JP2001325751A - 光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光記録媒体およびその製造方法

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JP2001325751A
JP2001325751A JP2000285728A JP2000285728A JP2001325751A JP 2001325751 A JP2001325751 A JP 2001325751A JP 2000285728 A JP2000285728 A JP 2000285728A JP 2000285728 A JP2000285728 A JP 2000285728A JP 2001325751 A JP2001325751 A JP 2001325751A
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JP2000285728A
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Rei Takeuchi
礼 竹内
Masahiro Kikuchi
雅博 菊池
Hideaki Shinozaki
秀明 篠崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りが生じない程度の低温でラミネートを行
うことができ、しかも、記録再生特性の経時劣化を抑え
ることができ、かつ、十分な密着強度をもつ、フレキシ
ブルタイプの光記録媒体を提供する。また、このような
光記録媒体において、再生時のノイズ発生を低減する。 【解決手段】 柔軟性を有する光記録媒体であって、透
明基板1上に、有機色素を含有する光記録層2、接着層
6および裏打ち基板5をこの順で有し、光記録層2と接
着層6との間に拡散防止層3を有し、前記拡散防止層3
が水系樹脂を含有し、この水系樹脂は、ガラス転移温度
が60℃以上かつ重量平均分子量が10000以上であ
る光カード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学的に書き込みお
よび読み取りが可能な光記録媒体と、その製造方法とに
関する。
【0002】
【従来の技術】多量の情報を貯蔵する手段として、光に
よって情報の記録および再生を行う光記録方式が広く知
られている。光記録方式は、情報を予め記録しておき再
生のみ行う再生専用型、一度だけ情報の書き込みを行え
る追記型、書き込んだ情報の消去が可能で、かつ、消去
後に再度書き込むことが可能な書換型に大別できる。追
記型の記録方式は、レーザ光等の記録光を照射して光記
録層の一部を溶解、除去等することによりピットを形成
し、このピットを再生光により検出して情報読み出しを
行う方式である。
【0003】追記型の光記録媒体の光記録層に用いられ
る材料としては、低融点の金属または合金などからなる
無機系材料と、有機色素とが代表的に挙げられる。無機
系材料は、蒸着、スパッタリング等の真空系を用いた方
法により成膜する必要があるので、製造コストが高くな
る傾向がある。一方、有機色素は、スピンコートなどの
塗布方法により成膜できるので製造コストを抑えられる
利点があり、例えばCD−Rで採用されている。
【0004】光記録媒体の形状としては、ディスク、テ
ープ、カードなどが挙げられる。これらの中で追記型の
光カードは、携帯性や情報改竄防止に優れるので利用範
囲が広い。
【0005】追記型の光カードは、厚さが0.8mm程度
の厚型のものと、厚さが250μm前後の薄型のものと
に大別できる。光カード表面には文字や画像等を印刷す
ることが多いが、厚型の光カードはフレキシブル性に欠
けるため、印刷ヘッドのあたりが悪くなり鮮明な印刷が
得られ難い。一方、薄型の光カードはフレキシブル性が
良好であるため、印刷ヘッドのあたりや印刷時の搬送性
に優れるので、鮮明な印刷が可能であるという利点があ
る。
【0006】特開平1−146144号公報には、薄型
の追記型光カードの例が示されている。同公報では、フ
レキシブル性および屈曲耐久性を確保するために、金属
記録層に替えて有機色素からなる記録層を設けると共
に、透明基板上に形成した記録層と保護基材(裏打ち基
板)とを接着層により貼り合わせて、密着構造とするこ
とが提案されている。同公報では、接着層に特定の熱可
塑性樹脂を用い、熱ローラにより圧着してラミネートし
ている。同公報記載の発明において特定の熱可塑性樹脂
を用いるのは、光記録層を侵さず、かつ、熱圧着による
記録層の劣化を抑えるためである。同公報には、記録層
の耐熱性の問題から、120℃以下の接着温度で十分な
接着強度が得られる接着剤が望ましい旨の記載がある。
同公報の実施例では、熱ローラの温度を110℃以下に
すると共に、軟化点が40〜60℃である熱可塑性樹脂
を用いている。
【0007】また、特開平2−3116号公報にも、光
記録層および接着層を積層した光カードが記載されてい
る。同公報では、接着層上に光記録層を直接積層する
と、光記録層に接着剤成分が浸透拡散して光記録層の劣
化を生じさせるとして、光記録層と接着層との間に隔壁
層を設けることを提案している。隔壁層構成材料として
は、金属、合金、これらの酸化物、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、エネルギー線硬化型樹脂が挙げられており、
これらのうちでは、良好なC/Nが得られる点で金属が
好ましい旨が記載されている。同公報の実施例では、ポ
リメチルメタクリレートからなる透明基板上に光記録層
を形成し、その上に厚さ300nmのアルミニウム膜また
は厚さ100nmのテルル膜を蒸着法により形成して隔壁
層とし、その上にエポキシ系接着剤を介して塩化ビニル
製シート(裏打ち基板)を積層し、カード形状に打ち抜
いて光カードを作製している。なお、同公報には、接着
層に硬化型接着剤等を使う旨の記載がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平1−146
144号公報では、記録層と裏打ち基板とを接着するに
際し、軟化点が40〜60℃と極めて低い熱可塑性樹脂
からなる接着層を用いている。そのため、記録層に含有
される有機色素が接着層に拡散していき、記録層の特性
を経時的に劣化させるので、信頼性が低くなってしま
う。本発明の発明者らの研究では、ガラス転移温度の高
い熱可塑性樹脂を用いて接着層を形成すれば、有機色素
の接着層への拡散を抑えられることがわかった。しか
し、その場合、熱圧着温度を高くする必要があるため、
樹脂製の透明基板が熱圧着の際に変形し、光カードに反
りが発生してしまう。
【0009】また、本発明の発明者らの研究によれば、
同公報に記載された構造の光カード、すなわち、光記録
層と接着層との間に金属層を設けない構造の光カードで
は、再生信号中にノイズが多く混入し、トラッキング不
良やピットデータの読み取り不良(データ読み取り誤り
の増加)が発生しやすいことがわかった。
【0010】一方、上記特開平2−3116号公報に記
載されているように、光記録層と接着層との間に隔壁層
を設ければ、光記録層と接着層との間での拡散を抑える
ことができる。しかし、同公報の実施例に記載されてい
るように隔壁層として金属層を用いる場合、以下の問題
が生じる。まず、記録層に比べ金属層は硬い。また、金
属層は記録層および接着層に対する密着性が低い。その
ため、カードを曲げたときに金属層が追従できずに応力
集中が生じ、これにより剥離が生じやすい。隔壁層に金
属酸化物を用いる場合も、金属層を用いる場合と同様な
問題が生じる。隔壁層に樹脂を用いる場合、隔壁層とし
て十分に機能し、かつ、光記録層に悪影響を与えない樹
脂を選定する必要があるが、同公報には樹脂に必要とさ
れる条件についての記載はなく、その示唆もない。
【0011】また、上記特開平2−3116号公報で
は、接着層に硬化型接着剤を用いているが、架橋硬化し
た接着剤は柔軟性に欠ける。そのため、光カードを曲げ
たときに追従できずに応力集中が生じ、その結果、密着
強度(剥離強度または接着強度)が低下してしまう。
【0012】以上に説明したように、従来、信頼性、密
着強度および低ノイズ化をすべて満足する薄型光カード
は提案されていない。
【0013】本発明はこのような事情に基づいてなされ
たものである。本発明は、反りが生じない程度の低温で
ラミネートを行うことができ、しかも、記録再生特性の
経時劣化を抑えることができ、かつ、十分な密着強度を
もつ、フレキシブルタイプの光記録媒体を提供すること
を目的とし、また、このような光記録媒体において、再
生時のノイズ発生を低減することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(5)の本発明により達成される。 (1) 柔軟性を有する光記録媒体であって、透明基板
上に、有機色素を含有する光記録層、接着層および裏打
ち基板をこの順で有し、光記録層と接着層との間に拡散
防止層を有し、前記拡散防止層が水系樹脂を含有し、こ
の水系樹脂は、ガラス転移温度が60℃以上かつ重量平
均分子量が10000以上である光記録媒体。 (2) 前記光記録層の厚さが50〜100nmである上
記(1)の光記録媒体。 (3) 前記裏打ち基板は、前記接着層に接する表面の
中心線平均粗さRaが60〜320nmである上記(1)
または(2)の光記録媒体。 (4) 前記水系樹脂がアクリル系樹脂であり、前記接
着層が酢酸ビニルを主成分とする樹脂を含有する上記
(1)〜(3)のいずれかの光記録媒体。 (5) 上記(1)〜(4)のいずれかの光記録媒体を
製造するに際し、前記透明基板上に前記光記録層および
前記拡散防止層を有する積層体に、前記接着層を介して
前記裏打ち基板を熱圧着する工程を有し、この熱圧着を
120℃以下の温度で行う光記録媒体の製造方法。
【0015】
【作用および効果】本発明の発明者は、光カード等のフ
レキシブルタイプの密着型光記録媒体において記録再生
特性の経時劣化の原因と媒体の反りとの関係について種
々の研究を重ねた結果、次のことを見いだした。
【0016】記録再生特性の経時的な劣化は、光記録層
に隣接する接着層への有機色素の拡散が原因である。こ
の拡散を防止するには、ガラス転移温度60℃以上かつ
重量平均分子量10000以上の樹脂を用いて塗膜密度
の高い接着層を形成すればよいことがわかった。ただ
し、ガラス転移温度が高い樹脂は軟化点が高いため、十
分に高い密着強度を得るためには150℃程度以上でラ
ミネートを行う必要がある。
【0017】なお、熱圧着により接着するのは、加熱を
必要としない粘着剤は室温でタック性があるので、媒体
の端面からはみ出した粘着剤への異物の付着や、粘着剤
の人体への付着などが生じ、その結果、媒体が汚染され
たり、媒体の利用者に不快感を与えたりするなどの問題
が生じるからである。
【0018】しかし、媒体の透明基板および裏打ち基板
に用いられるフレキシブル性のある樹脂の変形温度(ガ
ラス転移温度)は、一般に120℃以下である。したが
って、150℃以上で熱圧着を行うと基板に変形が生
じ、媒体に反りが発生してしまう。この反りを防ぐため
には、ラミネート温度(圧着温度)を120℃以下とす
る必要がある。120℃以下でラミネートする場合にお
いて十分な密着強度を得るためには、接着層に軟化点1
00℃以下、好ましくは80℃以下の樹脂を用いる必要
がある。しかし、このように軟化点が低く、かつ、有機
色素の拡散を防止できる条件(ガラス転移温度60℃以
上、重量平均分子量10000以上)を満たす樹脂はほ
とんどなく、あったとしても選択肢が限られるため、設
計の自由度が低くなってしまう。したがって、接着層単
独では、反りの発生しない接着条件において有機色素の
拡散防止と密着強度確保とを両立させることは極めて困
難である。
【0019】以上の考察に基づき、有機色素の拡散防止
と密着強度確保とを両立させるために、本発明では、比
較的低温でのラミネートにより十分な密着強度を確保で
きる接着層を設けると共に、新たに光記録層と接着層と
の間に有機色素の拡散を防止するための拡散防止層を設
ける。
【0020】本発明では、拡散防止層を水系樹脂から構
成する。そのため、上記特開平2−3116号公報の実
施例で用いられている金属製の隔壁層と異なり、光記録
層および接着層に対する密着性が良好となる。また、上
記特開平2−3116号公報には、隔壁層を樹脂から構
成してもよい旨が記載されているが、水系樹脂を用いる
旨の記載はなく、その示唆もない。隔壁層を塗布法によ
り形成する際に、有機溶媒を含有する塗料を用いると、
光記録層の一部が溶解してしまうという問題が生じる。
これに対し水系樹脂を用いれば、拡散防止層形成時に光
記録層を損なうことがない。また、同公報には、隔壁層
に用いる樹脂として熱硬化性樹脂やエネルギー線硬化性
樹脂も挙げられているが、架橋硬化した樹脂は柔軟性に
欠ける。そのため、媒体を曲げたときに追従できずに応
力集中が生じ、その結果、密着強度が低下してしまう。
また、塗布後、架橋硬化する前に、記録層の有機色素が
樹脂中に拡散してしまうおそれがある。
【0021】本発明において、前記水系樹脂として、ガ
ラス転移温度が60℃以上で、かつ、重量平均分子量が
10000以上のものを用いれば、光記録層から接着層
への有機色素の拡散を著しく抑制することができる。
【0022】本発明では、媒体を構成する各層同士の密
着強度を十分に高くするために、有機色素を含有する光
記録層の厚さを上記した所定範囲内とすることが好まし
い。光記録層が厚すぎると、有機色素が凝集破壊しやす
くなる。この凝集破壊は、媒体に曲げや捻れが生じたと
きに特に顕著となる。凝集破壊が生じると、光記録層の
フレキシブル性が損なわれる。そのため、媒体に曲げや
捻れが生じたときに応力集中が生じ、光記録層とこれに
隣接する他の層との間で密着強度が低くなってしまう。
【0023】また、本発明の発明者らの研究によれば、
裏打ち基板の表面粗さRaが、裏打ち基板とこれに隣接
する接着層との間の密着強度に大きく影響することがわ
かった。裏打ち基板の接着層に接する表面のRaを、本
発明で限定する上記範囲内に設定すれば、裏打ち基板表
面の凹凸が接着層に楔を埋め込む状態となる。その結
果、媒体に曲げや捻れが生じたときに生じやすい裏打ち
基板と接着層との間での剥離を防ぐことができる。
【0024】また、拡散防止層に対する接着層の密着強
度は、拡散防止層に対する接着層の濡れ性が高ければ良
好となる。本発明の発明者らは、濡れ性が良好となる組
み合わせを調査した結果、拡散防止層にアクリル系樹脂
を用いる場合において、接着層に酢酸ビニル成分を含む
樹脂を用いれば、両層の密着強度が高くなり、かつ、1
20℃以下の低温でのラミネートが可能となることを見
いだした。
【0025】このように本発明では、曲げや捻れが生じ
やすいフレキシブルタイプの光記録媒体において、所定
の物性をもつ水系樹脂を含有する拡散防止層を設け、さ
らに、好ましくは、光記録層の厚さ、裏打ち基板の表面
粗さ、接着層構成樹脂と拡散防止層構成樹脂との組み合
わせを最適化する。その結果、本発明では、十分なフレ
キシブル性を有し、かつ、記録再生特性の経時劣化を抑
えることができ、かつ、媒体を構成する各層間における
密着強度が優れた光記録媒体が実現する。
【0026】ところで、前述したように、光記録層と接
着層との間に金属層を設けない構造の媒体では、再生信
号中にノイズが比較的多く混入することがわかった。本
発明の発明者らの研究の結果、このノイズは、光記録層
と接着層との間に、金属層等の表面が平滑な層が介在し
ていないために生じることがわかった。例えばCD−R
など、光入射側から見て透明基板、光記録層および金属
反射層がこの順に配置されている光記録媒体に対し再生
を行う場合、再生光が入射すると、透明基板と光記録層
との界面で第1の反射が生じ、光記録層と金属反射層と
の界面で第2の反射が生じ、それぞれの反射光は光検出
器に戻り、再生出力が得られる。この場合、第1の反射
および第2の反射は共に平坦面で生じるため、ノイズの
少ない再生信号が得られる。これに対し、本発明の媒体
では、第2の反射が光記録層と拡散防止層との界面で生
じる。拡散防止層は樹脂を塗布することにより形成され
るため、光記録層と拡散防止層との界面は平坦度が低く
なりやすく、その結果、第2の反射による反射光が拡散
して、ノイズの原因となる。
【0027】このような考察に基づき、本発明において
ノイズを低減する必要がある場合には、拡散防止層に光
吸収剤を含有させ、これにより、上記第2の反射による
反射光量を低減してノイズ発生を抑制する。
【0028】
【発明の実施の形態】光記録媒体 図1に、本発明の光記録媒体の構成例として光カードの
断面図を示す。図示する光カードは、透明基板1の一方
の面上に、光記録層2、拡散防止層3、接着層6、裏打
ち基板5および画像形成層7をこの順で有し、透明基板
1の他方の面上に、ハードコート層4を有する。以下、
この光カードの構成要素について説明する。
【0029】透明基板1 透明基板1は、記録再生用のレーザ光に対して高い透過
率を示し、かつ、フレキシブル性を確保するために柔軟
性のある材料から構成されることが好ましい。このよう
な材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
塩化ビニルなどが挙げられる。透明基板の厚さは特に限
定されないが、強度と柔軟性とを共に確保するために
は、75〜125μm程度であることが好ましい。透明
基板には、トラッキング用の溝を形成してもよい。ま
た、透明基板中には、記録再生用のレーザ光に対する透
明性を著しく損なわない範囲で、光記録層に有害な波長
をカットできる光吸収剤が含有されていてもよい。
【0030】なお、透明基板の表面には、媒体に入射す
る記録・再生光の損失を低減するための反射防止膜を設
けてもよい。また、接着性向上のための下地層を設けて
もよい。下地層は、光記録層2を塗布により形成する際
に用いる塗布液に対し、濡れ性の良好または溶解性が良
好な樹脂から構成することが好ましい。
【0031】光記録層2 光記録層2は、記録材料として有機色素を含有する。こ
の有機色素は、記録用レーザ光を吸収して熱分解するこ
とによりピットを形成できるものであれば特に限定され
ず、例えば、トリフェニルメタン系、ポリメチン系、ポ
ルフィン系、インダンスレン系、キノン系、ジオチール
系などのいずれであってもよい。光記録層には、耐光性
向上のために、必要に応じクエンチャなどを添加しても
よい。
【0032】光記録層の厚さは、好ましくは50〜10
0nmである。光記録層が薄すぎると、光吸収率が低くな
るため、記録感度が低くなってしまう。一方、光記録層
が厚すぎると、光記録層に凝集破壊が生じて密着性の低
下を招く。
【0033】拡散防止層3 拡散防止層3は、光記録層2上に直接塗布することによ
り形成する。そのため、拡散防止層を形成するための塗
料には、光記録層に含有される有機色素を溶かす溶媒は
使用できない。しかし、光記録層に用いる有機色素はほ
とんどの有機溶媒に可溶である。そのため、本発明で
は、拡散防止層の形成に、溶媒として水だけを利用した
水系塗料を用いる。したがって、拡散防止層を構成する
樹脂としては、水系樹脂を用いる。水系樹脂は、水を溶
媒として利用できるものであれば特に限定されず、水溶
性樹脂であってもエマルジョン型樹脂であってもよい。
樹脂種としては、例えば、アクリル系、ポリウレタン
系、エポキシ系、ポリエステル系などのいずれであって
もよい。
【0034】上記水系樹脂のガラス転移温度は、60℃
以上、好ましくは70℃以上である。このガラス転移温
度が低いと、光記録層2からの有機色素の拡散を十分に
抑制できなくなる。ただし、このガラス転移温度が高す
ぎると光カードのフレキシブル性を阻害するため、この
ガラス転移温度は好ましくは110℃以下、より好まし
くは90℃以下である。
【0035】また、上記水系樹脂の重量平均分子量は、
10000以上、好ましくは12000以上である。こ
の重量平均分子量が小さいと、光記録層2からの有機色
素の拡散を十分に抑制できなくなる。この重量平均分子
量の上限は特にないが、重量平均分子量を著しく大きく
しても本発明の効果は顕著には増大せず、また、入手の
容易さを考慮すると、通常、重量平均分子量10万以下
の樹脂を用いることが好ましい。
【0036】上記水系樹脂の軟化点が低いとラミネート
時に軟化してしまい、その結果、有機色素の拡散が生じ
て光記録層が劣化しやすいため、上記水系樹脂の軟化点
は好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上
である。
【0037】再生信号中のノイズを低減する必要がある
場合には、拡散防止層に光吸収剤を添加することが好ま
しい。光吸収剤は、再生用レーザ光を吸収でき、かつ、
拡散防止層の機能に著しく悪影響を及ぼさないものであ
れば特に限定されず、例えば、カーボンブラック、シア
ニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素等から適宜選
択すればよい。拡散防止層中における光吸収剤の含有量
は、十分な吸収特性が得られ、かつ、拡散防止層の柔軟
性等の物性を損なわない範囲で、光吸収剤の種類に応じ
て適宜決定すればよい。例えばカーボンブラックを用い
る場合には、樹脂100重量部に対しカーボンブラック
は5〜100重量部とすることが好ましい。
【0038】拡散防止層の厚さは特に限定されないが、
通常、0.1〜10μmとすることが好ましい。拡散防
止層が薄すぎると、有機色素の拡散防止効果が不十分と
なることがある。一方、拡散防止層が厚すぎると、拡散
防止層の柔軟性が低くなって光カードを曲げたときに追
従できず、その結果、層にクラックが生じたりしやす
い。
【0039】ハードコート層4 ハードコート層4は、透明基板1の光入射面を保護する
ために、必要に応じて設けられる。ハードコート層は、
傷つきにくく、また、汚れにくく、かつ、光カードの携
帯性を損なわないように柔軟性に優れることが好まし
い。ハードコート層構成材料としては、例えばフッ素
系、アクリル系、シリコーン系の樹脂などが挙げられ、
それらの樹脂は紫外線硬化型であってもよい。ハードコ
ート層の厚さは、通常、0.1〜10μm程度が適当で
ある。
【0040】なお、ハードコート層の表面には、媒体に
入射する記録・再生光の損失を低減するための反射防止
膜を設けてもよい。
【0041】裏打ち基板5 裏打ち基板5は、フレキシブル性を確保するために柔軟
性のある材料から構成されることが好ましい。具体的に
は、透明基板の説明において挙げた各種樹脂から構成す
ればよいが、裏打ち基板は記録再生光に対して透明であ
る必要はないので、樹脂中に顔料や染料を添加して着色
してもよい。裏打ち基板の厚さは特に限定されないが、
強度と柔軟性とを確保するためには、通常、75〜12
5μm程度とすることが好ましい。
【0042】裏打ち基板5の表面のうち接着層6に接す
る表面は、中心線平均粗さRaが60nm以上であること
が好ましい。Raが小さすぎると、接着層と裏打ち基板
との間の密着強度が不十分となる。図1に示す構造の媒
体を作製するに際しては、裏打ち基板5に塗布した接着
層6と、透明基板1側に塗布した拡散防止層3とを貼り
合わせる。裏打ち基板5のRaが大きすぎると、塗布さ
れた接着層6の表面が平滑でなくなってしまうため、接
着層6と拡散防止層3とを貼り合わせる際に接着面積が
小さくなり、密着強度が低くなってしまう。また、Ra
が大きいと一般にRmaxも大きくなり、Rmaxが大きすぎ
ると、裏打ち基板5表面の凹凸が接着層6および拡散防
止層3を貫通して光記録層2を破壊するおそれがある。
そのため、裏打ち基板5の上記表面のRaは、320nm
以下であることが好ましい。また、裏打ち基板5の上記
表面は、中心線最大粗さRmaxが200〜2000nmで
あることが好ましい。Rmaxの下限値および上限値の限
定理由は、Raの下限値および上限値の限定理由とそれ
ぞれ同様である。
【0043】なお、RaおよびRmaxは、JIS B0601に規
定されている。
【0044】裏打ち基板5の接着層6に接する表面に
は、接着性向上のために下地層を設けてもよい。この下
地層は、接着層構成材料に対する濡れ性が良好な樹脂か
ら構成することが好ましい。本発明においてこの下地層
を設けた場合、この下地層が裏打ち基板の表面を構成す
るものとする。すなわち、この場合における裏打ち基板
のRaおよびRmaxとは、この下地層表面のRaおよび
Rmaxである。
【0045】接着層6 接着層6は、熱可塑性樹脂から構成する。この熱可塑性
樹脂の種類は特に限定されず、拡散防止層および裏打ち
基板に対する接着性が良好で、かつ、低温でのラミネー
トが可能なものを、例えばアクリル系、ポリウレタン
系、エポキシ系、ポリエステル系等の各種熱可塑性樹脂
から適宜選択すればよい。ただし、拡散防止層がアクリ
ル系樹脂を含有する場合、接着層6には酢酸ビニル成分
を含有する樹脂、好ましくは酢酸ビニルを主成分とする
樹脂を用いることが好ましい。これにより、著しく高い
密着強度が得られる。酢酸ビニル成分を含有する樹脂
は、粘着性付与や改質のためにアクリル酸やメタクリル
酸との共重合体や変性体としてもよい。ただし、十分な
密着強度を確保するためには、樹脂中における酢酸ビニ
ル成分の比率(質量比)が60〜100%であることが
好ましい。
【0046】ラミネートを120℃以下で行う場合に
は、接着層に用いる樹脂は軟化点が100℃以下である
ことが好ましく、80℃以下であることがより好まし
い。ただし、光記録媒体の使用環境において接着層がタ
ック性を示さないようにするためには、用いる樹脂のガ
ラス転移温度が30℃以上であることが好ましい。
【0047】接着層の厚さは特に限定されないが、好ま
しくは1〜20μm、より好ましくは3〜20μmとす
る。接着層が薄すぎると、十分な密着強度が得られな
い。一方、接着層が厚すぎると、接着層の柔軟性が低く
なって光カードを曲げたときに追従できず、その結果、
層にクラックが生じやすい。
【0048】画像形成層7 画像形成層7は、光カードに記録した情報のインデック
スや内容を、文字や画像として書き込むために、必要に
応じて設けられる。画像形成方式は、光記録層に影響を
及ぼさないものであれば特に制限なく選択でき、例えば
熱転写記録、昇華転写記録、インクジェット記録、電子
写真記録、発色型感熱記録、可逆性感熱記録などのいず
れであってもよい。画像形成層の構成材料は、用いる画
像形成方式に応じて適宜決定すればよい。例えば、熱転
写記録、昇華転写記録、インクジェット記録、電子写真
記録などの色材受容型方式を用いる場合には、色材特性
に応じて受容性、吸収性などを調整した樹脂やフィラー
などを選択すればよい。また、発色型感熱記録、可逆性
感熱記録などの自己発色方式を用いる場合には、発色機
能に応じて構成材料を選択し、必要であれば多層構造に
してもよい。画像形成層の厚さは、通常、0.1〜20
μm程度とすることが好ましい。
【0049】なお、光カードの全厚は300μm以下で
あることが好ましい。光カードが厚すぎるとフレキシブ
ル性が低くなってしまう。ただし、光カードが薄すぎる
と、強度が低くなって破損しやすくなるので、全厚は1
00μm以上であることが好ましい。
【0050】製造方法 次に、本発明の光カードを製造する方法の一例について
説明する。
【0051】光記録層の形成方法は特に限定されない
が、通常、塗布法により形成することが好ましい。ま
た、接着層は、塗布法により形成することが好ましい。
これらの層を塗布法により形成する際し、塗料調製に用
いる溶媒は、例えばアルコール類、ケトン類、アミン
類、エステル類、エーテル類、炭化水素類などから適宜
選択すればよい。塗布方法は特に限定されず、例えばデ
ィップコート、スプレーコート、スピナーコート、バー
コート、ブレードコート等のいずれであってもよい。
【0052】光カードの製造は、通常、以下の手順で行
うことが好ましい。まず、大面積の透明基板1の表面
に、光記録層2および拡散防止層3を順次形成する。な
お、ハードコート層4は、光記録層2を設ける前に形成
してもよく、拡散防止層3を設けた後に形成してもよ
い。次いで、裏打ち基板5の表面に接着層6を形成した
後、光記録層3と接着層6とを向かい合わせた状態で熱
圧着し、ラミネート体を得る。熱圧着温度は、透明基板
および裏打ち基板の変形を避けるために、120℃以下
とすることが好ましい。最後に、ラミネート体をカード
形状に打ち抜くことにより、光カードが完成する。
【0053】本発明の光カードに対し記録および再生を
行う際には、透明基板を通してレーザ光を光記録層に照
射する。光記録層にピットを形成するためには、記録用
レーザ光の出力を5〜20mW程度とすればよい。また、
再生用レーザの出力は、0.3〜3mW程度とすればよ
い。
【0054】
【実施例】実施例1(拡散防止層に関する比較) サンプルNo.101 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート製透明基
板に、シアニン色素(林原生物化学研究所製NK141
4)を膜厚85nmとなるように塗布し、光記録層とし
た。この光記録層の上に、ジョンソンポリマー社製のジ
ョンクリルJ63(アクリル系の水溶性樹脂)を膜厚1
μmとなるように塗布し、拡散防止層とした。また、厚
さ100μmのポリエチレンテレフタレート製の白色の
裏打ち基板(東レ社製のE28−J)に、アクリル−酢
酸ビニル系樹脂(酢酸ビニル成分90%)のホットメル
ト接着剤(日本合成化学社製コーポニール4025)を
厚さ5μmとなるように塗布した。裏打ち基板の接着層
と接する表面は、平均粗さRaが184nm、最大粗さR
maxが1808nmであった。なお、RaおよびRmaxは原
子間力顕微鏡により測定した。また、接着層は、軟化点
が40℃、ガラス転移温度が35℃であった。次いで、
拡散防止層と接着層とが向き合うように透明基板と裏打
ち基板とを配置してラミネートした後、打ち抜くことに
より、光カードサンプルNo.101を得た。
【0055】サンプルNo.102 拡散防止層に用いるアクリル系の水溶性樹脂をジョンク
リルJ70(ジョンソンポリマー社製)にしたほかはサ
ンプルNo.101と同様にして作製した。
【0056】サンプルNo.103 拡散防止層を設けず、ホットメルト接着剤としてユニチ
カ社製UE3200(ガラス転移温度65℃)を用い、
ラミネート温度を変更したほかはサンプルNo.101と
同様にして作製した。
【0057】サンプルNo.104 拡散防止層に用いるアクリル系の水溶性樹脂をジョンク
リルJ60(ジョンソンポリマー社製)にしたほかはサ
ンプルNo.101と同様にして作製した。
【0058】サンプルNo.105 拡散防止層に用いるアクリル系の水溶性樹脂をジョンク
リルJ352(ジョンソンポリマー社製)にしたほかは
サンプルNo.101と同様にして作製した。
【0059】評価 上記各サンプルについて、反りなどの変形の有無を調べ
た。
【0060】上記各サンプルに、波長780nm、出力1
5mWの記録用レーザ光により記録周波数100kHz、ス
ポット径3μmで記録を行った後、出力1mWのレーザ光
で再生したところ、0.8Vの再生出力が得られた。次
いで、各サンプルを温度50℃、湿度90%の環境下に
1000時間放置した後、上記条件で記録用レーザ光を
照射した。照射後、上記条件で再生を行い、記録できて
いるかどうかを調べた。
【0061】また、各サンプルを幅25mmに切断し、JI
S K6854に規定されたT型剥離の試験方法に準じて剥離
強度を測定した。
【0062】以上の評価の結果を、表1に示す。また、
各サンプルについて、拡散防止層のガラス転移温度Tg
および重量平均分子量Mw、接着層の軟化点およびラミ
ネート温度を、表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1から本発明の効果が明らかである。す
なわち、拡散防止層に用いた樹脂のTgおよびMwが本
発明で限定する範囲内にあるサンプルでは、反りが生じ
ないように低温でラミネート可能な接着剤を用いても、
光記録層の劣化は認められず、かつ、十分に高い密着強
度が得られている。これに対し、拡散防止層を設けず、
Tgの高い樹脂からなる接着層だけを設けたサンプルN
o.103では、光記録層の劣化は認められないものの、
高温でラミネートする必要があったため、反りが生じて
しまっている。
【0065】サンプルNo.106 光記録層の厚さを75nmとし、光吸収剤(コロンビアン
ケミカル社製カーボンブラックSC ULTRA)を配合した水
溶性樹脂(サンプルNo.101に用いたもの)を膜厚1
μmとなるように塗布して拡散防止層としたほかはサン
プルNo.101と同様にして作製した。なお、樹脂と光
吸収剤との質量比は1:1とした。
【0066】サンプルNo.107 拡散防止層に光吸収剤を含有させなかったほかはサンプ
ルNo.106と同様にして作製した。
【0067】評価 上記各サンプルについて、サンプルNo.101と同条件
で記録および再生を行ったところ、サンプルNo.106
ではS/N=12の再生信号が得られ、サンプルNo.1
07ではS/N=4.5の再生信号が得られ、拡散防止
層に光吸収剤を含有させることによる効果が確認でき
た。なお、このS/Nは、信号出力をノイズ出力(peak
-to-peak)で除した値である。
【0068】また、これらのサンプルについてサンプル
No.101と同様にして剥離強度を測定したところ、い
ずれのサンプルも2.5N/cmであり、十分な密着強度が
得られていることが確認された。
【0069】実施例2(光記録層の厚さに関する比較) 表2に示す光カードサンプルを下記手順で作製した。ま
ず、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート製透
明基板(東レ社製)に、シアニン色素を膜厚75nmとな
るように塗布し、光記録層とした。なお、シアニン色素
には、色素1(林原生物化学研究所製NK1414)ま
たは色素2(林原生物化学研究所製NK3219)を用
いた。この光記録層の上に、サンプルNo.101と同様
にして拡散防止層を形成した。また、サンプルNo.10
1で用いた裏打ち基板に、サンプルNo.101と同様に
して接着層を形成した。次いで、拡散防止層と接着層と
が向き合うように透明基板と裏打ち基板とを配置してラ
ミネートした後、打ち抜くことにより、光カードサンプ
ルを得た。ラミネート温度は110℃とした。
【0070】評価 上記各サンプルについて曲げおよび捻りを加えた後、光
記録層の凝集破壊の有無を調べた。また、上記各サンプ
ルを作製する際に、透明基板上に光記録層を形成した時
点で、透明基板を通して入射させた波長780nmのレー
ザー光の透過率を測定した。また、上記各サンプルに、
波長780nm、出力20mWの記録用レーザ光により記録
周波数100kHz、スポット径3μmで記録を行った後、
出力1mWのレーザ光で再生し、再生出力および変調度を
測定した。なお、変調度は、光記録層の平坦部における
再生出力をRtop、ピット形成部における再生出力をRb
ottomで表したとき、 (Rtop−Rbottom)/Rtop により算出した。以上の評価の結果を、表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】表2から、光記録層の厚さを制御すること
による効果が明らかである。
【0073】実施例3(裏打ち基板の表面粗さに関する
比較) 表3に示す光カードサンプルを下記手順で作製した。各
サンプルに用いた裏打ち基板の平均粗さRaと最大粗さ
Rmaxとを表3に示す。No.302、No.305における
RaおよびRmaxは、下地層表面の表面粗さである。
【0074】サンプルNo.301 厚さ100μmポリエチレンテレフタレート製白色フィ
ルム(東レ社製のE53S)を裏打ち基板として用いた
ほかはサンプルNo.201と同様にして作製した。
【0075】サンプルNo.302 厚さ100μmポリエチレンテレフタレート製白色フィ
ルム(東レ社製のE20)の表面を耐水性研磨紙(三共
理化学社製の1000番)で研磨することにより粗面化
し、粗面化した表面に樹脂(東洋紡社製のUR140
0)を塗布して厚さ2μmの下地層を形成して、裏打ち
基板を得た。この裏打ち基板を用いたほかはサンプルN
o.201と同様にして作製した。
【0076】サンプルNo.303 厚さ100μmポリエチレンテレフタレート製白色フィ
ルム(東レ社製のX21)を裏打ち基板として用いたほ
かはサンプルNo.201と同様にして作製した。
【0077】サンプルNo.304 厚さ100μmポリエチレンテレフタレート製透明フィ
ルム(東レ社製のU98)を裏打ち基板として用いたほ
かはサンプルNo.201と同様にして作製した。
【0078】サンプルNo.305 耐水性研磨紙として三共理化学社製の500番を用いた
ほかはサンプルNo.302と同様にして作製した。
【0079】評価 上記各サンプルについて曲げおよび捻りを加えることに
より、サンプルを構成する各層の剥離の難易度を調べ
た。結果を表3に示す。なお、表3にはサンプルNo.2
01の結果も併記してある。
【0080】
【表3】
【0081】表3から、本発明において裏打ち基板の表
面粗さを制御することによる効果が明らかである。本発
明サンプルであるNo.201およびNo.301〜No.30
2では、裏打ち基板または透明基板が破壊されるまで、
裏打ち基板と接着層との剥離は認められなかった。これ
に対し、Raが本発明で限定する範囲を下回るサンプル
No.303およびNo.304では、裏打ち基板と接着層と
がわずかな力で容易に剥離してしまった。また、Raが
本発明で限定する範囲を上回るサンプルNo.305で
は、拡散防止層と接着層とが一部剥離すると共に、これ
らが剥離しなかった領域では裏打ち基板の破壊が生じて
いた。
【0082】実施例4 表4に示す樹脂からなる接着層を有する光カードサンプ
ルを、下記手順で作製した。
【0083】サンプルNo.401 ホットメルト接着剤として日本合成化学社製コーポニー
ルPH50M(軟化点50℃、ガラス転移温度35℃、
酢酸ビニル成分の比率90%)を用いたほかは実施例2
のサンプルNo.201と同様にして、光カードサンプル
を作製した。
【0084】サンプルNo.402 ホットメルト接着剤として日本合成化学社製コーポニー
ル102X(軟化点100℃、ガラス転移温度50℃、
酢酸ビニル成分の比率65%)を用いたほかはサンプル
No.401と同様にして、光カードサンプルを作製し
た。
【0085】サンプルNo.403 ホットメルト接着剤としてユニチカ社製UE3300
(軟化点80℃、ガラス転移温度45℃)を用いたほか
はサンプルNo.401と同様にして、光カードサンプル
を作製した。
【0086】サンプルNo.404 ホットメルト接着剤として日本ポリウレタン社製TU1
01(軟化点64℃、ガラス転移温度48℃)を用いた
ほかはサンプルNo.401と同様にして、光カードサン
プルを作製した。
【0087】サンプルNo.405 ホットメルト接着剤として大日本インキ化学工業社製ベ
ッカサイト1110(融点95〜115℃)を用いたほ
かはサンプルNo.401と同様にして、光カードサンプ
ルを作製した。
【0088】サンプルNo.406 ホットメルト接着剤として大日本インキ化学工業社製ス
ーパベッカサイト1001(融点61〜70℃)を用い
たほかはサンプルNo.401と同様にして、光カードサ
ンプルを作製した。
【0089】サンプルNo.407 ホットメルト接着剤として積水化学工業社製エスレック
BL−S(軟化点120℃、ガラス転移温度60℃)を
用いたほかはサンプルNo.401と同様にして、光カー
ドサンプルを作製した。
【0090】サンプルNo.408 ホットメルト接着剤として東都化成社製YD014(軟
化点96℃、ガラス転移温度53℃)を用いたほかはサ
ンプルNo.401と同様にして、光カードサンプルを作
製した。
【0091】サンプルNo.409 ホットメルト接着剤として東洋モートン社製AD37F
1(軟化点89℃、ガラス転移温度18℃)を用いたほ
かはサンプルNo.401と同様にして、光カードサンプ
ルを作製した。
【0092】サンプルNo.410 ホットメルト接着剤として大成化工社製アクリット10
4A(軟化点100℃、ガラス転移温度48℃)を用い
たほかはサンプルNo.401と同様にして、光カードサ
ンプルを作製した。
【0093】サンプルNo.411 ホットメルト接着剤としてクラレ社製BC1000P
(軟化点90℃、ガラス転移温度36℃)を用いたほか
はサンプルNo.401と同様にして、光カードサンプル
を作製した。
【0094】サンプルNo.412 ホットメルト接着剤として三菱レイヨン社製LR574
(軟化点110℃、ガラス転移温度31℃)を用いたほ
かはサンプルNo.401と同様にして、光カードサンプ
ルを作製した。
【0095】評価 上記各サンプルを幅25mmに切断し、JIS K6854に規定
されたT型剥離の試験方法に準じて剥離強度を測定し
た。また、比較のために、実施例2のサンプルNo.20
1についても同様な測定を行った。結果を表4に示す。
なお、表4に「測定不可」とあるのは、T型剥離試験用
のサンプルを作製する際に剥離が生じてしまい、試験が
不可能であったものである。
【0096】
【表4】
【0097】表4から、拡散防止層にアクリル系の水系
樹脂を用い、かつ、接着層に酢酸ビニル成分を含む樹脂
を用いた場合に、十分に高い接着強度が得られることが
わかる。
【0098】実施例5 ラミネートを表5に示す温度で行ったほかは実施例4の
サンプルNo.402と同様にして、表5に示す光カード
サンプルを作製した。これらのサンプルについて、実施
例2と同様にして記録および再生を行うことにより、再
生出力を求めた。また、実施例4と同様にして剥離強度
を測定した。これらの結果を表5に示す。なお、表5に
はサンプルNo.402の結果も併記してある。
【0099】
【表5】
【0100】表5から、本発明の光カードを製造する際
にラミネート温度を120℃以下とすれば、再生出力お
よび剥離強度がいずれも十分に高くなることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の構成例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明基板 2 光記録層 3 拡散防止層 4 ハードコート層 5 裏打ち基板 6 接着層 7 画像形成層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 535 G11B 7/24 535D 538 538V B41M 5/26 7/26 521 G11B 7/26 521 531 531 B41M 5/26 Y (72)発明者 篠崎 秀明 東京都台東区台東1丁目5番1号 東京磁 気印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA03 EA14 EA22 FA01 FA11 FA15 FA30 FB42 5D029 HA05 HA06 JA04 KB11 KB14 LA04 LB01 MA43 PA02 RA29 TA12 TA21 5D121 AA04 AA07 AA12 EE23 EE27 EE28 FF02 FF06 GG07 GG24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟性を有する光記録媒体であって、 透明基板上に、有機色素を含有する光記録層、接着層お
    よび裏打ち基板をこの順で有し、光記録層と接着層との
    間に拡散防止層を有し、 前記拡散防止層が水系樹脂を含有し、この水系樹脂は、
    ガラス転移温度が60℃以上かつ重量平均分子量が10
    000以上である光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記光記録層の厚さが50〜100nmで
    ある請求項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記裏打ち基板は、前記接着層に接する
    表面の中心線平均粗さRaが60〜320nmである請求
    項1または2の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記水系樹脂がアクリル系樹脂であり、
    前記接着層が酢酸ビニルを主成分とする樹脂を含有する
    請求項1〜3のいずれかの光記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの光記録媒体を
    製造するに際し、前記透明基板上に前記光記録層および
    前記拡散防止層を有する積層体に、前記接着層を介して
    前記裏打ち基板を熱圧着する工程を有し、この熱圧着を
    120℃以下の温度で行う光記録媒体の製造方法。
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