JP2001322934A - 抗酸化作用を有する羅漢果配糖体を含有する抗酸化組成物 - Google Patents

抗酸化作用を有する羅漢果配糖体を含有する抗酸化組成物

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JP2001322934A JP2000139247A JP2000139247A JP2001322934A JP 2001322934 A JP2001322934 A JP 2001322934A JP 2000139247 A JP2000139247 A JP 2000139247A JP 2000139247 A JP2000139247 A JP 2000139247A JP 2001322934 A JP2001322934 A JP 2001322934A
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arhat
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Hiroshi Yoshida
博 吉田
Hiroshi Kanda
博史 神田
Tetsuji Shingu
哲司 新宮
Eiichiro Takeo
英一郎 武生
Yuji Murata
雄司 村田
Shinichi Yoshikawa
慎一 吉川
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Saraya Co Ltd
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Saraya Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 甘味および抗酸化作用を有し、その結果、ア
テローム性動脈硬化症の抑制および予防に寄与し得る、
抗酸化組成物を提供すること。 【解決手段】 以下の一般式を有する羅漢果配糖体を含
有する抗酸化組成物であって、ここで、該羅漢果配糖体
は、甘味および抗酸化作用を有する、組成物: 【化1】 ここで、R1およびR2は、独立して、所定の基から選択
される;ただし、該羅漢果配糖体が11−オキソ−モグ
ロサイドVである場合は、該組成物中のモグロサイドI
V、モグロサイドV、シアメノサイドI、および11−
オキソ−モグロサイドVの合計に対する11−オキソ−
モグロサイドVの割合が、天然物中の該割合よりも高
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、甘味および抗酸化
作用を有する羅漢果配糖体を含有する抗酸化組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、アテローム性動脈硬化症のよ
うなアテローム性心臓血管病の危険性の著しい増加と関
連する(文献1および2;文献リストは本書末尾に記載
する)。糖尿病によるアテローム性動脈硬化症の促進
は、おそらく、酸化、グリコシル化、またはその両方に
よる低密度リポタンパク質(本明細書中で「LDL」と
いう。)の修飾・変性に基づいている。例えば、変性L
DLは、内皮損傷を誘導し得、そして単球マクロファー
ジのコレステロール蓄積を増加させて、動脈内膜におけ
る泡沫細胞の形成をもたらし得る(文献2および3)。
このような、酸化的に修飾されたLDLが、アテローム
性動脈硬化症の開始および進展において重要な役割を果
たすという仮説を支持するかなりの証拠が蓄積されてい
る(文献4〜7)。
【0003】いくつかの報告により、天然に存在するポ
リフェノール(例えば、フラボノイド)が冠状動脈心疾
患による死亡率を低減することが実証されている。この
ことは、LDL酸化の阻害および血小板凝集能の減少に
ついての多数のデータによって支持されている(文献8
〜11)。実際、茶およびワインのLDL抗酸化作用に
ついての報告は多数ある(文献11〜13)。それゆ
え、アテローム性動脈硬化症の予防および治療のため
に、食物成分の生物学的効果について調査が行われ、そ
して議論されている。
【0004】以前の報告では、真性糖尿病(糖尿病)患
者のLDLが酸化修飾されやすく、糖尿病患者における
LDLの被酸化性が健常人よりも増加していること、お
よび糖尿病患者では血清中の抗酸化LDL抗体が増加し
ていることが示されている(文献15〜17)。さら
に、高濃度のグルコースは、おそらく酸素ラジカル経路
を介してLDL酸化を促進し、そして食後の高血糖は、
糖尿病患者における酸化的ストレスに寄与する。
【0005】食餌療法および運動は、糖尿病患者の健康
管理のために基本的に推奨される。しかし、いくつかの
報告によれば、酸素ラジカルの生成および脂質の過酸化
が、急激な中等度の有酸素運動の間に増加して、酸化的
ストレスを生じ得ることが示された。そのため、糖尿病
の一般療法においては、運動よりも食餌療法の方が好ま
しいと考えられる。食餌療法は、糖尿病および耐糖能低
下症の治療の基本である。グルコースまたはサッカロー
スの代替品として、低カロリー甘味成分は、糖尿病患者
の食餌療法に臨床的に利用可能であり、かつ有効である
と考えられる。
【0006】これらの事実をまとめると、LDL酸化を
阻害し得る低カロリー甘味成分を用いることができれ
ば、糖尿病の合併症として通常見出される心臓血管病
(例えば、アテローム性動脈硬化症)を予防する上で、
糖尿病患者にとって臨床的に有益であると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題の
解決を課題とするものであり、特に、甘味および抗酸化
作用を同時に有し、その結果、アテローム性動脈硬化症
の抑制および予防に寄与し得る、抗酸化組成物を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、羅漢果
(Momordicae grosvenori;Si
raitia grosvenoniともいう)の甘味
成分が、LDL酸化を阻害すること、従って糖尿病およ
びその合併症であるアテローム性動脈硬化症の食餌療法
に有用であることを見出した。
【0009】本発明の抗酸化組成物は、以下の一般式を
有する羅漢果配糖体を含有する組成物であって、ここ
で、該羅漢果配糖体は、甘味および抗酸化作用を有す
る、組成物:
【0010】
【化3】
【0011】ここで、R1およびR2は、独立して、直鎖
状もしくは分枝状に連結された糖残基およびその修飾
物、シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいアル
キル、ハロゲン化されていてもよいアルケニル、ハロゲ
ン化されていてもよいアルキニル、ハロゲン化およびア
ルキル化されていてもよいアリールアルキル、ハロゲン
化されていてもよいアリールアルケニル、ハロゲン化さ
れていてもよいアリールアルキニル、ハロゲン、アミ
ノ、ホルミル、およびHからなる群から選択される;た
だし、R1およびR2のうちの少なくとも一方は糖残基ま
たはその修飾物である; ただし、該羅漢果配糖体が1
1−オキソ−モグロサイドVである場合は、該組成物中
のモグロサイドIV、モグロサイドV、シアメノサイド
I、および11−オキソ−モグロサイドVの合計に対す
る11−オキソ−モグロサイドVの割合が、天然物中の
該割合よりも高い。
【0012】好ましい実施態様では、上記糖残基および
その修飾物は、α−D−グルコピラノシル(α−D−G
lc)、β−D−グルコピラノシル(β−D−Gl
c)、β−D−ガラクトピラノシル(α−D−Ga
l)、α−D−ガラクトピラノシル(β−D−Ga
l)、α−D−フルクトピラノシル(α−D−Fr
u)、およびβ−D−フルクトピラノシル(β−D−F
ru)、ならびにそれらの組み合わせ、ならびにそれら
の修飾物からなる群より選択され得る。
【0013】より好ましい実施態様では、R1は、直鎖
状または分枝状に連結された−(β−D−Glc)m
たはその修飾物であり、mは0〜5の任意の整数であ
り、R2が、直鎖状または分枝状に連結された−(β−
D−Glc)nまたはその修飾物であり、nは0〜5の
任意の整数である。mとnとは同時に0であってもよい
が、好ましくはm+nは1以上であり得る。
【0014】さらに好ましい実施態様では、R1は−β
−D−Glcまたは−β−D−Glc−β−D−Glc
であり、R2は−β−D−Glc−β−D−Glcまた
【0015】
【化4】
【0016】であり得る。
【0017】さらにより好ましい実施態様では、上記羅
漢果配糖体は11−オキソ−モグロサイドVであり得
る。
【0018】1つの実施態様では、本発明の組成物は、
医薬品、食品、または飼料のいずれかであり得る。好ま
しい実施態様では、本発明の組成物は医薬品であって、
さらに、担体を含有し得る。
【0019】本発明の方法は、医薬品、食品、または飼
料を製造する方法であって、上記の組成物を添加する工
程を包含する。本発明の医薬品、食品、または飼料は、
上記の方法により得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】(1.定義)羅漢果(学名:Momord
icae Grosvenori)は、ウリ科の多年生
草本の薬用植物であり、古代より中国の民間薬として広
く利用されており、現在でも中国広西省チアン族自治区
の桂林周辺の高冷地で栽培される特産品の一つである。
羅漢果の果実の有する薬効は、のどの荒れおよび痛みの
緩和、咳止め、去痰、気管支炎の緩和、扁桃腺炎の緩
和、解熱、胃腸の機能促進、ストレス解消、利尿、便秘
解消など多数にのぼる。近年ではさらに、羅漢果の果実
には、高血圧症、糖尿病などを防止する作用、老化防止
作用、フリーラジカル消去作用および抗過酸化効果など
を有する成分が含まれていることが明らかになっている
(文献18)。しかし、本発明がなされるまでは、羅漢
果の果実に含まれるどの成分がフリーラジカル消去作
用、抗過酸化効果などを有するかは明らかでなかった。
【0022】本明細書においては、「羅漢果配糖体」と
は、以下の一般式に示される骨格(以下、モグロサイド
骨格という)を有する配糖体をいう:
【0023】
【化5】
【0024】。上記の一般式において、R1およびR
2は、独立して、直鎖状もしくは分枝状に連結された糖
残基およびその修飾物、シクロアルキル、ハロゲン化さ
れていてもよいアルキル、ハロゲン化されていてもよい
アルケニル、ハロゲン化されていてもよいアルキニル、
ハロゲン化もしくはアルキル化されていてもよいアリー
ルアルキル、ハロゲン化されていてもよいアリールアル
ケニル、ハロゲン化されていてもよいアリールアルキニ
ル、ハロゲン、アミノ、ホルミル、およびHからなる群
から選択される;ただし、R1およびR2のうちの少なく
とも一方は糖残基またはその修飾物であり、そしてR3
およびR4は−Hおよび−OHであるか、またはR3とR
4と11位の炭素とでカルボニル基を形成する。上記の
一般式において−CH3で示される位置の基は−Hであ
ってもよい。羅漢果配糖体は、羅漢果の甘味成分の代表
的な物質である。
【0025】図1は、代表的な羅漢果配糖体の構造を示
す。代表的な羅漢果配糖体であるモグロサイドIV、モ
グロサイドV、11−オキソ−モグロサイドV、および
シアメノサイドIの分子量は、それぞれ、1124、1
286、1284、および1124である。これらの羅
漢果配糖体の100グラムあたりの甘味強度は、それぞ
れ、ショ糖の約250倍、約330倍、約70倍、およ
び約500倍である。
【0026】羅漢果配糖体は、一般には黄色〜黄褐色粉
末の形状である。羅漢果配糖体は、例えば、羅漢果の果
実を洗浄し、粉砕した後、水で抽出して得られた抽出液
について濾過、カラム吸収、カラム分離、回収、濃縮、
乾燥などの工程を行なうことにより製造される。
【0027】羅漢果配糖体のうち、モグロサイド骨格の
11位がオキソであるもの、すなわち、上記一般式のR
3とR4と11位の炭素とでカルボニル基を形成するもの
は、抗酸化作用を有する。
【0028】本発明の抗酸化組成物に含まれる羅漢果配
糖体は、以下の一般式において、R 1およびR2は、独立
して、直鎖状もしくは分枝状に連結された糖残基および
その修飾物、シクロアルキル、ハロゲン化されていても
よいアルキル、ハロゲン化されていてもよいアルケニ
ル、ハロゲン化されていてもよいアルキニル、ハロゲン
化もしくはアルキル化されていてもよいアリールアルキ
ル、ハロゲン化されていてもよいアリールアルケニル、
ハロゲン化されていてもよいアリールアルキニル、ハロ
ゲン、アミノ、ホルミル、およびHからなる群から選択
される。ただし、R1およびR2のうちの少なくとも一方
は糖残基またはその修飾物である:
【0029】
【化6】
【0030】。
【0031】本明細書中で使用する用語「ヘテロ原子」
は、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、またはリン原子
などの、炭素原子および水素原子以外の原子を意味す
る。
【0032】本明細書中で使用する用語「ヘテロ基」
は、例えば、イミノ(−NH−)、−SO−、−SO2
−、アミド、
【0033】
【化7】 などの、任意のヘテロ原子を含み、さらに水素および/
または炭素原子を含み得る、複数の原子からなる基を意
味する。
【0034】本明細書中で用いられる「ハロゲン」は、
フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0035】本明細書中で用いられる「シクロアルキ
ル」は、少なくとも1つの環状アルキルを含む炭化水素
基を意味し、特に指定がない場合、任意の炭素数を有す
る。シクロアルキルは、アルキル鎖部分をさらに含んで
いてもよい。シクロアルキルの例としては、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロへプチルなどが挙げられ
る。シクロアルキルにおいて、環中の炭素−炭素一重結
合は、任意のヘテロ原子またはヘテロ基で中断されてい
てもよい。例えば、酸素原子で中断されたシクロアルキ
ルは、代表的にはグルコースおよびその異性体、および
その誘導体ならびにそれらのポリマーを含む。
【0036】本明細書中で用いられる「アルキル」は、
直鎖または分岐鎖の炭化水素基を表し、特に指定がない
場合、任意の鎖長を有する。アルキルの例として、不飽
和結合を有さないメチル、エチル、プロピル、ブチル、
ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デ
セニル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデ
シル、ペンタデシル、イコサニル、ヘニコサニル、ドコ
サニル、トリアコンチルなどが挙げられる。例えば、ア
ルキルが「C1〜C5アルキル」として記載されている
場合、この基は例えばメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブ
チル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチ
ル、またはネオペンチルを意味し得る。
【0037】本明細書中で用いられる「アルケニル」
は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、直
鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味し、特に指定がない
場合、任意の鎖長を有する。アルケニルの例として、ビ
ニレン、プロペニレン、ブタジエニレン、などが挙げら
れる。
【0038】本明細書中で用いられる「アルキニル」
は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、直
鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味し、特に指定がない
場合、任意の鎖長を有する。アルキニルの例として、エ
チニレン、プロピニレンなどが挙げられる。
【0039】上記で定義したアルキル、アルケニル、お
よびアルキニルにおいて、存在する炭素−炭素一重結合
(アルキルなどの末端の炭素と、アリールなどの他の基
の炭素との間で形成される一重結合を含む)は、任意の
ヘテロ原子またはヘテロ基で中断されていてもよい。
【0040】本明細書中で用いられる「アリール」は、
少なくとも1つの芳香族環を有する炭素環式基を表し、
例えば、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチ
ル、アントラニル、フェナントリルなどが挙げられる。
アリールの炭素環式構造中には、ヘテロ原子またはヘテ
ロ基が介在していてもよい。このようなアリールの例に
は、インドール、キノリル、イミダゾリル、オキサゾリ
ル、ピペリジノ、オキサジノなどが挙げられる。例え
ば、アリールが「C6〜C18アリール」として記載さ
れている場合、この基は例えばフェニル、ビフェニル、
ナフチル、インドールなどを意味し得る。
【0041】本明細書中で用いられる「アリールアルキ
ル」「アリールアルケニル」および「アリールアルキニ
ル」は、上記で定義したアリールに、上記で定義したア
ルキル、アルケニル、およびアルキニルがそれぞれ付加
した基を表す。これらの基は、必要に応じて任意の置換
基を有していてもよい。
【0042】R1およびR2は、好ましくは直鎖状もしく
は分枝状に連結された糖残基およびその修飾物から選択
される。
【0043】R1およびR2のいずれかまたはその両方が
糖残基もしくはその修飾物である場合、任意の糖残基も
しくはその修飾物であるが、好ましくは、α−D−グル
コピラノシル(α−D−Glc)、β−D−グルコピラ
ノシル(β−D−Glc)、β−D−ガラクトピラノシ
ル(α−D−Gal)、α−D−ガラクトピラノシル
(β−D−Gal)、α−D−フルクトピラノシル(α
−D−Fru)、およびβ−D−フルクトピラノシル
(β−D−Fru)、ならびにそれらの組み合わせ、な
らびにそれらの修飾物からなる群より選択される単位糖
を含み、より好ましくはβ−D−Glc、β−D−Ga
l、およびβ−D−Fru、ならびにそれらの組み合わ
せ、ならびにそれらの修飾物からなる群より選択される
単位糖を含み、最も好ましくは単位糖としてβ−D−G
lcを含む。
【0044】R1とR2とは同種の糖残基もしくはその修
飾物であってもよいし異種の糖残基もしくはその修飾物
であってもよい。好ましくは、R1とR2とは異種の糖残
基もしくはその修飾物であり、より好ましくはR1は−
β−D−Glcまたは−β−D−Glc−β−D−Gl
cであり、R2は−β−D−Glc−β−D−Glcま
たは
【0045】
【化8】
【0046】であり、最も好ましくはR1は−β−D−
Glc−β−D−Glcであり、R2
【0047】
【化9】
【0048】(すなわち、11−オキソ−モグロサイド
V)である。
【0049】本明細書中で「直鎖状に連結される」と
は、糖残基もしくはその修飾物がα1−6結合またはβ
1−6結合によってのみ連結されていることをいう。
「分枝状に連結される」とは、糖残基もしくはその修飾
物がα1−6結合またはβ1−6結合に加えて、α2−
4結合またはβ2−4結合によって連結されていること
をいう。
【0050】本明細書中で糖残基の「修飾物」とは、糖
残基が化学的置換基により修飾された残基をいい、その
例としては、グルコサミニル、N−アセチルグルコサミ
ニル、ガラクトサミニル、N−アセチルガラクトサミニ
ル、などが挙げられる。
【0051】羅漢果配糖体が抗酸化作用を有するか否か
は、当業者に公知の方法によって試験することができ
る。抗酸化作用についての試験としては、例えば、Es
terbauerら(文献10、13、19)に記載さ
れるLDLの被酸化性測定法、1,1−ジフェニル−2
−ピクリル−ヒドラジル(DPPH)アッセイ、脂質過
酸化物(LPO)アッセイ、チオバルビツール酸反応物
質測定法(TBARS法)、化学蛍光発色系HPLC法
などが挙げられる。
【0052】本発明においては、例えば、下記の実施例
3と実質的に同一の条件(羅漢果配糖体の添加濃度は1
0μMとする)で測定したとき、共役ジエン形成のラグ
タイムが実施例3のコントロールに示された値の約11
0%以上であるとき、好ましくは約120%以上である
とき、より好ましくは約130%以上であるとき、「抗
酸化作用を有する」という。「ラグタイム」とはここ
で、酸化によるジエン形成が始まるまでの時間をいう。
ラグタイムは、時間軸に対する吸光度の増加の直線部分
(増殖時間)の外挿により決定される。
【0053】抗酸化作用を有する羅漢果配糖体は、羅漢
果のような天然の羅漢果配糖体含有植物から抽出および
単離してもよいし、合成してもよい。羅漢果配糖体は、
当業者に公知の抽出および分離方法を用いて製造され得
る。具体的には、例えば、羅漢果配糖体は、以下の方法
により得られ得る。羅漢果の果実をメタノール抽出して
メタノールエキスを得る。メタノールエキスを水と混合
し、N−ヘキサンで脱脂する。脱脂後のメタノールエキ
スをカラムクロマトグラフィーにかけて80%メタノー
ル、100%メタノール、およびアセトンで順次溶出
し、粗配糖体画分である80%メタノール画分を得る。
得られた粗配糖体画分をメタノールに溶解した後、シリ
カゲルと混合し、乾燥し、次いでこのシリカゲルをクロ
ロホルム−メタノールの混合溶媒で溶出することによ
り、配糖体画分を得る。得られた配糖体画分を液体クロ
マトグラフィーにかけることにより、さらに高純度の配
糖体画分を入手し得る。
【0054】抗酸化作用を有する羅漢果配糖体を合成す
る場合、当業者に公知の化学合成理論を用いてモグロサ
イド骨格を一から合成してもよいし、比較的入手が容易
な羅漢果配糖体を修飾することによって目的の羅漢果配
糖体を得てもよい。合成工程が複雑になるのを避けるた
めに、羅漢果配糖体の修飾によって目的の羅漢果配糖体
を得ることが好ましい。
【0055】羅漢果配糖体が甘味を有するか否かは、当
業者に公知の官能試験によって試験することができる。
羅漢果配糖体は、100グラムあたりで、代表的にはシ
ョ糖と同等以上の甘味強度、好ましくはショ糖の約5倍
〜約500倍、より好ましくはショ糖の約10倍〜約2
00倍、さらにより好ましくはショ糖の約50倍〜約1
00倍の甘味強度を有する。あるいは、約1〜10倍、
約10〜50倍、またはショ糖の約1倍未満、例えば、
約0.1〜1倍の甘味強度を有してもよいし、羅漢果配
糖体は甘味を有さなくともよい。
【0056】(2.抗酸化組成物)本発明の抗酸化組成
物は、抗酸化作用を有する羅漢果配糖体を含有する。羅
漢果配糖体としては、単独種または複数種のものが含有
され得る。本発明の抗酸化組成物は、医薬品、食品、ま
たは飼料のいずれかであり得る。
【0057】(2.1 医薬品)本発明の抗酸化組成物
が医薬品である場合(このような組成物を医薬抗酸化組
成物という)、当該組成物の乾燥重量のうち、抗酸化作
用を有する羅漢果配糖体の乾燥重量は、代表的には約1
重量%〜約99重量%、好ましくは約5重量%〜約90
重量%、より好ましくは約10重量%〜約80重量%で
ある。
【0058】ただし、該羅漢果配糖体が11−オキソ−
モグロサイドVである場合は、該組成物中のモグロサイ
ドIV、モグロサイドV、シアメノサイドI、および1
1−オキソ−モグロサイドVの合計に対する11−オキ
ソ−モグロサイドVの割合が、天然物中の該割合よりも
高い。
【0059】天然物(例えば、従来の羅漢果抽出物およ
び羅漢果)中のモグロサイドIV、モグロサイドV、シ
アメノサイドI、および11−オキソ−モグロサイドV
の合計に対する11−オキソ−モグロサイドVの割合
は、通常、約0〜約0.19である。例示的な羅漢果抽
出物中のモグロサイドIV、モグロサイドV、シアメノ
サイドI、および11−オキソ−モグロサイドVの割
合、それらの割合の合計、およびそれらの合計に対する
11−オキソ−モグロサイドVの割合を以下の表1に示
す。
【0060】
【表1】
【0061】従って、本発明の抗酸化組成物中でのこの
割合は、代表的には約0.2以上、好ましくは約0.3
以上、より好ましくは約0.4以上、最も好ましくは約
0.5以上1以下である。
【0062】本発明の医薬抗酸化組成物は、薬学的に許
容される担体をさらに含み得る。担体の例としては、ラ
クトース、デキストロース、スクロース、ソルビトー
ル、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カ
ルシウム、アルギン酸塩、珪酸カルシウム、微結晶性セ
ルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、
トラガカント、ゼラチン、シロップ、ヒドロキシ安息香
酸メチル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、水、鉱
油などが挙げられる。本発明の医薬抗酸化組成物は、こ
れらの担体を単独種または複数種含み得る。
【0063】本発明の医薬抗酸化組成物は、潤沢剤、乳
化剤、懸濁化剤、酸化防止剤、防腐剤、甘味剤および香
味剤など、ならびに水溶性ビタミン類および油溶性ビタ
ミン類などを含む他の有効成分の1種以上を含み得る。
【0064】本発明の医薬抗酸化組成物は、当該分野で
周知の方法によって製造される。例えば、抗酸化作用を
有する純粋な羅漢果配糖体を添加する工程を包含する方
法によって製造してもよいし、抗酸化作用を有する羅漢
果配糖体を含有する抗酸化組成物を添加する工程を包含
する方法によって製造してもよい。
【0065】本発明の医薬抗酸化組成物の形態は、特に
限定されない。本発明の医薬抗酸化組成物の形態の例と
しては、外用剤として、軟膏、貼付剤などの形態;内用
剤として、錠剤、丸剤、粉剤、シロップ剤、乳濁剤、液
剤、懸濁剤、ゼラチンカプセル剤などの形態;および注
射剤、スプレー剤などの形態を挙げることができる。注
射剤、スプレー剤などの形態の医薬抗酸化組成物は、経
皮、注射、鼻内などの経路によって投与し得る。
【0066】本発明の医薬抗酸化組成物に用いられる羅
漢果配糖体は、広い用量範囲にわたって有効である。従
って、羅漢果配糖体の一日あたりの用量は、体重1kg
に対して、代表的には約1mg〜約500mg、好まし
くは約10mg〜約200mg、さらに好ましくは約2
0mg〜約100mgの範囲である。あるいは、一日あ
たりの用量は1mg未満であってもよい。この用量を、
1回または数回に分けて投与する。実際の用量は、処置
を受ける対象の年齢、体重および症状の重篤度、ならび
に選択した投与経路などを配慮した上で決定される。
【0067】(2.2 食品)本発明の抗酸化組成物
は、甘味および抗酸化作用を有する食品そのもの、また
は調味料のような添加物として利用され得る(このよう
な組成物を食品抗酸化組成物という)。本発明の抗酸化
組成物は、健康食品、栄養補助食品、および特別用途食
品(特定保健用食品)として利用され得る。
【0068】本発明の抗酸化組成物が食品である場合、
当該組成物の乾燥重量のうち、抗酸化作用を有する羅漢
果配糖体の乾燥重量は、代表的には約1重量%〜約99
重量%、好ましくは約5重量%〜約90重量%、より好
ましくは約10重量%〜約80重量%である。
【0069】ただし、該羅漢果配糖体が11−オキソ−
モグロサイドVである場合は、上記の医薬抗酸化組成物
の場合と同様に、該組成物中のモグロサイドIV、モグ
ロサイドV、シアメノサイドI、および11−オキソ−
モグロサイドVの合計に対する11−オキソ−モグロサ
イドVの割合が、天然物中の該割合よりも高い。天然物
(例えば、従来の羅漢果抽出物および羅漢果)中のモグ
ロサイドIV、モグロサイドV、シアメノサイドI、お
よび11−オキソ−モグロサイドVの合計に対する11
−オキソ−モグロサイドVの割合は、表1に示すよう
に、通常、約0〜約0.19である。従って、本発明の
抗酸化組成物中でのこの割合は、代表的には約0.2以
上、好ましくは約0.3以上、より好ましくは約0.4
以上、最も好ましくは約0.5以上1以下である。
【0070】本発明の食品抗酸化組成物は、当該分野で
通常使用される食品原料をさらに含み得る。食品原料の
例としては、ラクトース、デキストロース、スクロー
ス、ソルビトール、マンニトール、リンゴファイバー、
大豆ファイバー、肉エキス、黒酢エキス、ゼラチン、コ
ーンスターチ、蜂蜜、動植物油脂、多糖類、穀物、野
菜、果菜、果物、肉、卵、乳製品、海藻などおよびそれ
らの加工品が挙げられる。本発明の抗酸化組成物は、こ
れらの食品原料を単独種または複数種含み得る。
【0071】本発明の食品抗酸化組成物は、上記の医薬
品の場合と同様に、上記の食品原料に加えて、潤沢剤、
乳化剤、懸濁化剤、酸化防止剤、防腐剤、甘味剤および
香味剤などの成分の1種以上をさらに含み得る。また、
水溶性ビタミン類および油溶性ビタミン類などを含む他
の有効成分をさらに含んでいてもよい。当業者は、羅漢
果配糖体の抗酸化作用を妨げることのない適切な成分を
容易に選択し得る。
【0072】本発明の食品抗酸化組成物は、当該分野で
周知の方法によって製造される。例えば、抗酸化作用を
有する純粋な羅漢果配糖体を添加する工程を包含する方
法によって製造してもよいし、抗酸化作用を有する羅漢
果配糖体を含有する抗酸化組成物を添加する工程を包含
する方法によって製造してもよい。
【0073】本発明の食品抗酸化組成物の形態は特に限
定されない。本発明の食品抗酸化組成物の形態の例とし
ては、顆粒、錠菓、ゼリー、飴、飲料などが挙げられ
る。
【0074】本発明の食品抗酸化組成物は、必要に応じ
て摂取され、薬膳などのように毎日毎食摂取してもよい
し、1日1回、1週間に1回、1ヶ月に1回のようなさ
らに長期の間隔をおいて摂取してもよい。好ましくは、
1日3食摂取される。
【0075】本発明の食品抗酸化組成物に用いられる羅
漢果配糖体は、広い用量範囲にわたって有効である。従
って、羅漢果配糖体の一日あたりの用量は、体重1kg
に対して、代表的には約1mg〜約500mg、好まし
くは約10mg〜約200mg、さらに好ましくは約2
0mg〜約100mgの範囲である。あるいは、一日あ
たりの用量は1mg未満であってもよい。この用量を、
1回または数回に分けて投与する。実際の用量は、食品
を摂取する対象の年齢、体重および症状の重篤度などを
配慮した上で決定される。
【0076】(2.3 飼料)本発明の抗酸化組成物
は、人間の食べる食品としてだけでなく、ペット、家
畜、競技用動物などの人間以外の動物の飼料として利用
され得る(このような組成物を飼料抗酸化組成物とい
う)。
【0077】本発明の抗酸化組成物が飼料である場合、
当該組成物の乾燥重量のうち、抗酸化作用を有する羅漢
果配糖体の乾燥重量は、代表的には代表的には約0.0
01重量%〜約99重量%、好ましくは約0.01重量
%〜約50重量%、より好ましくは約0.05重量%〜
約20重量%である。
【0078】本発明の飼料抗酸化組成物は、当該分野で
通常使用される飼料原料をさらに含み得る。飼料原料の
例としては、動植物繊維、動植物タンパク質、動植物油
脂、動植物炭水化物などおよびそれらの加工品が挙げら
れる。本発明の飼料抗酸化組成物は、これらの飼料原料
を単独種または複数種含み得る。
【0079】本発明の飼料抗酸化組成物は、上記の医薬
品の場合と同様に、上記の飼料原料に加えて、潤沢剤、
乳化剤、懸濁化剤、酸化防止剤、防腐剤、甘味剤および
香味剤などの成分の1種以上をさらに含み得る。また、
水溶性ビタミン類および油溶性ビタミン類などを含む他
の有効成分をさらに含んでいてもよい。当業者は、羅漢
果配糖体の抗酸化作用を妨げることのない適切な成分を
容易に選択し得る。
【0080】本発明の飼料抗酸化組成物は、当該分野で
周知の方法によって製造される。例えば、抗酸化作用を
有する純粋な羅漢果配糖体を添加する工程を包含する方
法によって製造してもよいし、抗酸化作用を有する羅漢
果配糖体を含有する抗酸化組成物を添加する工程を包含
する方法によって製造してもよい。
【0081】本発明の飼料抗酸化組成物の形態は特に限
定されない。本発明の飼料抗酸化組成物の形態の例とし
ては、顆粒、錠剤、ペレット、ゼリー、飲料などが挙げ
られる。
【0082】本発明の飼料抗酸化組成物は、必要に応じ
て動物に与えられ、1日3回与えてもよいし、1日1
回、1週間に1回、1ヶ月に1回のようなさらに長期の
間隔をおいて与えてもよい。好ましくは、1日3回与え
られる。
【0083】本発明の飼料抗酸化組成物に用いられる羅
漢果配糖体は、広い用量範囲にわたって有効である。従
って、羅漢果配糖体の一日あたりの用量は、体重1kg
に対して、代表的には約1mg〜約500mg、好まし
くは約10mg〜約200mg、さらに好ましくは約2
0mg〜約100mgの範囲である。一日あたりの用量
は1mg未満であってもよい。この用量を、1回または
数回に分けて投与する。実際の用量は、飼料を摂取する
動物の年齢、体重および症状の重篤度などを配慮した上
で決定される。
【0084】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもので
はない。
【0085】<製造例1:羅漢果配糖体の単離>羅漢果
配糖体であるモグロサイドIV、モグロサイドV、11
−オキソ−モグロサイドVおよびシアメノサイドIは市
販されていないために、本発明者らによって下記のよう
な分画・分取方法で各標準品を入手した。
【0086】すなわち、羅漢果の未乾燥果実をメタノー
ルで抽出し、メタノールエキスを得た。メタノールエキ
スを水と混合し、N−ヘキサンで脱脂した。脱脂された
メタノールエキスを、多孔性樹脂(DIAION HP
−20カラムクロマト、三菱化学製)にかけ、80%メ
タノール、100%メタノール、およびアセトンの順に
溶出させ、粗配糖体画分である80%メタノール画分を
得た。
【0087】得られた粗配糖体画分のうちの10gを1
0〜50mLのメタノールに十分に溶解させ、乳棒を用
いて乳鉢中のシリカゲル(Silicagel60、7
0〜230mesh、MERCK製)50gと混ぜ合わ
せた。適量のメタノールを加えてよく混合した後、80
〜90℃の条件下で撹拌しながら十分に乾燥させた。シ
リカゲル粒子が均一になるまで乳棒ですりつぶした後、
300gのシリカゲルを充填したガラスカラム(Ф40
×750mm、桐山化学)の上部開口部に、上記の乾燥
させたシリカゲル粒子を追充填した。
【0088】次に、クロロホルム(片山化学、試薬特級)
−メタノール−水を15:6:1の容積比で混合した分
画溶媒を上記カラムに3L流して溶出させた後、クロロ
ホルム−メタノール−水を15:9:2の容積比で混合
した分画溶媒を5L流して溶出させた。
【0089】溶出液は、フラクションコレクターを用い
て約13mL/8分の流速で、計約500本の試験管に
回収した。約10本おきに溶出液の一部を順相系の薄層
クロマトグラフィー(以下、TLCと称する)(Sil
icagel 60F254、MERCK製)にかけて分
析することにより、羅漢果配糖体のスポットを確認し
た。この結果に基づいて、得られた約500本の試験管
に含まれる溶出液を次に示したA〜Eの5フラクション
にまとめ、分取した。
【0090】AフラクションはNo.001〜242、
BフラクションはNo.243〜305、Cフラクショ
ンはNo.306〜348、DフラクションはNo.3
49〜470、そしてEフラクションはNo.471〜
LASTとした。
【0091】「シアメノサイドI」および「モグロサイ
ドIV」を単離するためには、Bフラクションを、オク
タデシルシリル(以下、ODSと称する)カラム(Li
Chroprep RP−18、40〜63μm、ME
RCK)を用いる逆相カラムクロマトグラフィーにより
分取した。すなわち、BフラクションをODSカラムに
かけ、メタノール−水を56:44の容積比で混合した
分画溶媒を1.5L、およびメタノールを0.5L順次
用いて溶出させ、溶出液を約13mLずつ約100本の
試験管に回収した。約5本おきに溶出液の一部を順相系
TLCにかけることにより羅漢果配糖体のスポットを確
認し、さらに溶出液の一部について液体クロマトグラフ
ィー(LC)分析を行うことにより、「シアメノサイド
I」または「モグロサイドIV」が完全に単離されてい
ることを確認し、その結果、上記の約100本の試験管
に含まれる溶出液を次のB−1からB−9に示す9個の
フラクションにまとめ、分取した。
【0092】9つのフラクションは、No.01〜21
をフラクションB−1、No.22〜26をフラクショ
ンB−2、No.27〜30をフラクションB−3、N
o.31〜32をフラクションB−4、No.33〜3
9をフラクションB−5、No.40〜43をフラクシ
ョンB−6、No.44〜45をフラクションB−7、
No.46〜63をフラクションB−8、そしてNo.
64〜LastをフラクションB−9とした。
【0093】「シアメノサイドI」はフラクションB−
3に含まれているので、このフラクションを再度カラム
クロマトグラフィーにかけ、メタノール−水=54:4
6(1.5L)の溶媒で溶出させ、溶出液を約100本
の試験管に回収し、上記と同様にTLCにかけてシアメ
ノサイドIのスポットを確認し、そしてLCにかけてシ
アメノサイドIが単離されていることを確認した。この
結果に基づいて約100本の試験管に含まれる溶出液を
4つのフラクションに分けた。No.42〜53のフラ
クションにシアメノサイドIが含まれており、このフラ
クションを乾燥することにより、高純度(純度97.4
%)の「シアメノサイドI」を単離した。
【0094】「モグロサイドIV」はフラクションB−
8に含まれているので、このフラクションを再度カラム
クロマトグラフィーにかけ、メタノール−水=54:4
6(1.5L)の溶媒で溶出させ、溶出液を約100本
の試験管に回収し、上記と同様にTLCにかけてモグロ
サイドIVのスポットを確認し、そしてLCにかけてモ
グロサイドIVが単離されていることを確認した。この
結果に基づいて約100本の試験管に含まれる溶出液を
4つのフラクションに分けた。No.57〜68のフラ
クションにモグロサイドIVが含まれており、このフラ
クションを乾燥することにより、高純度(純度95.5
%)の「モグロサイドIV」を単離した。
【0095】「11−オキソ−モグロサイドV」を単離
するためには、CフラクションをODSカラムを用いる
逆相カラムクロマトグラフィーにより分取した。すなわ
ち、CフラクションをODSカラムにかけ、メタノール
−水を52:48の容積比で混合した分画溶媒を1.5
L、およびメタノールを0.5L順次用いて溶出させ、
溶出液を約13mLずつ約100本の試験管に回収し
た。約5本おきに溶出液の一部を順相系TLCにかける
ことにより「11−オキソ−モグロサイドV」のスポッ
トを確認し、さらに溶出液の一部についてLC分析を行
うことにより11−オキソ−モグロサイドVが完全に単
離されていることを確認し、その結果、上記の約100
本の試験管に含まれる溶出液を次のC−1からC−4に
示す4個のフラクションにまとめ、分取した。
【0096】4つのフラクションは、No.01〜37
をフラクションC−1、No.38〜50をフラクショ
ンC−2、No.51〜59をフラクションC−3、そ
してNo.60〜LastをフラクションC−4とし
た。
【0097】「11−オキソ−モグロサイドV」はフラ
クションC−2に含まれているので、このフラクション
を再度逆相カラムクロマトグラフィーにかけ、メタノー
ル−水=52:48(1.5L)の溶媒で溶出させ、溶
出液を約100本の試験管に回収し、上記と同様に順相
系TLCにかけて11−オキソ−モグロサイドVのスポ
ットを確認し、そしてLCにかけて11−オキソ−モグ
ロサイドVが単離されていることを確認した。この結果
に基づいて約100本の試験管に含まれる溶出液を4つ
のフラクションに分けた。No.38〜53のフラクシ
ョンに11−オキソ−モグロサイドVが含まれており、
このフラクションを乾燥することにより、高純度(純度
99.3%)の「11−オキソ−モグロサイドV」を単
離した。
【0098】「モグロサイドV」を単離するためには、
DフラクションをODSカラムを用いる逆相カラムクロ
マトグラフィーにより分取した。すなわち、Dフラクシ
ョンをODSカラムにかけ、メタノール−水を54:4
6の容積比で混合した分画溶媒を1.5L、およびメタ
ノールを0.5L順次用いて溶出させ、溶出液を約13
mLずつ約100本の試験管に回収した。約5本おきに
溶出液の一部を順相系TLCにかけることにより「モグ
ロサイドV」のスポットを確認し、さらに溶出液の一部
についてLC分析を行うことによりモグロサイドVが単
離されていることを確認し、その結果、上記の約100
本の試験管に含まれる溶出液を次のD−1からD−6に
示す6個のフラクションにまとめ、分取した。
【0099】6つのフラクションは、No.01〜16
をフラクションD−1、No.17〜22をフラクショ
ンD−2、No.23〜26をフラクションD−3、N
o.27〜32をフラクションD−4、No.33〜4
5をフラクションD−5、そしてNo.46〜Last
をフラクションD−6とした。
【0100】「モグロサイドV」はフラクションD−5
に含まれているので、このフラクションを再度逆相カラ
ムクロマトグラフィーにかけ、メタノール−水=54:
46(1.5L)の溶媒で溶出させ、溶出液を約100
本の試験管に回収し、上記と同様に順相系TLCにかけ
てモグロサイドVのスポットを確認し、そしてLCにか
けてモグロサイドVが単離されていることを確認した。
この結果に基づいて約100本の試験管に含まれる溶出
液を5つのフラクションに分けた。No.35〜45の
フラクションにモグロサイドVが含まれており、このフ
ラクションを乾燥することにより、高純度(純度97.
3%)の「モグロサイドV」を単離した。
【0101】モグロサイドV、モグロサイドIV、11
−オキソ−モグロサイドVおよびシアメノサイドIの構
造解析は、赤外線吸収スペクトル(IR)および核磁気
共鳴分光装置(NMR)を用いて行なった。上記で得た
モグロサイドV、モグロサイドIV、11−オキソ−モ
グロサイドVおよびシアメノサイドIの純度測定は、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して行な
った。
【0102】<製造例2:LDLの調製>EDTA(1
mg/ml)を含有する採血管を用いて、12時間絶食
後の健常人から採血し、続いてこの血液からヒト血漿を
回収した。得られたヒト血漿を密度勾配単スピン超遠心
分離(文献10および17)にかけ、密度1.019〜
1.063g/mlの画分を得ることにより、EDTA
を含有する低密度リポタンパク質(LDL)を単離し
た。酸化実験のために、得られたEDTA含有LDL
を、4℃にて24時間、リン酸緩衝液(PBS、pH
7.4)に対して透析し、EDTAを除去し、LDLを
得た。LDLのタンパク質濃度を、ウシ血清アルブミン
(BSA)を標準として用いて、Lowryら(文献2
1)の手順に従って測定した。
【0103】<実施例1:羅漢果抽出物のLDL抗酸化
作用>羅漢果抽出物がLDL抗酸化作用を有するか否か
を、Esterbauerら(10、13、19)の方
法に従ってLDLの被酸化性を実験することにより調べ
た。まず、5μg/ml、10μg/ml、15μg/
ml、または20μg/mlの羅漢果抽出物(中国広西
桂林師範大学より入手)、上記製造例2で得たLDL
(50μg/ml)、および2μM CuSO4を含有
するリン酸緩衝液(PBS)を調製した。PBSの組成
は、NaCl 0.137M、KCl 2.7mM、N
2HPO4 7.7mM、KH2PO4 7.4mM水溶
液である。コントロールとして、羅漢果抽出物を含有し
ない、LDL(50μg/ml)および2μM CuS
4を含有するPBSを調製した。得られたPBSを3
7℃でインキュベートして銅媒介LDL酸化を行った。
この酸化反応の間に形成された共役ジエンの量を、23
4nmのUV吸光度で4時間、10分間隔でモニタリン
グした。実験を、3連で3回行った。LDL酸化は、ほ
ぼ3つの連続した相、すなわち、酸化抵抗時間(lag
phase)、酸化進行時間(propagatio
n phase)、および分解時間(decompos
ition phase)に分けられ得る。酸化拡張時
間は、脂質過酸化水素への連鎖反応が増殖する前の、酸
化の生じない時間と定義される。
【0104】結果を図2に示す。図2からわかるよう
に、羅漢果抽出物は、銅媒介LDL酸化を用量依存的に
抑制した。このことは、酸化拡張時間が羅漢果抽出物の
濃度の漸増とともに長期化することを示す。
【0105】<実施例2:LDL過酸化物生成に対する
羅漢果抽出物の影響>細胞媒介LDL酸化に対する甘味
成分の効果を、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を用
いて試験した。
【0106】手短に述べると、まず、HUVECを、E
BM−2培地(Clonetics,USA)を用い
て、90%コンフルエントになるまで培養した。90%
コンフルエントになった時点で、7.5μg/ml、1
5μg/ml、または30μg/mlの羅漢果抽出物
(中国広西桂林師範大学より入手:)、上記製造例2で
得たLDL(100μg/ml)を含有するHamのF
−10培地(Life Technologies,G
IBCO−BRL)に培地を交換した。コントロールと
して、羅漢果抽出物を含有せず、上記製造例2で得たL
DL(100μg/ml)を含有するHamのF−10
培地を用いた。次いで、37℃で24時間インキュベー
トし、酸化させた。インキュベーションの終了後、それ
ぞれの培地上清を回収した。
【0107】培地上清についてアガロースゲル電気泳動
および市販のキット(Determiner LPO,
協和発酵工業株式会社)を用いる脂質過酸化物(LP
O)アッセイ(文献10、11、および13)を行っ
て、LDL酸化の程度を測定した。LPOアッセイは、
ロイコメチレンブルー誘導体と、ヘム化合物中の脂質過
酸化水素との反応についての比色系アッセイに基づく。
実験を、3連で3回行った。
【0108】結果を図3に示す。図3では、LPOアッ
セイの結果を、平均±SDで表す。3より多くの群の平
均間の差を、フィッシャー法による分散分析により検定
し、そして2群の平均間の差を、独立スチューデントt
検定により分析した。p<0.05の値を、統計的に有
意であるとした。
【0109】図3から、HUVEC媒介LDL酸化に対
する羅漢果抽出物の効果は、羅漢果抽出物がHUVEC
媒介LDL酸化を用量依存性様式で阻害することがわか
る。このことは、アガロース電気泳動で認められるLD
Lの陰性荷電の程度のパターンと一致した結果であった
(データは示さず)。
【0110】<実施例3:羅漢果抽出物および各種甘味
成分のLDL抗酸化作用>羅漢果抽出物および各種甘味
成分が、LDL酸化を抑制するか否かを、上記実施例1
と同様にEsterbauerらの方法に従ってLDL
の被酸化性を実験することにより調べた。10μg/m
lの羅漢果抽出物は、10μM 羅漢果配糖体とほぼ等
価である。従って、本発明者らは、10μMを各種甘味
成分の実験濃度として用いた。
【0111】まず、10μg/mlの羅漢果抽出物(中
国広西桂林師範大学より入手)、10μM グルコー
ス、または10μMエリスリトール、上記製造例1で得
たLDL(50μg/ml)、および2μM CuSO
4を含有するPBSを調製した。コントロールとして、
羅漢果抽出物を含有しない、LDL(50μg/ml)
および2μM CuSO4を含有するPBSを調製し
た。得られたPBSを37℃でインキュベートして銅媒
介LDL酸化を行った。この酸化反応の間に形成された
共役ジエンの量を、234nmのUV吸光度で4時間、
10分間隔でモニタリングした。実験を、3連で3回行
った。
【0112】結果を図4に示す。図4から、銅媒介LD
L酸化は、10μg/mlの羅漢果抽出物により阻害さ
れるが、10μM グルコースおよび10μM エリス
リトールにより阻害されないことがわかる。また、銅媒
介LDL酸化は、10μMグルコースおよび10μM
エリスリトールにより促進されなかった。
【0113】同様にして、10mM グルコースまたは
10mM エリスリトールの存在下での銅媒介LDL酸
化を測定した。この結果、10mM グルコースも10
mMエリスリトールも銅媒介LDL酸化を阻害も促進も
しないことがわかった。
【0114】これらのことから、グルコースおよびエリ
スリトールは10mMまでの濃度では銅媒介性LDL酸
化を促進も阻害もし得なかった。いずれにしても、LD
L酸化に関して、グルコースおよびエリスリトールは、
阻害効果を有さないようである。それゆえ、本実施例に
より示されるように、羅漢果抽出物は、酸化的ストレス
が増加した糖尿病患者に対して有利な効果を与えると考
えられる。
【0115】<実施例4:各種羅漢果配糖体の抗LDL
酸化作用についての検討>銅媒介LDL酸化に対する各
種羅漢果配糖体の効果を試験して、羅漢果抽出物うちの
どの甘味成分が主にLDL酸化を阻害するかを調べた。
まず、50μMおよび200μMの上記製造例1で製造
したモグロサイドV、モグロサイドIV、シアメノサイ
ドIV、または11−オキソ−モグロサイドV、上記製
造例1で得たLDL(50μg/ml)、および2μM
CuSO4を含有するPBSを調製した。コントロー
ルとして、羅漢果配糖体を含有しない、LDL(50μ
g/ml)および2μM CuSO4を含有するPBS
を調製した。得られたPBSを37℃でインキュベート
して銅媒介LDL酸化を行った。この酸化反応の間に形
成された共役ジエンの量を、234nmのUV吸光度で
4時間、10分間隔でモニタリングした。実験を、3連
で3回行った。
【0116】羅漢果配糖体は、50μMの濃度ではLD
L酸化に対して主な効果はなかった(データは示さ
ず)。
【0117】200μMの濃度で各種羅漢果配糖体を用
いた場合の結果を図5に示す。図5は、11−オキソ−
モグロサイドVのみがLDL酸化を抑制するが、他の羅
漢果配糖体は200μMではLDL酸化を抑制しないこ
とを示す。
【0118】<実施例5:11−オキソ−モグロサイド
Vの用量依存性抗LDL酸化作用>11−オキソ−モグ
ロサイドVによるLDL酸化抑制の用量依存性につい
て、上記実施例1と同様にEsterbauerらの方
法に従ってLDLの被酸化性を実験することにより調べ
た。
【0119】まず、100μM、200μM、または3
00μMの11−オキソ−モグロサイドV、上記製造例
1で得たLDL(50μg/ml)、および2μM C
uSO4を含有するPBSを調製した。コントロールと
して、11−オキソ−モグロサイドVを含有しない、L
DL(50μg/ml)および2μM CuSO4を含
有するPBSを調製した。得られたPBSを37℃でイ
ンキュベートして銅媒介LDL酸化を行った。この酸化
反応の間に形成された共役ジエンの量を、234nmの
UV吸光度で4時間、10分間隔でモニタリングした。
実験を、3連で3回行った。
【0120】結果を図6に示す。図6から、11−オキ
ソ−モグロサイドVは、用量依存性様式で、LDLの銅
媒介酸化を阻害することがわかる。LDLのラグタイム
を、独立スチューデントt検定により評価すると、11
−オキソ−モグロサイドVは、76.8±5.5分(平
均±SD、n=3、添加なしのコントロール)から11
9.7±8.9分(n=3、11−オキソ−モグロサイ
ドV)へと有意に増加させた(p<0.01)。
【0121】<実施例6:酸素ラジカル捕獲能に対する
各種甘味成分の影響の検討>LDL酸化に対する羅漢果
抽出物および羅漢果配糖体の阻害効果が、その酸素ラジ
カル捕獲能と関連し得るか否かを調べるためにDPPH
アッセイを行った。甘味成分の酸素ラジカル捕獲能を、
1,1−ジフェニル−2−ピクリル−ヒドラジル(DP
PH)アッセイ(文献22および23)により分析し
た。
【0122】まず、各種甘味成分をそれぞれ、20μg
/ml羅漢果抽出物、200μMモグロサイドIV、2
00μMモグロサイドV、200μM 11−オキソ−
モグロサイドV、または200μMシアメノサイドIに
なるようにエタノール中に希釈し、そして最終的に1m
lのエタノール中の0.2mM DPPHと混合した。
甘味成分を添加せずにDPPHと混合したものを陰性コ
ントロールとし、甘味成分の代わりに20μMビタミン
Eを添加したものを陽性コントロールとした。517n
mでの光学密度の変化の時間経過を、反応速度によりモ
ニタリングした。
【0123】各実験を、それぞれ3連で3回行った。
【0124】結果を図7に示す。DPPHアッセイを用
いて、517nmの吸光度における時間依存的減少が、
羅漢果抽出物および200μM 11−オキソ−モグロ
サイドVにより観察されたが、他の羅漢果配糖体では観
察されなかった。4分間のインキュベーション後、羅漢
果抽出物および11−オキソ−モグロサイドVは、51
7nmでの吸光度をそれぞれ、35%および23%減少
させた。比較として、吸光度の85%減少が、20μM
ビタミンE(酸素ラジカル捕獲抗酸化剤としての陽性コ
ントロール)により得られた。これらの結果は、羅漢果
抽出物および11−オキソ−モグロサイドVが実質的に
酸素ラジカルを捕獲し得るが、それらの捕獲能はビタミ
ンEよりも低いことを示唆する。
【0125】この結果、羅漢果抽出物および11−オキ
ソ−モグロサイドVのLDL酸化阻害効果は、酸素ラジ
カル捕獲能に関連することがわかった。
【0126】以前の報告により、有効な基捕獲の基準が
示されている。分子構造に関して、ヒドロキシ基の数だ
けでなく、フェノール環または芳香族環上でのそれらの
配置およびアレンジメントが、フラボノイドの抗酸化活
性に影響を与えることが示されている(文献24および
25)。フラボノイドの場合、C環における4−オキソ
の機能は、抗酸化活性の増強を与える。なぜなら、4−
オキソ機能は、電子の脱局在化を提供し、芳香族核の共
鳴効果により酸素ラジカルとの反応後に生じた基の安定
化を生じるからである。図1に示したように、11−オ
キソ−モグロサイドVの構造における11位でのオキソ
機能は、その抗酸化活性に関連すると考えられる。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、抗酸化作用を有する羅
漢果配糖体を有効成分として含有する、アテローム性動
脈硬化症を抑制または予防し得る抗酸化組成物が提供さ
れる。本発明の抗酸化組成物は、抗酸化作用とともに甘
味を有する羅漢果配糖体を含有するので、甘味料の代替
物として糖尿病の食餌療法にも利用することができる。
本発明の抗酸化組成物は、従来の抗酸化剤に加えて、L
DLの動脈硬化惹起性を低減させるために用いられ得
る。
【0128】本発明の抗酸化組成物は、抗酸化作用を有
する羅漢果配糖体を、従来の羅漢果抽出物と比較して多
量に含むので、従来の羅漢果抽出物と同じ甘味強度にな
るように調整して用いた場合、従来の羅漢果抽出物より
も強力な抗酸化作用を示す。従って、従来の羅漢果抽出
物と同じ抗酸化作用を得るために、従来の羅漢果抽出物
よりも少量で用いることができる。それゆえ、ほどよい
甘味強度で抗酸化作用を得ることができる。
【0129】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】羅漢果配糖体の構造を示す化学式である。Gl
cは、β−D−グルコピラノシルを示す。
【図2】銅媒介性LDL酸化に対する羅漢果抽出物の効
果を示すグラフである。白丸は、添加なしのコントロー
ルを示す。白四角、白菱形、白三角、および黒丸は、そ
れぞれ、5μg/ml、10μg/ml、15μg/m
l、および20μg/mlでの羅漢果抽出物添加を示
す。
【図3】HUVEC媒介LDL酸化に対する羅漢果抽出
物の効果を示すグラフである。全ての値は平均±SD
(n=3)である。***、および#は、コントロールと
有意に異なる。*は、p<0.05、**はp<0.0
1、#はp<0.001である。¶は、15μg/ml
羅漢果抽出物添加と比較して有意に異なる(¶はp<
0.001である)。
【図4】銅媒介LDL酸化に対する甘味成分の効果を示
すグラフである。白丸、白四角、白菱形、および白三角
は、それぞれ、添加なしのコントロール、10μg/m
l 羅漢果抽出物、10μMグルコース、および10μ
Mエリスリトールの添加を示す。
【図5】銅媒介LDL酸化に対する羅漢果配糖体の効果
を示すグラフである。白丸、白四角、白菱形、白三角、
および黒丸は、それぞれ、添加なしのコントロール、1
00μM モグロサイドV、100μM モグロサイド
IV、100μM シアメノサイドI、および100μ
M 11−オキソ−モグロサイドVの添加を示す。
【図6】銅媒介LDL酸化に対する11−オキソ−モグ
ロサイドVの用量依存効果を示すグラフである。白丸
は、添加なしのコントロールを示す。白四角、白菱形、
および白三角は、それぞれ、100μM、200μM、
および300μMの11−オキソ−モグロサイドVの添
加を示す。
【図7】羅漢果抽出物および羅漢果配糖体の酸素ラジカ
ル獲得能を示すグラフである。類似のパターンを有する
3つの異なる研究のうちの代表的な実験を示す。ビタミ
ンE(20μM)は、酸素ラジカル捕獲剤の陽性コント
ロールである。白丸は、添加なしのコントロールを示
す。黒丸、黒四角、白菱形、白三角、黒三角、および白
四角は、それぞれ、20μMのビタミンE、20μg/
mlの羅漢果抽出物、200μMのモグロサイドIV、
200μMのモグロサイドV、200μMの11−オキ
ソ−モグロサイドV、および200μMのシアメノサイ
ドIの添加を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07J 9/00 C07J 9/00 (71)出願人 500215090 武生 英一郎 広島県広島市南区翠2丁目1−10−101 (71)出願人 500215104 神田 博史 広島県広島市東区牛田早稲田3丁目3−3 −102 (72)発明者 吉田 博 広島県安芸郡海田町寿町5−3−305 (72)発明者 神田 博史 広島県広島市東区牛田早稲田3丁目3−3 −102 (72)発明者 新宮 哲司 広島県広島市安佐南区長束1−6−5 (72)発明者 武生 英一郎 広島県広島市南区翠2丁目1−10−101 (72)発明者 村田 雄司 大阪府堺市山田3丁1007番地−2 (72)発明者 吉川 慎一 大阪府南河内郡美原町阿弥474−2 Fターム(参考) 4B018 MD42 ME06 4C086 AA01 AA02 DA11 MA01 MA03 MA04 MA05 MA52 NA09 NA14 ZA45 ZC35 ZC37 4C091 AA01 BB06 CC01 DD01 EE06 FF02 GG01 HH04 KK01 LL03 LL06 MM03 NN01 PA02 PA05 PB04 QQ01 RR13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の一般式を有する羅漢果配糖体を含
    有する抗酸化組成物であって、ここで、該羅漢果配糖体
    は、甘味および抗酸化作用を有する、組成物: 【化1】 ここで、 R1およびR2は、独立して、直鎖状もしくは分枝状に連
    結された糖残基およびその修飾物、シクロアルキル、ハ
    ロゲン化されていてもよいアルキル、ハロゲン化されて
    いてもよいアルケニル、ハロゲン化されていてもよいア
    ルキニル、ハロゲン化もしくはアルキル化されていても
    よいアリールアルキル、ハロゲン化されていてもよいア
    リールアルケニル、ハロゲン化されていてもよいアリー
    ルアルキニル、ハロゲン、アミノ、ホルミル、およびH
    からなる群から選択される;ただし、R1およびR2のう
    ちの少なくとも一方は糖残基またはその修飾物である;
    ただし、該羅漢果配糖体が11−オキソ−モグロサイド
    Vである場合は、該組成物中のモグロサイドIV、モグ
    ロサイドV、シアメノサイドI、および11−オキソ−
    モグロサイドVの合計に対する11−オキソ−モグロサ
    イドVの割合が、天然物中の該割合よりも高い。
  2. 【請求項2】 前記糖残基およびその修飾物が、α−D
    −グルコピラノシル(α−D−Glc)、β−D−グル
    コピラノシル(β−D−Glc)、β−D−ガラクトピ
    ラノシル(α−D−Gal)、α−D−ガラクトピラノ
    シル(β−D−Gal)、α−D−フルクトピラノシル
    (α−D−Fru)、およびβ−D−フルクトピラノシ
    ル(β−D−Fru)、ならびにそれらの組み合わせ、
    ならびにそれらの修飾物からなる群より選択される単位
    糖を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 R1が、直鎖状または分枝状に連結され
    た−(β−D−Glc)mまたはその修飾物であり、m
    は0〜5の任意の整数であり、R2が、直鎖状または分
    枝状に連結された−(β−D−Glc)nまたはその修
    飾物であり、nは0〜5の任意の整数であるが、ただし
    m+nは1以上である、請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 R1が−β−D−Glcまたは−β−D
    −Glc−β−D−Glcであり、R2が−β−D−G
    lc−β−D−Glcまたは 【化2】 である、請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記羅漢果配糖体が11−オキソ−モグ
    ロサイドVである、請求項4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 医薬品、食品、または飼料のいずれかで
    ある、請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 医薬品であって、さらに、担体を含有す
    る、請求項6に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 医薬品、食品、または飼料を製造する方
    法であって、請求項1に記載の組成物を添加する工程を
    包含する、方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法により得られる、
    医薬品、食品、または飼料。
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