JP6761712B2 - ミシン及び縫製システム - Google Patents
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Description
そして、ルーパーが後退移動する際にルーパー糸にループが形成され、次の針落ちで下降した縫い針がルーパー糸のループに突入し、ルーパー糸に上糸に挿通させる。
二重環縫いミシンは、上記ルーパーによる上糸の捕捉動作と縫い針によるルーパー糸の捕捉動作とを繰り返すことにより二重環縫いを実現している(例えば、特許文献1参照)。
また、二重環縫いミシンのように顕著ではないにせよ、釜を使用するミシンの場合も、縫い始めの上糸端部が被縫製物の上側に残る問題があった。
その場合、縫い品質の問題上、被縫製物の上側に縫い始めの上糸端部を残したくない事情がある場合には、縫製終了後に、被縫製物の上側に残る上糸端部を手作業で切除しなければならず、作業者に大きな負担をかけていた。
ミシンフレームのミシンベッド部に対して、釜又はルーパーを支持する土台が、縫い針に対して近接又は離間する方向に沿って移動可能に支持されており、
前記土台を前記縫い針に対して近接及び離隔する方向に沿って移動させる昇降機構を備え、
縫い開始の一針目の針落ち後、前記縫い針の上糸を前記釜又はルーパーが捕捉した状態で、前記土台が前記縫い針から離間する方向に移動させるように、前記昇降機構を制御する制御装置を備えることを特徴とする。
前記縫い針に挿通された上糸を、針板の下側で前進移動する前記ルーパーが捕捉し、後退移動する前記ルーパーに挿通されたルーパー糸を下降する前記縫い針により捕捉して二重環縫いを行うことを特徴とする請求項1記載のミシン。
前記縫い針及び前記ルーパーを複数備えることを特徴とする。
前記土台は、前記釜又は前記ルーパーへの縫製動作を付与する入力軸を支持し、
前記土台の前記入力軸と当該入力軸に動力を伝達する伝達軸との間に設けられ、前記入力軸と前記伝達軸とが同一線上に並んでトルク伝達可能な状態と、前記伝達軸に対して前記土台と共に前記入力軸が移動した状態のいずれにも変化する連結部材を備えることを特徴とする。
前記連結部材は、前記入力軸側に設けられた第一の継手部材と前記伝達軸側に設けられた第二の継手部材とを備え、
前記第一の継手部材と前記第二の継手部材の互いの対向面のいずれか一方に形成されたキーと他方に形成されたキー溝とにより連結され、
前記キー及び前記キー溝は、前記入力軸及び前記伝達軸に直交する方向に沿って形成されていることを特徴とする。
前記連結部材は、オルダム継手又はシュミット継手であることを特徴とする。
請求項1から6のいずれか一項に記載のミシンと、
前記ミシンを保持するロボットアームを備えることを特徴とする。
前記ミシンのミシンアーム部における針棒側の端部が前記ロボットアームに支持されていることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態である縫製システム100について図面に基づいて説明する。図1は縫製システム100の全体構成を示す側面図である。
縫製システム100は、被縫製物の縫製を行う二重環縫いミシン10と、二重環縫いミシン10を保持すると共に保持した二重環縫いミシン10を被縫製物に対して位置決めして任意の縫製を行わせるロボットアーム110とを備えている。
ロボットアーム110は、土台となるベース111と、関節113で連結された複数のアーム112と、各関節ごとに設けられた駆動源としてのサーボモーターと、各サーボモーターにより回転又は回動されるアーム角度をそれぞれ検出するエンコーダーとを備える垂直多関節型のロボットアームであり、関節113で連結された複数のアーム112の先端部には二重環縫いミシン10が保持されている。
そして、ロボットアーム110は、六つの関節113を具備しており、六軸によってその先端部の二重環縫いミシン10を任意の位置に位置決めし、任意の姿勢をとらせることができる。
従って、ロボットアーム110は、被縫製物の立体的な曲面上の任意の曲線に沿って縫製を行わせることが可能である。
図2及び図3は二重環縫いミシン10の側面図、図4はミシンフレーム20の内部の構成を示す斜視図である。二重環縫いミシン10は、これらの図に示すように、針板13及び針板13を支持する土台61がミシンフレーム20のミシンベッド部21に対して昇降可能に支持されており、図2に示す針板13及び土台61の上昇位置において縫製が行われ、図3に示す下降位置において被縫製物のセッティング等の縫製の準備作業が行われる。
ミシンフレーム20は、所定の長手方向に延在するミシンベッド部21と、当該ミシンベッド部21の一端部からその長手方向に直交する方向に向かって立設された立胴部22と、立胴部22の頂部からミシンベッド部21と同方向に向かって延出されたミシンアーム部23とを備えている。
なお、二重環縫いミシン10の各構成における以下の説明では、ミシンベッド部21の長手方向をY軸方向、Y軸方向に直交し、立胴部22が立設された方向をZ軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に直交する方向をX軸方向とする。
また、Y軸方向における一方を前方、他方を後方とし、X軸方向における一方を左方、他方を右方とし、Z軸方向における一方を上方、他方を下方とする。
針棒上下動機構30は、針棒上下動の駆動源となるミシンモーター31と、ミシンモーター31により回転駆動が行われる上軸32と、上軸32の前端部に固定装備された針棒クランク33と、針棒クランク33と針棒12を連結する図示を省略したクランクロッドとを備えている。即ち、針棒上下動機構30は、クランク機構を構成し、上軸32の全回転を上下の往復動作に変換して針棒12に付与している。
ミシンモーター31は、上軸32の前端部近傍でその左隣においてその出力軸をY軸方向に向けて配置されている。ミシンモーター31の出力軸と上軸32との間には図示しない歯車機構によりトルクが伝達される。
布押さえ14は、図5に示すように、針棒12の左隣に位置するZ軸方向に沿った押さえ棒141の下端部に保持されており、当該押さえ棒141を介して図示しない押さえバネによって下方への押圧力が付与されている。
布押さえ14には、図示しない押さえ上げ機構が併設されており、被縫製時には布押さえ14をより上方となる退避位置に保持することができる。この押さえ上げ機構は、手動操作を行うものでも良いが、アクチュエーターにより制御信号に従って退避位置と縫製位置とに切り替え可能とすることが望ましい。
ルーパー機構40は、ルーパー41に動力を付与するために上軸32からトルクが入力される下軸42を備えており、伝達機構70は、前述した上軸32から下軸42にトルク伝達を行う。
この伝達機構70は、上軸32の後端部に固定装備された主動プーリ71と、下軸42の後端部に固定装備された従動プーリ72と、主動プーリ71と従動プーリ72との間に掛け渡されたタイミングベルト73とを備えている。
主動プーリ71と従動プーリ72の外径は等しく、伝達機構70は、上軸32から下軸42に対して等速で回転を伝達する。
図6はルーパー41を支持する土台61の図示を省略して、ルーパー41の周辺の構成を示した斜視図である。
図4及び図6に示すように、ルーパー機構40は、二つのルーパー41と、ミシンモーター31からのトルクが伝達される下軸42と、各ルーパー41に往復揺動動作を付与する溝カム43と、カム従節体としてのコロ44と、当該コロ44を保持するコロ腕45と、コロ腕45とルーパー41に設けられた入力腕46とを連結するルーパー駆動ロッド47とを備えている。
ルーパー41の先端部411にはルーパー糸を挿通する挿通孔が形成されており、針板13の下側において縫い針11に形成された上糸のループに対して先端部411を突入させることによって上糸のループを捕捉すると共にルーパー糸を挿通させる。その後、ルーパー41は後退することでルーパー糸のループが形成され、当該ルーパー糸のループに縫い針11が突入してルーパー糸を捕捉する。これらの繰り返しにより、二重環縫いの縫い目の形成が行われるようになっている。
さらに、下軸42は、同一直線上に配置された入力軸421と伝達軸422とから構成され、これらは連結部材50により一体的に回転可能に連結されている。
入力軸421は、ミシンベッド部21内で前方に配置され、溝カム43が固定装備されている。
また、伝達軸422は、ミシンベッド部21内で後方に配置され、伝達機構70の従動プーリ72が固定装備されている。
溝カム43は、後面側にカム溝431が形成されている。このカム溝431は、略円形であって、回転中心である入力軸421からの距離が変化する形状となっている。
コロ44はコロ腕45の揺動端部に保持されており、コロ腕45は土台61によりY軸回りに揺動可能に支持されている。また、コロ腕45の揺動端部には、ルーパー駆動ロッド47の下端部が連結され、当該ルーパー駆動ロッド47の上端部は入力腕46に連結されている。
また、溝カム43のカム溝431における入力軸421からの距離が短い部分にコロ44が位置する時には、コロ腕45の揺動端部が下方に揺動し、ルーパー駆動ロッド47を介して入力腕46を下方に回動させ、ルーパー41の先端部411を左方に向かって移動させることができる。
このように、溝カム43は、下軸42の全回転の動作を左右への往復の揺動動作に変換して各ルーパー41に伝えることができるようになっている。
図7及び図8は連結部材50の斜視図、図9は分解斜視図である。
後述するが、ルーパー機構40における下軸42の伝達軸422を除く各構成は、土台61に支持されており、当該土台61は、ミシンベッド部21に対してZ軸方向に沿って往復移動可能に支持されている。
このため、連結部材50が、伝達軸422と入力軸421とが同一直線上に並んで伝達軸422から入力軸421にトルク伝達が行われる状態(図7の状態。「トルク伝達状態」とする)と、土台61の下降と共に入力軸421のみが伝達軸422に対して下降移動を行う状態(図8の状態。「分離状態」とする)とを切り替えることを可能としている。
これらの継手部材51,52及び中継部材53は、いずれも、外径の等しい円板状の部材であり、トルク伝達状態では、同心で並び、一体的な円柱状となる。
また、第一の継手部材51の中継部材53との対向面には、入力軸421と直交する方向(第一の継手部材51の直径方向)に沿った凸条のキー511が形成されている。
また、第二の継手部材52の中継部材53との対向面には、伝達軸422と直交する方向(第二の継手部材52の直径方向)に沿った凸条のキー521が形成されている。
また、中継部材53の第二の継手部材52との対向面にはキー521が滑動可能に嵌合する第二のキー溝532が、中継部材53の中心軸に対して直交する方向(中継部材53の直径方向)に沿って形成されている。
そして、中継部材53の第一のキー溝531と第二のキー溝532とは、その中心軸方向から見て非平行、即ち、互いに交差する方向、より望ましくは、互いに直交する方向に沿って形成されている。
これにより、入力軸421と伝達軸422とが同一直線上に並んだ状態では、第一の継手部材51のキー511と中継部材53の第一のキー溝531とがこれら相互間のトルクを伝達し、中継部材53の第二のキー溝532と第二の継手部材52のキー521とがこれら相互間のトルクを伝達するので、伝達軸422から入力軸421へのトルク伝達が可能である。
なお、伝達軸422に対して入力軸421の下降移動は、最大で連結部材50の直径未満の範囲まで移動可能である。
但し、入力軸421は土台61の移動方向にしか移動しないので、上下方向以外の移動は予定していない。
また、オルダム継手は、入力軸421と伝達軸422とが同一直線上に並んでいない場合でも相互間のトルク伝達を行うことが可能であるが、二重環縫いミシン10では、土台61の位置が図示しないセンサにより検出され、入力軸421と伝達軸422とが同一直線上に並んでいるときにしかミシンモーター31の駆動が行われないよう制御装置90により制御される。
例えば、キー511及び第一のキー溝531が上下方向に対して傾斜した方向を向いている場合でも、中継部材53がキー511とキー521とに対して滑動するので、伝達軸422に対する入力軸421の移動を円滑に行うことができる。
但し、この二重環縫いミシン10では、キー511及びキー溝531が上下方向に平行な場合にのみ土台61の昇降動作を行うよう制御装置90により制御される。
図10は昇降機構60における土台61が上位置にある状態の斜視図、図11は昇降機構60における土台61が下位置にある状態の斜視図を示す。
昇降機構60は、図10及び図11に示すように、針板13及びルーパー機構40の主要な構成を支持する土台61と、土台61に装備されたカム従節体としての第一と第二のカムフォロア62,63と、第一のカムフォロア62を介して土台61に昇降動作を付与するカム主節体としてのカム板64と、カム板64を土台61の移動方向に交差する方向であるY軸方向に沿って往復移動させる駆動源としてのカム駆動エアシリンダー65とを備えている。
従って、土台61はミシンベッド部21に対して上下動可能となっている。
これらのカムフォロア62,63は、いずれも、コロであり、Y軸回りに回転可能に土台61に支持されている。
従って、カム板64はミシンベッド部21に対してY軸方向に沿って往復移動が可能となっている。
カム駆動エアシリンダー65は、プランジャーを前方に向けると共にY軸方向に進退移動を行うようにミシンベッド部21内に装備されており、これにより、カム板64をY軸方向に進退移動させることを可能としている。
図示のように、カム板64には、カム部としてのカム溝68と当接部641とが形成されている。
カム溝68は、内部に第一のカムフォロア62が配置され、当該第一のカムフォロア62の直径とほぼ等しい幅の溝状に形成されている。従って、カム溝68内を当該カム溝68に沿って相対的に第一のカムフォロア62が滑動を行うことができる。
このカム溝68は、前斜め下に向かって傾斜した変化区間681と、当該変化区間681の両端部においてY軸方向に平行な傾斜のない第一と第二の無変化区間682,683が形成されている。
土台61が上位置にあるときに、前述した布押さえ14は、針板13に押さえ圧を付与した状態で当接し、被縫製物に対する縫製を行うことが可能な縫製状態となる。
縫製の際には、針板13を介して土台61には、布押さえ14の下方への押さえ圧や針落ち時の縫い針と被縫製物との摩擦よる下方への加圧力が付与される。
しかしながら、第一の無変化区間682はY軸方向に平行なので、カム溝68内の水平部分が第一のカムフォロア62を下方から支承し、また、上方からも支えるので、針板13を安定的に支えることができ、良好な縫製を行うことが可能である。
また、第一の無変化区間682と当接部641との協働により、土台61を前端部と後端部とで支承するので、針板13をより効果的に支え、より良好な縫製を行うことが可能である。
なお、カム板64が後方に移動すると、当接部641の上に位置していた第二のカムフォロア63は当接部641から外れ、それ以降は、土台61の動作に寄与しない。
土台61が下位置にあるときに、前述した布押さえ14は、下死点位置にある縫い針11の下端部よりもかなり下方まで下降し、縫い針11と針板13との間を広く空けることが可能となる。従って、被縫製物が立体的な曲面形状であって、上下に変化を生じた形状であっても、縫い針11と針板13との間に容易にセットすることが可能となる。
なお、第二の無変化区間683もY軸方向に平行なので、カム溝68内の水平部分が第一のカムフォロア62を上下から支え、針板13を安定的に支えることができる。
縫製システム100の制御装置90は、図13に示すように、縫製に関する各種の動作制御を行うためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)92と、演算処理の作業領域地となるRAM(Random Access Memory)93と、各種設定データなどを記憶する記憶手段としての書き換え可能な不揮発性のデータメモリ94と、ROM92内のプログラムを実行するCPU91(Central Processing Unit)とを備えている。
また、サーボモーター114とミシンモーター31には、それぞれの出力軸角度を検出するエンコーダー115,34が併設されており、CPU91は、それぞれの検出回路115a,34aを介して接続されている。
なお、ロボットアーム110は、サーボモーター114及びエンコーダー115を六つの関節113ごとに備えているが、図13では一つのみを図示して、他の図示は省略している。
さらに、CPU91は、ミシン10の土台61の昇降を行うカム駆動エアシリンダー65を作動させる電磁弁65bを制御するための駆動回路65aと接続されている。
上記構成からなる縫製システム100において、制御装置90は、縫い始めの上糸端部が被縫製物の上側に残らないようにするために、以下に示す縫製動作制御を実行する。
図14は縫製動作制御のフローチャート、図15は縫製動作制御の動作説明図である。
なお、この縫製システム100では、定形性を有し、縫い針11により貫通可能な軟質材料(例えば、樹脂製のカバー等)を被縫製物としており、当該被縫製物は、治具により規定の目標位置に保持されている。
なお、昇降機構60の土台61は、当初、下降した状態にあり、縫い針11と針板13の間が大きく開かれた状態に維持され、ロボットアーム110により被縫製物の縫い開始位置に針落ち位置が位置決めされた時に、土台61が上昇して被縫製物が針板13上にセットされた状態となるようにカム駆動エアシリンダー65の電磁弁65bが制御される。
これにより、縫い針11が下降し、下死点を通過して上昇に転じると、上糸のループが形成され、そこに進出移動するルーパー41の先端部が突入する。
また、縫い針11が上死点位置となるミシンモーター31の軸角度において、第一の継手部材51のキー511及び中継部材53の第一のキー溝531が上下方向(Z軸方向)に沿った状態となる(図8参照)。
さらに、ミシンモーター31の駆動を再開して、二針目以降の縫製を実行する(ステップS13)。
なお、縫製終了か否かの判定は、縫製終了とする指令が入力されたり、予め決められた針数に達したことが検出されたり、その他の終了条件を満たした場合に、縫製が終了される。
上記縫製システム100の二重環縫いミシン10は、土台61が上下動可能に支持されているので、針板13を縫い針11から離間又は接近させることができ、立体的な形状の被縫製物を容易にセットすることが可能となる。
また、二重環縫いミシン10において、被縫製物Cのセッティングを容易に行うための昇降機構60の構成を利用して上糸の縫い開始端部の引き込みを実現しているので、被縫製物上面側の上糸の縫い開始端部の糸残り状態を解消、緩和するための専用の構成を用意する必要がなく、部品点数の低減や二重環縫いミシン10の小型化を実現することが可能となる。
このため、ロボットアーム110の先端部から近い位置に二重環縫いミシン10の針落ち位置を配置することができ、当該針落ち位置の位置決め精度を向上させることができ、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
なお、連結部材50はオルダム継手に限らず、入力軸421の平行移動を許容しつつも部材同士が完全に分離せずにすぐに元の同一直線上に並んだ状態に戻すことが可能な他の構造を適用してもよい。
例えば、入力軸421側には前述した第一の継手部材51と同じものを固定装備し、伝達軸422側には、第一の継手部材51との対向面にキー511が滑動可能に嵌合するキー溝がその中心軸に対して直交する方向に沿って形成された第二の継手部材を固定装備して、これら二部材により連結部材を構成しても良い。
これにより、入力軸421の平行移動を許容しつつも部材同士が完全に分離せずにすぐに元の同一直線上に並んだ状態に戻すことが可能であり、土台61の昇降動作を許容することができる。
但し、伝達軸422に対して入力軸421をキー511に沿った方向にしか移動させることができないので、下軸42、上軸32又はミシンモーター31の出力軸等に軸角度を検出する検出手段を設け、キー511がZ軸方向に沿った向きとなるようにミシンモーター31を制御した上で、土台61を昇降させる必要がある。
かかる構成のシュミット継手50Aも、入力軸421の平行移動を許容しつつも部材同士が完全に分離せずにすぐに元の同一直線上に並んだ状態に戻すことが可能である。
なお、図14に示す縫製動作制御は、縫製システムに限らず、ロボットを備えないミシン単独に対しても適用可能である。
また、被縫製物上面側に上糸の縫い開始端部の糸残りは二重環縫いに生じ易いが、他の縫いでも生じ得る。例えば、本縫いの場合も生じる場合があるので、本縫いミシン又は本縫いミシンとロボットアーム110とからなる縫製システムについても、図14に示す縫製動作制御を適用しても良い。
11 縫い針
12 針棒
13 針板
14 布押さえ
30 針棒上下動機構
31 ミシンモーター
32 上軸
40 ルーパー機構
41 ルーパー
42 下軸
421 入力軸
422 伝達軸
50 連結部材
50A シュミット継手(連結部材)
51,51A 第一の継手部材
511 キー
52,52A 第二の継手部材
521 キー
53,53A 中継部材
531 第一のキー溝
532 第二のキー溝
60 昇降機構
61 土台
100 縫製システム
110 ロボットアーム
112 アーム
113 関節
Claims (8)
- ミシンフレームのミシンベッド部に対して、釜又はルーパーを支持する土台が、縫い針に対して近接又は離間する方向に沿って移動可能に支持されており、
前記土台を前記縫い針に対して近接及び離隔する方向に沿って移動させる昇降機構を備え、
縫い開始の一針目の針落ち後、前記縫い針の上糸を前記釜又はルーパーが捕捉した状態で、前記土台が前記縫い針から離間する方向に移動させるように、前記昇降機構を制御する制御装置を備えることを特徴とするミシン。 - 前記縫い針に挿通された上糸を、針板の下側で前進移動する前記ルーパーが捕捉し、後退移動する前記ルーパーに挿通されたルーパー糸を下降する前記縫い針により捕捉して二重環縫いを行うことを特徴とする請求項1記載のミシン。
- 前記縫い針及び前記ルーパーを複数備えることを特徴とする請求項2記載のミシン。
- 前記土台は、前記釜又は前記ルーパーへの縫製動作を付与する入力軸を支持し、
前記土台の前記入力軸と当該入力軸に動力を伝達する伝達軸との間に設けられ、前記入力軸と前記伝達軸とが同一線上に並んでトルク伝達可能な状態と、前記伝達軸に対して前記土台と共に前記入力軸が移動した状態のいずれにも変化する連結部材を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシン。 - 前記連結部材は、前記入力軸側に設けられた第一の継手部材と前記伝達軸側に設けられた第二の継手部材とを備え、
前記第一の継手部材と前記第二の継手部材の互いの対向面のいずれか一方に形成されたキーと他方に形成されたキー溝とにより連結され、
前記キー及び前記キー溝は、前記入力軸及び前記伝達軸に直交する方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項4に記載のミシン。 - 前記連結部材は、オルダム継手又はシュミット継手であることを特徴とする請求項4に記載のミシン。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載のミシンと、
前記ミシンを保持するロボットアームを備えることを特徴とする縫製システム。 - 前記ミシンのミシンアーム部における針棒側の端部が前記ロボットアームに支持されていることを特徴とする請求項7記載の縫製システム。
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