JP2001316999A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 書籍用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】 木材パルプに対する紙中の填料含有率10重量%乃至20重量%であり、JIS P8138による紙の不透明度85%以上であり、JIS P8119による平滑度が40秒以上であり、抄紙後の紙中の水分が3%乃至6%であり、23℃、50%RHの表面電気抵抗が1×1010Ω乃至1×1012Ωの範囲にあり、20℃、25%RHの該用紙表面の帯電圧の半減期3秒以下である、ことを特徴とする書籍用紙。
【請求項2】 該用紙を巾方向に12分割したときのJIS P8113による紙の抄紙機の進行方向(MD)の引張強度の測定値Tと紙の抄紙機の進行方向と垂直方向(CD)の引張強度の測定値Yの比T/Yが1.5乃至2.8の範囲にあり、かつT/Yの差の絶対値が0.6以内である、ことを特徴とする請求項1記載の書籍用紙。
【請求項3】 該用紙を巾方向に12分割したときの熱収縮率が1.2%以内であり、かつ熱収縮率の差の絶対値が0.2%以内である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の書籍用紙。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式のオンデマンドデジタル印刷機、高・中速プリンター等に用いられる書籍用紙に関するものである。更に詳しくは、電子写真方式のオンデマンドデジタル印刷機、高・中速プリンター等で転写性、定着性、走行性等の電子写真適性を有すると共に、製本の加工適性を併せ持つ書籍用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、書籍の発行は出版社主導で、書籍の発行を企画後、印刷機において大量に印刷・発行され、売れ行きが好調で在庫がなくなった場合は、追加分が再印刷される。この場合、ユーザーが絶版本や専門書等の発行を望んでも対応されない場合が多かった。また、対応されても部数が限定されているため、高価になるという問題があった。
【0003】
最近、PC及びネットワークの普及により、ユーザーからの注文に応じ、ニーズがあった時点で、1冊から印刷・製本して、即座に発送するオンデマンド印刷サービスが提供されている。オンデマンド出版サービスによって、出版社は絶版本や少部数での出版が可能となり、新たな販売機会がもたらされている。
【0004】
上記のような、書籍用紙を印字・製本するオンデマンド出版システムの一例として、日本アイ・ビー・エム社製のInfoPrint4000型印刷・製本システムが挙げられる。このシステムでは、巻取紙又は両サイドにプリンターを走行させるトラクター穴を設けた巻取紙で用紙が供給され、2台の電子写真方式のプリンターで用紙の裏表両面が印字されて、更に用紙の張力を緩和し用紙をストックするためのバッファー部を経て、用紙は適宜のサイズにカッティングされ、この後カッティングされた用紙が製本される。
【0005】
従来、電子写真方式の両面印字及び書籍用紙としての適性を付与するための提案は様々に行われている。例えば、特開平4−341554号公報には、吸湿時の熱定着後カールを小さくしかつ紙表裏のカール差を小さくすることにより、作業性やソータ収容性を改善するために、紙の横方向の収縮率、超音波パルプの縦波伝播速度比、緊張乾燥度を特定する方法が開示されている。また、特開平8−184983号公報には、熱定着後のカール発生量の抑制とジャム(紙詰まり)等の走行性を改善するために、灰分、灰分量の表裏差、不透明度を特定する方法が開示されている。
【0006】
更に特開平8−262781号公報には、裏抜けのない画像品質と印刷後カールが少なく、走行性、作業性を改善するために、比散乱係数、高速引張弾性率の縦横相乗平均値を特定する方法が開示されている。特開平10−142829号公報には、電子写真方式の定着時の加熱後のカールが少なく、走行性、作業性を改善するために、用紙表裏をほぼ均等に分割した際の各層間の0.2mm以下の繊維の割合差と灰分量差を特定する方法が開示されている。また、特開平11−174712号公報には、電子写真方式の熱定着工程を経て排出された用紙の製本時の品質特性を改善するため、用紙の紙の横方向の伸び変化率、灰分量、表面サイズ剤の塗布量を特定した方法が改善されている。
【0007】
電子写真方式の画面印字や書籍用紙として、電子写真適性、作業性、走行性を改善した技術は上記のように開示されているが、全て電子写真方式のプリンターや複写機に適用される用紙としては、あらかじめカットされた枚葉紙に対する改善が目的とされており、巻取紙としてプリンターに供給されて、その後カッティングされ、製本加工されるオンデマンド出版システムに対する適性までは、考慮されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、オンデマンド出版システムに使用される電子写真方式のプリンターにおいて巻取紙として供給され、プリンターでは良好な両面の画像適性や走行性を有すると共に、印字後の用紙のカッティングや製本の加工工程において良好な加工適性を有しており、更に製本後もカールや波打ちの発生することのない書籍用紙を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、なされたものである。すなわち、請求項1に記載の発明は、木材パルプに対する紙中の填料含有率が10重量%乃至20重量%であり、JIS P8138による紙の不透明度が85%以上であり、JIS P8119による平滑度が40秒以上であり、抄紙後の紙中の水分が3%乃至6%であり、23℃、50%RHの表面電気抵抗が1×1010Ω乃至1×1012Ωの範囲にあり、20℃、25%RHの該用紙表面の帯電圧の半減期が3秒以下であることを特徴とする書籍用紙にある。
【0010】
また、この出願の請求項2に記載の発明は、用紙を巾方向に12分割したときのJIS P8113による紙の抄紙機の進行方向(MD)の引張強度の測定値Tと、紙の抄紙機の進行方向と垂直方向(CD)の引張強度の測定値Yとの比T/Yが1.5乃至2.8の範囲にあり、かつT/Yの差の絶対値が0.6以内である書籍用紙にある。
【0011】
更に、この出願の請求項3に記載の発明は、用紙を巾方向に12分割したときの熱収縮率が1.2%以内であり、かつ熱収縮率の差の絶対値が0.2%以内である書籍用紙にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるパルプとしては、NBKP、LBKP、GP、TMP等の他に古紙パルプが挙げられる。使用にあたっては、適宜目的に応じて、単独及び併用して使用される。
【0013】
本発明の書籍用紙に用いる填料は、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、酸化チタン等の一般的な填料が使用でき、その配合量は、木材パルプに対する紙中の填料含有率が10重量%乃至20重量%であることが望ましい。上記の填料配合率が10重量%より少なくなると、書籍用紙のJIS P8138による不透明度が85%以下となり、書籍用紙の両面に電子写真方式のプリンターで印字後裏写りが生じる。また、填料配合率が20重量%を超えると、紙の剛度が高くなりすぎ、電子写真方式のプリンターにおける走行性において不都合が生じる。
【0014】
上記の填料と共に、通常使用されている各種の添加剤を加えることもできる。これらの添加剤としては、例えば、(1)滲み防止性、耐水性等を付与するための内添あるいは外添サイズ剤としてのでんぷん、ロジン系サイズ剤、ワックス系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、スチレン−アクリル酸エステル系共重合物等、(2)紙力増強剤としての変性デンプン、α−デンプン、カチオン化デンプン等のデンプン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール等、(3)湿潤紙力増強剤として、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド樹脂、エピクロロヒドリン樹脂等、凝集・定着剤としての硫酸バンド、アルミン酸ソーダ、ポリアクリル酸等、(4)歩留向上剤としてのポリアクリルアミド樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミド樹脂等、(5)消泡剤としてのシリコーン系消泡剤、高級アルコール系消泡剤、有機リン酸、ポリグリコール系消泡剤、(6)染料等が挙げられる。
【0015】
上記の添加薬品の中で、サイズ剤の選定は電子写真方式のトナー定着性において、大きな影響を及ぼすため、トナーの用紙への定着力と、用紙の表面エネルギーや用紙へのトナーの接触角等を考慮して選択することが望ましい。
【0016】
本発明の書籍用紙は、用途に応じて白色の用紙もしくは着色した用紙を使用することができる。書籍用紙を着色する際には、直接染料、反応性染料等を使用して、肌色、クリーム色等の薄い色を該用紙に付することにより、印字された文字を見る際に視感上見やすくしたり、不透明度を2〜3ポイント程度上げる等の効果がある。
【0017】
本発明の書籍用紙は、サイズプレス工程で、コーンスターチ、表面サイズ剤、導電剤等を配合したサイズプレス液を基材に塗工する。このサイズプレス工程を経ることにより、サイズプレス液は、基材の両面に塗布される。表面サイズ剤においても、上記同様、トナーの用紙への定着力を考慮して選定することが望ましい。
【0018】
ここで、サイズプレス液に使用する導電剤は、電子写真の画像適性の調整や静電気の発生防止を目的に付与される。導電剤は、有機高分子導電剤または無機導電剤である。有機高分子導電剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール等の非イオン性ポリマー、スルホン化スチレン樹脂等のアニオン性極性基をもつポリマー、第4級アンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩であるカチオン性ポリマー等が挙げられる。また、無機導電剤としては、酸化カルシウム、アルミン酸ソーダ、酸化亜鉛、酸化錫、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、カーボンブラック等が挙げられる。
【0019】
本発明の書籍用紙は、抄紙機におけるカレンダー処理により該用紙の表面を平滑化することにより、JIS P8119による平滑度を40秒以上にすることが好ましい。平滑度が40秒未満になると、トナーが書籍用紙に定着する際に高精細な画像が得られなくなる等印字画像部の鮮鋭度が悪くなる。
【0020】
また、本発明の書籍用紙は、巻取紙として提供した場合の開封直後の波打ちや、電子写真方式のプリンターの熱定着後のカールの発生、及び、巻取紙として提供される用紙のカッティングの適性等を考慮して、抄紙後の紙中の水分を3%〜6%とすることが好ましい。
【0021】
また、本発明の書籍用紙は、抄紙機のサイズプレス工程で導電剤を表面に塗布して、23℃、50%RHの表面電気抵抗を1×1010Ω乃至1×1012Ωとなるように調整することにより、画像の汚れや転移不良等を防止し、適正な画像適性を維持する。
【0022】
また、本発明の書籍用紙は、抄紙機のサイズプレス工程で導電剤を表面塗布して、20℃、25%RHの該用紙表面の帯電圧の半減期を3秒以下とすることが好ましい。ここで、帯電圧の半減期は、紙の静電気の尺度として適用する。本件のオンデマンド出版システムにおいて書籍用紙は巻取紙で使用されるため、高速で印字される際に紙の表面に静電気が発生しやすくなる。紙の表面において静電気が多く発生すれば、用紙の表面にゴミの付着やバックグランド部へのトナーの飛翔等による汚れ等が発生するため、導電剤の表面塗布等紙表面の静電気の発生を減少させる対策が必要となる。今回、紙の帯電圧及びその半減期の測定は、測定器にSTATIC HONESTMETER(シシド静電気製)、記録計にEPA−111A(TOA製)を用いて実施した。紙表面の帯電圧の半減期が長ければ紙の静電気が発生しやすく、逆に紙表面の帯電圧の半減期が短ければ紙の静電気は発生しにくくなる。
【0023】
更に本発明の書籍用紙は、JIS P8113による紙の抄紙機の進行方向(MD)の引張強度の測定値Tと、紙の抄紙機の進行方向と垂直方向(CD)の引張強度の測定値Yとの比T/Yを1.5乃至2.8とすることが望ましい。上記のT/Yが2.8を越えると、抄紙された書籍用紙の繊維方向はMD方向に並ぶ傾向が強くなり、CD方向の剛度が著しく弱くなり、プリンターにおける走行性に不良を生じる。逆にT/Yが1.5未満になると、抄紙された書籍用紙の繊維配向がランダムとなり、いろいろなカール形状が発生する要因となる。
【0024】
また、本発明の書籍用紙は、該用紙を巾方向に12分割したときのJIS P8113による紙の抄紙機の進行方向(MD)の引張強度の測定値Tと紙の抄紙機の進行方向と垂直方向(CD)の引張強度の測定値Yの比T/Yの差の絶対値を、0.6以内とすることが好ましい。T/Yの差の絶対値が0.6を越えると、12分割した書籍用紙の印字後及び製本後の紙の形状変化に差を生じることになり、書籍用紙に波打ちが発生しやすくなる。ここで、T/Yを調整する方法としては、抄紙機の原料のジェット/ワイヤー比(原料の噴出速度/抄紙機のワイヤーの速度)の巾方向による調整やドライヤー乾燥時の張力の調整等が挙げられる。
【0025】
また、本発明の書籍用紙は、該用紙を巾方向に12分割したときの熱収縮率が1.2%以内であることが好ましい。本発明における熱収縮率とは、巾方向に12分割した書籍用紙の温度20℃、湿度65%RHの各々のCD寸法をベースとして、熱風乾燥機内で温度125℃下で30分間放置したときの各々のCD寸法を測定して、収縮差をベースのCD寸法で割って計算したものである。該書籍用紙が日本アイ・ビー・エム製のInfoPrint4000型の電子写真方式のプリンターで両面印字される場合、巻取紙として供給される。巻取紙は、プリンター内を走行させるために、あらかじめ巾方向の両端に用紙を誘導するトラクター穴が設けられている。書籍用紙の熱収縮率が1.2%を越えると、巾方向の両端に設けられたトラクター穴が当初の設計とずれてしまい、トラクター穴にプリンターのピンがうまく入らない場合、用紙が誘導されなくなり紙詰まりの要因となる。更に、書籍用紙の巾方向の両端にトラクター穴がない巻取紙の走行系においては、紙詰まりや印字の位置ずれの原因となる。
【0026】
また、本発明の書籍用紙は、該用紙を巾方向に12分割したときの熱収縮率の差の絶対値を0.2%以内とすることが好ましい。上記の熱収縮率の差が0.2%を越えると、上記のように、プリンターの走行において紙詰まりや印字の位置ずれの要因となる。また、書籍用紙の熱定着後のカールの発生、印字後及び製本後の波打ちの発生が生じる。ここで、熱収縮率の差を調整する方法としては、上記の抄紙機の原料のジェット/ワイヤー比(原料の噴出速度/抄紙機のワイヤーの速度)の巾方向による調整等が挙げられる。更に紙の表裏差を調整する方法としては、表裏両面から脱水する。ツインワイヤー式の抄紙機で書籍用紙を製造することにより、容易となる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
表1に示す組成にて、0.8〜1.0%濃度のパルプスラリーを調製し、このスラリーを硫酸バンドでpHを7.5〜8.0に調製して、ツインワイヤー型の長網抄紙機にて抄紙し、サイズプレスにおいて、表2に示す組成のサイズプレス液を紙表面に塗工し、乾燥して、67.0g/m2の書籍用紙用巻取紙を得た。又、実施例1により、抄紙した書籍用紙の物性を表3に示す。
【0029】
【表1】
Figure 2001316999
【0030】
【表2】
Figure 2001316999
【0031】
【表3】
Figure 2001316999
【0032】
書籍用紙用巻取紙は、所定の巾に断裁後、日本アイ・ビー・エム社製のInfoPrint4000型印刷・製本システムで書籍用紙の両面に印字後製本して、印刷適性、走行性、製本後のカール及び波打ちの発生状況を目視で確認した。
【0033】
実施例1で抄紙した書籍用紙用巻取紙を使用して、上記システムで印字後製本すれば、画像適性の良好な印字の裏移りの目立たない上に、製本後は、カールや波打ちの発生しない単行本サイズの製本を得ることができた。
【0034】
比較例1として、填料の配合率を10%に減少させる以外は、実施例1と同一の処方で書籍用紙を抄紙した場合、紙の不透明度が82%となり、上記システムで印字後製本した後、印字の裏移りが生じて、読みづらくなった。
【0035】
比較例2として、サイズプレス液の無機導電剤の量を半分の0.15重量%とすると、書籍用紙の表面電気抵抗が1.0×1013Ω、帯電圧の半減期も5秒程度となり、印字面にトナー汚れを生じた。
【0036】
比較例3として、ジェット/ワイヤー比を変えて抄紙したところ、T/Yが2.8を越えると、抄紙された書籍用紙の繊維方向はMD方向に並ぶ傾向が強くなり、CD方向の剛度が著しく弱くなり、プリンターにおける走行性及び製本時に紙が積み上がらない不良を生じた。逆にT/Yが1.5未満になると、抄紙された書籍用紙の繊維配向がランダムとなり、いろいろなカール形状が発生して、製本時に紙を積み上げにくくなり、製本後もぼこついてしまう。
【0037】
比較例4として、ジェット/ワイヤー比を巾方向で変えて抄紙したところ、書籍用紙の巾方向に12分割したときのT/Yの差の絶対値が、0.6を越えてしまい、更に熱収縮率の差も0.2%を越えてしまい、印字の位置ずれ、製本後カールや波打ちの発生により、本の両面の印字がずれ、用紙にぼこつきを生じた。
【0038】
比較例5として、水分を8%程度にすると、紙の断裁面に繊維のかえりが生じて、走行の途中で連れ出しを生じると共に、カールの発生が大きくなり、製本後本にぼこつきを生じた。
【0039】
【発明の効果】
本発明の書籍用紙は、木材パルプに対する紙中の填料含有率を10重量%〜20重量%で、紙の不透明度を85%以上としたため、電子写真方式のプリンターで書籍用紙の両面に印字したときも、印字の裏移りが目立たない。また、書籍用紙の表裏両面とも平滑度が40秒以上としたため、高精細な画像に対応できる良好な画像適性を得ることができる。更に書籍用紙の表裏の表面電気抵抗が1×1010Ω〜1×1012Ωとして、該用紙表面の帯電圧の半減期を3秒以下としたので、印字した両面にトナー汚れ等を生じない良好な印字適性を有する。また、抄紙後の紙中の水分が3%〜6%としたため、熱定着後のカールの発生を防止し、及び、印字後の書籍用紙に適正なカッティング適性を付与することができる。
【0040】
書籍用紙において、該用紙を巾方向に12分割したときの紙の抄紙機の進行方向(MD)の引張強度の測定値Tと紙の抄紙機の進行方向と垂直方向(CD)の引張強度の測定値Yの比T/Yが1.5乃至2.8として、かつT/Yの差の絶対値が0.6以内としたので、プリンター内及び製本後の書籍用紙のカールや波打ちの発生を防止することができる。と共に、プリンターでの良好な走行性を維持することができる。
【0041】
更に本発明の書籍用紙は、該用紙を巾方向に12分割したときの熱収縮率が1.2%以内として、かつ熱収縮率の差の絶対値が0.2%以内としたので、プリンター内及び製本後の書籍用紙のカールや波打ちの発生を防止し、プリンターでの良好な走行性を維持することができる。
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