JP2001311034A - 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物 - Google Patents

電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Info

Publication number
JP2001311034A
JP2001311034A JP2000130978A JP2000130978A JP2001311034A JP 2001311034 A JP2001311034 A JP 2001311034A JP 2000130978 A JP2000130978 A JP 2000130978A JP 2000130978 A JP2000130978 A JP 2000130978A JP 2001311034 A JP2001311034 A JP 2001311034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon black
dispersion
weight
conductive
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000130978A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4681710B2 (ja
Inventor
Shinichiro Hara
進一郎 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mikuni Color Ltd
Original Assignee
Mikuni Color Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mikuni Color Ltd filed Critical Mikuni Color Ltd
Priority to JP2000130978A priority Critical patent/JP4681710B2/ja
Publication of JP2001311034A publication Critical patent/JP2001311034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4681710B2 publication Critical patent/JP4681710B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックが媒体中に高濃度で微分散
して分散安定性にすぐれ、粘度が低く流動性に適し、漆
黒性を有するうえ、半導電性領域においてばらつきが少
なく安定した電気特性が得られ、経時変化が少なくしか
も環境条件の変動に対しても安定な導電性を有するカー
ボンブラック分散体を提供する。 【解決手段】 DBP吸油量80ml/100g以下、
平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積200m2
/g以下、かつpHが中性またはアルカリ性であるカー
ボンブラック(I)、および官能基を有する樹脂で被覆
処理を行なったカーボンブラック(II)を1:9〜9:
1の重量比で配合した混合体を、顔料分散剤によって水
性媒体中に分散させて、電子写真用導電性高濃度カーボ
ンブラック分散体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用導電性
高濃度カーボンブラック分散体、その製造方法、それか
らなる電子写真複写機用導電性ロールインキ組成物およ
び導電性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真応用機器の基本プロセスは、現
在、帯電、露光、現像、転写、定着から構成されてい
る。
【0003】近年、高速印字と画像特性から、レーザプ
リンタがオフィス機器の主流となりカラー化の流れが加
速されつつあり、新たな革新期を迎えている。また環境
問題を重視する近年の社会情勢から、安全性の高い水系
化の要望が急速に高まっている。このような状況の中
で、電子写真応用機器に使用される機能性ローラも当
然、機能的側面、社会的側面に配慮した設計が求められ
ている。
【0004】従来、電子写真記録装置の感光ドラムなど
に対して帯電領域に所定の電位を付与するために、コロ
ナ帯電方式が一般的に採用されている。しかしながら、
このようなコロナ帯電方式では、コロナ放電に伴って発
生する有害なオゾンなどの活性分子が感光ドラムやその
他の部品を劣化させ、画像の低下を招いたり、人体に悪
影響を及ぼしたりするおそれがあり、また、高電圧によ
る感電事故などの危険な問題がある。
【0005】そこで、これらを改善する帯電方法として
いろいろな方法が提案されており、たとえば、最近で
は、電圧を印加した帯電母材を感光ドラムに接触させる
ことにより、感光ドラムを帯電させる方法が提案されて
いる。このような接触方式は、コロナ放電方式を用いた
方式に比べて低い印加電圧で帯電を行なうことができ、
有害なオゾンの発生もほとんどなく、コロナ放電方式の
問題点を解決する方法として期待されている。
【0006】接触帯電方式に用いられる帯電母材とし
て、金属などの良導電性の芯材上に導電性の弾性層を形
成した帯電ロールを用いることが知られており、またそ
の弾性導電材層は、弾性ゴム、または、弾性ゴムをより
柔軟なものにするためにスポンジ状の発泡体を用いるこ
とが従来公知の方法として知られている。電子写真記録
装置複写機に用いられている種々の導電ロールにおい
て、導電性を付与し、調整し、感光ドラムとの接触状態
を改善するため、導電性弾性体層の表面に被覆層または
抵抗層が設けられている。この被覆層は、導電性弾性体
層の表面に導電塗料を塗布することによって形成され、
前記発泡体の表面に導電塗料をスプレー法、静電塗装、
ディッピング、ロールコーターなどの湿式塗布法で塗布
される。これらの導電ロールは、電気抵抗のバラツキや
経時変化が少なく、しかも高温高湿、低温低湿などの環
境条件の変動に対しても、安定した電気的特性を得るこ
とができる。
【0007】ここで、被覆層の導電性材料として、たと
えばカーボンブラック、グラファイトや銀、ニッケル、
銅などの各種金属粉、各種非導電性粉体、短繊維表面を
銀などの金属で表面処理したもの、炭素繊維、金属繊
維、導電性亜鉛華、酸化チタンの表面をスズとアンチモ
ンで処理した導電性酸化チタン、酸化錫系などの導電性
材料が使用される。酸化錫系の導電性粉体は、湿度の影
響を受けず、白色系であるため、任意の色に着色が可能
で物理的、化学的に安定であるか、比較的添加量を多く
必要とする。また、微粒子に分散させることが難しく、
分散安定性に欠けたり、本来の導電性の機能を消失して
しまうことがあり、経済性にも劣る。それに対し、比較
的少ない添加量で導電効果があり、その微粒子分散体を
用いることにより、発泡体層の表面形状を均一化し、平
滑性も向上するため、安定した電気的特性が得られると
いう点から、カーボンブラックが通常用いられる。そし
て、被覆層の抵抗値は、通常107〜1012Ω・cmの
範囲にある。
【0008】しかし、塗布する際に塗布液が発泡体の空
孔内に浸透して正常に形成できなくなったり、その発泡
体の表面に凸凹が発生して均一な電気抵抗値が得られな
いという問題があり、発泡体層の表面の均質性および平
滑性を考慮した導電ロールが望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の問
題を解決するものであり、カーボンブラックが媒体中に
高濃度で微分散して分散安定性にすぐれ、粘度が低く流
動性に適し、漆黒性を有するうえ、半導電性領域におい
てばらつきが少なく安定した電気特性が得られ、かつ経
時変化が少なくしかも環境条件の変動に対しても安定な
導電性を有するカーボンブラック分散体、それを容易に
製造する方法およびそれを含有する組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、D
BP吸油量80ml/100g以下、平均一次粒子径
0.03μm以下、比表面積200m2/g以下、かつ
pHが中性またはアルカリ性であるカーボンブラック
(I)、および官能基を有する樹脂で被覆処理を行なっ
たカーボンブラック(II)を1:9〜9:1の重量比で
配合した混合体を、顔料分散剤によって水性媒体中に分
散して得られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラッ
ク分散体(請求項1)、カーボンブラック(II)が、官
能基を有する水不溶性樹脂で表面を覆われた樹脂被覆カ
ーボンブラックである請求項1記載の電子写真用導電性
高濃度カーボンブラック分散体(請求項2)、カーボン
ブラック(I)および(II)の平均一次粒子径が、0.
005〜0.03μmである請求項1または2記載の電
子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体(請求項
3)、カーボンブラック(I)および(II)を精製する
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の電子写真
用導電性高濃度カーボンブラック分散体(請求項4)、
カーボンブラック(I)および(II)が粉状であり、該
カーボンブラックの着色力が95〜155%である請求
項1、2、3または4記載の電子写真用導電性高濃度カ
ーボンブラック分散体(請求項5)、カーボンブラック
の含有量が35重量%以上である請求項1、2、3、4
または5記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラッ
ク分散体(請求項6)、顔料分散剤が、スチレンおよび
/またはスチレン誘導体からなる水性樹脂である請求項
1、2、3、4、5または6記載の電子写真用導電性高
濃度カーボンブラック分散体(請求項7)、導電率が2
000〜10000μS/cmである請求項1、2、
3、4、5、6または7記載の電子写真用導電性高濃度
カーボンブラック分散体(請求項8)、平均粒子径が
0.1μm以下である請求項1、2、3、4、5、6、
7または8記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラ
ック分散体(請求項9)、DBP吸油量80ml/10
0g以下、平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積
200m2/g以下、かつpHが中性またはアルカリ性
であるカーボンブラック(I)、および官能基を有する
樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)を
1:9〜9:1の重量比で配合した混合体を、顔料分散
剤によって水性媒体中に高濃度で分散させて微粒子とす
ることを特徴とする電子写真用導電性高濃度カーボンブ
ラック分散体の製造方法(請求項10)、請求項1、
2、3、4、5、6、7、8または9記載の電子写真用
導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有する電子写
真複写機用導電性ロールインキ組成物(請求項11)、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の
電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有
する導電性塗料組成物(請求項12)、および請求項
1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の電子写
真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を含有し、該
分散体の体積固有抵抗が1×105〜1×1010Ω・c
mである導電部材(請求項13)に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について説明する。
【0012】本発明の電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体は、水性の液体中に、DBP吸油量80
ml/100g以下、平均一次粒子径0.03μm以
下、比表面積200m2/g以下、かつpHが中性ない
しアルカリ性の領域に含まれるカーボンブラック(I)
と官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブ
ラック(II)を特定の割合で併用した混合体を、顔料分
散剤によって水性媒体中に高濃度で微粒子となるように
分散したものであり、本発明により半導電性領域におい
てばらつきが少なく安定した電気特性が得られる。
【0013】本発明の電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体は、前記特定の性質を有するカーボンブ
ラックを、顔料分散剤で水性媒体中に微粒子分散させ
る。単にカーボンブラックが用いられた場合と比較し
て、官能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボン
ブラックを特定の割合で併用することにより、非導電性
を有し、着色力および隠蔽力がそこなわれず、また、表
面の平滑性が向上し電気抵抗のバラツキや経時変化が少
なく、しかも環境条件の変動に対しても安定した電気的
特性が得られる。
【0014】一般に、カーボンブラックは、使用する原
料、製法、用途などで分類されるが、製造法で大きく分
けると熱分解法と不完全燃焼法の2つになる。熱分解法
は天然ガスを用いるサーマル法とアセチレンガスを用い
るアセチレン分解法にわけられる。不完全燃焼法は、天
然ガスを原料とするガスファーネス法と芳香族炭化水素
油を原料とするオイルファーネス法、コンタクト法、ラ
ンプ・松煙法などにわけられる。現在の主流を占めてい
るのはオイルファーネス法で、ゴム用、カラー用カーボ
ンブラックのほとんどはこの方法で生産されている。
【0015】とくに高い導電性を有するカーボンブラッ
クは、特別に導電性カーボンと呼ばれて通常のカーボン
ブラックと区別されている。アセチレン法によるアセチ
レンブラック、ファーネス法によるファーネスブラッ
ク、シェル法のガス化炉による特殊導電性カーボンブラ
ックが知られている。これらカーボンブラックの特性
は、通常のカーボンブラックと比較して粒子径が小さ
く、ストラクチャーが高度に発達し、表面積が大きく、
表面に不純物が少なくグラファイト化が進んでいるもの
である。表面の不純物として、カルボキシル基、フェノ
ール性水酸基、キノン基などの酸素や、水素原子を含む
官能基が存在しており、導電性に大きく影響を及ぼして
いる。
【0016】これらの表面の不純物は、水性媒体中に微
粒子分散させる際に、分散剤や界面活性剤の機能を果た
し、分散を促進する効果も有している。高い導電性を発
現する前記導電性カーボンブラックは、その特性に相関
するファクターとしてDBP(ジブチルフタレート)吸
油量がある。粒子径の減少、ストラクチャーの発達、表
面積の増大および多孔性の増加は、このDBP吸油量の
増加につながり、カーボンブラックの充填量を低くしな
ければならない。また、表面積の増大により凝集体表面
を被覆するのに必要な分散剤が多くなって、高粘度化
し、高濃度に微分散させることがとくに困難となって、
漆黒度や光沢および導電性などが低下し、分散安定性も
低下して、不均一分散などにより安定した電気抵抗を保
つことが困難で経済性にも劣るといった問題がある。と
くに配合量と電気抵抗値の勾配が急なため、任意の電気
抵抗値を発現させるのが極めて困難である。
【0017】また、カーボンブラックの粒子表面に官能
基を付与する酸化処理、高温で処理し結晶子を発達させ
る黒鉛化、さらに水蒸気や炭酸ガスと接触させカーボン
ブラック表面に細孔を形成する賦活、重合開始剤を用い
てカーボンブラック表面にポリスチレンやアクリロニト
リルなどを重合させるグラフト化、また、グラフト化に
似た技術で官能基を有する樹脂で表面を覆う被覆処理な
どがあり、これら後処理を行なうことで、その特性が大
きく変化し、幅広く用途展開されている。とくに、近年
は導電性を有さず、優れた非導電性(絶縁性)を有した
高抵抗カーボンブラックが開発され、さらなる用途開発
が期待されている。高抵抗カーボンブラックの製法に
は、従来公知の方法(たとえば特開平9−71733号
公報、特開平9−124969号公報に記載)がある。
官能基を有する樹脂で処理することによって、カーボン
ブラック表面に酸素コンプレックスなどπ電子の移動を
妨げる物質を付与し、結晶子の乱れ部分、コンダクティ
ブホールを除去し、π電子の移動を妨げる。このような
官能基を有する樹脂としては、たとえばフェノール樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、キシ
レン樹脂などがあげられる。これらは、単独または2種
以上混合して用いられる。これらの官能基を有する樹脂
は、カーボンブラックに含有している不純物金属イオ
ン、たとえば、Ca、Naをカーボンブラック中に封じ
込める働きもあり、分散性、分散安定性が向上できる点
で、水不溶性であることが好ましい。また、被覆処理に
水溶性の樹脂を用いると、再溶解して本来の導電性の値
が得られない。前記水不溶性樹脂としては、多官能エポ
キシ樹脂が推奨される。このようにカーボンブラック
は、化学的にきわめて活性の強い粉体で、優れた安定性
を有し、またその充填量により任意の導電性がコントロ
ールできる利点があり、広く普及している。
【0018】本発明に用いられるカーボンブラックとし
ては、ファーネス方式で生産された中性またはアルカリ
性の領域をもち、DBP吸油量が低く、より多孔性で、
ストラクチャーが低く、残留多環芳香族炭化水素が少な
いカーボンブラック(I)と、前記特性を有するカーボ
ンブラックを、官能基を有する樹脂で被覆処理を行なっ
たカーボンブラック(II)を特定の割合で併用した混合
体を顔料分散剤によって水性媒体中に高濃度で微粒子に
分散させることを特徴とする。それぞれのカーボンブラ
ック混合比率を変化させることにより、カーボンブラッ
ク配合量と電気抵抗値の勾配が緩くなり、任意の導電性
がコントロールでき、かつ微粒子に分散させることによ
り表面の平滑性が向上し電気抵抗のバラツキや経時変化
が少なく、しかも環境条件の変動に対しても安定した電
気的特性が得られる。
【0019】本発明に用いられるカーボンブラック
(I)および(II)のDBP吸油量は、小さいものが好
ましい。DBP吸油量が小さいカーボンブラックは、本
発明の方法で微細化されやすく、微分散性や電気的特性
において良好な結果が得られるからである。また、カー
ボンブラックを高濃度で分散させた際に、粘度が高く、
流動性に欠け、かつ分散性に劣り、漆黒度や光沢および
導電性などが低下するといった影響をおよぼさないよう
にするためには、80ml/100g以下であることが
必要であり、50ml/100g以下であることが好ま
しい。一方、カーボンブラックの凝集体表面を被覆する
ために必要な分散剤量が多くなり、カーボンブラックの
充填量を低くしなければならないこと、カーボンブラッ
ク分散体の安定性が低下し、沈降や二次凝集して増粘す
ることを考慮すると、DBP吸油量は40ml/100
g以上であることが好ましい。
【0020】なお、前記DBP吸油量とは、一定重量の
カーボンブラック中の空隙容積を液体で置換し、その容
量をストラクチャーの指標とするものである。具体的に
は、カーボンブラック100g当りに包含される油の体
積(ml)をいい、油としてフタル酸ジブチルを用いた
アブソープトメーターによる値(JIS K 6211吸
油量A法(機械法))である。
【0021】前記カーボンブラック(I)および(II)
の平均一次粒子径は、カーボンブラックを充分に高濃度
で微分散させるためには、0.03μm以下であること
が必要であり、0.025μm以下であることが好まし
い。粒子径が小さくなるほど黒色度は高くなるが、粗大
粒子を残さず微粒子に分散させることが難しくなる。ま
た、一次凝集体を最終的に安定に維持するという点を考
慮すると、平均一次粒子径は、0.005μm以上であ
ることが好ましく、0.01μm以上である。
【0022】ここで、一次粒子とは、結晶子が1000
〜2000個集合して1個の粒子を形成しているものを
さし、平均一次粒子径は、一般的に、電子顕微鏡で撮影
した一次粒子をEndterの装置などで計測して求め
られる。さらにこの一次粒子が数十個相互に化学的物理
的に結合したものをストラクチャーと呼んでいる。
【0023】前記カーボンブラック(I)および(II)
の比表面積は、DBP吸油量と相関するファクターで、
粒子の大きさと微細空孔度を表わす。高いグレードは単
位重量あたりにより多くのアグリゲートをもつために、
黒色度、導電性は高いが、カーボンブラック粒子の表面
積が増加するにつれて凝集体表面を被覆するために必要
な分散剤量が多くなり、分散体の粘度に大きく影響を及
ぼし分散性が低下する。また、安定した分散状態を得る
ためにはカーボンブラックの充填量を低くしなければな
らないこと、カーボンブラック分散体の安定性が低下
し、沈降や二次凝集して増粘することを考慮すると、2
00m2/g以下、好ましくは130m2/g以下であ
る。また、カーボンブラックの単位重量あたりの粒子個
数が少なくなると黒色度、任意の導電性がコントロール
できなくなる点を考慮すると、比表面積は、好ましくは
20m2/g以上、さらに好ましくは、50m2/g以上
である。ここで比表面積とは、BET法により測定した
値を表わす。
【0024】前記カーボンブラック(I)および(II)
の混合割合を変化させることにより、カーボンブラック
配合量と電気抵抗値の勾配が緩くなり、任意の導電性が
コントロールでき、かつ微粒子に分散させることにより
表面の平滑性が向上し電気抵抗のバラツキや経時変化が
少なくなる。前記カーボンブラック(I)または(II)
単独でも、高濃度で微分散された分散体が得られ表面の
平滑性も向上する。しかし、カーボンブラック(I)の
みでは、配合量と電気抵抗値の勾配が急になり、任意の
電気抵抗値を出現させるのが困難であり、また電気抵抗
のバラツキが大きく、安定した電気的特性を得ることが
できにくい。一方、カーボンブラック(II)のみでは、
高い電気抵抗値を有しているため、配合量と電気抵抗値
の勾配が緩くなり、高抵抗域で安定した抵抗値が得られ
るが、カーボンブラックの配合量を多くしても高抵抗域
のため半導電域の電気抵抗値が得られにくい。また、カ
ーボンブラックの配合量が多くなると、得られる組成物
の硬度が低くなりすぎ、硬さと電気抵抗のバランスを取
るのが難しくなること、また被覆層の抵抗値は10 7
1012Ω・cmの範囲にあることが好ましいことを考慮
すると、カーボンブラック(I)および(II)の割合
は、1:9〜9:1であるが、2:8〜8:2であるこ
とが好ましい。
【0025】前記カーボンブラック(I)または(II)
は、たとえば後述する顔料分散剤が非イオン系およびア
ニオン系の分散剤である場合には、カーボンブラック表
面に媒体が吸着され顔料粒子同士の付着力を低下させる
濡れ効果、分散剤とカーボンブラックの疎水性相互作用
による立体安定化カーボンブラック凝集体に対してマイ
ナス電荷を与え凝集体自らを反発させる静電引力から、
pHが中性ないしアルカリ性であることが必要である。
アニオン系分散剤の場合、酸性の領域であったり、あま
りにも高アルカリ性の領域であったりすると、加水分解
を起こすため、分散安定性が低下することも考えられ
る。したがって、そのpHの上限は、好ましくは6.0
以上、より好ましくは6.5以上であり、下限は、好ま
しくは9.0以下、より好ましくは8.5以下である。
【0026】前記カーボンブラック(I)および(II)
は、分散性がすぐれる点から、粉状であることが好まし
く、その着色力は95〜155%であることが好まし
い。粒子径が小さく、比表面積が大きいほど黒色度、着
色効果が高くなるが、微分散や分散安定性を考慮する
と、着色力は95%以上、好ましくは100%以上、ま
た155%以下、好ましくは150%以下である。
【0027】ここで、着色力は、カーボンブラックの鉱
物油との混合ペーストと白色顔料の印刷ワニスとの混合
ペーストを混ぜ合わせて平板上に引き延ばし、別に調製
した標準ブラックと白色顔料の混合ペーストと比較して
同じ黒さになるように白色顔料ペーストを追加、混合
し、その追加量から算出する。着色力の測定方法には、
反射率計が採用されており、日本工業規格、およびAS
TM規格に規定されている。
【0028】前記カーボンブラック(I)および(II)
は、得られる分散体の粘度が低くなりすぎ、分散安定
性、着色力および漆黒性が低下するのを防止するととも
に、得られる組成物の硬さと電気抵抗のバランスを保つ
ために、カーボンブラック含有量は分散体の35重量%
以上が好ましく、40重量%以上がより好ましい。ま
た、分散安定性が低下したり、微粒子化が困難となるお
それをなくすためには、カーボンブラック分散体の53
重量%以下が好ましく、48重量%以下がより好まし
い。
【0029】なお、本発明において、前記カーボンブラ
ック分散体の品質、電気的特性、分散安定性を向上させ
るために、とくに、得られたカーボンブラック分散体中
に含まれる後述のナトリウム、カリウムなどの不純物金
属イオンの量を充分に少なくするために、該カーボンブ
ラック(I)および(II)をイオン交換水や不純物金属
イオンを除去した水にて洗浄し、精製することが好まし
い。
【0030】本発明の製造方法においては、前記特定の
カーボンブラックを顔料分散剤によって水性媒体中に微
粒子分散させる。
【0031】本発明に用いられる顔料分散剤としては、
カーボンブラックを安定に微分散させることができると
いう点から、親和性の高い官能基を有する高分子系の分
散剤、水溶性樹脂および水分散性樹脂を単独ないし混合
して用いることができる。このような樹脂としては、ア
クリル共重合体、スチレン誘導体のアクリル酸−スチレ
ン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体やポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリウレタン系の水溶性樹脂および
水分散性樹脂があげられる。なかでもアクリル酸−スチ
レン共重合体がとくに好ましい。
【0032】カーボンブラックを均一に微分散させ、分
散安定性、環境条件の変動に対しても、安定した電気的
特性が得られるという点から、その酸価は、好ましくは
70以上、より好ましくは120以上であり、また、好
ましくは270以下、より好ましくは230以下であ
る。重量平均分子量は、好ましくは2000以上、より
好ましくは2200以上、また、好ましくは12000
以下、より好ましくは10000以下である。
【0033】前記水溶性樹脂は、アルカリ性化合物で中
和させ、安定に溶解させておくことが好ましい。中和剤
としては、アルカリ性金属であるナトリウム、カリウム
の水酸化物、脂肪族アミン、トリエタノールアミン、プ
ロパノールアミン、メチルエタノールアミン酸のアルコ
ールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミ
ノエタノール、アンモニア水などがあげられる。また、
中和で形成された塩がイオン解離されず、溶解性、耐水
性、再溶解性の維持が良好に行なわれるように、前記中
和剤をpH調整剤として添加し、得られるカーボンブラ
ック分散体のpHが最適な値となるように調整すること
が好ましい。
【0034】前記顔料分散剤の添加量は、カーボンブラ
ックの分散性が低下して分散不良となり、微粒子化が困
難となり、得られるカーボンブラック分散体の漆黒性、
および分散安定性が低下するおそれをなくすためには、
該カーボンブラック分散体の12重量%以上であること
が好ましく、15重量%以上であることがより好まし
い。また、カーボンブラック分散体の粘度を低く設定す
ることが困難となること、分散剤分子の単分子層が非極
性の顔料表面に対して極性配向となるが、分散剤の二次
層が吸着される場合分子配向は、反対方向となり顔料表
面を再び非極性に戻してしまうため、分散剤の有効性が
減少してカーボンブラックの充填能力を低下させてしま
うこと、導電率が高くなりすぎて、分散体を用いて得ら
れた材料の電気特性値が安定的にコントロールされにく
くなること、均一な抵抗値が得られにくくなること、さ
らに不純物金属イオン、酸化物、窒化物などの活性能を
もつ物質に安定性の低下を招く可能性をなくすために
は、カーボンブラック分散体の23重量%以下であるこ
とが好ましく、20重量%以下であることがより好まし
い。
【0035】本発明に用いられる水性媒体はとくに限定
されないが、分散安定性の低下を防止するためには、不
純物金属イオンを除去したイオン交換水、蒸留水が好ま
しい。
【0036】前記水性媒体の含有量にもとくに限定がな
く、通常前記カーボンブラックおよび顔料分散剤のほ
か、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体中
に含まれるその他の添加剤などの残量であればよい。
【0037】さらに、本発明の製造方法においては、濡
れ性を向上させ、顔料粒子同士の付着力を低下させ顔料
に水溶性樹脂を吸着させやすくするための親和性を高め
て、カーボンブラックの分散性および分散安定性をより
向上させるため、非イオン性界面活性剤やアニオン性界
面活性剤を用いることが好ましい。
【0038】前記非イオン性界面活性剤としては、たと
えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ン誘導体、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロッ
クコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アセチレン
ジオール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル変性シリコーン
などのシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤な
どがあげられる。
【0039】また、アニオン性界面活性剤としては、た
とえば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルア
リールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク
酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ア
ルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール
エーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グ
リセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ングリセロール脂肪酸エステルなどがあげられる。
【0040】前記界面活性剤は、カーボンブラックとの
親和性を高め、流動性を向上させてより効果的に水溶性
樹脂が顔料に吸着させやすくし、また分散粒子の凝集を
充分に阻止するためには、得られるカーボンブラック分
散体の0.05重量%以上、好ましくは0.2重量%以
上含有されるように調整することが望ましい。また、該
界面活性剤の添加量が多くなりすぎると、流動性および
耐水性が低下する傾向があることを考慮すると、カーボ
ンブラック分散体の5重量%以下、好ましくは、3重量
%以下含有されるように調整されることが望ましい。
【0041】また、前記界面活性剤のほかにも、必要に
応じて、たとえば顔料、濡れ浸透剤、防腐剤、消泡剤な
どの添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜配
合することができる。
【0042】本発明の製造方法において、カーボンブラ
ックを水性媒体中に微粒子分散させる際に用いる分散装
置にはとくに限定がなく、湿式粉砕の方式としてはガラ
ス、アルミナ、ジルコニア、変性ジルコニアなどのビー
ズを用いるビーズミル方式あるいは、ビーズを用いずに
顔料を含有したスラリーを高圧、高速で隘路を通過させ
たのち、スラリー同志を衝突させる、あるいはダイヤモ
ンド板に衝突させる方式または超音波による方式が好適
である。具体的には、ビーズミル方式としては、ペイン
トシェカー、ボールミル、アトライター、サンドミル、
パールミル、ジェットミル、スパイクミル、ダイノーミ
ルがあげられる。
【0043】またビーズを用いない方式としては、マイ
クロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー
があげられる。超音波による方式として超音波ホモジナ
イザー、超音波ミルがあげられ、効率よく微粒子化させ
るためにはビーズミル方式が好ましい。また、顔料、顔
料分散剤および水溶性樹脂または界面活性剤とをニーダ
ー、二本、三本ロールミルにてあらかじめよく混練りし
たのち、適宜水にて希釈し、他の添加剤を混合してビー
ズミル方式の分散装置で分散してもよい。
【0044】また、分散させるメディアとしては、従来
は、ガラスビーズが主体であったが、アルミア、ジルコ
ニア、変性ジルコニアなどもあげられるが、分散安定性
を低下させる要因とされる不純物金属イオン、たとえば
Na、K、Si、Al、Ca、Fe、Cr、Ni、Z
r、Cu、Znなどの金属イオン、酸化物、窒化物の混
入をできるだけ避けるために、無アルカリガラス、ジル
コニア、変性ジルコニアなどが好ましい。その粒径につ
いては、効率よく微粒化するために、小粒子径、高密度
が重要であって、0.1〜1.0mm程度のものが好ま
しい。
【0045】なお、得られる電子写真用導電性高濃度カ
ーボンブラック分散体の分散安定性をさらに向上させ、
活シャープな粒度分布を得るために、遠心処理やフィル
ターを施し、粗大粒子を除去することが望ましい。
【0046】かくして得られる本発明の電子写真用導電
性高濃度カーボンブラック分散体の導電率は、該カーボ
ンブラック分散体を安定した電気特性値が必要とされる
導電ロールに好適に使用することを考慮すると、200
0μS/cm以上、好ましくは2100μS/cm以上
である。また、分散体を用いて得られた材料の電気特性
値が安定的にコントロールされにくくなること、不純物
金属イオン、酸化物、窒化物などの活性能をもつ物質に
より安定性の低下を招く可能性があることを考慮する
と、該導電率は、10000μS/cm以下、好ましく
は9900μS/cm以下である。
【0047】また、前記電子写真用導電性高濃度カーボ
ンブラック分散体の平均粒子径は、微細化という点、着
色力、黒色度、平滑性、安定した電気的特性および分散
安定性という点を考慮すると、0.1μm以下、好まし
くは、0.095μm以下である。また、二次凝集の可
能性、長期安定性が低下するという点を考慮すると、
0.05μm以上、好ましくは0.06μm以上であ
る。
【0048】前記電子写真用導電性高濃度カーボンブラ
ック分散体は低粘度であるが、水溶性樹脂またはエマル
ジョンなどの定着剤に混合する該カーボンブラック分散
体の添加量が制限されると、たとえば得られるインキ組
成物の粘度が高くなって平滑性が低下し任意の電気特性
値が安定的にコントロールされにくくなるとい点を考慮
すると、25℃での粘度が600mPa・s以下である
ことが好ましく、500mPa・s以下であることがよ
り好ましい。また、インキ組成物をスプレー法、ディッ
ピング、ロールコーターなどの湿式塗布法で行なわれる
際の塗工適性が低下し、任意の電気特性値がえられない
という点を考慮すると、25℃での粘度が50mPa・
s以上であることが好ましく、80mPa・s以上であ
ることがより好ましい。
【0049】このように、本発明の電子写真用導電性高
濃度カーボンブラック分散体は、カーボンブラックが水
性媒体中に高濃度で微分散され、分散安定性にすぐれ、
粘度が低く流動性に適し漆黒性を有することはもちろん
のこと、安定した電気的特性を有し、任意にコントロー
ル可能な導電性を有するものであるので、電子写真複写
機用導電性ロールに好適に使用し得るものである。
【0050】本発明の電子写真複写機用導電性ロールイ
ンキ組成物は、前記電子写真用導電性高濃度カーボンブ
ラック分散体を含有するものである。
【0051】前記電子写真複写機用導電性ロールインキ
組成物中の電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分
散体の含有量は、得られる組成物に任意の導電性および
漆黒性を付与するためには、5重量%以上、好ましくは
7重量%以上である。また、得られる組成物の硬度が低
くなりすぎ、硬さと電気抵抗のバランスをとるのが困難
にならないようにするためには、35重量%以下、好ま
しくは30重量%以下である。
【0052】本発明の電子写真複写機用導電性ロールイ
ンキ組成物には、前記電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体のほかにも、たとえばエマルジョン樹
脂、導電性材料、架橋剤、レベリング剤、界面活性剤、
粘弾性調整剤、充填剤などの通常電子写真複写機用導電
性ロールインキ組成物に用いられるものを適宜配合する
ことができる。
【0053】前記エマルジョン系樹脂としては、たとえ
ばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、フッ素樹脂、イソプレンゴムラテック
ス、ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテ
ックスなどがあげられる。また、このエマルジョン系樹
脂材料は、単量体を水媒体に分散させて、乳化および懸
濁重合法によって得ることができ、これらは単独でまた
は2種以上を混合して用いることができる。また、その
含有量は、導電性ロールインキ組成物の30〜90重量
%であることが好ましい。
【0054】前記導電性材料としては、イオンにより導
電性を発現するイオン導電タイプのものと電子により導
電性を発現する電子導電タイプがあげられる。
【0055】前記イオン導電性物質としては、たとえば
過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カル
シウム、塩化リチウムなどの無機イオン導電性物質、さ
らに変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェー
ト、ステアリルアンモニウムアセテート、ラウリルアン
モニウムアセテート、オクタデシルトリメチルアンモニ
ウム過塩素酸、テトラブチルアンモニウムホウフッ酸塩
の有機イオン導電性物質があげられる。
【0056】前記電子導電物質としては、たとえば酸化
チタンの表面をスズとアンチモンで処理した導電性酸化
チタン、アンチモンドーブの酸化錫、酸化亜鉛、銅、
銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、ゲルマニウムなどの
金属、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリ
アセチレンなどの導電性ポリマーなどがあげられる。こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。また、その含有量は、導電性ロールインキ組成物
の0.01〜20重量%以下、好ましくは0.01〜5
重量%以下である。
【0057】前記エマルジョン系樹脂の反応を促進さ
せ、耐水性、耐溶剤性を向上させる架橋剤としては、た
とえばメラミン樹脂、アジリジン系化合物、カルボジイ
ミド樹脂系、エポキシ樹脂、アミノホルムアルデヒド樹
脂、多価イソシアネート化合物、ポリヒドロキシ化合
物、多価アミン化合物、有機過酸化物などがあげられ
る。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。また、その含有量は、導電性ロールインキ
組成物の0.01〜15重量%以下、好ましくは0.0
1〜10重量%以下である。
【0058】前記レべリング剤としては、たとえばシリ
コーン系、フッ素系などなどがあげられる。シリコーン
系として、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニル
シリコーンオイル、アルキル変性シリコーン、アルコキ
シ変性シリコーン、オキシアルキル変性シリコーン、グ
リコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコー
ン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性
シリコーンがあげられる。フッ素系として、フッ化炭素
系化合物、フッ素シリコーンなどがあげられる。これら
は単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0059】前記界面活性剤としては、たとえばアニオ
ン性界面活性剤として、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステ
ル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジス
ルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸
エステル塩などがあげられる。
【0060】また、両性界面活性剤としては、たとえば
高級アルキルアミンから誘導されるラウリルジメチルア
ミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシ
エチル、およびベタイン型化合物としてラウリルベタイ
ン、ステアリルベタインなどがあげられる。
【0061】非イオン性界面活性剤として、たとえばポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン誘導
体、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポ
リマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン、フッ素系界面活性剤などがあげられ
る。フッ素系界面活性剤として、パーフルオロアルキル
カルボン酸、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パ
ーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルア
ミンオキシド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド
付加物などがあげられる。これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。その含有量は、塗布
液にレベリング剤または界面活性剤が添加されている
と、表面張力が低下し、浸透性が向上し、はじきおよび
むらなどの塗工欠陥を防止することができることを考慮
すると、0.0001〜10重量%であることが好まし
い。
【0062】前記粘弾性調整剤としては、たとえばポリ
エーテル系樹脂、変性ポリアクリル系スルホン酸塩、ウ
レタン変性ポリエーテル系樹脂、変性ポリアクリル酸ナ
トリウム系化合物、変性ポリアクリル系エマルジョンな
どがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。
【0063】前記充填剤としては、たとえば二酸化ケイ
素、アルミナ、亜鉛華、チタン酸カリウムウィスカーや
その他の金属酸化物、複合金属酸化物などがあげられ、
粘着性低下や低温低湿、高温高湿下の環境変動による帯
電不良を防止するために、単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。
【0064】その他の添加剤として、本発明では表面張
力の比較的大きい水を溶媒とするため、さらに浸透性を
高めるために、水性溶剤も適宜配合することができる。
水性溶剤としては、たとえばジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの
エーテル;メトキシエタノール、イソプロパノール、ブ
タノール、エチレングリコール、ジおよびトリエチレン
グリコール、プロピレングリコールなどのアルコールな
どがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合
して用いることができる。また、離型剤としては、たと
えばシリコーン系、フッ素系、オレフィン、エステル系
ワックスも適宜配合することもできる。また、電子写真
複写機用導電性ロールインキ組成物のpHを調整し該ロ
ールインキ組成物の安定性を得るため、アミン、無機
塩、アンモニアなどの、pH調整剤を用いることができ
る。さらに該ロールインキの循環、移動、あるいは、該
ロールインキ製造時の泡の発生を防止するために、消泡
剤を適宜配合することもできる。
【0065】本発明の電子写真複写機用導電性ロールイ
ンキ組成物を得る方法にとくに限定がなく、たとえば適
宜配合量を調整した電子写真用導電性高濃度カーボンブ
ラック分散体、および必要に応じてエマルジョン樹脂、
架橋剤、粘弾性調整剤、導電性材料、界面活性剤、レベ
リング剤、充填剤、水性溶剤、離型剤、pH調整剤など
をニーダー、ディスパーサーによる撹拌混合のほか、高
速の分散機により行なうことができる。
【0066】かくして得られる電子写真複写機用導電性
ロールインキ組成物は、従来公知の方法によって電子写
真複写機内の帯電ロール、現象ロール、転写ロール、供
給ロールなどの表面被覆層に用いることができる。ま
た、被覆層のみならず、導電性弾性体層にも応用するこ
とができる。
【0067】さらに本発明に係る電子写真用導電性高濃
度カーボンブラック分散体を含有する組成物は、導電性
塗料組成物として、各分野における目的、要求特性に応
じて適宜用いることができる。
【0068】また、電子写真用導電性高濃度カーボンブ
ラック分散体を含有して得られる組成物は、半伝導性領
域においてバラツキが少なく、安定した電気的特性を示
す導電部材であるため、体積固有抵抗が1×105〜1
×1010Ω・cmであることが好ましく、さらに好まし
くは1×106〜1×109Ω・cmである。
【0069】
【実施例】つぎに本発明の電子写真用導電性高濃度カー
ボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれ
からなる組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0070】実施例1 カーボンブラック(I)(ピグメントブラック7、平均
一次粒子径0.024μm、比表面積125m2/g(B
ET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH8.
0、着色力140%、粉状)、官能基を有する水不溶性
樹脂(アミノフェノール型エポキシ樹脂)で被覆処理を
行なったカーボンブラック(II)(ピグメントブラック
7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2
g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH
5.0、着色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗
浄濾過を行ない、不純物金属イオンを除去し、3:7の
混合体としたもの40重量%、顔料分散剤として、スチ
レン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価2
00、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤
0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン
交換水を添加し全量が100重量%となるようにして分
散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000
rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmの
ジルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置によ
り、周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに
周速12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得ら
れた分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに1
0μmのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子
を除去し、48重量%の固形分濃度になるように調整
し、電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を
得た。えられた電子写真用導電性高濃度カーボンブラッ
ク分散体に含有されている金属(NaおよびK)につい
て、原子吸光光度計((株)日立製作所製、Z−823
0)にて元素分析を行なった。その結果を表1に示す。
【0071】本発明で得られる電子写真用導電性高濃度
カーボンブラック分散体の特性として、粘度、平均粒子
径、導電率および分散安定性を以下の方法にしたがって
調べた。また、電子写真用導電性高濃度カーボンブラッ
ク分散体を用いて形成した塗膜の物性として、反射濃度
および体積固有低坑、体積固有低坑のバラツキを以下の
方法によって調べた。その結果を表1に示す。
【0072】前記塗膜は、電子写真用導電性高濃度カー
ボンブラック分散体をアクリル共重合体エマルジョンに
均一となるように混合し(インキ組成物の固形分に対す
るカーボンブラックの含有量(CB/固形分)、20重
量%)、得られたインキ組成物をアプリケーターの5ミ
ルでアート紙ボンアイボリー試験用紙に塗工して乾燥さ
せて得られたものである(乾燥膜厚:20μm)。
【0073】(1)粘度 B型粘度計((株)東京計器製)を用い、25℃にて調
製直後のカーボンブラック分散体の粘度(mPa・s)
を測定した。
【0074】なお、カーボンブラック分散体が低粘度で
あるとは、カーボンブラックの含有量が40重量%のカ
ーボンブラック分散体について、300mPa・s以下
の場合をいう。
【0075】(2)平均粒子径 レーザー光拡散方式粒度分布測定機(リーズ・アンド・
ノースラップ社(Leeds and North Rup)製、マイクロ
トラックUPA粒度分布計)を用いて、平均粒子径(μ
m)を測定した。ただし、体積累積50%径の値を示
す。
【0076】なお、とくにカーボンブラックは一般に微
小な粒子が凝集したものであるため、カーボンブラック
分散体の平均粒子径は、カーボンブラックの一次粒子径
より大きい値となる。したがって、カーボンブラック分
散体がきわめて微分散されたものであるとは、カーボン
ブラックの含有量が40重量%のカーボンブラック分散
体について、平均粒子径が0.1μm以下の場合をい
う。
【0077】(3)導電率 導電率計((株)堀場製作所製、カスタニーDS−1
4)を用いて導電率(μS/cm)を測定した。
【0078】なお、導電率とは導体中での電流の流れや
すさを示す指標である。したがって、カーボンブラック
分散体が好適な導電性であるとは、カーボンブラックの
含有量が40重量%のカーボンブラック分散体につい
て、導電率が2000〜10000μS/cmの場合を
いう。
【0079】(4)分散安定性 カーボンブラック分散体100mlをイージーボトル
((株)ニッコー製)に採り、室温および50℃にて1
0日間放置したのち、カーボンブラックの沈降の有無を
調べるとともに、B型粘度計を用いて25℃における粘
度を測定し、前記(1)で測定した調製直後の粘度と比
較し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0080】(評価基準) ◎:カーボンブラックの沈降がまったくなく、粘度変
化、平均粒子径の増粒もない非常に良好な状態である。 〇:カーボンブラックの沈降がほとんどなく、粘度変
化、平均粒子径の増粒も大きな変化がなく良好な状態で
ある。 △:カーボンブラックの沈降がかなりあるか、粘度上
昇、平均粒子径の増粒があり、わるい状態である。 ×:カーボンブラックの沈降がいちじるしく、粘度上
昇、平均粒子径の増粒がいちじるしく、非常にわるい状
態である。
【0081】(5)反射濃度 マクベス(登録商標)濃度計(IR−927、オルソマ
テックタイプ)を用いて、反射濃度(単位なし)を測定
した。
【0082】なお、反射濃度は、物質が光を反射する程
度を表わす値であり、光路長が一定のとき反射濃度が大
きいほど色材の濃度が高いことを示す。したがって、塗
膜が漆黒性を有するとは、カーボンブラック分散体から
形成された塗膜について、反射濃度が1.5以上の場合
をいう。
【0083】(6)体積固有抵抗 抵抗率計(三菱化学社製、HirestaIP(MCP
−HT250))を用いて、温度20℃、湿度50%、
印加電圧10Vにて体積固有抵抗(Ω・cm)を測定し
た。インキ組成物の固形分に対しカーボンブラックの含
有量(CB/固形分)が、5重量%、10重量%、20
重量%、30重量%、40重量%のときの体積固有抵抗
を測定した。
【0084】なお、均一な厚さの塗膜が形成され、その
塗膜の艶、密着性、耐汚染性および安定した電気抵抗値
が満足されるとは、カーボンブラックの含有量が40重
量%のカーボンブラック分散体がインキ組成物の固形分
に対しカーボンブラックの含有量が20重量%である組
成物を用いて形成された塗膜について、体積固有抵抗が
1×107〜1×108Ω・cmの場合をいう。
【0085】(7)体積固有抵抗のバラツキ 各実施例および、比較例で得たサンプルを各3個用意
し、等間隔に6点測定し、その最大値と最小値との差Δ
Log10Rを求めた。この差が大きいほど、体積固有抵
抗のばらつきが大きいことになる。また、インキ組成物
の固形分に対しカーボンブラックの含有量、5重量%、
10重量%、20重量%、30重量%、40重量%とし
てカーボンブラック配合量による体積固有抵抗が1×1
6〜1×109Ω・cmの場合をいう。
【0086】実施例2 カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表
面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml
/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官
能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキ
シ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)
(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一
次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET
法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着
色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行
ない、不純物金属イオンを除去し5:5の混合体とした
もの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−αメチ
ルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平
均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、
濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加
し全量が100重量%となるようにして分散ミルベース
を得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1
時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビ
ーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/
sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/s
ec、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を2
00メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィル
ター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48
重量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導
電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。えられた電
子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有さ
れる金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗
膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表
1に示す。
【0087】実施例3 カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表
面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml
/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官
能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキ
シ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)
(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一
次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET
法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着
色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行
ない、不純物金属イオンを除去し7:3の混合体とした
もの40重量%、顔料分散剤としてスチレン−αメチル
スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均
分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡
れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し
全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを
得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時
間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビー
ズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/s
ec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/se
c、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を20
0メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルタ
ー処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重
量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電
性高濃度カーボンブラック分散体を得た。得られた電子
写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有され
る金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜
の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1
に示す。
【0088】実施例4 カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表
面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml
/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官
能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキ
シ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)
(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一
次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET
法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着
色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行
ない、不純物金属イオンを除去し3:7の混合体とした
もの40重量%、顔料分散剤としてスチレン−αメチル
スチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平均
分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、濡
れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し
全量が100重量%となるようにして分散ミルベースを
得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時
間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビー
ズを80%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/s
ec、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/se
c、滞留時間35分で分散させ、得られた分散液を20
0メッシュの網で濾過した。さらに10μのフィルター
処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重量
%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電性
高濃度カーボンブラック分散体を得た。得られた電子写
真用導電性高濃度カーボンブラック分散体に含有される
金属の量、その特性およびこれを用いて形成した塗膜の
物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に
示す。
【0089】実施例5 カーボンブラック(I)(ファ−ネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表
面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml
/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官
能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキ
シ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)
(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一
次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET
法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着
色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行
ない、不純物金属イオンを除去し3:7の混合体とした
もの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−αメチ
ルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量平
均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量%、
濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加
し全量が100重量%となるようにして分散ミルベース
を得た。これをディスパーサー(1000rpm)で1
時間予備撹拌したのち、直径1mmのガラスビーズを8
5%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、
滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞
留時間25分で分散させ、得られた分散液を200メッ
シュの網で濾過した。しかしながら、得られたカーボン
ブラック分散体は、分散安定性は比較的良好であるが、
分散性がわるくまた、粘度が少し高いため、10μmの
フィルター処理が少し困難であった。
【0090】得られた電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体に含有されている金属の量、その特性お
よびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0091】実施例6 カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表
面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml
/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官
能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラッ
ク(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック
7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2
g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH
5.0、着色力130%、粉状)を3:7の混合体とし
たもの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−αメ
チルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価200、重量
平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.1重量
%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を
添加し全量が100重量%となるようにして分散ミルベ
ースを得た。これをディスパーサー(1000rpm)
で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニ
アビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、周速1
4m/sec、滞留時間30分で分散後、得られた分散
液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μmの
フィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去
し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電子
写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。得
られた電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体
に含有されている金属の量、その特性およびこれを用い
て形成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表1に示す。
【0092】実施例7 カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表
面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml
/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官
能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポキ
シ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(II)
(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平均一
次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(BET
法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.0、着
色力130%、粉状)をイオン交換水にて洗浄濾過を行
ない、不純物金属イオンを除去し3:7の混合体とした
もの42重量%、顔料分散剤として水溶性樹脂、スチレ
ン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体(酸価20
0、重量平均分子量7000)24重量%、防腐剤0.
1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびにイオン交
換水を添加し全量が100重量%となるようにして分散
ミルベースを得た。これをディスパーサー(1000r
pm)で1時間予備撹拌したのち、直径0.5mmのジ
ルコニアビーズを85%充填した湿式粉砕装置により、
周速8m/sec、滞留時間5分で分散後、さらに周速
12m/sec、滞留時間25分で分散させ、得られた
分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μ
mのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除
去し、48重量%の固形分濃度になるように調整し、電
子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。
しかし、得られたカーボンブラック分散体は、粘度が少
し高く、10μmのフィルター処理が少し困難であり、
また分散安定性に欠け、室温にて10日後には非常にお
おきく増粘し、また増粒も認められた。
【0093】得られた電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体に含有される金属の量、その特性および
これを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にし
て調べた。その結果を表1に示す。
【0094】実施例8 カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表
面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml
/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官
能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラッ
ク(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック
7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2
g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH
5.0、着色力130%、粉状)を3:7の混合体とし
たもの40重量%、顔料分散剤として、スチレン−無水
マレイン酸共重合体(酸価175、重量平均分子量25
00)27重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.
1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量が100
重量%となるようにして分散ミルベースを得た。これを
ディスパーサー(1000rpm)で1時間予備撹拌し
たのち、直径0.5mmのジルコニアビーズを85%充
填した湿式粉砕装置により、周速8m/sec、滞留時
間5分で分散後、さらに周速12m/sec、滞留時間
25分で分散させ、得られた分散液を200メッシュの
網で濾過した。得られたカーボンブラック分散体は、粘
度が非常に高く流動性に欠けており、また分散性もわる
く、10μmのフィルター処理が不可能であった。また
分散安定性に欠け、室温にて10日後にはおおきく増粘
し、また増粒も認められた。
【0095】得られた電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体に含有される金属の量、その特性および
これを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にし
て調べた。その結果を表1に示す。
【0096】比較例1 カーボンブラック(I)(ファ−ネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.056μm、比表
面積45m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml/
100g、pH9.0)45重量%、顔料分散剤とし
て、スチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合体
(酸価200、重量平均分子量7000)27重量%、
防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、ならびに
イオン交換水を添加し全量が100重量%となるように
して分散ミルベースを得た。これをディスパーサー(1
000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径1mm
のガラスビーズを80%充填した湿式粉砕装置により、
周速8m/sec、滞留時間3分で分散後、さらに周速
12m/sec、滞留時間10分で分散させ、得られた
分散液を200メッシュの網で濾過した。さらに10μ
mのフィルター処理にて分散しえなかった粗大粒子を除
去し、49重量%の固形分濃度になるように調整し、電
子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体を得た。
【0097】得られたカーボンブラック分散体は、実施
例1のものと比較して、粘度が少し高く、分散安定性に
欠け、室温にて10日後には増粘、増粒も認められた。
【0098】得られた電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体に含有される金属の量、その特性および
これを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にし
て調べた。その結果を表1に示す。
【0099】比較例2 官能基を有する水不溶性樹脂(アミノフェノール型エポ
キシ樹脂)で被覆処理を行なったカーボンブラック(I
I)(ファーネスブラック、ピグメントブラック7、平
均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2/g(B
ET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH5.
0、着色力130%、粉状)を40重量%、顔料分散剤
としてスチレン−αメチルスチレン−アクリル酸共重合
体(酸価200、重量平均分子量7000)24重量
%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤0.1重量%、なら
びにイオン交換水を添加し全量が100重量%となるよ
うにして分散ミルベースを得た。これをディスパーサー
(1000rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径
0.5mmのジルコニアビーズを85%充填した湿式粉
砕装置により、周速8m/sec、滞留時間5分で分散
後、さらに周速12m/sec、滞留時間10分で分散
させ、得られた分散液を200メッシュの網で濾過し
た。しかしながら、得られたカーボンブラック分散体
は、分散性に欠けており、10μmのフィルター処理が
少し困難であった。また分散安定性に欠け、室温にて1
0日後にはカーボンブラックの沈降が少し認められた。
【0100】得られた電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体に含有される金属の量、その特性および
これを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様にし
て調べた。その結果を表1に示す。
【0101】実施例9 カーボンブラック(I)(ファーネスブラック、ピグメ
ントブラック7、平均一次粒子径0.024μm、比表
面積125m2/g(BET法)、DBP吸油量45ml
/100g、pH8.0、着色力140%、粉状)、官
能基を有する樹脂で被覆処理を行なったカーボンブラッ
ク(II)(ファーネスブラック、ピグメントブラック
7、平均一次粒子径0.024μm、比表面積75m2
g(BET法)、DBP吸油量45ml/100g、pH
5.0、着色力130%、粉状)を3:7の混合体とし
たもの40重量%、顔料分散剤として、ポリエステル系
高分子重合体、8重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸
透剤0.1重量%、ならびにイオン交換水を添加し全量
が100重量%となるようにして分散ミルベースを得
た。これをディスパーサー(1000rpm)で1時間
予備撹拌したのち、直径0.5mmのジルコニアビーズ
を85%充填した湿式粉砕装置により、周速8m/se
c、滞留時間5分で分散後、さらに周速12m/se
c、滞留時間25分で分散させ、得られた分散液を20
0メッシュの網で濾過した。さらに10μmのフィルタ
ー処理にて分散しえなかった粗大粒子を除去し、48重
量%の固形分濃度になるように調整し、電子写真用導電
性高濃度カーボンブラック分散体を得た。得られたカー
ボンブラック分散体は、実施例1のものと比較して、粘
度が非常に低く、分散安定性に欠け、室温にて10日後
にはカーボンブラックの沈降が認められた。
【0102】得られた電子写真用導電性高濃度カーボン
ブラック分散体に含有されている金属の量、その特性お
よびこれを用いて形成した塗膜の物性を実施例1と同様
にして調べた。その結果を表1に示す。
【0103】比較例3 カーボンブラック(ファーネスブラック、ピグメントブ
ラック7、平均一次粒子径0.031μm、比表面積8
00m2/g(BET法)、DBP吸油量360ml/1
00g、pH9.0)10.5重量%、顔料分散剤とし
てスチレン−無水マレイン酸共重合体(酸価200、重
量平均分子量11000)15.8重量%、エチレング
リコール3.5重量%、防腐剤0.1重量%、濡れ浸透剤
0.1重量%、およびイオン交換水を添加し100重量
%とした。分散ミルベースは、ディスパーサー(100
0rpm)で1時間予備撹拌したのち、直径1mmのガ
ラスビーズを80%充填し湿式粉砕装置により、周速1
0m/sec、滞留時間5分で分散させ、得られた分散
液を200メッシュの網で濾過した。
【0104】なお、比較例3では、カーボンブラックの
DBP吸油量、比表面積が高いため、分散適正および分
散安定性よりカーボンブラックの含有量を10.5%に
設定した。また、得られたカーボンブラックの分散体
は、分散性に劣るものであったため、フィルター処理は
行なわなかった。得られたカーボンブラック分散体に含
有されている金属の量、その特性およびこれを用いて形
成した塗膜の物性を実施例1と同様にして調べた。その
結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】表1に示された結果から、実施例1〜4で
得られたカーボンブラック分散体はNaが約35mg/
kg以下およびKが132mg/kg以下といずれの不
純物金属イオンの含有量もきわめて少ないほか、粘度が
350mPa・sよりも低く、40重量%といった高濃
度のカーボンブラックを含有していても流動性に適した
低粘度であり分散安定性も非常に良好であることがわか
る。しかも、これらのカーボンブラック分散体は、いず
れも平均粒子径が0.09μmよりも小さく、きわめて
微分散されたものであり、また導電率が約6100〜8
800μS/cmであるので半導電性領域において、安
定した電気的特性が得られ、好適な導電性を有するもの
であることがわかる。
【0107】さらに、前記のごときすぐれたカーボンブ
ラック分散体から形成された実施例1〜4における塗膜
は、いずれも反射濃度が1.5以上と漆黒性を有するも
のであり、また体積固有抵抗においてカーボンブラック
分散体を用いて得られる組成物において必要電気抵抗領
域でカーボンブラックの配合量と電気抵抗値の勾配を緩
やかにすることかできる。この勾配はカーボンブラック
(I)および(II)の配合比を任意に変えることによっ
て、比較的任意に変えることができることがわかる。ま
たカーボンブラック分散体が微分散であることから表面
の凸凹がきわめて少なく表面形状を均一化し帯電均一性
を有するとともに、良好な低摩擦性ならびに環境条件の
変動にも改善された耐汚染性および表面性を有するとも
にさらに半導電性領域における電気抵抗のばらつきが少
なく、安定した電気的特性が得られるものであることが
わかる。
【0108】これに対して、比較例で得られたカーボン
ブラック分散体は、分散安定性、粘性、電気的特性のい
ずれにおいても劣っていることがわかる。そして、これ
ら比較例で得られた分散体から形成された塗膜は、いず
れも反射濃度が1.5よりも小さく、漆黒性を有しない
ものであり、また体積固有抵抗においてもバラツキが大
きく安定した電気的特性が得られないことがわかる。と
くに比較例1は、体積固有抵抗において必要電気抵抗領
域でカーボンブラックの配合量と電気抵抗値の勾配が急
なため、カーボンブラック分散体の秤量誤差、不均一分
散により任意の電気抵抗値を出現させるのが極めて困難
であることがわかる。
【0109】また比較例2は、比較例1と相反し、高抵
抗域で安定した電気抵抗値が得られるが、必要電気抵抗
領域でカーボンブラックの配合量と電気抵抗値の勾配が
あまりにもゆるやかすぎて、半導電性領域における任意
の電気抵抗値が得られにくいことがわかる。
【0110】
【発明の効果】本発明の電子写真用導電性高濃度カーボ
ンブラック体は、カーボンブラックが水性媒体中に高濃
度で微分散され、分散安定性に優れることはもちろんの
こと、粘度が低く流動性に適し漆黒性を有するうえ、カ
ーボンブラック(I)および(II)を適温混合したこと
から、とくに半導電性領域における体積固有抵抗のバラ
ツキが少なく、安定した電気的特性が得られ、任意の導
電性がコントロール可能な導電性を有するものである。
また、かかる電子写真用導電性高濃度カーボンブラック
体は、本発明の製造方法によって容易に得ることができ
る。
【0111】前記のごときすぐれた電子写真用導電性高
濃度カーボンブラック体は、各種組成物に好適に使用す
ることができ、該電子写真用導電性高濃度カーボンブラ
ック体を含有した本発明の電子写真複写機用導電性ロー
ルインキ組成物および導電性塗料組成物は、すぐれた物
性を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 G03G 9/09 11/00 // C09D 11/00 H01B 1/24 A H01B 1/24 G03G 9/08 361 Fターム(参考) 2H005 CA03 CB18 EA01 EA05 EA07 EA10 4J037 AA02 CC13 CC15 CC16 CC21 CC22 CC23 CC24 CC26 CC27 DD05 DD07 DD17 DD24 DD27 EE03 EE33 EE43 FF05 FF11 FF15 FF23 4J038 CC022 CC032 CE022 CG032 CG141 CG142 CK032 DA042 DA102 DA162 DB002 DD002 DG002 DH002 HA026 KA08 KA09 KA12 KA15 KA20 MA08 MA10 NA20 PB08 PB09 4J039 AD03 AD04 AD06 AD08 AD09 AD14 AD15 AD23 AE04 AE05 AE06 AE08 AE11 BA04 BE22 BE25 BE29 CA06 EA19 EA24 EA44 GA15 5G301 DA18 DA42 DA51 DA53 DA59 DD02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DBP吸油量80ml/100g以下、
    平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積200m2
    /g以下、かつpHが中性またはアルカリ性であるカー
    ボンブラック(I)、および官能基を有する樹脂で被覆
    処理を行なったカーボンブラック(II)を1:9〜9:
    1の重量比で配合した混合体を、顔料分散剤によって水
    性媒体中に分散して得られた電子写真用導電性高濃度カ
    ーボンブラック分散体。
  2. 【請求項2】 カーボンブラック(II)が、官能基を有
    する水不溶性樹脂で表面を覆われた樹脂被覆カーボンブ
    ラックである請求項1記載の電子写真用導電性高濃度カ
    ーボンブラック分散体。
  3. 【請求項3】 カーボンブラック(I)および(II)の
    平均一次粒子径が、0.005〜0.03μmである請
    求項1または2記載の電子写真用導電性高濃度カーボン
    ブラック分散体。
  4. 【請求項4】 カーボンブラック(I)および(II)を
    精製することを特徴とする請求項1、2または3記載の
    電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
  5. 【請求項5】 カーボンブラック(I)および(II)が
    粉状であり、該カーボンブラックの着色力が95〜15
    5%である請求項1、2、3または4記載の電子写真用
    導電性高濃度カーボンブラック分散体。
  6. 【請求項6】 カーボンブラックの含有量が35重量%
    以上である請求項1、2、3、4または5記載の電子写
    真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
  7. 【請求項7】 顔料分散剤が、スチレンおよび/または
    スチレン誘導体からなる水性樹脂である請求項1、2、
    3、4、5または6記載の電子写真用導電性高濃度カー
    ボンブラック分散体。
  8. 【請求項8】 導電率が2000〜10000μS/c
    mである請求項1、2、3、4、5、6または7記載の
    電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
  9. 【請求項9】 平均粒子径が0.1μm以下である請求
    項1、2、3、4、5、6、7または8記載の電子写真
    用導電性高濃度カーボンブラック分散体。
  10. 【請求項10】 DBP吸油量80ml/100g以
    下、平均一次粒子径0.03μm以下、比表面積200
    2/g以下、かつpHが中性またはアルカリ性である
    カーボンブラック(I)、および官能基を有する樹脂で
    被覆処理を行なったカーボンブラック(II)を1:9〜
    9:1の重量比で配合した混合体を、顔料分散剤によっ
    て水性媒体中に高濃度で分散させて微粒子とすることを
    特徴とする電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分
    散体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラ
    ック分散体を含有する電子写真複写機用導電性ロールイ
    ンキ組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラ
    ック分散体を含有する導電性塗料組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9記載の電子写真用導電性高濃度カーボンブラ
    ック分散体を含有し、体積固有抵抗が1×105〜1×
    1010Ω・cmである導電部材。
JP2000130978A 2000-04-28 2000-04-28 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物 Expired - Lifetime JP4681710B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000130978A JP4681710B2 (ja) 2000-04-28 2000-04-28 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000130978A JP4681710B2 (ja) 2000-04-28 2000-04-28 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001311034A true JP2001311034A (ja) 2001-11-09
JP4681710B2 JP4681710B2 (ja) 2011-05-11

Family

ID=18639965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000130978A Expired - Lifetime JP4681710B2 (ja) 2000-04-28 2000-04-28 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4681710B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007026812A1 (ja) * 2005-09-02 2007-03-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 導電性ペーストおよびそれを用いた配線基板
WO2007043596A1 (ja) * 2005-10-11 2007-04-19 Tokai Carbon Co., Ltd. カーボンブラック水性顔料とその水性分散体の製造方法
JP2008056786A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 水性顔料分散液、その製造方法およびそれらを使用した物品
WO2008078497A1 (ja) * 2006-12-26 2008-07-03 Panasonic Corporation トナー及びトナーの製造方法
JP2009013306A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Honda Motor Co Ltd 炭素繊維強化シート状成形材料及びその製造方法
JP2009180874A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Tokai Carbon Co Ltd カーボンブラック分散体組成物及びフォトレジスト組成物
JP2009222956A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 電子写真用フルカラートナーの製造方法
JP2013177609A (ja) * 2005-05-16 2013-09-09 Cabot Corp カーボンブラックの混合物およびこれを含む製品
JP2013537570A (ja) * 2010-07-12 2013-10-03 ハンワ ケミカル コーポレイション 伝導性塗料組成物及びそれを用いた伝導膜の製造方法
WO2014185452A1 (ja) * 2013-05-14 2014-11-20 ライオン株式会社 カーボンブラック、導電性樹脂組成物及び電極合材
JP2014221889A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 ライオン株式会社 カーボンブラック
JP2014221888A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 ライオン株式会社 導電性樹脂組成物
JP2014534285A (ja) * 2011-09-30 2014-12-18 コーニング インコーポレイテッド ウルトラキャパシタ用導電性インクを作製するための炭素及び黒鉛の塩酸洗浄
JP2017155160A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 ナミックス株式会社 フィルム状樹脂組成物
JP2019114396A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 東洋インキScホールディングス株式会社 導電助剤分散液、その利用およびその製造方法
WO2023065430A1 (zh) * 2021-10-18 2023-04-27 深圳供电局有限公司 一种导电炭黑高效分散的高压电缆半导电屏蔽料及制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160987A (ja) * 1997-08-25 1999-03-05 Nippon Shokubai Co Ltd 疎水性微粒子分散剤およびこれを用いてなる疎水性微粒子分散体
JPH11158321A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Mikuni Shikiso Kk 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160987A (ja) * 1997-08-25 1999-03-05 Nippon Shokubai Co Ltd 疎水性微粒子分散剤およびこれを用いてなる疎水性微粒子分散体
JPH11158321A (ja) * 1997-11-27 1999-06-15 Mikuni Shikiso Kk 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013177609A (ja) * 2005-05-16 2013-09-09 Cabot Corp カーボンブラックの混合物およびこれを含む製品
JP2007066824A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 導電性ペーストおよびそれを用いた配線基板
WO2007026812A1 (ja) * 2005-09-02 2007-03-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. 導電性ペーストおよびそれを用いた配線基板
KR101226413B1 (ko) 2005-10-11 2013-01-24 도카이 카본 가부시키가이샤 카본블랙 수성 안료와 그 수성 분산체의 제조 방법
WO2007043596A1 (ja) * 2005-10-11 2007-04-19 Tokai Carbon Co., Ltd. カーボンブラック水性顔料とその水性分散体の製造方法
JP2007106796A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Tokai Carbon Co Ltd カーボンブラック水性顔料とその水性分散体の製造方法
JP2008056786A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 水性顔料分散液、その製造方法およびそれらを使用した物品
WO2008078497A1 (ja) * 2006-12-26 2008-07-03 Panasonic Corporation トナー及びトナーの製造方法
JP2009013306A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Honda Motor Co Ltd 炭素繊維強化シート状成形材料及びその製造方法
JP2009180874A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Tokai Carbon Co Ltd カーボンブラック分散体組成物及びフォトレジスト組成物
JP2009222956A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Ricoh Co Ltd 電子写真用フルカラートナーの製造方法
JP2013537570A (ja) * 2010-07-12 2013-10-03 ハンワ ケミカル コーポレイション 伝導性塗料組成物及びそれを用いた伝導膜の製造方法
JP2014534285A (ja) * 2011-09-30 2014-12-18 コーニング インコーポレイテッド ウルトラキャパシタ用導電性インクを作製するための炭素及び黒鉛の塩酸洗浄
JP2014221888A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 ライオン株式会社 導電性樹脂組成物
JP2014221889A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 ライオン株式会社 カーボンブラック
WO2014185452A1 (ja) * 2013-05-14 2014-11-20 ライオン株式会社 カーボンブラック、導電性樹脂組成物及び電極合材
KR20160010399A (ko) * 2013-05-14 2016-01-27 라이온 스페셜티 케미칼즈 가부시키가이샤 카본블랙, 도전성 수지 조성물 및 전극합재
CN105283514A (zh) * 2013-05-14 2016-01-27 狮王株式会社 炭黑、导电性树脂组合物以及电极混合材料
KR102141482B1 (ko) 2013-05-14 2020-08-10 라이온 스페셜티 케미칼즈 가부시키가이샤 카본블랙, 도전성 수지 조성물 및 전극합재
JP2017155160A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 ナミックス株式会社 フィルム状樹脂組成物
JP2019114396A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 東洋インキScホールディングス株式会社 導電助剤分散液、その利用およびその製造方法
JP6992490B2 (ja) 2017-12-22 2022-01-13 東洋インキScホールディングス株式会社 導電助剤分散液、その利用およびその製造方法
WO2023065430A1 (zh) * 2021-10-18 2023-04-27 深圳供电局有限公司 一种导电炭黑高效分散的高压电缆半导电屏蔽料及制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4681710B2 (ja) 2011-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4681710B2 (ja) 電子写真用導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物
JP5063663B2 (ja) 帯電ローラ、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2008285632A (ja) 高漆黒性カーボンブラック分散体及びその製造方法、並びに高漆黒性カーボンブラック分散体を用いた塗料組成物
US11360405B2 (en) Electrophotographic apparatus, process cartridge and cartridge set
JP3351726B2 (ja) 導電性高濃度カーボンブラック分散体およびその製造方法、ならびにそれからなる組成物
JP2007160299A (ja) 分散剤としての2,3−ジヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸塩の使用
JP2003162106A (ja) 導電ロール用導電材料及びこれを含有する分散液、並びに導電ロール及び導電ロール用塗料組成物
DE102012217977A1 (de) Oberflächenbeschichtung und Fixiereinheit
JP2001106938A (ja) ブラックマトリックス形成用レジスト用カーボンブラック分散液
DE102020106630B4 (de) Externes toneradditiv und toner
JP2019070118A (ja) アニリンブラック並びに該アニリンブラックを用いた樹脂組成物及び分散体
CN108962432A (zh) 一种石墨烯导电薄膜
DE69937438T2 (de) Trägerpartikeln für elektrostatographische Entwickler
JP4722412B2 (ja) 導電性酸化錫粉末、その製造方法、導電性ペースト及び導電性塗料
JP2005035809A (ja) フラーレン水性分散液
EP3137556B1 (en) Coated silver colored colorant
KR102065382B1 (ko) 정전 잉크 조성물
CN109021798A (zh) 一种用于保护薄膜的石墨烯导电涂料
JP3379872B2 (ja) 着色固体の濃色化剤及び濃色化方法
JP3606772B2 (ja) 透明帯電防止膜形成用塗料および透明帯電防止膜付基材
JP2001207079A (ja) 高抵抗性カーボンブラック及びカラーフィルター
JP2811611B2 (ja) フルオロカーボン塗料組成物
JPH06192597A (ja) 導電性塗料組成物およびそれを用いた導電性塗装物
JP3864030B2 (ja) 静電複写用トナー用酸化鉄粒子、静電潜像現像用キャリア用酸化鉄粒子、静電複写用トナー用酸化鉄粉末、静電潜像現像用キャリア用酸化鉄粉末、静電複写用トナー、静電潜像現像用キャリア、及び酸化鉄粒子の製造方法
JP4821094B2 (ja) 水性塗料組成物及びその製造方法、並びに塗布膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070413

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4681710

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term