JP2001323037A - 光熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

光熱硬化性樹脂組成物

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JP2001323037A JP2000138977A JP2000138977A JP2001323037A JP 2001323037 A JP2001323037 A JP 2001323037A JP 2000138977 A JP2000138977 A JP 2000138977A JP 2000138977 A JP2000138977 A JP 2000138977A JP 2001323037 A JP2001323037 A JP 2001323037A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ水溶液での現像及び低温での加工が
可能で耐熱性の優れた樹脂層を得ることができる感光性
樹脂組成物、及びそのような組成物の硬化剤として有用
なフェノールノボラックを提供すること。 【解決手段】 一般式[1]で表される構造単位からな
り、R1の一部がcis−ジエン構造有機基であり、平
均重合度3〜30のフェノールノボラック。 【化1】 一般式[2]及び[3]で表される構造単位のいずれか
一方又は両方からなり、R3及びR4の一方又は両方、R
6及びR7の一方又は両方がcis−ジエン構造有機基で
あり、平均重合度2〜25のフェノールノボラック。 【化2】 (イ)多官能エポキシ樹脂、(ロ)上記フェノールノボ
ラック、及び(ハ)酸素増感剤を含有する光熱硬化性樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂組成物
に硬化剤として有用なフェノールノボラック及びこのフ
ェノールノボラックを用いた半導体素子や回路配線板等
の製造への応用が可能な感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の携帯化などによる軽薄
短小化や高機能化が急速度で進展している。これに伴
い、これら機器内の回路で使用される半導体集積回路に
も、小型化、高集積化が進行している。そのため、従来
のパッケージに比べて配線ピン数は増大するが、実装面
積やパッケージ面積は逆に小さくなるといったジレンマ
が生じる。そのため、従来のパッケージ方式とは異な
る、BGA(Ball Grid Array),さら
にはCSP(Chip Scale Package)
とよばれる、新しい形の実装密度の高いパッケージ方式
が提案されている。これらの半導体パッケージ方式で
は、従来型半導体パッケージのリードフレームの代わり
に、半導体パッケージ用基板あるいはインターポーザー
と呼ばれる、プラスチックやセラミックス等各種材料を
使って構成されるサブストレートを使用して、半導体チ
ップの電極とプリント配線板の電気的接続を行ってい
る。このサブストレート上に構成される回路は、小型化
・高密度化した半導体内に導入されるものであり、一般
的なプリント配線板に比べて非常に細線化・高密度化が
進んだものとなる。そこで、パッケージの形式によりこ
の微細配線をレジスト層の形成により保護する必要が生
じる。
【0003】さらに、これらの半導体パッケージが実装
されるプリント回路配線板においても、配線の高密度化
のため、フルアディティブ法のような新しい製造方法が
注目されている。これは、絶縁基材よりなる積層板に接
着剤層を形成し、そこへ無電解めっきにより回路及びス
ルーホールを形成するもので、高い導体パターン精度や
均一なスルーホール導通の生成を行うことが可能であ
る。現在このアディティブ法が民生用、産業用の高密
度、高多層基板製造プロセスとして実用され始めてい
る。
【0004】これらのレジスト用、あるいは接着剤樹脂
に共通して要求されるのは、チップ接合や実装時に20
0〜300℃の高熱に耐え得る高い耐熱性、その加工時
に基材にダメージを与えない程度の低温での加工性、配
線の接合部や絶縁層の層間で導通を取るための孔加工性
などが挙げられる。
【0005】このような、特に低温加工性と耐熱性の両
方が必要な回路基材上へのレジスト膜や層間絶縁膜とし
て、一般的にエポキシ樹脂が使用されている。また、高
密度化した回路配線に対応した孔等のパターン加工を行
うために写真製版によって形成する(写真法)こと、即
ちこれら樹脂に感光性を付与した感光性樹脂を使うこと
が有利である(例えば、特開平8−62839号公報)。
このとき、この感光性樹脂のパターン形成時に不必要な
領域の樹脂を除去する現像液は、従来有機溶剤系のもの
が使用されてきた。しかし、近年作業に対する安全性、
また環境への悪影響の防止といった観点より、水系現像
液の使用を要求されている。ところが、上記のような感
光性樹脂は、感光性を有しない同様の組成の樹脂と比較
して、耐熱性や機械特性等が低下してしまうという問題
が存在する。これは、樹脂に感光性を付与するために導
入されたアクリレート構造などの感光基や増感剤の熱安
定性等が樹脂本体のそれに比べ劣っているため、加工後
樹脂の中に残ったそれらの感光基や増感剤が樹脂全体の
熱安定性等を低下させてしまうことに起因すると考えら
れる。このため、上記感光性樹脂は、高い耐熱性を要求
される用途への応用が制限されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、半導
体素子、回路配線板などへの製造へ応用することができ
るような、写真法によりパターン精度の良いレジスト形
成がアルカリ水溶液を用いた現像で可能であり、低温で
の加工が可能で耐熱性の優れた樹脂層を得ることができ
る新たな感光性樹脂組成物を提供することを目的として
なされたものである。さらに本発明は、耐熱性の優れた
感光性樹脂組成物を提供するに際して硬化剤として有用
な新たなフェノールノボラックを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式[1]
で表される構造単位からなり、かつ一般式[1]で表さ
れる構造単位の少なくとも一部はR1がcis−ジエン
構造を有する1価の有機基であり、かつ平均重合度が3
〜30の範囲であるフェノールノボラック(以下、フェ
ノールノボラック(1)という)に関する。
【化3】 (式[1]中、cis−ジエン構造を有する1価の有機
基でないR1は水素であり、R2は水素または炭素数1〜
4のアルキル基である。)
【0008】さらに本発明は、一般式[2]及び[3]
で表される構造単位のいずれか一方又は両方からなり、
かつ一般式[2]で表される構造単位の少なくとも一部
は、R3及びR4の一方又は両方がcis−ジエン構造を
有する1価の有機基であり、一般式[3]で表される構
造単位の少なくとも一部は、R6及びR7の一方又は両方
がcis−ジエン構造を有する1価の有機基であり、か
つ平均重合度が2〜25の範囲であるフェノールノボラ
ック(以下、フェノールノボラック(2)という)に関
する。
【化4】 (式[2]中、cis−ジエン構造を有する1価の有機
基でないR3及びR4は水素であり、R5は酸素、硫黄ま
たは炭素数1〜4の置換基を有していても良いアルキレ
ン基、アルキリデン基もしくはアルキレンオキシ基であ
る。式[3]中、cis−ジエン構造を有する1価の有
機基でないR6及びR7は水素であり、R8は、酸素、硫
黄または炭素数1〜4の置換基を有していても良いアル
キレン基、アルキリデン基もしくはアルキレンオキシ基
である。)
【0009】さらに本発明は、(イ)多官能エポキシ樹
脂、(ロ)上記本発明のフェノールノボラック、及び
(ハ)酸素増感剤を含有することを特徴とする光熱硬化
性樹脂組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】フェノールノボラック(1) 本発明のフェノールノボラック(1)は、上記一般式
[1]で表される構造単位からなり、かつ一般式[1]
で表される構造単位の少なくとも一部はR1がcis−
ジエン構造を有する1価の有機基であり、かつ平均重合
度が3〜30の範囲であるフェノールノボラックであ
る。
【0011】cis−ジエン構造を有する1価の有機基
は、酸素増感剤の作用により架橋を生じる基である。一
方、R1が水素であることで、このフェノールノボラッ
クを使用して形成された樹脂にアルカリ水溶液による溶
解性を付与することができる。このように、架橋性及び
溶解性を両立させるとういう観点から、R1がcis−
ジエン構造を有する1価の有機基である構造単位の割合
が全構造単位の20〜80%の範囲であることが好まし
く、残りのR1は水素である。より好ましくは、R1がc
is−ジエン構造を有する1価の有機基である構造単位
の割合は全構造単位の30〜70%の範囲であり、残り
のR1は水素である。
【0012】上記cis−ジエン構造を有する1価の有
機基としては、たとえば、−CH2O−CO−D、−O
−CO−D、−CO−O−CH2−D、−CH2O−CH
2−D、−O−CH2−D、−NH−CO−D、−CO−
NH−CH2−D等を挙げることができる。ただし、D
はcis−ジエン構造である。Dで表されるcis−ジ
エン構造としてはシクロペンタジエニル基、フリル基、
ピロリル基、チエニル基、ピラニル基、イソベンゾフラ
ニル基、インドリジニル基、キノリジニル基などをあげ
ることができる。これらの中で、cis−ジエン構造と
しては、シクロペンタジエニル基、フリル基、ピロリル
基及びチエニル基が好ましく、特に、フラン、チオフェ
ン及びピロール基であることが好ましい。
【0013】平均重合度は3〜30の範囲、好ましくは
4〜20の範囲である。尚、本発明のフェノールノボラ
ック(1)は、R1がcis−ジエン構造を有する1価
の有機基である構造単位がタンダムに存在するものであ
る。
【0014】フェノールノボラック(1)において、R
2は水素または炭素数1〜4のアルキル基である。炭素
数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、及びアリル基等を挙げることができる。
【0015】フェノールノボラック(2) フェノールノボラック(2)は、一般式[2]及び
[3]で表される構造単位のいずれか一方又は両方から
なり、かつ一般式[2]で表される構造単位の少なくと
も一部は、R3及びR4の一方又は両方がcis−ジエン
構造を有する1価の有機基であり、一般式[3]で表さ
れる構造単位の少なくとも一部は、R6及びR7の一方又
は両方がcis−ジエン構造を有する1価の有機基であ
り、かつ平均重合度が2〜25の範囲であるフェノール
ノボラックである。
【0016】フェノールノボラック(2)は、一般式
[2]で表される構造単位のみからなる場合(フェノー
ルノボラック(2−1))、一般式[3]で表される構
造単位のみからなる場合(フェノールノボラック(2−
2))、並びに一般式[2]及び[3]の両方からなる
場合(フェノールノボラック(2−3))、の3種類が
ある。
【0017】フェノールノボラック(2−1)の場合、
一般式[2]で表される構造単位の少なくとも一部は、
3及びR4の一方又は両方がcis−ジエン構造を有す
る1価の有機基である。上述のように、cis−ジエン
構造を有する1価の有機基は、酸素増感剤の作用により
架橋を生じる基である。一方、R3及びR4が水素である
ことで、このフェノールノボラックを使用して形成され
た樹脂にアルカリ水溶液による溶解性を付与することが
できる。このように、架橋性及び溶解性を両立させると
ういう観点から、R3及びR4がcis−ジエン構造を有
する1価の有機基である割合は、R3及びR4の合計の2
0〜80%の範囲であることが好ましく、残りのR3
びR4は水素である。より好ましくは、R3及びR4がc
is−ジエン構造を有する1価の有機基である割合はR
3及びR4の合計の30〜70%の範囲であり、残りのR
3及びR4は水素である。
【0018】フェノールノボラック(2−2)の場合、
一般式[3]で表される構造単位の少なくとも一部は、
6及びR7の一方又は両方がcis−ジエン構造を有す
る1価の有機基である。上述のように、cis−ジエン
構造を有する1価の有機基は、酸素増感剤の作用により
架橋を生じる基である。一方、R6及びR7が水素である
ことで、このフェノールノボラックを使用して形成され
た樹脂にアルカリ水溶液による溶解性を付与することが
できる。このように、架橋性及び溶解性を両立させると
ういう観点から、R6及びR7がcis−ジエン構造を有
する1価の有機基である割合は、R6及びR7の合計の2
0〜80%の範囲であることが好ましく、残りのR6
びR7は水素である。より好ましくは、R6及びR7がc
is−ジエン構造を有する1価の有機基である割合はR
6及びR7の合計の30〜70%の範囲であり、残りのR
6及びR7は水素である。
【0019】フェノールノボラック(2−3)の場合、
一般式[2]で表される構造単位の少なくとも一部は、
3及びR4の一方又は両方がcis−ジエン構造を有す
る1価の有機基であり、一般式[3]で表される構造単
位の少なくとも一部は、R6及びR7の一方又は両方がc
is−ジエン構造を有する1価の有機基である。そして
架橋性及び溶解性を両立させるとういう観点から、
3、R4、R6及びR7がcis−ジエン構造を有する1
価の有機基である割合は、R3、R4、R6及びR7の合計
の20〜80%の範囲であることが好ましく、残りのR
3、R4、R6及びR7は水素である。より好ましくは、R
3、R4、R6及びR7がcis−ジエン構造を有する1価
の有機基である割合はR6及びR7の合計の30〜70%
の範囲であり、残りのR3、R4、R6及びR7は水素であ
る。
【0020】上記cis−ジエン構造を有する1価の有
機基としては、たとえば、−CH2O−CO−D、−O
−CO−D、−CO−O−CH2−D、−CH2O−CH
2−D、−O−CH2−D、−NH−CO−D、−CO−
NH−CH2−D等を挙げることができる。ただし、D
はcis−ジエン構造である。Dで表されるcis−ジ
エン構造としてはシクロペンタジエニル基、フリル基、
ピロリル基、チエニル基、ピラニル基、イソベンゾフラ
ニル基、インドリジニル基、キノリジニル基などをあげ
ることができる。これらの中で、cis−ジエン構造と
しては、シクロペンタジエニル基、フリル基、ピロリル
基及びチエニル基が好ましく、特に、フラン、チオフェ
ン及びピロール基であることが好ましい。
【0021】平均重合度は2〜25の範囲、好ましくは
3〜20の範囲である。尚、本発明のフェノールノボラ
ック(2)は、一般式[2]で表される構造単位及び/
又は[3]で表される構造単位がランダムに存在するも
のである。
【0022】フェノールノボラック(2)において、R
5及びR8で表される、炭素数1〜4の置換基を有してい
ても良いアルキレン基、アルキリデン基もしくはアルキ
レンオキシ基において、アルキレン基としては、例え
ば、メチレン基、エチレン基等を挙げることができ、ア
ルキリデン基としては、例えば、イソプロピリデン基、
ブタン−2,2−ジイル基等を挙げることができ、アル
キレンオキシ基としては、例えば、エタン−1,2−ジ
オキシ基、プロパン−1,2−ジオキシ基等を挙げるこ
とができる。また、炭素数1〜4の置換基としては、炭
素数1〜4のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、
n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、及びアリル基等を挙げることができる。
【0023】上記フェノールノボラック(1)及び
(2)の合成方法には特に制限はない。例えば、上記の
骨格を有する2核体以上のフェノール性水酸基を有する
フェノールノボラック(フェノールノボラック(1)の
場合、一般式[1]中のR1が全て水素であるフェノー
ルノボラック、フェノールノボラック(2)の場合、一
般式[2]及び[3]中のR3、R4、R6及びR7が全て
水素であるフェノールノボラック)(以下原料フェノー
ルノボラックという)と、フェノール性水酸基と反応可
能な構造とcis−ジエン構造の両方を一分子中に有す
る化合物(以下、cis−ジエン構造供与化合物とい
う)を反応させることで得ることができる。フェノール
性水酸基と反応可能な構造としては、例えば、エポキシ
環、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物等を挙
げることができる。cis−ジエン構造供与化合物とし
ては、具体的には、フルフリルグリシジルエーテルや2
−フラン酸塩化物などを使用することができる。原料フ
ェノールノボラックのOH基に、これと反応可能な官能基
(グリシジル基等)とcis-ジエン構造(フラン環等)を持っ
た化合物(フルフリルグリシジルエーテル等)を付加/縮
合し導入する反応例を如何に示す。
【0024】
【化5】
【0025】原料フェノールノボラックが有するフェノ
ール性水酸基とcis−ジエン構造供与化合物とは、ほ
ぼ定量的に反応するので、フェノールノボラックに対す
るcis−ジエン構造を有する1価の有機基の導入量
は、cis−ジエン構造供与化合物の使用量(仕込み
量)をコントロールすることで容易に調整できる。例え
ば、一般式[1]中、R1がcis−ジエン構造を有す
る1価の有機基である構造単位の割合が全構造単位の2
0〜80%の範囲であるフェノールノボラック(1)や
一般式[2]及び[3]中のR3、R4、R6及びR7がc
is−ジエン構造を有する1価の有機基である割合をR
3、R4、R6及びR7の合計の20〜80%の範囲とする
フェノールノボラック(2)は、フェノールノボラック
の水酸基1当量に対して、0.2〜0.6当量に当たる
量の、cis−ジエン構造供与化合物を反応させること
により得られる。
【0026】また、フェノールノボラック(1)及び
(2)の平均重合度は、上記原料となるフェノールノボ
ラックに所望の平均重合度を有する原料フェノールノボ
ラックを使用することで容易に調整できる。
【0027】尚、上記一般式[2]及び[3]中の
3、R4、R6及びR7が全て水素であるフェノールノボ
ラック(原料フェノールノボラック)としては、分子中
に2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物
をホルムアルデヒドと酸性触媒下で縮合して得られる構
造を有する多官能フェノールを使用することができる。
その場合、分子中に2個のフェノール性水酸基を有する
フェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールFまたはビスフェノールS、あるいはこれらの
誘導体等が挙げられる。
【0028】光熱硬化性樹脂組成物 (イ)多官能エポキシ樹脂 本発明に用いられる(イ)成分の多官能エポキシ樹脂と
しては、例えば、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂(ビスフェノールA、ビスフェノールFのグリシジル
エーテル、 (アルキル)ノボラック型エポキシ樹脂)に
加えて、ビフェニール型、ナフタレン型、ジフェニルエ
ーテル型、ジフェニルメタン型のグリシジルエーテル、
ヘキサヒドロフタル酸などのジカルボン酸のグリシジル
エステル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエー
テル、ジアミノジフェニルメタン型などのグリシジルア
ミン、シリコーン変性エポキシ樹脂、3,4-エポキシシク
ロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレーなどの脂環式エポキシ樹脂などを挙げることが
できる。中でも、耐熱性、反応性、他成分との相溶性等
の見地より、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂
などが好ましい。ただし、多官能エポキシ樹脂は、数平
均分子量が1000以下であることが、アルカリ水溶液
を用いた現像性が良好であることから好ましい。特に好
ましい数平均分子量は200〜800である。
【0029】本発明の樹脂組成物の特長を発現させるに
は、(イ)成分のエポキシ樹脂のエポキシ当量は120
〜500であることが望ましい。エポキシ当量が120
より小さいと、エポキシ樹脂の分子構造に占めるエポキ
シ環の割合が大きくなりすぎ、耐熱性などの樹脂の特性
が低下してしまう傾向がある。また、エポキシ当量が5
00より大きいと、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数が
少なくなり、効果的な熱架橋構造を形成できず、やはり
樹脂の特性が低下してしまう傾向がある。エポキシ樹脂
のエポキシ当量はより好ましくは180〜400であ
る。
【0030】本発明の樹脂組成物に用いるフェノールノ
ボラックは、上記本発明のフェノールノボラック(1)
または(2)である。フェノールノボラック(1)及び
(2)の混合物であってもよい。本発明の目的、即ち、
光反応によりアルカリ現像性を得るためには、(ロ)成
分として、フェノールノボラック(1)の場合、R1
cis−ジエン構造を有する1価の有機基である構造単
位の割合が全構造単位の20〜80%の範囲であり、残
りのR1が水素であるフェノールノボラックが好まし
い。より好ましくは、R1がcis−ジエン構造を有す
る1価の有機基である構造単位の割合は全構造単位の3
0〜70%の範囲であり、残りのR1は水素であるフェ
ノールノボラックである。
【0031】フェノールノボラック(2−1)の場合、
3及びR4がcis−ジエン構造を有する1価の有機基
である割合は、R3及びR4の合計の20〜80%の範囲
であり、残りのR3及びR4は水素であるフェノールノボ
ラックが好ましい。より好ましくは、R3及びR4がci
s−ジエン構造を有する1価の有機基である割合はR 3
及びR4の合計の30〜70%の範囲であり、残りのR3
及びR4は水素であるフェノールノボラックである。
【0032】フェノールノボラック(2−2)の場合、
6及びR7がcis−ジエン構造を有する1価の有機基
である割合は、R6及びR7の合計の20〜80%の範囲
であり、残りのR6及びR7は水素であるフェノールノボ
ラックが好ましい。より好ましくは、R6及びR7がci
s−ジエン構造を有する1価の有機基である割合はR 6
及びR7の合計の30〜70%の範囲であり、残りのR6
及びR7は水素であるフェノールノボラックである。
【0033】フェノールノボラック(2−3)の場合、
3、R4、R6及びR7がcis−ジエン構造を有する1
価の有機基である割合は、R3、R4、R6及びR7の合計
の20〜80%の範囲であり、残りのR3、R4、R6
びR7は水素であるフェノールノボラックが好ましい。
より好ましくは、R3、R4、R6及びR7がcis−ジエ
ン構造を有する1価の有機基である割合はR6及びR7
合計の30〜70%の範囲であり、残りのR3、R4、R
6及びR7は水素であるフェノールノボラックである。
【0034】(ハ)酸素増感剤 (ハ)成分の酸素増感剤に特に制限はないが、励起三重
項エネルギーが22.5キロカロリー/モル以上のもの
が好ましい。このような酸素増感剤としては、例えば、
メチレンブルー、ローズベンガル、ヘマトポルフィリ
ン、テトラフェニルポルフィン、ルブレン、フラーレン
60、フラーレンC70、フラーレンC82などが例示され
る。これらの酸素増感剤は、1種を単独で用いることが
でき、あるいは、2種以上組み合わせて用いることもで
きる。これらの中で、フラーレンC 60およびフラーレン
70を特に好適に用いることができる。
【0035】本発明組成物において、成分(イ)と成分
(ロ)との割合は、熱硬化反応による架橋構造の形成を
十分に行い、硬化後の樹脂の良好な特性を発現させると
いう観点から、(イ)中のエポシキ基に対する(ロ)の
フェノール性水酸基のモル比は0.5〜1.5の範囲と
することが適当である。
【0036】酸素増感剤の配合量としては、成分(ロ)
100重量部あたり0.01〜20重量%が好ましく、
0.1〜10重量%であることがより好ましい。酸素増
感剤の配合量が少なすぎると、増感効果が不十分となる
恐れがある。酸素増感剤の配合量が多すぎると、経済的
に不利であるのみならず、また均一な製膜が困難となる
おそれがある。これまでにフラーレンを使用した感光材
料組成物として、フラーレンをアジド化合物等の感光剤
と組み合わせる方法が提案されている(特許番号第28
14174号)。しかし、この特許においては、一般的
なフラーレンの量はフラーレン以外の感光剤量の5倍以
上が必要であるなど、本発明と発明内容が異なるもので
ある。本発明においては、フラーレン等の高価な酸素増
感剤の使用は比較的少量で、良好な光加工が可能であ
り、且つ加工後の樹脂も良好な耐熱性等の諸特性を発現
することができる。
【0037】その他、本発明の樹脂組成物には必要に応
じて、保存安定性のために紫外線防止剤、熱重合防止
剤、可塑剤などが添加できる。また、粘度調整のために
cis−ジエン構造やエポキシ環を有する低分子化合物
を添加してもよい。そのほか、光加工後のエポキシ基の
熱硬化による耐熱性向上を促進する目的で、アミン化合
物などのエポキシ樹脂効果促進剤を使用しても良い。
【0038】本樹脂組成物の各成分は基本的に溶剤に可
溶であるが、特に、アルカリ水溶液に対する溶解性につ
いては、成分(ロ)中にフェノール性水酸基が存在する
(一般式[1]のR1の一部、並びに一般式[2]及び
[3]のR3、R4、R6及びR 7は一部が水素である)こ
とによって、成分(ロ)を含む樹脂組成物全体にアルカ
リ水溶液に対する溶解性を発現させることができる。
(ロ)成分であるフェノールノボラック中のcis−ジ
エン構造は、酸素増感剤の作用で発生する一重項酸素と
容易に反応し、過酸基を有する中間体を形成する。この
中間体は、直ちに、隣接する成分と反応し、互いに重縮
合反応により架橋し、分子量を飛躍的に増大させる。こ
れにより、この硬化剤、ひいてはこの硬化剤を含む樹脂
組成物全体が不溶性となる。さらに、この重縮合反応に
よる架橋で樹脂組成物の耐熱性が増大する。本発明の樹
脂組成物は、従来の感光性樹脂とは異なり、光ラジカル
重合によらず、cis−ジエン構造を一重項酸素により
重縮合することによって架橋させるので、空気中の酸素
によって反応が阻害されることがなくスムーズに進行
し、得られる架橋樹脂の耐熱性が優れている。
【0039】本発明の樹脂組成物は、上記の光加工後に
比較的低温の後熱処理を行うことにより、(イ)成分の
エポキシ樹脂が、(ロ)成分中のフェノール性水酸基と
熱硬化反応し、最終的には熱安定性に優れた主骨格を形
成する。さらに、従来の感光性樹脂で多用されるアクリ
ロイル基やメタクリロイル基の光反応と違い、本樹脂組
成部中の光反応基や増感剤自身も熱安定性を有する。従
って、組成物全体で非常に耐熱性に優れる硬化物を得る
ことができる。
【0040】本発明による樹脂組成物の使用方法の一般
的な使用方法としては、基材・サブストレート上に塗膜
を形成し、露光・現像によるパターン加工を行った後さ
らに熱硬化を行い樹脂層を形成する。塗膜の形成方法に
特に制限はなく、例えば、感光性樹脂組成物を溶剤に溶
解して得られるワニスを基材・サブストレート上に1〜
60μm程度の厚さに直接塗布した後60〜100℃、
5〜10分間程度の温和な条件で乾燥する方法、あるい
は溶剤に溶解して得られるワニスを予めプラスティック
シートやステンレス等の金属による離型基材に塗布し、
温和な条件で乾燥して得られるコーティングを基材・サ
ブストレート上に加圧ラミネートして転写する方法等を
あげることができる。
【0041】写真法によるパターンの形成は、樹脂層を
残したい範囲への選択的な光照射により、樹脂組成物中
のcis−ジエン構造の架橋を形成し、不溶化したの
ち、未露光部の樹脂を現像液中に溶解除去させることに
より行うことができる。実際の露光は、形成した樹脂層
の中で樹脂を除去したい部分に光が当たるのを遮ること
ができるマスクを介して光を樹脂層上に照射することに
より行う。
【0042】本発明において、露光に使用する光の波長
は、使用する酸素増感剤に応じて適宜選択することがで
きる。たとえばフラーレンC60を増感剤として使用した
場合、紫外域〜可視光域の広範な波長(250nm〜7
80nm)の光を使用することができる。実際の露光
は、形成した樹脂層の中で樹脂を除去したい部分に光が
当たるのを遮ることができるマスクを介して上記波長の
光を樹脂層上に照射することにより行う。露光後の現像
は未硬化の上記樹脂組成物を溶解できる有機溶剤あるい
はアルカリ水溶液により行われる。露光部の樹脂は前述
の反応により不溶化するが未露光部は溶解し、その結果
上記マスクにより樹脂に孔等のパターン加工を行うこと
ができる。
【0043】露光後の現像は未硬化の上記樹脂組成物を
溶解できる有機溶剤あるいはアルカリ水溶液により行わ
れるが、前述のように作業者の安全性や環境汚染への影
響を考えた場合アルカリ水溶液による現像が望ましい。
アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム水溶液、水酸
化カリウム水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水
溶液等を挙げることができる。
【0044】本発明の樹脂組成物は、現像後に熱硬化反
応を行ことによって、成分(イ)のエポキシ基と成分
(ロ)のフェノール性水酸基を反応させることにより、
安定な架橋構造を形成することができる。熱硬化反応
は、通常は120℃から180℃の温度で30分以上加
熱することにより行う。本発明の樹脂組成物は、このよ
うな比較的低温での熱硬化で、より高温の、具体的には
300℃までの高い熱安定性を呈することができる。加
熱は熱風、赤外線照射、熱盤上等で行うことができる。
通常は空気下で行えるが、必要に応じ窒素、二酸化炭素
等の不活性ガス雰囲気、あるいは減圧下で行うこともで
きる。本発明による樹脂組成物をこれらの加工工程で使
用することにより、優れた耐熱性等を有するパターン形
成された樹脂層が低温での加工で得られ、良好な特性の
半導体素子、プリント回路配線板等を製造することが可
能になる。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 フェノールノボラックとして、フェノライトTD−20
90−60M(大日本インキ化学工業(株)製)不揮発
分60%、MEK溶液700g(OH約4当量)を2l
のフラスコ中に投入し、トリブチルアミン1gを添加
し、110℃に加温した。
【0046】
【化6】 フェノライトTD−2090−60M
【0047】その中へフルフリルグリシジルエーテル3
08g(2モル)を30分間で滴下した後、110℃で
5時間攪拌反応させてフラン環含有フェノールノボラッ
ク溶液を得た。フラン環含有フェノールノボラックのフ
ラン環導入率は49%であり、フラン環含有フェノール
ノボラックの平均重合度は10であった。このフラン環含
有フェノールノボラックは本発明のフェノールノボラッ
ク(1)に相当する。尚、フラン環導入率は1H−NM
Rで、δ7.5(フランの3-位のH)とδ1.4(ノボラック中の
イソプロピリデンのH)のピークの面積比が約1:6である
ことより確認した。
【0048】上記フラン環含有フェノールノボラック溶
液51g、エピコート828(油化シェルエポキシ
(株)製、分子量は約380、エポキシ当量は約190)20
gを混合し、酸素増感剤としてフラーレンC60(純度9
9.98%)の0.05% 1,1,2,2−テトラク
ロロエタン溶液14gと熱硬化促進剤としてジシアンジ
アミド 0.2gを添加して、光熱硬化型樹脂組成物溶
液とした。
【0049】
【化7】
【0050】この溶液をシリコンウエハー上にスピンコ
ート法により塗布し、80℃で10分間の加熱乾燥を行
うことで膜厚2μmの薄膜を形成した。この薄膜にフォ
トマスク(凸版印刷(株)製テストチャート)を介して
500W超高圧水銀灯により照射量500mJ/cm2
露光し、2.4%水酸化テトラメチルアンモニウム(T
MAH)水溶液に30秒間浸漬して現像処理を行うこと
で未露光部が完全に溶解除去し、線幅5μm以下の樹脂
パターンを形成した。得られた樹脂パターンを、180
℃で1時間加熱することにより樹脂層を形成した。この
樹脂層について、室温〜300℃までの熱重量減少率を
TGA装置[ティー・エイ・インスツルメント(株)
製、TGA2950型、昇温速度10℃/分]で測定し
たところ、0.7%であった。
【0051】実施例2 クレゾール1080g(10モル)、ホルマリン(37
%)1220g(15モル)、シュウ酸10gを加圧反
応容器に仕込み120℃(圧力2.5kg/cm2)で
4時間反応し、反応終了後減圧下で脱水、樹脂温度が1
40℃になるまで加熱した。冷却後粉砕し、メチルエチ
ルケトン溶媒にて樹脂分が60%に調製してアルキル
(=メチル)フェノールノボラックとした。このアルキ
ルフェノールノボラック800g(OH約4当量)を2
lのフラスコ中に投入し、トリブチルアミン1gを添加
し、110℃に加温した。その中へフルフリルグリシジ
ルエーテル308g(2モル)を30分間で滴下した
後、110℃で5時間攪拌反応させてフラン環含有アル
キルフェノールノボラック溶液を得た。得られたフラン
環含有アルキルフェノールノボラックのフラン環導入率
は実施例1と同様に求めたところ45%であり、フラン
環含有アルキルフェノールノボラックの平均重合度は
3.2であった。このフラン環含有アルキルフェノール
ノボラックは本発明のフェノールノボラック(1)(R
2=メチル)に相当する。
【0052】このフラン環含有アルキルフェノールノボ
ラック溶液50g、エピコート828 20gを混合
し、酸素増感剤としてフラーレンC60(純度99.98
%)の0.05% 1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン溶液14gと熱硬化促進剤としてジシアンジアミド
0.2gを添加して、光熱硬化型樹脂組成物溶液とし
た。この溶液を、実施例1と同様の方法で加工すること
によりシリコンウエハー上に樹脂薄膜を作製した。この
際も現像時現像残りもなく未露光部のパターンが現像液
に溶解除去された。また、この樹脂の300℃での熱重
量減少率は0.8%であった。
【0053】実施例3 フェノールノボラックとして、フェノライトLF−48
71(大日本インキ化学工業(株)製、重合度は約15
(GPCで、ポリスチレン換算で))不揮発分60%メチ
ルエチルケトン溶液800g(OH約4当量)を2lの
フラスコ中に投入し、フルフリルグリシジルエーテル3
08g(2モル)加え、110℃に加温した。その中へ
トリブチルアミン1gを添加した後、110℃で5時間
攪拌反応させてフラン環含有フェノールノボラック溶液
を得た。フラン環含有フェノールノボラックのフラン環
導入率は実施例1と同様に求めたところ50%であり、
フラン環含有フェノールノボラックの平均重合度は15で
あった。このフラン環含有フェノールノボラックは本発
明のフェノールノボラック(2−3)に相当する。
【0054】
【化8】 フェノライトLF−4871
【0055】このフラン環含有フェノールノボラック溶
液51g、エピコート828 20gを混合、酸素増感
剤としてフラーレンC60(純度99.98%)の0.0
5%1,1,2,2−テトラクロロエタン溶液14gと
熱硬化促進剤としてジシアンジアミド 0.2gを添加
して、光熱硬化型樹脂組成物溶液とした。この溶液を、
実施例1と同様の方法で加工することによりシリコンウ
エハー上に樹脂薄膜を作製した。この際も現像時現像残
りもなく未露光部のパターンが現像液に溶解除去され
た。また、この樹脂の300℃での熱重量減少率は0.
9%であった。
【0056】比較例 フェノールノボラックとして、フェノライトTD−20
90−60M(大日本インキ化学工業(株)製)不揮発
分60%、MEK溶液700g(OH約4当量)を2l
のフラスコ中に投入し、トリブチルアミン1g、ハイド
ロキノン0.2gを添加し、110℃に加温した。その
中へグリシジルメタクリレート284g(2モル)を3
0分間で滴下した後、110℃で5時間攪拌反応させて
メタクリロイル基含有フェノールノボラック溶液を得
た。このメタクリロイル基含有フェノールノボラック溶
液50g、エピコート828 20gを混合し、光開始
剤としてイルガキュア651 3gと熱硬化促進剤とし
てトリフェニルフォスフィン0.2gを添加して、光熱
硬化型樹脂組成物溶液とした。この溶液を、実施例1と
同様の方法で加工することによりシリコンウエハー上に
樹脂薄膜を作製した。この際も現像時現像残りもなく未
露光部のパターンが現像液に溶解除去された。しかし、
この樹脂の300℃での熱重量減少率は2.9%と大き
いものであった。
【0057】
【発明の効果】以上の通り、本発明のフェノールノボラ
ックは、樹脂組成物は、耐熱性ネガ型フォトレジストと
して優れた性能を有する樹脂組成物の硬化剤を提供す
る。さらに本発明の、熱感光性樹脂組成物は、耐熱性ネ
ガ型フォトレジストとして優れた性能を有する。本発明
組成物中のフェノールノボラック型光熱硬化剤は、本来
アルカリ水溶液などの溶媒に可溶であるが、フラーレン
60などの酸素増感剤から生じる一重項酸素によって側
鎖のcis−ジエン基が酸化重縮合を起こして架橋し、
溶媒に不溶となる。したがって、従来の耐熱性フォトレ
ジスト組成物では達成できなかった、良好な写真法によ
る加工性と加工後の耐熱性を兼ね備えた実用に供しうる
ネガ型のパターンが得られる。パターン作成後の低温で
の加工で、十分な耐熱性を有する、半導体パッケージ等
への応用が可能なプリント配線板用保護膜を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武内 一夫 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA10 AB15 AB16 AC01 AD01 BC73 BC81 BC83 BC86 CB29 CB30 CC20 FA17 4J033 CA02 CA11 CA12 CA18 CA19 CA33 CA36 CA42 CA44 CB18 HA02 HA12 HA28 HB10 4J036 AB07 AB10 AD07 AD08 AF05 AF06 AG06 AH07 CD16 DB05 FB07 JA07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1]で表される構造単位からな
    り、かつ一般式[1]で表される構造単位の少なくとも
    一部はR1がcis−ジエン構造を有する1価の有機基
    であり、かつ平均重合度が3〜30の範囲であるフェノ
    ールノボラック。 【化1】 (式[1]中、cis−ジエン構造を有する1価の有機
    基でないR1は水素であり、R2は水素または炭素数1〜
    4のアルキル基である。)
  2. 【請求項2】R1がcis−ジエン構造を有する1価の
    有機基である構造単位の割合が全構造単位の20〜80
    %の範囲である請求項1に記載のフェノールノボラッ
    ク。
  3. 【請求項3】cis−ジエン構造が、フラン、チオフェ
    ン又はピロール構造である請求項項1又は2に記載のフ
    ェノールノボラック。
  4. 【請求項4】R1がcis−ジエン構造を有する1価の
    有機基である構造単位がタンダムに存在する請求項1〜
    3のいずれか一項に記載のフェノールノボラック。
  5. 【請求項5】一般式[2]及び[3]で表される構造単
    位のいずれか一方又は両方からなり、かつ一般式[2]
    で表される構造単位の少なくとも一部は、R3及びR4
    一方又は両方がcis−ジエン構造を有する1価の有機
    基であり、一般式[3]で表される構造単位の少なくと
    も一部は、R6及びR7の一方又は両方がcis−ジエン
    構造を有する1価の有機基であり、かつ平均重合度が2
    〜25の範囲であるフェノールノボラック。 【化2】 (式[2]中、cis−ジエン構造を有する1価の有機
    基でないR3及びR4は水素であり、R5は酸素、硫黄ま
    たは炭素数1〜4の置換基を有していても良いアルキレ
    ン基、アルキリデン基もしくはアルキレンオキシ基であ
    る。式[3]中、cis−ジエン構造を有する1価の有
    機基でないR6及びR7は水素であり、R8は、酸素、硫
    黄または炭素数1〜4の置換基を有していても良いアル
    キレン基、アルキリデン基もしくはアルキレンオキシ基
    である。)
  6. 【請求項6】一般式[2]及び[3]で表される構造単
    位の両方からなり、R3、R4、R6及びR7の合計の20
    〜80%がcis−ジエン構造を有する1価の有機基で
    ある請求項5に記載のフェノールノボラック。
  7. 【請求項7】R3、R4、R6及びR7のいずれかがcis
    −ジエン構造を有する1価の有機基である構造単位がタ
    ンダムに存在する請求項5又は6に記載のフェノールノ
    ボラック。
  8. 【請求項8】一般式[2]で表される構造単位及び一般
    式[3]で表される構造単位がランダムに存在する請求
    項5〜7のいずれか一項に記載のフェノールノボラッ
    ク。
  9. 【請求項9】R5及びR8は炭素数1〜4の置換基を有し
    ていても良いアルキリデン基である請求項5〜8のいず
    れか一項に記載のフェノールノボラック。
  10. 【請求項10】(イ)多官能エポキシ樹脂、(ロ)請求
    項1〜9のいずれか一項に記載のフェノールノボラッ
    ク、及び(ハ)酸素増感剤を含有することを特徴とする
    光熱硬化性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】多官能エポキシ樹脂が、ビスフェノ−ル
    A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
    及びノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる
    少なくとも1種の樹脂である請求項10に記載の組成
    物。
  12. 【請求項12】酸素増感剤が、フラーレンである請求項
    10又は11に記載の組成物。
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