JP2001315429A - インクジェット用記録材 - Google Patents

インクジェット用記録材

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JP2001315429A
JP2001315429A JP2000137223A JP2000137223A JP2001315429A JP 2001315429 A JP2001315429 A JP 2001315429A JP 2000137223 A JP2000137223 A JP 2000137223A JP 2000137223 A JP2000137223 A JP 2000137223A JP 2001315429 A JP2001315429 A JP 2001315429A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】太陽光等によるエネルギーを蓄光しておき、励
起源が除去された後、暗所等で発光することができ、か
つインクジェット法による印刷が可能なインクジェット
用記録材を提供すること。 【解決手段】インクジェット用記録材は、刺激によって
励起され、刺激が停止した後に発光が生じる蓄光性物質
を含有する層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録に好適なインクジェット用記録材に関し、特に太陽光
等によるエネルギーを吸収し、暗所等で発光することが
できるインクジェット用記録材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、夜間の通路や暗室等、暗所で
用いる標識、計器の目盛り、針等には電飾が利用されて
きた。必要文字等を印刷し、後方から光を照らすことに
より表示する。かかる場合には、電飾のため電力コスト
が、印刷を施すため印刷コストがかかり、また電飾の入
れ替え等が頻繁に行われることもあり煩雑でもあった。
一方、夜光塗料等を用いて印刷する方法も行われていた
が、印刷コストがかかり、また、納期に時間がかかり手
軽に利用できず不都合であった。近年においては、かか
る標識等の表示もライフサイクルが短くなりつつあり、
その都度印刷等を施さなければならず、コスト面および
煩雑さの面等から改善が望まれていた。ところで、イン
クジェット法による記録は騒音が無く、高速印字が可能
であり、低コストであることからカラーコピー、コンピ
ューター等の画像情報出力装置に用いられ、急速に普及
しつつあり、暗所での表示等の印刷にもインクジェット
法を用いることが求められるようになってきた。しか
し、蓄光性を有し、かつインクジェット用による印刷が
可能な記録材は未だ存在しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、夜間
や暗所において発光性を有し、かつインクジェット法に
よる印刷が可能なインクジェット用記録材を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
用記録材は、刺激によって励起され、刺激が停止した後
に発光が生じる蓄光性物質を含有する層を有することを
特徴とする。本発明のインクジェット用記録材は、吸水
性樹脂を主成分とするインク吸着層を有するインクジェ
ット用記録材であって、該インク吸着層はさらに前記蓄
光性物質を含有することを特徴とする。ここで、前記イ
ンク吸着層の上面に蓄光性物質を含有する発光層を有す
ることができ、該発光層に含有される蓄光性物質の濃度
が、該インク吸着層に含有される蓄光性物質の濃度より
高いことが好ましい。また、前記発光層のバインダー
は、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする樹脂組
成物からなることができる。また、前記吸水性樹脂が、
下記、一般式(1)
【化2】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である)で示されることが
できる。
【0005】本発明のように、インクジェット用記録材
のシート中に予め蓄光性物質を練り込み等により含有さ
せておくことにより、インクジェット用記録材のシート
自体に蓄光性を持たせることができ、また、このシート
に必要な印刷を施しておけば、日中に太陽光等のエネル
ギーにより励起された蓄光性物質が夜間や暗所で発光
し、印刷した部分以外の部分が明るく見えるので、表示
機能を発揮することができる。表示内容が変更されて
も、インクジェット法による印刷内容を変更することに
より容易に対処できるので、ライフサイクルの短いもの
でも十分に対応することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット用記録材
は、蓄光性手段を有する。蓄光性手段とは、電磁波、粒
子衝撃、化学的作用、機械的作用等の刺激によって励起
され、励起源を取り去った後に、持続的に発光する機能
を有するものをいう。例えば、インクジェット用記録材
に蓄光性物質等を含有させることにより、かかる機能が
発揮される。インクジェット用記録材が吸水性樹脂を主
成分とするインク吸着層を有する場合には、このインク
吸着層に蓄光性物質を含有させることができ、インクジ
ェット用記録材がインク吸着層の上に発光層を有する場
合には、発光層に蓄光性物質を含有させることが、また
インク吸着層および発光層の両方に蓄光性物質を含有さ
せることができる。ただし、2層以上に蓄光性物質を含
有させる場合には、表層の蓄光性物質の含有濃度がその
下側の層の含有濃度より高くなるようにすることが好ま
しい。
【0007】ここで、蓄光性物質とは、電磁波、粒子衝
撃、化学的作用、機械的作用等の刺激によって励起さ
れ、刺激が停止した後に発光を生じさせる物質をいい、
例えば、夜光塗料、夜光顔料、燐光塗料、燐光顔料等が
挙げられる。例えば、「N夜光」(根本特殊化学社製)
を商業的に入手することができる。なお、活性化剤、発
光時間を長くするための物質等の添加剤を適宜添加する
ことができる。ただし、本発明の効果を阻害するような
物質等は含ませないようにする。
【0008】本発明のインクジェット用記録材は基体を
有していてもよく、また、背面に粘着層を有していても
よい。基体としては、用途によってプラスチック、紙等
の各種のものを用いることができ、例えば、オーバーヘ
ッドプロジェクター等に用いられる場合には透明な基体
が選択される。粘着層としては、例えば再剥離型の粘着
剤の層、感圧粘着剤の層等、用途に応じて適宜選択採用
することができる。
【0009】本発明においては、例えば基体上にインク
吸着層及び発光層を有することができる。発光層が耐熱
層であり、インクジェット用記録材の最外層を構成して
いる場合には、耐熱性、耐ブロッキング性、耐傷性等を
有することができる。インク吸着層は基体と発光層との
間に位置する。また、インク吸着層と基体との間には他
の層を有していてもよい。インク吸着層は吸水性樹脂を
主成分とする樹脂組成物からなり、発光層は水溶性樹脂
を含有する樹脂組成物からなることが好ましく、任意的
に設けられる他の層は、例えば親水性樹脂層等の場合に
は汎用の親水性樹脂を含むことができる。
【0010】インクジェット用記録材が、最外層に水溶
性樹脂を有し、最外層のすぐ下のインク吸着層に吸水性
樹脂を有する構造を採ることにより、非常に優れた耐水
性を示すことができる。なお、発光層を1μm以下にす
れば、印字されたインクの殆どがインク吸着層に捕捉さ
れる。また、インク吸着層の厚さが20μm以上であれ
ば、飛来したインクの殆ど全てを吸収することができ
る。
【0011】発光層は水溶性樹脂を主成分とする樹脂組
成物からなることが好ましく、水溶性樹脂としてはポリ
ビニルアルコール(以下「PVA」ということもあ
る)、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコ
ール系樹脂等が好ましく用いられる。具体的には、完全
ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルア
ルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアセタール、他の樹脂と共重合したポリビニルアル
コール、他の親水性ポリマーとブレンドしたポリビニル
アルコール等が挙げられる。なお、本発明に用いられる
水溶性樹脂は、融点が80℃以上であることが好まし
く、また、樹脂の構造単位に親水基、例えば−OH、−
COOHを有することが好ましい。
【0012】発光層の形成に用いられるポリビニルアル
コール(PVA)としては、特に限定されることなく一
般に用いられるものが挙げられるが、例えば、冷水可溶
タイプのPVAであり、好ましくはケン化度が20〜1
00%、さらには20〜90%、特に40〜80%であ
ることが好ましい。また、分解温度と融点(成形温度)
との差が20℃以上であることが好ましい。分解温度と
融点(Tm)との温度差を20℃以上にするためには、
例えば、PVAの粘度平均重合度を200〜1,000
に調整することにより、またはPVAとエチレン性モノ
マーとの共重合体を形成することにより、またはPVA
に可塑剤を添加することにより、温度差を20℃以上に
することができる。PVAとエチレン性モノマーとの共
重合体を形成することにより温度差を設定する場合に
は、例えば、N−ビニルピロリドンを10モル%程度重
合するとよい。可塑剤を添加することにより温度差を設
定する場合には、グリセリン、エチレングリコール等を
15重量%程度添加することが好ましい。このようにし
て、PVAの融点を180℃以下にすることができ、し
たがって分解温度と融点との温度差を20℃以上にする
ことができる。
【0013】本発明に用いられるPVAの粘度平均重合
度は40〜5,000であることが好ましく、さらには
50〜2,000、特に100〜1,000であること
が好ましい。また、本発明に用いられるPVAはネッキ
ング(押出機から押し出されたフィルムまたはシートが
横方向に収縮してたわむこと)を改良するために、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)が2.8以上であることが好ましい。
【0014】インク吸着層に用いられる吸水性樹脂とし
ては熱可塑性樹脂等が挙げられ、例えば、ポリアルキレ
ンオキシド、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリウ
レタン系樹脂、セルロース系化合物、およびこれらの変
性物等が挙げられる。これらは単独で用いても、1以上
を混合して用いてもよい。
【0015】生産性に優れた押出法等のドライな方法で
フィルム化できる吸水性樹脂としては、例えば、ポリエ
チレンオキシドが適しており、本発明においては、下記
一般式(1)で表される繰り返し単位から構成される親
水性の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【化3】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
イソシアネート系化合物残基である。ここで、a、b、
cより計算される重量比、44(a+c)/(炭素数4
以上のα−アルキレンオキシドの分子量)b、が80/
20〜94/6であり、c/(a+c)が50重量%で
あり、Zが炭素数2以上の炭化水素基であることが好ま
しい。
【0016】活性水素基を2個有する有機化合物として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビス
フェノールA、アニリンプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等がある。
【0017】上述した重量比、すなわち44(a+c)
/(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
b、が80/20より小さいと親水性が低下し、インク
吸水性、印刷適性で劣るものとなる。一方、94/6を
超えると、インクの滲み耐水性等の点で劣るものとな
る。Zは前記一般式(1)で示される樹脂組成物に疎水
性を付与する機能を有するものであり、例えば好ましい
ものとしてはエチル基等のアルキル基等が上げられ、
a、b、cの割合を上述の範囲内とすることにより、親
水性を失わず、かつ、水に対して不溶化することができ
る。かかる熱可塑性樹脂は、エチレングリコールにエチ
レンオキシドを付加重合した後、アルキレンオキシドを
付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して生
成したポリアルキレンオキシドにジカルボン酸化合物ま
たはジイソシアネート化合物を反応させて生成すること
ができる。
【0018】上記ジカルボン酸化合物としては環状ジカ
ルボン酸化合物または直鎖状ジカルボン酸化合物が望ま
しく、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン
酸の低級アルキルエステルが挙げられる。上記ジカルボ
ン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、イタコン酸が挙げられる。上記ジ
カルボン酸無水物としては、上記各種ジカルボン酸の無
水物が挙げられる。また、上記ジカルボン酸の低級アル
キルエステルとしては、上記各種のジカルボン酸のメチ
ルエステル、ジメチルエステル、エチルエステル、ジエ
チルエステル、プロピルエステル、ジプロピルエステル
等が挙げられる。特に好ましくは、炭素数12〜36の
直鎖状ジカルボン酸およびその低級アルキルエステルが
挙げられ、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,
14−テトラデカメチレンジカルボン酸、1,18−オ
クタデカメチレンジカルボン酸、1,32−ドトリアコ
ンタンメチレンジカルボン酸等が挙げられる。上記その
低級アルキルエステルとしては、これらジカルボン酸の
メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、
ジプロピルエステル等が挙げられる。これらは単独で、
もしくは2種以上併せて用いることができる。なかで
も、反応の容易性という観点から、上記ジカルボン酸無
水物およびジカルボン酸の低級アルキルエステルを用い
ることが好ましい。
【0019】上記ジイソシアネート化合物としては、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、メチレンビスシクロヘキシ
ルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で、
または2種以上併せて用いることができる。
【0020】本発明のインクジェット用記録材には、イ
ンクの滲み特性を改良する目的等で、カチオン性ポリマ
ーを含有することができる。カチオン性ポリマーが添加
される層は特に限定があるわけではなく、例えばインク
吸着層および耐熱層のいずれか1層または両方に含有す
ることができる。本発明に好ましく用いられるカチオン
性ポリマーとしては、例えばポリアリルアミン塩酸塩、
ポリアルキルアミノアクリレート等、第4級化されたア
ミノ基を有するモノマーからなる共重合体等の高分子化
合物が挙げられる。これらの高分子化合物は、融点(T
m)が60℃〜200℃の範囲であり、分子量が1,0
00〜10万の範囲内であることが好ましい。
【0021】本発明において、カチオン性ポリマーの含
有量は約5〜70重量%であることが好ましい。カチオ
ン性ポリマーの含有量が5重量%以上であれば、インク
の滲みを効果的に抑制することができる。
【0022】インクジェット用記録材の各層、例えばイ
ンク吸着層、耐熱層等には、更にカチオン性活性剤また
はノニオン性活性剤を含めることができる。本発明にお
いて、カチオン性活性剤またはノニオン性活性剤の樹脂
中の含有量は1重量%〜10重量%の範囲内であること
が好ましい。本発明に好ましく用いられるカチオン性活
性剤としては、ポリエチレンイミン、第4級アンモニウ
ムクロライド、第4級アンモニウムサルフェート等が挙
げられ、本発明に好ましく用いられるノニオン性活性剤
としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセ
リン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0023】インクジェット用記録材の各層を形成する
樹脂組成物、例えば、インク吸着層を形成する樹脂組成
物、耐熱層を形成する樹脂組成物等は、これらを配合し
た後、二軸押出機を用いて、好ましくは同方向二軸押出
機を用いて混合してから、ペレット化しておくことがで
きる。なお、ペレット化は約160℃の温度で行うこと
が好ましい。
【0024】本発明においては、本発明の特性を損なわ
ない範囲内で酸化防止剤、紫外線防止剤等の各種の添加
剤をさらに含有させることができる。例えば、溶融押出
時の熱劣化を防止するために、樹脂組成物中に酸化防止
剤を含有させることが出来る。なお、熱安定性向上のた
めに添加する酸化防止剤の量としては、0.5重量%程
度が適当である。
【0025】また、インクジェット用記録材の手触りや
柔らかさ等、材料の風合いを改良するため可塑剤等を含
めることができる。本発明に好ましく用いられる可塑剤
としては、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げ
られる。また、ブロッキングを防止するために充填剤を
含めることができる。本発明に好ましく用いられる充填
剤としては例えばタルク等の無機充填剤を挙げることが
できる。
【0026】本発明のインクジェット用記録材が、基体
上にインク吸着層および発光層を有する場合には、例え
ば、各層の樹脂組成物を共押出しして積層する共押出
法、2層以上を共押出しでフィルム状に形成し、これを
他のシートと積層する押出ラミネート法等により製造す
ることができる。例えば、基体、インク吸着層および発
光層の各層の樹脂組成物をそれぞれ配合し、あるいは必
要に応じてペレット状にして、Tダイを共有連結した3
層Tダイ押出機の各ホッパーにそれぞれ投入し、温度8
0〜200℃の範囲で溶融して、3層Tダイから共押出
しし、冷却ロール、水中または空冷等で冷却固化して、
3層積層体のインクジェット用記録材を形成することが
できる。または、インク吸着層および発光層の各層の樹
脂組成物を2層Tダイ押出機に搭載して溶融し、2層T
ダイから基体上に直接押出して、インクジェット用記録
材を作製することもできる。また、2層共押出しにより
積層フィルムを形成した後、この積層フィルムを基体上
にラミネートしてもよいし、あるいは基体上に接着剤を
介して積層してもよい。なお、発光層を形成する樹脂と
してPVAが用いられる場合には、PVAの重合度とケ
ン化度とを適宜選択して共押出しすることにより、イン
ク吸着層と発光層との積層体を形成することが好まし
い。3層以上の層が基体上に設けられる場合には、共押
出しに必要な数のTダイを具備するTダイ押出機を用い
て同様に作製することができる。また、インク吸着層と
基体との間に1層以上の層が設けられている場合には、
例えば基体上にかかる層を設けたシートを形成し、一方
でインク吸着層と発光層とを共押出しにより形成してお
き、これらをラミネート等することによって設けること
もできる。
【0027】本発明においては、発光層をコーティング
等により形成してもよい。例えば、発光層を形成する樹
脂組成物を水等の溶媒に溶かした溶液を、インク吸着層
上にバーコーター、グラビアコーター等で塗布すること
により形成することができる。または、上記溶液を一旦
仮支持体上に塗布して膜を形成し、この膜をインク吸着
層上に転写することにより形成することもできる。
【0028】このようなインクジェット用記録材は公知
の方法により形成することができ、例えば、特開平10
−71763号第(6)〜(7)頁の記載に従って得る
ことができる。なお、粘着層は粘着剤を塗布する等、通
常使用されている方法により設けることができる。
【0029】本発明のインクジェット用記録材を用い
て、通常のインクジェット法により画像記録を行うこと
ができ、良好な画像を得ることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加え、エ
ステル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱
可塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェロー
ル(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を
1部配合し(試料A)、これに更に蓄光性顔料(「N夜
光」、根本特殊化学社製)を10部添加した(試料
A’)。試料A’をTダイ押出機のホッパーに投入し、
温度120℃で溶融押出しして厚さ30μmのフィルム
を形成した。次いで、得られたフィルムを再剥離型粘着
シート(「はるきた」、(株)きもと製)と熱融着させ
てインクジェット用記録材を作製した。
【0031】実施例2 親水性樹脂(「パオゲン」、第一工業製薬(株)製)に
熱安定剤としてトコフェロール(「UVINUL200
0AO」、BASF社製)を1部配合し(試料B)、こ
れに更に蓄光性顔料(「N夜光」、根本特殊化学社製)
を10部添加した(試料B’)。試料B’をTダイ押出
機のホッパーに投入し、温度120℃で溶融押出しして
厚さ30μmのフィルムを形成した。次いで、得られた
フィルムを再剥離型粘着シート(「はるきた」、(株)
きもと製)と熱融着させてインクジェット用記録材を作
製した。
【0032】実施例3 実施例1と同様にして、試料Aを調整した。すなわち、
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した
後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオ
キシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオ
クタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加え、エ
ステル交換反応を行って、重量平均分子量が15万の熱
可塑性樹脂を得た。これに熱安定剤としてトコフェロー
ル(「UVINUL2000AO」、BASF社製)を
1部を配合した(試料A)。実施例1と同様にして、試
料Aを溶融押出しにより厚さ30μmのフィルムに形成
した。これとは別に、PVA(「CP−1000」、
(株)クラレ製)に蓄光性顔料(「N夜光」、根本特殊
化学社製)を50部配合(試料C’)し、180℃で溶
融押出しして厚さ5μmのシートを得た。このシートを
試料Aからなるフィルム上に80℃で熱ラミネートし
た。次いで、試料Aからなるフィルム側に再剥離型粘着
シート(「はるきた」、(株)きもと製)を熱融着によ
り貼り合わせてインクジェット用記録材を作製した。
【0033】実施例4 実施例1と同様にして試料A’を調整した。すなわち、
試料Aに更に蓄光性顔料(「N夜光」、根本特殊化学社
製)を10部添加して試料A’を得た。この試料A’を
用い、実施例1と同様にして溶融押出しにより厚さ30
μmのフィルムを形成した。次いで、実施例3と同様に
して試料C’からなるシートを、得られた試料A’から
なるシート上に80℃で熱ラミネートして積層した。そ
の後、得られた2層シートを実施例3と同様にして、再
剥離型粘着シートと熱融着により貼り合わせてインクジ
ェット用記録材を作製した。
【0034】得られたインクジェット用記録材につい
て、印字品質および発光性の評価を下記に従い行った。
なお、印字品質においては、比較のためインクジェット
用記録紙(「純正シート」、ヒューレットパッカード社
製)を基準シートとして同様の評価を行った。その結果
を、印字品質の評価については表1に、発光性の評価に
ついては表2に示した。 (1)印字品質 インクジェット用記録材にヒューレットパッカード社製
の「デザインジェット2500CP」を用いて、独自に
作製した模様パターンをA4版で印刷し、その印刷状態
を肉眼で観察し、印字品質を評価した。ただし、印字品
質が優れているものを「○」、ややムラがあるのものを
「△」、印字品質にムラがあるものを「×」で示した。 (2)発光性 印字品質の評価において印刷したシートについて、暗室
内で明るさおよび画像の明確さを目視評価した。ただ
し、明るさについては、印刷したシートが非常に明るく
見えたものを記号「◎」、明るかったものを「○」、暗
かったものを「×」で示し、また画像の明確さについて
は、印刷画像が明瞭に確認できるものを記号「○」、確
認できないものを「×」で示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1から明らかなように、実施例1〜4の
インクジェット用記録材は、一般に用いられるインクジ
ェット用記録紙と比較しても、同等以上の印字品質を有
するものであることが分かった。表2から明らかなよう
に、実施例1〜4のインクジェット用記録材は、蓄光性
を有し、暗所においても十分に明るく見え、画像も明確
に認識できることが分かった。なお、実施例3〜4のイ
ンクジェット用記録材は最外層に耐熱層を有し、耐熱
性、ブロッキング性、耐傷性にも優れていた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット用記録材は、蓄光性に優れ、かつインクジェットで
の印字が可能であり、優れた印字品質が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刺激によって励起され、刺激が停止した
    後に発光が生じる蓄光性物質を含有する層を有すること
    を特徴とするインクジェット用記録材。
  2. 【請求項2】 吸水性樹脂を主成分とするインク吸着層
    を有するインクジェット用記録材であって、該インク吸
    着層はさらに前記蓄光性物質を含有することを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェット用記録材。
  3. 【請求項3】 前記インク吸着層の上面に蓄光性物質を
    含有する発光層を有し、該発光層に含有される蓄光性物
    質の濃度が、該インク吸着層に含有される蓄光性物質の
    濃度より高いことを特徴とする請求項2に記載のインク
    ジェット用記録材。
  4. 【請求項4】 前記発光層のバインダーが、ポリビニル
    アルコール系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のインクジェット用記録
    材。
  5. 【請求項5】 前記吸水性樹脂が、下記、一般式(1) 【化1】 であり、a、bおよびcはそれぞれ1以上の整数であ
    り、a、b、cより計算される重量比、44(a+c)
    /(炭素数3以上のα−オレフィンオキシドの分子量)
    b、は80/20〜94/6であり、Xは活性水素基
    を2個有する有機化合物の残基、Zは炭素数1以上の炭
    化水素基、R11はジカルボン酸類化合物残基またはジ
    イソシアネート系化合物残基である)で示されることを
    特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のインク
    ジェット用記録材。
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