JP2001329134A - キャップシール用プラスチゾル組成物、それを用いたキャップおよびその製造方法 - Google Patents

キャップシール用プラスチゾル組成物、それを用いたキャップおよびその製造方法

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JP2001329134A JP2000153668A JP2000153668A JP2001329134A JP 2001329134 A JP2001329134 A JP 2001329134A JP 2000153668 A JP2000153668 A JP 2000153668A JP 2000153668 A JP2000153668 A JP 2000153668A JP 2001329134 A JP2001329134 A JP 2001329134A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性がありかつ密封性およびフレーバー性
が良好なクリンプ方式飲料容器用のキャップに適したプ
ラスチゾル組成物、それを用いたキャップおよびその製
造方法の提供。 【解決手段】 (A)ガラス転移点が70〜100℃で
単一平均粒子径が0.1〜20μmのアクリル系樹脂微
粒子100重量部、(B)(a)クエン酸エステル系お
よび(b)グリセリンエステル系可塑剤の混合重量比が
(a)/(b)=95/5〜60/40の可塑剤混合物
60〜120重量部、(C)発泡剤0.05〜1.0重
量部からなることを特徴とするキャップシール用プラス
チゾル組成物、それを用いたキャップおよびその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス瓶、プラス
チック容器、金属容器等の容器口部に冠着した後にキャ
ップのスカート部を容器頸部に沿って半径方向内方へ曲
げることによりキャップを容器口部に取り付けるクリン
プ方式飲料容器用キャップに使用される、密封性、フレ
ーバー性に優れたキャップシール用プラスチゾル組成
物、それを用いたキャップおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のクリンプ方式飲料容器用キャップ
のシール用組成物は、塩化ビニル系のプラスチゾルが主
に使用され、可塑剤としてはフタル酸エステル系のもの
が多用されてきた。塩化ビニル系プラスチゾルはキャッ
プシール材として、密封性、フレーバー性、作業性、コ
スト等をはじめ優れた性能をもつ材料であるため広く使
用されてきたが、焼却時における塩化水素の放出、特定
環境でのダイオキシンの生成、環境ホルモン等の環境衛
生問題が懸念されるようになった。非塩化ビニル系プラ
スチゾルとしては、特公昭55−16177号公報記載
のアクリル系プラスチゾル等が古くから知られている。
その後、特開平7−188390号公報では食品容器用
のキャップシール用アクリルプラスチゾルが紹介されて
いる。しかし、前記アクリルプラスチゾルの場合、クリ
ンプ方式飲料容器用キャップシールとしては柔軟性に乏
しく、キャップシールの容器口部への食い込みが少なく
て、その結果密封不良になりやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、柔軟性がありかつ密封性およびフレーバー性が良好
なクリンプ方式飲料容器用のキャップに適したプラスチ
ゾル組成物、それを用いたキャップおよびその製造方法
を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、(A)
ガラス転移点が70〜100℃で単一平均粒子径が0.
1〜20μmのアクリル系樹脂微粒子100重量部、
(B)(a)クエン酸エステル系および(b)グリセリ
ンエステル系可塑剤の混合重量比が(a)/(b)=9
5/5〜60/40の可塑剤混合物60〜120重量
部、(C)発泡剤0.05〜1.0重量部からなること
を特徴とするキャップシール用プラスチゾル組成物に関
する。
【0005】本発明の第二は、(A)ガラス転移点が7
0〜100℃で単一平均粒子径が0.1〜20μmのア
クリル系樹脂微粒子100重量部、(B)(a)クエン
酸エステル系および(b)グリセリンエステル系可塑剤
の混合重量比が(a)/(b)=95/5〜60/40
の可塑剤混合物60〜120重量部、(C)発泡剤0.
05〜1.0重量部、(D)パラフィンワックス系およ
び/又はシリコンワックス系の潤滑剤0.3〜3重量部
とからなるキャップシール用プラスチゾル組成物に関す
る。
【0006】本発明の第三は、請求項1または2記載の
キャップシール用プラスチゾル組成物より得られた23
℃で引張強度10〜40kg/cm、伸び率(JIS
K6251)200〜500%、硬度(JIS K
6253)25〜50のキャップシール層を有すること
を特徴とするキャップに関する。
【0007】本発明の第四は、キャップの所定部分に請
求項1または2記載のキャップシール用プラスチゾル組
成物を適用後、150〜250℃で加熱することを特徴
とする請求項3記載のキャップの製造方法に関する。
【0008】本発明のキャップシール用プラスチゾル組
成物の粘度に関する貯蔵安定性は、25℃で2週間保存
した後のプラスチゾルをゾルの温度を30℃にして測定
したときの初期粘度と、2週間後の同条件で測定した貯
蔵後粘度との関係により得られる。
【数1】 粘度経時変化指数=(貯蔵後粘度)÷(初期粘度) が2.5未満、好ましくは1.5未満であることが好ま
しい。
【0009】本発明に用いられるアクリル系樹脂は、ガ
ラス転移点(Tg)が70〜100℃であることが重要
である。通常のアクリル系樹脂たとえばポリメチルメタ
クリレートはTgが110℃前後である。本発明に用い
られるアクリル系樹脂は、メチル(メタ)アクリレート
のようにアルキル基の炭素数が1〜2の(メタ)アクリ
レート単量体にTgを下げる目的でアルキル基の長い
(メタ)アクリレート単量体を共重合した共重合体であ
り、このような共重合体を用いることにより、柔軟性が
良好な成型物が得られる。Tgが100℃より高いと、
発泡成型のため150℃〜250℃で加熱した時、発泡
体が形成されないために柔軟性が良好な成型物が得られ
ず、キャップシールとしての密封機能が劣る。Tgが7
0℃より低いと、Tgが低すぎるためにラテックスを乾
燥、粉砕して製造したアクリル系樹脂が微粒子として得
られず、プラスチゾル用アクリル樹脂として使用するの
が困難である。
【0010】可塑剤はクエン酸エステル系とグリセリン
エステル系との混合物であり、アクリル系樹脂100重
量部に対して可塑剤60〜120重量部、好ましくは7
0〜110重量部の割合で用いる。クエン酸エステル系
とグリセリンエステル系との混合割合は重量比で95/
5〜60/40、好ましくは90/10〜70/30の
範囲にあることも重要である。可塑剤量が60重量部よ
り少ないとゾル粘度が高すぎて、塗布作業に支障をきた
し、また硬度が上がり反発弾性が強すぎて、密封性が劣
ってくる。一方、可塑剤量が120重量部より多いと硬
度が低下し、反発弾性が低下し密封機能が劣る。またグ
リセリンエステル系の割合が5重量%より少ないとアク
リルゾルの貯蔵安定性が悪く、40重量%より多いと可
塑剤がブリードし、内容物を汚染して好ましくない。
【0011】クエン酸エステル系可塑剤の例としては、
クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルク
エン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセ
チルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル等を挙げること
ができる。
【0012】グリセリンエステル系可塑剤の例として
は、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジ
アセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレ
ート、グリセリンモノアセトモノスレアレート等のアセ
チル化モノグリセライド、炭素数7〜11の脂肪酸トリ
グリセライド等を挙げることができる。
【0013】前記の可塑剤の中でとくに適切なものは、
クエン酸エステル系がアセチルクエン酸トリエチル、ア
セチルクエン酸トリブチル、グリセリンエステル系がグ
リセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセト
モノオレート、炭素数8〜10の脂肪酸トリグリセライ
ドである。
【0014】発泡剤は、アクリル樹脂100重量部に対
し0.05〜1.0重量部を用いることも重要である。
発泡剤量が0.05重量部より少ないと発泡効果が少な
く、キャップシールの瓶口又は缶口への食い込みが少な
く、その結果長期保存で漏洩してしまう。また、1.0
重量部より多いとキャップシール材の反発弾性が低下
し、衝撃時に漏洩するなど密封機能が劣る。
【0015】発泡剤としては、分解性発泡剤と揮発性発
泡剤があるが、分解性発泡剤としては、(a)アゾ化合
物;アゾジカーボンアミド(ADCA)、アゾビスホル
ムアミド(ABFA)、アゾビスイソブチロニトリル
(AZDN)、アゾジカルボン酸バリウム、ジアゾアミ
ノベンゼン(DAB)、バリウムアゾジカルボキシレー
ト、トリヒドラジノトリアジン、(b)ニトロソ化合
物;N−N′ジニトロペンタメチレンテトラミン(DP
T)、N−N′ジメチルN,N′−ジニトロテレフタロ
アミド(DMDNTK)、(c)スルホニルヒドラジッ
ド化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジッド(BS
H)、p−トルエンスルホニルヒドラジッド(TS
H)、p−p′オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ッド(OBSH)、(d)スルホニルセミカルバジッド
化合物;p−トルエンスルホニルセミカルバジッド(T
SSC)などの有機化合物があるが、とくにアゾジカー
ボンアミド系化合物が好適である。また、揮発性発泡剤
としては、C〜Cの脂肪族炭化水素、アルコール
類、ケトン類などがあるが、具体例にはペンタン、メチ
レンクロライド、石油エーテル、アセトン、イソヘキサ
ン、ヘキサン、ベンゼンなどである。
【0016】潤滑剤としては、パラフィン系またはシリ
コーン系ワックスを挙げることができ、その使用量は、
アクリル系樹脂100重量部に対し0.3〜3重量部で
ある。シール用組成物が塩化ビニル系樹脂組成物の場合
は加える必要はないが、アクリル樹脂のシール材は、潤
滑剤を加えない場合、粘着性があり、瓶または缶等の口
部の開封に要する力が大きくなり好ましくない。潤滑剤
量が0.3重量部より少ないと粘着防止の効果がなく、
3重量部より多いと表面にワックスがブリードして好ま
しくない。
【0017】キャップシール用プラスチゾル組成物の加
熱成型における温度は150℃〜250℃であることも
重要である。加熱温度が150℃より低いとキャップと
シール材との接着が十分でなく、シール材が剥離したり
して好ましくない。また、250℃より高いとアクリル
系樹脂が分解し、キャップシール材としての性能が劣化
するので好ましくない。加熱処理の条件によりシール材
としての性能が左右されるので、充分な管理が必要であ
る。
【0018】本発明で用いるエステル部分のアルキル基
の炭素数が1〜2の(メタ)アクリレートとしては、メ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアク
リレートおよびエチルメタクリレートあるいはこれらの
2種以上の混合物などがあり、とくに、メチルメタクリ
レートが好ましい。また、Tgを下げる目的で用いるエ
ステル部分のアルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)
アクリレートとしては、n−ブチルアクリレート、n−
ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、
sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレー
ト、t−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレ
ート、n−ペンチルメタクリレート、イソペンチルアク
リレート、イソペンチルメタクリレート、n−ヘキシル
アクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシル−アクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメ
タクリレートあるいはこれらの2種以上の混合物などが
あるが、n−ブチルメタクリレートが好ましい。
【0019】前記2つのグループの共重合成分のほかに
必要に応じて少量の他の種々の単量体を共重合させるこ
とができる。このような単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミ
ド、酢酸ビニル、酢酸アリルなどを例示することができ
る。これら第3のグループの単量体の使用量は、共重合
体の物性が特許請求の範囲の条件を満すものであれば、
とくに制限はないが、通常、全単量体に対して10重量
%以下、好ましくは5重量%以下の範囲で使用すること
ができる。
【0020】本発明のアクリル系樹脂を得るための重合
方法には特に制限はないが、本発明のプラスチゾル形成
に用いるためアクリル系樹脂は微粒子であることが必要
である。平均粒子径として0.1〜20μm、好ましく
は0.3〜10μmであることが望ましい。
【0021】本発明のアクリル系樹脂の分子量は、通常
20万以上、好ましくは50万〜500万である。その
理由は、所望する十分な機械的強度を得るためで、前述
の分子量未満では引張強度等の物性が不充分になる恐れ
があるためである。
【0022】本発明においては、アクリル系樹脂に可塑
剤のほか、必要に応じて抗菌剤、防かび剤、酸化防止
剤、紫外線安定剤、滑剤、充填剤、着色剤などの添加剤
を配合することができる。
【0023】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0024】本発明のキャップを形成するために用いる
金属は、通常クリンプ方式に用いられる金属なら何れで
もよく、通常アルミニウム合金が用いられることが多
い。
【0025】実施例1 アクリル系樹脂Aとしてのメタクリレート系共重合体の
合成 ステンレス製容器に、メタクリレート系単量体としてメ
チルメタクリレート65重量部、n−ブチルメタクリレ
ート33重量部、メタクリル酸2重量部、乳化剤として
ドテシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.0重量部、分散
剤として炭素数18の高級アルコール1.5重量部、重
合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.3重量部
および脱イオン水150重量部を添加し、室温下で30
分間攪拌混合した後、ホモミキサーの高剪断下での均質
処理を通し、ステンレス製重合容器に移送して油相の粒
子径が0.1〜5μmの微細懸濁液として攪拌調整し
た。続いて重合温度65℃で5時間攪拌下で重合を行
い、少量サンプリングした反応液の固形分濃度により重
合率95%以上になったことを確認してから反応を終了
させ、水酸化カリウム水溶液で中和処理してラテックス
を得た。同ラテックスを170℃の窒素気流の噴霧乾燥
機で乾燥し、更に窒素シールした粉砕器を通して微粉末
とした。このようにして得られた重合体樹脂粒子の単一
平均粒子径は1.5μm、ガラス転移点は84℃、分子
量は250万であった。
【0026】アクリルゾルの製造と各試験法 前記方法により製造したアクリル系樹脂100g、アセ
チルクエン酸トリブチル75g、グリセリンジアセトモ
ノラウレート15g、アゾジカーボンアミド系発泡剤
0.2g、パラフィンワックス2gを石川式らい潰機で
60分混練する。それを真空脱泡してアクリルゾルを調
製した。初期粘度は、調製したアクリルゾルを液温30
℃にし、BH型粘度計で測定した。物性の測定は、ゾル
20gをテフロン(登録商標)シート上にうすく伸ば
し、210℃×3分加熱処理を行い、シートを作成し
た。それをダンベル3号で打ち抜き、試料を作成した。
この試料を(株)東洋精機製作所製の引張試験機(スト
ログラフR型)で、JIS K 6251により試験温
度23℃、引張強度500mm/min.で引張試験を
行い、引張強度、伸び率を測定した。硬度は、JIS
K 6253によりタイプAデュロメータを用い、試験
温度23℃で測定した。可塑剤等のブリードの有無は、
作成したシートを室温で1週間保存し、評価結果は表中
に示した。表中、○は可塑剤のブリードがない場合であ
り、×は可塑剤のブリードがある場合である。
【0027】キャップの製造 密封性試験用のキャップは、スカート部下端から頂部に
向かって延びる一対のスコア線に挟まれているスカート
部の下端から延出しているタブを有し、スカート部の円
周に沿ってタブから左右方向へそれぞれ約90°の位置
のスカート部に、下端から上方に延びるスリットが形成
されている直径56mmφのクリンプ方式アルミニウム
合金製キャップの内面側のキャップチャンネル部(キャ
ップの頂部周縁溝部)に、調製したアクリルゾルを80
0mg塗布し、210℃×1分15秒で加熱して作成し
た。200ccのガラス瓶に70℃の温水を充填し、作
成したタブ付開封容易なキャップを用いてその瓶口を封
鎖した後、自然放冷し、以下の密封性試験の試料とし
た。スローリーク試験は、温水を充填、密封した瓶を3
8℃の恒温槽で1ヶ月間保存し、保存後の瓶に対してバ
キュームゲージを用いて真空度を測定することにより、
漏洩の有無を調べた(10本についてテスト)。衝撃密
封性試験は、温水を充填、密封した翌日の瓶を斜度が1
5度の鉄面に、50cmの高さからキャップのタブの対
角部分に鉄面が当るようにして落下させた。落下して一
晩放置した後、落下後の瓶の真空度を測定し、漏洩の有
無を調べた(10本についてテスト)。下記表中におけ
る開封性の評価は、密封した瓶のキャップのタブを持ち
上げてキャップのスカート部を外方へ変形させることに
より、キャップを開封した時に、開封に要する力が小さ
いものを○と表示し、開封に要する力が大きいものを×
と表示した。アクリルゾルの粘度の貯蔵安定性は、25
℃で2週間保存した後のアクリルゾルを液温30℃で粘
度を測定し、2週間後の粘度を初期粘度でわり算した粘
度経時変化指数を算出して判断した。この指数が1.5
未満の場合が粘度安定性が良好であり、2.5以上の場
合は粘度安定性が悪く、塗布作業に支障をきたすことが
ある。これらの結果を表に示すが、表中の○、△、×の
表示は下記のとおりである。 ○:粘度経時変化指数<1.5 △:1.5≦粘度経時変化指数<2.5 ×:粘度経時変化指数≧2.5
【0028】実施例2 可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル60g、グリ
セリンジアセトモノラウレート20gを使用する以外
は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各
試験を行った。その結果を表1に示す。
【0029】実施例3 可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル75g、グリ
セリンジアセトモノオレート15gを使用する以外は、
実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験
を行った。その結果を表1に示す。
【0030】実施例4 可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル90g、グリ
セリンジアセトモノラウレート10gを使用する以外
は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各
試験を行った。その結果を表1に示す。
【0031】実施例5 パラフィンワックス2gの代わりにシリコーンオイル2
gを使用する以外は、実施例1と同様の処方でアクリル
ゾルを調製し、各試験を行った。その結果を表2に示
す。
【0032】実施例6 パラフィンワックス1gを使用する以外は、実施例1と
同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験を行った。
その結果を表2に示す。
【0033】実施例7 可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル45g、グリ
セリンジアセトモノラウレート20gを使用する以外
は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各
試験を行った。その結果を表2に示す。
【0034】実施例8 可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル100g、グ
リセリンジアセトモノラウレート10gを使用する以外
は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各
試験を行った。その結果を表2に示す。
【0035】実施例9 アゾジカーボンアミド系発泡剤0.07gを使用する以
外は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、
各試験を行った。その結果を表3に示す。
【0036】実施例10 アゾジカーボンアミド系発泡剤0.8gを使用する以外
は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各
試験を行った。その結果を表3に示す。
【0037】実施例11 パラフィンワックス0.5gを使用する以外は、実施例
1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0038】実施例12 パラフィンワックス3.0gを使用する以外は、実施例
1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0039】比較例1 アゾジカーボンアミド系発泡剤2g(多すぎる)を使用
する以外は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調
製し、各試験を行った。その結果を表4に示す。
【0040】比較例2 アゾジカーボンアミド系発泡剤を使用しない以外は、実
施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験を
行った。その結果を表4に示す。
【0041】比較例3 可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル110g、グ
リセリンジアセトモノラウレート20gを使用する以外
は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各
試験を行った。その結果を表4に示す。
【0042】比較例4 可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル50g、グリ
セリンジアセトモノラウレート5gを使用する以外は、
実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験
を行った。その結果を表4に示す。
【0043】比較例5 アセチルクエン酸トリブチル90g、グリセリン系エス
テルを加えない以外は、実施例1と同様の処方でアクリ
ルゾルを調製し、各試験を行った。その結果を表5に示
す。
【0044】比較例6 アセチルクエン酸トリブチル50g、グリセリンジアセ
トモノラウレート40gの可塑剤(グリセリンエステル
系可塑剤の割合が多すぎる)を使用する以外は、実施例
1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験を行っ
た。その結果を表5に示す。
【0045】比較例7 アゾジカーボンアミド系発泡剤0.02gを使用する以
外は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、
各試験を行った。その結果を表5に示す。
【0046】比較例8 アゾジカーボンアミド系発泡剤1.2gを使用する以外
は、実施例1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各
試験を行った。その結果を表5に示す。
【0047】比較例9 パラフィンワックス0.2gを使用する以外は、実施例
1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験を行っ
た。その結果を表6に示す。
【0048】比較例10 パラフィンワックス4.0gを使用する以外は、実施例
1と同様の処方でアクリルゾルを調製し、各試験を行っ
た。その結果を表6に示す。
【0049】比較例11 (1)アクリル系樹脂Bとしてのメチルメタクリレート
重合体の合成 ステンレス製容器にメチルメタクリレート100重量
部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム1.0重量部、分散剤として炭素数18の高級アルコ
ール1.5重量部および重合開始剤としてベンゾイルパ
ーオキサイド0.3重量部と脱イオン水150重量部を
添加し、室温下で30分間攪拌混合した後、ホモミキサ
ーの高剪断下での均質処理を通し、ステンレス製重合容
器に移送して油相の液滴径が0.1〜4μmの微細懸濁
液として調製した。続いて重合温度65℃で5時間攪拌
下にて重合を行い、少量サンプリングした反応液の固形
分濃度により重合率95%以上を確認してから反応を終
了させ、重合体ラテックスを得た。同ラテックスを17
0℃の窒素気流の噴霧乾燥機にて乾燥し、更に窒素シー
ルした粉砕機を通して微粉末とした。このようにして得
られた重合体樹脂粒子の単一平均粒子径は1.3μm、
ガラス転移点は110℃、重量平均分子量は3,20
0,000であった。
【0050】(2)アクリルゾルの製造と各試験法 前記方法により製造したアクリル系樹脂B100g、ア
セチルクエン酸トリブチル75g、グリセリンジアセト
モノラウレート15g、アゾジカーボンアミド系発泡剤
0.2g、パラフィンワックス2gを使用する以外は、
実施例1ど同様な方法でアクリルゾルを調製し、各試験
を行った。その結果を表6に示す。
【0051】比較例12 前記方法により製造したアクリル系樹脂B100g、ア
セチルクエン酸トリブチル100g、グリセリンジアセ
トモノラウレート10g、パラフィンワックス2gを使
用し、アゾジカーボンアミド系発泡剤を使用しないこと
以外は、実施例1と同様な方法でアクリルゾルを調製
し、各試験を行った。その結果を表6に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【発明の効果】本発明のキャップシール用プラスチゾル
組成物は、焼却時に塩化水素やダイオキシンを発生する
ことがなく、長期間の保存に際しても組成物の塗布、成
形等に必要な流動性が維持される。またこれを適度に発
泡させることにより得られたキャップシールは、柔軟性
が増し、このシール層を用いたキャップは容器口部への
食い込み性がよく、密封性およびフレーバー性に優れて
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/103 C08K 5/103 //(C08L 33/04 (C08L 33/04 91:06 91:06 83:04) 83:04) (72)発明者 渡辺 克己 神奈川県海老名市中新田1212−1 株式会 社日本化学研究所内 (72)発明者 山田 光俊 神奈川県海老名市中新田1212−1 株式会 社日本化学研究所内 Fターム(参考) 3E084 AA04 AA22 AA24 AA32 AB01 BA01 CA01 CC02 DA01 DB01 DB09 DB12 DC02 FB02 GA04 GB04 GB08 GB17 HA02 HA03 HB03 HC03 HD01 4F074 AA15 AA48 AA90 AB02 AD11 AG02 AG11 BA13 CC04Y CC32Y DA08 DA24 DA34 DA39 4J002 AE032 BG041 BG051 BG061 CP032 EA018 EC008 EE028 EH047 EH096 EH156 EH157 EQ018 EQ028 ES008 FD026 FD027 FD172 FD328 GG00 HA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ガラス転移点が70〜100℃で
    単一平均粒子径が0.1〜20μmのアクリル系樹脂微
    粒子100重量部、(B)(a)クエン酸エステル系お
    よび(b)グリセリンエステル系可塑剤の混合重量比が
    (a)/(b)=95/5〜60/40の可塑剤混合物
    60〜120重量部、(C)発泡剤0.05〜1.0重
    量部からなることを特徴とするキャップシール用プラス
    チゾル組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ガラス転移点が70〜100℃で
    単一平均粒子径が0.1〜20μmのアクリル系樹脂微
    粒子100重量部、(B)(a)クエン酸エステル系お
    よび(b)グリセリンエステル系可塑剤の混合重量比が
    (a)/(b)=95/5〜60/40の可塑剤混合物
    60〜120重量部、(C)発泡剤0.05〜1.0重
    量部、(D)パラフィンワックス系および/又はシリコ
    ンワックス系の潤滑剤0.3〜3重量部とからなるキャ
    ップシール用プラスチゾル組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のキャップシール
    用プラスチゾル組成物より得られた23℃で引張強度1
    0〜40kg/cm、伸び率(JIS K6251)
    200〜500%、硬度(JIS K 6253)25
    〜50のキャップシール層を有することを特徴とするキ
    ャップ。
  4. 【請求項4】 キャップの所定部分に請求項1または2
    記載のキャップシール用プラスチゾル組成物を適用後、
    150〜250℃で加熱することを特徴とする請求項3
    記載のキャップの製造方法。
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