JP2001314681A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JP2001314681A
JP2001314681A JP2000133869A JP2000133869A JP2001314681A JP 2001314681 A JP2001314681 A JP 2001314681A JP 2000133869 A JP2000133869 A JP 2000133869A JP 2000133869 A JP2000133869 A JP 2000133869A JP 2001314681 A JP2001314681 A JP 2001314681A
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looper
retainer
thread
sewing machine
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JP2000133869A
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Yoshiyuki Tanaka
良幸 田中
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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Yamato Sewing Machine Mfg Co Ltd
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
    • D05B1/00General types of sewing apparatus or machines without mechanism for lateral movement of the needle or the work or both
    • D05B1/08General types of sewing apparatus or machines without mechanism for lateral movement of the needle or the work or both for making multi-thread seams
    • D05B1/10Double chain-stitch seams

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生地の裏面において針糸のループにルーパ糸
が緩んだ状態で絡まる望ましい二重環縫い又は偏平縫い
の縫い目が、生地に痕跡を残すことなく安定して得られ
るようにする。 【構成】 針板上の生地Wを貫通して上下動する針1
と、針板下にて進退動作するルーパ2とを備え、針1の
上動により針板下に残る針糸10をルーパ2の進出により
捉え、生地Wの送りに伴って引き出す一方、ルーパ2の
退入により針板下に残るルーパ糸20を針1の下動により
捉えて、二重環縫い又は偏平縫いの縫い目を形成するよ
うにしたミシンにおいて、針1の上下動に連動して、生
地Wの送り面と略平行をなす面内を前後に進退動作する
リテーナ杆30を備え、このリテーナ杆30が、後方への進
出時に針1よりもルーパ2の進出側にてルーパ糸20を捉
え、捉えたルーパ糸20を針1との間に緊張状態に保持す
る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二重環縫いミシン、偏
平縫いミシン、安全縫いミシン等、針板上の生地を貫通
して上下動する針と、針板下にて左右方向に進退動作す
るルーパとにより縫いを構成するミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】針糸を保持し、針板上の生地を貫通して
上下動する一又は複数の針と、ルーパ糸を保持し、針板
下にて左右方向に進退動作するルーパとを備える二重環
縫いミシンの縫い動作は、針の下動により繰り出されて
上動への転換時に針板下に残される針糸のループを、こ
の上動に同期して進出するルーパにより捉える動作と、
ルーパに捉えた針糸のループを前記針板上にて前後方向
に生じる生地の送りによって引き出す動作と、ルーパの
退入への転換時に残されるルーパ糸のループを、この退
入に同期して下動する針によって捉える動作とをこの順
に繰り返して行なわれる。
【0003】このような縫い動作は、偏平縫いミシンに
おいても同様に行なわれ、また安全縫いミシンは、生地
の端縁の縁かがり縫いと同時に、この縫いの一側に沿わ
せて前述した二重環縫いを行なわせるように構成されて
いる。
【0004】図3及び図4は、二重環縫いの縫い目を縫
製生地の裏面側から見た平面図である。これらに示す如
く二重環縫いの縫い目は、生地Wの裏面に運針量に相当
する所定の間隔毎に露出する針糸10のループにルーパ糸
20が絡み、図示の形態をなして形成される。
【0005】図中の白抜矢符は生地Wの送り方向を示し
ており、前記縫い目における針糸10とルーパ糸20との絡
みは、針糸10の一つのループ(後ループ)に送り方向後
側からルーパ糸20を挿通し、後ループの前側に相隣する
ループ(前ループ)の前部を通して後方に戻し、後ルー
プに再度挿通せしめて折り返し、送り方向後側から前ル
ープに挿通する順を繰り返すことにより、図示の如く、
ルーパ糸20が形成する二重の環を、送り方向に相隣して
針糸10が形成する後ループと前ループとの間に架け渡し
た態様をなして生じている。
【0006】図3と図4とに夫々示す縫い目の形態の相
違は、針糸10とルーパ糸20との張力バランスによって生
じるものであり、ルーパ糸20の張力に対して針糸10の張
力を相対的に高めた場合、生地Wの表面側への針糸10の
引きによりルーパ糸20の挿通部位が強く引き締められる
結果、図3に示す如く、ルーパ糸20が形成する二重環
が、針糸10の後ループと前ループとの間にて幅方向に広
がった縫い目となる。逆に、ルーパ糸20の張力に対して
針糸10の張力を相対的に弱めた場合、針糸10による相対
的に緩い引き締めに抗してルーパ糸20が引っ張られる結
果、図4に示す如く、ルーパ糸20が形成する二重環が、
針糸10の後ループと前ループとの間にて伸張して相互に
重なった縫い目となる。
【0007】このような縫い目の形態は、縫製対象とな
る生地Wの種類、縫製部位等の縫製条件に応じて選定さ
れる。例えば、デニム地等、剛性に富む厚手の生地の縫
製においては、緩みのない強固な縫いを実現すべく、図
4に示す縫い目が選定されることが多く、ワイシャツ用
の生地等、柔軟性を有する薄手の生地の縫製において
は、柔らかな風合いを得るべく図3に示す縫い目が選定
される。
【0008】ところが、図3に示す縫い目を得るには、
前述した如く、針糸10の張力をルーパ糸20の張力に対し
て相対的に高めねばならず、このことを針糸10の張力を
増して実現した場合、針糸10の高張力により生地自体が
引き締められ、縫製後の生地にパッカリングと称される
表面皺が発生して、仕上がり品質の低下を招く問題があ
り、逆に、ルーパ糸20の張力を減じて実現した場合、ル
ーパにより繰り出されるルーパ糸20が弛緩状態にあるた
めに、針の下動時にルーパ糸20の捕捉ミスが生じ易く、
目飛びが発生して仕上がり品質の低下を招く問題があ
る。
【0009】以上の如き問題を解決し図3に示す縫い目
を安定して得ることを目的として、従来からリテーナ針
を備えたミシンが実用化されている。このリテーナ針
は、縫いを形成するための針と共に、該針よりも前記ル
ーパの進出側に位置して針棒に装着され、針棒の下動時
には、前記針よりも先行して針板下に達する一方、針棒
の上動時には、前記針よりも遅れて針板下から抜け出す
ようにしてある。
【0010】この構成によれば、ルーパの進出により繰
り出されたルーパ糸20は、針に先行して針板下に達する
リテーナ針により、前記針よりもルーパの進出側(複数
の針を有する場合には最外側の針の更に外側)にて捕捉
され、この捕捉が、次回のルーパの進出に同期して針が
上動し、針糸10による引き締めが開始されるまで維持さ
れる。この結果、前記図3に示す如く、生地Wの裏面に
露出する針糸10の前,後ループ間にてルーパ糸20による
二重環が緩やかに広がった縫い目が安定して形成される
上、このための針糸10及びルーパ糸20の張力調整が不要
であり、前述したパッカリング、目飛び等の縫製不良の
発生を招来することもない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、リテーナ
針を備えたミシンにおいては、針を上下動させるための
針棒に前記リテーナ針を取り付けるだけの簡素な構成で
ありながら、二重環縫い(安全縫いを含む)又は偏平縫
いを、縫製生地の種類の如何に拘らず安定して実施する
ことが可能である。
【0012】ところが前記リテーナ針は、ルーパ糸20を
捕捉するために、針と共に生地Wを貫通して針板下に達
する構成となっているため、このようなリテーナ針を備
えたミシンにより縫製を行なった場合、図3に示す如
く、二重環の縫い目の一側(ルーパの進出側)にリテー
ナの貫通に伴う空孔H,H…が並ぶことになり、特に高
い仕上がり品質が要求される用途においては、これらの
空孔H,H…の存在が問題となる。
【0013】また近年においては、洗濯後のアイロンか
けを不要とすべく、形状記憶機能を有する生地を用いた
縫製物(ワイシャツ、ハンカチ等)が実用化されている
が、この種の縫製物の各部の縫製にリテーナ針を備えた
ミシンを用いた場合、前記空孔H,H…が形成時のまま
の余分な痕跡として残り、良好な仕上がり品質が得られ
なくなる虞れがある。
【0014】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、生地の裏面における針糸に対するルーパ糸の絡
まり状態が良好な二重環縫い又は偏平縫いを、このため
の余分な痕跡を伴うことなく形成することができ、良質
な縫製品を安定して得ることができるミシンを提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
ミシンは、針糸を保持して針板の上下を含む所定ストロ
ークの上下動作をなし、下動時に針板上の生地を貫通し
て針板下のルーパ糸を捉える一又は複数の針と、ルーパ
糸を保持して針板下にて左右方向の進退動作をなし、そ
の進出動作時に前記針の下動位置に残る針糸を捉えるル
ーパと、針板下の該針板と略平行をなす面内にて前後方
向の進退動作をなし、後方への進出時に前記ルーパの動
作経路と交叉して、該ルーパに保持されたルーパ糸を前
記針よりもルーパの進出側にて捉えるリテーナとを具備
することを特徴とする。
【0016】本発明においては、針板の下部に、針の上
下動及びルーパの左右動に連動して前記針板と略平行を
なす面内にて前後に進退動作するリテーナ、即ち、針及
びルーパの動作と干渉せず、また針板上の生地に影響を
及ぼさずに動作するリテーナを配し、このリテーナが、
後方への進出時に針よりもルーパの進出側においてルー
パ糸を捕捉し、この捕捉を、その後に前方に退入するま
で維持し、ルーパ糸を緊張下に保って針糸の引き締め、
針糸に対してルーパ糸が緩んだ状態で絡まる所望の縫い
目を実現する。
【0017】また本発明の第2発明に係るミシンは、第
1発明におけるリテーナが、前記針板の下方に配されミ
シン主軸からの伝動により前後に揺動するリテーナ台
と、該リテーナ台に基部を固定され、前記針板の下面に
沿って湾曲するリテーナ杆とを備えることを特徴とす
る。
【0018】この発明においては、ミシン主軸からの伝
動により前後に揺動するリテーナ台に適宜の曲率にて湾
曲するリテーナ杆を、その湾曲部が針板の下面に沿うよ
うに取り付けてリテーナを構成し、ルーパ糸の捕捉及び
捕捉解除のためのリテーナ杆の前後方向の進退動作をリ
テーナ台の揺動により実現して、リテーナ台及びリテー
ナ杆を含めたリテーナ全体を、針板下部の筒形ベッドの
内部等、限定されたスペース内にコンパクトに配置す
る。
【0019】更に第3発明に係るミシンは、第1又は第
2発明におけるリテーナの動作タイミングが、後方への
進出により捉えたルーパ糸の捕捉状態を、少なくとも、
針の上動に応じて進出するルーパの先端が前記針の動作
経路を横切るまで維持すべく設定してあることを特徴と
する。
【0020】この発明においては、前記動作タイミング
でのリテーナの動作により、ルーパ糸の引き締め前の針
糸の引き締めを確実に行なわせて、ルーパ糸が緩んだ状
態にある所望の縫い目を正しく実現する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係るミシン
の縫製動作の説明図である。なお以下の説明では、針板
14(図2及び図3参照)上にて送りを加えられる生地W
に対し、一本の針1とルーパ2とによる二重環縫いを行
なうミシンについて述べるが、複数本の針1,1…とル
ーパ2とによる二重環縫い、安全縫い、又は複数本の針
1,1…とルーパ2とによる偏平縫いを夫々行なうミシ
ンにおいても本発明の適用は可能である。
【0022】前記針1は、針板14上での生地Wの送り域
を含んで所定ストロークの上下動作を行ない、また前記
ルーパ2は、針板14の下部において、針1の上下動の方
向及び生地Wの送り方向の夫々と略直交する方向に進退
動作するようになしてある。前記生地Wの送り方向は、
図中に矢符により示されており、以下の説明において
は、この送り方向の下流側(図の左側)を後、上流側
(図の右側)を前とし、また針1の動作については上動
及び下動を用いる。
【0023】またルーパ2は、送り方向に向かって針1
の右側に配され、送り方向に向かって左向きに進出動作
が、右向きに退入動作が行なわれるようになしてあり、
以下の説明においてルーパ2の動作については、左進及
び右退なる記述を用いる。なおルーパ2の実際の動作
は、左進及び右退に前後の移動を伴い、針1の上下動位
置を内側に含む長円形の軌道に沿って生じ、ルーパ2の
左進は、針1の後側を通って行なわれ、同じく右退は、
針1の前側を通って行なわれる。ルーパ2は、図とは逆
に針1の左側に配置し、右向きの進出と左向きの退入と
を行なうように構成することも可能である。
【0024】前記針1には、その先端(下端)部近傍を
前後に貫通する糸孔11が形成してあり、該糸孔11には、
上方から導かれた針糸10が前側から挿通保持させてあ
り、該針糸10は、針1の下動により生地Wを貫通して針
板14下に繰り出されるようになしてある。またルーパ2
には、その先端(左端)部近傍を前後に貫通する糸孔21
が形成してあり、該糸孔21には、右方からルーパ2の導
かれたルーパ糸20が前側から挿通保持させてあり、該ル
ーパ糸20は、ルーパ2の左進により繰り出されるように
なしてある。
【0025】本発明に係るミシンは、以上の動作をなす
針1及びルーパ2に加えて、針板14の下側(生地Wの下
側)を動作域として後述の如く構成されたリテーナ3
(図2参照)を備えている。図1には、前記リテーナ3
の作用部となるリテーナ杆30が示されている。該リテー
ナ杆30は、大なる曲率を有して湾曲する細径丸棒状の部
材であり、その長手方向を前後に向け、針板14の下面、
即ち、生地Wの裏面に沿わせて配してあり、リテーナ3
の後述する動作により、前記針板14と略平行をなす面内
において、自身の長手方向、即ち、前後方向に進退動作
するようになしてある。なお以下の説明においては、ル
ーパ糸20を捉えるべく後方に向かうリテーナ杆30の動作
を進出とし、逆に前方に戻る動作を退入とする。
【0026】ルーパ2及びリテーナ3(リテーナ杆30)
の動作は、図示しないミシン主軸からの各別の伝動によ
り、針1の上下動に関連して行なわれる。ルーパ2の進
退動作は、針1の上下動と同向きに生じ、該ルーパ2
は、針1の上動と共に左進し、針1の下動と共に右退す
る。一方、リテーナ杆30の進退動作は、針1の上下動及
びルーパ2の進退動作と逆向きに生じ、該リテーナ杆30
は、針1の上動(ルーパ2の左進)に伴って退入し、針
1の下動(ルーパ2の右退)に伴って進出する。
【0027】図1(a)は、ルーパ2が左進端にある状
態を示しており、このとき針1は、図示の上死点にあっ
て下動を開始し、リテーナ杆30は、図示の退入位置にあ
って後向きへの進出を開始する。左進端にあるルーパ2
は、左進の過程において捕捉した針糸10のループを保持
しており、この針糸10は、針1が上動している間に生地
Wに加えられる送りにより、図示の如く引き出される。
【0028】前記ルーパ2は、左進端への到達後、前方
への所定の移動を伴って右退を開始する。図1(b)
は、ルーパ2が右退を始めた後の状態を示している。針
1は、ルーパ2の右退に先立って下動を開始しており、
図示の如く、生地Wを貫通して針板14下に達し、右退中
のルーパ2の後側に形成されるルーパ糸20のループ内
に、該ルーパ2に保持された針糸10の左側において進入
する。また、針1の下動に伴って進出するリテーナ杆30
は、図示の如く、後退するルーパ2の先端部を横切って
該ルーパ2の後側に達し、ルーパ糸20による形成ループ
を針1よりも左側(ルーパ2の進出側)にて捕捉する。
【0029】ルーパ2に保持された針糸10のループは、
ルーパ2が適宜に右退した段階にて外れ、このループに
二重に挿通されたルーパ糸20は、針糸10への付与張力に
より引き締められる。この間、前記リテーナ杆30は進出
状態にあり、先に捕捉したルーパ糸20の保持を継続す
る。図1(c)はリテーナ杆30が後方への進出端近傍に
達した状態を示しており、図示の如くリテーナ杆30は、
下死点近傍にある針1の左側でのルーパ糸20の保持を継
続し、該ルーパ糸20は、右退位置にあるルーパ2から引
き出される。
【0030】この後ルーパ2は、後側への移動を伴って
左進動作に転換し、また針1は上動に、リテーナ杆30は
前方に戻る退入動作に夫々転換する。ルーパ2の左進
は、針1の後側において行なわれ、針1の上動に伴って
後側に形成される針糸10のループは、左進するルーパ2
により図1(d)に示す如く捉えられ、該針1の左側に
おいてリテーナ杆30に保持されたルーパ糸20は、この後
のリテーナ杆30の退入動作に伴って外れ、ルーパ2に捉
えられている針糸10のループ(前ループ)と、先にルー
パ2から外れた針糸10のループ(後ループ)との間に掛
け渡される。
【0031】なお、図1(c)及び図1(d)において
は、針糸10とルーパ糸20との関係を明らかとするため
に、これらの糸が緩んでいるかの如くに図示されている
が、右退するルーパ2から外れた針糸1の後ループは、
前述した如く、該針糸10の付与張力の作用により、図1
(c)の状態への移行前に引き締められる。従って、図
1(d)の状態の後にリテーナ杆30の退入によるルーパ
糸20の外れは、前記後ループの引き締めの後に生じるこ
とになり、前述した動作により形成される縫い目は、前
記図3に示す如く、ルーパ糸20の二重環が針糸10の前後
ループ間に緩みを有して掛け渡された望ましい形態をな
すことになる。
【0032】そして本発明に係るミシンにおいては、ル
ーパ糸20を保持するリテーナ杆30の動作が、生地Wの送
り面となる針板14の下側を動作域として行なわれる結
果、図3中に示す空孔H,H…の如き動作痕が生地Wに
残らず、仕上がり品質の向上が達成される。またリテー
ナ杆30は、前記針板14と略平行をなす面内での後向きの
進出動作によりルーパ2の動作経路と交叉し、該ルーパ
2に保持されたルーパ20を捉える構成としてあり、この
ときルーパ2は、図1(b)に示す如く、右退の開始前
に前方、即ち、リテーナ杆30の進出方向と逆向きに変位
する。従って、前記ルーパ糸20の捕捉は、相反する向き
に動作しつつ交叉するリテーナ杆30とルーパ2との間に
て確実に行なわれる。
【0033】図2は、リテーナ杆30に前述した進退動作
を行なわせるためのリテーナ3の全体構成を、これを備
えるミシンの概略構成と併せて示す左側断面図である。
図中Aは、ミシンアーム、Bは、ミシンベッドであり、
ミシンベッドBの上部に適長離隔して対向するミシンア
ームAの先端部には、上下方向への摺動自在に針棒12が
支持されている。ミシンベッドB上に架設された針板14
をその下方に臨む前記針棒12の先端には、針止め13を介
して針1が取り付けてあり、該針1は、前記針棒12の上
下動に応じて前述した上下動作を行なう構成となってい
る。
【0034】リテーナ3は、筒形の断面をなすミシンベ
ッドBの内部に配されたリテーナ軸Sと、該リテーナ軸
Sに嵌着されたリテーナ台31と、該リテーナ台31に取り
付けられた前記リテーナ杆30とを備えて構成されてい
る。リテーナ軸Sは、前記針板14の下方に適長離隔した
位置に、その軸長方向を左右方向、即ち、針板14上での
生地の送り方向と略直交する方向として架設されてお
り、これと略平行をなしてミシンベッドBの内部に架設
された主軸S0 に公知のエキセン環4を介して連結さ
れ、該主軸S0 の回転に応じて、自身の軸周りに所定角
度の反復回動をなすようにしてある。
【0035】リテーナ杆30は、図1に示す如く、適宜の
曲率にて湾曲する細径丸棒状の部材であり、その一側端
部には、湾曲円の半径方向内側に延びる基部 30aが連設
されている。リテーナ杆30の取り付け台となるリテーナ
台31は、前記リテーナ軸Sに嵌着されたボス環の外周の
一か所に、略接線方向に延びる細径筒形の固定筒 31aを
備えて構成されており、リテーナ杆30の取り付けは、そ
の基部 30aをリテーナ台31の固定筒 31aに差し込み、止
めねじ等の適宜の手段により固定してなされている。
【0036】以上の如く構成されたリテーナ3におい
て、リテーナ台31は、リテーナ軸Sの反復回動に伴って
所定の角度範囲にて揺動し、この揺動によりリテーナ杆
30の湾曲部は、リテーナ軸Sの軸心を中心とし、該リテ
ーナ軸Sと略直交する面内、即ち、前後方向に進退動作
することになる。またこのリテーナ3は、図示の如き筒
形断面を有し、針板14上の生地に送りを加える送り歯
(図示せず)及び前記ルーパ2への伝動機構の配設によ
って空間的な余裕の少ないミシンベッドBの内部での配
置及び動作が可能であり、ミシンの種別によらず適用す
ることができる。
【0037】前述の如く生じるリテーナ杆30の進退動作
は、その基部 30aのリテーナ台31への取り付け位置の調
節により、前記針板14の下面に沿わせて行なわせること
ができ、更に、リテーナ杆30の進退動作のタイミング、
より詳しくは、リテーナ杆30が進出してルーパ糸20を捕
捉するタイミングと、進出の後のリテーナ杆30の退入に
よりルーパ糸20の捕捉を解除するタイミングとは、リテ
ーナ軸Sの周上にてリテーナ台31の取り付け位置を調節
してリテーナ杆30の初期位置を変え、更に、リテーナ軸
Sを主軸S0 と連結するエキセン環4の偏心量を調節し
てリテーナ杆30の動作ストロークを加減することにより
自在に設定することができる。
【0038】このような進退動作のタイミング設定にお
いては、リテーナ杆30によるルーパ糸20の保持の目的を
考慮した場合、退入時におけるルーパ糸20の捕捉解除の
タイミングが重要である。このタイミングは、リテーナ
杆30の後方への進出により捉えたルーパ糸20の捕捉状態
を、少なくとも、左進するルーパ2の先端がこれに伴っ
て上動する針1の動作経路を横切るまで、即ち、図1
(d)に示す状態の直前まで維持されるように設定され
る必要がある。
【0039】なお、複数本の針1を備えるミシンにおい
て前記捕捉解除のタイミングは、ルーパ2から離れた位
置にある針1に対して同様に設定すればよい。また、リ
テーナ杆30の進出時におけるルーパ糸20の捕捉タイミン
グは、この捕捉が可能な範囲において設定されればよ
く、この設定は、前述の如く、リテーナ3の動作をエキ
セン環4による主軸Sとの連携により行なわせる構成に
おいては、捕捉解除のタイミングの前述した設定により
適正に行なわれる。
【0040】また捕捉解除のタイミングは、左進するル
ーパ2の先端が針1の動作経路を横切る時点以降であれ
ば、次回の捕捉が行なわれるルーパ2の右退開始時点を
超えない範囲において十分に遅れて設定されるのがよ
く、特に、実施の形態に示す如く単一の針1を備えるミ
シンにおいては、針糸10の引き締めによるルーパ糸20の
拘束が不十分となり易いことから、前記図3に示す所望
の縫い目を安定して得るには、解除タイミングを遅れ気
味に設定するのが望ましい。
【0041】また、以上の如き駆動機構の主要部は、ル
ーパ2及び送り歯5への伝動機構の配設により空間的な
余裕の少ない針板14の下側を避けて構成されており、針
板14の下部には、細径のリテーナ3の配設が必要となる
のみであり、リテーナ3の後付けが容易に行なえる効果
がある。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
るミシンにおいては、針板の下部に配したリテーナが、
針板と略平行をなす面内にて後向きに進出してルーパ糸
を捕捉して保持する構成としたから、針糸に対してルー
パ糸が緩んだ状態で絡まる所望の縫い目が、生地に痕跡
を残すことなく安定して得られるようになる。
【0043】また第2発明に係るミシンにおいては、前
述した作用をなすリテーナを、針板の下部において前後
に揺動するリテーナ台に、湾曲部を有するリテーナ杆
を、該湾曲部が針板の下面に沿うように取り付けて構成
したから、筒形ベッドを備える機種等、針板下部の空間
が限定されている機種への適用が可能となり、所望の縫
い目を備える良質な縫製品が安定して得られるようにな
る。
【0044】更に第3発明に係るミシンにおいては、前
述した動作をなすリテーナの動作タイミングを、少なく
とも、針の上動に応じて進出するルーパの先端が前記針
の動作経路を横切るまでルーパ糸の捕捉状態を維持する
ように設定したから、ルーパ糸の捕捉解除前に針糸の引
き締めがなされ、ルーパ糸が緩んだ状態にある所望の縫
い目を確実に実現することができ、良質な縫製品が安定
して得られるようになる等、本発明は優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るミシンの一実施の形態を示す縫製
動作の説明図である。
【図2】図1に示すミシンにおけるリテーナの駆動機構
の一例を示す側面図である。
【図3】二重環縫いによる縫い目を生地の裏面側から見
た平面図である。
【図4】二重環縫いによる縫い目を生地の裏面側から見
た平面図である。
【符号の説明】
1 針 2 ルーパ 3 リテーナ 10 針糸 14 針板 20 ルーパ糸 30 リテーナ杆 31 リテーナ台 A ミシンアーム B ミシンベッド S リテーナ軸 S1 主軸 W 生地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針糸を保持して針板の上下を含む所定ス
    トロークの上下動作をなし、下動時に針板上の生地を貫
    通して針板下のルーパ糸を捉える一又は複数の針と、 ルーパ糸を保持して針板下にて左右方向の進退動作をな
    し、その進出動作時に前記針の下動位置に残る針糸を捉
    えるルーパと、 針板下の該針板と略平行をなす面内にて前後方向の進退
    動作をなし、後方への進出時に前記ルーパの動作経路と
    交叉して、該ルーパに保持されたルーパ糸を前記針より
    もルーパの進出側にて捉えるリテーナとを具備すること
    を特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 前記リテーナは、前記針板の下方に配さ
    れミシン主軸からの伝動により前後に揺動するリテーナ
    台と、該リテーナ台に基部を固定され、前記針板の下面
    に沿って湾曲するリテーナ杆とを備える請求項1記載の
    ミシン。
  3. 【請求項3】 前記リテーナの動作タイミングは、後方
    への進出により捉えたルーパ糸の捕捉状態を、少なくと
    も、針の上動に応じて進出するルーパの先端が前記針の
    動作経路を横切るまで維持すべく設定してある請求項1
    又は請求項2記載のミシン。
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