JP2001330979A - 画像形成方法、画像形成装置及び静電荷像現像用トナー - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置及び静電荷像現像用トナー

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JP2001330979A
JP2001330979A JP2001076285A JP2001076285A JP2001330979A JP 2001330979 A JP2001330979 A JP 2001330979A JP 2001076285 A JP2001076285 A JP 2001076285A JP 2001076285 A JP2001076285 A JP 2001076285A JP 2001330979 A JP2001330979 A JP 2001330979A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力が少なく、環境に優しい画像形成方
法であり、かつ、どのような環境下においても融着やフ
ィルミングによる画像不良が発生せず、長期間に渡る使
用においても、光受容部材に傷や摩耗が発生せず、常に
鮮明な画像が得られる、耐久性に富んだ画像形成方法を
提供する。 【解決手段】 光受容部材は、導電性基体と、この導電
性基体の上に光導電層と表面層とを有し、表面層は、少
なくとも水素原子及び/又はハロゲン原子を35〜55
原子%含有する非単結晶炭素からなり、表面粗さRaが
15〜100nmであり、光導電層は、水素原子及び/
又はハロゲン原子を含有し、シリコン原子を母体とする
非単結晶材料からなり、トナーとして特定のトナーを用
いることを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法及び
画像形成装置に関する。より詳しくは、定着性に優れた
トナーを用いた画像形成プロセスにおいて、融着、フィ
ルミングの発生がなく、傷や摩耗が付きにくく、耐刷性
に優れ、長寿命で、電位特性の少ない画像形成方法及び
画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】(1)画像形成装置 従来、電子写真法としては、米国特許第2297692
号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭4
3−24748号公報に記載されている如く、多数の方
法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種
々の手段により光受容部材(電子写真感光体)上に静電
潜像を形成し、ついで該潜像をトナーを用いて現像し、
必要に応じて紙等の転写材に、現像イメージとしてのト
ナー像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧あるいは溶
剤蒸気などにより定着し複写物を得るものである。上記
工程において、転写材へトナー像を転写した後でも光受
容部材上には、未転写のトナーが残るため、これまでは
クリーニング工程により該未転写トナーを回収し、いわ
ゆる廃トナーとして系外に排出していた。
【0003】近年の情報処理量の増大にともない、コピ
ーボリュームの大きな複写機やレーザビームプリンター
等の画像形成装置(すなわち大型の高速機)の需要がさ
らに大きくなりつつある。
【0004】光受容部材としては、高速に対応した光受
容部材特性の向上が要求されると共に、より精彩な画質
を要求される昨今においては、光受容部材特性の改善は
もとより、トナーの小粒径化が進められ、コールターカ
ウンター等による重量平均粒径が5〜11μmであるも
のが多く使われている。
【0005】一方、クリーニング性を向上する為に、特
開昭54−143149号公報に記載されている様な溝
付きブレードや、特開昭57−124777号公報に記
載されている様な突起付きブレード等が考案されている
が、プロセススピードが400mm/sec以上で、定
着性の向上した微粒子トナーとa−Si(アモルファス
シリコン)光受容部材からなる画像形成装置に好適なク
リーニングシステムについては、言及されていない。
【0006】図1は複写機の画像形成プロセスの一例を
示す概略図である。
【0007】光受容部材101は、矢印X方向に回転す
る。光受容部材101はドラム状に形成され、ドラム内
側には面状内面ヒータ123が設けられている。これに
よって、光受容部材101は温度コントロールされる。
光受容部材101の周辺には、帯電手段である主帯電器
102、静電潜像形成部位103、現像手段である現像
器104、転写紙供給系105、転写手段である転写帯
電器106(a)、分離帯電器106(b)、クリーニ
ングローラ107、搬送系108、除電光源109など
が配設されている。
【0008】以下、さらに具体例を以って、画像形成プ
ロセスを説明する。光受容部材101は+6〜8kVの
高電圧を印加した主帯電器102により一様に帯電さ
れ、ハロゲンランプ110から発した光が原稿台ガラス
111上に置かれた原稿112に反射し、ミラー11
3、114、115を経由し、レンズユニット117の
レンズ118によって結像され、ミラー116を経由
し、静電潜像形成部位に導かれ投影された静電潜像が形
成される。この潜像に現像器104から静電潜像現像用
トナーが供給されて現像イメージ(以下、「トナー像」
ともいう)となる。
【0009】一方、転写紙Pは、転写紙供給系105を
通ってレジストローラ122によって先端タイミングを
調整され、光受容部材方向に供給される。転写材Pは、
+7〜8kVの高電圧を印加した転写帯電器106
(a)と光受容部材101の間隙において背面から、ト
ナーとは反対極性の電界を与えられる。これによって光
受容部材表面のトナー像は転写材Pに転移する。転写材
Pは、12〜14kVp−p、300〜600Hzの高
圧AC電圧を印加した分離帯電器106(b)により光
受容部材から分離され、転写紙搬送系108を通って定
着器124に至り、トナー像は定着されて装置外に排出
される。
【0010】光受容部材101上に残留するトナーはク
リーニングローラ107のクリーニングブレード121
によってかき落とされ、残留する静電潜像は除電光源1
09によって消去される。
【0011】(2)光受容部材 光受容部材に用いる素子部材の技術としては、セレン、
硫化カドミニウム、酸化亜鉛、フタロシアニン、アモル
ファスシリコン(以下「a−Si」という)等各種の材料
が提案されている。中でもa−Siに代表される珪素原
子を主成分として含む非単結晶質堆積膜、例えば水素及
び/又はハロゲン(例えばフッ素、塩素等)で補償された
a−Si等のアモルファス堆積膜は高性能、高耐久、無
公害な光受容部材として提案され、その幾つかは実用化
されている。こうした堆積膜の形成法として従来、スパ
ッタリング法、熱により原料ガスを分解する方法(熱C
VD法)、光により原料ガスを分解する方法(光CVD
法)、プラズマにより原料ガスを分解する方法(プラズ
マCVD法)等多数知られている。中でもプラズマCV
D法、即ち原料ガスを直流又は高周波(RF、VH
F)、マイクロ波などを利用したグロー放電等によって
分解し、ガラス、石英、耐熱性合成樹脂フィルムなどの
絶縁性基体やこれらの表面に金属などを設け導電処理さ
れた基体、ステンレス、アルミニウム等の導電性基体上
に薄膜状の堆積膜を形成する方法は、光受容部材用a−
Si堆積膜の形成方法等において好適である。
【0012】例えば特開昭57−115551号公報に
は、シリコン原子を主体とし、水素原子またはハロゲン
原子の少なくともいずれか一方を含むアモルファス材料
で構成されている光導電層の上にシリコン原子及び炭素
原子を母体とし、水素原子を含む非光導電性のアモルフ
ァス材料で構成された表面障壁層を設けた光導電部材の
例が開示されている。
【0013】また、特開昭61−219961号公報に
は、a−Si系の感光層の上に形成された表面保護層と
して、10〜40原子%の水素原子を含有するa−C:
H(アモルファス炭素膜)で構成された光受容部材の例
が開示されている。
【0014】特開平6−317920号公報では20M
Hz以上の周波数の高周波を用い、シリコン原子を母体
とする非単結晶シリコン系材料からなる光導電層と、水
素原子含有量8〜45原子%のa−C:H表面保護層か
ら構成される光受容部材の製造方法が開示されている。
【0015】また、特開昭60−186849号公報に
は、原料ガスの分解源として、マイクロ波(例えば周波
数2.45GHz)を用いたマイクロ波プラズマCVD
法による頂部阻止層を持った光受容部材デバイスの形成
方法及び装置が開示されている。
【0016】これらの技術により、電気的、光学的、光
導電率的特性及び使用環境特性、耐久性が向上し、更
に、画像品位の向上も可能になっている。
【0017】しかしながら、近年、画像形成装置は更に
高性能化、高寿命化を要望されている。このような環境
のもと、これまで充分な性能を発揮してきた画像形成装
置といえども使用環境や設定される画像品質如何によっ
ては、検討を要する場合があった。
【0018】例えば、近年の情報処理量の増大にともな
い、コピーボリュームの大きな複写機やレーザビームプ
リンター等の画像形成装置(すなわち大型の高速機)の
需要がさらに大きくなりつつある。言い換えれば、画像
形成装置はますます高速化されつつある。このように高
速化された画像形成装置において、転写材にトナー画像
を定着させる能力は、定着器内で転写材のトナー画像に
いかに加熱するかに掛かっており、高速化に当たって、
転写材が定着器内を通過する時間が短くなると、定着器
の温度を上昇させなくてはならず、画像形成装置全体の
消費電力の約8割を占める定着器での消費電力を増加せ
ざるを得ない状況にある。
【0019】こうした状況においても、市場ニーズとし
ての消費電力低減は重要な課題であるため、定着器の温
度をさほど上昇させなくても良好な定着性を得るため
に、トナー自体の定着性向上が進められている。また、
高速な画像形成装置のみならず、中速〜低速の画像形成
装置においても、近年のエコロジー対応の一環として省
エネルギー、省資源は、各方面から努力が続けられてお
り、その中の一つとして、定着器の省電力化が試みられ
ている。この場合もやはり定着器の温度を下げても良好
な定着性を得るために、従来のトナーよりも低い温度に
おいても良好な定着性を有する定着性の良いトナーの開
発が進められている。
【0020】このような定着性の良いトナーは、低融点
の材料(結着樹脂及び/又はワックス等)を含有し、比
較的低い温度の定着においても充分に溶融、定着するよ
うに設計されるが、このような定着性の良いトナーを使
用する場合、画質、定着性に関しては実用上充分な性能
が得られるものの、その低融点の性質が光受容部材の表
面にも作用して融着という副作用を引き起こす場合があ
る。
【0021】融着とは、長期間の使用の間に光受容部材
表面にトナーが溶けて付着するもので、付着の程度によ
ってはベタ白画像やハーフトーン画像で融着跡が現れる
ため、実用上、支障を来すことになる。このように融着
が発生し、画像上に現れるとサービスマンが客先に出向
いてメンテナンスを行なわなければならず、コストがか
かる。また、画像形成装置本体から光受容部材を取り外
してメンテナンスを行なうため、その作業中に打痕傷を
付け、光受容部材を使用不能にしてしまう危険性もあ
る。このような融着現象は画像形成装置を使用する環
境、トナーに含まれる成分、光受容部材の表面性、クリ
ーナーの押し当て圧、プロセススピード等の組み合わせ
によっては、発生頻度が高まる場合がある。
【0022】また、光受容部材としては、高速に対応し
た光受容部材特性の向上が要求されると共に、より精彩
な画質を要求される昨今においては、光受容部材特性の
改善はもとより、トナーの小粒径化が進められ、コール
ターカウンター等による重量平均粒径が5〜8μmであ
るものが多く使われている。しかし、粒径が小さいとい
うことも、融着に対してはさらに不利な方向であるた
め、光受容部材にトナーを付着しにくくしたり、付着し
てしまったトナーを削りとる能力を高めるため、ブレー
ドの硬度を高めたり、押し当て圧を高めるなどの対策が
必要となる。
【0023】しかし、ブレードの硬度を高めることは、
ブレードの特性としてはゴム的状態からガラス状態に近
づく為、光受容部材を削りやすくなる傾向がある。この
ような削れが発生すると、a−Si系の硬度の高い光受
容部材においては、表面が滑らかには削れずに筋状のム
ラ削れが発生してしまうことがあり、画像形成の際、画
像上に現れてしまうため、a−Si系の光受容部材では
表面の削れが発生しない条件で使用することが望まし
い。
【0024】また、融着を防止する他の方法として、ト
ナー自体に研磨材として、シリカなどを添加したり、成
分を変えたり、分量を増したりする場合もある。トナー
自体に研磨材を含ませると、ドラム表面を擦る能力が高
まるため、溶けたトナーが付着しにくくなる。しかし、
このことは融着を防止する反面、副作用として、やはり
光受容部材表面を擦る力が強まるため、光受容部材表面
を削ることなく、融着のみ改善する範囲でバランスを取
ることが難しい。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決した画像形成方法を提供することにある。よ
り詳しくは、高速機から中・低速機まで幅広く適用でき
る、消費電力が少なく、環境に優しい画像形成方法を提
供することにある。
【0026】また、どのような環境下においても融着や
フィルミングによる画像不良が発生しない、高画質の画
像形成方法を提供する。
【0027】また、長期間に渡る使用においても、光受
容部材に傷や摩耗が発生せず、常に鮮明な画像が得られ
る、耐久性に優れた画像形成方法を提供する。
【0028】
【課題を解決するための手段】先にも述べたように、画
像形成装置のスピードが上がった場合や、定着器の温度
を下げた場合に定着性を確保するために、近年、低融点
の定着性の良いトナーが開発されつつある。しかし、こ
れらのトナーを従来のa−Si光受容部材に用いた場
合、長期間に渡る使用において融着やフィルミングとい
う問題が発生する場合がある。また、融着・フィルミン
グの防止と密接な関係にあるクリーニング条件も鋭意検
討されているが、融着を完全に防止する条件に設定する
と、逆に長期間に渡る使用において光受容部材表面に筋
削れを発生させてしまう場合があり、この場合、筋削れ
がハーフトーン画像に現れてしまうため、画像品質上の
トラブルに直結するという問題がある。
【0029】我々は画像形成装置の高速化、低消費電力
化を達成する場合に発生するこの問題に対して、光受容
部材の表面特性を改良することで対処出来ないか鋭意検
討した。これらの対策としては、例えば光受容部材の最
表面をより滑りやすくすることにより、融着、フィルミ
ングを防止すると共に、より硬くして傷、摩耗を防ぐと
いう手法が考えられる。この目的に最適な材料を検討し
たところ、水素を含有したアモルファス炭素膜(以下、
a−C:H膜と呼ぶ)が最適であることが判明した。こ
のa−C:H膜は別名ダイヤモンドライクカーボン(D
LC)と呼ばれるように非常に硬度が高く、また、特異
な固体潤滑性を持っているので上記の目的に使うために
は最適の材料と考えられる。
【0030】そこで、本発明者らはa−C:Hを表面層
に用いた光受容部材と定着性の良いトナーの組み合わせ
で融着・フィルミングの発生度合いについて鋭意検討を
行った。その結果、予想通り、従来のa−SiCを用い
た表面層に比べて融着・フィルミング防止に著しい効果
が見られた。しかし、その効果は万全というわけではな
く、たとえば非常に高速の画像形成装置など、プロセス
スピードが大変速い装置などに応用した場合、やはり融
着、あるいはフィルミングが発生する場合があった。こ
の原因について詳細は不明だが、次のように予想してい
る。すなわち、画像形成装置のプロセススピードが速く
なると、相対的にクリーナ部分と光受容部材の相対速度
が高くなる。この場合、たとえa−C:H膜に固体潤滑
性があるとはいえ、やはり多少の摩擦力が働く。a−S
iを用いた光受容部材のクリーニングメカニズムとして
は一般にクリーニングブレードが多く用いられている
が、プロセススピードが速くなるとクリーニングブレー
ドにビビリが発生している可能性がある。このようなビ
ビリが発生するとクリーニングブレードと光受容部材表
面での圧縮効果が高くなり、トナーが強く光受容部材表
面に押しつけられるために融着やフィルミングが発生し
やすくなったのではないかと想像している。
【0031】本発明者らはこの問題を解決するために更
に検討を進めた。その結果、融着・フィルミングの発生
率とa−C:H表面層の表面粗さとに相関があることが
判明した。すなわち、表面層の表面粗さを基準長さを1
0μmとした場合のRaを15nm以上とする場合に良
好な結果が得られた。a−C:H表面層の表面粗さが大
きいということはすなわち、表面層とクリーニングブレ
ードの接触部分が微視的には点接触しているということ
であり、摩擦力が減少するものと考えられる。この結
果、クリーニングブレードのビビリ量が減少し、融着の
発生を強力に防止したものと考えられる。しかし、その
一方で表面粗さRaが100nmを越えた場合、逆に融
着やフィルミングの発生割合が増加する傾向が見られ
た。この原因については想像の域を出ないが、あまりに
光受容部材表面の凹凸が大きすぎる場合、逆にその凸部
とクリーニングブレードが衝突し、そこでトナーの圧縮
が生じて融着・フィルミングを引き起こしやすい状況に
なったのではないかと想像している。
【0032】本発明は、以上の知見に基づいて完成され
たものである。
【0033】即ち本発明は、帯電部材に電圧を印加し、
光受容部材を帯電させる帯電工程と、帯電された光受容
部材に、静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、光
受容部材に形成された静電潜像に、トナー担持体上に担
持された静電潜像現像用トナーを転移させて現像イメー
ジを光受容部材上に形成させる現像工程と、光受容部材
上に形成された現像イメージを中間体を介して、又は介
さずに転写材に静電転写させる転写工程と、転写材上の
現像イメージを固着させる定着工程と、を有する画像形
成方法であって、前記光受容部材は、導電性基体と、こ
の導電性基体の上に設置された光導電層と、最外層とし
て表面層とを有し、前記表面層は、少なくとも水素原子
及び/又はハロゲン原子を35〜55原子%含有する非
単結晶炭素からなり、基準長さを10μmとした場合の
表面粗さRaが15〜100nmであり、前記光導電層
は、水素原子及び/又はハロゲン原子を含有し、シリコ
ン原子を母体とする非単結晶材料からなり、前記トナー
は、結着樹脂、荷電制御剤及びワックスを少なくとも含
有し、重量平均粒径が3〜11μmであり、前記結着樹
脂のTg(ガラス転移温度)が、40〜80℃であり、
前記ワックスは、分子量400〜10000の領域にメ
インピークを有し、示差熱分析における昇温時の吸熱ピ
ークを60〜150℃の領域に少なくとも1つ有するこ
とを特徴とする画像形成方法である。
【0034】また本発明は、静電潜像を担持するための
光受容部材と、帯電部材に電圧を印加し、前記光受容部
材を帯電させる帯電手段と、帯電された前記光受容部材
に、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、前記光
受容部材に形成された静電潜像に、トナー担持体上に担
持された静電潜像現像用トナーを転移させて現像イメー
ジを光受容部材上に形成させる現像手段と、前記光受容
部材表面に形成された現像イメージを中間体を介して、
又は介さずに転写材に静電転写する転写手段と、転写材
上の現像イメージを固着させる定着手段と、を有する画
像形成装置であって、前記光受容部材は、導電性基体
と、この導電性基体の上に設置された光導電層と、最外
層として表面層を有し、前記表面層は、少なくとも水素
原子及び/又はハロゲン原子を35〜55原子%含有す
る非単結晶炭素からなり、基準長さを10μmとした場
合の表面粗さRaが15〜100nmであり、前記光導
電層は、水素原子及び/又はハロゲン原子を含有し、シ
リコン原子を母体とする非単結晶材料からなり、前記静
電潜像現像用トナーは、結着樹脂、荷電制御剤及びワッ
クスを少なくとも含有し、重量平均粒径が3〜11μm
であり、前記結着樹脂のTg(ガラス転移温度)が、4
0〜80℃であり、前記ワックスが、分子量400〜1
0000の領域にメインピークを有し、示差熱分析にお
ける昇温時の吸熱ピークを60〜150℃の領域に少な
くとも1つ有することを特徴とする画像形成装置であ
る。
【0035】本発明は、結着樹脂、荷電制御剤及びワッ
クスを少なくとも含有する静電潜像現像用トナーであっ
て、前記静電潜像現像用トナーの重量平均粒径は3〜1
1μmであり、前記結着樹脂のTg(ガラス転移温度)
は40〜80℃であり、前記ワックスは分子量400〜
10000の領域にメインピークを有し、示差熱分析に
おける昇温時の吸熱ピークを60〜150℃の領域に少
なくとも1つ有する、本発明の画像形成方法に用いられ
ることを特徴とする静電潜像現像用トナーである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <1>本発明における光受容部材 まず、本発明の画像形成方法および画像形成装置に用い
られる光受容部材の実施の形態を、以下に図を用いて説
明する。
【0037】図2は本発明の画像形成方法において用い
られる光受容部材の一つの実施の形態を説明する模式図
である。図2には、導電性基体201と、この導電性基
体の上に設置された光導電層202と、最外層として表
面層203を有している、光受容部材が示される。
【0038】光導電層202は、少なくとも水素及び/
又はハロゲンを含むa−Siからなる。表面層203
は、非単結晶炭素からなり、少なくとも水素及び/又は
ハロゲンを含有しており、かつ、その表面の凹凸は、基
準長さ10μmにおける表面粗さRaが15〜100n
mに制御されている。
【0039】図3は、図2に示されるのと同様の光受容
部材の表面層303と光導電層302の間に、更にアモ
ルファス炭化珪素、アモルファス窒化珪素、アモルファ
ス酸化珪素などの非単結晶材料から構成されるバッファ
層304を設けた場合の光受容部材の一つの実施の形態
を説明する模式図である。尚、図3において301は、
導電性基体である。
【0040】図4は、光導電層402と導電性基体40
1の間に、更に下部阻止層405を設けた場合の光受容
部材の一つの実施の形態を説明する模式図である。尚、
図4において403は、表面層である。
【0041】図5は、導電性基体501、光導電層50
2、表面層503に加えて更に下部阻止層505、バッ
ファ層504を設けた場合の光受容部材の一つの実施の
形態を説明する模式図である。
【0042】図6には、光導電層が電荷発生層と電荷輸
送層の2つに機能分離している為、機能分離型と呼んで
いる光受容部材を示している。導電性基体601の上に
バンドギャップの広い電荷輸送層606と、バンドギャ
ップが狭く、効率的に光を吸収できる電荷発生層607
との2つの層に機能分離された、少なくとも水素及び/
又はハロゲンを含むa−Siを有する光導電層602が
堆積され、その上に非単結晶炭素からなる表面層603
が積層されている。本発明においては、電荷輸送層60
6と電荷発生層607の順序は、本模式図に示した順序
だけではなく、任意であってよい。尚、図6において6
05は下部阻止層である。
【0043】図7は導電性基体701、下部阻止層70
5、電荷輸送層706、電荷発生層707、バッファ層
704、表面層703を順に設けた場合の一つの実施の
形態を説明する模式図である。
【0044】図2〜7に挙げた光受容部材において、そ
れぞれの層は連続的な組成変化を伴ってもよく、明確な
界面を持たなくてもよい。
【0045】(a)導電性基体 本発明における光受容部材に用いられる導電性基体(図
において201、301、401、501、601、7
01)としては、アルミニウム、鉄、クロム、マグネシ
ウム、ステンレス及びこれらの合金や、ガラス、石英、
セラミック、プラスチック、耐熱性合成樹脂フィルム等
の絶縁性基体の少なくとも光導電層を形成する側の表面
を導電性材料を蒸着するなどして導電処理した基体等が
挙げられる。これらの表面に旋盤を用いて鏡面加工を施
すことも好ましい。形状としては、ローラ状、無端状ベ
ルトが挙げられる。
【0046】(b)表面層 本発明における光受容部材に用いられる表面層(図にお
いて203、303、403、503、603、70
3)は、非単結晶質の炭素から成る。ここで言う「非単
結晶炭素」とは、黒鉛(グラファイト)とダイヤモンド
との中間的な性質を持つアモルファス状の炭素を主に表
しているが、微結晶や多結晶を部分的に含んでいても良
い。この表面層は自由表面を有し、主に長期間の使用に
おける融着や傷、摩耗の防止といった本発明の目的を達
成するために設けられる。
【0047】本発明における表面層は、原料ガスとし
て、常温常圧でガス状の炭化水素を用い、プラズマCV
D法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等に
よって作成可能であるが、プラズマCVD法を用いて作
成した膜は透明度、硬度共に高く、光受容部材の表面層
として用いるには好ましい。また、本発明における表面
層を作成する際のプラズマCVD法に用いる放電周波数
としては如何なる周波数も用いることが出来、工業的に
はRF周波数帯と呼ばれる1〜50MHz、特に13.
56MHzの高周波が好適に用いることが出来る。ま
た、特に50〜450MHzのVHFと呼ばれる周波数
帯の高周波を用いた場合には、透明度、硬度共に更に高
く出来るので、表面層としての使用に際してはより好ま
しい。
【0048】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C26、C38、C410等のガス状態の、また
はガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして
挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ及び炭素供給効
率の良さ等の点で、CH4、C26が好ましいものとし
て挙げられる。また、これらの炭素供給用の原料ガスを
必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希
釈して使用してもよい。もちろん形成される表面層の組
成によって、SiH4ガスなどのシリコン原子供給ガ
ス、O2、NO,NH3などの酸素又は窒素原子供給ガス
を適宜使用することができる。
【0049】本発明における表面層は表面粗さ(Ra)
が、基準長さ10μm当たりRaが15〜100nmで
ある。より好ましくは20〜80nmであり、特に好ま
しくは、25〜60nmである。Raが15nm未満の
場合、融着・フィルミング防止効果が充分でない場合が
ある。また、表面粗さRaが100nmを越えた場合、
逆に融着・フィルミングの発生割合が増加する傾向が見
られる。
【0050】表面層の、基準長さ10μmとした場合の
表面粗さRaの測定方法としては、以下の方法が挙げら
れる。
【0051】Raとは算術平均粗さのことであり、粗さ
曲線(光受容部材の最長面の断面形状)からその平均線
の方向に基準長さ10μmだけ抜き取り、この抜き取り
部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取
り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下式
(I)で求められる値をいう。
【外1】
【0052】(式中、lは基準長さを示す。) このような微小領域の表面粗さRaは、AFM(原子間
力顕微鏡)やSTM(走査トンネル顕微鏡)を用いるこ
とで容易に測定することができる。
【0053】表面層の表面粗さRaを、基準長さ10μ
m当たり15〜100nmの範囲に制御するには、たと
えば導電性基体の切削(エッチング)条件を最適化し
て、微細な凹凸を作成しても良い。また、光導電層の製
造上の様々なパラメーターを調整することによっても粗
さを制御することが出来る。一般に、放電励起パワーが
大きいほど、バイアス電圧が大きいほど、表面の粗さは
大きくなる傾向がある。また、光導電層或いはバッファ
層まで堆積後にフッ素含有ガス或いは水素ガスでプラズ
マ放電を立て、エッチングすることにより表面を粗らし
て調整しても良い。
【0054】また、光受容部材の表面層と光導電層の界
面組成を連続的に変化させることで、更に効果的にトナ
ー付着の抑制ができることを見出した。
【0055】本発明において、表面層と感光層との界面
組成が、連続的に変化しているということは、下式で定
義される。
【0056】 0≦(Max−Min)/(Max+Min)≦0.4 (式中、波長450nmから650nmの範囲の光で、
反射率(%)の最小値をMin、最大値をMaxとす
る。) ここで、本発明における反射率とは、分光光度計[大塚
電子社製 MCPD−2000]を用いて測定した反射
率(百分率)の値をさす。概要を述べると、先ず、分光
器の光源の分光発光強度I(0)を取り、次いで感光体
の分光反射光強度I(D)を取り、反射率R=I(D)
/I(0)を求める。高い精度で再現性良く測定するた
めには、曲率を持つ感光体に対して角度が一定となるよ
うにディテクターを治具で固定することが望ましい。
【0057】界面制御の具体例を図10(a)及び
(b)に示す。図10(a)が上記式の範囲外である
「界面あり」の測定例、図10(b)が上記式を満たす
「界面無し」の測定例である。2本線があるのはそれぞ
れ保護層の膜厚違いによる差であり、膜厚の差に応じて
グラフ上左右に波形が移動する。その最大値は波形の振
幅に相当するため、界面ありは界面無しに比べ、単一波
長固定で見た場合、膜厚変動に対して反射率は大きく変
動する。即ち、膜厚変動に対して大きく感度変動が生じ
る。
【0058】微細粗さにより画像露光入射光路上におけ
る実質的な表面層の膜厚むらが生じる。この膜厚むらに
より界面ありの場合、界面無しの場合よりも感度の変動
が大きくなり、トナー付着の核となるカブリ、又は画像
の鮮鋭さを低下させる場合がある。
【0059】本発明の効果を得るために、表面層中に更
に水素原子を含有している。水素原子を含有させること
で効果的に膜中の構造欠陥が補償され、局在準位密度が
低減することにあると考えられる。この結果、膜の透明
性が改善され、表面層中では好ましくない不要の光吸収
が抑えられることによって、光感度が改善する。また、
膜中の水素原子の存在が固体潤滑性に重要な役割を果た
しているといわれている。
【0060】この水素原子の含有量は35〜55原子%
が望ましい。含有量が35原子%よりも少ない場合、上
記の効果が得られないことがある。また、55原子%を
越えて含有する場合、a−C:H膜の硬度が低下し、光
受容部材の表面層として適さなくなることがある。水素
原子のより好ましい含有量は、40〜50原子%であ
り、特に45〜50原子%が好ましい。
【0061】表面層の光学的バンドギャップは一般には
1.2〜2.2eV程度の値であれば、好適に用いるこ
とが出来、感度の点からは1.6eV以上とすることが
更に望ましい。
【0062】表面層の屈折率は1.8〜2.8程度であ
れば好適に用いられる。
【0063】表面層の膜厚は5〜1000nm、好まし
くは10〜200nmである。5nmより薄くなると機
械的強度に問題が出ることがある。1000nmを越え
ると光感度の点で問題が発生することがある。
【0064】さらに本発明においては、表面層には必要
に応じて伝導性を制御する原子を含有させてもよい。表
面層に含有される伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表第3b族に属する原子、
またはn型伝導特性を与える周期律表第5b族に属する
原子を用いることができる。本発明において表面層中に
含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、所
望にしたがって適宜決定されるが、好ましくは10〜1
×104原子ppm、より好適には50〜5×103原子
ppm、最適には1×102〜1×103原子ppmとさ
れるのが望ましい。
【0065】また、本発明におけるa−C:Hからなる
表面層には、必要に応じてハロゲン原子が含まれていて
も良い。表面層に含有されるハロゲン原子の量は、水素
原子及び/又はハロゲン原子として、35〜55原子%
である。ハロゲン原子としては、25原子%以下、好ま
しくは5〜15原子%、より好ましくは5〜10原子%
含有されるのが好ましい。
【0066】本発明において、光受容部材の表面層に含
有される水素原子およびハロゲン原子の含有量を測定す
る方法としては、以下のような方法が挙げられる。
【0067】表面層成膜時に鏡面研磨したSiウェハー
上に、成膜時と同じ製造条件で1μm堆積し、サンプル
を作成する。このサンプルを赤外分光光度計により赤外
吸収スペクトルを測定し、水素量を測定する場合は、2
960cm-1付近に現れるC−Hnの吸収ピークの面積
と膜厚から膜中の水素量を求めることが出来る。また、
ハロゲンを測定する場合は、例えばフッ素原子の場合
は、1200cm-1付近に現れるC−Fnの吸熱ピーク
の面積と膜厚から求めることが出来る。
【0068】表面層に含有される水素原子及び/又はハ
ロゲン原子の量を制御するには、例えば、光受容部材を
製造する際の導電性基体の温度、水素原子及び/又はハ
ロゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反
応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すれば良い。
【0069】水素原子を含有させるために使用される原
料物質としては、水素、炭化水素系ガス等が挙げられ
る。また、ハロゲン原子を含有させるために使用される
物質としては、C26、CF4、C38が挙げられる。
【0070】また、表面層を堆積する際の導電性基板温
度は室温から350℃までに調整されるが、あまり基板
温度が高過ぎるとバンドギャップが低下して透明度が低
下するため低めの温度設定が好ましい。
【0071】高周波電力については、出来るだけ高い方
が炭化水素の分解が充分に進むため好ましく、具体的に
は炭化水素の原料ガスに対して5W/ml以上が好まし
いが、あまり高くなると異常放電が発生してしまい、光
受容部材の特性を劣化させることがあるので、異常放電
が発生しない程度の電力に抑える必要がある。
【0072】放電空間の圧力については、炭化水素のよ
うに分解されにくい原料ガスで成膜する場合には気相中
での分解種同士の衝突があると、ポリマーが発生し易い
ため、比較的高真空が望ましい。通常のRF(代表的に
は13.56MHz)電力を用いる場合には13.3〜
1330Pa、VHF帯(代表的には50〜450MH
z)を用いる場合には13.3mPa〜1330Pa程
度に保たれる。
【0073】(c)光導電層 本発明における光受容部材の光導電層は、水素原子及び
/又はハロゲン原子を含有し、シリコン原子を母体とす
る非単結晶材料からなる。水素原子やハロゲン原子は、
シリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に
光導電性および電荷保持特性を向上させる。
【0074】ここで言う「シリコン原子を母体とする非
単結晶材料」とは、アモルファス状のシリコンを主に表
しているが、微結晶や多結晶を部分的に含んでいても良
い。
【0075】本発明における光導電層は、原料ガスとし
て、SiH4、Si26、Si38、Si410を用いて
作成可能である。
【0076】光導電層に含まれる水素原子又はハロゲン
原子の含有量、もしくは水素原子とハロゲン原子の和の
量は、全原子の和に対して、10〜40原子%、より好
ましくは15〜25原子%とされるのが望ましい。
【0077】光導電層中に含有される水素原子及び/又
はハロゲン原子の量を制御するには、例えば、光受容部
材を製造する際の導電性基体の温度、水素原子及び/又
はハロゲン原子を含有させるために使用される原料物質
の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよ
い。
【0078】光導電層に水素原子を含有させるために使
用される原料物質としては、水素等が挙げられる。ま
た、ハロゲン原子を含有させるために使用される物質と
しては、C26、CF4、C38が挙げられる。
【0079】本発明においては、光導電層には必要に応
じて伝導性を制御する原子を含有させることが好まし
い。伝導性を制御する原子としては周期律表第3b族に
属する原子、または周期律表第5b族に属する原子を用
いることができる。
【0080】光導電層に含有される伝導性を制御する原
子の含有量としては、好ましくは1×10-2〜1×10
4原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×103
子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子ppm
とされるのが望ましい。
【0081】さらに本発明においては、光導電層に、炭
素原子、酸素原子および窒素原子から選ばれる1種以上
の原子を含有させてもよい。炭素原子、酸素原子及び窒
素原子から選ばれる1種以上の原子の含有量は全原子に
対して好ましくは1×10-5〜10原子%、より好まし
くは1×10-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5原
子%が望ましい。これらの原子は必ずしも全層に渡って
含有される必要はなく、一部分のみ、あるいは膜厚方向
で分布していても良い。
【0082】光導電層中に含有される炭素原子、酸素原
子および窒素原子原子等の量を制御するには、例えば、
これら原子を含有させるために使用される原料物質の反
応容器内へ導入する量等を制御すればよい。
【0083】光導電層に炭素原子を含有させるために使
用される原料物質としては、CH4、C26、C38
410が挙げられる。また、窒素原子又は酸素原子を
含有させるために使用される物質としては、NH3、N
O、N2O、NO2、O2、CO 2、N2が挙げられる。
【0084】本発明において、光導電層の層厚は、所望
の光受容部材特性が得られること及び経済的効果等の点
から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは10〜
50μm、より好ましくは20〜45μm、最適には2
5〜40μmとされるのが望ましい。
【0085】本発明における光導電層は、原料ガスとし
て上記記載のガスを用い、プラズマCVD法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法等によって作成可能
である。また、本発明における光導電層を作成する際の
プラズマCVD法に用いる放電周波数としては如何なる
周波数も用いることが出来、工業的にはRF周波数帯と
呼ばれる1〜50MHz、特に13.56MHzの高周
波が好適に用いることが出来る。
【0086】また、光導電層層を堆積する際の導電性基
板温度は200〜350℃、より好ましくは250〜3
00℃に調整されることが好ましい。
【0087】放電空間の圧力については、通常のRF
(代表的には13.56MHz)電力を用いる場合には
13.3〜1330Pa、VHF帯(代表的には50〜
450MHz)を用いる場合には13.3mPa〜13
30Pa程度に保たれる。
【0088】また、上記光導電層は、図6及び図7に示
されるように電荷発生層と電荷輸送層の2つに機能分離
している構成でも良い。
【0089】(d)バッファ層 本発明における光受容部材は、前記表面層と光導電層の
間にバッファ層が設けられていればよい。この場合、図
11に示されるようにバッファ層204は設けられる。
尚、他の符号は図2と同様である。
【0090】バッファ層は、シリコン原子を母体とし、
更に炭素原子、窒素原子および酸素原子から選ばれる少
なくとも1種以上の原子を含有する非単結晶材料で構成
されていることが好ましい。このような非単結晶材料と
して、アモルファス炭化珪素、アモルファス窒化珪素、
アモルファス酸化珪素等が挙げられる。
【0091】バッファ層に用いられる炭素原子、酸素原
子及び窒素原子から選ばれる1種以上の原子の含有量
は、シリコン原子及び炭素原子、酸素原子、窒素原子か
ら選ばれる1種以上の原子の和に対して好ましくは10
〜90原子%、より好ましくは30〜80原子%、最適
には50〜70原子%が望ましい。
【0092】バッファ層の層厚は、0.01〜10μm
が好ましく、より好ましくは0.1〜1μm、最適には
0.2〜0.8μmであることが望ましい。
【0093】本発明におけるバッファ層に用いられる原
料ガスとしては、次のようなものが好適に挙げられる。
【0094】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4、C26、C38、C410の如きガス状態の、ま
たはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとし
て挙げられる。
【0095】窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質
としては、NH3、NO、N2O、NO2、O2、CO、C
2、N2の如きガス状態の、またはガス化し得る化合物
が有効に使用されるものとして挙げられる。
【0096】また、プラズマCVD法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等によって作成可能であ
る。また、本発明におけるバッファ層を作成する際のプ
ラズマCVD法に用いる放電周波数としては如何なる周
波数も用いることが出来、工業的にはRF周波数帯と呼
ばれる1〜50MHz、特に13.56MHzの高周波
が好適に用いることが出来る。
【0097】また、バッファ層を堆積する際の導電性基
板温度は200〜350℃、より好ましくは250〜3
00℃に調整されることが好ましい。
【0098】放電空間の圧力については、通常のRF
(代表的には13.56MHz)電力を用いる場合には
13.3〜1330Pa、VHF帯(代表的には50〜
450MHz)を用いる場合には13.3mPa〜13
30Pa程度に保たれる。
【0099】(e)その他の層 本発明における光受容部材は、上記表面層、バッファ
層、光導電層の他に、図12に示されるように、下部阻
止層205が光導電層と導電性基体との間に設けられも
よい。
【0100】下部阻止層は、シリコン原子を母体とし、
更に炭素原子、窒素原子および酸素原子から選ばれる少
なくとも1種以上の原子を含有する非単結晶材料で構成
されていることが好ましい。このような非単結晶材料と
して、アモルファス炭化珪素、アモルファス窒化珪素、
アモルファス酸化珪素が挙げられる。
【0101】下部阻止層に用いられる炭素原子、酸素原
子及び窒素原子から選ばれる1種以上の原子の含有量は
シリコン原子及び炭素原子、酸素原子、窒素原子から選
ばれる1種以上の原子の和に対して好ましくは1×10
-3〜50原子%、より好ましくは5×10-3〜30原子
%、最適には1×10-2〜10原子%が望ましい。
【0102】また、下部阻止層には、p型伝導特性を与
える周期律表第3b族に属する原子(好ましくはB)、
またはn型伝導特性を与える周期律表第5b族に属する
原子(好ましくはAs或いはP)を含有することができ
る。本発明において、下部阻止層中に含有される伝導性
を制御する原子の含有量としては、所望にしたがって適
宜決定されるが、好ましくは10〜1×104原子pp
m、より好適には50〜5×103原子ppmが挙げら
れる。
【0103】下部阻止層の層厚は、0.01〜10μm
が好ましく、より好ましくは0.1〜5μm、最適には
1〜4μmであることが望ましい。
【0104】本発明における下部阻止層は、原料ガスと
して、Si供給用ガスとなり得る物質としては、SiH
4、Si26、Si310のガスが挙げられ、また、炭素
供給用ガスとなり得る物質としては、CH4、C26
38、C410のガスが挙げられ、また、窒素または
酸素供給用ガスとなり得る物質としては、NH3、N
O、N2O、NO2、O2、CO、CO2、N2のガスを用
いることができ、プラズマCVD法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等によって作成可能であ
る。また、本発明における下部阻止層を作成する際のプ
ラズマCVD法に用いる放電周波数としては如何なる周
波数も用いることが出来、工業的にはRF周波数帯と呼
ばれる1〜50MHz、特に13.56MHzの高周波
又はVHF周波数帯50〜450MHz)の高周波を好
適に用いることが出来る。
【0105】また、下部阻止層を堆積する際の導電性基
板温度は200〜350℃、より好ましくは250〜3
00℃に調整されることが好ましい。
【0106】放電空間の圧力については、通常のRF
(代表的には13.56MHz)電力を用いる場合には
13.3〜1330Pa、VHF帯(代表的には50〜
450MHz)を用いる場合には13.3mPa〜13
30Pa程度に保たれる。
【0107】本発明においては、光受容部材として10
0mm以下の感光ドラムを用いた場合であっても、上記
構成を有することによる優れた耐汚染性及び固体潤滑性
の為に、良好な画像形成を長期にわたり行うことができ
る。この傾向は、直径75mm以下の感光ドラムを用い
た場合により顕著となる。
【0108】<2>本発明における光受容部材の製造方
法 以下に、本発明における光受容部材の製造例を説明す
る。
【0109】図8は本発明の画像形成装置に用いられる
アモルファスシリコンからなる光受容部材を製造するた
めに供される、高周波電源(以下「RF」と略記する)
を用いたプラズマCVD法による堆積装置の一例を模式
的に示した図である。
【0110】プラズマCVD装置は、堆積膜形成装置8
100と原料ガス供給装置8200を有する。図中のガ
スボンベ8221〜8226には、本発明の光受容部材
を形成するための原料ガス、例えば各々SiH4、H2
CH4、B26、NO、Arなどが密封されており、あ
らかじめ、ガスボンベ8221〜8226を取りつける
際に、各々のガスを、バルブ8231〜8236から流
入バルブ8241〜8246のガス配管内に導入してあ
る。
【0111】例えば、表面に旋盤を用いて鏡面加工を施
したアルミニウムシリンダー(円筒状の導電性基体)8
112を基体ホルダー8125に挿入し、反応容器81
11の上蓋8120を開けて、反応容器8111内の加
熱ヒータ8113に基体ホルダー8125を挿入する。
【0112】次にガスボンベ8221〜8226のバル
ブ8231〜8236、流入バルブ8241〜824
6、反応容器8111のリークバルブ8123が閉じら
れていることを確認し、又、流出バルブ8251〜82
56、補助バルブ8260が開かれていることを確認し
てまずメインバルブ8118を開いて真空ポンプ811
7により反応容器8111及びガス配管内を排気する。
【0113】その後、ガスボンベ8221〜8226よ
り各々のガスを、バルブ8231〜8236を開けて導
入し、圧力調整器8261〜8266により各ガス圧力
を所望の圧力に調整する。
【0114】次に流入バルブ8241〜8246を徐々
に開けて、上記の各ガスをマスフローコントローラ82
11〜8216に導入する。次にArが導入される流出
バルブ8156及び補助バルブ8260を徐々に開い
て、Arガスをガス導入管8114を通じて反応容器8
111内に流入させる。このとき、Arガス流量が所望
の圧力となるように真空計8124を見ながら真空ポン
プ8117の排気速度を調整する。その後、不図示の温
度コントローラを作動させて、導電性基体8112を加
熱ヒータ8113により加熱し、導電性基体8112が
所望の温度に加熱されたところで、流出バルブ8256
及び補助バルブ8260を閉じて、反応容器8111内
へのガス流入を止める。
【0115】次に各々の層を形成するのに必要な原料ガ
スの流出バルブ8251〜8256と補助バルブ826
0を徐々に開いて、原料ガスをガス導入管8114を通
じて反応容器8111内に流入させる。このとき、各原
料ガスの流量が所望の流量となるように各々のマスフロ
ーコントローラ8211〜8216で調整する。反応容
器8111内の圧力は、所望の圧力となるように真空計
8124を見ながら真空ポンプ8117の排気速度を調
整する。その後、不図示のRF電源の電力を所望の電力
に設定し高周波マッチングボックス8115を通じて反
応容器8111内にRF電力を導入し、RFグロー放電
を生起させ、導電性基体8112上又はすでに成膜した
層上に所望の層の形成を開始し、所望の膜厚を形成した
ところでRFグロー放電を止め、又、流出バルブ825
1〜8256及び補助バルブ8260を閉じて、反応容
器8111内へのガス流入を止め、層の形成を終える。
【0116】それぞれの層を形成する際に必要なガス以
外の流出バルブは完全に閉じられていることは言うまで
もなく、又、それぞれのガスが、反応容器8111内及
び流出バルブ8251〜8256から反応容器8111
に至る配管内に残留することを避けるために、流出バル
ブ8251〜8256を閉じ、補助バルブ8260を開
き、更にメインバルブ8118を全開にして系内を一旦
高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0117】又、必要に応じて、層形成を行っている間
に層形成の均一化を図るため、導電性基体8112及び
導電性基体ホルダー8125を、不図示の駆動装置によ
って所望される速度で回転させる。
【0118】a−C:Hから成る表面層を形成するに
は、一旦、反応容器8111内を高真空に引き上げた
後、ガス導入管8114から所定の原料ガス、例えばC
4、C26、C38、C410などの炭化水素ガス、必
要に応じて水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなど
の材料ガスをミキシングパネルにより混合した後に反応
容器8111内に導入する。次に、マスフローコントロ
ーラ8211〜8216によって、各原料ガスが所定の
流量になるように調整する。その際、反応容器8111
内が133.3Pa以下の所定の圧力になるように、真
空計8124を見ながら排気速度を調整する。圧力が安
定したのを確認後、不図示の高周波電源を所望の電力に
設定し、電力を反応容器8111内に供給し、高周波グ
ロー放電を生起させる。このとき高周波マッチングボッ
クス8115を調整し、反射波が最小となるように調整
し、高周波の入射電力から反射電力を差し引いた値を所
望の値に調整する。高周波電力の放電エネルギーによっ
て反応容器8111内に導入させた炭化水素などの原料
ガスが分解され、光導電層上に所定のa−C:H堆積膜
が形成される。所望の膜厚の形成が行われた後、高周波
電力の供給を止め、反応容器8111への各原料ガスの
流入を止めて堆積室内を一旦高真空に引き上げた後に表
面層の形成を終える。
【0119】図9は本発明の画像形成装置に用いられる
光受容部材を製造するために供される、VHF電源を用
いたプラズマCVD法による堆積装置の一例を模式的に
示した図である。VHFプラズマCVD法によるこの装
置での堆積膜の形成は、以下のように行なうことができ
る。
【0120】なお、図9は、図8のプラズマCVD装置
のRF電源を用いた堆積装置8100部分の代わりに使
用される、VHF電源を用いた堆積装置9100部分を
示しており、図8に示されるのと同様の原料ガス供給装
置8200が接続されている。
【0121】まず、反応容器9111内に導電性基体9
112を設置し、駆動装置9120によって導電性基体
9112を回転し、不図示の排気装置(例えば拡散ポン
プ)により反応容器9111内を排気管9121を介し
て排気し、反応容器9111内の圧力を1.33×10
-5Pa以下に調整する。続いて、基体加熱用ヒータ91
13により導電性基体9112の温度を50〜500℃
の所定の温度に加熱保持する。
【0122】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器911
1に流入させるには、原料ガス供給装置8200(図8
に示されるものと同様)におけるガスボンベのバルブ8
231〜8236、反応容器のリークバルブ(不図示)
が閉じられていることを確認し、流入バルブ8241
〜8246、流出バルブ8251〜8256及び補助バ
ルブ8260が開かれていることを確認して、まずメイ
ンバルブ(不図示)を開いて反応容器9111およびガ
ス配管内を排気する。
【0123】次に真空計(不図示)の読みが約6.65
×10-4Paになった時点で、原料ガス供給装置820
0の補助バルブ8260、流出バルブ8251〜825
6を閉じる。その後、ガスボンベ8221〜8226よ
り各ガスをバルブ8231〜8236を開いて導入し、
圧力調整器8261〜8266により各ガス圧を2×1
5Paに調整する。次に、流入バルブ8241〜82
46を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラ
8211〜8216内に導入する。以上のようにして成
膜の準備が完了した後、以下のようにして導電性基体9
112上に堆積膜の形成を行う。
【0124】導電性基体9112が所定の温度になった
ところで流出バルブ8251〜8256のうち、層を形
成するのに必要なガスの流出バルブおよび補助バルブ8
260を徐々に開き、ガスボンベ8211〜8226か
ら所定のガスをガス導入管(不図示)を介して反応容器
9111内の放電空間9130に導入する。次にマスフ
ローコントローラ8211〜8216によって各原料ガ
スが所定の流量になるように調整する。その際、放電空
間9130内の圧力が133Pa以下の所定の圧力にな
るように真空計(不図示)を見ながらメインバルブ(不
図示)の開口を調整する。
【0125】圧力が安定したところで、例えば周波数1
05MHzのVHF電源(不図示)を所望の電力に設定
して、マッチングボックス9116を通じて放電空間9
130にVHF電力を導入し、グロー放電を生起させ
る。かくして導電性基体9112により取り囲まれた放
電空間9130において、導入された原料ガスは、放電
エネルギーにより励起されて解離し、導電性基体911
2上に所定の堆積膜が形成される。このときVHF電力
導入と同時に、基体加熱用ヒータ9113の出力を調整
し導電性基体の温度を所定の値で変化させる。この時、
層形成の均一化を図るため駆動装置9120によって、
所望の回転速度で回転させる。
【0126】所望の膜厚の形成が行われた後、VHF電
力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガス
の流入を止め、堆積膜の形成を終える。同様の操作を複
数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受容部
材が形成される。
【0127】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うま
でもなく、また、それぞれのガスが反応容器9111
内、流出バルブ8251〜8256から反応容器911
1に至る配管内に残留することを避けるために、流出バ
ルブ8251〜8256を閉じ、補助バルブ8260を
開き、さらにメインバルブ(不図示)を全開にして系内
を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
【0128】上述のガス種およびバルブ操作は各々の層
の作成条件にしたがって変更が加えられることは言うま
でもない。
【0129】<3>本発明の画像形成方法および画像形
成装置 本発明の画像形成方法は、上述した本発明における光受
容部材と後述する本発明の静電潜像現像用トナーを用い
る以外は、公知の方法と同じでよい。
【0130】本発明の画像形成装置の一つの実施の形態
を図1に沿って説明するが、本発明はこれに限定されな
い。また、本発明の画像形成装置は、上述した本発明に
おける光受容部材と後述する本発明の静電潜像現像用ト
ナーとした以外は、公知の画像形成装置に用いられる手
段と同様の手段を有する。
【0131】図1は画像形成装置の画像形成プロセスの
一例を示す概略図であるが、本発明はこれに限定されな
い。露光光源はレーザー光、LED、液晶シャッターな
どを用い、電子データに基いて露光を行うものであって
もよい。
【0132】光受容部材101は、矢印X方向に回転す
る面状内面ヒータ123によって温度コントロールされ
ており、光受容部材101の周辺には、帯電手段である
主帯電器102、静電潜像形成部位103、現像手段で
ある現像器104、転写紙供給系105、転写手段であ
る転写帯電器106(a)、分離帯電器106(b)、
クリーニングローラ107、搬送系108、除電光源1
09などが配設されている。
【0133】以下、さらに具体例を以て画像形成プロセ
スを説明すると、光受容部材101は+6〜8kVの高
電圧を印加した主帯電器102により一様に帯電され、
ハロゲンランプ110から発した光が原稿台ガラス11
1上に置かれた原稿112に反射し、ミラー113、1
14、115を経由し、レンズユニット117のレンズ
118によって結像され、ミラー116を経由し、静電
潜像形成部位に導かれ投影された静電潜像が形成され
る。この潜像に現像器104からトナーが供給されてト
ナー像となる。
【0134】一方、転写紙供給系105を通ってレジス
トローラ122によって先端タイミングを調整され、光
受容部材方向に供給される転写材Pは、+7〜8kVの
高電圧を印加した転写帯電器106(a)と光受容部材
101の間隙において背面から、トナーとは反対極性の
電界を与えらる。これによって光受容部材表面のトナー
像は転写材Pに転移する。転写材Pは、12〜14kV
p−p、300〜600Hzの高圧AC電圧を印加した
分離帯電器106(b)により光受容部材から分離さ
れ、転写紙搬送系108を通って、定着手段である定着
器124に至り、トナー像は定着されて装置外に排出さ
れる。
【0135】光受容部材101上に残留するトナーはク
リーニングローラ107のクリーニングブレード121
によってかき落とされ、残留する静電潜像は除電光源1
09によって消去される。
【0136】<4>本発明の静電潜像現像用トナー 本発明の静電潜像現像用トナー(以下、「トナー」とい
う)は、結着樹脂、荷電制御剤及びワックスを少なくと
も含有する。
【0137】本発明のトナーとしては、高速の画像形成
装置において転写材が定着器内を通過する時間が短くな
った場合や、省エネルギーのために定着温度を従来より
下げた場合においても良好な定着性が得られるトナーが
用いられる。
【0138】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、下記の結着樹脂の使用が可能である。
【0139】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポ
キシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テル
ペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂が使用で
きる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体
もしくはポリエステル樹脂がある。
【0140】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル、アクリルアミドのような二重
結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例え
ば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカ
ルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;例え
ばエチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系
オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキ
シルケトンのようなビニルケトン類;例えばビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルのようなビニルエーテル類が単独もしくは2つ
以上用いられる。
【0141】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は、架橋剤で架橋されていてもよく、また分子量及び
/又は組成の異なる樹脂を混合した混合樹脂でもかまわ
ない。
【0142】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンの
ような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような
二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルア
ニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビ
ニルスルホンのジビニル化合物;および3個以上のビニ
ル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用い
られる。
【0143】該結着樹脂の合成方法としては、上記モノ
マー類を重合する、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合
法及び乳化重合法のいずれでも良い。
【0144】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることも
できるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。
【0145】溶液重合法では、溶媒によるラジカルの連
鎖移動の差を利用して、また開始剤量や反応温度を調節
することで低分子量重合体を温和な条件で容易に得るこ
とができ、本発明で用いる樹脂組成物の中で低分子量体
を得る時には好ましい。溶液重合で用いる溶媒として
は、キシレン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イ
ソプロピルアルコールが用いられる。スチレンモノマー
混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好まし
いが、重合生成するポリマーによって適宜選択され
る。反応温度としては、使用する溶媒、開始剤、重合す
るポリマーによって異なるが、70℃〜230℃で行な
うのが良い。溶液重合においては溶媒100質量部に対
してモノマー30〜400質量部で行なうのが好まし
い。更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を混合する
ことも好ましく、数種の重合体をよく混合できる。
【0146】また、高分子量成分やゲル成分を得る重合
法としては、乳化重合法や懸濁重合法が好ましい。この
うち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(モノ
マー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、
水溶性の重合開始剤を用いて重合を行なう方法である。
この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行なわ
れる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別で
あるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度が大
きく、高重合度のものが得られる。さらに、重合プロセ
スが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒子
であるために、トナーの製造において、着色剤及び荷電
制御剤その他の添加物との混合が容易であること等の理
由から、トナー用結着樹脂の製造方法として他の方法に
比較して有利である。
【0147】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要であるので懸濁重合が簡便な方法である。
【0148】懸濁重合においては、水系溶媒100質量
部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは1
0〜90質量部)で行なうのが良い。使用可能な分散剤
としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ル部分ケン化物、リン酸カルシウムが用いられ、水系溶
媒に対するモノマー量等で適当量があるが、一般に水系
溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部で用いら
れる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用す
る開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべき
である。
【0149】また開始剤の種類は、水に不溶或は難溶の
ものであれば特に制限はなく、用いることが可能であ
る。
【0150】使用する開始剤としては、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレ
ート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t
−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、
n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリ
レート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、
ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−
ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ
ル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサ
クシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタ
レート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフ
タレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパー
オキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリ
メチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)ト
リアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラ
ンが挙げられ、これらが単独あるいは併用して使用でき
る。
【0151】その使用量はモノマー100質量部に対
し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量
部)の濃度で用いられる。
【0152】本発明に用いられるトナーの結着樹脂とし
て、ポリエステル樹脂を用いることも好ましいが、本発
明に用いられるポリエステル樹脂の組成は以下の通りで
ある。
【0153】ポリエステル樹脂は、アルコール成分と酸
成分(カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無
水物)との縮重合により得られる。
【0154】アルコール成分としては、2価以上のアル
コール成分が挙げられる。
【0155】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また下記
一般式(1)で表わされるビスフェノール及びその誘導
体;
【外2】
【0156】(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基
であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、
x+yの平均値は0〜10である。)また下記一般式
(2)で示されるジオール類;
【外3】
【0157】(式中、R’は−CH2CH2−又は下記一
般式(3)で示されるいずれかであり、x’,y’は0
以上の整数であり、かつ、x’+y’の平均値は0〜1
0である。)が挙げられる。
【外4】
【0158】酸成分としては、2価以上のカルボン酸が
挙げられ、2価のカルボン酸としては、例えばフタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などの
ベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキル
エステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、
低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−
ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハク酸類もしくは
アルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエ
ステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級
アルキルエステル;の如きジカルボン酸類及びその誘導
体が挙げられる。
【0159】また、架橋成分としても働く3価以上のア
ルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ま
しい。
【0160】3価以上の多価アルコール成分としては、
例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロ
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタン
トリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオ
ール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,
3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
【0161】また、本発明における3価以上の多価カル
ボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリ
ット酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,
5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボ
ン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−
ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシ
プロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポー
ル三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステ
ル;下記一般式(4)で表わされるテトラカルボン酸、
及びこれらの無水物、低級アルキルエステルの多価カル
ボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【外5】
【0162】(式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以
上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレ
ン基を示す。) 本発明に用いられるアルコール成分としては40〜60
mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分とし
ては60〜40mol%、好ましくは55〜45mol
%であることが好ましい。
【0163】また3価以上の多価の成分は、全成分中の
1〜60mol%であることも好ましい。
【0164】これらの中で結着樹脂としては、現像性、
定着性、耐久性、クリーニング性の点からスチレン−不
飽和カルボン酸誘導体共重合体、ポリエステル樹脂、及
びこれらのブロック共重合体、グラフト化物、更にはス
チレン系共重合体とポリエステル樹脂の混合物が特に好
ましい。
【0165】本発明におけるトナーに使用される結着樹
脂のTg(ガラス転移点)は、40〜80℃、好ましく
は50〜70℃であると、トナーの保存性を損なうこと
なく、定着性を維持向上させることができることから好
ましい。
【0166】本発明に使用される結着樹脂としてはGP
C(ジェルパーメイションクロマトグラフィ)により測
定される分子量分布で3×103〜5×104の領域にピ
ークを有することが好ましく、更に1×105以上の領
域にもピークまたはショルダーを有することが定着性、
耐久性の点で好ましい。
【0167】また、耐オフセット性向上とトナー製造時
の混練物の溶融粘度の適正化のために結着樹脂は、TH
F不溶分を50質量%以下の量で含有していてもよい。
【0168】また、本発明に用いられる結着樹脂は良好
な定着性を維持するため、高分子量重合体成分と低分子
量重合体成分とを混合することで分子量分布の調整を図
ってもよい。
【0169】本発明に係るトナー中には上記結着樹脂成
分の他に、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合で以
下の化合物を含有させてもよい。例えばシリコーン樹
脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、
テルペン樹脂、フェノール樹脂、2種以上のα−オレフ
ィンの共重合体などが挙げられる。
【0170】本発明のトナーは荷電制御剤を含有する。
【0171】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記の物質が挙げられる。
【0172】ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウ
ム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料
及びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りん
タングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステン
モリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フ
ェリシアン化物、フェロシアン化物が挙げられる)高級
脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチル
スズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなど
のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、
ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレー
トの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化合
物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは2種類
以上組合せて用いることができる。
【0173】これらの中でも、トリフェニルメタン化合
物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウ
ム塩が好ましく用いられる。また下記一般式(5)
【外6】
【0174】[式中、R1はHまたはCH3であり、
2、R3は置換または未置換のアルキル基(好ましくは
炭素数1〜4)である。]で表わされるモノマーの単重
合体:前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正
荷電性制御剤として用いることができる。この場合これ
らの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)とし
ての作用をも有する。
【0175】特に下記一般式(6)で表わされるトリフ
ェニルメタン化合物が本発明の構成においては好まし
い。
【外7】
【0176】[式中、R4,R5,R6,R7,R8,R
9は、各々互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、又は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしく
は未置換のアリール基からなるグループより選ばれる置
換基を表わし、R10,R11,R12は、各々互いに同一で
も異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基又はアルコキシ基を表わし、A-は、硫酸イオ
ン、硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸イオン、水酸イ
オン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機り
ん酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう酸イオン、テ
トラフルオロボレートからなるグループより選ばれる陰
イオンを示す。] トナーを負荷電性に制御するものとして下記の物質が挙
げられる。
【0177】例えば有機金属化合物、キレート化合物が
有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金
属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属化合物、
芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、
芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカ
ルボン酸及びその無水物、エステル類、ビスフェノール
の如きフェノール誘導体がある。
【0178】また次に示した一般式(7)で表わされる
アゾ系金属錯体が好ましい。
【外8】
【0179】[式中、Mは配位中心金属を表し、Sc、
Ti、V、Cr、Co、Ni、Mn又はFeであり、A
rはフェニル基、ナフチル基の如きアリール基であり、
置換基を有していても良く、この場合の置換基として
は、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニリド
基及び炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基から
なるグループより選ばれる置換基であり、D、D’、
E、E’は、−O−、−CO−、−NH、−NR13
(R13は炭素数1〜4のアルキル基)である。K+は、
水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アン
モニウムイオン又は脂肪族アンモニウムイオンを示
す。] 特に中心金属としてはFe、Crが好ましく、アリール
基の有する置換基としてはハロゲン、アルキル基、アニ
リド基が好ましい。またカウンターイオンの異なる錯塩
の混合物も好ましく用いられる。
【0180】あるいは次の一般式(8)に示した塩基性
有機酸金属化合物も負帯電性を与えるものであり、本発
明に使用できる。
【外9】
【0181】[式中、M’は配位中心金属を表し、C
r、Co、Ni、Mn、Fe、Zn、Al、Si又はB
であり、Gは、置換基としてアルキル基を有していても
良いフェニレン基、或いは下記一般式(9)で表される
もののいずれかであり、Y+は水素イオン、ナトリウム
イオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、脂肪族
アンモニウムイオンあるいはなしを示し、Zは−O−、
あるいは−COO−である。]
【外10】 (9)
【0182】[式中、R14は水素原子、ハロゲン原子、
ニトロ基又はアルキル基を示し、R15は水素原子、炭素
数1〜18のアルキル基又はアルケニル基を示す。] 特に中心金属としてはFe、Cr、Si、Zn又はAl
が好ましく、置換基としてはアルキル基、アニリド基、
アリール基又はハロゲンが好ましく、カウンターイオン
は、水素イオン、アンモニウムイオン又は脂肪族アンモ
ニウムイオンが好ましい。
【0183】電荷制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある
が本発明においては、そのどちらでも構わない。これら
の電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の
添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によっ
て決定されるもので、一義的に限定されるものではない
が、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜
10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲で
用いられる。
【0184】また、本発明においては、定着時の離型性
を良くする目的でワックスを含有する。ワックスとして
は、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロ
ピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワ
ックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチ
レンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化
物;または、それらのブロック共重合物;カルナバワッ
クス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス
の如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸
カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または
全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖の
アルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽
和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、
バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコ
ール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カ
ルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルア
ルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖
アルキルアルコール類の如き飽和アルコール類;ソルビ
トールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オ
レイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド
類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカ
プリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキ
サメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビ
スアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメ
チレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルア
ジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミ
ドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステ
アリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸
アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カル
シウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金
属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワッ
クスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを
用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグ
リセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル
化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒド
ロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられ
る。
【0185】好ましく用いられるワックスとしては、ア
ルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒又はその他の触媒を用いて重合した低分子量
アルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポ
リマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得
られるアルキレンポリマー;アルキレンポリマーを重合
する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精
製したもの;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスから
アーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、ある
いは、これらを水素添加して得られる合成炭化水素など
から、特定の成分を抽出分別したワックスが挙げられ
る。これらワックスには酸化防止剤が添加されていても
良い。さらに、直鎖状のアルコール、脂肪酸、酸アミ
ド、エステルあるいはモンタン系誘導体で形成されるワ
ックスが挙げられる。また、脂肪酸等の不純物を予め除
去したものも好ましい。
【0186】中でも好ましいのは、エチレンなどのオレ
フィンを重合したもの及びこの時の副生成物、フィッシ
ャートロプシュワックスなどの炭素数が数千ぐらいまで
の炭化水素を母体とするものが良い。また、炭素数が数
百ぐらいまでの末端に水酸基をもつ長鎖アルキルアルコ
ールも好ましい。更に、アルコールにアルキレンオキサ
イドを付加したものも好ましく用いられる。
【0187】そして、これらワックスから、プレス発汗
法、溶剤法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶化
(例えば、融液晶析及び結晶ろ別)等を利用して、ワッ
クスを分子量により分別し、分子量分布をシャープにし
たワックスは、必要な融解挙動範囲の成分が占める割合
が多くなるので更に好ましい。
【0188】本発明では、これらのワックスや化合物を
1種又は2種以上組み合わせて使用することができ、結
着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ま
しくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0189】ワックスの分子量分布は、分子量400〜
10000の領域に、好ましくは700〜5000の領
域にメインピークが有することが良い。このような分子
量分布を持たせることによりトナーに好ましい熱特性を
付与することができる。
【0190】また、ワックスの示差熱分析における昇温
時の吸熱ピークを60〜150℃、好ましくは75〜1
40℃の領域に少なくとも1つ有することで、定着性や
転写性が更に向上し、適度な画像光沢性も得られる。
【0191】ワックスの示差熱分析における昇温時の吸
熱ピークは60〜150℃の領域に少なくとも1つあれ
ば効果があり、同時に昇温時の吸熱ピークが150℃を
超えるところにあっても構わない。また、60〜150
℃の領域に複数の昇温時の吸熱ピークがあっても良い。
但し、昇温時の吸熱ピークが60℃未満に存在する場合
は、画像濃度が低くなったり、保存性も不安定になる傾
向にあるので好ましくない。
【0192】ワックスのトナーへの含有方法としては、
結着樹脂を溶剤に溶解して結着樹脂溶液温度を上げ、攪
拌しながら添加混合する方法や、混練時に混合する方法
などが挙げられる。
【0193】本発明中におけるトナーが、結着樹脂とし
てスチレン系共重合体を使用する時には、ワックスの効
果を十分に発揮させるとともに保存性、現像性の低下を
防ぐために、以下のような分子量分布を有することが好
ましい。
【0194】トナーのGPC(ジェルパーメイションク
ロマトグラフィ)による分子量分布において、分子量3
×103〜5×104の領域、好ましくは分子量3×10
3〜3×104の領域、特に好ましくは分子量5×103
〜2×104の領域に少なくともひとつのピーク(P
1)が存在することで、良好な定着性、現像性、耐ブロ
ッキング性を得ることができる。分子量3×103〜5
×104にピークを有さず、分子量3×103未満にピー
クを有する場合は、良好な耐ブロッキング性が得られな
いことがあり、分子量5×104を超える部分にピーク
を有する場合には良好な定着性が得られないことがあ
る。また分子量1×105以上の領域、好ましくは分子
量3×105〜5×106の領域に少なくともひとつのピ
ーク(P2)が存在し、分子量3×105〜2×106
領域に分子量1×105以上の領域での最大ピークがあ
ることが特に好ましく、良好な耐高温オフセット性、耐
ブロッキング性、現像性を有するトナーが得られるよう
になる。このピーク分子量は、大きいほど高温オフセッ
トには強くなるが、5×106以上の領域ピークが存在
する場合には、圧力のかけることのできる熱ロールでは
問題ないが、圧力のかけられない時には、弾性が大きく
なり定着性に影響を及ぼす場合がある。従って、比較的
圧力の低い加熱定着においては、分子量3×105〜2
×106領域にピークが存在し、これが分子量1×105
以上の領域での最大ピークであることが好ましい。
【0195】また、分子量1×105以下の領域の成分
を50%以上、好ましくは60〜90%、特に好ましく
は65〜85%であるトナーを用いることが好ましい。
この範囲内にあれば、良好な定着性を示す。50%未満
では、十分な定着性が得られないだけでなく粉砕性も劣
るようになる傾向がある。また90%を超えるような場
合には、耐オフセット性に劣るようになることがある。
【0196】ポリエステル系樹脂の使用時には、トナー
のGPCによる分子量分布において分子量3×103
1.5×104の領域、好ましくは分子量4×103
1.2×104の領域、特に好ましくは分子量5×103
〜1×104の領域にメインピークが存在することが好
ましい。更に、分子量1.5×104以上の領域に少な
くとも1つのピークまたショルダーが存在するかあるい
は分子量5×104以上の領域が5%以上であることが
好ましい。また重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比Mw/Mnが10以上であることも好ま
しい。
【0197】メインピークが分子量3×103未満であ
る場合には、耐ブロッキング性、現像性が低下しやすく
なる。メインピークが分子量1.5×104を超える場
合には、良好な定着性が得られなくなることがある。分
子量1.5×104以上の領域にピーク、ショルダーが
存在する場合、分子量5×104以上の領域が5%以上
である場合、Mw/Mnが10以上である場合には、良
好な耐オフセット性が得られる。
【0198】また本発明におけるトナーは高転写性、帯
電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のために無機微
粉体を添加することが好ましい。
【0199】無機微粉体としては公知のものが用いられ
るが、シリカ、アルミナ、チタニアあるいはその複酸化
物の中から選ばれることが好ましい。中でも、シリカで
あることが特に好ましい。例えば、かかるシリカは硅素
ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成さ
れたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾
式シリカ及びアルコキシド、水ガラス等から製造される
いわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及
びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、ま
たNa2O、SO3 2-等の製造残滓の少ない乾式シリカの
方が好ましい。
【0200】また乾式シリカにおいては、製造工程にお
いて例えば、塩化アルミニウム、塩化チタンの如き他の
金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いる
ことによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を
得ることも可能でありそれらも包含する。
【0201】本発明に用いられる無機微粉体は、BET
法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以
上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結
果を与えることから好ましい。また、無機微粉体の含有
量は、トナー100質量部に対して、シリカ微粉末0.
1〜8質量部、好ましくは0.5〜5質量部、さらに好
ましくは1〜3質量部まで使用するのが特に好ましい。
【0202】また、本発明に用いられる無機微粉体は、
疎水化、帯電性制御等の目的でシリコーンワニス(各種
変性シリコーンワニスを含む)、シリコーンオイル(各
種変性シリコーンオイルを含む)、シランカップリング
剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機
硅素化合物、有機チタン化合物等の処理剤で、あるい
は、種々の処理剤で併用して処理されていることも可能
であり好ましい。
【0203】シリコーンオイル処理の方法としては、例
えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体と
シリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を
用いて直接混合してもよいし、ベースとなる無機微粉体
にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あ
るいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分
散せしめた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する
方法でもよい。
【0204】また、処理後に無機微粉体を不活性ガス中
で200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱
し、表面のコートを安定化させることがより好ましい。
【0205】本発明のトナーにおいては、必要に応じて
更に他の添加剤、例えばテフロン(登録商標)粉末、ス
テアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き
滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸
ストロンチウム粉末の如き研磨剤;例えば酸化チタン粉
末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤;ケーキ
ング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸
化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、
逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤とし
て少量用いることもできる。
【0206】本発明の画像形成方法において、本発明の
トナーはキャリアと併用して二成分現像剤として用いる
ことができる。二成分現像方法に用いる場合のキャリア
としては、従来知られているものがすべて使用可能であ
るが、具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケ
ル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及び
それらの合金または酸化物などの個数平均粒径20〜3
00μmの粒子が使用される。
【0207】またそれらキャリア粒子の表面に、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素
系樹脂、ポリエステル樹脂の如き樹脂を付着または被覆
させたもの等が好ましく使用される。
【0208】本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ
磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は
着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、
磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイ
ト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバル
ト、ニッケルの如き金属、或いはこれらの金属とアルミ
ニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステ
ン、バナジウムとの合金及びその混合物が挙げられる。
【0209】これらの磁性材料は個数平均粒径が2μm
以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ま
しい。トナー中に含有させる量としては、結着樹脂成分
100質量部に対し、20〜200質量部、特に好まし
くは結着樹脂成分100質量部に対し、40〜150質
量部が良い。
【0210】個数平均粒径は透過電子顕微鏡により拡大
投影した写真をデジタイザー等で測定することにより求
めることができる。
【0211】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料があげられる。トナーの
着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダン
スレンブルーが挙げられる。これらは定着画像の光学濃
度を維持するのに必要充分な量が用いられ、結着樹脂1
00質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは
0.2〜10質量部の添加量が良い。また同様の目的
で、更に染料を用いることもできる。例えばアゾ系染
料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン
系染料があり結着樹脂100質量部に対し、0.1〜2
0質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良
い。
【0212】本発明に係る静電潜像現像用トナーを作製
するには、上記結着樹脂、荷電制御剤、ワックス、更に
必要に応じて着色剤としての顔料、又は染料、磁性材
料、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボール
ミルの如き混合機により充分混合してから加熱ロール、
ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶
融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属化合
物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固
化後粉砕及び分級を行って本発明に係るトナーを得るこ
とが出来る。
【0213】また、本発明のトナーを得るための他の方
法として、重合法、例えば懸濁重合法によってトナーを
製造することが可能である。この懸濁重合法トナーは、
重合性単量体、ワックス及び荷電制御剤、必要に応じて
顔料又は染料、磁性酸化鉄、重合開始剤(更に必要に応
じて架橋剤及びその他の添加剤)を均一に溶解または分
散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物あ
るいは、この単量体組成物を分散安定性を含有する連続
相(例えば水)中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時
に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーとした
ものである。
【0214】懸濁重合法に用いられる重合性単量体とし
ては、上述の結着樹脂を構成する単量体が使用できる。
【0215】さらに必要に応じて流動性や帯電安定性の
向上等を図るため、所望の添加剤をヘンシェルミキサー
等の混合機により充分混合し、本発明に係るトナーを得
ることができる。
【0216】本発明のトナーは、重量平均粒径が3〜1
1μmであり、好ましくは5〜10μmである。
【0217】重量平均粒径が11μmを超えると、現像
工程において現像に必要なトナー帯電量が不足し、トナ
ー担持体上で比較的高い帯電量を示す粒径の小さいトナ
ーのみが選択的に現像される傾向にある。このような場
合には、多数枚の現像を繰り返すうちに該トナー担持体
上トナー粒径が粗大化することによって更に帯電量が減
少し、結果的に現像不足による画像濃度低下が生じやす
くなる。また逆に、重量平均粒径が3μm未満の場合
は、トナーの帯電量が過剰となり、トナーとトナー担持
体との鏡映力が過大となる為に、現像工程におけるトナ
ーの光受容部材への転移が困難となるために、やはり画
像濃度低下を引き起こしやすくなる。
【0218】<5>トナーに関わる物性の測定方法 本発明のトナーに係る物性の測定方法は以下のとおりで
あり、実施例におけるトナーに関わる物性はこれらによ
り測定可能である。
【0219】(1)Tg(ガラス転移点温度)の測定方
法 Tg(ガラス転移点温度)の測定方法は、示差走査熱量
計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー
社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて
行う。
【0220】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リ
ファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲
30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温
常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度40〜10
0℃の範囲における昇温時の吸熱ピークが得られる。こ
のときのメインの吸熱ピークが出る前と出た後のベース
ラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明にお
けるTg(ガラス転移点温度)とする。
【0221】(2)結着樹脂及びトナーの分子量分布測
定 結着樹脂及びトナーのGPCによるクロマトグラムの分
子量分布は次の条件で測定される。
【0222】40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、T
HF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、
数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検
量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
【0223】検量線作成用の標準ポリスチレン試料とし
ては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の
分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも1
0点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。
【0224】また、検出器にはRI(屈折率)検出器を
用いる。なおカラムとしては、市販のポリスチレンジェ
ルカラムを複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和
電工社製のshodex GPC KF−801,80
2,803,804,805,806,807,800
Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG100
0H(HXL),G2000H(HXL),G3000
H(HXL),G4000H(HXL),G5000H
(HXL),G6000H(HXL),G7000H
(HXL),TSKguardcolumnの組み合わ
せを挙げることができる。
【0225】また、試料は以下のようにして作製する。
【0226】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がな
くなるまで)、更に12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45
〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25
−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマ
ン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通
過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度
は、結着樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように
調製する。
【0227】(3)THF不溶分の測定 THF不溶分は次の条件で測定される。
【0228】結着樹脂あるいはトナーを秤量し、円筒ろ
紙(例えばNo.86Rサイズ28×10mm 東洋ろ
紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかける。溶媒と
してTHF200mlを用いて、6時間抽出する。この
とき、THFの抽出サイクルが約4〜5分に1回になる
ような還流速度で抽出を行う。抽出終了後、円筒ろ紙を
取り出し、秤量することによって不溶分を得る。
【0229】トナーが結着樹脂成分以外の磁性材料又は
顔料の如き、THF不溶分を含有している場合、円筒ろ
紙に入れたトナーの質量をW1gとし、抽出されたTH
F可溶樹脂成分の質量をW2gとし、トナーに含まれて
いる樹脂成分以外のTHF不溶成分の質量をW3gとす
ると、トナー中の樹脂成分のTHF不溶分の含有量は下
記式(II)から求められる。
【外11】
【0230】(4)ワックスの分子量分布 ワックスの分子量分布はGPCにより次の条件で測定さ
れる。 装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソ−社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0231】(5)ワックスの昇温時の吸熱ピーク ワックスの昇温時の吸熱ピークの測定は、示差走査熱量
計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー
社製)を用いて、ASTMD3418−82に準じて測
定する。
【0232】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リフ
ァレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲3
0〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常
湿下で測定を行う。
【0233】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線の吸熱ピークが得られる。
【0234】(6)トナーの重量平均粒径 トナーの重量平均粒径は、測定装置としてコールターマ
ルチサイザー(コールター社製)を用いる。電解液は特
級又は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液
を調製する。例えば、ISOTON−II(コールター
サイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測
定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中
に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料で
あるトナーを2〜20mgを加える。試料を懸濁した電
解液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行い、1
00μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を
測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから本
発明に係わる重量平均粒径を、該体積分布から求める
(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とす
る)。
【0235】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明
するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではな
い。
【0236】(実施例1) <光受容部材の製造>図8に記載のプラズマCVD装置
を用いて、上述の実施の形態の光受容部材の製造方法で
記載したように、以下に示した条件により、導電性基板
としての円筒形のアルミニウム基体上に下部阻止層、光
導電層、表面層を順次積層し、光受容部材1a〜1eを
完成させた。
【0237】(1)下部阻止層 ・SiH4 200ml/min ・H2 500ml/min ・NO 5ml/min ・B26 2000ppm(SiH4に対して) ・パワー 150W ・内圧 80Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 1.5μm (2)光導電層 ・SiH4 510ml/min ・H2 450ml/min ・パワー 450W ・内圧 73Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 20μm (3)表面層 ・CH4 200ml/min ・パワー 1000W ・内圧 67Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 0.5μm また、光導電層と表面保護層との間に、下記条件で変化
層を積層して、光導電層と表面保護層との間に界面を有
さない光受容部材1fを作成した。 ・SiH4 510→0ml/min ・H2 450→0ml/min ・CH4 0→200ml/min ・パワー 450→1000W ・内圧 73→67Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 0.1μm また、光導電層を電荷輸送層と電荷発生層とに機能分離
させ、更に電荷発生層の上に変化層を設けて光導電層と
表面保護層との間の界面を無くした光受容部材1gを作
成した。光受容部材1gにおける積層の順序は、下部阻
止層、電荷輸送層、電荷発生層、変化層、表面保護層の
順である。変化層の積層条件は、光受容部材1fと同じ
とした。
【0238】電荷輸送層 ・SiH4 200ml/min ・H2 500ml/min ・CH4 50ml/min ・B2H6 1ppm(SiH4に対して) ・パワー 450W ・内圧 73Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 20μm 電荷発生層 ・SiH4 510ml/min ・H2 450ml/min ・パワー 450W ・内圧 73Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 2μm 次に下記に示した条件の範囲内で表面をエッチングし、
表面の凹凸を変化させた。本実施例ではその中で本件範
囲内の表面粗さの7本の光受容部材(1a〜1g)を作
成した。得られた光受容部材の基準長さ10μmとした
場合の表面粗さRaをAFM(原子間力顕微鏡)によっ
て測定した。結果を表1に示す。また、鏡面研磨したS
iウェハー上に同様の製造条件で表面層のみを1μm堆
積し、赤外吸収測定用サンプルを作成した。
【0239】エッチング条件 ・CF4 400ml/min ・パワー 50W〜2000W ・基体温度 200℃ ・圧力 50Pa <トナーの製造>下記材料を予備混合した後に、130
℃に設定した二軸混練押し出し機によって溶融混練を行
った。 ・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチル ハーフエステル共重合体(Tg60.1℃) 100質量部 ・マグネタイト(個数平均粒径:0.2μm) 100質量部 ・低分子量ポリプロピレン 4質量部 (示差熱分析吸熱ピーク:135℃、ピーク分子量3500) ・下記一般式(10)で示すアゾ系鉄錯体化合物 2質量部
【外12】
【0240】混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流
を用いた粉砕機によって微粉砕し、さらに風力分級機を
用いて分級した。さらに、機械的衝撃力により表面処理
し黒色粉体(トナー粒子(1))を得た。トナー粒子
(1)中の結着樹脂のTHF不溶分は0質量%であっ
た。
【0241】上記トナー粒子(1)100質量部に対し
て、ヘキサメチルジシラザン/ジメチルシリコーンオイ
ル処理乾式シリカ1.2質量部とをヘンシェルミキサー
で攪拌混合し負帯電性トナー(1)を得た。得られた負
帯電性トナー(1)の重量平均粒径は7.8μm、ピー
ク分子量は3×104であった。
【0242】このように作成した光受容部材とトナーを
組み合わせて、10万枚の画出し試験を行ったところ、
いずれの光受容部材を用いた場合においても良好な画像
が得られた。更に、以下の評価を行った。得られた結果
を表1に示す。
【0243】<融着評価方法>上記で得られた光受容部
材1a〜1gを図1に示した構成のキヤノン製複写機N
P−6085(感光体径:直径108mm)の改造機に
搭載し、面状内面ヒータ123により光受容部材101
の表面温度が50℃になるようにコントロールし、25
℃相対湿度10%の環境条件で光受容部材101の移動
速度を400mm/secでA4版の連続通紙耐久試験
として10万枚の画像形成を行い、融着の評価を行っ
た。但し、原稿は白地に1mm幅の黒ラインがたすき状
に1本プリントされた1ラインチャートを使用した。
【0244】耐久終了後、現像器104位置に於ける暗
部電位が400Vになるように主帯電器102の帯電電
流量を調整し、原稿台ガラス111にベタ白の原稿11
2を置き、明部電位が50Vになるようにハロゲンラン
プ110の点灯電圧を調整し、A3版のベタ白画像を作
成した。この画像によってトナーの融着により発生する
黒ポチを観察し、更に顕微鏡により光受容部材表面を観
察した。融着の評価は、後に示す比較例1での融着発生
ランクを100とした相対比較である。従って、数値が
小さいほど融着の発生個数が少なく、良好である事を示
す。
【0245】<フィルミング評価方法>上記の条件でA
4版の連続通紙10万枚耐久試験をおこなった光受容部
材について、表面層の膜厚を反射分光計で測定した。次
に、粒径100μmのアルミナ粉を濡れた柔らかい布に
つけ、光受容部材表面を軽く10回擦った。この時の力
加減は、あらかじめ新品の光受容部材を擦った際に表面
層が削れないことを確認した程度の力で行った。
【0246】その後、再度反射分光計で表面層の膜厚を
測定し、その差分をフィルミング量と規定した。フィル
ミング量の評価は、後に示す比較例1でのフィルミング
量を100とした相対比較である。従って、数値が小さ
いほどフィルミングの発生個数が少なく、良好である事
を示す。
【0247】<削れ量評価方法>上記の連続通紙10万
枚耐久試験前の表面層の膜厚をあらかじめ反射式分光計
で測定しておく。この膜厚から、上記のフィルミングを
除去した後の表面層の膜厚を差し引き、その差を削れ量
と定義した。
【0248】削れ量の評価は、後に示す比較例1での削
れ量を100とした相対比較である。従って、数値が小
さいほど削れが少なく、良好である事を示す。
【0249】<水素量の定量>Siウェハー上に成膜し
た表面層サンプルを用い、赤外分光光度計により赤外吸
収スペクトルを測定した。このとき、2960cm-1
近に現れるC−Hnの吸収ピークの面積と膜厚から膜中
水素量を求めた。
【0250】(比較例1)<光受容部材の製造>図8に
記載のプラズマCVD装置を用いて、実施例1と同様の
方法で、以下に示した条件により円筒形のアルミニウム
基体に下部阻止層、光導電層、表面層を順次積層し、光
受容部材1’aを完成させた。
【0251】(1)下部阻止層 ・SiH4 200ml/min ・H2 500ml/min ・NO 5ml/min ・B26 2000ppm(SiH4に対して) ・パワー 150W ・内圧 80Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 1.5μm (2)光導電層 ・SiH4 510ml/min ・H2 450ml/min ・パワー 450W ・内圧 73Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 20μm (3)表面層 ・SiH4 2ml/min ・CH4 200ml/min ・パワー 150W ・内圧 67Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 0.5μm 次に実施例1に示したエッチングの条件の範囲内で表面
をエッチングし、表面の凹凸を50nmに調整して、光
受容部材1’aを得た。
【0252】本比較例では表面層は従来のa−SiC:
Hとした。また、得られた光受容部材の表面粗さをAF
M(原子間力顕微鏡)によって測定したところ、基準長
さ10μmの場合のRaは約50nmであった。同時
に、鏡面研磨したSiウェハー上に同様の製造条件で表
面層のみを1μm堆積し、赤外吸収測定用サンプルを作
成した。
【0253】このように作成した光受容部材1’aにト
ナー(1)を組み合わせて、実施例1と同様の評価を行
った。結果を表1に示す。
【0254】(比較例2) <光受容部材の製造>実施例1で得られた光受容部材1
を、以下のエッチング条件で表面をエッチングし、表面
の凹凸を調整し、その中で本発明外の表面粗さの光受容
部材2’aおよび2’bを得た。
【0255】エッチング条件 ・CF4 400ml/min ・パワー 50W〜2000W ・基体温度 200℃ ・圧力 50Pa 光受容部材2’aおよび2’bの表面層の基準長さ10
μmの場合の表面粗さRaは、各々10nm、110n
mであった。同時に、鏡面研磨したSiウェハー上に同
様の製造条件で表面層のみを1μm堆積し、赤外吸収測
定用サンプルを作成した。
【0256】このように作成した光受容部材2’aおよ
び2’bにトナー(1)を組み合わせて、実施例1と同
様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0257】
【表1】
【0258】表1に示す如く、本発明の効果は、表面粗
さを15〜100nmに制御したa−C:H表面層にす
ることによって、定着性の良いトナーと組み合わせても
融着、フィルミングなどの弊害が出ず、また削れも発生
しないため、長期間に渡って安定して使用できることが
分かる。
【0259】(実施例2)<光受容部材の製造>図8に
記載のプラズマCVD装置を用いて、以下に示した条件
により、導電性基板としての円筒形のアルミニウム基体
上に下部阻止層、光導電層、バッファ層、表面層を順次
積層し、光受容部材2a、2b、2c、2d、2eを完
成させた。
【0260】(1)下部阻止層 ・SiH4 100ml/min ・H2 600ml/min ・B26 800ppm(SiH4に対して) ・パワー 200W ・内圧 80Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 2μm (2)光導電層 ・SiH4 350ml/min ・H2 600ml/min ・パワー 400W ・内圧 73Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 20μm (3)バッファ層 ・SiH4 10ml/min ・CH4 00ml/min ・パワー 150W ・内圧 67Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 0.5μm (4)表面層 ・CH4 100ml/min ・H2 10〜500ml/min ・パワー 1800W ・内圧 67Pa ・基体温度 180℃ ・膜厚 0.2μm また、光導電層とバッファ層の間、バッファ層と表面保
護層の間のそれぞれに変化層を形成し、光導電層と表面
保護層との間に界面が存在しない光受容部材2fを作成
した。変化層の積層条件を以下に示す。
【0261】光導電層とバッファ層の間の変化層 ・SiH4 350→10ml/min ・H2 600→0ml/min ・CH4 0→500ml/min ・パワー 400→150W ・内圧 73→67Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 0.05μm バッファ層と表面保護層の間の変化層 ・SiH4 10→0ml/min ・H2 0→300ml/min ・CH4 500→100ml/min ・パワー 150→1800W ・内圧 67Pa ・基体温度 180℃ ・膜厚 0.05μm また、光導電層を電荷輸送層と電荷発生層とに機能分離
させ、更に電荷発生層とバッファ層の間、バッファ層と
表面保護層との間にそれぞれ変化層を設けて光導電層と
表面保護層との間の界面を無くした光受容部材2gを作
成した。光受容部材2gにおける積層の順序は、下部阻
止層、電荷輸送層、電荷発生層、変化層、バッファ層、
変化層、表面保護層の順である。変化層の積層条件は、
光受容部材2fと同じとした。
【0262】電荷輸送層 ・SiH4 100ml/min ・H2 600ml/min ・CH4 50ml/min ・B26 1ppm(SiH4に対して) ・パワー 200W ・内圧 80Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 20μm 電荷発生層 ・SiH4 350ml/min ・H2 600ml/min ・パワー 400W ・内圧 73Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 2μm 次に下記に示した条件で光受容部材(2a〜2g)の表
面をエッチングし、基準長さ10μmの場合の表面粗さ
Raを40nmになるように調整した。
【0263】エッチング条件 ・CF4 400ml/min ・パワー 50W〜2000W ・基体温度 200℃ ・圧力 50Pa 本実施例ではa−C:H表面層の成膜時の水素量を変化
させることによって、膜中に含有される水素原子の量を
変化させた。この膜中水素量については鏡面研磨したS
iウェハー上に表面層のみを1μm堆積することによ
り、赤外吸収測定によって求めた。結果を表2に示す。
【0264】<トナーの製造>下記材料を予備混合した
後に、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって
溶融混練を行なった。 ・ポリエステル樹脂(Tg58.2℃) 100質量部 (プロポキシ化及びエポキシ化されたビスフェノールとフマル酸とトリメリッ ト酸の縮重合体) ・マグネタイト(個数平均粒径:0.2μm) 90質量部 ・長鎖アルキルアルコール 4質量部 (示差熱分析吸熱ピーク:105℃、ピーク分子量830) ・上記一般式(10)で示すアゾ系鉄錯体化合物 2質量部 混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた粉砕
機によって微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級
し、黒色粉体(トナー粒子(2))を得た。トナー粒子
(2)中の結着樹脂のTHF不溶分は25質量%であっ
た。
【0265】上記トナー粒子(2)100質量部に対し
て、ヘキサメチルジシラザン処理乾式シリカ1.0質量
部をヘンシェルミキサーで攪拌混合し負荷電性トナー
(2)を得た。得られた負荷電性トナー(2)の重量平
均粒径は8.0μm、ピーク分子量は8×103であっ
た。
【0266】このように作成した光受容部材2a〜2g
とトナー(2)を組み合わせて、実施例1と同様に画像
評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0267】(比較例3) <光受容部材の製造>実施例2と同様にして、導電性基
板としての円筒形のアルミニウム基体上に下部阻止層、
光導電層、a−SiCからなるバッファ層、表面層を順
次積層し、光受容部材を完成させた。本例においては、
光受容部材3’a及び3’bを完成させた。
【0268】次に光受容部材3’a及び3’bの表面を
実施例2と同様にエッチングし、基準長さ10μmの場
合の表面粗さRaを40nmになるように調整した。
【0269】本例ではa−C:H表面層の成膜時の水素
量を変化させることによって、膜中に含有される水素原
子の量が30原子%(3’a)、60原子%(3’b)
と成るように条件を決定した。
【0270】このように作成した光受容部材3’a、
3’bにトナー(2)を組み合わせて実施例1と同様に
画像評価を行った。得られた結果を表2に示す。
【0271】
【表2】
【0272】表2の結果から本発明の効果は膜中の水素
量が35原子%〜55原子%の範囲にあるときに特に良
好であることが判明した。
【0273】(実施例3) <光受容部材の製造>図8に記載のプラズマCVD装置
を用いて、上述の実施の形態の光受容部材の製造方法で
記載したように、以下に示した条件により、導電性基板
としての円筒形のアルミニウム基体上に下部阻止層、光
導電層、表面層を順次積層し、負帯電で用いられる光受
容部材3を完成させた。
【0274】(1)下部阻止層 ・SiH4 100ml/min ・H2 300ml/min ・PH3 800ppm(SiH4に対して) ・NO 5ml/min ・パワー 150W ・内圧 80Pa ・基体温度 250℃ ・膜厚 3μm (2)光導電層 ・SiH4 350ml/min ・H2 600ml/min ・パワー 400W ・内圧 73Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 20μm (3)表面層 ・CH4 100ml/min ・H2 300ml/min ・パワー 1500W ・内圧 67Pa ・基体温度 150℃ ・膜厚 0.3μm 次に下記に示した条件で光受容部材3の表面をエッチン
グし、基準長さ10μmの場合の表面粗さRaを30n
mになるように調整した。
【0275】エッチング条件 ・CF4 400ml/min ・パワー 500W ・基体温度 200℃ ・圧力 50Pa また、鏡面研磨したSiウェハー上に同様の製造条件で
表面層のみを1μm堆積し、赤外吸収により膜中水素量
を測定したところ、46原子%であった。
【0276】このように作成した光受容部材に次のトナ
ーを組み合わせて画像評価を行った。<トナー製造条件
>下記材料を予備混合した後に、130℃に設定した二
軸混練押し出し機によって溶融混練を行なった。 ・スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(Tg58.5℃) 100質量部 ・マグネタイト(個数平均粒径:0.2μm) 90質量部 ・低分子量ポリエチレン 4質量部 (示差熱分析吸熱ピーク:110℃、ピーク分子量1200) ・下記一般式(11)で示すトリフェニルメタン化合物 2質量部
【外13】
【0277】混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流
を用いた粉砕機によって微粉砕し、さらに風力分級機を
用いて分級をした。さらに、機械的衝撃力により表面処
理し黒色粉体(トナー粒子(3))を得た。トナー粒子
(3)の結着樹脂のTHF不溶分は0質量%であった。
【0278】上記トナー粒子(3)100質量部に対し
て、アミノ変性シリコーンオイル処理乾式シリカ0.8
質量部とをヘンシェルミキサーで攪拌混合し正荷電性ト
ナー(3)を得た。得られた正荷電性トナー(3)の重
量平均粒径は7.3μm、ピーク分子量は、ピーク分子
量は1.2×104と4.5×105であった。
【0279】本実施例においては、図1に示す画像形成
装置の光受容部材を正帯電用ドラムから負帯電用ドラム
に変更し、更に定着器の設定温度を変化させて、光受容
部材3とトナー(3)を組み合わせて、画像出しを行っ
た。画像出しした後、得られた画像を消しゴムで擦るこ
とで定着性を観察した。結果は次の4つの評価基準で示
した。結果を表3に示す。 A・・・かなり強く擦っても、画像は全く薄くならず、
定着性は非常に良好。 B・・・かなり強く擦った場合に限って、やや画像が薄
くなるが、通常の使用では全く問題がない。 C・・・強く擦ると画像が薄くなり、問題となる場合が
ある。 D・・・軽く擦っただけで画像が薄くなり、定着不良で
ある。
【0280】
【表3】
【0281】この結果から分かるように、本発明のトナ
ーを用いることで、定着温度を通常設定の200℃より
も低い設定にしても定着性に何ら問題がないことが判明
した。従って、本発明のトナーと光受容部材を組み合わ
せて用いることにより、省エネルギーで融着などの画像
欠陥の発生しない複写方法が得られることが判明した。
【0282】(実施例4) <光受容部材の製造>図8に記載のプラズマCVD装置
を用いて、上述の実施の形態の光受容部材の製造方法で
記載したように、以下に示した条件により、導電性基板
としての円筒形のアルミニウム基体上に下部阻止層、光
導電層、バッファ層、表面層を順次積層し、負帯電で用
いられる光受容部材4a〜4eを完成させた。
【0283】(1)下部阻止層 ・SiH4 100ml/min ・PH3 500ppm(SiH4に対して) ・パワー 200W ・内圧 80Pa ・基体温度 240℃ ・膜厚 1μm (2)光導電層 ・SiH4 300ml/min ・パワー 500W ・内圧 73Pa ・基体温度 240℃ ・膜厚 15μm (3)バッファ層 ・SiH4 50ml/min ・CH4 500ml/min ・パワー 200W ・内圧 67Pa ・基体温度 240℃ ・膜厚 0.5μm (4)表面層 ・CH4 100ml/min ・C26 10〜100ml/min ・パワー 1000W ・内圧 67Pa ・基体温度 150℃ ・膜厚 0.1μm また、光導電層を電荷輸送層と電荷発生層とに機能分離
させ、更に電荷発生層とバッファ層の間、バッファ層と
表面保護層との間にそれぞれ変化層を設けて光導電層と
表面保護層との間の界面を無くした光受容部材4fを作
成した。光受容部材4fにおける積層の順序は、下部阻
止層、電荷輸送層、電荷発生層、変化層(1)、バッフ
ァ層、変化層(2)、表面保護層の順である。
【0284】電荷輸送層 ・SiH4 100ml/min ・H2 600ml/min ・CH4 50ml/min ・B2H6 1ppm(SiH4に対して) ・パワー 200W ・内圧 80Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 20μm 電荷発生層 ・SiH4 350ml/min ・H2 600ml/min ・パワー 400W ・内圧 73Pa ・基体温度 280℃ ・膜厚 2μm 変化層(1) ・SiH4 300→50ml/min ・CH4 0→500ml/min ・パワー 500→200W ・内圧 73→67Pa ・基体温度 240℃ ・膜厚 0.05μm 変化層(2) ・SiH4 50→0ml/min ・CH4 500→100ml/min ・C26 0→50ml/min ・パワー 200→1000W ・内圧 67Pa ・基体温度 150℃ ・膜厚 0.05μm この状態で光受容部材4a〜4fの基準長さ10μmの
場合の表面粗さRaを測定したところ、20〜40nm
であったので、特に表面粗さは調整しなかった。本実施
例では表面層作成時にC26ガスを用いることによりフ
ッ素を含有させた。また、鏡面研磨したSiウェハー上
に同様の製造条件で表面層のみを1μm堆積し、サンプ
ルを作成した。このサンプルを赤外分光光度計により測
定することで、フッ素含有量を測定した。
【0285】以上の手順で作成した光受容部材に実施例
4のトナーを組み合わせ、図1に示す画像形成装置の光
受容部材を正帯電用ドラムを負帯電用ドラムに変更した
改造機を用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を
表4に示す。
【0286】
【表4】
【0287】表4の結果から表面層にハロゲン(フッ
素)を含有させることによって良好な結果が得られるこ
とが判明した。
【0288】(実施例5) <光受容部材の製造>図9に記載のVHFプラズマCV
D装置を用いて、上述の実施の形態の光受容部材の製造
方法で記載したように、以下に示した条件により、導電
性基板としての円筒形のアルミニウム基体上に下部阻止
層、光導電層、バッファ層、表面層を順次積層し、光受
容部材5aを完成させた。
【0289】 (1)下部阻止層 ・SiH4 200ml/min ・H2 500ml/min ・B26 300ppm(SiH4) ・パワー 1000W ・内圧 0.8Pa ・基体温度 290℃ ・膜厚 3μm (2)光導電層 ・SiH4 200ml/min ・H2 500ml/min ・パワー 1000W ・内圧 0.8Pa ・基体温度 290℃ ・膜厚 30μm (3)バッファ層 ・SiH4 5ml/min ・CH4 100ml/min ・パワー 1000W ・内圧 0.8Pa ・基体温度 290℃ ・膜厚 0.5μm (4)表面層 ・CH4 100ml/min ・パワー 1800W ・内圧 0.8Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 0.3μm また、光導電層を電荷輸送層と電荷発生層とに機能分離
させ、更に電荷発生層とバッファ層の間、バッファ層と
表面保護層との間にそれぞれ変化層を設けて光導電層と
表面保護層との間の界面を無くした光受容部材5bを作
成した。光受容部材5bにおける積層の順序は、下部阻
止層、電荷輸送層、電荷発生層、変化層(1)、バッフ
ァ層、変化層(2)、表面保護層の順である。
【0290】電荷輸送層 ・SiH4 200ml/min ・H2 500ml/min ・CH4 30ml/min ・B2H6 1.5ppm(SiH4に対して) ・パワー 1000W ・内圧 0.8Pa ・基体温度 290℃ ・膜厚 20μm 電荷発生層 ・SiH4 200ml/min ・H2 500ml/min ・パワー 1000W ・内圧 0.8Pa ・基体温度 290℃ ・膜厚 5μm 変化層(1) ・SiH4 200→5ml/min ・CH4 0→100ml/min ・H2 500→0 ・パワー 1000W ・内圧 0.8Pa ・基体温度 290℃ ・膜厚 0.1μm 変化層(2) ・SiH4 5→0ml/min ・CH4 100ml/min ・パワー 1000→1800W ・内圧 0.8Pa ・基体温度 200℃ ・膜厚 0.05μm この状態で光受容部材5a及びbの基準長さ10μmの
場合の表面粗さRaを測定したところ、70nmであっ
たので、特に表面粗さは調整しなかった。また、鏡面研
磨したSiウェハー上に同様の製造条件で表面層のみを
1μm堆積し、赤外吸収測定用サンプルを作成した。以
上の手順で作成した光受容部材5に実施例1で得られた
ものと同様のトナー(1)を組み合わせ、実施例1と同
様の評価を行った。結果を表5に示す。
【0291】
【表5】
【0292】表5の結果からVHFプラズマCVD法に
よって作成した光受容部材5においても、同様に本発明
の効果が充分に得られることが判明した。
【0293】(実施例6)光受容部材5bと同様の条件
にて、直径30mmの光受容部材6を製造した。
【0294】この光受容部材6をキヤノン製複写機GP
−405改造機に搭載し、光受容部材の移動速度を21
0mm/secにし、トナーとしては実施例1で用いた
トナー(1)を用い、25℃/10%RH環境下で連続
通紙10万枚(A4版)の耐久の画像形成を行い、実施
例1と同様の評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0295】
【表6】
【0296】表6の結果から光受容部材の径を30mm
と小径にした場合においても、長期にわたり良好な画像
形成が可能であることがわかる。
【0297】
【発明の効果】本発明は、結着樹脂、荷電制御剤及びワ
ックスを少なくとも含有し、該トナーの重量平均粒径が
3〜11μm、該結着樹脂のTgが40℃〜80℃、該
ワックスが分子量400〜10000の領域にメインピ
ークを有し、該ワックスが示差熱分析における昇温時の
吸熱ピークを60〜150℃の領域に少なくとも1つ有
する静電荷像現像用トナーと、導電性基体の上にシリコ
ン原子を母体とする非単結晶材料から成る光導電層と、
最外層として、水素量を35〜55原子%、基準長さを
10μmとした場合の表面粗さRaを15〜100nm
とした非単結晶炭素から成る表面層と、を有する光受容
部材を組み合わせることによって、定着器の設定温度を
下げることが出来、これにより低消費電力を達成し、か
つ、どのような環境下においても融着やフィルミングに
よる画像不良が発生せず、長期間に渡る使用において
も、光受容部材に傷や摩耗が発生せず、常に鮮明な画像
が得られる、耐久性に富んだ画像形成方法及び画像形成
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を説明する模式的断面図で
ある。
【図2】本発明における光受容部材の一つの実施形態の
構成を説明するための模式的断面図である。
【図3】本発明における光受容部材の一つの実施形態の
構成を説明するための模式的断面図である。
【図4】本発明における光受容部材の一つの実施形態の
構成を説明するための模式的断面図である。
【図5】本発明における光受容部材の一つの実施形態の
構成を説明するための模式的断面図である。
【図6】本発明における光受容部材の一つの実施形態の
構成を説明するための模式的断面図である。
【図7】本発明における光受容部材の一つの実施形態の
構成を説明するための模式的断面図である。
【図8】本発明における光受容部材を形成するための装
置の一例を示すものであり、RFグロー放電法による製
造装置の模式的説明図である。
【図9】本発明における光受容部材を形成するための装
置の一例を示すものであり、VHFグロー放電法による
量産型の製造装置の模式的説明図である。
【図10】表面層の界面反射制御の一例を説明するため
の図である。
【図11】本発明における光受容部材の一つの実施形態
の構成を説明するための模式的断面図である。
【図12】本発明における光受容部材の一つの実施形態
の構成を説明するための模式的断面図である。
【符号の説明】
101 光受容部材 102 主帯電器 103 静電潜像形成部位 104 現像器 105 転写紙供給系 106(a) 転写帯電器 106(b) 分離帯電器 107 クリーニングローラ 108 搬送系 109 除電光源 110 ハロゲンランプ 111 原稿台 112 原稿 113、114、115、116 ミラー 117 レンズユニット 118 レンズ 119 給紙ガイド 120 ブランク露光LED 121 クリーニングブレード 122 レジストローラ 123 面状内面ヒータ 124 定着器 125 クリーナー 201、301、401、501、601、701 導
電性基体 202、302、402、502、602、702 光
導電層 203、303、403、503、603、703 表
面層 304、504、704 バッファ層 405、505、605、705 下部阻止層 607 電荷発生層 606 電荷輸送層 8100、9100 堆積装置 8111、9111 反応容器 8112、9112 導電性基体 8113、9113 基体加熱用ヒータ 8114 原料ガス導入管 8115、9116 マッチングボックス 8116 原料ガス配管 8117 真空ポンプ 8118 メイン排気バルブ 8119 排気管 8123 反応容器リークバルブ 8124 真空計 8200 原料ガス供給装置 8211〜8216 マスフローコントローラ 8221〜8226 原料ガスボンベ 8231〜8236 原料ガスボンベバルブ 8241〜8246 ガス流入バルブ 8251〜8256 ガス流出バルブ 8261〜8266 圧力調整器 9115 電極 9120 駆動装置 9121 排気管 9130 放電空間
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/087 G03G 9/08 365 9/097 321 9/08 365 344

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電部材に電圧を印加し、光受容部材を
    帯電させる帯電工程と、 帯電された光受容部材に、静電潜像を形成させる静電潜
    像形成工程と、 光受容部材に形成された静電潜像に、トナー担持体上に
    担持された静電潜像現像用トナーを転移させて現像イメ
    ージを光受容部材上に形成させる現像工程と、 光受容部材上に形成された現像イメージを中間体を介し
    て、又は介さずに転写材に静電転写させる転写工程と、 転写材上の現像イメージを固着させる定着工程と、を有
    する画像形成方法であって、 前記光受容部材は、導電性基体と、この導電性基体の上
    に設置された光導電層と、最外層として表面層とを有
    し、 前記表面層は、少なくとも水素原子及び/又はハロゲン
    原子を35〜55原子%含有する非単結晶炭素からな
    り、基準長さを10μmとした場合の表面粗さRaが1
    5〜100nmであり、 前記光導電層は、水素原子及び/又はハロゲン原子を含
    有し、シリコン原子を母体とする非単結晶材料からな
    り、 前記トナーは、結着樹脂、荷電制御剤及びワックスを少
    なくとも含有し、重量平均粒径が3〜11μmであり、 前記結着樹脂のTg(ガラス転移温度)が、40〜80
    ℃であり、 前記ワックスは、分子量400〜10000の領域にメ
    インピークを有し、示差熱分析における昇温時の吸熱ピ
    ークを60〜150℃の領域に少なくとも1つ有するこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記光受容部材は、前記光導電層と前記
    表面層の間にバッファ層が設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記バッファ層は、シリコン原子を母体
    とし、更に炭素原子、窒素原子、酸素原子から選ばれる
    少なくとも1種以上の原子を含有する非単結晶材料で構
    成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形
    成方法。
  4. 【請求項4】 前記表面層の表面粗さが、20〜80n
    mであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一
    項に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記トナーの重量平均粒径が、5〜10
    μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記結着樹脂のTgが、50〜70℃で
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に
    記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記ワックスが、示差熱分析における昇
    温時の吸熱ピークを75〜140℃の領域に少なくとも
    1つ有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記ワックスが、分子量700〜500
    0の領域にメインピークを有することを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記表面層が、水素原子を40〜50原
    子%含有しており、ハロゲン原子を5〜15原子%含有
    していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一
    項に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記表面層が、水素原子を45〜50
    原子%含有しており、ハロゲン原子を5〜10原子%含
    有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記光受容部材が、直径100mm以
    下の感光ドラムであることを特徴とする請求項1乃至1
    0のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記光受容部材が、直径75mm以下
    の感光ドラムであることを特徴とする請求項1乃至10
    のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記光導電層が、電荷発生層と電荷輸
    送層とを有していることを特徴とする請求項1乃至12
    のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記光受容部材の表面層と光導電層と
    の界面組成が連続的に変化しており、 前記界面組成における分光反射率が以下の式を満たし、 前記光受容部材が、直径100mm以下の感光ドラムで
    あることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。 0≦(Max−Min)/(Max+Min)≦0.4 (式中、波長450〜650nmの範囲の光で、反射率
    (%)の最小値をMin、最大値をMaxとする。)
  15. 【請求項15】 前記光受容部材の表面層と光導電層と
    の界面組成が連続的に変化しており、 前記界面組成における分光反射率が以下の式を満たし、 前記光受容部材が、直径75mm以下の感光ドラムであ
    ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に
    記載の画像形成方法。 0≦(Max−Min)/(Max+Min)≦0.4 (式中、波長450〜650nmの範囲の光で、反射率
    (%)の最小値をMin、最大値をMaxとする。)
  16. 【請求項16】 静電潜像を担持するための光受容部材
    と、 帯電部材に電圧を印加し、前記光受容部材を帯電させる
    帯電手段と、 帯電された前記光受容部材に、静電潜像を形成させる静
    電潜像形成手段と、 前記光受容部材に形成された静電潜像に、トナー担持体
    上に担持された静電潜像現像用トナーを転移させて現像
    イメージを光受容部材上に形成させる現像手段と、 前記光受容部材表面に形成された現像イメージを中間体
    を介して、又は介さずに転写材に静電転写する転写手段
    と、 転写材上の現像イメージを固着させる定着手段と、を有
    する画像形成装置であって、 前記光受容部材は、導電性基体と、この導電性基体の上
    に設置された光導電層と、最外層として表面層を有し、 前記表面層は、少なくとも水素原子及び/又はハロゲン
    原子を35〜55原子%含有する非単結晶炭素からな
    り、基準長さを10μmとした場合の表面粗さRaが1
    5〜100nmであり、 前記光導電層は、水素原子及び/又はハロゲン原子を含
    有し、シリコン原子を母体とする非単結晶材料からな
    り、 前記静電潜像現像用トナーは、結着樹脂、荷電制御剤及
    びワックスを少なくとも含有し、重量平均粒径が3〜1
    1μmであり、 前記結着樹脂のTg(ガラス転移温度)が、40〜80
    ℃であり、 前記ワックスが、分子量400〜10000の領域にメ
    インピークを有し、示差熱分析における昇温時の吸熱ピ
    ークを60〜150℃の領域に少なくとも1つ有するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記光受容部材は、前記光導電層と前
    記表面層の間にバッファ層が設けられていることを特徴
    とする請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記バッファ層はシリコン原子を母体
    とし、更に炭素原子、窒素原子、酸素原子から選ばれる
    少なくとも1種以上の原子を含有する非単結晶材料で構
    成されたことを特徴とする請求項17に記載の画像形成
    装置。
  19. 【請求項19】 前記表面層の表面粗さが、20〜80
    nmであることを特徴とする請求項16乃至18のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記静電潜像現像用トナーの重量平均
    粒径が、5〜10μmであることを特徴とする請求項1
    6乃至19のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記結着樹脂のTgが、50〜70℃
    であることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか
    一項に記載の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記ワックスが、示差熱分析における
    昇温時の吸熱ピークを75〜140℃の領域に少なくと
    も1つ有することを特徴とする請求項16乃至21のい
    ずれか一項に記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記ワックスが、分子量700〜50
    00の領域にメインピークを有することを特徴とする請
    求項16乃至22のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
  24. 【請求項24】 前記表面層が、水素原子を40〜50
    原子%含有しており、ハロゲン原子を5〜15原子%含
    有していることを特徴とする請求項16乃至23のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 前記表面層が、水素原子を45〜50
    原子%含有しており、ハロゲン原子を5〜10原子%含
    有していることを特徴とする請求項16乃至23のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  26. 【請求項26】 前記光受容部材が、直径100mm以
    下の感光ドラムであることを特徴とする請求項16乃至
    25のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  27. 【請求項27】 前記光受容部材が、直径75mm以下
    の感光ドラムであることを特徴とする請求項16乃至2
    5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  28. 【請求項28】 前記光導電層が、電荷発生層と電荷輸
    送層とを有していることを特徴とする請求項16乃至2
    7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  29. 【請求項29】 前記光受容部材の表面層と光導電層と
    の界面組成が連続的に変化しており、 前記界面組成における分光反射率が以下の式を満たし、
    前記光受容部材が、直径100mm以下の感光ドラムで
    あることを特徴とする請求項16乃至25のいずれか一
    項に記載の画像形成装置。 0≦(Max−Min)/(Max+Min)≦0.4 (式中、波長450〜650nmの範囲の光で、反射率
    (%)の最小値をMin、最大値をMaxとする。)
  30. 【請求項30】 前記光受容部材の表面層と光導電層と
    の界面組成が連続的に変化しており、 前記界面組成における分光反射率が以下の式を満たし、 前記光受容部材が、直径75mm以下の感光ドラムであ
    ることを特徴とする請求項16乃至25のいずれか一項
    に記載の画像形成装置。 0≦(Max−Min)/(Max+Min)≦0.4 (式中、波長450〜650nmの範囲の光で、反射率
    (%)の最小値をMin、最大値をMaxとする。)
  31. 【請求項31】 帯電部材に電圧を印加し、光受容部材
    を帯電させる帯電工程と、 帯電された光受容部材に、静電潜像を形成させる静電潜
    像形成工程と、 光受容部材に形成された静電潜像に、トナー担持体上に
    担持された静電潜像現像用トナーを転移させて現像イメ
    ージを光受容部材上に形成させる現像工程と、 光受容部材上に形成された現像イメージを中間体を介し
    て、又は介さずに転写材に静電転写させる転写工程と、 転写材上の現像イメージを固着させる定着工程と、を有
    する画像形成方法に用いられる静電荷像現像用トナーで
    あって、 前記光受容部材は、導電性基体と、この導電性基体の上
    に設置された光導電層と、最外層として表面層とを有
    し、 前記表面層は、少なくとも水素原子及び/又はハロゲン
    原子を35〜55原子%含有する非単結晶炭素からな
    り、基準長さを10μmとした場合の表面粗さRaが1
    5〜100nmであり、 前記光導電層は、水素原子及び/又はハロゲン原子を含
    有し、シリコン原子を母体とする非単結晶材料からな
    り、 前記トナーは、結着樹脂、荷電制御剤及びワックスを少
    なくとも含有し、重量平均粒径が3〜11μmであり、 前記結着樹脂のTg(ガラス転移温度)が、40〜80
    ℃であり、 前記ワックスが、分子量400〜10000の領域にメ
    インピークを有し、示差熱分析における昇温時の吸熱ピ
    ークを60〜150℃の領域に少なくとも1つ有するこ
    とを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  32. 【請求項32】 前記静電潜像現像用トナーの重量平均
    粒径が、5〜10μmであることを特徴とする請求項3
    1に記載の静電潜像現像用トナー。
  33. 【請求項33】 前記結着樹脂のTgが、50〜70℃
    であることを特徴とする請求項31又は32に記載の静
    電潜像現像用トナー。
  34. 【請求項34】 前記ワックスが、示差熱分析における
    昇温時の吸熱ピークを75〜140℃の領域に少なくと
    も1つ有することを特徴とする請求項31乃至33のい
    ずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
  35. 【請求項35】 前記ワックスが、分子量700〜50
    00の領域にメインピークを有することを特徴とする請
    求項31乃至34のいずれか一項に記載の静電潜像現像
    用トナー。
  36. 【請求項36】 前記光受容部材の表面層と光導電層と
    の界面組成が連続的に変化しており、 前記界面組成における分光反射率が以下の式を満たし、 前記光受容部材が、直径100mm以下の感光ドラムで
    あることを特徴とする請求項31乃至35のいずれか一
    項に記載の静電荷像現像用トナー。 0≦(Max−Min)/(Max+Min)≦0.4 (式中、波長450〜650nmの範囲の光で、反射率
    (%)の最小値をMin、最大値をMaxとする。)
  37. 【請求項37】 前記光受容部材の表面層と光導電層と
    の界面組成が連続的に変化しており、 前記界面組成における分光反射率が以下の式を満たし、 前記光受容部材が、直径75mm以下の感光ドラムであ
    ることを特徴とする請求項31乃至35のいずれか一項
    に記載の静電荷像現像用トナー。 0≦(Max−Min)/(Max+Min)≦0.4 (式中、波長450〜650nmの範囲の光で、反射率
    (%)の最小値をMin、最大値をMaxとする。)
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