JP2001325953A - アルカリ二次電池用の正極活物質、およびそれを用いたアルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池用の正極活物質、およびそれを用いたアルカリ二次電池

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JP2001325953A
JP2001325953A JP2000145380A JP2000145380A JP2001325953A JP 2001325953 A JP2001325953 A JP 2001325953A JP 2000145380 A JP2000145380 A JP 2000145380A JP 2000145380 A JP2000145380 A JP 2000145380A JP 2001325953 A JP2001325953 A JP 2001325953A
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nickel hydroxide
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Kunihiko Miyamoto
邦彦 宮本
Chizuru Hatanaka
千鶴 畑中
Naomi Bando
直美 坂東
Kazuhiko Kudo
和彦 工藤
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性が付与されていて、活物質としての利
用率が高く、充放電サイクル寿命特性が優れているアル
カリ二次電池用の正極活物質とそれを用いたアルカリ二
次電池を提供する。 【解決手段】 Zn,CoおよびYの群から選ばれる少
なくとも1種の元素が含有されている水酸化ニッケル粒
子であって、水酸化ニッケル粒子には、その表面部を中
心にして、全体の重量の10〜20%量に相当する量の
金属が定着しているアルカリ二次電池用の正極活物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ二次電池用
の正極活物質、およびそれを用いたアルカリ二次電池に
関し、更に詳しくは、少なくとも表面部の導電性が良好
であるため活物質としての利用率が高く、また充放電サ
イクル特性や充電効率に優れている正極活物質、および
それを用いたアルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ二次電池の代表例であるニッケ
ル・水素二次電池やニッケル・カドミウム二次電池の正
極(ニッケル極)には、大別して、ペースト式正極と焼
結式正極が使用されているが、高容量化の要望の強まり
や製造の容易さという点から、現在ではペースト式正極
が主流になっている。
【0003】このペースト式正極は、一般に、活物質で
あり、同時に非導電性の材料である水酸化ニッケル粒子
と、例えば電池組立後における初充電の過程で導電性マ
トリックスを形成して導電性を発現する水酸化コバルト
や一酸化コバルトのような導電剤と、例えばカルボキシ
メチルセルロースのような結着剤とを水で混練して所定
組成の粒稠な合剤ペーストを調製し、ついで、この合剤
ペーストを集電基板に、直接、塗布または充填したのち
乾燥し、更に例えばロール圧延して、厚みを整えると同
時に、乾燥合剤を緻密化して当該集電基板に担持するこ
とにより製造されている。
【0004】ここで、集電基板としては、活物質の捕獲
能が優れ、また活物質の高密度充填が可能であり、その
結果として、正極の高容量化と高い集電効率を実現でき
るということから、通常は、ニッケル発泡体シートのよ
うな耐アルカリ性の3次元網状構造の金属多孔体シート
が使用されている。このように、高容量電池を製造しよ
うとした場合、活物質の高密度充填が可能な上記金属多
孔体シートを集電基板として使用することは有用であ
る。しかしながら、他方では次のような問題もある。
【0005】まず、第1の問題は、例えば常用されてい
るNi多孔体シートの場合、発泡ウレタン樹脂に無電解
NiめっきとNi電気めっきを順次行ってその骨格部に
Niめっき層を形成し、ついで熱処理して骨格部のウレ
タン樹脂を焼却除去して製造されているのが通例である
が、このような製造工程を経るため、その価格が高くな
るということである。
【0006】この問題は、正極の面積を大きくして大電
流放電が可能な大型の電池を製造しようとした場合、不
可避的に集電基板(Ni多孔体シート)の使用量も増加
することになるので、電池の製造コストを高めることに
なる。また、Ni多孔体シートの場合、上記したペース
トの高密度充填と集電効率とのバランスを確保するため
に、通常、多孔度が30〜80ppI,目付が400〜6
00g/m2程度のものが用いられている。しかしなが
ら、このようなシートはその強度が不充分であり、また
当該シートは可撓性に欠けるということも加わって、こ
のNi多孔体シートを集電基板にして製造したニッケル
極と例えば水素吸蔵合金負極で円筒形のニッケル・水素
二次電池を組み立てる場合、このニッケル極と水素吸蔵
合金負極とをセパレータを介して重ね合わせたのち渦巻
状に巻回して電極群を形成したときに、Ni多孔体シー
トが折損してその折損端がセパレータを突き破って負極
と接触し、短絡を起こすこともあるということである。
【0007】このようなことから、最近の大電流放電が
可能な大型の電池では、金属多孔体シートに代えて安価
なパンチングメタルやエキスパンドメタルのような2次
元シートを集電基板として用い、その表面に合剤ペース
トを塗着したのち乾燥する塗着式タイプの正極が検討さ
れはじめている。2次元シートは、同じ目付に設定した
ときには、3次元網状構造の金属多孔体シートに比べて
強度は大きく、その可撓性も優れているので、例えば前
記した渦巻状に巻回して成る電極群を形成しても集電基
板の折損に基づく短絡を起こしづらいという利点を備え
ている。
【0008】しかしながら、他方では、次のような問題
もある。すなわち、集電基板は2次元シートであるた
め、当該集電基板と合剤ペーストとの密着力が弱く、活
物質の捕獲能に劣るため、渦巻状の電極群を形成したと
きに活物質の剥離が起こりやすく、結果として集電効率
の低下を招くことがある。そのため、電池組立後の初充
電によって、配合した水酸化コバルトや一酸化コバルト
のような導電剤で前記した導電性マトリックスを形成し
て活物質に導電性を付与するという処置を採ることが困
難となり、結果として活物質の利用率が低下するという
問題が発生する。
【0009】このようなことから、集電基板として2次
元シートを用いる場合には、それに塗着される活物質は
その塗着以前の段階で既に優れた導電性を備えているこ
とを必要条件とする。一般に、活物質の導電性が高いと
いうことは、初充電時においても、また実使用時におけ
る充放電サイクル過程においても、活物質相互間、また
は活物質と集電基板との間で電子授受が円滑に進むこと
により活物質が有効利用され、正極の理論容量の実現に
貢献するということを意味する。
【0010】したがって、集電基板が3次元網状構造の
金属多孔体シートの場合であれ、また2次元シートの場
合であれ、それらに塗着・充填されている活物質の導電
性を高めることは、活物質の利用率を高めるという点で
有用である。とくに、集電基板として2次元シートを用
いた正極の場合には、剥離などに起因する前記した活物
質の利用率の低下という現象を考えれば、集電基板とし
て3次元網状構造の金属多孔体シートを用いた場合に比
べて、一層、導電性に優れた活物質を用いることが要求
されることになる。
【0011】ところで、特開平9−213326号公報
には、酸素共存下で水酸化ニッケル粒子に対する熱処理
を行いながら、そこにアルカリ水溶液とコバルト化合物
を同時に添加してアルカリ熱処理を行うことにより、水
酸化ニッケル粒子の表面にNa+などのアルカリ金属の
陽イオンを含有するコバルトの高次酸化物の層を形成す
る方法が開示されている。この方法で得られた水酸化ニ
ッケル粒子は、その表面が導電性のコバルトの高次酸化
物で被覆されているものであり、したがって、合剤ペー
ストを調製したときにはそれ自体が導電性を示すので、
利用率が向上した正極活物質であるとされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した先
行技術の水酸化ニッケル粒子とは異なり、少なくとも表
面部には、前記したコバルトの高次酸化物よりも高導電
性のNiを主体とする金属が定着していて、そのため、
より優れた導電性を発揮するアルカリ二次電池用の正極
活物質とそれを用いたアルカリ二次電池の提供を目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、Zn,CoおよびYの群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素が含有されている水酸
化ニッケル粒子であって、前記水酸化ニッケル粒子に
は、その表面部を中心にして、全体の重量の10〜20
%量に相当する量の金属が定着していることを特徴とす
るアルカリ二次電池用の正極活物質、とくに、前記水酸
化ニッケル粒子は、粉末X線回折法で測定したときの
(101)面のピーク半価幅が0.8°(2θ/Cu−
Kα)以上の値を示す水酸化ニッケル粒子であるアルカ
リ二次電池用の正極活物質が提供される。
【0014】また、本発明においては、上記した正極活
物質を用いたアルカリ二次電池が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の活物質は、後述する水酸
化ニッケル粒子を出発材料として成り、少なくともその
表面部に、後述する方法によって金属が定着している水
酸化ニッケル粒子である。なお、一般にペースト式正極
に用いる水酸化ニッケル粒子は球状であり、微細な結晶
子の集合体で、その表面は凹凸形状をしているのが通常
であるが、例えば水酸化ニッケルをアルカリ水溶液に浸
漬したときに当該アルカリ水溶液によって浸潤するよう
な表面部分のことを、本発明では表面部というものとす
る。
【0016】本発明では、出発材料である水酸化ニッケ
ル粒子として、Zn,Co、およびYの群から選ばれる
少なくとも1種の元素が含まれているものを選定する。
ここで、Zn元素は、水酸化ニッケルの結晶構造を安定
化して、充放電サイクル過程における水酸化ニッケルの
膨潤を抑制し、もって組み立てた電池の充放電サイクル
寿命特性の向上に貢献する成分である。
【0017】また、Co元素は高温下における水酸化ニ
ッケルの充電電位を低め、Y元素は高温下における酸素
発生電位を高める作用効果を発揮し、もって高温下にお
ける充電効率の向上に資する成分である。なお、Zn元
素も、上記したY元素には及ばないとはいえ、高温下に
おける酸素発生電位を低める働きをする。これら元素の
含有量が少なすぎると、上記したそれぞれの効果の発揮
は不充分であり、また逆に多すぎると、正極における活
物質である水酸化ニッケルの相対的な割合が少なくなっ
て容量低下を招くので、Zn元素の含有量は3〜8重量
%,Co元素の含有量は0.5〜3.0重量%,Y元素の
含有量は0.1〜1.0重量%にすることが好ましい。
【0018】更に、選定する水酸化ニッケル粒子は、そ
れを粉末X線回折法で測定したときの(101)面のピ
ーク半価幅が0.8°(2θ/Cu−Kα)以上の値を
示すものであることが好ましい。ピーク半価幅が上記値
よりも小さい水酸化ニッケル粒子は、その結晶構造の安
定化度が高すぎて、充放電時におけるプロトン・ディフ
ュージョンが阻害されるようになり、活物質としての利
用率低下を招くようになるからである。しかしながら、
このピーク半価幅が大きくなりすぎると、水酸化ニッケ
ルの結晶構造は不安定となり、プロトン・ディフュージ
ョンは活発化するとはいえ、水酸化ニッケルの膨潤のよ
うな問題が起こりはじめるので、その上限は、出発材料
(電池に組み込む前)として1.2°(2θ/Cu−K
α)に設定することが好ましい。
【0019】本発明の活物質の製造に際しては、上記し
た要件を満たす水酸化ニッケル粒子を、まず、アルカリ
水溶液に浸漬する。用いるアルカリ水溶液としては、例
えば水酸化ナトリウム水溶液,アンモニア水溶液および
これらを適宜組み合わせた混合水溶液をあげることがで
きる。この浸漬処理により、水酸化ニッケル粒子の表面
部の一部は溶解する。すなわち、表面部のNi、および
その表面部に含有されているZn,Co、またはYなど
が溶解し、例えばNiの場合はHNO2 -、Znの場合は
HZnO4 -、Coの場合はHCoO2 -のような錯イオン
が生成し、これら錯イオンで水酸化ニッケル粒子の表面
部が覆われることになる。Yの場合は、高アルカリ側で
はほとんど溶解せずにY(OH)3のような化合物を形成
している。
【0020】ついで、ここに還元剤を添加する。用いる
還元剤としては、例えばヒドラジン水和物(N22・H
2O),ジイミド,ギ酸,アルデヒドまたはAlH[(C
3)2CHCH2]2,LiAlH4,NaBH4,NaCH
2PO2,NaSi23などをあげることができる。ま
た、還元触媒として、Pt,Pd,Rh,Ni,Cuな
どの遷移金属、ZnO,MgOなどの金属酸化物をあげ
ることができる。
【0021】この還元剤を添加することにより、上記し
た錯イオンは還元されて、各錯イオンを構成する金属成
分が水酸化ニッケル粒子の表面に析出して定着する。す
なわち、水酸化ニッケル粒子の表面部は、Niを主体と
し、それにZn,Co、またはYが共存している導電性
金属で被覆されることになり、その結果、得られた水酸
化ニッケル粒子には導電性が付与される。
【0022】このとき、水酸化ニッケルの表面部に定着
している上記金属の量は、この金属も含めた全体の重量
に対し、10〜20%に相当する量に設定される。この
金属量が全体の重量に対し10重量%より少ない場合に
は、水酸化ニッケル粒子の導電性が不充分となり、活物
質としての利用率低下が起こりはじめ、また20重量%
より多い場合は、活物質である水酸化ニッケルの割合が
減少して容量低下を招くようになる。
【0023】上記した金属量は、用いるアルカリ水溶液
の濃度やそこへの水酸化ニッケル粒子の浸漬時間、更に
還元剤の濃度や還元処理の時間などによって律速される
が、とくに浸漬時間と還元剤濃度と還元時間は重要な律
速因子である。したがって、水酸化ニッケル粒子のアル
カリ水溶液への浸漬時間を適正に選定して水酸化ニッケ
ル粒子の表面部の溶解量を調整し、また還元剤濃度と還
元時間を適正に選定して形成されている錯イオンの還元
率を調整することにより、上記した金属量を水酸化ニッ
ケル粒子の表面部に定着させることが可能となる。
【0024】このようにして製造された活物質を用いて
正極用の合剤ペーストが調製され、その合剤ペーストを
集電基板に担持せしめて正極が製造される。このとき、
この活物質には既に導電性が付与されているので、ペー
スト調製時には更なる導電剤の配合は必ずしも必要では
なくなる。また、集電基板としては、3次元網状構造の
金属多孔体シートを用いてもよいが、2次元シートの変
形シートである図1で示したようなシートを用いると、
活物質の捕獲能も確保され、また同時に、このシートは
可撓性も良好であるため渦巻状の電極群にしても短絡の
発生を抑制できるという点で有効である。
【0025】すなわち、図1で示したシートは、例え
ば、粒径0.3〜1μm程度の金属粉(例えばNi粉)
を一対の圧延ロールの間に供給量を調節しながら供給し
て当該圧延ロールで所定厚みの圧粉体シートを連続的に
製造し、更にその圧粉体シートを所定温度に調節されて
いる不活性ガス雰囲気の焼成炉に導入して金属粉を焼結
することによって製造された金属粉焼結体シートであ
る。
【0026】そして、この金属粉焼結体シート1には、
その面内に複数個の開口2が形成されていて、各開口2
の周縁部はバリ部3になっており、開口のバリ部3は互
いに反対方向に突起して形成されていて、両面または片
面に合剤ペーストが塗着される。そして、合剤ペースト
を乾燥したのち、全体に例えばロール圧延を行うことに
より所定厚みの正極が成形される。このとき、上記した
開口のバリ部3が厚み方向に押しつぶされることによ
り、合剤ペーストは金属粉焼結体シートに強固に捕獲さ
れることになる。
【0027】
【実施例】1.活物質の調製 まず、粉末X線回折法で測定したときの(101)面の
ピーク半価幅が1°(2θ/Cu−Kα)であり、ま
た、平均粒径が10μmであり、かつ、ZnとCoがそ
れぞれ5重量%,2重量%共晶している水酸化ニッケル
粒子を用意した。
【0028】ついで、この水酸化ニッケル粒子を水酸化
ナトリウム水溶液に浸漬して攪拌したのち、ヒドラジン
水和物(N22・H2O)を添加して攪拌した。このと
き、攪拌時間を様々に変化させて5種類の処理粒子を得
た。各攪拌時間で得られた処理粒子を濾取したのち、水
洗・乾燥し、更に、各処理粒子につき、硫酸第二鉄アン
モニウムと過マンガン酸カリウムを用いた酸化還元滴定
を行って、粒子表面の金属量(NiとZnとCoの全
量)を定量し、処理粒子の全体重量に対する割合を算出
した。
【0029】なお、各処理粒子につき、粉末X線回折法
で(101)面のピーク半価幅を測定したところ、いず
れも、0.98°(2θ/Cu−Kα)程度になってい
た。そして、各処理粒子の5gを0.05Pで加圧した
状態でその抵抗率を測定した。以上の結果を一括して表
1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】なお、表1中の活物質a0は、水酸化ニッ
ケル水溶液による表面部の一部溶解と還元剤処理を行わ
ない、出発材料の水酸化ニッケル粒子そのものである。
表1から明らかなように、本発明方法で製造した水酸化
ニッケル粒子(活物質a1〜a5)はその抵抗率が活物質
0に比べて低下している。その場合、表面部における
金属量が10重量%以上であると、抵抗率は未処理の水
酸化ニッケル粒子(活物質a0)に比べて著しく低下し
ている。すなわち、その導電性が著しく向上している。
【0032】しかしながら、活物質a5のように金属量
が多くなりすぎると、活物質として機能する水酸化ニッ
ケルの割合は相対的に減少することになり、その容量低
下を招くことになるので、本発明においては上記した金
属量は全体に対して10〜20重量%となるように規制
する。 2.正極の製造 活物質a0〜a5のそれぞれ100重量部に対し、カルボ
キシメチルセルロース0.25重量部,ポリアクリル酸
ナトリウム0.25重量部,ポリテトラフルオロエチレ
ン3重量部、および水30重量部を配合して全体を混練
し、6種類の合剤ペーストを調製した。
【0033】ついで、各合剤ペーストを、図1で示した
構造の集電基板の両面に塗布し、温度100℃で10分
間乾燥したのち、単位ワーク幅にかかる荷重が6.86
×103N/min程度のロール圧延を行い、厚みが約0.
5mmである6種類の正極(ニッケル極)b0〜b5を製造
した。なお、上記した集電基板は厚み0.03mmのNi
粉圧延焼結体シートから成り、開口は一辺が0.7mmの
正方形、バリ部は高さ1.2mmになっているものであ
る。
【0034】ここで、活物質a0を用いた正極を正極
0,活物質a1を用いた正極を正極b1,活物質a2を用
いた正極を正極b2,活物質a3を用いた正極を正極
3,活物質a4を用いた正極を正極b4,活物質a5を用
いた正極を正極b5とする。また、90重量部の活物質
0に対し、一酸化コバルト(導電剤)10重量部,カ
ルボキシメチルセルロース0.25重量部,ポリアクリ
ル酸ナトリウム0.25重量部,ポリテトラフルオロエ
チレン3重量部、および水30重量部を配合して全体を
混練し、合剤ペーストを調製した。ついで、この合剤ペ
ーストを用い、活物質a0を用いたときと同様の条件で
正極(ニッケル極)を製造した。この正極を正極b0
とする。
【0035】なお、上記した正極は、いずれも、その理
論容量が約1600mAhとなるように設計されている。 3.電池の組立 組成:LmNi4.0Co0.4Al0.3(Lmはランタン富
化ミッシュメタル)の水素吸蔵合金を機械粉砕して平均
粒径が35μmの粉末にした。
【0036】ついで、この粉末100重量部に対し、ポ
リアクリル酸ナトリウム0.5重量部,カルボキシメチ
ルセルロース0.125重量部,ポリテトラフルオロエ
チレンのディスパージョン1.5重量部(固形分換
算),カーボンブラック1重量部、および水30重量部
を配合し、全体を混練して合剤ペーストを調製した。こ
の合剤ペーストをニッケルパンチングシート(開口率:
60%)に塗布し、温度100℃で15分間乾燥したの
ち、単位ワーク幅にかかる荷重が5.88×103N/mm
程度のロール圧延を行って、厚みが約0.4mmの水素吸
蔵合金電極を製造した。
【0037】正極b0〜b5,b0’のそれぞれと上記し
た水素吸蔵合金電極の間に親水化処理が施されているポ
リプロピレン不織布を介装して巻回することにより、渦
巻状の電極群にした。そして、各電極群を電池缶に収容
し、水酸化カリウム水溶液を主体とする電解液を注液し
たのち封口し、4/5サイズ(公称容量1500mAh)
の円筒型密閉ニッケル・水素二次電池c0〜c5,c0
を組み立てた。
【0038】4.電池の特性 まず、各電池に対し、温度25℃において0.5Cで1
50%深度の充電を行い、ついで0.5Cで1.0Vにな
るまでの放電を行い、このときの放電容量を測定し、そ
の値の理論容量に対する比から活物質利用率を算出し
た。また、これらの電池につき、1C,−dV(10mV)
で充電、1C,1.0Vカットで放電、を1サイクルと
する充放電サイクルを反復し、400サイクル目の放電
容量を測定した。
【0039】以上の結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から次のことが明らかである。 (1)電池c0と電池c0’を対比して明らかなように、
活物質の種類が同じであっても、導電剤を配合して成る
正極b0’が組み込まれている電池c0’は、導電剤を含
まない正極b0が組み込まれている電池c0に比べて、活
物質利用率が高く、また充放電サイクル寿命特性も優れ
ている。導電剤配合の効果は明瞭である。このことは、
図1で示したような集電基板は、活物質の捕獲能に優
れ、導電剤によるマトリックス形成がなされることを示
している。
【0042】(2)そして、予め導電性が付与されてい
る活物質a1〜a5を用いて製造した電池c1〜c5の場合
も、活物質利用率は高く、充放電サイクル寿命特性も優
れている。しかも、電池c1〜c5と電池c0’を対比し
て明らかなように、電池c1〜c5は活物質利用率と充放
電サイクル寿命特性のいずれもが電池c0’よりも優れ
ている。とくに電池c3,電池c4は優れた特性を示して
いる。
【0043】このことは、水酸化ニッケル粒子の表面部
に金属を析出して成る本発明の活物質の方が、従来のよ
うな導電剤を配合して成る活物質合剤の場合よりも導電
性が優れており、活物質の利用率を高める点で有用であ
ることを証明している。 (3)しかしながら、表面部の金属量が多い(25.3
重量%)活物質a5を用いて製造した電池c5の特性は、
電池c2〜c4に比べて傾向的に劣化している。また、表
面部の金属量が少ない(金属量5.4重量%)活物質a1
を用いて製造した電池c1の特性は、電池c0と大差はな
い。
【0044】このようなことから明らかなように、表面
部の金属量は10〜20重量%内に規制すべきであるこ
とが判る。
【0045】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
活物質はその導電性が良好である。そのため、その活物
質を用いて製造したアルカリ二次電池は活物質の利用率
が向上し、また充放電サイクル寿命特性も優れている。
そして、本発明の活物質の場合、その導電性付与に関し
ては従来のように高価なコバルト化合物を使用しなくて
も良好な導電性を実現しているので安価に製造すること
ができる。
【0046】更には実施例で示したように、この活物質
の導電性は良好であるので、可撓性に富む2次元シート
を集電基板として使用しても充分な利用率を示すだけで
はなく、信頼性に富む渦巻状の電極群を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた集電基板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 Ni粉圧延焼結体シート 2 開口 3 バリ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂東 直美 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 工藤 和彦 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H028 AA01 AA05 CC08 CC10 EE01 EE05 HH00 HH01 5H050 AA07 AA08 BA11 CA03 CB17 DA09 EA02 EA10 EA24 FA18 FA19 HA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn,CoおよびYの群から選ばれる少
    なくとも1種の元素が含有されている水酸化ニッケル粒
    子であって、 前記水酸化ニッケル粒子には、その表面部を中心にし
    て、全体の重量の10〜20%量に相当する量の金属が
    定着していることを特徴とするアルカリ二次電池用の正
    極活物質。
  2. 【請求項2】 前記水酸化ニッケル粒子は、粉末X線回
    折法で測定したときの(101)面のピーク半価幅が
    0.8°(2θ/Cu−Kα)以上の値を示す水酸化ニ
    ッケル粒子である請求項1のアルカリ二次電池用の正極
    活物質。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の正極活物質を用いた
    ことを特徴とするアルカリ二次電池。
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