JP2001328965A - ジャスモン酸エステル誘導体及びその中間体の製造法 - Google Patents

ジャスモン酸エステル誘導体及びその中間体の製造法

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JP2001328965A JP2000343789A JP2000343789A JP2001328965A JP 2001328965 A JP2001328965 A JP 2001328965A JP 2000343789 A JP2000343789 A JP 2000343789A JP 2000343789 A JP2000343789 A JP 2000343789A JP 2001328965 A JP2001328965 A JP 2001328965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産効率の高い2−アルキル−2−シクロペ
ンテノンの製造法、及びそれを用いたジャスモン酸エス
テル誘導体の製造法の提供。 【解決手段】 化合物(1)に、アミンとハロゲン化水
素とを特定割合で作用させ、異性化反応を行うか、化合
物(3)に、アミンとハロゲン化水素からなる触媒を作
用させて、脱水・異性化反応を行って、化合物(2)を
得る。更にこの化合物(2)とマロン酸ジエステルとを
反応させ、次いで水を反応させて、ジャスモン酸エステ
ル誘導体(5)を得る。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式中、R1及びR2はH又はC1-8のアルキル基等を示
す。R3はC1-3のアルキル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理活性物質や香
料の合成中間体として有用な2−アルキル−2−シクロ
ペンテノンの製造法、及びそれを用いた、香料素材や生
理活性物質として有用なジャスモン酸エステル誘導体の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】2−ア
ルキル−2−シクロペンテノンの製造法として、例え
ば、2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロペンタノ
ンの脱水反応により2−アルキリデンシクロペンタノン
を得た後、これを異性化する方法がある。その中では、
2−アルキリデンシクロペンタノンにハロゲン化水素を
接触させて2−アルキル−2−シクロペンテノンを製造
する方法が知られており、その改良についても種々検討
されている(特開昭59−80625号公報等)。
【0003】しかしながら、これらは低濃度の反応条件
下でしか、高収率で目的物を得ることができず、工業化
のためにさらなる改良が望まれていた。この改良方法と
して、ハロゲン化水素に代えアミンのハロゲン化水素塩
を用いる方法も知られている(特開平6−80606号
公報)。しかしこの方法でも、溶媒を過剰に添加しない
と十分満足できる収率が得られなかった。
【0004】また、2−(1−ヒドロキシアルキル)−
シクロペンタノンから、脱水と異性化を一段階で行う方
法も知られている(特開昭56−147740号、特開
平5−92934号)。しかしながら、これらの方法
は、反応に長時間を要する、収率が悪い、溶媒量が多く
生産性が悪い等の欠点を有している。
【0005】本発明の課題は、生産効率の高い2−アル
キル−2−シクロペンテノンの製造法、及びそれを用い
たジャスモン酸エステル誘導体の製造法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又
は炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示
すか、あるいはR1とR2が一緒になって隣接する炭素原
子と共にシクロペンタン環もしくはシクロヘキサン環を
形成しても良い。)で表される2−アルキリデンシクロ
ペンタノン(以下化合物(1)という)に、アミンとハ
ロゲン化水素とをアミン/ハロゲン化水素(モル比)=
1.1/1〜5/1の割合で作用させ、異性化反応を行
う、一般式(2)
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R1及びR2は前記の意味を有す
る。)で表される2−アルキル−2−シクロペンテノン
(以下化合物(2)という)の製造法、及び一般式
(3)
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R1及びR2は前記の意味を有す
る。)で表される2−(1−ヒドロキシアルキル)−シ
クロペンタノン(以下化合物(3)という)に、アミン
とハロゲン化水素からなる触媒を作用させて、脱水・異
性化反応を行う、化合物(2)の製造法である。
【0013】また、本発明は、上記の製造法で得られた
化合物(2)と、一般式(4)
【0014】
【化9】
【0015】(式中、R3は炭素数1〜3の直鎖又は分
岐鎖のアルキル基を示し、2個のR3は同一でも異なっ
ていても良い。)で表されるマロン酸ジエステル(以下
化合物(4)という)とを反応させ、次いで水を反応さ
せる、一般式(5)で表されるジャスモン酸エステル誘
導体(以下化合物(5)という)の製造法である。
【0016】
【化10】
【0017】(式中、R1、R2及びR3は前記の意味を
有する。)
【0018】
【発明の実施の形態】[製造法1:化合物(1)から化
合物(2)を得る製造法]本発明に用いられる化合物
(1)は、従来公知の方法により製造でき、例えばシク
ロペンタノンのエナミンとアルデヒドを脱水・縮合さ
せ、その生成物を酸で分解する方法や、化合物(3)を
脱水する方法等により簡便に合成できる。
【0019】化合物(1)としては、2−ブチリデンシ
クロペンタノン、2−(2’−メチルブチリデン)シク
ロペンタノン、2−ペンチリデンシクロペンタノン、2
−ヘキシリデンシクロペンタノン、2−シクロペンチリ
デンシクロペンタノン、2−シクロヘキシリデンシクロ
ペンタノン、2−(1’−メチルブチリデン)−シクロ
ペンタノン等が挙げられる。
【0020】本製造法に用いられるアミンとハロゲン化
水素とは、低溶媒量でも高収率の化合物(2)を得るた
めに、アミン/ハロゲン化水素(モル比)=1.1/1
〜5/1、好ましくは1.2/1〜3/1、より好まし
くは1.5/1〜3/1の割合で反応させる。
【0021】本製造法に用いられるアミンは、弱塩基で
ある芳香族アミン又は複素芳香環アミンが好ましく、具
体的には、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピ
コリン、キノリン、ポリビニルピリジン等が挙げられ、
特にピリジン、ピコリン及びキノリンが好ましい。ハロ
ゲン化水素としては、塩化水素、臭化水素又はヨウ化水
素等が挙げられ、特に塩化水素又は臭化水素が好まし
い。
【0022】アミンとハロゲン化水素とは、予めアミン
とハロゲン化水素とを上記のようなアミン過剰の割合で
混合したものを用いても、あるいは反応容器中にアミン
とハロゲン化水素を上記割合で添加しても良い。ハロゲ
ン化水素の使用量は、化合物(1)に対して、1〜50モ
ル%、特に2〜20モル%が好ましい。
【0023】反応は、アルコール溶媒中又は無溶媒下で
行うのが好ましい。アルコール溶媒としては、例えば炭
素数1〜8の低級アルコール類、又はジオール類、トリ
オール類等が使用されるが、炭素数1〜8の低級アルコ
ール類が特に好ましい。具体例としては、メタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、2−エチルヘ
キサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコー
ル、1,8−オクタンジオール、グリセリン、ポリエチ
レングリコール等が挙げられる。溶媒使用量は、化合物
(1)に対し0.5〜5重量倍が好ましく、経済的には0.5
〜2重量倍が更に好ましい。なお、反応溶媒は、使用す
る化合物(1)の物性により適宜選択されるが、選択さ
れた溶媒の沸点が反応温度以下である場合は、加圧下反
応を行えばよい。
【0024】反応温度は80〜200℃、特に100〜180℃が
好ましく、適当な時間反応させ、反応終了後常法に従っ
て後処理をすることにより、化合物(2)が得られる。
【0025】反応手順としては、化合物(1)、溶媒、
アミン及びハロゲン化水素を同時に仕込み反応させるこ
ともできるが、反応温度に達してから、触媒と化合物
(1)を接触させることが好ましく、化合物(1)と溶
媒を仕込み、そこへ所定の温度でアミン及びハロゲン化
水素の混合液を滴下して反応させる方法、先に溶媒とア
ミン及びハロゲン化水素を仕込み、所定の温度で化合物
(1)を滴下する方法等が挙げられるが、いずれの方法
を採用してもよい。
【0026】[製造法2:化合物(3)から化合物
(2)を得る製造法]本製造法の原料として用いられる
化合物(3)において、1−ヒドロキシアルキル基を構
成するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル
基等が挙げられる。
【0027】この化合物(3)は、従来公知の方法によ
り製造でき、例えばシクロペンタノンと、式(6)
【0028】
【化11】
【0029】(式中、R1及びR2は前記の意味を有す
る。)で表されるアルデヒド又はケトンを反応させるこ
とにより得ることができる。
【0030】本製造法に用いられる触媒は、アミンとハ
ロゲン化水素からなる。アミンとしては、ハロゲン化水
素と塩を作るものであればよく、特に限定されないが、
弱塩基である芳香族アミン又は複素芳香環アミンが好ま
しく、具体的には、製造法1の項に記載したものが挙げ
られ、特にピリジン、ピコリン及びキノリンが好まし
い。ハロゲン化水素としては、製造法1の項に記載した
ものが挙げられ、特に塩化水素又は臭化水素が好まし
い。
【0031】アミンとハロゲン化水素とは、予め塩とし
て調製されたものを用いても、あるいは反応容器中にア
ミンとハロゲン化水素を添加しても良い。反応系中のア
ミンとハロゲン化水素との割合は、アミンを過剰に用い
るのが好ましく、アミン/ハロゲン化水素(モル比)=
1/1〜5/1が好ましく、より好ましくは1.1/1
〜5/1、特に1.2/1〜3/1の割合が好ましい。
【0032】また、アミンとハロゲン化水素からなる触
媒は、化合物(3)に対して、ハロゲン化水素の量が、
5〜50モル%となる割合で添加するのが好ましい。
【0033】本製造法の反応は、無溶媒でも進行する
が、副反応の重合を避けるために、溶媒を使用するのが
好ましい。溶媒としては、アルコール類、ジオール類、
トリオール類等の極性溶媒が好ましい。溶媒の具体例と
しては、製造法1の項に記載したものが挙げられ、炭素
数4〜8のアルコールが特に好ましい。
【0034】溶媒の使用量は、化合物(3)に対し、
0.5〜5重量倍が好ましく、経済的には0.5〜2重
量倍が更に好ましい。なお、溶媒は、化合物(3)の物
性と反応温度を考慮して適宜選択される。
【0035】反応温度は、反応を短時間で終わらせ、エ
ンド体やエキソ体の重合を防いで収率を向上させるとい
う観点から、100〜200℃、特に130〜160℃
が好ましい。また反応圧は、常圧でも反応は進行する
が、反応温度が低い場合には、生成する水を効率的に系
外へ留去させるために、減圧下で反応することが好まし
い。
【0036】本製造法の反応においては、生成する水を
留去しながら反応を行うことが好ましい。反応手順とし
ては、反応温度に達してから、触媒と化合物(3)を接
触させることが好ましく、溶媒・触媒混合液に化合物
(3)を滴下する方法、あるいは化合物(3)・溶媒混
合液に触媒を滴下する方法のどちらを選択しても良い。
【0037】本製造法においては、反応終了後常法に従
って後処理をすることにより、化合物(2)が得られ
る。
【0038】[化合物(5)の製造法]上記製造法1及
び2により得られた化合物(2)を原料とし、例えばE
P33604号明細書に記載の方法により香料素材や生
理活性物質として有用な化合物(5)を得ることができ
る。
【0039】具体的には、まず化合物(2)と化合物
(4)とを塩基性触媒存在下に反応させ、一般式(7)
で表される化合物(以下化合物(7)という)を得る。
【0040】
【化12】
【0041】(式中、R1、R2及びR3は前記の意味を
有する。)化合物(2)に対して化合物(4)を、1〜
5モル培、好ましくは1.2〜2モル培の割合で反応さ
せることが好ましい。
【0042】塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属、ナトリウムアルコキシド、カリウ
ムアルコキシド等のアルカリ金属アルコキシド等が挙げ
られる。触媒の使用量は化合物(2)に対して、0.0
2〜0.2モル倍が好ましい。溶媒としてはアルコール
類等の極性溶媒が好ましい。反応温度は−10℃〜30
℃の範囲が好ましく、0〜20℃の範囲がより好まし
い。
【0043】次に、得られた化合物(7)と水とを反応
させることにより、化合物(5)を製造することができ
る。水は、化合物(7)に対して1〜3モル倍量を反応
系中に滴下しながら反応させることが好ましい。反応温
度は150〜220℃の範囲が好ましい。
【0044】
【実施例】実施例1 2−ペンチリデンシクロペンタノン19.0g(0.125モ
ル)を、n−ブタノール19.0gに溶かし、130℃に昇温
した後、同温度で3−ピコリン1.8g(0.019モル)と35
%塩酸1.3g(0.013モル)の混合液を30分で滴下した。
滴下終了後、同温度で3.5時間加熱攪拌した。反応終了
後、室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で中和し
た後、有機層をガスクロマトグラフィーで分析を行った
[分析は、DB−WAXカラムを用い、標準物質として
トリデカンを加えて行った。昇温条件:60℃−5℃/mi
n−220℃]。その結果、反応終了品中には、2−ペンチ
ル−2−シクロペンテノンが15.8g含まれていることが
わかった(収率:83.2%)。
【0045】実施例2 3−ピコリン2.3g(0.025モル)と35%塩酸1.3g(0.0
13モル)の混合液を用いた以外は実施例1と同様にして
2−ペンチル−2−シクロペンテノンを15.5g得た(収
率;81.7%)。
【0046】実施例3 3−ピコリン4.7g(0.050モル)と35%塩酸1.3g(0.0
13モル)の混合液を用いた以外は実施例1と同様にして
2−ペンチル−2−シクロペンテノンを15.0g得た(収
率;78.6%)。
【0047】比較例1 3−ピコリン1.2g(0.013モル)と35%塩酸1.3g(0.0
13モル)の混合液を用いた以外は実施例1と同様にして
2−ペンチル−2−シクロペンテノンを14.3g得た(収
率;75.2%)。
【0048】実施例4 n−ヘキサノール82.2gに3−ピコリン15.09g(0.16
モル)と35%塩酸5.63g(0.055モル)を混合し、160℃
に昇温した後、同温度で2−ペンチリデンシクロペンタ
ノン164.4g(1.08モル)を2時間かけて、また、同時
に35%塩酸を1.41g(0.014モル)/hの速度で2時間
滴下した。滴下終了後、同温度で35%塩酸は滴下を続け
ながら5時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却
し、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、有機層を実
施例1と同様にして分析を行った結果、2−ペンチル−
2−シクロペンテノンを148.3g得た(収率;90.2
%)。
【0049】実施例5 溶媒として2−エチルヘキサノール82.2gを用いた以外
は実施例4と同様にして2−ペンチル−2−シクロペン
テノンを144.7g得た(収率;88.0%)。
【0050】実施例6 2−エチルヘキサノール100.0gに3−ピコリン5.44g
(0.058モル)と35%塩酸5.54g(0.053モル)を混合
し、140℃に昇温した後、同温度で2−ペンチリデンシ
クロペンタノン100.0g(0.53モル)を2時間かけて滴
下した。滴下終了後、同温度で2時間加熱攪拌した。反
応終了後、室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で
中和した後、有機層を実施例1と同様にして分析を行っ
た結果、2−ペンチル−2−シクロペンテノンを69.2g
得た(収率;86.0%)。
【0051】実施例7 3−ピコリン7.42g(0.080モル)と35%塩酸5.54g
(0.053モル)を用い、実施例6に従い、滴下反応を行
った。滴下終了後、同温度で5時間加熱攪拌した。反応
終了後、室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で中
和した後、有機層を実施例1と同様にして分析を行った
結果、2−ペンチル−2−シクロペンテノンを65.2g得
た(収率;80.8%)。
【0052】実施例8 ディーン・シュターク分水管を付けた反応器に、n−ヘ
キサノール23.5gを入れ、ここに3−ピコリン1.8g(0.
019モル)と35%塩酸1.3g(0.013モル)を混合し、140
℃に昇温した後、同温度で2−(1−ヒドロキシペンチ
ル)−シクロペンタノン21.3g(0.125モル)を3時間か
けて滴下した。反応中、留出液は、ディーン・シュター
ク分水管で2層に分離し、水層は系外へ出し、有機層は
反応系内に還流しながら反応を行った。滴下終了後、同
温度で3時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却
し、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、有機層をガ
スクロマトグラフィーで分析を行った[分析は、DB−
WAXカラムを用い、標準物質としてトリデカンを加え
て行った。昇温条件:60℃−5℃/min−220℃]。その
結果、反応終了品中には、2−ペンチル−2−シクロペ
ンテノンが15.8g含まれていることがわかった(収率:
83.2%)。
【0053】実施例9 2−エチルヘキサノール12.7gに3−ピコリン2.4g
(0.026モル)と35%塩酸2.6g(0.025モル)を混合
し、160℃で反応を行った以外は実施例8と同様にして
2−ペンチル−2−シクロペンテノンを15.4g得た(収
率;81.1%)。
【0054】実施例10 n−ヘキサノール125.0gに3−ピコリン7.4g(0.079
モル)と35%塩酸5.4g(0.053モル)を混合し、160℃
に昇温した後、同温度で2−(1−ヒドロキシペンチ
ル)−シクロペンタノン180.5g(1.06モル)を2時間
かけて、また、同時に35%塩酸を1.4g(0.014モル)/
hの速度で滴下した。滴下終了後、同温度で35%塩酸は
滴下を続けながら、3時間加熱攪拌した。反応終了後、
室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で中和した
後、有機層を実施例8と同様にして分析を行った結果、
反応終了品中には2−ペンチル−2−シクロペンテノン
が144.7g含まれていることがわかった(収率;89.7
%)。
【0055】実施例11 溶媒としてn−ヘキサノール62.5gを用いる以外は実施
例10と同様にして2−ペンチル−2−シクロペンテノ
ンを139.7g得た(収率;86.6%)。
【0056】実施例12 2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン4
2.6gをn−ブタノール45.4gに溶かし、130℃に昇温し
た後、同温度で3−ピコリン4.7g(0.050モル)と35%
塩酸4.9g(0.048モル)の混合液を30分で滴下した。滴
下終了後、同温度で3.5時間加熱攪拌した。反応終了
後、室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で中和し
た後、有機層を実施例8と同様にして分析を行った結
果、反応終了品中には、2−ペンチル−2−シクロペン
テノンが28.8g含まれていることがわかった(収率;7
5.6%)。
【0057】実施例13 キノリン6.5g(0.050モル)と35%塩酸4.9g(0.048モ
ル)の混合液を滴下して反応を行った以外は実施例12
と同様にして2−ペンチル−2−シクロペンテノンを2
7.7g得た(収率;72.9%)。
【0058】実施例14 溶媒としてn−ヘキサノール45.4gを用い、160℃でピ
リジン4.0g(0.051モル)と35%塩酸4.9g(0.048モ
ル)の混合液を滴下して1.5時間反応を行った以外は実
施例12と同様にして2−ペンチル−2−シクロペンテ
ノンを32.8g得た(収率;86.2%)。
【0059】比較例2 2−(1−ヒドロキシペンチル)−シクロペンタノン4
2.6gをn−ブタノール161.9gに溶かし、130℃に昇温
した後、同温度で35%塩酸24.5g(0.24モル)を30分で
滴下した。滴下終了後、同温度で2時間加熱攪拌した。
反応終了後、室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液
で中和した後、有機層を実施例8と同様にして分析した
結果、2−ペンチル−2−シクロペンテノンを22.9g得
た(収率;60.0%)。
【0060】実施例15 窒素雰囲気下、マロン酸ジメチル236g(1.8mol)を
無水メタノール76gに溶解し、0℃に冷却した。そこ
に、ナトリウムメトキシド(30%メタノール溶液)1
2.9g(0.072mol)を添加した後、実施例1と同様に
合成して得られた2−ペンチル−2−シクロペンテノン
190g(1.2mol)を0℃で、2時間かけて滴下した。
滴下終了後、未反応のマロン酸ジメチルを減圧留去し、
320gのマイケル付加物を得た。
【0061】蒸留留出管をつけた反応装置に、上記で得
られたマイケル付加物を加え、215℃に加熱し、水を
6.4g/h(2%/h)の速度で滴下した。発生する二
酸化炭素とメタノールを留出させながら、215℃で、
4時間滴下反応を行った。反応終了後、粗生成物251
g中に、3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチル酢酸
メチル245gを得た(2工程収率76%)。
【0062】粗生成物を精留して得られた3−オキソ−
2−ペンチルシクロペンチル酢酸メチルは、フルーティ
でジャスミン様の香気を有しており、香料素材としても
優れたものであった。
【0063】実施例16 実施例8と同様に合成して得られた2−ペンチル−2−
シクロペンテノンを用いて、実施例15と同様に合成し
たところ、全く同様に3−オキソ−2−ペンチルシクロ
ペンチル酢酸メチルを得ることができた。
【0064】
【発明の効果】本発明の方法によると溶媒を過剰に添加
しなくても、高収率で2−アルキル−2−シクロペンテ
ノンを得ることができる。また、この方法で得られた2
−アルキル−2−シクロペンテノンを原料として用い、
効率的にジャスモン酸エステル誘導体を製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 越野 准次 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC13 AC14 AC21 BA28 BA37 BA51 BE60 BJ20 BR70 KA31 4H039 CA20 CG10 CJ10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
    8の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示すか、あるい
    はR1とR2が一緒になって隣接する炭素原子と共にシク
    ロペンタン環もしくはシクロヘキサン環を形成しても良
    い。)で表される2−アルキリデンシクロペンタノン
    に、アミンとハロゲン化水素とをアミン/ハロゲン化水
    素(モル比)=1.1/1〜5/1の割合で作用させ、
    異性化反応を行う、一般式(2) 【化2】 (式中、R1及びR2は前記の意味を有する。)で表され
    る2−アルキル−2−シクロペンテノンの製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(3) 【化3】 (式中、R1及びR2は前記の意味を有する。)で表され
    る2−(1−ヒドロキシアルキル)−シクロペンタノン
    に、アミンとハロゲン化水素からなる触媒を作用させ
    て、脱水・異性化反応を行う、請求項1記載の一般式
    (2)で表される2−アルキル−2−シクロペンテノン
    の製造法。
  3. 【請求項3】 アミンが芳香族アミン又は複素芳香環ア
    ミンである請求項1又は2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される2−アルキリデ
    ンシクロペンタノンが、一般式(3)で表される2−
    (1−ヒドロキシアルキル)−シクロペンタノンを脱水
    して得られるものである請求項1〜3のいずれか一項に
    記載の製造法
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製
    造法で得られた一般式(2)で表される2−アルキル−
    2−シクロペンテノンと、一般式(4) 【化4】 (式中、R3は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキ
    ル基を示し、2個のR3は同一でも異なっていても良
    い。)で表されるマロン酸ジエステルとを反応させ、次
    いで水を反応させる、一般式(5)で表されるジャスモ
    ン酸エステル誘導体の製造法。 【化5】 (式中、R1、R2及びR3は前記の意味を有する。)
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