JP2001317476A - スクロールコンプレッサの潤滑装置 - Google Patents

スクロールコンプレッサの潤滑装置

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JP2001317476A
JP2001317476A JP2000132566A JP2000132566A JP2001317476A JP 2001317476 A JP2001317476 A JP 2001317476A JP 2000132566 A JP2000132566 A JP 2000132566A JP 2000132566 A JP2000132566 A JP 2000132566A JP 2001317476 A JP2001317476 A JP 2001317476A
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Japan
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oil
scroll
scroll compressor
casing
cleaner
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JP2000132566A
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Hideaki Nagai
秀明 永井
Junichi Oba
純一 大場
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロールコンプレッサの駆動軸の軸受部分
等にオイル供給する通路の途中でオイルの濾過を充分に
行うことにより、異物が軸受部分等に送られることを防
止し、信頼性を高める。 【解決手段】 スクロール圧縮部及びこれを駆動する駆
動軸が配設されたケーシング13内の下方部にオイルパ
ン60が設けられるとともに、オイルポンプ63により
オイルパン60から吸い上げられたオイルを被潤滑部に
送るオイル供給通路70が設けられる。このオイル供給
通路70の途中に、不織布からなるフィルターエレメン
ト62aを内蔵するオイルクリーナ62が介設されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置等に用い
られるスクロールコンプレッサにおいて軸受部分等にオ
イルを供給して潤滑を行う潤滑装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平11−93872号
公報に示されるように、ケーシング内に、固定スクロー
ル及び旋回スクロールにより構成されるスクロール圧縮
部と、このスクロール圧縮部を駆動する駆動軸とを配設
し、さらに吸入室、吐出室等を設け、吸入室から吸入し
た冷媒をスクロール圧縮部で圧縮して吐出室から送り出
すようにするとともに、ケーシング内の下方部にオイル
パン(オイル溜り)を設け、かつ、このオイルパンから
オイルポンプを介して駆動軸の軸受等の被潤滑部にオイ
ルを供給するオイル供給通路や潤滑後のオイルをオイル
パンに戻す通路等を配設したスクロールコンプレッサの
潤滑装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のスクロールコン
プレッサの潤滑装置では、オイルパンから吸い上げられ
て被潤滑部に送られるオイルを濾過する手段として、オ
イル供給通路上流端側のオイルパンへの開口部に、濾し
網を用いたオイルストレーナが設けられている程度にす
ぎない。
【0004】しかし、このようなオイルストレーナを設
けるだけでは、濾し網の網目より小さい異物はオイルス
トレーナを通過するので、100μm程度以下というよ
うな小粒度の異物を捕獲することができず、このような
異物がオイルに混入して軸受部分等の被潤滑部に送ら
れ、軸受部分等に噛み込んで、信頼性に悪影響を及ぼす
おそれがあった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑み、オイル供
給通路の途中で高度にオイルの濾過を行うことができ、
異物が軸受部分等に送られることを充分に防止し、信頼
性を高めることができるスクロールコンプレッサの潤滑
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、スクロール圧
縮部及びこれを駆動する駆動軸が配設されたケーシング
内の下方部にオイル溜りを設けるとともに、オイルポン
プにより上記オイル溜りから吸い上げたオイルを被潤滑
部に送るオイル供給通路を設けたスクロールコンプレッ
サの潤滑装置において、上記オイル供給通路の途中に、
不織布からなるフィルターエレメントを内蔵するオイル
クリーナを介設したものである。
【0007】この構造によると、オイル供給通路の途中
で、オイルクリーナによりオイルの濾過が行われる。特
に上記オイルクリーナが濾し網と比べて目の細かい不織
布からなるフィルターエレメントを内蔵していることに
より、数十μm程度の小粒度の異物も捕獲することがで
き、軸受等への異物の噛み込みによる損傷等が確実に防
止される。
【0008】本発明において、オイルクリーナは、フィ
ルターエレメントが目詰まりした場合に、フィルターエ
レメントを迂回してオイルを通過させる迂回手段を内蔵
していることが好ましい。このようにすると、フィルタ
ーエレメントが目詰まりした場合でも、被潤滑部が直ち
に潤滑不良となるようなことがない。
【0009】また、本発明において、ケーシング内に規
定量のオイルが注入されているときの運転停止状態での
ケーシング内のオイルの油面よりも下方に上記オイルク
リーナを配置することが好ましい。この場合、ケーシン
グ内に規定量のオイルが注入されたことを測定する測定
手段を備えていればよい。
【0010】このようにすると、運転が停止されて、運
転中に各部へ供給されていたオイルがオイル供給通路や
リターン用の通路からオイル溜りに戻ったときにも、オ
イルクリーナ内にはオイルが溜まった状態が維持される
ことにより、運転再開時にこのオイルクリーナ内のオイ
ルが速やかに被潤滑部に送られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0012】図1は本発明のスクロールコンプレッサ1
を含む空調又は冷凍用の装置の全体概略構成を示してい
る。この図において、スクロールコンプレッサ1は、例
えばガスエンジン2により、プーリ3a,3b及びベル
ト3cからなる伝動機構3を介して駆動されるようにな
っている。このスクロールコンプレッサ1の高圧冷媒吐
出側には吐出用管路4が接続され、低圧冷媒吸込側には
吸込用管路10が接続されており、吐出用管路4と吸込
用管路10との間の冷媒回路に凝縮器5、第1減圧弁
6、気液分離器7、第2減圧弁8及び蒸発器9が配設さ
れている。また、上記気液分離器7における液相冷媒液
面7aの上方となる気相冷媒取出部分にはインジェクシ
ョン用管路11の一端が接続され、この管路11の他端
11aは、後述のようにスクロールコンプレッサ1のイ
ンジェクションポートに通じる部分に接続されている。
【0013】そして、スクロールコンプレッサ1から吐
出された高圧気相冷媒が凝縮器5で凝縮され、次いで第
1減圧弁6である程度減圧された後、気液分離器7で気
相冷媒と液相冷媒とに分離され、そのうちの液相冷媒が
第2減圧弁8でさらに減圧されてから蒸発器9に導かれ
て蒸発し、その蒸発後の気相低圧冷媒が吸込用管路10
を通ってスクロールコンプレッサ1に吸入される。ま
た、上記気液分離器7からある程度の圧力の気相冷媒が
インジェクションガスとしてインジェクション用管路1
1を通ってスクロールコンプレッサ1に送られるように
なっている。
【0014】なお、図1はスクロールコンプレッサ1を
含むヒートポンプもしくは冷凍サイクルを簡略化して示
しているが、例えば冷暖房可能な空調装置に適用する場
合は、上記凝縮器5及び蒸発器9を構成するものとして
室外熱交換器と室内熱交換器とを設けるとともに、冷媒
流通経路を切換える四方弁を組み込み、冷房時は室外熱
交換器が凝縮器、室内熱交換器が蒸発器となるように冷
媒を循環させ、暖房時は室内熱交換器が凝縮器、室外熱
交換器が蒸発器となるように冷媒を循環させる構成とす
ればよい。
【0015】図2〜図8を参照しつつスクロールコンプ
レッサ1の構造を次に説明する。なお、以下の説明で
は、後記駆動軸の入力側端部が突出する側(図2で左
側)を前方、反対側(図2で右側)を後方とする。
【0016】これらの図に示すスクロールコンプレッサ
1は、ケーシング13と、このケーシング13内に配置
された旋回スクロール21及び固定スクロール22によ
り構成されるスクロール圧縮部20と、旋回スクロール
21を旋回させる駆動軸25と、固定スクロール22の
外側方に配置されたカバー40とを備えている。
【0017】上記ケーシング13は、旋回スクロール配
置部分の周壁を構成するメインハウジング14と、駆動
軸配置部分の外殻を構成する前方側ケース15とを備
え、メインハウジング14の前方側にケース15が位置
し、後方側に固定スクロール22の外周壁22cがケー
シング13の一部をなすように配置された状態で、これ
らがボルト16,17,18により相互に連結されてい
る。
【0018】スクロール圧縮部20の旋回スクロール2
1は、鏡板21aと、この鏡板21aから固定スクロー
ル22側へ向けて突出する渦巻体21bと、鏡板21a
の裏面から駆動軸25側へ向けて突出するスクロール軸
21cとを有し、また固定スクロール22は、鏡板22
aと、この鏡板22aから旋回スクロール21側へ向け
て突出する渦巻体22bと、ケーシング20の一部をな
す外周壁22cとを有している。両スクロール21,2
2の渦巻体21b,22bは互いに所定角度ずれて組み
合わされ、この渦巻体21b,22bが組み合わされた
部分において旋回スクロール21の渦巻体21bの内外
両側に一対の圧縮室23A,23Bが形成されている。
【0019】上記スクロール圧縮部20及び駆動軸25
は横向き設置とされ、この状態で駆動軸25がケーシン
グ13に回転自在に支承されるとともに、スクロール軸
21cが駆動軸25に対し偏心状態で相対回転可能に支
承されて、駆動軸25の回転に伴い旋回スクロール21
が旋回するようになっている。
【0020】すなわち、駆動軸25は小径軸部25aと
その後端に連なるスクロール軸支承用の筒状の大径部2
5bとを有し、略水平方向に延びるように配置された状
態で、小径軸部25aが前方側ケース15に連設された
軸受支え26に副軸受28を介して支承されるととも
に、大径部25bがメインハウジング14に連設された
軸受支え27に主軸受29を介して支承されている。こ
の駆動軸25の入力側端部はケーシング13の前方外部
に突出し、その周囲にプーリ3bが設けられるととも
に、プーリ3bと駆動軸25との間に電磁クラッチ24
が組み込まれ、この電磁クラッチ24がオンとなったと
きにエンジン2(図1参照)からの動力が駆動軸25に
伝達されるようになっている。
【0021】駆動軸25の大径部25bは内周面の中心
が軸心に対して偏心した中空形状とされ、この大径部2
5bにスクロール軸21cが旋回軸受30を介して支承
されている。また、メインハウジング14における旋回
スクロール21の外側部にはスラストプレート31及び
オルダムリング32が配置されている。このオルダムリ
ング32は、自転防止機構を構成するもので、メインハ
ウジング14内で旋回スクロール21に隣接する箇所に
形成された環状のオルダム室33内で揺動可能とされる
とともに、旋回スクロール21の自転を阻止しながら半
径方向の揺動を許容するように、旋回スクロール21及
び固定壁に対してそれぞれ特定方向にスライド可能に係
合している。
【0022】そして、上記駆動軸25の回転に伴い、両
スクロール21,22の渦巻体21b,22bが180
°毎に接する状態を保ちながら、旋回スクロール21が
自転することなく固定スクロール22の中心の回りを旋
回し、これにより圧縮室23A,23B内の冷媒を外周
側から内周側に移動させつつ圧縮していくようになって
いる。すなわち、渦巻体21bが図3に示される位置に
ある時、後記吸込ポート35と渦巻体21bの最外周部
の内側の空間23A0が連通し、空間23A0に冷媒が
吸込まれる。渦巻体21bが図4(a)に示される位置
を経て図4(b)の位置にくると、空間23A0が閉じ
て冷媒が圧縮室23Aに閉じ込められ、以後、圧縮室2
3Aが圧縮されつつ後記吐出ポート38の方向へ移動す
る。
【0023】同様に、渦巻体21bが図4(b)から図
4(c)に示される位置にある時、吸込ポート35と渦
巻体21bの最外周部の外側の空間23B0が連通し、
空間23B0に冷媒が吸込まれる。渦巻体21bが図3
に示される位置にくると、空間23B0が閉じて冷媒が
圧縮室23Bに閉じ込められ、以後、圧縮室23Bが圧
縮されつつ後記吐出ポート38の方向へ移動する。
【0024】ケーシング13内における上記駆動軸25
の外周及び軸受支え26,27の外周にわたる部分の上
部には吸込室36が形成されている。そして、この吸込
室36に通じる冷媒流入口37が前方側ケース15の上
端部に設けられ、この冷媒流入口37に吸込用管路4
(図1参照)が接続されるようになっている。また、上
記旋回スクロール21の外周部には、上記吸込室36の
上部に連通する位置に、吸込室36から圧縮室23A,
23Bに低圧の冷媒ガスを導入するための吸込ポート3
5が設けられている。
【0025】上記吸込ポート35は、図3及び図5に示
すように、旋回スクロール21の鏡板21aに切欠部2
1dを設けることにより形成されている。この切欠部2
1dからなる吸込ポート35は、旋回スクロール21の
渦巻体21bの両側に形成された圧縮室23A,23B
に対して共通の1個所だけとされ、鏡板21aの略最上
部に設けられている。
【0026】一方、固定スクロール22の鏡板22aに
は、吐出ポート38とインジェクションポート39とが
設けられている。上記吐出ポート38は圧縮室の中心部
に開口する位置に設けられている。図示の例では、吐出
ポート38の出口側が分岐して2つの開口部38a,3
8bが形成されている。
【0027】インジェクションポート39は、圧縮室の
外周部と中心部との間の、中間圧力部位に開口する位置
に設けられ、図示の例では一対の圧縮室23A,23B
の各中間圧力部位にそれぞれ開口するように所定の2個
所にインジェクションポート39が設けられている。各
インジェクションポート39は、鏡板22aの外側面に
開口する円形凹部39aと、これに連通して圧縮室に開
口する2個の細穴39bとからなっている。
【0028】固定スクロール22の鏡板22aの外側方
部に配置されたカバー40には、上記吐出ポート38に
通じるカバー40内の空間からなる吐出室41が形成さ
れるとともに、吐出室41に通じる高圧冷媒流出口42
が上端部に設けられ、この高圧冷媒流出口42に吐出用
管路4(図1参照)が接続されるようになっている。さ
らにカバー40には、各インジェクションポート39に
通じる2個所のインジェクション用小室43と、インジ
ェクション用管路11の端部11aが接続されるインジ
ェクションガス導入口44と、このインジェクションガ
ス導入口44に通じる通路45と、この通路45から分
岐して各インジェクション用小室43に至る分岐通路4
6とを構成するインジェクション用小室等構成壁40b
が設けられている。このインジェクション用小室等構成
壁40bにより、小室43、通路45,46及びインジ
ェクションガス導入口44にわたる部分が、吐出室41
から隔絶された状態に形成されている。
【0029】そして、上記インジェクション用小室等構
成壁40bと、吐出室41及び吐出用管路接続部42を
構成する吐出室等構成壁40aとを含むカバー40全体
が一体に成形され、このカバー40がボルト47により
固定スクロール22の鏡板22aに固着されている。
【0030】上記吐出室41に対する吐出ポート38の
開口部38aには、高圧冷媒が吐出室側から圧縮室側へ
逆流することを阻止するための逆止弁であるリード弁5
1が設けられている。このリード弁51は、弾性的に揺
動可能な先端部が吐出ポート38の開口部38aを覆う
状態で、基端部が鏡板22aにボルト52で固定されて
いる。また、上記インジェクション用小室43には、圧
縮室側から通路側へインジェクションガスが逆流するこ
とを防止する逆止弁53が装備されている。この逆止弁
53は、小室43に対する分岐通路46の開口部に設け
られた弁体54と、この弁体54を閉弁方向に付勢する
スプリング55とを備えている。
【0031】また、このスクロールコンプレッサ1に
は、ケーシング2の下方部にオイルパン(オイル溜り)
60が一体に設けられるとともに、オイルポンプ63に
よりオイルパン60から吸い上げたオイルを被潤滑部に
送るオイル供給通路70、及び潤滑後のオイルをオイル
パン60に戻す経路等を備えた潤滑系が配備されている
(図2、図6参照)。
【0032】上記オイルポンプ63はギヤ64,65を
介して駆動軸25に連動している。ギヤ65は軸受支え
26の後方側において小径軸部25aに取付けられ、こ
のギヤ65の後方にはケース15に取付けられたプレー
ト67が位置しており、プレート67と軸受支え26と
によりスラストベアリング66を介してギヤ65が挟み
付けられている。なお、プレート67の後方には、駆動
軸25に取付けられたバランサ68が配置されている。
【0033】オイル供給通路70には、上流端側のオイ
ル流入口部分にオイルストレーナ61が設けられるとと
もに、通路途中にオイルクリーナ62が介設され、当実
施形態ではオイルポンプ63の下流側にオイルクリーナ
62が設けられている。そして、オイルストレーナ61
とオイルポンプ63のオイル吸入口63aとを連通する
通路71、オイルポンプ63のオイル吐出口63bとオ
イルクリーナ62のオイル入口62bとを連通する通路
72及びオイルクリーナ62のオイル出口62cから軸
受支え26の内周面に至る通路73が前方側ケース15
の壁部に形成されるとともに、駆動軸25の周面に形成
された環状溝74を介して上記通路73に通じる通路7
5が駆動軸25の内部に形成され、これらの通路71,
72,73,75によってオイル供給通路70が構成さ
れている。
【0034】上記オイルストレーナ61は、濾し網を用
いて簡易にオイルを濾過するものであり、数百μm程度
の比較的大きな異物を捕獲できるようになっている。
【0035】また、上記オイルクリーナ62は、不織布
からなる環状のフィルターエレメント62aを内蔵し、
このフィルターエレメント62aの外方及び内方にオイ
ル入口62b及びオイル出口62cが設けられ、オイル
入口62bから流入したオイルがフィルターエレメント
62aを通過してオイル出口62cへ流れる間に濾過さ
れるようになっている。フィルターエレメント62aを
構成する不織布は上記オイルストレーナ61の濾し網と
比べてはるかに目が細かく、数十μm程度の小さい異物
も捕獲できるようになっている。
【0036】さらにオイルクリーナ62は、フィルター
エレメント62aが目詰まりした場合に、フィルターエ
レメント62aを迂回してオイルを通過させる迂回手段
となるリリーフ弁100を内蔵している。このリリーフ
弁100は、フィルターエレメント62aの内外を連通
する弁開口101を開閉する弁板102を備え、フィル
ターエレメント62aの外側圧力P1と内側圧力P2と
の圧力差が所定値以下の通常時は、スプリング103の
押圧力によって弁板102が弁開口101を閉じること
により、オイルが図8(a)中に矢印で示すようにフィ
ルターエレメント62aを通過して流れるが、フィルタ
ーエレメント62aの外側圧力P1と内側圧力P2との
圧力差が所定値を超えると、上記弁板102が押動され
て弁開口101が開となり、オイルが図8(b)中に矢
印で示すように弁開口101を通って流れるように構成
されている。
【0037】このオイルクリーナ62の位置は、ケーシ
ング13内に規定量のオイルが注入されているときの運
転停止状態でのケーシング13内のオイルの油面L0よ
りも下方となるように設定されている。すなわち、運転
開始前には吸込用管路10が外されて、露出する冷媒流
入口37から給油されて所定の油面L0とされ、その
後、上記オイルポンプ63の作動によりオイルがオイル
パン60から吸い上げられて駆動軸25の軸受部やその
他の被潤滑部に供給されることにより、運転中の油面は
運転停止状態での油面L0より所定量低いL1となる
が、上記オイルクリーナ62は、運転停止状態での油面
L0より下方で、運転中の油面L1よりは上方となる位
置に配置されている。なお、ケーシング13内に規定量
のオイルが注入されたことを測定する測定手段として、
オイルレベル目盛り78を付したサイトグラス77が前
方側ケースに設けられている。
【0038】図2、図5及び図6並びに図7の潤滑系統
説明図を参照しつつ潤滑系統の構成をさらに詳しく説明
すると、オイルポンプ63のオイル吸入口63aが通路
71を介してオイルパン60内のオイルストレーナ61
(図7では図示省略)に接続され、オイルポンプ63の
オイル吐出口63bに通路72を介してオイルクリーナ
62が接続されるとともに、オイルポンプ63のオイル
吐出口63bとオイル吸入口63aとの間には過剰のオ
イルをリリーフするためにリリーフ通路82が形成さ
れ、このリリーフ通路82にリリーフ弁83が介設され
ている。
【0039】オイルポンプ63から吐出されたオイルは
通路72、オイルクリーナ62及び通路73を経て駆動
軸25の副軸受28に導かれる。さらに、副軸受28に
導かれたオイルは、一部が副軸受28の前方の駆動軸外
周に配置されたメカニカルシール84に送られ、他の一
部がスラストベアリング66及びギヤ65に送られ、残
りが上記駆動軸25の内部に形成されたオイル通路75
に導かれる。このオイル通路75の終端は大径部25b
内に開口しており、このオイル通路75の終端から流出
するオイルは、旋回軸受30及び主軸受29に供給され
る。これら旋回軸受30及び主軸受29を経たオイルは
一部がスラストプレート31を経てオルダム室33へ流
れ、残りが軸受支え27の下部に形成されたリターン通
路86を通ってオイルパン60に戻されるようになって
いる。オルダム室33に流れるオイルは、旋回スクロー
ル21の鏡板21aと、固定スクロール22の端部で上
記鏡板21aとの合わせ面となる外周部との僅かな隙間
から圧縮室23Bに流れる。
【0040】なお、図2、図5及び図6に示すように、
メインハウジング14及び前方側ケース15の内部にお
いて駆動軸25の上方には、上記吸込室36を駆動室2
5の周囲の空間(オイルパン60側の空間)に対して区
画する区画壁14a,15aが設けられ、これらの区画
壁14a,15aにより、駆動軸25に付着したオイル
や液状冷媒が駆動軸25の回転に伴って飛び散っても吸
込室36に入らないようにしている。また、図6中、8
7は上記両区画壁14a,15aの合わせ面において区
画壁15a側の平板状部分に形成された切欠きと区画壁
14aの合わせ面とで形成されるオイル戻し穴であり、
吸込室36内で冷媒から分離されて上記平板状部分に溜
まるオイルがこのオイル戻し穴87を通ってオイルパン
60に戻されるようになっている。
【0041】以上のような当実施形態のスクロールコン
プレッサ1によれば、外部のエンジン2から伝達される
駆動力で駆動軸25が回転している運転状態では、低圧
の冷媒ガスが、吸込用管路10から冷媒流入口37を通
って吸込室36に流入し、この吸込室36内の冷媒ガス
が吸込ポート35を通ってスクロール圧縮部20に吸込
まれる。そして、スクロール圧縮部20では、旋回スク
ロール21の旋回により、冷媒ガスを外周側から内周側
へ移動させつつ、容積を縮小して圧縮する。こうして圧
縮された冷媒ガスは、吐出ポート38を通って吐出室4
1に送り出され、さらに高圧冷媒流出口42から吐出用
管路4へ吐出される。
【0042】さらに当実施形態では、特定運転時に、冷
媒回路から取出される冷媒がインジェクション用管路1
1を通ってスクロールコンプレッサ1に導かれ、カバー
40に形成されたインジェクション用管路接続部44、
通路45、分岐通路46を通り、さらに逆止弁53を有
する小室43を経て、固定スクロール22の鏡板22a
に形成されたインジェクションポート39から圧縮室2
3A,23Bへ送り込まれる。このガスインジェクショ
ンにより冷媒吐出圧力が高められ、暖房等の能力が高め
られる。
【0043】このようにスクロール圧縮部20による冷
媒圧縮動作が行われる一方で、潤滑系統においては、駆
動軸25に連動したオイルポンプ63の作動により、オ
イルパン60から吸い上げられたオイルが副軸受28、
メカニカルシール84、スラストベアリング66、ギヤ
65、主軸受29、旋回軸受30等に供給される。そし
て、これらの被潤滑部を潤滑した後のオイルはリターン
通路86等を通ってオイルパン60に戻される。
【0044】ところで、上記潤滑系統において、オイル
パン60から吸い上げられるオイルは、先ずオイルスト
レーナ61で簡易に濾過されてから、オイルポンプ63
を経てオイルクリーナ62に導かれ、このオイルクリー
ナ62で不織布からなるフィルタエレメント62aによ
り小さい異物も捕獲され、充分に濾過されたオイルが軸
受部分等の被潤滑部に送られる。従って、オイルに混入
した異物が軸受部分等の摺接部分に噛み込んで損傷を与
えるといった事態が確実に防止される。
【0045】また、フィルターエレメント62aの目詰
まりによってフィルターエレメント62aの外側と内側
の圧力差が所定値を超えると、図8(b)のようにフィ
ルターエレメント62aに内蔵されたリリーフ弁100
の弁板102が押動されて弁開口101が開となる。こ
れにより、フィルターエレメント62aが目詰まりした
場合でも、副軸受28、メカニカルシール84、スラス
トベアリング66、ギヤ65、主軸受29、旋回軸受3
0等の被潤滑部が直ちに潤滑不良となるようなことがな
い。
【0046】また、上記オイルクリーナ62が運転停止
状態でのケーシング13内のオイルの油面L0よりも下
方に配置されていることにより、運転再開時における被
潤滑部へのオイル供給の応答性が高められる。
【0047】すなわち、運転停止時にはサイフォン現象
でオイル供給通路内のオイルがオイルパン60内に流出
するが、運転停止状態でのケーシング13内のオイルの
油面L0よりも下方に位置するオイルクリーナ62内に
はオイルが残される。そして、オイルクリーナ62は比
較的大きな容量を有するので、仮に運転停止時にオイル
クリーナ62からオイルが流出してしまうと、運転再開
時のオイルポンプ63の作動開始後にオイルクリーナ6
2内にオイルが充満してさらに下流側の被潤滑部へオイ
ルが送り出される状態となるまでにかなりの時間を要す
るが、当実施形態のように運転停止状態でもオイルクリ
ーナ62内にオイルが残されていると、運転再開時にオ
イルポンプ63の作動に応じて速やかにオイルが被潤滑
部へ供給されることとなる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明は、オイルポンプに
よりオイル溜りから吸い上げたオイルを被潤滑部に送る
オイル供給通路を設けたスクロールコンプレッサの潤滑
装置において、上記オイル供給通路の途中に、不織布か
らなるフィルターエレメントを内蔵するオイルクリーナ
を介設しているため、オイル供給通路の途中でオイルの
濾過を充分に行って、小粒度の異物も捕獲することがで
き、軸受等への異物の噛み込みによる損傷等を確実に防
止することができる。
【0049】さらに、ケーシング内に規定量のオイルが
注入されているときの運転停止状態でのケーシング内の
オイルの油面よりも下方に上記オイルクリーナを配置し
ておくと、運転停止時にもオイルクリーナ内にオイルが
溜まった状態を維持し、運転再開時にオイルを速やかに
被潤滑部に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクロールコンプレッサを含む空調又
は冷凍用の装置の全体構成概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるスクロールコンプレ
ッサの縦断面図である。
【図3】スクロール圧縮部を示す図2中のA−A線の断
面図である。
【図4】スクロール圧縮部の動作状態説明図である。
【図5】図2中のB−B線の断面図である。
【図6】上記スクロールコンプレッサの前方側ケース及
びこの前方側ケース内のオイルポンプ、オイルクリーナ
等を図2中のC−C線から見た側面図である。
【図7】潤滑系統の構成を示すブロック図である。
【図8】オイルクリーナの拡大断面図であって、(a)
はオイルクリーナに内蔵されたリリーフ弁が閉じた状
態、(b)は上記リリーフ弁が開いた状態を示すもので
ある。
【符号の説明】 1 スクロールコンプレッサ 13 ケーシング 20 スクロール圧縮部 25 駆動軸 27,28 軸受 60 オイルパン(オイル溜り) 62 オイルクリーナ 62a フィルタエレメント 63 オイルポンプ 70 オイル供給通路 77 サイトグラス 78 オイルレベル目盛り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AA16 AA21 AB03 BB01 BB36 CC22 CC34 CC38 CC43 3H039 AA02 AA12 BB11 BB16 CC27 CC34 CC35 CC44

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクロール圧縮部及びこれを駆動する駆
    動軸が配設されたケーシング内の下方部にオイル溜りを
    設けるとともに、オイルポンプにより上記オイル溜りか
    ら吸い上げたオイルを被潤滑部に送るオイル供給通路を
    設けたスクロールコンプレッサの潤滑装置において、上
    記オイル供給通路の途中に、不織布からなるフィルター
    エレメントを内蔵するオイルクリーナを介設したことを
    特徴とするスクロールコンプレッサの潤滑装置。
  2. 【請求項2】 上記オイルクリーナは、フィルターエレ
    メントが目詰まりした場合に、フィルターエレメントを
    迂回してオイルを通過させる迂回手段を内蔵しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のスクロールコンプレッ
    サの潤滑装置。
  3. 【請求項3】 ケーシング内に規定量のオイルが注入さ
    れているときの運転停止状態でのケーシング内のオイル
    の油面よりも下方に上記オイルクリーナを配置したこと
    を特徴とする請求項1又は2記載のスクロールコンプレ
    ッサの潤滑装置。
  4. 【請求項4】 ケーシング内に規定量のオイルが注入さ
    れたことを測定する測定手段を備えたことを特徴とする
    請求項3記載のスクロールコンプレッサの潤滑装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101559A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Hitachi Appliances Inc スクロール圧縮機およびそれを用いた冷凍サイクル
JP2012102705A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 Daikin Industries Ltd スクロール圧縮機

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