JP2001324882A - 中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体、及びそれを用いた画像形成装置

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JP2001324882A
JP2001324882A JP2000143297A JP2000143297A JP2001324882A JP 2001324882 A JP2001324882 A JP 2001324882A JP 2000143297 A JP2000143297 A JP 2000143297A JP 2000143297 A JP2000143297 A JP 2000143297A JP 2001324882 A JP2001324882 A JP 2001324882A
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JP2000143297A
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Yukio Hara
幸雄 原
Masao Nakamura
正雄 中村
Toshihiko Tomita
俊彦 富田
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Nitto Denko Corp
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Nitto Denko Corp
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗
の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境に
よる抵抗の変化の少ない、安定した電気特性を有する中
間転写体、及び長期間安定して高品質の転写画像を得ら
れる画像形成装置を提供すること。 【解決手段】 組成材料中に、電子伝導性を付与する導
電剤11重量%以上30%未満と、導電性ポリマー11
重量%以上50%未満とを含有することを特徴とする中
間転写体、及びそれを備えた画像形成装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
プリンター、ファクシミリ、これらの複合機等に適応可
能な電子写真方式の画像形成装置に用いる中間転写体及
びそれを備えた画像形成装置に関し、詳しくは、潜像担
持体上に形成したトナー像を一旦中間転写体に転写した
後、これを用紙等の被転写体に転写して再生画像を得る
ようにした画像形成装置に用いる中間転写体及びそれを
備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置は、無機又
は有機材料の光導電性感光体からなる像担持体上に一様
な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静
電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を
現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナ
ー像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の転
写材に静電的に転写することにより所要の再生画像を得
る。特に、上記像担持体に形成したトナー像を中間転写
体に一次転写し、さらに中間転写体上のトナー像を記録
紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置として、
特開昭62−206567号公報等に開示されたものが
知られている。
【0003】中間転写体方式を採用した画像形成装置に
用いられる材料としては、ポリカーボネイト樹脂(特開
平06−095521号公報)、PVDF(ポリフッ化
ビニリデン)(特開平5−200904号公報、特開平
6−228335号公報)、ポリアルキレンフタレート
(特開平6−149081号公報)、PC(ポリカーボ
ネイト)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)の
ブレンド材料(特開平6−149083号公報)、ET
FE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/P
C、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料
(特開平6−149079号公報)などの熱可塑性樹脂
の導電性の無端ベルトを用いる提案がなされている。ま
た、特許番号2560727号(特開昭−63−311
263号公報)において、カーボンブラック分散のポリ
イミドシームレスベルトが提案されている。さらに、中
間転写体方式を採用した画像形成装置に用いられるベル
ト材料として、特開平9−305038号公報、特開平
10−240020号公報には、ポリエステルなどの織
布と弾性部材とを積層してなる補強材入り弾性ベルトが
提案されている。
【0004】上記中間転写体の電気抵抗値は、高品質の
転写画質を得るために、所定の範囲に制御され、かつ中
間転写体の面内バラツキ(抵抗値の最大値と最小値の
値)がすくないこと、かつ、使用環境条件が変化しても
電気抵抗値が、大きく変化せずに、安定して高品質を得
られることが求められる。例えば、実用的には、10
℃、15%RHの低温低湿環境と28℃、85%RHの
高温高湿環境での電気抵抗値の変化が1.5桁以内であ
ることなどが要求されている。このように中間転写体を
構成する材料に、導電性を付与するには、組成材料中に
電子伝導性を付与する導電剤またはイオン伝導性を付与
する導電剤と付与する方法がある。
【0005】上記電子伝導性を付与する導電剤として、
例えば、通常のカーボンブラックを単独で分散した樹脂
材料の場合には、温度や湿度の環境変化に対する電気抵
抗値の変動は少ないが、通常のカーボンブラックを均一
に分散させることが難しいために電気抵抗値の面内バラ
ツキが大きくなりやすい。更に、抵抗値の電圧依存性が
大きいため、転写部において、電界集中がおき、転写電
圧により、電気抵抗値が低下する問題がある。
【0006】また、イオン導電性ポリマーを導電剤とし
て付与した場合には、中間転写体面内の電気抵抗値のバ
ラツキが極めて小さく、例えば0.6桁(logΩ/
□)以下と好適な値を示す。反面、温度や湿度の環境変
化に対する電気抵抗値の変動が大きく、例えば、28
℃、85%RHの高温高湿環境(H/H環境)と10
℃、15%RHの低温低湿環境との電気抵抗値の差が、
1.5〜4桁(logΩ/□)あるという問題を有して
いる。
【0007】さらに、一般に、イオン導電性ポリマーの
導電剤は、低温低湿度での電気抵抗値が、所定の抵抗値
を得るためにイオン導電性ポリマーの量を多くする必要
がある。イオン導電性ポリマーの量を多くすると、イオ
ン導電性ポリマーが低分子モノマーである場合には、中
間転写体の表面から滲み出て、像担持体の表面に移行
(ブリードアウト)して、画像劣化、汚染や感材侵食な
どを起こしやすいという新たな問題を生じることがあ
る。
【0008】このような問題の対策として、特開平8−
110711号公報においては、イオン導電性タイプの
導電剤を分散してなる材料と電子伝導タイプの導電剤を
分散してなる材料を積層して用いる提案がなされてい
る。しかし、2層以上の構成とした場合には、両者で、
より高抵抗の層が、ベルトの抵抗を支配するため、高抵
抗層の材料の導電性タイプの挙動を発現することにな
る。例えば、電子伝導タイプの導電剤を分散してなる材
料の層が、イオン導電性タイプの導電剤を分散してなる
材料の層より高抵抗である場合には、抵抗のバラツキが
大きい、電界依存性が大きいなどの問題がある。
【0009】また、特開平9−176329号公報にお
いては、カーボンブラックなどの導電性充填剤を1〜1
0重量%、好ましくは2〜7.5重量%とイオン導電性
ポリマーであるポニアニリンを1〜50重量%、好まし
くは、2.5〜25重量%をポリイミド樹脂材料に配合
してなる提案がなされている。しかし、カーボンブラッ
クなどの導電性充填剤とポリアニリンと組み合わせた場
合においても、例えば、カーボンブラックの添加量が少
ない場合には、添加したポリアニリンによる発現する導
電性が支配的となるために、抵抗の環境による変動が大
きい問題がある。また、ポリアニリンの添加量が少なく
して、カーボンの添加量を1〜10重量%の範囲で、中
間転写体としての所定の電気抵抗を得るためには、導電
性の付与効果の大きい、2次凝集して、導電性の連鎖を
作りやすいカーボンブラックを用いる必要があるため
に、カーボンブラックによって発現する導電性が不均一
であり、抵抗のバラツキが大きい、電界依存性が大きい
などの問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来技術におい
て、前記したカーボンブラック分散のポリカーボネイ
ト、カーボンブッラク分散のエチレンテトラフロロエチ
レン共重合体、カーボンブッラク分散のポリイミド樹脂
などの導電性の無端ベルトを用いた場合に、温度や湿度
の環境変化に対する電気抵抗値の変動は少ないが、カー
ボンブラックを均一に分散させることが難しいために電
気抵抗値の面内バラツキが大きくなりやすい、更に、抵
抗値の電圧依存性が大きいため、転写部において、印可
電圧の集中がおき、転写電圧により、電気抵抗値が低下
する問題がある。具体的には、例えば、葉書などの中間
転写体の幅より短い用紙を連続して、1000枚以上転
写した後で、ハーフートーン(マゼンタ30%)の画像
を転写すると用紙走行部がしろ抜けする問題が発生し
た。この白抜けする画質欠陥は、10℃、15%RHの
低温低湿環境下において特に顕著であった。用紙走行部
がしろ抜けするのは、二次転写部での印加電圧によっ
て、用紙剥離時に中間体と用紙との間での剥離放電が発
生して、中間転写体の用紙走行部の表面抵抗率が、周辺
部位より低下して、転写効率が、周辺部位より低下する
ことが原因である。繰り返しの電圧印加により、ベルト
に含有されるカーボンブラックが酸化され、導電性が高
くなり、抵抗低下するものと推測される。また、上記抵
抗低下はベルトに含有されるカーボンブラックの分散性
が悪いと、抵抗低下は大きい傾向にあった。
【0011】このような抵抗低下は、中間転写体の煩雑
な交換はメンテランスの手間とランニングコストを押し
上げる結果につながるために好ましいものではない。
【0012】本発明は、前記従来における諸問題を解決
し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本
発明お目的は、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気
抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環
境による抵抗の変化の少ない、安定した電気特性を有す
る中間転写体、及びそれを用いた、長期間安定して高品
質の転写画像を得ることができる画像形成装置を提供す
ること。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、 <1>組成材料中に、電子伝導性を付与する導電剤11
重量%以上30重量%未満と、導電性ポリマー11重量
%以上50重量%未満とを含有することを特徴とする中
間転写体である。
【0014】<2>電子伝導性を付与する導電剤が、表
面をフッ化処理してなるカーボンブラックであることを
特徴とする前記<1>に記載の中間転写体。
【0015】<3>組成材料が、ポリイミド樹脂系材料
からなることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載
の中間転写体である。
【0016】<4>前記<1>〜<3>のいずれかに記
載の中間転写体を備えることを特徴とする画像形成装置
である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の中間転写体は、組成材料
中に、電子伝導性を付与する導電剤11重量%以上30
重量%未満(好ましくは11重量%以上25重量%未
満、さらに好ましくは11重量%以上20重量%未満)
と、導電性ポリマー11重量%以上50重量%未満(好
ましくは11重量%以上40重量%未満、さらに好まし
くは11重量%以上30重量%未満)とを含有する。
【0018】本発明の中間転写体において、電子伝導性
を付与する導電剤の含有量が、11重量%未満である
と、電気抵抗値のバラツキが大きく、所望の電気抵抗値
が安定しなくなり、一方30重量%を超えると、電子伝
導性の導電剤の効果が小さく、電界依存性が大きくな
る。また、導電性ポリマーの含有量が、11重量%未満
であると、所望の電気抵抗値が得られなくなり、一方、
50重量%を超えると、電気抵抗値の低温低湿と高温高
湿での変動幅が大きく、所望の電気抵抗値を安定して得
られなくなる。
【0019】本発明の中間転写体は、電子伝導性を付与
する導電剤と、導電性ポリマーとを上記特定の範囲で併
用することで、電子伝導性の導電剤を単独で用いた場合
に発生する、大きい電界依存性が減少、さらには電界依
存性に起因する電気抵抗値の面内バラツキを抑えること
ができ、かつ、イオン導電性を付与する導電剤を単独で
用いた場合に発生する、電気抵抗値の低温低湿と高湿高
温との環境の違いによる電気抵抗値の変動幅を減少させ
ることができ、所望とする電気抵抗値を安定して得るこ
とができる。そのため、転写電圧による抵抗低下を防止
し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、
さらに環境による抵抗の変化の少ない、安定した電気特
性を有し、用紙走行部が白く抜けるなどの画質欠陥の発
生が抑制された高画質を得ることができる中間転写体と
なる。
【0020】ここで、転写電圧による抵抗低下、及びこ
の抵抗低下による白抜けの発生について、図1及び図2
を参照して説明する。図1は、中間転写体の二次転写部
の抵抗低下を説明する概要図である。図1に示すよう
に、ベルト状の中間転写体101を介して支持ローラ1
02と転写ローラ103とにより形成される二次転写部
(ニップ部)に、用紙(被転写体)104を通過させる
と同時に転写電圧を印加し二次転写が行われる。二次転
写直後においては、ベルト状の中間転写体101表面
(用紙側)はプラス側に帯電、用紙104表面(中間転
写体側)は、マイナス側に帯電しているため、中間転写
体101と用紙104との間で剥離放電が発生する。こ
の放電現象によって、中間転写体101表面が変質し
て、新しい導電経路ができて抵抗が下がる。また、電界
依存性が大きい場合、中間転写体101表面での電界集
中をおこすことになり、中間転写体101表面が変質し
易いので、抵抗が低下する。
【0021】図2は、ハーフトーンで白抜けが発生する
状況を説明する概要図である。図2に示すように、10
00枚連続コピー後(例えば10℃、15%RHの低温
低湿環境下)の中間転写体200における用紙走行部2
01には、図1で示したような抵抗低下がおこる(図2
中(a))。このような状態で、マゼンタ30%のハー
フトーンをコピーすると、非用紙走行部202よりも抵
抗が低い用紙走行部201には印画されにくくなる(図
2中(b))。この結果、白抜けの発生がおこる。この
白抜けの発生は、特に、用紙走行部201の表面抵抗率
が、非用紙走行部202よりも、1.1桁(logΩ/
□)以上低くなると起こり易くなる。
【0022】電子伝導性を付与する導電剤としては、カ
ーボンブラック、グラファイト、金属(例えばアルミニ
ウム、ニッケル、銅等)及びそれらの合金、表面に金属
酸化物(例えば、酸化錫等)によって表面処理してなる
金属酸化物(例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化錫−酸化
インジウム複合酸化物、酸化錫−酸化アンチモン複合酸
化物等)及び無機酸化物(例えばチタン酸カリウム等)
等が挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが
好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、ファー
ネスブラック、ケッチエンブラック、チヤンネルブラッ
クが挙げられ、具体的には電気化学(株)製粒状アセチ
レンブラック、旭カーボン(株)製HS−500、アサ
ヒサーマルFT、アサヒサーマルMT、ライオンアグゾ
(株)製ケッチエンブラック、キャボット(株)製バル
カンXC−72、テグサ社のSpecial Blac
k4等が挙げられる。
【0023】電子伝導性を付与する導電剤としては、カ
ーボンブラックが好適に用いられるが、特に好ましくは
フッ化処理してなるカーボンブラックである。導電剤と
して、表面をフッ化処理してなるカーボンブラックを用
いることで、導電剤を分散させるときに2次凝集がおき
ずらくなり、表面処理をしていないカーボンブラックに
比べて、組成材料中に均一に分散させることができる。
また、イオン伝導性を付与する導電剤と併用すること
で、より安定した電気抵抗値を得ることができる。この
ような、表面をフッ化処理してなるカーボンブラックと
しては、カーボンブラックを、フッ素ガス雰囲気中で加
熱処理することで得ることができる。具体的には、例え
ば、ALLIED社のACCUFLUOR2028等が
挙げられる。
【0024】イオン導電性ポリマーとしては、ポリアニ
リン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリピロー
ル、ポリフェニレンビニレン等が挙げられる。これら導
電性ポリーマーは、脱ドープ状態、又はドープ状態で用
いることができる。
【0025】組成材料としては、樹脂材料、弾性材料、
及びこれらのブレンド材料が挙げられる。樹脂材料とし
ては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテ
ルテーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフロロエチレン
−エチレン共重合体(ETFE)などの樹脂材料、及び
これらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。弾性
材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、
NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブ
タジエン、ブチルゴム、シリコーンゴムなどを1種類又
は、2種類以上をブレンドしてなる材料が挙げられる。
これらの中でも、ポリイミド樹脂が好ましい。このポリ
イミド樹脂は、高ヤング率の材料であり、駆動時(支持
ロール、クリーニングブレード等の応力)による変形が
少ないので、色ずれなどの画質欠陥を防止することがで
きる。
【0026】ポリイミド樹脂としては、ポリイミド樹脂
の前駆体であるポリアミド酸を、加熱してイミド転化し
たものが好ましい。ポリアミド酸は、テトラカルボン酸
二無水物又はその誘導体とジアミンとのほぼ等モル混合
物を有機極性溶媒に溶解させ、溶液状態で反応させるこ
とによって得ることができる。
【0027】テトラカルボン酸二無水物としては、ピロ
メリット酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカル
ボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン
酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、
2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、
3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボ
ン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテト
ラカルボン酸、3,3’,4,4’−アゾベンゼンテト
ラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルポキシフェニル)
メタン、ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)メタ
ン、β,β−ビス(3,4−ジカルポキシフェニル)プ
ロパン、β,β−ビス(3,4−ジカルポキシフェニ
ル)ヘキサフオロプロパン等が挙げられる。
【0028】ジアミンとしては、m−フェニルジアミ
ン、p−フェニルジアミン、2,4−ジアミノトルエ
ン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロ
ロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−−キシリレ
ンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジ
アミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,
4’−ジアミノナフタレビフェニル、ベンジジン、3,
3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジ
ジン、3,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,
4’−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシ−p,p’
−ジアニリン;ODA)、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジア
ミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、β,β−ビス(4−アミンフェニル)プロパン等が
挙げられる。
【0029】有機極性溶媒としては、例えば、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミ
ド等が挙げられる。これら有機極性溶媒は、必要に応じ
て、クレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ル等のフェノ
−ル類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類
と併用することができる。これらは単独、或いは2種以
上併用してもよい。
【0030】ポリイミド樹脂としては、特に、芳香族テ
トラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応によ
って得られるポリアミド酸を加熱することによって得ら
れるものが好ましい。具体的には、DuPont(株)
「カプトンHA」等のポリピロメリット酸イミド系のイ
ミド樹脂、宇部興産(株)「ユーピレックスS」等のポ
リビフェニルテトラカルボン酸イミド系樹脂、宇部興産
(株)「ユーピレックスR」、三井東圧化学工業(株)
「LARC−TPI(熱可塑性ポリイミド樹脂)」等の
ポリベンゾフェノンテトラカルボン酸イミド酸系樹脂等
が好適に挙げられる。
【0031】本発明の中間転写体は、表面抵抗率が1×
1010Ω/□〜1×1014Ω/□、好ましくは1×10
11Ω/□〜1×1013Ω/□であることが好適である。
この表面抵抗率が1014Ω/□より高い場合には、一次
転写部の像担持体と中間転写体が剥離するポストニップ
部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発性した部分
は、白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、
1010Ω/□未満の場合には、プレニップ部での電界強
度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生し
やすくなるために画質の粒状性が悪化する問題が発生す
ることがある。従って、表面抵抗率を、上記範囲とする
ことで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白
抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質が悪化する
問題を防止することができる。なお、この表面抵抗率
は、転写面における表面抵抗率を示す。
【0032】本発明の中間転写体において、表面抵抗率
は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスター
IPのHRプローブ等)を用い、JIS K6991に
従って測定することができる。具体的には、例えば、図
3に示す円形電極を用いて測定することができる。図3
は、表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平
面図(a)及び概略断面図(b)である。図3に示す円
形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備え
る。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱
状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状
電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D
とを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部
C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に中間転
写体Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電
極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印可
したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)
により、中間転写体Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算
出することができる。ここで、下記式(1)中、d(m
m)は円柱状電極部Cの外径を示す。D(mm)はリン
グ状電極部Dの内径を示す。
【0033】 式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
【0034】本発明の中間転写体は、体積抵抗率が1×
108Ωcm〜1×1013Ωcm、好ましくは1×10
10Ωcm〜1×1012Ωcmであることが好適である。
この体積抵抗率が108ΩCm未満である場合には、像
担持体から中間転写体に転写された未定着トナー像の電
荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー
同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の
力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブ
ラー)、ノイズの大きい画像が形成されるという問題が
発生することがある。一方、体積抵抗率が1013Ωcm
より高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次
転写での転写電界で中間体表面が帯電するために除電機
構が必要となる問題が発生することがある。従って、体
積抵抗率を、上記範囲とすることで、トナーが飛散して
したり、除電機構を必要とする問題を防止することがで
きる。
【0035】本発明の中間転写体において、体積抵抗率
は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスター
IPのHRプローブ)を用い、JIS K6991に従
って測定することができる。具体的には、例えば、図4
に示す円形電極を用いて測定することができる。図4
は、体積抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平
面図(a)及び概略断面図(b)である。図4に示す円
形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極
B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極
部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径
を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒
状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極
A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’
と第二電圧印加電極B’との間に中間転写体T’を挟持
し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と
第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印可した
ときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)によ
り、中間転写体Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出す
ることができる。ここで、下記式(2)中、tは中間転
写体Tの厚さを示す。
【0036】 式(2) ρv=19.6×(V/I)×t
【0037】本発明の中間転写体は、ベルト形状、或い
はドラム形状のいずれでもよいが、ベルト形状が、他の
サブシステムの配置の自由度、取り扱い易さの点から好
ましい。本発明の中間転写体は、ベルト形状の場合、単
層或いは複数層の弾性層からなり、該弾性層の少なくと
も1層の組成材料中に、電子伝導性を付与する導電剤と
導電性ポリマーとを上記特定の範囲で含有する。一方、
ドラム形状の場合、基体上に、単層或いは複数層の弾性
層を有してなり、該弾性層の少なくとも1層の組成材料
中に、電子伝導性を付与する導電剤と導電性ポリマーと
を上記特定の範囲で含有する。弾性層上に表面コート層
を設けた構成をとってもよい。また、本発明の中間転写
体において、弾性層の少なくとも1層として、電子伝導
性を付与する導電剤と導電性ポリマーとを上記特定の範
囲で含有するを含有する以外の構成、例えば、層構成、
基体の種類などは、従来公知の構成をとることができ
る。
【0038】本発明の中間転写体の厚さは、ベルト形状
の場合、その使用目的などに応じて適宜決定しうるが、
一般的には強度や柔軟性等の機械特性点より、20〜5
00μm程度が好ましく、特に好ましくは50〜200
μmである。
【0039】本発明の中間転写体は、像担持体に形成さ
れたトナー像を中間転写体上に一次転写する第一転写手
段、及び該中間転写体上に転写されたトナー像を被転写
体に二次転写する第二転写手段を備える画像形成装置に
用いられる。また、本発明の中間転写体は、ベルト形状
の場合、トナー画像を被転写体に転写する転写領域に、
被転写体を搬送する転写搬送ベルトとして用いてもよ
い。
【0040】(画像形成装置)本発明の画像形成装置
は、前記本発明の中間転写体を備える。本発明の画像形
成装置は、像担持体に形成されたトナー像を中間転写体
上に一次転写する第一転写手段、及び該中間転写体上に
転写されたトナー像を被転写体に二次転写する第二転写
手段を備え、該中間転写体として前記本発明の中間転写
体を用いる中間転写方式の画像形成装置である。また、
本発明の中間転写体を、トナー画像を被転写体に転写す
る転写領域に、被転写体を搬送する転写搬送ベルトとし
て備えた画像形成装置でもよい。前記本発明の中間転写
体を備えることで、長期間安定して、高画質の転写画像
が得られる。
【0041】本発明の画像形成装置としては、中間転写
体方式の画像形成装置であれば、特に限定されるもので
はなく、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容
する通常のモノカラー画像形成装置や、像担持体上に担
持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返
すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の
像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カ
ラー画像形成装置等が挙げられる。具体的には、像担持
体、像担持体表面を均一に帯電する帯電手段、像担持体
表面を露光し静電潜像を形成する露光手段、像担持体表
面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像
を形成する現像手段、被転写材上のトナー像を定着する
定着手段、像担持体に付着したトナーやゴミ等を除去す
るクリーニング手段、像担持体表面に残留している静電
潜像を除去する除電手段、など必要に応じて公知の方法
で任意に備えることができる。
【0042】像担持体としては、従来公知のものを用い
ることができ、その感光層としては、有機系、アモルフ
ァスシリコン等公知のものを用いることができる。前記
像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法
により得られる。またベルト状の前記像担持体を用いる
ことも可能である。
【0043】帯電手段としては、特に制限はなく、例え
ば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、
ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利
用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそ
れ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯
電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記
帯電手段は、前記電子写真感光体に対し、通常、直流電
流を印加するが、交流電流をさらに重畳させて印加して
もよい。
【0044】露光手段としては、特に制限はなく、例え
ば、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザ光、LE
D光、液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源か
らポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学
系機器などが挙げられる。
【0045】現像手段としては、目的に応じて適宜選択
することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成
分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触あるいは非接
触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
【0046】第一転写手段としては、例えば、ベルト、
ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写
帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器
やコロトロン転写帯電器などのそれ自体公知の転写帯電
器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に
優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明
においては、前記転写帯電器の外、剥離帯電器等を併用
することもできる。
【0047】第二転写手段としては、前記第一転写手段
として例示した転写ローラ等の接触型転写帯電器、スコ
ロトロン転写帯電器、コロトロン転写帯電器などが挙げ
られる。これらの中でも、前記第1転写手段と同様に接
触型転写帯電器が好ましい。転写ローラ等の接触型転写
帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状
態を良好な状態に維持させることができる。また、中間
転写体を案内するローラの位置で転写ローラ等の接触型
転写帯電器を押圧すると、中間転写体から被転写体に対
してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行うこと
が可能になる。
【0048】光除電手段としては、例えば、タングステ
ンランプ、LEDなどが挙げられ、該光除電プロセスに
用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の
白色光、LED光等の赤色光などが挙げられる。該光除
電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写
真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程
度になるように出力設定される。
【0049】定着手段としては、特に制限はなく、それ
自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定
着器などが挙げられる。
【0050】クリーニング手段としては、特に制限はな
く、それ自体公知のクリーニング装置などを用いればよ
い。
【0051】以下に、本発明の画像形成装置の1例とし
て、一次転写を繰り返すカラー画像形成装置を示す。図
5は、本発明の画像形成装置の1例を示す概略構成図で
ある。図5に示す画像形成装置は、像担持体としての感
光体ドラム1、中間転写体としての中間転写ベルト2、
転写電極であるバイアスローラ3、被転写体である用紙
を供給するトレー4、B(ブラック)トナーによる現像
装置5、Y(イエロー)トナーによる現像装置6、M
(マゼンタ)トナーによる現像装置7、C(シアン)ト
ナーによる現像装置8、ベルトクリーナー9、剥離爪1
3、ベルトローラ21、23及び24、バックアップロ
ーラ22、導電性ローラ25、電極ローラ26、クリー
ニングブレード31、用紙束41、ピックアップローラ
42、並びにフィードローラ43を有してなる。
【0052】図5に示す画像形成装置において、感光体
ドラム1は矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置で
その表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム
1にレーザー書込み装置などの画像書き込み手段により
第一色(例えば、B)の静電潜像が形成される。この静
電潜像は現像装置5によってトナー現像されて可視化さ
れたトナー像Tが形成される。トナー像Tは感光体ドラ
ム1の回転で導電性ローラ25が配置された一次転写部
に到り、導電性ローラ25からトナー像Tに逆極性の電
界を作用させることにより上記トナー像Tを静電的に中
間転写ベルト2に吸着されつつ中間転写ベルト2の矢印
B方向の回転で一次転写される。
【0053】以下、同様にして第2色のトナー像、第3
色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され中間転
写ベルト2において重合せられて、多重トナー像が形成
される。
【0054】中間転写ベルト2に転写された多重トナー
像は、中間転写ベルト2の回転でバイアスローラ3が設
置された二次転写部に到る。二次転写部は、中間転写ベ
ルト2のトナー像が担持された表面側に設置されたバイ
アスローラ3と該中間転写ベルト2の裏側からバイアス
ローラに対向するごとく配置されたバックアップローラ
22およびこのバックアップローラ22に圧接して回転
する電極ローラ26から構成される。
【0055】用紙41は、用紙トレー4に収容された用
紙束からピックアップローラ42で一枚ずつ取り出さ
れ、フィードローラ43で二次転写部の中間転写ベルト
2とバイアスローラ3との間に所定のタイミングで給送
される。給送された用紙41は、バイアスローラ3及び
バックアップローラ22による圧接搬送と中間転写ベル
ト2の回転により、該中間転写ベルト2に担持されたト
ナー像が転写される。
【0056】トナー像が転写された用紙41は、最終ト
ナー像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪13を
作動せることにより中間転写ベルト2から剥離され、図
示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー
像を固定して永久画像とされる。なお、多重トナー像の
用紙41への転写の終了した中間転写ベルト2は、二次
転写部の下流に設けたベルトクリーナー9で残留トナー
の除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスロ
ーラ3は、ポリウレタン等からなるクリーニングブレー
ド31が常時当接するごとくとりつけられており、転写
で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
【0057】単色画像の転写の場合、一次転写されたト
ナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、
複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色
のトナー像が一次転写部で正確に一致するように中間転
写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期させて各色
のトナー像がずれないようにする。上記二次転写部で
は、バイアスローラ3と中間転写ベルト2を介して対向
配置したバックアップローラ22に圧接した電極ローラ
26にトナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印
加することで該トナー像を用紙41に静電反発で転写す
る。以上のようにして、画像を形成することができる。
【0058】また、上述のように、本発明は、中間転写
体がドラム形状の場合であっても、該ドラム状中間転写
体を中間転写ドラム方式の画像形成装置に転用すること
ができる。中間転写ドラム方式の一例を図6に示す。
【0059】図6は、中間転写ドラムを備えたカラー画
像形成装置の概要図である。中間転写ドラム30が前記
中間転写ベルト2に対応する。また、ベルトローラ2
1、23及び24は当然不要となり、バックアップロー
ラ22に対応する電極部材は必ずしも必要ではない。ま
た、中間転写ドラム30は、プロコン用センサー32よ
り回転スピードが制御されており、トナー像が転写され
た用紙41は、最終トナー像の一次転写終了まで退避位
置にある剥離爪13を作動せることにより中間転写ベル
ト2から剥離され、図示しない定着装置に搬送ローラ1
4にて搬送される。かかる構成からなるカラー画像形成
装置は、図5に示す画像形成装置とほぼ同様に動作する
ので、その作用の説明を省略する。
【0060】
【実施例】以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体
的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制
限するものではない。
【0061】(実施例1)表1に示す配合に従って、N
−メチル−2ピロリドン(NMP)中に乾燥したフッ化
処理カーボンブラック(ALLIED社製、ACCUF
LVOR2028)を、所定量ボールミルで6時間室温
で混合した。このカーボンブラック分散NMP液に、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(BPDA)294.2gとp−フェニレンジアミ
ン(PDA)108.2gとを溶解し、窒素雰囲気にお
いて、室温で4時間攪拌しながら反応させフッ化処理カ
ーボンブラック入りポリアミド酸溶液を得た。
【0062】N―メチルー2ピロリドン(NMP)20
0gにポニアニリン粉末20gを添加し、オートホモミ
キサーを用いて5000rpmで1時間攪拌し、溶解さ
せ10wt%濃度の脱ドープ状態のポリアニリン溶液を
得た。
【0063】カーボンブラック入りポリアミド酸溶液に
所定量のポリアニリン溶液を添加後、攪拌羽根を用いて
室温で1時間攪拌し所望配合量のフッ化処理カーボンブ
ラック、ポリアニリン入りポリアミド酸溶液を得た。
【0064】次に、このポリアミド酸溶液を、円筒金型
内面に弾丸状走行体を用いて均一な厚みになる様に塗布
後、次に、250rpmで回転させながら、金型の外側
より60℃の熱風を30分間あてた後,150℃で60
分間加熱し、その後200℃まで2℃/分の昇温速度で
昇温し、さらに200℃で30分間加熱した後、室温に
戻して半透明化フィルムを得た。
【0065】この半硬化フィルムを脱型した後、これを
円筒状金型の外側に被せ、200℃から400℃まで5
℃/分の昇温速度で昇温加熱し、脱水閉環水の除去、及
びイミド転化を行った後室温に戻し、金型より剥離し、
厚さ80μmの無端ポリイミドベルトを得た。
【0066】(実施例2〜5、比較例1〜10)表1〜
2の配合に従って、実施例1と同様にして無端ポリイミ
ドベルトを得た。
【0067】(評価)実施例1〜4、比較例1〜9で得
られた無端ポリイミドベルトにおける、表面抵抗率、体
積抵抗率、表面抵抗率の環境変動幅、表面抵抗率の電界
依存性、表面抵抗率の面内バラツキを調べた。さらに、
無端ポリイミドベルトを中間転写ベルト2として、図5
に示す画像形成装置に搭載し、葉書(用紙)を3000
0(30K)枚連続コピー後、用紙走行部の表面抵抗率
の低下量を調べた。結果を表1〜2に示す。なお、各測
定については以下に示す通りに行った。
【0068】−表面抵抗率− 本実施例おける表面抵抗率の測定は、図3に示す円形電
極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプロー
ブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部
Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃
/55%RH環境下で、電圧100V印加し、10秒後
の電流値を求め、上述のようにして算出した。
【0069】−体積抵抗率の測定− 本実施例おける体積抵抗率の測定は、図4に示す円形電
極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプロー
ブ:円柱状電極部Cの外系Φ16mm、リング状電極部
Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃
/55%RH環境下で、電圧100V印加し、30秒後
の電流値を求め、上述のようにして算出した。
【0070】−表面抵抗率の環境変動幅− 本実施例おける環境変動幅は、高温高湿(H/H)環境
(28℃/85%RH)と低温低湿(L/L)(10℃
/15%RH)環境とにおける表面抵抗率の対数値の差
として算出した。
【0071】−表面抵抗率の電界依存性− 本実施例おける表面抵抗率の電界依存性は、印加電圧1
00V(電界143V/cm)と印加電圧1000V
(電界1429V/cm)との条件下における表面抵抗
率の対数値の差として算出した。
【0072】−表面抵抗率の面内バラツキ− 本実施例おける表面抵抗率の面内バラツキ(ΔR)は、
無端ベルトを周方向に8分割、幅方向に3分割し、ベル
ト面内24点について表面抵抗率を計測し、表面抵抗率
の対数値をとり、その最大値と最小値の差として算出し
た。
【0073】−30000(30K)枚連続コピー後、
用紙走行部の表面抵抗率の低下量− 本実施例おける30000枚連続コピー後の表面抵抗率
の低下量は、初期の表面抵抗率と、30000枚連続コ
ピー後の表面抵抗率との対数値の差として算出した。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】表1〜2より、比較例1〜比較例3のよう
に、イオン導電性ポリマーを単独で用いた場合、ベルト
面内バラツキが小さいが、高温高湿環境(28℃/85
%RH)と低温低湿環境(10℃/15%RH)での表
面抵抗率の変動幅が、1.9桁以上大きい問題があるこ
とがわかる。
【0077】比較例4〜比較例6のように、電子導電性
を付与す導電剤としてカーボンブラックを単独で用いた
場合、表面抵抗率の環境での変動幅は、小さいが、電界
依存性が大きくなり、ベルト面内バラツキが大きく、前
記した転写電圧での部分的な抵抗低下による画質欠陥の
発生などの問題があることがわかる。
【0078】比較例7〜比較例8のように、電子伝導性
を付与する導電剤としてカーボンブラックとイオン導電
性ポリマーとを組み合わせて用いた場合でも、イオン導
電性ポリマーを単独で用いた場合よりも表面抵抗率の環
境での変動幅は小さくなり、電子伝導性を付与する導電
剤を単独で用いた場合よりも電界依存性が小さくなり、
ベルト面内バラツキが小さくなって、前記した転写電圧
での部分的な抵抗低下が少なくなる傾向にあるが、中間
転写体として求められる値としては、表面抵抗率の環境
での変動幅も転写電圧での部分的な抵抗低下も不十分で
あることがわかる。
【0079】比較例9〜比較例10のように、電子伝導
性を付与する導電剤としてカーボンブラックとイオン導
電性ポリマーとを組み合わせて用いた場合でも、イオン
導電性ポリマーを単独で用いた場合よりも表面抵抗率の
環境での変動幅は小さくなり、電子伝導性を付与する導
電剤を単独で用いた場合よりも電界依存性が小さくな
り、ベルト面内バラツキが小さくなって、前記した転写
電圧での部分的な抵抗低下が少なくなる傾向にあるが、
中間転写体として求められる値としては、ベルト面内バ
ラツキが大きく、前記した転写電圧での部分的な抵抗低
下が問題となるレベルであることがわかる。
【0080】上記比較例に対して、実施例1〜実施例6
のように、イオン導電性ポリマーと電子導電性を付与す
る導電剤と特定の範囲で組み合わせて用いた場合、狙い
の電気特性を安定して得ることができる。特に、表面抵
抗率の環境変動幅を1.5桁(logΩ/□)以内に抑
えることができることがわかる。
【0081】
【発明の効果】以上により、本発明によれば、転写電圧
による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、
電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少
ない、安定した電気特性を有する中間転写体、及び長期
間安定して高品質の転写画像を得られる画像形成装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中間転写体の二次転写部の抵抗低下を説明す
る概要図である。
【図2】 ハーフトーンで白抜けが発生する状況を説明
する概要図である。
【図3】 表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す
概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図4】 体積抵抗率を測定する円形電極の一例を示す
概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図5】 本発明の画像形成装置の1例を示す概略構成
図である。
【図6】 本発明の画像形成装置の別の1例を示す概略
構成図である。
【符号の説明】 101 中間転写体 102 支持ローラ 103 転写ローラ 104 用紙 200 中間転写体 201 用紙走行部 202 非用紙走行部 A 第一電圧印加電極 B 第二電圧印加電極 C 円柱状電極部 D リング状電極部 A’ 第一電圧印加電極 B’ 板状絶縁体 C’ 円柱状電極部 D’ リング状電極部 T、T’ 中間転写体 1 感光体ドラム(像担持体) 2 中間転写ベルト(中間転写体) 3 バイアスローラ 4 用紙トレー 5 ブラック現像装置 6 イエロー現像装置 7 マゼンタ現像装置 8 シアン現像装置 9 ベルトクリーナー 13 剥離爪 14 搬送ローラ 21、23、24 ベルトローラ 22 バックアップローラ 25 導電性ローラ 26 電極ローラ 30 中間転写ドラム(中間転写体) 31 クリーニングブレード 32 プロコン用センサー 41 用紙(被転写体)、用紙束 42 ピックアップローラ 43 フィードローラ T トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 65/00 C08L 65/00 79/08 79/08 Z 101/00 101/00 (72)発明者 中村 正雄 埼玉県深谷市播羅町1−8−5 日東電工 株式会社内 (72)発明者 富田 俊彦 埼玉県深谷市播羅町1−8−5 日東電工 株式会社内 Fターム(参考) 2H032 AA05 BA08 BA09 4J002 AA00W AC07W AC09W AC11W AC12W BB10W BB15W BB18W BD14W BD15W CE00X CF00W CG00W CH09W CK02W CL00W CM04W CM05X CP03W DA026 DA036 DA076 DA086 DA096 DC006 DE096 DE106 DE126 DE186 FB076 FD116 GQ02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成材料中に、電子伝導性を付与する導
    電剤11重量%以上30重量%未満と、導電性ポリマー
    11重量%以上50重量%未満とを含有することを特徴
    とする中間転写体。
  2. 【請求項2】 電子伝導性を付与する導電剤が、表面を
    フッ化処理してなるカーボンブラックであることを特徴
    とする請求項1に記載の中間転写体。
  3. 【請求項3】 組成材料が、ポリイミド樹脂系材料から
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写
    体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の中間転
    写体を備えることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7309456B2 (en) 2003-08-28 2007-12-18 Tokai Rubber Industries, Ltd. Electrically conductive polymer, semiconductive composition using the same and semiconductive member for electrophotographic equipment

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7309456B2 (en) 2003-08-28 2007-12-18 Tokai Rubber Industries, Ltd. Electrically conductive polymer, semiconductive composition using the same and semiconductive member for electrophotographic equipment

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