JP2000077066A - アルカリ二次電池用ニッケル極、それを組み込んだアルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池用ニッケル極、それを組み込んだアルカリ二次電池

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JP2000077066A
JP2000077066A JP10242243A JP24224398A JP2000077066A JP 2000077066 A JP2000077066 A JP 2000077066A JP 10242243 A JP10242243 A JP 10242243A JP 24224398 A JP24224398 A JP 24224398A JP 2000077066 A JP2000077066 A JP 2000077066A
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hydroxide
electrode
secondary battery
cobalt
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Hiroshi Kitayama
浩 北山
Hirotaka Hayashida
浩孝 林田
Naomi Bando
直美 板東
Kunihiko Miyamoto
邦彦 宮本
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Toshiba Corp
FDK Twicell Co Ltd
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Toshiba Battery Co Ltd
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質である水酸化ニッケル粉末の利用率が
高く、したがって電池の充電効率を高めることができる
アルカリ二次電池用ニッケル極とそれを組み込んだアル
カリ二次電池を提供する。 【解決手段】 このニッケル極2は、水酸化ニッケル粉
末と、含Zr水酸化コバルトを主成分とする粒子とを含
有する正極合剤が集電体に担持されており、この含Zr
水酸化コバルトのZr含有量がCo1モルに対し0.5
〜20モル%量であり、かつその含Zr水酸化コバルト
の一次粒子が前記水酸化ニッケル粉末の表面に存在して
おり、またこの含Zr水酸化コバルトは、水酸化ニッケ
ル粉末100重量部に対して3〜17重量部含有されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ二次電池用
ニッケル極とそれを組み込んだアルカリ二次電池に関
し、更に詳しくは、活物質の利用率が高く、したがって
電池の充電効率を向上せしめることができるニッケル極
とそれを組み込んだアルカリ二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル・水素二次電池やニッケル・カ
ドミウム二次電池のようなアルカリ二次電池の正極とし
て組み込まれるニッケル極には、大別して焼結式タイプ
のものとペースト式タイプのものがある。これらのう
ち、ペースト式タイプのニッケル極は電池の高容量化に
とって有利であるということから主流になりはじめてい
る。
【0003】このペースト式タイプのニッケル極は、概
ね次のようにして製造されている。すなわちまず、正極
活物質として機能する水酸化ニッケル粉末と、例えばカ
ルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,ポリア
クリル酸ナトリウム,ポリテトラフルオロエチレンのよ
うな増粘剤との所定量を水で混練して粘稠なペーストを
製造する。
【0004】ついで、このペーストを、例えば発泡ニッ
ケル基板,網状焼結金属繊維基板または不織布にニッケ
ルめっきを施して成るフェルトめっき基板のような3次
元網状構造の集電体に充填・塗布したのち前記ペースト
を乾燥し、更に続けて加圧成形して所定厚みの正極シー
トにする。なお、このときの集電体としては、パンチド
メタルやエキスパンドメタルのような2次元基板を用い
ることもできる。
【0005】ところで、上記したニッケル極において重
要な問題は、粉末形態にある水酸化ニッケルと集電体と
の間で充分な電気的接触状態が実現していることであ
る。この状態が不充分な場合は、水酸化ニッケルが正極
活物質として有効に機能しなくなり、活物質としての利
用率は低下してしまうからである。このような問題に対
しては、従来から、前記したペーストの調製時に更にコ
バルト粉末,酸化コバルトや水酸化コバルトなどのコバ
ルト化合物の粉末を添加することが行われている。
【0006】このコバルト成分は次のような働きをして
活物質の利用率向上に寄与する。すなわち、このニッケ
ル極が電池に組み込まれてアルカリ電解液に接触する
と、コバルト成分は錯イオンとなってアルカリ電解液に
溶解し、水酸化ニッケル粉末の粒子間に浸透していく。
そして、電池の初充電時にコバルト錯イオンは酸化さ
れ、水酸化ニッケルよりも高い導電性を有するコバルト
の高次酸化物に転化し、これが水酸化ニッケル粉末の粒
子間および水酸化ニッケルと集電体との間を連結する導
電性マトリックスになる。したがって、集電体による集
電効率は向上し、結果として水酸化ニッケルの利用率が
向上する。
【0007】このようなことからすると、ペーストに多
量のコバルト成分を添加すれば、上記コバルトの高次酸
化物は多量に生成して活物質の利用率は向上するものと
考えられる。しかしながら、他方では、コバルト成分が
多量に添加されるということは、調製したペーストにお
ける水酸化ニッケル粉末の相対的な量が減少することで
あり、結局、製造されたニッケル極の容量低下を招くこ
とになる。
【0008】このようなことから、コバルト成分に対し
ては、必要最少限の添加量であっても、活物質の利用率
の向上を有効に実現できるということが求められること
になる。例えば、特開昭58−175262号公報に
は、コバルト塩とアルカリ水溶液との反応で生成した酸
化コバルトまたは水酸化コバルトを湿潤状態で水酸化ニ
ッケル粉末に添加してペーストを調製することが開示さ
れている。しかしながら、この先行技術の場合、生成し
た酸化コバルトや水酸化コバルトは極めて微細でその比
表面積が大きいのでアルカリ電解液に対して不安定であ
るため急速に溶解し、その結果、前記した導電性マトリ
ックスの形成は困難となり、また乾燥すると凝集するた
め水酸化ニッケル粉末との間での均一分散性が悪く、結
果として、調製したペーストの集電体への充填性が低下
するという問題がある。
【0009】また、特開昭62−66570号公報に
は、比表面積が20m2/g以下のコバルト粉末を水酸
化ニッケル粉末に保持させたニッケル極が開示されてい
る。しかしながら、この先行技術の場合、上記した比表
面積のコバルト粉末の粒径は概して大きいのでアルカリ
電解液に対する安定性が高く、そのためアルカリ電解液
へ溶解しづらく、前記したコバルトの高次酸化物に転化
しにくいという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、ペースト
式タイプのニッケル極において、正極活物質である水酸
化ニッケルの利用率を高めるために多量のコバルトやコ
バルト化合物を添加すると、調製したペーストの集電体
への充填性が低下して得られたニッケル極の容量低下を
招いたり、またアルカリ電解液との反応性が低下して利
用率の向上に寄与するコバルトの高次酸化物が形成され
にくくなるという問題が引き起こされていた。
【0011】本発明は、上記した問題を解決し、コバル
ト成分の添加量を多くすることなく、調製したペースト
の集電体への充填性を確保すると同時に、水酸化ニッケ
ルの利用率も高めることができるアルカリ二次電池用ニ
ッケル極とそれを組み込んだアルカリ二次電池の提供を
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、水酸化ニッケル粉末と、含
Zr水酸化コバルトを主成分とする粒子とを含有する正
極合剤が集電体に担持されていることを特徴とするアル
カリ二次電池用ニッケル極、とくに、前記含Zr水酸化
コバルトのZr含有量がCo1モルに対し0.5〜20
モル%量であり、かつその含Zr水酸化コバルトの一次
粒子が前記水酸化ニッケル粉末の表面に存在しているア
ルカリ二次電池用ニッケル極が提供される。
【0013】また、本発明においては、上記したニッケ
ル極が正極として組み込まれているアルカリ二次電池、
とくにニッケル・水素二次電池が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のニッケル極においては、
集電体に担持されている正極合剤に後述する含Zr水酸
化コバルトを主成分とする粒子が含有されている。そし
て、この含Zr水酸化コバルトが、活物質である水酸化
ニッケル粉末の利用率向上に寄与する。
【0015】この含Zr水酸化コバルトは、例えば硫酸
コバルトと硫酸ジルコニウムを希硫酸に溶解し、得られ
た溶液に例えば水酸化カリウム水溶液のようなアルカリ
水溶液を滴下してコバルトとジルコニウムを水酸化物に
して共沈させたものである。したがって、この含Zr水
酸化物コバルトは、水酸化コバルトの結晶中にZr元素
が共晶していたり、または、ZrO2・nH2O(nは1
以上の数)の微細な粒子形態で析出していたり、更には
水酸化コバルトの結晶と水酸化ジルコニウム結晶とが混
在しているものと考えられる。
【0016】この含Zr水酸化コバルトは、水酸化コバ
ルト単体に比べて、アルカリ電解液に対し易溶性であ
り、かつその溶解速度も大きいという性質を備えてい
る。これは、ジルコニウムの酸化物の方が水酸化コバル
トよりもアルカリ電解液に対する溶解度が大きいという
ことや、水酸化コバルトの結晶中にZr元素が取り込ま
れていることにより当該水酸化コバルトの結晶性は低下
し、その結果、水酸化コバルトのアルカリ電解液への溶
解が促進されるということに基因する現象であろうと考
えられる。
【0017】その場合、この含Zr水酸化コバルトにお
けるZrの含有量は、Co1モルに対して0.1〜20
モル%に相当する量であることが好ましい。Zrの含有
量が0.1モル%より少なくなると、その含Zr水酸化
物コバルトのアルカリ電解液への溶解度は水酸化コバル
ト単体の場合に比べてもそれ程大きくはなくなり、その
ため、前記したコバルトの高次酸化物による水酸化ニッ
ケル粉末相互間の連結が充分ではなくなり、水酸化ニッ
ケル粉末の利用率の向上に難が生じてくるからである。
また、20モル%より多くすると、その含Zr水酸化コ
バルトのアルカリ電解液への溶解度は大きくなるが、他
方では含Zr水酸化コバルトにおけるCoの相対量は減
少するので、前記したコバルトの高次酸化物の生成量も
減少し、結局、水酸化ニッケル粉末の利用率を向上させ
ることが困難になる。好ましいZrの含有量は、Co1
モルに対し0.5〜20モル%に相当する量である。
【0018】本発明のニッケル極は次のようにして製造
することができる。まず、水酸化ニッケル粉末と、前記
した含Zr水酸化コバルトと、増粘剤とを水で混練して
ペーストを調製する。このときに用いる水酸化ニッケル
としては、X線粉末回折法による(001)面のピーク
半値幅が0.8°/2θ(Cu−Kα)以上のものであ
ることが好ましい。ピーク半値幅が0.9°〜1.1°/
2θ(Cu−Kα)であるものはより好ましい。製造し
たニッケル極が組み込まれている電池の充電効率は向上
するからである。
【0019】ペースト調製時における含Zr水酸化コバ
ルトの配合量は、水酸化ニッケル粉末100重量部に対
し3〜17重量部であることが好ましい。3重量部より
少ない場合は、製造したニッケル極を大気中に放置した
ときに生起する含Zr水酸化コバルトの空気酸化に基づ
いて水酸化ニッケル粉末の利用率が低下すること、ま
た、過放電状態で長時間放置したときに生起する水酸化
ニッケル粉末の利用率が低下することを抑制することを
同時に達成することが困難になるからである。また、1
7重量部よりも多くすると、正極合剤中の水酸化ニッケ
ル粉末の相対的な量が減少して、ニッケル極としての容
量低下をもたらすからである。好ましい配合量は、水酸
化ニッケル粉末100重量部に対して5〜10重量部で
ある。
【0020】なお、用いる含Zr水酸化コバルトが小さ
すぎると、ペーストを調製する際の混練時に均一に分散
させることが困難になり、また大きすぎると、アルカリ
電解液への溶解に難が生ずるようになるので、平均粒径
で0.1〜10μm程度の大きさであることが好まし
い。このペースト調製時に、水酸化ニッケル粉末と前記
した方法で製造した含Zr水酸化コバルトの一次粒子と
を予め混合することにより、水酸化ニッケル粉末の表面
に含Zr水酸化コバルトの一次粒子を付着せしめておく
ことが好ましい。この一次粒子はアルカリ電解液に対す
る溶解度が水酸化コバルト単体に比べて大きいので、組
み立てた電池の充放電サイクルを行ったときでも、一旦
生成したコバルトの高次酸化物は水酸化ニッケル粉末相
互間を連結した状態で安定して存在し続け、もって水酸
化ニッケル粉末の利用率を高位水準に維持することがで
きるようになるからである。
【0021】このようにして調製されたペーストを、次
に、前記した集電体に充填・塗布し、ついで乾燥し、更
に例えばロール圧延して所定の厚みに成形することによ
り、目的とするニッケル極が製造される。このニッケル
極は、正極合剤に含有されている含Zr水酸化コバルト
がアルカリ電解液に迅速に溶解して水酸化ニッケル粉末
の表面に均一に拡散し、初充電時にそれがコバルトの高
次酸化物に転化して水酸化ニッケル粉末相互間を連結す
る導電性マトリックスを形成する。その結果、水酸化ニ
ッケル粉末の利用率は向上する。
【0022】このとき、上記した初充電を比較的高温下
で行うと、含Zr水酸化コバルトのアルカリ電解液に対
する溶解度はより大きくなるので、より確実にかつ迅速
にコバルトの高次酸化物から成る前記導電性マトリック
スを形成することができるので好適である。また、この
ニッケル極の場合は、電池への組込の前段で長期間保管
しておいたときに含Zr水酸化コバルトの表面が酸化し
ても、その含Zr水酸化コバルトのアルカリ電解液への
溶解は大きく阻害されることがないので、高位水準の水
酸化ニッケル粉末の利用率を備えた電池の組立が可能で
あるという利点を有している。
【0023】また、含有されているジルコニウムはこの
ニッケル極の酸素過電圧を上昇せしめるので、組み立て
た電池は、高温下における充電受入性が向上するという
効果を奏する。次に、本発明のアルカリ二次電池を、大
電流用の円筒形ニッケル・水素二次電池を例にして説明
する。
【0024】図1において、有底円筒形の電池缶1の中
には、本発明のニッケル極2とセパレータ3と負極4と
を重ね合わせたシートを渦巻状に巻回して成る電極群5
が収容されている。そして、負極4は電極群5の最外側
に配置されることにより電池缶1と電気的に接触し、ま
た、電極群5の底部は、電池缶1の底部に配置された集
電板6に溶接されている。
【0025】ここで、負極4は、水素吸蔵合金粉末と結
着剤と、必要に応じては例えばカーボンブラックのよう
な導電材との所定量を水で混練して成るペーストを集電
体に充填・塗布したのち、乾燥,成形して製造されてい
る。用いる水素吸蔵合金としては、格別限定されるもの
ではなく、電気化学的に水素を吸蔵・放出できるもので
あれば何であってもよく、例えば、LaNi5,MmN
5(Mmはミッシュメタル),LmNi5(Lmはラン
タン富化のミッシュメタル)、またはNiの一部をA
l,Mn,Co,Ti,Cu,Zn,Zr,Cr,Bな
どで置換した多元素のもの;TiNi系,TiFe系,
MgNi系またはそれらの混合系;をあげることができ
る。とくに、次式;LmNixAlyz(AはAl,C
oから選ばれる少なくとも1種であり、x,y,zは
4.8≦x+y+z≦5.4を満足する原子比を表す)で
示される水素吸蔵合金は、充放電サイクル時における微
粉化が抑制され、電池のサイクル寿命特性を向上せしめ
ることができるという点で好適である。
【0026】また、結着剤としては、ニッケル極の製造
時に用いる前記した高分子材料をあげることができ、集
電体としては、例えばパンチドメタル,エキスパンドメ
タル,穿孔鋼板,ニッケルネットなどの2次元基板や、
フェルト状金属多孔体,スポンジ状金属基板などの3次
元網状構造のものをあげることができる。また、セパレ
ータ3としては、例えばポリプロピレン不織布,ナイロ
ン不織布,ポリプロピレン繊維とナイロン繊維の混繊不
織布などをあげることができ、とくに表面に親水化処理
が施されているポリプロピレン不織布が好適である。
【0027】そして、電池缶1の中にはアルカリ電解液
が注入されている。アルカリ電解液としては、例えばN
aOHとLiOHとの混合液,KOHとLiOHとの混
合液,KOHとLiOHとNaOHとの混合液などが用
いられる。電池缶1の上部開口部の内側にはリング状の
絶縁ガスケット7が配置され、この絶縁ガスケット7に
周縁部が噛み込んだ状態で中央に孔8を有する円盤形状
の第1封口板9が配置され、前記電池缶1の上部開口部
を内側に縮径する加締加工を行うことにより、前記第1
封口板9は絶縁ガスケット7を介して電池缶1の上部開
口部を気密に封口している。
【0028】また、電極群5の上部にはリード端子10
が付設され、このリード端子10は前記した第1封口板
9の下面と溶接されている。そして、ゴム製の安全弁1
1が第1封口板9の中央孔8を塞ぐようにして配置さ
れ、更にそれを覆うようにして帽子形状の正極端子12
が第1封口板9に溶接されて気密構造が形成されてい
る。
【0029】また、上記した構造の電池缶の上部には、
中央孔を有する絶縁材料の押さえ板13が当該中央孔か
ら前記正極端子12のみを突出させた状態で配置され、
そして押さえ板13の周縁部,電池缶1の側面部と底面
部を被覆して外装チューブ14が配置されている。な
お、本発明の電池は上記したような円筒形に限定される
ものではなく、例えば、本発明のニッケル極とセパレー
タと負極と交互に積層して直方体形状の電極群とし、こ
れを角形の電池缶に収容した構造の角形電池であっても
よい。
【0030】
【実施例】実施例1〜10 (1)ニッケル極の製造 硫酸コバルトと硫酸ジルコニウムを希硫酸で溶解し、そ
の酸性溶液を水酸化カリウム水溶液に滴下してpH調整
を行って沈殿物を得た。この沈殿物を乾燥した。得られ
た乾燥粉末の粒径は0.1〜10μmであった。なお、
沈殿物の調製時に、硫酸ジルコニウムの溶解量を変化さ
せることにより、表1で示したZr含有量の沈殿物にし
た。
【0031】ついで、平均粒径10μmの水酸化ニッケ
ル粉末100重量部に対し、上記した含Zr水酸化コバ
ルト粒子を表1で示した割合(重量部)で混合し、更
に、ここにカルボキシメチルセルロース0.28重量
部,ポリアクリル酸ナトリウム0.28重量部,ポリテ
トラフルオロエチレン0.33重量部を配合し、全体を
適量の水で混練してペーストを調製した。
【0032】このペーストをニッケル繊維基板(目付け
400g/m2)に充填したのち、温度80℃で1時間
乾燥し、更にロール圧延して厚み0.22mmのニッケル
極を製造した。比較のために、水酸化ジルコニウムの粉
末と水酸化コバルトの粉末とをCo1モルに対してZr
が5モル%量となるように混合したものを用いたことを
除いては実施例と同様の条件でニッケル極を製造した。
これを比較例1とする。
【0033】また、含Zr水酸化コバルトに代えて水酸
化コバルト5.6重量部にしてニッケル極を製造した。
これを比較例2とする。 (2)負極の製造 組成がLmNi4.0Co0.4Mn0.3Al0.3である水素吸
蔵合金を機械粉砕して200メッシュ(タイラー篩)下
の粉末にした。
【0034】ついで、この粉末100重量部に対し、ポ
リアクリル酸ナトリウム0.5重量部,カルボキシメチ
ルセルロース0.125重量部,カーボンブラック1.0
重量部,ポリテトラフルオロエチレンのディパーション
(比重1.5,固形分60重量%)2.5重量部を配合
し、全体を50重量部の水で混練してペーストを調製し
た。
【0035】このペーストをニッケルパンチドメタル
(開口率45%)に塗布したのち、温度80℃で1時間
乾燥し、更にロール圧延して厚み0.35mmの水素吸蔵
合金電極を製造した。 (3)電池の組み立て 表1で示した各ニッケル極と上記した水素吸蔵合金電極
の間にアクリル酸をグラフト重合させたポリプロピレン
不織布を挟んで全体を渦巻状に巻回して電極群を製造し
た。そして、この電極群を用い、電解液としてKOH
6NとLiOH1NとNaOH 1Nとの混合液を用
い、図1で示した4/5Aサイズのニッケル・水素二次
電池を組み立てた。
【0036】(4)電池特性 得られた各電池につき、室温(25℃)下において0.
1Cで15時間かけて150%の充電を行ったのち0.
2Cで電池電圧が1Vになるまでの放電を行った。つい
で、再び、室温下において1Cで1.5時間の充電,1
Cで電池電圧が1Vになるまでの放電を3サイクル反復
した。そして、3サイクル目の放電容量を測定し、その
値を理論容量で除算して初期利用率(%)を算出した。
【0037】次に、温度60℃において0.2Cで12
0%の充電を行い、更に25℃において1Cの放電を行
うことにより、60℃における利用率を算出した。以上
の結果を一括して表1に示した。
【0038】
【表1】 表1から次のことが明らかである。 1)各実施例と比較例2を対比して明らかなように、本
発明のニッケル極が組み込まれている電池は、水酸化コ
バルトのみを用いた比較例2に比べて25℃において
も、60℃においても水酸化ニッケルの利用率は向上し
ており、水酸化コバルトにZrを取り込ませたことの有
用性が明らかである。
【0039】2)しかしながら、実施例1のニッケル極
の場合は、含Zr水酸化コバルトの含有量が少ないた
め、初充電時にこの含Zr水酸化コバルトのほぼ全量が
溶解して含Zr水酸化コバルトの一次粒子が水酸化ニッ
ケル粉末の表面に存在しなくなってその利用率の低下が
認められる。また、含Zr水酸化コバルトの含有量を実
施例6のように22.2重量部に増量しても、実施例5
以上の利用率の向上は実現しない。このようなことか
ら、含Zr水酸化コバルトの含有量は水酸化ニッケル粉
末100重量部に対して3〜17重量部程度にすること
が好適であるといえる。
【0040】3)更に含Zr水酸化コバルトとしてZr
含有量が0.1モル%のものを用いると(実施例7の場
合)、利用率の大幅な低下が認められ、また50モル%
のものを用いると(実施例10)、同じく利用率の低下
が認められる。このようなことから、含Zr水酸化コバ
ルトとしては、Zr含有量がCo1モルに対して0.5
〜20モル%であるものを用いることが好適であるとい
える。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ニッケル極は、集電体に担持されている正極合剤に含有
した含Zr水酸化コバルトの働きにより、水酸化ニッケ
ル粉末の相互間および水酸化ニッケル粉末と集電体との
間に導電性のコバルトの高次酸化物マトリックスが効率
よく形成されるので、活物質である水酸化ニッケル粉末
の利用率が向上する。更には、高温下における充電受入
性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニッケル極が組み込まれている円筒形
ニッケル・水素二次電池を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 電池缶 2 本発明のニッケル極 3 セパレータ 4 負極 5 電極群 6 集電板 7 絶縁ガスケット 8 孔 9 第1封口板 10 リード端子 11 安全弁 12 正極端子 13 押さえ板 14 外装チューブ
フロントページの続き (72)発明者 林田 浩孝 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝川崎事業所内 (72)発明者 板東 直美 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 宮本 邦彦 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 BB04 BC01 BC05 BD04 5H016 AA02 AA05 CC04 EE05 HH01 5H028 AA01 CC10 EE05 EE08 HH01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケル粉末と、含Zr水酸化コ
    バルトを主成分とする粒子とを含有する正極合剤が集電
    体に担持されていることを特徴とするアルカリ二次電池
    用ニッケル極。
  2. 【請求項2】 前記含Zr水酸化コバルトのZr含有量
    がCo1モルに対し0.5〜20モル%量であり、かつ
    その含Zr水酸化コバルトの一次粒子が前記水酸化ニッ
    ケル粉末の表面に存在している請求項1のアルカリ二次
    電池用ニッケル極。
  3. 【請求項3】 前記含Zr水酸化コバルトの含有量は、
    前記水酸化ニッケル粉末100重量部に対し3〜17重
    量部である請求項1または2のアルカリ二次電池用ニッ
    ケル極。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のアルカリ二次電池
    用ニッケル極が正極として組み込まれていることを特徴
    とするアルカリ二次電池。
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JP2014049210A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池

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