JP2001330074A - 液圧緩衝器 - Google Patents

液圧緩衝器

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JP2001330074A
JP2001330074A JP2000273402A JP2000273402A JP2001330074A JP 2001330074 A JP2001330074 A JP 2001330074A JP 2000273402 A JP2000273402 A JP 2000273402A JP 2000273402 A JP2000273402 A JP 2000273402A JP 2001330074 A JP2001330074 A JP 2001330074A
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hydraulic shock
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裕之 山口
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
    • F16F9/32Details
    • F16F9/36Special sealings, including sealings or guides for piston-rods
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16F9/36Special sealings, including sealings or guides for piston-rods
    • F16F9/362Combination of sealing and guide arrangements for piston rods
    • F16F9/363Combination of sealing and guide arrangements for piston rods the guide being mounted between the piston and the sealing, enabling lubrication of the guide

Abstract

(57)【要約】 【課題】液圧緩衝器にフリクション付与機能を発揮させ
ることにより、高周波振動を含む広範な振動を有効に低
減して車両の乗り心地を向上させることができる液圧緩
衝器の提供。 【解決手段】シール部材4のシールリップ22によって
画成されたシリンダ2内の位置でシリンダ2側に固設さ
れると共に、ピストンロッド5に弾接してシールリップ
22部よりも大きい摩擦力を発生する摩擦部材25が設
けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、車両用懸架装置
に適用される液圧緩衝器に関し、特に、車両の乗り心地
を改善するために、シリンダに対するピストンの運動に
フリクションを与える機能を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来のこの種の液圧緩衝器としては、
例えば、特開平10−141415号公報に記載のもの
が知られている。この従来例の液圧緩衝器は、ガイドブ
ッシュとピストンロッドとの間に1箇所が切断された環
状のブッシュを設け、このブッシュの外周側にコイルス
プリングを配置してブッシュの内周面をピストンロッド
に押圧し、これにより、ピストンロッドの微低速の運動
にフリクションを与えるように構成されたものであっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前記
従来例の液圧緩衝器にあっては、以下に述べるような問
題点がある。即ち、従来例にあっては、上述のように、
前記ピストンロッドの微低速の運動にフリクションを得
ることを主目的とするものであるため、ブッシュは、ロ
ットガイドに形成された凹部内に収容され、この凹部を
覆う抜け止め部材によって軸方向の抜け止めがなされて
いるが、この凹部内において軸方向に隙間を持って収容
されることにより、隙間の分だけロットガイドに対し軸
方向移動可能に設けられている。従って、前記ピストン
ロッドの大振幅の運動に対してはブッシュによるフリク
ションが有効に作用するが、微振幅の運動(高周波振
動)に対しては、ブッシュがピストンロッドに摩擦接触
したままピストンロッドと共に隙間の範囲を軸方向移動
するため、有効なフリクションが得られない。ところ
が、前記ピストンロッドの微振幅の運動、例えば、振幅
が±0.5mm以下で周波数が15Hz以上の高周波振
動の制御は、車両の乗り心地を決定する要因の1つであ
るため、微低速・大振幅の低周波振動の低減はもとよ
り、高周波振動を同時に低減させることが求められてい
るが、従来例では、この高周波振動を同時に低減させる
ことはできない。
【0004】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、液圧緩衝器にフリクション付与機能を
発揮させることにより、高周波振動を含む広範な振動を
有効に低減して車両の乗り心地を向上させることができ
る液圧緩衝器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ために、本発明請求項1記載の液圧緩衝器は、作動液体
が充填されたシリンダと、該シリンダの内面側にピスト
ンリングを介して摺接するピストンと、該ピストンが一
端に固着され他端が前記シリンダ側に設けられたガイド
ブッシュに摺動支持されて前記シリンダ外方に延在する
ピストンロッドと、該ピストンロッドと前記ガイドブッ
シュよりも外側で摺接して前記作動液体の前記シリンダ
外への漏洩を防止するシールリップを有するシール部材
と、を備えた液圧緩衝器において、前記シールリップに
よって画成された前記シリンダ内の位置に、該シリンダ
側または前記ピストンロッド側の一方に固設されると共
に、他方に摺接して前記シールリップ部よりも大きいフ
リクションを発生する摩擦部材が設けられている手段と
した。
【0006】請求項2記載の液圧緩衝器は、請求項1記
載の液圧緩衝器において、前記摩擦部材が、前記ピスト
ンもしくは該ピストンの近傍に設けられていて該ピスト
ンとシリンダとの間を摺動シールするピストンリングよ
りは大きいフリクションを発生するように構成されてい
る手段とした。
【0007】請求項3記載の液圧緩衝器は、請求項1記
載の液圧緩衝器において、前記摩擦部材が、前記ガイド
ブッシュ近傍のシリンダ側に設けられていて前記ガイド
ブッシュよりは大きいフリクションを発生するように構
成されている手段とした。
【0008】請求項4記載の液圧緩衝器は、請求項1記
載の液圧緩衝器において、前記摩擦部材が、前記ガイド
ブッシュの全部もしくは一部で構成されている手段とし
た。
【0009】請求項5記載の液圧緩衝器は、請求項1記
載の液圧緩衝器において、前記摩擦部材が、前記シール
リップに連設して前記シール部材と一体に設けられてい
る手段とした。
【0010】請求項6記載の液圧緩衝器は、請求項1〜
5のいずれかに記載の液圧緩衝器において、前記摩擦部
材の軸方向両側に作用する圧力を均等にするための連通
路が設けられている手段とした。
【0011】請求項7記載の液圧緩衝器は、請求項1〜
6のいずれかに記載の液圧緩衝器において、前記シリン
ダ側または前記ピストンロッド側の一方に固設されると
共に他方に摺接する摩擦部材が、該他方に常時摺接する
方向に弾性反発力によって前記摩擦部材を径方向に付勢
する弾性部材で構成されている手段とした。
【0012】請求項8記載の液圧緩衝器は、請求項1〜
6のいずれかに記載の液圧緩衝器において、前記シリン
ダ側または前記ピストンロッド側の一方に固設されると
共に他方に摺接する摩擦部材を、該他方に常時摺接する
方向に弾性反発力によって径方向に付勢する弾性部材を
備えている手段とした。
【0013】請求項9記載の液圧緩衝器は、請求項7ま
たは8に記載の液圧緩衝器において、前記弾性部材が、
その径方向に弾性を有すると共に軸方向に粘弾性を有し
ている手段とした。
【0014】請求項10記載の液圧緩衝器は、請求項1
〜9のいずれかに記載の液圧緩衝器において、前記摩擦
部材で発生する軸方向の動ばね定数が、少なくとも前記
ピストンロッドの軸方向作動振幅が±0.1mm以下の
時は50N/mm以上でピストンロッドの軸方向作動振
幅が±0.5mm以上の時は50N/mm未満となるよ
うに前記ピストンロッドの軸方向作動振幅に応じて変化
するように構成されている手段とした。
【0015】
【作用】 この発明請求項1記載の液圧緩衝器では、上
述のように構成されるため、例えば、シリンダの封止端
側がばね下側(車輪側)に固定され、ピストンロッドの
突出端側がばね上側(車体側)に取り付けられる。そし
て、シリンダとピストンが相対移動すると、シリンダ側
またはピストンロッド側の一方に固設された摩擦部材
が、他方に摺接して摺動することにより、シールリップ
部よりも大きいフリクションによるフリクション機能が
発揮される。
【0016】また、この摩擦部材によるフリクション機
能は、シリンダに対するピストンの微低速・大振幅の低
周波振動に対して当然に作用して振動を減衰させると共
に、摩擦部材がシリンダ側またはピストンロッド側の一
方に固設されることにより、ピストンの微振幅の高周波
振動に対しても有効に作用して振動を減衰させる。従っ
て、液圧緩衝器にフリクション付与機能を発揮させるこ
とにより、高周波振動を含む広範な振動を有効に低減し
て車両の乗り心地を向上させることができるようにな
る。
【0017】また、摩擦部材において、シールリップ部
よりも大きいフリクションを発生するようにしたことに
より、シールリップ部のフリクションの影響を受けない
フリクションを得ることができると共に、シールリップ
の摩耗を可及的に抑制することができる。 なお、前記
ピストンロッドの運動速度に対する摩擦部材によるフリ
クションの発生時期の制御や、フリクションの大きさの
制御は、摩擦部材の剛性、即ち、材料および形状等を選
択することにより、可能である。
【0018】請求項2記載の液圧緩衝器では、上述のよ
うに、前記摩擦部材が、前記ピストンもしくは該ピスト
ンの近傍に設けられていて該ピストンとシリンダとの間
を摺動シールするピストンリングよりは大きいフリクシ
ョンを発生するように構成されることにより、ピストン
リングのフリクションの影響を受けないフリクションを
得ることができると共に、ピストンリングの摩耗を可及
的に抑制することができる。
【0019】請求項3記載の液圧緩衝器は、上述のよう
に、前記摩擦部材が、前記ガイドブッシュ近傍のシリン
ダ側に設けられていて前記ガイドブッシュよりは大きい
フリクションを発生するように構成されることにより、
ガイドブッシュのフリクションの影響を受けないフリク
ションを得ることができると共に、ガイドブッシュの摩
耗を可及的に抑制することができる。
【0020】請求項4記載の液圧緩衝器は、上述のよう
に、前記摩擦部材が、前記ガイドブッシュの全部もしく
は一部で構成されることにより、部品点数の削減による
コストダウンおよびスペースの有効利用が可能となる。
【0021】請求項5記載の液圧緩衝器は、上述のよう
に、前記摩擦部材が、前記シールリップに連設して前記
シール部材と一体に設けられることで、部品点数の削減
によるコストダウンおよびスペースの有効利用が可能と
なる。
【0022】請求項6記載の液圧緩衝器は、上述のよう
に、前記摩擦部材の軸方向両側に作用する圧力を均等に
するための連通路が設けられることで、実質的に摩擦部
材は圧力変化の影響を受けることがなく、これにより、
安定したフリクションを発揮させることができる。
【0023】請求項7記載の液圧緩衝器は、上述のよう
に、前記シリンダ側または前記ピストンロッド側の一方
に固設されると共に他方に摺接する摩擦部材が、該他方
に常時摺接する方向に弾性反発力によって前記摩擦部材
を径方向に付勢する弾性部材で構成されることで、長期
にわたり安定したフリクションを発揮させることができ
る。
【0024】請求項8記載の液圧緩衝器は、上述のよう
に、前記シリンダ側または前記ピストンロッド側の一方
に固設されると共に他方に摺接する摩擦部材を、該他方
に常時摺接する方向に弾性反発力によって径方向に付勢
する弾性部材を備えることで、前記請求項7と同様に、
長期にわたり安定したフリクションを発揮させることが
できる。
【0025】請求項9記載の液圧緩衝器は、上述のよう
に、前記弾性部材が、その径方向に弾性を有すると共に
軸方向に粘弾性を有する構成とすることで、前記請求項
7、8と同様に、長期にわたり安定したフリクションを
発揮させることができると共に、特に、軸方向の粘弾性
に基づいて、摩擦部材が軸方向に弾性変形することによ
り、シリンダに対する各弾接面の弾接状態を維持させる
ように作用し、これにより、ピストンの運動速度に対し
フリクションの発生を若干遅らせることになり、従っ
て、特に、ピストンの運動方向が切り替わる時(運動速
度が零になる時)に動摩擦よりも静摩擦が大きくなるこ
とによりフリクションの絶対値が増加し、即ち、摩擦部
材の弾性反発力によって液圧緩衝器の動ばね定数が高く
なり、ピストンの微振幅の高周波振動を減衰するように
作用する。従って、高周波振動を含む広範な振動を有効
に低減して車両の乗り心地を向上させることができるよ
うになる。
【0026】請求項10記載の液圧緩衝器は、上述のよ
うに、前記摩擦部材で発生する軸方向の動ばね定数が、
少なくとも前記ピストンロッドの軸方向作動振幅が±
0.1mm以下の時は50N/mm以上でピストンロッ
ドの軸方向作動振幅が±0.5mm以上の時は50N/
mm未満となるように前記ピストンロッドの軸方向作動
振幅に応じて変化するように構成されることで、低周波
振動および高周波振動を共により効果的に低減させるこ
とができる。
【0027】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明の実施の形態を
図面に基づいて説明する。 (発明の実施の形態1)まず、本発明の実施の形態の構
成を図1に基づいて説明する。
【0028】図1は、発明の実施の形態1の液圧緩衝器
1を示す要部の拡大断面図であり、この図に示すよう
に、この液圧緩衝器1は、ツインチューブ式のダンパで
あり、シリンダ2と、該シリンダ2内に摺動自在に挿入
されていて上部室Aと下部室Bとの間を画成するピスト
ン8と、該ピストン8の外周に設けられていてシリンダ
2との間を摺動自在にシールするピストンリング6と、
シリンダ2の外周にリザーバ室Cを形成する外筒13
と、ピストン8に連結されたピストンロッド5の軸方向
移動をシリンダ2の上端部においてガイドするロッドガ
イド3と、該ロッドガイド3の上部で外筒13の上端部
に設けられていてピストンロッド5の摺動部をシールす
るシール部材4と、前記ピストン8に設けられた減衰力
弁9、9と、前記ロッドガイド3とシール部材4との間
においてシリンダ2側に設けられた摩擦部材25と、を
備えている。なお、前記リザーバ室C内には作動油を加
圧する窒素ガス等の加圧気体が封入され、また、前記リ
ザーバ室C内は、その底部に設けられたベース(図示せ
ず)においてシリンダ2の下部室Bと連通されている。
【0029】さらに詳述すると、前記ピストン8および
減衰力弁9は、ワッシャ10、10および補助板11に
よって軸方向両側から挟まれた状態で、ナット12によ
ってピストンロッド5に締結固定されている。
【0030】前記減衰力弁9、9は、ピストン8で画成
された上部室Aと下部室Bとの間を連通する圧側連通路
9aおよび伸側連通路9bを上部室Aまたは下部室B側
からそれぞれ閉塞していて、作動油の流通をそれぞれ1
方向にのみ制限的に許容することにより、圧行程時およ
び伸行程時にそれぞれ減衰力を発生させる。
【0031】前記ロッドガイド3は、この発明の実施の
形態1において薄鋼板材料からプレス成形されてなり、
外周が外筒13の内周に接する大径部15と、この大径
部15から垂下してシリンダ2内に挿入される小径部1
6とを備えると共に、小径部16の下端から折り返され
た内径部17を備えている。そして、前記大径部15の
外周の一部には切欠き18が形成されている。また、前
記内径部17の内周にはピストンロッド5の抜き差し動
作を案内するガイドブッシュ19が設けられている。
【0032】前記シール部材4は、金属環21の内周側
に加硫接着されたゴム材料からなるシールリップ22を
備えており、このシールリップ22が所定のフリクショ
ンでピストンロッド5の外周面に接し、金属環21が後
述する摩擦部材25上に載置されて、その外周が外筒1
3の端部23を折り曲げることによって固定されてい
る。また、前記シール部材4とロッドガイド3との間に
は保油室24が形成されるようになっている。
【0033】前記シール部材4よりもシリンダ2に近い
側に、即ち、この発明の実施の形態1においては、シー
ル部材4とロッドガイド3との間に、ピストンロッド5
の抜き差し動作にフリクションを与える摩擦部材25が
設けられている。この摩擦部材26は、フッ素系ゴム材
料、ニトリルゴム材料等の弾性ゴム材料から形成されて
いて、この発明の実施の形態1においては、ピストンロ
ッド5の外周面に接する摩擦体26とこの摩擦体26を
軸方向両側に作用する圧力を均等にするために設けられ
た連通路27とを備えている。
【0034】前記摩擦部材25は、その摩擦体26の内
周面をピストンロッド5の外周面に弾接させることによ
りピストンロッド5の摺動に所定のフリクションを与え
てシリンダ2とピストンロッド5の相対振動を減衰させ
車両の乗り心地を向上させる役目をなすものであって、
この発明の実施の形態1では、前記摩擦体26が金属環
28の内周に設けられており、この摩擦体26がピスト
ンロッド5の外周面に弾接し、金属環28がロッドガイ
ド3の大径部15とシール部材4の金属環21との間に
挟接されている。また、前記摩擦体26は金属環28の
内周に加硫接着され、この発明の実施の形態1において
は、シール部材4から遠い側に配置され、前記連通路2
7は摩擦体26および金属環28を貫通して軸方向に形
成されている。
【0035】前記摩擦部材25の動ばね定数、具体的に
は摩擦部材25における摩擦体26の動ばね定数は、前
記シールリップ22で発生するフリクションより大きく
なるように構成されている。また、前記摩擦部材25で
発生する動ばね定数が、少なくともピストンロッド5の
軸方向作動振幅が±0.1mm以下の時は50N/mm
以上(望ましくは200N/mm以上)でピストン8の
軸方向作動振幅が±0.5mm以上の時は50N/mm
未満(望ましくは40N/mm未満)となるようにピス
トン8の軸方向作動振幅に応じて変化するように設定さ
れている。
【0036】また、前記摩擦部材25の金属環28に
は、その外周およびシール部材4の上面に連続する連通
路29が形成され、この連通路29は、ロッドガイド3
の大径部15に形成した切欠き18に整合して、リザー
バ室14と保油室24内部とを連通可能としている。
【0037】前記シール部材4と摩擦部材25との間に
は、保油室24からリザーバ室14への作動油の流通を
許容し、逆方向の流通を阻止する一方弁31が設けられ
ている。この一方弁31は、この発明の実施の形態1に
おいては、シール部材4に付属して形成され、そのリッ
プ部32が摩擦部材25の金属環28に接した状態とな
っている。
【0038】次に、この発明の実施の形態1の作用・効
果を説明する。この発明の実施の形態1の液圧緩衝器1
は、この液圧緩衝器1が自動車の懸架装置に使用される
場合には、シリンダ2の封止端側が外筒13に取り付け
たブラケット(図示せず)を介してばね下側(車輪側)
に固定され、ピストンロッド5の突出端部がばね上側
(車体側)に取り付けられる。
【0039】この状態で、前記液圧緩衝器1は、ピスト
ンロッド5の抜き差し動作に伴ってシリンダ2内に位置
するピストン8が往復動して、このピストン8に設けた
減衰弁9、9の作用により、路面からの振動を吸収減衰
する。
【0040】前記ピストンロッド5の抜き差し動作に伴
うシリンダ2内の容積変動は、このシリンダ2内と図外
のベース部分で連通するリザーバ室C内の作動油で補償
される。また、前記シリンダ2内の作動油の一部は、ガ
イドブッシュ19を潤滑した後、保油室24内に導か
れ、摩擦部材25の摩擦体26およびシール部材4のシ
ールリップ22の潤滑に供される。その後、前記保油室
24内の作動油は、一方弁31および連通路29を介し
てリザーバ室C内に還流される。
【0041】また、この発明の実施の形態1の液圧緩衝
器1では、上述のように構成されるため、シリンダ2と
ピストンロッド5が相対移動すると、ピストンロッド5
の外周面に弾接して摺動する摩擦部材25における摩擦
体26の外周面がピストンロッド5の外周面に所定の圧
力で弾接して摺動することにより、フリクション機能が
発揮される。
【0042】なお、前記摩擦部材25で発生するフリク
ションは、シール部材4のシールリップ22で発生する
フリクションより大きくなるように構成されることで、
該シールリップ22で発生するフリクションによる影響
を少なくし、かつ、シールリップ22の摩耗を可及的に
抑制することができるようになる。
【0043】そして、この摩擦部材25における摩擦体
26によるフリクション機能は、シリンダ2に対するピ
ストンロッド5の微低速・大振幅の低周波振動に対して
当然に作用して振動を減衰させると共に、ピストンロッ
ド5の微振幅の高周波振動に対しては、弾性ゴム材料か
らなる摩擦体26が径方向に弾性変形することにより、
ピストンロッド5に対する各弾接面の弾接状態を維持さ
せ、これにより、長期にわたり安定したフリクション機
能を発揮させるように作用する。また、弾性ゴム材料か
らなる摩擦体26が軸方向に粘弾性変形するもので、こ
れにより、ピストンロッド5の運動速度に対しフリクシ
ョンの発生を若干遅らせることになる。従って、特に、
シリンダ2に対するピストンロッド5の運動方向が切り
替わる時(運動速度が零になる時)に動摩擦よりも静止
摩擦が大きくなることによりフリクションの絶対値が増
加し、即ち、摩擦部材の軸方向粘弾性力によって液圧緩
衝器の動ばね定数が高くなり、シリンダ2に対するピス
トンロッド5の微振幅の高周波振動を減衰するように作
用する。
【0044】なお、前記ピストンロッド5の運動速度に
対する摩擦部材25の摩擦体26によるフリクションの
発生時期の制御や、フリクションの大きさの制御は、摩
擦体26の剛性、即ち、材料および形状等を選択するこ
とにより可能である。
【0045】また、前記ピストンロッド5が抜き差し動
作する時、このピストンロッド5の侵入体積に応じてシ
リンダ2内の圧力が変化し、この圧力変化が摩擦部材2
5に作用することが考えられるけれども、この発明の実
施の形態1にあっては、摩擦部材25に、摩擦体26の
軸方向両側に作用する圧力を均等にするための連通路2
7が形成されているため、実質的に摩擦部材25は圧力
変化の影響を受けることがなく、安定したフリクション
を発生させることができる。従って、高周波振動を含む
広範な振動を有効に低減させることができるようにな
る。
【0046】さらに具体的には、前記摩擦部材25で発
生する動ばね定数が、少なくともピストン8(ピストン
ロッド5)の軸方向作動振幅が±0.1mm以下の時は
50N/mm以上(望ましくは200N/mm以上)で
ピストン8の軸方向作動振幅が±0.5mm以上の時は
50N/mm未満(望ましくは40N/mm未満)とな
るようにピストン8の軸方向作動振幅に応じて変化する
ように設定することにより、低周波振動および高周波振
動を共により効果的に低減させることができるようにな
る。そこで、以上のように車両の乗り心地を向上するた
めに数値限定された動ばね定数の根拠を、以下詳細に説
明する。
【0047】即ち、高級車に求められる乗り心地性能向
上要素の1つとして、高周波振動の低減が挙げられる。
この高周波振動領域を液圧緩衝器1の作動領域で示す
と、図2(実走行時におけるダンパストローク(振幅)
と周波数と加速度との関係を示す図)に示す「ビリ、ス
ッキリ、ザワツキ感」の周波数領域に相当し、液圧緩衝
器の作動としては、微振幅・高周波(微低速)であるこ
とがわかる。
【0048】また、図3は、台上で差異が明確化したロ
ッド加速度共振成分(100Hz)が、実車の乗り心地
へ与える影響を検証した結果、即ち、低剛性のノーマル
インシュレータを用いた場合(点線)と高剛性のピロー
ボールマウントを用いた場合(実線)の各周波数に対す
る運転席シート座面の上下加速度スペクトルレベルを示
す図であり、この図に示すように、「ゴツゴツ感」の周
波数帯である15〜40Hzの低周波領域では、ノーマ
ルインシュレータを用いた場合よりも高剛性のピローボ
ールマウントを用いた場合の方が少し上下加速度レベル
が高くなるが、「ビリ、スッキリ、ザワツキ感」の周波
数帯である50〜200Hzの高周波領域になると、ノ
ーマルインシュレータを用いた場合よりも高剛性のピロ
ーボールマウントを用いた場合の方が上下加速度レベル
が大幅に低くなっており、マウント剛性による加速度レ
ベルの周波数特性の差が顕著に現れている。
【0049】即ち、ピローボールマウントはノーマルイ
ンシュレータと比較してピストンロッド5の軸方向支持
剛性が非常に高く、ロッド加速度が殆ど発生しないこと
から、50〜200Hz付近の高周波領域の振動伝達を
大幅に低減していることがわかる。この車両の試乗結果
においても上記データの差異は明確に体感することがで
き、ピローボールマウントの場合は、「ゴツゴツ感」は
少し悪化するものの、高周波振動のレベルは低く、「ビ
リ、ザワツキ感」が大幅に改善され、非常にスッキリし
た乗り心地となっている。
【0050】従って、この発明の実施の形態1における
ように、液圧緩衝器1にフリクション機能を付加してロ
ッド加速度の高周波成分を低減させることは、ピローボ
ールマウントを用いた場合と同様に、車両における、
「ビリ、ザワツキ感」および「ロードノイズ」低減に大
きな効果が得られるものと考えられる。
【0051】さらに、液圧緩衝器1にフリクション機能
を付加する場合は、ピローボールマウントを用いた場合
とは異なり、ノーマルインシュレータによる15〜40
Hz付近の低周波加速度レベル低減効果と、ピローボー
ルマウントによる50〜200Hz付近の高周波加速度
レベル低減効果とを併せ持つことになり、これにより、
広域周波数帯でシート上下加速度レベルが低減され、実
車乗り心地の向上効果が得られるものと考えられる。
【0052】以上のことを踏まえ、ロッド加速度低減効
果の標準例として従来の標準ダンパと、この従来の標準
ダンパに比べシール部材におけるシールリップの緊迫力
を上げることによって、フリクション値を高めることに
より、ロッド加速度低減効果を高く設定した液圧緩衝器
(ロッド加速度低減ダンパ)について、微振幅・高周波
加振(0.01m/s・20Hz(±0.08mm))
時のロッド加速度測定結果を図4に示す。まず、ロッド
加速度低減ダンパは、図4(イ)に示すように、ロッド
加速度の高周波振動の減衰性が高くなっている。このロ
ッド加速度の高周波振動成分は、液圧緩衝器の行程切り
替わり直後に発生するが、ロッド加速度低減ダンパは、
ダンパ速度に対する伝達力(フリクション)の位相遅れ
が大きくその絶対値(P−P値)も大きいため、液圧緩
衝器の行程切り替わり時に発生している伝達力(フリク
ション)が大きくなっており、この大きな伝達力によ
り、ロッド加速度の高周波振動を制振していることがわ
かる。逆に、従来の標準ダンパは、図4(ロ)に示すよ
うに、ダンパ速度に対する伝達力の位相遅れが小さくそ
の絶対値(P−P値)も小さいため、液圧緩衝器の行程
切り替わり時に発生している伝達力(フリクション)も
小さくなっており、このため、ロッド加速度の高周波振
動を制振する力が弱いことがわかる。
【0053】次に、以上のように、微振幅・高周波加振
時に大きな伝達力と、位相遅れが発生している原因を確
認するため、ダンパストロークに対するフリクション特
性を測定した結果を図5に示す。この図に示すように、
ロッド加速度低減ダンパは、従来の標準ダンパと比較し
て、フリクションが高く、微振幅になるにつれて動ばね
定数が高くなっていることがわかる。つまり、フリクシ
ョンが高いということは、微振幅・高周波振動入力時の
減衰力が高く、また、動ばね定数が高いということは、
ダンパ速度に対して位相遅れが大きいことを意味する。
以上のことから、液圧緩衝器が発生するフリクションを
高くし、微振幅・高周波振動入力時の動ばね定数を高く
することにより、高周波振動の低減を図ることができる
ことがわかる。
【0054】ここで、フリクション特性(フリクション
および動ばね定数)の最適値を決定するために、図6に
示すように、ロッド加速度低減ダンパ装備車両につい
て、ダンパストロークに対する動ばね定数の実力値レン
ジを測定し、この測定結果に基づいて、動ばね定数の目
標値を200〜450N/mmと決定した。そして、こ
の目標値に基づき、前述のように、摩擦部材25で発生
する動ばね定数が、少なくともピストン8の軸方向作動
振幅が±0.1mm以下の時は50N/mm以上(望ま
しくは200N/mm以上)でピストン8の軸方向作動
振幅が±0.5mm以上の時は50N/mm未満(望ま
しくは40N/mm未満)となるようにピストン8の軸
方向作動振幅に応じて変化するように設定した。
【0055】以上詳細に説明してきたように、この発明
の実施の形態1の液圧緩衝器1にあっては、上述のよう
に、液圧緩衝器1にフリクション付与機能を発揮させる
ことにより、高周波振動を含む広範な振動を有効に低減
して車両の乗り心地を向上させることができるようにな
るという効果が得られる。
【0056】なお、本発明の実施の形態1の液圧緩衝器
1は、ロッド加速度低減ダンパ装備車両に比べると、以
下に述べるような効果が得られる。即ち、図7は液圧緩
衝器の作動サイクル数に対するフリクション値の変化特
性図、図8は液圧緩衝器の作動サイクル数に対する動ば
ね定数の変化特性図であり、両図に示すように、ロッド
加速度低減ダンパ装備車両の場合は、点線で示すよう
に、フリクション値および動ばね定数が共に高い値を示
しているが、液圧緩衝器の作動サイクルが1500(×
103 )を越える当たりからその値が共に急激に低下す
るのに対し、本発明の実施の形態1の液圧緩衝器1にあ
っては、実線で示すように、液圧緩衝器の作動サイクル
数が1500(×103 )を越えてもフリクション値お
よび動ばね定数がいずれも高い値に維持されている。
【0057】これは、前記ロッド加速度低減ダンパ装備
車両の場合は、シール部材におけるシールリップの緊迫
力を上げることによって、フリクション値を上げている
ため、フリクション特性の設定がオイルシール性能に影
響を与えると共に、フリクション発生部の潤滑性が悪
く、従って、フリクション特性の自由度が低く、フリク
ション特性の安定性が低くなると共に、フリクション特
性の耐久劣化が大きくなる。
【0058】これに対し、本発明の実施の形態1の液圧
緩衝器1にあっては、シール部材4におけるシールリッ
プ22とは別に、シリンダ2の内部に摩擦部材25を設
けた構造とすることにより、オイルシール性に影響を与
えることなく、潤滑油(作動油)によってフリクション
値の安定性が優れ、従って、フリクション特性の自由度
が高く、フリクション特性の安定性に優れると共に、フ
リクション特性の耐久劣化が非常に小さくなり、即ち、
効果の持続性に優れる。
【0059】以上のように、本発明の実施の形態1の液
圧緩衝器1にあっては、ロッド加速度低減ダンパ装備車
両に比べ、フリクション値および動ばね定数の持続性
(耐久性)に優れるものであり、従って、長期にわたり
車両の乗り心地を確保することができるようになるとい
う効果が得られる。
【0060】次に、発明の他の実施の形態を説明する。
なお、この他の発明の実施の形態の説明に当たっては、
前記発明の実施の形態1と同様の構成部分は図示および
その説明を省略し、もしくは同一の符号を付してその説
明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0061】(発明の実施の形態2)この発明の実施の
形態2の液圧緩衝器1は、図9にその要部拡大断面図を
示すように、摩擦部材25の摩擦体26が金属環28の
内周側に設けてある点は、前記図1に示す発明の実施の
形態1と同様であるが、この摩擦体26がシール部材4
に近い側に配置されている点で相違したものである。
【0062】(発明の実施の形態3)この発明の実施の
形態3の液圧緩衝器1は、図10にその要部拡大断面図
を示すように、ロッドガイド3が機械加工、焼結金属等
によって形成されると共に、摩擦部材25がロッドガイ
ド3の内周側に配置され、連通路27が摩擦部材25の
金属環28とロッドガイド3との間に形成されている。
【0063】(発明の実施の形態4、5)この発明の実
施の形態4、5の液圧緩衝器1は、図11、12にその
要部拡大断面図をそれぞれ示すように、ロッドガイド3
が機械加工、焼結金属等によって形成されると共に、摩
擦部材25がロッドガイド3の内周側に配置され、連通
路27が摩擦部材25の金属環28とロッドガイド3と
の間に形成されている。また、前記摩擦部材25に付属
して保油室24からリザーバ室Cへのみ作動油の流通を
許容する一方弁31が設けられ、この一方弁31は、図
11に示す発明の実施の形態5においては、摩擦部材2
5の下端部に設けられ、図12に示す発明の実施の形態
6においては、摩擦部材25の外周側に設けられてい
る。
【0064】(発明の実施の形態6)この発明の実施の
形態6の液圧緩衝器1は、図13にその要部拡大断面図
を示すように、ロッドガイド3が機械加工、焼結金属等
によって形成されると共に、摩擦部材25がロッドガイ
ド3よりもシリンダ2の内側(下部)で、ロッドガイド
3とシリンダ2との間に配置されている点で相違したも
のである。即ち、前記摩擦部材25の金属環28がロッ
ドガイド3の小径部16に装着され、シリンダ2が摩擦
部材25の金属環28に装着されている。
【0065】(発明の実施の形態7)この発明の実施の
形態7の液圧緩衝器1は、図14にその要部拡大断面図
を示すように、ロッドガイド3が機械加工、焼結金属等
によって形成されると共に、摩擦部材25がロッドガイ
ド3の内周側に配置されている。そして、前記摩擦部材
25が、図15の斜視図に示すように、ロッドガイド3
に装着される外環30と、ピストンロッド5の外周面に
当接する樹脂製の摩擦体26と、該摩擦体26と外環3
0との間に介装された弾性ゴム材料よりなる弾性環33
との3層一体構造に形成されると共に、前記摩擦体26
の内面側には周方向等間隔のもとに複数の連通路27が
形成されている。即ち、この発明の実施の形態7におい
ても、前記弾性環33の径方向弾性と軸方向粘弾性によ
り、前記発明の実施の形態1と同様の作用・効果が得ら
れる。
【0066】(発明の実施の形態8)この発明の実施の
形態8の液圧緩衝器1は、図16にその要部拡大断面
図、図17に斜視図を示すように、前記発明の実施の形
態7とほぼ同様であるが、連通路27が、摩擦体26に
軸方向に形成された切欠部で構成されている点で相違し
たものである。
【0067】(発明の実施の形態9)この発明の実施の
形態9の液圧緩衝器1は、図18にその要部拡大断面図
を示すように、前記発明の実施の形態7とほぼ同様であ
るが、摩擦体26が弾性環33の内周に形成された環状
溝33a内に装着された構造とした点で相違したもので
ある。
【0068】(発明の実施の形態10)この発明の実施
の形態10の液圧緩衝器1は、図19にその要部拡大断
面図を示すように、前記発明の実施の形態9とほぼ同様
であるが、径方向弾性を摩擦体26の外周に装着された
環状スプリング34により得られるようにした点で相違
したものである。
【0069】(発明の実施の形態11)この発明の実施
の形態11の液圧緩衝器1は、図20にその要部拡大断
面図を示すように、発明の実施の形態3とほぼ同様であ
るが、以下の点で相違したものである。即ち、同図に示
すように、ピストンロッド5に装着する前の無負荷状態
において、弾性ゴム材料よりなる摩擦体26の内周面全
体が上端部に向かうに連れて小径となるテーパ穴状に形
成されると共に、上端部側にはそのテーパ角がさらに大
きくなる低剛性部26aが形成されている。
【0070】この発明の実施の形態11では、摩擦体2
6が以上のように構成されるため、ピストンロッド5に
装着した状態では、図21に示すように、摩擦体26の
上端部側が外周方向に大きく押し広げられることで、上
端面側がその外周側が低くなる方向に傾斜すると共に、
他の部分よりはテーパ角の大きい低剛性部26aはさら
に外周方向に大きく押し広げられた状態となる。
【0071】そして、この装着状態におけるピストンロ
ッド5に対する面圧分布を見ると、低剛性部26aはそ
の他の部分よりは緊迫力が弱いため、静止状態において
は、実線で示すように、その他の部分よりは面圧力が小
さくなり、また、低剛性部26aとその他の部分との境
界部分が最も小さくなっている。
【0072】ところが、ピストンロッド5が図21にお
いて下向きに摺動する際には、ピストンロッド5の外周
面との摩擦抵抗により低剛性部26aが内側へ倒れ込む
ように作用することから、点線で示すように低剛性部2
6aの面圧力がその他の部分より上昇し、これにより緊
迫力が上昇すると共に、摺動面の油膜を薄く削り取る方
向に作用して摩擦係数値が高められた状態となるため、
液圧緩衝器1の圧行程において、フリクション値と微振
幅時における動ばね定数を安定的に上昇させることがで
きるようになる。
【0073】以上のように、摩擦体26aの先端(上
端)を低剛性部26aとすることにより、静止時におけ
る緊迫力を上げることなしに作動時(圧行程時)におけ
るフリクションを高めることができ、これにより、フリ
クションの安定性を向上させると共に、持続性(耐久
性)を向上させることができるようになるという追加の
効果が得られる。
【0074】(発明の実施の形態12)この発明の実施
の形態12の液圧緩衝器1は、図22にその要部拡大断
面図を示すように、前記発明の実施の形態11とほぼ同
様の構成の摩擦部材25を軸方向2段に設けたものであ
る。このように、複数の摩擦部材25を組み合わせるこ
とにより特性選択の自由度が向上すると共に、摩擦部材
25の種類を減らしながら、あらゆる要求特性に対応で
きるようになる。
【0075】(発明の実施の形態13)この発明の実施
の形態13の液圧緩衝器1は、図23にその要部拡大断
面図を示すように、前記発明の実施の形態12における
2段の摩擦部材25を上下逆方向に組み付けた例を示す
ものである。従って、この発明の実施の形態13では、
液圧緩衝器1の伸行程におけるフリクションを高めるこ
とができるようになる。
【0076】(発明の実施の形態14)この発明の実施
の形態14の液圧緩衝器1は、図24にその要部拡大断
面図を示すように、前記発明の実施の形態12における
2段の摩擦部材25のうち、上側の摩擦部材25のみを
上下逆方向に組み付けた例を示すものである。従って、
この発明の実施の形態14では、液圧緩衝器1の伸・圧
両行程におけるフリクションを共に高めることができる
ようになる。
【0077】(発明の実施の形態15)この発明の実施
の形態15の液圧緩衝器1は、図25にその要部拡大断
面図を示すように、前記発明の実施の形態13における
上側の摩擦部材25を省略すると共に、下側の摩擦部材
25における金属環28に上下逆方向の摩擦体26、2
6を一体に設けた構造としたものである。そして、上側
の摩擦体26の内周面側に連通路27が形成されてい
る。従って、この発明の実施の形態15では、部品点数
の削減によるコストダウンが可能となる。
【0078】(発明の実施の形態16〜18)この発明
の実施の形態16〜18の液圧緩衝器1は、前記発明の
実施の形態11で示した摩擦体26における低剛性部2
6aの変形例を示している。発明の実施の形態16の液
圧緩衝器1は、図26にその要部拡大断面図を示すよう
に、摩擦体26における上端部の内周縁部側を他の部分
より上方内向きに長く突出させることにより、該突出部
を低剛性部26aとしたものである。
【0079】発明の実施の形態17の液圧緩衝器1は、
図27にその要部拡大断面図を示すように、摩擦体26
における上端面の内周縁部寄りの位置に環状溝26bを
形成することにより、該環状溝26bの内側に残った突
出部を低剛性部26aとしたものである。発明の実施の
形態18の液圧緩衝器1は、図28にその要部拡大断面
図を示すように、摩擦体26における上端部の内周縁部
側を他の部分より低くなるように環状切欠き部26cを
形成することにより、該環状切欠き部26cの内周縁部
に低剛性部26aを形成したものである。
【0080】(発明の実施の形態19)この発明の実施
の形態19の液圧緩衝器は1、図29にその要部拡大断
面図を示すように、ロッドガイド3が、前記発明の実施
の形態1と同様に薄鋼板材料からプレス成形されたもの
が用いられ、このロッドガイド3における内径部17の
上端部に摩擦部材25を構成する弾性ゴム材料よりなる
摩擦体26を一体成形したものである。そして、前記内
径部17には、摩擦部材25の軸方向両側に作用する圧
力を均等にするための連通路27が形成されている。
【0081】(発明の実施の形態20)この発明の実施
の形態20の液圧緩衝器1は、図30にその要部拡大断
面図を示すように、前記発明の実施の形態1とほぼ同様
であるが、前記連通路27を摩擦体26の内周面側に形
成した変形例を示すものである。
【0082】(発明の実施の形態21)この発明の実施
の形態21の液圧緩衝器1は、図31にその要部拡大断
面図を示すように、ロッドガイド3が、前記発明の実施
の形態19と同様に薄板材料からプレス成形されたもの
が用いられ、このロッドガイド3における内径部17の
内周に設けられたガイドブッシュ19の一部で、摩擦部
材25を構成するようにしたものである。
【0083】即ち、図32にその分解斜視図を示すよう
に、前記ロッドガイド3が所定の弾性を有する薄板材料
で構成されていて、該ロッドガイド3の内径部17には
その下端部側を残して上部側に3つの軸方向スリット1
7aが形成されると共に、前記ガイドブッシュ19は軸
方向切欠き部19aを有する切欠円環状に形成されてお
り、前記内径部17におけるスリット17aが形成され
た部分に予め付与された内向きの緊迫力により、ガイド
ブッシュ19の上部側をピストンロッド5の外周面に弾
接する方向に付勢している。
【0084】従って、ガイドブッシュ19の下部側でピ
ストンロッド5の抜き差し動作を案内するガイドブッシ
ュ19の役目を果たすと同時に、ガイドブッシュ19の
上部側でフリクションを発生させる摩擦部材25(摩擦
体26)の役目を果たしている。
【0085】(発明の実施の形態22)この発明の実施
の形態22の液圧緩衝器1は、図33にその要部拡大断
面図を示すように、ロッドガイド3が、前記発明の実施
の形態3と同様に機械加工、焼結金属等によって形成さ
れると共に、このロッドガイド3の内側に、ハウジング
14を介してガイドブッシュ19が設けられ、このガイ
ドブッシュ19の一部で、摩擦部材25を構成するよう
にしたものである。
【0086】即ち、図34にその分解斜視図を示すよう
に、前記ハウジング14が所定の弾性を有する薄板材料
で上部側が小径となる異径の円環状に形成されていて、
該ハウジング14の大径部をロッドガイド3の内周下端
部に装着固定されている。そして、該ハウジング14の
小径部には、その下端部側を残して上部側に3つの軸方
向スリット14aが形成されると共に、この小径部内に
ガイドブッシュ19が設けられている。また、このガイ
ドブッシュ19は軸方向切欠き部19aを有する切欠円
環状に形成されており、前記小径部におけるスリット1
4aが形成された部分に予め付与された内向きの緊迫力
により、ガイドブッシュ19の上部側をピストンロッド
5の外周面に弾接する方向に付勢している。
【0087】従って、ガイドブッシュ19の下部側でピ
ストンロッド5の抜き差し動作を案内するガイドブッシ
ュ19の役目を果たすと同時に、ガイドブッシュ19の
上部側でフリクションを発生させる摩擦部材25(摩擦
体26)の役目を果たしている。
【0088】(発明の実施の形態23)この発明の実施
の形態23の液圧緩衝器1は、図35にその要部拡大断
面図を示すように、ロッドガイド3が機械加工、焼結金
属等によって形成されると共に、摩擦部材25がロッド
ガイド3とシリンダ2との間に配置されている。即ち、
前記摩擦部材25の金属環28がロッドガイド3の小径
部16に挿入され、シリンダ2が摩擦部材25の金属環
28に挿入されている。また、前記摩擦部材25に付随
して、リバウンドストッパ35が設けられている。
【0089】(発明の実施の形態24)この発明の実施
の形態24の液圧緩衝器1は、図36にその要部拡大断
面図を示すように、ロッドガイド3が機械加工、焼結金
属等によって形成されると共に、摩擦部材25がロッド
ガイド3の下側で、シリンダ2内に配置されている。ま
た、前記摩擦部材25に付随し、摩擦体26と一体にリ
バウンドストッパ35が設けられている。
【0090】前記摩擦部材25は、シリンダ2の内周面
に弾接する摩擦体26と、この摩擦体26の軸方向両側
に作用する圧力を均等にするために設けられた連通路2
7とを備えている。また、前記摩擦部材25は、摩擦体
26が金属環28の外周に設けられており、この摩擦体
26がシリンダ2の内周面に弾接し、金属環28がピス
トンロッド5に固定されている。
【0091】(発明の実施の形態25)発明の実施の形
態25の液圧緩衝器1は、図37にその要部拡大断面図
を示すように、前記シール部材4におけるシールリップ
22と一体に摩擦部材25が設けられたものである。即
ち、シールリップ22の下部に薄肉部22aを介して摩
擦体26が一体に形成されると共に、この摩擦体26を
ピストンロッド5の外周面に弾接する方向に押圧付勢す
る弾性部材20がロッドガイド3の内周側に設けられて
いる。なお、前記摩擦体26の内周面には、シールリッ
プ22への油の潤滑を確保するための軸方向溝26dが
形成されている。
【0092】この弾性部材20は、図38にその斜視図
を示すように、所定の弾性を有する薄板材料により、下
端部に向かうにつれて小径となるテーパ円環状に形成さ
れると共に、軸方向切欠き部20aを有する切欠円環状
に形成され、この弾性部材20にはその下部側に3つの
軸方向スリット20bが形成されている。
【0093】また、前記弾性部材20は、その上端縁部
に形成された外向きフランジ20cをシール部材4の金
属環21とロッドガイド3との間に挟持することにより
その上端側が固定されると共に、ロッドガイド3の上端
内周縁部に形成されたテーパ部3aでその上端部側が支
持され、弾性部材20の下端部に形成された断面L字状
支持部20dの内側に前記摩擦体26を装着した状態で
組み付けられている。
【0094】そして、図39の組み立て説明図に示すよ
うに、まず、弾性部材20をロッドガイド3の内周に組
み込んだ後、シール部材4を組み付むが、このシール部
材4を組み込む前の状態では、弾性部材20の外向きフ
ランジ20cがロッドガイド3の上面より若干浮き上が
るように寸法設定されており、この状態で、シール部材
4を組み付けるべく下方へ移動させると、まず、摩擦体
26が弾性部材20の下端部に形成された断面L字状支
持部20dの内側に圧入装着され、次いで、シール部材
4の金属環21が、それまで若干浮き上がっていたフラ
ンジ20cに当接して弾性部材20全体を下方へ押圧移
動させることにより、ロッドガイド3の上端内周縁部に
形成されたテーパ部3aに沿って弾性部材20全体が縮
径され、これにより、摩擦体26をピストンロッド5の
外周面に弾接する方向の押圧力が付与された状態とな
る。
【0095】従って、この発明の実施の形態25にあっ
ては、以下に列挙するような追加の効果が得られる。即
ち、摩擦部材25をシール部材4のシールリップ22と
一体化することにより、コストを低減化できるようにな
る。また、シールリップ22と摩擦部材25との間に薄
肉部22aを形成したことにより、シールリップの性能
に影響を与えることなしに、摩擦部材25を一体に設け
ることが可能となる。
【0096】また、弾性部材20により、組み付け状態
で安定した高いフリクションを発生できるようにしたこ
とで、弾性部材20の設定により、フリクションの大き
さを自由に設定できるようになる。また、組み付けた状
態で初めてピストンロッド5の外周面に弾接する方向の
押圧力が摩擦部材25に作用するようにしたため、組み
付け前の状態においては締め代を大きくするる必要がな
く、従って、組み付け性が良好となる。
【0097】(発明の実施の形態26〜33)この発明
の実施の形態26〜33の液圧緩衝器1は、図40〜4
7にその要部拡大断面図を示すように、ピストン8に近
接するピストンロッド5側に摩擦部材25が設けられ、
その摩擦体26の外周面をシリンダ2の内周面に弾接さ
せることによりピストン8の摺動に所定のフリクション
を与えるようにしたものである。そして、この摩擦部材
25で発生するフリクションを、ピストンリング6で発
生するフリクションより大きくなるように構成すること
により、ピストンリング6で発生するフリクションによ
る影響を少なくし、かつ、ピストンリング6の摩耗を可
及的に抑制することができるようになっている。また、
前記ピストンロッド5にはリバウンドストッパ35が設
けられている。
【0098】発明の実施の形態26および27の液圧緩
衝器1は、図40、41にその要部拡大断面図をそれぞ
れ示すように、前記摩擦部材25がピストン8の下側に
固定されている。具体的には、前記摩擦部材25の金属
環28がピストン8の減衰力弁9、9を挟むワッシャ1
0、10よりも下側に配置され、ピストン8および減衰
力弁9、9と共にナット12によってピストンロッド5
に固定されている。そして、図40では、摩擦部材25
の摩擦体26がピストン8に近い位置に配置され、ま
た、図41では、ピストン8から遠い位置に配置されて
いる。
【0099】発明の実施の形態28および29の液圧緩
衝器1は、図42、43にその要部拡大断面図をそれぞ
れ示すように、前記摩擦部材25がピストン8の上側に
固定されている。具体的には、前記摩擦部材25の金属
環28が、ピストン8の減衰力弁9を挟む補助板11よ
りも上側に配置され、ピストン8および減衰力弁9、9
と共にナット12によってピストンロッド5に固定され
ている。そして、図42では、摩擦部材25の摩擦体2
6がピストン8に近い位置に配置され、また、図43で
は、ピストン8から遠い位置に配置されている。なお、
図42、43に示す発明の実施の形態28、29におい
ては、前記摩擦部材25とリバウンドストッパ35とを
一体化することは任意に可能である。
【0100】発明の実施の形態30の液圧緩衝器1は、
図44にその要部拡大断面図を示すうに、前記摩擦部材
25がピストン8の上側で、ピストン8から遠い位置に
配置されている点は前記発明の実施の形態29と同様で
あるが、摩擦部材25が金属環28に装着される内環3
6と、シリンダ2の外周面に当接する樹脂製の摩擦体2
6と、該摩擦体26と内環36との間に介装された弾性
ゴム材料よりなる弾性環33との3層一体構造に形成さ
れたものであり、前記弾性環33により径方向弾性と軸
方向粘弾性が発揮される。
【0101】発明の実施の形態31の液圧緩衝器1は、
図45にその要部拡大半断面図を示すうに、前記摩擦部
材25がピストン8の下側で、ピストン8に近接した位
置に配置されたもので、ピストン8の下端部外周部に形
成されたスカート部8aの下端面部に金属環28により
形成された装着溝28aに装着されることにより、その
内周側が固定され、その外周面がシリンダ2の内周面に
対し摺動自在に所定の圧力で弾接する状態で設けられて
いる。
【0102】なお、前記金属環28は、その上部側28
bをスカート部8aの内周面に装着固定すると共に、そ
の下端部に外向に折曲形成された折曲部28cを備えて
いて、この折曲部28cとスカート部8aの下端面との
間に摩擦部材25の内周側を挟持した状態で装着固定す
る装着溝28aが形成されるようになっている。
【0103】発明の実施の形態32の液圧緩衝器は、図
46の要部拡大半断面図に示すように、弾性ゴム材料に
より環状に形成された摩擦体26の下端内周側を前記金
属環28の折曲部28cの外周面から上面側にかけて加
硫接着することにより、その下端内周側が固定され、そ
の外周面がシリンダ2の内周面に対し摺動自在に所定の
圧力で弾接する状態で設けられている。
【0104】即ち、この発明の実施の形態32では、摩
擦体26が金属環28の折曲部28cに対する加硫接着
部を支点として、径方向に撓み可能な状態に設けられて
いる点が前記発明の実施の形態31とは相違したもので
ある。
【0105】この発明の実施の形態33の液圧緩衝器
は、図47の要部拡大半断面図に示すように、前記摩擦
部材25を、ピストン8の上端部外周面に設けたもので
ある。即ち、摩擦体26の下端内周側を金属環28の外
周面から上面側にかけて加硫接着することにより、その
下端内周側が固定され、その外周面がシリンダ2の内周
面に対し摺動自在に所定の圧力で弾接することにより、
ピストン8の摺動に所定のフリクションを発生させる状
態で設けられている。そして、前記金属環28の内周側
をピストン8の小径部8bに装着固定した状態で備えら
れている。
【0106】(発明の実施の形態34)発明の実施の形
態34の液圧緩衝器1は、図48にその要部拡大断面図
を示すように、前記発明の実施の形態26とは、ピスト
ンリング6と摩擦部材25との装着位置を逆にした例を
示すものである。即ち、ピストン8の外周面に弾性ゴム
部材よりなる摩擦体26が装着固定されると共に、ピス
トン8の下部側に設けられた金属環28の下部外周にピ
ストンリング6が装着固定されたものである。
【0107】(発明の実施の形態35)発明の実施の形
態35の液圧緩衝器1は、図49にその要部拡大断面図
を示すように、前記発明の実施の形態27とは、ピスト
ンリング6と摩擦部材25との装着位置を逆にした例を
示すものである。即ち、ピストン8の外周面に弾性ゴム
部材よりなる摩擦体26が装着固定されると共に、ピス
トン8の上部側に設けられた金属環28の上部外周にピ
ストンリング6が装着固定されたものである。
【0108】以上発明の実施の形態を図面により説明し
たが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限ら
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
ける設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0109】例えば、発明の実施の形態では、ピストン
8に対し、金属環28を介して摩擦部材25を装着する
ようにしたが、ピストン8に形成した装着溝に摩擦部材
25を直接装着するようにしてもよい。
【0110】
【発明の効果】 以上説明してきたように本発明請求項
1記載の液圧緩衝器では、シールリップによって画成さ
れた前記シリンダ内の位置に、該シリンダ側または前記
ピストンロッド側の一方に固設されると共に、他方に摺
接して前記シールリップ部よりも大きいフリクションを
発生する摩擦部材が設けられている手段としたことで、
液圧緩衝器にシールリップ部よりも大きいフリクション
によるフリクション機能を発揮させることができ、この
摩擦部材によるフリクション機能は、シリンダに対する
ピストンの微低速・大振幅の低周波振動に対して当然に
作用して振動を減衰させると共に、摩擦部材がシリンダ
側またはピストンロッド側の一方に固設されることによ
り、ピストンの微振幅の高周波振動に対しても有効に作
用して振動を減衰させることができ、従って、液圧緩衝
器にフリクション付与機能を発揮させることにより、高
周波振動を含む広範な振動を有効に低減して車両の乗り
心地を向上させることができるようになるという効果が
得られる。
【0111】また、摩擦部材において、シールリップ部
よりも大きいフリクションを発生するようにしたことに
より、シールリップ部のフリクションの影響を受けない
フリクションを得ることができると共に、シールリップ
の摩耗を可及的に抑制することができる。
【0112】請求項2記載の液圧緩衝器は、請求項1記
載の液圧緩衝器において、前記摩擦部材が、前記ピスト
ンもしくは該ピストンの近傍に設けられていて該ピスト
ンとシリンダとの間を摺動シールするピストンリングよ
りは大きいフリクションを発生するように構成されてい
る手段としたことで、ピストンリングのフリクションの
影響を受けないフリクションを得ることができると共
に、ピストンリングの摩耗を可及的に抑制することがで
きるようになる。
【0113】請求項3記載の液圧緩衝器は、請求項1記
載の液圧緩衝器において、前記摩擦部材が、前記ガイド
ブッシュ近傍のシリンダ側に設けられていて前記ガイド
ブッシュよりは大きいフリクションを発生するように構
成されている手段としたことで、ガイドブッシュのフリ
クションの影響を受けないフリクションを得ることがで
きると共に、ガイドブッシュの摩耗を可及的に抑制する
ことができるようになる。
【0114】請求項4記載の液圧緩衝器は、請求項1記
載の液圧緩衝器において、前記摩擦部材が、前記ガイド
ブッシュの全部もしくは一部で構成されている手段とし
たことで、部品点数の削減によるコストダウンおよびス
ペースの有効利用が可能となる。
【0115】請求項5記載の液圧緩衝器は、請求項1記
載の液圧緩衝器において、前記摩擦部材が、前記シール
リップに連設して前記シール部材と一体に設けられてい
る手段としたことで、部品点数の削減によるコストダウ
ンおよびスペースの有効利用が可能となる。
【0116】請求項6記載の液圧緩衝器は、請求項1〜
5のいずれかに記載の液圧緩衝器において、前記摩擦部
材の軸方向両側に作用する圧力を均等にするための連通
路が設けられている手段としたことで、実質的に摩擦部
材は圧力変化の影響を受けることがなく、これにより、
安定したフリクションを発揮させることができるように
なる。
【0117】請求項7記載の液圧緩衝器は、請求項1〜
6のいずれかに記載の液圧緩衝器において、前記シリン
ダ側または前記ピストンロッド側の一方に固設されると
共に他方に摺接する摩擦部材が、該他方に常時摺接する
方向に弾性反発力によって前記摩擦部材を径方向に付勢
する弾性部材で構成されている手段としたことで、長期
にわたり安定したフリクションを発揮させることができ
るようになる。
【0118】請求項8記載の液圧緩衝器は、請求項1〜
6のいずれかに記載の液圧緩衝器において、前記シリン
ダ側または前記ピストンロッド側の一方に固設されると
共に他方に摺接する摩擦部材を、該他方に常時摺接する
方向に弾性反発力によって径方向に付勢する弾性部材を
備えている手段としたことで、長期にわたり安定したフ
リクションを発揮させることができるようになる。
【0119】請求項9記載の液圧緩衝器は、請求項7ま
たは8に記載の液圧緩衝器において、前記弾性部材が、
その径方向に弾性を有すると共に軸方向に粘弾性を有し
ている手段としたことで、長期にわたり安定したフリク
ションを発揮させることができると共に、特に、軸方向
の粘弾性に基づいて、摩擦部材が軸方向に弾性変形する
ことにより、シリンダに対する各弾接面の弾接状態を維
持させるように作用し、これにより、ピストンの運動速
度に対しフリクションの発生を若干遅らせることにな
り、従って、特に、ピストンの運動方向が切り替わる時
(運動速度が零になる時)に動摩擦よりも静摩擦が大き
くなることによりフリクションの絶対値が増加し、即
ち、摩擦部材の弾性反発力によって液圧緩衝器の動ばね
定数が高くなり、ピストンの微振幅の高周波振動を減衰
するように作用し、これにより、高周波振動を含む広範
な振動を有効に低減して車両の乗り心地を向上させるこ
とができるようになる。
【0120】請求項10記載の液圧緩衝器は、請求項1
〜9のいずれかに記載の液圧緩衝器において、前記摩擦
部材で発生する軸方向の動ばね定数が、少なくとも前記
ピストンロッドの軸方向作動振幅が±0.1mm以下の
時は50N/mm以上でピストンロッドの軸方向作動振
幅が±0.5mm以上の時は50N/mm未満となるよ
うに前記ピストンロッドの軸方向作動振幅に応じて変化
するように構成されている手段としたことで、低周波振
動および高周波振動を共により効果的に低減させること
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の液圧緩衝器を示す要部拡
大断面図である。
【図2】実走行時におけるダンパストローク(振幅)と
周波数と加速度との関係を示す図である。
【図3】低剛性のノーマルインシュレータを用いた場合
(点線)と高剛性のピローボールマウントを用いた場合
(実線)の各周波数に対する運転席シート座面の上下加
速度スペクトルレベルを示す図である。
【図4】欧州の高級車用液圧緩衝器および国産標準液圧
緩衝器における各微振幅・高周波加振時のロッド加速度
測定結果を示す図である。
【図5】欧州の高級車用液圧緩衝器および国産標準液圧
緩衝器におけるダンパストロークに対するフリクション
特性を測定した結果を示す図である。
【図6】高周波振動特性が良いとされる車両(欧州の高
級車用液圧緩衝器装備)について、ダンパストロークに
対する動ばね定数の実力値レンジを測定した結果を示す
図である。
【図7】発明の実施の形態1の液圧緩衝器における作動
サイクル数に対するフリクション値の変化特性図であ
る。
【図8】発明の実施の形態1の液圧緩衝器における作動
サイクル数に対する動ばね定数の変化特性図である。
【図9】発明の実施の形態2の液圧緩衝器を示す要部拡
大断面図である。
【図10】発明の実施の形態3の液圧緩衝器を示す要部
拡大断面図である。
【図11】発明の実施の形態4の液圧緩衝器を示す要部
拡大断面図である。
【図12】発明の実施の形態5の液圧緩衝器を示す要部
拡大断面図である。
【図13】発明の実施の形態6の液圧緩衝器を示す要部
拡大断面図である。
【図14】発明の実施の形態7の液圧緩衝器を示す要部
拡大断面図である。
【図15】発明の実施の形態7の液圧緩衝器における摩
擦部材を示す斜視図である。
【図16】発明の実施の形態8の液圧緩衝器を示す要部
拡大断面図である。
【図17】発明の実施の形態8の液圧緩衝器における摩
擦部材を示す斜視図である。
【図18】発明の実施の形態9の液圧緩衝器を示す要部
拡大断面図である。
【図19】発明の実施の形態10の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図20】発明の実施の形態11の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図21】発明の実施の形態11の液圧緩衝器における
摩擦部材のピストンロッドに対する面圧分布を示す要部
拡大断面図である。
【図22】発明の実施の形態12の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図23】発明の実施の形態13の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図24】発明の実施の形態14の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図25】発明の実施の形態15の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図26】発明の実施の形態16の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図27】発明の実施の形態17の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図28】発明の実施の形態18の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図29】発明の実施の形態19の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図30】発明の実施の形態20の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図31】発明の実施の形態21の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図32】発明の実施の形態21の液圧緩衝器における
摩擦部材部分を示す斜視図である。
【図33】発明の実施の形態22の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図34】発明の実施の形態22の液圧緩衝器における
摩擦部材部分を示す斜視図である。
【図35】発明の実施の形態23の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図36】発明の実施の形態24の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図37】発明の実施の形態25の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図38】発明の実施の形態25の液圧緩衝器における
弾性部材を示す斜視図である。
【図39】発明の実施の形態25の液圧緩衝器における
組み立て状態を示す断面説明図である。
【図40】発明の実施の形態26の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図41】発明の実施の形態27の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図42】発明の実施の形態28の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図43】発明の実施の形態29の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図44】発明の実施の形態30の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図45】発明の実施の形態31の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図46】発明の実施の形態32の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図47】発明の実施の形態33の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図48】発明の実施の形態34の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【図49】発明の実施の形態35の液圧緩衝器を示す要
部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 液圧緩衝器 2 シリンダ 3 ロッドガイド 3a テーパ部 4 シール部材 5 ピストンロッド 6 ピストンリング 8 ピストン 8a スカート部 8b 小径部 9 減衰力弁 9a 圧側連通路 9b 伸側連通路 10 ワッシャ 11 補助板 12 ナット 13 外筒 14 ハウジング 14a スリット 15 大径部 16 小径部 17 内径部 17a スリット 18 切欠き 19 ガイドブッシュ 19a 切欠き部 20 弾性部材 20a 切欠き部 20b スリット 20c 外向きフランジ 20d 断面L字状支持部 21 金属環 21 金属環 22 シールリップ 22a 薄肉部 23 端部 24 保油室 25 摩擦部材 26 摩擦体 26a 低剛性部 26b 環状溝 26c 環状切欠き部 26d 軸方向溝 27 連通路 28 金属環 28a 装着溝 28b 上部側 28c 折曲部 29 連通路 30 外環 31 一方弁 32 リップ部 33 弾性環 33a 環状溝 34 環状スプリング 35 リバウンドストッパ 36 内環 A 上部室 B 上部室 C リザーバ室

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作動液体が充填されたシリンダと、該シリ
    ンダの内面側にピストンリングを介して摺接するピスト
    ンと、該ピストンが一端に固着され他端が前記シリンダ
    側に設けられたガイドブッシュに摺動支持されて前記シ
    リンダ外方に延在するピストンロッドと、該ピストンロ
    ッドと前記ガイドブッシュよりも外側で摺接して前記作
    動液体の前記シリンダ外への漏洩を防止するシールリッ
    プを有するシール部材と、を備えた液圧緩衝器におい
    て、 前記シールリップによって画成された前記シリンダ内の
    位置に、該シリンダ側または前記ピストンロッド側の一
    方に固設されると共に、他方に摺接して前記シールリッ
    プ部よりも大きいフリクションを発生する摩擦部材が設
    けられていることを特徴とする液圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記摩擦部材が、前記ピストンもしくは
    該ピストンの近傍に設けられていて該ピストンとシリン
    ダとの間を摺動シールするピストンリングよりは大きい
    フリクションを発生するように構成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の液圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記摩擦部材が、前記ガイドブッシュ近
    傍のシリンダ側に設けられていて前記ガイドブッシュよ
    りは大きいフリクションを発生するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の液圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 前記摩擦部材が、前記ガイドブッシュの
    全部もしくは一部で構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の液圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 前記摩擦部材が、前記シールリップに連
    設して前記シール部材と一体に設けられていることを特
    徴とする請求項1に記載の液圧緩衝器。
  6. 【請求項6】 前記摩擦部材の軸方向両側に作用する圧
    力を均等にするための連通路が設けられていることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液圧緩衝器。
  7. 【請求項7】 前記シリンダ側または前記ピストンロッ
    ド側の一方に固設されると共に他方に摺接する摩擦部材
    が、該他方に常時摺接する方向に弾性反発力によって前
    記摩擦部材を径方向に付勢する弾性部材で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液
    圧緩衝器。
  8. 【請求項8】 前記シリンダ側または前記ピストンロッ
    ド側の一方に固設されると共に他方に摺接する摩擦部材
    を、該他方に常時摺接する方向に弾性反発力によって径
    方向に付勢する弾性部材を備えていることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の液圧緩衝器。
  9. 【請求項9】 前記弾性部材が、その径方向に弾性を有
    すると共に軸方向に粘弾性を有していることを特徴とす
    る請求項7または8に記載の液圧緩衝器。
  10. 【請求項10】 前記摩擦部材で発生する軸方向の動ば
    ね定数が、少なくとも前記ピストンロッドの軸方向作動
    振幅が±0.1mm以下の時は50N/mm以上でピス
    トンロッドの軸方向作動振幅が±0.5mm以上の時は
    50N/mm未満となるように前記ピストンロッドの軸
    方向作動振幅に応じて変化するように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の液圧緩
    衝器。
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