は、この発明
のラチェット式駆動機構10においても従来と何等変わら
ないため、この高い操作性を損なうことなく、その構成
の簡素化、およびコストの低減が容易に確保できる。
【0043】更に、この発明においては、ラチェットギ
ヤ12の回転を、ラチェットギヤが兼ねる第1ギヤと、ブ
レーキユニットの制動軸24に一体に係着された第2ギヤ
42との組み合わせとしてなる増速ギヤ手段40を介して、
制動軸に伝達しているため、駆動レバー14の回動操作量
よりも拡大化された回転量が、その制動軸に伝達、出力
される。つまり、1回あたりの駆動レバー14の回動操作
によるシートの昇降量の増大化が確実にはかられるた
め、この発明によれば、その操作性が確実に向上され
る。
【0044】また、この発明においては、リターンばね
62を支軸基部34b回りに巻装したねじりばね62とし、レ
バープレート46、およびレバーブラケット48の延出折曲
片としてなる挟持部46b,48bを、ベースブラケットの脚
部30aと共にこのリターンばねの端末62a,62b間で一体的
に挟持すれば足りるため、レバープレート、およびレバ
ーブラケットのためのリターンばねの単一化が、構成の
複雑化を伴うことなく容易、かつ適切に確保可能とな
る。
【0045】そして、この構成においては、ねじりばね
としてなるリターンばね62をベースブラケット裏面の支
軸基部34bに巻装すれば足りるため、ユニットとしての
その厚み方向での大型化が確実に防止できる。従って、
リターンばね62の単一化が、ラチェット式レバー機構10
の大型化を伴うことなく容易に確保可能となる。
【0046】ここで、図1ないし図3を見るとわかるよ
うに、この発明の実施の形態においては、レバープレー
ト46、レバーブラケット48からの延出折曲片として挟持
部46b,48bをそれぞれ形成しているが、リターンばねの
一対の端末62a,62bでの挟持のもとでその偏倚力をレバ
ープレート、レバーブラケットの双方に付与可能であれ
ば足りるため、挟持部は、この延出折曲片としてなるも
のに限定されない。
【0047】この挟持部の変形例を図7、および図8に
示す。この図7、図8を見るとわかるように、この変形
例に係るラチェット式レバー機構110においても、支軸
基部34bに巻装されたねじりばねがリターンばね162とし
て利用されている。そして、レバープレート146、レバ
ーブラケット148が、たとえば、延出折曲片に代わる平
坦延出片146c,148cをそれぞれ一体に有して形成され、
リターンばね162の一対の端末162a,162bの挿通可能な一
対の円弧状長孔164,166が、この平坦延出片の所定間隔
離間した位置にそれぞれ形成されている。
【0048】更に、この構成においては、この円弧状長
孔164,166と整列する一対の円弧状長孔168が、ベースブ
ラケット130の対応箇所に形成され、これら整列する各
円弧状長孔を連続して挿通し、かつこの一対の円弧状長
孔間に存在する、ほぼ同一幅の隔離部をリターンばねの
一対の端末162a,162b間で挟持することによって、この
隔離部をベースブラケット、レバープレート、およびレ
バーブラケットの挟持部130b,146b,148bとしてそれぞれ
規定している。
【0049】この構成において設けられるレバープレー
ト146、およびレバーブラケット148の平坦延出片146c,1
48cは、上述した実施の形態での延出折曲片より確実に
短くなるため、これら部材の小型化、および軽量化が確
実にはかられる。そして、製造の際の折曲工程が省略さ
れるため、レバープレート146、レバーブラケット148の
小型化、および軽量化に加えた製造工程の簡素化によ
り、そのコストが確実に低減される。
【0050】なお、ここで説明したベースブラケット13
0、レバープレート146、レバーブラケット148、および
リターンばね162以外の部材は、図1ないし図3等に示
す前出の実施の形態と何等変わらないため、これらに対
する詳細な説明は、ここでは省略する。
【0051】また、この発明の実施の形態においては、
増速ギヤ手段40の第1ギヤとして、ラチェットギヤ12を
兼用化しているが、第1ギヤは制動軸の第2ギヤ42の噛
合可能な外歯車であり、かつラチェットギヤと一体に回
転可能であれば足りるため、これに限定されず、たとえ
ば、ラチェットギヤとは別の外歯車を、ギヤプレート36
に設けた突出部等に形成し、この外歯車を、第1ギヤと
して第2ギヤに噛合させる構成としてもよい。
【0052】しかしながら、この実施の形態のように、
ラチェットギヤ12に増速ギヤ手段40の第1ギヤを兼ねさ
せれば、その構成の簡素化が確実にはかられる。
【0053】ところで、図1を見るとわかるように、こ
の種のラチェット式レバー機構においては、通常、ラチ
ェット爪体のラチェット爪18u,18dが、ラチェットギヤ1
2に噛合可能なギヤ状の複数の歯として形成されてい
る。そして、このようなギヤ状の複数の歯としてラチェ
ット爪18u,18dを形成すれば、荷重の分散化等により、
その剛性が十分に高く確保可能となる。
【0054】ここで、一般に、このラチェット爪18u,18
dをなす歯の長さは、その位置に関係なくほぼ同一の長
さとして形成される。しかしながら、ラチェット爪体16
の二股境界側寄りの歯をその外側に位置する歯と同等の
長さとすると、ラチェットギヤ12にラチェット爪18u,18
dを噛合、離反させるためのラチェット爪体16の傾動ス
トロークが大きくなりやすい。
【0055】そこで、図9(A),(B)、および図1
0に示すように、この発明においては、ラチェット爪18
u,18dをなす複数の歯の長さを、ラチェット爪体16の二
股境界側、つまり二股形状端16aを対象に分割する想定
分割線70側に行くに従って、順次短く形成している。
【0056】つまり、ラチェット爪18u,18dをなす複数
の歯の長さをラチェット爪体16の二股境界側の歯から順
次L1,L2,L3とした場合、その関係がL1<L2<L3となるよ
うに、このラチェット爪の歯の長さはそれぞれ設定され
ている。
【0057】このような構成においては、たとえば、ラ
チェット爪18u,18dをなす複数の歯のうち、その最も外
側に位置する歯が、ラチェットギヤ12に噛合する歯の標
準的な長さに設定され、この最も外側の歯を基準とし
て、それより二股境界側にある歯の長さが順次短く設定
される。
【0058】このような、二股境界側に順次短くなる複
数の歯からなるラチェット爪18u,18dを持ったラチェッ
ト爪体16によれば、ラチェット爪の最も外側に位置する
歯が、ラチェットギヤ12に対する噛合、離脱の基準とな
るため、図9(A)に示すニュートラル位置と、図9
(B)に示す噛合位置との間でのラチェット爪体の傾動
ストロークは確実に小さくなる。つまり、ラチェットギ
ヤ12に対するラチェット爪18u,18dの噛合、離反に要す
る駆動レバー14の回動ストローク、つまりは遊び量が十
分に抑制されるため、その操作性が向上する。
【0059】そして、従来通り、ラチェット爪18u,18d
をなす複数の歯をラチェットギヤ12に一体に噛合させる
ことに何等変わりはないため、その剛性、耐久性等の低
下を伴うことなく、その操作性の向上が容易に確保でき
る。
【0060】なお、図10に示すように、このラチェッ
ト18u,18dをなす複数の歯の先端形状を、二股境界側に
傾斜する内方傾斜形状とすることが好ましい。このよう
な構成によれば、ラチェットギヤ12に対する、ラチェッ
ト爪体16の傾動に応じた形状の歯が容易に確保できるた
め、ラチェット爪体の傾動ストロークの抑制が一層はか
られる。
【0061】ここで、たとえば、図1ないし図6に示す
この発明の実施の形態において、この発明のラチェット
式レバー機構10は、樹脂外装体としてなる駆動レバー14
を、レバーブラケット48に一体的に被装、固定すること
によって、駆動レバーに連動したラチェット爪体16の傾
動を得る構成として具体化されている。この構成によれ
ば、駆動レバー14がベースブラケット30とカバープレー
ト60とからなるユニットベースを基体としたユニットの
一体的な一部としてなるため、その構成の簡素化、およ
び取り付け作業の簡単化等が容易に確保可能となる。
【0062】しかしながら、駆動レバーの一体的な構成
に限定されず、たとえば、ユニットとは別体の駆動レバ
ーを後付けにより取り付け可能とする形態に、このラチ
ェット式レバー機構を構成してもよい。
【0063】図11、図12に示す、この、駆動レバー
214の後付けの可能なラチェット式レバー機構210におい
ては、支軸234に回転自在に環装可能な軸状の支軸ホル
ダ272が、レバーブラケット248に一体的に固定され、支
軸ホルダに形成された凹部272a内への支軸の遊挿による
この支軸ホルダの環装のもとで、レバーブラケットは支
軸回りに回動自在に配設、支持されている。そして、挿
通孔238,250へのこの支軸ホルダ272の挿通を介して、ラ
チェットギヤ12のギヤプレート236、およびレバープレ
ート246が支軸234の回りに回動自在に配設されるととも
に、樹脂外装体としてなる駆動レバー214を、挿通孔273
を介してカバープレート260の外方(図12の上方)に
突出された支軸ホルダに一体的に連結、固定することに
よって、駆動レバーとレバーブラケット248との、この
構成における一体化がはかられている。
【0064】図11に示すように、支軸ホルダ272をセ
レーション軸とし、駆動レバー214の軸受214aをこれに
対応するセレーション軸受とするとともに、更に駆動レ
バーを支軸ホルダに止めねじ274等によるねじ止めを行
うことによって、その一体的な連結、固定は容易に確保
できる。
【0065】なお、ここでの説明の説明した部材以外の
部材は、図1ないし図3等に示す前出の実施の形態のも
のと何等変わらないため、これらに対する詳細な説明
は、ここでは省略する。
【0066】このような構成においては、駆動レバー21
4がレバーブラケット248から分離成形され、ベースブラ
ケット30とカバープレート60とからなるユニットベース
を基体としたラチェット式レバー機構210のユニット化
の後に、この駆動レバーを支軸ホルダ272に連結、固定
すれば足りるため、ラチェット式レバー機構に対する駆
動レバーの、いわゆる後付けが可能となる。そして、こ
のような駆動レバー214の後付けの可能な構成によれ
ば、ユニットとしてなるラチェット式レバー機構210を
トリムカバーやフィニッシャー等と称する装飾部材によ
って被覆し隠すことが可能となるため、シートの全体的
な外観品質が向上される。
【0067】更に、駆動レバー214の形状は、レバーブ
ラケット248等の形状とは無関係に成形できるため、駆
動レバーの形状の自由度が増す。つまり、シートの形状
や自動車の内装等に応じた駆動レバー214の形状を適宜
選択できるため、シートに限定されず、自動車の内装等
の全体的な外観品質の向上も、これによれば容易にはか
られる。
【0068】なお、この発明の実施の形態においては、
シートリフターが、ラチェット式レバー機構を駆動手段
とする装置として具体化されている。しかし、シートリ
フターに限定されず、シートの他の装置、たとえば、リ
クライニング装置やシートスライド装置等のための駆動
手段に、この発明のラチェット式レバー機構を応用して
もよい。
【0069】上述した発明の実施の形態は、この発明を
説明するためのものであり、この発明を何等限定するも
のでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施さ
れたものも全てこの発明に包含されることはいうまでも
ない。
【0070】
【発明の効果】上記のように、この発明のラチェット式
レバー機構によれば、単一のリターンばねの偏倚力のも
とで、駆動レバーとレバープレートとをニュートラル位
置にそれぞれ偏倚、保持可能としているため、部品点数
の削減が確実にはかられる。従って、ラチェット式レバ
ー機構の構成の簡素化、およびコストの低減が十分には
かられる。
【0071】そして、駆動レバーを任意の方向に繰り返
し回動操作することによる、方向選択を同時に可能とし
た操作性の高い駆動動作は、この発明のラチェット式駆
動機構においても得られるため、この高い操作性を損な
うことなく、その構成の簡素化、およびコストの低減が
容易に確保できる。
【0072】更に、ラチェットギヤの回転を、ラチェッ
トギヤと一体の第1ギヤと、ブレーキユニットの制動軸
に一体に係着された第2ギヤとの組み合わせとしてなる
増速ギヤ手段を介して、制動軸に伝達しているため、駆
動レバーの回動操作量よりも拡大化された回転量が、そ
の制動軸に伝達、出力される。つまり、1回あたりの駆
動レバーの回動操作によるシートの昇降量の増大化が確
実にはかられるため、この発明によれば、その操作性が
確実に向上される。
【0073】また、リターンばねを支軸基部回りに巻装
したねじりばねとし、ベースブラケット、レバープレー
ト、およびレバーブラケットの挟持部をこのリターンば
ねの端末間で一体的に挟持すれば、レバープレート、お
よびレバーブラケットのためのリターンばねの単一化
が、構成の複雑化を伴うことなく容易、かつ適切に確保
可能となる。
【0074】そして、ねじりばねとしてなるリターンば
ねをベースブラケット裏面の支軸基部に巻装すれば足り
るため、ユニットとしてのその厚み方向での大型化が確
実に防止できる。従って、リターンばねの単一化が、ラ
チェット式レバー機構の大型化を伴うことなく容易に確
保可能となる。
【0075】また、ベースブラケット、レバープレー
ト、およびレバーブラケットに形成した一対の円弧状長
孔間にある隔離部を、リターンばねの一対の端末で挟持
する挟持部とした構成では、レバープレート、およびレ
バーブラケットの小型化、および軽量化が確実にはから
れる。そして、製造の際に折曲工程を要しないため、レ
バープレート、レバーブラケットの小型化、および軽量
化に加えた製造工程の簡素化により、そのコストが確実
に低減される。
【0076】また、増速ギヤ手段の第2ギヤを、ラチェ
ットギヤに噛合する外歯車として形成することによっ
て、このラチェットギヤを、増速ギヤ手段の第1ギヤと
して兼用化すれば、ラチェットギヤとは別の外歯車をギ
ヤプレートに形成する必要がないため、その構成の簡素
化が確実にはかられる。
【0077】そして、ラチェット爪を、ラチェットギヤ
に噛合可能な複数の歯から形成し、この複数歯の長さ
を、ラチェット爪体の二股境界側に行くに従って、順次
短く設定すれば、ニュートラル位置と、ラチェットギヤ
に対する噛合位置との間でのラチェット爪体の傾動スト
ロークが確実に小さくなるため、駆動レバーの遊び量が
十分に抑制され、これによってその操作性が向上する。
【0078】更に、ラチェット爪をなす複数の歯をラチ
ェットギヤに一体に噛合させることができるため、その
剛性、耐久性等の低下を伴うことなく、その操作性の向
上が容易に確保できる。
【0079】そして、ラチェットをなす複数の歯の先端
形状を、二股境界側に傾斜する内方傾斜形状とすれば、
ラチェットギヤに対する、ラチェット爪体の傾動に応じ
た形状の歯が容易に確保できるため、ラチェット爪体の
傾動ストロークの抑制が一層はかられる。
【0080】また、樹脂外装体としてなる駆動レバー
を、レバーブラケットに一体的に被装、固定すれば、駆
動レバーがユニットベースを基体としたユニットの一体
的な一部としてなるため、その構成の簡素化、および取
り付け作業の簡単化等が容易に確保可能となる。
【0081】更に、レバーブラケットに一体的に固定さ
れた支軸ホルダを、支軸に対して回動自在に環装し、こ
の支軸ホルダの挿通を介して、ラチェットギヤのギヤプ
レート、およびレバープレートを支軸回りに回動自在に
配設するとともに、樹脂外装体としてなる駆動レバー
を、支軸ホルダを介してレバーブラケットに一体的に連
結、固定すれば、ラチェット式レバー機構に対する駆動
レバーの後付けが可能となる。そして、このような駆動
レバーの後付けの可能な構成によれば、ユニットとして
なるラチェット式レバー機構をトリムカバーやフィニッ
シャー等と称する装飾部材によって被覆し隠すことが可
能となるため、シートの全体的な外観品質が向上され
る。
【0082】また、駆動レバーの形状は、レバーブラケ
ットの形状とは無関係に成形できるため、駆動レバーの
形状の自由度が増す。つまり、シートの形状や自動車の
内装等に応じた駆動レバーの形状を適宜選択できるた
め、シートに限定されず、自動車の内装等の全体的な外
観品質の向上も、これによれば容易にはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ニュートラル位置における、この発明に係るラ
チェット式レバー機構の概略正面図である。
【図2】ラチェット式レバー機構の概略分解斜視図であ
る。
【図3】ラチェット式レバー機構の概略縦断面図であ
る。
【図4】アップ方向回動開始時での、ラチェット式レバ
ー機構の概略正面図である。
【図5】アップ方向回動限度位置での、ラチェット式レ
バー機構の概略正面図である。
【図6】ダウン方向回動開始時での、ラチェット式レバ
ー機構の概略正面図である。
【図7】リターンばねの一変形例を示す、ニュートラル
位置でのラチェット式レバー機構の概略正面図である。
【図8】図7に示すラチェット式レバー機構の概略分解
斜視図である。
【図9】ラチェット爪の一変形例を示す、ニュートラル
位置、噛合位置でのラチェットギヤ、ラチェット爪体の
各概略拡大正面図である。
【図10】ラチェット爪の一変形例を示す、ラチェット
爪の部分拡大正面図である。
【図11】駆動レバーの一変形例を示す、ラチェット式
レバー機構の概略分解斜視図である。
【図12】図11に示すラチェット式レバー機構の概略
縦断面図である。
【符号の説明】
10,110,210 ラチェット式レバー機構 12 ラチェットギヤ(第1ギヤ) 14,214 駆動レバー 16 ラチェット爪体 18u,18d ラチェット爪 22 ブレーキユニット 24 制動軸 34,234 支軸 36 ギヤプレート 40 増速ギヤ手段 42 第2ギヤ 46,146,246 レバープレート 48,148,248 レバーブラケット 62,162 リターンばね 164,166,168 円弧状長孔 272 支軸ホルダ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に回転制動された制動軸を持つブ
    レーキユニットが、固定基部を兼ねるベースブラケット
    への制動軸の貫通配置を伴って、このベースブラケット
    と共に固定され、ギヤプレートの外歯車としてなるラチ
    ェットギヤが、ベースブラケットの支軸回りに回転自在
    に配置、保持されるとともに、ギヤプレートに形成され
    た第1ギヤと、ブレーキユニットの制動軸に一体的に係
    着された第2ギヤとの組み合わせとしてなる増速ギヤ手
    段を介して、このラチェットギヤがブレーキユニットの
    制動軸に連動可能に連結され、 駆動レバーと一体的に連結、固定されるレバーブラケッ
    ト、およびラチェットギヤの周端外方に延出する延出部
    を持ったレバープレートが、前記支軸回りを回動自在に
    それぞれ配設、支持され、前記ラチェットギヤに噛合可
    能なアップ用、ダウン用のラチェット爪を一体に有する
    二股形状のラチェット爪体が、ラチェットギヤの半径延
    長線上でレバープレート延出部に枢着されるとともに、
    所定の連結手段を介して、レバーブラケットに連動可能
    に連結され、 単一のリターンばねから一体的に付与された偏倚力のも
    とで、前記レバープレート、およびレバーブラケットが
    ベースブラケットに対するニュートラル位置にそれぞれ
    偏倚、保持され、リターンばねの偏倚力に抗した、ニュ
    ートラル位置からの駆動レバー、レバーブラケットの一
    体の回動に伴うラチェット爪体の傾動よって、その対応
    する側のラチェット爪をラチェットギヤに選択的に噛合
    させ、この噛合状態からの駆動レバーの更なる回動操作
    に伴った対応方向へのレバープレートの回動によって、
    ラチェットギヤを対応量だけ回転させるとともに、増速
    ギヤ手段による回転量の増大化を経て、このラチェット
    ギヤの回転をブレーキユニットの制動軸に伝達させるラ
    チェット式レバー機構。
  2. 【請求項2】 リターンばねが、ベースブラケット裏面
    の支軸基部に巻装されたねじりばねであり、ほぼ同一幅
    に形成されたベースブラケット、レバープレート、およ
    びレバーブラケットの挟持部をこのねじりばねの一対の
    端末間で挟持することにより、これらの整列位置となる
    それぞれのニュートラル位置にレバープレート、および
    レバーブラケットを偏倚、保持可能とした請求項1記載
    のラチェット式レバー機構。
  3. 【請求項3】 リターンばねの一対の端末を連続して挿
    通可能とする一対の円弧状長孔を、所定間隔離間した位
    置でベースブラケット、レバープレート、およびレバー
    ブラケットにそれぞれ形成し、この一対の円弧状長孔間
    にある隔離部をほぼ同一幅とすることによって、この隔
    離部を、リターンばねの一対の端末で挟持する挟持部と
    した請求項2記載のラチェット式レバー機構。
  4. 【請求項4】 増速ギヤ手段の第2ギヤを、ラチェット
    ギヤに噛合する外歯車として形成することにより、この
    ラチェットギヤを、増速ギヤ手段の第1ギヤとして兼用
    化した請求項1ないし3のいずれか記載のラチェット式
    レバー機構。
  5. 【請求項5】 ラチェット爪を、ラチェットギヤに噛合
    可能な複数の歯から形成し、この複数歯の長さを、ラチ
    ェット爪体の二股境界側に行くに従って、順次短く設定
    した請求項1ないし4のいずれか記載のラチェット式レ
    バー機構。
  6. 【請求項6】 ラチェット爪を、ラチェットギヤに噛合
    可能な複数の歯として形成し、この複数歯の長さを、ラ
    チェット爪体の二股境界側に行くに従って、順次短く設
    定するとともに、この複数歯の先端形状を、二股境界側
    に傾斜する内方傾斜形状とした請求項1ないし4のいず
    れか記載のラチェット式レバー機構。
  7. 【請求項7】 樹脂外装体としてなる駆動レバーを、レ
    バーブラケットに一体的に被装、固定した請求項1ない
    し6のいずれか記載のラチェット式レバー機構。
  8. 【請求項8】 レバーブラケットに一体的に固定された
    軸状の支軸ホルダを、支軸に対して回動自在に環装し、
    この支軸ホルダの挿通を介して、ラチェットギヤのギヤ
    プレート、およびレバープレートを支軸回りに回動自在
    に配設するとともに、樹脂外装体としてなる駆動レバー
    を、支軸ホルダに一体的に連結、固定した請求項1ない
    し6のいずれか記載のラチェット式レバー機構。
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