JP4403507B2 - ミシン - Google Patents

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Description

本発明は、複数針2重環縫いミシン、複数針偏平縫いミシン等、複数本の針と単一のルーパとの動作による縫いを構成するミシンに関する。
複数針2重環縫いミシンは、生地の送りの方向と略直交する面内に並設され、前記生地を貫通して上下動する複数本の針と、これらの針の並設方向に前記生地の下面に沿って進退動作するルーパとを備えている。このミシンは、複数本の針の下動により繰り出されて上動への転換時に生地の下側に形成される針糸の糸環列をルーパの進出により捉え、生地の送りに伴って引き出す一方、前記ルーパの進出により繰り出されるルーパ糸を、該ルーパの後側に下動する針により捉える動作を繰り返すことにより2重環の縫目を形成する
図6は、3本針2重環縫いミシンにより形成される縫目構造の説明図であり、生地の上下両面における縫目の状態が示されている。本図に示す如く2重環縫いの縫目は、縫製生地Wの上面に互いに平行をなして並び、送りピッチに対応する間隔にて縫製生地Wを上下に貫く3本の針糸10,10,10と、これらの針糸10,10,10に縫製生地Wの下面において絡み合う1本のルーパ糸20とにより構成されている(例えば、非特許文献1参照)。なお図中の白抜矢符は縫製生地Wの送り方向を示している。
針糸10,10,10は、貫通位置の夫々において縫製生地Wの下面に突出し、送りの方向に並ぶ糸環列11,11,11を形成しており、これらの糸環列11,11,11が、縫製生地Wの下面に沿って糸繰りされるルーパ糸20と絡み合わされ、図示の如き2重環縫いの縫目が形成される。このように形成される2重環縫いの縫目は、縫目強度が高く、縫いの方向への伸縮性に富むという優れた特性を有しており、更に、上飾り糸を追加して形成される偏平縫いの縫目は、針糸に規則的に絡み合う上飾り糸及びルーパ糸が縫製生地の表裏両面に夫々存在し、表裏両側からの見栄えが良好であるという意匠上の利点も有していることから、近年、各種衣料品の縫製に広範囲に採用されている。
「縫製事典」,繊維協会出版局発行,昭和44年6月1日
ところが、近年における縫製品の多様化に伴って、より高い縫目強度の実現、伸縮性の抑制等、2重環縫い(偏平縫いを含む)の縫目構造によっても対応が難しい要求がなされる場合がある。また、図6に示す如く形成される2重環縫いの縫目構造においては、ルーパ糸20の一部を切断し、この切断端を引っ張った場合、針糸10の糸環列11,11,11との絡みが縫い始めの側に向けて順次外れ、縫目を連続して解くことができる。このことは、縫製ミスの発生時に縫い直しを簡易に実施するために有用である一方、縫製品としての使用中にルーパ糸が切れた場合に、広範囲に亘って縫目の解けを招来する結果となり、縫製品の品質向上を図る面からは好ましくない。
このような事情により本願出願人は、2重環縫いの縫目を基本とし、縫目強度を一層高めると共に、伸縮性を適度に抑制することができ、更に、ルーパ糸の糸切れによる縫目の不要な解けを有効に防止することができる新規の縫目構造を、特願2003−310199に提案している。図7は、この縫目構造を示す平面図であり、縫製生地Wの下面における縫目の一部が拡大して示されている。
本図に示す縫目構造は、3本の針糸10,10,10の夫々により、縫製生地Wの下面に互いに平行をなして並設された3つの糸環列11,11,11に、2本のルーパ糸(第1のルーパ糸21及び第2のルーパ糸22)を絡み合わせて構成されている。
3本の針糸10,10,10の夫々は、これらを保持する各別の針(図示せず)の上下動により、図中に白抜矢符にて示す方向に間欠的な送りを加えられる縫製生地Wを所定の送りピッチ毎に上下に貫通せしめられており、3つの糸環列11,11,11は、夫々の針の貫通位置に残される図示の如きループ状の糸環の並びとして形成されている。
第1のルーパ糸21は、図の側から側に向けて進出動作し、側から側に向けて退入動作するルーパ(図示せず)により、3つの糸環列11,11,11の並設域の全幅に亘って糸繰りされ、全ての糸環列11,11,11と図示の如く絡み合わされて第1の2重環縫い部を構成している。一方、第2のルーパ糸22は、3つの糸環列11,11,11のうち、ルーパの進出側を除く2つの糸環列11,11の並設域の幅内にて糸繰りされ、これらと図示の如く絡み合わされて第2の2重環縫い部を構成している。
このような縫目構造においては、3本の針糸10,10,10と2本のルーパ糸21,22とが絡み合っていることから、通常の2重環縫いの縫目構造に比して高い縫目強度を得ることができ、また伸縮性の調整が可能である。更に、3つの糸環列11,11,11の全てに絡み合う第1のルーパ糸21と、2つの糸環列11,11に絡み合う第2のルーパ糸22とが、縫製生地Wの下面において相互に重なり合うため、ルーパ糸21,22の一方が中途において切断され、この切断端が引っ張られた場合においても、このルーパ糸21又は22の糸環列11,11,11からの外れが、他方のルーパ糸22,21の存在により阻止され、縫い始め側に向けて生じる縫目の解けを中途において止めることができる。
なお、縫目を解く場合、第1,第2のルーパ糸21,22を共に切断し、これらの切断端を交互に引っ張ればよく、例えば、縫製途中の縫い直しに対応することが可能であるが、第1,第2のルーパ糸21,22が共に切れ、これらが交互に引っ張られるという状況は、縫製品としての通常の使用状態において発生する虞れは殆どなく、糸切れに起因する縫目の不要な解けは防止されることとなる。
以上のように、図7に示す縫目構造は、通常の2重環縫いにおける利点を増進し、欠点を緩和し得る優れたものであるが、本願出願人による前記特願2003−310199には、この縫目構造を実現するためのミシンの具体的な構成が開示されていない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、特願2003−310199に提案され、縫目強度の向上と、適度の伸縮性とを併せて実現することができる上、ルーパ糸の糸切れによる縫目の不要な解けを有効に防止することができる新規の縫目構造を実現するためのミシンを提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係るミシンは、縫製生地の送り方向と略直交する面内に並び、各別に保持された針糸と共に上下動する複数本の針と、これらの針の下動位置に配され、ルーパ糸を保持して前記針の並び方向に進退動作する単一のルーパとを備えるミシンにおいて、前記ルーパは、先端部に形成され、第1のルーパ糸を挿通保持する第1の糸孔と、中途部に形成され、第2のルーパ糸を挿通保持する第2の糸孔とを備えることを特徴とする。
本発明においては、ルーパの先端に設けた第1の糸孔に挿通保持された第1のルーパ糸を、複数本の針の夫々により糸繰りされる針糸の全部に絡ませ、また前記針糸の一部をルーパの中途に設けた第2の糸孔に挿通保持された第2のルーパ糸を、前記針糸の一部に絡ませて、前述した新規の縫目構造を実現する。
また本発明の第2発明に係るミシンは、第1発明における第2の糸孔のルーパの背面への開口が、該ルーパの最大厚部と略面一をなす座面に形成してあることを特徴とする。
この発明においては、針との衝突緩和のために上部の厚さを減じた3角形状の断面を有するルーパの背面の中途に、該背面と略面一となる座面を設け、この座面に開口するように第2の糸孔を形成し、ルーパの中途において第2の糸孔に挿通保持された第2のルーパ糸とルーパの背面との間に適宜の隙間を確保して、この背面側に下動する針により前記第2のルーパ糸を確実に捕捉させる。
また本発明の第3発明に係るミシンは、第1又は第2発明における第2の糸孔が、第1の糸孔よりも下位置に形成してあることを特徴とする。
この発明においては、第2の糸孔に保持された第2のルーパ糸を第1の糸孔に保持された第1のルーパ糸よりも下に位置させ、第2のルーパ糸が下動する針と交叉するタイミングを第1のルーパ糸のそれよりも遅らせて、第2のルーパ糸が、第1のルーパ糸のみに絡ませる針糸を糸繰りする針により誤って捕捉される虞れを緩和する。
更に本発明の第4発明に係るミシンは、第1〜第3発明のいずれかにおけるルーパの前面に形成され、前記第1,第2のルーパ糸を前記第1,第2の糸孔に導く共通の糸道と、該糸道と前記ルーパの基部とを連通し、前記第1,第2のルーパ糸を前記糸道に各別に導くべく形成された第1,第2の導入孔とを備えることを特徴とする。
この発明においては、ルーパに保持される第1,第2のルーパ糸を夫々の糸孔に導く糸道を共通とし、またこの糸道をルーパの基部に第1,第2の導入孔により連通し、これらの導入孔を第1,第2のルーパ糸の夫々専用の導入孔として使用して、限られたルーパの幅内での第1,第2のルーパ糸の導糸を確実に行わせる。
本発明の第1発明に係るミシンにおいては、単一のルーパの先端及び中途に第1,第2の糸孔を設け、これら夫々に第1,第2のルーパ糸を挿通保持させた構成としたから、複数の針糸の全てに絡む第1のルーパ糸と、一部に絡む第2のルーパ糸とによる新規の縫目構造を簡易に実現することが可能となる。
また第2発明に係るミシンにおいては.ルーパの中途に設けられる第2の糸孔のルーパの背面への開口を、該ルーパの最大厚部と略面一をなす座面に形成したから、第2の糸孔に保持された第2のルーパ糸とルーパの背面との間に適宜の隙間を確保し、ルーパの背面側(後側)に下動する針による第2のルーパ糸の捕捉を確実に行わせることができ、目飛びの発生を未然に防止して高品質の縫目を形成することが可能となる。
また第3発明に係るミシンにおいては、第2のルーパ糸を保持する第2の糸孔を第1のルーパ糸を保持する第1の糸孔よりも下位置に形成したから、ルーパの背面への第2のルーパ糸の導出位置が第1のルーパ糸の導出位置よりも下となり、この背面側に下動する針と第2のルーパ糸との交叉が第1のルーパ糸との交叉に遅れて生じ、第1のルーパ糸のみを捕捉すべき針による第2のルーパ糸の誤った捕捉を防止して前述した新規の縫目を良好に形成することができる。
更に第4発明に係るミシンにおいては、第1,第2の糸孔へ第1,第2のルーパ糸を導く糸道を共通とし、この糸道への第1,第2のルーパ糸の導入孔を各別に設けたから、限られたルーパの幅内において第1,第2のルーパ糸を、絡み合いを生じることなく確実に第1,第2の糸孔に導くことができ、導糸に支障を来すことなく安定した縫製を実施することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係るミシンによる縫製動作の説明図である。なお本図には、図示しない針板上にて送りを加えられる生地Wを、3本の針1,1,1と1本のルーパ2とにより縫製する3本針2重環縫いミシンが示されているが、以下に述べる本発明の特徴的な構成は、複数本(2本又は4本以上)の針を備える複数針2重環縫いミシン(偏平縫いミシンを含む)全般に適用可能であることは言うまでもない。
前記針1,1,1は、生地Wに加えられる送りの方向と直交する面内に並設され、前記生地Wの送り域を含んで所定ストロークの上下動作するようになしてあり、また前記ルーパ2は、針板の下部に配され、針1,1,1の並設方向に生地Wの下面に沿って進退動作するようになしてある。
前記生地Wの送り方向は、図中に白抜矢符により示してあり、以下の説明においては、送り方向の上流側(図の左側)を前、下流側(図の右側)を後とする。またルーパ2は、図における左向きに進出動作し、同じく右向きに退入動作することから、ルーパ2の動作については、左進及び右退なる記述を用いる。このルーパ2の進退動作は、前後の移動を伴って、針1,1,1の降下位置を内側に含む長円形の軌道に沿って生じ、ルーパ2の左進は、針1,1,1の後側を通って行われ、同じく右退は、針1,1,1の前側を通って行なわれる。なお、ルーパ2をこのように進退動作させる機構は、針1,1,1を上下動させる機構と共に、従来の2重環縫いミシン及び偏平縫いミシンにおいて公知の機構であり、構成及び動作の説明は省略する。
各針1には、下端近傍を前後に貫通する糸孔12(図5参照)が形成されており、この糸孔12に上方から導かれる針糸10が前側から挿通保持させてあり、この針糸10は、針1の下動により生地Wを貫通して針板下に繰り出される。またルーパ2には、先端近傍及び中途部を前後に貫通する第1,第2の糸孔3,4(図2〜4参照)が形成されており、これらの糸孔3,4には、基端側から後述の如く導かれる第1のルーパ糸21及び第2のルーパ糸22が前側から挿通保持させてあり、これら第1,第2のルーパ糸21,22は、ルーパ2の左進により前述した経路に沿って繰り出される。
本発明に係るミシンの特徴は、以上の如き第1,第2の糸孔3.4を備えるルーパ2の構成にある。図2は、本発明に係るミシンに備えられるルーパ2の正面図、図3は、同じく上面図、図4は、同じく背面図である。
これらの図に示す如くルーパ2は、下方及び前方に向けて嘴状に尖らせた先端23を有する公知の形状を有している。ルーパ2の基端部には、下方に向けて支持杆24が突設されており、該ルーパ2は、図2に示す如く、ルーパ棒5の先端のルーパ台50に前記支持杆24を差し込み固定して支持され、図示しない主軸からの伝動によるルーパ棒5の軸長方向の進退動作に応じて前述した左進及び右退動作を行うようにしてある。
ルーパ2の先端23に連続する部分には、図3に示す如く、下縁を最大厚とし、上縁に向けて厚さを減じるように、前側(図3における下側)に向けてテーパ状に傾斜する傾斜面25が設けてあり、後述の如くルーパ2の後側に降下する針1,1,1の先端が衝突したとき、この針1,1,1を前記傾斜面25の作用によりルーパ2の後側に導くように構成されている。
図2に示す如くルーパ2の前面には、適宜の深さを有する凹溝の形態をなす糸道26が、長さ方向に延設されており、第1の糸孔3は、前記糸道26の一側端部にルーパ2の先端23を斜めに貫通するように形成されている。糸道26の中途部には、第1の糸孔3の形成位置からルーパ2の基端側に向けて所定長離隔した位置に下方に拡がる拡幅部が設けてあり、第2の糸孔4は、この拡幅部の略中央に貫通形成され、第1の糸孔3よりも下位置となるように設けてある。
また図4に示す如く、ルーパ2の背面には、第2の糸孔4の貫通位置を略中央として糸孔座27が突設されている。この糸孔座27は、図3に示す如く、最大厚を有するルーパ2の下縁と略面一となる高さを有しており、第2の糸孔4の開口端とルーパ2の後側の傾斜面25との間に所定の寸法を確保すると共に、ルーパ2の後側に降下する針1,1,1との干渉を回避し得るように構成されている。
前記糸道26の他側は、ルーパ2の基端部に向けて幅を増大させてあり、同側の端部は、上下に並べて形成された第1,第2の導入孔28,29によりルーパ2の基端面に連通されている。第1の導入孔28は、第1のルーパ糸21を挿通すべく、また第2の導入孔29は、第2のルーパ糸22を挿通すべく設けてあり、これらのルーパ糸21,22は、糸道26の内側に沿ってルーパ2の先端に向けて導かれ、第1のルーパ糸21は、糸道26の先端に開設された第1の糸孔3を経て、また第2のルーパ糸22は、糸道26の中途に開設された第2の糸孔4を経てルーパ2の後側に導出される。
ここで、ルーパ2の後側への第1の糸孔3の開口は、前述した形状を有する先端23に設けてあり、同じく第2の糸孔4の開口は、ルーパ2の最大厚部と略面一をなす糸孔座27に設けてあるから、図3中に2点鎖線により示す如く、これらを経てルーパ2の後側に導出される第1のルーパ糸21及び第2のルーパ糸22と、ルーパ2の後面を形成する傾斜面25との間に適宜の隙間を確保することができる。
また第1,第2のルーパ糸21,22は、共通の糸道26を経て第1,第2の糸孔3,4に導かれるから、幅が限定されたルーパ2の前面に沿って確実に導糸させることができ、また前記糸道26への第1,第2のルーパ糸21,22の導入が、第1,第2の導入孔28,29を経て各別になされるから、両ルーパ糸21,22が共通の糸道26内にて絡み合い、導糸に支障を来す虞れを未然に回避することができる。
以上の如く構成されたルーパ2は、ミシン本体内部の主軸からの伝動によるルーパ棒5の進退動作に応じて、針1,1,1の下動と共に右退し、針1,1,1の上動と共に左進する。図1(a)は、ルーパ2が左進端にある状態を示している。このとき針1,1,1は、上死点の近傍にあり、ルーパ2は、左進の過程において捕捉した針糸10,10,10のループを保持している。左進端へ到達したルーパ2は、図1(a)中に矢符により示す如く前方への所定の移動を伴って右退を開始し、該ルーパ2に保持された針糸10,10,10は、この間に図中に白抜矢符により示す如く生地Wに加えられる送りにより、相対的に前方に引き出される。
図1(b)は、ルーパ2が右退中の状態を示している。針1,1,1は、ルーパ2の右退に先立って下動を開始しており、前記送りの完了後に生地Wを貫通して針板下に達し、右退中のルーパ2に保持された針糸10,10,10の左後側に、これらと第1,第2のルーパ糸21,22により形成される三角形の領域内に挿通される。
図5は、下動する針1,1,1とルーパ2との位置関係を示す説明図である。本図は、後方(ルーパ2の背面側)から見た図であり、ルーパ2は、図中に矢符により示す如く、左方向に退入動作する。針1,1,1は、公知の2重環縫いミシン及び偏平縫いミシンにおけると同様に、夫々の先端がルーパ2の進出側に向けて下位置となるように長さを異ならせ、下動する針1,1,1の先端が、進出側に位置する針1から退入側に位置する針1の順にルーパ2の動作域に達するようになしてある。
図5(a)は、進出側に位置する針1がルーパ2の動作域に達した状態を示している。このときルーパ2の先端に形成された第1の糸孔3は、前記針1の先端よりも進出側に位置するが、ルーパ2の中途に形成された第2の糸孔4は、前記針1の先端よりも退入側に位置しており、進出側に位置する針1は、第1の糸孔3から導出された第1のルーパ糸21のみを捕捉する。
また第2の糸孔4は、前述した如く第1の糸孔3よりも下位置に形成されている。従って、第2の糸孔4から導出される第2のルーパ糸22は、図示の如く、第1の糸孔3から導出される第1のルーパ糸21よりも下に位置することとなり、下動する針1,1,1と、第1,第2のルーパ糸21,22との交叉タイミングに時間差が生じる。これにより図5(a)に示す如く、進出側に位置する針1が第1のルーパ糸21を捕捉した後、第2のルーパ糸22と交叉するまでの間に時間遅れがあり、この間にルーパ2は退入し、第2の糸孔4の形成位置が図よりも左側に移動するから、第2の糸孔4に保持された第2のルーパ糸22が進出側に位置する針1に誤って捉えられる虞れを回避することができる。特に、ルーパ2の動作速度が大きい場合、第2の糸孔4から導出される第2のルーパ糸22は、慣性の作用により進出側に取り残されるように撓む虞れがあり、第2の糸孔4を下に配置することは、このように撓みを生じた第2のルーパ糸22の誤った捕捉を防止するために有用である。
なお、第1の糸孔3と第2の糸孔4との上下方向の位置差寸法a(図4参照)は、ルーパ2の動作速度、針1,1,1の並設間隔等、関連各部の速度及び寸法に応じて決定されるが、一般的には 0.3mm〜1.5mm とすればよい。
図5(b)は、中央に位置する針1が,また図5(c)は、退入側に位置する針1がルーパ2の動作域に達した状態を夫々示している。このときルーパ2に形成された第1,第2の糸孔3,4は、夫々の針1,1の先端よりも進出側に共に位置しており、中央の針1及び退入側の針1は、第1,第2の糸孔3,4から導出された第1,第2のルーパ糸21,22を合わせて捕捉する。
以上の如く、下動によりルーパ2の動作域に達する3本の針1,1,1のうち、ルーパ2の進出側に位置する1本の針1は、ルーパ2に保持された第1のルーパ糸21のみを捕捉し、他の2本の針1,1は、ルーパ2に保持された第1,第2のルーパ糸21,22を共に捕捉する。前述の如く、第1,第2の糸孔3,4からの第1,第2のルーパ糸21,22の導出は、ルーパ2の後面との間に所定の隙間を確保した状態でなされており、これらのルーパ糸21,22は、下動する針1,1,1により確実に捕捉され、捕捉ミスによる目飛びの発生を有効に防止することができる。
ルーパ2に保持された針糸10,10,10のループは、図1(c),(d)に示す如く、ルーパ2の右退に伴って順次外れ、全てのループに2重に挿通された第1のルーパ糸21と、右側の2つのループに2重に挿通された第2のルーパ糸22とは、夫々の針1,1,1に受け渡され、また各針1,1,1間において、夫々のループを構成する針糸10,10,10への付与張力により、図1(e),(f)に示す如く、針1,1,1の前回の挿通孔に引き締められる。
図1(d)から(e)に示す如く、右退端に到達したルーパ2は、後方への所定の移動を伴って左進を開始し、またこのとき針1,1,1は、下動から上動に転換する。ルーパ2の左進は、後方への移動により針1,1,1の後側に沿って生じ、各針1,1,1の上動に伴って夫々の後側に形成される針糸10,10,10のループは、図1(f)に示す如く,左進するルーパ2により順次捉えられ、上動に伴って針1,1,1から外れる第1,第2のルーパ糸21,22は、左進するルーパ2に捉えられている針糸10,10,10のループ(前ループ)と、先にルーパ2から外れた針糸10,10,10のループ(後ループ)との間に掛け渡されて図1(a)の状態に復帰する。
なお、図1(f)においては、針糸10,10,10と第1,第2のルーパ糸21,22との関係を明らかとするために、後ループが緩んでいるかの如くに図示されているが、このループは、実際には、図1(d)から(e)への移行の間に十分に引き締められている。
以上の過程において、第1のルーパ糸21の掛け渡しは、3本の針糸10,10,10の全てに対して行われ、第2のルーパ糸22の掛け渡しは、ルーパ2の退入側に位置する2本の針糸10,10に対して行われるから、図1(a)〜図1(f)の動作の繰り返しにより、前記図7に示された縫目が形成される。
なお以上の実施の形態においては、縫製生地Wの下面に並ぶ3つの糸環列11,11,11のうちの2つの糸環列11,11に第2のルーパ糸22が絡み合ってなる縫目構造を得る場合について説明したが、第2のルーパ糸22を挿通保持する第2の糸孔4をルーパ2の基端側に寄せて形成することにより、1つの糸環列11のみに第2のルーパ糸22が絡み合ってなる縫目構造を得ることも可能である。このような縫目構造も、前記特願2003−310199に提案されている。
本発明に係るミシンによる縫製動作の説明図である。 本発明に係るミシンに備えられるルーパの正面図である。 図2に示すルーパの上面図である。 図2に示すルーパの背面図である。 下動する針とルーパとの位置関係を示す説明図である。 3本針2重環縫いミシンにより形成される縫目構造の説明図である。 本発明に係るミシンにより実現すべき縫目構造を示す平面図である。
符号の説明
1 針
2 ルーパ
3 第1の糸孔
4 第2の糸孔
10 針糸
21 第1のルーパ糸
22 第2のルーパ糸
26 糸道
27 糸孔座
28 第1の導入孔
29 第2の導入孔
W 縫製生地

Claims (4)

  1. 縫製生地の送り方向と略直交する面内に並び、各別に保持された針糸と共に上下動する複数本の針と、これらの針の下動位置に配され、ルーパ糸を保持して前記針の並び方向に進退動作する単一のルーパとを備えるミシンにおいて、
    前記ルーパは、先端部に形成され、第1のルーパ糸を挿通保持する第1の糸孔と、
    中途部に形成され、第2のルーパ糸を挿通保持する第2の糸孔と
    を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記第2の糸孔の前記ルーパの背面への開口は、該ルーパの最大厚部と略面一をなす座面に形成してある請求項1記載のミシン。
  3. 前記第2の糸孔は、前記第1の糸孔よりも下位置に形成してある請求項1又は請求項2記載のミシン。
  4. 前記ルーパの前面に形成され、前記第1,第2のルーパ糸を前記第1,第2の糸孔に導く共通の糸道と、
    該糸道と前記ルーパの基部とを連通し、前記第1,第2のルーパ糸を前記糸道に各別に導くべく形成された第1,第2の導入孔と
    を備える請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のミシン。
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