JP2001329230A - 無機質接着剤組成物、その製造方法および接着方法 - Google Patents

無機質接着剤組成物、その製造方法および接着方法

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JP2001329230A
JP2001329230A JP2000150371A JP2000150371A JP2001329230A JP 2001329230 A JP2001329230 A JP 2001329230A JP 2000150371 A JP2000150371 A JP 2000150371A JP 2000150371 A JP2000150371 A JP 2000150371A JP 2001329230 A JP2001329230 A JP 2001329230A
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refractory powder
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JP2000150371A
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Tadanori Hashimoto
忠紀 橋本
Toshiki Furubayashi
俊樹 古林
Seiichi Sakaguchi
誠一 坂口
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Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿性、耐熱性、耐熱衝撃性、接着性に優
れ、充分な機械的強度を有する無機質接着剤組成物、そ
の製造方法およびこの無機質接着剤を用いた接着方法を
提供する。 【解決手段】 10〜90重量部の耐火物粉末および9
0〜10重量部の結合剤を含む混合物を剪断力を有する
混和機で混和することによって、耐火物粉末を結合剤と
充分に混和することができ、粘度が1000cP以上で
耐湿性、耐熱性、耐熱衝撃性、接着性に優れ、充分な機
械的強度を有する無機質接着剤組成物を得る。またこの
無機質接着剤は前記諸性質が要求されるガラス電球を構
成するガラス材料と口金、ミラー材料および磁性ベー
ス、ならびに点火栓を構成するセラミック材料から成る
絶縁体と金属材料から成る中心電極および外箱とを接着
するのに好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質接着剤組成
物、その製造方法およびそれを用いた接着方法に関し、
特に耐湿性、耐熱性、耐熱衝撃性、接着性に優れ、充分
な機械的強度を有する無機質接着剤組成物、および前記
諸性質が要求されるガラス電球を構成するガラス材料と
口金、ミラー材料および磁性ベースならびに点火栓を構
成するセラミック材料から成る絶縁体と金属材料から成
る中央電極および外箱との接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の無機質接着剤組成物は、アルカリ
金属の珪酸水溶液を結合剤として耐火物粉末をボールミ
ル、羽根式撹拌機などの撹拌混合機で混合して作られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の無機質接着
剤組成物は、耐火物粉末と結合剤とを撹拌混合したもの
であり、このため耐火物粉末が時間の経過とともに沈降
するという問題がある。このため使用に先立って再分散
をしなければならず、作業性が悪い。接着後は耐火物粉
末が偏在し、接着力が低下する。さらに結合剤の多い部
分は、吸湿性があり、アルカリ金属を含むので耐熱性、
耐熱衝撃性が低いという問題がある。ガラス電球におい
て、ガラス材料と、口金、ミラー材料および磁性ベース
との接着部は100℃以上となり、点灯、消灯が繰返さ
れる。点火栓は、点火時に中央電極と外箱電極とが予め
定める間隔には保持されねばならず、また燃焼時には、
ガラス電球以上の温度になり、いずれも耐熱性、耐熱衝
撃性と機械的強度とが要求される。さらにガス湯沸器、
風呂などの点火栓は凝縮水と接触する可能性があり、耐
湿性も要求される。
【0004】本発明の目的は、耐湿性、耐熱性、耐熱衝
撃性、接着性に優れ、充分な機械的強度を有する無機質
接着剤組成物、その製造方法およびこの無機質接着剤組
成物を用いたガラス電球および点火栓の接着方法を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐火物粉末1
0〜90重量部と結合剤90〜10重量部とを含み、前
記耐火物粉末および結合剤が、剪断力を有する混和機に
よって混和されて成り、粘度が1000cP以上である
ことを特徴とする無機質接着剤組成物である。
【0006】本発明者らは、耐湿性、耐熱性、耐熱衝撃
性、接着性に優れ、充分な機械的強度を有する無機質接
着剤組成物を開発すべく鋭意研究を行った結果、本発明
を完成するに至った。
【0007】本発明に従う無機質接着剤組成物は、剪断
力を有する混和機によって、10〜90重量部の耐火物
粉末および90〜10重量部の結合剤を含む混合物が混
和され、かつその粘度は1000cP以上である。無機
質接着剤組成物の粘度が1000cP未満では、乾燥す
るまで、被接着物の間に接着剤組成物を保持するのが困
難となる。
【0008】剪断力を有する混和機は、古来から乳鉢と
乳棒とによって実現されている。すなわち乳鉢内に2種
類以上の被混和物を入れ、乳棒によって混和する。この
とき乳鉢と乳棒との間に剪断力が作用し、被混和物は充
分に混和される。また被混和物中に粗粒のものが混ざっ
ていれば乳鉢と乳棒とによって磨細される。本発明の剪
断力を有する混和機は、乳鉢と乳棒との組合せを含む
が、これでは多量の被混和物を混和することは困難であ
り、乳鉢に相当する撹拌容器を固定し、乳棒に相当する
撹拌子を動力によって自転および公転して駆動する混和
機が一般的に用いられている。以下、本発明では剪断力
を有する混和機による混和を単位に混和ということがあ
る。
【0009】無機質接着剤組成物を構成する耐火物粉末
と結合剤とは、前記重量範囲で混和することが求められ
る。結合剤がこの割合を超えると組成物は吸湿性とな
り、またこの範囲未満では接着力が低下する。前記重量
範囲の耐火物粉末と結合剤とは、混和されることによっ
て、その表面に結合剤が充分に浸透し、耐火物粉末と結
合剤とが充分に混和して分散性が向上し、耐湿性、耐熱
性、耐熱衝撃性、接着性に優れ、充分な機械的強度を有
する。本発明に用いる耐火物粉末は、特に限定されるも
のではないが、結合剤との反応性の小さいものが好まし
く、石英、ムライト、ジルコニア、アルミナなどが例示
され、これらは単独でまたは2種類以上を混合して用い
られる。
【0010】また本発明は、前記粘度が、10000〜
1000000cPであることを特徴とする。
【0011】本発明に従う無機質接着剤組成物は、最も
使用し易い前記粘度範囲10000〜1000000c
Pとされ、これによって作業性が向上される。
【0012】また本発明は、前記耐火物粉末の粒子径
が、0.1〜200μm、好ましくは0.1〜50μm
であることをを特徴とする。
【0013】粒子径が0.1μm未満では、乾燥時にお
ける乾燥収縮が大きくなり接着層に亀裂を生じ、接着強
度が低下する。また粒子径が200μmを超すと、結合
剤と均一に分散することが困難になり、接着強度が低下
する。いずれの場合も、接着作業効率が低下する。剪断
力を有する混和機がさらに磨細作用を有するときは、磨
細混和機によって、大きい粒径の耐火物粉末は、前記範
囲の粒径に磨細された後混和されるが、大きい粒径の耐
火物粉末が多く含まれると磨細に時間がかかり好ましく
ないので、予備粉砕されることが好ましい。
【0014】また本発明は、結合剤がコロイダルシリ
カ、珪酸リチウムまたは珪酸ナトリウム(水ガラス)で
あることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、結合剤としてコロイダル
シリカ、珪酸リチウムまたは珪酸ナトリウムが好ましく
用いられる。これらの物質は入手しやすく、また乾燥時
における乾燥収縮が少なく、アルカリ金属を含んでも耐
火物粉末と充分に混和されているので、吸湿性がなく、
耐熱性もよい。なお結合剤にコロイダルシリカを用いる
ときは、粒子径が30nm以下のものが好ましい。
【0016】また本発明は、10〜90重量部の耐火物
粉末と、90〜10重量部の結合剤と、水とを混合し
て、剪断力を有する混合機で、温度10〜40℃で磨細
混和し、粘度1000cP以上とすることを特徴とする
無機接着剤組成物の製造方法である。
【0017】本発明に従えば、10〜90重量部の耐火
物粉末と90〜10重量部の結合剤と水とが混合され、
10〜40℃で剪断力を有する混和機で混和され、10
00cP以上の粘度を有する無機質接着剤組成物とされ
る。剪断力を有する混和機で混和されるので、耐火物粉
末と結合剤と水とは充分に混和され、耐火物粉末の表面
に結合剤が充分に浸透して、結合剤中に耐火物粉末が均
等に分散し、耐湿性、耐熱性、耐熱衝撃性、接着性に優
れた無機質接着剤組成物が製造できる。
【0018】耐火物粉末と結合剤と水とは特別に加熱や
冷却の必要がない10〜40℃で混和される。
【0019】無機質接着剤組成物の粘度は、被接着物、
たとえば白熱電球のガラス球と口金の間に、無機質接着
剤組成物が乾燥するまで保持することができるように1
000cP以上とされ、粘度は結合剤の量および添加さ
れる水の量で調整される。
【0020】また本発明は、剪断力を有する混和機が、
(a)円板状の底面と、直円柱状の側面と、底面と側面
とを接続する丸味を帯びた接続部とを有する臼形収納空
間が形成された撹拌容器と、(b)収納空間内に設けら
れる撹拌子と、(c)収納空間内で撹拌子を自転および
公転して駆動する駆動手段とを含む擂潰機であることを
特徴とする。
【0021】本発明に従う撹拌容器は、前記乳鉢の作用
をし、撹拌子は駆動手段によって乳棒に近い動きをする
ので、耐火物粉末は粒径が前記好ましい範囲0.1〜5
0μmに磨細された後、結合剤および水と充分に混和さ
れる。これによって、前記特性を有する無機質接着剤組
成物が製造される。本構成を有する磨細混和機は、一般
に擂潰機と呼ばれている。
【0022】また本発明は、上述の無機質接着剤組成物
を用いて、ガラス電球を構成するガラス材料と口金、ミ
ラー材料および磁性ベースとを接着することを特徴とす
る接着方法である。
【0023】本発明に従う無機質接着剤組成物は、ガラ
ス電球を構成するガラス材料と口金、ミラー材料および
磁性ベースとを接着するのに好適に用いられる。ガラス
電球は、点灯中に100℃以上となり、消灯中に常温と
なり、その熱は前記接続部に伝わる。そして点灯・消灯
が繰返される。特に、白熱電球のガラス球と口金との接
続部は、白熱電球を取付け、取外しするとき大きな力が
かかる。したがって耐熱性、耐熱衝撃性および接着性が
要求され、本発明の無機質接着剤組成物は前記要求を満
たす。
【0024】ガラス電球としては、白熱電球、ハロゲン
ランプなどが例示される。接着されるガラス材料、口
金、ミラーおよび磁性ベースの材料は、特に限定される
ものではないが、ガラス材料およびミラーの材料として
は石英ガラス、バイコールガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛
ガラス、ソーダガラスが例示され、口金の材料としては
黄銅、ステンレス鋼などが例示され、磁性ベースの材料
としてはアルミナ、ムライトなどが例示される。
【0025】また本発明は、上述の無機質接着剤組成物
を用いて、点火栓を構成する絶縁体と中央電極および外
箱とを接着することを特徴とする接着方法である。
【0026】本発明に従う無機質接着剤組成物は、点火
栓を構成するセラミックなどの材料から成る絶縁体と金
属材料から成る中央電極および外箱とを接着するのに好
適に用いられる。中央電極と外箱に固定されている外箱
電極とは、予め定める間隔、たとえば0.5mmを保持
して対峙していなければならず、予め定める間隔を介し
て点火スパークを発生し、燃料ガスと空気との混合ガス
に点火する。点火後は、燃焼炎によって中央電極および
外箱電極は高温になる。このため、点火栓に用いる接着
剤は、耐熱性、耐熱衝撃性、および機械的強度が要求さ
れる。また、点火栓が凝縮水と接する可能性があるガス
湯沸器や風呂に用いられるときは、凝縮水による導通を
防ぐため耐湿性が要求される。本発明の無機質接着剤組
成物は前記要求を満たす。
【0027】絶縁体に用いられるセラミック材料および
中央電極と外箱とに用いられる金属材料は、特に限定さ
れるものではないが、セラミック材料としてはステアタ
イト、アルミナ、ムライト、磁器類が例示され、金属材
料としては黄銅、ステンレス鋼が例示される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例によっ
て、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの
実施例によって制限されるものではない。
【0029】以下に示す実施例では、剪断力を有する混
和機として、磨細作用も有する擂潰機を用いた。図1
は、擂潰機1の斜視図である。擂潰機1は、撹拌容器
2、撹拌子11および駆動手段12を主要構成要素とす
る。図2は、撹拌容器2の断面図である。撹拌容器2は
臼形に構成され、円板状の底面3と、円筒状の側面4と
丸味を帯びた接続部5とを有し、支持部材5によって基
板6に固定される。
【0030】撹拌子11は、円柱状であって駆動手段1
2によって底面3に垂直に支持される。撹拌子11の軸
線14上にある先端15は、乳棒と同様に半球状とされ
る。撹拌子11は、駆動手段12とともに把手7によっ
て上下方向に移動可能であり、上方の位置で撹拌容器2
内に被混和物が入れられ、また混和物が取出される。混
和するときは、図2の2点鎖線で示すように底面3から
僅かの間隔Δdをあけて先端15が固定手段8で固定さ
れる。
【0031】擂潰機1を使って耐火物粉末と結合剤と水
とを混和するときは、前記間隔Δdは撹拌容器2と撹拌
子11との間で剪断力の生ずる、たとえば100μmと
される。しかし、耐火物粉末に粒子径200μmを超え
る粗粒を含むときは、粗粒を磨細するため粗粒の粒子径
と同程度とされ、磨細が進行するに従って剪断力を生ず
る間隔Δdにすることが好ましい。
【0032】駆動手段12は、駆動源13のモータなど
による回転運動を自転および公転する遊星運動に変換す
る。これによって撹拌子11が遊星運動をし、撹拌容器
2と撹拌子11との間に剪断力が生ずる。
【0033】図3は、撹拌子11の先端15の運動の実
施の一形態を説明する平面図である。撹拌容器2の底面
3を構成する円21の中心22のまわりに、第2の円
(自転円)23の中心24が鎖線で示す円(公転円)2
5に沿って公転し、第2の円23は第2の中心24のま
わりを自転する。撹拌子11の軸線は、第2の円23の
円周上に設けられる。本実施の形態では、自転円23の
半径と公転円25の半径とは、等しく、円21の半径R
の1/2に等しい。撹拌子11の先端15は、公転円2
5の中心まで達し、撹拌容器2内の全被混和物はよく混
和される。
【0034】図4は、撹拌子11の先端15の運動の実
施の他の形態を説明する平面図である。本実施の形態で
は、自転円33の半径が公転円35の半径より大きく、
底面3を構成する円31の半径Rの1/2をrとすると
き、公転円35の半径はr−Δr、自転円の半径はr+
Δrとなる。これによって、撹拌子11の先端15は、
底面3の中心32を超えて移動し、耐火物粉末と結合剤
とはよりよく混和される。この場合、Δr/r=0.0
8〜0.15の範囲とされ、自転と公転の周期比は、1
/25〜1/35とされる。以下の実施例で使用した擂
潰機1の撹拌子11の先端15の軌跡の平面図を図5に
示す。
【0035】実施例1および比較例1 耐火物粉末として平均粒径7μmのアルミナ70重量部
と、結合剤としてコロイダルシリカ(平均粒径15n
m)28重量部と、水2重量部とを擂潰機を用いて40
分間混和し、本発明の接着剤組成物を得た。また同じ原
料を用いて従来から用いられている羽根式撹拌機(スリ
ーワンモータBL−1200)で40分間撹拌混合し、
比較例の接着剤組成物を得た。
【0036】これらの接着剤組成物によって20mm×
20mmの2枚のアルミナ板を接着面積が2cm2とな
るように、また接着剤組成物の厚み200μmとなるよ
うにして接着し、150℃30分間加熱乾燥した後、オ
ートグラフによって接着強度を決定した。またこの試験
片を60℃相対湿度90%の恒温恒湿の環境下で4日間
保持し、その後の接着強度を同様に測定した。また接着
剤組成物で10mm×10mm×10mmの硬化体を作
製し、オートグラフによって圧縮強度を測定した。それ
らの測定結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2〜4 耐火物粉末として表2に示す配合割合(重量)と平均粒
度のムライト、石英、アルミナと、結合剤として珪酸リ
チウム25重量部と、水5重量部とを、擂潰機で40分
間混和して3種類の本発明の接着剤組成物を得た。内径
12mmφの硬質ガラス管の中心に外径9mmφの硬質
ガラス棒を立て、この隙間に前記で得た3種類の接着剤
組成物を1.5g充填し、80℃10分の1次乾燥後、
150℃30分2次乾燥をする条件で加熱乾燥させた
後、オートグラフでガラス棒を押出して接着強度を測定
した。またハロゲンランプとステアタイト製ベースとの
接着を、前記接着剤組成物1.0gで行い、100℃の
ホットエアーで1分間加熱嵌挿し、ベース部分に500
gの荷重をかけ、ベースの剥離やガラツキの状態を目視
した。それらの結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例5 耐火物粉末として平均粒径50μmおよび5μmのアル
ミナ55重量部と、結合剤として3号水ガラス(主成分
珪酸ナトリウム)40重量部と水5重量部とを擂潰機で
40分混和して本発明の接着剤組成物を得た。
【0041】これらの接着剤組成物によって実施例1と
同じ条件で2枚のアルミナ板を接着し、80℃30分、
100℃30分、150℃30分の加熱乾燥を順次行っ
た後、オートグラフで接着強度を測定した。その結果を
表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表1の結果から、擂潰機で混和した接着剤
組成物は、従来の撹拌混合機を用いた接着剤組成物より
も接着力および機械的強度が優れていることが解る。特
に恒温恒湿の環境条件に曝した場合、接着力が優れてい
る。
【0044】表2の結果から、結合剤に珪酸リチウケを
用いたものが接着力が優れているが、荷重試験ではやや
劣ることが解る。また表3の結果から、結合剤に3号水
ガラスを用い、加熱乾燥を3段階に行えば、さらに高い
接着力が得られることが解る。表2および表3には示し
ていないが実施例2と同じ原料を従来の撹拌混合機によ
って混合したものは、同一の接着試験で接着力は30〜
40kgであり、実施例5と同じ原料を従来の撹拌機に
よって混和し、加熱乾燥を3段階に分けて行ったもの
は、オートグラフによる接着強度が130〜150kg
/cm2であった。
【0045】本発明に用いる剪断力を有する混和機の実
施の他の形態として、擂潰機の代りに図6(1)〜
(6)に示す形状の撹拌子41〜46を自転および公転
する混和機、たとえばACM型アイコーケミカルミキサ
ー(アイコー化学社製 商品名)、ハイビスディスパー
ミックス混合機HDM−3D−20型(特殊機化工業社
製商品名)、万能混合撹拌機5DM−r(ダルトン社製
商品名)を用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、10〜9
0重量部の耐火物粉末と90〜10重量部の結合剤とを
含む混合物を剪断力を有する混和機によって混和するの
で、耐火物粉末が結合剤中に安定に分散し、耐湿性、耐
熱性、耐熱性衝撃性、接着性に優れ、充分な機械的強度
を有する粘度1000cP以上の無機質接着剤組成物が
得られる。
【0047】またこのような特性が要求されるガラス電
球のガラス材料と口金、ミラー材料および磁性ベースと
の接着に、点火栓の絶縁体と中心電極および外箱との接
着に好適に用いられ、その工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の剪断力を有する磨細混和機として好適
に用いられる擂潰機1の斜視図である。
【図2】撹拌容器2の断面図である。
【図3】撹拌子11の先端11aの運動の実施の一形態
を説明する平面図である。
【図4】撹拌子11の先端11aの運動の実施の他の形
態を説明する平面図である。
【図5】撹拌子11の先端11aの軌跡の平面図であ
る。
【図6】本発明の剪断力を有する混和機の実施の他の形
態の撹拌子の斜視図である。
【符号の説明】
1 擂潰機 2 撹拌容器 3 底面 4 側面 5 接続部 11,41〜46 撹拌子 12 駆動手段 13 駆動源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂口 誠一 大阪府大阪市城東区鴫野西4丁目1番24号 朝日化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J040 AA011 HA136 HA301 HA311 HA356 HA366 KA03 KA42 LA01 LA03 LA06 LA07 LA08 MA02 MA03 MA04 MA05 MB10 NA19 QA02 QA05 QA07 QA08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火物粉末10〜90重量部と結合剤9
    0〜10重量部とを含み、 前記耐火物粉末および結合剤が、剪断力を有する混和機
    によって混和されて成り、粘度が1000cP以上であ
    ることを特徴とする無機質接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記粘度が、10000〜100000
    0cPであることを特徴とする請求項1に記載の無機質
    接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記耐火物粉末の粒子径が、0.1〜2
    00μmであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の無機質接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記耐火物粉末の粒子径が、0.1〜5
    0μmであることを特徴とする請求項3記載の無機質接
    着剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記結合剤がコロイダルシリカであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機質
    接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記コロイダルシリカの粒子径が30n
    m以下であることを特徴とする請求項5に記載の無機質
    接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 前記結合剤が珪酸リチウムであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機質接着
    剤組成物。
  8. 【請求項8】 前記結合剤が珪酸ナトリウムであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機質接
    着剤組成物。
  9. 【請求項9】 10〜90重量部の耐火物粉末と、90
    〜10重量部の結合剤と、水とを混合して、剪断力を有
    する混合機で、温度10〜40℃で混和し、粘度100
    0cP以上とすることを特徴とする無機接着剤組成物の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 耐火物粉末の粒子径が、0.1〜20
    0μmであることを特徴とする請求項9に記載の無機質
    接着剤組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 結合剤が、粒子径30nm以下のコロ
    イダルシリカのであることを特徴とする請求項9または
    10に記載の無機質接着剤組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 結合剤が珪酸リチウムまたは珪酸ナト
    リウムであることを特徴とする請求項9または10に記
    載の無機質接着剤組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 剪断力を有する混和機が、 (a)円板状の底面と、直円柱状の側面と、底面と側面
    とを接続する丸味を帯びた接続部とを有する臼形収納空
    間が形成された撹拌容器と、 (b)収納空間内に設けられる撹拌子と、 (c)収納空間内で撹拌子を自転および公転して駆動す
    る駆動手段とを含む擂潰機であることを特徴とする請求
    項9〜12のいずれかに記載の無機質接着剤組成物の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8のいずれかに記載の無機
    質接着剤組成物を用いて、ガラス電球を構成するガラス
    材料と口金、ミラー材料および磁性ベースとを接着する
    ことを特徴とする接着方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜8のいずれかに記載の無機
    質接着剤組成物を用いて、点火栓を構成する絶縁体と中
    央電極および外箱とを接着することを特徴とする接着方
    法。
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