JP2001319322A - 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法

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JP2001319322A
JP2001319322A JP2001050152A JP2001050152A JP2001319322A JP 2001319322 A JP2001319322 A JP 2001319322A JP 2001050152 A JP2001050152 A JP 2001050152A JP 2001050152 A JP2001050152 A JP 2001050152A JP 2001319322 A JP2001319322 A JP 2001319322A
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lubricant
magnetic
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JP2001050152A
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Yukikazu Ochi
幸和 大地
Taiji Shinokawa
泰治 篠川
Yasuhiro Nishizawa
康弘 西澤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性、走行性に優れ、信頼性の高い磁気記
録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性基板(1)、磁性層(2)、保護層
(3)、バックコート層(4)、滑剤層(6a,6b)を有する磁気
記録媒体であって、バックコート層上に形成された潤滑
剤層(6a)中の潤滑剤が、含フッ素カルボン酸から選ばれ
る少なくとも1種の化合物と、含フッ素モノエステルお
よびフルオロポリエーテル系化合物から選ばれる少なく
とも1種の化合物とを含んで成る磁気記録媒体(10)を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体、特
に、高密度磁気記録に適した強磁性金属薄膜を磁性層と
する金属薄膜型磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録分野においては、より多
くの情報を記録し得る、より小型の磁気記録媒体が要求
されている。
【0003】この要求を満たす1つの方法として、強磁
性金属が蒸着されて成る強磁性金属薄膜で磁性層を構成
し、磁性層そのものを高密度記録に適したものにする方
法がある。そのような方法によって構成される磁気記録
媒体は一般に金属薄膜型磁気記録媒体または高密度磁気
記録媒体と称されている。
【0004】また、前記要求を満たす別法として、磁気
記録媒体をより薄くし、所定寸法のパッケージにより多
くの磁気記録媒体が収納されるようにする方法がある。
この方法によれば、省資源および低コストといった効果
ももたらされる。
【0005】磁気記録媒体を薄くする最も効果的な方法
は、磁気記録媒体の厚さの多くを占める非磁性基板の厚
さを薄くすることである。しかし、非磁性基板の厚さを
小さくすると、磁気記録媒体の剛性が小さくなり、実用
上問題が生じる場合がある。
【0006】そこで、例えば日本国特開平7−3724
4号公報、日本国特開平7−85466号公報、日本国
特開平10−27328号公報および日本国特開平10
−105941号公報等に記載されているように、非磁
性基板の磁性層が形成されている面とは反対の面に、金
属の蒸着層がバックコート層として形成され、このバッ
クコート層によって剛性を確保した磁気記録媒体が提案
されている。
【0007】非磁性基板の一方の面に磁性層が、他方の
面にバックコート層が形成された高密度磁気記録媒体の
一例を、図3を参照して説明する。
【0008】図3に示す高密度磁気記録媒体(100)
は、非磁性基板(11)の一方の面に形成された磁性層
(12)、磁性層(12)の上に形成された保護層(13)、
および保護層(13)の上に形成された潤滑剤層(15)、
ならびに非磁性基板(11)の他方の面に形成されたバッ
クコート層(14)、およびバックコート層(14)の上に
形成された潤滑剤層(16)を有する磁気テープである。
【0009】非磁性基板(11)はポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリパラテトラア
ミド(以下、順にPET、PEN、PPTAと略する場
合がある)等の非磁性体から成る。これらの材料から成
る非磁性基板の磁性層と接する側の面には、一般に、S
iO2もしくはZnO等の無機物質から成る超微粒子、
またはイミド等の有機物質から成る超微粒子が、分散し
て固着している。非磁性基板(11)の厚さは一般に約2
〜7μmである。
【0010】磁性層(12)は強磁性金属薄膜である。磁
性層(12)は、例えばCo、NiもしくはFeのような
強磁性金属、またはこれらを主成分とする合金から成
る。磁性層(12)は単層または多層構造を有する。磁性
層(12)は、例えば連続的に金属蒸気の入射角を変化さ
せる斜方蒸着法等によって形成される。斜方蒸着を酸素
雰囲気下で実施すると、磁性層は酸素を含むものとな
る。あるいは、磁性層(12)は垂直磁化膜である。垂直
磁化膜は、例えばCo−CrまたはCoを必要に応じて
酸素雰囲気中で傾斜蒸着させることにより形成される。
磁性層(12)の厚さは一般に30〜300nmである。
【0011】保護層(13)は、外から加えられる力等に
よって磁性層(12)がダメージ(損傷)を受けることを
防止するために形成される。保護層(13)を構成する材
料は、例えばダイヤモンドライクカーボンのような硬度
の大きい物質である。保護層(13)の厚さは一般に1〜
50nmである。
【0012】バックコート層(14)は、適当な金属を例
えば蒸着させて形成した金属薄膜、または適当な金属を
酸素存在下で例えば蒸着させて形成した酸化金属薄膜、
あるいは炭素粒子を含むバインダーを塗布して形成した
炭素膜である。
【0013】潤滑剤層(15)は、磁気記録媒体の走行性
を向上させるために形成される。潤滑剤層(15)は、例
えばフッ素系潤滑剤等が塗布されて形成された層であ
る。潤滑剤層(15)の厚さは一般に0.05〜50nmで
ある。
【0014】図3に示すように、潤滑剤層はバックコー
ト層の表面にも形成されることがある。潤滑剤層(16)
は磁気記録媒体の走行性を改善するために設けられる。
バックコート層の表面に潤滑剤層を形成することは、例
えば、日本国特開平10−105941号公報に記載さ
れている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来か
ら、種々多様な磁気記録媒体が提案され、実用に供され
ている。しかし、磁気記録媒体は、これを磁気記録テー
プとして使用する場合、ビデオデッキ等の走行系部材か
ら大きな摩擦力を受けるため、金属薄膜から成るバック
コート層は、その表面に潤滑剤層が形成されている場合
でも依然として摩耗されやすい。そのため、バックコー
ト層表面に設ける潤滑剤層を更に改善して、磁気記録媒
体の耐久性、走行性および耐食性等をより向上させるこ
とが望まれている。
【0016】本発明はかかる実情に鑑みてなされたもの
であり、非磁性基板の一方の面に磁性層を、他方の面に
バックコート層を有する高密度磁気記録媒体を磁気記録
テープとして使用する場合に、磁気記録媒体の走行耐久
性を向上させ、実用信頼性をより向上させることを課題
とする。本発明はこの課題を解決するためになされたも
のである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、非磁性基板、非磁性基板の一方の面に形
成された磁性層、非磁性基板の他方の面にバックコート
層として形成された金属薄膜、およびバックコート層の
上に形成された潤滑剤層を有する磁気記録媒体であっ
て、当該潤滑剤層が、一般式(a)で示される化合物か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物、ならびに一般式
(b)で示される化合物および一般式(c)で示される
化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む潤滑
剤を含む磁気記録媒体を提供する:
【化7】 (式中、Rは脂肪族アルキル基または脂肪族アルケニ
ル基を示し、Rはフルオロアルキル基、またはフルオ
ロエーテル基もしくはフルオロポリエーテル基を示し、
aは0または1であり、bは0から20の整数である)
【化8】 (式中、Rはフルオロアルキル基、フルオロエーテル
基、またはフルオロポリエーテル基を示し、Rは脂肪
族アルキル基または脂肪族アルケニル基を示し、cは0
〜20の整数である)
【化9】 (式中、Xは−OH、−COOH、−COOR、また
は−OCORであり、ここでRは脂肪族アルキル基
または脂肪族アルケニル基を示し、iおよびjは1以上
の整数であり、hは0〜12の整数である)。
【0018】本発明の磁気記録媒体は、金属薄膜である
バックコート層によってその剛性が確保される。さら
に、バックコート層の上に形成される潤滑剤層を構成す
る化合物の種類を上記のように特定することで、ビデオ
デッキおよびカッセトデッキ等の走行系部材との摩擦等
に起因する磁気記録媒体のバックコート層の摩耗が低減
または防止される。したがって、本発明の磁気記録媒体
は、厳しい環境下においても優れた走行性および耐久性
を示す。
【0019】本発明の磁気記録媒体の1つの好ましい態
様においては、バックコート層の上に保護層が形成さ
れ、保護層の上に潤滑剤層が形成されている。バックコ
ート層の上に保護層を設けることにより、外からの力に
起因するバックコート層のダメージを防止できる。
【0020】バックコート層の上に形成された保護層
は、好ましくはダイヤモンドライクカーボンから成る。
ダイヤモンドライクカーボンは適当な硬度を有するた
め、走行系部材を損傷することなく磁気記録媒体の損傷
を有効に抑制する。
【0021】バックコート層の上に形成されたダイヤモ
ンドライクカーボンから成る保護層は、好ましくはその
表層部が含窒素プラズマ重合膜である。含窒素プラズマ
重合膜が存在することにより、潤滑剤層中の潤滑剤の保
護層への化学吸着力が向上する。
【0022】本発明の磁気記録媒体の1つの好ましい態
様においては、磁性層の上に保護層が形成され、潤滑剤
層が保護層の上に形成され、当該潤滑剤層が上記一般式
(a)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物、ならびに一般式(b)で示される化合物および
一般式(c)で示される化合物から選ばれる少なくとも
1種の化合物を含む潤滑剤を含む。この好ましい態様に
おいては、バックコート層および磁性層の双方の上方
に、特定の化合物を含む潤滑剤を含む潤滑剤層が形成さ
れ、特定の化合物が磁気記録媒体の露出表面に存在す
る。そのような露出表面を有する磁気記録媒体は、より
優れた走行性を示す。
【0023】本発明の磁気記録媒体の1つの好ましい態
様において、バックコート層を構成する金属は非磁性金
属である。非磁性金属は、磁性層の磁性に悪影響を及ば
さないことから好ましく用いられる。
【0024】本発明の磁気記録媒体の1つの好ましい態
様において、バックコート層は金属を蒸着することによ
り形成されたものである。金属の蒸着により形成される
膜は、薄くても強度が高く、剛性が大きい。さらに好ま
しくは、バックコート層は、酸素雰囲気中で金属を蒸着
することにより形成されたものである。そのようなバッ
クコート層は、より剛性が大きい。
【0025】本発明の磁気記録媒体の1つの好ましい態
様において、磁性層は強磁性金属薄膜である。即ち、本
発明は高密度記録媒体に好ましく適用される。
【0026】強磁性金属薄膜は、好ましくはキャン状回
転体またはベルト状支持体上で支持された非磁性基板上
に強磁性金属が斜方蒸着されて形成されたものである。
そのように形成された磁性層は、優れた磁気特性を示
し、高密度記録に適している。
【0027】さらに、本発明の磁気記録媒体の好ましい
態様には、上記本発明の磁気記録媒体の好ましい態様の
特徴部分を2またはそれ以上組み合わせたものが含まれ
る。そのような磁気記録媒体は、各態様の特徴を併せ持
つため、より優れた性能を有する。
【0028】本発明はまた、本発明の磁気記録媒体の製
造方法を提供する。本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、バックコート層の上に潤滑剤層を形成する工程が、
炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒との混合有機溶媒に
潤滑剤を溶解して調製した塗布液を、バックコート層の
上に塗布すること含む。バックコート層の上に保護層が
形成されている場合、塗布液は保護層の上に塗布され
る。この製造方法は、バックコート層の上またはバック
コート層の上に形成された保護層の上に潤滑剤層を形成
する工程に特徴を有する。この製造方法によれば、バッ
クコート層の上またはバックコート層の上に形成された
保護層の上に、薄い潤滑剤層が均一に形成される。
【0029】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、好ま
しくはバックコート層を蒸着法により形成することを含
む。バックコート層を蒸着法により形成すれば、薄くて
も強度が高く、剛性の大きい膜をバックコート層とする
ことができる。
【0030】バックコート層は、より好ましくは酸素雰
囲気下で金属を蒸着させることにより形成される。バッ
クコート層の剛性をより大きくするためである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。以下の説明を含む本明細書において、磁気記録媒
体の構成に関して、磁気記録媒体を構成する各層または
膜の「表面」とは、各層または膜が形成されたときに露
出している面、即ち、各層または膜の非磁性基板から遠
い側の面を意味する。磁気記録媒体の構成に関して、磁
気記録媒体を構成する各層または膜の「上に」というと
きは、特に断りのない限り、各層または膜の「非磁性基
板から遠い側の面の上に」を意味する。したがって、例
えば、「バックコート層の上に」というときは、「バッ
クコート層の非磁性基板から遠い側の面に隣接する位置
に」を意味する。また、各層または膜の「上方に」とい
うときは、各層または膜から「非磁性基板から遠ざかる
方向に離れた位置に」を意味する。
【0032】本明細書において、磁気記録媒体の「磁性
層側表面」とは、磁気記録媒体の露出表面であって、磁
性層の上もしくは上方に形成された層または膜の露出表
面をいう。したがって、例えば、磁性層の上に保護層が
形成され、保護層の上に潤滑剤層が形成されている場
合、当該潤滑剤層の露出表面が「磁性層側表面」に相当
する。磁気記録媒体の「バックコート層側表面」とは、
磁気記録媒体の露出表面であって、バックコート層の上
もしくは上方に形成された層または膜の露出表面をい
う。本発明の磁気記録媒体はバックコート層の上または
バックコート層の上に形成された保護層の上に潤滑剤層
が形成されているため、当該潤滑剤層の露出表面が「バ
ックコート層側表面」に相当する。
【0033】本明細書においては、非磁性基板の磁性層
を形成する側の面を「前面」と、バックコート層を形成
する側の面を「背面」と称する場合がある。さらに、非
磁性基板の前面を基準面としたときに、その上または上
方に形成される層を前面側にある層と呼ぶことがあり、
非磁性基板の背面を基準面としたときに、その上または
上方に形成される層を背面側にある層と呼ぶことがあ
る。
【0034】図1および図2はそれぞれ、本発明の磁気
記録媒体の一例の断面を模式的に示したものである。図
1に示す磁気記録媒体(10)は、図3に示す磁気記録媒
体と同様、非磁性基板(1)の一方の面(即ち前面)に
形成された磁性層(2)、磁性層(2)の上に形成され
た保護層(3)、保護層(3)の上に形成された潤滑剤
層(6b)、非磁性基板(1)の他方の面(即ち背面)
に形成されたバックコート層(4)、およびバックコー
ト層(4)の上に形成された潤滑剤層(6a)を有す
る。図2に示す磁気記録媒体(20)はバックコート層
(4)の上に形成された保護層(7)をさらに有し、滑
剤層(6a)は保護層(7)の上に形成されている。
【0035】本明細書においては、バックコート層の上
に形成された潤滑剤層と磁性層の上方に形成された潤滑
剤層とを区別するために、前者を「背面側潤滑剤層」
と、後者を「前面側潤滑剤層」と呼ぶことがある。さら
に、図2に示すように、バックコート層の上に保護層が
形成される場合には、その保護層を「背面側保護層」と
呼び、磁性層の上に形成された保護層を「前面側保護
層」と呼ぶことがある。
【0036】前面側潤滑剤層および前面側保護層は、非
磁性基板の磁性層を形成する面の上方に形成されたもの
であるから、それぞれ「磁性層側潤滑剤層」および「磁
性層側保護層」と呼ぶこともできる。背面側潤滑剤層お
よび背面側保護層は、非磁性基板のバックコート層を形
成する面の上方に形成されたものであるから、それぞれ
「バックコート層側潤滑剤層」および「バックコート層
側保護層」と呼ぶこともできる。
【0037】本発明の磁気記録媒体は、背面側潤滑剤層
(6a)が特定の含フッ素化合物を2種以上含むことを
特徴とする。そこで、背面側潤滑剤層(6a)について
最初に説明する。
【0038】背面側潤滑剤層(6a)は、上記一般式
(a)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物、ならびに上記一般式(b)および(c)で示さ
れる化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む
潤滑剤を含む。背面側潤滑剤層(6a)は、これらの特
定の化合物に加え、必要に応じて他の既知の潤滑剤、防
錆剤、および/または極圧剤等を含んでもよい。
【0039】一般式(a):
【化10】 で示される化合物は、一分子内に、1)1個の含フッ素
末端基、すなわちフルオロアルキル末端基またはフルオ
ロエーテル末端基もしくはフルオロポリエーテル末端
基;2)1個の脂肪族炭化水素末端基、すなわちアルキ
ル末端基またはアルケニル末端基;3)1個のカルボキ
シル基;および4)1個のエステル結合を有する構造の
含フッ素カルボン酸である。
【0040】一般式(a)において、Rはアルキル基
またはアルケニル基である。Rの炭素数は6〜30で
あることが好ましく、10〜24であることがより好ま
しい。炭素数が6未満である場合、または炭素数が30
である場合、当該化合物が呈する潤滑性能が低下するこ
とがある。
【0041】一般式(a)において、Rはフルオロア
ルキル基またはフルオロエーテル基もしくはフルオロポ
リエーテル基である。Rがフルオロアルキル基である
場合、その炭素数は1〜12であることが好ましく、6
〜10であることがより好ましい。フルオロアルキル基
はパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
【0042】Rがフルオロエーテル基またはフルオロ
ポリエーテル基である場合、その分子量は約200〜約
6000であることが好ましく、約300〜約4000
であることがより好ましい。分子量が200未満である
場合または6000を超える場合には、磁気記録媒体の
潤滑性及び信頼性が低下する場合がある。また、フルオ
ロエーテル基またはフルオロポリエーテル基は、パーフ
ルオロエーテル基またはパーフルオロポリエーテル基で
あることが好ましい。
【0043】一般式(a)において、aは0または1で
ある。bは0から20の整数であり、好ましくは0から
12の整数である。
【0044】Rがフルオロエーテル基またはフルオロ
ポリエーテル基である場合、Rは一般式(d)、
(e)及び(f)のいずれかで示されるものであること
が好ましい。
【0045】一般式(d):
【化11】 において、kは1以上の整数であり、好ましくは1〜8
の整数である。
【0046】一般式(e):
【化12】 において、pおよびqは1以上の整数である。pおよび
qはそれぞれ、1〜30であることが好ましく、1〜8
であることがより好ましい。
【0047】一般式(e)において−(OCF(CF3)
CF2P(OCF2q−で示される部分は、2種のオキ
シフルオロアルキレン単位が共重合している部分に相当
し、pおよびqは共重合体中の各オキシフルオロアルキ
レン単位の数を示す。オキシフルオロアルキレン単位
(OCF(CF3)CF2)とオキシフルオロアルキレン単
位(OCF2)から成る共重合体は、p個の(OCF(C
3)CF2)のブロックとq個の(OCF2)のブロック
とから成るブロック共重合体もしくは他のブロック共重
合体、ランダム共重合体、または交互共重合体であって
よい。したがって、一般式(e)で示される基は、−
(OCF(CF3)CF2p(OCF2q−で示される部
分がブロック共重合体、ランダム共重合体および交互共
重合体であるものを含む。
【0048】一般式(f):
【化13】 において、Rはフルオロアルキル基を示し、mは1か
ら6の整数であり、nは1から30の整数である。R
は、好ましくはパーフルオロアルキル基である。R
炭素数は好ましくは1〜30であり、より好ましくは1
〜8である。nは、より好ましくは1〜8の整数であ
る。
【0049】一般式(d)、(e)および(f)におけ
るk、pおよびqならびにmおよびnが上記の範囲外で
ある場合、磁気記録媒体の潤滑性および保存信頼性が低
下することがある。
【0050】一般式(a)で示される化合物は、アルキ
ル無水コハク酸またはアルケニル無水コハク酸と、一般
式がR2(CH2bOHで示されるアルコール(式中、
およびbは一般式(a)におけるRおよびbに相
当する。)とを適当な溶媒中で混合加熱撹拌することに
より生成できる。加熱は60〜100℃の範囲内で実施
することが好ましい。より好ましい加熱温度の範囲は8
0〜90℃である。加熱温度が60℃未満であると未反
応物が残りやすい。100℃を超えると副生成物が生成
される傾向にある。
【0051】無水コハク酸とアルコールとの反応は、溶
媒の存在下で加熱撹拌することにより有利に進行する。
溶媒は、例えばオクタン(n−C818)またはヘプタ
ン(n−C716)である。無水コハク酸とアルコール
の混合モル比は、1:1とすることが好ましい。反応終
了後、減圧蒸留により溶媒を除去し、更に未反応の反応
物を有機溶媒で抽出して除去することにより、目的化合
物である含フッ素カルボン酸を単離することができる。
この化合物は、赤外分光分析(IR)、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ(GPC)および有機質量分析
(FD−MS)により同定することが可能である。
【0052】一般式(a)で示される化合物の合成方法
は、米国特許明細書第1902885号、日本国特開昭
61−257226号公報および日本国特開2000−
16968号公報において詳細に記載されており、これ
らの公報に記載された内容は、この引用により本発明の
明細書の一部を構成する。
【0053】一般式(b):
【化14】 で示される化合物は、同一分子内に1個の含フッ素末端
基、すなわちフルオロアルキル末端基、フルオロエーテ
ル末端基またはフルオロポリエーテル末端基と、1個の
脂肪族炭化水素末端基、すなわち脂肪族アルキル末端基
または脂肪族アルケニル末端基と、1個のエステル結合
を有する構造の含フッ素モノエステルである。
【0054】一般式(b)において、Rはフルオロア
ルキル基、フルオロエーテル基、またはフルオロポリエ
ーテル基である。
【0055】Rがフルオロアルキル基である場合、そ
の炭素数は1〜12であることが好ましく、6〜10で
あることがより好ましい。フルオロアルキル基は、直鎖
状および枝分れ鎖のいずれであってもよい。フルオロア
ルキル基はパーフルオロアルキル基であることが好まし
い。フルオロアルキル基は、具体的には、パーフルオロ
へキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオ
クチル基、パーフルオロノニル基、またはパーフルオロ
デシル基であることが好ましい。
【0056】Rがフルオロエーテル基またはフルオロ
ポリエーテル基である場合、その分子量は約200〜約
6000であることが好ましく、約300〜約4000
であることがより好ましい。分子量が200未満である
場合または6000を超える場合、磁気記録媒体の潤滑
性および信頼性が低下することがある。フルオロエーテ
ル基またはフルオロポリエーテル基は、パーフルオロエ
ーテル基またはパーフルオロポリエーテル基であること
が好ましい。
【0057】Rがフルオロエーテル基またはフルオロ
ポリエーテル基である場合、Rは上記一般式(a)の
と同様、上記一般式(d)、(e)および(f)の
いずれかで示されるものであることが好ましい。
【0058】一般式(b)において、cはメチレン(−
CH2−)の数に相当する。cは好ましくは0〜20の
整数であり、より好ましくは0〜12の整数である。一
般式(b)で示される化合物にメチレン鎖が存在しない
場合でも、この化合物を含む潤滑剤の性能に悪影響が及
ぶことはない。したがって、cは0を含む。
【0059】一般式(b)において、Rは脂肪族アル
キル基または脂肪族アルケニル基である。Rの炭素数
は6〜30であることが好ましく、10〜24であるこ
とがより好ましい。炭素数が6未満である場合、または
30を超える場合には、潤滑性能が低下することがあ
る。Rは直鎖状および枝分れ鎖のいずれであってもよ
い。Rは、具体的には、ドデシル基、トリデシル基、
テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘ
プタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシ
ル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、1−ドデセニル
基、1−トリデセニル基、1−テトラデセニル基、1−
ペンタデセニル基、1−ヘキサデセニル基、1−へプタ
デセニル基、1−オクタデセニル基、1−ノナデセニル
基、1−イコセニル基、1−ヘンイコセニル基および1
−ドコセニル基のいずれかであることが好ましい。
【0060】一般式(b)で示される化合物は、含フッ
素アルコールと脂肪酸とを反応させることにより合成で
きる。この反応は、含フッ素アルコールおよび脂肪酸
を、触媒の存在下で、溶媒中にて加熱しながら混合攪拌
すると、都合良く進行させることができる。溶媒とし
て、ヘプタン、オクタンまたはトルエンを用いることが
好ましい。また、加熱温度が低いと未反応物が多量に残
る傾向にあり、加熱温度が高いと副生成物が生成される
傾向にある。したがって、加熱温度は、80〜150℃
とすることが好ましく、120〜130℃とすることが
より好ましい。触媒は、酸触媒であることが好ましく、
例えば、p−トルエンスルホン酸を用いることができ
る。
【0061】一般式(c):
【化15】 で示される化合物は、フルオロポリエーテル系化合物で
ある。当該フルオロポリエーテル系化合物の分子量は、
約1000〜約20000であることが好ましく、約1
000〜約4000であることがより好ましい。
【0062】一般式(c)におけるXは、水酸基、カル
ボキシル基、アルコキシカルボニル基(−COOR
またはアシルオキシル基(−OCOR)である。
【0063】Xが−COORまたは−OCORであ
る場合、Rは脂肪族アルキル基または脂肪族アルケニ
ル基である。Rの炭素数は1〜24であることが好ま
しく、12〜20であることがより好ましい。Rは、
具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、ノナデシル基およびイコシル基の
いずれかであることが好ましい。
【0064】一般式(c)において、iおよびjは1以
上の整数である。iおよびjはそれぞれ、1〜30の整
数であることが好ましく、1〜8の整数であることがよ
り好ましい。hは0〜12の整数であり、好ましくは0
〜6の整数である。
【0065】一般式(c)において−(OC24
i(OCF2j−で示される部分は、2種のオキシフル
オロアルキレン単位が共重合している部分に相当し、i
およびjは共重合体中の各オキシフルオロアルキレン単
位の数を示す。オキシフルオロアルキレン単位(OC2
4)とオキシフルオロアルキレン単位(OCF2)から
成る共重合体は、i個の(OC24)のブロックとj個
の(OCF2)のブロックとから成るブロック共重合体
もしくは他のブロック共重合体、ランダム共重合体、ま
たは交互共重合体であってよい。したがって、一般式
(c)で示される化合物には、−(OC24i(OC
2j−で示される部分がブロック共重合体、ランダム
共重合体および交互共重合体であるものを含む。
【0066】一般式(c)で示される化合物に相当する
ものとしては、Ausimont社製のFomblin Z Dol(商品
名)およびFomblin Z Diac(商品名)がある。Fomblin
Z Dolは、一般式(c)において、Xが水酸基であ
り、hが1〜11の整数、iが1〜15の整数、および
jが1〜15の整数で示される化合物に相当する。Fomb
lin Z Diacは、一般式(c)において、Xがカルボキ
シル基であり、hが0〜10の整数、iが1〜15の整
数、およびjが1〜15の整数で示される化合物に相当
する。
【0067】分子の両末端にアルコキシカルボニル基を
有するフルオロポリエーテル系化合物は、分子の両末端
にカルボキシル基を有するパーフルオロエーテル系化合
物(例えば、前述のFomblin Z Diac(商品名))とR5
OHで示されるアルコールをエステル化反応させること
により生成できる。
【0068】分子の両末端にアシルオキシル基を有する
フルオロポリエーテル系化合物は、分子の両末端に水酸
基を有するパーフルオロエーテル系化合物(例えば、前
述のFomblin Z Dol(商品名))とR5COOHで示さ
れるカルボン酸をエステル化反応させることにより生成
できる。
【0069】あるいは、一般式(c)で示される化合物
は、所定の骨格を有する炭化水素ポリエーテルをフッ化
水素掃去剤の存在下で直接フッ素化法によりフッ素化し
て両末端が酸フルオライド(−COF)に変性したフル
オロポリエーテル系化合物を得、これを所定の反応に付
して分子の両末端に所定の基を結合させることにより生
成できる。炭化水素ポリエーテルの骨格は、一般式
(c)のh、i、およびjに基づいて選択される。
【0070】末端が酸フルオライドであるフルオロポリ
エーテル系化合物を加水分解すると、両末端にカルボキ
シル基が結合したものが得られる。このカルボキシル基
を有するフルオロポリエーテル系化合物を還元するとカ
ルボキシル基が−CH2OHとなり、水酸基を有するフ
ルオロポリエーテル系化合物が得られる。カルボキシル
基を有するフルオロポリエーテル系化合物をアルコール
と反応させれば、両末端にアルコキシカルボニル基が結
合した化合物を得ることができる。水酸基を有するフル
オロポリエーテル系化合物をカルボン酸と反応させれ
ば、両末端にアシルオキシル基が結合した化合物を得る
ことができる。
【0071】炭化水素ポリエーテル系化合物を直接フッ
素化する方法は、日本国特公平7−64929号公報に
おいて詳細に説明されている。実際の製造に際しては当
該公報の記載を参照することができる。当該公報に開示
された内容はこの引用により本明細書の一部を構成す
る。
【0072】本発明の磁気記録媒体の背面側潤滑剤層
(6a)に含まれる潤滑剤は、一般式(a)で示される
化合物から選ばれる化合物と、一般式(b)で示される
化合物および一般式(c)で示される化合物から選ばれ
る化合物とを含む。したがって、本発明においては: (1)一般式(a)で示される化合物と一般式(b)で
示される化合物を含み、一般式(c)で示される化合物
を含まない潤滑剤; (2)一般式(a)で示される化合物と一般式(c)で
示される化合物を含み、一般式(b)で示される化合物
を含まない潤滑剤;または (3)一般式(a)で示される化合物、一般式(b)で
示される化合物、および一般式(c)で示される化合物
を含む潤滑剤が用いられる。
【0073】背面側潤滑剤層(6a)に含まれる潤滑剤
は、一般式(a)で示される化合物と、一般式(b)で
示される化合物および/または一般式(c)で示される
化合物とを、好ましくは重量比で2:8〜8:2の割合
で含み、より好ましくは4:6〜7:3の割合で含む。
潤滑剤が、一般式(b)で示される化合物および一般式
(c)で示される化合物をともに含む場合(即ち、上記
(3)の潤滑剤において)、前者と後者の割合は、重量
比で3:7〜7:3であることが好ましい。各化合物
は、好ましくは混合された状態で背面側潤滑剤層(6
a)に含まれる。
【0074】背面側潤滑剤層(6a)は、先に述べたよ
うに、一般式(a)〜(c)で示される化合物以外に、
他の潤滑剤、防錆剤および/または極圧剤等を含んでよ
い。その場合、一般式(a)で示される化合物と一般式
(b)で示される化合物および/または一般式(c)で
示される化合物とを合わせた量は、それらと他の潤滑剤
等とを合わせた全体の量の40重量%以上であることが
好ましく、60重量%以上であることがより好ましい。
一般式(a)で示される化合物と一般式(b)で示され
る化合物および/または一般式(c)で示される化合物
とを合わせた量が40重量%未満であると、本発明の効
果を得ることが難しい。
【0075】一般式(a)で示される化合物と一般式
(b)で示される化合物および/または一般式(c)で
示される化合物は合わせて、潤滑剤層の表面1m2当た
り、好ましくは0.05〜100mg、より好ましくは
0.1〜50mg存在するように、背面側潤滑剤層(6
a)に含まれる。
【0076】背面側潤滑剤層(6a)の厚さは、0.0
5〜50nmであることが好ましく、1〜10nmであるこ
とがより好ましい。背面側潤滑剤層(6a)の厚さが
0.05nm未満であると、バックコート層側表面の摩擦
係数が大きくなり、テープ全体の走行性が悪くなること
がある。その結果、前面側保護層(3)が損傷されるお
それがある。背面側潤滑剤層(6a)の厚さが50nmを
超えると走行不良が生じるため好ましくない。
【0077】次に背面側潤滑剤層(6a)の形成方法を
説明する。背面側潤滑剤層(6a)の形成工程は、炭化
水素系溶媒とアルコール系溶媒との混合有機溶媒に潤滑
剤を溶解して調製した塗布液をバックコート層の上(後
述のように背面側保護層を設ける場合には背面側保護層
の上)に塗布すること、ならびに塗布した塗布液を乾燥
して混合有機溶媒を蒸発させることを含む。最終的に混
合有機溶媒が蒸発することにより、バックコート層の表
面(または背面側保護層の表面)には溶媒に溶解した潤
滑剤が残って潤滑剤層を形成する。したがって、塗布液
の塗布厚を大きくしても、溶媒の蒸発によりバックコー
ト層の上には均一で非常に薄い潤滑剤層が形成される。
このようにして潤滑剤層を形成することにより、少量の
潤滑剤でバックコート層の表面を均一に被覆することが
できる。
【0078】本発明で使用できる炭化水素系溶媒は、例
えば、トルエン、ヘキサン、へプタン、オクタン、ノナ
ン、キシレンおよびケトン等であり、本発明で使用でき
るアルコール系溶媒は、例えば、メチルアルコール、エ
チルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコールおよびブチルアルコール等の低級アル
コールである。混合有機溶媒は、具体的には、トルエン
とイソプロピルアルコールの混合溶媒またはヘキサンと
イソプロピルアルコールの混合溶媒であることが好まし
い。
【0079】アルコール系溶媒と炭化水素系溶媒の混合
割合は、好ましくは重量比で1:9〜9:1の範囲、よ
り好ましくは3:7〜7:3の範囲にある。アルコール
系溶媒の割合が大きすぎると塗布ムラが生じやすい。炭
化水素系溶媒の割合が大きすぎると不経済である。この
混合有機溶媒を用いることにより、バックコート層(背
面側保護層を形成する場合には背面側保護層)表面を均
一に被覆する塗布ムラのない均一な厚さの潤滑剤層が形
成される。その結果、優れた潤滑性を有する実用信頼性
の高い磁気記録媒体が得られる。
【0080】塗布液の濃度および塗布厚は、溶媒が蒸発
した後にバックコート層の上に形成される背面側潤滑剤
層が所望の厚さになるように選択する。一般には、潤滑
剤の濃度が100〜10000ppmである塗布液を、1
0〜100μmの厚さとなるように塗布することが好ま
しい。
【0081】前述の塗布液を用いて潤滑剤層を形成する
方法としては、バーコーティング法、グラビアコーティ
ング法、リバースコーティング法、ダイコーティング
法、ディッピング法およびスピンコート法等の湿式塗布
法、ならびに有機蒸着法がある。本発明においては、い
ずれの方法を採用してもよい。
【0082】塗布液を塗布した後、乾燥処理して有機溶
媒を蒸発させると、保護膜上に潤滑剤層が形成される。
乾燥処理は、加熱あるいは自然乾燥によって実施するこ
とができる。
【0083】図2に示すように、背面側潤滑剤層(6
a)は、バックコート層(4)の上に形成された保護層
(即ち、背面側保護層)(7)の上に形成してもよい。
背面側保護層(7)は、磁気記録媒体の保存性および走
行性をより向上させる。
【0084】背面側保護層(7)は、磁性層(2)上の
前面側保護層(3)を形成するために用いられる常套の
材料および方法によって、バックコート層(4)の上に
形成することができる。背面側保護層(7)は、例え
ば、スパッタリングもしくはプラズマCVD等の方法で
得られる、アモルファス状、グラファイト状もしくはダ
イヤモンド状の炭素から成る炭素膜、あるいはそれらの
炭素を混合および/または積層して形成した炭素膜であ
る。
【0085】背面側保護層(7)は、特にダイヤモンド
状の炭素、すなわちダイヤモンドライクカーボンで形成
することが好ましい。ダイヤモンドライクカーボンは適
度な硬度を有し、バックコート層側表面と接する走行系
部材を損傷することなく、磁気記録媒体の損傷を抑制す
ることから、最も好ましい材料である。
【0086】いずれの材料を用いて炭素膜を形成する場
合も、背面側保護層(7)の厚さは1〜50nmであるこ
とが好ましい。
【0087】背面側保護層(7)が炭素膜である場合、
その表層部は含窒素プラズマ重合膜であることが好まし
い。表層部が含窒素プラズマ重合膜であると、背面側保
護層(7)への潤滑剤の化学吸着力が向上する。ここ
で、「保護層の表層部」とは、背面側保護層の背面側潤
滑剤層と接する側の面を含む層を意味する。
【0088】含窒素プラズマ重合膜は、プラズマCVD
等により形成された炭素膜を含む被処理物を真空容器中
に入れ、真空容器中にプロピルアミン、ブチルアミン、
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、またはテトラ
メチレンジアミン等のアミン化合物をガス化して導入し
て炭素膜の表面をアミン化合物のガスに曝し、容器内の
圧力を0.1〜100Paに保った状態で、真空容器内
部で高周波放電を生じさせることにより形成する。炭素
膜(保護層)の表層部に含窒素プラズマ重合膜を形成す
る方法は、米国特許第5540957号および第563
7393号に開示されており、この引用によりこれらの
特許に開示された内容は本明細書の一部を構成する。
【0089】含窒素プラズマ重合膜の厚さは0.3〜3
nmであることが好ましい。0.3nm以下の場合は、潤滑
剤成分と保護層との間の化学吸着力を十分に向上させる
ことができない。3nm以上の場合は、保護層自体の保護
効果が低下する。
【0090】あるいは、背面側保護層(7)は、湿式塗
布法により形成された膜であってよい。その場合、背面
側保護層(7)は、カーボン粒子、バリウムフェライ
ト、およびポリウレタン樹脂を、適当な溶媒(例えば、
トルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒)に溶解し及
び/または分散させた塗布液を調製し、この塗布液をバ
ックコート層の上に塗布した後、乾燥して溶媒を蒸発さ
せることにより形成できる。
【0091】このように形成される背面側保護層(7)
において、カーボン粒子はバックコート層に強度を付与
し、バリウムフェライトはバックコート層のヤング率を
調節し、ポリウレタン樹脂はカーボン粒子およびバリウ
ムフェライトを結合するバインダーとしての役割を果た
す。カーボン粒子に代えて、あるいはカーボン粒子とと
もに、金属粒子、金属酸化物粒子および金属窒化物粒子
から選択される1または複数種の粒子を用いてよい。ま
た、ポリウレタン樹脂に代えて、あるいはポリウレタン
樹脂とともに、ポリエステル樹脂を用いてよい。また、
バリウムフェライトに代えて、あるいはバリウムフェラ
イトとともに硫酸バリウムおよび/または炭酸カルシウ
ムを用いてよい。湿式塗布法により形成する背面側保護
層の厚さは200〜600nm(0.2〜0.6μm)と
することが好ましい。
【0092】背面側保護層(7)の上に形成される背面
側潤滑剤層(6a)もまた、先に述べた方法に従って形
成される。その場合、混合有機溶媒に潤滑剤を溶解して
調製した塗布液は、背面側保護層(7)の表面、即ち、
バックコート層(4)と接している面とは反対の面に塗
布される。
【0093】次に、図1および図2において共通する、
非磁性基板(1)、磁性層(2)、前面側保護層
(3)、バックコート層(4)および前面側潤滑剤層
(6b)について説明する。
【0094】一般に、非磁性基板(1)は高分子から成
るフィルムである。非磁性基板(1)は常套の材料およ
び方法を用いて形成したものであってよい。バックコー
ト層(4)が磁気記録媒体に必要な剛性を確保するの
で、非磁性基板(1)の厚さは薄くてもよい。具体的に
は、非磁性基板(1)の厚さは2〜7μmであることが
好ましい。非磁性基板(1)の厚さが2μm未満である
と表面に磁性層を形成することが困難となる。非磁性基
板(1)の厚さが7μmを超えると磁気記録媒体全体に
占める非磁性基板の割合が大きくなり、高密度磁気記録
媒体としては不利である。
【0095】非磁性基板(1)の材料および構造は特に
限定されない。例えば、非磁性基板の材料は、PET、
PENおよびPPTA等から成る群から選択できる。
【0096】バックコート層(4)を蒸着により形成す
る場合には、蒸着時の加熱により非磁性基板等の熱負荷
が大きくなる。したがって、耐熱性に劣る非磁性基板を
用いると、基板が溶融あるいは変色するおそれがある。
熱負荷を軽減するためには、蒸着時の巻き取り張力を大
きくして冷却を強化すればよい。しかし、非磁性基板
(1)に磁性層(2)が形成されている場合に巻き取り
張力を大きくすると、磁性層(2)にクラックが生じる
おそれがある。クラックは非磁性基板(1)の厚さが小
さいほど生じやすい。したがって、バックコート層
(4)を高温雰囲気下で形成する場合には、PENおよ
びPPTAのような耐熱性材料から成る非磁性基板
(1)を用いることが好ましい。
【0097】磁気記録媒体の走行性を向上させるため
に、非磁性基板(1)の磁性層(2)が形成される面
(即ち、磁性層(2)と接する側の面)には超微粒子が
分散し、固着していることが好ましい。超微粒子は、好
ましくはSiO2もしくはZnO等の無機物質またはイ
ミド等の有機物質から成る直径5〜50nmの超微粒子で
ある。そのような超微粒子は、1μm2につき3〜15
0個、分散し固着していることが望ましい。超微粒子
は、非磁性基板(1)のバックコート層(4)が形成さ
れる面にも分散し、固着していてよい。そのような非磁
性基板の例は、日本国特開平9−164644号公報お
よび日本国特開平10−261215号公報等に開示さ
れている。
【0098】本発明の磁気記録媒体の磁性層(2)は、
好ましくは強磁性金属薄膜である。磁性層に適した強磁
性金属としては、Fe系金属、Co系金属、およびNi
系金属がある。本発明においてはCo系金属またはNi
系金属で磁性層を形成することが好ましい。ここで、
「Co系金属」とは、コバルト、およびコバルトを主成
分として好ましくは50原子%以上含む合金をいう。
「Fe系金属」および「Ni系金属」も同様である。
【0099】磁性層(2)は、具体的には、Fe、Co
およびNi、ならびにCo−Ni、Co−Fe、Co−
Cr、Co−Cu、Co−Pt、Co−Pd、Co−S
n、Co−Au、Fe−Cr、Fe−Co−Ni、Fe
−Cu、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Co−Ni−
Cr、Co−Pt−Cr、Fe−Co−Ni−Cr、M
n−BiおよびMn−Al等の合金から選択される1ま
たは複数の材料で形成される。強磁性金属薄膜は酸素を
含んでいてよく、酸素はこれらの金属または合金の酸化
物の形態で含まれていてよい。強磁性金属薄膜は、単層
膜の形態であってもよく、あるいは多層膜の形態であっ
てもよい。磁性層の厚さは20〜300nmとすることが
好ましい。
【0100】磁性層(2)は、例えば電子ビーム蒸着に
より形成される。磁性層(2)は、具体的には、Coも
しくはCo−Ni合金等の強磁性金属に所定範囲の入射
角で電子ビームを照射して金属を蒸発させ、これを、キ
ャン状回転体等の冷却回転支持体に沿って移動する非磁
性基板表面に付着させることにより形成される。酸素雰
囲気中で蒸着を実施すれば、酸素を含む強磁性金属薄膜
が形成される。磁性層(2)は、これ以外の方法、例え
ば、抵抗加熱法もしくは外熱るつぼ法等で金属を加熱し
て実施する蒸着、イオンプレーティング、またはスパッ
タリング等により形成することができる。
【0101】磁性層(2)は、磁性層の形成(または成
膜)速度の観点から、強磁性金属を斜方から非磁性基板
の表面に蒸着させる斜方蒸着法によって形成することが
好ましい。この場合、非磁性基板の冷却回転支持体は、
キャン状回転体またはベルト状支持体であってよい。生
産効率の点からは、蒸着領域の広いベルト状支持体を用
いることが好ましい。
【0102】前面側保護層(3)は、常套の材料および
方法で形成される。前面側保護層(3)は、好ましくは
炭素膜、特に好ましくはダイヤモンドライクカーボンか
ら成る膜である。前面側保護層(3)として好ましい炭
素膜は、背面側保護層(7)に関連して説明した炭素膜
と同じである。したがって、ここでは前面側保護層
(3)に関する詳細な説明を省略する。前面側保護層
(3)の好ましい厚さは、1〜50nmである。
【0103】前面側保護層(3)が炭素膜である場合、
その表層部は含窒素プラズマ重合膜であることが好まし
い。前面側保護層(3)の表層部に形成される含窒素プ
ラズマ重合膜は、背面側保護層(7)に関連して説明し
たとおりである。したがって、ここではその詳細な説明
を省略する。
【0104】バックコート層(4)は金属薄膜である。
バックコート層(4)は、磁性層の磁性に悪影響を及ば
さないよう、非磁性体の金属から成るものであることが
好ましい。バックコート層(4)は、例えば、Ti、C
r、Mn、Fe、Al、Cu、Zn、Sn、Ni、A
g、PbおよびCoならびにこれらの合金等から成る群
から選択される1つまたは複数の金属を用いて形成され
る。Fe、NiおよびCoは磁性体であるから、これら
を使用する場合には、酸化して非磁性体にした状態でバ
ックコート層中に存在させることが好ましい。バックコ
ート層(4)は、単層膜の形態であってもよく、あるい
は多層膜の形態であってもよい。バックコート層の厚さ
は10〜600nmとすることが好ましい。
【0105】コスト、付着速度、および金属薄膜を形成
する金属が酸化された場合の酸化後の安定性を考慮すれ
ば、バックコート層(4)は、Cu、AlもしくはZ
n、またはCu、AlもしくはZnを主成分として好ま
しくは50原子%以上含むCu系合金、Al系合金もし
くはZn系合金を用いて形成することが好ましい。
【0106】Al系合金およびその他の合金には、耐食
性および機械的強度を向上させるために添加する添加物
として、Cu、Mn、Fe、Si、MgまたはZn等、
一般的に使用されているものを任意に添加できる。
【0107】バックコート層(4)は、非磁性基板
(1)の磁性層(2)が形成される面とは反対の面に形
成される。バックコート層(4)は、好ましくは蒸着に
より形成される。あるいは、バックコート層(4)は、
スパッタリング、イオンプレーティングまたはプラズマ
CVD等によって形成してよい。
【0108】いずれの方法でバックコート層(4)を形
成する場合も、バックコート層は酸素雰囲気中で形成
し、バックコート層(4)が金属酸化物を含むようにす
ることが好ましい。金属酸化物を含むバックコート層
(4)は優れた耐食性を示す。バックコート層(4)は
金属酸化物の他に金属と結合してない酸素を含んでいて
よい。バックコート層(4)の酸素濃度は、表面に近づ
くほど高くなっていることが好ましい。バックコート層
(4)の表面により多くの酸素が含まれていると、バッ
クコート層の耐食性はより向上する。
【0109】バックコート層(4)は、非磁性基板
(1)に磁性層(2)が形成された後に形成してもよ
い。その場合、輻射熱を小さくし、磁性層(2)が形成
された非磁性基板(1)の熱負荷を小さくするために、
バックコート層(4)を形成する金属の融点は低いもの
であることが望ましい。具体的には、先に例示したA
l、Cu、Al系合金またはCu系合金を使用すること
が好ましい。
【0110】前面側潤滑剤層(6b)は、磁気記録媒体
の潤滑剤として汎用されている潤滑剤で形成してよい。
本発明においては、前面側潤滑剤層(6b)もまた、一
般式(a)で示される化合物から選択される少なくとも
1種の化合物と一般式(b)で示される化合物および一
般式(c)で示される化合物から選ばれる少なくとも1
種の化合物とを含むものであることが好ましい。その場
合、一般式(a)で示される化合物と、一般式(b)で
示される化合物および/または一般式(c)で示される
化合物との好ましい混合割合、ならびに潤滑剤層に占め
る一般式(a)〜(c)で示される化合物の好ましい割
合等は、背面側潤滑剤層(6a)に関連して説明したと
おりである。したがって、前面側潤滑剤層(6b)に関
して、それらを詳細に説明することは省略する。前面側
潤滑剤層(6b)の厚さは、背面側潤滑剤層(6a)の
それと同様、0.05〜50nmであることが好ましい。
【0111】前面側潤滑剤層(6b)は、背面側潤滑剤
層(6a)と同様の方法で形成できる。その場合、塗布
液は前面側保護層(3)の上に塗布される。1つの磁気
記録媒体において、前面側潤滑剤層(6b)および背面
側潤滑剤層(6a)を構成する潤滑剤の組成は同じであ
っても、異なっていてもよい。また、両潤滑剤層の厚さ
は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0112】磁気記録媒体が磁気テープであって、潤滑
剤層の露出表面が磁性層側表面である場合、製造中また
は使用中に磁気テープが巻回されると、前面側潤滑剤層
とバックコート層が接触し、それにより前面側潤滑剤層
の潤滑剤がバックコート層の表面に転写されることがあ
る。そのような場合に、前面側潤滑剤層に含まれる潤滑
剤が一般式(a)で示される化合物と、一般式(b)で
示される化合物および/または一般式(c)で示される
化合物とを含むものであるとき、それらの化合物を含む
背面側潤滑剤層が、独立した潤滑剤層形成工程(例えば
先に述べた湿式塗布工程)を経ることなく、バックコー
ト層の上に形成される。このような転写により形成され
る背面側潤滑剤層を有する磁気記録媒体もまた、本発明
の磁気記録媒体に含まれる。
【0113】以上において説明した本発明の磁気記録媒
体は高密度記録に適している。したがって、本発明の磁
気記録媒体は、例えば、デジタル映像記録機器用のテー
プ、およびコンピュータのデータストレージ用テープと
して有用である。
【0114】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0115】(実施例1)
【0116】図1に示す構造の磁気記録媒体を作製し
た。本実施例では、磁気記録媒体の非磁性基板(1)と
して、厚さ4.5μm、幅150mm、長さ2000mmの
PETフィルムを使用した。このフィルムの片面には、
SiO2から成る直径20nmの微粒子が1μm2当り10
0個分散し、固着していた。
【0117】このPETフィルムの微粒子が存在する側
の面に、磁性層(2)を斜方蒸着法により形成した。磁
性層(2)は、真空槽内の圧力を2×10-2Paとし、非
磁性基板(1)を冷却回転支持体であるベルト状支持体
に沿って65m/分で走行させながら、電子銃(出力1
8kW)によりるつぼ内のCoを蒸発させることによ
り、形成した。磁性層(2)の厚さは200nmとした。
【0118】次に、磁性層(2)が形成された面とは反
対の非磁性基板(1)の面に、Alを用いて蒸着法によ
り約300nmのバックコート層(4)を形成した。バッ
クコート層(4)は、真空槽内の圧力を2×10-2Paと
し、非磁性基板(1)をキャン状冷却回転支持体に沿っ
て12m/分で走行させながら、電子銃(出力5.5k
W)によりるつぼ内のAlを蒸発させることにより、形
成した。バックコート層(4)の耐食性を向上させるた
め、蒸着中に酸素を非磁性基板(1)に向けて供給し、
バックコート層(4)に酸素が含まれるようにした。
【0119】続いて、磁性層(2)の上に、ダイヤモン
ドライクカーボンから成る厚さ10nmの前面側保護層
(3)を形成した。前面側保護層(3)はメタンをイオ
ン化するプラズマCVD法により形成した。前面側保護
層(3)は、具体的には真空容器中にメタンガスとアル
ゴンガスとを4:1の比(圧力比)で混合したガスを導
入し、トータルガス圧を10Paに保ちながら、放電管
内の電極に電圧を印加することにより形成した。
【0120】次に、下記の化学式(a1)で示される化
合物と化学式(b1)で示される化合物とを1:1(重
量比)の割合で混合して潤滑剤を調製した。この潤滑剤
を、イソプロピルアルコールとトルエンとを重量比で
1:1の割合で混合した混合有機溶媒に、その濃度が2
000ppmとなるように溶解して塗布液を調製した。
この塗布液をバックコート層(4)の表面にリバースロ
ールコータを用いて湿式塗布法により約80μmの厚さ
となるように塗布した後、乾燥させた。最終的に、バッ
クコート層(4)の上には、1m2あたり5mgの潤滑
剤が含まれる厚さ5nmの背面側潤滑剤層(6a)が形
成された。さらに、背面側潤滑剤層(6a)を形成した
方法と同様の方法で、背面側潤滑剤層(6a)と同じ組
成および厚さを有する前面側潤滑剤層(6b)を前面側
保護層(3)の上に形成した。
【0121】
【化16】
【0122】
【化17】
【0123】以上のようにして作製した試料を1/4イ
ンチ幅にスリットしてテープ状の磁気記録媒体を得た。
【0124】(実施例2)上記化学式(a1)で示され
る化合物、上記化学式(b1)で示される化合物、およ
び下記化学式(c1)で示される化合物を、2:2:1
(重量比)の割合で混合して潤滑剤を調製した。この潤
滑剤を用い、実施例1と同様の方法で、背面側潤滑剤層
(6a)および前面側潤滑剤層(6b)を有する磁気記
録媒体を作製した。
【化18】
【0125】(実施例3)上記化学式(a1)で示され
る化合物と上記化学式(c1)で示される化合物とを、
1:1(重量比)の割合で混合して潤滑剤を調製した。
この潤滑剤を用い、実施例1と同様の方法で、背面側潤
滑剤層(6a)および前面側潤滑剤層(6b)を有する
磁気記録媒体を作製した。
【0126】(実施例4)図2に示す構造の磁気記録媒
体を作製した。磁気記録媒体は、バックコート層(4)
の上に背面側保護層(7)を形成し、背面側保護層
(7)の上に背面側潤滑剤層(6a)を形成したことを
除いては、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。背面側保護層(7)は、前面側保護層(3)と同様
に、真空容器中にメタンガスとアルゴンガスとを4:1
の比(圧力比)で混合したガスを導入し、トータルガス
圧を10Paに保ちながら、電圧を放電管内の電極に印
加することにより形成した。
【0127】(実施例5)背面側保護層(7)の表層部
に含窒素プラズマ重合膜(図示せず)を形成し、含窒素
プラズマ重合膜に接するように背面側潤滑剤層(6a)
を形成したことを除いては、実施例4と同様にして磁気
記録媒体を作製した。含窒素プラズマ重合膜は、背面側
保護層(7)を形成した後、真空容器中にプロピルアミ
ンガスを導入して高周波プラズマ処理を実施することに
より、背面側保護層(7)の表層部に形成した。含窒素
プラズマ重合膜の厚さは2.5nmであった。
【0128】(実施例6)実施例1と同様の方法で、非
磁性基板(1)に磁性層(2)およびバックコート層
(4)を形成し、磁性層(2)の上に前面側保護層
(3)を形成した。さらに、バックコート層(4)の上
に背面側保護層(7)を形成した。本実施例において、
背面側保護層(7)は、溶媒としてトルエンとメチルエ
チルケトンとをそれぞれ500重量部、バインダーとし
てポリウレタンを100重量部、カーボンを20重量
部、およびバリウムフェライトを60重量部混合して調
製した塗布液をバックコート層(4)の上に塗布した
後、乾燥して溶媒を蒸発させることにより形成した。背
面側保護層(7)の厚さは500nmとした。次いで、実
施例1と同様の方法で、前面側および背面側潤滑剤層
(6b,6a)を形成して磁気記録媒体を作製した。
【0129】(実施例7)実施例1と同様の方法で、非
磁性基板(1)に磁性層(2)およびバックコート層
(4)を形成し、磁性層(2)の上に前面側保護層
(3)を形成した。次に、磁性層(2)が形成された面
とは反対の非磁性基板(1)の面に、Cuを用いて蒸着
法により約100nmのバックコート層(4)を形成し
た。バックコート層(4)は、真空槽内の圧力を3×1
-2Paとし、非磁性基板(1)をキャン状冷却回転支持
体に沿って7m/分で走行させながら、電子銃(出力
6.2kW)によりるつぼ内のCuを蒸発させることに
より、形成した。次いで、実施例1と同様の方法で、前
面側および背面側潤滑剤層(6b,6a)を形成して磁
気記録媒体を作製した。
【0130】(比較例1)背面側潤滑剤層を形成しなか
ったことを除いては、実施例1と同様にして磁気記録媒
体を作製した。
【0131】(比較例2)市販のパーフルオロポリエー
テル系潤滑剤であるFomblin AM2001(商品名;Au
simont社製)を潤滑剤として使用し、この潤滑剤で前面
側および背面側潤滑剤層(6b,6a)を形成したこと
を除いては、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製
した。
【0132】(比較例3)化学式(a1)で示される化
合物のみを潤滑剤として使用し、この潤滑剤で前面側お
よび背面側潤滑剤層(6b,6a)を形成したことを除
いては、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。
【0133】(比較例4)化学式(b1)で示される化
合物のみを潤滑剤として使用し、この潤滑剤で前面側お
よび背面側潤滑剤層(6b,6a)を形成したことを除
いては、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。
【0134】(比較例5)化学式(c1)で示される化
合物のみを潤滑剤として使用し、この潤滑剤で前面側お
よび背面側潤滑剤層(6b,6a)を形成したことを除
いては、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製し
た。
【0135】(比較例6)潤滑剤を溶解する有機溶媒と
して、イソプロピルアルコールのみを用いたことを除い
ては、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0136】(比較例7)潤滑剤を溶解する有機溶媒と
して、トルエンのみを用いたことを除いては、実施例1
と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0137】実施例1〜実施例5および比較例1〜比較
例7で得られた1/4幅の磁気テープ試料について、そ
れぞれ下記の評価試験(a)〜(c)を行った。
【0138】(a)耐久性試験 RF(高周波)出力測定用に改造した市販デジタルVT
R(松下電器産業(株)製、商品名NV−DJ1)を用
い、各試料を5℃、80%RHの環境下で500パス、
500時間繰り返し再生を行った後のRF出力変化を測
定した。結果は、試験前に対する試験後の相対的な出力
変化をデシベルで示した。テープダメージは、試料の状
態を目視および微分干渉顕微鏡で観察し、5段階で評価
した。評価基準は次のとおりである。 5:実用上全く問題ない。 4:実用上問題ない。 3:実用可能であるが、改善が必要である。 2:テープダメージがひどく、実用性は殆どない。 1:テープダメージがあまりにもひどく、実用性が全く
ない。
【0139】(b)走行性試験 バックコート層側表面の動摩擦係数μkを測定した。各
試料を、巻き付け角90°で摩擦部材(ステンレス製
(SUS420J2、表面粗さ0.2S)、外径6mm)
に巻き付け、テンション0.2Nの条件で試料を18mm
/秒の速度で巻き出し、同じ速度で巻き取り、巻き取り
側においてテンションを測定した。巻き取り側のテンシ
ョンと巻き出し側のテンションとの比からオイラーの式
より動摩擦係数を計算して求めた。
【0140】(c)耐候性試験 各試料を40℃、80%RH環境下に30日間放置し
た。放置後、各試料について、スチル寿命およびヘッド
目詰まりを測定した。
【0141】スチル寿命は、スチル寿命測定用に改造し
た市販デジタルVTR(松下電器産業(株)製、商品名N
V−DJ1)を用い、3℃、5%RHの環境下で測定し
た。スチル寿命は初期から出力が6dB低下するまでの
時間(分)で示す。
【0142】ヘッド目詰まりは、RF(高周波)出力測
定用に改造した市販デジタルVTR(松下電器産業(株)
製、NV−DJ1)を用い、各試料を23℃、60%R
Hの環境下で100パス、133時間繰り返し再生を行
い、再生中のRF出力からヘッド目詰まりを測定した。
この繰り返し再生中、RF出力が6dB以上低下したと
きにヘッド目詰まりが発生したものとし、そのような低
下が測定された時間を合計した時間をヘッド目詰まりと
した。
【0143】各試験の評価結果を表1に示す。
【表1】
【0144】表1から明らかなように、比較例1〜7と
の比較において、実施例1〜6の試料の出力低下は小さ
く、かつ動摩擦係数μkは0.25以下であり走行性も
良好であった。さらに、実施例の各試料は保存後のスチ
ル寿命が長く、各試料を繰り返し走行させたときのヘッ
ド目詰まりも少ないものであった。このことは、実施例
の各試料が優れた耐候性を有することを示している。
【0145】バックコート層の表面に一般式(a)で示
される化合物と一般式(b)で示される化合物とを含む
潤滑剤層を有する実施例1および4〜6の磁気記録媒
体、バックコート層の表面に一般式(a)で示される化
合物、一般式(b)で示される化合物および一般式
(c)で示される化合物を含む潤滑剤層を有する実施例
2の磁気記録媒体、バックコート層の表面に一般式
(a)で示される化合物と一般式(c)で示される化合
物とを含む潤滑剤層を有する実施例3は、バックコート
層上に潤滑剤層が存在しない比較例1、市販のパーフル
オロエーテル系潤滑剤のみを背面側潤滑剤層に含む比較
例2、一般式(a)で示される化合物のみを背面側潤滑
剤層に含む比較例3、一般式(b)で示されるフルオロ
ポリエーテル系化合物のみを潤滑剤層に含む比較例4の
磁気記録媒体、および一般式(c)で示される化合物の
みを背面側潤滑剤層に含む比較例5と比較して、いずれ
も優れた耐久性、走行性および耐候性を示した。このこ
とは、特定の化合物を含む潤滑剤が、磁気記録媒体の性
能の向上に大きく寄与することを示している。
【0146】潤滑剤を溶解する有機溶媒としてイソプロ
ピルアルコールおよびトルエンから成る混合有機溶媒を
使用した実施例1の磁気記録媒体は、イソプロピルアル
コールのみ、またはトルエンのみを使用した比較例6お
よび7の磁気記録媒体と比較して、優れた耐久性、走行
性および耐候性を示した。
【0147】バックコート層の上に保護層を有する実施
例4〜6の磁気記録媒体については、実施例1と比較し
て耐久性および走行性に関して、より良好な結果が得ら
れた。更に、背面側保護層の表層部に含窒素プラズマ重
合膜を形成した実施例5および背面側保護層を湿式塗布
法により形成した実施例6については、含窒素プラズマ
重合膜の存在しない実施例4と比較して、走行性と耐候
性に関して、より良好な結果を得ることができた。
【0148】実施例7は、バックコート層としてCuか
ら成る薄膜を形成したものである。実施例7も実施例1
〜6と同様に、優れた耐久性、走行性および耐候性を示
した。
【0149】上記実施例1〜7で使用した潤滑剤以外の
潤滑剤として、例えば、下記の化学式(a2)、(a
3)、(a4)、(a5)および(a6)で示される化
合物から選択した少なくとも1の化合物と、下記の化学
式(b2)、(b3)、(b4)および(b5)で示さ
れる化合物ならびに下記の化学式(c1)、(c2)、
(c3)、(c4)および(c5)で示される化合物か
ら選択した少なくとも1の化合物とを混合した潤滑剤を
用いて、背面側および前面側潤滑剤層を形成した磁気記
録媒体、ならびに化学式(a1)〜(a6)で示される
化合物から選択した少なくとも1の化合物と、化学式
(b1)〜(b5)で示される化合物および化学式(c
1)〜(c5)で示される化合物から選択した少なくと
も1の化合物に加えて、公知の潤滑剤および/または防
錆剤を混合した潤滑剤で潤滑剤層を形成した磁気記録媒
体も、上記実施例と同様の効果を示した。
【0150】
【化19】
【0151】
【化20】
【0152】
【化21】
【0153】
【化22】
【0154】
【化23】
【0155】
【化24】
【0156】
【化25】
【0157】
【化26】
【0158】
【化27】
【0159】
【化28】
【0160】
【化29】
【0161】
【化30】
【0162】
【化31】
【0163】
【発明の効果】以上のように本発明は、非磁性基板の一
方の面に形成された磁性層、および非磁性基板の他方の
面に形成された金属薄膜から成るバックコート層を有す
る磁気記録媒体であって、バックコート層の上に潤滑剤
層が形成され、この潤滑剤層が、潤滑剤として、特定の
含フッ素カルボン酸から選択される少なくとも1種の化
合物と、特定の含フッ素モノエステルおよび特定のフル
オロポリエーテル系化合物から選択される少なくとも1
種の化合物とを含んでいることを特徴とする。この特徴
により本発明の磁気記録媒体は、厳しい環境下において
も優れた耐久性および走行性を示す、信頼性の高いもの
となる。
【0164】更に、バックコート層の上に保護層を形成
し当該保護層の上に潤滑剤層を形成することにより、あ
るいは保護層の表層部に含窒素プラズマ重合膜を形成し
当該含窒素プラズマ重合膜の上に潤滑剤層を形成するこ
とにより、より優れた耐久性および走行性を有する磁気
記録媒体が得られる。従って、本発明の磁気記録媒体
は、例えばテープとして使用される場合には、ビデオデ
ッキ等の再生・録画装置の走行系部材から加えられる大
きな摩擦力に十分に耐えることができ、繰り返しの使用
に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の略断面図である。
【図2】 本発明の磁気記録媒体の略断面図である。
【図3】 従来の磁気記録媒体の略断面図である。
【符号の説明】
1...非磁性基板、2...磁性層(強磁性金属薄膜)、
3...保護層、4...バックコート層、6a...背面側潤
滑剤層、6b...前面側潤滑剤層、7...背面側保護層、
10,20...磁気記録媒体、11...非磁性基板、12...磁性
層(強磁性金属薄膜)、13...保護層、14...バックコー
ト層、15,16...潤滑剤層、100...磁気記録媒体。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板、非磁性基板の一方の面に形
    成された磁性層、非磁性基板の他方の面にバックコート
    層として形成された金属薄膜、およびバックコート層の
    上に形成された潤滑剤層を有する磁気記録媒体であっ
    て、当該潤滑剤層が、一般式(a)で示される化合物か
    ら選ばれる少なくとも1種の化合物、ならびに一般式
    (b)で示される化合物および一般式(c)で示される
    化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む潤滑
    剤を含む磁気記録媒体: 【化1】 (式中、Rは脂肪族アルキル基または脂肪族アルケニ
    ル基を示し、Rはフルオロアルキル基、またはフルオ
    ロエーテル基もしくはフルオロポリエーテル基を示し、
    aは0または1であり、bは0から20の整数である) 【化2】 (式中、Rはフルオロアルキル基、フルオロエーテル
    基、またはフルオロポリエーテル基を示し、Rは脂肪
    族アルキル基または脂肪族アルケニル基を示し、cは0
    〜20の整数である) 【化3】 (式中、Xは−OH、−COOH、−COOR、また
    は−OCORであり、ここでRは脂肪族アルキル基
    または脂肪族アルケニル基を示し、iおよびjは1以上
    の整数であり、hは0〜12の整数である)。
  2. 【請求項2】 潤滑剤が上記一般式(a)で示される化
    合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、および上記
    一般式(b)で示される化合物から選ばれる少なくとも
    1種の化合物を含む請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 潤滑剤が上記一般式(a)で示される化
    合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、および上記
    一般式(c)で示される化合物から選ばれる少なくとも
    1種の化合物を含む請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 バックコート層の上に形成された保護層
    をさらに有し、潤滑剤層が保護層の上に形成されている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 保護層がダイヤモンドライクカーボンか
    ら成る請求項4に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 保護層の表層部が含窒素プラズマ重合膜
    であり、潤滑剤層が保護層の含窒素プラズマ重合膜と接
    するように形成されている請求項5に記載の磁気記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 磁性層の上に形成された保護層、および
    保護層の上に形成された潤滑剤層をさらに有する請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 磁性層の上に形成された保護層の上に形
    成された潤滑剤層が一般式(a)で示される化合物から
    選ばれる少なくとも1種の化合物、ならびに一般式
    (b)で示される化合物および一般式(c)で示される
    化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む潤滑
    剤を含む請求項7に記載の磁気記録媒体: 【化4】 (式中、Rは脂肪族アルキル基または脂肪族アルケニ
    ル基を示し、Rはフルオロアルキル基、またはフルオ
    ロエーテル基もしくはフルオロポリエーテル基を示し、
    aは0または1であり、bは0から20の整数である) 【化5】 (式中、Rはフルオロアルキル基、フルオロエーテル
    基、またはフルオロポリエーテル基を示し、Rは脂肪
    族アルキル基または脂肪族アルケニル基を示し、cは0
    〜20の整数である) 【化6】 (式中、Xは−OH、−COOH、−COOR、また
    は−OCORであり、ここでRは脂肪族アルキル基
    または脂肪族アルケニル基を示し、iおよびjは1以上
    の整数であり、hは0〜12の整数である)。
  9. 【請求項9】 潤滑剤が上記一般式(a)で示される化
    合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、および上記
    一般式(b)で示される化合物から選ばれる少なくとも
    1種の化合物を含む請求項8に記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 潤滑剤が上記一般式(a)で示される
    化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、および上
    記一般式(c)で示される化合物から選ばれる少なくと
    も1種の化合物を含む請求項8に記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 磁性層の上に形成された保護層がダイ
    ヤモンドライクカーボンから成る請求項8〜10のいず
    れか1項記載の磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 磁性層の上に形成された保護層の表層
    部が含窒素プラズマ重合膜であり、潤滑剤層が保護層の
    含窒素プラズマ重合膜と接するように形成されている請
    求項11に記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 バックコート層を構成する金属が、非
    磁性金属である請求項1〜12のいずれか1項に記載の
    磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 バックコート層が蒸着法によって形成
    されたものである請求項13に記載の磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 バックコート層が金属酸化物を含む請
    求項13または請求項14に記載の磁気記録媒体。
  16. 【請求項16】 非磁性基板が、ポリエチレンナフタレ
    ートまたはポリパラテトラアミドから成る請求項1〜1
    5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  17. 【請求項17】 磁性層が強磁性金属薄膜である請求項
    1〜16のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  18. 【請求項18】 磁性層が、キャン状回転体またはベル
    ト状支持体上で支持された非磁性基板上に強磁性金属が
    斜方蒸着されて形成されたものである請求項17に記載
    の磁気記録媒体。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか1項に記載
    の磁気記録媒体を製造する方法であって、バックコート
    層の上またはバックコート層の上に形成された保護層の
    上に潤滑剤層を形成するために、炭化水素系溶媒とアル
    コール系溶媒との混合有機溶媒に潤滑剤を溶解して調製
    した塗布液を、バックコート層の上またはバックコート
    層の上に形成された保護層の上に塗布すること含む、磁
    気記録媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項7〜18のいずれか1項に記載
    の磁気記録媒体を製造する方法であって、磁性層の上に
    形成された保護層の上に潤滑剤層を形成するために、炭
    化水素系溶媒とアルコール系溶媒との混合有機溶媒に潤
    滑剤を溶解して調製した塗布液を、保護層の上に塗布す
    ること含む、磁気記録媒体の製造方法。
  21. 【請求項21】 炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒と
    の混合割合が重量比で1:9〜9:1の範囲にある請求
    項20または請求項21に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 バックコート層を蒸着法により形成す
    ることを含む請求項19〜21のいずれか1項に記載の
    磁気記録媒体の製造方法。
  23. 【請求項23】 バックコート層を酸素雰囲気下で形成
    する請求項22に記載の磁気記録媒体の製造方法。
JP2001050152A 2000-03-01 2001-02-26 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 Pending JP2001319322A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005048135A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Sony Corp 防汚性組成物、防汚膜形成用塗料および表示装置ならびにタッチパネル

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